(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】水平方向および垂直方向のクッション性を有するソール
(51)【国際特許分類】
A43B 13/14 20060101AFI20240125BHJP
A43B 5/06 20220101ALI20240125BHJP
A43B 13/18 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A43B13/14 Z
A43B5/06
A43B13/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544259
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2022050649
(87)【国際公開番号】W WO2022161786
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316006152
【氏名又は名称】オン クラウズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リュエッグ, マルティン
(72)【発明者】
【氏名】アルトロッグ, ニルス, アルヌ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォエルシェルト, ヨハネス
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA34
4F050BA38
4F050HA55
4F050HA56
4F050HA60
4F050HA63
4F050JA09
(57)【要約】
弾性ミッドソール1を有するランニングシューズ用のソールに関する。ミッドソールは、その横断方向Qに延び、ミッドソールの長手方向Lに前後に配置された複数のチャネル41、42、43を有し、チャネル41、41’、42、43またはチャネルの少なくともいくつかは、それぞれ、ミッドソールの横側および/または内側開口部と、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面における前方境界および後方境界、ならびに主長手方向軸線411、411’、421とを備える。主長手方向軸線に沿って、チャネルは、いずれの場合も、チャネルの横側および/または内側開口部が主長手方向軸線411、411’に沿って、後方境界414、414’から前方境界413、413’にかけて狭くなるように、それぞれの後方境界からそれぞれの前方境界までスロット状に延びる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性のミッドソール(1)を備えるランニングシューズ用ソールであって、
前記ミッドソール(1)が、前記ミッドソール(1)の横断方向(Q)に延び且つ前記ミッドソール(1)の長手方向(L)において前後に配置された複数のチャネル(41、42、43)を備え、
前記チャネル(41、41’、42、43)または前記チャネルの少なくとも一部がそれぞれ、
ミッドソールの横側開口部および/または内側開口部と、
前記ミッドソール(1)の前記長手方向(L)にあり、前記ミッドソール(1)の前記横断方向(Q)に垂直な断面平面に沿った断面における前方境界および後方境界、ならびに主長手方向軸線(411、411’、421)と
を備え、
前記主長手方向軸線(411、411’、421)に沿って、前記チャネル(41、41、42、43)が、いずれの場合も、前記チャネルの横側開口部および/または内側開口部が前記主長手方向軸線(411、411’)に沿って、前記チャネル(41、41、42、43)のそれぞれの前記後方境界から前記チャネル(41、41、42、43)のそれぞれの前記前方境界まで、前記後方境界(414、414’)から前記前方境界(413、413’)にかけて狭くなるようにスロット状に延びている、ソール。
【請求項2】
前記チャネル(41、41’、42、43)がそれぞれ、前記チャネル(41、41’、42、43)のそれぞれの前記主長手方向軸線(411、411’、421)が前記ミッドソール(1)の垂直方向(V)の成分および前記長手方向(L)の成分を有するように配置されている、請求項1に記載のソール。
【請求項3】
前記チャネル(41、41’、42、43)が、いずれの場合も、前記ミッドソール(1)の前記長手方向(L)にあり、前記ミッドソール(1)の前記横断方向(Q)に垂直な前記断面平面に沿って、前記チャネル(41、41’、42、43)の主長手方向軸線(411、411’、421)に対して実質的に鏡面対称に形成されている、請求項1または2に記載のソール。
【請求項4】
前記チャネル(41、41’、42、43)がそれぞれ、互いに対向して位置し、互いに向かって前記主長手方向軸線(411、411’、421)に沿って延びる2つのフランク(415、416、415’、416’)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のソール。
【請求項5】
前記ミッドソールが、前記ミッドソールの前記垂直方向(V)の反対側で前記ミッドソール(1)を画定するベース面(2)と、前記垂直方向(V)に前記ミッドソール(1)を画定する上面(3)とを有し、前記チャネル(41、41’、42、43)の各々の前記主長手方向軸線(411、411’、421’)が、前記ベース面(2)および/または前記ベース面(2)に当接する接線と、5°~85°、特に30°~85°、特に40°~75°の鋭角で交差する、請求項1~4のいずれか一項に記載のソール。
【請求項6】
前記チャネル(41、41’、42、43)がそれぞれ、前記ミッドソール(1)の長手方向(L)にあり、前記ミッドソール(1)の横断方向(Q)に垂直な断面平面に沿って、ドロップ形状、五角形および/または六角形の輪郭を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のソール。
【請求項7】
前記チャネル(41、41’、42、43)が、走行時に生じる力によって前記チャネル(41、41’、42、43)の側方開口部を完全に閉じるように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のソール。
【請求項8】
前記ミッドソール(1)が、踵領域(FB)、前足部領域(VFB)、および前記踵領域と前記前足部領域との間に配置された中足部領域(MFB)に区分され、前記チャネル(41、42)が、少なくとも前記踵領域および/または前記中足部領域に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のソール。
【請求項9】
前記踵領域に配置された少なくとも1つのチャネル(41)の前記主長手方向軸線(411)とベース面(2)との間の鋭角(α-41)が、前記中足部領域(MFB)および/または前記前足部領域(VFB)に配置された少なくとも1つのチャネル(42、43)の前記ベース面(2)と前記主長手方向軸線(421)との間の鋭角(α-42)よりも大きい、請求項8に記載のソール。
【請求項10】
前記主長手方向軸線(411)と前記ベース面(2)との間の前記鋭角(α-41)が、前記ミッドソール(1)の踵縁部(5)の最も近くに配置された前記チャネル(41)からソール先端部(6)にかけて小さくなり、特にチャネルごとに連続的に小さくなる、請求項9に記載のソール。
【請求項11】
前記ミッドソール(1)が、前足部領域(VFB)にチャネル(43)を追加的に有し、前記チャネル(43)が、前記ミッドソール(1)の前記長手方向(L)にあり、前記ミッドソールの前記横断方向(Q)に垂直な前記断面平面に沿って実質的に長方形の輪郭を有する、請求項8~10のいずれか一項に記載のソール。
