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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】家具駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 1/12 20060101AFI20240125BHJP
   E05F 1/14 20060101ALI20240125BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
E05F1/12
E05F1/14 A
A47B55/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545731
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 AT2022060022
(87)【国際公開番号】W WO2022159996
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】A50040/2021
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クラウス クレス
【テーマコード(参考)】
2E050
3B067
【Fターム(参考)】
2E050AA01
2E050BA03
2E050CA04
2E050EA02
2E050EB02
3B067AA00
3B067AA05
3B067AA11
(57)【要約】
家具キャビネット(2)に対して相対的に家具部分(3)を可動に支持するための家具駆動装置(4)であって、家具キャビネット(2)にかつ/または家具キャビネット(2)内に固定するための少なくとも1つの基体(9)と、可動の家具部分(3)に固定するための少なくとも1つの調整アーム(5)と、少なくとも1つの基体(9)に少なくとも1つの調整アーム(5)をロックするための少なくとも1つのロック装置(38)であって、少なくとも1つの調整アーム(5)が少なくとも1つの基体(9)にロックされているロック位置と、少なくとも1つの調整アーム(5)が少なくとも1つの基体(9)から取外し可能である取外し位置との間で可動である少なくとも1つのロック要素(38c)を備える少なくとも1つのロック装置(38)と、少なくとも1つのロック要素(38c)をロック位置から出発して取外し位置に運動させることができる、好ましくは工具(10)を用いて操作可能な少なくとも1つの操作装置(11)とを備え、家具駆動装置(4)は、操作装置(11)の操作時に、ロック位置から出発して取外し位置への少なくとも1つのロック要素(38c)の運動を阻止する少なくとも1つの解除可能な安全装置(19)を有する、家具駆動装置(4)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具キャビネット(2)に対して相対的に家具部分(3)を可動に支持するための家具駆動装置(4)であって、
- 前記家具キャビネット(2)にかつ/または前記家具キャビネット(2)内に固定するための少なくとも1つの基体(9)と、
- 可動の前記家具部分(3)に固定するための少なくとも1つの調整アーム(5)と、
- 前記少なくとも1つの基体(9)に前記少なくとも1つの調整アーム(5)をロックするための少なくとも1つのロック装置(38)であって、前記少なくとも1つの調整アーム(5)が前記少なくとも1つの基体(9)にロックされているロック位置と、前記少なくとも1つの調整アーム(5)が前記少なくとも1つの基体(9)から取外し可能である取外し位置との間で可動である少なくとも1つのロック要素(38c)を備える少なくとも1つのロック装置(38)と、
- 前記少なくとも1つのロック要素(38c)を前記ロック位置から出発して前記取外し位置に運動させることができる、好ましくは工具(10)を用いて操作可能な少なくとも1つの操作装置(11)と
を備える、家具駆動装置(4)において、
前記家具駆動装置(4)は、前記操作装置(11)の操作時に、前記ロック位置から出発して前記取外し位置への前記少なくとも1つのロック要素(38c)の運動を阻止する少なくとも1つの解除可能な安全装置(19)を有する
ことを特徴とする、家具駆動装置(4)。
【請求項2】
前記解除可能な安全装置(19)は、少なくとも1つの当付け輪郭部(19a)を備え、前記当付け輪郭部(19a)は、前記少なくとも1つの調整アーム(5)に対する重力の影響下で、場合により、前記少なくとも1つの調整アーム(5)に固定することができる前記家具部分(3)の重量によって、前記少なくとも1つのロック要素(38c)に当付け可能である、請求項1記載の家具駆動装置(4)。
【請求項3】
- 前記少なくとも1つの当付け輪郭部(19a)は、前記重力に抗した前記少なくとも1つの調整アーム(5)の運動によって前記少なくとも1つのロック要素(38c)から離反可能であり、かつ/または
- 前記少なくとも1つの当付け輪郭部(19a)は、前記少なくとも1つのロック要素(38c)を少なくとも部分的に配置することができる少なくとも1つの凹部(19c)を備え、かつ/または
