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特表2024-504739エレベーターリフトシステムを備えたエネルギー貯蔵システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】エレベーターリフトシステムを備えたエネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 15/00 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H02J15/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545311
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2022013915
(87)【国際公開番号】W WO2022169651
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/144,740
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521020778
【氏名又は名称】エナジー ヴォールト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペドレッティ アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ハニ ローランド マーカス
(57)【要約】
エネルギー貯蔵及び供給システム(100)は、ブロック群(130)を、より低い位置から、より高い位置へと移動させることによってエネルギーを貯蔵し、より高い位置から、より低い位置へと移動させることによって電気を発生するように動作可能なエレベーター(120)を備える。ウィンチアセンブリは、エレベーターに結合されたケーブル(1450)に、動作可能に結合される。ウィンチアセンブリは、遊星歯車アセンブリ(1471)、遊星歯車アセンブリの少なくとも一部に選択的に係合するブレーキ(1475)、及びケーブルに結合されたスプール(1490)を有する。ドライブシャフト(1462)は、電動発電機(1460)とウィンチアセンブリとの間に延びる。
ブレーキは、ブレーキは、前記スプールが回転して前記ケーブルを巻き取り、前記エレベーターを上昇させることによって、ブロックを、より低い位置からより高い位置へ移動させることによりエネルギーを貯蔵するように動作可能であり、又は、前記スプールが回転して前記ケーブルを繰り出し、前記エレベーターを降下させることによって、ブロックを、より高い位置からより低い位置へ移動させることにより電気を発生するように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーの貯蔵及び供給システムであって、前記システムは、
1つ以上のモジュールであって、前記1つ以上のモジュールのそれぞれは、
複数のブロック群と、
鉛直高さを有するフレームであって、前記フレームは、
エレベーターシャフトと、
前記エレベーターシャフトにおいて移動可能に配置されたエレベーターであって、前記エレベーターは、その中に1つ以上のブロックを受け入れて支持するように寸法が決められ、前記複数のブロック群のうちの1つ以上を、より低い位置とより高い位置との間で移動させるように動作可能である、エレベーターと、
を備えた、フレームと、
前記エレベーターに結合されたケーブルに、動作可能に結合されたウィンチアセンブリであって、前記ウィンチアセンブリは、1つ以上の遊星歯車アセンブリ、1つ以上のブレーキ、及び前記ケーブルに結合されたスプールを備えた、ウィンチアセンブリと、
を備えた、1つ以上のモジュールと、
電動発電機と、
前記電動発電機に結合された一端と、前記ウィンチアセンブリに結合された反対端とを有するドライブシャフトと、
を備え、
前記ウィンチアセンブリの前記1つ以上のブレーキのうちの少なくとも1つは、前記スプールが回転して前記ケーブルを巻き取り、前記エレベーターを上昇させることによって、前記複数のブロック群のうちの1つ以上を、より低い位置からより高い位置へ移動させることによりエネルギーを貯蔵するように動作可能であり、又は、前記スプールが回転して前記ケーブルを繰り出し、前記エレベーターを降下させることによって、前記複数のブロック群のうちの1つ以上を、より高い位置からより低い位置へ移動させることにより電気を発生するように動作可能である、
エネルギーの貯蔵及び供給システム。
【請求項2】
前記ウィンチアセンブリは、前記ドライブシャフトと同心であるブレーキディスクを備え、
前記1つ以上の遊星歯車アセンブリは、第1遊星歯車アセンブリと第2遊星歯車アセンブリとを含み、
前記第1遊星歯車アセンブリは、軸方向に沿って前記ブレーキディスクと前記第2遊星歯車アセンブリとの間に配置され、
前記第2遊星歯車アセンブリは、前記第1遊星歯車アセンブリと前記スプールとの間で、軸方向に配置され、
前記第1遊星歯車アセンブリは、第1太陽歯車、遊星歯車の第1ペア、及び第1リングギアを含み、
前記第2遊星歯車アセンブリは、第2太陽歯車、遊星歯車の第2ペア、及び第2リングギアを含み、
前記ドライブシャフトは、前記第1太陽歯車、前記第2太陽歯車、及び前記スプールに固定して結合され、
前記ブレーキディスクは、前記遊星歯車の第1ペアに固定して結合され、
前記第1リングギアは、前記遊星歯車の第2ペアに固定して結合される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のブレーキは、前記ブレーキディスクに選択的に係合するように動作可能な第1ブレーキ、前記第1リングギアに選択的に係合するように動作可能な第2ブレーキ、及び、前記第2リングギアに選択的に係合するように動作可能な第3ブレーキを含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1ブレーキを操作して前記ブレーキディスクを解放し、前記第2ブレーキを操作して前記第1リングギアを解放し、及び、前記第3ブレーキを操作して前記第2リングギアに係合することによって、前記スプールの回転を止める、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1ブレーキを操作して前記ブレーキディスクに係合し、第2ブレーキを操作して前記第1リングギアを解放し、及び、前記第3ブレーキを操作して前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを逆方向に回転させ、前記ケーブルを繰り出すことによって前記エレベーターを降下させる、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1ブレーキを操作して前記ブレーキディスクを解放し、前記第2ブレーキを操作して前記第1リングギアに係合し、及び、前記第3ブレーキを操作して前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを順方向に回転させ、前記ケーブルを巻き取ることによって前記エレベーターを上昇させる、
請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記ケーブルに結合されたダンパーをさらに備え、
前記ダンパーは、前記ケーブルに加えられる力の少なくとも一部を吸収するように構成された、
請求項1-6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ケーブルに結合されたリニアアクチュエータをさらに備え、
前記リニアアクチュエータは、前記ブロックを持ち上げること又は積み降ろすことを促進するために、伸張又は収縮することによって、前記エレベーターの垂直位置における調節を可能にするように構成された、
請求項1-7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のモジュールは2つのモジュール群であり、
前記ドライブシャフトは、前記2つのモジュール群のうちの第1モジュールのウィンチに、かつ前記2つのモジュール群のうちの第2モジュールのウィンチに結合する、
請求項1-8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1モジュールの前記ウィンチと前記第2モジュールの前記ウィンチとは、同時に、前記第1モジュールにおいてブロックを上昇させ、前記第2モジュールにおいてブロックを降下させるように動作可能である、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記フレームは、下部デッキと、前記下部デッキより上に、垂直方向に間隔が空けられている上部デッキとを有し、
前記エレベーターシャフトは、前記下部デッキ及び前記上部デッキの間に延びる、前記フレームの左カラム及び右カラムの間に配置された、
請求項1-10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置から、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置まで上昇させて、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記右カラムにおける位置から、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置に移動させ、それによって、前記1つ以上の、上昇させられたブロック群の位置エネルギー量に相当する、ある量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能であり、
前記エレベーターは、重力の下で、1つ以上のブロックを、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置に降下させて、1つ以上のブロック群を、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記右カラム内の位置に移動させ、それによって、前記エレベーターに電気的に結合された前記電動発電機を介して、前記1つ以上の、降下させられたブロック群のそれぞれに対する、ある量の電気を発生させるように動作可能である、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記モジュールの前記フレームに対する平均の荷重分布が、実質的に一定のままであるように、前記エレベーターは、前記下部デッキの上の前記左カラム又は前記右カラムにおける位置と、前記左カラムの上方又は前記右カラムの上方の前記上部デッキの上の位置との間で、前記複数のブロック群を移動させるように動作可能である、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記フレームは、鉄骨鉄筋コンクリート柱からなる、複数のカラムを備えた、
