(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ガイドワイヤに沿った非外傷性カテーテル挿入のためのシステムおよび装置
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240125BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20240125BHJP
A61M 25/095 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61M25/00 610
A61M25/00 620
A61M25/00 624
A61M25/00 530
A61M25/06 550
A61M25/095
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544267
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 US2022012270
(87)【国際公開番号】W WO2022159323
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523275477
【氏名又は名称】マイクロライナー テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,アレクサンダー アール.
(72)【発明者】
【氏名】フローア,トッド オー.
(72)【発明者】
【氏名】ビュカナン,ウィリアム プレストン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267AA14
4C267BB02
4C267BB08
4C267BB13
4C267BB40
4C267CC08
4C267GG34
(57)【要約】
ガイドワイヤに沿った非外傷性配置のためのカテーテルシステムは、長手方向に延在する内腔を画定する円筒形カテーテル本体を含むカテーテルと、案内装置とを含む。案内装置は、カテーテル本体の内腔に挿入するための導管部材と、導管部材の前方端部に接続され、円錐および円錐から前方に延びるスリーブを含む先行構造と、先行構造および導管部材を通って長手方向に延びる内側ガイド穴とを含む。使用時には、案内装置およびカテーテル本体は同軸に配置され、円錐はカテーテルの前方にあり、スリーブは円錐から前方に延びる。円錐は、肩部と、スリーブから肩部まで直径方向に増加するテーパ状の外側部とを含む。肩部は、カテーテルの遠位端に当接して、カテーテル内への案内装置の挿入を記録する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤに沿った非外傷性配置のためのカテーテルシステムであって、
長手方向に延在する内腔を画定する円筒形のカテーテル本体を含むカテーテルと、
案内装置と、を備え、
前記案内装置が、
前記カテーテル本体の前記内腔に挿入するための導管部材と、
導管部材の前方端部に接続された先導構造であって、円錐と、前記円錐から前方に延びるスリーブとを含む先導構造と、
前記先導構造および導管部材を通って長手方向に延びる内側ガイド穴と、を含み、
使用時に、前記案内装置およびカテーテル本体が同軸に配置され、前記円錐が前記カテーテルの前方にあり、及び、前記スリーブが前記円錐から前方に延びる、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記円錐は、肩部と、前記スリーブから前記肩部まで直径方向に増加するテーパ状の外部とを含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記肩部の後部が、前記カテーテルの遠位端に当接して、前記カテーテル内への前記案内装置の挿入の位置を合せる、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記円錐の前記肩部の非圧縮外径は前記カテーテル本体の前記内腔の内径よりも大きく、
前記円錐は、変形が、前記遠位端を通り、前記内腔の中に且つ前記内腔に沿って、前記肩部を通過することを可能にするように変形可能である、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記導管部材は、溝を含む溝付き外部を備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記溝は、前記導管部材の前記外部に沿って長手方向に延在する、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記溝は、前記導管部材の前記外部の周りに均等に分配される、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記円錐が、流体通路のために前記溝に接続されるスロットを備える、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記先導構造は、前記スロットが前記溝に接続される開口部を備える、請求項8に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