- 前記少なくとも1つの調整アーム(5)は、前記可動の家具部分(3)が固定可能である第1の端部と、前記少なくとも1つの当付け輪郭部(19a)が配置された第2の端部とを有する
ことを特徴とする、請求項2記載の家具駆動装置(4)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのロック要素(38c)は、ガイド(30)においてかつ/またはガイド(30)に沿って前記ロック位置と前記取外し位置との間で可動であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の家具駆動装置(4)。
【請求項5】
前記ガイド(30)は、
- 少なくとも部分的に長孔として形成されており、かつ/または
- 前記基体(9)に、好ましくは前記基体(9)の回動可能な調整部分(22)に配置されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つのロック要素(38c)を少なくとも部分的に配置することができる少なくとも1つの凹部(19c)を備える
ことを特徴とする、請求項4記載の家具駆動装置(4)。
【請求項6】
前記操作装置(11)は、
- 前記少なくとも1つの調整アーム(5)の開放位置で操作可能であり、かつ/または
- 前記家具駆動装置(4)の取付け位置で前記家具駆動装置(4)の、使用者に向けられた端面に配置されており、かつ/または
- 工具(10)を導入するための少なくとも1つの開口(11a)を有し、前記少なくとも1つのロック要素(38c)は、前記開口(11a)を通して導入された前記工具(10)を用いて操作可能である
ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の家具駆動装置(4)。
【請求項7】
- 前記少なくとも1つのロック装置(38)は、前記調整アーム(5)に配置された少なくとも1つの固定部分(38a)を有し、前記固定部分(38a)は、前記家具駆動装置(4)の前記基体(9)内に掛込み可能かつ/または押込み可能であり、かつ/または
- 前記少なくとも1つのロック装置(38)は、前記調整アーム(5)に配置された少なくとも1つの固定部分(38a)を有し、前記固定部分(38a)は、前記調整アーム(5)のロックされた位置で前記少なくとも1つのロック要素(38c)と前記家具駆動装置(4)のガイド要素(39)との間に収容されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つのロック装置(38)は、前記少なくとも1つのロック要素(38c)を前記ロック位置の方向に押圧することができる少なくとも1つのばね(25)を有し、かつ/または
- 前記少なくとも1つのロック装置(38)の前記少なくとも1つのロック要素(38c)は、好ましくは円筒状のピンとして形成されている
ことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の家具駆動装置(4)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの基体(9)と前記少なくとも1つの調整アーム(5)との間の解除可能なロックのための、少なくとも2つの互いに別体のロック装置(37,38)が設けられており、好ましくは、前記少なくとも1つの調整アーム(5)は、前記少なくとも1つの基体(9)に少なくとも2つの互い別体の回動軸(7a,7b)を中心にして旋回可能であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の家具駆動装置(4)。
【請求項9】
前記家具駆動装置(4)は、好ましくは少なくとも1つのコイルばねを備えた、好ましくは前記基体(9)に支持された少なくとも1つの蓄力器(12)を有し、前記調整アーム(5)に固定することができる前記家具部分(3)の重量を補償するために、前記蓄力器(12)を介して前記少なくとも1つの調整アーム(5)に力を加えることができることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の家具駆動装置(4)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの蓄力器(12)に蓄力可能な力を前記調整アーム(5)に伝達することができる伝達機構(17)が設けられており、好ましくは、前記伝達機構(17)は、
- 少なくとも1つの中間レバー(13)を備え、好ましくは、前記少なくとも1つの蓄力器(12)は、好ましくは調整可能な作用箇所(14)を介して前記少なくとも1つの中間レバー(13)に結合されており、かつ/または
- 少なくとも1つの押圧片(15)、好ましくは回動可能な押圧ローラと、前記少なくとも1つの押圧片(15)を前記調整アーム(5)の運動時に移動可能に支持することができる少なくとも1つの調整輪郭部(16)とを備え、好ましくは、前記少なくとも1つの押圧片(15)は、前記伝達機構(17)の少なくとも1つの中間レバー(13)に配置されているかまたは配置可能であり、前記少なくとも1つの調整輪郭部(16)は、前記調整アーム(5)に配置されているかまたは配置可能であり、または逆の配置形態も可能である
