(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】車両表面洗浄装置の動作を確認するための方法
(51)【国際特許分類】
B60S 1/48 20060101AFI20240125BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240125BHJP
B60S 1/62 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B60S1/48 Z
B08B3/02 E
B60S1/62 120C
B60S1/62 110A
B60S1/62 110B
B60S1/62 110C
B60S1/62 110D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544777
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2021083399
(87)【国際公開番号】W WO2022161660
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
【テーマコード(参考)】
3B201
3D225
【Fターム(参考)】
3B201AA47
3B201AB53
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB92
3B201CD42
3B201CD43
3D225AA01
3D225AA11
3D225AC02
3D225AD02
3D225AD03
3D225AD22
3D225AF02
3D225AG79
(57)【要約】
本発明は、自動車に取り付けられるように意図された車両表面洗浄装置(2)の動作をチェックするための方法に関し、方法は、少なくとも1回の、以下のステップ:決定された期間中に少なくとも1つのバルブ(12)に洗浄液を注入するようにポンプ(6)を作動させるためのコマンドであって、1つ以上のバルブ(12)を閉状態に維持することと連結して、バルブ(12)の入口オリフィスに液体を注入するためにポンプ(6)を作動させるためのコマンドと、少なくとも1つの圧力センサ(16)による、1つ以上のバルブ(12)の上流に配置された流体分配回路(8)の1つのセグメント内の洗浄液の圧力に関するパラメータの少なくとも1つの測定と、測定した圧力関連パラメータと所定の予想値との比較と、測定した圧力関連パラメータと所定の予想値との比較の結果に応じた洗浄装置(2)の動作状態の決定と、洗浄装置(2)の誤動作の場合における警報信号の生成と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に取り付けられるように意図された車両表面洗浄装置(2)の動作を確認するための方法であって、前記洗浄装置は、洗浄液を有するリザーバと、前記洗浄液を洗浄対象表面に噴霧するための少なくとも1つのノズルと、前記洗浄液を前記リザーバから前記洗浄ノズルに搬送するように設計された流体分配回路(8)と、前記リザーバに収容された前記洗浄液を前記流体分配回路(8)に注入するように設計されたポンプ(6)とを備え、前記流体分配回路(8)は、少なくとも1つのバルブ(12)を備え、前記ポンプ(6)の出口オリフィスと前記ノズルとの間に位置決めされた洗浄流体分配ブロック(10)を備え、前記方法は、少なくとも1回の、以下のステップ:
-決定された期間中に前記バルブ(12)まで洗浄流体を注入するように前記ポンプ(6)を作動させるためのコマンドであって、1つ以上の前記バルブ(12)を閉状態に維持することと連結して、前記バルブ(12)の入口オリフィスまで液体を注入するように前記ポンプ(6)を作動させるためのコマンドと、
-少なくとも1つの圧力センサ(16)を使用して、1つ以上の前記バルブ(12)の上流に配置された前記流体分配回路(8)のセグメント内の前記洗浄液の圧力に関するパラメータの少なくとも1つの測定と、
-前記圧力に関する前記測定したパラメータと所定の予想値との比較と、
-前記圧力に関する前記測定したパラメータと前記所定の予想値との前記比較の結果に基づいた、前記洗浄装置(2)の動作状態の決定と、
-前記洗浄装置(2)が誤動作している場合の警告信号の生成と、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
1つ以上の前記バルブを前記閉状態に維持しながら前記ポンプ(6)を作動させる前記コマンドの間の持続時間が、正常動作において前記ポンプ(6)の前記出口オリフィスと前記バルブ(12)との間に配置された前記流体分配回路(8)の前記セグメントにおいて最大圧力に到達することを可能にする持続時間以上である、請求項1に記載の確認方法。
【請求項3】