【請求項12】
前足部領域(FVB)に配置された少なくとも1つのチャネル(43)、特に前記前足部領域(VFB)に配置されたすべての前記チャネルの前記主長手方向軸線とベース面(2)との間の鋭角が、0°~5°、特に0°~2°である、請求項8~11のいずれか一項に記載のソール。
【請求項13】
前記前足部領域(VFB)に配置された少なくとも1つのチャネル(43)、特に前記前足部領域(VFB)に配置されたすべての前記チャネルの前記主長手方向軸線が、前記ベース面に実質的に平行に配置される、請求項12に記載のソール。
【請求項14】
前記中足部領域(MFB)に配置されたチャネル(42)の前記主長手方向軸線(421)とベース面(2)との間の前記鋭角(α-42)が、0°~35°、好ましくは0°~25°である、請求項8~13のいずれか一項に記載のソール。
【請求項15】
各チャネル(41、42、43)が主側方軸線(412、422)を有し、前足部領域(VFB)に配置されたチャネル(43)の前記主側方軸線(412、422)に沿った高さが、中足部領域(MFB)および/または踵領域(FB)に配置されたチャネル(41、42)の主側方軸線(422)に沿った高さよりも小さい、請求項1~14のいずれか一項に記載のソール。
【請求項16】
前記チャネル(41、41’、42、43)がそれぞれ、前記主長手方向軸線(412、422)に沿って0.1cm~1.5cm、好ましくは0.1cm~1cmの高さを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のソール。
【請求項17】
前記チャネル(41、41’、42、43)がそれぞれ、前記主長手方向軸線(411、411’、421)に沿って0.5cm~3cm、好ましくは0.5cm~2cmの幅を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のソール。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のソールを備える靴、特にランニングシューズ。
【請求項19】
靴、特にランニングシューズを製造するための、請求項1~17のいずれか一項に記載のソールの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物技術の分野に関し、特にランニングシューズ用のソールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クッションシステムが異なる複数のランニングシューズが公知である。踵領域に、踏み込み時の垂直方向のクッション性を確保するためのゲルコアを有する、ソールを有するスポーツシューズおよびレジャー用シューズが普及している。個々のばね要素がアウトソールとインソールとの間の踵領域に取り付けられているという点で、垂直方向のクッション特性の改善がさらに達成された。
【0003】
上述のソールによってシューズの垂直方向のクッション性は改善されたものの、ソールおよびシューズに水平方向に作用する力に対する満足のいくクッション性を達成することはできていない。大きな水平成分を有する力は、特に遠方のルートで追加的に強化され、十分なクッション性の欠如のために頻繁に生じる膝関節痛および股関節痛の主な原因の1つを表す。
【0004】
下方に突出し、側面が開口しているセグメント化された溝形状の要素を有するソールが、本出願人による国際公開第2016184920号から公知である。走行時に生じる力の影響下で、溝形状の要素は、それらの側方開口部が閉じられるまで、水平方向だけでなく垂直方向にも変形可能である。この水平方向の変形性により、例えば傾斜した地形を走行するときにソールおよび靴に水平方向に作用する力も効率的に緩衝することができ、それにより、関節、特に膝および臀部への高い負荷を回避することができる。
【発明の概要】
【0005】
下方に突出し、側面が開口しているセグメント化された溝形状の要素を備えるソールの場合、使用されるソール材料に応じて使用時間が長い場合に材料の疲労が生じる可能性があり、その結果、長時間の使用後に材料の弾性特性が失われる可能性があるため、一方でクッション性が低下し、他方で溝形状の要素の側方開口部が不可逆的に変形する。国際公開第2016184920号から公知のソールの場合、溝形状の要素はさらに、いずれの場合も、ソールから突出する個々の要素として存在する。着用者の体重および足の位置に応じて、このことは、側方開口部の不規則な閉鎖をもたらす可能性があり、それによって、溝形状の要素のそれぞれの上層および下層が互いに正確に静止することなく、例えばソールの横断方向に、したがって長手方向または走行方向のそれぞれに垂直に、互いに対して空間的にシフトする可能性があるため、着用者は浮揚効果を経験する可能性がある。
【0006】
本発明は、ランニングシューズのソールの分野において先行技術をさらに発展させ、好ましくは先行技術の欠点を完全にまたは部分的に克服するという一般的な問題に基づいている。好適な実施形態では、一方では、走行時にソールおよび靴に水平方向に作用する力を緩和することができるが、他方では、より長い使用時間の場合であっても材料の疲労を全く示さない、または少なくとも材料の疲労を低下させるソールが提供される。浮揚効果の発生は、さらなる好適な実施形態では回避される。いくつかの好適な実施形態では、踵領域のクッション効果は従来技術と比較して増加するが、踵領域と比較して前足部領域ではより低いクッション効果が提供されるので、蹴り出し時に失われる力は著しく少なくなり、前記力は事実上完全に蹴り出すプロセスのために利用可能になる。
【0007】
一般的な問題は、独立請求項によるソールによって解決される。さらなる好適な実施形態は、従属請求項ならびに明細書および図面から得られる。
【0008】
第1の態様では、一般的な技術的問題は、弾性ミッドソールを備えるランニングシューズ用ソールによって解決される。ミッドソールは、それにより、ミッドソールの横断方向に延び、ミッドソールの長手方向に前後に配置されたいくつかのチャネルを有する。それにより、チャネル、特にすべてのチャネル、またはチャネルの少なくとも一部(いわゆる第1のタイプのチャネル)はそれぞれ:
ミッドソールの横側および/または内側開口部を備え;追加的に、それぞれが、
ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面における前方境界および後方境界、ならびに主長手方向軸線を備える。それぞれの主長手方向軸線に沿って、チャネルは、いずれの場合も、チャネルの横側および/または内側開口部がそれぞれのチャネルの主長手方向軸線に沿って後方境界から前方境界にかけて狭くなるように、それぞれの後方境界からそれぞれの前方境界までスロット状に延びる。
【0009】
このように配置されたチャネルは、それぞれのチャネルの主長手方向軸線に沿って後方境界から前方境界に向かってチャネル開口部が狭くなるため、垂直および水平に作用し、走行時に生じる力を、狭くなる開口部により効率的に緩衝することができるという利点を有する。チャネルは、典型的には、軟質弾性ミッドソールによってミッドソールの側方領域および内側領域、すなわち少なくとも横側および/または内側で完全に画定される。ミッドソールの長手方向(L)にあり、ミッドソールの横断方向(Q)に垂直な断面平面に沿った断面において、チャネルは、特にミッドソールによって完全に画定される。したがって、そのような実施形態では、チャネル壁は、ミッドソールの側方領域においてミッドソールによって完全に形成することができる。したがって、ソールの側面図において、チャネルは、典型的には、他の点では好ましくは一体のミッドソールにおける横断方向開口部として説明することができる。いくつかの実施形態では、ミッドソールはセグメント化を有さず、したがってセグメント化されていない。それにより、セグメント化されたミッドソールと比較して、ミッドソールが一般に著しく安定するように形成されるため、ソールの耐久性を著しく改善することができる。軟質弾性ミッドソールの疲労は、ソールもしくはランニングシューズの耐用年数にわたってそれぞれさらに回避されるか、または少なくとも著しく低減される。それにより、ミッドソールの好適なクッション効果を長期間にわたって常に維持することができる。