請求項1-13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
電気を貯蔵及び発生する方法であって、前記方法は、
エレベーターシャフトに沿ってエレベーターを操作することによって、より低い位置とより高い位置との間で、複数のブロック群を移動させることを含み、
前記エレベーターは、前記エレベーターとウィンチアセンブリのスプールとの間に延びるケーブルに結合され、
前記ウィンチアセンブリは、1つ以上の遊星歯車アセンブリと1つ以上のブレーキとを備え、
前記エレベーターを操作することは、
前記ウィンチアセンブリの第1ブレーキを操作して、前記ウィンチアセンブリのブレーキディスクを解放し、
前記ウィンチアセンブリの第2ブレーキを操作して、第1遊星歯車アセンブリの第1リングギアを解放し、
前記ウィンチアセンブリの第3ブレーキを操作して、第2遊星歯車アセンブリの第2リングギアに係合することによって、前記スプールの回転を止めることと、
前記第1ブレーキを操作して、前記ウィンチアセンブリの前記ブレーキディスクに係合し、
前記第2ブレーキを操作して、前記第1遊星歯車アセンブリの前記第1リングギアを解放し、
前記第3ブレーキを操作して、前記第2遊星歯車アセンブリの前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを逆方向に回転させ、前記ケーブルを繰り出すことによって前記エレベーターを降下させることと、
前記第1ブレーキを操作して、前記ウィンチアセンブリの前記ブレーキディスクを解放し、
前記第2ブレーキを操作して、前記第1遊星歯車アセンブリの前記第1リングギアに係合し、
前記第3ブレーキを操作して、前記第2遊星歯車アセンブリの前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを順方向に回転させ、前記ケーブルを巻き取ることによって前記エレベーターを上昇させることと、
を含む方法。
【請求項16】
前記ブロック群を、前記より低い位置と前記より高い位置との間で移動させることは、前記エレベーターシャフトの両側のフレームの左カラム又は右カラムにおける下部デッキの上の位置から、前記左カラム又は右カラムと正対する前記フレームの上部デッキの上の位置の間に、前記ブロック群を移動させること含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上のブロックを、前記左カラム又は右カラムにおける前記下部デッキの上の位置と、前記左カラム又は右カラムと正対する前記上部デッキの上の位置との間で移動させることは、前記フレームに対する平均の荷重分布が実質的に一定のままであるように、前記ブロック群を配置することを含む、
請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権を主張する任意の出願を参照することによる援用]
本願とともに提出されたアプリケーションデータシートにおいて、外国又は国内の優先権主張が特定されている、任意の及び全ての出願は、37 CFR 1.57の下で、参照によりここに援用される。
【0002】
本発明は、エネルギー貯蔵及び供給システム、より具体的には、ブロック又はレンガの鉛直移動を介してエネルギーを貯蔵及び放出するエネルギー貯蔵及び供給システムに関する。
【背景技術】
【0003】
再生可能エネルギー源(例えば、太陽光エネルギー、風力、水力、バイオマス等)を用いた発電は成長を続けている。しかし、これらの再生可能エネルギー源(例えば、太陽光エネルギー、風力)の多くは、断続的で予測不可能であるので、断続的な再生可能エネルギー源からグリッドに供給され得る電力量は制限されてしまう。
【発明の概要】
【0004】
したがって、再生可能エネルギー源によって生成された電気を、電力系統への予測可能な供給のために確保する、改良されたシステムが必要である。本明細書で使用されるように、電力系統は、発電事業者から消費者への電気供給のための相互接続されたネットワークであり、都市、州及び/又は国を含む、大きな地理的地域にまたがる。
【0005】
本開示の別の局面によれば、エネルギー貯蔵及び供給システムは、ある例では、時間外の電気を生成するために、太陽エネルギーを貯蔵し得る。エネルギー貯蔵及び供給システムは、複数のブロック群を、より低い高さから、より高い高さへ移動させることによって、太陽光発電が豊富な日中の間、太陽エネルギーを、ブロック群において位置エネルギーとして貯蔵し得る。エネルギー貯蔵システムは、その後、夜間に、ブロック群を、より高い高さから、より低い高さに移動させるように動作することによって、発電機を駆動し、電力系統への供給のための電気を生成し得る。ある実現例では、エネルギー貯蔵システムは、ブロック群を上昇及び降下させるためのシステムの簡素化された制御を有利に可能にする、1つ以上の遊星歯車アセンブリ及び1つ以上のブレーキを有するウィンチを使用し得る。
【0006】
本開示の別の局面によれば、電気を貯蔵し、生成するための方法が提供される。前記方法は、複数のブロック群を、タワー上のより低い高さから、タワー上の高い高さへ移動させるように、タワー上のエレベーターを操作することによって、ブロック群においてエネルギーを貯蔵し、それぞれのブロック群は、ブロックの位置エネルギー量に対応する、ある量のエネルギーを貯蔵することを含む。その方法は、ブロック群を、タワー上のより高い高さから、タワー上のより低い高さへ移動させる(例えば、重力下で)ようにエレベーターを操作し、それによって、より高い高さからより低い高さへ移動される時に、前記1つ以上のブロックの運動エネルギー量に対応する、ある量の電気を発生することも含む。
【0007】
本開示のある局面によれば、エネルギー貯蔵及び供給システムが提供される。エネルギー貯蔵及び供給システムは、1つ以上のモジュールを備える。それぞれのモジュールは、複数のブロック群と、基礎の上に、鉛直高さを有するフレームとを備える。前記フレームは、下部デッキと、前記下部デッキの上に、垂直方向に間隔が空けられている上部デッキと、前記下部デッキ及び前記上部デッキの間に延びる、前記フレームの左カラム及び右カラムの間に配置されたエレベーターシャフトと、前記エレベーターシャフトにおいて移動可能に配置され、電動発電機に動作可能に結合されたエレベーターとを備える。前記エレベーターは、その中に1つ以上のブロックを受け入れて支持するように製造され、前記下部デッキの上の位置と、前記上部デッキの上の位置との間を移動するように動作可能である。前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置から、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置まで引き上げ、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記右カラムにおける位置から、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置に移動させ、それによって、前記1つ以上の、引き上げられたブロック群の位置エネルギー量に相当する、ある量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能である。前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置に下げて、1つ以上のブロック群を、重力の下で、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記右カラム内の位置に移動させ、それによって、前記エレベーターに電気的に結合された前記電動発電機を介して、前記1つ以上の、下げられたブロック群のそれぞれに対する、ある量の電気を発生させるように動作可能である。
【0008】
本開示の別の局面によれば、電気を貯蔵及び発生する方法が提供される。前記方法は、隣接する左カラム及び右カラムの間のエレベーターシャフトに沿ってエレベーターを操作することによって、前記左カラム又は右カラムにおける下部デッキの上の位置の間の複数のブロック群を、前記左カラム又は右カラムと正対する上部デッキの上の位置まで移動させることを含む。前記エレベーターを操作することは、(a)ブロックを、前記左カラム又は右カラムにおける前記下部デッキの上の前記位置から持ち上げて、前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させて、前記ブロックを、前記上部デッキの上の位置に持ち上げて、前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させて、前記ブロックが前記左カラム又は右カラムにおけるその以前の位置の上で正対するように前記ブロックを放すことによって、前記ブロックの位置エネルギーの量に対応する、ある量の電気エネルギーを貯蔵することと、(b)ブロックを、前記上部デッキの上の、前記左カラム又は右カラムの上方の位置から持ち上げて、前記ブロックを、前記エレベーターシャフトに移動させて、前記ブロックを、重力の下で、前記下部デッキの上の位置に下げて、前記ブロックを、前記エレベーターシャフトから移動させて、前記ブロックを、それが前記左カラム又は右カラム内の、その以前の位置の下で正対するように放すことによって、前記エレベーターに電気的に結合された電動発電機を介して、ある量の電気を発生することと、のうちの1つ又は両方を含む方法である。
【0009】
本開示の別の局面によれば、エネルギー貯蔵及び発電システム用のブロックが提供される。前記ブロックは、コンクリート、鋼材、及び圧縮土のうちの1つ以上からなる本体を備える。前記本体は、平面上面と、底部表面であって、前記底部表面は、前記本体の幅に渡って延びる2つ以上の凸部群を有する底部表面とを持つ長方形の形状を有する。凹部は、前記2つ以上の凸部群の間に規定され、前記2つ以上の凸部群及び前記凹部は、前記本体の幅に渡って延びる。
【0010】
