(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】コンクリート調製及びレシピの最適化
(51)【国際特許分類】
B28C 7/04 20060101AFI20240125BHJP
C04B 14/06 20060101ALI20240125BHJP
C04B 20/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B28C7/04
C04B14/06 Z
C04B20/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543299
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 US2022012432
(87)【国際公開番号】W WO2022164654
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】パパニア-デイビス,アントニオ レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】トリート,ニール デビッド
(72)【発明者】
【氏名】リウ,キャシー フォン
(72)【発明者】
【氏名】グラバー,スコット
【テーマコード(参考)】
4G056
【Fターム(参考)】
4G056AA08
4G056CB01
4G056CB13
4G056CB35
4G056DA09
(57)【要約】
【課題】 目標の硬化後特性を達成するようにコンクリートを調製等することである。
【解決手段】 コンクリート混合物を調製するための方法、システム(100)、及びコンピュータ可読記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム。本方法は、貯蔵ホッパ(112a、112b、...、112n)からの複数の成分を測定して、混合容器(110)内のコンクリート混合物に添加するように成分計量システム(108)を制御することと、粒子分析装置(104)を使用して、成分のうちの少なくとも1つの成分の特性を測定することと、測定された特性に基づいて、コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することと、コンクリート混合物の実際のレオメトリ測定値を得ることと、推定レオメトリ測定値と実際のレオメトリ測定値との比較に基づいて、1つ以上の追加成分をコンクリート混合物に添加するように成分計量システム(108)を選択的に制御することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート混合物を調製する方法であって、
複数の成分を測定してコンクリート混合物に添加するように成分計量システムを制御することと、
粒子分析装置を使用して、前記成分のうちの少なくとも1つの成分の特性を測定することと、
前記測定された特性に基づいて、前記コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することと、
前記コンクリート混合物の実際のレオメトリ測定値を得ることと、
前記推定レオメトリ測定値と前記実際のレオメトリ測定値との比較に基づいて、1つ以上の追加成分を前記コンクリート混合物に添加するように成分計量システムを選択的に制御することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの成分の前記特性が、粒径分布、粒子形状分布、又は粒子球形度のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することが、前記特性に基づいて、前記少なくとも1つの成分の粒子充填効率を決定することと、前記粒子充填効率に少なくとも部分的に基づいて、前記推定レオメトリ測定値を決定することと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記粒子充填効率に少なくとも部分的に基づいて、前記推定レオメトリ測定値を決定することが、前記粒子充填効率を、実験的に決定された予想レオメトリ測定値に粒子充填効率を関連付ける多次元ルックアップテーブルと比較することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記粒子充填効率を決定することが、ベイズ最適化アルゴリズムへの入力として特性を適用することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
停止条件が達成されるまで前記コンクリート混合物を反復的に調整することを更に含み、各反復が、
前記コンクリート混合物のレオメトリ測定値を得ることと、
前記レオメトリ測定値に基づいて、前記コンクリート混合物が前記停止条件を満たすかどうかを決定することと、
前記レオメトリ測定値が前記停止条件を満たさないことに応答して、
目標コンクリート特性のセットを満たすために前記コンクリート混合物に添加される前記成分の1つ以上の追加部分を決定することと、
前記追加部分を測定して前記コンクリート混合物に添加するように前記成分計量システムを制御することと、
前記コンクリート混合物が前記停止条件を満たすと判定することに応答して、前記コンクリート混合物を前記反復的に調整することを停止することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記停止条件が、前記目標コンクリート特性のセットである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コンクリート混合物が前記停止条件を満たすかどうかを判定することが、前記レオメトリ測定値が、前記コンクリート混合物が閾値内で前記目標コンクリート特性のセットのうちの少なくとも1つを達成する可能性が高いことを示すかどうかを判定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記レオメトリ測定値が、前記コンクリート混合物が前記目標コンクリート特性のセットのうちの少なくとも1つを達成する可能性が高いことを示すかどうかを判定することが、既知のレオロジー特性を有するコンクリート混合物に実験的に得られた硬化後特性を関連付ける多次元ルックアップテーブルに基づいて、目標レオメトリパラメータを決定することと、
前記レオメトリ測定値を前記目標レオメトリパラメータと比較することと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
コンクリート混合システムであって、
混合容器と、
1つ以上の原料ホッパと、
前記1つ以上のホッパからの成分を測定して前記混合容器に添加するように構成されている成分計量システムと、
前記成分の特性を測定するように構成されている粒子分析システムと、
制御システムであって、
複数の成分を測定してコンクリート混合物に添加するように前記成分計量システムを制御することと、
前記粒子分析装置を使用して、前記成分のうちの少なくとも1つの成分の特性を測定することと、
前記測定された特性に基づいて、前記コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することと、
前記コンクリート混合物の実際のレオメトリ測定値を得ることと、
前記推定レオメトリ測定値と前記実際のレオメトリ測定値との比較に基づいて、1つ以上の追加成分を前記コンクリート混合物に添加するように成分計量システムを選択的に制御することと、を含む、動作を実行するように構成されている、制御システムと、
を備える、コンクリート混合システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの成分の前記特性が、粒径分布、粒子形状分布、又は粒子球形度のうちの1つ以上を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することが、前記特性に基づいて、前記少なくとも1つの成分の粒子充填効率を決定することと、前記粒子充填効率に少なくとも部分的に基づいて、前記推定レオメトリ測定値を決定することと、を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記粒子充填効率に少なくとも部分的に基づいて前記推定レオメトリ測定値を決定することが、前記粒子充填効率を、実験的に決定された予想レオメトリ測定値に粒子充填効率を関連付ける多次元ルックアップテーブルと比較することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記粒子充填効率を決定することが、ベイズ最適化アルゴリズムへの入力として特性を適用することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記動作が、
