(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】試料試験を自動化するシステム、方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
G01N 3/04 20060101AFI20240125BHJP
G01N 3/00 20060101ALI20240125BHJP
G01N 3/08 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G01N3/04 G
G01N3/00 Q
G01N3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544279
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2022013263
(87)【国際公開番号】W WO2022159670
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン リディック
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シュイナード
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン サレム
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ハインズ
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA01
2G061AA02
2G061AB01
2G061CB09
2G061CB18
2G061CC11
2G061DA01
2G061EA01
2G061EB05
(57)【要約】
残留シール力(RSF)試験システム100の試験ヘッド136が記載される。試験ヘッドは、ハウジング202、アンビル204、及びボールローラー組立体208を備える。ハウジングは、第1の空洞222を画定し、アンビルは、少なくとも部分的に第1の空洞内に位置決めされる。ボールローラー組立体は、RSF試験中にハウジングとアンビルとの間の接触点を提供するように構成される。試験ヘッドは、アンビルを少なくとも部分的に第1の空洞内に維持するように構成される保持リング203を更に備えることができる。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
残留シール力(RSF)試験システムの試験ヘッドであって、
第1の空洞を画定するハウジングと、
少なくとも部分的に前記第1の空洞内に位置決めされるアンビルと、
RSF試験中に前記ハウジングと前記アンビルとの間の接触点を提供するように構成されるボールローラー組立体と、
前記アンビルを少なくとも部分的に前記第1の空洞内に維持するように構成される保持リングと、
を備える、試験ヘッド。
【請求項2】
前記アンビルは、前記ハウジングに対して平面運動で移動するように構成される、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項3】
前記アンビルは、前記ハウジングに対して径方向に旋回するように構成される、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項4】
前記アンビルは、前記ハウジングに対して平面運動で及び径方向に移動するように構成される、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項5】
前記アンビルは、前記第1の空洞内に浮動するように構成される、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項6】
前記ボールローラー組立体は、球と、ローラーハウジングと、複数の玉軸受とを備える、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項7】
前記ハウジングは、第2の空洞を画定する、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項8】
前記ボールローラー組立体は、前記第2の空洞内に圧入される、請求項7に記載の試験ヘッド。
【請求項9】
前記アンビルは、第2の空洞を画定する、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項10】
前記ボールローラー組立体は、前記第2の空洞内に圧入される、請求項9に記載の試験ヘッド。
【請求項11】
前記保持リングは、前記第1の空洞内に位置決めされる、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項12】
前記アンビルは、前記RSF試験システムの試料に係合するように構成される凹部を画定する、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記試験システムの第2のカプラーと係合するように構成される第1のカプラーを画定する、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項14】
前記試験ヘッドは、前記試験システムの第2のカプラーと係合するように構成される第1のカプラーを有する近位端部と、試料に係合するように構成される凹部を有する遠位端部とを画定する、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項15】
前記ハウジング及び前記アンビルは、金属又は金属合金から製造される、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項16】