本開示の別の局面によれば、エネルギーの貯蔵及び供給システムが提供される。前記システムは、1つ以上のモジュールを備える。ぞれぞれのモジュールは、複数のブロック群と、基礎の上に鉛直高さを有するフレームとを備える。前記フレームは、エレベーターシャフトと、前記エレベーターシャフトにおいて移動可能に配置されたエレベーターであって、前記エレベーターは、その中に1つ以上のブロックを受け入れて支持するように寸法が決められ、前記複数のブロック群のうちの1つ以上を、より低い位置とより高い位置との間で移動させるように動作可能である、エレベーターとを備える。ウィンチアセンブリは、前記エレベーターに結合されたケーブルに、動作可能に結合され、前記ウィンチアセンブリは、1つ以上の遊星歯車アセンブリ、1つ以上のブレーキ、及び前記ケーブルに結合されたスプールを備える。1つ以上のモジュールは、電動発電機及び、前記電動発電機に結合された一端と、前記ウィンチアセンブリに結合された反対端とを有するドライブシャフトも備える。前記ウィンチアセンブリの前記1つ以上のブレーキのうちの少なくとも1つは、前記スプールが回転して前記ケーブルを巻き取り、前記エレベーターを上昇させることによって、前記複数のブロック群のうちの1つ以上を、より低い位置からより高い位置へ移動させることによりエネルギーを貯蔵するように動作可能であり、又は、前記スプールが回転して前記ケーブルを繰り出し、前記エレベーターを降下させることによって、前記複数のブロック群のうちの1つ以上を、より高い位置からより低い位置へ移動させることにより電気を発生するように動作可能である。
【0011】
本開示の別の局面によれば、電気を貯蔵及び発生する方法が提供される。前記方法は、エレベーターシャフトに沿ってエレベーターを操作することによって、より低い位置とより高い位置との間で、複数のブロック群を移動させることを含み、前記エレベーターは、前記エレベーターとウィンチアセンブリのスプールとの間に延びるケーブルに結合され、前記ウィンチアセンブリは、1つ以上の遊星歯車アセンブリと1つ以上のブレーキとを備える。前記エレベーターを操作することは、前記ウィンチアセンブリの第1ブレーキを操作して、前記ウィンチアセンブリのブレーキディスクを解放することと、前記ウィンチアセンブリの第2ブレーキを操作して、第1遊星歯車アセンブリの第1リングギアを解放することと、前記ウィンチアセンブリの第3ブレーキを操作して、第2遊星歯車アセンブリの第2リングギアに係合することによって、前記スプールの回転を止めることと、を含む。前記エレベーターを操作することは、また、前記第1ブレーキを操作して、前記ウィンチアセンブリの前記ブレーキディスクに係合することと、前記第2ブレーキを操作して、前記第1遊星歯車アセンブリの前記第1リングギアを解放することと、前記第3ブレーキを操作して、前記第2遊星歯車アセンブリの前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを逆方向に回転させ、前記ケーブルを繰り出すことによって前記エレベーターを降下させることとと、を含む。前記エレベーターを操作することは、また、前記第1ブレーキを操作して、前記ウィンチアセンブリの前記ブレーキディスクを解放することと、前記第2ブレーキを操作して、前記第1遊星歯車アセンブリの前記第1リングギアに係合することと、前記第3ブレーキを操作して、前記第2遊星歯車アセンブリの前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを順方向に回転させ、前記ケーブルを巻き取ることによって前記エレベーターを上昇させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、添付の図面の図において、限定ではなく例として図示される。
図1図1は、第1の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの正面図である。
図2図2は、第2の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの正面図である。
図3図3は、第3の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの正面図である。
図4図4は、第3の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの側面図である。
図5図5は、第3の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図6図6は、第3の実施形態による、エネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図7図7は、ある実施形態による、ブロックの斜視図である。
図8A図8Aは、ある実施形態による、エレベーター上に移動されるブロックの概略図である。
図8B図8Bは、ある実施形態による、エレベーター上に移動されるブロックの概略図である。
図8C図8Cは、ある実施形態による、エレベーター上に移動されるブロックの概略図である。
図8D図8Dは、ある実施形態による、エレベーター上に移動されるブロックの概略図である。
図9A図9Aは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図9B図9Bは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図10A図10Aは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの側面図である。
図10B図10Bは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの側面図である。
図11図11は、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの上面図である。
図12A図12Aは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図12B図12Bは、第4の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図13図13は、第5の実施形態による、回転するエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
図14図14は、複数のエネルギー貯蔵システムに結合される電動発電機の概略図である。
図15図15は、ウィンチの概略図である。
図16図16は、ブレーキの作動に基づく、ウィンチの性能を示す表を含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで開示されているのは、電力系統を安定させ、住宅、商業及び工業の消費者のために電気を発生するために、大規模電気電力系統に動作可能に結合され得るエネルギー貯蔵システムである。エネルギー貯蔵システムは、供給が容易に利用できる時に、電力網から電気を得て、需要が高い時には、電気を電力網に戻す。エネルギー貯蔵システムは、日中、電気を貯蔵し、夜間に、電力網に電気を出力する目的で、太陽光発電所に動作可能に結合されてもよい。このエネルギー貯蔵システムは、追加で又は代替として、風力発電所又は他の再生可能エネルギー発電所に動作可能に結合されてもよい。
【0014】
図1は、エネルギー貯蔵(energy storage、ES)システム100の、ある実現例の概略図を示す。ESシステム100は、フレーム110を含む。ある実現例では、フレーム110は、複数の強化鋼(reinforced steel)/コンクリート柱、複数の横材(不図示)、下部デッキ112、上部デッキ114、エレベーターシャフト122において移動する少なくとも1つのエレベーター120、電動発電機150、及び複数のバラストウェイト又はブロック130を含み得る。ブロック群130は、下部デッキ112及び上部デッキ114上で積み重ねられ、保管される(例えば、エレベーターシャフト122の右のカラム111a及びエレベーターシャフト122の左のカラム111bの中で)。エレベーター120は、ブロック群130が、エレベーターシャフト122を介して、下部デッキ112上のスタックと上部デッキ114上のスタックとの間を移動するように操作され得る。フレーム110、ブロック群130、エレベーターシャフト122及びエレベーター120は、モジュールを形成する。図示されている実現例において、ESシステム100は、1つのモジュールを有する。
【0015】
電気又は他の形態のエネルギーを貯蔵するために、ブロック130は、エレベーター120によって、下部デッキ112から上部デッキ114まで持ち上げられる。エネルギーを放出して電気を発生するために、ブロック130は、エレベーター120によって(例えば、約0.4メートル/秒の速度において)、上部デッキ114から下部デッキ112に下げられ(例えば、重力の下で)、電動発電機150を回転させるために使用される力は、電気を発生する(例えば、ブロック130が下げられている時の、ブロック130の運動エネルギーに基づいて)。
【0016】
ある実現例では、いくつかのブロックは、エレベーター120の左の上部デッキ114及び下部デッキ112に限定されるが、他のブロックは、エレベーター120の右の上部デッキ114及び下部デッキ112に限定される。例えば図1に示されるように、右には、上部デッキ114上のブロック1-6、エレベーター120によって、右側のブロック6上に積み重ねられるように上方に移動されつつあるブロック7、及び下部デッキ112上にあるブロック8を含む、合計8つのブロックが存在する。追加のエネルギーを貯蔵するために、右のブロック8は、持ち上げられて、右のブロック7上に積み重ねられてもよい。代替として、電気を発生するために、右のブロック7は、下げられて、右のブロック8の上部に積み重ねられてもよい。このプロセスは、要求されるようにエネルギーを変換するために利用可能なブロックが存在する限り、繰り返されてもよい。有利には、同一のエレベーター120が、エレベーターシャフト122の右側のブロック群130を、下部デッキ112及び上部デッキ114の間で移動させ得て、エレベーターシャフト122の左側のブロック群130も、下部デッキ112及び上部デッキ114の間で移動させ得る。エレベーター120の左側のブロック群130は、エレベーターシャフト122の左側の下部デッキ112と、エレベーターシャフト122の左側の上部デッキ114との間で移動され得て、エレベーター120の右側のブロック群130は、エレベーターシャフト122の右側の下部デッキ112と、エレベーターシャフト122の右側の上部デッキ114との間で移動され得る。
【0017】
