(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】識別マークを備えるコンポーネントキャリア
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240125BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H05K1/02 R
H01G2/06 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545383
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2022071660
(87)【国際公開番号】W WO2022161174
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202120247645.0
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520212406
【氏名又は名称】エーティーアンドエス (チョンチン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チュン チエ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チウェイ
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB13
5E338DD32
5E338EE32
(57)【要約】
交互の様式で互いに上方に積層方向に沿って積層される、少なくとも4つの電気絶縁層構造及び少なくとも5つの導電層構造のスタックを備えるコンポーネントキャリアであって、ここで導電層構造の1つがスタックの第1の外側導電層を形成し、ここで導電層構造の別の1つがスタックの第2の外側導電層を形成し、第1の外側導電層及び第2の外側導電層がスタックの対向する外層である、コンポーネントキャリア。コンポーネントキャリアは、検出デバイスにより検出可能な第1の識別マーク、ここで第1の識別マークが第1の外側導電層の最も近くにおいて配置される導電層構造に形成される、検出デバイスにより検出可能な第2の識別マーク、ここで第2の識別マークが第2の外側導電層の最も近くに配置される導電層構造において形成される、をさらに備える。第1の識別マーク及び第2の識別マークは、互いに上方に積層方向に形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互の様式で互いに上方に積層方向に沿って積層される少なくとも4つの電気絶縁層構造及び少なくとも5つの導電層構造のスタック、
ここで前記導電層構造の1つが前記スタックの第1の外側導電層を形成し、前記導電層構造の別の1つが前記スタックの第2の外側導電層を形成し、
ここで前記第1の外側導電層及び前記第2の外側導電層が前記スタックの対向する外層である、
検出デバイスにより検出可能な第1の識別マーク、
ここで前記第1の識別マークが導電層構造に形成される、
検出デバイスにより検出可能な第2の識別マーク、
ここで前記第2の識別マークが導電層構造に形成され、
ここで前記第1の識別マーク及び前記第2の識別マークは、互いに上方に積層方向に形成される、
を備える、コンポーネントキャリア。
【請求項2】
前記第1の識別マークが導電材料のない内側容積部を備える、
請求項1に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項3】
前記第1の識別マークが三角形の形状を備える、
請求項2に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項4】
前記第1の識別マークが矢印の形状を備える、
請求項2に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項5】
前記第1の識別マークが三角形の形状を形成する3つの識別点を備え、
ここで各識別点が、前記導電材料のない内側容積部を備える、
請求項2に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項6】
前記第1の識別マークが前記1つの導電層構造の縁部に形成される、
請求項2から5のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項7】
前記第1の識別マークが前記1つの導電層構造の角部に形成される、
請求項2から5のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項8】
前記第1の識別マーク及び前記第2の識別マークが同一の円周形状を備える、
請求項1から7のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項9】
前記第2の識別マークが導電材料で充填されている、
請求項1に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項10】
前記第2の識別マークが導電材料のない円周経路のみを備える、
請求項9に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項11】
前記第2の識別マークが導電材料のない内側容積部を備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項12】
前記コンポーネントキャリアが、
分離コア層
をさらに備え、
ここで前記分離コア層が一方の側の前記少なくとも1つの電気絶縁層構造及び前記少なくとも1つの導電層構造、及び他方の側の前記少なくとも1つのさらなる電気絶縁層構造及び少なくとも1つのさらなる導電層構造の間に着脱可能に配置される、
請求項1から11のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項13】
前記第1の識別マークが前記第1の外側導電層の最も近くに配置され、及び/又は
前記第2の識別マークが前記第2の外側導電層の最も近くに配置される、
請求項1から12のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項14】