使用時に、前記開口部は、血管を安全に充填するために、流体の体積流量を遅らせる、請求項9に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記案内装置は、前記ガイド孔からオフセットされた前記導管部材の後方端部に取り付けられた、前記案内装置の物理的制御のための近位部材をさらに備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記内側ガイド穴は、前記スリーブ、円錐、および導管部材に沿って均一な内径を有する、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記カテーテル本体は、後方端と、反対側遠位端とを含み、
前記カテーテル本体の前記後方端部はテーパ状入口を有し、
前記内腔は、前記テーパ状入口から前記遠位端まで延びる、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記カテーテル本体は、補強部材と内側ライナと外側カバーとを含む長手方向に延在する層状壁を有する、請求項13に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記補強部材は、前記テーパ状入口から前記遠位端に向かって延在する螺旋ばねを含む、請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記内側ライナは、前記補強部材内に延在し、前記内管の内面を画定し、
前記外側カバーは、補強部材を取り囲み、前記カテーテル本体の外面を画定する、請求項15に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記カテーテルが、前記遠位端に近接し且つ前記遠位端にある放射線不透過性領域を含む、請求項13に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記放射線不透過性領域が、前記補強部材の前方、前記外側カバーと内側ライナとの間、および前記遠位端の後方の円筒形バンドを含む、請求項17に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
前記案内装置が、放射線不透過性マーカ領域を含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項20】
前記先導構造が、前記案内装置の前記放射線不透過性マーカ領域を含む、請求項19に記載のカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2021年12月21日に出願された「SYSTEMS AND DEVICES FOR ATRAUMATIC CATHETER INSERTION A GUIDEWIRE」と題された米国特許出願第17/558,020号および2021年1月22日に出願された「MEDICAL DEVICE、METHOD OF MAKING AND USING SAME」と題された米国仮特許出願第63/140,610号の優先権の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して、医療デバイスおよび方法に関する。より詳細には、本開示がカテーテルの非外傷性配置および使用のための装置及びシステムに関する。
【0003】
(背景)
外科的処置で使用されるカテーテルは、外科的処置を行うために、および/または冠動脈ステントなどの人工器官デバイスを配置するために、患者に挿入される細いチューブである。カテーテルは特に、心臓血管、泌尿器科、消化管、神経血管、および眼科用途のために設計することができる。カテーテルを挿入するプロセスは、「カテーテル挿入」と呼ばれる。
【0004】
ガイドワイヤは、典型的にはカテーテルを所定の位置に案内するために使用される。ガイドワイヤの挿入および配置は、典型的にはカテーテルの配置に先行する。ガイドワイヤは、血管および他の本体導管へのアクセスを獲得し、配置されると、ガイドワイヤの経路を辿るカテーテルの進入および前進をガイドする。
【0005】
カテーテルの前進端は、ガイドワイヤの後に続くように、ガイドワイヤの外径よりも大きいカテーテルの外径を収容するために、降伏および/または伸張しなければならない組織に遭遇する。ガイドワイヤの外径が好ましくはガイドワイヤに沿ってかなり自由に摺動することが可能なカテーテルの内径に適合する場合でも、カテーテルの前進端は、通常、直径が滑らかに増加する機能ではなく、潜在的に劇的な直径のステップ増加として効果的に近づく。したがって、前進するカテーテルの鈍い端部は、途中で組織を傷つける可能性がある。
【0006】