ブロック130が同じ側(例えば、エレベーターシャフト122の左又は右)に存在し続けるように、それぞれのブロック130は、下部デッキ112の位置(又はその上)と、上部デッキ114の位置(又はその上)との間を移動するので、ESシステム100のブロック群130のそれぞれは、下部デッキ112の上の位置と、上部デッキ114の上の位置との間で、垂直移動距離が異なる。例えば、全てのブロック群130が下部デッキ112上にあるとき、スタックにおける最上部のブロック130が上部デッキ114の上の位置まで移動する距離は、スタックにおける最低部のブロック130より短いが、これは、スタックにおける最低部のブロック130は、下部デッキ112に隣接する位置から、上部デッキ114の位置を越えて、上部デッキ114上のスタックの最上部まで移動しなければならないからである。したがって、下部デッキ112の上から上部デッキ114の上に移動される時、ESシステム100のそれぞれのブロック130は、異なる量のエネルギーを貯蔵し(例えば、スタックにおける最上部のブロック130は、最小のエネルギーを貯蔵し、スタックにおける最低部のブロックは、最大のエネルギーを貯蔵し)、上部デッキ114の上から下部デッキ112の上に移動される時には、異なる量の電気を発生する(例えば、スタックにおける最上部のブロック130は、最大の電気を発生し、スタックにおける最低部のブロック130は、最小の電気を発生する)。ある実現例では、代替として、エレベーター120は、エレベーターシャフト122の左側の1つのブロックを、下部デッキ112の上方の位置と、上部デッキ114の上方の位置との間で移動させ得て、エレベーターシャフト122の右側の1つのブロックを、下部デッキ112の上方の位置と、上部デッキ114の上方の位置との間で移動させ得て、これは、下部デッキ112及び上部デッキ114にかかる荷重を、エレベーターシャフト122の左側と右側との間で、ほぼ均一に維持し得て、これによって、フレーム110に対する応力差を低減することができる。
【0018】
ある実現例では、それぞれのブロック130は、約6メートルの長さ、6メートルの幅、及び4メートルの高さであってもよい。しかしながら、ブロック130は、他の適切な寸法を有してもよい。ブロック130は、例えば、コンクリート、鋼材、及び/又は圧縮土で作られてもよい。ある実現例では、ブロック130の総重量は、約288トンのような、約200トンと約300トン(例えば、メートル法のトン)との間である(例えば、8つのブロック群130は、約2304トンのような、約1600トンと約2400との間の総重量を有し得る)。上部デッキ114の高さ(h)は、ある実現例では、約88.5メートルであり得て、エレベーターシャフト122の全高(H)は、ある実現例では、約120.5メートルであり得る。しかしながら、上部デッキ114の高さ(h)及びエレベーターシャフト122の高さ(H)は、他の適切な値を有してもよい。ESシステム100のエネルギー貯蔵量は、ある実現例では、約500kWh(キロワット時)であり得る。ESシステム100によって提供される発電量は、ある実現例では、約1.1MWであり得る。ある実現例では、ブロック群130は、メートル法で150トンほどの重さであってもよい。
【0019】
図2は、エネルギー貯蔵(ES)システム100Aの、第2実現例の概略図を示す。ESシステム100Aは、図1に図示され、上で説明された、ESシステム100と類似である。したがって、図1におけるESシステム100、及びESシステム100によって移動されるブロック群130の、さまざまな特徴についての構成及び記載は、以下に記載される場合を除き、図2におけるESシステム100Aの対応する特徴にも当てはまると理解されよう。ESシステム100Aは、1つではなく2つのエレベーター120を備えるという点で、ESシステム100とは異なる。2つのエレベーター120のそれぞれは、フレーム210の、それが対応するエレベーターシャフト122に沿って移動し、そのすぐ左及びすぐ右にあるブロック群130のスタック(例えば、ブロック群は、エレベーターシャフト122の右のカラム111aと、エレベーターシャフト122の左のカラム111bとの中にある)にサービスを提供する。フレーム210は、幅Wを有し得る。ある実現例では、幅Wは、約36メートルのような、約20メートルと約40メートルとの間であり得る。ブロック群130(それぞれのエレベーター120のすぐ左及びすぐ右にある)は、下部デッキ112及び上部デッキ114の間を移動され得る。ESシステム100Aは、ESシステム100と同じように動作するが、ESシステム100Aの2つのエレベーター群120は、ESシステム100Aが、ESシステム100の2倍のエネルギーを貯蔵し、要求に応じて、ESシステム100の2倍の電力(例えば電気)を発生することを可能にする。フレーム110、ブロック群130、エレベーターシャフト群122及びエレベーター群120は、1つのモジュールを形成する。図示されている実現例では、ESシステム100Aは、単一のモジュールを有する。
【0020】
図3-6は、エネルギー貯蔵(ES)システム100Bの第3実現例を図示する。ESシステム100Bは、図2に図示され、上で説明された、ESシステム100Aと類似であり、ESシステム100Aは、図1に図示され、上で説明された、ESシステム100と類似である。したがって、図2におけるESシステム100A、及びESシステム100Aによって移動されるブロック群130の、さまざまな特徴についての構成及び記載は、以下に記載される場合を除き、図3-6におけるESシステム100Cの対応する特徴にも当てはまると理解されよう。ESシステム100Aと同様に、ESシステム100Bは、ESシステム100及び100Aについて上で説明したのと同じように、それぞれがブロック群330を移動させ得る(例えば、それぞれのエレベーター320は、エレベーター320のシャフトのすぐ右側又はすぐ左側のブロック群330を、下部デッキ312及び上部デッキ314の間で移動させ得る)一対のエレベーター320を備える。例えば、ブロック群330は、エレベーターシャフト322の右のカラム311aと、エレベーターシャフト322の左のカラム311bとの中にある。ESシステム100Aとは異なり、ESシステム100Bは、並んで立つ(例えば、奥行方向に隣接するエレベーターシャフトにおいて、つまり図3では紙面奥に向かって、又は図4に示されるように)5対のエレベーター群を備え、よって、前面を横切る横方向に2つのエレベーター(例えば、図3におけるX方向)及び奥行方向に5つのエレベーター(例えば、図4におけるY方向)である、エレベーター320のマトリクスを生成する。しかしながら、フレーム310は、前面を横切る方向に(例えば、図3におけるX方向に)任意の適切な数のエレベーター320を有してもよく、奥行き方向に(例えば、図4におけるY方向に)任意の適切な数のエレベーター320を有してもよい。それぞれのエレベーター320は、それが関連付けられたエレベーターシャフト322の左及び右に、ブロック群330のスタックを有し得る。左又は右のブロック群330は、下部デッキ312上に又は上部デッキ314上に積み重ねられてもよく、下部デッキ312及び上部デッキ314の間で移動されてもよい。それぞれの鉛直面内にあるフレーム310、ブロック群130、エレベーターシャフト群322及びエレベーター群320は、モジュールを形成する。図示されている実現例では、ESシステム100Bは、5つのモジュールを有する。
【0021】
電気又は他の形態のエネルギーを貯蔵するために、エレベーター320は、下部デッキ312まで、又は下部デッキ312の近くまで(例えば、その上まで)エレベーターシャフト322を下降し、ブロック330を持ち上げ(例えば、エレベーターシャフト322の左側又は右側のブロック群330のスタックから)、ブロック330を、上部デッキ314まで(又は、その上に)運び、ブロックを、上部デッキ314上の、ブロック群330のスタックに置く(例えば、上部デッキ314上のブロック330が、下部デッキ312上にあった時と同じ側にあるように、つまりその元の位置の上になるように、それぞれ左側又は右側に)。電気又は他の形態のエネルギーを放出するために、エレベーター320は、上部デッキ314まで、又は上部デッキ314の近くまで(例えば、その上まで)エレベーターシャフト322を上昇し、ブロック330を持ち上げ(例えば、例えば、エレベーターシャフト322の左側又は右側のブロック群330のスタックから)、ブロック330を、下部デッキ312まで(又は、その上に)運び、ブロック330を、下部デッキ312上の、ブロック群330のスタックに置く(例えば、下部デッキ312上のブロック330が、上部デッキ314上にあった時と同じ側にあるように、つまりその以前の位置の下になるように、それぞれエレベーターシャフト322の左側又は右側に)。ESシステム100A、100と同様に、ESシステム100Bは、ブロック群330を上昇させたり降下させたりするために、電動発電機350(例えば、図1-2における電動発電機150と同様な)を備える。ブロック330が同じ側(例えば、関連付けられたエレベーターシャフト322の左又は右)に存在し続けるように、ブロック群330を、下部デッキ312の位置(又はその上の位置)と、上部デッキ314の位置(又はその上の位置)との間を移動させることによって、ESシステム100A、100と同様に、ESシステム100Bは、有利には、フレーム310(例えば、又は、フレーム310の下の基礎)に対する平均の荷重がESシステムの動作中ほぼ一定であるようにブロック群330を移動させ、それによって、動作中のシステムに対する応力を抑制する。加えて、ブロック330が同じ側(例えば、関連付けられたエレベーターシャフト322の左又は右)に存在し続けるように、それぞれのブロック330は、下部デッキ312の位置(又はその上)と、上部デッキ314の位置(又はその上)との間を移動するので、ESシステム100A、100のブロック群のそれぞれと同様に、ESシステム100Bのブロック群330のそれぞれは、下部デッキ312の上の位置と、上部デッキ314の上の位置との間で、垂直移動距離が異なる。例えば、全てのブロック群330が下部デッキ312上にあるとき、スタックにおける最上部のブロック330が上部デッキ314の上の位置まで移動する距離は、スタックにおける最低部のブロック330より短いが、これは、スタックにおける最低部のブロック330は、下部デッキ312に隣接する位置から、上部デッキ314の位置を越えて、上部デッキ314上のスタックの最上部まで移動しなければならないからである。したがって、下部デッキ312の上から上部デッキ314の上に移動される時、ESシステム100Bのそれぞれのブロック330(ESシステム100、100Aのそれぞれのブロック130と同様に)は、異なる量のエネルギーを貯蔵し、上部デッキ314の上から下部デッキ312の上に移動される時には、異なる量の電気を発生する。
【0022】