前記方法ステップが、前記自動車のエンジンの始動時に行われる、請求項1又は2に記載の確認方法。
【請求項4】
前記方法ステップが、前記自動車の少なくとも1つの表面を洗浄するサイクルの間に少なくとも1回行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の確認方法。
【請求項5】
1つ以上の前記バルブ(12)の上流に配置された前記流体分配回路(8)の前記セグメント内の前記圧力に関する前記パラメータの前記測定が、バルブ(12)の最初の開放の前、又はバルブ(12)の2回の開放の間に行われる、請求項4に記載の確認方法。
【請求項6】
前記バルブ(12)の入口オリフィスまで液体を注入するように前記ポンプ(6)を作動させる前記コマンドの後に、前記バルブ(12)を決定された持続時間開放し、前記バルブ(12)の前記開放は、1つ以上の前記バルブ(12)の上流に配置された前記流体分配回路(8)の前記セグメント内の前記圧力に関する前記パラメータの測定に先行する、請求項1から5のいずれか一項に記載の確認方法。
【請求項7】
前記洗浄装置(2)は、少なくとも1つの流量センサをさらに備え、前記確認方法は、少なくとも1回の、以下のステップ:
-決定された期間中に前記バルブ(12)まで液体を注入するように前記ポンプ(6)を作動させるためのコマンドと、
-洗浄液の少なくとも1つの流量の測定と、
-前記測定した流量と所定の予想流量との比較と、
-前記洗浄装置(2)の動作状態の決定と、
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の確認方法。
【請求項8】
前記ポンプ(6)を出る液体の前記流量を測定するように、流量センサが前記ポンプ(6)に接続される、請求項7に記載の確認方法。
【請求項9】
-前記分配ブロック(10)が1つのバルブ(12)を備え、流量センサが前記バルブ(12)を出る液体の前記流量を測定するように前記バルブ(12)に接続される、又は
-前記分配ブロック(10)がいくつかのバルブ(12)を備え、少なくとも1つの流量センサが、前記バルブ(12)を出る液体の流量を測定するように、前記バルブ(12)のすべて又は前記バルブ(12)のいくつかに接続される、
請求項7及び8のいずれか一項に記載の確認方法。
【請求項10】
前記洗浄装置(2)が、前記ポンプ(6)の電力消費を測定する測定装置をさらに備え、前記確認方法が、少なくとも1回の、以下のステップ:
-決定された期間中に前記バルブ(12)まで液体を注入するように前記ポンプ(6)を作動させるためのコマンドと、
-前記ポンプ(6)の前記電力消費の測定と、
-前記ポンプ(6)の前記電力消費を所定の予想電流引き込みとの比較と、
-前記洗浄装置(2)の動作状態の決定と、
を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載されるように意図された、自動車の表面を洗浄するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の表面、例えば自動車の運転支援センサは、様々なタイプの汚れを受ける可能性がある。これらのセンサは、例えば、車両に設置された様々なカメラ又は距離センサ、超音波センサ、レーダ、LIDARセンサ又は雨センサを含む。
【0003】
ここで、この汚れにより、特定の運転支援装置が誤動作したり、車両のユーザが困難(フロントガラスの汚れによる視界の欠如)を経験し始めたりする可能性がある。したがって、これらの表面を洗浄するための少なくとも1つの装置を設ける必要がある。
【0004】
従来、そのような洗浄装置は、洗浄液が貯蔵されるリザーバと、表面の前に設置された少なくとも1つの洗浄ノズルに洗浄液を搬送して洗浄液をその上に噴霧することを可能にする様々なパイプ又はチューブからなる流体分配回路とを備える(原則として、複数の表面のために複数の洗浄ノズルがある)。
【0005】
洗浄ノズルまで流体分配回路内の洗浄液を推進するように意図されたポンプは、一般に、リザーバに直接取り付けられる。より具体的には、ポンプの液体吸入管がリザーバに形成された開口部に圧入され(アセンブリを漏出防止性にするためにシールが使用される)、液体排出オリフィスが流体分配回路に接続される。
【0006】
流体分配回路上に、例えばポンプと1つ以上の洗浄ノズルとの間にいくつかのバルブを備える洗浄液分配ブロックを位置決めすることも公知であり、各バルブを1つ以上の洗浄ノズルに流体接続することが可能である。このバルブブロックは、例えば、洗浄対象表面に面して位置する洗浄ノズルを介してのみ洗浄液が噴霧される一方で、他の洗浄ノズルは非作動のままであるように、バルブを選択的に開くことを可能にする。分配ブロックを中間段階レベルとして使用して、ポンプと分配ブロックとの間に位置する流体分配回路の一部を最大限に加圧して、洗浄ノズルまでの圧力降下を制限することも可能である。
