▶ ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】遊園地設備を消毒するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A63G 31/00 20060101AFI20240125BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20240125BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20240125BHJP
【ＦＩ】
A63G31/00
A61L2/10
A61L2/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544291
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 US2021034228
(87)【国際公開番号】W WO2022164476
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】17/158,782
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100170209
【弁理士】
【氏名又は名称】林 陽和
(72)【発明者】
【氏名】マジダリ デヴィッド
【テーマコード（参考）】
4C058
【Ｆターム（参考）】
4C058AA26
4C058BB06
4C058BB07
4C058DD01
4C058DD03
4C058DD13
4C058EE03
4C058EE26
4C058JJ06
4C058JJ24
4C058KK02
(57)【要約】
遊園地のための消毒システム１０が、乗り物車両１２を消毒するための消毒源を含む。消毒システム１０は、乗り物車両１２が消毒用の位置に存在する旨の指示を受け取るコントローラを含むことができる。消毒システム１０は消毒源を含むことができ、コントローラは、乗り物車両１２を消毒する位置に消毒源を下降させることができる。消毒が完了すると、コントローラは、消毒源を位置から上昇させることができる。その後、コントローラは、乗り物車両１２が消毒された旨の指示を送信することができる。
【選択図】図１２
【選択図】図１２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊園地乗り物であって、乗り物車両と、
ゲストを降ろすための降車領域、前記ゲストを乗せるための乗車領域、またはこれらの両方を含む経路と、
消毒システムと、
を備え、前記消毒システムは、
前記経路に近接して配置された消毒位置に前記乗り物車両が存在する時に前記乗り物車両を消毒するように構成された消毒源を含む消毒ステーションと、
前記消毒ステーションを壁、天井、または床に結合し、前記乗り物車両を消毒するための動作位置に前記消毒ステーションを位置付けるように構成された１以上のアクチュエータと、
を含む、遊園地乗り物。
【請求項2】
前記乗り物車両の消毒が完了した後に、前記消毒ステーションを収納位置に位置付けるように前記１以上のアクチュエータを作動させるよう構成されたコントローラを備える、請求項１に記載の遊園地乗り物。
【請求項3】
前記降車領域および前記乗車領域は、前記乗り物車両が前記消毒位置に存在する時に前記乗り物車両の同じ側に存在する、請求項１に記載の遊園地乗り物。
【請求項4】
前記降車領域および前記乗車領域は、前記乗り物車両が前記消毒位置に存在する時に前記乗り物車両の異なる側に存在する、請求項１に記載の遊園地乗り物。
【請求項5】
前記乗り物車両が前記消毒位置に存在するかどうかを判定するように構成されたセンサを備える、請求項１に記載の遊園地乗り物。
【請求項6】
前記乗り物車両が前記消毒位置に存在する旨の指示を前記センサから受け取ったことに応答して、前記消毒ステーションを前記動作位置に位置付けるように前記１以上のアクチュエータを動作させるよう構成された制御システムを備える、請求項５に記載の遊園地乗り物。
【請求項7】
前記制御システムは、前記１以上のアクチュエータを動作させて前記消毒ステーションを前記動作位置に位置付けた後に、前記消毒源を動作させて前記乗り物車両を消毒するように構成される、請求項６に記載の遊園地乗り物。
【請求項8】
前記制御システムは、前記消毒源から放出される紫外線、消毒ミスト、スプレー、霧、洗浄液、またはこれらのいずれかの組み合わせを前記ゲスト乗車領域、前記ゲスト降車領域、またはこれらの両方から遮る位置に１以上のパネルを作動させるように構成される、請求項７に記載の遊園地乗り物。
【請求項9】
遊園地乗り物消毒システムであって、ゲスト乗車領域、ゲスト降車領域、またはこれらの両方を有する経路に近接して配置された消毒位置において乗り物車両を消毒するように構成された消毒源を含む消毒ステーションと、
前記消毒ステーションを天井に結合し、前記乗り物車両を消毒するための動作位置に前記消毒ステーションを位置付けるように構成された１以上のアクチュエータと、
を備える、遊園地乗り物消毒システム。
【請求項10】
前記１以上のアクチュエータは、前記消毒ステーションを前記動作位置に下降させるように構成された１以上のリニアアクチュエータを含む、請求項９に記載の遊園地乗り物消毒システム。
【請求項11】
前記消毒源を前記乗り物車両の表面の近くに位置付けるように構成された１以上の可動部材を備える、請求項９の遊園地乗り物消毒システム。
【請求項12】
前記１以上の可動部材は、前記消毒源を前記乗り物車両の表面の近くに位置付けるように構成された１以上の伸縮アームを含む、請求項１１に記載の遊園地乗り物消毒システム。
【請求項13】
前記１以上の可動部材は、前記消毒源を前記乗り物車両の表面の近くに回転させるように構成された１以上の継手を含む、請求項１１に記載の遊園地乗り物消毒システム。
【請求項14】
前記消毒源は、紫外線源、或いは消毒ミスト、スプレー、霧、洗浄液またはこれらのいずれかの組み合わせを向けるように構成されたノズル、の少なくとも一方を含む、請求項９に記載の遊園地乗り物消毒システム。
【請求項15】
前記紫外線源から放射された紫外線、或いは前記ノズルによって向けられた消毒ミスト、スプレー、霧、洗浄液またはこれらのいずれかの組み合わせを、前記ゲスト乗車領域、前記ゲスト降車領域、またはこれらの両方から遮断するように構成された１以上のパネルを備える、請求項１４に記載の遊園地乗り物消毒システム。
【請求項16】
娯楽用乗り物車両を消毒する方法であって、ゲスト乗車領域、ゲスト降車領域、またはこれらの両方を有する経路に近接して配置された消毒用の位置に前記娯楽用乗り物車両が存在する旨の指示を受け取ることと、
前記娯楽用乗り物車両を消毒するための動作位置に消毒源を位置付けることと、
前記娯楽用乗り物車両を消毒することと、
前記消毒源を前記動作位置の外に位置付けることと、
を含む、方法。
【請求項17】
消毒状態を判定して、前記娯楽用乗り物車両が消毒された旨の指示を送信することを含む、請求項１６に記載の方法。
【請求項18】
前記消毒状態を、ルーチンの完了、物質の検出、放出された一定量の消毒剤の検出、紫外線の検出、および／またはこれらの組み合わせに基づいて判定することを含む、請求項１７に記載の方法。
【請求項19】
前記消毒源を前記動作位置に位置付けることは、回転アクチュエータに前記消毒源を前記動作位置に回転させることを含む、請求項１７に記載の方法。
【請求項20】
ゲストが前記娯楽用乗り物車両に入ることを可能にするために可動障壁に開くように命令することを含む、請求項１８に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地のための消毒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、以下で説明する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0003】
遊園地は、各遊園地ゲストに固有の体験を提供する様々な乗り物およびその他の特徴を含む。いくつかの事例では、ゲストが接する乗り物自動車（ｒｉｄｅ ｃａｒｓ）、ハンドル、相互作用要素（ｉｎｔｅｒａｃｔｉｖｅ ｃｏｍｐｏｎｅｎｔｓ）またはその他の特徴に細菌またはその他の望ましくない物質が蓄積することがある。従って、遊園地は、ゲストが頻繁に接する表面からこのような物質を除去する工程を含むことができる。現在では、既存の洗浄工程には時間が掛かり、従ってゲストが乗り物またはアトラクションを体験するための待ち時間が増加してしまうことがあると認識されている。また、既存の洗浄工程の中には、遊園地の営業時間外にしか実行できないものもあると認識されている。
【発明の概要】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得るまたは異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0005】
１つの実施形態では、遊園地のための消毒システムが、遊園地の乗り物の乗り物経路に沿って配置された消毒ステーションを含む。消毒ステーションは、乗り物車両が乗り物経路に沿って移動する際に乗り物車両を収容するように構成されたハウジングと、乗り物車両の表面に向けて紫外線を放射するように構成された紫外線源と、乗り物経路に沿った乗り物車両の位置を検出し、乗り物車両がハウジングに対して第１の特定の位置に位置していると判定した時に紫外線源を作動させるように構成された制御システムとを含む。
【0006】
別の実施形態では、システムが、ゲストが乗り物車両から出るための降車領域およびゲストが乗り物車両に入るための乗車領域を含む乗り物経路と、ゲストを乗り物経路に沿って乗り物の方向に輸送するように構成された乗り物車両とを有する遊園地乗り物と、乗り物経路に沿って配置された消毒ステーションとを含み、消毒ステーションは、乗り物の方向に沿って乗り物経路の降車領域を過ぎて乗車領域の手前に配置される。消毒ステーションは、乗り物車両が乗り物経路に沿って移動する際に乗り物車両を収容するように構成されたハウジングと、乗り物車両の表面に向けて紫外線を放射するように構成された紫外線源と、乗り物経路に沿った乗り物車両の位置を検出し、乗り物車両がハウジングに対して第１の特定の位置に位置していると制御システムが判定した時に紫外線源を作動させるように構成された制御システムとを含む。
