(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】管腔内及び管腔外画像位置合わせ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20240125BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240125BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B6/00 360B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545740
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2022050719
(87)【国際公開番号】W WO2022161790
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ナクトミー エフード
(72)【発明者】
【氏名】ザルク ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
4C093
4C601
【Fターム(参考)】
4C093AA08
4C093DA02
4C093EC16
4C093FA06
4C093FF35
4C093FF37
4C601BB14
4C601BB24
4C601DD14
4C601EE11
4C601FE01
4C601FE04
4C601GA19
4C601GA21
4C601JC16
4C601LL33
(57)【要約】
管腔内感知装置データ1011..mの時間的シーケンスの位置を、管腔外画像フレーム1051..nの時間的シーケンス内のガイドワイヤ104に沿った位置に位置合わせするシステム及びコンピュータ実施方法は、ガイドワイヤ104に沿った管腔内感知装置102の感知部分106の位置を、管腔外画像フレーム1051..n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定された画像強度値と、管腔内感知装置102の一部を表す予想強度パターン107とのマッチングに基づいて、決定することS120と、管腔外画像フレーム1051..nと同時に生成された管腔内感知装置データ1011..mの位置を、ガイドワイヤ104に沿った決定された位置にマッピングすることS130とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤに結合された管腔内感知装置によって生成された管腔内感知装置データの時間的シーケンスの位置を、前記管腔内感知装置及び前記ガイドワイヤを含む管腔外画像フレームの時間的シーケンス内の前記ガイドワイヤに沿った位置に位置合わせするためのシステムにおいて、前記システムは、前記時間的シーケンス内の複数の管腔買い画像フレームに対して、
前記管腔外画像フレーム内の前記ガイドワイヤを識別するステップと、
前記管腔外画像フレーム内の前記ガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、前記管腔内感知装置の一部を表す予想強度パターンとのマッチングに基づいて、前記ガイドワイヤに沿った前記管腔内感知装置の感知部分の位置を決定するステップと、
前記管腔外画像フレームと同時に生成された管腔内感知装置データの位置を、前記ガイドワイヤに沿った前記決定された位置にマッピングするステップと、
を実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサを有する、システム。
【請求項2】
前記ガイドワイヤに沿った前記管腔内感知装置の前記感知部分の前記位置を決定することは、前記管腔外画像フレーム内の前記ガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、前記管腔内感知装置の前記感知部分を表す前記予想強度パターンとのマッチングに基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記管腔内感知装置データの時間的シーケンスは、管腔内超音波画像フレームの時間的シーケンスを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記管腔内超音波画像フレームは、血管内超音波画像フレーム又は気管支内超音波画像フレームを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記管腔外画像フレームは、放射線画像フレームを含む、請求項3及び4に記載のシステム。
【請求項6】
ガイドワイヤに結合された管腔内感知装置によって生成された管腔内感知装置データの時間的シーケンスの位置を、前記管腔内感知装置及び前記ガイドワイヤ(104)を含む管腔外画像フレームの時間的シーケンスにおける前記ガイドワイヤに沿った位置に位置合わせするコンピュータ実装方法において、前記時間的シーケンス内の複数の管腔買い画像フレームに対して、
前記管腔外画像フレーム内の前記ガイドワイヤを識別するステップと、
前記管腔外画像フレーム内の前記ガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、前記管腔内感知装置の一部分を表す予想強度パターンとのマッチングに基づいて、前記ガイドワイヤに沿った前記管腔内感知装置の感知部分の位置を決定するステップと、
前記管腔外画像フレームと同時に生成された管腔内感知装置データの位置を、前記ガイドワイヤに沿った前記決定された位置にマッピングするステップと、
を有する、コンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記ガイドワイヤに沿った前記管腔内感知装置の前記感知部分の前記位置を決定することは、前記管腔外画像フレーム内の前記ガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、前記管腔内感知装置の前記感知部分を表す前記予想強度パターンとのマッチングに基づき、
前記管腔内感知装置データの時間的シーケンスは、血管内撮像装置又は気管支内撮像装置によって提供される管腔内超音波画像フレームの時間的シーケンスを含み、
前記管腔外画像フレームが、放射線画像フレームを含む、
請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記放射線画像フレームは、X線撮像装置から得られるX線画像フレームを含み、前記管腔内超音波画像フレームは、IVUS撮像装置から得られる血管内超音波IVUS画像フレームを含む、
請求項7に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記X線画像フレーム内の前記ガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、前記IVUS撮像装置を表す予想強度パターンとのマッチングは、
前記X線画像フレーム内の前記ガイドワイヤに沿った前記位置における前記画像強度値を、前記ガイドワイヤに対して横方向に延在するウィンドウ内の前記画像強度値をサンプリングして、各位置において、前記ウィンドウに対する合成値を提供することによって決定することと、
前記ガイドワイヤに沿った前記位置において決定された前記合成値を、前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンと比較することであって、前記予想強度パターンが、前記ガイドワイヤの長さに沿った前記合成値の予想プロファイルを含むことと、
を含む、
請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記ガイドワイヤに沿った前記IVUS撮像装置の撮像部の位置を決定することは、前記X線画像フレーム内の前記画像強度値が前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンとマッチする位置を決定するために、前記X線画像フレーム内の前記ガイドワイヤに沿って前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンを平行移動させることを含む、請求項8又は9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記X線画像フレーム内の前記画像強度値が前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンとマッチする位置を決定するために、前記X線画像フレーム内の前記ガイドワイヤに沿って前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンを平行移動させることが、
前記ガイドワイヤに沿って前記IVUS撮像装置の前記撮像部の第1の推定位置を決定するように、前記X線画像フレーム内の前記画像強度値を第1の空間分解能でサンプリングすることによって、前記X線画像フレームにおいて前記ガイドワイヤに沿った前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンの初期平行移動を実行することと、
前記IVUS撮像装置の少なくとも一部に対するスケールファクタを、前記サンプリングされた画像強度値及び前記IVUS撮像装置の前記一部の既知の寸法に基づいて推定することと、
前記ガイドワイヤに沿った前記IVUS撮像装置の前記撮像部の第2の推定位置を決定するように、前記X線画像フレーム内の前記画像強度値を第2の空間分解能でサンプリングすることによって、前記X線画像フレーム内の前記ガイドワイヤに沿った前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンの後続平行移動を実行することであって、前記第2の空間分解能は、前記推定されたスケールファクタに基づいて調整されることと、
前記ガイドワイヤに沿った前記IVUS撮像装置の前記撮像部の前記決定された位置として第2の推定位置を使用することと、
を含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記IVUS撮像装置は、複数の基準マーカを有し、
前記基準マーカは、前記IVUS撮像装置に結合され、前記ガイドワイヤに沿って軸方向に分布され、
前記ガイドワイヤに沿った前記IVUS撮像装置の撮像部の位置を決定することは、
第1の空間分解能で前記X線画像フレーム内の前記画像強度値をサンプリングすることによって、前記ガイドワイヤに沿った前記基準マーカの位置を識別することと、
前記基準マーカの前記識別された位置に基づいて、前記基準マーカのうちの少なくとも1つの対の間の推定された分離を計算することと、
前記X線画像フレーム内の前記画像強度値が前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンとマッチする位置を決定するように、前記X線画像フレーム内の前記画像強度値を第2の空間分解能でサンプリングすることであって、前記第2の空間分解能は、前記基準マーカの前記少なくとも1つの対の間の推定分離と、前記基準マーカの前記少なくとも1つの対の間の既知の分離とに基づいて決定されることと、
