(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】着脱可能なロック装置
(51)【国際特許分類】
F16B 21/16 20060101AFI20240125BHJP
B63B 32/73 20200101ALI20240125BHJP
【FI】
F16B21/16 B
B63B32/73
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544257
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 NZ2022050006
(87)【国際公開番号】W WO2022158988
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523275031
【氏名又は名称】ミラー, ラッセル ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, ラッセル ジョン
【テーマコード(参考)】
3J037
【Fターム(参考)】
3J037AA07
3J037BB01
3J037DB01
3J037DC05
3J037EA02
(57)【要約】
(サーフボードのための脚ロープのような)器具の二つの部品を合体させて着脱可能に取り付ける装置は、一つはロック位置もう一つはロック解除位置である二つの位置に動作可能である二つの部材(第1雄部材及び第2雌部材)を有することが説明される。前記第1雄部材は(前記脚ロープのような)前記器具の第1部品に結合され、前記第2雌部材は(前記サーフボードのような)前記器具のその他の部品に結合される。ボール軸受は、前記装置内に位置し、前記装置がロック位置で二つの前記部品を合体させて結合することを可能とし、且つ前記第1部品が前記ロック解除位置で前記第2部品から取り外されることを可能とする所定の計画のもとで空洞内で動作可能であり、手の圧力のもとで操作可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボードにリーシュを着脱可能に接続するための装置であって、
前記リーシュに取り付け可能であり、且つ前記ボードに固定可能な第2ボード固定部材(第2雌部材)に係合可能である、第1リーシュ接続部材(第1雄部材)を備え、
前記第1雄部材は、二つの位置を有するように構成され、前記二つの位置は、前記第1雄部材が前記第2雌部材にロックされた第1ロック位置、及び前記第1雄部材が前記第2雌部材から着脱可能である第2ロック解除位置であり、
前記第1雄部材は、手の圧力を加えることで、前記第1ロック位置と前記第2ロック解除位置とを変更可能に構成される、装置。
【請求項2】
前記手の圧力は、前記第1ロック位置に向けて前記第1雄部材を付勢するように前記第1雄部材内に構成された付勢力の圧力に抗して加えられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1雄部材は、前記第1ロック位置に到達するために前記第2雌部材に前記第1雄部材を固定するように構成されたロック部材を有し、付勢部材のロック力に打ち勝つ手の圧力を加えることによって、前記ロック部材に対して、ロック解除力を加えると、前記第1雄部材が前記第2ロック解除位置に到達することを許すように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ボール軸受が前記装置内の所定位置に存在し、前記第1雄部材、前記第2雌部材、及び前記ロック部材のそれぞれは、各ボールが、前記装置の使用中に加えられる前記圧力を均一に受けることと、前記第2雌部材に前記第1雄部材をロックするロック位置と前記第1雄部材が前記第2雌部材から係合解除され得るロック解除位置との間で計画されたプログラムのもとで動作可能であることと、を許すように、各ボールの位置決めと共に構成される、請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記ロック部材は、内側部分及び外側部分の二つの部分を備え、前記二つの部分は、前記内側部分が前記外側部分内でスライド可能であり且つ前記外側部分内で回転動作に対してロックされることが可能であるように構成され、前記二つの部分は、前記ロック位置に向けて付勢部材によって加えられる前記ロック力のもとで、且つ、前記付勢部材によって加えられる前記ロック力に抗して前記ロック解除位置に向けて前記内側部分に加えられる手の圧力のもとで、前記内側部分が前記外側部分内でスライド可能に動作することを許す配置において前記ボール軸受を受け入れるように構成され、前記二つの部分、及び前記二つの部分内の各ボールの位置決めは、各部分及び各ボールが、その計画されたプログラムに従うことができるように、各ボールのために動作することが可能であるように構成され、前記ロック解除位置では、前記第1雄部材が、前記第2雌部材から着脱可能であるために、前記第2雌部材内でスライド可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
