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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】外科用開創器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A61B17/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544723
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 FR2022050177
(87)【国際公開番号】W WO2022162327
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/144,156
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2103425
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517151556
【氏名又は名称】クラリアンス
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クリエ、ブリス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160AA01
4C160AA14
(57)【要約】
本発明は、中央開口部(110)を有するフレーム(100)と、並進移動可能なアーム(210、220、230)と、各アームに関連付けられたブレード(310、320、330)とを備える外科用開創器(E)であって、フレーム(100)によって回転するように案内され、独立した動きを提供するために異なるアーム(210、220、230)と協働する2つの独立したホイール部分(410、420)を備えることを特徴とする、外科用開創器に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用開創器(E)であって、
-中央開口部(110)を有するフレーム(100)と、
-並進移動可能なアーム(210、220、230)と、
-各アームに関連付けられたブレード(310、320、330)と、
を備え、
前記アーム(210、220、230)は2つの端部:
案内及び駆動目的のために前記フレーム(100)と係合する第1の端部と、前記中央開口部(110)内で動作する第2の端部と
を有し、
前記ブレード(310、320、330)は2つの端部:
アーム(210、220、230)の前記第2の端部に接続された第1の端部と、患者の組織と係合するように意図された第2の端部と
を有し、
前記フレーム(100)によって回転するように案内され、異なるアーム(210、220及び230)と係合して独立した動きを提供する、2つの独立したホイール部分(410、420)を備えることを特徴とする、
外科用開創器(E)。
【請求項2】
前記2つのホイール部分(410、420)が同軸ではないことを特徴とする、請求項1に記載の開創器(E)。
【請求項3】
各ホイール部分(410、420)が、前記フレーム(100)の外側に突出する可動制御フィンガ(411、421)を備え、フィンガはユーザによって移動可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の開創器(E)。
【請求項4】
固定フィンガ(412、422)が、各可動フィンガ(411、421)のストロークに面して前記フレーム(100)に固定されていることを特徴とする、請求項3に記載の開創器(E)。
【請求項5】
歯止めの動きを採用して各ホイール部分を所定位置に保持するための手段(413、423)を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の開創器(E)。
【請求項6】
前記ブレード(310、320、330)の前記第1の端部が、機能モジュールを収容するように予め形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の開創器(E)。
【請求項7】
前記ブレード(310、320、330)の前記第1の端部が、前記ブレードの内面に開口する少なくとも1つのオリフィス(311)を備えて予め形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の開創器(E)。
【請求項8】
前記ホイール部分(410、420)が歯車部分であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の開創器(E)。