前記コンポーネントキャリアが、
前記第1の外側導電層及び前記第2の外側導電層を除いて他の導電層構造の各々に形成されるさらなる第1の識別マーク及び/又はさらなる第2の識別マーク
をさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項15】
前記コンポーネントキャリアが、
検出デバイスにより検出可能なさらなる識別マーク
をさらに備え、
ここで前記さらなる識別マークが前記第1の外側導電層又は前記第2の外側導電層の最も近くに配置されるそれぞれの導電層構造に形成される、
請求項1から14のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項16】
前記スタックは前記積層方向に平行な鏡面を備え、
ここで前記さらなる識別マークは前記第1の識別マークに関して前記鏡面に関して対向する側に配置される、
請求項15に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項17】
前記スタックは前記積層方向に平行な鏡面を備え、
ここで前記さらなる識別マークは前記第2の識別マークに関して前記鏡面に関して同じ側に配置される、
請求項15に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項18】
前記さらなる識別マークが導電材料のない内側容積部を備える、
請求項15から17のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項19】
さらなる識別マークが、前記第1の外側導電層及び前記第2の外側導電層を除いて他の導電層構造の各々に形成される、
請求項15から18のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項20】
前記さらなる識別マークが三角形の形状を備える、
請求項15から19のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項21】
前記さらなる識別マークが矢印の形状を備える、
請求項15から19のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項22】
前記さらなる識別マークが三角形の形状を形成する3つの識別点を備え、
ここで各識別点が、導電材料のない内側容積部を備える、
請求項15から19のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項23】
前記さらなる識別マークが前記1つの導電層構造の縁部に形成される、
請求項15から18のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項24】
前記さらなる識別マークが前記導電層構造の角部に形成される、
請求項15から18のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項25】
前記さらなる識別マーク、前記第1の識別マーク、及び/又は前記第2の識別マークが同一の円周形状を備える、
請求項15から24のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項26】
前記さらなる識別マークが導電材料で充填されている、
請求項15から17のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項27】
前記第1の識別マーク及び前記第2の識別マークは、前記積層方向に平行な投影法線を有する投影面に、前記第1の識別マーク及び前記第2の識別マークが互いに完全に重なり合う様式で形成される、
請求項1から26のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項28】
前記スタックを覆う前記第1の外側導電層及び/又は前記第2の外側導電層が、特に、3μm及び18μmの間の厚さを有する銅箔である、
請求項1から27のいずれか一項に記載のコンポーネントキャリア。
【請求項29】
交互の様式で互いに上方に積層方向に沿って積層される少なくとも4つの電気絶縁層構造及び少なくとも5つの導電層構造のスタックを形成する段階、
ここで前記導電層構造の1つが前記スタックの第1の外側導電層を形成し、前記導電層構造の別の1つが前記スタックの第2の外側導電層を形成し、
ここで前記第1の外側導電層及び前記第2の外側導電層が前記スタックの対向する外層である、
検出デバイスにより検出可能な第1の識別マークを設ける段階、
前記第1の識別マークを導電層構造に形成する段階、
検出デバイスにより検出可能な第2の識別マークを設ける段階、及び
前記第2の識別マークを導電層構造に形成する段階、
ここで前記第1の識別マーク及び前記第2の識別マークは、互いに上方に積層方向に形成される、
を備える、コンポーネントキャリアを製造する方法。
【請求項30】
分離コア層を形成する段階、
ここで前記分離コア層が一方の側の前記少なくとも1つの電気絶縁層構造及び前記少なくとも1つの導電層構造、及び他方の側の少なくとも1つのさらなる電気絶縁層構造及び少なくとも1つのさらなる導電層構の間に着脱可能に配置される、
をさらに備える、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の識別マーク及び前記第2の識別マークを形成することによって、前記分離コア層を除去する前後にそれぞれの前記コンポーネントキャリアの向きを検出する段階
をさらに備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記分離コア層から分離される前に前記第2の識別マークが前記導電層構造に形成される
請求項30に記載の方法。
【請求項33】
検出デバイスにより検出可能なさらなる識別マークを形成する段階、
ここで前記さらなる識別マークが前記第1の外側導電層又は前記第2の外側導電層の最も近くに配置されるそれぞれの導電層構造において形成され、
ここで前記さらなる識別マークは、前記分離コア層からの分離後、前記導電層構造において形成されるさらなるマークである、