【0007】
別の実施形態では、方法が、遊園地乗り物の、ゲストが乗り物車両から出るための降車領域およびゲストが乗り物車両に入るための乗車領域を含む乗り物経路に沿った乗り物車両の位置を、制御システムに結合されたセンサを使用して検出することと、乗り物車両が乗り物経路の降車領域から乗車領域までの間を移動していることを検出した時に、制御システムを使用して消毒システムの紫外線源を作動させて、乗り物車両の表面に向けて紫外線を伝送することと、を含む。
【0008】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらのおよびその他の特徴、態様および利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の態様による、遊園地乗り物のための消毒システムの実施形態を示す図である。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【図5】本開示の態様による、遊園地乗り物の乗り物経路に沿った障壁の裏側に配置された消毒ステーションの概略図である。
【0014】
【図6】本開示の態様による、乗り物車両のコンパートメント内に配置された紫外線源を有する乗り物車両の実施形態を示す図である。
【0015】
【図7】本開示の態様による、乗り物車両のコンパートメント内に配置された紫外線源の斜視図である。
【0016】
【図8】本開示の態様による、可搬型ベースに固定された可動部材に結合された紫外線源の実施形態の斜視図である。
【0017】
【図9】本開示の態様による、可動紫外線源アセンブリの実施形態の斜視図である。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の１以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明していない場合もある。あらゆる工学または設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実施の開発においては、実施によって異なり得るシステム関連およびビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実施固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間がかかることができるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する通常の技術者にとって、設計、製作、および製造の日常的な事業であると理解されたい。
【0025】
遊園地は、遊園地乗り物、パフォーマンスショーおよびゲームなどの幅広い娯楽を呼び物とする。様々なタイプの娯楽は、遊園地におけるゲストの体験を強化する特徴を含むことができる。いくつかの例では、遊園地乗り物、ゲーム、相互作用設備および／または他の特徴が、ゲストが頻繁に接するまたは触れる表面（たとえば、ハンドル、ノブ、シート、ボタン、ラップバー、シートベルト）を含む。このような表面には、ゲストが表面に接した時に、および／または表面が乗り物または特徴の環境内の空気、水、ミストおよび／またはこぼれた固体または液体に接した時に、細菌および／またはその他の望ましくない物質が蓄積することがある。従って、遊園地は、表面を定期的に消毒して細菌またはその他の望ましくない物質を除去する手順を整えることができる。たとえば、遊園地は、遊園地の営業時間外（たとえば、遊園地が閉まっている時）に消毒スプレー（たとえば、石鹸または抗菌液）を利用して、細菌またはその他の望ましくない物質に曝される恐れがある表面をきれいに拭くことができる。さらに、遊園地は、表面を洗浄するために特定のアトラクションを別様に停止させることもあり、これによって遊園地のゲストの待ち時間が増加してしまう場合がある。
【0026】
本開示の実施形態は、紫外線を利用して、ゲストが頻繁に接する表面から細菌およびその他の望ましくない物質を定期的に除去する、遊園地の乗り物のための強化された消毒システムに関する。たとえば、消毒システムは、乗り物のゲストが乗り物車両から出るための降車地点（ｕｎｌｏａｄｉｎｇ ｐｏｉｎｔ）と、新たなゲストが乗り物車両に入るための乗車地点（ｌｏａｄｉｎｇ ｐｏｉｎｔ）との間の乗り物経路に沿いに配置することができる。消毒システムは、通常動作に基づいてゲストが乗り物車両内に存在しない（またはアクセスを待っている）乗り物経路沿いに配置することができる。従って、紫外線が標的表面に到達するのをゲストが妨げないように消毒システムを配置することができる。また、乗り物車両に出入りするゲストが、最終的に乗り物車両の１以上の表面を消毒する紫外線に曝されないようにすることができる。いくつかの実施形態では、洗浄すべき表面の近くに紫外線源を位置付けるために、紫外線源が作動アーム上または可動部材上に配置される。他の実施形態では、紫外線源が乗り物車両内に配置され、その後に紫外線が標的表面に到達するのをゲストが妨げないように、乗り物車両が乗車エリアと降車エリアとの間に位置する（たとえば、降車エリアを過ぎた位置から乗車エリアに移動している）時に作動する。後述する実施形態は、一般に紫外線を放射することに関するが、紫外線を放射するものとして説明し図示する特徴は、紫外線に加えてまたは代えて石鹸と水との混合液または別の洗浄液などの消毒ミストまたはスプレーを放出するように構成することもできると理解されたい。
【0027】
いずれにせよ、消毒システムは、ゲストが頻繁に接する乗り物車両の表面から細菌を消去し、他の望ましくない物質を少なくとも部分的に除去するように構成される。従って、遊園地乗り物の消毒の頻度および効率が高まることで、遊園地を訪れるゲストの体験を向上させることができる。
【0028】
図を参照すると、図１に、乗り物車両１２などの遊園地設備を洗浄するための消毒システム１０の実施形態を示す。図１の例示的な実施形態に示すように、消毒システム１０は、乗り物車両１２が移動する乗り物経路１６に沿って配置された消毒ステーション１４を含むことができる。上述したように、消毒ステーション１４は、ゲストが頻繁に接する乗り物車両１２の表面（たとえば、座席、手すり、相互作用要素、ハンドル、ノブ、ボタン）から細菌およびその他の望ましくない物質を消去するために、乗り物車両１２に向けて紫外線２０を放射するように構成された紫外線源１８を含むことができる。紫外線２０は、乗り物車両１２の表面に接触して、表面上に存在し得る細菌およびその他の望ましくない物質（たとえば、ウィルス）を除去する。いくつかの実施形態では、遊園地乗り物のゲストが乗り物車両１２の表面のいずれかの部分を覆わない（たとえば、遮らない）ように、消毒ステーション１４が乗り物経路１６のゲスト降車領域とゲスト乗車領域との間に配置される。他の実施形態では、消毒ステーション１４を、ゲストが乗り物車両１２内に存在する乗り物経路１６の一部に沿って（たとえば、乗り物車両１２の移動方向に対して乗車領域と降車領域との間に）配置することができる。上述したように、いくつかの実施形態では、紫外線源１８を消毒ミストまたはスプレーの供給源とすることもできる。たとえば、消毒ステーション１４は、石鹸と水との混合物または水などの洗浄液を乗り物車両１２に向けるように構成された１以上のノズル２１を含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、乗り物車両１２が、乗り物経路１６に沿って移動し、乗り物車両１２を利用する遊園地乗り物の動作全体を通じて消毒ステーション１４に入って定期的に洗浄工程を受けるように構成される。従って、乗り物車両１２の消毒は、遊園地乗り物の動作時間中（たとえば、ゲストが遊園地乗り物の他の乗り物車両に乗っている時）に体系的に実行される。いくつかの事例では、乗り物車両１２の洗浄を実行するのに十分な時間にわたって乗り物車両１２が紫外線源１８に曝されるように、乗り物車両１２の速度が減速し、または実質的にゼロに低下する。たとえば、１秒～１分、５秒～４５秒、または１０秒～２０秒などの継続時間にわたって乗り物車両１２が紫外線源１８に曝されるように、乗り物車両１２の動きを停止および／または別様に低減することができる。他の実施形態では、紫外線源１８が乗り物車両１２と共に移動することができる。たとえば、所望の距離または時間にわたって乗り物車両１２と共に移動する可動特徴（たとえば、機械的アーム、コンベアベルト）に紫外線源１８を取り付けることができる。
【0030】
いずれにせよ、紫外線源１８は、乗り物車両１２の表面を殺菌する紫外線２０を放射する。いくつかの実施形態では、紫外線２０が、乗り物車両１２の表面上に存在する一般的な細菌および／またはその他の望ましくない物質を消去するのに適した所定の波長を含むことができる。紫外線の波長を１２２～２００ナノメートルにすることにより、遠紫外線（「ＦＵＶ」）を放射して乗り物車両１２の表面を洗浄することができる。他の実施形態では、紫外線２０が、（たとえば、１０～４００ナノメートルの）いずれかの好適な波長を含むことができる。
【0031】
これに加えてまたは代えて、乗り物車両１２は、やはり乗り物経路１６に沿った所定の位置で紫外線２０を放射する車載型消毒コンポーネント２２を含むこともできる。たとえば、消毒コンポーネント２２は、もはや遊園地乗り物のゲストが乗り物車両１２内に存在しない特定の位置（たとえば、乗り物経路１６の降車領域と乗り物経路１６の乗車領域との間）で作動するように構成することができる。従って、消毒コンポーネント２２によって洗浄されるべき乗り物車両１２の表面のいずれかを遊園地乗り物のゲストが遮ったりまたは覆ったりすることはない。他の実施形態では、消毒コンポーネント２２が、ゲストが乗り物車両１２内に存在する乗り物経路１６の一部（たとえば、乗り物車両１２の移動方向に対する乗車領域と降車領域との間）に沿って作動することができる。本明細書で図６を参照しながら詳細に説明するように、消毒コンポーネント２２は、洗浄のために紫外線源１８を表面近くに位置付けるように乗り物車両１２のコンパートメントから拡張してコンパートメント内に後退する可動部材を含むことができる。可動部材は、一般にゲストが接する乗り物車両１２の全ての表面を紫外線２０に曝すように紫外線源１８の位置を回転させおよび／または別様に調整するように構成することができる。他の実施形態では、消毒コンポーネント２２が、紫外線源１８が乗り物車両１２に対して動かないように乗り物車両１２に固定して取り付けられた紫外線源１８を含むことができる。紫外線源１８は、乗り物車両１２内に位置して、ゲストが頻繁に接する乗り物車両１２の表面に紫外線を向けることができる。