前記ハウジング及び前記アンビルは、ステンレス鋼から製造される、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項17】
前記球は、ステンレス鋼から製造される、請求項6に記載の試験ヘッド。
【請求項18】
前記第1のカプラーは、クレビス継手又はスリーブ継手である、請求項14に記載の試験ヘッド。
【請求項19】
前記ボールローラー組立体は、前記ハウジングと前記アンビルとの間の単一の接触点を提供する、請求項1に記載の試験ヘッド。
【請求項20】
前記ハウジング又は前記アンビルは、前記ボールローラー組立体との接触を増大させる凹状領域を前記単一の接触点において画定する、請求項19に記載の試験ヘッド。
【請求項21】
残留シール力(RSF)試験システムの試験ヘッドであって、
第1の空洞を画定する第1のハウジングと、
第2の空洞を画定する第2のハウジングであって、該第2のハウジングは、少なくとも部分的に前記第1のハウジング内に位置決めされ、前記第1のハウジングに対して平面運動で移動するように構成される、第2のハウジングと、
少なくとも部分的に前記第2の空洞内に位置決めされ、前記第2のハウジングに対して径方向に旋回するように構成されるアンビルと、
を備える、試験ヘッド。
【請求項22】
前記アンビルは、ボールローラー組立体を使用して、前記第2のハウジングに対して径方向に旋回するように構成される、請求項21に記載の試験ヘッド。
【請求項23】
前記ボールローラー組立体は、球及びローラーハウジングを備える、請求項22に記載の試験ヘッド。
【請求項24】
前記ボールローラー組立体は、前記球と前記ローラーハウジングとの間に複数の玉軸受を更に備える、請求項23に記載の試験ヘッド。
【請求項25】
前記第2のハウジングは、複数の玉軸受を使用して、前記第1のハウジングに対して平面運動で移動するように構成される、請求項21に記載の試験ヘッド。
【請求項26】
残留シール力(RSF)試験を行う試験システムであって、
ベース構造体によって支持されるコラムと、
前記コラムによって支持されるロードセルであって、該ロードセルは、クロスヘッドを介して前記コラムに沿って前記ベース構造体に向かって及び前記ベース構造体から離れるように移動するように構成される、ロードセルと、
前記ベース構造体によって支持され、試料を支持するように構成されるベースプレートと、
前記ロードセルに動作可能に結合される試験ヘッドと、
を備え、前記試験ヘッドは、
第1の空洞を画定するハウジングと、
少なくとも部分的に前記第1の空洞内に位置決めされるアンビルと、
RSF試験中に前記ハウジングと前記アンビルとの間の接触点を提供するように構成されるボールローラー組立体と、
前記アンビルを少なくとも部分的に前記第1の空洞内に維持するように構成される保持リングと、
を備える、試験システム。
【請求項27】
前記試料を受け取るように構成される試料プレートを更に備え、前記試料プレートは、前記ベースプレートに取外し可能に結合される、請求項26に記載の試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、「System, Method, And Apparatus For Automating Specimen Testing」という名称の2021年1月21日に出願された米国仮特許出願第63/140,046号、及び、「System, Method, And Apparatus For Automating Specimen Testing」という名称の2022年1月19日に出願された米国特許出願第17/578,729号に対する利益及び優先権を主張するものであり、これらの内容は全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、試料試験に関し、より詳細には、残留シール力試験及び/又は圧縮摩擦測定試験を自動化するシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
20世紀初頭から、エラストマー栓、及びいくつかの場合には圧着キャップを有する容器(例えば、ボトル、バイアル等)は、非経口(すなわち、注入可能)薬剤用の一次包装システムであり続けている。そのような容器パッケージシステム内に収容される非経口製品は、汚染及び製品漏れを防止するために、ガラス容器とエラストマーストッパーとの間の境界面に強固なシールを必要とする。シールは製造プロセスにおいて確立されるが、使用前の多様な取扱い、加工、及び保管の条件に耐えなければならない。
【0004】
いくつかの例において、容器シールは、3つの主要構成要素、すなわち、ガラス容器と、エラストマー栓(例えば、ゴムストッパー)と、アルミニウムキャップ等の、ゴムストッパーを容器内に固定するキャップとから構成される。金属キャップが使用される場合、典型的にはアルミニウム又はアルミニウム合金であるキャップを、容器及びエラストマー栓の十分な嵌合を確実にする圧縮力によって塞がれる容器へと圧着しなければならない。他の例において、キャップは他の試験については取り外される。容器シールに影響する栓変数としては、寸法特性及び公差が、弾性率、硬度、及び圧縮歪みを含めた栓構成要素の機械特性とともに挙げられる。
【0005】
非経口容器の製造者は、初期シールが形成された後は製品の貯蔵寿命が尽きるまで容器に対して栓が及ぼす力を測定する定量法を採用する必要がある。金属キャップを使用する栓の場合、この力は、残留シール力(「RSF:residual seal force」)試験を使用して測定され、一方、圧縮摩擦(「CF:compression friction」)測定試験は、プランジャーを使用してシールされたガラス容器を評価するために使用される。CF測定試験は、滑動試験(glide test)と呼ばれることもある。既存のRSFテスター及びCFテスターはRSF及びCFを測定することができるものの、そのような試験は、時間がかかり、面倒で、労働集約的であり得る。したがって、RSF及び/又はCF試験用のより正確な、より耐性のある、及び/又は自動化されたシステム、方法、及び装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