をさらに備える、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別マークを備えるコンポーネントキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
1又は複数のコンポーネントを備えるコンポーネントキャリアの成長する製造品の機能、及びかかるコンポーネントの高まるミニチュア化、並びにプリント回路基板などコンポーネントキャリアに接続されるコンポーネントの数の増加という状況で、複数のコンポーネントを有するいっそう強力になるアレイ様のコンポーネント又はパッケージが採用され、それは複数の接点又は接続があり、それらの接点の間のスペースが次第に小さくなっている。特に、コンポーネントキャリアは、機械的に強固で電気的に信頼できて、厳しい条件下でも動作可能でなくてはならない。コンポーネントキャリア内に統合される機能がますます増え続けている。
【0003】
プリント回路基板(PCB)などの複雑なコンポーネントキャリアを製造する間、コンポーネントキャリアを正確・厳密に位置調整及び回転することが重要である。コンポーネントキャリアを位置調整するために、識別マークをコンポーネントキャリアの層構造の内部に形成することができる。識別マークは、X線検出器などのそれぞれの検出デバイスにより測定され得、ここで識別マークの測定された写真を基にして、コンポーネントキャリアのそれぞれのアラインメントが判定できる。
【0004】
しかしながら、識別マークを備えるそれぞれの層は、製造工程の間、複数のさらなる層により覆われると、識別マークの写真(例えば、識別マーク写真のコントラスト及び外形)がいっそう不明瞭なものになる。
【0005】
そのため、コンポーネントキャリアの適切なアラインメントを設けるために検出デバイスにより適切に判定できる識別マークを設ける必要性がある場合がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の例示的な実施形態によると、コンポーネントキャリアが記載されている。コンポーネントキャリアは、交互の様式で互いに上方に積層方向に沿って積層される少なくとも4つの電気絶縁層構造及び少なくとも5つの導電層構造のスタックを備える。導電層構造の1つがスタックの第1の外側導電層を形成し、導電層構造の別の1つがスタックの第2の外側導電層を形成し、ここで第1の外側導電層及び第2の外側導電層がスタックの対向する外層である。
【0007】
コンポーネントキャリアは、検出デバイスにより検出可能な第1の識別マークをさらに備え、ここで第1の識別マークは導電層構造に形成される。例示的な実施形態では、第1の識別マークは第1の外側導電層の最も近くに配置される導電層構造に形成され、第2の識別マークは検出デバイスにより検出可能で、ここで第2の識別マークは、導電層構造に形成される。例示的な実施形態では、第2の識別マークが、第2の外側導電層の最も近くに配置される導電層構造において形成される。第1の識別マーク及び第2の識別マークは、互いに上方に積層方向に形成される。
【0008】
本発明の例示的な実施形態によると、上に記載のコンポーネントキャリアを製造する方法が記載される。電気絶縁層構造及び少なくとも5つの導電層構造は、交互の様式で互いに上方に積層方向に沿って積層され、導電層構造の1つがスタックの第1の外側導電層を形成し、導電層構造の別の1つがスタックの第2の外側導電層を形成し、ここで第1の外側導電層及び第2の外側導電層がスタックの対向する外層である。さらに、検出デバイスにより検出可能な第1の識別マークは、導電層構造に形成される。例示的な実施形態では、第1の識別マークが、第1の外側導電層の最も近くに配置される導電層構造において形成される。検出デバイスにより検出可能な第2の識別マークは、導電層構造に形成される。例示的な実施形態では、第2の識別マークが、第2の外側導電層の最も近くに配置される導電層構造において形成される。第1の識別マーク及び第2の識別マークは、互いに上方に積層方向に形成される。
【0009】
本願の文脈において、用語「コンポーネントキャリア」は、機械的な支持及び/又は電気的連結性を提供するために、上に及び/又は内部に1又は複数のコンポーネントを収容可能な任意の支持構造を特に示し得る。換言すれば、コンポーネントキャリアは、コンポーネントの機械的及び/又は電子的キャリアとして構成され得る。特に、コンポーネントキャリアは、プリント回路基板、有機インターポーザ、メタルコア基板、無機基板、及びIC(集積回路)基板のうちの1つであってもよい。コンポーネントキャリアはまた、上述のタイプのコンポーネントキャリアのうち異なるものを組み合わせたハイブリッドボードでもあり得る。
【0010】
本願の文脈で、「コンポーネントキャリア材料」という用語は、特に、コンポーネントキャリアの技術において使用されるような、1又は複数の電気絶縁層構造及び/又は1又は複数の導電層構造の接続された構成を示すことができる。より詳細には、かかるコンポーネントキャリア材料は、プリント回路基板(PCB)又はIC基板のために使用される材料であり得る。特に、かかるコンポーネントキャリア材料の導電材料は、銅を備え得る。コンポーネントキャリア材料の電気絶縁性材料は、樹脂、特にエポキシ樹脂を備えることができ、任意選択で、ガラス繊維又はガラス球のなど補強粒子と組み合わされる。
【0011】
実施形態では、コンポーネントキャリアは積層型のコンポーネントキャリアである。かかる実施形態では、コンポーネントキャリアは、スタッキングされ、押圧力及び/又は熱を加えることによって互いに接続された、複数層構造の合成物である。
【0012】