【0007】
汚れの存在による運転者支援センサの誤動作が(例えば自動的に)検出されると、又はユーザが洗浄コマンドを作動すると、ポンプは、大気圧と同様の圧力の洗浄液(圧力はリザーバ内の洗浄液の高さに依存する)をリザーバから引き出し、それをより高い圧力(圧力差はポンプの容量に依存する)で流体分配回路内に推進する。加圧された洗浄液は、開位置にある1つ以上のバルブを通過し、1つ以上の洗浄ノズルによって1つ以上のセンサ(又は他の何らかの洗浄対象表面)上に噴霧される。
【0008】
先に説明したように、洗浄装置は、車両のユーザにとって重要であり得るセンサの清浄性を確実にすること、したがって、部分的には、センサが適切に動作可能であることを確実にすることを可能にする。したがって、1つ以上のセンサが適切に動作することができなくなるまで清浄性が達成されないことを回避するために、洗浄装置の適切な動作を確認することができることが必要である。これは、自動運転車両の場合にはなおさら重要になる。具体的には、可能であれば、洗浄装置又はセンサの動作をダウングレードモードに切り替えると同時に、車両のユーザに警告することを可能にすることができる。動作不良は、例えば、ポンプの故障(ポンプがもはや動作していないか、又は動作が不十分である)、パイプの故障(例えば、穿刺されている)、又は液体分配ブロックの故障(1つ以上のバルブが開放又は閉止に関する全体的又は部分的な故障)から生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の注目すべき目的は、清掃装置が適切に動作していることを確実にし、したがって、適用可能な場合には、自動車に存在する運転者支援センサの動作不良を予測するために、車両の表面を清掃するための装置の動作を確認するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的のために、本発明の1つの主題は、自動車に取り付けられるように意図された車両表面洗浄装置の動作を確認するための方法であって、洗浄装置は、洗浄液を有するリザーバと、洗浄液を洗浄対象表面に噴霧するための少なくとも1つのノズルと、洗浄液をリザーバから洗浄ノズルに搬送するように設計された流体分配回路と、リザーバに収容された洗浄液を流体分配回路に注入するように設計されたポンプとを備え、流体分配回路は、少なくとも1つのバルブを備え、ポンプの出口オリフィスとノズルとの間に位置決めされた洗浄液分配ブロックを備え、方法は、少なくとも1回の、以下のステップ:
-決定された期間中にバルブまで洗浄流体を注入するようにポンプを作動させるためのコマンドであって、1つ以上のバルブを閉状態に維持することと連結して、バルブの入口オリフィスまで液体を注入するようにポンプを作動させるためのコマンドと、
-少なくとも1つの圧力センサを使用して、1つ以上のバルブの上流に配置された流体分配回路のセグメント内の洗浄液の圧力に関するパラメータの少なくとも1つの測定と、
-測定した圧力パラメータと所定の予想値との比較と、
-圧力に関する測定したパラメータと所定の予想値との比較の結果に基づいた、洗浄装置の動作状態の決定と、
-洗浄装置が誤動作している場合の警告信号の生成と、
を含む、方法である。
【0011】
したがって、ポンプ及び液体分配ブロックが適切に動作していることを確実にすることを可能にする方法が得られる。
【0012】
具体的には、ポンプの出口オリフィスとバルブとの間に配置された流体分配回路のセグメントを加圧することによって(すなわち、ポンプを作動させ、液体分配ブロックの1つ以上のバルブを閉じることによって)、例えば、到達した圧力が実際に予想通りであるかどうかを測定することが可能である。予想通りでない場合、洗浄装置は、潜在的にポンプの故障(関連するセグメントを十分に加圧することができない)又は分配ブロックの故障(完全に閉じられていない少なくとも1つのバルブを含み、漏れを生じさせる)を有する。
【0013】
圧力はまた、圧力が予想されるレベルまで確実に低下するように、分配ブロックの少なくとも1つのバルブの加圧及び開放後に測定されてもよい。圧力を低下させることができないか、又は圧力の低下が遅すぎると、分配ブロックの少なくとも1つのバルブの開放に関する部分的又は全体的な故障があると結論付けることが可能になる。
【0014】
洗浄システムのさらなる任意選択の特徴によれば、個々に又は組み合わせて:
-1つ以上のバルブを閉状態に維持しながらポンプを作動させるコマンドの間の持続時間は、正常動作においてポンプの出口オリフィスとバルブとの間に配置された流体分配回路のセグメントにおいて最大圧力に到達することを可能にする持続時間以上であり得る;