さらに、場合によっては、カテーテルがガイドワイヤに沿って移動するときに、カテーテル挿入中であっても、カテーテルに沿った流体が好ましい。しかしながら、ガイドワイヤの外径がカテーテルの内径に一致するほど、血流などの任意の流体の流れがガイドワイヤによってカテーテル内でより確実に遮断される。したがって、現在のそのような装置を使用してガイドワイヤおよびカテーテルを緊密に整合させることさえも、その欠点を有する。
【0007】
(要約)
この要約は、以下の詳細な説明においてさらに説明される概念を簡潔に紹介するために提供される。この要約は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するものとして解釈されるべきでもない。
【0008】
少なくとも1つの実施形態による、ガイドワイヤに沿った非外傷性配置のためのカテーテルシステムは、長手方向に延在する内腔を画定する円筒形カテーテル本体を含むカテーテルと、案内装置とを含む。上記案内装置は、上記カテーテル本体の上記内腔に挿入するための導管部材と、上記導管部材の前方端部に接続され、円錐および上記円錐から前方に延びるスリーブを含む先導構造と、上記先導構造および上記導管部材を通って長手方向に延びる内側ガイド穴とを含む。使用時には、上記案内装置およびカテーテル本体は同軸に配置され、上記円錐は上記カテーテルの前方にあり、上記スリーブは上記円錐から前方に延びる。
【0009】
上記円錐は、上記肩部と、上記スリーブから上記肩部まで直径方向に増加するテーパ状の外部とを含むことができる。
【0010】
上記肩部の後部は、上記カテーテルの上記遠位端に当接して、上記カテーテル内への上記案内装置の挿入の位置を合せることができる。
【0011】
少なくとも1つの実施例では、圧縮されていない上記肩部の外径が上記カテーテル本体の上記内腔の内径よりも大きく、上記円錐は、変形が、上記遠位端を通って上記内腔の中に且つ上記内腔に沿って上記肩部を通過することを可能にするように変形可能である。
【0012】
上記導管部材は、溝を有する溝付き外部を含むことができる。
【0013】
上記円錐は、流体通路のための上記溝に接続されたスロットを含むことができる。
【0014】
上記溝は、上記導管部材の上記外部に沿って長手方向に延在してもよい。
【0015】
上記溝は、上記導管部材の上記外部の周りに均等に分布させることができる。
【0016】
上記案内装置は、上記案内装置の物理的制御のために、上記ガイド穴からオフセットされた上記導管部材の後方端部に取り付けられた近位部材を含むことができる。
【0017】
上記内側ガイド穴は、上記スリーブ、円錐、および導管部材に沿って均一な内径を有することができる。
【0018】
上記カテーテル本体は、少なくとも一例では、後方端および反対側遠位端を有し、上記カテーテル本体の上記後方端部はテーパ状入口を有し、上記内腔は、上記テーパ状入口から上記遠位端部まで延在する。
【0019】
上記カテーテル本体は、補強部材と、内側ライナと、外側カバーとを含む、長手方向に延びる層状壁を有することができる。
【0020】
上記補強部材は、上記テーパ状入口から上記遠位端に向かって延びる螺旋ばねを含むことができる。
【0021】
上記内側ライナは上記補強部材内に延在し、上記内腔の内面を画定することができる。上記外側カバーは上記補強部材を取り囲み、上記カテーテル本体の外面を画定することができる。
【0022】
上記カテーテルは、上記近位端または上記遠位端に放射線不透過性マーカまたは放射線不透過性材料ドーピングを含むことができる。
【0023】
上記放射線不透過性マーカは、上記外側カバーと内側ライナとの間の上記補強部材の前方の円筒状バンドと、上記材料に組み込まれた上記遠位端または放射線不透過性材料の後方とを含むことができる。
【0024】
上記の概要は、累積的かつ包括的であると理解されるべきである。上述の実施形態および特徴は1つまたは複数の他の実施形態において、全体的または部分的に、様々な組み合わせで組み合わされる。
【0025】
(図面の簡単な説明)
前述の概要および以下の詳細な説明は、以下に簡単に説明する特定の例示的な実施形態および特徴を示す図面を考慮して読まれるべきである。しかしながら、概要および詳細な説明は、明示的に示された実施形態および特徴のみに限定されない。
【0026】
図1は、ガイドワイヤ、新規なカテーテル、およびガイドワイヤに沿ったカテーテルの非外傷性挿入のための新規な案内装置を含む、少なくとも1つの実施形態によるシステムの斜視図である。
【0027】
図2は
図1のガイドワイヤ、カテーテル、およびガイドデバイスの拡大斜視図であり、便宜上、組み立てられ、その長さが縮小されて示されている。
【0028】
図3は
図1の上記カテーテルおよび案内装置のそれぞれの近位部分および内側部分のさらなる拡大斜視図であり、便宜上、それらの間に長さを示している。
【0029】
図4Aは
図1の上記カテーテルの上記遠位端、および上記カテーテルの上記内腔の上記後方入口領域の拡大図であり、説明の便宜上、カテーテル本体の長さがその間に整列されて示されている。
【0030】
図4Bは、任意の長手方向位置における上記カテーテル本体の断面図である。
