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特表2024-504756エンドレスリボンを取り付けるための取り外し可能な装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】エンドレスリボンを取り付けるための取り外し可能な装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 17/32 20060101AFI20240125BHJP
   B41J 2/325 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B41J17/32 Z
B41J2/325 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545754
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 EP2022052137
(87)【国際公開番号】W WO2022162195
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】21315013.9
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523224763
【氏名又は名称】アルモア
【氏名又は名称原語表記】ARMOR
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ブリソー ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】シャリエ マキシム
(72)【発明者】
【氏名】ルフォール アントワーヌ
【テーマコード(参考)】
2C065
2C068
【Fターム(参考)】
2C065AA01
2C068AA02
2C068AA11
2C068MM08
(57)【要約】
本発明は、エンドレスリボンをコンベアシステムに取り付けるために、コンベアシステムと連携するように取り付けられた取り外し可能な装置(10)である。取り外し可能な装置(10)は、エンドレスリボンを支持するための少なくとも2つの支持部材(14)を含む。支持部材(14)は、回転軸を中心に回転可動であり、エンドレスリボンの一部を支持する凸部を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱転写印刷装置のコンベアシステムにエンドレスリボンを挿入するための取り外し可能な装置(10)であって、
フレーム(13)と、
前記エンドレスリボンを支持するための少なくとも二つの支持部材(12、14)と、
を備え、
前記支持部材(12、14)は、回転軸 (A-A)を中心に回転して可動し、
エンドレスリボン(11)の一部を支持する凸部及びアーム(13)を有し、
前記アーム(13)は、遠位端が凸部に機械的に接続され、近位端が前記回転軸 (A-A)の周りに前記支持部材の回転を可能にするようにピボット接続によってフレーム(13)に機械的に接続されている、
取り外し可能な装置(10)。
【請求項2】
前記支持部材(12、14)は、前記回転軸 (A-A)の周りに少なくとも90度、好ましくは180度、自由に回転する、
請求項1に記載の取り外し可能な装置(10)。
【請求項3】
前記支持部材(12、14)のうちの少なくとも一方は、平行移動の自由度が少なくとも1であるフレームに接続されている、
請求項1又は2に記載の取り外し可能な装置(10)。
【請求項4】
前記支持部材(12、14)は、少なくとも2つの位置の間で回転軸の周りを移動可能であり、
前記支持部材(12、14)の第1の位置では、それぞれの凸部上のエンドレスリボン(11)を第1の所定の張力のまま維持することを可能にし、
第2の位置では、前記第1の所定の張力を減少させることを可能にする、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の取り外し可能な装置(10)。
【請求項5】
前記支持部材(14)の凸部が中空円筒(14)の一部を有する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の取り外し可能な装置(10)。
【請求項6】