ことを特徴とする、請求項9記載の家具駆動装置(4)。
【請求項11】
前記家具駆動装置(4)は、前記少なくとも1つの調整アーム(5)に対する前記蓄力器(12)の力を調整することができる力調整装置(18)を有し、好ましくは、前記力調整装置(18)は、
- 少なくとも1つの回動可能に支持された調整ホイール(18a)を有し、前記調整アーム(5)に対する前記蓄力器(12)の、前記少なくとも1つの調整アーム(5)に作用する力は、前記調整ホイール(18a)の回動によって調整可能であり、かつ/または
- 少なくとも1つのねじ山付きスピンドル(18b)を有し、前記ねじ山付きスピンドル(18b)に沿って、前記蓄力器(12)の前記作用箇所(14)は、前記力調整装置(18)の操作時に可動であり、かつ/または
- 前記基体(9)は、少なくとも1つの端面開口(9c)を備えた端面を有し、前記端面開口(9c)を前記少なくとも1つの調整アーム(5)は開放位置で貫通しており、前記力調整装置(18)の調整ホイール(18a)は、前記端面に対して横方向から前記端面開口(9c)を通して操作可能である
ことを特徴とする、請求項9または10記載の家具駆動装置(4)。
【請求項12】
前記調整アーム(5)は、
- 前記基体(9)に掛込み可能または押込み可能な少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの固定部分(37a,38a)を有し、かつ/または
- 互いに枢動自在に結合された少なくとも2つ以上のレバー(5a,5b,5c)を備え、かつ/または
- 少なくとも1つの屈曲されたレバー(5c)を備え、好ましくは、前記屈曲されたレバー(5c)の2つの部分片(36a,36b)が、互いに相対的に実質的に90°の角度を成しており、かつ/または
- 少なくとも1つのレバー(5c)を有し、前記レバー(5c)に固定接続箇所(35)が形成されており、前記固定接続箇所(35)を介して、前記可動の家具部分(3)は、前記調整アーム(5)に、好ましくは解離可能に固定可能である
ことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の家具駆動装置(4)。
【請求項13】
前記調整アーム(5)は、閉鎖位置と最大の開放位置との間で可動であり、前記調整アーム(5)は、前記閉鎖位置で少なくとも部分的に前記家具駆動装置(4)の前記基体(9)の内部に配置されていることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の家具駆動装置(4)。
【請求項14】
前記家具駆動装置(4)は、少なくとも1つの可動の、好ましくは回動軸(7a)を中心にして回動可能な調整部分(22)を有し、前記調整アーム(5)の1つのレバー(5a,5b,5c)が、前記少なくとも1つの調整部分(22)に解離可能に結合可能であることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の家具駆動装置(4)。
【請求項15】
家具(1)であって、家具キャビネット(2)と、前記家具キャビネット(2)に対して相対的に可動に支持された家具部分(3)と、請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具駆動装置(4)とを備え、前記少なくとも1つの家具駆動装置(4)の前記基体(9)は、前記家具キャビネット(2)に、好ましくは前記家具キャビネット(2)の側壁内にかつ/または前記家具キャビネット(2)の側壁に固定されており、前記可動に支持された家具部分(3)は、好ましくは固定接続箇所(35)を介して前記少なくとも1つの家具駆動装置(4)の前記調整アーム(5)に固定されている、家具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具キャビネットに対して相対的に家具部分を可動に支持するための家具駆動装置であって、
- 家具キャビネットにかつ/または家具キャビネット内に固定するための少なくとも1つの基体と、
- 可動の家具部分に固定するための少なくとも1つの調整アームと、
- 少なくとも1つの基体に少なくとも1つの調整アームをロックするための少なくとも1つのロック装置であって、少なくとも1つの調整アームが少なくとも1つの基体にロックされているロック位置と、少なくとも1つの調整アームが少なくとも1つの基体から取外し可能である取外し位置との間で可動である少なくとも1つのロック要素を備える少なくとも1つのロック装置と、
- 少なくとも1つのロック要素をロック位置から出発して取外し位置に運動させることができる、好ましくは工具を用いて操作可能な少なくとも1つの操作装置と
を備える、家具駆動装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は、家具であって、家具キャビネットと、家具キャビネットに対して相対的に可動に支持された家具部分と、以下に記載する形態の少なくとも1つの家具駆動装置とを備える、家具に関する。
【0003】