試験用のシステム、方法、及び装置が、実質的に図面のうちの少なくとも1つによって示され、図面のうちの少なくとも1つに関連して記載されるように、開示される。より詳細には、容器、特に非経口医薬品の容器の残留シール力及び/又は圧縮摩擦測定値を求めるシステム、方法、及び装置が開示される。
【0007】
本明細書に記載の装置、システム、及び方法の上記の目的、特徴、及び利点並びに他の目的、特徴、及び利点は、同様又は類似の参照符号が同様又は類似の構造を参照する添付の図面に示される特定の実施形態についての以下の説明から明らかとなるであろう。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本明細書に記載の装置、システム、及び方法の原理を示すことに力点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1a】本開示の態様に係る一例示の試験システムの斜視図である。
【
図1b】負荷ストリングをよりよく示すために一部を除外した、
図1aの例示の試験システムの斜視図である。
【
図2a】本開示の態様に係る第1の例示の試験ヘッドの平面断面図である。
【
図2b】試料と接触している
図2aの第1の例示の試験ヘッドの平面断面図である。
【
図2c】試料と接触している
図2aの第1の例示の試験ヘッドの平面断面図である。
【
図2d】接触点における凹状領域を有する第1の例示の試験ヘッドの平面断面図である。
【
図3a】本開示の態様に係る第2の例示の試験ヘッドの平面断面図である。
【
図3b】試料と接触している
図3aの第2の例示の試験ヘッドの平面断面図である。
【
図3c】試料と接触している
図3aの第2の例示の試験ヘッドの平面断面図である。
【
図4a】本開示の態様に係る第3の例示の試験ヘッドの斜視図である。
【
図4b】
図4aの断面A-Aに沿った第3の例示の試験ヘッドの平面断面図である。
【
図5】例示の試験システムを動作させる一例示の方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
単数のものとして参照される項目については、別様に明示的に言及されている場合又は記載から明確である場合でない限り、その項目が複数である場合も含まれるとともにその逆もまた同じであることを理解すべきである。文法上の接続については、別様に言及されている場合又は文脈から明確である場合でない限り、結合された句、文、及び単語等の任意及び全ての離接的及び接続的な組合せを表すことを意図している。本明細書中の値の範囲の列挙は、限定を意図したものではなく、本明細書中で別様に示されない限り、その範囲内に入る任意及び全ての値を個別に参照するものであり、このような範囲内に入る各別個の値は、本明細書中に個別に列挙されているかのように明細書に組み込まれる。以下の説明において、「第1の」、「第2の」、「頂」、「底」、「側」、「前」、「後」等の用語は、便宜上の単語であり、限定的な用語として解釈されないことが理解される。例えば、いくつかの例では第1の側が第2の側に隣接又は近接して位置する一方、「第1の側」及び「第2の側」という用語は、側が順序付けされた任意の特定の順序を暗に示すものではない。
【0010】
本明細書において使用される場合、「約(about)」、「略(approximately)」、「実質的に(substantially)」等の用語は、数値が伴う場合、意図した目的のために十分に機能するものとして当業者であれば理解するであろう偏差を示すものとして解釈される。値の範囲及び/又は数値は、本明細書においては例としてのみ提供され、記載の実施形態の範囲に対する限定をなすものではない。本明細書において提供される任意及び全ての例、又は例示的な言葉(「例えば(e.g.,)」「等(such as)」等)の使用は、単に実施形態をより良好に強調することを意図したものであり、実施形態の範囲に対する限定を課すものではない。「例えば("e.g.," and "for example")」という用語は、1つ以上の非限定的な例、具体例、又は実例の列挙の始まりとなるものである。明細書中の言葉は、実施形態の実施に必要不可欠な任意の非請求の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0011】
本明細書において使用される場合、「及び/又は」という用語は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。
【0012】
本明細書において使用される場合、「回路」又は「回路部」は、任意のアナログ及び/又はデジタルコンポーネント、電力及び/又は制御要素、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ソフトウェア等、別個の及び/又は統合されたコンポーネント、又はこれらの部分及び/又は組合せを含む。
【0013】
本明細書において使用される場合、本明細書において使用される「圧縮ロッド」及び「圧縮ピン」という用語は、それぞれ、試験システム内に位置決めされた試料に圧縮力を与えるように構成される剛性構造体を意味する。CF試験の場合、例えば、圧縮ピンを使用することで、エラストマー栓をバイアル等の剛的に支持される非経口容器内に圧縮することができる。
【0014】
