(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】車両用の熱システム
(51)【国際特許分類】
B60H 1/24 20060101AFI20240125BHJP
B60H 1/34 20060101ALI20240125BHJP
B60R 11/02 20060101ALN20240125BHJP
【FI】
B60H1/24
B60H1/34 611Z
B60H1/34 611
B60H1/34 671A
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545294
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 US2022014102
(87)【国際公開番号】W WO2022165038
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カワー,ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】コリス,サイモン
【テーマコード(参考)】
3D020
3L211
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC10
3D020BD03
3L211BA08
3L211BA12
3L211DA14
3L211GA11
(57)【要約】
HVACユニットに対応する少なくとも1つの空気源に接続された第1の通気口(202)および第2の通気口(206)を含む車両用熱システムであって、各通気口(202、206)が、空気面を生成するために少なくとも1つの空気源から空気を受け取り、第1および第2の通気口(202、206)が、車両のキャビン内に向けることができる複合空気ジェットを形成するために、混合面(204)の一部の上またはそれに沿って交差するように、第1の空気面および第2の空気面をそれぞれ方向転換させるように構成され、混合面は、平坦、凸状、または凹状のディスプレイまたは計器パネルとすることができる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の熱システムであって、
混合面と、
前記車両に配置された暖房・換気・空調(HVAC)ユニットに対応する少なくとも1つの空気源と、
第1の吸気口および第1の吹出口を含む第1の通気口であって、前記第1の吸気口が、前記少なくとも1つの空気源から第1の空気ジェットを受け取り、前記第1の吹出口が、前記第1の空気ジェットから第1の空気面を生成し、前記第1の空気面が、第1の水平面に対して鋭角に配向される、第1の通気口と、
第2の吸気口および第2の吹出口を含む第2の通気口であって、前記第2の吸気口が、前記少なくとも1つの空気源から第2の空気ジェットを受け取り、前記第2の吹出口が、前記第2の空気ジェットから第2の空気面を生成し、前記第2の空気面が、第2の水平面に対して鈍角に配向される、第2の通気口と、を備え、
前記第1の吹出口および前記第2の吹出口がそれぞれ、前記混合面の一部の上またはそれに沿って交差して複合空気ジェットを形成するために、前記第1の空気面および前記第2の空気面を方向転換するように構成され、前記複合空気ジェットが、前記車両のキャビン内に向けられ、
前記熱システムは、
前記第1の空気ジェットまたは前記第2の空気ジェットの少なくとも一方の制御に基づいて、前記複合空気ジェットに関連付けられた目標方向を調整するように構成されたコントローラ、を備える、車両用の熱システム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記複合空気ジェットに関連する前記目標方向を調整するように構成され、
前記複合空気ジェットが向けられる前記目標方向を調整するための指示を受信することと、
前記第1の空気面および前記第2の空気面が、前記混合面の前記一部の上またはそれに沿って交差して前記複合空気ジェットを形成し、前記複合空気ジェットが前記目標方向に向けられるように、前記第1の空気ジェットの第1の速度、および第2の空気ジェットの第2の速度を決定することと、を含む、請求項1に記載の熱システム。
【請求項3】
前記目標方向を調整するための前記指示が、目標位置のユーザ選択から得られる、請求項2に記載の熱システム。
【請求項4】
第1の通気口カバーであって、前記第1の通気口を前記車両の乗員の見通し線から隠すように構成される、第1の通気口カバーと、
第2の通気口カバーであって、前記第2の通気口を前記車両の乗員の見通し線から隠すように構成される、第2の通気口カバーと、を備える、請求項1に記載の熱システム。
【請求項5】
前記混合面が、ディスプレイ、またはディスプレイ上方表面である、請求項1に記載の熱システム。
【請求項6】
前記混合面が平坦である、請求項1に記載の熱システム。
【請求項7】
前記混合面が凹状である、請求項1に記載の熱システム。
【請求項8】
前記混合面が凸状である、請求項1に記載の熱システム。
【請求項9】
前記混合面が、前記車両の前部ダッシュボード上のディスプレイである、請求項1に記載の熱システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの空気源が、水平ベーンを有する空気路チャネルを備える、請求項1に記載の熱システム。
【請求項11】
前記空気路チャネルが、第1の垂直ベーンおよび第2の垂直ベーンをさらに含む、請求項10に記載の熱システム。
【請求項12】
前記コントローラが、
前記第1の空気ジェットの第1の速度および第1の方向を調整するために、前記第1の垂直ベーンおよび前記水平ベーンを調整することと、