【0010】
チャネルの主長手方向軸線は、いずれの場合も、チャネルの長手方向、すなわちチャネルが延びる方向にスロット形状に平行に延び、上述の断面平面に沿った断面においてチャネルの中心点を通って延びる。主長手方向軸線は、ミッドソールのV、L平面内にあり、すなわち、主長手方向軸線はミッドソールの横断方向ではなく、ミッドソールの長手方向および/または垂直方向に延びる。いくつかの実施形態では、主長手方向軸線は、上述の断面平面に沿った断面において互いに最も離れているチャネル壁の点を通って延びることができる。したがって、チャネルのチャネル壁は、対応するチャネルのV、L平面内の任意のさらなる軸線に沿った場合よりも、チャネルの主長手方向軸線に沿った場合に互いからの距離が大きくなることができる。
【0011】
当業者は、スロット形状のチャネルが、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、細長い狭い輪郭を有し、したがってミッドソールに細長い狭い開口部を提供するチャネルであると理解する。したがって、そのようなチャネルの幅は、その高さよりも大きい。したがって、空間方向に沿ったそのようなチャネルの拡張は、同じ空間平面内で、特にV、L平面内でそれとは異なる空間方向に沿った拡張よりも大きい。したがって、断面において正方形または正円の形状を有するチャネルは、スロット形状ではない。
【0012】
チャネルの前方境界および後方境界は、いずれの場合も、その前端領域、すなわちソール先端部に面する領域、およびその後端領域、すなわち踵縁部に面する領域において、主長手方向軸線に沿ってチャネルを画定する。したがって、踵縁部から長手方向にソール先端部まで、チャネルの前端領域は、後端領域の上流に配置される。しかしながら、これは、このタイプのチャネルの主長手方向軸線が、それぞれミッドソールのベース面に平行に、または地面に平行な着用状態で強制的に延びなければならないことを意味するものではない。これが可能であっても、1つまたはいくつかのチャネルの主長手方向軸線は、ベース面に対して、または着用状態では地面に対してそれぞれ、0°より大きく90°未満、特に5°~80°の角度を有することが好ましい。それにより、前方境界および後方境界は、例えば、断面平面に沿った断面において、すなわち曲線状に湾曲するように形成することができる。それにより、いずれの場合も、チャネル中心またはチャネル中心点のそれぞれに向かって凹状に形成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、ミッドソールのチャネル、特にすべてのチャネルは、一般的に、長手方向に沿ってミッドソールの横断方向に垂直な断面において、踵縁部または後端領域のそれぞれの最も近くに配置されたそれぞれの端部から長手方向に、ソール先端部または前端領域のそれぞれの最も近くに配置されたそれぞれの端部に向かって、垂直方向に増加するように、または長手方向に平行に延びることができる。言い換えれば、長手方向に沿ってミッドソールの横断方向に垂直な断面におけるミッドソールのチャネルのいずれも、好ましくは、踵縁部または後端領域のそれぞれの最も近くに配置されたそれぞれの端部から長手方向に、ソール先端部または前端領域のそれぞれの最も近くに配置されたそれぞれの端部に向かって垂直方向に減少するように延びていない。したがって、それぞれのチャネルの、特にミッドソールのすべてのチャネルの主長手方向軸線は、垂直方向に増加するか、または踵縁部からソール先端部に向かって長手方向に平行である。しかしながら、それぞれのチャネルの主長手方向軸線は、踵縁部からソール先端部に向かって垂直方向に減少しない。
【0014】
チャネルは、典型的には、チャネルの横側および/または内側開口部が、主長手方向軸線に沿って後方境界から前方境界に向かって、主長手方向軸線に沿ったチャネルの大部分にわたって、長手方向に沿って横断方向に垂直な断面におけるチャネルの全幅の特に少なくとも30%にわたって、特に少なくとも50%にわたって、特に少なくとも70%にわたって、特に少なくとも90%にわたって、主長手方向軸線に沿って狭くなるように形成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、チャネルは、完全な閉鎖時に、特に側方開口部の完全な閉鎖に応答してチャネルがS字形をとるように構成される。
【0016】
ミッドソールのチャネルは、典型的には、少なくとも踵領域に配置され、任意選択にソールの中足部領域および/または前足部領域に配置される。いくつかの実施形態では、チャネルは、踵領域、中足部領域、および前足部領域に配置される。
【0017】
本開示で使用される方向指示は、以下のように理解されるべきである:ソールの長手方向Lは、踵領域から前足部領域までの軸線によって記述され、したがってソールの長手方向軸線に沿って延びる。ソールの横断方向Qは、長手方向軸線を横切って、すなわち長手方向軸線に垂直に、ならびにそれぞれソールの下側に実質的に平行に、または地面に実質的に平行に延びる。したがって、横断方向は、ミッドソールの横断方向軸線に沿って延びる。本発明に関連して、垂直方向または垂直方向Vは、ソールの下面またはベース面のそれぞれから、インソールの方向および上面の方向、または動作状態では、着用者の足の方向を識別し、したがってミッドソールの垂直軸線に沿って延びる。ソールの横側は、着用状態において着用者の足の外側に当接するソールの外部外側画定部である。ソールまたはミッドソールの内側は、それぞれ、横側の反対側に配置されたソールの外部内側画定部を指す。したがって、1足のランニングシューズの場合、着用状態において、2つのランニングシューズの内側は互いに面し、横側は互いに反対側を向く。
【0018】
ミッドソールは、典型的には、長手方向に、すなわち走行方向に沿って着用状態で、踵領域、前足部領域、および踵領域と前足部領域との間に直接配置された中足部領域に区分することができる。前足部領域は、例えば、長手方向とは反対側のソール先端部からミッドソールの全長の30~45%まで長手方向に延びる。踵領域は、例えば、長手方向の踵縁部からミッドソールの全長の20~30%まで長手方向に延びる。それにより、中足部領域は、踵領域と前足部領域との間に直接延び、その結果、中足部領域の長手方向の長さは、全長の残りの部分、特に全長の15~50%を占める。
【0019】
ミッドソールは、典型的には、ミッドソールの垂直方向の反対側でミッドソールを画定するベース面と、垂直方向にミッドソールを画定する上面とを有することができる。走行時、すなわち動作状態において、ベース面は地面に面し、上面は着用者の足またはインソールのそれぞれに面することが理解される。
【0020】
本発明によるソールは、ミッドソールからなることができ、またはミッドソールのみを備えることができる。後者の場合、本発明によるソールは、いくつかの実施形態では、さらなる構成要素、例えば、耐摩耗性および/または輪郭材料で作られたインソールおよび/またはアウターソールを備えることができる。
【0021】