本明細書において使用される場合、本明細書において使用される「駆動結合される」、「~に駆動結合される」、及び「~と駆動結合される」という用語は、それぞれ、駆動部、デバイス、装置、又は構成要素が、被動部、デバイス、装置、又は構成要素に機械的な力を伝達することを可能にする機械的接続を意味する。
【0015】
本明細書において使用される場合、「プロセッサ」という用語は、ハードウェアにおいて実装されようと、有形に具現化されたソフトウェアにおいて実装されようと、又はその両方で実装されようと、及びプログラム可能であろうとなかろうと、処理デバイス、装置、プログラム、回路、構成要素、システム、及びサブシステムを意味する。本明細書において使用される「プロセッサ」という用語は、限定ではないが、1つ以上のコンピューティングデバイス、配線で接続された回路、信号を変更するデバイス及びシステム、システムを制御するデバイス及び機械、中央処理装置、プログラム可能なデバイス及びシステム、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、システムオンチップ、個別の要素及び/又は回路を備えるシステム、ステートマシン、バーチャルマシン、データプロセッサ、処理設備、並びに上記の任意の組合せを含む。プロセッサは、例えば、任意のタイプの汎用マイクロプロセッサ若しくは汎用マイクロコントローラー、デジタル信号処理(DSP)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)であり得る。プロセッサは、メモリデバイスに結合されていてもメモリデバイスに統合されていてもよい。
【0016】
本明細書において使用される場合、「メモリ」及び/又は「メモリデバイス」という用語は、プロセッサ及び/又は他のデジタルデバイスにより使用するための情報を記憶するコンピューターハードウェア又は回路部を意味する。メモリ及び/又はメモリデバイスは、任意の適切なタイプのコンピューターメモリ、又は任意の他のタイプの電子記憶媒体とすることができ、それは例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ、コンピューター可読媒体等である。
【0017】
シール後の容器に対して及ぼされる閉鎖力を測定する定量法を、定率の圧縮試験機を使用して行うことができる。遅い定率の圧縮をシールされた容器に及ぼすことによって、応力対時間曲線を作成して、試料における所与の閉鎖シールの残留シール力(RSF)測定値を求めることができる。RSF測定値は、様々な栓サイズ及び形状を有する多様な容器について求めることができる。RSF測定値は、例えば、容器の栓の安全性を製造者の品質管理の一環として示すために使用することができる。栓が容器を圧縮する際の初期力は、アルミニウムキャップの適用(例えば、圧着)中に印加される鉛直圧着力と水平圧着力との関数であるが、ゴムの粘弾性緩和挙動に起因して、容器に対して押圧する栓の力は、時間と、エラストマー組成と、様々な加工手順の結果との関数として減衰する。別の例においては、圧縮試験機を使用して圧縮摩擦(CF)測定試験を行って、エラストマー栓(例えば、プランジャー)を使用してシールされるガラス容器の適格性を確認することができる。CF測定試験は、滑動試験とも称されることがある。
【0018】
シール密閉性を評価するために、製造者は、容器シールプロセス中に生まれる非経口パッケージのRSF又はCFを測定するために、手動試験システムを品質管理プロセスの一環として使用することがある。典型的には、製造者は、品質管理努力の一環として小バッチ又は少量(例えば、ロット又はラインサンプル)を試験する。RSF試験及びCF試験は破壊試験とみなされる(すなわち、製品はもはやシール不能である)ため、製造者は、生産量の0.5%~1.25%、又は生産量の約0.66%しか試験し得ない。さらに、他の生産関連タスクで既に手一杯なオペレーターには、各試験を行うために限られた時間(例えば、試料ごとに約1分~2分)しか許されていない。しかし、RSF試験及びCF試験のプロセスを自動化すると、試験速度と試験できる製品の量とを増大させることができる。RSF試験及びCF試験を自動化するために、試料が試験システムに適切に装着されて正確な測定が確実になっていることを確実にするように予防策を講じなければならない。
【0019】
図1aは、一例示の試験システム100の斜視図を示し、
図1bは、明確にするために一部を省いた例示の試験システム100の荷重フレーム102の斜視図を示している。試験システム100は、概して、荷重フレーム102と、荷重フレーム102のクロスヘッド108に取り付けられるロードセル106と、荷重フレーム102のベース構造体104におけるプラテン組立体110と、コントローラー150とを備える。論じるように、プラテン組立体110は、手動プロセスを通じてか自動化プロセスを通じてかを問わず、圧縮試験(例えば、RSF又はCF試験)中に1つ以上の試料112を支持するように構成される。
【0020】
図1aに最もよく示すように、荷重フレーム102は、ベース構造体104と、1つ以上のコラム114と、可動クロスヘッド108と、トッププレート116とを備える。荷重フレーム102は、試験(例えば、RSF試験、圧縮摩擦測定試験等)中に試験力(例えば、圧縮力)が反作用する高剛性の支持構造体としての役割を果たす。図示のように、荷重フレーム102は単一のコラム114から構成され得るが、例えば、二重コラム構成において複数のコラム114を採用することができる。ベース構造体104は、概して、コントローラー150等の様々な回路部及び構成要素を収容しながらも、1つ以上のコラム114と、試料112を支持するプラテン組立体110とを支持する役割を果たす。
【0021】