基体と、基体に解離可能に固定することができる調整アームとを備えた家具駆動装置は、例えば国際公開第2006/053352号に開示されている。基体と調整アームとが互いに別個に構成されていることには、家具駆動装置の構造寸法が2つのアセンブリに分割されており、様々な型式の基体と様々な型式の調整アームとを互いに組み合わせることができるという特別な利点がある。
【0004】
公知の構造の欠点としては、基体と調整アームとの間のロックの解除時に、使用者が、調整アームに結合された家具部分の突然自由になる重量によって驚かされ、家具部分が固定されている調整アームをもはや保持することができなくなるリスクもあるということが挙げられる。このことは、家具部分の落下や損傷、取付け者の怪我および物品の損傷に繋がる恐れがある。
【0005】
本発明の課題は、冒頭に述べた形態の家具駆動装置を改良して、上述した欠点を回避して、特に使用者に対する安全性を高めることである。
【0006】
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。本発明の更なる有利な実施例は、従属請求項に記載してある。
【0007】
本発明によれば、家具駆動装置が、操作装置の操作時に、ロック位置から出発して取外し位置への少なくとも1つのロック要素の運動を阻止する少なくとも1つの解除可能な安全装置を有することが特定されている。
【0008】
言い換えると、たとえ操作装置が、取外し位置へのロック要素の運動のために、例えば工具を用いて操作される場合でも、ロックの解除を阻止する解除可能な安全装置が設けられている。つまり、基体と調整アームとの間の切離しを成功裏に行うためには、使用者による少なくとも1つの別のアクションが必要である。
【0009】
この別のアクションは、例えば基体に対する調整アームの付加的な相対運動、特に上昇運動であってよい。調整アームの、使用者によって実施される付加的な(好ましくは開放方向への)相対運動によって初めて、取外し位置へのロック要素の運動が可能になる。
【0010】
1つの実施例によれば、解除可能な安全装置が、少なくとも1つの当付け輪郭部を備え、この当付け輪郭部が、少なくとも1つの調整アームに対する重力の影響下で、場合により、少なくとも1つの調整アームに固定することができる家具部分の重量によって、少なくとも1つのロック要素に当付け可能であることが特定されていてよい。
【0011】
可能な実施例によれば、
- 少なくとも1つの当付け輪郭部が、重力に抗した少なくとも1つの調整アームの運動によって少なくとも1つのロック要素から離反可能であり、かつ/または
- 少なくとも1つの当付け輪郭部が、少なくとも1つのロック要素を少なくとも部分的に配置することができる少なくとも1つの凹部を備え、かつ/または
- 少なくとも1つの調整アームが、可動の家具部分が固定可能である第1の端部と、少なくとも1つの当付け輪郭部が配置された第2の端部とを有する
ことが特定されていてよい。
【0012】
本発明の更なる詳細および利点を、図面に示した実施例に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1a】1つの可動の家具部分と可動の家具部分を運動させるための2つの家具駆動装置とを備えた家具を示す図である。
図1b】家具部分を取り外した状態の家具を示す図である。
図2a】基体と調整アームとを互いに切り離した状態で家具駆動装置を示す図である。
図2b】基体と調整アームとを互いに切り離した状態で家具駆動装置を示す別の図である。
図3a】基体に調整アームを取り付ける最初のステップを示す図である。
図3b】基体に調整アームを取り付ける後続のステップを示す図である。
図4a】基体に調整アームを取り付けるさらに後続のステップを示す図である。
図4b】基体に調整アームを取り付けるさらに後続のステップを示す図である。
図4c】基体に調整アームを取り付けるさらに後続のステップを示す図である。
図5a】調整アームに対する力を調整するための力調整装置と、基体と調整アームとの間のロックを解除するための付加的な操作装置とを備えた家具駆動装置を示す図である。
図5b】調整アームに対する力を調整するための力調整装置と、基体と調整アームとの間のロックを解除するための付加的な操作装置とを備えた家具駆動装置を示す別の図である。
図6a】解除可能な安全装置によって取外し位置へのロック要素の運動が阻止されている状態における、家具駆動装置の側面図である。
図6b】解除可能な安全装置によって取外し位置へのロック要素の運動が阻止されている状態における、家具駆動装置の一部を拡大して示す詳細図である。
図7a】解除可能な安全装置によって取外し位置へのロック要素の運動が解放されている状態における、家具駆動装置の側面図である。
図7b】解除可能な安全装置によって取外し位置へのロック要素の運動が解放されている状態における、家具駆動装置の一部を拡大して示す詳細図である。
図8a】僅かに変更された安全装置によって取外し位置へのロック要素の運動が阻止されている状態における、家具駆動装置の側面図である。
図8b】僅かに変更された安全装置によって取外し位置へのロック要素の運動が阻止されている状態における、家具駆動装置の一部を拡大して示す詳細図である。
図9a図8aに示した僅かに変更された安全装置によって取外し位置へのロック要素の運動が解放されている状態における、家具駆動装置の側面図である。