前記第2の空気ジェットの第2の速度および第2の方向を調整するために、前記第2の垂直ベーンおよび前記水平ベーンを調整することと、を行うようにさらに構成される、請求項11に記載の熱システム。
【請求項13】
車両用の熱システムであって、
前記車両に配置された暖房・換気・空調(HVAC)ユニットに対応する少なくとも1つの空気源と、
混合面と、
第1の吸気口および第1の吹出口を含む第1の通気口であって、前記第1の吸気口が、前記少なくとも1つの空気源から第1の空気ジェットを受け取り、前記第1の吹出口が、前記第1の空気ジェットから第1の空気面を生成し、前記第1の空気面が、第1の水平面に対して鋭角に配向される、第1の通気口と、
第2の吸気口および第2の吹出口を含む第2の通気口であって、前記第2の吸気口が、前記少なくとも1つの空気源から第2の空気ジェットを受け取り、前記第2の吹出口が、前記第2の空気ジェットから第2空気面を生成し、前記第2の空気面が、第2の水平面に対して鈍角に配向され、前記第1の空気面と前記第2の空気面との前記交差部が、前記車両の客室に向けられた複合空気ジェットを形成する、第2の通気口と、を備える、車両用の熱システム。
【請求項14】
前記複合空気ジェットに関連する前記目標方向を調整するように構成されたコントローラをさらに備え、前記コントローラが、
前記複合空気ジェットが向けられる前記目標方向を調整するための指示を受信することと、
前記第1の空気面および前記第2の空気面が、前記混合面の前記一部の上またはそれに沿って交差して前記複合空気ジェットを形成し、前記複合空気ジェットが前記目標方向に向けられるように、前記第1の空気ジェットの第1の速度、および第2の空気ジェットの第2の速度を決定することと、を行うように構成される、請求項13に記載の熱システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの空気源が、水平ベーン、第1の垂直ベーン、および第2の垂直ベーンを含み、前記水平ベーン、前記第1の垂直ベーン、および前記第2の垂直ベーンが、前記第1の空気面の前記第1の速度および前記第2の空気面の前記第2の速度を調整するように構成される、請求項14に記載の熱システム。
【請求項16】
前記コントローラが、
前記第1の空気面の前記第1の速度を調整するために、前記第1の垂直ベーンおよび前記水平ベーンを調整することと、
前記第2の空気面の前記第2の速度を調整するために、前記第2の垂直ベーンおよび前記水平ベーンを調整することと、を行うようにさらに構成される、請求項15に記載の熱システム。
【請求項17】
前記混合面が、前記車両のダッシュボード上の、ディスプレイまたはディスプレイの上方表面である、請求項13に記載の熱システム。
【請求項18】
車両用の熱システムであって、
第1の吸気口および第1の吹出口を含む第1の通気口であって、前記第1の吸気口が少なくとも1つの空気源からの第1の空気ジェットを受け入れ、前記第1の吹出口が前記第1の空気ジェットから第1の空気面を生成し、前記第1の空気面が第1の水平面に対して鋭角に配向される、第1の通気口と、
第2の吸気口および第2の吹出口を含む第2の通気口であって、前記第2の吸気口が前記少なくとも1つの空気源から第2の空気ジェットを受け取り、前記第2の吹出口が前記第2の空気ジェットから第2の空気面を生成し、前記第2の空気面が第2の水平面に対して鈍角に配向される、第2の通気口と、を備え、
前記第1の空気面と前記第2の空気面との前記交差部は、前記車両の客室に向けられた混合面で複合空気ジェットを形成する、車両用の熱システム。
【請求項19】
前記第1の空気ジェットまたは前記第2の空気ジェットの少なくとも一方の制御に基づいて、複合空気ジェットに関連する目標方向を調整するように構成されたコントローラをさらに備える、請求項18に記載の熱システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの空気源が、水平ベーン、第1の垂直ベーン、および第2の垂直ベーンを含み、前記水平ベーン、前記第1の垂直ベーン、および前記第2の垂直ベーンが、前記第1の空気面の第1の速度および前記第2の空気面の第2の速度を調整するように構成される、請求項18に記載の熱システム。
【請求項21】
前記コントローラが、
前記第1の空気面の前記第1の速度を調整するために、前記第1の垂直ベーンおよび前記水平ベーンを調整することと、
前記第2の空気面の前記第2の速度を調整するために、前記第2の垂直ベーンおよび前記水平ベーンを調整することと、を行うようさらに構成される、請求項20に記載の熱システム。
【請求項22】
前記混合面が、前記車両のダッシュボード上の、ディスプレイまたはディスプレイ上方表面である、請求項18に記載の熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「熱システム(THERMAL SYSTEM)」と題され、2021年1月28日に出願された米国仮出願第63/142,992号の利益を主張する。米国仮出願第63/142,992号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、例えば車両における熱、空気供給、およびHVACシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
人の利益となる空気供給は、様々な状況で使用される。そのような領域の1つは車両の客室であり、空気は通常、1つまたは複数の通気口を通って取り入れられる。例えば、そのような通気口は、主に前部座席の乗員が使用するために計器パネル内に配置でき、時には他の乗客のための第2の(またはより高い)座席列にも配置できる。通気口は、通常、キャビンに入る空気の流れおよびその方向を調整するように制御される。通気口は、車両の暖房、換気、および空調(HVAC)システムに接続され、その結果、より高温、より低温、および/または除湿された空気を必要に応じて供給できる。