弾性、特にソール用軟質弾性材料は、当業者に周知である。例えば、約0.0001~0.2GPa、特に0.001~0.1GPaのヤング率を有する材料を使用することができ、これは、本発明に関して、それぞれ弾性材料または軟質弾性材料であると見なすことができる。そのような材料は、典型的には、ポリマーフォームを含むことができる。ポリオレフィン、ポリオレフィンブロックポリマー、ポリ酢酸ビニル、特にEVA、ポリウレタン、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)もしくは膨張熱可塑性ポリウレタン(eTPU)、ポリアミド、例えばPA-11、PA-12、ナイロン、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX(登録商標))、ポリエチレンテレフタレート(PET)もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)またはそれらの混合物は、弾性材料または軟質弾性材料のそれぞれとして使用することができる。
【0022】
本発明に関して、チャネルは、典型的には管状に形成することができる凹部であると理解されるべきである。側方開口部を除いて、チャネルは、一般に、そのチャネル壁によって完全にまたは部分的に画定される。チャネルは、典型的には空である。チャネルは、特に開口して連続的であり得る、すなわち、チャネルは、好ましくは止まり穴ではない。チャネル、特にミッドソールのすべてのチャネルは、好ましくは、ミッドソールの横側からミッドソールの内側まで連続的に延びる。好ましい実施形態では、チャネルは互いに実質的に平行に延びることができる。いくつかの実施形態では、ミッドソールの開口領域の全部分、すなわちチャネル開口部の側方表面の全部分は、ミッドソールの閉鎖面の全部分、すなわちチャネルを有さないミッドソールの外面の全部分よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルは、長手方向にのみ、したがって踵縁部からソール先端部に向かって前後に配置される。これは、一部またはすべてのチャネルが垂直方向に互いにオフセットして配置され得ることを除外するものではない。好ましくは、垂直方向において、チャネルは、完全におよび/または部分的に一方が他方の上に配置されることはない。
【0023】
いくつかの実施形態では、チャネルは、ソールの踵縁部からソール先端部まで長手方向に前後に配置され、少なくとも2つ以上のチャネルは、垂直方向に互いにオフセットして配置される。特定の実施形態では、チャネルは、ミッドソールの側方領域および/または内側領域の少なくとも第1および第2の水平面に配置される。それにより、第1および第2の水平面は、互いに垂直にオフセットされて形成される。少なくとも第1および第2の水平面におけるチャネルの配置によって、クッション効果の大幅な改善が達成される。それにより、クッション性は、追加的に、もはやソールの個々のセグメントに限定されず、実質的にミッドソール全体にわたって延びる。
【0024】
ソールの水平面は、ソールの下側に実質的に平行に、または地面に実質的に平行にそれぞれ位置合わせされる平面を表す。水平面がわずかに湾曲することもできることが理解される。これは、例えば、ソールが、ランニングシューズに典型的であるように、前足部領域および/または踵領域において垂直上方にわずかに湾曲している場合に起こる可能性がある。
【0025】
チャネルの変形性は、例えば、チャネル壁を垂直に一緒にすること、および/または長手方向にチャネルを剪断することを含むことができることは当業者には明らかである。上側および下側チャネル壁は、典型的には、走行時に生じる力の影響下で互いに接触することができ、その結果、対応するチャネルは側方が閉じるまで変形する。
【0026】
好ましい実施形態では、弾性ミッドソールは一体に形成される。したがって、弾性ミッドソールは、好ましくは単一の材料からなり、したがって、いくつかの構成要素、特に互いに接着または溶接された構成要素からなるミッドソールよりも安定している。
【0027】
好ましい実施形態では、チャネルは、ミッドソールの横側および内側に側方開口部を有する。チャネルは、好ましくは、垂直方向および/または長手方向に作用し、走行時に生じる力の影響下で、長手方向に垂直および/または水平に変形することができる。これらの開口部は、チャネルのチャネル壁が接触するという点で、走行時に生じる力によって閉じることができ、特に完全に閉じることができる。したがって、踵領域および/または中足部領域および/または前足部領域に配置されたチャネルは、走行時に生じる力によって側方開口部を完全に閉じるように設計することができる。走行時に生じる力は、典型的には、着用者の重量に基づく重量の力に起因し、これは、例えば40kg~120kg、特に50kg~100kgであり得る。
【0028】
上側および下側チャネル壁は、典型的には、走行時に生じる力の影響下で互いに接触することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、チャネルは、チャネルのそれぞれの主長手方向軸線がミッドソールの垂直方向の成分および長手方向の成分を有するように配置される。したがって、このタイプのスロット形状のチャネルおよびその対応する主長手方向軸線は、それぞれミッドソールのベース面から見て、ソールの側面図において、またはミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、長手方向にソール先端部に向かって、および垂直方向にミッドソールの上面の方向に延びる。そのような実施形態は、チャネルの前方境界に向かって狭くなる開口部と組み合わされたチャネルの特別な配置に起因して、特に、水平に作用して走行時に生じる力は、チャネル壁の剪断が容易になるので効率的に緩衝することができ、その結果、側方開口部が剪断下で事実上完全に閉じることが可能であるという利点を有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、チャネルは、いずれの場合も、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿って、またはミッドソールの側面図においてのそれぞれで、チャネルの主長手方向軸線に対して実質的に鏡面対称に形成される。それにより、チャネル壁が正確に一方が他方の上で静止するようになるため、開口部の閉鎖時に浮揚効果が生じないこと、または前記浮揚効果が著しく低減されることのそれぞれが達成される。それにより、着用者の安定した立ち姿勢が実現される。
【0031】
いくつかの実施形態では、チャネルはそれぞれ、互いに対向して位置し、主長手方向軸線に沿って互いに向かって延びる2つのフランクを有する。それにより、フランクは、典型的には、上述の断面平面に沿った断面において後方境界から前方境界まで実質的に直線的に延びることができ、それにより、フランクは主長手方向軸線に連続的に近づく。
【0032】
いくつかの実施形態では、ミッドソールは、ミッドソールの垂直方向の反対側でミッドソールを画定するベース面と、垂直方向にミッドソールを画定する上面とを有することができる。それにより、それぞれのチャネルの主長手方向軸線は、5°~85°、特に30°~85°、特に40°~75°の角度でベース面および/またはそれに当接する接線と交差するように配置される(ベース面が平坦面ではなく、特にソール先端部および/または踵縁部の領域において垂直方向に湾曲するように形成されている、すなわち着用状態で地面に対して凸状に形成されている場合、当業者は、接線がベース面と主長手方向軸線との間の交点に適用されることを理解する)。対応する角度が大きいほど、より効率的に水平方向に作用する力を吸収することができる。それにより、中足部領域ではより小さい角度が好ましく、なぜならば、一方では、走行時に第1の接触が典型的に生じる点において、踵領域ほど高くないクッション性が必要であり、他方では、クッション性が最初に蹴り出す力の一部を吸収するために、クッション性は前足部および中足部領域で典型的に生じる蹴り出し時のエネルギー損失を伴うからである。対照的に、踵領域は、高いクッション性が必要とされ、走行時の蹴り出しプロセスに直接関与しないため、30°以上の角度が好ましい。