を含む、請求項8乃至10のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記複数のX線画像フレームにおける前記IVUS撮像装置の撮像部の前記決定された位置を取り囲む前記画像強度値を平均化することによって、前記IVUS撮像装置の前記撮像部を表すテンプレートパターンを生成するステップと、
各X線画像フレームにおいて前記ガイドワイヤに沿った前記IVUS撮像装置の前記撮像部の調整された位置を提供するように、前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンとして前記テンプレートパターンを用いて、前記複数のX線画像フレームについて前記ガイドワイヤに沿った前記IVUS撮像装置の撮像部の位置を決定することを繰り返すステップと、
を含む、請求項8乃至12のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記IVUS撮像装置が、放射線不透過性材料を含み、前記IVUS撮像装置を表す前記予想強度パターンが、前記ガイドワイヤに対して軸方向及び/又は半径方向に沿って延びる前記放射線不透過性材料のX線減衰パターンを含む、請求項8乃至13のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記IVUS撮像装置は、シャフト及び複数の基準マーカを有するカテーテルを有し、前記基準マーカは、前記カテーテルに結合され、前記カテーテルの前記シャフトに沿って軸方向に分布され、前記方法は、好ましくは、
前記X線画像フレーム内の前記複数の基準マーカを識別するステップと、
前記X線画像フレーム内で識別された前記複数の基準マーカのうちの2つ以上の間の測定された分離と、前記2つ以上の基準マーカの間の既知の分離とに基づいて、前記基準マーカを含む前記ガイドワイヤの前記一部に対するスケールファクタを決定するステップと、
を含む、請求項8乃至14のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管腔外画像フレームの時間的シーケンスにおいて管腔内画像フレームの時間的シーケンスの位置を位置合わせするコンピュータ実装方法に関する。関連するコンピュータプログラム製品、コンピュータ可読記憶媒体、及びシステムも、開示される。
【背景技術】
【0002】
介入医療処置は、しばしばX線撮像下で実行される。血管内超音波「IVUS」撮像は、しばしば、X線画像によって提供される解剖学的情報を増強するために、X線撮像と組み合わせて使用される。例えば、末梢静脈介入は、しばしば、X線撮像及びIVUS撮像の組み合わせの下で実行される。そのような処置では、ガイドワイヤは、典型的には、X線ガイダンスの下で血管系に挿入され、IVUS撮像装置は、「プルバック」と称される処置中にガイドワイヤに沿って平行移動される。IVUS撮像法から得られた情報は、血管系内の組織特性を評価するために使用され、X線撮像法からの情報は、血管系内のIVUS撮像装置をナビゲートするために使用される。したがって、X線及びIVUS撮像の組み合わせは、血管系内の疾患又は変形、例えば静脈圧迫の存在を評価するために、又はバルーン若しくはステントの挿入などの血管系内の介入を計画若しくは実行するために使用され得る。
【0003】
X線及びIVUS撮像の両方を含む介入処置を行う際に医師によって直面される課題は、X線画像内の血管系内で、その画像が生成されたIVUS撮像装置の位置を決定することである。現在、医師は、X線画像において見られる、血管系内のIVUS撮像装置の位置を、IVUS撮像装置によって生成される生の超音波画像と視覚的に関連付けることによって、このタスクを実行し得る。現在のワークフローの下で、医師は、典型的には、IVUSプルバック処置を実行し、次いで、得られたIVUS画像をレビューする。血管系内の関心のある任意のIVUS画像の位置を確認するために、医師は、次いで、IVUS撮像装置を、ライブX線ガイダンス下で血管系内に再挿入し得る。
【0004】
X線及びIVUS撮像の両方を伴う介入処置を実行するときに医師によって直面される別の課題は、X線画像における測定値を決定することである。測定値は、例えば、ステント処置において使用されるステントの寸法を特定するために使用されてもよい。ステントの必要な直径は、IVUS画像データから決定されてもよい。しかしながら、ステントの必要な長さを正確に決定すること、及び時間効率の良い方法でこれを行うことは、より困難であることができる。X線画像における短縮などの効果は、X線画像に均一な縮尺の使用を不可能にする。末梢静脈介入に使用されるステントの必要な長さの近似値は、時々、IVUS撮像カテーテルのシースに沿って配置された放射線不透過性基準マーカの数を計数することによって決定される。しかしながら、いくつかのカテーテルは、20以上のマーカを含むので、マーカの数を手動で計数することは、面倒である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、IVUS撮像がX線撮像と組み合わせて実行される場合、改善の余地が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、ガイドワイヤに結合された管腔内感知装置によって生成された管腔内感知装置データの時間的シーケンスの位置を、管腔内感知装置及びガイドワイヤを含む管腔外画像フレームの時間的シーケンス内のガイドワイヤに沿った位置に位置合わせするためのシステムが、開示され、システムは、時間的シーケンス内の複数の管腔外画像フレームについて、
管腔外画像フレームにおいてガイドワイヤを識別するステップと、
管腔外画像フレーム内のガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、管腔内感知装置の一部分を表す予想強度パターンとのマッチングに基づいて、ガイドワイヤに沿った管腔内感知装置の感知部分の位置を決定するステップと、
管腔外画像フレームと同時に生成された管腔内感知装置データの位置を、ガイドワイヤに沿って決定された位置にマッピングするステップと、
を有する方法を実行するように構成された1以上のプロセッサを有する。。
【0007】
一実施形態では、ガイドワイヤに沿った管腔内感知装置の感知部分の位置を決定することは、管腔外画像フレーム内のガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、管腔内感知装置の感知部分を表す予想強度パターンとのマッチングに基づく。
【0008】
いくつかの実施形態では、管腔内感知装置データの時間的シーケンスが、管腔内超音波画像フレームの時間的シーケンスを有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、管腔内超音波画像フレームが、血管内超音波画像フレーム又は気管支内超音波画像フレームを有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、管腔外画像フレームが、放射線画像フレームを有する。
【0011】
本発明の態様では、ガイドワイヤに結合された管腔内感知装置によって生成された管腔内感知装置データの時間的シーケンスの位置を、管腔内感知装置及びガイドワイヤを含む管腔外画像フレームの時間的シーケンス内のガイドワイヤに沿った位置に位置合わせするコンピュータ実装方法が、提示され、この方法は、時間的シーケンス内の複数の管腔外画像フレームについて、
【0012】
管腔外画像フレーム内のガイドワイヤを識別するステップと、
管腔外画像フレーム内のガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、管腔内感知装置の一部分を表す予想強度パターンとのマッチングに基づいて、ガイドワイヤに沿った管腔内感知装置の感知部分の位置を決定するステップと、
管腔外画像フレームと同時に生成された管腔内感知装置データの位置を、ガイドワイヤに沿った決定された位置にマッピングするステップと、
を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤに沿った管腔内感知装置の感知部分の位置を決定することは、管腔外画像フレーム内のガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、管腔内感知装置の感知部分を表す予想強度パターンとのマッチングに基づき、
管腔内感知装置データの時間的シーケンスは、血管内撮像装置又は気管支内撮像装置によって提供される管腔内超音波画像フレームの時間的シーケンスを有し、
管腔外画像フレームは、放射線画像フレームを有する。
本開示の一実施形態によれば、ガイドワイヤに結合されたIVUS撮像装置によって生成された血管内超音波、IVUS、画像フレームの時間的シーケンスの位置を、IVUS撮像装置及びガイドワイヤを含むX線画像フレームの時間的シーケンスにおけるガイドワイヤに沿った位置に位置合わせするコンピュータ実装方法が、開示される。この方法は、時間的シーケンス内の複数のX線画像フレームについて、
X線画像フレーム内のガイドワイヤを識別するステップと、
X線画像フレーム内のガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、IVUS撮像装置を表す予想強度パターンとのマッチングに基づいて、ガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の撮像部の位置を決定するステップと、
X線画像フレームと同時に生成されたIVUS画像フレームの位置を、ガイドワイヤに沿った決定された位置にマッピングするステップと、
を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、X線画像フレーム内のガイドワイヤに沿った位置において決定された画像強度値と、IVUS撮像装置を表す予想強度パターンとのマッチングは、
ガイドワイヤに対して横方向に延在するウィンドウ内の画像強度値をサンプリングすることによって、X線画像フレーム内のガイドワイヤに沿った位置における画像強度値を決定し、各位置におけるウィンドウに対する合成値を提供することと、
ガイドワイヤに沿った位置において決定された合成値を、IVUS撮像装置を表す予想強度パターンと比較し、予想強度パターンが、ガイドワイヤの長さに沿った合成値の予想プロファイルを有すること、
を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の撮像部の位置を決定することは、X線画像フレーム内の画像強度値がIVUS撮像装置を表す予想強度パターンとマッチする位置を決定するために、X線画像フレームにおいてガイドワイヤに沿ってIVUS撮像装置を表す予想強度パターンを平行移動させることを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、X線画像フレーム内の画像強度値がIVUS撮像装置を表す予想強度パターンとマッチする位置を決定するために、X線画像フレームにおいてガイドワイヤに沿ってIVUS撮像装置を表す予想強度パターンを平行移動させることは、