停止条件が達成されるまで前記コンクリート混合物を反復的に調整することを更に含み、各反復が、
前記コンクリート混合物のレオメトリ測定値を得ることと、
前記レオメトリ測定値に基づいて、前記コンクリート混合物が前記停止条件を満たすかどうかを決定することと、
前記レオメトリ測定値が前記停止条件を満たさないことに応答して、
目標コンクリート特性のセットを満たすために前記コンクリート混合物に添加される前記成分の1つ以上の追加部分を決定することと、
前記追加部分を測定して前記コンクリート混合物に添加するように前記成分計量システムを制御することと、
前記コンクリート混合物が前記停止条件を満たすと判定することに応答して、前記コンクリート混合物を前記反復的に調整することを停止することと、
を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記停止条件が、前記目標コンクリート特性のセットである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンクリート混合物が前記停止条件を満たすかどうかを判定することが、前記レオメトリ測定値が、前記コンクリート混合物が閾値内で前記目標コンクリート特性のセットのうちの少なくとも1つを達成する可能性が高いことを示すかどうかを判定することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記レオメトリ測定値が、前記コンクリート混合物が前記目標コンクリート特性のセットのうちの少なくとも1つを達成する可能性が高いことを示すかどうかを判定することが、既知のレオロジー特性を有するコンクリート混合物に実験的に得られた硬化後特性を関連付ける多次元ルックアップテーブルに基づいて、目標レオメトリパラメータを決定することと、
前記レオメトリ測定値を前記目標レオメトリパラメータと比較することと、
を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記粒子分析システムが、光学センサ又は機械センサからなるグループから選択される1つ以上のセンサを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
コンピュータプログラム命令で符号化された1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令が、1つ以上のコンピュータによって実行されたときに、前記1つ以上のコンピュータに、
複数の成分を測定してコンクリート混合物に添加するように成分計量システムを制御することと、
粒子分析装置を使用して、前記成分のうちの少なくとも1つの成分の特性を測定することと、
前記測定された特性に基づいて、前記コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することと、
前記コンクリート混合物の実際のレオメトリ測定値を得ることと、
前記推定レオメトリ測定値と前記実際のレオメトリ測定値との比較に基づいて、1つ以上の追加成分を前記コンクリート混合物に添加するように成分計量システムを選択的に制御することと、
を含む、動作を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月27日に出願された米国出願第17/159,496号の優先権の利益を主張するものであり、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは地球上で2番目に消費される物質(質量基準)であり、世界のCO2排出量の7~8%を占めている。コンクリートの材料特性は、成分材料(例えば、骨材)及び加工に大きなばらつきがあるために一貫性がない。この材料の不整合により、所与の性能レベルに対して大きな安全マージンが必要となり、材料の過剰使用をもたらす。伝統的なコンクリート成分と非伝統的なコンクリート成分の両方でコストを最小限に抑えながら、コンクリート性能を最大にするために局所的に利用可能な材料の使用を最適化することができるコンクリート調製の進歩が望まれている。
【発明の概要】
【0003】
一般に、本開示は、目標の硬化後特性を達成するようにコンクリートを調製及び混合するためのプロセス及びシステムに関する。特に、コンクリート成分は、コンクリート混合物への添加用に測定されるときに特性評価される。レオメトリ測定は、初期コンクリート混合物に対して実行される。成分が添加されたコンクリート混合物のレオメトリ測定値は、成分の測定された特性に基づいて推定することができる。レオメトリ測定値は、硬化後のコンクリートの特性を予測するために使用される。コンクリート混合物の実際のレオメトリ測定値を取得し、推定されたレオメトリと比較して、追加成分を添加するかどうかを決定することができる。システムは、レオメトリ測定値に基づいて、コンクリート混合物が所望の硬化後特性セットを達成する可能性が高いかどうかを決定することができる。そうでない場合、初期混合物は、コンクリート混合物が所望の硬化後特性を達成する可能性が高いことをレオメトリ測定値が示すまで反復プロセスによって調整される。
【0004】
反復調整プロセス中、レオメトリ測定値の変化を監視しながら、コンクリート成分の部分が、初期コンクリート混合物に徐々に添加される。コンクリート成分の追加部分は、コンクリート混合物が所望の硬化後特性を達成する可能性が高いことをレオメトリ測定値が示すまで添加される。そのような後硬化特性としては、圧縮強度、引張/曲げ強度、流動性、靭性、硬化時間、硬化プロファイル、仕上げ、密度(湿潤及び乾燥)、断熱、収縮、及びスランプを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0005】
いくつかの例では、成分は、それらが測定され、コンクリート混合物に添加されるときに、粒子分析装置によって特性評価される。例えば、骨材などの成分は、それらがホッパから分配されるときに、粒子分析装置によって監視することができる。粒子分析装置は、様々なセンサを使用して、粒径、粒径分布、粒子形状、及び/又は粒子表面積などの特性を検出する。成分が添加されたコンクリート混合物のレオメトリ測定値は、成分の測定された特性に基づいて推定することができる。推定レオメトリ測定値を、混合物の実際のレオメトリ測定値と比較して、コンクリートの所望の構造特性を達成するために、追加成分を添加する必要があるかどうかを決定することができる。
【0006】
硬化後特性は、例えば、既知のレオロジー特性を有する混合物に実験的に得られた硬化後特性を関連付ける多次元ルックアップテーブルを使用することによって、理論的及び分析的粒子充填モデルに基づくベイズ最適化アルゴリズムをレオメトリ測定に適用することによって、又はそれらの組み合わせによって、レオメトリ測定値から決定することができる。
【0007】
本明細書で説明される主題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。主題の他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1のコンクリート調製システムの例示的な制御システムのブロック図を示す。
【
図3】
図1のコンクリート調製システムを動作させるための例示的なプロセスを例示するフロー図を示す。
【
図4】本明細書に記載されたコンピュータ実装方法及び他の技術のいずれかに適用してもよいコンピュータシステムの概略図を示す。 種々の図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、例示的なコンクリート調製システム100を示す。コンクリート調製システム100。動作中、コンクリート調製システム100は、コンクリート混合物の原材料の特性を測定する。コンクリート調製システム100は、最終硬化コンクリートにおける所望の構造特性をより正確に達成するために、測定された特性に基づいて、コンクリート混合物に添加される原材料の割合を適応的に調整することができる。システム100の動作を、