【0031】
図5は、
図1の上記案内装置の遠位部分の拡大斜視図である。
【0032】
位置。
【0033】
図6は、
図2の上記アセンブリの遠位部分の拡大斜視図である。
【0034】
図7Aは、上記カテーテルの上記遠位端における
図2の上記アセンブリの拡大図である。
【0035】
図7Bは
図1の上記案内装置の移行部の拡大図であり、上記カテーテルを通過するために圧縮された部分を破線で示している。
【0036】
図8は、
図1の上記案内装置の上記移行部の上記後方端部の拡大斜視図である。
【0037】
図9は、
図1の上記案内装置とカテーテルの上記接合部の拡大斜視図である。
【0038】
図10は、
図1の上記カテーテルの上記内腔の上記後方入口領域の、
図9に対応する拡大斜視図である。
【0039】
図11は、上記案内装置が上記カテーテルの上記内腔内に挿入されたときに
図9の上記接合部に位置する上記案内装置の一部分の拡大斜視図である。
【0040】
図12Aは、上記案内装置の上記導管部材の任意の長手方向位置での断面図である。
【0041】
図12Bは、任意の長手方向位置で取られた上記案内装置の上記前方遠位スリーブの断面図である。
【0042】
(詳細な説明)
これらの説明は、より広範な発明主題の1つまたは複数の特定の実施形態の理解を提供するのに十分な詳細を提示される。これらの説明は発明の主題を明示的に記載された実施形態および特徴に限定することなく、それらの特定の実施形態の特定の特徴を説明し、例示する。これらの説明を考慮した考察は、本発明の主題の範囲から逸脱することなく、追加の同様の実施形態および特徴を生じさせる可能性が高い。工程はプロセスまたは方法の特徴に関連して明示的に記載または暗示され得るが、順序または配列が明示的に記載されない限り、そのような明示的または暗示された工程の間の任意の特定の順序または配列は暗示されない。
【0043】
図面およびこれらの説明において表現または暗示される任意の寸法は、例示的な目的のために提供される。したがって、図面およびこれらの説明の範囲内のすべての実施形態が、そのような例示的な寸法に従ってなされるわけではない。図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。したがって、図面およびこれらの説明の範囲内のすべての実施形態が、図面の相対的な寸法に関する図面の明らかなスケールに従ってなされるわけではない。しかしながら、各図面について、少なくとも1つの実施形態は、図面の明らかな相対的スケールに従って作成される。
【0044】
図面全体を通して使用される同様の参照番号は、同様または類似の要素を示す。排他的な代替として説明または暗示されない限り、図面および説明全体にわたる特徴はいくつかの特定の実施形態に明示的に関連付けられた特徴が他の実施形態と組み合わされ得るように、累積的であると見なされるべきである。
【0045】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示の主題が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法、装置、および材料が、本明細書に開示される主題の実施または試験において使用され得るが、代表的な方法、装置、および材料がここで記載される。
【0046】
反対のことが示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、これらの説明の範囲内で得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。本明細書で使用される場合、用語「およそ」は値または質量、重量、時間、体積、濃度、および/またはパーセンテージの量に言及する場合、特定の量から+/-20%、いくつかの実施形態では+/-10%、いくつかの実施形態では+/-5%、いくつかの実施形態では+/-1%、いくつかの実施形態では+/-0.5%、いくつかの実施形態では+/-0.1%の変動を包含し得、そのような変動はこれらの説明の範囲内にある。
【0047】
以下に記載される特定の実施形態によれば、図面、ならびにこれらの説明および図面の全範囲内で暗示されるかまたは理解されるそれらのさらなる実施形態および実施例を参照して、ガイドワイヤに沿って手術部位にカテーテルを非外傷的に挿入するための改善されたシステムが提供される。案内装置は、カテーテルと組み立てられて、カテーテルの遠位端を手術部位に案内する。案内装置およびカテーテルはガイドワイヤの周りに同軸に配置され、案内装置はガイドワイヤとカテーテルとの間のスリーブのように延在する。組み立てられた案内装置およびカテーテルの前方端部はガイドワイヤに沿って非外傷的に前進するために、カテーテルの外径への実質的に先細の前方遷移を有する。案内装置は、カテーテル内の血流を可能にする。カテーテルが位置決めされると、ガイドワイヤおよび案内装置をカテーテルから取り外すことができる。次いで、カテーテルは例えば、ステントなどのインプラントデバイスの配置のために、従来通りに使用され得る。
【0048】