【請求項9】
各アーム(210、220、230)が、前記フレーム(100)に対してスライドするように取り付けられ、ラックの側部に予め形成された長円形の長手方向内腔を備え、このラックは、小さい同軸直径のピニオンと係合し、前記フレーム(100)に枢動可能に取り付けられ、歯車部分と係合するより大きい直径のピニオンと一体で回転することを特徴とする、請求項8に記載の開創器(E)。
【請求項10】
前記ブレード(310、320、330)の前記第1の端部と前記アーム(210、220、230)の前記第2の端部との間の前記接続が、傾斜を可能にすることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の開創器(E)。
【請求項11】
前記ブレード(310、320、330)の長手方向縁部の少なくとも上部は、接触すると、共に前記接続を最適化する相補的なインターロックプロファイルを有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の開創器(E)。
【請求項12】
前記ブレード(310、320、330)が、放射線透過性材料で作られていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の開創器(E)。
【請求項13】
前記ブレードがチタンで作られており、それらの厚さ(310、320、330)は、それらを放射線透過性にするために精密化されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の開創器(E)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用開創器の分野に関し、特に、開創器の機能性を改善することを可能にする適応に関する。
【背景技術】
【0002】
手術、特に微侵襲手術の分野では、患者の組織の開創を確実にする外科用開創器を使用して施術者に損傷なしアクセスを提供することが知られている。
【0003】
外科用開創器の中には、同心円状に移動する可動ブレード(バルブとも呼ばれる)を備える同心形状を採用する開創器があり、その引き込みにより共にアクセス経路を作り出す。
【0004】
これらの開創器のうち、国際公開第0103586号は、身体部分に作られた開口部の上に位置決めする目的で設計されたベースと、開口部が設けられた長手方向軸を含む伸長可能な針状開創器要素とを含む、伸長可能な針又はブレードを有する開創器デバイスを記載しており、その構成は、身体部分を貫通し、したがって体組織に係合するように、開口部を介した挿入を可能にする。開創器要素は、ベースと関連付けられた第1の支持端と、ベースから軸方向に分離された第2の自由端とを有する。ベースに取り付けられた拡張装置は、開創器要素によって係合された組織を開創するために、長手方向軸の周りで調節可能に開創器要素を半径方向に展開することを可能にし、したがって、開口部とほぼ軸方向に整列して、身体部分の内側の作業ゾーンをクリアすることを可能にする。
【0005】
したがって、ベースは、支持体として機能し、ユーザによって制御される駆動ホイールを案内するために機能する。伝達手段によって、ホイールの回転は、複数のアームの半径方向の並進を引き起こす。各アームは、駆動ホイールの一方又は他方への回転がブレードの引き込み又は同期整列を引き起こすように、針と関連付けられる。
【0006】
このような開創器はかさばる。加えて、ホイールの回転の制御は、ベース上に配置された少なくとも1つの回転ボタンによって行われる。その結果、外科医がボタンを作動させるときの視覚的なアクセス性が低下する。
【0007】
更に、ボタンの回転は、ホイールの回転を保証しなければならず、ホイールの回転運動は、サムホイールシステムによってアームの並進運動に変換されなければならない。したがって、このような装置は、構成要素の数を増やす複雑な伝達手段を必要とする。
【0008】
また、従来技術では、アームの非同期運動を可能にする同心形状を有する開創器がある。したがって、このような機能を実装するためには、クラッチ手段及び別個の制御手段が必要であり、これらの手段は、開創器をより複雑化してかさばるものにする。
【発明の概要】
【0009】
述べられていることは、出願人が外科用開創器を改良することを目的とする研究を行ったことである。
【0010】
研究により、新しい機能性を有する、新しい、より人間工学的で、よりかさばらない外科用開創器を設計及び生産する結果がもたらされた。
【0011】
この外科用開創器は、
-中央開口部を有するフレームと、
-並進移動可能なアームと、
-各アームに関連付けられたブレードと、