図2及び
図3を参照して以下でより詳細に説明する。
【0010】
コンクリート調製システム100は、制御システム102を含む。制御システム102は、粒子分析システム104及びコンクリート混合センサ106から入力を受信する。制御システム102は、粒子分析システム110及びコンクリート混合センサ106の一方又は両方から得られたデータの分析に基づいて、1つ以上の成分計量システム108の動作を制御することができる。
【0011】
コンクリート調製システム100は、原材料貯蔵ベイ又はホッパ112a~112nを含む。成分計量システム108は、原材料を貯蔵ベイ112a~112nから混合容器110に搬送する。例えば、成分計量システム108は、原材料を貯蔵ベイ112a~112nから混合容器110内に移送するための一連のコンベヤ及びオージェを含むことができる。コンクリート調製システム100は、原料が、混合容器110への送達前に、粒子分析システム104を通過するという点で、従来のコンクリートプラントとは異なる。
【0012】
いくつかの実装形態では、成分計量システム108は、粒子分析システム104と混合容器110との間に、計量ホッパ114を含むことができる。計量ホッパ114は、原材料が粒子分析システム104を通過する際に、原材料を収集及び測定(例えば、秤量)するために使用されてもよい。例えば、計量ホッパ114によって測定された成分の重量は、制御システム100に渡され、制御システムがリアルタイムで測定されている成分の重量を監視することができる。次いで、制御システム102は、粒子分析システム104からの成分のリアルタイム粒子分析に基づいて、コンクリート混合物に添加する成分の量に対して現場調整を行うことが可能であり得る。いくつかの実装形態では、コンクリート調製システム100は、従来のレディミックスコンクリートプラントに据え付けることができる。例えば、コンクリート調製システム100をレディミックスプラントに添加することにより、レディミックスプラントは、特定の用途及び作業現場に合わせてコンクリート混合物をより正確に調整することが可能となり得る。
【0013】
粒子分析システム104は、コンクリート成分の様々な特性を測定するように構成された様々な異なるセンサを含むことができる。例えば、粒子分析システム104によって使用されるセンサとしては、光学センサ(例えば、可視光カメラ、赤外線カメラ、動的光学顕微鏡センサ)及び機械センサ(例えば、ふるい、セディグラフ、衝撃ハンマー、電気力学的振動子)を挙げることができるが、これらに限定されない。測定データは、コンクリート混合物の成分の特性を決定するために、制御システム102によって使用される。例えば、成分特性しては、粒径、粒子形状、表面積、及び粒子球形度を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0014】
粒子分析システム104のセンサは、成分がコンクリート混合物に添加されるときに、コンクリート成分の測定データを得るように配置されている。例えば、いくつかの実装形態では、原材料を混合容器110に搬送するために使用されるコンベヤ又はシュートに沿って光学センサをアレイ状に配置することができる。光学センサは、成分の画像を制御システム102に送信することができ、制御システムは、(以下でより詳細に説明するように)画像処理アルゴリズムを使用して粒子の形状及びサイズを識別することができる。
【0015】
いくつかの実装形態は、サイズによって成分の粒子を分離するための一連のふるいを含み得る。そのような実装形態では、光学センサを各ふるいに近接して位置付けて、ふるいを通過する粒子の画像を捕捉することができる。次いで、画像を使用して、例えば、各ふるいから出る粒子の各サイズ範囲のおおよその数を決定することができる。そのような実装形態では、分離された粒子は、混合容器110に添加される前に再結合されてもよい。
【0016】
コンクリート混合物センサ106は、コンクリート混合物のレオメトリ測定値を制御システム102に提供する。例えば、コンクリート混合物センサ106は、コンクリート混合物のリウマチ特性をリアルタイムで推定又は計算するために使用し得るコンクリート混合物の様々な特質を測定することができる。コンクリート混合物センサ106としては、粘度センサ、レオメーター、温度センサ、水分センサ、超音波センサ(例えば、超音波パルス速度センサ)、電気特性センサ(例えば、電極、電気抵抗プローブ)、電磁センサ(例えば、短パルスレーダー)、又は他のセンサ(例えば、受振器、加速度計)を挙げることができるが、これらに限定されない。コンクリート混合センサ106としては、疎水性、水分含有量、XRDスペクトル、XRFスペクトル、静的降伏応力、音響インピーダンス、p波速度、動的降伏応力、静的弾性率、ヤング率、体積弾性率、せん断弾性率、動的弾性率(dynamic modulus of elasticity、DME)、ポアソン比、密度、共振周波数、核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance、NMR)、誘電率、電気抵抗率、分極電位、及びキャパシタンスを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0017】
例えば、粘度、湿度、及び温度センサを混合容器110内に設置することができる。これらのセンサを使用して、コンクリート混合物のレオロジー特性、例えば、混合物の粘度の経時的な変化を、異なる含水量レベル及び温度で測定することができる。以下でより詳細に説明するように、制御システム102は、レオメトリ測定値を使用して、所望のコンクリート特性を得るためにコンクリート混合物に追加成分を添加すべきかどうか、及びどの程度添加すべきかを決定することができる。
【0018】
図2は、コンクリート調製システム100の例示的な制御システム102のブロック図である。システム102は、コンクリート混合センサ106、粒子分析システム104の粒子分析センサ204、成分計量システム108の動作を制御することができる計量制御システム208と通信する、コンピューティングシステム202を含む。コンピューティングシステム202は、コンクリート調製プロセスの様々な態様を制御するように構成される。例えば、コンピューティングシステム202は、本明細書に記載のコンクリート調製プロセスの態様の実行を制御するための1つ以上のコンピュータ命令セットを記憶及び実行することができる。コンピューティングシステム202は、1つ以上のコンピューティングデバイスのシステムを含むことができる。コンピューティングデバイスは、例えば、1つ以上のサーバのシステムであり得る。例えば、第1のサーバは、コンクリート混合センサ106及び粒子分析センサ204からデータを受信して処理するように構成することができる。別のサーバは、計量制御システム208とインターフェースし、第1のサーバからの分析結果に基づいて制御コマンドを発行するように構成することができる。
【0019】
いくつかの実装形態では、コンピューティングシステム202は、ユーザコンピューティングデバイス203から動作又は制御することができる。ユーザコンピューティングデバイス203は、コンピューティングデバイス、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は他のポータブル又は固定コンピューティングデバイスであり得る。
【0020】
簡単に説明すると、コンピューティングシステム202は、コンクリート混合物を調製するために、全体的なコンクリート調製システム100を制御することができる。コンピューティングシステム202は、粒子分析センサ204を使用して、コンクリート成分がコンクリート混合物に添加されるときに、コンクリート成分を特性評価することができる。コンピュータシステム202は、コンクリート混合物が混合容器110内で混合されるときに、混合センサ106からレオメトリ測定値を得る。本システムは、レオメトリ測定値を推定レオメトリ測定値と比較し、例えば、コンクリート混合物が所望の硬化後の機械的特性を満たすかどうか、又は追加成分を添加すべきかどうかを判定する。
【0021】