実施形態において、少なくとも1つの電気絶縁層構造は、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレン誘導体(例えば、ポリフェニレンエーテル、PPEに基づく)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び/又はそれらの組み合わせなど樹脂又はポリマーからなる群のうちの少なくとも1つを備える。複合材料を形成するために、例えばガラス(多層ガラス)で作られた、ウェブ、繊維、球体、又は他の種類の充填粒子などの強化構造も使用することができる。強化剤と組み合わせた半硬化樹脂、例えば上述の樹脂を含浸させた繊維は、プリプレグと呼ばれる。これらのプリプレグは、それらの性質にちなんで名付けられる場合が多く、例えばFR4又はFR5は、それらの難燃性を表している。通常、プリプレグ、特にFR4がリジッドPCBには好ましいが、他の材料、特にエポキシ系ビルドアップ材料(ビルドアップフィルムなど)又は光画像形成可能な誘電性材料も使用されてもよい。高周波用途の場合、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、及び/又はシアン酸エステル樹脂などの高周波材料が好ましいことがある。これらのポリマー以外に、低温同時焼成セラミックス(LTCC)又は他の低、超低、もしくは極低DK材料が、電気絶縁性構造としてコンポーネントキャリア内に適用されてもよい。
【0013】
実施形態では、少なくとも1つの導電層構造は、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金、パラジウム、タングステン、及びマグネシウムからなる群の少なくとも1つを備える。銅が通常は好ましいが、他の材料又はそれをコーティングしたもの、特に、それぞれグラフェン又はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)など、超伝導材料又は伝導ポリマーでコーティングされたものも可能である。
【0014】
第1の識別マーク及び第2の識別マークは、互いに上方に積層方向に形成される。そのため、スタックは複数の電気絶縁層構造及び複数の導電層構造で形成することができ、ここでスタックの離れた空間の導電層構造において、それぞれの識別マークが形成される。第1の識別マーク及び第2の識別マークが互いに上方に積層方向で形成される場合、検出デバイスにより取得される識別マークのアラインメントの適切な写真が提示され得る。換言すると、第1の識別マーク及び第2の識別マークは、積層方向に平行な投影法線を有する投影面に、識別マーク及びさらなる識別マークが互いに完全に重なり合う様式で、形成される。
【0015】
識別マークは、導電層構造の1つにおいて形成される。特に、本手法により、識別マークは、それぞれ、外側導電層の最も近くの導電層構造の1つに形成される。そのため、(例えばx線)検出デバイスは、識別マークの円周の形状及び向きをそれぞれ検出するのがより容易になる。
【0016】
例示的な実施形態によると、第1及び第2の識別マークのうちの少なくとも1つは、導電層構造の材料がない内側容積部を備える。例えば、識別マークの内側容積部は、中空で、例えば銅がない。例示的な実施形態では、識別マークの内側容積部は電気絶縁性材料で充填されている。電気絶縁性材料は、ポリプロピレン(PP)などのそれぞれの導電層構造の上部に積層される電気絶縁層構造に類似していてもよい。
【0017】
例示的な実施形態によると、識別マークは三角形の形状を備える。三角形の形状を設けることによって、識別マーク及びコンポーネントキャリアそれぞれの向き及びアラインメントを検出することがより容易になる。
【0018】
さらなる例示的な実施形態によると、識別マークは矢印の形状を備える。矢印の形状を設けることによって、識別マーク及びコンポーネントキャリアそれぞれの向き及びアラインメントを検出することがより容易になる。
【0019】
さらなる例示的な実施形態によると、識別マークは、三角形の形状を形成する3つの識別点を備え、 ここで各識別点は、導電材料のない内側容積部を備える。識別マークの配向はまた、特定の方向が判定され得る様式で、互いに関して配置される、例えば中空の点又は外形(円、楕円形、又は長方形)を設けることによって可能である。例えば、3つの識別点は、仮想的な三角形の角に形成され得る。
【0020】
さらなる例示的な実施形態によると、識別マークは、1つの導電層構造の縁部に形成される。
【0021】
さらなる例示的な実施形態によると、識別マークは、1つの導電層構造の角部に形成される。
【0022】
さらなる例示的な実施形態によると、第1の識別マーク及び前記第2の識別マークが同一の円周形状を備える。例えば、両方の識別マーク、特に第1の識別マーク及び第2の識別マークは、三角形の形状を有するか、又は矢印の形状である。
【0023】
さらなる例示的な実施形態によると、第2の識別マークは導電材料で充填される。例えば、第2の識別マークは、導電材料のない円周状の拡張部又は経路のみを備える。そのため、検出デバイスは識別マークの円周経路のみ検出する。しかしながら、導電材料がない内側容積部を有する第2の識別マーク、及び上に記載されている識別マークは、互いに上方に形成されるため、検出デバイスから取得される写真の両方の識別マークのオーバーレイ及びマッチングそれぞれが検出され得る。
【0024】
さらなる例示的な実施形態によると、第2の識別マークは導電材料がない内側容積部を備える。
【0025】
さらなる例示的な実施形態によると、コンポーネントキャリアは分離コア層をさらに備え、ここで分離コア層は、一方の側の少なくとも1つの電気絶縁層構造及び少なくとも1つの導電層構造、及び他方の側の少なくとも1つのさらなる電気絶縁層構造及び少なくとも1つのさらなる導電層構造の間に着脱可能に配置される。
【0026】
そのため、分離コア層の両方の対向する側で、導電及び電気絶縁層構造のそれぞれのスタックが層ごとに形成され得る。分離コア層の対向する側に配置されるそれぞれの導電層構造において、第1の識別マーク及び第2の識別マークが配置できる。分離コア層の両側にあるそれぞれのスタック部が形成された後、分離コア層は除去でき(例えば、熱又は化学溶液を適用することによる)、2つのスタック部それぞれが、1つの共通の製造/積層段階で形成できる。第1の識別マーク及び第2の識別マークを形成することで、それぞれのコンポーネントキャリアの向きが、分離コア層を除去する前後に検出できる。
【0027】
実施形態において、第1の識別マークは、第1の外側導電層の最も近くに配置され、及び/又は第2の識別マークは、第2の外側導電層の最も近くに配置される。
【0028】
実施形態において、コンポーネントキャリアは、第1及び第2の外側導電層を除いて他の導電層構造の各々に形成されるさらなる第1の識別マーク及び/又はさらなる第2の識別マークをさらに備える。
【0029】