各ボールは、前記第2雌部材から係合解除されたとき、前記第1雄部材内に保持される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
三つ又は四つのボール軸受を有する、請求項4乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
三つのボール軸受を有する、請求項4乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記ロック位置から前記ロック解除位置まで動作するための前記圧力は、前記ロック解除位置で前記第1雄部材を保持し続ける方向に手によって加えられ、ロック解除動作によって維持されるのと反対の方向以外の方向において前記第2雌部材から前記第1雄部材を係合解除する動作を妨げる、請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記ボードはサーフボードである、請求項1乃至9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
ウォータスポーツ用のボードであって、
請求項1乃至10のいずれかに記載の前記第2雌部材を表面内で固定したボードを備える、ボード。
【請求項12】
ウォータスポーツ用のボードのためのリーシュであって、
ユーザの脚にその端を着脱可能に接続する接続手段を一端に有し、且つ、請求項1乃至8のいずれかに記載の前記第1雄部材を他端に有する、ある長さの可撓性のコードを備える、リーシュ。
【請求項13】
前記コード及び第1雄部材は別個のパッケージで供給される、請求項10に記載のリーシュ。
【請求項14】
ボードにリーシュを着脱可能に接続する装置であって、
前記リーシュに取り付け可能であり、且つ前記ボードに固定可能な第2ボード固定部材(第2雌部材)に係合可能である、第1リーシュ接続部材(第1雄部材)を備え、前記第1雄部材は、二つの位置を有するように構成され、前記二つの位置は、前記第1雄部材が前記第2雌部材にロックされた第1ロック位置、及び前記第1雄部材が前記第2雌部材から着脱可能である第2ロック解除位置であり、前記第1雄部材は、二つの位置の間を動作し得るように配置されたボール軸受を有し、前記二つの位置は、前記第1雄部材が前記第2雌部材にロックされた第1位置、及び前記第1雄部材が前記第2雌部材から取り外され得る第2位置であり、前記第2雌部材から取り外されたとき前記第1雄部材は各ボール軸受を保持する、ボードにリーシュを着脱可能に接続する装置。
【請求項15】
手の圧力によって操作可能であり、且つ請求項2乃至13のいずれかに記載の更なる特徴を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
器具の二つの部品を合体させて着脱可能に接続する装置であって、
第1雄部材及び第2雌部材の二つの部材を備え、前記第1雄部材は器具の一つ目の部品に固定可能であり且つ前記第2雌部材は器具の二つ目の部品に固定可能であり、前記第1雄部材は前記第2雌部材に関して二つの位置にあるように構成され、第1ロック位置では、前記第1雄部材が前記第2雌部材にロックされ、これにより器具の二つの前記部品が接続され、第2ロック解除位置では、前記第1雄部材が器具の二つの前記部品の接続を断つために前記第2雌部材から分離され得、前記第1雄部材は第1外側部分及び第2内側部分の二つの部分を有し、前記二つの部分は、前記内側部分が前記外側部分内でスライド可能であり且つ前記外側部分内で前記内側部分の回転動作に対してロックされることが可能であるように構成され、前記二つの部分は、前記ロック位置に向けて付勢部材によって加えられるロック力のもとで、且つ、前記付勢部材によって加えられる前記ロック力に抗して前記ロック解除位置に向けて前記内側部分に加えられる手の圧力のもとで、前記内側部分が前記外側部分内でスライド可能に動作することを許す配置において前記ボール軸受を受け入れるように構成され、前記二つの部分、及び前記二つの部分内の各ボールの位置決めは、各部分及び各ボールが所定のプログラムに従ってロック位置及びロック解除位置の間を動作できるように前記装置の使用中に加えられる同じ程度の圧力を各ボールが受けるために動作することを許し、且つ、手の圧力が、前記第1雄部材が前記ロック解除位置にある位置へと動作するために前記内側部分に加えられることを可能とするように構成される、装置。