-方法ステップは、例えば、自動車のエンジンの始動時に行われてもよい。その場合、洗浄装置が適切に動作していることを迅速に確実にするために、又は誤動作を迅速に識別するために、可能な限り早く確認が行われる;
-方法ステップは、例えば、自動車の少なくとも1つの表面を洗浄するサイクルの間に少なくとも1回行われてもよい。次いで、これは、洗浄装置が適切に動作していることを確認するために1つ以上の測定を行うために、洗浄装置の必要な作動を利用する;
-1つ以上のバルブの上流に配置された流体分配回路のセグメント内の圧力に関するパラメータの測定は、例えば、バルブの最初の開放の前、又はバルブの2つの開放の間に行われる。これらは、この例で圧力の増加を反映する値を測定する他の可能性である;
-バルブの入口オリフィスまで液体を注入するようにポンプを作動させるコマンドの後に、バルブを決定された持続時間開放し、バルブのこの開放は、1つ以上のバルブの上流に配置された流体分配回路のセグメント内の圧力に関するパラメータの測定に先行する。これは、この例で圧力の低下を反映する値を測定する別の可能性である;
-バルブの開放は、特に、1つ以上のバルブの上流に配置された流体分配回路のセグメント内の圧力が、例えば最大値に達した後に行われる。これにより、加圧段階レベルを作成することによって、流体分配回路内の圧力降下を制限する;
-所定の予想値は、バルブの開放前の1つ以上のバルブの上流に配置された流体分配回路のセグメント内の圧力よりも低い圧力に対応する。これは、バルブの開放後に予想される圧力低下の測定の具体的な実施形態である;
-圧力センサは、特に、1つ以上のバルブの上流に配置された流体分配回路のセグメントに接続される;
-洗浄装置は、特に、ポンプの作動、バルブの開放及び閉止、並びに圧力に関連するパラメータの測定を制御するために、圧力センサ、ポンプ、及びバルブに接続された電子制御ユニットを備える;
-洗浄装置は、少なくとも1つの流量センサをさらに備え、確認方法は、少なくとも1回の、以下のステップ:
-決定された期間中にバルブまで液体を注入するようにポンプを作動させるためのコマンドと、
-洗浄液の少なくとも1つの流量の測定と、
-測定した流量と所定の予想流量との比較と、
-洗浄装置の動作状態の決定と、
を含む。
【0015】
これは、洗浄装置が適切に動作していることをチェックすることを可能にする追加の測定である;
-ポンプを出る液体の流量を測定するように、流量センサをポンプに接続してもよい;
-分配ブロックは、1つのバルブを備え、流量センサが、例えば、バルブを出る液体の流量を測定するようにバルブに接続され、又は、
-分配ブロックは、いくつかのバルブを備え、少なくとも1つの流量センサが、バルブを出る液体の流量を測定するように、バルブのすべて又はバルブのいくつかに接続される。
【0016】
これらは、1つ以上の流量センサの2つの代替的な場所である;そして、
-確認方法は、少なくとも1回の、以下のステップ:
-決定された期間中にバルブまで液体を注入するようにポンプを作動させるためのコマンドと、
-ポンプの電力消費の測定と、
-ポンプの電力消費と所定の予想電流引き込みとの比較と、
-洗浄装置の動作状態の決定と、
を含む。
【0017】
これもまた、洗浄装置が適切に動作していることをチェックすることを可能にする追加の測定である。
【0018】
本発明は、純粋に例として提供され、添付の図面を参照して提供される以下の説明を読むことによって、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】本発明による洗浄装置の2つの正常動作モードをグラフ形式で示す図である。
【
図3】本発明による洗浄装置の3つの動作不良モードをグラフ形式で示す図である。
【
図4】本発明による方法における様々なステップのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照して説明された実施形態は例である。説明は1つ以上の実施形態に言及しているが、これは、各言及が同じ実施形態に関連すること、又は特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを必ずしも意味しない。様々な実施形態の個々の特徴を組み合わせて、他の実施形態を作成することもできる。
【0021】
「上流」及び「下流」という用語は、処理される物質の流れが輸送されている方向に要素/装置を配置するために使用される。したがって、物質が第1の装置によって最初に取り扱われ、次いで第2の装置によって取り扱われる場合、第1の装置又は要素、例えばポンプは、第2の装置又は要素の上流に位置する。
【0022】
次に、自動車に搭載された洗浄システム2を示す
図1を参照する。この洗浄システム2の目的は、例えば、車両に搭載されたセンサ、又はフロントガラス若しくはリアウィンドウなどの自動車の様々な表面の洗浄を可能にすることである。