前記支持部材(12)の凸部は、円筒の長手軸に沿って、アーム(13)の遠位端と共に回転自由な円筒を備える、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の取り外し可能な装置(10)。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の取り外し可能な装置(10)と、
各ローラの第1円周部分(24)上のエンドレスリボンを支持するための少なくとも2つのローラ(20)を含むコンベアシステム(20)と、
を含む熱転写印刷装置(30)であって、
前記コンベアシステムは、前記取り外し可能な装置と連携するように取り付けられている、
熱転写印刷装置(30)。
【請求項8】
前記取り外し可能な装置(10)は、エンドレスリボン(11)を含み、
前記エンドレスリボン(11)は、前記取り外し可能な装置(10)の少なくとも2つの前記支持部材(12、14)によって支持されている、
請求項7に記載の熱転写印刷装置(30)。
【請求項9】
前記取り外し可能な装置(10)は、前記支持部材(12、14)をコンベアシステム(20)に係合させるための連携部材を含む、
請求項7又は8に記載の熱転写印刷装置(30)。
【請求項10】
前記支持部材(12、14)は、少なくとも2つの位置の間で回転軸の周りを移動可能であり、
前記支持部材(12、14)の第1の位置では、それぞれの凸部上のエンドレスリボン(11)を第1の所定の張力のまま維持することを可能にし、
第2の位置では、第1の所定の張力を減少させることを可能にし、
前記支持部材(12、14)が前記第1または前記第2の位置にあるときに、前記取り外し可能な装置(10)がコンベアシステム(20)から取り外し可能なように取り付けられている、
請求項7乃至9のいずれか1項に記載の熱転写印刷装置(30)。
【請求項11】
前記支持部材(12、14)が所定のリボン経路から引き出されるとき、好ましくは第1の位置における支持部材の配置によって、前記支持部材(12、14)が第2の位置に位置する、
請求項10に記載の熱転写印刷装置(30)。
【請求項12】
前記取り外し可能な装置(10)は、コンベアシステム(20)の少なくとも2つのローラ(23)に沿って係合されるように構成されており、
前記支持部材(12、14)は、取り外し可能な装置(10)がコンベアシステム(20)において係合される際に、コンベアシステム(20)の1つのローラ(23)の周りの前記第1の位置と前記第2の位置の間で可動であり、
前記第1の位置において、前記支持部材(12、14)は、コンベアシステム(20)の1つのローラ(23)の第1円周部分(24)を覆うように配置されており、
前記第2の位置において、前記支持部材(12、14)は、第1円周部分(24)に沿ってエンドレスリボン(11)を自由に通過させることができる、
請求項10又は11に記載の熱転写印刷装置(30)。
【請求項13】
前記取り外し可能な装置(10)の一方の前記支持部材(12、14)の回転軸(A-A)が、前記コンベアシステム(20)の一方のローラ(23)の回転軸に平行である、
請求項12に記載の熱転写印刷装置(30)。
【請求項14】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の取り外し可能な装置を含むシステムであって、
前記取り外し可能な装置(10)は、少なくとも1つのピボット(3)上で結合された少なくとも2つの部材(1、2)と、前記取り外し可能な装置の支持部材の周囲に取り付けられたエンドレスリボン(11)と、を含む、
システム。
【請求項15】
前記エンドレスリボンがインクによりコーティングされている、
請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設置装置の技術分野に関連したものであり、特に、コンベアシステムにリボンを設置するための取り外し可能な装置、好ましくは熱転写印刷装置にエンドレスリボンを設置するための取り外し可能な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱転写印刷装置を含む現在の解決法では、使い捨ての既にコーティングされたリボンを使用する。これらの解決法の1つの制限は、リボンの端に達したときにリボンを定期的に交換する必要があることである。
【0003】