プラテン組立体110は、試料112を試験位置に移動又は移送するように手動又は自動で調整(又は別様に制御)することができ、試料112は、典型的には、試験ヘッド136、試験装置、又は他の試験アクセサリーの下方に位置合わせされる。試料112は、例えば、
図1bに示すように、非経口医薬品の容器140とすることができる。1つの例においては、
図1bの細部Aに最もよく示すように、容器140(例えば、フランジ144を有するボトル)は、開口142及びフランジ144を画定する。エラストマー栓146が開口142を覆う。フランジ144の下でキャップ148が圧着され、エラストマー栓146を圧縮して開口142をシールする。別の例においては、
図1bの細部Bに最もよく示すように、キャップ148を省いてもよく、エラストマー栓146は、容器140(例えば、バイアル)の開口142内に嵌まり、容器140の内面に押圧して開口142をシールする。試料112は、フランジ144及び/又はキャップ148ありなし両方の容器140として示されているが、他のタイプの試料112も想定される。
【0022】
1つ以上のコラム114のそれぞれは、ガイドコラムと、アクチュエータ156に駆動結合されるボールねじ154とを備える。ボールねじ154は、回転運動(例えば、モーター等のアクチュエータ156からの)を、摩擦がほとんどない直線運動に変換する機械式リニアアクチュエータの形態である。1つの例において、ボールねじ154は、玉軸受の螺旋軌道を提供するねじ付きシャフトを含むことができ、精密ねじとして作用する。
図1bに示すように、ボールねじ154は、1つ以上のコラム114内でベース構造体104とトッププレート116との間に収容される。ボールねじ154を駆動するアクチュエータ156は、コントローラー150を介して制御される。コラムカバー118を設けることで、ボールねじ154を塵埃、汚れ、及び損傷から保護するとともに、ユーザーが動作中に危害を受けないように保護することができる。試験システム100は、その動作を監視するために様々なセンサーを備える。例えば、試験システム100は、クロスヘッド108が軸Aに沿った運動の許容可能な範囲から逸脱することを防止するために上限スイッチ132及び下限スイッチ134を備えることができる。上限スイッチ132又は下限スイッチ134をトリガーすると、コントローラー150は、試験システム100又は試料112への損傷を防止するためにアクチュエータ156を停止(又は逆行)させることができる。
【0023】
クロスヘッド108は、ガイドコラム及びボールねじ154の両方に取り付けられ、ロードセル106を支持する。ボールねじ154は、アクチュエータ156を介して駆動される(例えば、回転する)。ボールねじ154の回転により、クロスヘッド108をベース構造体104に対して上(離れる)又は下(向かう)に駆動する一方で、ガイドコラムにより、クロスヘッド108に安定性が与えられる。ロードセル106は、オペレーターが所望の場合にロードセル106を交換することを可能にするように、1つ以上の機械的締結具138(例えば、ねじ、ボルト、袋ねじ等)を介してクロスヘッド108に取外し可能に結合することができる。例えば、ロードセル106は損傷を受ける場合があり、異なるタイプのロードセル106が望ましい又は必要な場合があり、これは試験(例えば、RSF又はCF試験)ごとに異なる可能性がある。
【0024】
表示デバイス126(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)、制御パネル128、及び/又はリモート制御部130(例えば、ハンドセット)をオペレーターが使用することで、試験システム100の動作を監視及び/又は制御することができる。いくつかの例において、制御パネル128及びリモート制御部130は、それぞれ、試験システム100の動作を制御又は調整する1つ以上のスイッチ、ボタン、又はダイヤル(例えば、緊急停止ボタン)を提供することができる。制御パネル128及びリモート制御部130は、試験システム100の状態を提供する1つ以上の状態インジケーター(例えば、LED、ライト等)を更に提供することができる。リモート制御部130は、有線又は無線とすることができる。
【0025】
更なる保護を提供し、安全性を高めるために、負荷ストリング101を、試験チャンバー122を画定する筐体120内に収容することができる。筐体120は、オペレーターが負荷ストリング101を観察することを可能にするように透明材料(例えば、ガラス、プラスチック、プレキシガラス等)から作製することができる。ドア又はアクセスパネル124を設けて、筐体120内の試験チャンバー122へのアクセスを可能にすることができる。負荷ストリング101は、概して、可動クロスヘッド108とベース構造体104(又は、該当する場合には、固定下側クロスヘッド)との間に設置される構成要素を指す。典型的には、負荷ストリング101は、ロードセル106と、試験ヘッド136と、構成要素を接続するのに必要な任意のアダプターと、試験される試料(複数の場合もある)112とを含む。典型的には、RSF試験の場合、ロードセル106はクロスヘッド108上に取り付けられ、アンビルを有する試験ヘッド136はロードセル106に取り付けられ、試料112はベース構造体104上に(例えば、プラテン組立体110を使用して)位置決めされる。同様に、CF試験の場合、ロードセル106はクロスヘッド108上に取り付けられ、圧縮ロッドはロードセル106に取り付けられ、試料112はベース構造体104上に(例えば、プラテン組立体110を使用して)位置決めされる。
【0026】