を備える。
【0012】
アームは2つの端部を有する。
【0013】
第1の端部は案内及び駆動目的のためにフレームと係合し、第2の端部は中央開口部内で動作する。
【0014】
ブレードは2つの端部を有する。
【0015】
第1の端部はアームの第2の端部に接続され、第2の端部は患者の組織と係合するように意図されている。
【0016】
本発明によれば、開創器は、フレームによって回転するように案内され、独立した動きを提供するために異なるアームと係合する2つの独立したホイール部分を備えるという点で注目に値する。
【0017】
この特徴は、少なくとも1つのアーム(したがって1つのブレード)を別個に制御することができるという点で特に有利である。別個の動きは、もはや1つの移動ホイールだけでなく、2つの別個のホイール部分が存在するということによって行われる。これらの非同期運動を可能にするために複雑なクラッチ手段を使用する必要はもはやない。
【0018】
この開創器の好ましい使用方法は、脊椎手術用である。特に、それは、組織及び内臓を、例えば、側方又は前方に引き込むことによって、脊椎へのアクセスを可能にする。
【0019】
その使用中、開創器は、そのフレームによって、又はそのアームのうちの1つによって、いわゆるマーチンアームなどの関節式外科用アームに連結することができる。
【0020】
これを行うために、本発明の別の特に有利な特徴によれば、フレームは、アームへの固定を可能にする固定オリフィスから予め形成された機械的接続手段を備える。
【0021】
同様に、本発明の別の特に有利な特徴によれば、少なくとも1つのアームの第1の端部は、外科用アームとの接続を可能にする任意の位置(引き込み位置であっても)でアクセス可能なままであるオリフィスを備えている。
【0022】
別個のブレードは、患者の身体上に固定及び/又は支持されることができ、ブレードに対して移動されるのは開創器である。またそれは、固定されていなくても、支持されていなくてもよい。したがって、それは開創器のフレームに対して移動される。
【0023】
本発明の別の特に有利な特徴によれば、2つのホイール部分は同軸ではない。この特徴は、よりかさばらないフレーム、したがってよりかさばらない開創器を提供することを可能にする。実際、同心ホイール部分は重なり合い、これは、開創器の厚さを増加させる影響を有していたが、非同心ホイール部分の場合はそうではない。
【0024】
ホイール部分は、任意の手段によって、例えば接着によって動きを伝達することができる。しかしながら、好ましいが非限定的な実施形態によれば、ホイール部分は歯車部分である。
【0025】
好ましいが非限定的な実施形態によれば、引き込み位置にグループ化されたブレードによって形成される円筒の軸の周りに120度で配置された3つのアーム及び関連付けられたブレードがある。
【0026】
本発明の別の特に有利な特徴によれば、各ホイール部分は、フレームの外側に突出する可動制御フィンガを備え、フィンガはユーザによって移動可能である。移動フィンガは、他の装置に見られ得るサムホイールと同じ機能を有することを可能にするが、部品の数を制限することによって、システムの堅牢性を増大させる。
【0027】
誘導されたフィンガの動きにより、外科医がブレードをより速く動かすことが可能になるので、人間工学が改善される。加えて、フィンガの並進がブレードの並進を誘発し、力の戻りがより直接的であるため、動きは直感的である。
【0028】
別の特に有利な特徴によれば、固定フィンガは、各可動フィンガのストロークに面するフレームに固定される。この構成は、可動フィンガのユーザの指に支持を与え、クランプの使用中に行われる手の動きをユーザに再現することを可能にし、それが人間工学を更に最適化する。
【0029】
可動フィンガを有するということは、ユーザの手の動作を相殺し、それらをフレームの外側に、したがって手を創傷から離れた位置に配置することを可能にする。この位置は更に、手術ゾーンのより良好な視界を維持することを可能にする。
【0030】
本発明の別の特に有利な特徴によれば、開創器は、ブレードを定位置に保持するための手段を更に備える。
【0031】
この機能を実装するために、各可動フィンガは、1つの方向(ブレードの引き込みに対応する方向)への歯車部分の回転を可能にし、別の方向への回転を阻止することによって歯止めの動きをするカーソルと関連付けられる。ユーザによって制御される歯止めの係合解除は、反対方向への回転、したがってブレードの引き込みを可能にする。
【0032】
好ましいが非限定的な実施形態によれば、可動フィンガに連結されたカーソルは、ばねブレード上に取り付けられ、固定フレームに関連付けられた配向された歯車装置と係合する少なくとも1つの先端を備える。