ガイドワイヤに沿ってIVUS撮像装置の撮像部の第1の推定位置を決定するように、X線画像フレーム内の画像強度値を第1の空間分解能でサンプリングすることによって、X線画像フレームにおいてガイドワイヤに沿ってIVUS撮像装置を表す予想強度パターンの初期平行移動を実行することと、
サンプリングされた画像強度値及びIVUS撮像装置の少なくとも一部の既知の寸法に基づいて、IVUS撮像装置の前記一部のスケールファクタを推定することと、
ガイドワイヤに沿ってIVUS撮像装置の撮像部の第2の推定位置を決定するように、X線画像フレーム内の画像強度値を第2の空間分解能でサンプリングすることによって、X線画像フレームにおいてガイドワイヤに沿ってIVUS撮像装置を表す予想強度パターンの後続の平行移動を実行し、第2の空間分解能は、推定されたスケールファクタに基づいて調整されることと、
ガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の撮像部の決定された位置として第2の推定位置を使用することと、
を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、IVUS撮像装置は、複数の基準マーカを有し、
基準マーカは、IVUS撮像装置に結合され、ガイドワイヤに沿って軸方向に分布され、
ガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の撮像部の位置を決定することは、
第1の空間分解能でX線画像フレーム内の画像強度値をサンプリングすることによってガイドワイヤに沿った基準マーカの位置を識別することと、
基準マーカの識別された位置に基づいて、基準マーカの少なくとも1つの対の間の推定された分離を計算することと、
X線画像フレーム内の画像強度値がIVUS撮像装置を表す予想強度パターンとマッチする位置を決定するように、X線画像フレーム内の画像強度値を第2の空間分解能でサンプリングし、第2の空間分解能は、基準マーカの少なくとも1つの対の間の推定された分離と基準マーカの少なくとも1つの対の間の既知の分離とに基づいて決定されることと、
を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、更に、
複数のX線画像フレームにおけるIVUS撮像装置の撮像部の決定された位置を取り囲む画像強度値を平均化することによって、IVUS撮像装置の撮像部を表すテンプレートパターンを生成するステップと、
複数のX線画像フレームに対するガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の撮像部の位置を決定することを、IVUS撮像装置を表す予想強度パターンとしてテンプレートパターンを使用して繰り返し、各X線画像フレームにおけるガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の撮像部の調整された位置を提供するステップと、
を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、IVUS撮像装置は、放射線不透過性材料を有し、IVUS撮像装置を表す予想強度パターンは、ガイドワイヤに対して軸方向及び/又は半径方向に沿って延在する放射線不透過性材料のX線減衰パターンを有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、IVUS撮像装置は、シャフト及び複数の基準マーカを有するカテーテルを有し、基準マーカは、カテーテルに結合され、カテーテルのシャフトに沿って軸方向に分布される。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、更に、
X線画像フレーム内の複数の基準マーカを識別するステップと、
X線画像フレーム内で識別された複数の基準マーカのうちの2つ以上の間の測定された分離と、2つ以上の基準マーカの間の既知の分離とに基づいて、基準マーカを含むガイドワイヤの部分のスケールファクタを決定するステップと、
を有する。
【0022】
いくつかの実施形態では、IVUS撮像装置は、時間的シーケンス内の連続するX線画像フレーム間でガイドワイヤに沿って平行移動され、各画像フレーム内の基準マーカを含むガイドワイヤの部分のスケールファクタは、X線画像フレーム内のガイドワイヤの対応するセクションに対して組み合わされ、ガイドワイヤの長さに沿って変化するガイドワイヤに対する合成スケールファクタ(110)を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態では、各画像フレーム内の基準マーカを含むガイドワイヤの部分に対するスケールファクタは、ガイドワイヤの長さに沿ったスケールファクタの連続的な変化を促進するために、規則化期間を使用することによって、X線画像フレーム内のガイドワイヤの対応するセクションに対して組み合わされる。
【0024】
いくつかの実施形態では、時間的シーケンス内のX線画像フレームが、複数のガイドワイヤを有し、X線画像フレーム内のガイドワイヤを識別することは、
X線画像フレーム内の基準マーカを識別することと、
長さに沿って軸方向に分布された識別された基準マーカを有するガイドワイヤを選択することと、
を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、X線画像フレームと同時に生成されたIVUS画像フレームの位置を、ガイドワイヤに沿って決定された位置にマッピングすることは、
時間的シーケンスにおけるX線画像フレーム及びガイドワイヤのうちの1つ以上を表す第1の画像を表示し、同時に、IVUS画像フレームの時間的シーケンスからのIVUS画像フレームを表す第2の画像を同時に表示することと、
第1の画像におけるガイドワイヤに沿ったIVUS画像フレームのマッピングされた位置を示すことと、
を含む。
【0026】
本発明の一態様では、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、本発明の実施形態によるコンピュータ実装方法のいずれかを実行させる命令を有するコンピュータプログラム製品が、提示される。
本開示の更なる態様、特徴、及び利点は、添付の図面を参照してなされる例の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示のいくつかの態様による、ガイドワイヤ104に結合されたIVUS撮像装置102によって生成されたIVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスの位置を、X線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスにおけるガイドワイヤ104に沿った位置に位置合わせする一例の方法を示す概略図である。
【
図2】本開示のいくつかの態様による、ガイドワイヤ104に結合されたIVUS撮像装置102によって生成されたIVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスの位置を、X線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスにおけるガイドワイヤ104に沿った位置に位置合わせする一例の方法を示すフローチャートである。
【
図3】本開示のいくつかの態様による、a)ガイドワイヤ104を含むX線画像フレーム105
n、b)所定の空間分解能でX線画像フレーム105
n内の画像強度値のサンプリング、c)b)において所定の空間分解能を有するX線画像フレーム105
n内の画像強度値のサンプリングの結果、及びd)X線画像フレーム105
n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定され、ガイドワイヤ104に対して横方向に延びるウィンドウ内で、c)から得られたサンプリングされた画像強度値を平均化することによって得られる平均画像強度値を示す。
【
図4】本開示のいくつかの態様による、a)ガイドワイヤ104及びIVUS撮像装置102を含むX線画像フレーム105
nからの画像強度、b)IVUS撮像装置102の一部を表す予想強度パターン107の第1の例、及びc)IVUS撮像装置102の一部を表す予想強度パターン107の第2の例を示す。
【
図5】本開示のいくつかの態様による、IVUS撮像装置102の撮像部106を表すテンプレートパターン109の一例を示す。
【
図6】本開示のいくつかの態様による、ガイドワイヤ104及びガイドワイヤ104の長さに沿って変化するガイドワイヤ104に対する合成スケールファクタ110を含むX線画像フレーム105
nの一例を示す。
【
図7】本開示のいくつかの態様による、X線画像105
n内のガイドワイヤ104に沿った位置に対するIVUS画像フレーム101
mの位置のマッピングを含む表示111の一例を示す。
【
図8】本開示のいくつかの態様による、ガイドワイヤ104に結合されたIVUS撮像装置102によって生成されたIVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスの位置を、X線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスにおけるガイドワイヤ104に沿った位置に位置合わせするための一例のシステム200の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の例は、以下の説明及び図面を参照して提供される。この説明では、説明の目的のために、特定の例の多くの具体的な詳細が、説明される。本明細書において、「例」、「実施態様」、又は同様の言語への言及は、例に関連して説明される特徴、構造、又は特性が少なくともその1つの例に含まれることを意味する。また、1つの例に関連して説明された特徴は、別の例においても使用されてもよく、すべての特徴が簡潔さのために各例において必ずしも繰り返されないことを理解されたい。例えば、コンピュータ実装方法に関して説明された特徴は、対応する形で、コンピュータプログラム製品、及びコンピュータ可読記憶媒体、及びシステム内に実装されてもよい。
【0029】
以下の説明では、X線撮像を使用して血管系内のIVUS撮像装置を撮像することを伴う、X線画像フレームの時間的シーケンス内の位置にIVUS画像フレームの時間的シーケンスの位置を位置合わせするコンピュータ実装方法が、参照される。X線画像フレームは、X線画像フレームの時間的シーケンスを生成する様々なX線撮像法から生成され得ることを理解されたい。これらは、例えば、蛍光透視撮像法、すなわちライブX線撮像法、及び血管造影又は静脈造影撮像法、すなわち造影剤を少なくとも部分的に使用して実行されるライブX線撮像法を含む。本明細書でなされる血管系に対する言及は、血管系の静脈部分及び動脈部分の両方を包含することを意図される。本発明はX線撮像法を用いて例示されるが、他の体外又は体内撮像装置が、磁気共鳴撮像又は超音波撮像装置(例えば、経胸腔、経食道、心臓内)などの管腔外画像を提供するために使用され得ることが、企図される。いくつかの実施形態では、IVUS画像フレームの時間的シーケンスの位置が、それぞれの体外又は体内撮像モダリティの画像フレームの時間的シーケンス内の位置に位置合わせされる。