実施形態において、コンポーネントキャリアは、検出デバイスにより検出可能なさらなる識別マークをさらに備え、ここでさらなる識別マークは第1の外側導電層又は第2の外側導電層の最も近くに配置されているそれぞれの導電層構造に形成される。
【0030】
実施形態において、スタックは積層方向に平行な鏡面を備え、ここでさらなる識別マークは第1の識別マークに関して鏡面に関して対向する側に配置される。
【0031】
実施形態において、スタックは積層方向に平行な鏡面を備え、ここでさらなる識別マークは第2の識別マークに関して鏡面に関して同じ側に配置される。
【0032】
実施形態において、さらなる識別マークは、導電材料がない内側容積部を備える。
【0033】
実施形態において、さらなる識別マークは、第1及び第2の外側導電層を除いて他の導電層構造の各々に形成される。
【0034】
実施形態において、さらなる識別マークは、導電材料がない内側容積部を備える。
【0035】
実施形態において、さらなる識別マークは、三角形の形状を備える。
【0036】
実施形態において、さらなる識別マークは、矢印の形状を備える。
【0037】
実施形態において、さらなる識別マークは、三角形の形状を形成する3つの識別点を備え、ここで各識別点が、導電材料のない内側容積部を備える。
【0038】
実施形態において、さらなる識別マークは1つの導電層構造の縁部に形成される。
【0039】
実施形態において、さらなる識別マークは、導電層構造の角部に形成される。
【0040】
実施形態において、さらなる識別マーク、第1の識別マーク、及び/又は第2の識別マークが同一の円周形状を備える。
【0041】
実施形態において、さらなる識別マークは、導電材料で充填されている。
【0042】
実施形態において、さらなる識別マークは、導電材料がない内側容積部を備える。
【0043】
実施形態では、コンポーネントキャリアはプレートとして形作られる。このことは、コンパクトな設計に寄与し、コンポーネントキャリアは、それにもかかわらず、その上でコンポーネントを設置するための大きな土台を提供する。さらに、特に、組み込まれた電子コンポーネントを例として、裸のダイは、その薄い厚さのおかげで、プリント回路基板などの薄いプレートに組み込まれ得るのが好都合である。
【0044】
実施形態では、コンポーネントキャリアは、プリント回路基板、基板(特に、IC基板)、及びインターポーザからなる群の1つとして構成される。
【0045】
本願の文脈において、用語「プリント回路基板」(PCB)は、いくつかの電気絶縁層構造を有するいくつかの導電層構造を、例えば圧力の適用及び/又は熱エネルギーの供給により、積層することにより形成されるプレート形状のコンポーネントキャリアを特に示し得る。PCB技術に好ましい材料として、導電層構造は銅でできており、一方、電気絶縁層構造は、樹脂及び/又はガラス繊維、いわゆる、プリプレグ又はFR4材料を有し得る。様々な導電層構造は、例えばレーザー穴あけ加工又は機械的穴あけ加工によって、積層体を通る穴を形成することにより、またそれらに導電材料(特に、銅)を部分的又は完全に充填することにより、ビア又は他の任意のスルーホール接続を形成することによって、所望の形で互いに接続されてもよい。充填された穴は、全スタックを接続するか(いくつかの層又はスタック全体を通って延在するスルーホール接続)、あるいは充填された穴は、少なくとも2つの導電層を接続し、ビアと呼ばれる。同様に、電気光学回路基板(EOCB)を受容するために、スタックの個々の層を通して光相互接続を形成することができる。プリント回路基板に埋め込まれてもよい1又は複数のコンポーネントとは別に、プリント回路基板は、通常、プレート状のプリント回路基板の一方又は両方の対向面上に1もしくは複数のコンポーネントを受け入れるように構成される。それらは、はんだ付けによってそれぞれの主表面に接続し得る。PCBの誘電体部が、強化繊維(ガラス繊維など)を有する樹脂で構成されてよい。
【0046】
本願の文脈において、用語「基板」は、具体的には、小さなコンポーネントキャリアを意味し得る。基板は、PCBに関して、1又は複数のコンポーネントを取り付け得、1又は複数の小片及び別のPCBの間の接続媒体として機能し得る比較的小さなコンポーネントキャリアであり得る。例えば、基板は、(例えば、チップスケールパッケージ(CSP)の場合)その上に実装されるコンポーネント(特に、電子コンポーネント)と実質的に同じサイズを有してもよい。より詳細には、基板は、電気的接続又は電気ネットワークのためのキャリア、及びプリント回路基板(PCB)に匹敵するコンポーネントキャリアとして理解され得るが、水平及び/又は垂直に配置された接続の密度がかなり高くなる。横方向接続は、例えば導電路であり、縦方向接続は、例えばドリル穴であってもよい。これらの横方向及び/又は縦方向の接続部は基板内に配置されて、収納コンポーネント又は非収納コンポーネント(ベアダイなど)、特にICチップの、プリント回路基板又は中間プリント回路基板との電気的、熱的、及び/又は機械的な接続を提供するために使用され得る。したがって、用語「基板」には「IC基板」も含まれる。基板の誘電体部分は、(強化スフィア、特にガラス球などの)強化粒子を有する樹脂で構成されてもよい。
【0047】
基板又はインターポーザは、少なくともガラス、シリコン(Si)、及び/又はエポキシベースのビルドアップ材料(エポキシベースのビルドアップフィルムなど)のようなフォトイメージャブル又はドライエッチング可能な有機材料、又はポリイミド又はポリベンゾオキサゾールのような高分子化合物(光分子及び/又は感熱分子を含み得るか、又は含み得ない)の層を有し得るか、又はそれらからなり得る。
【0048】