図9b図8bに示した僅かに変更された安全装置によって取外し位置へのロック要素の運動が解放されている状態における、家具駆動装置の一部を拡大して示す詳細図である。
【0014】
図1aには、家具キャビネット2と、家具キャビネット2に対して相対的に上昇可能な家具フラップ3aの形態の、可動に支持された家具部分3とを備えた家具1が示してある。可動の家具部分3は、一体形に形成されていてもよいし、代替的に2つ以上の可動の家具部分3を備えていてもよい。
【0015】
家具キャビネット2の互いに向かい合って位置している側壁には、可動の家具部分3を運動させるためのそれぞれ1つの家具駆動装置4が固定されている。家具駆動装置4は、それぞれ少なくとも1つの回動可能に支持された調整アーム5を有しており、両方の調整アーム5の回動運動は、回動可能な同期軸6によって互いに同期可能である。
【0016】
図1bには、図1aに示した家具1が、家具部分3を取り外して示してある。両方の家具駆動装置4は、同一構造で形成されていてよいので、ここで記載する説明は、それぞれ両方の家具駆動装置4に対して有効である。
【0017】
家具駆動装置4は、家具キャビネット2に固定することができる、好ましくは実質的に直方体状の基体9を有していて、この基体9には、調整アーム5のレバー5aが回動軸7aを中心にして旋回可能に支持されている。
【0018】
これに対して、同期軸6は、別の回動軸7cを中心にして回動可能に支持されており、レバー5aの回動軸7aと同期軸6の別の回動軸7cとは、互いに横方向にずらされていて、好ましくは互いに平行に離間させられている。
【0019】
レバー5aの回動軸7aと同期軸6の別の回動軸7cとの間のずらされた配置形態には、同期軸6が家具キャビネット2の高い箇所、つまり、家具キャビネット2の天板2aの近傍に配置可能であり、ゆえに、家具キャビネット2内の増大された収容スペースを利用することができるという特別な利点がある。
【0020】
さらに、別の回動軸7cは、家具駆動装置4の取り付けられた状態において、家具キャビネット2の奥行き方向で、回動軸7aと別の回動軸7cとが同軸に配置されている場合よりも奥側に配置可能であることが特定されていてよい。
【0021】
調整アーム5は、家具部分3に固定することができる金具本体(図示せず)に解離可能に結合可能な金具部分8を有していてよい。金具部分8は、調整アーム5のレバー5aに枢動自在に結合されていてよく、金具部分8を、家具部分3に固定することができる金具本体に工具なしで結合することができるように形成されていてよい。
【0022】
図2aには、可動の家具部分3を運動させるための家具駆動装置4が示してあり、同図では、調整アーム5と基体9とは互いに切り離されている。
【0023】
家具駆動装置4の基体9は、互いに平行に離反させられた2つのハウジング壁9a,9bを有していて、両方のハウジング壁9a,9bはそれぞれ、家具キャビネット2に接触させるための平らに形成された接触面を有している。こうして、家具駆動装置4の基体9は、家具キャビネット2の第1の側壁または代替的に家具キャビネット2の、第1の側壁に向かい合って位置している第2の側壁に取付け可能となる。
【0024】
家具駆動装置4の両方のハウジング壁9a,9bの間には、端面開口9cが形成され、この端面開口9cを調整アーム5が最大の開放位置で少なくとも部分的に貫通している。
【0025】
調整アーム5は、取り付けられた状態で少なくとも1つの回動軸7aを中心にして回動可能に基体9に支持されている。
【0026】
調整アーム5は、図示の実施例では互いに枢動自在に結合された複数のレバー5a,5b,5cを備えており、調整アーム5のこれらのレバーのうちの少なくとも2つのレバー5a,5bは、家具駆動装置4の基体9に解離可能に結合されている。
【0027】
調整アーム5は、閉鎖位置と最大の開放位置との間で可動であり、調整アーム5は、閉鎖位置で少なくとも部分的に家具駆動装置4の基体9の内部に配置されている。
【0028】
調整アーム5のレバー5a,5b,5cは、4支点ジオメトリを形成していてよく、4支点ジオメトリの4つの支点のうちの1つの支点は、調整アーム5の少なくとも1つの第1の回動軸7aに相当している。
【0029】
図示の実施例では、調整アーム5は、少なくとも1つの第2の回動軸7bを中心にして回動可能に基体9に支持されており、
- 家具駆動装置4の基体9は、端面開口9cを有していて、この端面開口9cを調整アーム5は少なくとも最大の開放位置で少なくとも部分的に貫通しており、第2の回動軸7bは、端面開口9cに対して第1の回動軸7aよりも小さな法線方向間隔を有しており、かつ/または
- 家具駆動装置4の基体9は、上面34を有していて、この上面34は、家具駆動装置4が家具キャビネット2に固定された状態で家具キャビネット2の天板2a(図1a、図1b)に向けられており、第2の回動軸7bは、上面34に対して第2の回動軸7bよりも小さな法線方向間隔を有している。
【0030】
1つの実施例によれば、第2の回動軸7bは、調整アーム5のレバー5a,5b,5cの4支点ジオメトリのうちの1つの支点に相当していることが特定されていてよい。
【0031】
さらに、