【0004】
以下の図面を参照して、様々な特徴を説明する。図面を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に記載の例を説明するために提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的な熱システムを示す図である。
【0006】
【
図2A】本出願の1つまたは複数の態様による、熱システムの例示的な通気口および混合面を示す図である。
【
図2B】本出願の1つまたは複数の態様による、熱システムの例示的な通気口および混合面を示す図である。
【
図2C】本出願の1つまたは複数の態様による、熱システムの例示的な通気口および混合面を示す図である。
【0007】
【
図3A】本出願の1つまたは複数の態様による、熱システムの混合面の一部に沿った通気口からの空気ジェットの例示的な混合を示す図である。
【
図3B】本出願の1つまたは複数の態様による熱システムの混合面の一部に沿った通気口からの空気ジェットの例示的な混合を示す図である。
【
図3C】本出願の1つまたは複数の態様による熱システムの混合面の一部に沿った通気口からの空気ジェットの例示的な混合を示す図である。
【0008】
【
図4】本出願の1つまたは複数の態様による、熱システムの例示的なベーンおよび制御部を示す図である。
【0009】
【
図5】本出願の1つまたは複数の態様による、熱システムの動作のフローチャートを示す図である。
【0010】
【
図6】本出願の1つまたは複数の態様による、車両のダッシュボード内の熱システムの例示的な通気口および混合面を示す図である。
【0011】
【
図7】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的な熱システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の実施形態の以下の説明では、具体的な実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に記載された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって定義および包含されるように、多数の異なる方法で実施できる。この説明では、同様の参照番号が同一または機能的類似の要素を示すことができる図面を参照する。図面に示されている要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。さらに、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素、および/または図面に示されている要素のサブセット、を含むことができることが理解されよう。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0013】
いくつかの空気供給システムは、目に見えるベーンおよびフラップを減らすために空気ジェットを空気力学的に配置して、薄いスロット吹出口に移行することで視認性のある通気口吹出口を減らすことができる。これらの空力設計には、基本的な制御および安定性の限界がある。例えば、吹出口スロットの高さを最小化しなければならない。さらに、通気口設計は、空気供給システムの空気力学的部分ではない他の物体(例えば、ディスプレイ)への吹出口の近接性を制限するであろう、吹出口の周りの特定の領域の制御を必要とする場合がある。
【0014】
本出願の1つまたは複数の態様は、車両用の空気供給または熱システムに関する。
図1は、車両(図示せず)用の例示的な空気供給または熱システム100を示す。熱システム100は、例示的に、HVACシステム108、通気システム112、および制御システム104から構成できる。ユーザは、ユーザ制御部102のユーザを介して熱システム100を制御することができる。次いで、制御システム104は、これらのユーザ指示を使用して、HVACシステム108および通気システム112をどのように制御するかを決定できる。
【0015】
ユーザ制御部102は、車両用の空気供給および熱システムの多くの態様をユーザに制御させるように設計されている。例えば、ユーザ制御部102を使用して、温度、湿度、通気口から出る空気の方向および速度、空気が車両全体にわたって循環しているかどうか、および、どの通気口が使用されているか、を制御できる。また、ユーザ制御部102を使用して、車両の様々な部分における上記の要因を制御し、それにより、異なる乗員が異なる環境設定を経験することができる。例えば、ユーザは、運転者側通気口を制御して、運転者側通気口から出る空気の速度を、前部座席の乗客用の通気口よりも速くすることができる。さらなる例として、ユーザは、前部座席の乗客用の通気口よりも多くの空調を有するように、運転者側通気口を制御してもよい。同様に、窓およびミラー用の通気口は、乗客および運転者用の通気口とは別に調整できる。ユーザ制御部102は、ボタン、ダイヤル、静電容量式タッチスクリーンの使用、またはユーザがデバイス、コンピュータ、もしくは対話型制御スキーマと対話できる任意の他の典型的な方法など、の任意の種類の車両ユーザ制御部とすることができる。
【0016】
ユーザ制御部102はまた、乗員の頭部(例えば、運転者)、座席位置、天井、または床に、通気口を向けるオプションを含むことができる。ユーザが通気口を乗員の頭部に向ける場合、制御システム104は、車両の内部カメラを使用して乗員の頭部の位置を検出できる。あるいは、ユーザは、通気口を乗員の頭部から離れるように向けたい場合がある。
【0017】