少なくとも1つのコンポーネントは、コンポーネントキャリアに埋め込まれていても、及び/又はコンポーネントキャリアに実装された表面であってもよい。かかるコンポーネントは、非導電性インレイ、導電性インレイ(好ましくは銅もしくはアルミニウムを備える、金属インレイなど)、伝熱ユニット(例えば、ヒートパイプ)、導光素子(例えば、光導波路もしくは導光体接続)、電子コンポーネント、又はそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。インレイは、例えば、絶縁材料コーティング(IMSインレイ)を有するか又は有さない、金属ブロックであることができ、埋め込むか又は放熱を促進する目的で表面実装することができる。好適な材料は、少なくとも2W/mKであるべきである、それらの伝熱性にしたがって規定される。そのような材料は、多くの場合、限定されないが、例えば、銅、酸化アルミニウム(Al2O3)、又は窒化アルミニウム(AlN)のような、金属、金属酸化物、及び/又はセラミックをベースとしている。熱交換能力を向上させるために、表面積を増加させた他の幾何学形状も使用される場合が多い。さらに、コンポーネントは、能動式電子コンポーネント(少なくとも1つのp-n接続を実装)、受動式電子コンポーネント、例えば抵抗器、インダクタンス、又はコンデンサ、電子チップ、ストレージデバイス(例えば、DRAM又は別のデータメモリ)、フィルタ、集積回路(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、ジェネリックアレイロジック(GAL)、及び複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD))、信号処理コンポーネント、電源管理コンポーネント(例えば、電界効果トランジスタ(FET)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、接合型電界効果トランジスタ(JFET)、又は絶縁ゲート電界効果トランジスタ(IGFET)、炭化ケイ素(SiC)、ガリウム砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga2O3)、インジウムガリウム砒素(InGaAs)などの半導体材料をベースとしているすべてのもの、及び/又は他のいずれかの適切な無機化合物)、光電子インターフェース要素、発光ダイオード、フォトカプラ、電圧コンバータ(例えば、DC/DCコンバータ又はAC/DCコンバータ)、暗号コンポーネント、送信機及び/又は受信機、電気機械変換器、センサ、アクチュエータ、微小電気機械システム(MEMS)、マイクロプロセッサ、コンデンサ、抵抗器、インダクタンス、バッテリー、スイッチ、カメラ、アンテナ、ロジックチップ、及びエネルギーハーベスティングユニットであってよい。しかし、他のコンポーネントをコンポーネントキャリアに埋め込み得る。例えば、磁性素子コンポーネントとして使用できる。かかる磁気素子は、永久磁性素子(強磁性素子、反強磁性素子、マルチフェロイック素子、もしくはフェリ磁性素子、例えばフェライトコアなど)であってもよく、又は常磁性素子であってもよい。しかしながら、コンポーネントはまた、IC基板、インターポーザ、又は例えば基板内基板(board-in-board)構成の、さらなるコンポーネントキャリアであってもよい。コンポーネントは、コンポーネントキャリアに表面実装されてもよく、及び/又はその内部に埋め込まれてもよい。さらには、他のコンポーネント、特に、電磁放射線を生成及び放出する、及び/又は、環境から伝搬する電磁放射線に対して敏感である、他のコンポーネントも、コンポーネントとして使用されてよい。
【0049】
コンポーネントキャリアの内部層構造を加工した後、処理された層構造の一方又は両方の対向する主表面を、1又は複数のさらなる電気絶縁層構造及び/又は導電層構造で対称的又は非対称的に(具体的には積層によって)覆うことが可能である。換言すれば、ビルドアップは、所望の数の層が得られるまで継続されてもよい。
【0050】
電気絶縁層構造及び導電層構造のスタックの形成が完了した後、得られた層構造又はコンポーネントキャリアの表面処理を進めることが可能である。
【0051】
具体的には、電気絶縁ソルダーレジストは、表面処理に関して層スタック又はコンポーネントキャリアの一方又は両方の対向する主表面に塗布され得る。例えば、かかるはんだレジストを主面全体上に形成し、続いてはんだレジストの層をパターニングして、コンポーネントキャリアを周辺電子機器に電気的に結合するのに使用されるべき1又は複数の導電性表面部分を露出させることが可能である。ソルダーレジストで被覆されたままであるコンポーネントキャリアの表面部は、酸化又は腐食、特に銅を含む表面部に対して効率的に保護してもよい。
【0052】
表面処理に関して、コンポーネントキャリアの露出した導電性表面部分に選択的に表面仕上げを適用することも可能である。そのような表面仕上げは、コンポーネントキャリアの表面上の露出した導電層構造(例えばパッド、導電トラックなどのような、特に銅を含む又は銅からなる)上の導電性カバー材料であり得る。そのような露出した導電層構造が保護されないままである場合、露出した導電性のコンポーネントキャリア材料(特に銅)が酸化し、コンポーネントキャリアの信頼性を低下させる可能性がある。次いで、表面仕上げは、例えば、表面実装コンポーネント及びコンポーネントキャリアの間の界面として形成され得る。表面仕上げは、露出した導電層構造(特に銅回路)を保護し、例えば、はんだ付けによって、1又は複数のコンポーネントとの接合工程を可能にする機能を有する。表面仕上げに適切な材料の例は、有機はんだ付け性防腐剤(OSP)、無電解ニッケルめっき置換金めっき(Electroless Nickel Immersion Gold)(ENIG)、無電解ニッケルめっき無電解パラジウムめっき置換金めっき(Electroless Nickel Immersion Palladium Immersion Gold)(ENIPIG)、金(特に硬質金)、化学錫、ニッケル金、ニッケルパラジウムなどである。
【0053】
本発明の上記で定義された態様及びさらなる態様は、以下に説明される実施形態の例から明らかであり、実施形態のこれらの例を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】従来の識別マーカを有する従来のコンポーネントキャリアの概略図を示す。
【0055】
【
図2】例示的な実施形態による分離コア層及び識別マークを備えるコンポーネントキャリアの概略図を示す。
【0056】
【
図3】例示的な実施形態による、3つの識別マークを備えるコンポーネントキャリアの概略図を示す。
【0057】
【
図4】例示的な実施形態による、互いに上方に積層方向に沿って配置される3つの識別マークを備えるコンポーネントキャリアの概略図を示す。