【0023】
洗浄装置は、ポンプ6が取り付けられる洗浄液リザーバ(図示せず)を備える。ポンプ6は、ポンプ6を収容するように意図されたリザーバの凹部に取り付けられ、リザーバは、ポンプ6の吸入管が取り付けられるオリフィスを備え、アセンブリの漏出防止性を確実にするために、オリフィスの周りのリザーバとポンプ6との間の界面にシールを有する。従来のように、ポンプ6は、例えば管状の本体を備える標準的なポンプである。この本体は、圧送する第1の部分と、電気モータを備えて駆動する第2の部分とで構成されることができる。圧送する第1の部分は、リザーバから洗浄液を受け取り、ポンプ6の吸入圧力よりも高い圧力で洗浄液を排出することができるような液体吸入管及び液体排出管を備える。液体吸入管は、圧送する第1の部分の自由端に設置され、ポンプ6の本体と同軸であり、ポンプ6の本体と同じ回転軸を共有することができる。排出する第2の部分は、圧送する第1の部分から本体の回転軸に垂直な方向に延びることができる。
【0024】
対照的に、ポンプ6は、図示されていない変形実施形態のように、リザーバと電磁バルブとの間で、リザーバとは独立して、例えば車両の構造上に取り付けられてもよい。このような構成では、リザーバとポンプとの間に第1のパイプが設けられ、ポンプと電磁バルブとの間に第2のパイプが設けられる。そのような構成は、トラック及び他の大型車両において特に一般的である。
【0025】
駆動する第2の部分は、圧送する第1の部分の上方に位置することができ、電気モータと、その自由端に、ポンプ6を電源に接続することを可能にするコネクタとを備えることができる。
【0026】
1つ以上の洗浄ノズル(図示せず)は、洗浄装置の他端に位置し、加圧された洗浄液を洗浄対象表面の上に噴霧するために、自動車の洗浄対象表面の前に設置されるように意図されている。
【0027】
洗浄装置は、異なる部材(ポンプ6、洗浄ノズルなど)を互いに接続して流体分配回路8を形成するパイプ(又は配管)をさらに備える。
【0028】
洗浄装置2は、少なくとも1つのバルブ12(この例では5つ)を備える洗浄液分配ブロック10をさらに備える。ポンプ6は、タンクから洗浄液を圧送し、分配ブロック10及び噴霧ノズルに送るように構成される。
【0029】
分配ブロック10のバルブ12は、ノズルにそれぞれ流体的に接続されるように構成される(例えば、ノズルに接続されたバルブ12で、バルブ及びノズルの数を変えることが可能である)。バルブ12は、圧送された洗浄液を関連する洗浄ノズルに選択的に送るように構成される。バルブ12は、例えば、この種の洗浄装置において従来から使用されている電磁バルブである。バルブ12は並列に配列されてもよく、これは、バルブ12がすべて分配ブロック10の1つの流体チャネルに接続されていることを意味する。この流体チャネルは、分配ブロック10の入口10aに接続されており、この入口はポンプ6に接続されている。分配ブロック10の出口10b自体は、キャップ14によって打ち消される。
【0030】
したがって、動作中、ポンプ6の作動は、タンクから分配ブロック10に向かって、かつ関連するバルブ12が開いている洗浄ノズルに向かって洗浄液を送ることを可能にする。
【0031】
分配ブロック10はモジュール式ブロックであるため、電磁バルブ12の数は、例えば、洗浄装置2が自動車に取り付けられている場合、自動車のモデルに応じて、洗浄ノズルの数と一致するように、又は洗浄装置の特定の構成と一致するように、容易に変更して適合させることができる。異なる分配ブロック10を組み合わせることもできる。
【0032】
洗浄装置2は、最後に、ポンプ6の出口オリフィスと1つ以上のバルブ12の入口オリフィス(分配ブロックの入口10aに対応する)との間の、セグメント内の圧力に関するパラメータの測定を可能にする少なくとも1つの圧力センサ16を備える。この場合、これは、本明細書の他の箇所で述べられているように、1つ以上のバルブの上流に位置するセグメントである。圧力センサ16は、ポンプ6の出口オリフィスと1つ以上のバルブ12との間に配置された流体分配回路のセグメントに接続されてもよい。
【0033】
確認方法に関して、その第1のステップは、決定された期間中にバルブまで洗浄液を注入するようにポンプを作動させるコマンドに対応し、バルブの入口オリフィスまで液体を注入するようにポンプを作動させるコマンドは、バルブを閉状態に維持することと連結されている。
【0034】
このステップは、システムの加圧を構成し、続いて、上限値に到達したかどうか、又はこの値が変化したかどうかを決定することを可能にする。
【0035】
第2のステップは、少なくとも1つの圧力センサを使用した、ポンプの出口オリフィスとバルブとの間に配置された流体分配回路のセグメント内の洗浄液の圧力に関するパラメータの少なくとも1つの測定から構成される。
【0036】