【請求項17】
前記ロック解除位置に前記内側部分を動作させるために前記内側部分に加えられる前記手の圧力は一方向であり、手の圧力が前記内側部分に維持されている一方で、前記第2雌部材から前記第1雄部材を分離し、これにより器具の二つの前記部分の接続を断つ前記手の圧力によって加えられるのとは反対の方向に、前記第1雄部材に対して、更なる力が加えられ得る、請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具の二つの部品を合体させて着脱可能に取り付ける装置に関する。
【0002】
本発明は、サーフボード、スタンドアップパドルボード、及びウェイクボードのようなウォータスポーツで使用されるボード(本明細書では「ボード」)とユーザの脚との間にリーシュを取り付けるのに適用性を有するだろう。ヨットのような他の産業でも使用可能だろう。
【背景技術】
【0003】
通常、サーフボード上のサーファのようなウォータスポーツで使用されるボードのユーザは、自身がボードから落ちたとき又はボードの制御を失ったとき、ボードが流されないように、リーシュの一端をボードに他端を自身の両脚の一方に取り付けるだろう。現在の方法は大抵、概してベルクロ(登録商標)ストラップを備えた着脱可能なラップを介してユーザの脚に一方端で固定された通常リーシュと呼ばれる可撓性のコードと、製造中にボード内に埋め込まれ且つボードにファイバグラスによって固定されたプラグに他方端で固定された可撓性のウレタン素材のような細いコードと、を伴う。
【0004】
リーシュとプラグの接続は大抵、細いコードの端を埋め込まれたプラグ内のクロスバーに結び付けることを伴う。ユーザは、しばしば、旅行等のためにプラグからリーシュを取り外す必要がある。これは難しい作業になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の欠点を少なくとも何らかの方法で改善する、又は公衆に有用な選択を少なくとも提供するシステムをその目的として有する。本発明の少なくとも好ましい形態では、装置内で固定されたプラグにリーシュを固定する結び目を解く必要なく、リーシュがサーフボードのような装置から分離可能であるような方法で、リーシュが装置に取り付けられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、器具の二つの部品を合体させて着脱可能に接続する装置は、第1雄部材及び第2雌部材の二つの部材を備え、前記第1雄部材は器具の一つ目の部品に固定可能であり且つ前記第2雌部材は器具の二つ目の部品に固定可能であり、前記第1雄部材は前記第2雌部材に関して二つの位置にあるように構成され、第1ロック位置では、前記第1雄部材が前記第2雌部材にロックされ、これにより器具の二つの前記部品が接続され、第2ロック解除位置では、前記第1雄部材が器具の二つの前記部品の接続を断つために前記第2雌部材から分離され得、前記第1雄部材は第1外側部分及び第2内側部分の二つの部分を有し、前記二つの部分は、前記内側部分が前記外側部分内でスライド可能であり且つ前記外側部分内で前記内側部分の回転動作に対してロックされることが可能であるように構成され、前記二つの部分は、前記ロック位置に向けて付勢部材によって加えられるロック力のもとで、且つ、前記付勢部材によって加えられる前記ロック力に抗して前記ロック解除位置に向けて前記内側部分に加えられる手の圧力のもとで、前記内側部分が前記外側部分内でスライド可能に動作することを許す配置において前記ボール軸受を受け入れるように構成され、前記二つの部分、及び前記二つの部分内の各ボールの位置決めは、各部分及び各ボールが所定のプログラムに従ってロック位置及びロック解除位置の間を動作できるように前記装置の使用中に加えられる同じ程度の圧力を各ボールが受けるために動作することを許し、且つ、手の圧力が、前記第1雄部材が前記ロック解除位置にある位置へと動作するために前記内側部分に加えられることを可能とするように構成される。
【0007】