【0032】
さらに、消毒ステーション１４は、ノズル２１から吐出された洗浄液２６を蓄積させる乗り物車両１２の表面から液滴を除去するために利用できる乾燥機または加熱器２４を含むこともできる。いくつかの実施形態では、消毒ステーション１４が、それぞれが乗り物車両１２の表面に洗浄液２６を向けるように構成された複数のノズル２１を含むことができる。たとえば、第１のノズル２１は、石鹸と水との混合物を乗り物車両１２に向けることができる。また、乗り物車両１２の移動方向に対して第１のノズル２１を過ぎて乗り物経路１６沿いに配置された第２のノズル２１が、乗り物車両１２上に蓄積した石鹸と水との混合物を除去するために乗り物車両１２に水を向けることができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両１２が消毒ステーション１４を通って移動する際に、ノズル２１から乗り物車両１２に洗浄液２６が向けられる速度が異なることができる。たとえば、第１のノズル２１が第２のノズル２１よりも高い流速の洗浄液２６を乗り物車両１２に向けることも、第１のノズル２１が第２のノズル２１よりも低い流速の洗浄液２６を乗り物車両に向けることも、或いは第１のノズル２１および第２のノズル２１からの洗浄液２６の流速が実質的に同じであることもできる。
【0033】
いずれにせよ、乗り物車両１２が実質的に乾いた状態で消毒ステーション１４から出るように、乾燥機または加熱器２４を利用して乗り物車両１２に空気または温風を向けて、石鹸と水との混合物および／または水からの残留液体粒子を除去することができる。１以上のノズル２１から向けられる洗浄液２６は、紫外線２０に加えてまたは代えて利用することができる。いくつかの実施形態では、紫外線源１８が乗り物車両１２に向けて紫外線２０を放射するように作動し、洗浄液２６が乗り物車両１２に向けて放出されない。他の実施形態では、ノズル２１から洗浄液２６が噴霧または別様に放出され、紫外線源１８が作動しない。さらに別の実施形態では、紫外線２０および洗浄液２６の両方が乗り物車両１２の表面に向けられる。
【0034】
上述したように、消毒システム１０は、もはや乗り物車両１２内にゲストが存在しない乗り物経路１６の一部に沿って配置される。いくつかの事例では、消毒システム１０がゲスト（たとえば、乗車領域で遊園地乗り物を体験するのを待っているゲスト）の視点内に配置されるが、実際の消毒工程はゲストの視界から少なくとも実質的に遮断することができ、これによって関連する乗り物のテーマとの不調和を排除することができる。たとえば、図２に、ゲストから紫外線２０を遮断するアクセスドア５０を有する消毒システム１０の実施形態を示す。アクセスドア５０は、消毒システム１０のハウジング５２内で乗り物車両１２が移動するのを可能にするために（たとえば、アクチュエータを介して）開くように構成される。ハウジング５２内に入ると（たとえば、アクチュエータを介して）アクセスドア５０が閉じ、乗り物車両１２はハウジング５２によって覆われる（たとえば、ハウジング５２内に封入される）。従って、伝送された紫外線２０がハウジング５２から流出することが実質的に妨げられる。これにより、乗り物車両１２のより多くのエリアに紫外線２０が向けられることを容易にすることができる。たとえば、アクセスドア５０の内部を（ハウジング５２の内部の他の面とともに）鏡面加工して、紫外線２０を乗り物車両１２に向け直すことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、乗り物車両１２を十分に紫外線２０に曝すために乗り物車両１２の移動速度が低下および／または停止する。これに加えてまたは代えて、乗り物車両１２の移動速度はハウジング５２の長さ５４にも基づく。たとえば、ハウジング５２の長さ５４が比較的短い時には乗り物車両１２の移動速度が低下する。いくつかの実施形態では、乗り物車両１２の表面が十分に紫外線２０に曝されるように、乗り物車両１２の移動速度が一定期間にわたって完全に停止する。このような実施形態では、ハウジング５２の長さ５４を乗り物車両１２の長さ５６と実質的に同様にすることができる（たとえば、ハウジング５２は、単一の乗り物車両１２を収容するサイズを有することができる）。他の実施形態では、ハウジング５２の長さ５４が比較的長い時に乗り物車両１２の移動速度が維持されまたは増加する。これに加えてまたは代えて、ハウジング５２が複数の乗り物車両１２を収容するサイズを有することもできる。さらに、いくつかの実施形態では、紫外線源１８がハウジング５２内で乗り物車両１２と共に、或いは別様に乗り物経路１６に沿って移動することもできる。
【0036】
いずれにせよ、アクセスドア５０を有する端部６２とは反対側のハウジング５２の端部６０には第２のアクセスドア５８が配置される。従って、第２のアクセスドア５８が開くと、乗り物車両１２は、紫外線２０への曝露後にハウジング５２から出て乗り物経路１６に沿って（たとえば、乗車領域に向かって）進み続けることができる。従って、乗り物車両１２は、遊園地乗り物が連続的に動作している時に、乗り物経路１６に沿って同時におよび／または周期的に移動して洗浄を受けることができる。いくつかの実施形態では、アクセスドア５０および第２のアクセスドア５８がコントローラからの命令に基づいて実質的に同時に開閉する。他の実施形態では、アクセスドア５０および第２のアクセスドア５８の開閉をコントローラによって命令された通りにオフセットさせることができる（たとえば、アクセスドア５０を開閉して乗り物車両１２を収容し、その後に第２のアクセスドア５８を開閉して乗り物車両１２の退出を可能にすることなどができる）。いずれにせよ、アクセスドア５０および５８の作動のタイミングは、乗り物車両１２の所定の曝露時間または乗り物車両１２の所定の移動長さに依存することができる。いくつかの実施形態では、消毒工程が作動している間は両方のドア５０および５８がコントローラによって閉じた状態に保たれ、その後に消毒工程が完了するとコントローラによって開かれる。第１のアクセスドア５０と同様に、第２のアクセスドア５８も、乗り物車両１２への紫外線２０の向け直しを容易にする反射内部を有することができる。
【0037】
図３に、アクセスドア５０が開位置８０にある消毒システム１０の実施形態を示す。図３の例示的な実施形態に示すように、ハウジング５２は、ハウジング５２の内壁８４上に配置された１以上の紫外線源８２を含む。従って、紫外線源８２は、ハウジング５２内に乗り物車両が配置されると、乗り物車両１２に向けて紫外線２０を伝送する。いくつかの実施形態では、紫外線源８２が、ハウジング５２内でハウジング５２の内壁８４に対して様々な角度、距離および位置に配置される。さらに、紫外線源８２の位置は、乗り物車両１２の構成（たとえば、サイズ、形状、コンポーネント）に依存することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、紫外線源８２の位置付けが乗り物車両１２の形状に相関または対応する。たとえば、カート形状の乗り物車両のための紫外線源８２の位置は、自動車形状の乗り物車両と比べて異なることができる。いずれにせよ、紫外線２０は、ゲストが頻繁に接する乗り物車両１２の表面（たとえば、座席、ハンドル、ノブ、ボタン）に到達して表面から細菌およびその他の望ましくない物質を除去および／または消去するように構成される。
【0038】
上述したように、消毒ステーション１４は、石鹸と水との混合物または水などの洗浄液を乗り物車両１２の表面に向ける１以上のノズル２１を含むことができる。また、消毒ステーション１４は、乗り物車両１２が消毒ステーション１４から出る前または出る際に乗り物車両１２の表面から残留洗浄液を除去するように構成された乾燥機または加熱器２４を含むこともできる。図３の例示的な実施形態に示すように、ノズル２１は、貯蔵タンク８６から洗浄液を受け取ることができる。洗浄液２６は、貯蔵タンク８６からポンプ８８を介してノズル２１に向けられる。いくつかの実施形態では、ノズル２１の各々が貯蔵タンク８６からポンプ８８を介して洗浄液２６を受け取る。他の実施形態では、各ノズル２１が対応する貯蔵タンクおよびポンプを含むことができる。
【0039】
さらに、洗浄液２６は、消毒ステーション１４の表面９０上にも溜まることがある。従って、消毒ステーション１４の表面９０は、表面９０上に溜まった洗浄液２６の一部を受け取って消毒ステーションから洗浄液２６を遠ざける配水管９２を含むことができる。いくつかの実施形態では、配水管９２が、洗浄液２６を廃液タンク９４に向けることができる。廃液タンク９４は、配水管９２に対して、洗浄液２６が重力によって配水管９２から廃液タンク９４に流れるように配置することができる。他の実施形態では、洗浄液２６を消毒ステーション１４内で複数回リサイクルして利用できるように、配水管９２が洗浄液２６を貯蔵タンク８６に向けて戻す。洗浄液２６は、ポンプ９６によって配水管９２から貯蔵タンク８６に戻すことができる。さらに、配水管９２と貯蔵タンク８６との間にフィルタ９８を配置して、貯蔵タンク８６への到達前に洗浄液２６から粒子および／または望ましくない物質を除去することもできる。
【0040】