次いで、このステップは、少なくとも1回、加圧ステップ後の圧力に関するパラメータの値を得ることを可能にする。後で見るように、これは、ポンプ6と分配ブロック10との間に位置する流体分配回路8のセグメントの加圧直後に、並びに/又は少なくとも1つのバルブ12の開放及び/若しくは閉止後に行うことができる(互いに組み合わせることができる様々な可能性については後述する)。
【0037】
測定したパラメータに関して、これは圧力又は圧力を示す任意の他のパラメータであり得る。
【0038】
確認方法の第3のステップは、圧力に関する測定したパラメータを所定の予想値と比較することから構成される。
【0039】
具体的には、1つ以上の所定の値が、例えば確認方法を制御する制御ユニットに記録され、1つ以上の測定値が予想値と一致するかどうかを確認することを可能にする。例えば、上述の加圧が実際に生じたことを確認したい場合、(理論的に最大圧力を達成するのに十分長い間、ポンプ6を動作させることによって)ポンプ6と分配ブロック10との間に位置する流体分配回路8のセグメントを加圧し、達成された圧力を測定し、達成された圧力を、セグメントで予想される最大圧力である所定の予想値と比較することが可能である。
【0040】
第4のステップは、洗浄装置の動作状態を決定することから構成される。具体的には、値の差は、システム内の漏れ又はポンプの誤動作が洗浄装置が適切に動作するのを妨げているという結論を指し示すことができ、これは、例えば、洗浄装置をダウングレードモードに切り替えることを可能にし、車両のユーザに警告することを可能にすることができる。
【0041】
図2は、洗浄装置2の2つの正常動作モードを示す。これは、時間(横軸)の関数としての圧力(縦軸)の測定値であり、ポンプ6が作動している時間又は作動していない時間、及び1つ以上のバルブ12が開いている及び閉じている時間を示す。
【0042】
測定されるパラメータが圧力である本発明の実施形態を次に説明する。
【0043】
第1の部分18は、両方の曲線において、ポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメントを加圧するために1つ以上のバルブ12を閉じた状態の、例えば車両が始動したとき、又は洗浄サイクルが必要なときのポンプ6の作動に対応する。
【0044】
それにより、理論的には、例えば「P閉」と表される圧力を達成することが可能になり、これはセグメントの最大圧力又は所与の出力を有するポンプの作動時間に対応する任意の他の圧力であり得る。
【0045】
その後、2つの曲線は、ポンプの停止又は決定された持続時間の洗浄のための少なくとも1つのバルブ12の開放に対応する部分20を含み、ポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメント内の圧力を降下させる。ここで、例えば「P静止」と表される残留圧力が、ポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメント内に留まることが可能であることに注目されたい。
【0046】
右側の曲線は、ポンプ6が運転している状態で1つ以上の開放バルブ12を閉じること、したがってポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメントの圧力の新たな増加(例えば、圧力P閉が再び達成されるまで)と、その後に続くポンプの停止、例えば部分20と同様に、ポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメントの圧力の降下とにそれぞれ対応する2つの他の部分22及び24を含む。ここでも、ポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメント内に残留圧力が残ってもよい。
【0047】
一方、
図3は、洗浄装置2の3つの動作不良モードを示す。
図2のように、これは、時間(横軸)の関数としての圧力(縦軸)の測定値を示し、ポンプ6が作動している時間又は作動していない時間、及び1つ以上のバルブ12が開いている及び閉じている時間を示す。
【0048】
左側の曲線では、部分18’は、予想される圧力、例えばP閉が達成されることを可能にするのに理論的に十分な長さの間、1つ以上のバルブ12が閉じられた状態でのポンプ6の作動を示している。しかしながら、部分18’によって達成及び図示される圧力は、予想されるものよりも低い(潜在的に圧力の増加は全くない可能性がある)。本発明による確認方法のこれらのステップ(加圧、この例では圧力であるパラメータの測定、この例ではP閉である所定の予想値との比較、及びこの比較後の洗浄装置の動作状態の決定)は、測定値と所定の予想値との間の差を識別することを可能にし、したがって、洗浄装置が誤動作していると結論付けることを可能にし、例えば、洗浄装置がダウングレードモードに切り替わることを可能にし、車両の使用が警告されることを可能にすることができる。