図7は、ブロック330の、ある実現例を図示する。ある実現例では、図1-2におけるESシステム100、100Aで使用されるブロック130は、図7におけるブロック330と類似(例えば、同一)であり得る。ある実現例では、ブロック330は長方形であり、オプションとして、ブロック330の、上面330a(例えば、平らな上面)、前面330b、背面330c、左側330d及び右側330eにおいて、実質的に平滑な仕上げであってもよい。有利には、滑らかな表面は、上面330aの上方での、ジャッキ(後述のジャッキ810のような)の動きを容易にし得る。対照的に、底面330fは、ある実現例では、ブロック330の全長Lに沿って、前面330bから背面330cまで、ブロック330の奥行きDにわたる、2つ以上の凸部740及び1つ以上の凹部742を持つ、波形の表面を有し得る。凸部740は下方に延び、凹部742は、凸部740の上に存在する。凸部740は、地面、デッキ(例えば、下部デッキ312、上部デッキ314)、他のブロック330、又はブロック330が配置されている他の表面に接し、凹部742は、前記表面の上方で延びる(例えば、前記表面よりも約10-30センチメートル上方で延びる)。ある例では、凸部740は、10-30センチメートルの高さであり、ブロック330の奥行きDにわたって延びる開口部群を規定する。別の実現例(図3-6で示される)では、ブロック330は、ブロック330の端部に2つの凸部を有するので、ブロック330の奥行きに延びる、単一の開口部を規定する、2つの凸部の間の1つの凹部742aが存在する(図5を参照)。
【0023】
ある実現例では、それぞれのブロック330は、約6メートルの長さ、6メートルの幅、及び4メートルの高さであってもよい(例えば、約144立方メートルの体積を有する)。しかしながら、ブロック330は、他の適切な寸法を有してもよい。ブロック330は、例えば、コンクリート、圧縮土又は土で作られてもよい。ある実現例では、ブロック330の総重量は、約288トンのような、約200トンと約300トン(例えば、メートル法のトン)との間である。ESシステム100Bのエネルギー貯蔵量は、ある実現例では、約500kWh(キロワット時)であり得る。ESシステム100Bによって提供される発電量は、ある実現例では、約1.1MWであり得る。
【0024】
図8A-8Dは、波形の下面(例えば、波形の底面)を持つブロック330と、ブロック330を移動させるために動作可能な車輪付きのジャッキとを示す。ブロック330は、デッキ850からエレベーター820まで移動されてから、エレベーター820から異なるデッキ850まで移動される。エレベーター820は、ある実現例では、ESシステム100、100Aのための図1-2におけるエレベーター120、及びESシステム100Bのための図3-6におけるエレベーター320に類似であり得る。デッキ850は、下部デッキ112、312又は上部デッキ114、314であり得る。ジャッキ810は、エレベーター820に一体化され得るが、ブロック330の下に滑り込み、ブロック330を持ち上げ得て(後述のように)から、ブロック330をエレベーター820に転がして戻し得て、又はその逆も可能である。例えば、ジャッキ810は、ブロック330の底面300f上の凸部740の間の1つ以上の凹部742に延びる大きさに作られた、1つ以上のフィンガーを有し得る。
【0025】
エレベーター820は、プラットフォーム800を備え、ジャッキ810は、プラットフォーム800に対して移動可能である(例えば、エレベーター820と、移動可能に結合されるか又は一体化される)。ジャッキ810は、複数の車輪812を持つ筐体811、1つ以上(例えば、複数)のリフトアーム814、及び上面816を含む。リフトアーム814は、オプションとして、筐体811に(例えば、それぞれのリフトアーム814の上端において)回転可能に取付がされ得る。それぞれのリフトアーム814の下端は、1つ以上の車輪812と接続される。リフトアーム814は、リフトアーム814を、垂直方向と非垂直方向との間で回転させるように動作可能な、モーター(例えば、電動機)又はアクチュエーター(不図示)に、強固に固定され得る。リフトアーム814が非垂直方向にある時、ジャッキ810の全高は、比較的低い。モーター/アクチュエーターが作動され、リフトアーム814が垂直方向に回転される時、上面816がブロック330に係合してブロック330を持ち上げるように、リフトアーム814は筐体811を引き上げ、ジャッキ810の全高は高くなり、それによって、ジャッキ810がブロック330を移動させることを可能にする。
【0026】
ブロック330を取り去るプロセスでは、プラットフォーム800は、デッキ850と水平方向に正対され得る(図8Aを参照)。ジャッキ810は、リフトアーム814が非垂直方向にある状態で、ブロック330に向かって動かされる。この構成におけるジャッキ810の全高は、有利には、凹面742、742a(例えば、ブロック330の、波形の底面)の高さより低い。したがって、ジャッキ810は、ブロック330の下の、2つの凸面740の間(図8Bを参照)、及び1つ以上の凹面742、742aの中を滑る。いったん、ブロック330の下に到達すると、リフトアーム814は垂直方向に回転され、ジャッキ810を、凸部740及び/又は凹部742、742aの高さより高い全高まで引き上げ、それによって、ブロック330を、デッキ850から、又は別のブロックから持ち上げる(図8Cを参照)。いったん持ち上げられると、ジャッキ810は、エレベータープラットフォーム800上へと押し戻され(図8Dを参照)、ブロック330は、異なる高さにあるデッキ850又はスタックに再配置される。
【0027】
ブロック330をデッキ850から降ろすために、直前で記載されたステップ群が、逆の順で実行される。
【0028】
図9A図12Bは、エネルギー貯蔵(ES)システム100Cの第4実現例を図示する。ESシステム100Cは、フレーム910を含む。ある実現例では、フレーム910は、下部デッキ912、上部デッキ914、複数のエレベーターガイド920、エレベーターシャフト924内で動作する少なくとも1つのエレベーター922(例えば、エレベーターグラバー、エレベーターケージ)、滑車926を持つ電動発電機950、及び複数のバラストウェイト群又はブロック群930を持つ、複数の鉄骨鉄筋/コンクリート柱を含み得る。ブロック群930は、下部デッキ912及び上部デッキ914上に、積み重ねられて、貯蔵され得る。エレベーター922は、エレベーターシャフト924を介して、下部デッキ912上のスタックと上部デッキ914上のスタックとの間でブロック群930を移動させるように動作可能である。ブロック930は、円弧形状(例えば、パイ形状)を有してもよい。フレーム910、ブロック群930、エレベーターシャフト924及びエレベーター920は、1つのモジュールを形成する。図示されている実現例では、ESシステム100Cは、単一のモジュールを有する。
【0029】
電気又は他の形態のエネルギーを貯蔵するために、ブロック930は、エレベーター922(例えば、エレベーターグラバー)によって、下部デッキ912から上部デッキ914に持ち上げられる。エネルギーを放出して電気を発生するために、ブロック930は、上部デッキ914から下部デッキ912に下げられ(例えば、重力下で)、電動発電機を回転させるために使用される力は、電気を発生する(例えば、ブロック930が下げられる時の、ブロック930の運動エネルギーに基づいて)。
【0030】
ブロック群930は、例えば、スタック(例えば、下部デッキ912又は上部デッキ912上の)から取得され、回転運動(例えば、ブロック群を取得する又は放すために、エレベーターシャフト924に対して左又は右にエレベーター922を回転させる)を使用して、スタック(例えば、上部デッキ914又は下部デッキ912上の)に戻される。例えば、もし、ブロック930が、下部デッキ912の上から移動される(例えば、下部デッキ912上の、ブロック群930のスタックの上から移動される)なら、エレベーター922(例えば、エレベーターグラバー)は、ブロック930を確実に掴み(例えば、ブロック930の肩部932に係合する、エレベーター922の縁925を介して)、ブロック930(例えば、第1方向における)を、下部デッキ912の上方のその位置から、エレベーターシャフト924に対応する角度位置に、(オプションとして、持ち上げて)回転させ(例えば、90度だけ)、ブロック930を、上部デッキ914の上の位置(例えば、上部デッキ914上の、ブロック群930のスタックの最上部と一致する)まで持ち上げ、ブロック群930のスタックの真上の位置まで、ブロックを回転させて(例えば、第1方向とは反対の第2方向に)から、ブロック930が、上部デッキ914上のブロック群930のスタックの最上部に載るように、ブロック930を放す。上部デッキ914の上から(例えば、上部デッキ914上のブロック群930のスタックの上から)ブロック930を取り上げて、それを下部デッキ912の上方に配置する(例えば、下部デッキ912上のブロック群930のスタックの最上部に、ブロック930を配置する)ために、類似の回転運動はエレベーター922(例えば、エレベーターグラバー)によって用いられる。本明細書で記載された回転運動は、フレーム910のエレベーターガイド920を通る縦軸と一致する、垂直軸を基準にした水平面における回転を指す。
【0031】
いくつかの実施形態では、電動発電機(不図示)は、地面上又は地面の近くに存在し、タワーガイド920の最上部に取付がされた滑車926を介して、エレベーター(例えばエレベーターグラバー)922に接続する。
【0032】
図13は、エネルギー貯蔵(ES)システム100Dの第5実現例を図示する。ESシステム100Dは、図9A-12Bに図示され、上で説明されたESシステム100Cと類似である。したがって、図9A-12BにおけるESシステム100C、及びESシステム100Cによって移動されるブロック群930の、さまざまな特徴についての構成及び記載は、以下に記載される場合を除き、図13におけるESシステム100D及びブロック群1330の、対応する特徴にも当てはまると理解されよう。ESシステム100Dは、図9A-12Bにおける、それぞれが2つのエレベーター922を有する2つのフレーム910の代わりに、それぞれが一対のエレベーター1322を有する5つのフレーム1310を含むという点で、ESシステム100Cと異なる。したがって、ESシステム100Dは、ESシステム100Cより、より多くのエネルギーを貯蔵し得て、ESシステム100Cより、より多くの電気を発生し得る。ESシステム100Dの、5つのフレーム1310のうちのそれぞれは、複数の下部デッキ1312及び複数の上部デッキ1314、複数のエレベーターガイド1320、複数のエレベーター(例えば、エレベーターグラバー)1322、複数の電動発電機1050、及び複数のバラストウェイト又はブロック1330を持つ、複数の鉄骨鉄筋/コンクリート柱を含み得る。ESシステム100Dは、ブロック群を、下部デッキ1312と上部デッキ1314との間で移動させるために、ESシステム100Cと同じように動作し得る(例えば、回転運動を用いることによって、ブロック1330を、デッキの上から又はデッキ上のブロックのスタックから移動させて、ブロックを、エレベーターシャフトに向かってある方向に回転させて、ブロックを、異なる高さに移動させて、ブロックを、反対の方向において回転させて、ブロックを、異なるデッキの上方又は前記デッキ上のブロックのスタックの上方に置く)。それぞれのフレーム1310、ブロック群1330、エレベーターシャフト及びエレベーター1322は、1つのモジュールを形成する。図示された実現例において、ESシステム100Dは、5つのモジュールを有する。