【0033】
チャネルの主長手方向軸線とミッドソールのベース面との間の鋭角の特徴は、追加的に、それぞれのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれのチャネルの中心点を通る垂直チャネル線との間の鈍角によって置き換えることができる。したがって、垂直チャネル線は、チャネルの中心点を通って延び、ミッドソールのベース面に垂直であるか、または実質的にそれぞれ90°の角度でミッドソールのベース面と交差する。この場合、踵領域に配置された少なくとも1つのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角はまた、それにより、中足部領域および/または前足部領域に配置された少なくとも1つのチャネルのそれぞれの垂直チャネル線と主長手方向軸線との間の鈍角よりも大きい。したがって、本明細書に記載のすべての実施形態の場合、チャネルの主長手方向軸線とミッドソールのベース面との間の鋭角の特徴は、それぞれのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれのチャネルの垂直チャネル線との間の鈍角の特徴に置き換えることができる。いくつかの実施形態では、前足部領域に配置された少なくとも1つのチャネル、特に前足部領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、90°~175°、特に90°~165°である。当業者は、鈍角が90°~180°であり、鋭角が0°~90°であることを理解する。
【0034】
いくつかの実施形態では、チャネルはそれぞれ、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿って、五角形、六角形および/またはドロップ形状、特にランセット形状の輪郭を有する。それにより、ミッドソールの1つまたはいくつかのチャネルが、ミッドソールのさらなるチャネルとは異なる輪郭を有することも可能である。ミッドソールは、特に、異なる輪郭を有する最大5つのチャネルを有することができる。ドロップ形状の輪郭は、二等辺三角形および二等辺三角形に接続された円形セグメントを実質的に特徴とする形状を指す。当業者は、これらの輪郭がまた、角が丸い形状、例えば角が丸い長方形を含むことを理解する。それにより、特にドロップ形状の円形セグメントの一部がベース面に向かって位置合わせされる場合、ドロップ形状の輪郭が特に好ましい。それにより、走行時に水平方向に作用する力に対する、特に大きな水平方向のクッション性を実現することができるからである。ドロップ形状の輪郭はさらに、チャネルの特に制御された閉鎖を可能にし、それにより浮揚効果が回避される。この理由は、特に、ドロップ形状の輪郭を有するチャネルが、閉鎖時にS字形をとるように構成されているためである。したがって、ドロップ形状の輪郭を有するチャネルは、特に踵領域に配置されることが理解される。対照的に、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿って異なる輪郭、特に長方形、五角形および/または六角形の輪郭を有するチャネルを、それにより、前足部領域および/または中足部領域に設けてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、チャネルの少なくとも一部またはすべてのチャネルは、走行時に生じる力によってそれらの側方開口部を完全に閉じるように構成される。一方では、それにより、踏み込み時のチャネルの崩壊によって良好なクッション性が達成されるが、他方では、閉鎖によって横断方向および/または長手方向のさらなる変位が防止されるため、完全な閉鎖によって、最大負荷の瞬間に安全な立ち姿勢が可能になる。
【0036】
いくつかの実施形態では、ミッドソールは、踵領域、前足部領域、および踵領域と前足部領域との間に配置された中足部領域に区分される。それにより、上記の実施形態で説明したチャネルは、少なくとも踵領域および/または中足部領域に配置される。これらのチャネルは、踏み込み時に最大負荷がこの領域に作用するため、少なくとも踵領域に配置されることが好ましい。
【0037】
いくつかの実施形態では、チャネルの主長手方向軸線は、ベース面、または主長手方向軸線とベース面との交点に当接する接線のそれぞれと鋭角で交差する。それにより、踵領域に配置された少なくとも1つのチャネルの主長手方向軸線と、ベース面または対応する接線のそれぞれとの間の鋭角は、中足部領域および/または前足部領域に配置された少なくとも1つのチャネルのベース面と主長手方向軸線との間の鋭角よりも大きい。チャネルの細長い輪郭に起因して、ならびに少なくとも1つのチャネルのベース面と主長手方向軸線との間の鋭角が、中足部領域および/または前足部領域部のチャネルの場合よりも踵領域において大きいという事実に起因して、踵領域において著しく増大したクッション効果を達成することができる一方で、ベース面と主長手方向軸線との間の鋭角が小さいことに起因して、前足部領域および/または中足部領域においてより低いクッション効果が達成されることが示されており、これは、事実上完全に前足部領域および任意選択的に中足部領域を介して生じる、蹴り出し時にクッション性のために失われるエネルギーがほとんどないという効果を有する。踵領域における1つ以上のチャネルの鋭角の増加はそれぞれ、さらに、垂直方向のクッション性だけでなく、走行時に水平に作用する力に対する大きな水平方向のクッション性も達成するという効果を有する。ミッドソールの踵領域のすべてのチャネルはで、好ましくは、前足部領域および/または中足部領域のすべてのチャネルよりも、ベース面とそのそれぞれの主長手方向軸線との間の鋭角が大きい。
【0038】
チャネルの主長手方向軸線とミッドソールのベース面との間の鋭角の特徴は、追加的に、それぞれのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれのチャネルの中心点を通る垂直チャネル線との間の鈍角によって置き換えることができる。したがって、垂直チャネル線は、チャネルの中心点を通って延び、ミッドソールのベース面に垂直であるか、または実質的にそれぞれ90°の角度でミッドソールのベース面と交差する。チャネルの中心点は、一般に、主長手方向軸線上にある。この場合、踵領域に配置された少なくとも1つのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角はまた、それにより、中足部領域および/または前足部領域に配置された少なくとも1つのチャネルのそれぞれの垂直チャネル線と主長手方向軸線との間の鈍角よりも大きい。
【0039】
いくつかの実施形態では、踵領域に配置されたチャネル、特に踵領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、35°~85°、好ましくは40°~75°である。比較的大きい角度に起因して、良好な垂直方向のクッション性が達成されるだけでなく、走行時に水平に作用する力によって、特にチャネルのチャネル壁に接触することによってチャネルを閉じることができるため、大きな水平方向のクッション性も達成される。
【0040】