任意で、前記装置では、前記ロック解除操作にそれを動作させるために前記内側部分に加えられる前記手の圧力は一方向であり、手の圧力が前記内側部分に維持されている一方で、第2部材から第1部材を分離し、これにより器具の二つの前記部分の接続を断つ前記手の圧力のそれとは反対の方向に、前記第1雄部材に対して、更なる力が加えられ得る。
【0008】
任意で、前記第1雄部材が前記第2雌部材から係合解除されたとき、前記内側及び前記外側部分は、合体してロックされ続ける。
【0009】
任意で、各ボール軸受は、前記第2雌部材から取り外されたとき、前記第1雄部材内に留まる。
【0010】
前述したように、本発明は、サーフボード、ウェイクボード、スタンドアップパドルボードのようなウォータスポーツで使用するボードに脚ロープを着脱可能に接続する装置として適用可能である。本装置は、その目的での使用について更に説明されるだろう。その使用について述べた任意の機能は、他の使用のための装置にも適用できることが理解されるだろう。
【0011】
本発明の更なる一態様によれば、ボードにリーシュを着脱可能に接続する装置は、
前記リーシュに取り付け可能であり、且つ前記ボードに固定可能な第2ボード固定部材(第2雌部材)に係合可能である、第1リーシュ接続部材(第1雄部材)を備え、
前記第1雄部材は、二つの位置を有するように構成され、前記二つの位置は、前記第1雄部材が前記第2雌部材にロックされた第1ロック位置、及び前記第1雄部材が前記第2雌部材から着脱可能である第2ロック解除位置であり、
前記第1雄部材は、手の圧力を加えることで、前記第1ロック位置と前記第2ロック解除位置とを変更可能に構成される。
【0012】
本発明の更なる一態様によれば、ボードにリーシュを着脱可能に接続する装置は、
前記リーシュに取り付け可能であり、且つ前記ボードに固定可能な第2ボード固定部材(第2雌部材)に係合可能である、第1リーシュ接続部材(第1雄部材)を備え、
前記第1雄部材は、二つの位置を有するように構成され、前記二つの位置は、前記第1雄部材が前記第2雌部材にロックされた第1ロック位置、及び前記第1雄部材が前記第2雌部材から着脱可能である第2ロック解除位置であり、
前記第1雄部材は、二つの位置の間を動作し得るように配置されたボール軸受を有し、前記二つの位置は、前記第1雄部材が前記第2雌部材にロックされた第1位置、及び前記第1雄部材が前記第2雌部材から取り外され得る第2位置であり、前記第2雌部材から取り外されたとき前記第1雄部材は各ボール軸受を保持する。
【0013】
任意で、前記手の圧力は、前記第1ロック位置に向けて前記第1雄部材を付勢するように前記第1雄部材内に構成された付勢力の圧力に抗して加えられる。
【0014】
任意で、前記第1雄部材は、前記第1ロック位置に到達するために前記第2雌部材に前記第1雄部材を固定するように構成されたロック部材を有し、前記ロック部材に対して手の圧力によって加えられるロック解除力を加えると、付勢部材のロック力が、前記第1雄部材が前記第2ロック解除位置に到達することを許すために打ち勝つ。
【0015】
任意で、ボール軸受が前記装置内の所定位置に存在し、前記第1雄部材、前記第2雌部材、及び前記ロック部材のそれぞれは、各ボールが、前記装置の使用中に加えられる同じ程度の圧力を受けることと、前記第2雌部材に前記第1雄部材をロックするロック位置と前記第1雄部材が前記第2雌部材から取り外され得るロック解除位置との間で所定のプログラムのもとで動作可能であることと、を許すように、各ボールの位置決めと共に構成される。
【0016】
任意で、前記ロック部材は、内側部分及び外側部分の二つの部分を備え、前記二つの部分は、前記内側部分が前記外側部分内でスライド可能であり且つ前記外側部分内で回転動作に対してロックされることが可能であるように構成され、前記二つの部分は、前記ロック位置に向けて付勢部材によって加えられる前記ロック力のもとで、且つ、前記付勢部材によって加えられる前記ロック力に抗して前記ロック解除位置に向けて前記内側部分に加えられる手の圧力のもとで、前記内側部分が前記外側部分内でスライド可能に動作することを許す配置において前記ボール軸受を受け入れるように構成され、前記二つの部分、及び前記二つの部分内の各ボールの位置決めは、各部分及び各ボールが、その所定のプログラムに従うことができるように、各ボールのために動作することが可能であるように構成され、前記ロック解除位置では、前記第1雄部材が、前記第2雌部材から着脱可能であるために、前記第2雌部材内でスライド可能である。
【0017】