このような未転写のインクが残っている使用済みリボンの廃棄に対応するために、代替クラスの熱転写印刷装置では、印刷されていないインクを回収しながら、エンドレスリボンを連続的にコーティングしてサーマルヘッドに露出させる。
【0004】
このような解決法は、以前の熱転写印刷サイクルにおいて使用されなかったインクの残り部分を再利用し、印刷装置の使い捨てリボンから発生する廃棄物を削減することを提供する。
【0005】
新しい熱転写印刷装置では、リボンの一部がサーマルプリントヘッドに露出している間に、エンドレスリボンが送られる。これは、多数のサイクル、例えば、システム内における数百万サイクルに耐えることができるリボンを使用することを目的としている。また、新しいインクをリボンに連続的にコーティングして、印刷中にリボン上のインクの均一な層を、より一層確保する。
【0006】
1つの制限は、リボンが寿命の終わりに達したときに、数サイクル後にリボンを交換する必要があることである。ただし、コンベアシステムでのリボンの手動交換には、いくつかの制限がある。まず、リボンを傷つけないように多くの注意を払わなければ、リボンの手動挿入は不可能である。実際、コンベアシステムは多くのローラを含み、そのようなコンベアシステムにおいて使用されるリボンは、通常、薄く不安定である。その場合、リボンの交換において、リボンを損傷する恐れなく良好な再現性を保証することはできない。また、このような交換には長い時間がかかる。実際、リボンの経路は、とても複雑である。この解決策は、リボンを交換するために生産ラインを長期間停止することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コンベアシステム、好ましくは熱転写印刷装置において、エンドレスリボンを交換する方法を提供することによって、予測される不都合を解消することを目的としている。本発明は、コンベアシステム、好ましくは熱転写印刷装置において、エンドレスリボンを取り付けるための取り外し可能な装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、エンドレスリボンをコンベアシステムに取り付けるために、コンベアシステムと連携するように取り付けられた取り外し可能な装置である。取り外し可能な装置は、エンドレスなリボンを支持するための少なくとも2つの支持部材を含み、各支持部材は回転軸を中心として回転移動可能であり、各支持部材はエンドレスなリボンの一部を支持する凸部を有する。
【0009】
一実施形態では、取り外し可能な装置は、エンドレスリボンを支持するための少なくとも2つの支持部材を含み、各支持部材は回転軸を中心として回転移動可能である。各支持部材は、エンドレスリボンの一部を支持する凸部と、凸部に機械的に接続された遠位端と回転軸を中心として支持部材の回転を可能にするピボット接続によってフレームに機械的に接続された近位端とを有するアームと、を含む。
【0010】
本発明は、支持部材によって支持されたエンドレスリボンをコンベアシステム内の経路に沿って挿入することを容易にする。支持部材の回転は、リボンの経路からそのような支持部材を引き出すことを容易に可能とし、リボンをコンベアシステム内に配置した状態にすることを可能にする。そのため、エンドレスリボンを手動で取り扱う必要がなく、設置が非常に迅速に行われ、リボンを損傷するリスクが低減される。取り外し可能な装置は、リボンの取り外しと取り付けの両方に使用できる。
【0011】
一実施例では、取り外し可能な装置は、各支持部材をコンベアシステムに接続するための連携部材をさらに含む。
【0012】
より好ましくは、連携部材は、取り外し可能な装置をコンベアシステムに配置することを可能にする。そのため、リボンの取り付け中に、コンベアシステムの任意の部分または取り外し可能な装置を損傷するリスクを低減する。取り外し可能な装置は、リボンの取り付け後、コンベアシステムと係合した状態となる。
【0013】
一実施形態では、取り外し可能な装置はさらにフレームを含み、各支持部材は少なくとも1つの自由度でフレームに接続される。
【0014】
より好ましくは、取り外し可能な装置がコンベアシステム上で係合するときに、フレームの接続によって、各支持部材を移動させることができる。また、コンベアシステムのローラにリボンを取り付けることも、コンベアシステムのローラからリボンを取り外すこともできる。
【0015】