図４の例示的な実施形態に示すように、ハウジング５２は、ハウジング５２の内壁８４に対する紫外線源８２の位置を調整するように構成された１以上の可動部材１００を含むことができる。たとえば、図４に示すように、ハウジング５２は２つの可動部材１００を有することができる。各可動部材１００は対応する紫外線源１０１（たとえば、調整可能な紫外線源）を含む。これに加えてまたは代えて、可動部材１００は、洗浄液２６を乗り物車両１２に向ける１つのノズル２１を含むこともできる。いくつかの実施形態では、可動部材１００が、乗り物車両１２に向かって拡張するとともに乗り物車両１２から離れて後退するように構成された伸縮アーム１０２を含む。同様に、可動部材１００は、第１の伸縮アーム１０６が第１の軸１０８を中心にハウジングの内壁８４に対して回転することを可能にする第１の継手１０４を含むことができる。これに加えてまたは代えて、可動部材１００は、第１の伸縮アーム１０６を第２の伸縮アーム１１０に結合することによって第２の伸縮アーム１１０が第２の軸１１１を中心に第１の伸縮アーム１０６および／または内壁８４に対して回転することを可能にする第２の継手１０９を含むこともできる。本実施形態によれば、可動部材１００は、乗り物車両１２の表面上への紫外線２０の放射を容易にするように関節運動し、回転し、拡張し、収縮し、ラチェット運動し、屈曲し、スピンし、またはその他の動きを実行することができる。
【0041】
図４の例示的な実施形態に示すように、消毒システム１０は、センサ１１３に結合された制御システム１１２を含む。また、制御システム１１２は、対応する紫外線源１０１および１以上の固定紫外線源１１４を有する１以上の可動部材１００に結合される。さらに、いくつかの実施形態では、制御システム１１２が、アクセスドア５０および／または第２のアクセスドア５８に結合される。従って、制御システム１１２は、センサ１１３から乗り物車両１２の位置を示すフィードバックを受け取る。乗り物車両１２が消毒ステーション１４（たとえば、ハウジング５２）から所定の距離に来ると、制御システム１１２はアクセスドア５０を開き、および／または紫外線源１０１および／または１以上の固定紫外線源１１４を作動させる。制御システム１１２は、乗り物車両１２がハウジング５２（たとえば、ハウジング５２の端部６２から２ヤード以内、５ヤード以内、１０ヤード以内）に近付くとアクセスドア５０を開位置８０に作動させるように構成することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、センサ１１３が、乗り物車両１２が完全にハウジング５２内に位置していることを示すフィードバックを制御システム１１２に提供することができる。制御システム１１２は、紫外線源１０１および／または固定紫外線源１１４を作動させる前にアクセスドア５０を作動させてアクセスドア５０を閉じることができる。従って、乗り物車両１２は、紫外線源１０１および／または固定紫外線源１１４から紫外線２０が放射される前にハウジング５２内に封入される（たとえば、アクセスドア５０および５８がそれぞれ閉じられる）。このため、（たとえば、アクセスドア５０および５８を介した）ハウジング５２からの紫外光２０の流出が妨げられるので、乗り物経路１６に近いゲストが紫外光２０を観察することが妨げられる。制御システム１１２は、乗り物車両がハウジング５２内に封入されていると判定すると、アクセスドア５０が閉位置に到達した時点で紫外線源１０１および／または１以上の固定紫外線源１１４を作動させることができる。さらに、制御システム１１２は、所定の時間（たとえば、所定の露光時間）後に紫外線源１０１および／または１以上の固定紫外線源１１４を停止させた後に、第２のアクセスドア５８を開くことができる。さらに、制御システム１１２は、乗り物車両１２が完全にハウジング５２の外側（たとえば、ハウジング５２の端部６０から所定の距離）に存在することを検出すると第２のアクセスドア５８を閉位置に作動させることができる。
【0043】
いくつかの事例では、可動部材１００が、ゲストが頻繁に接する乗り物車両１２の複数の表面を紫外線２０に曝すように調整される。たとえば、制御システム１１２は、メモリ１１８に記憶された命令（予めプログラムされたルーチン）を実行するプロセッサ１１６を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ１１８が、乗り物車両１２の構成（たとえば、サイズ、形状）、およびゲストが最も頻繁に接する乗り物車両１２の表面（たとえば、ハンドル、ハンドレール、ノブ、ボタン、座席）の位置に基づく、可動部材１００の所定の動きシーケンスのための命令を含む。１つの実施形態では、乗り物車両１２の幾何学的形状が（たとえば、カメラを介して）マッピングされ、これを使用して可動部材１００を案内することができる。このマッピングは消毒工程の一部として行われ、異なる形状の車両に対応することができる。しかしながら、マッピングは、同様の形状の乗り物車両１２の組について１回だけ行えばよい。他の実施形態では、シーケンスが、ゲストが接する可能性がある乗り物車両１２の実質的に全ての表面を曝すように可動部材１００の位置を調整するよう構成される。いずれにせよ、紫外線２０は、乗り物経路１６の乗車領域と乗り物経路１６の降車領域との間で乗り物車両１２の表面から細菌およびその他の望ましくない物質を除去するために乗り物車両１２に向けて伝送される。
【0044】
図２～図４に関して説明した消毒システム１０の実施形態は、消毒ステーション１４のハウジング５２を密閉するアクセスドア５０および５８を含んでいるが、他の実施形態はアクセスドア５８を含まないこともできる。たとえば、図５に、ゲストの視点から遮られた乗り物経路１６の一部に配置された消毒ステーション１４の実施形態の概略図を示す。たとえば、乗り物経路１６は、ゲストが遊園地の他のアトラクションを体験するために乗り物車両１２から出るための降車領域１４０を含む。また、乗り物経路１６は、ゲストが乗り物車両１２に関連する遊園地乗り物を体験するために乗り物車両１２に入るための乗車領域１４２も含む。図５の例示的な実施形態に示すように、乗り物経路１６の降車領域１４０と乗車領域１４２との間には障壁１４４（たとえば、壁、トンネル、部屋、コンパートメント）が配置される。障壁１４４は、テーマ体験の連続性を壊す恐れのある消毒ステーション１４をゲストが見ることなく遊園地乗り物を体験できるように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、障壁１４４がゲストへの紫外線２０の到達するのを妨げるので、図５の消毒ステーション１４はアクセスドア５０および５８を含まない。紫外線源１０１および／または固定紫外線源１１４は連続稼働していることができ、これによって乗り物車両１２が乗り物経路１６に沿って移動する際の乗り物車両１２の紫外線２０への曝露を高めることができる。換言すれば、アクセスドア５０および／または５８が閉じた時に紫外線源１０１および／または固定紫外線源１１４が作動するのを待つことなく、乗り物車両１２がハウジング５２に入った直後に紫外線２０に曝すことができる。
【0046】
さらに、図５の消毒ステーション１４のハウジング５２は、乗り物車両１２を完全に封入しないことができる。たとえば、ハウジング５２は、乗り物車両１２が壁によって完全に封入されずまたは取り囲まれないように、互いに間隔を空けた複数の梁および／またはその他の構造的支持部材を含むことができる。一方で、紫外線源１０１および／または固定紫外線源１１４は、内壁８４（たとえば、図４）と同様の形でハウジング５２の梁および／またはその他の構造的支持部材に取り付けることができる。
【0047】
図６に、乗り物車両１２のコンパートメント１６２内に配置されて、乗り物の継続時間中に乗り物経路１６の降車領域１４０と乗車領域１４２との間で乗り物車両１２の１以上の表面１６３に向かって作動できる紫外線源１６０を含む乗り物車両１２の実施形態を示す。たとえば、乗り物車両１２上に配置された制御システム１６４（および／または無線通信を介した制御システム１１２）によって、コンパートメント１６２内に配置されて光でのアクセスが困難と思われるエリア（たとえば、乗り物車両１２の床板を取り囲むエリア）を含む乗り物車両の１以上の表面１６３に紫外線源１６０を向けるように構成できる可動部材１６６を作動させることができる。可動部材１６６は、たとえば降車領域１４０と乗車領域１４２との間でセンサ１１３を介して乗り物車両１２の位置が検出されると作動することができる。
【0048】
図６の例示的な実施形態に示すように、可動部材１６６は、コンパートメント１６２から外向きに延びるとともにコンパートメント１６２に向かって内向きに後退するように構成された伸縮ロッド１７０を含む。他の実施形態では、可動部材１６６が、乗り物車両１２が降車領域１４０と乗車領域１４２との間に位置している時に紫外線源１６０を表面１６３に向け、乗り物車両１２が乗車領域１４２に到達した時点で（たとえば、乗り物車両１２が乗車領域１４２と降車領域１４０との間に存在する時に）紫外線源１６０をコンパートメント１６２内に戻すように構成された、他の好適な折り畳み式の、回転式の、伸縮可能な、可撓性の、関節運動式の、ラチェット式の、或いはその他の可動アームまたは部材を含むことができる。
【0049】
他の実施形態では、紫外線源１６０をコンパートメント１６２内に配置しないこともできる。従って、ゲストは、乗り物の継続時間中に紫外線源１６０を見ることができる。いくつかの実施形態では、紫外線源１６０を、乗り物の特定のテーマに関連する乗り物車両１２上の特徴のように見せ掛けることができる。非限定的な例としては、紫外線源１６０を、乗り物車両１２内に配置されたボタンまたは鏡のように見せ掛けることができる。このような実施形態では、乗り物車両１２の位置が乗り物経路１６の降車領域１４０と乗車領域１４２との間に存在すると判定されるまで紫外線源１６０は非作動状態のままである。従って、乗り物車両１２の表面１６３が紫外線２０に曝されるのをゲストが妨げることはない。
【0050】
図７は、乗り物車両１２内に配置できるコンパートメント１７２の実施形態の斜視図である。本明細書で使用するコンパートメント１７２は、ハンドル１７６を含む乗り物車両１２の壁１７４内の切り抜き（ｃｕｔｏｕｔ）を含むことができる。ゲストは、乗り物車両１２のドアを開くために、および／または乗り物車両１２が乗り物経路１６に沿って移動する際にゲストが握るための支持特徴として、ハンドル１７６を利用することができる。図７の例示的な実施形態に示すように、コンパートメント１７２は、１以上の表面１８０上に紫外線源１７８を含むことができる。これに加えてまたは代えて、表面１８０は、ハンドル１７６に洗浄液２６を向けるように構成された１以上のノズル２１を含むこともできる。