任意で、各ボールは、前記第2雌部材から取り外されたとき、前記第1雄部材内に保持される。
【0018】
任意で、前記ロック位置から前記ロック解除位置まで動作するための前記圧力は、前記ロック解除位置で前記第1雄部材を保持し続ける方向に手によって加えられ、手の圧力によって加えられるのと反対の方向以外の方向において前記第2雌部材から前記第1雄部材を係合解除する動作を妨げる、
【0019】
任意で、前記ロック解除力は、手の圧力によって加えられる力(任意で、水平配置である場合、ボード上面の平面に対して鉛直方向に加えられる力)であっても良い。「手の圧力」とは、前記手自体又は一つ以上の指によって加えられる前記圧力を意味する。前記指という用語には親指が含まれる。
【0020】
任意で、前記第1雄部材は三つ又は四つのボール軸受を有する。
【0021】
任意で、前記第1部材及び前記第2部材のそれぞれに空洞があり、空洞の間で各ボール軸受が動作して前記第1ロック位置及び前記第2ロック解除位置に到達する。
【0022】
任意で、前記付勢部材は、ステンレス鋼バネのような耐食性の弾性プラグ又はバネである。
【0023】
任意で、前記ロック位置にあるときの前記第1雄部材の回転動作は、回転動作の概念上の平面に対して実質的に垂直な方向において、前記第2雌部材に対する前記第1雄部材の動作を可能とするとき、前記第1雄部材内に前記ロック部材を留めるロックピンによって妨げられる。
【0024】
任意で、前記リーシュは、前記第1雄部材(前記リーシュ接続部材)に恒久的に取り付けられても良い。
【0025】
任意で、前記リードを前記ボードから引き離すのに必要なのは、前記ロック部材を前記ロック位置から前記ロック解除位置まで動作させるために前記ロック部材に下向きに手の圧力を加えることによって、続いて、前記第2雌部材から前記第1雄部材を分離するための上向きの力を加えることによって、前記第1雄部材を係合解除するだけであり、これにより、現在使用されている脚ロープを結んだり解いたりするのを避ける。例えば下向きの手の圧力を継続的に加えることにより前記ロック部材をそのロック解除位置に留まらせているとき、前記上向きの力が任意に加えられる必要がある。サーフボード上の所定位置では、前記ロック部材をロック解除する下向きの手の圧力と(他の指及び又は前記リーシュ自体等の他の手段によって前記第1雄部材の外側を掴むこと等による)上向きの力との組み合わされたアクションが、乗り手が前記第1雄部材を踏んで同時に上向きの力を加えることができないような、潜在的な不注意によるロック解除を回避する。
【0026】
本発明は、前記第1(リーシュ接続)部材と、一つのパッケージ内の別個の部分又は別個のパッケージとして製造及び販売されるリーシュ又は前記第1(リーシュ接続)部材に結合された前記リーシュと、の組み合わせもまた含む。
【0027】
本発明は、前記ボードの表面内に固定された前記第2雌部材と共に製造及び販売されるボードを更に含む。
次に、添付図面を参照して、本発明が実例として説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、
図14のI-I線に沿った、そのロック位置でリーシュの一端に取り付けられ且つサーフボード内に固定された本発明の装置の半断面図である。
【
図2】
図2は、その着脱可能な(ロック解除)位置でサーフボードから取り外された装置を示す半断面図である。
【
図3】
図3は、第2雌部材から取り外された第1雄部材の半断面の斜視図である。
【
図4】
図4は、通常はボード内に固定された第2雌部材の半断面の斜視図である。
【
図5】
図5乃至
図13は、ロック位置からロック解除位置を経てロック位置に戻るまでの装置の全ての部分の相対的な動作を概略的に示している。
図5は、
図14のV-V線に沿った断面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示された装置の各部の動作を示している。
【
図7】
図7は、
図5に示された装置の各部の動作を示している。
【
図8】
図8は、
図5に示された装置の各部の動作を示している。
【
図9】
図9は、
図5に示された装置の各部の動作を示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、本発明の装置を使用してリーシュをサーフボードに着脱可能に取り付ける際のその使用を参照して以下のセクションで説明されるだろう。本発明は、リーシュを、本発明の装置を使用して、ウェイクボード、ウィンドサーフィンボード、又はスタンドアップパドルボードのようなウォータスポーツで使用される任意の他のボードに取り付けるのに適用可能であることが理解されるだろう。