いくつかの実施形態では、踵領域に配置されたチャネル、特に踵領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、110°~175°、特に125°~170°、好ましくは125°~165°である。比較的大きい角度に起因して、良好な垂直方向のクッション性が達成されるだけでなく、走行時に水平に作用する力によって、特にチャネルのチャネル壁に接触することによってチャネルを閉じることができるため、大きな水平方向のクッション性も達成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角、または主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、それぞれ、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルからソール先端部に向かって小さくなり、特に、踵縁部から中足部領域までの少なくとも部分領域にわたって連続的に小さくなる。それにより、前足部領域では、鋭角は全体にわたって0°とすることができ、すなわち前足部領域のチャネルの主長手方向軸線はベース面に平行である。チャネルごとに見ると、チャネルは、それにより、踵縁部からソール先端部の方向に減少する。それにより、踵領域ではクッション効果の増加を達成することができ、前足部領域および/または中足部領域では、ベース面と主長手方向軸線との間の鋭角がより小さいため、達成されるクッション効果が低くなり、蹴り出し時にクッション性によって失われるエネルギーがほとんどないという効果を有するということが達成される。一般に、チャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角が大きいほど、クッション効果が大きくなることが当てはまる。したがって、必要とされるクッション効果が踵縁部で最大であるので、踵縁部の最も近くに配置されたチャネルが最大の鋭角を有することが好適である。長手方向においてソール先端部に向かってチャネルがより遠くに配置されるほど、必要とされるクッション効果がより小さくなり、その結果、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角がより小さくなるように選択される。
【0042】
特定の実施形態では、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角、または主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、それぞれ、踵領域のソール先端部の方向に、またはさらには踵領域のみで、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルから連続的に小さくなる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ミッドソールは前足部領域にチャネルを追加的に有し、チャネルは、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿って実質的に長方形の輪郭を有する。前方境界に向かって狭くなる側方開口部を有する前述のチャネルと比較して、これらのチャネルは、前方境界に向かって狭くなる側方開口部を有さないという点で、上述の第1のタイプのチャネルとは異なる第2のタイプのチャネルとして説明することができる。ミッドソールは、常に第1のタイプのチャネルを有するが、任意選択的に第2のタイプのチャネルを追加的に有してもよい。第2タイプのチャネルの場合のクッション効果は、第1タイプのチャネルの場合よりも低いため、第2タイプのチャネルは好ましくは前足部領域に配置される。踵領域では、可能な限り高いクッション効果が達成されるべきであるが、前足部領域では望ましくなく、なぜならば、踵領域と比較してクッション効果が低いため、蹴り出し時にランナーの力のかなりの部分が失われることが防止され、したがって、この力が、事実上完全に蹴り出しプロセスのために利用可能であるためである。
【0044】
いくつかの実施形態では、前足部領域に配置された少なくとも1つのチャネル、特に前足部領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、0°~15°、特に0°~5°、特に0°~2°である。0°の角度は、チャネルの主長手方向軸線とベース面とが実質的に互いに平行に配置されることを意味する。湾曲したベース面の場合、この平行性は、ベース面に当接する接線を指し、接線は垂直方向においてチャネルの下方のベース面に当接する。このタイプの小さな角度の結果として、一方では十分なクッション性が依然として提供され、着用者の関節が十分に保護されるが、他方では、蹴り出し時のエネルギーのかなりの部分がクッション性により失われるほどクッション性が大きすぎはしない。
【0045】
いくつかの実施形態では、前足部領域に配置された少なくとも1つのチャネル、特に前足部領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、90°~100°、特に90°~95°である。90°の鈍角は、チャネルの主長手方向軸線とベース面とが実質的に互いに平行に配置されることを意味する。湾曲したベース面の場合、この平行性は、ベース面に当接する接線を指し、接線は垂直方向においてチャネルの下方のベース面に当接する。
【0046】
特定の実施形態では、前足部領域に配置された少なくとも1つのチャネル、特に前足部領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線は、ベース面に実質的に平行に配置される。
【0047】
いくつかの実施形態では、中足部領域に配置されたチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、0°~35°、好ましくは0°~25°である。中足部領域は中間領域を表し、一方では踏み込み時に特定のクッション効果が依然として必要とされるが、他方では特に、ソール先端部に向かって長手方向に見て中足部領域の前部が地面を蹴り出すために既に使用されているため、クッション効果は大きすぎてはならない。踵領域内のチャネルに直接接続するチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、特に好ましくは0°より大きく、例えば10°~35°または10°~25°である。特定の実施形態では、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、ミッドソールの踵縁部の中足部領域に配置されたチャネルから、踵領域のソール先端部の方向に連続的に小さくなる。
【0048】
いくつかの実施形態では、中足部領域に配置されたチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、90°~120°、好ましくは90°~115°である。
【0049】
いくつかの実施形態では、各チャネルは主側方軸線を有する。それにより、主側方軸線は、典型的には、チャネルのそれぞれの主長手方向軸線に垂直であり、チャネル中心点を通って延びる。主長手方向軸線と同様に、主側方軸線はV、L平面内にあり、したがって横断方向には延びていない。それにより、高さ、すなわち前足部領域に配置されたチャネルの主側方軸線に沿ったチャネルのチャネル壁の直接距離は、中足部領域および/または踵領域に配置されたチャネルの主側方軸線に沿った高さよりも小さい。それにより、踵領域において高いクッション効果が達成される。同時に、前足部領域におけるクッション効果は著しく小さくなり、それによって、蹴り出し時に失われるエネルギーはより少なくなる。
【0050】
いくつかの実施形態では、チャネルはそれぞれ、主側方軸線に沿って0.1cm~1.5cm、好ましくは0.1cm~1cmの高さを有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、チャネルはそれぞれ、主長手方向軸線に沿って0.5cm~3cm、好ましくは0.5cm~2cmの幅を有する。幅は、主長手方向軸線に沿ったチャネルのチャネル壁の距離を記述し、したがって、いくつかの実施形態では、長手方向に沿ってソールの横断方向を横切る断面平面内最大拡張を表す。