【0033】
本発明の別の特に有利な特徴によれば、ブレードの第1の端部は、機能モジュールを収容するように予め形成される。
【0034】
これを行うために、別の特徴によれば、ブレードの第1の端部は、ブレードの内面上に開口する少なくとも1つのオリフィスを備えて予め形成される。
【0035】
このオリフィスは、引き込みゾーンへのアクセスを与えるチャネルを形成する。
【0036】
例えば、ブレードが光手段タイプの機能モジュールを収容する場合、それは光シャフトを構成する。
【0037】
それはまた、ブレードが内視鏡カメラを収容するときにビデオ手段へのアクセスを可能にする。
【0038】
本発明の別の特に有利な特徴によれば、ブレードの長手方向縁部の少なくとも上部は、接触すると、共に接続を最適化する相補的なインターロックプロファイルを有する。
【0039】
本発明の別の特に有利な特徴によれば、ブレードは異なる長さで利用可能である。開創器は、複数のブレードセットと関連付けられて、キットを形成する。したがって、外科医は、手術を受ける患者の形態に最も適したブレードを選択する選択肢を有する。
【0040】
本発明の別の特に有利な特徴によれば、ブレードは放射線透過性材料で作られる。
【0041】
本発明の別の特に有利な特徴によれば、ブレードはチタンで作られており、それらの厚さはそれらを放射線透過性にするために精密化されている。
【0042】
本発明の別の特に有利な特徴によれば、ブレードの第1の端部とアームの第2の端部との間の接続は、傾斜を可能にする。ブレードは傾斜させることができる(例えば、15度まで)。
【0043】
これを行うために、ブレードは、アームに対して枢動可能に取り付けられたプレートと関連付けられる。したがって、プレートは、アームとブレードとの間の中間接続部分機能を保証する。
【0044】
非限定的な実施形態によれば、ブレードの外側で、他の構成要素は、以下の非網羅的なリストから選択される材料で作られる。
【0045】
-チタン合金
-ステンレス鋼
-任意のタイプのポリマー
-アルミニウム又はアルミニウム合金。
【0046】
本発明の基本的な概念は、それらの最も基本的な形態で上述されており、他の詳細及び特徴は、非限定的な例として本発明による開創器の実施形態を与える添付図面を参照して以下の説明を読むことによって、より明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明に係る開創器の一実施形態の引き込み位置における概略上面図である。
図2】引き込み位置における図1の開創器の概略上面図である。
図3】異なるブレード位置を有する図1の開創器の概略上面図である。
図4図1の開創器の概略部分分解上面図である。
図5図1の開創器の唯一のフレームの概略上面図である。
図6】引き込み位置における図1の開創器の概略側面図である。
図7】ブレードの第1の端部とアームの第2の端部との接続の詳細の概略斜視図である。
図8図1の開創器を備えたカーソルの1つにおける開創器の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図に示されるように、全体としてEで参照される外科用開創器は、実質的に環状の形状を採用し、中央開口部110を有するフレーム100を備える。
【0049】
このフレーム100は、3つのアーム210、220、230を支持しており、これらのアームは、(両方向矢印F1に従って)並進移動可能であり、フレーム100上に120°で配置されている。ブレード310、320、330は、各アームに関連付けられている。3つのブレードは同一であり、接触すると(図1参照)、互いに補完し合ってシリンダを形成する。
【0050】
より具体的には、図示された実施形態によれば、ブレードの長手方向縁部の少なくとも上部は、接触すると、共に接続を最適化する相補的なインターロックプロファイルを有する。
【0051】
アーム210、220、230は2つの端部を有する。
【0052】
第1の外側端部は、案内及び駆動目的のためにフレーム100と係合し、第2の内側端部は、中央開口部110内で動作する。
【0053】
ブレード310、320、330は2つの端部を有する。
【0054】
第1の上端部はアームの第2の内側端部に接続され、第2の下端部は患者の組織と係合するように意図されている。
【0055】
患者に実装している間、ブレード310、320、330は、患者の組織に予め挿入された拡張器(図示せず)の周りを通される。ブレードの長さは、最後の拡張器上に存在する目盛りに従って選択される。
【0056】