【0051】
紫外線源１７８から放射される紫外線２０および／またはノズル２１からの洗浄液２６（たとえば、水、石鹸、水と石鹸との混合物、泡、または別の好適な洗浄物質）を利用して、ハンドル１７６および／またはコンパートメント１７２の１以上の表面１８０を消毒することができる。遊園地乗り物のゲストがハンドル１７６および／またはコンパートメント１７２の１以上の表面１８０に頻繁に接すると、細菌、バクテリアまたは望ましくない物質が移動する恐れがあり、これらを紫外線２０および／または洗浄液２６によって除去することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、紫外線源１７８および／またはノズル２１がゲストの視点から少なくとも部分的に遮られるように、紫外線源１７８および／またはノズル２１がコンパートメント１７２の表面１８０と実質的に同一平面上に存在することができる。他の実施形態では、紫外線源１７８および／またはノズル２１が表面１８０に対して凹んだ位置に存在する。いずれにせよ、紫外線源１７８および／またはノズル２１は、コンパートメント１７２に対して実質的に固定され、コンパートメント１７２のハンドル１７６および／または表面１８０に紫外線２０および／または洗浄液２６を向けるように構成することができる。紫外線２０および／または洗浄液２６は、乗り物車両１２が乗り物経路１６に沿って（たとえば、乗り物車両１２の移動方向に対して）降車領域から乗車領域に移動している時にハンドル１７６および／または表面１８０に向けることができる。他の実施形態では、紫外線２０および／または洗浄液２６が、ゲストが乗り物車両１２内に位置している時に（たとえば、乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の移動方向に対する乗車領域と降車領域との間で）ハンドル１７６および／または表面１８０に向けられる。従って、乗り物車両１２内のゲストが、紫外線２０および／または洗浄液２６を観察または別様に体験した場合でも紫外線２０および／または洗浄液２６を遊園地乗り物の体験に結び付けるように、紫外線２０および／または洗浄液２６を遊園地乗り物のテーマに関連付けることができる。
【0053】
さらなる実施形態では、紫外線源１６０を、乗り物経路１６に沿って乗り物車両１２と同時に移動するように構成された可搬型ベース１９２に固定された可動部材１９０上に配置することができる。たとえば、図８は、可搬型ベース１９２に固定された可動部材１９０の実施形態の斜視図である。図８の例示的な実施形態に示すように、可動部材１９０は、継手１９８を介して第２の伸縮アーム１９６に結合された第１の伸縮アーム１９４を含む。第１の伸縮アーム１９４は、乗り物経路１６の表面２００に対する紫外線源１６０の高さを調整するように構成される。さらに、第２の伸縮アーム１９６は、乗り物車両１２の表面に対する紫外線源１６０の位置を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、継手１９８が、第２の伸縮アーム１９６が乗り物車両１２の表面に対する紫外線源１６０の位置をさらに調整できるように、軸２０２を中心とした第１の伸縮アーム１９４に対する第２の伸縮アーム１９６の回転を可能にする。
【0054】
いくつかの実施形態では、可搬型ベース１９２が、乗り物車両１２の乗り物経路１６に隣接して配置された軌道２０４に沿って移動するように構成される。従って、可搬型ベース１９２は、可動部材１９０が、従って紫外線源１６０が乗り物車両１２に沿って移動することを可能にする。軌道２０４は、ベルト、磁石、ローラまたはその他の好適なコンポーネントなどの、可搬型ベース１９２の移動を促す様々なコンポーネントを含むことができる。他の実施形態では、可搬型ベース１９２が、軌道２０４に沿った可搬型ベース１９２の移動を促すモータ２０６を含む。
【0055】
可搬型ベース１９２は、乗り物車両１２と共に軌道２０４に沿って移動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の位置を検出するためにセンサ２０８（たとえば、近接センサまたはその他の好適な位置センサ）が利用される。図示の実施形態に示すように、センサ２０８は可搬型ベース１９２上に含まれる。他の実施形態では、センサ２０８が、乗り物経路１６に隣接しておよび／または別の好適な位置に配置されて乗り物車両１２を検出する。いずれにせよ、軌道２０４に沿った可搬型ベース１９２の移動は、乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の位置を示すセンサ２０８からのフィードバックに基づいて開始しまたは別様に調整することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、可搬型ベース１９２が、乗り物車両１２が乗り物経路１６沿いの所定の位置に到達したことをセンサ２０８が検出するまで実質的に静止している。センサ２０８は、可動部材１９０の制御システム２１０および／またはモータ２０６に通信可能に結合することができる。従って、センサ２０８からのフィードバックは、軌道２０４に沿った可搬型ベース１９２の移動を導くために利用される。さらに、センサ２０８は、可搬型ベース１９２が軌道２０４に沿って移動している時に乗り物車両１２の位置を継続的にモニタすることができる。従って、制御システム２１０は、可搬型ベース１９２の速度を乗り物車両１２の速度と実質的に（たとえば、乗り物車両１２の速度の１０％以内、５％以内、または１％以内で）一致させるように構成することができる。
【0056】
これに加えてまたは代えて、制御システム２１０は、可搬型ベース１９２の速度および／または可搬型ベース１９２が乗り物経路１６に沿って（たとえば、軌道２０４を介して）移動する距離を、所与の乗り物車両１２にとって望ましい洗浄の量に基づいて調整するように構成することもできる。たとえば、いくつかの実施形態では、乗り物車両１２が、紫外線源１６０（または洗浄液２６）によって除去すべき（たとえば、カメラ、センサ、またはオペレータによって検出される）比較的大量の望ましくない物質を含むことがある。このような場合には、可搬型ベース１９２の速度および／または移動距離を、望ましくない物質を除去するのに適した時間にわたって乗り物車両１２が紫外線２０および／または洗浄液２６に曝されるように（たとえば、制御システム２１０および／またはオペレータを介して）調整することができる。この調整は、自動的に行う（たとえば、予めプログラムしておく）ことも、或いはオペレータが制御することもできる。
【0057】
いくつかの実施形態では、軌道２０４を、乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の移動方向に対して降車領域１４０と乗車領域１４２との間に配置することができる。従って、紫外線源１６０が作動して乗り物車両１２の表面に向けて紫外線を放射する際には乗り物車両１２内にゲストが位置しておらず、乗り物車両１２の表面に到達する紫外線を遮ることがない。さらに、軌道２０４は、可搬型ベース１９２が乗り物経路１６の乗車領域１４２に到達した時点で降車領域１４０に向かって戻るように実質的に円形とすることもできる。従って、軌道２０４は、乗り物経路１６の降車領域１４０に到達した後続の乗り物車両１２の表面を可搬型ベース１９２が露出させることを可能にする回路を形成する。
【0058】
図９は、乗り物経路１６の少なくとも一部に沿って乗り物車両１２と共に移動するように構成された可動構造２１１を含むことができる消毒ステーション１４の実施形態の斜視図である。図９の例示的な実施形態に示すように、可動構造２１１は、第１のポスト２１２、第２のポスト２１４、および第１のポスト２１２を第２のポスト２１４に結合するクロスポスト２１６を含む。第１のポスト２１２、第２のポスト２１４およびクロスポスト２１６の各々は、乗り物車両１２に向けて紫外線２０を伝送するように構成された複数の紫外線源２１８を含むことができる。これに加えてまたは代えて、第１のポスト２１２、第２のポスト２１４および／またはクロスポスト２１６は、乗り物車両１２に洗浄液２６（たとえば、水、石鹸と水との混合物、洗浄泡、ワックス、または別の好適な物質）を向けるように構成された１以上のノズル２１を含むこともできる。
【0059】
いずれにせよ、可動構造２１１は、一対の軌道２２０に沿って移動するように構成することができ、一対の軌道２２０の第１の軌道２２２は乗り物経路１６の第１の側２２４に配置され、一対の軌道２２０の第２の軌道２２６は乗り物経路１６の第２の側２２８に配置される。従って、第１のポスト２１２および第２のポスト２１４は、ベルト、磁石、ローラ、車輪またはその他の好適なコンポーネントなどの、一対の軌道２２０に沿った第１のポスト２１２および第２のポスト２１４の移動を促す様々なコンポーネントを含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、第１のポスト２１２および／または第２のポスト２１４を、それぞれ第１の軸２３０および第２の軸２３２を中心に回転するように構成することができる。従って、可動構造２１１は、紫外線２０への曝露を受ける乗り物車両１２の表面の量を増加させることができる。換言すれば、第１のポスト２１２および／または第２のポスト２１４がそれぞれ第１の軸２３０および／または第２の軸２３２を中心に回転すると、紫外線２０が乗り物車両１２に向けられる角度が調整されることによって、乗り物車両１２のさらなる表面が紫外線２０に曝されるようになる。これに加えてまたは代えて、第１のポスト２１２、第２のポスト２１４および／またはクロスポスト２１６は、第１のポスト２１２および第２のポスト２１４から離れて乗り物車両１２に向かって移動するように構成されたバー２３４を含むこともできる。従って、乗り物車両１２の表面のより近くに複数の紫外線源２１８が配置されるように複数の紫外線源２１８の位置を調整することができる。さらに、バー２３４は、紫外線２０が乗り物車両１２に向けられる角度を調整するように第１の軸２３０および／または第２の軸２３２を中心に回転することによって、紫外線２０に曝される乗り物車両１２の表面の量を増加させるように構成することもできる。