【0049】
ここで観察される故障シナリオに関して、これは、例えば少なくとも1つのバルブ12の閉止不良若しくは閉止の欠如による漏れ、又はポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメントを正しく加圧することができないポンプ6の故障であり得る。
【0050】
図3の中央の曲線は、第2の故障シナリオを示している。
【0051】
このシナリオでは、加圧が十分であったため、部分18’は部分18と一致する。しかしながら、部分20’は、この曲線のように、圧力の低下の欠如、又は予想よりも遅い圧力の低下を実証し得る。結果として、決定された持続時間にわたって少なくとも1つのバルブ12を開いた後、測定した圧力は所定の予想圧力よりも高く、2つの値の比較後に問題が識別される。この特定の事例では、これは、開いているはずの1つ以上のバルブ12を部分的又は完全に開くことができないことであり得る。
【0052】
右側の曲線自体は、第3の故障シナリオを示している。
【0053】
部分18’及び20’はそれぞれ部分18及び20に重なり、この点まで動作が正常であったことを証明している。
【0054】
しかしながら、決定された持続時間の間ポンプ6が依然として作動している状態での、1つ以上のバルブ12の再閉止の時点では、再閉止によって圧力の降下(部分20)が引き起こされ、同じ期間の部分22と比較される部分22’によって示されるように、圧力の増加は予想よりも遅い(圧力の増加は全くない可能性さえある)ことが分かる。したがって、問題が注目され、ここでもまた、少なくとも1つのバルブ12の閉止不良又は閉止の欠如、又はポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメントを正しく加圧することができないポンプ6の故障に対応し得る。
【0055】
図4は、曲線部分18、20、22及び24によって示される様々なステップを示す。
【0056】
第1のステップ26は、1つ以上のバルブ12が閉じた状態でポンプ6を作動させることに対応し、したがって部分18に対応する圧力が増加することに対応する。これに続いて、部分20によって示されるように、少なくとも1つのバルブ12の開放、したがって圧力の降下に対応するステップ28が続く。ステップ30は、ポンプ6が依然として作動している状態で1つ以上の開放バルブを閉状態に戻すこと、したがって圧力の新たな増加を示す部分22に対応する。最後に、ステップ32は、ポンプ6のスイッチオフ、したがって部分24によって示される圧力降下に対応することができる。
【0057】
ステップ34、36、及び38は、上述の3つの圧力測定、すなわち、
-ステップ26と28との間の、所定の圧力、例えば最大圧力が達成されたことを確認するためのもの、
-ステップ28と30との間の、少なくとも1つのバルブ12の開放後に圧力の低下があったことを確認するためのもの、及び
-ステップ30とステップ32との間の、ポンプ6が依然として作動している状態で、1つ以上の開放バルブ12の閉止後に圧力の新たな増加があったことを確認するためのもの、
に対応する。
【0058】
上述したように、本発明の一実施形態によれば、ポンプを作動させるためのコマンドは、ポンプの出口オリフィスとバルブとの間に配置された流体分配回路のセグメントにおいて最大圧力が達成されることを可能にする持続時間のコマンドであり、所定の予想値は最大圧力に対応する。これは、
図2及び
図3の曲線の部分18及び22に対応する確認である。上述したように、ポンプ6は、所定の予想値の圧力、この例では最大圧力を達成することを可能にする決定された持続時間の間作動される。圧力を測定し、次いでそれを予想値と比較することにより、上述したように、洗浄装置の誤動作に気付くことが可能になる。
【0059】
変形例では、方法ステップは、例えば、自動車のエンジンの始動時に行われてもよい。これは、好ましくは、ポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメントを加圧することに対応する確認モードである。もちろん、加圧時の確認を伴う方法は、洗浄サイクル時に実行してもよい(すなわち、ポンプ6と分配ブロック10との間に位置するセグメントは、少なくとも1つのバルブ12を開く前に加圧されてもよい)。車両の始動時に、上述の加圧を実行し、次いで、上述したように、圧力の低下を測定することも可能である。
【0060】
方法ステップは、
-加圧後かつバルブ12の最初の開放前に、