開創器Eは、いわゆるマーチン外科用アーム(図示せず)によって手術台に固定することができる。フレーム100は、アームへの固定を可能にする固定オリフィス101を備えて予め形成された機械的接続手段を備える。
【0057】
図示されるように、少なくとも1つのアーム、この場合はアーム230の第1の端部は、任意の位置で(引き込まれた位置であっても)アクセス可能なままであり、外科用アームとの接続も可能にするオリフィス231を備える。
【0058】
図4により詳細に示すように、開創器Eは、フレーム100によって回転するように案内される2つの独立した非同軸歯車部分410及び420を備え、フレーム100は、この目的のために予め形成され、異なるアームと係合して独立した動きを提供する。
【0059】
したがって、歯車部分410は、その回転運動(両方向矢印F2)によって、アーム210及び220の並進(両方向矢印F1)を制御する。
【0060】
歯車部分420は、その回転運動(両方向矢印F3)によって、アーム230の並進(両方向矢印F1)を制御する。
【0061】
図示されるように、歯車部分410及び420は同心ではないが、両方向矢印F1による水平並進の軸は一致する。
【0062】
アームのうちの1つ(この場合、アーム230)の別個の制御は、開創器Eのより柔軟な機能を可能にする。特に、ブレード330の端部によって患者の身体上に開創器Eを固定することを考慮することを可能にする。
【0063】
図示の実施形態によれば、各アームは、フレーム100に対してスライド可能に取り付けられており、ラックの側部に予め形成された長円形の長手方向内腔を備えている。このラックは、小さい同軸直径のピニオンと係合し、フレーム100に枢動可能に取り付けられ、歯車部分と係合するより大きい直径のピニオンと一体で回転する。
【0064】
好ましいが非限定的な実施形態によれば、150ミリメートル~300ミリメートルのアームストロークに対して:
-歯車部分は、30~50個の歯を備え、
-ダブルピニオンは、それらの小径及び大径上に、10~20個の歯を備える。
【0065】
フレーム100は、上部と下部とから形成される。図5は、歯車部分410及び420の回転をそれぞれ案内する溝120及び130を備えて予め形成されたフレーム100の下部を示す。フレームには、大径ピニオンのハウジング140、150及び160も備えて予め形成されている。歯車部分410を案内する溝120の中空容積は、アーム210及び220の並進を制御する大径ピニオンを収容するように意図されたハウジング140及び150の中空容積に接合する。
【0066】
歯車部分420を案内する溝130の中空容積は、独立アーム230の並進を制御する大径ピニオンを収容するように意図されたハウジング160の中空容積に接合する。
【0067】
図示されるように、2つの歯車部分410及び420は同じ平面内で動作し、これはそれらの非同軸性によって可能になる。したがって、フレーム、したがって開創器Eは,小型かつ軽量である。
【0068】
図示されるように、各ホイール部分410及び420は、フレーム100の外側に放射状に延びる方向に突出する可動制御フィンガ411及び421を備え、フィンガはユーザによって移動可能である。固定フィンガ412、422は、各可動フィンガ411、421のストロークに面してフレーム100に固定されている。
【0069】
この固定フィンガは、ユーザが押して可動フィンガを作動させることを可能にする。したがって、ユーザは、固定フィンガ412を押して可動フィンガ411を作動させ、アーム210及び220の並進を制御する。同様に、それらは固定フィンガ422を押して可動フィンガ421を作動させ、アーム230の並進を制御する。
【0070】
カーソル413及び423は、各可動フィンガ411及び421に関連付けられ、フレーム100の上面上を移動する。
【0071】
カーソル423に関して図8によって示されるように、それは、弾性ブレード424上に取り付けられ、歯止めとして機能するように、すなわち、それが関連付けられる歯車部分の単一方向への回転を可能にするように予め形成される。
【0072】
ユーザは、他の方向への動きを可能にするために、このカーソル423を押さなければならない。したがって、これらのカーソルは、ブレードを所定位置に保持する手段として機能する。
【0073】
より具体的には、可動カーソル423の端部は、フレーム100内で動作する傾斜した先端425から構成される。この先端425は、固定フレーム100に関連付けられた歯車装置131に接触してブロックされている。
【0074】
歯車装置131の配向は、(ブレードの引き込みの方向に対応する)ある方向への動きを可能にし、(引き込みに対応する)他の方向への動きを妨げる。
【0075】