いくつかの実装形態では、コンピューティングシステム202は、コンクリート添加剤製造プロセスの異なる態様を制御するための動作モジュール210のセットを含むことができる。動作モジュール210は、1つ以上のコンピュータ実行可能ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、又はそれらの組み合わせとして提供することができる。例えば、動作モジュール210のうちの1つ以上は、コンピューティングシステム202の1つ以上のプロセッサに本明細書に記載の動作を実行させる命令を有するソフトウェアコードのブロックとして実装することができる。加えて、又は代替的に、動作モジュールのうちの1つ以上を、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルロジックアレイ(field programmable logic array、FPGA)、又は特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)などの電子回路に実装することができる。動作モジュール210は、成分添加コントローラ212、粒子分析装置コントローラ214、レオメトリ推定アルゴリズム216、レオメトリ測定アルゴリズム218、及び1つ以上のルックアップテーブル220を含むことができる。
【0022】
成分添加コントローラ212は、計量制御システム208とインターフェースして、コンクリート混合容器110への成分の添加を制御する。例えば、成分添加コントローラ212は、コンピューティングシステム202から計量制御システム208にコマンドを発行して、混合容器110におけるコンクリート混合物への成分の添加を制御することができる。
【0023】
粒子分析装置コントローラ214は、粒子分析システム104の粒子分析センサ204とインターフェースする。粒子分析装置コントローラ214は、粒子分析センサ204からデータを受信してバッファリングする。粒子分析装置コントローラ214は、センサデータを処理して、分析された各成分の粒子特性を決定することができる。例えば、以下でより詳細に説明するように、粒子分析装置コントローラ214は、データ分析アルゴリズムを実行してセンサデータを解釈し、粒径分布、粒子形状分布、及び粒子表面積分布を含むがこれらに限定されない粒子特性を決定することができる。
【0024】
制御システムは、レオメトリ推定アルゴリズム216を使用して、成分の粒子特性に基づいて所与のコンクリート混合物のレオメトリパラメータを推定することができる。例えば、レオメトリ推定アルゴリズム216は、ルックアップテーブル220を使用して、推定レオメトリ測定値を決定することができる。コンピューティングシステムは、コンクリート粒子特性を実験的に決定されたレオメトリパラメータに相関させるルックアップテーブル220を含むことができる。いくつかの実装形態では、レオメトリ推定アルゴリズム216は、粒子パラメータから粒子充填効率を推定するアルゴリズムと、粒子充填効率を実験的に決定されたレオメトリパラメータと相関させるルックアップテーブル220とを含む。次いで、コンピューティングシステム202は、推定された粒子充填効率をルックアップテーブル220内のデータと比較して、コンクリート混合物のレオメトリパラメータを推定することができる。
【0025】
いくつかの実装形態では、レオメトリ推定アルゴリズム216は、粒子特性に基づいて、成分の充填効率を決定するための充填効率モデルを含む。モデルは、粒子の充填効率を決定し、混合物のレオメトリパラメータを推定するための理論的及び分析的な粒子充填モデルベースのベイズ最適化アルゴリズム、又は他の機械学習モデルであり得る。
【0026】
いくつかの実装形態では、レオメトリ推定アルゴリズム216は、測定された粒子特性からコンクリート混合物の粒子充填効率及び/又はレオメトリパラメータを推定するための機械学習モデルを含むことができる。例えば、機械学習モデルは、コンクリート成分の粒子特性を入力として受信し、予測出力、例えば、粒子充填効率の推定値、コンクリート混合物のレオメトリパラメータの推定値、又はその両方を生成するために実験データで訓練されたモデルを含むことができる。いくつかの実装形態では、機械学習モデルは、モデルの複数の層を使用して受信した入力に対して出力を生成する深層学習モデルである。深層ニューラルネットワークは、出力層と、各々が受信した入力に非線形変換を適用して出力を生成する1つ以上の隠れ層とを含む、深層機械学習モデルである。いくつかの例では、ニューラルネットワークは、リカレントニューラルネットワークであってもよい。リカレントニューラルネットワークは、入力シーケンスを受信し、入力シーケンスから出力シーケンスを生成するニューラルネットワークである。特に、リカレントニューラルネットワークは、入力シーケンス内の前の入力を処理した後のネットワークの内部状態の一部又は全部を使用して、入力シーケンス内の現在の入力から出力を生成する。いくつかの他の実装形態では、機械学習モデルは畳み込みニューラルネットワークである。いくつかの実装形態では、機械学習モデルは、上述のアーキテクチャの全て又はサブセットを含んでもよいモデルのアンサンブルである。
【0027】
いくつかの実装形態では、機械学習モデルは、フィードフォワードオートエンコーダニューラルネットワークであり得る。例えば、機械学習モデルは、3層オートエンコーダニューラルネットワークであり得る。機械学習モデルは、入力層、隠れ層、及び出力層を含んでもよい。いくつかの実装形態では、ニューラルネットワークは、層間の反復接続を有しない。ニューラルネットワークの各層は、次の層に完全に接続されていてもよく、層間にプルーニングがなくてもよい。ニューラルネットワークは、ネットワークを訓練し、更新された層の重みを計算するために、ADAMオプティマイザー、又は任意の他の多次元オプティマイザーを含んでもよい。いくつかの実装形態では、ニューラルネットワークは、入力データをネットワークに供給する前に、畳み込み変換などの数学的変換を入力データに適用してもよい。
【0028】
いくつかの実装形態では、機械学習モデルは、教師ありモデルであり得る。例えば、トレーニング中にモデルに提供される各入力について、機械学習モデルに、正しい出力が何であるべきかについて指示することができる。機械学習モデルは、バッチ訓練を使用することができ、利用可能な例のセット全体の代わりに、各調整の前に例のサブセットで訓練することができる。これは、モデルを訓練する効率を改善してもよく、モデルの一般化可能性を改善してもよい。機械学習モデルは、折り畳み交差検証を使用してもよい。例えば、訓練に利用可能なデータの一部(「折り目」)を訓練から除外し、後の試験段階で使用して、モデルがどの程度良好に一般化するかを確認することができる。いくつかの実装形態では、機械学習モデルは教師なしモデルであってもよい。例えば、モデルは、その性能に関するフィードバックに基づくのではなく、例間の数学的距離に基づいてそれ自体を調整してもよい。
【0029】
機械学習モデルを訓練して、混合物に対する成分の測定された特性に基づいて、コンクリート混合物のレオメトリパラメータを推定することができる。いくつかの例では、機械学習モデルは、コンクリート成分の既知の特性を実験的に決定されたレオメトリパラメータに関連付ける実験的に決定されたデータで訓練することができる。
【0030】
コンピューティングシステム202は、種々の測定パラメータをコンクリート混合物又は硬化後コンクリートの実験的に決定された特性に相関させる、1つ以上のルックアップテーブル220を記憶することができる。例えば、ルックアップテーブル220は、所望の硬化後コンクリート特性をコンクリート混合物レオメトリパラメータに相関させるテーブル、成分特性を粒子充填効率に相関させるテーブル、及び成分特性を混合物遠隔パラメータに相関させるテーブルのうちの1つ以上を含むことができる。各ルックアップテーブルは、測定可能なコンクリートパラメータ、コンクリート混合物パラメータ、又は実験的に決定されたパラメータに対する成分特性を含む多次元データ構造であり得る。
【0031】
図3は、コンクリート調製システム100の動作を制御するためのプロセス300を例示するフロー図である。プロセス300は、1つ以上のコンピューティングデバイスによって実行することができる。例えば、上述したように、プロセス300は、
図2のコンピューティングシステム202によって実行してもよい。便宜上、プロセス300の動作は、制御システムによって実行されるものとして説明する。しかしながら、上述したように、動作の一部又は全ては、積層造形制御システムの様々な動作モジュールによって実行してもよい。