【0061】
また、可動構造２１１は、一対の軌道２２０に沿って乗り物車両１２と共に移動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の位置を検出するためにセンサ２３６（たとえば、近接センサまたはその他の好適な位置センサ）が利用される。図示の実施形態に示すように、センサ２３６は可動構造２１１上に含まれる。他の実施形態では、センサ２３６が、乗り物経路１６に隣接しておよび／または乗り物車両１２を検出するのに適した別の位置に配置される。いずれにせよ、一対の軌道２２０に沿った可動構造２１１の移動は、乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の位置を示すセンサ２３６からのフィードバックに基づいて開始し、または別様に調整することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、可動構造２１１が、乗り物車両１２が乗り物経路１６沿いの所定の位置に到達したことをセンサ２３６が検出するまで実質的に静止している。センサ２３６は、可動構造２１１の制御システム２３８に通信可能に結合することができる。従って、センサ２３６からのフィードバックは、一対の軌道２２０に沿った可動構造２１１の移動を導くために利用される。さらに、センサ２３６は、可動構造２１１が一対の軌道２２０に沿って移動している時に乗り物車両１２の位置を継続的にモニタすることができる。従って、制御システム２３８は、可動構造２１１の速度を乗り物車両１２の速度と実質的に（たとえば、乗り物車両１２の速度の１０％以内、５％以内、または１％以内で）一致させるように構成することができる。
【0062】
これに加えてまたはこれに代えて、制御システム２３８は、可動構造２１１の速度および／または可動構造２１１が乗り物経路１６に沿って（たとえば、一対の軌道２２０を介して）移動する距離を、所与の乗り物車両１２にとって望ましい洗浄の量に基づいて調整するように構成することもできる。たとえば、いくつかの実施形態では、乗り物車両１２が、複数の紫外線源２１８（またはノズル２１）によって除去すべき（たとえば、カメラ、センサ、またはオペレータによって検出される）比較的大量の望ましくない物質を含むことがある。このような場合には、可動構造２１１の速度および／または移動距離を、望ましくない物質を除去するのに適した時間にわたって乗り物車両１２が紫外線２０および／または洗浄液２６に曝されるように（たとえば、制御システム２３８および／またはオペレータを介して）調整することができる。この調整は、自動的に行う（たとえば、予めプログラムしておく）ことも、或いはオペレータが制御することもできる。
【0063】
図１０は、乗り物車両１２および可動構造２１１の立面図である。図１０の例示的な実施形態に示すように、第１のポスト２１２、第２のポスト２１４およびクロスポスト２１６の各々は、対応するバー２３４を含む。バー２３４は、伸縮マウント２４０を介して第１のポスト２１２、第２のポスト２１４および／またはクロスポスト２１６に結合することができる。伸縮マウント２４０は、バー２３４を第１のポスト２１２、第２のポスト２１４およびクロスポスト２１６に向けて、およびこれらから離して移動させることができる。これに加えてまたはこれに代えて、伸縮マウント２４０は、第１の軸２３０、第２の軸２３２および／または第３の軸２４２を中心としたバー２３４の回転を可能にすることもできる。従って、可動構造２１１は、紫外線２０および／または洗浄液２６が複数の角度でおよび／または乗り物車両１２の表面から複数の距離で乗り物車両１２の表面に向けられることを可能にする。
【0064】
いくつかの実施形態では、可動構造２１１が、乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の移動方向に対する降車領域１４０と乗車領域１４２との間で乗り物車両１２と共に乗り物経路１６に沿って移動するように構成される。他の実施形態では、可動構造２１１が、別の好適な位置で乗り物経路１６に沿って移動することができる。消毒ステーション１４は、乗り物経路１６に沿って配置された、複数の乗り物車両１２の同時洗浄を可能にする複数の可動構造２１１を含むことができる。さらに、複数の可動構造２１１の各々は、乗り物経路１６の所定の部分に沿って移動して、現在所定の部分内に存在する乗り物車両１２の方に紫外線２０および／または洗浄液２６を向けるように構成することができる。他の実施形態では、複数の可動構造２１１の各々を、図８に関して上述した軌道２０４と同様の円形回路に沿って移動するように構成することができる。
【0065】
図１１は、消毒システム１０を動作させるプロセス２６０のブロック図である。たとえば、ブロック２６２において、制御システム１１２は、乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の位置を示すセンサ１１３（または別の好適なセンサ）からのフィードバック、および／または車両内の何かが曝露を妨げているかどうか（たとえば、乗り物車両内に残された物品）に関連する情報を提供するセンサ（たとえば、カメラ）からのフィードバックを受け取ることができる。いくつかの実施形態では、制御システム１１２を、乗り物車両が乗り物経路１６全体に沿って移動している時に制御システム１１２が乗り物車両１２の位置を検出するように、乗り物経路１６沿いの様々な位置に配置された複数のセンサからフィードバックを受け取るように構成することができる。他の実施形態では、制御システム１１２が、乗り物車両１２が消毒ステーション１４から所定の距離内に存在する時、乗り物車両１２が降車領域１４０と乗車領域１４２との間に存在する時、またはこれらの両方の時に乗り物車両１２の位置を検出することができる。いくつかの実施形態では、センサが、紫外線２０が特定の表面に到達するのを乗り物車両１２内の何か（たとえば、車両内に残されたゴミ）が妨げているかどうかを検出することもでき、制御システム１１２はこれを利用して消毒システム１０を制御することができる。
【0066】
さらに、ブロック２６４において、制御システム１１２は、乗り物車両１２が少なくとも降車領域１４０と乗車領域１４２との間に存在することを制御システム１１２が検出した時に、紫外線源１０１、固定紫外線源１１４、紫外線源１６０および／または複数の紫外線源２１８を作動させて、乗り物車両１２の表面に向けて紫外線２０を伝送するように構成される。さらに、制御システム１１２は、乗り物車両１２が消毒ステーション１４から所定の距離内に位置していること、その他の位置情報、および／または乗り物車両１２内で何かが識別されたかどうかを示すフィードバックを制御システム１１２が受け取るまで紫外線源１０１、固定紫外線源１１４、紫外線源１６０および／または複数の紫外線源２１８の作動を遅らせることができる。
【0067】
また、いくつかの実施形態では、制御システム１１２を、乗り物車両１２がハウジング５２から所定の距離内に存在することを検出した時点で消毒ステーション１４のハウジング５２のアクセスドア５０を作動させるように構成することができる。たとえば、アクセスドア５０を作動させるための所定の距離は、紫外線源１０１および／または固定紫外線源１１４を作動させるための所定の距離よりも大きいことができる。制御システム１１２は、消毒ステーション１４のハウジング５２内に取り付けられた可動部材１００および／または消毒ステーション１４の可動構造２１１に取り付けられたバー２３４を使用して、乗り物車両１２の表面に対する紫外線源１０１および／または複数の紫外線源２１８の位置を調整するように構成することもできる。たとえば、可動部材１００は、内壁８４に対する紫外線源１０１の位置を調整するようにハウジング５２の内壁８４に取り付けることができる。従って、紫外線源１０１は、乗り物車両１２の１以上の表面に向けて紫外線２０を伝送することができる。
【0068】
これに加えてまたはこれに代えて、制御システム１１２は、乗り物車両１２上に配置された紫外線源１６０および／または１７８を作動させるように構成することもできる。上述したように、紫外線源１６０は、乗り物車両１２が乗車領域１４２と降車領域１４０との間に位置している時に乗り物車両１２のコンパートメント１６２および／または１７２内に配置することができる。制御システム１１２は、乗り物車両１２が降車領域１４０と乗車領域１４２との間（たとえば、乗り物車両１２上にゲストが存在しない乗り物経路１６の一部）に存在すると判定すると、紫外線源１６０が乗り物車両の表面に向けて紫外線２０を伝送できるように、可動部材１６６を作動させて紫外線源１６０をコンパートメント１６２から取り出す。
【0069】