【0033】
図14は、第1ESシステム1430及び第2ESシステム1440を含む、複数のエネルギー貯蔵(及び供給)(ES)システムに結合された電動発電機1460の概略図である。ESシステム1430、1440は、上で説明されたエネルギー貯蔵システム100A、100Bと類似であり、ブロック群1130はブロック群330と類似である。したがって、図2-6におけるESシステム100A、100B、及びブロック群330についての、さまざまな特徴についての構成及び記載は、それらの動作と同様に、以下に記載される場合を除き、ESシステム1430、1440、及びブロック1130の、対応する特徴にも当てはまると理解されよう。図示された実施形態は、電動発電機1460が、2つのエネルギー貯蔵システム1430、1440に結合されるように示しているが、当業者であれば、他の実施形態においては、電動発電機1460が、1つのエネルギー貯蔵システムのみに結合され得ることを認識するであろう。さらに別の実現例において、電動発電機1460は、3つ以上のエネルギー貯蔵システム(例えば、4つのエネルギー貯蔵システム、6つのエネルギー貯蔵システム、8つのエネルギー貯蔵システム)に結合され得る。
【0034】
電動発電機1460は、複数のESシステム1430、1440上のブロック群1130を、同時に持ち上げる及び/又は下げるように操作され得る。つまり、電動発電機1460は、あるESシステム1430のカラム1122におけるエレベーターシャフト1124に沿って、ブロック1130を持ち上げ(例えば、ESシステムのフレーム1110の上部デッキ1114の上の位置に)、一方、異なるESシステム1440上の、カラム1122におけるエレベーターシャフト1124に沿って、ブロック1130が下げられる(例えば、ESシステムのフレーム1110の下部デッキ1112の上の位置に)ように動作可能であり、それによって、ESシステム1430、1440におけるブロック群1130が、同時に持ち上げられ、下げられる。
【0035】
それぞれのESシステム1430、1440は、ブロック群1130を持ち上げて下げるために、ドライブシャフト1462を介して電動発電機1460に結合された、ウィンチ1470A、1470Bを含む。それぞれのESシステム1430、1440は、エレベーターシャフト1124に沿って上に延び、滑車1126を越えて、エレベーター(例えば、エレベーターグラバー)1120に降りて戻るケーブル1450を、さらに含む。ケーブル1450は、ダンパー1452と、ウィンチ1470A、1470B及び滑車1126の間に取付がされたリニアアクチュエータ1454とを、さらに含み得る。ダンパー1452は、オプションとして、油圧ダンパーであってもよい。別の実現例では、ダンパー1452は、空気圧ダンパーであってもよい。さらに別の実現例では、ダンパー1452は、弾性ダンパー(resilient damper)(例えば、ゴムのような圧縮性材料を含む)であってもよい。ダンバー1452は、有利には、ケーブル1450におけるぎくしゃくした動きを吸収し、過度な力が、ケーブル1450を損傷することを抑制(例えば、防止)し得る。リニアアクチュエータ1454は、ブロック1130を持ち上げる又は下ろすために動いている時、エレベーター(例えば、エレベーターグラバー)1120の垂直位置における微調整を行うために、短い距離(例えば、3メートル未満、2メートル未満のような、数メートル未満)を伸張又は収縮し得る。
【0036】
ブロック1130が持ち上げられつつある時、関連付けられたウィンチ(例えば、ウィンチ1470A及び/又は1470B)は、ドライブシャフト1462を介して、電動発電機1460から電力を引き出す。ブロック1130が下げられつつある時、ウィンチ(例えば、ウィンチ1470A及び/又は1470B)は、ドライブシャフト1462を介して、電動発電機にパワーを投入する。電動発電機1460は、あるESシステム(例えば、ESシステム1430)上で、ブロック1130を持ち上げるようにパワーを出力し、ブロック1130が、異なるESシステム(例えば、ESシステム1440)上で下げられている時にパワーを受け取るように動作可能であり、それによって、電動発電機1460は、同時に、パワーを出力し、パワーを受け取る。電動発電機1460によって受けられたパワーは、オプションとして、電動発電機1460が電気的に接続されている電力系統に供給され得る。
【0037】
図15は、ウィンチ1470Aの概略図である。ウィンチ1470Aは、ウィンチ1470Bと実質的に同一(例えば、同一)であるので、ウィンチ1470Aについて、図15で図示され以下に記載される特徴は、ウィンチ1470Bに当てはまることが理解されよう。ウィンチ1470Aは、複数の遊星歯車1471、複数のブレーキ1475、及びケーブル1450を引き寄せ又は繰り出すスプール1490を含む。複数の遊星歯車1471は、第1太陽歯車1474を持つ遊星歯車1471’の第1セット、遊星歯車1476の第1ペア、及び第1リングギア1478を含み、ここで、遊星歯車1476は、第1太陽歯車1474と第1リングギア1478との間に配置される。複数の遊星歯車1471は、第2太陽歯車1480を持つ遊星歯車1471’’の第2セット、遊星歯車1482の第2ペア、及び第2リングギア1484も含み、ここで、遊星歯車1482は、第2太陽歯車1480と第2リングギア1484との間に配置される。ウィンチ1470Aは、ドライブシャフト1462と同心であるブレーキディスク1472をさらに含む。
【0038】
ブレーキディスク1472が、遊星歯車1476の第1ペアと同一の速度において回転する(例えば、第1太陽歯車1474の周りを)ように、ブレーキディスク1472は、1つ以上の部材1473によって、遊星歯車1476の第1ペアに固定される。加えて、第1リングギア1478が、遊星歯車1482の第2ペアと同一の速度において回転する(例えば、第2太陽歯車1480の周りを)ように、第1リングギア1478は、1つ以上の部材1477によって、遊星歯車1482の第2ペアに固定される。
【0039】
第1ブレーキA(例えば、ディスク1472に選択的に係合するブレーキパッド(群))は、ブレーキディスク1472とともに遊星歯車1476の第1ペアの回転を減速又は停止するように動作可能である。第2ブレーキB(例えば、第1リングギア1478に選択的に係合するブレーキパッド(群))は、第1リングギア1478とともに遊星歯車1482の第2ペアの回転を減速又は停止するように動作可能である。第3ブレーキC(例えば、第2リングギア1484に選択的に係合するブレーキパッド(群))は、第2リングギア1484の回転を減速又は停止するように動作可能である。ある実現例では、第1ブレーキA、第2ブレーキB、及び第3ブレーキCのうちの1つ以上は、油圧作動ブレーキであってもよい。別の実現例では、第1ブレーキA、第2ブレーキB、及び第3ブレーキCのうちの1つ以上は、空気ブレーキであってもよい。
【0040】
図16は、第1ブレーキA、第2ブレーキB、及び/又は第3ブレーキCのうちの1つ以上の作動に基づく、ウィンチ(例えば、ウィンチ1470A、1470B)の動作を示す表を含む。表において、「1」は、ブレーキ力が積極的に印加されていることを示し、「0」は、ブレーキが開き、ブレーキ力がかけられていないことを示す。示されるように、ブレーキCが第2リングギア1484にブレーキ力をかけるとき、スプール1490は停止し、一方、ブレーキA及びBは開いている(例えば、ブレーキA及びBによって、ブレーキ力がかけられていない)。ブレーキAがブレーキディスク1472にブレーキ力をかけるとき、スプール1490は逆に動作し、一方、ブレーキB及びCは開いたままである(例えば、ブレーキB及びCによって、ブレーキ力がかけられていない)。スプール1490が逆に動作するとき、エレベーター(例えば、エレベーターグラバー)1120(及び、それによって運ばれるブロック1130)は降下される。ブレーキBが第1リングギア1478にブレーキ力をかけるとき、スプール1490は、エレベーター(例えば、エレベーターグラバー)1120(及び、それによって運ばれるブロック1130)を上昇させるために、順方向に動作し、一方、ブレーキA及びCは開いたままである(例えば、ブレーキA及びCによって、ブレーキ力がかけられていない)。有利には、複数の遊星歯車1471とブレーキA、B、Cとは、複雑なモーター制御を必要とせず、ウィンチ1470A(とともにウィンチ1470B)が、エレベーター1120を、上昇させ又は降下させるように動作することを可能にし、それによって、ブロック1130を上昇及び降下させるための、簡素化された、より低コストの制御を提供する。ESシステム1430、1440に関連して、上で記載されたが、図14-15における電動発電機1460、ウィンチ1470A、1470B、及びドライブシャフト1462、及び図16における動作モードは、上述の、エネルギー貯蔵及び供給システム100-100Dのうちの任意のものにおいて実現され得る。
【0041】
貯蔵された位置エネルギーを電気に変換するために、エレベーター120、320、820、922、1322、1120は、ブロック130、330、930、1330、1130のうちの1つ以上を、より高い位置からより低い位置に移動させる(例えば、重力の下で、少なくとも部分的に垂直に下げる)ことによって、電動発電機150、350、950、1050、1460を駆動し(1つ以上のケーブル又はスチールリボンを介して)、電気を発生し得て、それは、電動発電機150、350、950、1050、1460が電気的に接続されている電力系統へ供給され得る。ブロック130、330、930、1330、1130が下げられるたびに、電気の形態である仕事が発生される。
【0042】
有利には、エネルギー貯蔵及び供給システム100-100D、1430、1440は、例えば、太陽光発電が利用可能な昼間の間に、太陽光発電から発生された電気を、引き上げられたブロック群130、330、930、1330、1130における位置エネルギーとして貯蔵し得て、1つ以上のブロック130、330、930、1330、1130を下げることによって、太陽光発電が利用可能ではない夜間の間に、ブロック群130、330、930、1330、1130における位置エネルギーを、電気に変換し、変換された電気を電力系統に供給し得る。