【0052】
いくつかの実施形態では、ミッドソールのチャネルの一部、特にすべてのチャネルは、いずれの場合も、ミッドソールの横側から内側に向かって横断方向に先細になることができる。したがって、そのようなチャネルの開口領域は、長手方向に沿ってミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、横側から横断方向に、ミッドソールの内側に向かって小さくなる。これは、クッション特性を著しく低下させることなく、特に踏み込み時のソールの安定性が増加するという利点を有する。追加的または代替的に、ミッドソールのチャネルの一部、特にすべてのチャネルは、いずれの場合も、ミッドソールの内側から横側に向かって横断方向に先細になっていてもよい。それにより、これら2つの代替形態は、ソールが横側または内側のどちらに徐々に負荷がかかるかに応じて、着用者の異なるランニングスタイルをサポートする。例えば、前足部領域のチャネルが、いずれの場合も、ミッドソールの横側から内側に向かって横断方向に先細になることも可能であり、踵領域のチャネルが、いずれの場合も、ミッドソールの内側から横側に向かって横断方向に先細になることも可能であり、その逆も可能である。さらに、中足部領域のチャネルは、いずれの場合も、ミッドソールの横側から内側に向かって横断方向に先細になることができ、またはいずれの場合も、ミッドソールの内側から横側に向かって横断方向に先細になることができる。
【0053】
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の実施形態のうちの1つによるソールを備える靴、特にランニングシューズに関する。
【0054】
本発明のさらなる態様は、靴、特にランニングシューズを製造するための、本明細書に記載の実施形態のうちの1つによるソールの使用に関する。
【0055】
本発明の態様は、以下の図および対応する説明に示される例示的な実施形態に基づいてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明の一実施形態によるランニングシューズ用の本発明によるソールの概略側面図を示す。
【
図2a】本発明によるソールの実施形態で提供されるような、V、L平面においてドロップ形状のチャネルの側面図の概略図を示す。
【
図2b】本発明によるソールの実施形態で提供されるような、V、L平面において六角形のチャネルの側面図の概略図を示す。
【
図3a】無負荷状態のドロップ形状のチャネルを備える本発明によるソールを備える靴の踵領域の写真を示す。
【
図3b】負荷状態のドロップ形状のチャネルを備える本発明によるソールを備える靴の踵領域の写真を示す。
【
図4】本発明のさらなる実施形態によるソールを備えるランニングシューズの側面図を概略的に示す。
【
図5a】本発明のさらなる実施形態によるランニングシューズ用の本発明によるソールの概略側面図を示す。
【
図5b】本発明のさらなる実施形態によるランニングシューズ用の本発明によるソールの概略側面図を示す。
【
図6】本発明のさらなる実施形態によるランニングシューズ用の本発明によるソールを備える靴の概略側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
ランニングシューズ用の本発明によるソールが
図1に示されており、このソールは弾性ミッドソール1を有する。ミッドソール1は、ベース面2によって垂直方向Vの反対側で画定され、上面3によって垂直方向Vに画定される。ミッドソール1は、追加的に、踵領域FB、中足部領域MFB、前足部領域VFBに区分される。図示するように、これら3つの領域が長手方向に前後に配置されることにより、中足部領域MFBは、踵領域FBと前足部領域VFBとの間に配置される。ミッドソール1は、ミッドソール1の横断方向Qに延び、ミッドソール1の長手方向Lに前後に配置されたいくつかのチャネル41、42、43を備える(明確にするために、チャネルのうちの3つのみが識別されている)。横断方向Qにおいて、これらのチャネルは、一般に、互いに実質的に平行に配置することができる。それにより、チャネルはそれぞれ、ミッドソールに横側および内側開口部を有する。チャネルはそれぞれ、追加的に、ミッドソール1の長手方向Lにあり、ミッドソール1の横断方向Qに垂直な断面平面に沿った断面において、前方境界および後方境界(
図2aおよび
図2b参照)、ならびに主長手方向軸線(411)(明確にするために、チャネル41の主長手方向軸線のみが示されている)を有する。それにより、上述の断面平面、V、L平面におけるチャネル41は、主長手方向軸線411に沿ったチャネル41の横側および/または内側開口部が後方境界から前方境界に向かって狭くなるように、スロット形状の方法でその後方境界から前方境界に向かって主長手方向軸線411に沿って延びていることが分かる。それにより、主長手方向軸線411は、チャネル41の中心点Mを通って延びる。それにより、チャネル41は、その主長手方向軸線411が長手方向Lおよび垂直方向Vに延びるように配置される。したがって、主長手方向軸線411は、長手方向Lにおいて0に等しくないベクトル成分と、垂直方向Vにおいて0に等しくないベクトル成分とを有する。その結果、ミッドソール1の横側から見たスロット形状のチャネル41は、ベース面2から垂直方向Vおよび長手方向Lに延びている。さらに、
図1から、チャネル41は、それらの主長手方向軸線に対して実質的に鏡面対称に形成され、すなわち、主長手方向軸線は、V、L平面におけるチャネル断面の対称軸線を形成することが分かる。チャネル41の主長手方向軸線411は、交点Sでベース面2と交差する。それにより、主長手方向軸線411と点Sでベース面2に当接する接線との間の鋭角α-41は、5°~85°である。主長手方向軸線411に加えて、チャネル41は、それに対して垂直に配置され、同様にチャネル41の中心点Mを通って延びる主側方軸線412を有する。踵縁部5からソール先端部6に向かって、高さ、すなわちチャネルのチャネル壁の互いからの距離は、主側方軸線に沿って減少する。前足部領域VFBに配置されたチャネル43の主側方軸線に沿った高さは、それにより、中足部領域MFBおよび/または踵領域FBに配置されたチャネル41、42の主側方軸線に沿った高さよりも小さい。チャネル41の幅は、主長手方向軸線411に沿ったチャネル41の前方境界と後方境界との距離に対応する。
【0058】
横断方向Qに沿って見たチャネル41の拡大図が
図2aに示されている。それにより、チャネル41は、前方境界413および後方境界414を有する。主長手方向軸線4111に垂直に配置された破線は、それにより、前方境界413と後方境界414との境界を示す。図示のように、前方境界および後方境界は、いずれの場合も湾曲形状または湾曲状に形成され、特にV、L平面の断面においてチャネル中心に向かって凹状に形成される。互いに対向して位置し、主長手方向軸線411に沿って互いに向かって延び、V、L平面に沿った断面において実質的に直線的に形成される2つのフランク415、416は、前方境界413と後方境界414との間に延びる。それにより、V、L平面に沿ったチャネル41の形状は、ドロップ形状、特にランセット状の形状として説明することができる。ドロップ形状の輪郭は、実質的に、この場合には丸い先端を有する二等辺三角形と、この場合には半球である球状セグメントとからなる。主長手方向軸線411に沿って狭くなる側方開口部を有するチャネルの特別な形成により、水平方向の力F
H、すなわち長手方向Lとは反対に作用する水平方向の力F
H、および垂直方向の力F
V、すなわち垂直方向Vに作用する垂直方向の力F