【0032】
制御システムは、目標コンクリート特性を得る(302)。例えば、制御システムは、目標硬化後コンクリート特性をユーザから得ることができる。硬化後特性としては、圧縮強度、引張強度、及び熱膨張/収縮特性を挙げることができるが、これらに限定されない。制御システムは、例えば、ユーザによって提供される入力として、目標特性を受信することができる。
【0033】
いくつかの実装形態では、制御システムは、目標硬化後特性を生じる、コンクリート混合物の目標レオロジーを推定することができる。例えば、レオメトリ推定アルゴリズムを使用して、目標硬化後特性からコンクリート混合物の目標レオロジー測定値を推定することができる。目標硬化後特性は、様々な異なるコンクリート混合物から実験的に得られた硬化後特性のルックアップテーブルのエントリと比較することができる。ルックアップテーブルは、様々なコンクリート混合レオメトリパラメータを硬化後特性と関連付ける、多次元テーブルであり得る。本システムは、入力された目標特性を、ルックアップテーブル220内のエントリと比較して、コンクリート混合物の目標レオメトリパラメータを識別することができる。
【0034】
制御システムは、コンクリート混合物に添加するためのコンクリート成分を特性評価する(304)。例えば、制御システムは、成分(例えば、砂、骨材など)がコンクリート混合容器に搬送されるときに、粒子分析システムから測定データを得ることができる。上述のように、制御システムは、粒子分析システムの様々な粒子センサからデータを受信することができる。制御システムは、センサデータを分析して、成分がコンクリート混合容器に搬送されるときに、成分のうちの1つ以上を特性評価することができる。例えば、制御システムは、画像分析アルゴリズムを使用して、粒子がシュートを通って又はコンベヤベルト上を搬送されるときに、骨材粒子の一般的な形状及びサイズを検出することができる。
【0035】
制御システムは、骨材粒子の様々な形状及びサイズの分布を推定することができる。例えば、制御システムは、骨材内の粒径分布のヒストグラム及び骨材内の粒子形状分布のヒストグラムを作成することによって、成分(例えば、骨材)を特性評価することができる。制御システムは、画像分析アルゴリズムを使用して、一連のサイズ範囲(例えば、2mm超、2mm~3mm、3mm~4mm、4mm~5mmなど)のそれぞれの内の骨材粒子の概数を得ることができる。いくつかの実装形態では、制御システムは、同様に画像分析アルゴリズムを使用して、様々な形状又は球形度を有する骨材粒子の概数を得ることができる。いくつかの実装形態では、コンピューティングシステムは、サイズ及び形状分布の両方によって粒子を特性評価することができる。
【0036】
いくつかの実装形態では、制御システムは、コンクリート用の「基本」レシピを選択する。「基本」レシピは、目標レオメトリパラメータに近似するコンクリート混合物用の初期成分のセットであってもよい。例えば、制御システムは、コンクリート混合物の目標レオメトリ及び/又は追加のユーザ入力に基づいて、「基本」レシピを選択することができる。例えば、制御システムは、「基本」レシピを選択するために、レオメトリパラメータをコンクリート混合物の基本成分と関連付ける、第2のルックアップテーブルを使用することができる。次いで、制御システムは、成分計量システムを制御して、基本レシピの成分をコンクリート混合容器内に搬送し始めることができる。次いで、制御システムは、上述のように、成分が混合容器に添加されるときに、成分を分析することができる。
【0037】
制御システムは、コンクリート混合物のレオメトリ測定値を推定する(306)。例えば、制御システムは、成分の粒子特性を使用して、コンクリート混合物のレオメトリパラメータを推定することができる。制御システムは、充填効率モデルを使用して、粒子特性に基づいて、成分の充填効率を決定することができる。いくつかの実装形態では、制御システムは、理論的及び分析的な粒子充填モデルベースのベイズ最適化アルゴリズム、又は他の機械学習モデルを使用して、粒子の充填効率を決定し、混合物のレオメトリパラメータを推定することができる。
【0038】
いくつかの実装形態では、制御システムは、実験データのルックアップテーブルを使用して、測定された粒子特性(例えば、サイズ/形状分布)を実験的に決定されたレオメトリパラメータと関連付けることができる。例えば、コンピューティングシステムは、測定された粒子特性をルックアップテーブル内のエントリと比較し、ルックアップテーブル内の実験的に決定されたレオメトリパラメータの相関エントリに基づいて、コンクリート混合物のレオメトリパラメータを推定することができる。いくつかの例では、制御システムは、測定された粒子特性がテーブルエントリと正確に一致しない場合、ルックアップテーブル内のエントリ間を補間するか、又はテーブルデータを外挿してもよい。
【0039】
いくつかの実装形態では、制御システムは、粒径特性とレオメトリパラメータとの間の実験的に決定された相関関係を使用して訓練された機械学習モデルを含む。そのような実装形態では、制御システムは、コンクリート成分の粒子特性を、入力データベクトルとして訓練された機械学習モデルに提供することができる。機械学習モデルは、入力粒子特性を、結果として得られたコンクリート混合物の予想レオメトリパラメータと相関させ、予想レオメトリパラメータを出力することができる。
【0040】
いくつかの実装形態では、推定レオメトリパラメータは、目標レオメトリパラメータと比較することができる。推定レオメトリパラメータが、目標レオメトリパラメータとは閾値量だけ異なる場合、制御システムは、成分計量システムを制御して、コンクリート混合物に追加成分を添加し、例えば、混合物のレオメトリを先制して調整することができる。例えば、制御システムは、成分の粒子の実際の特性が、目標レオメトリパラメータを達成するために予想されたであろう特性と異なったかどうかを判定することができる。制御システムは、成分粒子の予想充填効率を、測定された粒子特性に基づいて決定された充填効率と比較することができる。次いで、制御システムは、推定レオメトリパラメータをシフトさせて目標レオメトリパラメータとより厳密に一致させる様式で、コンクリート混合物中の成分の充填効率を改変する、1つ以上の追加成分(最初に添加されたものとは異なり得る)を識別することができる。制御システムは、目標パラメータから逸脱しているパラメータ、その差異の大きさ、差異の方向(例えば、推定パラメータが目標パラメータよりも大きいか小さいか)、又はそれらの組み合わせに基づいて、添加する異なる成分を選択し得る。例えば、制御システムは、測定された粒子特性に基づいて、目標粘度よりも低いコンクリート混合物の粘度を推定することができる。制御システムは、測定された粒子特性から、コンクリート混合物に添加された骨材の個々の粒子の分布サイズが予想よりも大きかったことを判定し得る。例えば、20mmの骨材が、「基本」レシピの一部として選択されていてもよい。しかしながら、骨材の平均サイズは、充填効率を低下させる閾値(例えば、5mm)だけ20mmを超える場合があり、したがって、結果的に予想粘度が目標粘度よりも低くなる。結果として、制御システムは、コンクリート混合物への添加用に、コンクリート混合物の充填効率及び粘度を増加させる骨材、例えば、より小さいサイズの骨材を選択することができる。次いで、プロセス300は、ステップ304に戻り、制御システムは、成分計量システムを制御して、選択された骨材を添加し、特性評価する。プロセス300は、推定レオメトリパラメータが目標レオメトリパラメータの閾値量内になるまで、ステップ304及びステップ306を繰り返すことができる。
【0041】
制御システムは、コンクリート混合物の実際のレオメトリ測定値を得る(308)。例えば、制御システムは、コンクリート混合物が混合容器内で混合されている間に、コンクリート混合物のレオメトリパラメータを示す測定データを、混合センサから受信することができる。いくつかの実装形態では、制御システムは、混合容器内の混合機器の動作を制御して、センサを補完することができる。例えば、制御システムは、混合機器の速度を制御して、コンクリート混合物の粘度及び/又はせん断測定値を得ることができる。
【0042】