制御システム104は、ユーザ制御部102から入力を受信する。制御システム104は、1つまたは複数の制御サブシステム106で構成される。これらの制御サブシステム106を使用して、ユーザ入力を熱システムの所望の結果に変更する方法を決定する。制御システム104は、コントローラ、プロセッサ、メモリ、およびストレージを含むことができる。制御システム104は、HVACシステム108および通気システム112に命令を送る。同様に、制御システム104は、HVACシステム108および通気システム112からフィードバックおよび/または更新を受信することができ、それぞれのシステム内の状態を検出するためのセンサを含んでもよい。同様に、制御システム104は、HVACシステム108および通気システム112の更新を示すためにユーザ制御部にフィードバックを送信できる。例えば、制御システム104は、ファン速度が増加したことまたは空調が増加したことをユーザ制御部102に示すことができる。
【0018】
HVACシステム108は、暖房、換気、およびコンディショニングを制御する。HVACシステム108は、車両の内部区画に暖房、空調、および換気空気流を提供するための空気ジェットの供給源として機能する、1つまたは複数のHVACサブシステム110から構成される。車両用のHVACシステムは良く知られている。HVACシステム108は、HVACシステム108およびHVACサブシステム110に関連する状態を検出するためのセンサを含むことができる。HVACサブシステム110は、車両運転者(または運転位置)に関連付けられた内部区画の領域に向けられた空気流を提供する第1のHVACサブシステム110、および車両運転者(または運転位置)とは異なる前部乗客に関連付けられた内部区画の領域に向けられた空気流を提供する第2のHVACサブシステム110など、車両区画の部分に個別の空気流を提供できる個別のHVACサブシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、個々のHVACサブシステム110は、独立して動作可能であってもよい。他の実施形態では、HVACサブシステム110は、本明細書で説明するように同期した方法または部分的に同期した方法で構成されてもよい。
【0019】
通気システム112は、HVACシステムからの空気が車両のキャビンにどのように向けられるかを制御する。通気システム112は、1つまたは複数のベーン114と、1つまたは複数の通気口116と、1つまたは複数の空気流チャネル118とを含む。通気システムはまた、他の通気サブシステムを含むことができる。空気流チャネル118は、空気がHVACシステム108およびHVACサブシステム110から通気口116に流れる導管である。通気口116は、空気流チャネル118から空気を受け取る。通気口116の吹出口は、通気システム112からの空気が車両のキャビンに入る場所である。ベーン114は、空気流チャネル118および/または通気口116を通して空気を導くために使用される。ベーンは、空気流チャネル118または通気口116に配置できる。ベーン114は、手動、機械的、または電気的に作動できる。
【0020】
例示的には、熱システム100は、HVACユニット108に対応する少なくとも1つの空気源に接続された、第1の通気口116および第2の通気口116を含む。各通気口116は、少なくとも1つの空気源から空気を受け取り、独立して空気面を生成する。第1の通気口116および第2の通気口116は、第1の空気面および第2の空気面をそれぞれ方向転換させて、車両区画内の混合面の一部上または一部に沿って交差させ、複合空気ジェットを形成するように構成されている。複合空気ジェットは、車両の区画(例えば、キャビン)内に向けることができる。例示的には、第1の空気面および第2の空気面は、それぞれの空気面が車両区画内に向けることを可能にする、実質的な水平面には対応しない。むしろ、第1の空気面および第2の空気面は、水平面に対して反対の角度に向けられ、これにより、車両区画内(例えば、車両キャビン)に向けられる複合空気ジェットが生成される。複合空気ジェットの方向および角度は、入力または特定された位置属性に応答して動的に調整できる。混合面は、例示的に、平坦面、凸面、または凹面とすることができる。さらに、混合面は、車両に関連するディスプレイまたは計器パネルの一部を形成するなど、追加の機能をさらに有することができる。第1の通気口116および第2の通気口116の吹出口は、車両の乗員の一般的な見通し線から隠すことができる。
【0021】
図2A、
図2B、および
図2Cは、通気システム112の一部である通気構造を示している。より具体的には、
図2A~
図2Cは、混合面が表面構造(例えば、凹状、平坦および凸状)を有する通気構造200、220、250の様々な実施形態を例示する。しかしながら、
図2A~
図2Cは、表面構造の種類の例示的な例を表しており、いかなる特定の曲率角、寸法または形状にも限定されると解釈されるべきではない。
図2Aは、例示的な通気構造200を示す。空気は、HVACシステム108から空気流チャネル208に受け取られる。次いで、空気流チャネル208は、第1の空気ジェットを形成する第1の通気口202の第1の吸気口と、第2の空気ジェットを形成する第2の通気口206の第2の吸気口とに空気を向ける。第1の通気口202は、第1の水平面に対して鋭角で第1の空気ジェットから第1の空気面を生成する、第1の吹出口を有する。第1の吹出口からの第1の空気面は、キャビン内に向けられる。第2の通気口206は、第2の空気ジェットから第2の空気面を生成する第2の吹出口を有し、第2の空気面を第2の水平面に対して鈍角に向ける。第1の水平面は、第2の水平面と平行な平面とすることができ、第1の水平面は、第2の水平面の上方にある。このようにして、第1の通気口202は上部通気口と見なすことができ、第2の通気口206は下部通気口と見なすことができる。いくつかの構成では、第1の空気面は、混合面に対して鈍角に向けることができる。いくつかの構成では、第2の空気面は、混合面に対して鋭角に向けることができる。