Vは、チャネル41のフランク415および416が互いに向かって移動するという点で、側方開口部の部分的または完全な閉鎖をもたらすので、効率的に緩衝することができる。それにより、水平方向に作用する力に対するクッション性を、ミッドソールをセグメント化することなく、かつV、L平面のミッドソールによって完全に形成されるチャネルの場合でも、完全に達成することができる。チャネル41’の代替的なチャネル形状が
図2bに示されている。前記チャネルは同様に、前方境界413’および後方境界414’を有し、これらは、この場合、V、L平面に沿って湾曲して形成されず、二等辺三角形の脚部によって記述することができる。互いに対向して位置し、互いに向かって主長手方向軸線411’に沿って、後方境界414’から前方境界413’まで延び、したがってチャネル41’の側方開口部を狭くするフランク415’および416’は、前方境界413’と後方境界414’との間に配置される。
【0059】
無負荷状態の本発明によるミッドソールを備えるランニングシューズが
図3aに示されている。走行時に生じる垂直方向の力および水平方向の力がここでミッドソールに作用すると、チャネルの閉鎖をもたらし、閉鎖は実質的にS字形であり、特に長手方向Lに向けられる。それにより、走行時に水平方向および垂直方向に生じる力を効率的に緩衝することができる。
【0060】
本発明のさらなる実施形態による本発明によるミッドソール1を備えるランニングシューズを
図4に示す。
図1のミッドソールとは対照的に、
図4に示すミッドソール1は、チャネル41および42を有し(明確にするために、合計3つのチャネルのみが識別されている)、これらは、V、L平面に沿った、したがってミッドソールの長手方向Lにあり、ミッドソールの横断方向Qに垂直な断面平面に沿った断面において、踵領域FBにおいて、および中足部領域MFBにおいても部分的に六角形の輪郭を有する。それにより、この輪郭は不規則な六角形である。チャネル42の主長手方向軸線421は、V、L平面内のチャネル42の中心点を通って延び、長手方向、すなわちチャネルが延びる方向に平行に延びる。主長手方向軸線は、追加的に、上述の断面平面に沿った断面において互いに最も離れているチャネル壁の点を通って延びる。前足部領域のチャネルおよび中足部領域のチャネルは、例えばチャネル43について示されているように、角が丸い長方形の輪郭を有する。それにより、前足部領域に配置されたこれらのチャネルは、第2のタイプのチャネルであり、すなわち、その側方開口部は、そのようなチャネルの2つの対向するフランクが長手方向に互いに平行にかつ互いに平行に延びるため、それぞれの主長手方向軸線に沿って後方境界から前方境界に向かって狭くならない。
【0061】
ミッドソール1を備えるソールのさらなる実施形態を
図5aに示す。本発明によるミッドソール1は、ベース面2によって垂直方向Vの反対側で画定され、上面3によって垂直方向Vに画定される。ミッドソール1は、追加的に、踵領域FB、中足部領域MFB、前足部領域VFBに区分される。図示するように、これら3つの領域が長手方向に前後に配置され、ここで、中足部領域MFBは、踵領域FBと前足部領域VFBとの間に配置される。ミッドソール1は、ミッドソール1の横断方向Qに延び、ミッドソール1の長手方向Lに前後に配置されたいくつかのチャネル41、42、43を備える(明確にするために、チャネルのうちの3つのみが識別されている)。これらのチャネルは、一般に、横断方向Qにおいて、互いに実質的に平行に配置することができる。それにより、チャネル41、42、43はそれぞれ、ミッドソール1の長手方向Lにあり、ミッドソールの横断方向Qに垂直な断面平面に沿った断面において細長い輪郭を有する。図示の座標系では、この断面平面はV、L平面であり、長手方向Lにあり、横断方向Qに垂直な断面平面に沿った断面における各チャネル41、42、43は、主長手方向軸線411、421を有する(明確にするために、2つのチャネルの主長手方向軸線のみが示されている)。それにより、主長手方向軸線411と、ベース面2、または踵領域FBに配置されたチャネル41の主長手方向軸線411とベース面2との交点における接線のそれぞれとの間の鋭角α-41は、少なくとも中足部領域MFBに配置されたチャネル42のベース面2(または、主長手方向軸線411とベース面2との交点における接線のそれぞれ)と主長手方向軸線421との間の鋭角α-42よりも大きいことが分かる。それにより、主長手方向軸線とベース面との間の角度は、踵縁部5からソール先端部6に向かって中足部領域までずっと、チャネルごとに連続的に小さくなり、前足部領域では実質的に0°である、すなわち、前足部領域VFBのチャネルの主長手方向軸線はベース面2に平行である。側方開口部が、主長手方向軸線に沿って前方境界から後方境界にかけて狭くなる場合、踵領域のチャネルおよび中足部領域の部分的なチャネルは、それにより、第1のタイプのチャネルを表す。対照的に、前足部領域では、長方形のチャネルは、互いに平行に配置され、追加的にベース面2に平行に配置されたフランクを有する。したがって、これらのチャネルは、第2のタイプのチャネルを表す。チャネルはそれぞれ、追加的に、主長手方向軸線に垂直で、同様にチャネル中心点と交差する主側方軸線422を有する(明確にするために、チャネル42の主側方軸線422のみが示されている)。チャネルの高さは、主側方軸線に沿ったチャネルのチャネル壁の距離として規定される。
図1に示すように、前足部領域VFBに配置されたチャネル43の主側方軸線に沿った高さは、中足部領域MFBおよび/または踵領域FBに配置されたチャネル41、42の主側方軸線に沿った高さよりも小さい。それにより、前足部領域VFBのチャネルは、ミッドソール1の長手方向Lにあり、ミッドソール1の横断方向Qに垂直な断面平面に沿った断面において矩形の輪郭を有する。
【0062】
図5aの実施形態が
図5bに示されているが、主長手方向軸線411および421と、ベース面2、または主長手方向軸線411および421とベース面2との交点における接線のそれぞれとの間の鋭角α-41およびα-42の代わりに、主長手方向軸線411とチャネル41の垂直チャネル線413との間の鈍角β-41が示されている。それにより、垂直チャネル線は、主長手方向軸線411上にあり、特にチャネル41の前端および後端、または前端領域および後端領域のそれぞれがそこから均等に離間しているチャネル41の中心点M-41を通って延びる。垂直チャネル線は、ベース面2または接線(接線T-41を参照)のそれぞれに対して追加的に垂直であり、垂直チャネル線(垂直チャネル線413を参照)のベース面2に対する交点においてベース面2に当接する。チャネル42の主長手方向軸線421とチャネル42の垂直チャネル線423との間の鈍角β-42も同様に示されている。それにより、踵領域FBに配置されるチャネル41の鈍角β-41は、中足部領域MFBに配置される鈍角β-42よりも大きくなる。
【0063】
本発明のさらなる実施形態による本発明によるミッドソール1を備えるランニングシューズを
図6に示す。チャネル42の主長手方向軸線421は、V、L平面内のチャネル42の中心点を通って延び、長手方向、すなわちチャネルが延びる方向に平行に延びる。主長手方向軸線は、追加的に、上述の断面平面に沿った断面において互いに最も離れているチャネル壁の点を通って延びる。それにより、チャネルは、踵縁部5からソール先端部6まで長手方向Lに前後に配置され、ミッドソール1の側方領域および/または内側領域の少なくとも第1および第2の水平面に配置される。それにより、第1および第2の水平面は、互いに垂直にオフセットして形成される。それにより、チャネル41は第1の水平面に配置され、チャネル42は第2の水平面に配置され、第2の水平面は第1の水平面から垂直方向にオフセットして配置される。
【国際調査報告】