【0058】
【
図5】例示的な実施形態による、矢印の形状の識別マークの概略図を示す。
【0059】
【
図6】例示的な実施形態による、3つの点により形成される識別マークの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図面における図示は、概略図である。異なる図面において、類似又は同一の要素には、同じ参照符号が与えられる。
【0061】
図1は、従来の識別マーカ1001、1002を有する従来のコンポーネントキャリア1000の概略図を示す。
【0062】
従来のコンポーネントキャリア1000は、交互の様式で互いの上方に積層方向104に沿って積層される導電材料で作られた電気絶縁層構造102及び導電層構造103、106のスタック101を備える。
【0063】
従来の識別マーク1001は、導電層構造103(上側層L6、内側のパターンミラー)において三角形の形状で形成されている。さらなる従来の識別マーク1002が、導電層構造106(下側層L6)において三角形の形状で形成されている。識別マーカ1001、1002は、導電材料で充填されている。従来の識別マーク1001、1002は、両者とも、積層方向104に沿って互いの上方に配置されず、積層方向104に沿って互いに対してオフセットしている。さらに、従来の識別マーク1001、1002は、鏡映対称であり、上側層L6及び下側層L6において同じパターンを有する。(例えばx線)検出デバイスは、それぞれの写真110を取得し、円周の形状及び識別マーク107の向きをそれぞれ検出する。
【0064】
外側を覆う導電層構造103、106(L7)は、3μm及び18μmの間の厚さを有し得る銅箔キャリアであり得る。厚い外側を覆う導電層構造103、106(L7)により、それは検出デバイス(例えばx線検出デバイス)の写真110のコントラストに影響する。それぞれの写真110におけるx線光源及びコントラストを調整することを以ってしても、コア分離の前に異なる方向に向いていた両側の三角形の識別マーカ1001、1002は、方向の識別に影響する。
【0065】
図2は、例示的な実施形態による、分離コア層109及び識別マーク107、108を備えるコンポーネントキャリア100の概略図を示す。
【0066】
コンポーネントキャリア100は、交互の様式で互いに上方に積層方向104に沿って積層される、導電材料で作られた4つの電気絶縁層構造102及び少なくとも1つの導電層構造103、106のスタック101を備える。導電層構造103、106の1つがスタック101の第1の外側導電層111を形成し、導電層構造103、106の別の1つがスタック101の第2の外側導電層112を形成し、ここで第1の外側導電層111及び第2の外側導電層112がスタック101の対向する外層である。第1の識別マーク107は、検出デバイスにより検出可能に形成される。第1の識別マーク107が、第1の外側導電層111の最も近くに配置される導電層構造103において形成される。追加的に、さらなる第1の識別マーク107及び/又は第2の識別マーク108はまた、外側導電層111、112を除いて他の導電層構造103、106の各々において形成され得る。
【0067】
さらに、第2の識別マーク108は検出デバイスにより検出可能に形成され、ここで第2の識別マーク108が第2の外側導電層112の最も近くに配置される導電層構造106において形成される。第1の識別マーク107及び第2の識別マーク108は、互いに上方に積層方向104に形成される。
【0068】
第1の識別マーク107及び/又は第2の識別マーク108は、導電材料がない内側容積部を備える。識別マーク107、108はそれぞれの導電層構造103、106の平面に沿って延在し、それぞれの導電層構造103、106の平面の法線に平行なそれぞれの法線を備える。
【0069】
図の識別マーク107、108の形を示すために、図の識別マーク107、108は、90°傾けて示している。さらに、導電層103、106が、層番号L4からL8により表されている。
【0070】
識別マーク107、108は、それぞれ外側導電層111、112の最も近くの導電層構造103、106(層L6、内側のパターンのミラー)の1つに少なくとも形成される。特に、例えば識別マーク107は、導電層構造の材料がない内側容積部を備える。例えば、識別マーク107の内側容積部は、中空で、例えば銅がない。電気絶縁性材料は、それぞれの導電層構造103の上部に積層される電気絶縁層構造102に類似していてもよい。(例えばx線)検出デバイスは、それぞれの写真110を取得し、円周の形状及び識別マーク107の向きをそれぞれ検出する。
【0071】
導電層構造103、106(L7)を覆うものは、3μm及び18μmの間の厚さを有し得る銅箔であり得る。
【0072】
第1の識別マーク107及び第2の識別マーク108は、互いに上方に積層方向104に形成される。そのため、スタック101は、複数の電気絶縁層構造102、105及び複数の導電層構造103、106で形成されてよく、ここでスタック101の離れた空間の導電層構造103、106において、それぞれの識別マーク107、108が形成される。第1の識別マーク107及び第2の識別マーク108が互いに上方に積層方向104で形成される場合、検出デバイスにより取得される識別マーク107、108のアラインメントの適切な写真110が提示され得る。
【0073】
識別マーク107、108は、示されている例で同一の三角形の形状を備える。換言すると、第1の識別マーク107及び第2の識別マーク108は、積層方向104に平行な投影法線を有する投影面に、第1の識別マーク107及び第2の識別マーク108が互いに完全に重なり合う様式で、形成される。
【0074】
コンポーネントキャリア100は、分離コア層109をさらに備え、ここで分離コア層109は、一方の側の中央の導電層構造103(L5)、及び他方の側のさらなる導電層構造106(L5)の間に着脱可能に配置される。分離コア層109の両方の対向する側で、導電層構造103、106及び電気絶縁層構造102、105で作られるスタック101のそれぞれのスタック部が層ごとに形成され得る。分離コア層109の対向する側に配置されるそれぞれの導電層構造103、106において、第1の識別マーク107及び第2の識別マーク108が形成できる。分離コア層109の両側にあるそれぞれのスタック部が形成された後、2つのスタック部が、1つの共通の製造/積層段階で形成できるように、分離コア層109は除去できる。識別マーク107、108を形成することで、それぞれのコンポーネントキャリア100の向きが、分離コア層109を除去する前後に検出できる。