制御システムは、追加成分を添加する必要があるかどうかを判定し、追加成分を選択的に添加する(310)。例えば、制御システムは、測定されたレオメトリパラメータを目標レオメトリパラメータと比較して、コンクリート混合物が、目標パラメータにどれだけ厳密に適合するかを判定することができる。上述したように、混合物の目標レオメトリパラメータは、(例えば、実験データに基づいて)コンクリートの硬化後構造特性の代用として機能することができる。測定されたレオメトリパラメータが、目標レオメトリパラメータとは閾値量だけ異なる場合、制御システムは、成分計量システムを制御して、コンクリート混合物に追加成分を添加し、混合物のレオメトリを調整することができる。次いで、制御システムは、測定されたレオメトリパラメータをシフトさせて目標レオメトリパラメータとより厳密に一致させる様式で、コンクリート混合物のレオメトリを改変する、1つ以上の追加成分(最初に添加されたものとは異なり得る)を識別することができる。制御システムは、目標パラメータから逸脱しているパラメータ、その差異の大きさ、差異の方向(例えば、推定パラメータが目標パラメータよりも大きいか小さいか)、又はそれらの組み合わせに基づいて、添加する異なる成分を選択し得る。例えば、制御システムは、目標粘度よりも高いコンクリート混合物の粘度を測定し得る。結果として、制御システムは、コンクリート混合物への添加用に、コンクリート混合物の充填効率及び粘度を減少させる骨材、例えば、より小さいサイズの骨材を選択することができる。代替的に、測定された粘度と目標粘度との間の差異の大きさが小さい場合、制御システムは、粘度を低下させるために、いくらかの追加の水を添加することを選択することができる。次いで、プロセス300は、ステップ304に戻り、制御システムは、成分計量システムを制御して、選択された成分を添加し、特性評価する。プロセス300は、測定されたレオメトリパラメータが目標レオメトリパラメータの閾値量内になるまで、ステップ304~ステップ310を繰り返し得る。目標レオメトリパラメータが達成される(例えば、閾値内になる)と、コンクリート混合プロセスが完了する(312)。
【0043】
図4は、コンピュータシステム400の概略図である。システム400は、いくつかの実装形態によれば、前述のコンピュータ実装方法のいずれかに関連して説明された動作を実行するために使用することができる。いくつかの実装形態では、本明細書に記載のコンピューティングシステム及びデバイス並びに機能動作は、デジタル電子回路、有形に具現化されたコンピュータソフトウェア又はファームウェア、本明細書に開示された構造(例えば、システム400)及びそれらの構造的均等物を含むコンピュータハードウェア、又はそれらの1つ以上の組み合わせで実装することができる。システム400は、モジュール式車両のベースユニット又はポッドユニット上に設置された車両を含む、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを含むことを意図している。システム400はまた、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、及び他の同様のコンピューティングデバイスなどのモバイルデバイスを含むことができる。更に、本システムは、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)フラッシュドライブなどのポータブル記憶媒体を含むことができる。例えば、USBフラッシュドライブは、オペレーティングシステム及び他のアプリケーションを記憶してもよい。USBフラッシュドライブは、別のコンピューティングデバイスのUSBポートに挿入されてもよい無線トランスデューサ又はUSBコネクタなどの入力/出力コンポーネントを含むことができる。
【0044】
システム400は、プロセッサ410と、メモリ420と、記憶装置430と、入出力装置440と、を含む。コンポーネント410、420、430及び440の各々は、システムバス450を使用して相互接続されている。プロセッサ410は、システム400内で実行するための命令を処理することができる。プロセッサは、いくつかのアーキテクチャのいずれかを使用して設計されてもよい。例えば、プロセッサ410は、CISC(Complex Instruction Set Computer)プロセッサ、RISC(Reduced Instruction Set Computer)プロセッサ、又はMISC(Minimal Instruction Set Computer)プロセッサであってもよい。
【0045】
一実装形態では、プロセッサ410は、シングルスレッドプロセッサである。別の実装形態では、プロセッサ410は、マルチスレッドプロセッサである。プロセッサ410は、メモリ420又は記憶装置430に記憶された命令を処理して、入出力装置440上のユーザインターフェースのためのグラフィック情報を表示することができる。
【0046】
メモリ420は、システム400内の情報を記憶する。一実装形態では、メモリ420は、コンピュータ可読媒体である。一実装形態では、メモリ420は、揮発性メモリユニットである。別の実装形態では、メモリ420は、不揮発性メモリユニットである。
【0047】
記憶装置430は、システム400に大容量ストレージを提供することができる。一実装形態では、記憶装置430は、コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態では、記憶装置430は、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、又はテープ装置であってもよい。
【0048】
入出力装置440は、システム400のための入出力動作を提供する。一実装形態では、入出力装置440は、キーボード及び/又はポインティングデバイスを含む。別の実装形態では、入出力装置440は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するための表示ユニットを含む。
【0049】
説明した特徴は、デジタル電子回路、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装することができる。本装置は、プログラム可能なプロセッサによる実行のために、情報キャリア、例えば、機械可読記憶装置に有形に具現化されたコンピュータプログラム製品で実装することができ、方法ステップは、入力データを動作して出力を生成することによって、記載された実装形態の機能を実行する命令のプログラムを実行するプログラム可能なプロセッサによって実行することができる。説明した特徴は、データ記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び命令を受信し、データ記憶システムにデータ及び命令を送信するように結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能な1つ以上のコンピュータプログラムで有利に実装することができる。コンピュータプログラムは、特定の活動を実行するか、又は特定の結果をもたらすために、コンピュータにおいて直接的又は間接的に使用することができる命令のセットである。コンピュータプログラムは、コンパイル言語又はインタプリタ言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしての形態を含む、任意の形式で展開することができる。
【0050】
命令のプログラムの実行に適したプロセッサは、一例として、汎用及び専用のマイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のコンピュータの単独のプロセッサ又は複数のプロセッサのうちの1つを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリである。一般に、コンピュータはまた、データファイルを記憶するための1つ以上の大容量記憶装置を含むか、又はそれと通信するように動作可能に結合され、そのような装置としては、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、及び光ディスクが含まれる。コンピュータプログラム命令及びデータを実体的に具現化するのに適した記憶装置は、一例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスク、リムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリを含む。プロセッサ及びメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補完するか、又はASICに組み込むことができる。