【0030】
末梢静脈介入中に血管系の一部を診断するために使用されるIVUS撮像法に対する減給が、本明細書でなされる。しかしながら、本明細書に開示される方法は、IVUS撮像法全般において使用され得ることが理解されるべきである。IVUS撮像法は、血管系の別の部分、すなわち、血管系の別の静脈又は動脈部分で診断を行うために使用され得る。例えば、本方法は、経皮的冠動脈インターベンション「PCI」処置、神経血管処置などにおいて冠動脈の診断を行うために使用され得る。IVUS画像は、代替的に、気道、気道壁、及び肺の内部構造の画像を取得するために超音波を使用する気管支内超音波撮像装置(EBUS)を用いて取得される気管支内超音波画像であり得る。IVUS及びEBUSは、両方とも、体内の管腔からの超音波画像、血管管腔からのIVUS、及び気道の管腔からのEBUSを提供する。
【0031】
更に、本明細書に開示される方法は、診断IVUS撮像法における使用に限定されず、血管系の治療を含むIVUS撮像法を含む、一般的なIVUS撮像法において使用され得る。本開示による例は、例えば、末梢又は冠状静脈又は動脈の治療中、並びに血管系の他の領域の治療中に使用され得る。そのような治療法は、血管系からの材料の除去の形態での血管系の治療、光などのエネルギによる血管系の治療、並びにバルーン又はステントなどの埋め込み型装置の血管系への挿入を伴う処置を含み得る。
【0032】
本明細書では、細長い介入装置の軸に沿って変化するX線画像スケールファクタを決定する方法も、参照される。この方法は、IVUS撮像法と組み合わせて使用することに限定されないことを理解されたい。この方法は、上述のX線撮像法において使用されてもよく、ここで、一般の細長い介入装置が、撮像される。細長い介入装置は、例えば、ガイドワイヤ、カテーテル、又は別の細長い介入装置であってもよく、それに沿って、基準マーカが、医学的介入中に平行移動される。基準マーカは、IVUS撮像装置、又は、光コヒーレンストモグラフィ「OCT」撮像装置、圧力感知装置、ICEカテーテル、血流測定装置、ステント挿入装置、若しくはアテローム切除装置などの血管治療装置などの別の装置、並びに、実際に、細長い介入装置の長手方向軸に沿って既知の物理的寸法を有する、X線画像内の識別可能な部分を有する任意の細長い介入装置に結合され得る。システム又はコンピュータ実施方法において、X線ベース以外の他の体外撮像装置が使用される場合、基準マーカは、それぞれの撮像モダリティ(例えば、磁気共鳴撮像のためのマーカ、超音波のためのエコー発生マーカ)によって検出可能である材料からのものである。そのようなマーカは、当技術分野において既知である。
【0033】
本明細書で開示されるコンピュータ実装方法は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに本方法を実行させる、記憶されたコンピュータ可読命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体として提供され得ることに留意されたい。言い換えれば、コンピュータ実装方法は、コンピュータプログラム製品において実装され得る。コンピュータプログラム製品は、専用のハードウェア又は適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアによって提供されることができる。プロセッサによって提供される場合、方法の特徴の機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共用プロセッサ、又はいくつかが共用されることができる複数の個々のプロセッサによって提供されることができる。「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すものとして解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ「DSP」ハードウェア、ソフトウェアを記憶するための読取専用メモリ「ROM」、ランダムアクセスメモリ「RAM」、不揮発性記憶装置などを暗黙的に含むことができるが、これらに限定されない。更に、本開示の例は、コンピュータ使用可能記憶媒体又はコンピュータ可読記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとることができ、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ又は任意の命令実行システムによって又はそれらと関連して使用するためのプログラムコードを提供する。本説明の目的のために、コンピュータ使用可能記憶媒体又はコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、機器、又は装置によって、又はそれに関連して使用するためのプログラムを有する、記憶する、通信する、伝播する、又は移送することができる任意の装置であることができる。媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外、又は半導体システム又は装置又は伝搬媒体であることができる。コンピュータ可読媒体の例は、半導体又は固体メモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスク、ランダムアクセスメモリ「RAM」、読取専用メモリ「ROM」、剛体磁気ディスク、及び光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクトディスクー読取専用メモリ「CD-ROM」、光ディスク-読取/書込「CD-R/W」、ブルーレイTM、及びDVDを含む。
【0034】
上述のように、介入医療処置は、しばしば、IVUSとX線撮像との組み合わせを使用して実行される。例えば、末梢静脈介入は、しばしば、X線撮像及びIVUS撮像の組み合わせを使用して実行される。そのような処置では、ガイドワイヤが、典型的には、X線ガイダンスの下で血管系に挿入され、IVUS撮像装置は、引き戻し処置の間、ガイドワイヤに沿って移動される。IVUS撮像法から得られた情報は、血管系内の組織特性を評価するために使用され、X線撮像法からの情報は、血管系内のIVUS撮像装置をナビゲートするために使用される。しかしながら、X線画像内の血管系内で、その画像が生成されたIVUS撮像装置の位置を決定することは、困難であることができる。X線及びIVUS撮像の両方を含む介入処置を実行するときに医師によって直面される別の課題は、X線画像内の測定値を決定することである。この情報は、例えば、ステント処置において使用されるステントの寸法を決定する際に使用され得る。本開示の実施形態は、上記の課題のうちの1つ又は複数に対処してもよい。
【0035】
図1は、本開示のいくつかの態様による、ガイドワイヤ104に結合されたIVUS撮像装置102によって生成されたIVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスの位置を、X線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスにおけるガイドワイヤ104に沿った位置に位置合わせする一例の方法を示す概略図である
図2は、本開示のいくつかの態様による、ガイドワイヤ104に結合されたIVUS撮像装置102によって生成されたIVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスの位置を、X線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスにおけるガイドワイヤ104に沿った位置に位置合わせする一例の方法を示すフローチャートである。
【0036】
図1に示されるIVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスは、オランダ、ベストのフィリップスメディカルシステムから入手可能であるVisions PV.035カテーテルなどのIVUS撮像装置IVUSによって生成され得る。 代替的に、IVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスは、別のIVUS撮像装置によって生成されてもよい。X線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスは、オランダ、ベストのフィリップスメディカルシステムズから入手可能なAzurion 7などのX線撮像システムによって生成されてもよい。代替的に、X線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスは、別のX線又はCT撮像システムによって生成されてもよい。
【0037】
図1に示されるIVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスは、IVUS撮像装置に対して半径方向に血管系内で測定された反射超音波信号の強度を表す。 医師は、心血管疾患のための臨床研究の一部として、IVUS画像フレーム101
1..mを検討してもよい。使用中、IVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスを取得するために使用されるIVUS撮像装置は、ガイドワイヤに結合される。末梢静脈処置は、しばしば0.035放射線不透過性「RO」ガイドワイヤを使用する。ガイドワイヤは、IVUS撮像装置が血管系に沿って平行移動されることを可能にする。IVUS撮像装置102及びガイドワイヤ104の両方は、
図1に示されるX線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスにおいて可視である。 ガイドワイヤは、
図1において下方に延びる連続的な暗い線として識別されることができる。IVUS撮像装置は、撮像部106及びシースを含む。撮像部106は、表示されたX線画像フレーム105
1..nにおいて、ガイドワイヤ104の上部に向かって配置される。シースは、撮像部106から下方に延び、ガイドワイヤ104と重なる。シースは、シースに沿って軸方向に分布する複数の放射線不透過性基準マーカ108を含む。
図1では、IVUS撮像装置102は、ガイドワイヤ上に延在し、IVUS撮像装置102がガイドワイヤ102に沿って平行移動、すなわちスライドされ得るように、ガイドワイヤに結合される。
図1に示される例では、ガイドワイヤは、シースを通って、また、IVUS撮像装置102の撮像部106内のボアを通って延在する。これは、IVUS撮像装置が、IVUS撮像装置102の挿入及び引き戻し中に血管系内のガイドワイヤに沿って平行移動されることを可能にする。他のIVUS撮像装置は、IVUS撮像装置が挿入及び引き戻し動作中にガイドワイヤに沿って平行移動され得るように、IVUS撮像装置102をガイドワイヤ104に結合するための異なる技術を採用してもよい。
【0038】
図1及び