【0043】
本明細書に記載されているのは、電気エネルギー又は電気を、貯蔵のための位置エネルギーに変換し、位置エネルギーを、例えば、電力系統への供給のための電気エネルギー又は電気に変換するために動作可能な、エネルギー貯蔵及び供給システム(例えば、エネルギー貯蔵及び供給システム100-100D、1430、1440)の例である。有利には、エネルギー貯蔵システムは、メンテナンスを、ほとんど又は全く必要とせず、エネルギー貯蔵容量を実質的に減少させることなく、数十年(例えば、30-50年)動作し得る。
【0044】
いくつかの実現例では、本明細書に記載されているエネルギー貯蔵システムは、約10メガワット時(MWh)以上のエネルギー(例えば、15MWh、20MWh、30MWh、50MWh、80MWh、90MWhのような、10MWhと100MWhとの間)を貯蔵し得て、約10MWh以上のエネルギー(例えば、15MWh、20MWh、30MWh、50MWh、80MWh、90MWhのような、10MWhと100MWhとの間)を電力系統に供給し得る。本明細書に記載されているエネルギー貯蔵システムは、時間ごとに、エネルギーを供給し得る(例えば、1MWから6MW以上まで)。しかしながら、他の実現例では、本明細書に記載されているエネルギー貯蔵及び供給システムは、他の適切なエネルギー貯蔵及び供給容量(例えば、1MWh、3MWh、5MWh、等)を有し得る。ある実現例では、エネルギー貯蔵及び供給システムは、オプションとして、1日に、約1000戸以上に、電力を供給し得る。
【0045】
本明細書に記載されているエネルギー貯蔵及び供給システムは、有利には、例えば、太陽光エネルギーシステム、風力エネルギー発電システム(例えば、風力タービン)等のような、再生可能エネルギー(例えば、グリーンエネルギー)発電システムに結び付けられてもよい。有利には、再生可能エネルギー発電システムの動作(例えば、昼間の間の太陽光発電システムの動作、強風時の風力発電システムの動作)の間、エネルギー貯蔵及び供給システムは、再生可能エネルギー発電システムによって発生された電気を取得する。エネルギー貯蔵及び供給システムは、再生可能エネルギー発電システムが動作しない時(例えば、夜間、無風状態の間)、貯蔵された電気を、後で、電力系統に供給し得る。したがって、エネルギー貯蔵及び供給システムは、再生可能エネルギー発電システムに対して、バッテリーのように動作し、時間外の電気を、再生可能エネルギー発電システムから電力系統に供給し得る。
【0046】
上述の実現例では、エネルギー貯蔵及び供給システム100-100D、1430、1440は、ブロック群130、330、930、1330、1130を持ち上げることによって、電気エネルギーを位置エネルギーとして貯蔵し、ブロック群130、330、930、1330、1130を下げることによって、電気を発生する。ある実現例では、エレベーター120、320、820、922、1322、1120は、電力系統からの余剰電力で動作され得る。ブロック群130、330、930、1330、1130を持ち上げるために使用される、エネルギーの単位ごとに対する、エネルギー貯蔵システム100-100D、1430、1440によって回収されるエネルギー量は、オプションとして、80-90パーセントであってもよい。
[追加の実施形態]
本発明の実施形態において、エネルギー貯蔵システム、前記システムを操作する方法、及び前記システムにおいて用いるブロックは、以下の条項のうちのいずれかによるものであり得る。
条項1:エネルギーの貯蔵及び供給システムであって、前記システムは、
1つ以上のモジュールであって、前記1つ以上のモジュールのそれぞれは、
複数のブロック群と、
基礎の上に鉛直高さを有するフレームであって、前記フレームは、
エレベーターシャフトと、
前記エレベーターシャフトにおいて移動可能に配置されたエレベーターであって、前記エレベーターは、その中に1つ以上のブロックを受け入れて支持するように寸法が決められ、前記複数のブロック群のうちの1つ以上を、より低い位置とより高い位置との間で移動させるように動作可能である、エレベーターと、
を備えた、フレームと、
前記エレベーターに結合されたケーブルに、動作可能に結合されたウィンチアセンブリであって、前記ウィンチアセンブリは、1つ以上の遊星歯車アセンブリ、1つ以上のブレーキ、及び前記ケーブルに結合されたスプールを備えた、ウィンチアセンブリと、
を備えた、1つ以上のモジュールと、
電動発電機と、
前記電動発電機に結合された一端と、前記ウィンチアセンブリに結合された反対端とを有するドライブシャフトと、
を備え、
前記ウィンチアセンブリの前記1つ以上のブレーキのうちの少なくとも1つは、前記スプールが回転して前記ケーブルを巻き取り、前記エレベーターを上昇させることによって、前記複数のブロック群のうちの1つ以上を、より低い位置からより高い位置へ移動させることによりエネルギーを貯蔵するように動作可能であり、又は、前記スプールが回転して前記ケーブルを繰り出し、前記エレベーターを降下させることによって、前記複数のブロック群のうちの1つ以上を、より高い位置からより低い位置へ移動させることにより電気を発生するように動作可能である、
エネルギーの貯蔵及び供給システム。
条項2:前記ウィンチアセンブリは、前記ドライブシャフトと同心であるブレーキディスクを備え、
前記1つ以上の遊星歯車アセンブリは、第1遊星歯車アセンブリと第2遊星歯車アセンブリとを含み、
前記第1遊星歯車アセンブリは、軸方向に沿って前記ブレーキディスクと前記第2遊星歯車アセンブリとの間に配置され、
前記第2遊星歯車アセンブリは、前記第1遊星歯車アセンブリと前記スプールとの間で、軸方向に配置され、
前記第1遊星歯車アセンブリは、第1太陽歯車、遊星歯車の第1ペア、及び第1リングギアを含み、
前記第2遊星歯車アセンブリは、第2太陽歯車、遊星歯車の第2ペア、及び第2リングギアを含み、
前記ドライブシャフトは、前記第1太陽歯車、前記第2太陽歯車、及び前記スプールに固定して結合され、
前記ブレーキディスクは、前記遊星歯車の第1ペアに固定して結合され、
前記第1リングギアは、前記遊星歯車の第2ペアに固定して結合される、
条項1に記載のシステム。
条項3:前記1つ以上のブレーキは、前記ブレーキディスクに選択的に係合するように動作可能な第1ブレーキ、前記第1リングギアに選択的に係合するように動作可能な第2ブレーキ、及び、前記第2リングギアに選択的に係合するように動作可能な第3ブレーキを含む、
条項2に記載のシステム。
条項4:前記第1ブレーキを操作して前記ブレーキディスクを解放し、前記第2ブレーキを操作して前記第1リングギアを解放し、及び、前記第3ブレーキを操作して前記第2リングギアに係合することによって、前記スプールの回転を止める、
条項3に記載のシステム。
条項5:前記第1ブレーキを操作して前記ブレーキディスクに係合し、第2ブレーキを操作して前記第1リングギアを解放し、及び、前記第3ブレーキを操作して前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを逆方向に回転させ、前記ケーブルを繰り出すことによって前記エレベーターを降下させる、
条項3-4に記載のシステム。
条項6:前記第1ブレーキを操作して前記ブレーキディスクを解放し、前記第2ブレーキを操作して前記第1リングギアに係合し、及び、前記第3ブレーキを操作して前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを順方向に回転させ、前記ケーブルを巻き取ることによって前記エレベーターを上昇させる、
条項3-5に記載のシステム。
条項7:前記ケーブルに結合されたダンパーをさらに備え、
前記ダンパーは、前記ケーブルに加えられる力の少なくとも一部を吸収するように構成された、
条項1-6のいずれか1項に記載のシステム。
条項8:前記ケーブルに結合されたリニアアクチュエータをさらに備え、
前記リニアアクチュエータは、前記ブロックを持ち上げること又は積み降ろすことを促進するために、伸張又は収縮することによって、前記エレベーターの垂直位置における調節を可能にするように構成された、
条項1-7のいずれか1項に記載のシステム。
条項9:前記1つ以上のモジュールは2つのモジュール群であり、
前記ドライブシャフトは、前記2つのモジュール群のうちの第1モジュールの前記ウィンチに、かつ2つのモジュール群のうちの第2モジュールの前記ウィンチに結合する、
条項1-8のいずれか1項に記載のシステム。
条項10:前記第1モジュールの前記ウィンチと前記第2モジュールの前記ウィンチとは、同時に、前記第1モジュールにおいてブロックを上昇させ、前記第2モジュールにおいてブロックを降下させるように動作可能である、
条項9に記載のシステム。
条項11:前記フレームは、下部デッキと、前記下部デッキより上に、垂直方向に間隔が空けられている上部デッキとを有し、
前記エレベーターシャフトは、前記下部デッキ及び前記上部デッキの間に延びる、前記フレームの左カラム及び右カラムの間に配置された、
条項1-10のいずれか1項に記載のシステム。
条項12:前記エレベーターは、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置から、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置まで上昇させて、1つ以上のブロックを、前記下部デッキの上の前記右カラムにおける位置から、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置に移動させ、それによって、前記1つ以上の、上昇させられたブロック群の位置エネルギー量に相当する、ある量の電気エネルギーを貯蔵するように動作可能であり、
前記エレベーターは、重力の下で、1つ以上のブロックを、前記左カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記左カラム内の位置に降下させて、1つ以上のブロック群を、前記右カラムの上方にある前記上部デッキの上の位置から、前記下部デッキの上の前記右カラム内の位置に移動させ、それによって、前記エレベーターに電気的に結合された前記電動発電機を介して、前記1つ以上の、降下させられたブロック群のそれぞれに対する、ある量の電気を発生させるように動作可能である、
条項11に記載のシステム。
条項13:前記モジュールの、前記フレーム又は基礎に対する平均の荷重分布が、実質的に一定のままであるように、前記エレベーターは、前記下部デッキの上の位置と、前記上部デッキの上の位置との間で、前記複数のブロック群を移動させるように動作可能である、