図1は、ガイドワイヤ50の有無にかかわらず、カテーテルシステム10として共に参照され得る、新規なカテーテル100および新規な案内装置200を示す。ガイドワイヤ50は、従来技術に存在する市販のタイプのものであってもよい。しかしながら、カテーテル100および案内装置200と組み合わせて提供される場合、先行技術のガイドワイヤでさえも含むそのような組み合わせは、カテーテル100および/または案内装置200の特徴のために、以下に記載されるように新規かつ有利である。
【0049】
ガイドワイヤ50は、典型的にはカテーテルなどのより大きなデバイスまたはプロテーゼの配置のためのガイドとして使用される金属ワイヤまたはスプリングである。ガイドワイヤは、本体内の狭い空間、例えば、閉塞された弁またはチャネルに入るために、またはカテーテルの挿入、位置決め、および移動を補助するために使用される。ガイドワイヤは、遠位先端52のサイズ、長さ、剛性、組成物、および形状が異なる。いくつかのガイドワイヤはフック状の遠位先端を有し、いくつかは、患者の解剖学的構造内の曲がりくねった経路をナビゲートするように、近位端54から操縦可能である。ガイドワイヤ50は近位端54に装置56を有するものとして示されており、これは、基本ハンドル、クランプ、またはチャックを表すことができ、例えば、遠位先端52の作動によってガイドワイヤ50を操縦するか、または他の方法で把持または制御することができる操作装置を表すことができる。したがって、ガイドワイヤ50は一般に、本発明のシステム10と共に使用するための多くのタイプのガイドワイヤを表す。
【0050】
本明細書で使用される「近位」および「遠位」という用語は、外科医などのユーザの視点を指す。例えば、デバイスまたは構造の近位部分は遠位部分が切開部に入り、患者の解剖学的構造内で、処置が実施されるか、またはプロテーゼデバイスが配置されるか、展開されるか、または操作されるべき部位まで前進させられるとき、把持され、操作され得る。同様に、本明細書で使用される「正面」および「フロント」という用語は手術部位への前進の方向を指し、「後方」および「バック」は、引き抜きの反対方向を指す。もちろん、本明細書に記載される装置および構造は運搬および保管されるとき、一緒に、または任意の方位で離れて配置されてもよい。それにもかかわらず、これらのような相対的用語はあいまいさなしに、構造および特徴の説明および区別に有用である。用語「長手方向」は近位から遠位への記載された構造に沿った寸法および方向を指し、一方、「半径方向」および「直径」は、それに垂直な寸法および方向を指す。
【0051】
したがって、
図1に示すように、カテーテル100は、遠位端102および近位端104を有するものとして説明することができる。カテーテルの物理的制御および取扱いのための近位部材106は、近位端104から、やはり
図3および
図10に示されるように、内腔114(
図4A)を定義する中空円筒形カテーテル本体110の先細の後方入口112に向かって前方に延びる。管状カテーテル本体110は、後方入口112から遠位端102まで前方に延びる。図示の実施形態では、カテーテル100が、カテーテル100の快適かつ確実な把持および制御のために、近位端104において近位部材106に取り付けられたハンドル108を含む。近位部材106は、可撓性、半剛体、弾性、および耐久性を有するワイヤとして示されている。ハンドル108の前方の構成要素は同様に、使用中に手術部位へのそれらの挿入を支持するために、可撓性、半剛体、弾性、および耐久性があるものとして説明することができる。
【0052】
近位部材106の前方端部106は、テーパ状後方入口112にスムーズに移行するチャネル付き帯120によってカテーテル本体110の後方端部に接続される。カテーテル本体110は、図示の実施形態では同軸に層状の構造を有する。カテーテル本体110の長手方向に延在する層状壁は、少なくとも1つの半径方向内側ライナ124と半径方向外側カバー126との間に弾性補強部材122を有する(
図4A~4B)。弾性補強部材122は、入口112から遠位端102に向かって延びる螺旋ばねとして示されている。内側ライナ124は補強部材122内に延在し、カテーテル本体の内腔114の内面を定義する。外側カバー126は補強部材122を取り囲み、カテーテル本体110の外面を定義する。内側ライナおよび外側カバーはそれぞれ、平滑化された内面および外面を提供し、補強部材と協働してカテーテル本体を安定化および強化する。
【0053】
内側ライナ124は、補強部材122が内腔114内の流体と接触するのを封止する。また、内側ライナ124は、案内装置200およびカテーテル100が組み立てられたとき、例えば切開および/または生物学的導管に挿入される前、および案内装置200が最終使用のためにカテーテルを準備するために取り外されるとき、カテーテル本体110の内部に沿った案内装置200の摺動作用を、補強部材122との引っ掛かりまたは摩耗なしに容易にする。
【0054】