試験システム100の動作は、コントローラー150を介して自動で制御及び/又は監視することができる。コントローラー150は、プロセッサ150aと、実行可能命令を有して構成されるメモリデバイス150bとを備えることができる。コントローラー150は、様々なアクチュエータ(例えば、ボールねじ154を駆動するアクチュエータ156)、センサー(例えば、ロードセル(複数の場合もある)106、上限スイッチ132及び下限スイッチ134)、ユーザーインターフェース(例えば、表示デバイス126、制御パネル128、及び/又はリモート制御部130)等に動作可能に結合することができ、これらを制御するように構成することができる。
【0027】
RSF試験中、例えば、クロスヘッド108は、荷重フレーム102の軸Aに沿って下に(ベース構造体104に向かって)移動して、試験ヘッド136、試験装置、又はロードセル106に結合される他の試験アクセサリーを介して圧縮負荷を試料112に印加する。試験ヘッド136は、1つ以上の試料112に接触して圧縮するように構成されるアンビル(ドーン(dorn)としても知られる)とすることができる、又はこれを含むことができる。試験ヘッド136、試験装置、又は他の試験アクセサリーは、ロードセル106のカプラー152に直接結合することもできるし、圧縮ロッド又はピンを介して結合するもできる。
【0028】
ロードセル106は、この負荷を電気信号に変換し、試験システム100は、コントローラー150を介してこの電気信号を測定し、表示デバイス126を介してオペレーターに表示する。1つの例において、試験ヘッド136は、一定速度(例えば、約0.01インチ/秒)で前進することができる。換言すれば、この例において、クロスヘッド108がコラム114に沿って(軸Aに沿って)0.001インチ進行するごとに、コントローラー150は、試験ヘッド136が試料112に運動(歪み)を課すことに応答して、試料112が及ぼす力を自動で記録する。一定速度は、所与の試料112について調整することができる。コントローラー150は、対応する歪みデータも自動で記録する。得られるデータセットは、グラフ化し得る応力-歪み測定値のシーケンスを含み、予測可能な形状の曲線を近似したものである。RSFの場合、適切なシールを、得られる曲線における変曲点(例えば、エラストマー栓146が屈曲状態から硬直状態に遷移したこと、したがって開口142をシールしたことを示す)について監視することによって、決定することができる。
【0029】
試験ヘッド136は、RSF及び/又はCF試験用に設計することができる。例えば、試験ヘッド136は、CF試験用に圧縮ロッドとすることができるし、RSF試験用にアンビルを備える、例えば、調整可能な適合するアンビルを有する試験ヘッドとすることもできる。理解し得るように、或る特定の試験は、特定のタイプの試験ヘッド136を必要とし得る。例えば、RSF測定中に使用される試験ヘッド136は、非経口容器の栓のサイズ及び形状に対応するサイズ及び形状であるアンビルを備えることができる。したがって、試験ヘッド136が概して
図1a及び
図1bにおいてRSF試験用に構成されているが、代わりに、CF試験用に圧縮ロッド(及び関連するロードセル)を使用することができる。
【0030】
試験ヘッド136は、試験システム100を様々なタイプの試験(例えば、RSF、CF、引張、圧縮、曲げ等)に使用することを可能にするように可換性があり得る。換言すれば、試験ヘッド136は、オペレーターが試験ヘッド136を別の試験ヘッド136、試験装置、又は他の試験アクセサリーへと交換又は取り替えることを可能にするように、例えばカプラー152又は他の手段を介してロードセル106と取外し可能に結合するように構成することができる。カプラー152は、カラー継手(例えば、1つ以上の止めピン又はねじを有するカラー)、クレビス継手、スリーブ継手、又はねじ式継手(例えば、ねじ付きロッド)のうちの1つ以上を採用することができる。したがって、カプラー152が止めねじ及び/又は止めピンを有する雌カラーカプラーとして示されているが、他のタイプの継手も想定される。
【0031】
1つ以上の試料112は、プラテン組立体110によってベース構造体104上に支持される。試験ヘッド136と同様に、或る特定の試験は、特定のタイプのプラテン組立体110を必要とし得る。例えば、RSF測定中に使用されるプラテン組立体110は、非経口容器140(又は他の試料112)のサイズ及び形状に対応するサイズ及び形状である1つ以上のステーションを備えることができる。そのために、プラテン組立体110は、試験固有又は試料固有の試料プレート110aと、ベース構造体104によって支持され、試料プレート110aを支持するように構成されるベースプレート110bとを備えることができる。試料プレート110aは、オペレーターが特定の試験に好適な試料プレート110aを選択することを可能にするために、ベースプレート110bに取外し可能に結合することができる。1つの例において、試料プレート110aは、1つ以上の試料112を支持する(例えば、1つ以上の凹部を介して)サイズ及び形状であるプレート又はテーブルであり、一方、ベースプレート110bは、試料プレート110aをベース構造体104に対して支持及び/又は固定するように構成されるプレートとすることができる。いくつかの例において、試料プレート110aは、ベースプレート110bに対して移動するように構成される。例えば、試料プレート110aは、圧縮中に試験ヘッド136の適切な角度に適応するようにベースプレート110bに対して回転又は傾動するように構成することができる。
【0032】
正確なRSF測定値をもたらすために、試験ヘッド136がRSF試験中に試料112(例えば、キャップ148)にしっかりと接触することが重要である。典型的には、これには、キャップ148の平坦面が試験ヘッド136の接触点(例えば、アンビル)と同一平面上にあるように、試料112がプラテン組立体110内に適切に着座していることを確実にするようにオペレーターがチェックすることが必要になる。自動化手法において、これにより更なる複雑性が導入される。