いくつかの実施形態では、図１２に示すように、消毒ステーション１４を（たとえば、乗り物経路１６の）乗り物車両１２の近くのゲスト降車領域１４０および／またはゲスト乗車領域１４２の一部とすることができ、またはこれらの領域に配置することができる。なお、図１２には乗り物経路１６に隣接するゲスト降車領域１４０および乗車領域１４２を示しているが、いくつかの事例では、（たとえば、乗り物車両１２が固定車両または自走車両である場合など、乗り物経路１６が存在しない場合もあるので）ゲスト降車領域１４０および乗車領域１４２が乗り物経路１６の近くに存在しないこともあると理解されたい。図示のように、消毒ステーション１４は、降車領域１４０および／または乗車領域１４２の天井２７０またはその付近に取り付けることができる。消毒ステーション１４は、制御システム１１２に結合されて制御システム１１２によって動作することができる。制御システム１１２はセンサ１１３にも結合されて、センサ１１３から乗り物車両１２の位置を示すフィードバックを受け取ることができる。具体的には、制御システム１１２は、乗り物車両１２が消毒用の位置２７２（たとえば、消毒ステーション１４の下方）に存在することを示すフィードバックをセンサ１１３から受け取ると、１以上のアクチュエータ２７４を動作させて、消毒ステーション１４を（たとえば、第１の位置または収納位置２７５から第２の位置または動作位置２７６に）位置付けて乗り物車両１２を消毒することができる。図示のように、１以上のアクチュエータ２７４はリニアアクチュエータを含むことができるが、あらゆる好適なアクチュエータ装置が想定される。乗り物車両１２が消毒用の位置２７６に来ると、制御システム１１２は、１以上の消毒源（たとえば、紫外線２０を放射するように構成された１以上の紫外線源１８、消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液２６を放出するように構成された１以上のノズル２１、またはこれらの両方）を作動させて乗り物車両１２を消毒することができる。制御システム１１２は、乗り物車両１２の消毒後に１以上のアクチュエータ２７４を動作させて消毒ステーション１４を（たとえば、動作位置２７６から収納位置２７５に）引っ込め（たとえば、上昇させ）、乗客が乗り物車両１２に入ることを可能にすることができる。実施形態は、乗り物車両が降車領域１４０および／または乗車領域１４２に到着してそこから出発している最中に消毒ステーション１４が収納位置にあることを確実にする物理的ラッチまたは制御機能を含むことができる。
【0070】
消毒ステーション１４を位置２７６に下降させるように、および消毒ステーション１４を位置２７６から上昇させるようにアクチュエータ２７４を動作させる制御システム１１２の能力は、消毒ステーション１４が降車領域１４０および／または乗車領域１４２の一部であること、または降車領域１４０および／または乗車領域１４２に配置されることを有利に可能にする。たとえば、消毒ステーション１４は、乗り物車両１２との干渉を避けるように、または乗客が乗り物車両１２に出入りする際に乗客との干渉を避けるように移動することができ、すなわち乗客の出入りが発生しない乗り物経路１６の一部に沿って消毒ステーション１４を配置する必要はない。図示のように、消毒システム１０は、降車領域１４０および乗車領域１４２の一部である経路２７８（たとえば、歩道、入場／退場路）を含むことができる。消毒が実行されおよび／または完了する乗り物車両１２の位置２７２は、乗り物の空間の効率的な使用を確実にするために経路２７８上またはその近くに配置する（たとえば、経路２７８に隣接してまたは経路２７８沿いの隙間内に位置する）ことができる。なお、経路２７８に沿った乗り物車両１２の第１の側に降車領域１４０を示し、経路２７８に沿った乗り物車両１２の第２の（たとえば、反対）側（たとえば、乗り物車両１２の位置２７２）に乗車領域１４２を示しているが、いくつかの実施形態では、降車領域１４０および乗車領域１４２を乗り物車両１２の同じ側（たとえば、乗り物車両１２の位置２７２）に配置することもできる。
【0071】
いくつかの実施形態では、制御システム１１２が、乗り物車両１２の消毒が完了した旨の指示を送信することができる。この指示を使用して、乗り物車両の動作を継続すること、およびゲストが乗り物車両１２に入るのを許可することなどができる。たとえば、消毒システム１０は、乗り物車両１２が消毒されている時にゲストが乗り物車両１２に入るのを防止または阻止する可動障壁２８０（たとえば、ゲートおよびドアなど）を含むことができる。別の例として、消毒システム１０は、消毒ステーション１４と共に上昇および下降するように消毒ステーション１４の側面に位置し、乗り物車両１２を少なくとも部分的に取り囲んで乗り物車両１２へのアクセスを妨げる１以上のパネル２８２を含むこともできる。１以上のパネル２８２は、１以上の紫外線源１８によって放射された紫外線２０、および／または消毒ステーション１４の１以上のノズル２１によって向けられた消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液２６が降車領域１４０および／または乗車領域１４２に到達するのを有利に遮断することができる。１以上のパネル２８２は、（図示のような）天井２７０、壁および床などのいずれかの好適な構造から延びてその中に引っ込むことができる。いくつかの事例では、制御システム１１２が、消毒の完了後にゲストが乗り物車両１２に入ることを可能にするために、可動障壁２８０および／１以上のパネル２８２を動作または作動（たとえば、上昇または下降）させることができる。さらなるまたは別の実施形態では、別のコントローラまたは人間のオペレータが可動障壁２８０および／または１以上のパネル２８２を動作させることもできる。いずれにせよ、他のコントローラまたは人間のオペレータは、乗り物車両１２の消毒が完了した旨の指示を制御システム１１２から受け取り、可動障壁２８０を動作させおよび／または１以上のパネル２８２を作動させて（たとえば、可動障壁２８０および／または１以上のパネル２８２を上昇させて）、乗り物車両１２へのゲストの乗車を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、１以上のパネル２８２が、１以上の紫外線源１８によって放射される紫外線２０、および／または消毒ステーション１４の１以上のノズル２１によって向けられる消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液２６が降車領域１４０および／または乗車領域１４２に到達するのを遮断できる、天幕（ａｗｎｉｎｇ）、シールド、または他のいずれかの好適な構造の形態を取ることができる。
【0072】
さらなるまたは別の実施形態では、消毒ステーション１４を、降車領域１４０および／または乗車領域１４２の壁または床またはその付近に取り付けることもできる。図１３は、本開示の態様による、乗り物経路１６の降車領域１４０および／または乗車領域１４２の壁２９０に配置された図１の消毒システムの消毒ステーション１４の実施形態の斜視図である。制御システム１１２は、乗り物車両１２が消毒用の位置２７２に存在する（たとえば、消毒ステーション１４に隣接している）ことを示すフィードバックをセンサ１１３から受け取ると、１以上のアクチュエータ２７４を動作させて、消毒ステーション１４を（たとえば、第１の位置または収納位置２７５から第２の位置または動作位置２７６に）位置付けて（たとえば、回転させて）乗り物車両１２を消毒することができる。図示のように、１以上のアクチュエータ２７４はリニアアクチュエータを含むことができるが、あらゆる好適なアクチュエータ装置が想定される。具体的には、図１３の消毒ステーション１４は、消毒ステーション１４を壁２９０から離して（たとえば、動作位置２７６に）および／または壁２９０に向けて（たとえば、収納位置２７５に）回転させることができるアクチュエータ２７４を介して壁２９０に結合される。乗り物車両１２が消毒用の位置２７６に来ると、制御システム１１２は、１以上の消毒源（たとえば、紫外線２０を向けるように構成された１以上の紫外線源１８、消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液２６を向けるように構成された１以上のノズル２１、またはこれらの両方）を作動させて乗り物車両１２を消毒することができる。制御システム１１２は、乗り物車両１２の消毒後に１以上のアクチュエータ２７４を動作させて消毒ステーション１４を（たとえば、動作位置２７６から収納位置２７５に）引っ込め（たとえば、回転させ）、乗客が乗り物車両１２に入ることを可能にすることができる。
【0073】
消毒ステーション１４を位置２７６に回転させるように、および消毒ステーション１４を位置２７６から回転させるようにアクチュエータ２７４を動作させる制御システム１１２の能力は、消毒ステーション１４が降車領域１４０および／または乗車領域１４２の一部であること、または降車領域１４０および／または乗車領域１４２に配置されることを可能にする。図示のように、消毒システム１０は、降車領域１４０および乗車領域１４２の両方を含む経路２７８を含むことができる。消毒が実行されおよび／または完了する乗り物車両１２の位置２７２は、乗り物の空間の効率的な使用を確実にするために経路２７８上またはその近くに配置することができる。なお、乗車領域１４２と同じ乗り物車両１２の側に降車領域１４０を示しているが、いくつかの実施形態では、降車領域１４０および乗車領域１４２を乗り物車両１２の異なる側に配置することもできる。いくつかの実施形態では、制御システム１１２が、乗り物車両１２の消毒が完了した旨の指示を（たとえば、別のコントローラまたは可動障壁を動作させる人間のオペレータに）送信することができる。
【0074】
これに加えてまたは代えて、消毒ステーション１４は、洗浄すべき乗り物車両１２の表面近くにまたは表面に近接させて１以上の消毒源（たとえば、紫外線２０を向けるように構成された１以上の紫外線源１８、消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液２６を向けるように構成された１以上のノズル２１、またはこれらの両方）を位置付けるために、１以上の伸縮または作動アームまたは可動部材（たとえば、ワンド、ストーク）を含むこともできる。図１４は、本開示の態様による、可動部材１００を有する図１２の消毒ステーション１４の実施形態の斜視図である。可動部材１００は、乗り物車両１２に向かって拡張するとともに乗り物車両１２から離れて後退する伸縮アーム１０２を含むことができる。同様に、可動部材１００は、第１の伸縮アーム１０６が第１の軸１０８を中心に消毒ステーション１４に対して回転することを可能にする第１の継手１０４を含むことができる。これに加えてまたは代えて、可動部材１００は、第１の伸縮アーム１０６を第２の伸縮アーム１１０に結合することによって第２の伸縮アーム１１０が第２の軸１１１を中心に第１の伸縮アーム１０６および／または消毒ステーション１４に対して回転することを可能にする第２の継手１０９を含むこともできる。本実施形態によれば、可動部材１００は、乗り物車両１２の表面への紫外線、消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液の放出を容易にするように関節運動し、回転し、拡張し、収縮し、ラチェット運動し、屈曲し、スピンし、またはその他の動きを実行することができる。なお、継手１０４、１０９および軸１０８、１１１は一例として示すものであり、紫外線、消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液が乗り物車両１２の表面に到達することを可能にする可動部材１００の動きを可能にするために、さらに多くのまたは少ない継手、および／またはさらに多くのまたは少ない軸を中心とした回転を使用することもできると理解されたい。たとえば、１つの実施形態では、図示の両継手１０４、１０９が、同じ軸（たとえば、１０８、１１１）を中心とする回転を可能にすることもでき、或いは約３６０度の回転を可能にする継手（たとえば、玉継手）を含むこともできる。