【0022】
第2の吹出口からの第2の空気面と第1の吹出口からの第1の空気面とは、混合面204の一部に沿って交差する。第1の吹出口および第2の吹出口は、第1の空気面と第2の空気面とのこの交差を引き起こすように構成される。第1の空気面と第2の空気面とが交差するとき、第1の空気面と第2の空気面との運動量は、車両のキャビン内に向けられた複合空気ジェットを生成する。第1の空気面および第2の空気面のそれぞれの速度(したがって、運動量)は、キャビン内への複合空気ジェットの角度を決定する。より低速の第2の空気面は、車両の車室内へのより低い角度をもたらし、一方、より高速の第2の空気面は、車両のキャビン内へのより高い角度をもたらす。あるいは、より高速の第1の空気面は、車両のキャビン内でより低い角度をもたらし、一方、より低速の第1の空気面は、車両のキャビン内でより高い角度をもたらす。
【0023】
通気口吹出口は、通気口が位置する場所に応じて、15mm、20mm、40mm、80mmの高さ、または10mm~200mmの任意の高さを有することができる。通気口吹出口は、通気口が配置される表面またはモジュールの幅に対応する幅を有することができる。
【0024】
通気構造200はまた、通気口および任意の表面、または電気的もしくは他の近くの機器の簡単な設置、ならびに/あるいはメンテナンスを可能にする。通気構造は、通気口の運動学および作動を任意の電子機器(例えば、ディスプレイ)と組み合わせて、電気機械の複雑さを設置モジュール210に局所化ができるように構成される。これにより、通気構造200と、通気口が周囲に構造化されている任意の電子機器との両方を、設置および維持することが著しく簡単になる。この通気構造200の利点の1つは、空間が貴重であるときに他の電気的および機械的要素と組み合わせることができることである。
【0025】
図2Aは、混合面204が凹面である例示的な通気構造200をさらに示す。混合面または混合面の一部の凹面の長さは、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、または20mmを含むがこれらに限定されない、いくつかの値のいずれかであり得る。
図2Bは、混合面224が平坦面(または略平坦)である例示的な通気構造220を示す。
図2Bは、例示的に、
図2Aに関して説明したのと同様の第1の通気口222、第2の通気口226、および空気流チャネル228を含む。第1の通気口222は上部通気口と考えることができ、第2の通気口226は下部通気口と考えることができる。
図2Cは、混合面254が凸面である例示的な通気構造250を示す。混合面または混合面の一部の凸部の長さは、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、または20mmを含むがこれらに限定されない、いくつかの値のいずれかであり得る。同様に、
図2Cは、例示的に、
図2Aに関して説明したのと同様の第1の通気口252、第2の通気口256、および空気流チャネル258を含む。第1の通気口252は上部通気口と考えることができ、第2の通気口256は下部通気口と考えることができる。
【0026】
通気口吹出口は、スロットと呼ぶこともできる。2つの通気口および混合面の使用は、スロット高さの制限を最小限に抑えることを可能にし、スロット高さのより大きな変動を可能にする。このシステムはまた、スロットを車両乗員の典型的な見通し線から離れるように傾けたり覆ったりすることを可能にし、乗員に対するスロットの見かけのサイズを大幅に減少させる。このシステムはまた、通気システム全体のサイズに対してより柔軟であり、車両の異なる乗員のための換気のために、ドアハンドル、アームレスト、シート、およびシートの背面を含む車両の他の部分に、通気口および吹出口を組み込むことを可能にする。さらに、通気構造は、他の物体を組み込むことができるか、または車両内の他の物体に近接することができるように設計される。例えば、混合面はディスプレイであってもよい。さらに、典型的な乗員の見通し線から見たときのスロットの見かけのサイズを最小にするために、カバーをスロットの上、周囲、または近くに配置することができる。
【0027】
本出願の態様は、通気口の機能性を損なうことなく、通気口の視認性を低下させ、構成要素の統合を増加させる方法で、他の潜在的により大きな外向きの表面物体(例えば、ディスプレイ)と通気口吹出口の統合を可能にする空気供給システムに対応する。通気口の視認性は、通気口吹出口を典型的な見通し線に対して極端な角度に配置することによって低減され、それによってそれらの見かけのサイズが低減される。
【0028】
さらに、本出願は、しばしば貴重な表面空間を保存するができる。前部ダッシュボード上または2列目のコンソール上の空間は制限されることが多い。通気口を通る空気流の制御は、通気口の背後の空間を節約するために、第1の通気口と第2の通気口との間で局所的または遠隔的に分割できる。例えば、ベーンは、通気口または空気流チャネル内にあってもよい。あるいは、ベーンは、HVACシステムに近く、通気口の局所領域から離れていてもよい。これは、吹出口の視認性および一体化を低減するという目標を損なうことなく、通気構造の設置における柔軟性を与える。機械的機能を通気口吹出口自体に配置するかまたは集中ユニット内に配置するかの選択は、通気構造および全体的な熱システムの使用に最大の柔軟性を与える。
【0029】
例示的には、対応する通気口吹出口間の間隔は非常に柔軟である。したがって、通気口トポロジーは、従来の通気口と同様のサイズのパッケージでユーザに面する表面に形成できるが、視認性が低下するという同じ利点を保持し、空気流の遠隔または局所システム制御を可能にする。