- 調整アーム5の設けられたレバーのうちの少なくとも2つのレバー5a,5bが、調整アーム5の少なくとも1つの回動位置、好ましくは各々の回動位置で互いに内外に配置されており、これによって、2つのレバー5a,5bは、平面図で見て側方から実質的に互いに間隙なしに形成されており、かつ/または
- 少なくとも1つのレバー5a,5cは、横断面で見てU字形に形成されていて、別のレバー5bは、少なくとも部分的にU字形の鉛直ウェブの間に配置可能であるかまたは配置されている
ことが特定されていてよい。
【0032】
第3のレバー5cには固定接続箇所35が形成されていて、この固定接続箇所35を介して、可動の家具部分3は、調整アーム5に、好ましくは解離可能に固定可能であり、第1のレバー5aおよび第2のレバー5bは、第3のレバー5cに枢動自在に結合されている。第3のレバー5cは、屈曲されて形成されており、屈曲された第3のレバー5cの2つの部分片36a,36bは、互いに相対的に実質的に90°の角度を成している。
【0033】
図2bには、家具駆動装置4が別の斜視図で示してあり、同図では、ハウジング壁9aを省いている。
【0034】
家具駆動装置4は、好ましくは少なくとも1つのばね要素12aを備えた、好ましくは基体9に支持された少なくとも1つの蓄力器12を有していて、この蓄力器12を介して調整アーム5に力を加えることができる。こうして、調整アーム5に固定可能な家具前板3の重量を補償することができる。
【0035】
蓄力器12は、図2bに単に概略的に示してあり、機械的なばね要素(特にコイルばね)のほかに、例えばガス圧ばねを備えていてもよい。蓄力器12の代わりにまたは蓄力器12に加えて、調整アーム5を駆動するための電気式の駆動装置が設けられていてもよい。
【0036】
1つの実施形態によれば、少なくとも1つの蓄力器12に蓄力可能な力を調整アーム5に伝達することができる伝達機構17が設けられており、好ましくは、伝達機構17は、
- 回動軸13aを中心にして回動可能な少なくとも1つの中間レバー13を備えており、好ましくは、少なくとも1つの蓄力器12は、好ましくは調整可能な作用箇所14を介して少なくとも1つの中間レバー13に結合されており、かつ/または
- 少なくとも1つの押圧片15、好ましくは回動可能な押圧ローラと、少なくとも1つの押圧片15を調整アーム5の運動時に移動可能に支持することができる少なくとも1つの調整輪郭部16とを備えていて、好ましくは、少なくとも1つの押圧片15は、伝達機構17の少なくとも1つの中間レバー13に配置されているかまたは配置可能であり、少なくとも1つの調整輪郭部16は、調整アーム5に配置されているかまたは配置可能であり、または逆の配置形態も可能である
ことが特定されていてよい。
【0037】
調整アーム5は、図示の実施例では互いに別体の2つのロック装置37,38を介して家具駆動装置4の基体9に解離可能に結合可能である。両方のロック装置37,38のうちの少なくとも1つのロック装置は、基体9に掛込み可能または押込み可能な少なくとも1つの固定部分37a,38a、および/またはばね25(図5a)によって荷重が加えられている少なくとも1つのロック要素37bを有している。
【0038】
レバー5bの、好ましくはフック状の第1の固定部分37aは、基体9、例えば第2の回動軸7bに配置されたピンに掛込み可能であり、レバー5bは、ばね荷重が加えられたロック要素37bによって解除可能にロック可能である。
【0039】
これに対して、他方のロック装置38の第2の固定部分38aは、好ましくは第1の回動軸7aを中心にして回動可能な可動の調整部分22によって解除可能にロック可能である。好ましくは、調整輪郭部16は可動の調整部分22に形成されていることが特定されている。
【0040】
図3aには、基体9への調整アーム5の取付けの第1ステップが示してあり、この第1ステップにおいて、調整アーム5のロック装置37の固定部分37aは、第2の回動軸7bに配置されたピンに掛け込まれる。
【0041】
認めることができるように、ロック要素37bは、例えば少なくとも1つのガイドに沿って線形に移動可能に支持されていて、ロック要素37bには、ばね25によってロック位置の方向に予荷重が加えられている。ばね25は、例えば機械的なばね要素によって形成されていてもよいし、部材の材料弾性によって形成されていてもよい。認めることができるように、ロック要素37bは斜面を有していて、この斜面によって、ロック要素37bは、枢動軸7bとの協働時にばね25の力に抗して押退け可能である。
【0042】
図3bには、回動軸7bにロックされたロック要素37bが示してある。ロック要素37bは、図3aを起点としてその斜面によってばね25の力に抗して運動させられ、次いで、弛緩したばね25の力によって回動軸7bとのロック位置にもたらされている。レバー5bは、いまや回動軸7bに旋回可能に結合されている。
【0043】
図4a~図4cには、基体9への調整アーム5の取付けの更なるステップが示してある。図3bに示した位置を起点として、レバー5a,5bは、回動軸7bを中心にして基体9に対して相対的に旋回させられている(図4a)。ロック装置38の固定部分38aは、調整部分22に配置されたガイド要素39に支持可能であり、レバー5aの、側方に突出しているロック要素38bは、調整部分22の切欠き27a内に導入可能である。