【0030】
本発明は、任意の他の装置の二つの部品を合体させて接続するのにもまた適用可能である。
【0031】
本発明の装置は、任意の適切な手段によってリーシュに取り付けられるように設計されている。通常、脚ロープは、本明細書において「第1部材」「第1雄部材」又は「第1リーシュ接続部材」として互換可能に言及される装置の一部に結合されて販売されるだろうことが想定される。本明細書において「第2部材」「第2雌部材」又は「第2ボード固定部材」として互換可能に説明される装置の他の一部は、ファイバグラスのような従来の手段によってサーフボードの製造中にサーフボードに固定されるだろう。
【0032】
本明細書を通して用語「脚ロープ」及び「リーシュ」は互換可能に用いられるだろう。
【0033】
図1を参照して、概して矢印1で示される脚ロープは、概して矢印2で示される第1雄部材として便宜上言及され得る第1部材に固定される。当該第1雄部材は、第2雌部材3として便宜上言及される第2部材内にスライド可能に嵌合する。脚ロープは、任意の適切な方法で第1雄部材2に固定され得る。従来のシステムは、脚ロープの端を柔らかい外側ケーシング1Aで覆われたアンカーフランジ1Cに取り付けるように使用され得る。接続は、サーフィン時の使用のストレス時に損傷を受けないように強固である必要がある。
【0034】
図1及び
図2を参照して、第1雄部材2は二つの主要な部分を有し、内側部分4は外側部分5内でスライド可能に動作する。外側部分5は、ベース部7から上方に延びる円筒壁6で形成されたカップであり得る。内側部分4は、外側部分5の円筒部6内にスライド可能に嵌合する。円筒の断面が示されているが、内側及び外側部分の機能を実行し得る任意の他の適切な断面が使用され得る。組み合わされた内側及び外側部分は、「ロック部材」としても言及され得る。
【0035】
内側部分4は、当該内側部分のチャンバ9内で、ベース部7の底とチャンバ9の天井10との間で作用する、弾性力のあるプラグ又はバネ8により弾性的に付勢される。
【0036】
内側部分4は二つの位置の間を動作する。第1位置は、
図1に示されたロック位置であり、そこでは脚ロープが取り付けられた装置がサーフボードに固定される。第2位置は、第1雄部材2が第2雌部材3からそれ故にサーフボードから取り外され得る、解除位置と称され得る。この解除位置は、
図2に示される。
【0037】
分離された第1及び第2部材が
図3及び
図4に示される。
【0038】
ロック位置では、バネが
図1に示される構造において内側部分4を上方に付勢し、これにより、内側部分4のベース11が外側のカップ状の部分5のベース部7の底の上方へと持ち上げられる。
【0039】
ロック操作では、内側部分4及び外側部分5が、最初は
図2に示される位置にある。その位置ではボール軸受12は、内側部分4の空洞13に部分的に位置し、且つ外側部分5の壁を貫通する孔21に部分的に位置する。その位置ではバネ8は圧縮され且つボール軸受12は完全に(内側部分4及び外側部分5を備える)第1雄部材2内にある。
【0040】
ボール軸受システムは、ロック位置が保持されるのを確実にするために頑丈である必要がある。ロック力が装置の周囲に均一に分散され、乗り手によるボードの制御の突然の喪失及び装置上のリーシュの急激な引っ張りの結果として生じる衝撃に耐えることを確実にするために、三つのボール軸受が望ましい。大抵、リーシュはそのような状況での衝撃を和らげるために最小限の伸縮性がある。必要に応じて、四つのボール軸受が等間隔に配置され得る。
【0041】
この装置は、内側部分4の周囲に120°の間隔で配置された三つのボール軸受を通常有するだろう(
図14参照)。四つのボール軸受を90°間隔で配置することもできる。各ボール軸受は、計画されたプログラムに従って二つの位置の間を動作する。
図1に示されたロック位置では、それは(
図4でより明確に示される)第2雌部材3の相補的な環状空洞14に孔21を通って部分的に突出し、
図2に示された解除位置では、ボール軸受12は空洞14へと突出しない。
【0042】
ロック位置では、空洞14への各ボールの突出部分が、第2雌部材3内での第1雄部材2の上方又は下方への動作を防止する。
【0043】
以下では装置の操作が
図5乃至
図13を参照して説明されるだろう。これらの図のそれぞれは、ロック位置(
図1での位置に対応する
図5)からロック解除位置(