条項11に記載のシステム。
条項14:前記フレームは、鉄骨鉄筋コンクリート柱からなる、複数のカラムを備えた、
条項1-13のいずれか1項に記載のシステム。
条項15:電気を貯蔵及び発生する方法であって、前記方法は、
エレベーターシャフトに沿ってエレベーターを操作することによって、より低い位置とより高い位置との間で、複数のブロック群を移動させることを含み、
前記エレベーターは、前記エレベーターとウィンチアセンブリのスプールとの間に延びるケーブルに結合され、
前記ウィンチアセンブリは、1つ以上の遊星歯車アセンブリと1つ以上のブレーキとを備え、
前記エレベーターを操作することは、
前記ウィンチアセンブリの第1ブレーキを操作して、前記ウィンチアセンブリのブレーキディスクを解放し、
前記ウィンチアセンブリの第2ブレーキを操作して、第1遊星歯車アセンブリの第1リングギアを解放し、
前記ウィンチアセンブリの第3ブレーキを操作して、第2遊星歯車アセンブリの第2リングギアに係合することによって、前記スプールの回転を止めることと、
前記第1ブレーキを操作して、前記ウィンチアセンブリの前記ブレーキディスクに係合し、
前記第2ブレーキを操作して、前記第1遊星歯車アセンブリの前記第1リングギアを解放し、
前記第3ブレーキを操作して、前記第2遊星歯車アセンブリの前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを逆方向に回転させ、前記ケーブルを繰り出すことによって前記エレベーターを降下させることと、
前記第1ブレーキを操作して、前記ウィンチアセンブリの前記ブレーキディスクを解放し、
前記第2ブレーキを操作して、前記第1遊星歯車アセンブリの前記第1リングギアに係合し、
前記第3ブレーキを操作して、前記第2遊星歯車アセンブリの前記第2リングギアを解放することによって、前記スプールを順方向に回転させ、前記ケーブルを巻き取ることによって前記エレベーターを上昇させることと、
を含む方法。
条項16:前記ブロック群を、前記より低い位置と前記より高い位置との間で移動させることは、前記エレベーターシャフトの両側の左カラム又は右カラムにおける下部デッキの上の位置から、前記左カラム又は右カラムと正対する上部デッキの上の位置の間に、前記ブロック群を移動させること含む、
条項15に記載の方法。
条項17:前記1つ以上のブロックを、前記左カラム又は右カラムにおける前記下部デッキの上の位置と、前記左カラム又は右カラムにおける前記上部デッキの上の位置との間で移動させることは、前記フレームの下又は前記フレームに対する平均の荷重分布が実質的に一定のままであるように、前記ブロック群を配置することを含む、
条項16に記載の方法。
【0047】
本発明のある実施形態が記載されてきたが、これらの実施形態は、例として提示されているのに過ぎず、本開示の範囲を限定することは意図されていない。実際、本明細書に記載された新規の方法及びシステムは、さまざまな他の形態において、具体化され得る。さらに、本明細書に記載されたシステム及び方法におけるさまざまな省略、置換、及び変更は、本開示の精神から逸脱することなく行われ得る。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び精神に包含されるものとしてそのような形態又は改変を含むように意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ規定される。
【0048】
特定の局面、実施形態、又は例に関連して記載された特徴、材料、特性、又はグループは、本開示と矛盾しない限り、本明細書のこの部分又は他の部分に記載された、任意の他の局面、実施形態、又は例に適用可能であると理解されるべきである。そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除き、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示されている特徴の全て、及び/又はそのように開示されている任意の方法又はプロセスのステップの全ては、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。保護は、前述のどの実施形態の詳細にも限定されない。保護は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示されている特徴群のうちの任意の新規な1つのもの、又は任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップ群のうちの任意の新規な1つのもの、又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0049】
さらに、別個の実現例群の文脈において本開示に記載されているある特徴は、単一の実現例においても、組み合わせて実現され得る。逆に、単一の実現例の文脈において記載されているさまざまな特徴は、複数の実現例において別個に実現されてもよいし、又は任意の適切なサブコンビネーションにおいて実現されてもよい。さらに、特徴は、上記では、ある組み合わせにおいて作用するように記載されているかもしれないが、場合によっては、クレームされた組み合わせからの1つ以上の特徴が、当該組み合わせから省略されてもよく、その組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形例としてクレームされてもよい。
【0050】
さらに、操作は、特定の順序で図面に描かれているか、又は特定の順序で明細書に記載されているかもしれないが、そのような操作は、所望の結果を達成するために、示されている特定の順番で実行される必要はなく、一連の順番で実行される必要もなく、全ての操作が実行される必要もない。図示されていない又は記載されていない他の操作が、例示的な方法及びプロセスに包含されてもよい。例えば、1つ以上の追加の操作が、記載されている操作のうちの任意のものの前に、後に、同時に、又はその間に実行され得る。さらに、これら操作は、他の実現例においては、再編成され、又は順序を変更されてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態において、図示されたプロセス及び/又は開示されたプロセスにおいて行われる実際のステップが、図において示されたステップと異なることがあることを理解するであろう。実施形態によっては、上で記載されたステップのうちの特定のステップが削除されてもよく、他のステップが追加されてもよい。さらに、上で開示されている特定の実施形態の特徴及び特性は、追加の実施形態を形成するために、異なる方法で組み合わせられてもよく、それらの全ては、本開示の範囲に含まれる。また、上で記載されている実現例における、さまざまなシステムの構成要素を分離することは、そのような分離が全ての実現例において必要であると理解されるべきではなく、記載されている構成要素及びシステムは、概して単一の製品に共に統合されてもよく、又は複数の製品にまとめられてもよいことが理解されるべきである。
【0051】
本開示の目的のために、本明細書においては、ある局面、利点、及び新規の特徴が記載されている。必ずしも、全てのそのような効果が、任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではない。よって、例えば、当業者であれば、本明細書で教示又は示唆されている他の効果を必ずしも達成せずに、本明細書において教示されているような、ある効果又は一群の効果群を達成するような方法で、本開示が実現又は実行され得ることが理解できるであろう。
【0052】
「できる」、「できた」、「かもしれない」、又は「でもよい」のような条件付き言語は、特段の記載がない限り、又は使用される文脈内で理解されない限り、一般には、特定の実施形態は、ある特徴、要素及び/又はステップを含むが、他の実施形態はそれらを含まないことを伝えるように意図されている。よって、そのような条件付き言語は、一般には、特徴、要素、及び/又はステップが、何らかの形で1つ以上の実施形態に必要であること示唆することを意図したものではなく、1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素、及び/又はステップは任意の特定の実施形態に含まれるか、又は任意の特定の実施形態において実行されるべきかを、ユーザのインプット又は指示の有無にかかわらず決定するためのロジックを必ず含むことを示唆するように意図したものでもない。
【0053】
「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という句のような接続語は、特段の記載がない限り、項目、用語等がX、Y、又はZのいずれかであってよいことを伝えるために、一般に使用されるものとして、文脈に応じて理解される。よって、そのような接続後は、一般には、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つの存在を要求することを示唆するように意図するものではない。
【0054】
本明細書で使用される「ほぼ」、「約」、「一般に」、及び「実質的に」の語のような程度を示す用語は、所望の機能を実行する、又は所望の結果を達成する、記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す。例えば、「ほぼ」、「約」、「一般に」、及び「実質的に」という語は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の範囲内の量を表し得る。別の例として、特定の実施形態において、「概ね平行」及び「実質的に平行」という語は、平行から、15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、又は0.1度以下の誤差で離れている値、量、又は特性を表す。
【0055】
本開示の範囲は、この部分又は本明細書における他の箇所の好ましい実施形態の、特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、この部分又は本明細書における他の箇所で表されるように、請求項によって規定されてもよいし、将来において提示されるものであってもよい。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて、広く解釈されるべきであり、本明細書において又は本願の審査において記載された実施例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的であると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】