図2を参照すると、ガイドワイヤ104に結合されたIVUS撮像装置102によって生成された血管内超音波、IVUS、画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスの位置を、IVUS撮像装置102及びガイドワイヤ104を含むX線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスにおけるガイドワイヤ104に沿った位置に位置合わせするコンピュータ実施方法は、時間的シーケンスにおける複数のX線画像フレーム105
1..nに対して、
X線画像フレーム内のガイドワイヤ104を識別するステップS110と、
X線画像フレーム105
1..n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定された画像強度値と、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107とのマッチングに基づいて、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置を決定するステップS120と、
X線画像フレーム105
1..nと同時に生成されたIVUS画像フレーム101
1..mの位置を、ガイドワイヤ104に沿った決定された位置にマッピングするステップS130と、
を有する。
【0039】
図2における動作S110を参照すると、様々な技法が、X線画像フレーム内のガイドワイヤ104を識別する(S110)のに使用され得る。画像セグメンテーション技法は、例えば、この目的のために使用され得る。一例の技術は、Vandini, A., et al.による文献"Robust guidewire tracking under large deformations combining segment-like features (SEGlets)", Medical Image Analysis, Volume 38, pp 150-164に開示されている。ディープ畳み込みニューラルネットワークを使用する別の例示的な技術は、Descoteaux, M., et al., (Editors) Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention ― MICCAI 2017 pp 577 - 585. Lecture Notes in Computer Science, vol 10434. Springer, Cham内のAmbrosini, P. et al.による"Fully Automatic and Real-Time Catheter Segmentation in X-Ray Fluoroscopy"と題された文献に開示されている。
【0040】
図2の動作S120、すなわち、ガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の撮像部の位置を決定する動作を参照して、様々な例示的な技術が、以下に説明される。
【0041】
一般に、IVUS撮像装置102の撮像部106は、超音波撮像信号がIVUS撮像装置102によって送信及び/又は受信される領域を指すことに留意されたい。IVUS撮像装置は、一般に、回転撮像トランスデューサを使用するか否かに応じて、2つのカテゴリのうちの1つに分類される。前者のグループは、典型的には、超音波信号を送信及び受信しながらIVUS撮像装置の長手方向軸の周りに円周方向に回転される単一の撮像トランスデューサを含む。トランスデューサの各回転は、典型的には長手方向軸に垂直な平面内における、画像データを生成する。各回転からのデータは、典型的には、体積IVUS画像データを生成するために、引き戻し中のIVUS撮像装置の位置を表す軸方向位置データと組み合わせて使用される。回転撮像トランスデューサを使用するIVUS撮像装置において、撮像部106の位置は、超音波信号によってインターセプトされるIVUS撮像装置の長手方向軸の周りの周囲の位置を指す。後者のカテゴリは、典型的には、超音波撮像トランスデューサのアレイを含む。トランスデューサは、典型的には、IVUS撮像装置の長手方向軸の周りに円周方向に配置される。これらの円周方向に配置されたトランスデューサは、それらの物理的回転を必要とせずに、IVUS撮像装置の長手方向軸に対して半径方向に画像データを生成する。アレイによって送信及び受信される超音波信号は、所望の方向において撮像を実行するために、ビーム形成技術を使用して操縦され得る。この後者のグループにおける画像トランスデューサは、典型的には、1つ以上の行に配置される。この後者のカテゴリの他のIVUS撮像装置は、血管系内の軸方向などの他の方向において超音波信号を送受信するために超音波トランスデューサのアレイを使用する。回転撮像トランスデューサを使用しないIVUS撮像装置では、撮像部106の位置は、超音波信号がインターセプトされるIVUS撮像装置上の位置を指す。
【0042】
動作S120において、すなわち、ガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の撮像部の位置を決定する際に使用されるIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107は、マッチが存在するかどうかを決定するために、X線画像フレーム1051..n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定された画像強度値と比較され得ることに留意されたい。 比較は、例えば、相関技法、訓練された分類器、例えば、サポートベクトルマシン「SVM」、畳み込みニューラルネットワーク、すなわち、深層学習技法などの使用を含み得る。次いで、最も近いマッチを有するガイドワイヤに沿った位置は、マッチが存在する位置として選択され得る。
【0043】
概して、予想強度パターン107は、IVUS撮像装置102の一部を表し得る。例えば、予想強度パターン107は、撮像部及び/又はシャフトのようなIVUS撮像装置102の別の部分を表し得る。IVUS撮像装置の撮像部は、典型的には、X線画像において検出可能である金属などの高密度材料を含む。IVUS撮像装置102のシャフトは、典型的には、1つ又は複数の基準マーカ108を含む。基準マーカ108は、放射線不透過性材料から形成され、したがって、X線画像におけるIVUS撮像装置の識別を可能にする。
【0044】
いくつかの例では、X線画像フレーム1051..n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定された画像強度値と、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107とのマッチングは、IVUS撮像装置102を検出するように訓練された機械学習アルゴリズムを使用することを含む。 機械学習アルゴリズムは、IVUS撮像装置を表す複数のX線画像を含む訓練画像データを使用してIVUS撮像装置102を検出するように訓練され得る。機械学習アルゴリズムは、例えば、サポートベクトルマシン「SVM」アルゴリズム、又は別のアルゴリズムを含んでもよい。機械学習アルゴリズムが動作S120においてマッチングを実行するために使用される場合、機械学習アルゴリズムは、IVUS撮像装置の特徴であるとして、その撮像部106又は基準マーカ108などのIVUS撮像装置の1つ又は複数の特徴を識別し、それらの特徴に基づいてマッチングしてもよい。
【0045】
動作S120で使用される予想強度パターン107は、一次元又は二次元パターンであってもよい。例えば、IVUS撮像装置102が放射線不透過性材料を含む場合、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107は、ガイドワイヤ104に対して軸方向及び/又は半径方向に沿って延びる放射線不透過性材料のX線減衰パターンを含んでもよい。
【0046】
いくつかの例では、予想強度パターン107は、ガイドワイヤに沿った放射線不透過性マーカのうちの2つ以上の間の予想される分離を表す。これらの例では、X線画像フレーム1051..n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定された画像強度値と、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107とのマッチングは、ガイドワイヤに沿った放射線不透過性マーカのうちの2つ以上の間の分離を測定することと、測定された分離を予想される分離と比較することとを含む。
【0047】
いくつかの例では、ガイドワイヤ104に対して軸方向に沿って延在する放射線不透過性材料のX線減衰パターンが、プロファイルを表すと見なされてもよい。これらの例では、X線画像フレーム1051..n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定された画像強度値と、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107とのマッチングは、
ガイドワイヤ104に対して横方向に延在するウィンドウ内の画像強度値をサンプリングして、各位置において、ウィンドウに対する合成値を提供することによって、X線画像フレーム105内のガイドワイヤ104に沿った位置における画像強度値を決定することと、
ガイドワイヤ104に沿った位置において決定された合成値を、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107と比較し、予想強度パターン107がガイドワイヤ104の長さに沿った合成値の予想プロファイルを含むことと、
を含む。
【0048】
ウィンドウは、X線画像内の1つ又は複数のピクセルなど、ガイドワイヤに沿って所定の長さを有してもよく、ウィンドウに対する合成値は、例えば、ウィンドウ内の画像強度値の平均、又はウィンドウ内の画像強度値の最大値若しくは最小値を表してもよい。これらの例は、以下で
図4を参照してより詳細に説明される。
【0049】
いくつかの例では、動作S120において、予想強度パターン107は、X線画像105nにおける強度値とのマッチの位置を決定するために、ガイドワイヤ104に沿って平行移動される。これらの例では、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置を決定する動作S120は、X線画像フレーム1051..n内の画像強度値がIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107とマッチする位置を決定するために、X線画像フレーム1051..nにおいてガイドワイヤ104に沿ってIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107を平行移動させることを含む。
【0050】