【0030】
通気口202、206および/または空気流チャネル208の流れ方向の長さも柔軟であり、ジェット方向範囲または均一性を損なうことなく、シート背面などの従来とは異なる場所に通気口を配置できるコンパクトな側面パッケージを可能にする。
【0031】
本質的に高いジェット方向角度範囲のために、システムはまた、乗員の視線に対して垂直である必要がなく、設計の自由度を向上させるために、より角度のある表面上に通気口を配置できる。
【0032】
さらに、乗客の座席位置および方向が厳密に規定されていない将来の自律型車両では、ディスプレイと密接に統合するためのこの通気構造の能力は、利点を提供できる。この通気構造は、非周囲キャビン換気を提供するので乗員に面する物体に組み込むことができ、吹出口への視線の低減が望ましい場合がある。
【0033】
図3A、
図3B、および
図3Cは、第1の通気口および第2の通気口からの空気面が混合面の一部に沿ってどのように交差して、異なる方向で車両のキャビン内に向けられた複合空気ジェットを形成するかを示す。例示的に、
図3A~
図3Cは、通気構造200に関する混合プロセスを示す。しかしながら、開示された他の通気構造またはその変形形態のいずれかに関しても、複合空気ジェットの方向の一般的な原理が適用可能である。複合ジェットのジェット方向は、内部区画の一般的な領域または内部区画内の個人の特定の領域など(例えば、乗員の顔、胴体、腕など)の目標位置に到達するために、見通し線に沿って向ける必要があり得る。本出願の態様によれば、複合空気ジェット302のジェット方向は、見通し線に沿って向くように方向づけることができる。これは、従来の通気口または吹出口を車両ダッシュボードに統合することなくさらに達成でき、これにより、従来の通気口または吹出口を見通し線に沿って乗員に目に見えるようにする。より具体的、例示的には、複合空気ジェットは、含まれる混合面204を使用して局所的により高い空気圧を蓄積することによりジェット/平面の相互作用を支持しながら、複数の空気面の運動量を混合することによって、空気力学的に回復できる。
【0034】
次いで、複合空気ジェット302の位置は、第1の吹出口および第2の吹出口に供給または向けられる全空気流の割合を調整することによって制御されてもよい。各出口に供給される全空気流の割合の制御および調整は、手動、機械的、または電子的に行うことができる。
図3A~
図3Bは、上部通気口202および下部通気口206(
図2A)によって生成された空気面源からの入力パラメータの変動に基づいて、それぞれの複合空気ジェット302A、302B、および302Cの異なる結果として生じる方向を示している。
【0035】
図4は、熱システム100用の通気システム112のベーン114の例示的なセットを示す。ベーン114は、空気チャネル118または通気口116内にある間に空気を導くのを支援する。したがって、ベーン114は、空気チャネル118または通気口116のいずれかに配置できる。あるいは、ベーンは、通気口から離れた中央空気流チャネルまたはHVACシステムの近くに配置できる。通気システム112で使用できる複数のタイプのベーンがある。ベーン402、408、および406は、空気を左右に横方向に向けるために使用される垂直ベーンである。ベーン402は、単一のアクチュエータによってすべて制御されるベーンの大きなセットを示している。ベーン406および408は、別個のアクチュエータによって制御できるベーンのより小さなセットを示す。ベーン404は、空気を垂直に上下に向ける水平ベーンである。ベーン404は、ベーン402,406、および408とは別個のアクチュエータによって制御ができる。すべてのベーン402、404、406、および408は、制御システム104によって制御され、
図2A~
図2Cに示すように、正しい通気口または通気口吹出口に正しい速度で空気を向け、複合空気ジェットを制御する。
【0036】
図5は、制御システム104がHVACシステム108および通気システム112を制御するために利用する例示的な方法を示す。ステップ500において、制御システムは、キャビン内への複合空気ジェットの所望の方向、位置、またはプロファイルのユーザ指示を受信する。ユーザ指示は、上述のようにユーザ制御部102によって受信され、次いで制御システム104に送信される。ユーザ指示は、複合空気ジェットをキャビン内に向けるための方向とすることができる。あるいは、ユーザ指示は、ユーザが複合空気ジェットをキャビン内に向けてほしいと思うキャビン内の場所であってもよい。あるいは、ユーザ指示は、ユーザが複合空気ジェットをどのように機能させたいかのプロファイルとすることができる。例えば、ユーザは、キャビン内への複合空気ジェットが、自分の顔の上にあるか、または、自分の顔を避けたい場合がある。制御システムは、車両内の内部カメラにアクセスし、ユーザ指示に応答する方法を決定するために、ユーザの顔の位置を決定してもよい。あるいは、ユーザは、複合空気ジェットをキャビンの天井または床に向けてもよい。あるいは、ユーザは、特定の通気口からの特定の複合空気ジェットを低減または排除し、あるいは、特定の通気口からの特定の複合空気ジェットを増加させてもよい。例えば、ユーザは、車両の乗客側の通気口から複合空気ジェットを出さないこと、または窓を曇り止めするために窓の複合空気ジェットをオンにすること、を望む場合がある。
【0037】
ステップ502において、制御システム104は、通気構造(例えば、少なくとも第1の通気口202および第2の通気口206を備える