【0033】
1つの選択肢は、試料112の正しい配置を確認するセンサーシステム(例えば、1つ以上の撮像デバイス)を採用することであるが、センサーシステムにより、試験システム100全体のコスト及び複雑性が高まる。より低コストだがロバストな選択肢は、試験ヘッド136が試料112にしっかりと接触する(例えば、キャップ148において)ことを確実にするように、RSF圧縮試験の着座部分中にアンビルの平面運動及び径方向運動の両方を可能にすることによって、試料112の位置に適合するアンビルを有する試験ヘッド136を使用することである。
【0034】
図2aは、本開示の態様に係る第1の例示の試験ヘッド200の平面断面図を示している。図示のように、試験ヘッド200は、概して、ハウジング202と、アンビル204と、ボールローラー組立体208と、保持リング203とを備える。ボールローラー組立体208は、RSF試験中にハウジング202とアンビル204との間の接触点224を提供するように構成される。いくつかの例において、保持リング203は、第1の空洞222内に位置決めされ、アンビル204を少なくとも部分的に第1の空洞222内に維持するように構成される。RSF試験中、圧縮力によりアンビル204を第1の空洞222内に押し込む。保持リング203は、そのような圧縮力がない状態でアンビル204を少なくとも部分的に第1の空洞222内に維持するように構成される。また、保持リング203は、第1の空洞222内のアンビル204の径方向の旋回228への制限を提供する。試験ヘッド200は、試験システム100の第2のカプラー152と係合するように構成される第1のカプラー232を有する近位端部218と、試料112に係合するように構成される凹部206を有する遠位端部220とを画定する。凹部206は、試料112のキャップ148の表面に係合するサイズ及び形状とすることができる。いくつかの例において、そのうちの一例が
図2aに示されており、座金234をアンビル204と保持リング203との間の接触点に位置決めすることで、第1の空洞222内のアンビル204の径方向の旋回228への制限を提供又は調整することができる。図示していないが、座金234も、試験ヘッド200の他の図面に関連して同様に構成することができる。
【0035】
図示のように、アンビル204は、第1の空洞222内に浮動するように構成され、これにより、アンビル204の表面がキャップ148の表面に適合することが可能になる。自動化プロセスにおいて、例えば、複数の試料112は、予め装着する、及び/又は自動でプラテン組立体110に供給する又はプラテン組立体110によって供給することができる。そのような移動により、試料112の着座が不適切になり得る(例えば、歪む)。アンビル204とキャップ148との間の接触が同一平面上にない場合、RSF測定値の精度は減少する。したがって、試料112のキャップ148がアンビル204の凹部206内に適切に着座することを確実にするために、アンビル204は、ハウジング202に対して平面運動226(例えば、左右)で移動するとともに、ハウジング202に対して径方向に旋回(228)するように構成される。
【0036】
いくつかの例において、ハウジング202は、第1の空洞222を画定し、アンビル204は、少なくとも部分的に第1の空洞222内に位置決めされる。アンビル204の外径は、第1の空洞222内のアンビル204の平面内の横移動を可能にするサイズとすることができる。換言すれば、第1の空洞222の内径は、第1の空洞222内のいくらかの遊びを可能にするように、アンビル204の外径よりも所定の距離(D)だけ大きいものとすることができる。所定の距離(D)は、例えば、1ミリメートル~10ミリメートルとすることができる。アンビル204が、
図2bに示されているように、第1の空洞222内に中心合わせされる場合、平面運動226のために距離の半分(D/2)がアンビル204の両側で利用可能である。
【0037】
ボールローラー組立体208は、概して、球210と、ローラーハウジング212と、複数の玉軸受214とを備える。ボールローラー組立体208は、180Nの圧縮負荷をサポートするように定格を決めることができる。複数の玉軸受214は、球210とローラーハウジング212との間の摩擦を低減する役割を果たす。ボールローラー組立体208は、第2の空洞216内に位置決めすることができる。例えば、ボールローラー組立体208は、第2の空洞216内に圧入することができる。図示の例において、ハウジング202は第2の空洞216を画定するが、アンビル204が第2の空洞216を画定し得る
図3a~
図3cに関連して記載するように、他の構成も想定される。ハウジング202、アンビル204、及び/又は球210は、ステンレス鋼等、金属又は金属合金から製造することができる。
【0038】
図2b及び
図2cは、それぞれ、第1の角度及び第2の角度で不適切に着座した試料112に接触している
図2aの第1の例示の試験ヘッドの平面断面図を示している。ボールローラー組立体208は、ハウジング202とアンビル204との間の単一の接触点224を提供する。図示のように、ボールローラー組立体208により、アンビル204がハウジング202に対して平面運動226で移動することが可能になる。RSF試験中、アンビル204は、アンビル204の凹部206が試料112と同一平面上になるように、平面運動226及び/又は径方向運動228で移動することができる。
【0039】