動作S110において識別されたガイドワイヤに沿って予想強度パターン107を平行移動させることは、ガイドワイヤがX線画像フレーム内の探索領域を位置特定するので、マッチの位置を決定する速度を向上させると見なされてもよい。予想強度パターン107は、例えば、その位置をガイドワイヤに沿って1つ以上のピクセルのステップで、又は別のステップサイズによって進め、各ステップにおいてマッチが存在するかどうかを決定することによって、ガイドワイヤに沿って平行移動され得る。
【0051】
動作S120において実行される、X線画像フレーム105
1..nにおけるガイドワイヤ104に沿った位置において決定された画像強度値と、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107とのマッチングの別の例が、
図3及び
図4を参照して説明される。
【0052】
図3は、本開示のいくつかの態様による、a)ガイドワイヤ104を含むX線画像フレーム105
n、b)所定の空間分解能でX線画像フレーム105
n内の画像強度値のサンプリング、c)b)において所定の空間分解能でX線画像フレーム105
n内の画像強度値をサンプリングした結果、及びd)X線画像フレーム105
n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定され、ガイドワイヤ104に対して横方向に延びるウィンドウ内でc)から得られたサンプリングされた画像強度値を平均化することによって得られる、平均画像強度値を示す。
図3aにおいて、ガイドワイヤは、動作S110において、例えば上述の画像セグメンテーション技法を使用して、X線画像フレーム105
nにおいて識別されている。
【0053】
図3bにおいて、X線画像フレーム105
nにおける画像強度値は、所定の解像度を用いてサンプリングされる。サンプルは、
図3bに黒い点のグリッドによって示されている。
図3bに示されるX線像105
nをサンプリングする際に用いられるサンプリング分解能は、2つの直交する方向の各々において固定ステップサイズを有する。X線画像強度値のサンプルは、グリッドをガイドワイヤ上に重ね合わせ、グリッド及びガイドワイヤの交点における強度値を決定することによって得られる。グリッドは、ガイドワイヤに沿って長さ方向に延び、ガイドワイヤに直交する方向において固定の高さを有する。高さは、ガイドワイヤ及び介入装置を重ね合わせるのに十分である。
【0054】
図3bにおけるサンプリングの結果は、直線化されたガイドワイヤ104に沿った画像強度の形で、
図3cに示されている。撮像部106を含むIVUS撮像装置102は、
図3cの右側に向かって可視である。次に、X線画像フレーム105
n内のガイドワイヤ104に沿ったサンプリングされたピクセル強度を表す合成値は、ガイドワイヤ104に対して横方向に延びるウィンドウ内のサンプリングされた画像強度値を平均化することによって決定される。図示の例では、ウィンドウは、ガイドワイヤに対して直交する方向において横方向に、かつガイドワイヤ104の両側に延在する。ウィンドウは、ガイドワイヤの長さに沿って所定の長さを有する。これらの合成値は、ガイドワイヤに沿った位置、すなわち「位置(任意単位)」において
図3dに示される。ウィンドウの合成値は、代替的に、平均値以外の別のメトリックを使用して計算され得ることに留意されたい。例えば、合成値は、ウィンドウ内の最大値又は最小値を表し得る。ガイドワイヤに沿って異なる長さを有するウィンドウ、異なるウィンドウステップサイズ、及び異なる横方向範囲を有するウィンドウが、代替的に、合成値を計算するのに使用されてもよい。
【0055】
各位置において、ウィンドウに対する合成値を提供するように、ガイドワイヤ104に対して横方向に延在するウィンドウ内の画像強度値をサンプリングすることによって、X線画像フレーム105
n内のガイドワイヤ104に沿った位置における画像強度値を決定して、次に、ガイドワイヤ104に沿った位置において決定された合成値が、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107と比較される。一例では、予想強度パターン107が、ガイドワイヤ104の長さに沿った合成値の予想プロファイルを含む。これは、本開示のいくつかの態様による、a)ガイドワイヤ104及びIVUS撮像装置102を含むX線画像フレーム105
nからの画像強度、b)IVUS撮像装置102の一部を表す予想強度パターン107の第1の例、及びc)IVUS撮像装置102の一部を表す予想強度パターン107の第2の例を示す
図4を参照して示される。
【0056】
図4aは、
図3cの一部分に対応し、すなわち、所定の空間分解能でX線画像フレーム105
n内の画像強度値をサンプリングした結果を表す。
図4cは、「X」でマークされた強度値によって、IVUS撮像装置102の一部を表す予想強度パターン107を示す。
図4cのスケールは、ガイドワイヤの長さに沿って詳細を示すために、
図4aに対して拡大されることに留意されたい。予想強度パターン107は、ガイドワイヤに沿った予想ピーク強度値間の分離を表す。分離、及び任意選択でそれらのピーク強度値は、IVUS撮像装置102の特性である。図示の例では、これらのピークからの最高強度ピークが、IVUS撮像装置102の撮像部106の位置を示す。
図4cの連続曲線は、
図3c及び
図3dを参照して説明されたウィンドウ及び平均化演算を使用して
図4aの画像強度から決定される強度値を表す。
図4cでは、マッチが、
図4cの連続曲線のピーク強度値と予想強度パターン107との間に存在することが見られることができる。したがって、これらのピークからの最も高いピークの位置は、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置を識別する。
【0057】
強度値のピーク間の分離を予想強度パターン107として使用することによって、ガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の位置の迅速な決定は、適度な処理リソースとともに提供されることができる。これは、本方法がライブX線撮像中に使用される場合に特に有利である。
【0058】
他の例では、IVUS撮像装置の特性として強度値のピークの分離及び/又は強度値を使用するのではなく、強度値の他の特性、及びIVUS撮像装置の他の部分からの特性が、代替的に、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置を決定するのに使用され得る。例えば、最小強度値は、最大強度値に加えて又はその代わりに使用されてもよい。代替的に、ガイドワイヤに沿ったIVUS撮像装置の強度値を表す連続曲線が、使用されてもよい。代替的に、基準マーカに対する予想強度パターン107が、使用されてもよい。代替的に、基準マーカに対する予想強度パターン107は、基準マーカ間の予想される距離と組み合わせて使用されてもよい。IVUS撮像装置102の撮像部106と基準マーカとの間の空間的分離の知識は、また、基準マーカに対する撮像部106の位置を予測するために使用され得る。これらのアプローチの組み合わせも、使用され得る。
【0059】
別の例では、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107が、ガイドワイヤ104に対する軸方向及び半径方向に沿って延在する放射線不透過性材料のX線減衰パターンを有する。これは、
図4bに示され、テンプレート予想強度パターン107は、X線画像フレーム105
1..n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定された画像強度値をテンプレート予想強度パターン107とマッチングすることによって、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置を決定するS120ために使用される。
【0060】
いくつかの例では、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置が、ガイドワイヤ104に沿った予想強度パターン107の初期平行移動を実行し、次いで予想強度パターン107の後続平行移動を実行することによって、動作S120において決定される。初期平行移動は、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の推定位置を提供し、後続平行移動は、より正確な位置を提供する。いくつかの例では、初期平行移動及び後続平行移動の両方が、IVUS撮像装置102に結合された基準マーカ108の予想強度パターン107を使用して実行される。いくつかの例では、初期平行移動及び後続平行移動の両方が、IVUS撮像装置102の撮像部106の予想強度パターン107を使用して実行される。いくつかの例では、初期平行移動は、IVUS撮像装置102に結合された基準マーカ108の予想強度パターン107を使用して実行され得、後続平行移動は、IVUS撮像装置102の撮像部106の予想強度パターン107を使用して実行され得る。いくつかの例では、初期平行移動及び後続平行移動は、異なる分解能又はステップサイズで実行されてもよい。例えば、後続平行移動のステップサイズは、初期平行移動で使用されるステップサイズよりも小さくてもよい。初期推定位置を生成し、次いで、このようにしてより正確な位置を生成することは、高速かつ正確であるIVUS撮像装置の撮像部の位置の決定を可能にし得る。
【0061】
別の例では、X線画像フレーム1051..n内の画像強度値がIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107とマッチする位置を決定するために、X線画像フレーム1051..nにおいてガイドワイヤ104に沿ってIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107を平行移動させる動作は、
ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の第1の推定位置を決定するように、第1の空間分解能でX線画像フレーム1051..n内の画像強度値をサンプリングすることによりX線画像フレーム1051..nにおいてガイドワイヤ104に沿ってIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107の初期平行移動を実行することと、
サンプリングされた画像強度値及びIVUS撮像装置の少なくとも一部の既知の寸法に基づいて、IVUS撮像装置の前記一部に対するスケールファクタを推定することと、
ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の第2の推定位置を決定するように、X線画像フレーム1051..n内の画像強度値を第2の空間分解能でサンプリングすることによって、X線画像フレーム1051..nにおいてガイドワイヤ104に沿ってIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107の後続平行移動を実行することであって、第2の空間分解能が、推定スケールファクタに基づいて調整されることと、
ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の決定された位置として第2の推定位置を使用することと、