図2での位置に対応する
図6)を経て第1雄部材2が第2雌部材3から取り外される位置(
図9)、そのあと第1部材2を第2部材3に再び接続し(
図10)、続いて
図10乃至
図13を通して内側部分4の上部17に下向きに手の圧力が加えられることで、最終的には、手の圧力が解放されると第1部材2がロック位置(
図5)にバネの圧力で上昇するだろう事前ロック位置(
図13)までのサイクルでの位置を順番に示している。
【0044】
以下の説明から明らかであろうように、各ボール軸受が所定のプログラムに従って動作するように、装置の各部分が構成され、且つ各ボール軸受が装置内の所定位置に配置される。
【0045】
図5及び
図6を参照して、矢印2で示された第1雄部材の内側部分4の上部17に下向きに手の圧力を加えると、内側部分4が下向きに押され、バネ8が
図5に示された殆ど圧縮されてない状態から
図6に示されたより圧縮された状態に圧縮される。内側部分4のベース11は、最初は外側部分5のベース部7の底の上に持ち上げられているが(
図5)、その底に接触するように動作する(
図6)。これにより、内側部分4の空洞13が、カップ状の外側部分5の円筒部分6の壁を貫通する孔21と位置合わせされる。
図6でより良く理解できるように、ボール軸受12は第2雌部材3の空洞14へと突出して一時的に静止する。この時点で後ほど明らかになるように、空洞14へと突出するボール軸受12の一部は、第2雌部材3に対する外側部分5の上方への動作を妨げる。
【0046】
この位置(
図6)では、内側部分4の空洞13は、外側部分5の円筒カップ部6の壁を貫通する孔21を通るボール軸受12に位置合わせされる。ボール軸受はこの位置では拘束されず、孔の表面を転がり落ちて
図7の位置に一時的に位置し、カップ状の外側部分5内での内側部分4の上方への相対的な動作を停止し、一方で、第2雌部材3に対する(第1雄部材2を備える)両方の部分4及び5の上方への動作を許す。
【0047】
ユーザが(ここでは示されていないが
図1で示されているように第1雄部材2に取り付けられた)リーシュを引く等して第1雄部材2に上向きの圧力が加えられ、一方で、第2雌部材3に対して上方へと合体して移動する内側部分4及び外側部分5の両方を含む第1雄部材2を押すように上部17に対する手の下向きの圧力を維持することによって、その位置に内側部分2を維持する。この動作は、ボールの外向きの表面の最も外側の点(赤道点23(
図8))が外側部分5の外側壁24を超えて突出しないので可能である。押し/引き動作は、指により下向きに押すことと、手の残りの指が外側部分5の上部分の周縁を掴み、且つ
図8に示されているようにその部分を第2雌部材から離れるように持ち上げることと、であり得る。
【0048】
第2雌部材3から離れ且つ手の下向きの圧力が解放されると、バネ8は外側部分5に対して上向きに内側部分4を付勢し続けることができる。これは、空洞13へのボール12の突出により最初は妨げられる(
図8)。ボール軸受は、バネ8それ故に空洞13の表面25及び切欠き表面26及び最終的には突起部15により及ぼされる圧力を通って、孔21へと押し込まれ、孔21を部分的に通過する(
図9)。孔21は、その外縁22においてボールの直径よりも小さい直径を有する。ボールは第1雄部材2から抜け出ることができない(
図8及び
図9参照)。
【0049】
全ての部品の寸法は、個々の部品の相対的な垂直方向のスライド動作及び回転動作を可能とし、且つ必要に応じてボール軸受が更なる動作を妨げるロックとして機能するように、少なくともきちんとフィットするように設計されている。通常、孔21の壁5の外面の開口22の直径は、ボール軸受の直径の90%未満である。これは、ボールの十分な体積が開口22を通って突出し、ロック位置において第1雄部材と第2雌部材の間の相対的な動作を阻止する場合、更に減少され得る。
【0050】
このようにして、第1雄部材2の全ての部分がロックされ、リーシュに結合される(
図9)。リーシュ及び第1雄部材2は次回の使用のために保管され得る。
【0051】
外側部分5の外面での孔21の開口22の直径は、第2雌部材3の相補的な空洞14の開口の直径と実質的に同じである。外面22の直径が外側部分5の内面の直径よりも小さくなるように、孔21の周面は傾斜している。空洞14の深さは、各ボールの直径の半分未満であり、これにより、空洞14が孔21と位置合わせされたときに、ボールが空洞14内の位置から内側に向かって動作し易くなる。
【0052】
第1雄部材2を第2部材に挿入して戻す操作は、