【0051】
ユーザとの対話を提供するために、この特徴は、ユーザに情報を表示するためのCRT(cathode ray tube、陰極線管)又はLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)モニタなどの表示装置と、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びマウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスとを有する、コンピュータ上に実装することができる。加えて、そのような活動は、タッチスクリーン式フラットパネルディスプレイ及び他の適切な機構を介して実装することができる。
【0052】
このような特徴は、データサーバなどのバックエンドコンポーネントを含む、又はアプリケーションサーバ若しくはインターネットサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含む、又はグラフィカルユーザインターフェース若しくはインターネットブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネントを含む、又はそれらの任意の組み合わせのコンピュータシステムに実装することができる。システムのコンポーネントは、通信ネットワークなどの任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信によって接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(local area network、「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、「WAN」)、ピアツーピアネットワーク(アドホック又はスタティックメンバを有する)、グリッドコンピューティングインフラストラクチャ、及びインターネットが挙げられる。
【0053】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般に、互いに遠隔にあり、典型的には、記載されたものなどのネットワークを介して対話する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0054】
本明細書は多くの具体的な実装形態の詳細を含むが、これらは、任意の発明の範囲又は特許請求されてもよいものに対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実装形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実装形態の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴は、単一の実装形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装形態の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実装形態において別々に、又は任意の適切な副次的組み合わせで実装することもできる。更に、特徴は、ある特定の組み合わせで作用するものとして上記で説明され、かつ最初にそのように特許請求されることさえあり得るが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除され得、特許請求された組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形に向けられ得る。
【0055】
同様に、動作は特定の順序で図面に描写されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で若しくは連続的な順序で実施されること、又は全ての例示された動作が実施されることを必要とすると理解されるべきではない。ある特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。更に、上述の実装形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実装形態においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、説明されたプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化することができると理解すべきである。
【0056】
したがって、本主題の特定の実装形態について説明した。他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。いくつかの例では、特許請求の範囲に記載の動作は、異なる順序で実行することができ、それでもなお望ましい結果を達成することができる。更に、添付の図面に示されているプロセスは、望ましい結果を達成するために、示されている特定の順序、又は連続する順序を必ずしも必要としない。特定の実装形態では、マルチタスク処理及び並列処理が有利である場合がある。
【0057】
本明細書で使用される場合、「レディミックス」という用語は、現場で混合される代わりに中央プラントからの送達のためにバッチ処理されるコンクリートを指す。通常、レディミックスのバッチは、特定の建設プロジェクトの仕様に従って特注され、通常は「コンクリートミキサ」と呼ばれることが多い円筒形トラック内で、塑性状態で送達される。
【0058】
本明細書で使用される場合、「リアルタイム」という用語は、システムの処理の制限、データを正確に取得するのに必要な時間、及びデータの変化率を考慮して、意図的に遅延させることなくデータを送信又は処理することを指す。実際には多少の遅延が発生する場合もあるが、遅延は一般にユーザには知覚できない。
【0059】
開示された発明概念は添付の特許請求の範囲で定義されたものを含むが、本発明概念は以下の実施形態に従って定義することもできることを理解されたい。
【0060】
添付の特許請求の範囲の実施形態及び上記の実施形態に加えて、以下の番号付けされた実施形態も革新的である。
【0061】
実施形態1は、コンクリート混合物を調製する方法であって、複数の成分を測定してコンクリート混合物に添加するように成分計量システムを制御することと、粒子分析装置を使用して、成分のうちの少なくとも1つの成分の特性を測定することと、測定された特性に基づいて、コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することと、コンクリート混合物の実際のレオメトリ測定値を得ることと、推定レオメトリ測定値と実際のレオメトリ測定値との比較に基づいて、1つ以上の追加成分をコンクリート混合物に添加するように成分計量システムを選択的に制御することと、を含む、方法である。
【0062】
実施形態1は、以下の技術的利点又は効果のうちの1つ以上:成分の測定された特性に基づいて、コンクリート混合物に添加される原材料の割合を適応的に調節すること、及び最終硬化コンクリートにおける所望の構造特性をより正確に達成し得ることを提供し得る。
【0063】
実施形態2は、少なくとも1つの成分の特性が、粒径分布、粒子形状分布、又は粒子球形度のうちの1つ以上を含む、実施形態1に記載の方法である。
【0064】
実施形態3は、コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することが、特性に基づいて、少なくとも1つの成分の粒子充填効率を決定することと、粒子充填効率に少なくとも部分的に基づいて、推定レオメトリ測定値を決定することと、を含む、実施形態1又は2に記載の方法である。
【0065】
実施形態4は、粒子充填効率に少なくとも部分的に基づいて、推定レオメトリ測定値を決定することが、粒子充填効率を、実験的に決定された予想レオメトリ測定値に粒子充填効率を関連付ける多次元ルックアップテーブルと比較することを含む、実施形態3に記載の方法である。
【0066】
実施形態5は、粒子充填効率を決定することが、ベイズ最適化アルゴリズムへの入力として特性を適用することを含む、実施形態3又は4に記載の方法である。
【0067】