を有する。
【0062】
スケールファクタは、X線画像における測定値と現実世界のメトリックとの比を表す。例えば、それは、長さの単位当たりのX線画像におけるサンプルの数、又はピクセル数を表してもよい。それは、例えば、センチメートル当たりのX線画像105nにおけるピクセル数を表してもよく、現実世界のセンチメートルの寸法は、X線画像105nにおいて視覚化されるIVUS撮像装置のシャフトに結合された2つの基準マーカ間の分離から既知である。既知の分離は、製造業者仕様によって提供されてもよい。一例として、前述のVisions PV.035カテーテルでは、隣接する基準メーカ間の分離は、10ミリメートルとして指定される。この例では、センチメートル当たりのピクセル数は、初期平行移動中に所定の閾値以下であるとX線画像フレームから決定され、サンプリングに使用される第2の空間分解能、又はステップサイズが変更されてもよく、例えば、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の第2の推定位置のより正確な決定を提供するように、減少され得る。第2の空間分解能は、例えば、後続の変換において所望のスケールファクタを提供するように、推定されたスケールファクタに基づいて調整されてもよい。その際、IVUS撮像装置の位置は、再現可能な精度で決定されてもよい。
【0063】
別の例では、X線画像フレーム1051..n内の画像強度値は、最初に、第1の空間分解能でサンプリングされ、その後、第2の空間分解能でサンプリングされ、X線画像フレーム内の画像強度値がIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107にマッチする位置を決定する。空間分解能は、X線画像における長さ又は面積の単位当たりのサンプルの数を表す。空間分解能は、位置を決定する精度に影響を及ぼす。この例では、第1の空間分解能は、基準マーカの位置を決定するために、また、基準マーカ間の分離を推定するために使用される。IVUS撮像装置の撮像部のおおよその位置も、第1の空間分解能で実行されるサンプリングから本質的に決定される。第2の空間分解能は、基準マーカ108間の推定された分離に基づいて決定される。第2の空間分解能は、X線画像フレーム内の画像強度値がIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107とマッチする位置を決定するために使用される。第2の空間分解能は、IVUS撮像装置102の撮像部106の位置を決定するために使用され得る。第2の空間分解能は、第1の空間分解能より高くてもよい。有利には、第1の空間分解能は、IVUS撮像装置の第1の近似位置を提供してもよく、第2の空間分解能は、IVUS撮像装置の撮像部の位置のより正確な決定を提供してもよい。
【0064】
この例では、IVUS撮像装置102は、IVUS撮像装置102に結合され、ガイドワイヤ104に沿って軸方向に分配される複数の基準マーカ108を含む。ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置を決定する動作S120は、
X線画像フレーム1051..n内の画像強度値を第1の空間分解能でサンプリングすることによってガイドワイヤ104に沿った基準マーカ108の位置を識別すること、
基準マーカ108の識別された位置に基づいて、基準マーカ108の少なくとも1つの対の間の推定された分離を計算することと、
X線画像フレーム内の画像強度値がIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107にマッチする位置を決定するように、X線画像フレーム1051..n内の画像強度値を第2の空間分解能でサンプリングすることであって、第2の空間分解能は、基準マーカ108の少なくとも1つの対の間の推定分離と基準マーカの少なくとも1つの対の間の既知の分離とに基づいて決定されることと、
を含む。
【0065】
この例では、基準マーカ間の推定された分離は、複数のX線画像ピクセル、又はX線画像上の物理的測定値に関して決定され得る。基準マーカ間の既知の分離は、製造業者仕様から既知であり得る。例えば、いくつかのIVUS撮像カテーテルのシャフトに結合された基準マーカ108は、10ミリメートルの分離を有する。
【0066】
別の例では、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置が、テンプレートパターンを使用して決定される。
図5は、本開示のいくつかの態様による、IVUS撮像装置102の撮像部106を表すテンプレートパターン109の一例を示す。
図5に示されるテンプレートパターンは、IVUS撮像装置102の撮像部106の2次元X線画像を表し、ガイドワイヤ104に対して軸方向及び半径方向に延在する。本例では、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置は、
図2を参照して上述した動作S120に従って、複数のX線画像フレーム105
1..nにおいて、決定される。撮像部106の位置は、X線画像フレーム105
1..n内の基準マーカの識別に基づいて、動作S120から決定されてもよい。例えば、撮像部106が引き戻し動作中に基準マーカ109の後端に向かって配置されると仮定されてもよい。次に、テンプレートパターン109が、生成される。テンプレートパターン109は、IVUS撮像装置102の撮像部106を表し、複数のX線画像フレーム105
1..nにおけるIVUS撮像装置102の撮像部106の決定された位置を取り囲む画像強度値を平均化することによって生成される。次に、動作S120が繰り返され、今回、テンプレートパターンをIVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107として用いて、複数のX線画像フレーム105
1..nに対するガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置を決定するS120。これは、各X線画像フレーム105
1..nにおけるガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の調整された位置を提供する。
【0067】
この例で決定される調整された位置は、IVUS撮像装置の撮像部の位置の正確な決定を提供すると見なされてもよい。これは、平均化動作がIVUS撮像装置102の撮像部106の形状の正確な表現を提供するからである。
【0068】
別の例によれば、ガイドワイヤに対するスケールファクタが、決定される。上述のように、いくつかの例では、スケールファクタは、動作S120の後、すなわち、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置を決定する動作S120の後に決定される。しかしながら、スケールファクタは、一般に細長い介入装置を撮像するときにX線撮像法において決定されてもよく、したがって、その決定は、IVUS撮像法と組み合わせて使用することに限定されない。したがって、スケールファクタが決定される例は、動作S120及びS130とは独立して実行され得る。
【0069】
一例によれば、IVUS撮像装置102は、シャフト及び複数の基準マーカ108を有するカテーテルを含む。基準マーカ108は、カテーテルに結合され、カテーテルのシャフトに沿って軸方向に分配される。この例では、複数の基準マーカ108が、X線画像フレーム1051..n内で識別される。次いで、基準マーカ108を含むガイドワイヤ104の一部に対するスケールファクタが、X線画像フレーム1051..n内で識別された複数の基準マーカ108のうちの2つ以上の間の測定された分離と、2つ以上の基準マーカ108の間の既知の分離とに基づいて決定される。
【0070】
したがって、スケールファクタは、X線画像における測定値と現実世界のメトリックとの比を表す。例えば、それは、センチメートル、又は長さの別の単位当たりのX線画像105n内のピクセルの数を表してもよい。現実世界のセンチメートル寸法は、IVUS撮像装置のシャフトに結合された基準マーカ間の分離の製造業者仕様から既知であり得る。
【0071】
この例を続けると、IVUS撮像装置は、また、ガイドワイヤ104に対する、その長さに沿って変化する合成スケールファクタ110を生成するために、時間的シーケンス内の連続するX線画像フレーム1051..nの間でガイドワイヤ104に沿って平行移動されてもよい。ここで、IVUS撮像装置102は、時間的シーケンス内の連続するX線画像フレーム1051..nの間でガイドワイヤ104に沿って平行移動される。各画像フレーム内の基準マーカ108を含むガイドワイヤ104の一部に対するスケールファクタは、ガイドワイヤ104の長さに沿って変化するガイドワイヤ104に対する合成スケールファクタ110を提供するために、X線画像フレーム1051..n内のガイドワイヤ104の対応するセクションに対して組み合わされる。
【0072】
それに加えて、
図6は、本開示のいくつかの態様による、ガイドワイヤ104を含むX線画像フレーム105
nと、ガイドワイヤ104の長さに沿って変化するガイドワイヤ104に対する合成スケールファクタ110との一例を示す。
図6に示される例示的な合成スケールファクタ110は、ガイドワイヤの長さに沿ったミリメートル長さスケールとして提供される。合成スケールファクタ、すなわち、X線画像における長さの各単位を表すX線画像ピクセルの数は、ガイドワイヤ104の長さに沿って変化することに留意されたい。スケールファクタは、ガイドワイヤの長さに沿って変化するので、ガイドワイヤに沿った長さを正確に決定するために使用され得る。例えば、スケールファクタは、末梢静脈介入において使用されるべきステントの必要な長さを正確に決定するために使用され得る。
【0073】
いくつかの例では、スケールファクタは、合成スケールファクタ110を提供するために組み合わされる。合成スケールファクタは、例えば、ガイドワイヤの対応するセクションのスケールファクタを平均化することによって決定され得る。代替的に、各画像フレーム内の基準マーカを含むガイドワイヤの部分のスケールファクタは、ガイドワイヤの長さに沿ったスケールファクタの連続的な変化を促進するために、規則化期間を使用することによって、X線画像フレーム内のガイドワイヤの対応するセクションに対して組み合わされてもよい。この例では、各長さ測定値がX線画像フレーム内のマーカの対の異なる組み合わせ間の分離を表す、複数の長さ測定値は、複数のX線画像フレーム内で作成され、複数の長さ測定値が、ガイドワイヤに沿った位置の関数として長さに関する連立方程式(通常、過剰決定)を構成するために使用される。マーカ検出における可能な散発的な不正確さに対するロバスト性を高めるために、連立方程式は、ガイドワイヤに沿った滑らかな長さの変化を促す規則化期間を追加され得る。
【0074】