-圧力に関するパラメータの低下を測定し、それを所定の予想値と比較する(この場合、ポンプ6と分配ブロック10との間に配置されたセグメント内で測定される圧力は、1つ以上のバルブ12の開放前の圧力よりも低くなければならない)ために、決定された持続時間にわたってバルブ12のうちの少なくとも1つを開いた後に、
-1つ以上のバルブ12の2回の開放の間(部分22によって示される再加圧、又は1つ以上のバルブ12の2回の開放の間の圧力降下)に、
-及びポンプ6が停止した後に、
上述して
図2及び
図3に示した圧力のうちの1つを少なくとも1回測定、すなわち、ポンプの出口オリフィスとバルブとの間に位置する流体分配回路のセグメント内の圧力に関するパラメータを測定し、これを所定の予想値と比較するように、自動車の少なくとも1つの表面を洗浄するサイクル中に少なくとも1回行われてもよい。
【0061】
バルブの開放は、好ましくは、ポンプの出口オリフィスとバルブとの間に配置された流体分配回路のセグメント内の圧力が最大値に達した後に行われる。これにより、1つ以上の開放バルブ12を通過する圧力が確実に最大圧力になる段階レベルを作成することが可能になる。したがって、流体分配回路8の長さに沿った圧力降下を制限することが可能になる。
【0062】
電子制御ユニットが、ポンプの作動、バルブの開放及び閉止、並びに圧力に関連するパラメータの測定を制御するために、圧力センサ、ポンプ、及びバルブに接続されてもよい。したがって、この制御ユニットは、洗浄サイクルを可能にする様々な要素の制御を可能にするが、洗浄装置の動作を確認するための方法を実行することも可能にする。
【0063】
圧力に関するパラメータを測定することに加えて、流体分配回路8内の洗浄液の流量を監視することができる。
【0064】
監視を行うために、確認方法は、少なくとも1回の、以下のステップ:
-決定された期間中にバルブまで液体を注入するようにポンプを作動させるためのコマンドと、
-洗浄液の少なくとも1つの流量の測定と、
-測定した流量と所定の予想流量との比較と、
-洗浄装置の動作状態の決定と、
を含むことができる。
【0065】
そのようなタイプの確認では、利点は、決定された条件下及び決定された位置で、液体流量が実際に予想されるものであることを確認することが可能であることである(4段階動作原理は上記と同じである)。
【0066】
例えば、ポンプを出る液体の流量を測定するように、流量センサをポンプに接続してもよい。
【0067】
代替的に、以下の選択肢:
-分配ブロックが1つのバルブを備え、流量センサがバルブから出る液体の流量を測定するようにバルブに接続されていること、又は
-分配ブロックが、いくつかのバルブを備え、少なくとも1つの流量センサが、バルブを出る液体の流量を測定するために、すべてのバルブ又はいくつかのバルブに接続されていること、
のいずれかに従って、少なくとも1つの流量センサが分配ブロック10に存在してもよい。
【0068】
圧力に関するパラメータを測定することに加えて、かつ流量を測定することに代えて、又は流量を測定することに加えて、作動時のポンプ6の電力消費を測定することが可能である。
【0069】
具体的には、所与の条件(例えば温度)下で運転するときにポンプ6によって引き込まれる電流は既知である。したがって、電力消費値を決定し、記録することができる。これは、例えば、ポンプ6と分配ブロック10との間に含まれる流体分配回路8のセグメントの加圧時のポンプ6の電力消費であり得る。
【0070】
本方法は、その場合、少なくとも1回実行される以下のステップ:
-決定された期間中にバルブまで液体を注入するようにポンプを作動させるためのコマンドと、
-ポンプの電力消費の測定と、
-ポンプの電力消費と所定の予想電流引き込みとの比較と、
-洗浄装置の動作状態の決定と、
を含むことができる。
【0071】
このシナリオは、流量測定シナリオと同様に、圧力に関連するパラメータを介して確認を行うことを可能にするものと同じタイプの測定手段(ポンプの電力消費を測定するためのセンサ)及び制御手段(データを受信し、測定し、予想値と比較し、洗浄装置の動作状態を決定するための制御ユニット)を使用する。
【0072】
本発明は、提示された実施形態に限定されず、さらなる実施形態が当業者には明らかであろう。洗浄装置2のアーキテクチャ(すなわち、存在する様々な手段のレイアウト)が上述したものとは異なることが特に可能である。測定値を所定の予想値と比較することが可能であれば、図に示されたものとは異なる時点で測定を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0073】
2 洗浄装置
6 ポンプ
8 流体分配回路
10 分配ブロック
12 バルブ
14 キャップ
16 圧力センサ
18、20、22、24 正常動作に関する圧力曲線部分
18’、20’、22’ 誤動作に関する圧力曲線部分
26、28、30、32、34、36、38 確認方法のステップ
【国際調査報告】