実施形態6は、停止条件が達成されるまでコンクリート混合物を反復的に調整することを更に含み、各反復が、コンクリート混合物のレオメトリ測定値を得ることと、レオメトリ測定値に基づいて、コンクリート混合物が停止条件を満たすかどうかを決定することと、レオメトリ測定値が停止条件を満たさないことに応答して、目標コンクリート特性のセットを満たすためにコンクリート混合物に添加される成分の1つ以上の追加部分を決定することと、追加部分を測定してコンクリート混合物に添加するように成分計量システムを制御することと、コンクリート混合物が停止条件を満たすと判定することに応答して、コンクリート混合物を反復的に調整することを停止することと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法である。
【0068】
実施形態7は、停止条件が、目標コンクリート特性のセットである、実施形態6に記載の方法である。
【0069】
実施形態8は、コンクリート混合物が停止条件を満たすかどうかを判定することが、レオメトリ測定値が、コンクリート混合物が閾値内で目標コンクリート特性のセットのうちの少なくとも1つを達成する可能性が高いことを示すかどうかを判定することを含む、実施形態6又は7に記載の方法である。
【0070】
実施形態9は、レオメトリ測定値が、コンクリート混合物が目標コンクリート特性のセットのうちの少なくとも1つを達成する可能性が高いことを示すかどうかを判定することが、既知のレオロジー特性を有するコンクリート混合物に実験的に得られた硬化後特性を関連付ける多次元ルックアップテーブルに基づいて、目標レオメトリパラメータを決定することと、レオメトリ測定値を目標レオメトリパラメータと比較することと、を含む、実施形態8に記載の方法である。
【0071】
実施形態10は、コンクリート混合システムであって、混合容器と、1つ以上の原料ホッパと、1つ以上のホッパからの成分を測定して、混合容器に添加するように構成されている成分計量システムと、成分の特性を測定するように構成されている粒子分析システムと、制御システムであって、複数の成分を測定してコンクリート混合物に添加するように成分計量システムを制御することと、粒子分析装置を使用して、成分のうちの少なくとも1つの成分の特性を測定することと、測定された特性に基づいて、コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することと、コンクリート混合物の実際のレオメトリ測定値を得ることと、推定レオメトリ測定値と実際のレオメトリ測定値との比較に基づいて、1つ以上の追加成分をコンクリート混合物に添加するように成分計量システムを選択的に制御することと、を含む、動作を実行するように構成されている、制御システムと、を備える、コンクリート混合システムである。
【0072】
実施形態10は、以下の技術的利点又は効果のうちの1つ以上;成分の測定された特性に基づいて、コンクリート混合物に添加される原材料の割合を適応的に調節すること、及び最終硬化コンクリートにおける所望の構造特性をより正確に達成し得ることを提供し得る。
【0073】
実施形態11は、少なくとも1つの成分の特性が、粒径分布、粒子形状分布、又は粒子球形度のうちの1つ以上を含む、実施形態10に記載のシステムである。
【0074】
実施形態12は、コンクリート混合物の推定レオメトリ測定値を決定することが、特性に基づいて、少なくとも1つの成分の粒子充填効率を決定することと、粒子充填効率に少なくとも部分的に基づいて、推定レオメトリ測定値を決定することと、を含む、実施形態11に記載のシステムである。
【0075】
実施形態13は、粒子充填効率に少なくとも部分的に基づいて推定レオメトリ測定値を決定することが、粒子充填効率を、実験的に決定された予想レオメトリ測定値に粒子充填効率を関連付ける多次元ルックアップテーブルと比較することを含む、実施形態12に記載のシステムである。
【0076】
実施形態14は、粒子充填効率を決定することが、ベイズ最適化アルゴリズムへの入力として特性を適用することを含む、実施形態12又は13に記載のシステムである。
【0077】
実施形態15は、動作が、停止条件が達成されるまでコンクリート混合物を反復的に調整することを更に含み、各反復が、コンクリート混合物のレオメトリ測定値を得ることと、レオメトリ測定値に基づいて、コンクリート混合物が停止条件を満たすかどうかを決定することと、レオメトリ測定値が停止条件を満たさないことに応答して、目標コンクリート特性のセットを満たすためにコンクリート混合物に添加される成分の1つ以上の追加部分を決定することと、追加部分を測定してコンクリート混合物に添加するように成分計量システムを制御することと、コンクリート混合物が停止条件を満たすと判定することに応答して、コンクリート混合物を反復的に調整することを停止することと、を含む、実施形態10~14のいずれか1つに記載のシステムである。
【0078】
実施形態16は、停止条件が、目標コンクリート特性のセットである、実施形態15に記載のシステムである。
【0079】
実施形態17は、コンクリート混合物が停止条件を満たすかどうかを判定することが、レオメトリ測定値が、コンクリート混合物が閾値内で目標コンクリート特性のセットのうちの少なくとも1つを達成する可能性が高いことを示すかどうかを判定することを含む、実施形態15又は16に記載のシステムである。
【0080】
実施形態18は、レオメトリ測定値が、コンクリート混合物が目標コンクリート特性のセットのうちの少なくとも1つを達成する可能性が高いことを示すかどうかを判定することが、既知のレオロジー特性を有するコンクリート混合物に実験的に得られた硬化後特性を関連付ける多次元ルックアップテーブルに基づいて、目標レオメトリパラメータを決定することと、レオメトリ測定値を目標レオメトリパラメータと比較することを含む、実施形態17に記載のシステムである。
【0081】
実施形態19は、粒子分析システムが、光学センサ又は機械センサからなるグループから選択される1つ以上のセンサを備える、実施形態10~18のいずれか一項に記載のシステムである。
【0082】
実施形態20は、1つ以上のコンピュータと、命令を記憶している1つ以上の記憶デバイスと、を備える、システムであって、命令が、1つ以上のコンピュータによって実行されたときに、1つ以上のコンピュータに、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法を実行させるように動作可能である、システムである。
【0083】
実施形態21は、コンピュータプログラムで符号化されたコンピュータプログラムキャリアであり、プログラムが、データ処理装置によって実行されたときに、データ処理装置に請求項1~9のいずれか1つに記載の方法を実行させるように動作可能である命令を含む、コンピュータプログラムキャリアである。
【0084】
本明細書には多くの具体的な実装形態の詳細を含まれるが、これらは特許請求の範囲自体によって定義される特許請求されているものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている種々の特徴は、複数の実施形態で別個に、又は任意の好適な部分的組み合わせで実装することもできる。更に、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、最初にそのように特許請求されてもよいが、特許請求される組み合わせからの1つ又は複数の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除することができ、特許請求の範囲は、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形を対象とすることができる。
【0085】
主題の特定の実施形態が説明されてきた。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。例えば、特許請求の範囲内に記載された動作は、異なる順序で実施することができ、それでも所望の結果を達成することができる。一実施例として、添付の図面内に描写されたプロセスは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序、又は連続的な順序を必ずしも必要としない。いくつかの例では、マルチタスク処理及び並列処理が有利な場合がある。
【国際調査報告】