図2dは、接触点における凹状領域を有する第1の例示の試験ヘッドの平面断面図を示している。経時的に、単一の接触点224は、アンビル204上に摩耗点(例えば、ディボット)を生じる可能性がある。理解し得るように、ディボットは、アンビル204が自由に浮動することを妨げ、これにより、RSF測定値の精度が減少し得る。摩耗を軽減するために、アンビル204は、単一の接触点224において球210の表面に対応する凹状領域230を画定し、これにより、ボールローラー組立体208との接触面積を増大させることができる。凹状領域230は、代替的には、ボールローラー組立体208がアンビルに固定される場合(例えば、
図3a~
図3cに示されているように)、ハウジング202上に位置決めしてもよい。
【0040】
図3aは、本開示の態様に係る第2の例示の試験ヘッド300の平面断面図を示し、
図3b及び
図3cは、それぞれ、第1の角度及び第2の角度で不適切に着座した試料112に接触している第2の例示の試験ヘッド300の平面断面図を示している。
図3a~
図3cの試験ヘッド300は、アンビル204がボールローラー組立体208の第2の空洞216を画定することを除いて、
図2a~
図2cの試験ヘッド200と実質的に同じである。この例において、ボールローラー組立体208は、アンビル204の第2の空洞216内に圧入される。
【0041】
図4aは、本開示の態様に係る第3の例示の試験ヘッド400の斜視図を示し、
図4bは、
図4aの断面A-Aに沿った第3の例示の試験ヘッドの平面断面図を示している。
図4a及び
図4bの試験ヘッド400は、平面運動226及び径方向運動228を容易にする点で試験ヘッド200、300と同様であるが、試験ヘッド400は、平面運動226及び径方向運動228を2つの別個のメカニズムに分割する。具体的には、平面運動226は、複数の玉軸受組立体418を介して提供され、径方向運動228は、ボールローラー組立体416を介して提供される。
【0042】
試験ヘッド400は、概して、第1のハウジング402と、第2のハウジング404と、アンビル406とを備える。第1のハウジング402は、第1の空洞412を画定し、第2のハウジング404は、第2の空洞414を画定する。第2のハウジング404は、少なくとも部分的に第1の空洞412内に位置決めされ、第1のハウジング402に対して平面運動226で移動するように構成される。アンビル406は、少なくとも部分的に第2の空洞414内に位置決めされ、第2のハウジング404に対して径方向に旋回(228)するように構成される。図示のように、アンビル406は、ボールローラー組立体416を使用して、第2のハウジング404に対して径方向に旋回(228)するように構成される。ボールローラー組立体416は、球408及びローラーハウジング410を備える。
【0043】
複数の玉軸受組立体418が設けられ、第1のハウジング402の表面と第2のハウジング404の表面との間の摩擦を低減する。いくつかの例において、図示のように、複数の玉軸受組立体418は、第2のハウジング404内に画定される空洞内に圧入されるが、複数の玉軸受組立体418は、代わりに、第1のハウジング402内に画定される空洞内に圧入されてもよい。いくつかの例において、ボールローラー組立体416は、球408とローラーハウジング410との間に複数の玉軸受(図示せず)を更に備えることができる。
【0044】
図5は、試験システム100において自動化残留シール力RSF試験を行う一例示の方法500を表すフローチャートである。試験システム100は、クロスヘッド108を介してベース構造体104に向かって及びベース構造体104から離れるようにコラム114に沿って移動するように構成されるロードセル106を備える。
【0045】
ステップ502において、複数の試料112を試料プレート110aに装着する。試料プレート110aに装着される複数の試料112は、手動プロセス又は自動化プロセスを通じて装着することができる。複数の試料112は、第1の試料112と、後続の試料112(例えば、第2の試料112)とを含む。
【0046】
ステップ504において、試験システム100の試験位置に第1の試料112を位置付ける第1の位置に、試料プレート110aを位置決めする。試料プレート110aは、第1の位置に手動で(例えば、試験を始める前にオペレーターによって)又はアクチュエータを介して位置決めすることができる。
【0047】
ステップ506において、アクチュエータ156は、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104に向かって前進させて、第1の試料112を圧縮する。
【0048】
ステップ508において、ロードセル106に動作可能に結合されるプロセッサ150aは、第1の試料112の残留シール力を求める。
【0049】
ステップ510において、アクチュエータ156は、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104から離れるように後退させる。
【0050】
ステップ512において、試料プレート110aを、試験位置に後続の試料112を位置付ける第2の位置に移動させる。
【0051】
ステップ514において、アクチュエータ156は、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104に向かって前進させて、後続の試料112を圧縮する。
【0052】
ステップ516において、プロセッサ150aは、後続の試料112の残留シール力を求める。
【0053】
ステップ512~516は、試料プレート110aに装着される複数の試料112のそれぞれが試験されるまで、各後続の試料112について自動で繰り返すことができる。
【0054】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義通りにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
【国際調査報告】