図2の通気構造200)ごとに第1の空気面および第2の空気面の特性を決定する。制御システム104は、どの通気構造が空気流を受け取り、どの通気構造が空気流を受け取らないかを決定する。さらに、制御システム104は、各通気構造の第1の空気面および第2の空気面の適切な速度および強度を決定する。単一の上部または下部通気口用の複数の吹出口を有する通気構造では、制御システム104は、それらの吹出口から出る空気面の適切な速度および強度を決定する。制御システムは、複合空気ジェットの通気口吹出口から出て、キャビンに入る空気面の特性を決定する。あるいは、制御システムは、第1の通気口の第1の吸気口および第2の通気口の第2の吸気口にそれぞれ向けられる第1の空気ジェットおよび第2の空気ジェットを制御できる。第1の吸気口および第2の吸気口に向けられる第1の空気ジェットおよび第2の空気ジェットをそれぞれ制御することによって、制御システム104は、第1の空気面および第2の空気面の形成を制御できる。
【0038】
例示的に、式1は、以下のように入力ジェットの混合効率の基本を定義できる。
とすると、
吹出口角度:
吹出口速度:
【0039】
E1式1
【0040】
例示的に、式2は、以下のように入力ジェットの混合効率の基本を定義できる。
X運動量は、乱流混合(傾斜ジェット)によって減少するが、圧力反応によってサポートされる。
角度が等しい場合、運動量流量はまた、吹出口角度ゼロを維持するために等しくなければならない。したがって、次のように書くことができる。
【0041】
E2式2
【0042】
ステップ504において、制御システム104は、ベーン114がどのように配向されるか、および空気が空気流チャネル118をどのように通過して複合空気ジェットをキャビン内に達成するかを、決定する。上述したように、各通気構造は、上部または下部通気口または空気チャネル内に独自のベーンを有することができ、あるいは、ベーンはHVACシステムに近くで、かつ空気を空気チャネルに向けるために使用できる。垂直ベーンおよび水平ベーンの両方が存在する。垂直ベーンは、空気を横方向に左右に向けるために使用され、水平ベーンは、空気を垂直に上下に向けるために使用される。いくつかの通気構造は、垂直ベーンおよび水平ベーンの両方に対応してもよい。いくつかの通気構造は、垂直ベーンのみを有してもよい。いくつかの通気構造は、水平ベーンのみを有してもよい。ベーンは、ベーンを配向するアクチュエータに取り付けられる。すべてのベーンは、同じアクチュエータまたは別個のアクチュエータに取り付けることができる。ベーンは、同じアクチュエータによって作動されるベーンのセットにグループ化できる。いくつかのベーン構造では、垂直ベーンの複数のセットと、水平ベーンの単一のセットのみが存在する。
【0043】
ステップ506において、制御システム104は、ベーンのアクチュエータに制御信号を送信する。これにより、ベーンが制御システム104によって決定された方向に配向されて、複合空気ジェットがキャビン内にもたらされる。
【0044】
任意選択のステップ508では、ベーンの近くまたはベーンにあるセンサを使用して、フィードバックを制御システム104に送信できる。これらのセンサは、ベーンが制御システムの適切な向きにあるかどうかを決定するために使用できる。これらのセンサを使用して、ベーンが適切な向きに移動する過程にあるかどうかを決定することもできる。これらのセンサを使用して、温度、湿度などの空気の特性を検出することもできる。
【0045】
任意選択のステップ510において、制御システム104は、信号をユーザインターフェース102に送り返す。これらの信号は、ユーザジェットがユーザの指示に従って変更されたことの確認信号を含むことができる。これらの信号は、空気ジェットもしくは空気面の速度、または温度、湿度などの空気の特性に関する特定の情報の更新を含むことができる。
【0046】
図6は、熱システム100が車両のダッシュボードに組み込まれている実施形態600を示す。第1の通気口602は、ダッシュボードに組み込まれ、計器パネル604の上方に配置され得る。第2の通気口606は、ダッシュボードに組み込まれ、計器パネル604の下方に配置され得る。第1の通気口および第2の通気口の両方は、カバーによって車両の運転者および/または他の乗客の視線または視界から隠すことができる。あるいは、カバーを使用して、典型的な見通し線に沿って見たときの通気口の見かけのサイズを大幅に縮小できる。第1の通気口および第2の通気口の両方を、それぞれのカバーによって覆うことができる。この例示的な実施形態では、計器パネル604は、混合面として作用する。上述したように、任意のディスプレイ、またはディスプレイ上の表面は、熱システム100に取り付けられた通気口の混合面として機能できる。さらに、混合面は、車両の異なる乗員のための換気のために、ドアハンドル、アームレスト、シート、およびシートの背面を含む車両の他の部分に組み込むことができる。
【0047】
図7は、熱システム100が車両の前部ダッシュボードに組み込まれている実施形態700を示す。運転者空気通気システム710は、計器群730の背後に配置されるように構成される。運転者空気通気システム710は、ベーンと、HVACシステムからの空気がそこから到達する空気路チャネルと、を含むことができる。運転者空気通気システム710は、計器群730の上下に通気口を形成するように構成される。乗客空気通気システム720はまた、ベーンと、HVACシステムからの空気がそこから到達する空気路チャネルと、を含むことができる。次いで、エアロレンズ740は、ディスプレイ730、運転者空気通気システム710、および乗客空気通気システム720の前に配置される。エアロレンズ740は、運転者空気通気システム710および乗客空気通気システム720の両方のための混合面として機能する。
【0048】