【0075】
図2で、3つの導電層構造103、106(L5、L6、及びL7)は、銅の層である。識別マーク107、108は伝導層構造L6に形成される、なぜならこれらの層構造L6でパターンの工程がなされ、識別マーク107、108がかかるそれぞれパターンの工程において形成できるからである。分離コア層109に最も近い伝導層構造103、106、つまりL5、及び上部外側伝導層111、112、つまりL7において、分離コア層109から分離する前にパターンの工程は成し遂げられない。
【0076】
図3は、例示的な実施形態による、3つの識別マーク107、301を備えるコンポーネントキャリア100の概略図を示す。伝導層構造L5、L6、及びL7を備えるスタック101は、
図2のスタック101の上側部分のフリップスタック部である。第1の識別マーク107は、
図2の第1の識別マーク107と同じものであり、それは分離コア層109から分離される前に導電層構造103(L6)において形成され得るが、
図3の第3の識別マーク301は分離後導電層構造L5及びL7において形成されるさらなるマークである。第3の識別マーク301は同じ外形、例えば三角形の外形を有することができ、互いに上方に積層方向104に形成され、
図2に示す第1及び第2の識別マーク107、108と類似している。スタック101は積層方向104に平行な鏡面201を備え、ここでさらなる識別マーク301は第1の識別マーク107に関して鏡面201に関して対向する側に配置される。
【0077】
図3に示すコンポーネントキャリア100は、さらなる電気絶縁層構造102、105、及びさらなる外側導電層302(L4、L8)を外側導電層111(L5、L7)の上部に積層することによって形成できる。識別マーク107は、
図2の上側スタック部のフリップにより右側に配置され、依然として、今やスタック101の中心にある導電層構造103(L6)に形成されている。そのため、中央の識別マーク107は検出デバイスの写真110においてほとんど見えないが、追加的なさらなる識別マーク301は、さらなる外側導電層302(L4、L8)、したがってスタック101の表面の最も近くに配置される導電層構造103、106(L5、L7)に形成される。そのため、検出デバイスの写真110におけるさらなる識別マーク301の形の形状表現が可能である。さらなる識別マーク301は、導電材料がない内側容積部を備え得る。追加的に、さらなる識別マーク301はまた、外側導電層111、112を除いて他の導電層構造103、106の各々に形成され得る。
【0078】
図4は、例示的な実施形態による、互いに上方に積層方向104に沿って配置される3つの識別マーク108、301を備えるコンポーネントキャリアの概略図を示す。
図4に示すコンポーネントキャリア100は、さらなる電気絶縁層構造102、105、及びさらなる外側導電層302(L4、L8)を外側導電層112(L5、L7)の上部に積層することによって形成できる。
【0079】
伝導層構造L5、L6、及びL7を備えるスタック101は、
図2のスタック101の下側部分のスタック部である。第2の識別マーク108は、
図2の第2の識別マーク108と同じものであり、それは分離コア層109から分離される前に導電層構造103(L6)に形成され得るが、
図4の第3の識別マーク301は分離後導電層構造L5及びL7において形成されるさらなるマークである。第3の識別マーク301は同じ外形、例えば三角形の外形を有することができ、互いに上方に積層方向104に形成され、
図2に示す第1及び第2の識別マーク107、108と類似している。スタック101は積層方向104に平行な鏡面201を備え、ここでさらなる識別マーク301は第2の識別マーク108に関して鏡面201に関して同じ側に配置される。追加的に、さらなる識別マーク301はまた、外側導電層111、112を除いて他の導電層構造103、106の各々に形成され得る。
【0080】
導電材料がない内側容積部を有する、第2の識別マーク108及び第3の識別マーク301は、互いに上方に形成され、検出デバイスにより取得される写真110のすべての識別マーク108、301のオーバーレイ及びマッチングそれぞれが検出され得る。
【0081】
図5は、例示的な実施形態による、矢印の形状の第1の識別マーク107の概略図を示す。第1の識別マーク107は、矢印の形状を備える。第2及び第3の識別マーク108、301はまたそれぞれの形を有することができる。
【0082】
図6は、例示的な実施形態による、3つの点により形成される識別マーク107の概略図を示す。3つの識別点は三角形の形状を形成し、ここで各識別点が、導電材料のない内側容積部を備える。例えば、3つの識別点は、識別マーク107を形成するために仮想的な三角形の角に形成され得る。第2及び第3の識別マーク108、301はまたそれぞれの形を有することができる。
【0083】
用語「備える」が他の素子又はステップを排除しないこと、及び「a」又は「an」が複数を排除しないことを留意されたい。また、異なる実施形態に関連して説明した要素を組み合わせてもよい。
【0084】
また、請求項における参照符号は、請求項の範囲を限定すると解釈されるものではないことを留意されたい。
【0085】
本発明の実装は、図に示され、上記される好ましい実施形態に限定されるものではない。代わりに、根本的に異なる実施形態の場合にも、示される解決手段及び本発明に係る原理を使用する多数の変形が可能である。
【符号の説明】
【0086】
100 コンポーネントキャリア
101 スタック
102 電気絶縁層構造
103 導電層構造
104 積層方向
105 さらなる電気絶縁層構造
106 さらなる導電層構造
107 識別マーク
108 第2の識別マーク
109 分離コア層
110 x線写真
111 第1の外側導電層
112 第2の外側導電層
201 鏡面
301 第3の、さらなる識別マーク
302 さらなる外側導電層
【国際調査報告】