【0044】
図4bに認めることができるように、可動のロック要素38cは、レバー5aの固定部分38aによってばね25(ここでは図示せず)の力に抗してガイド30に沿って運動させられる。
【0045】
図4cに認めることができるように、ロック要素38cは、固定部分38aによって形成された輪郭と、蓄力されているばね25の力によって固定部分38aの係止凹部内に進入することができ、これによって、レバー5aが、基体9に解除可能にロック可能となる。
【0046】
図5aには、家具駆動装置4が斜視図で示してあり、調整アーム5は、少なくとも1つのロック装置38を介して家具駆動装置4の基体9に結合されている。
【0047】
少なくとも1つのロック装置38は、少なくとも1つの調整アーム5が少なくとも1つの基体9にロックされているロック位置と、少なくとも1つの調整アーム5が少なくとも1つの基体9から取外し可能である取外し位置との間で可動であるロック要素38cを有している。
【0048】
家具駆動装置4は、少なくとも1つの調整アーム5に対する蓄力器12の力を調整することができる力調整装置18を有しており、好ましくは、力調整装置18は、
- 少なくとも1つの回動可能に支持された調整ホイール18aを有しており、調整アーム5に対する蓄力器12の、少なくとも1つの調整アーム5に作用する力は、調整ホイール18aの回動によって調整可能であり、かつ/または
- 少なくとも1つのねじ山付きスピンドル18b(図3a,図3b)を有していて、このねじ山付きスピンドル18bに沿って、蓄力器12の作用箇所14は、力調整装置18の操作時に可動であり、かつ/または
- 基体9は、少なくとも1つの端面開口9c(図2a)を備えた端面を有していて、この端面開口9cを少なくとも1つの調整アーム5は開放位置で貫通しており、力調整装置18の調整ホイール18aは、端面に対して横方向から端面開口9cを通して操作可能である。
【0049】
図5bが示すように、家具駆動装置4は、さらに、好ましくは工具10を用いて操作可能な少なくとも1つの操作装置11を有していて、この操作装置11によって、少なくとも1つのロック要素38cはロック位置から取外し位置に可動であり、この取外し位置で調整アーム5は基体9から取外し可能である。
【0050】
操作装置11は、工具10を導入するための開口11aを有していてよく、ロック要素38cは、ロック要素38cに力を加えることによってばね弾性作用に抗して取外し位置に可動である。
【0051】
したがって、使用者には、工具10を導入するための2つの異なる可能性がある。つまり、1つには、力調整装置18の回動可能な調整ホイール18aを操作することができ、もう1つには、操作装置11の操作によって調整アーム5と基体9との間のロックを解除することができる。すなわち、使用者が、力調整装置18の代わりに操作装置11を誤って操作してしまうと、基体9と調整アーム5との間のロックもまた不本意に解除される可能性がある。その結果、調整アーム5が可動の家具部分3と一緒に落下してしまう。
【0052】
図6aには、家具駆動装置4が側面図で示してあり、同図では、使用者によって、ロック装置38のロック要素38cを、操作装置11の開口11a(図5a,図5b)内への工具10の導入によってばね25(図6b)の力に抗して操作することが試みられる。
【0053】
図6bには、図6aに示したロック要素38cの領域が拡大して示してある。認めることができるように、調整アーム5の固定部分38aは、(好ましくは円筒状のピンの形態の)定置のガイド要素39と、ロック装置38の可動のガイド要素38cとの間に収容されている。
【0054】
家具駆動装置4は、ロック装置38に加えて、操作装置11の操作時に、ロック位置から出発して取外し位置への少なくとも1つのロック要素38cの運動を阻止する解除可能な安全装置19を有している。
【0055】
解除可能な安全装置19は、少なくとも1つの当付け輪郭部19aを備えていてよく、この当付け輪郭部19aは、少なくとも1つの調整アーム5に対する重力の影響下で、場合により、少なくとも1つの調整アーム5に固定することができる家具部分3の重量によって、少なくとも1つのロック要素38cに当付け可能である。
【0056】
1つの実施形態によれば、
- 少なくとも1つの当付け輪郭部19aは、重力に抗した少なくとも1つの調整アーム5の運動によって少なくとも1つのロック要素38cから離反可能であり、かつ/または
- 少なくとも1つの当付け輪郭部19aは、少なくとも1つのロック要素38cを少なくとも部分的に配置することができる少なくとも1つの凹部19cを備えており、かつ/または
- 少なくとも1つの調整アーム5は、可動の家具部分3が固定可能である第1の端部と、少なくとも1つの当付け輪郭部19aが配置された第2の端部とを有している
ことが特定されていてよい。
【0057】
つまり、図示の実施例ではガイド30は、ロック要素38cを可動に支持するために、調整アーム5の固定部分38aと一緒にロック要素38c用の共通の当付け輪郭部19aを形成している。
【0058】