【0075】
いくつかの実施形態では、１以上のパネル２９２が消毒ステーション１４の側面に位置することで、これらが消毒ステーション１４と共に上昇および下降して乗り物車両１２を少なくとも部分的に取り囲んで乗り物車両１２へのアクセスを妨げるようにすることができる。１以上のパネル２９２は、１以上の紫外線源１８によって放射された紫外線２０、および／または消毒ステーション１４の１以上のノズル２１によって向けられた消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液２６が降車領域１４０および／または乗車領域１４２に到達するのを有利に遮断することができる。１以上のパネル２９２は、（図示のような）壁２９０、天井、床などのいずれかの好適な構造から延びてその中に引っ込むことができる。図示のように、１以上のパネル２９２は、消毒ステーション１４に取り付け、固定し、或いは別様に消毒ステーション１４の一部とすることができる。これに加えてまたは代えて、１以上のパネル２９２は消毒ステーション１４から分離することもできる。いくつかの実施形態では、１以上のパネル２９２が、１以上の紫外線源１８によって放射される紫外線２０、および／または消毒ステーション１４の１以上のノズル２１によって向けられる消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液２６が降車領域１４０および／または乗車領域１４２に到達するのを遮断できる、天幕、シールド、または他のいずれかの好適な構造の形態であることができる。図１２の１以上のパネル２８２と同様に、いくつかの実施形態では、制御システム１１２が、消毒の完了後に１以上のパネル２９２を動作または作動（たとえば、上昇または下降）させて、ゲストが乗り物車両１２に入ることを可能にすることができる。
【0076】
図１４に示すように、消毒ステーション１４は、制御システム１１２に結合されて制御システム１１２によって動作することができる。制御システム１１２はセンサ１１３にも結合されて、センサ１１３から乗り物車両１２の位置を示すフィードバックを受け取ることができる。具体的には、制御システム１１２は、乗り物車両１２が消毒位置２７２（たとえば、消毒ステーション１４の下方）に存在することを示すフィードバックをセンサ１１３から受け取ると、１以上のアクチュエータ２７４を動作させて、消毒ステーション１４を位置２７６に位置付けて（たとえば、下降させて）乗り物車両１２を消毒することができる。これに加えてまたは代えて、制御システム１１２は、紫外線、消毒ミスト、スプレー、霧、および／または洗浄液が乗り物車両１２の表面に到達することを可能にするように可動部材１００を移動または作動させることもできる。たとえば、制御システム１１２は、乗り物車両１２の表面への紫外線、消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液のより良好な到達を可能にするために伸縮アーム１０６、１１０を拡張させたり、継手１０４、１０９を回転させたりすることなどができる。図１４には、消毒ステーション１４が天井７０に取り付けられた消毒システム１０の実施形態で使用される可動部材１００を示しているが、可動部材１００は、消毒ステーション１４が他の構造（たとえば、図１３に示すような壁２９０）、床、およびその他のポータブル消毒ステーション１４などに取り付けられた消毒システム１０に組み込むこともできると理解されたい。
【0077】
図１５は、本開示の態様による、乗り物経路１６のゲスト降車領域１４０および／またはゲスト乗車領域１４２の（図１２に示すような）天井７０、（図１３に示すような）壁２９０および床などに配置された消毒ステーション１４を動作させるプロセス３００のブロック図である。なお、後述するプロセス３００のブロックはいずれかの好適な順序で実行することができ、ブロックの少なくとも一部を完全にスキップすることもできると理解されたい。ブロック３０２において、制御システム１１２が、乗り物車両１２が消毒位置２７２（たとえば、消毒ステーション１４による消毒に適した位置および／または向き）に存在する旨の指示を受け取ることができる。具体的には、センサ１１３が、乗り物車両１２が消毒位置２７２（たとえば、消毒ステーション１４の下方）に存在する旨のフィードバックを提供することができる。
【0078】
ブロック３０４において、制御システム１１２が、乗り物車両１２を消毒する位置に１以上の消毒源を移動、回転、上昇または下降させることができる。たとえば、図１２および図１３に示すように、制御システム１１２は、乗り物車両１２を消毒するために消毒ステーション１４を収納位置２７５から動作位置２７６に下降させる。いくつかの実施形態では、制御システム１１２が、消毒ステーション１４を動作位置２７６に下降させるために１以上のアクチュエータ２７４（たとえば、リニアアクチュエータおよび回転アクチュエータなど）を動作させることができる。さらなるまたは別の実施形態では、制御システム１１２が、乗り物車両１２の表面に紫外線、消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液が到達することを可能にするように１以上の可動部材１００を動作（たとえば、移動または作動）させることができる。たとえば、制御システム１１２は、乗り物車両１２の表面への紫外線、消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液のより良好な到達を可能にするために伸縮アーム（たとえば、１０６、１１０）を拡張させたり、継手（たとえば、１０４、１０９）を回転させたりすることなどができる。
【0079】
ブロック３０６において、制御システム１１２が乗り物車両１２を消毒することができる。具体的には、制御システム１１２は、消毒ステーション１４の１以上の紫外線源１８に紫外線を放射させて、消毒ステーション１４の１以上のノズル２１に消毒ミスト、スプレー、霧および／または洗浄液２６を向けさせて、或いはこれらの両方によって乗り物車両１２を消毒することができる。ブロック３０８において、制御システム１１２が消毒源を消毒位置から移動、回転、下降または上昇させることができる。すなわち、制御システム１１２は、消毒ステーション１４を動作位置２７６から（たとえば、乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の移動を妨げずおよび／または乗り物車両１２に出入りするゲストを妨げない収納位置２７５に）移動、回転、下降または上昇させることができる。いくつかの実施形態では、制御システム１１２が、可動部材１００が乗り物経路１６に沿った乗り物車両１２の移動を妨げずおよび／またはゲストが乗り物車両１２に出入りするのを妨げないことを確実にするように１以上の可動部材１００を動作（たとえば、移動または作動）させることができる。たとえば、制御システム１１２は、伸縮アーム（たとえば、１０６、１１０）を引っ込めたり、継手（たとえば、１０４、１０９）を回転させたりすることなどができる。
【0080】
ブロック３１０において、制御システム１１２が、乗り物車両１２が消毒された旨の指示を送信することができる。このような指示は、消毒ルーチンの完了、または規定レベルの消毒物質の検出（たとえば、一定量の消毒スプレーが放出されたこと、または表面上で十分な光沢が検出されたこと）を示すセンサフィードバックに基づくことができる。たとえば、センサが画像を取得し、この画像を使用して液体消毒剤の層が塗布されたことを確認し、或いは消毒されている表面上のセンサがフィードバック（たとえば、消毒剤または紫外線の検出）を提供することができる。消毒が確認されると、制御システム１１２は、別のコントローラまたは人間のオペレータに指示を送信することができる。その後、他のコントローラまたは人間のオペレータは、可動障壁を動作させてゲストが乗り物車両１２に入ることを可能にしたり、乗り物車両１２を乗り物経路１６に沿って進むように動作させたりすることなどができる。
【0081】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正および変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の正確な趣旨に該当する全てのこのような修正および変更を含むものであると理解されたい。本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のものまたは純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物および具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「．．．［機能］を［実行］する手段」または「．．．［機能］を［実行］するステップ」として指定されている１以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法１１２条（ｆ）に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法１１２条（ｆ）に従って解釈すべきではない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【国際調査報告】