図10を参照することで理解されるだろう。第1雄部材2は、ボールの突出部が第2部材3の上縁25に係合するまで、第2雌部材3と位置合わせされ手により挿入される。
【0053】
内側部分4の上部17に下向きの手の力を加えて、外側部分5内で内側部分4を下向きに、内側部分4の空洞13が外側部分5の壁を貫通する孔21に位置合わせされる
図11の位置まで移動させる。
【0054】
更なる下向きの手の力により縁25がボールに力を加え、その方向では、これによりボールが、外側部分5の外壁を超えたボールの突出が最小限であり且つ第2雌部材3の縁25が突出するボールを殆ど自由に通過する
図12に示された位置まで、空洞13内へと内向きに押し込まれる。
【0055】
下向きの手の力を加え続けると、ボールは最終的に空洞13及び孔21の範囲内にきちんと収まる。これによりボール12は、
図13に示されるように内側部分4のベース11が外側部分5のベース部7の底に接触した状態で、第2雌部材3の環状空洞14に位置合わせされる。
【0056】
手の力を解放すると、圧縮されたバネが再び作動し、これにより内側部分4が上向きに押し上げられ、ボール12が第2雌部材3の環状空洞14に完全に押し込まれ、
図5のロック位置に到達する。
【0057】
本発明の装置は、内側部分4を外側部分5に固定して、外側部分5に対する内側部分4の回転動作を妨げる、ロックピン16(
図1及び
図2)を含む。ロックピン16は、外側部分5の底の凹部を貫通して内側部分4内に位置するチャンバにねじ込まれるねじ付きボルトであり得る。
【0058】
装置の製造に用いられる材料は、装置の使用期間に亘って寸法の正確さを保つのに十分な強度を備えている必要がある。第2雌部材、及び第1雄部材の内側部分及び外側部分は、適切な材料から各部分を射出成形することにより作製され得る。
【0059】
ボール軸受は、ステンレス鋼のような適切な耐食性材料であるだろう。
【0060】
次に、
図1乃至
図3、
図14及び必要に応じて他の図を参照して、装置の組み立てが説明されるだろう。
【0061】
三つのボール軸受12A、12B、12C(
図14)が、外側部分5に挿入され、粘着テープのような適切な保持手段によって三つの相補的な空洞に保持される。バネ8は内側部分4のチャンバ9に挿入され、その一部分は外側部分5にスライドされ、ベース11が最も低い位置(
図2)に落ち着くまで突起部15が各ボールを通過し得るように必要に応じて回転する。三つの切欠き27A、27B、27Cが、ボールを通過するのに十分なサイズ及び形状の突起部15に設けられ得る。そして、切欠きが各ボールと位置合わせしないように内側部分5が回転され得る。
【0062】
必要に応じて内側部分4が更に回転され、ロックねじ16のためのチャンバを、ベース7を貫通する孔と位置合わせする。ねじ16を締めると、組み立てられた内側部分4の回転が停止する。この時点で、内側部分4が可能な唯一の動作は、ベース7から離れる上方への移動であり、突起部15(
図1)がボール12の突出部分に接触し、内側部分4が外側部分5から外れるのを止めるまでのみである。
【0063】
手の圧力が解除されると、バネ8が内側部分4を上向きに押し上げ、突起部15が各ベアリングに結合される。
【0064】
次に、最初に各ボール軸受を相補的な空洞内に保持するために必要に応じて使用される保持手段を取り外したあと、第1雄部材2がサーフボード内に固定された第2(雌)部材3に嵌合する準備が整う。
【0065】
砂及び他の望ましくない物質の侵入を防ぐために、装置はその外面に不要な開口を有しない。
【0066】
本発明は特定の特徴を参照して説明されてきたが、それらに限定されるものとして解釈されるべきではない。更に、特定の特徴に対して等価物が存在することが知られている場合、そのような等価物はあたかも具体的に記載されているかのように本明細書に含まれる。
【0067】
本明細書及び特許明細書で使用される用語「備える」は、「少なくとも一部から構成される」を意味し、したがって、その用語のあとに具体的に述べられている特徴に加えて、その用語を含む記述に他の特徴が含まれることを許すために包括的に使用される。
【産業上の利用可能性】
【0068】
サーフボードは世界中で数百万台販売され使用されている。サーファ又はウォータスポーツで使用されるボードの他の使用者がボードを脚ロープに着脱可能に接続することをより簡単にし得る装置は、明らかに産業上の利用可能性を有する。他の産業でも同様の利点が存在することは明らかである。
【国際調査報告】