一実施形態では、取り外し可能な装置の各支持部材は、回転軸の周りに少なくとも90度、好ましくは180度自由に回転できる。これにより、支持部材がローラの周りを回転できるという利点がある。
【0016】
各支持部材は、取り外し可能な装置は、コンベアシステム上で係合すると、容易に回転できる。そのため、コンベアシステムにおけるリボンの設置が容易になる。
【0017】
1つの実施形態では、取り外し可能な装置の少なくとも1つの支持部材が、好ましくは並進または回転の2つの自由度を有する。したがって、この少なくとも1つの支持部材の位置に応じて、エンドレスリボンに張力を加えることができるという利点がある。
【0018】
1つの実施形態では、取り外し可能な装置の各支持部材は、少なくとも2つの位置の間を移動可能であり、各支持部材の第1の位置では、それぞれの凸部上のエンドレスリボンを第1の所定の張力で維持することを可能にし、第2の位置では、第1の所定の張力よりも低い張力でエンドレスリボンを維持する。
【0019】
第1の位置は、リボンを損傷することなく、取り外し可能な装置を取り付けることを容易にする。また、第1の位置は、リボンがコンベアシステムのローラと接触しないように、リボンを伸ばすことを可能にする。第2の位置は、リボンがコンベアシステムのリボン経路に到達するまで、リボンの張力を低下させることを容易にする。
【0020】
一実施形態では、取り外し可能な装置は、各支持部材が第1または第2の位置にあるときに、コンベアシステムから取り外せるように取り付けられる。これは、コンベアシステムにエンドレスリボンを取り付けた後に、取り外し可能な装置をコンベアシステムから分離することを容易にする。
【0021】
一実施形態では、取り外し可能な装置の各支持部材は、各支持部材が決められたリボン経路から引き出されたときに第2の位置に位置する、好ましくは、第1の位置の支持部材の配置によって決められる第2の位置に位置することが望ましい。これにより、リボンの取り付けが容易になる。さらに、各支持部材が所定のリボン経路から引き出されることにより、リボンが当該コンベアシステムによって送られている間に、コンベアシステム内のリボンを損傷することを容易に抑制できる。
【0022】
一実施形態では、取り外し可能な装置の少なくとも1つの支持部材の形状は、中空円筒の少なくとも一部を含む。中空の円筒部分は、異なる形状の必要となる余分なリボンを必要とせずに、エンドレスリボンを容易に支持する。また、取り外し可能な装置をよりコンパクトにすることも効果的である。
【0023】
一実施形態では、取り外し可能な装置の少なくとも1つの支持部材がローラを含む。これは、支持部材が回転軸の周りを回転しているときに、リボンと支持部材との間の摩擦を容易に減少させる。
【0024】
一実施形態では、取り外し可能な装置の少なくとも1つの支持部材は、別の部材の周りの経路に沿って移動するように適合されており、その経路は当該部材周りの回転軌道により決められる。これにより、コンベアシステム内のエンドレスリボンの配置を容易にすることができる。
【0025】
一実施形態では、取り外し可能な装置は、コンベアシステムの少なくとも2つのローラに沿って係合されるように設計されており、各支持部材は、取り外し可能な装置がコンベアシステム上で係合される際に、コンベアシステムの1つのローラの周囲の第1位置と第2位置との間で移動できる。第1の位置では各支持部材はコンベアシステムの1つのローラの第1の円周部分を覆うように配置、及び第2の位置では、各支持部材は、第1の円周部分に沿ってエンドレスリボンを自由に通過の少なくとも一方がされている。
【0026】
コンベアシステムの1つのローラの周囲において可動する取り外し可能なデバイスの各支持部材は、コンベアシステムのローラに対してエンドレスリボンの取り付けを容易にする。実際、各支持部材が第1の位置にあり、各支持部材がエンドレスリボンを支持している場合、各支持部材は、コンベアシステムの各ローラの外部に配置することが容易になる。その後、各支持部材は、コンベアシステムのローラの周りを回転して移動し、リボンをコンベアシステムのローラに残留させることができる。より好ましくは、取り外し可能な装置の各支持部材が第2の位置にあるとき、エンドレスリボンは、取り外し可能な装置のローラと干渉することなく、コンベアシステムの各ローラによって決められた経路に沿って自由に送られる。
【0027】