外側カバー126は同様に、補強部材122を、カテーテル100の外部の組織および流体、例えば、容器内の血液などの体液との接触から封止する。外側カバー126はまた、切開部内への、および/または生物学的導管もしくは経路に沿った、カテーテル100の摺動動作を容易にする。
【0055】
カテーテル100の遠位端102はカテーテル本体110の前方末端によって画定され、ここで、層状壁の外側カバー126および内側ライナ124はシール補強部材122の前方末端をわずかに超えて前方に延びる(
図4A参照)。カテーテル100の遠位端102の外側は、テーパ状であり、短い長さの間、末端から直径方向に広がる。
図4Bに示されるように、カテーテル本体110の内腔114は、遠位端102(
図4A)の前方開口部から後方入口112まで延びる均一な内径118を有する。
【0056】
図示の実施形態では、放射線不透過性マーカ領域130が、補強部材122の前方および遠位端102の近くまたはそのところの円筒形面積またはバンドとして表される。放射線不透過性領域130は、カテーテル100の配置および使用中に医用撮像技術を使用して遠位端100の可視化を容易にする。参照領域130は、外側カバー126と内側ライナ124との間に挿入され、遠位端102の後方にある円筒状の材料またはデバイスのバンドを表してもよい。しかしながら、特に新規な実施形態では、放射線不透過性マーカ領域130が遠位先端102または明示的に図示された領域130において、またはその近くでカテーテルを構成する1つまたは複数の材料における放射線不透過性ドーピングを表す。
【0057】
補強部材122は、カテーテル本体110の後方入口112まで後方に延びる(
図10)。図示の実施形態では、補強部材122およびカテーテル本体110が近位部材106に接続されるチャネル付き帯120が、同じ材料および/または構造の連続部分である。帯120の後方部分は、例えば溶接によって近位部材106の前方部分に接続することができる。ハンドル108は、近位部材の後方部分上にオーバーモールドされた熱可塑性樹脂で形成することができる。
【0058】
以下の材料の非限定的な例は、完全な説明のためだけに提供され、排他的または必要とされる材料として解釈されるべきではない。補強部材122は、304ステンレス鋼などのステンレス鋼で構成することができる。内側ライナおよび外側カバーはそれぞれ、ポリマー材料で構成することができる。例えば、内側ライナは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成することができ、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むことができ、ポリテトラフルオロエチレンは、疎水性であり、非湿潤性であり、必要なときに案内装置の軸方向挿入および引き抜きを容易にする非粘着性特性を有する。外側カバーは例えば、2362 6D Pellethane(登録商標)などの熱可塑性ポリウレタン(TPU)から構成され得るか、またはそれを含み得る。放射線不透過性領域130は、画像化において異なるレベルの放射線不透過性効果をもたらす異なるレベルのドーピング材料として、白金イリジウム、白金クロム、コバルトクロム、金、ニチノール、およびパラジウムのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0059】
カテーテル100の上述の説明との慣例における用語を使用して、案内装置200は、遠位端202および近位端204を有するものとして説明することができる。案内装置の物理的制御および取扱いのための近位部材206は、遠位端202から長手方向に延在する導管部材210に向かって前方に延在し、それに沿って、案内装置200がガイドワイヤに沿ってカテーテル100を案内するために使用されるとき、内側ガイド穴212(
図11、
図12A)がガイドワイヤ50を受容するように延在する。図示の実施形態では、案内装置200が、案内装置200の快適かつ確実な把持および制御のために近位端204において近位部材206に取り付けられたハンドル208(
図1)を含む。近位部材206は、可撓性、半剛体、弾性、および耐久性を有するワイヤとして示されている。
【0060】
少なくとも1つの実施形態では、ハンドル208が単一のユニットを形成するハンドル108に、任意選択で取り外し可能に結合される。1つ以上のクリップを使用して、カテーテル100および案内装置200を一緒にスナップ留めして、一緒に操作および挿入することができる単一のユニットを作製することができる。
【0061】
近位部材206の前方端部は、導管部材210の後方端部に取り付けられ、ガイド穴212(
図11)の後方端部から半径方向にオフセットされて、使用時にガイドワイヤ50の通過を可能にする。図示の実施形態では、オフセットコネクタ214が近位部材206を導管部材210に取り付ける。導管部材は、案内装置200がカテーテル100内に存在し、動脈などの生物学的導管内に挿入されるときに流体の流れを可能にする長手方向に延在する溝216を有する、外部溝付きとして図示される。
【0062】
先導構造220(