乗客空気通気システム720は、計器群730の周りに通気口を形成する必要がなく、むしろエアロレンズ740の周りに通気口を形成するだけなので、垂直方向により小さくすることができる。制御システムは、乗客空気通気システム720と運転者空気通気システム710とを別々に調整できる。
【0049】
さらに、本明細書で使用される条件付き言語、とりわけ、「できる(can)」、「できる(could)」、「してよい(might)」、「してよい(may)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「など(such as)」などは、特に明記しない限り、または使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、および/または状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、および/または状態が1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要とされることの暗示を意図するものではない。
【0050】
本開示および実施例を添付の図面を参照して説明したが、様々な変更および修正が当業者には明らかになるであろう。そのような変更および修正は、本開示の範囲内に含まれると理解されるべきである。特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。上記の例示的な議論は、網羅的であること、または本発明を記載された正確な形態に限定すること、を意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正および変形が可能である。それにより、当業者は、様々な用途に適した様々な変更を伴う技術および様々な実施形態を最良に利用することが可能になる。上述した様々な実施形態の要素および/または特徴の任意の適切な組み合わせは、さらなる実施形態を提供するために、組み合わせられ得る。
【0051】
前述の開示は、本開示を開示された正確な形態または特定の使用分野に限定することを意図していない。したがって、本明細書に明示的に記載されているか暗示されているかにかかわらず、本開示に対する様々な代替の実施形態および/または修正が本開示に照らして可能であると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく形態および詳細に変更を行うことができることを認識するであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0052】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正または実装することができる。したがって、この説明は例示と見なされるべきであり、開示された通気口アセンブリの様々な実施形態を作成および使用する方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセスまたはステップは、本明細書に代表的に示され記載されたものに置き換えられてもよい。さらに、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を得た後に当業者に明らかになるように、他の特徴の使用とは無関係に利用することができる。本開示を記載および特許請求するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込まれる(incorporating)」、「からなる(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な方法で解釈されること、すなわち、明示的に記載されていない項目、構成要素または要素も存在することを可能にすることを意図している。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
【0053】
さらに、本明細書に開示される様々な実施形態は、例示的かつ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。すべての接合についての言及(例えば、取り付け、固定、結合、接続など)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステムおよび/もしくは方法の位置、向き、または使用に関して限定を生じさせるものではない。したがって、接合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。さらに、そのような接合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。
さらに、限定するものではないが、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」、「第一次の(primary)」、「第二次の(secondary)」、「主要な(main)」などのすべての数値用語、または任意の他の通常および/もしくは数値用語もまた、本開示の様々な要素、実施形態、変形例および/もしくは修正例の読者の理解を助けるために、識別情報としてのみ解釈されるべきであり、特に、任意の要素、実施形態、変形例、および/もしくは修正例の、別の要素、実施形態、変形例および/もしくは修正例に対する、または別の要素、実施形態、変形例および/もしくは修正例を超える、順序または優先に関して、いかなる限定も生じない。
【0054】
特定の用途に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つまたは複数は、より分離または統合された方法で実装することもでき、あるいは、特定の場合には動作不能として除去または表現され得ることも理解されよう。
【国際調査報告】