一実施形態では、取り外し可能な装置の1つの支持部材の回転軸は、コンベアシステムの1つのローラの回転軸と平行である。これは、各支持部材が第1の位置と第2の位置とを切り替えているときに、エンドレスリボンの位置を容易に改善する。
【0028】
一実施形態では、取り外し可能な装置の少なくとも1つの支持部材は、スライドに沿って平行移動するように構成される。少なくとも1つの支持部材の平行移動は、当該少なくとも1つの支持部材のスライドに沿った位置に応じて、リボン内の張力を容易に変更することを可能にする。
【0029】
一実施形態では、取り外し可能な装置は、ローラの少なくとも1つの端部を支持するためのサスペンションポイント、好ましくはベアリングを含む。取り外し可能な装置のサスペンションポイントは、取り外し可能な装置がコンベアシステム上で係合しているときに、取り外し可能な装置とコンベアシステムとの連携を容易に確保する。さらに、取り外し可能な装置が印刷中にコンベアシステムにある場合、取り外し可能な装置のサスペンションポイントは、コンベアシステムを容易に補強する。
【0030】
一実施形態では、取り外し可能な装置は、各サポート要素を決められたシーケンスに従って自動的に動作させるように構成されたインターフェースを含む。これは、リボンを損傷するリスクを容易に低減できる。また、取り付けや取り外しの時間を短縮する。
【0031】
一実施例では、取り外し可能な装置のインターフェースは、各支持部材に接続された制御手段を含む。この制御手段は、各支持部材を手動で動作させるように構成されている。この構成では、ユーザーが各支持部材の動作を制御して、コンベアシステムにエンドレスリボンを安全に取り付けることができるという利点がある。
【0032】
第2の側面として、本発明は、取り外し可能な装置とコンベアシステムを含むシステムである。好ましくは、取り外し可能な装置は、本発明の第1の側面の取り外し可能な装置である。コンベアシステムは、各ローラの第1の円周部分上にエンドレスリボンを支持するための少なくとも2つのローラを含み、取り外し可能な装置と連携するように取り付けられる。
【0033】
一実施例では、コンベアシステムは、エンドレスリボンを送るように設計されている。好ましくは、コンベアシステムの少なくとも1つのローラがスライドに沿って移動することにより、エンドレスリボンがコンベアシステムに設置される場合に、エンドレスリボン内の張力を制御することができる。また、「設置」することにより、コンベアシステムは、設置前には、エンドレスリボンを備えておらず、エンドレスリボンが設置された後には、コンベアシステムの少なくとも2つのローラがエンドレスリボンを支持していると理解すべきである。
【0034】
第3の側面として、本発明はシステムを構成する熱転写印刷装置である。システムは、本発明の第2の側面のシステムであることが望ましい。
【0035】
一実施例では、凸部は、270度未満、好ましくは180度未満の回転軸に垂直な平面に従った断面の角長さを含む。角距離αは、回転軸A-Aに垂直な平面に平行な断面の軸A-Aの点からの断面により測定される。
【0036】
別の側面によれば、本発明は、熱転写印刷装置のコンベアシステムにエンドレスリボンを挿入するための取り外し可能な装置であって、
フレームと、
前記エンドレスリボンを支持するための少なくとも二つの支持部材と、
を備え、
前記支持部材は、回転軸を中心に回転して可動し、
エンドレスリボンの一部を支持する凸部及びアームを有し、
前記アームは、遠位端が凸部に機械的に接続され、近位端が前記回転軸の周りに前記支持部材の回転を可能にするようにピボット接続によってフレームに機械的に接続されている。
【0037】
一実施形態では、前記支持部材は、前記回転軸の周りに少なくとも90度、好ましくは180度、自由に回転する。
【0038】
一実施形態では、前記支持部材のうちの少なくとも一方は、平行移動の自由度が少なくとも1であるフレームに接続されている。
【0039】
一実施形態では、前記支持部材は、少なくとも2つの位置の間で回転軸の周りを移動可能であり、
前記支持部材の第1の位置では、それぞれの凸部上のエンドレスリボンを第1の所定の張力のまま維持することを可能にし、
第2の位置では、前記第1の所定の張力を減少させることを可能にする。
【0040】
一実施形態では、前記支持部材の凸部が中空円筒の一部を有する。
【0041】