図5)は、導管部材210の前端に接続される。先導構造220は、使用時に、組み立てられた案内装置200およびカテーテル100の前進をガイドワイヤ50に沿って案内し、カテーテル100の近づく遠位端102のための組織および生物学的導管を穏やかに準備する。先導構造220は、遠位スリーブ222および移行セクション230を含む。遠位スリーブは円筒管として示され、その前方末端は案内装置の遠位端202を画定する。移行セクション230は、導管部材210の前方端部に接続され、そこから前方に延びる。遠位スリーブ222は、移行セクション230の前方端部に接続され、そこから前方に延びる。ガイドワイヤ50を受容するためのガイド穴212は案内装置200に沿って、遠位端202(
図5)を画定する遠位スリーブ222の末端における前方開口部から、導管部材210(
図11)の後方端における後方開口部まで延在する。
【0063】
図12A~
図12Bに示されるように、ガイド穴212は、遠位端202(
図5)におけるその前方開口部から、遠位スリーブ222を通って、導管部材210を通って、導管部材210の後方端部におけるその後方開口部まで延びる、均一な内径218を有する(
図11)。
図12Aにさらに示されるように、導管部材210の外部が溝付きである溝216は、均一な角度間隔で外部の周りに均一に分配される。図示の例では4つの溝216があり、溝216は導管部材の外部の周りに均一な90度の角度間隔で均一に分布している。
【0064】
移行セクション230(
図8)は、導管部材210の前方端部に接続された通気筒240と、筒240の前方端部に接続された円錐250として参照される前方通気切頭円錐構造とを有するものとして示されている。円錐250の後方端部は、円錐および移行部分の最大直径を画定する非圧縮直径260を有する肩部252を有する。円錐250は、遠位スリーブ222から肩部252まで直径方向に増加するテーパ状の外側を有する。円錐250は、スリーブから肩に向かって増加する漸進的なテーパ角を有する。円錐のテーパ状外部は、導管部材の溝付き外部の溝216への流体通路のために接続される長手方向に延びるスロット254によって中断される。
【0065】
長手方向に延在するスロット254は、筒240の前方部分の外側に画定された対応するスロット242と位置合わせされる。筒240のスロット242は、筒の後方端部に後方開口部244を有するそれぞれの通気孔への開口部として機能する。開口部244は、導管部材の溝付き外部のそれぞれの溝216と位置合わせされる。この構成は、各スロット254から、それぞれのスロット242まで、それぞれの開口部244まで、それぞれの溝216まで、全て一対一に対応して、それぞれの流体チャネル246を画定し、そのうちの1つは、代表的な説明のために
図7Aにおいて参照される。したがって、導管部材210がカテーテル100の内腔114内に配置されていても、流体チャネル246を介して内腔114に沿って流体の流れが許容される。バレルの後方端部の開口部244(
図8)は所望の流体が何であれ、容器を安全に充填するために、流体の体積流量を遅くする。
【0066】
以下の材料の非限定的な例は、完全な説明のためだけに提供され、排他的または必要とされる材料として解釈されるべきではない。案内装置200は、以下の材料:ポリマー、ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、および熱可塑性物質のうちの1つ以上からなるか、またはこれらを含むことができる。ガイド部材、例えば近位部材206の前方は、単一の又は均一なデュロメータ材料で形成されてもよい。
【0067】
放射線不透過性マーカ領域130を有するカテーテル100と同様に、案内装置200は例えば、案内装置を構成する1つまたは複数の材料を、例えば、先導構造220においてまたはその中でドーピングすることによってもたらされる、放射線不透過性マーカ領域を含むことができる。異なるレベルの放射線不透過性ドーピング材料を使用して、例えば、カテーテル100の前方部分と案内装置200の前方部分との両方を識別可能に撮像するために、撮像において異なるレベルの放射線不透過性効果を生成することができる。
【0068】
案内装置200およびカテーテル100を組み立てるために、遠位スリーブ222によって画定される案内装置200の前方端部は、カテーテル本体110の後方入口112に挿入される。チャネル付き帯120は、遠位スリーブ222をテーパ付き後方入口112に案内するのに役立つことができる。次いで、導管部材210は、遠位スリーブ222および前方円錐250がカテーテルの遠位端102から出るまで、カテーテル本体110内に前進させられる。円錐250およびそのショルダ252のいくらかの変形は、カテーテルの遠位端102を通してショルダを前方に前進させるために生じる。肩部252の非圧縮外径260(
図7A)は、カテーテル本体の内腔114の内径118よりも大きい。したがって、
図7Aに示されるように、肩部252の後部とカテーテルの遠位端102との当接は、挿入および組み立てが完了したことを登録する。
【0069】