つまり、ロック要素38cを、工具10を用いて力を加えることによってロック位置から押し出そうと試みられる場合、取外し位置の方向へのロック要素38cの運動は阻止されている。つまり、ロック要素38cは、凹部19cと調整アーム5の固定部分38aとの間でロックされていて、ガイド30に沿って取外し位置にさらに運動させることができない。つまり、基体9と調整アーム5との間のロックは、解除可能な安全装置19による操作装置11の操作にもかかわらず、引き続き維持される。
【0059】
図7aには、家具駆動装置4が側面図で示してある。ロックを解除するためには、まず、調整アーム5を開放方向OR(つまり、図示した矢印の方向)に運動させることが必要である。
【0060】
図7bには、図7aに示したロック要素38cの領域が拡大して示してある。開放方向ORへの調整アーム5の運動によって、調整アーム5の固定部分38aはガイド要素39を中心にして反時計回り方向に旋回させられ、これによって、ロック要素38cは、当付け輪郭部19aの凹部19cから解放される。これによって、取外し位置へのガイド30に沿ったロック要素38cの運動が初めて可能になり、これによって、調整アーム5が家具駆動装置4の基体9から取外し可能になる。
【0061】
可能な実施例によれば、ガイド30は、
- 少なくとも部分的に長孔として形成されており、かつ/または
- 基体9に、好ましくは基体9の回動可能な調整部分22に配置されており、かつ/または
- 少なくとも1つのロック要素38cを少なくとも部分的に配置することができる少なくとも1つの凹部19cを備えている
ことが特定されていてよい。
【0062】
別の実施例では、操作装置11は、
- 少なくとも1つの調整アーム5の開放位置で操作可能であり、かつ/または
- 家具駆動装置4の取付け位置で家具駆動装置4の、使用者に向けられた端面に配置されており、かつ/または
- 工具10を導入するための少なくとも1つの開口11aを有しており、少なくとも1つのロック要素38cは、開口11aを通して導入された工具10を用いて操作可能である
ことが特定されていてよい。
【0063】
別の実施例では、
- 少なくとも1つのロック装置38は、調整アーム5に配置された少なくとも1つの固定部分38aを有していて、この固定部分38aは、家具駆動装置4の基体9内に掛込み可能かつ/または押込み可能であり、かつ/または
- 少なくとも1つのロック装置38は、調整アーム5に配置された少なくとも1つの固定部分38aを有していて、この固定部分38aは、調整アーム5のロックされた位置でロック要素38cと家具駆動装置4のガイド要素39との間に収容されており、かつ/または
- 少なくとも1つのロック装置38は、少なくとも1つのロック要素38cをロック位置の方向に押圧することができる少なくとも1つのばね25を有しており、かつ/または
- 少なくとも1つのロック装置38の少なくとも1つのロック要素38cは、好ましくは円筒状のピンとして形成されている
ことが特定されていてよい。
【0064】
図8aには、安全装置19を備えた家具駆動装置4の僅かに変更された実施形態が側面図で示してある。
【0065】
図8bには、図8aに示したロック要素38cの領域が示してあり、同図では、ロック要素38cを部分的に収容するための凹部19cが、先行の実施例のようにガイド30にではなく、調整アーム5に配置されている。しかしながら、安全装置19の機能形態は基本的に同一である。
【0066】
調整アーム5のロックされた状態では、ロック要素38cは、調整アーム5の固定部分38aとガイド30との間に収容されている。このとき、ロック要素38cは、固定部分38aの凹部19cとガイド30との間でロックされているので、取外し位置へのロック要素38cの運動は阻止されている。
【0067】
図9aには、図8a,図8bに示した家具駆動装置4の実施形態が示してあり、基体9と調整アーム5との間のロックは、付加的に調整アーム5を開放方向ORに上昇させることによって初めて解除可能である。
【0068】
図9bには、図9aに示したロック要素38cの領域が示してある。開放方向ORへの調整アーム5の上昇によって、固定部分38aは、好ましくは円筒状のピンの形態のガイド要素39を中心にして反時計回り方向に旋回させられる。
【0069】
ガイド要素39によって形成された軸を中心にした固定部分38aの旋回によって、ガイド30に沿った取外し位置へのロック要素38cのための経路が解放される。いまや、ロック要素38cを、工具10を用いて力を加えることによって、ばね25の力に抗して取外し位置に運動させることができ、これによって、調整アーム5を基体9から取り外すことができる。
【0070】
したがって、まず、可動の家具部分3を開放された状態でさらに開放方向ORに運動させ、次いで、操作装置11をロック解除のために操作した場合に初めて、調整アーム5を基体9から取り外すことが可能になる。このことは、非常に大きな安全対策を成している。なぜならば、使用者が調整アーム5および/または調整アーム5に結合された家具部分3を必ず把持することが必要であり、これによって、可動の家具部分3が落下することを防止することができるからである。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
【国際調査報告】