カーソル423を押すと、弾性ブレード424によって可能になる先端425の動きが引き起こされ、これにより、先端425と歯車装置131との間の係合解除が確実になる。
【0076】
図7に示すように、ブレードの上端部(この場合、ブレード310)は、枢動及び傾斜位置の保持を可能にするようにアーム210に関節接合される。
【0077】
この機能は、この場合、アーム210の第2の端部に対して枢動可能に取り付けられ、以下の2つの端部を備えるプレート211によって実施される。
【0078】
-ブレード310の外面に予め形成されたリブ312を収容するための、溝212の予め形成された第1の端部と、
-長円形の穴213が予め形成された第2の端部であって、アームの第2の端部にねじ込まれたねじ214の頭部が支持される、第2の端部。
【0079】
ねじ214をねじ込むことにより、プレートの角度位置、したがってアームに対するブレードの角度位置が制御される。
【0080】
Aで参照される旋回軸は、アームの並進軸に垂直である。更に、この旋回軸は、プレート211の、したがってブレードの上端部の微細な角運動を可能にする作用ねじ214の前に配置される。
【0081】
図示された好ましいが非限定的な実施形態によれば、リブ312は、ラグ313を更に備える。したがって、ラグ313は、プレート211に固定された弾性ストリップ216に形成されたノッチ215と係合し、プレート211に対するブレード310の保持を確実にする。ストリップ216の弾性は、保持位置を保ち、動作なしで溝212内へのブレード310の収容を可能にし、ブレード310を取り外すためにストリップ216に対するユーザの動作を必要とする。
【0082】
ブレードのこの上端部は、ブレードの内面に開口するように、ブレードの軸とは異なる軸を有するチャネルを形成するために、少なくとも1つ(この場合は1つ)のオリフィス311をその厚さに予め形成することによって、機能モジュールを収容するように更に設計される。このチャネルは、ブレードの側部に配置される。
【0083】
機能モジュールは、各ブレードごとに異なっていても異なっていなくてもよく、以下のリストから選択される。
【0084】
-光手段
-内視鏡カメラ
-など。
【0085】
次に、上記で説明して示したような開創器Eの使用方法について説明する。これに関して、以下の説明は、このような開創器を使用することができる複数の異なる方法のうちの1つの方法であることを理解されたい。開創器Eを使用するために、患者の身体に切開がなされる。次に、第1の拡張器を切開部に挿入して、筋肉を通るチャネルを形成する。直径が連続的に大きくなる他の拡張器を第1の拡張器の上に挿入することができる。適切なブレード310、320及び330は、最後に導入される拡張器の侵入深さに従って選択される。ブレード310は、それをスライドさせ、それをそのハウジング溝212にクリップ留めすることによって、開創器Eに組み立てられる。同様に、ブレード320及び330は、それらをスライドさせ、それらをそれぞれのハウジング溝内にクリップ留めすることによって、開創器Eに組み立てられる。ブレードが閉鎖位置にあり、角度付け又は傾斜がない開創器Eは、導入された最後の拡張器の上の手術部位に挿入され、したがって、拡張器は、筋肉を通して、脊椎への自由アクセスチャネルを作成するように除去される。この段階で、機能モジュール(複数可)は、この目的のために設けられたブレード310、320及び330のオリフィス内に導入することができる。固定フィンガ422を押すことによって、可動フィンガ421は、アーム230及びブレード330の並進を制御するように作動される。2つのアーム210及び220並びに2つのブレード310及び320を引き込むために、可動フィンガ411は、固定フィンガ412を押すことによって作動される。ブレード310の傾斜を大きくするには、ねじ214を時計回りにねじ込む。ブレード310の傾斜を緩めるには、ねじ214を反時計回り方向に緩める。同様に、ブレード320及び330の傾斜は、それぞれ独立して調整することができる。このようにして、ブレードの上端部の位置を大幅に変更することなく、ブレードの下端部を引き込むことができる。したがって、上端部によって形成される直径よりも大きい直径の開口部が、手術される椎間腔の近傍に形成される。
【0086】
上記で説明して示した開創器は、限定ではなく開示の観点からそのように説明されていることが理解される。当然ながら、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な配置、修正、及び改良を上記の例に適用することができる。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】