案内装置200とカテーテル100とが良好に整合すると、コネクタ214は、カテーテル本体110の後方入口112にも位置合わせすることができる(
図9)。コネクタ214は、導管部材210に取り付けられる場合、コネクタ214がカテーテル本体110の内腔114の入口112に入ることができないという点で、挿入停止部として機能する。例えば、コネクタ214は、内腔114の内径よりも大きい直径を有することができる。
【0070】
システム10の長さは、様々な実施形態において、例えば、数センチメートルから1000mmまで様々であり得る。カテーテルの内径および外径は任意の特定の実施形態が適し、かつ調整される任意の使用に従って変化し得る。
【0071】
図7Bに破線で表されるように、円錐250は変形が遠位端102(
図7A)を通過し、カテーテルの内腔の中およびそれに沿って通過することを可能にするように、十分に変形可能かつ弾性である。肩部252の外径は非圧縮直径260(
図7A)よりも小さい圧縮直径262に縮小されて、カテーテルの内部を通り、それに沿って、その遠位端102を通って圧迫され得る。円錐250の長手方向に延在するスロット254および筒240の整列したスロット242は、したがって、円錐250が圧縮されるにつれて、
図7Bに破線で表されるように減少する。
【0072】
使用時には、案内装置200およびカテーテル100が共に、または、ガイドワイヤ50と共に、患者の解剖学的構造内に前進させることができる。先導構造220は、円錐250が曲がりくねった経路を通しても軟組織を穏やかにナビゲートし、カテーテルの通過および配置の必要に応じて血管を穏やかに拡張する直径くさびとして働くので、案内装置200およびカテーテル100の前進を、ガイドワイヤ50とともに、またはそれに沿って案内する。案内装置200は後退によって、配置されたカテーテル200から取り外すことができ、これは、さらなる使用のためにカテーテル100の内腔114を開くために、開口部112を通って嵌合するように折り畳むことによって行われる。必要に応じて、案内装置200はカテーテル100のさらなる前進をガイドするために再挿入され得、230は元の直径まで拡張する。これらの使用の説明は、網羅的でも限定的でもない。これらの使用および利点およびその他は、医師が本明細書に明示的に記載され、図示された装置及びシステム、ならびにこれらの説明および図面の全範囲を考慮して暗示され、または示唆された他の実施形態を利用することにつれて、生じ得る。
【0073】
特定の実施形態および特徴が、図面を参照して説明されてきた。これらの説明は、任意の単一の実施形態または任意の特定の組の特徴に限定されず、同様の実施形態および特徴がこれらの説明の範囲および添付の特許請求の範囲の趣旨から逸脱することなく、生じ得るか、または修正および追加が行われ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】
図1は、ガイドワイヤ、新規なカテーテル、およびガイドワイヤに沿ったカテーテルの非外傷性挿入のための新規な案内装置を含む、少なくとも1つの実施形態によるシステムの斜視図である。
【
図2】
図2は
図1のガイドワイヤ、カテーテル、およびガイドデバイスの拡大斜視図であり、便宜上、組み立てられ、その長さが縮小されて示されている。
【
図3】
図3は
図1の上記カテーテルおよび案内装置のそれぞれの近位部分および内側部分のさらなる拡大斜視図であり、便宜上、それらの間に長さを示している。
【
図4A】
図4Aは
図1の上記カテーテルの上記遠位端、および上記カテーテルの上記内腔の上記後方入口領域の拡大図であり、説明の便宜上、カテーテル本体の長さがその間に整列されて示されている。
【
図4B】
図4Bは、任意の長手方向位置における上記カテーテル本体の断面図である。
【
図5】
図5は、
図1の上記案内装置の遠位部分の拡大斜視図である。
【
図6】
図6は、
図2の上記アセンブリの遠位部分の拡大斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、上記カテーテルの上記遠位端における
図2の上記アセンブリの拡大図である。
【
図7B】
図7Bは
図1の上記案内装置の移行部の拡大図であり、上記カテーテルを通過するために圧縮された部分を破線で示している。
【
図8】
図8は、
図1の上記案内装置の上記移行部の上記後方端部の拡大斜視図である。
【
図9】
図9は、
図1の上記案内装置とカテーテルの上記接合部の拡大斜視図である。
【
図10】
図10は、
図1の上記カテーテルの上記内腔の上記後方入口領域の、
図9に対応する拡大斜視図である。
【
図11】
図11は、上記案内装置が上記カテーテルの上記内腔内に挿入されたときに
図9の上記接合部に位置する上記案内装置の一部分の拡大斜視図である。
【
図12A】
図12Aは、上記案内装置の上記導管部材の任意の長手方向位置での断面図である。
【
図12B】
図12Bは、任意の長手方向位置で取られた上記案内装置の上記前方遠位スリーブの断面図である。
【国際調査報告】