臨床検査は、多くの場合、複数のガイドワイヤの使用を必要とし、したがって、X線画像フレーム1051..nは、複数のガイドワイヤを含み得る。いくつかの例では、IVUS撮像装置を含むガイドワイヤが、本方法で使用するために選択される。これらの例によれば、動作S110において識別されるガイドワイヤは、IVUS撮像装置102の基準マーカ108を含むガイドワイヤとして識別され得る。これらの例によると、時間的シーケンス内のX線画像フレーム1051..nは、複数のガイドワイヤ104を有し、X線画像フレーム内のガイドワイヤ104を識別するステップS110は、
X線画像フレーム内の基準マーカ108を識別するステップと、
長さに沿って軸方向に分布された識別された基準マーカ108を有するガイドワイヤ104を選択するステップと、
を含む。
【0075】
図2に戻って参照すると、動作S120において、IVUS撮像装置102の撮像部106のガイドワイヤ104に沿った位置を決定すると、方法は、動作S130、すなわち、X線画像フレーム105
1..nと同時に生成されたIVUS画像フレーム101
1..mの位置をガイドワイヤ104に沿って決定された位置にマッピングする動作S130に進む。
【0076】
いくつかの例では、IVUS撮像フレームは、X線画像フレームと同期して生成され得、したがって、同時のIVUS画像フレーム及びX線画像フレームが、容易に識別され得る。他の例では、同時のIVUS画像フレーム及びX線画像フレームが、互いに時間的に最も近く発生するそれぞれのシーケンスからの画像フレームとして識別され得る。それぞれの画像フレームのタイミングは、時間的シーケンスにおけるそれらの位置から、又はそれらの生成の時間を示すタイムスタンプから決定されてもよい。
【0077】
様々な技法の使用が、動作S130において実行されるマッピング動作において考えられる。一般に、同時のIVUS及びX線画像フレームを表す画像は、同時に表示されてもよい。一例では、動作S130、すなわち、X線画像フレーム1051..nと同時に生成されたIVUS画像フレーム1011..mの位置を、ガイドワイヤ104に沿って決定された位置にマッピングする動作S130は、
時間的シーケンス内のX線画像フレーム105のうちの1つ又は複数を表す第1の画像及びガイドワイヤ104を表示し、同時に、IVUS画像フレーム1011..mの時間的シーケンスからのIVUS画像フレームを表す第2の画像を表示することと、
第1の画像におけるガイドワイヤ104に沿ったIVUS画像フレームのマッピングされた位置を示すことと、
を含む。
【0078】
表示されたIVUS画像は、血管系を通る平面スライスを表してもよい。一般に、位置は、X線画像内のIVUS画像の位置を示すマーカを表示することによって、又はX線画像内の色又は強度の変化を使用することなどによって、X線画像内のそれぞれの位置を異なる方法で強調することによって、マッピングされてもよい。いくつかの例では、第1の画像内のガイドワイヤ104の位置は、X線画像フレーム1051..n内で識別されたガイドワイヤ104の位置を平均化することによって決定される。
【0079】
図7は、本開示のいくつかの態様による、X線画像105
n内のガイドワイヤ104に沿った位置に対するIVUS画像フレーム101
mの位置のマッピングを含む表示111の一例を示す。図示の例では、表示されたIVUS画像フレーム101
mが、「A」とラベル付けされ、対応する「A」マーカを用いてX線画像フレーム105
n内のガイドワイヤ104上の位置「A」にマッピングされる。表示111は、また、IVUS画像フレーム101
1..mの断面図を示し、IVUS撮像装置がそれに沿って平行移動された血管系の長さに沿って断面画像を形成する、インラインデジタル又は画像長手方向表示「ILD」ビュー112を含む。 ILDビュー112は、引き戻し処置中に管腔に沿ってIVUS撮像装置をナビゲートするために、医師によって使用され得る。時にクロック角度と称される正しい断面角度が使用される場合、血管又は管腔の側枝などの有用な臨床情報が、識別されることができる。Aとラベル付けされたIVUS画像の位置、並びに2つの更なる画像「B」及び「C」の位置は、ILDビュー112上、並びにX線画像フレーム105
n内のガイドワイヤ104上に示される。表示されたX線画像105
nは、X線画像の時間的シーケンスにおける1つ以上のX線画像フレーム105
1..nを表す。表示されたX線画像105
nは、例えば、X線画像フレーム105
1..nのうちの選択された1つ、又はX線画像フレーム105
1..nのうちの複数のものから生成された合成画像であってもよく、又はX線画像の時間的シーケンスの前後に生成されたX線画像であってもよく、従って、ガイドワイヤ104の同様のビューを表してもよい。
【0080】
そうすることで、ガイドワイヤ104は、血管系のロードマップを提供し、マーカ「A」は、X線画像105n内のガイドワイヤ104に沿った、「A」とラベル付けされたIVUS画像101mの対応する位置を示す。このように血管系のロードマップを提供することは、静脈造影図及びそれに関連する造影剤の必要性を除去する。代わりに、ガイドワイヤ108は、ロードマップとして作用する。これは、患者への造影剤注入及びX線線量を低減するのに役立つ。
【0081】
図8は、本開示のいくつかの態様による、ガイドワイヤ104に結合されたIVUS撮像装置102によって生成されたIVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスの位置を、X線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスにおけるガイドワイヤ104に沿った位置に位置合わせするための一例のシステム200の概略図である。 ガイドワイヤ104に結合されたIVUS撮像装置102によって生成された血管内超音波IVUS画像フレーム101
1..mの時間的シーケンスの位置を、IVUS撮像装置102及びガイドワイヤ104を含むX線画像フレーム105
1..nの時間的シーケンスにおけるガイドワイヤ104に沿った位置に位置合わせするためのシステム200は、時間的シーケンスにおける複数のX線画像フレーム105
1..nに対して、
X線画像フレーム内のガイドワイヤ104を識別するステップS110と、
X線画像フレーム105
1..n内のガイドワイヤ104に沿った位置において決定された画像強度値と、IVUS撮像装置102を表す予想強度パターン107とのマッチングに基づいて、ガイドワイヤ104に沿ったIVUS撮像装置102の撮像部106の位置を決定するステップS120と、
X線画像フレーム105
1..nと同時に生成されたIVUS画像フレーム101
1..mの位置を、ガイドワイヤ104に沿った決定された位置にマッピングするステップS130と、
有する。
【0082】
システム200の1つ又は複数のプロセッサ210は、また、方法に関連して上述された1つ又は複数の特徴を組み込み得ることに留意されたい。これらは、簡潔さのために、ここでは複製されない。システム200は、また、
図8に示されるように、X線撮像システム220、ディスプレイ230、及び患者ベッド240のうちの1つ又は複数を組み込んでもよい。
【0083】
上述のように、スケールファクタを決定する方法は、一般にX線撮像法において使用されてもよく、IVUS撮像法と組み合わせて使用することに限定されない。スケールファクタは、複数の基準マーカ108が細長い介入装置の軸に沿って平行移動されるとき、X線撮像法の間に決定され得る。したがって、スケールファクタを決定する方法は、IVUS撮像装置上に配置された基準マーカと共に使用することに限定されない。
【0084】
一例によれば、複数の基準マーカ108が細長い介入装置の軸に沿って平行移動される処置中に、細長い介入装置の軸に沿って変化するX線画像スケールファクタを決定するコンピュータ実施方法が提供される。方法は、
基準マーカ108が細長い介入装置の軸に沿って平行移動される間に、細長い介入装置及び基準マーカ108を表すX線画像フレーム1051..nの時間的シーケンスを受信するステップと、
時間的シーケンス内の複数のX線画像フレーム1051..nに対して、
X線画像フレーム内の細長い介入装置及び基準マーカ108を識別するステップと、
X線画像フレーム1051..n内で識別された複数のマーカ108のうちの2つ以上の間の測定された分離と、2つ以上の基準マーカ108の間の既知の分離とに基づいて、基準マーカ108を含む細長い介入装置の部分に対するスケールファクタを決定するステップと、
細長い介入装置の軸に沿って変化するX線画像スケールファクタを提供するように、X線画像フレーム105内の基準マーカ108を含む細長い介入装置の一部に対するスケールファクタを、X線画像フレーム1051..n内の細長い介入装置の対応するセクションに組み合わせるステップと、
を有する。
【0085】
細長い介入装置は、例えば、ガイドワイヤ、カテーテル、複数の放射線不透過性マーカを有するバルーン送達システム、又は基準マーカが医学的介入中に平行移動される別の細長い介入装置であってもよい。基準マーカは、IVUS撮像装置に、又はOCT撮像装置、圧力感知装置、ICEカテーテル、血流測定装置、ステント挿入装置、若しくはアテローム切除装置などの血管治療装置などの別の装置に結合され得る。
【0086】
別の例によると、細長い介入装置の軸に沿って変化するX線画像スケールファクタを決定するコンピュータ実施方法において、X線画像フレーム1051..n内の細長い介入装置の対応するセクションに対するX線画像フレーム1051..n内の基準マーカ108を含む細長い介入装置の部分に対するスケールファクタを組み合わせる動作は、
細長い介入装置の長さに沿ってX線画像スケールファクタの連続的な変化を促進するように規則化期間を使用すること、
を含む。
【0087】
別の例によれば、細長い介入装置は、ガイドワイヤ104を有し、複数の基準マーカ108が細長い介入装置の軸に沿って平行移動される処置は、IVUS引き戻し処置を有し、基準マーカ108は、IVUS引き戻し処置中にIVUS画像フレーム1011..mを生成するように構成されたIVUS撮像カテーテルに結合される。
【0088】
上記の例は、本開示を例示するものとして理解されるべきであり、限定するものではない。更なる例も考えられる。例えば、コンピュータ実装方法に関連して説明される例は、対応する形で、コンピュータプログラム製品によって、又はコンピュータ可読記憶媒体によって、又はシステム200によっても提供され得る。任意の1つの例に関連して記載される特徴は、単独で、又は他の記載される特徴と組み合わせて使用され得、また、別の例の1つ又は複数の特徴、又は他の例の組み合わせと組み合わせて使用され得ることを理解されたい。更に、上記で説明されていない均等物及び修正物も、添付の特許請求の範囲で規定される、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。請求項において、単語「有する」は、他の要素又は動作を排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。特定の特徴が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、それらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】