一実施形態では、前記支持部材の凸部が当該円筒の長手軸に沿って、アームの遠位端と共に回転自由な円筒を備える。
【0042】
別の側面によれば、本発明は、
取り外し可能な装置と、
ローラの第1円周部分上のエンドレスリボンを支持するための少なくとも2つのローラ含むコンベアシステムと、
を含む熱転写印刷装置であって、
前記コンベアシステムは、前記取り外し可能な装置と連携するように取り付けられている。
【0043】
一実施形態では、前記取り外し可能な装置は、エンドレスリボンを含み、
前記エンドレスリボンは、前記取り外し可能な装置の少なくとも2つの前記支持部材によって支持されている。
【0044】
一実施形態では、前記取り外し可能な装置は、前記支持部材をコンベアシステムに係合させるための連携部材を含む。
【0045】
一実施形態では、前記支持部材は、少なくとも2つの位置の間で回転軸の周りを移動可能であり、
前記支持部材の第1の位置では、それぞれの凸部上のエンドレスリボンを第1の所定の張力のまま維持することを可能にし、
第2の位置では、第1の所定の張力を減少させることを可能にし、
前記支持部材が前記第1または前記第2の位置にあるときに、前記取り外し可能な装置がコンベアシステムから取り外し可能なように取り付けられている。
【0046】
一実施形態では、前記支持部材が所定のリボン経路から引き出されるときに、好ましくは第1の位置における支持部材の配置によって、前記支持部材が第2の位置に位置する。
【0047】
一実施形態では、前記取り外し可能な装置は、コンベアシステムの少なくとも2つのローラに沿って係合されるように構成されており、
前記支持部材は、取り外し可能な装置がコンベアシステムにおいて係合される際に、コンベアシステムの1つのローラの周りの前記第1の位置と前記第2の位置の間で可動であり、
前記第1の位置において、前記支持部材は、コンベアシステムの1つのローラの第1円周部分を覆うように配置されており、
前記第2の位置において、前記支持部材は、第1円周部分に沿ってエンドレスリボンを自由に通過させることができる。
【0048】
一実施形態では、前記取り外し可能な装置の一方の前記支持部材の回転軸が、前記コンベアシステムの一方のローラの回転軸に平行である。
【0049】
一実施形態では、前記取り外し可能な装置は、少なくとも1つのピボット上で結合された少なくとも2つの部材と、前記取り外し可能な装置の支持部材の周囲に取り付けられたエンドレスリボンと、を含む、
【0050】
一実施形態では、前記エンドレスリボンがインクによりコーティングされている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】複数のローラで構成され、各ローラがエンドレスリボンの一部を支えている一実施形態によるコンベアシステムの概略図である。
図2】フレームと、フレームに接続されたローラを含む複数の支持部材と、により構成された、第1実施形態に係る取り外し可能な装置の概略図である。
図3】取り外し可能な装置の各支持部材がエンドレスリボンの一部を支持している第1実施形態に係る取り外し可能な装置の概略図である。
図4】取り外し可能な装置がコンベアシステム上で係合し、取り外し可能な装置の各支持部材が第1の位置に位置する、第1実施形態に係る取り外し可能な装置の概略図である。
図5】各支持部材が第1から第2の位置に移動してリボンをコンベアシステムに取りつけている状態を示す、第1実施形態による取り外し可能な装置の概略図である。
図6】各支持部材が第1から第2の位置に移動してリボンをコンベアシステムに取りつけている状態を示す、第1実施形態による取り外し可能な装置の概略図である。
図7】各支持部材が第1から第2の位置に移動してリボンをコンベアシステムに取りつけている状態を示す、第1実施形態による取り外し可能な装置の概略図である。
図8】各支持部材が第1から第2の位置に移動してリボンをコンベアシステムに取りつけている状態を示す、第1実施形態による取り外し可能な装置の概略図である。
図9】取り外し可能な装置は、開放部を有する複数の支持部材によって構成された、好ましい実施形態による取り外し可能な装置の概略図である。
図10】取り外し可能な装置の各支持部材がエンドレスリボンの一部を支持している、第2の実施形態による取り外し可能な装置の概略図である。
図11】コンベアシステム上で係合している取り外し可能な装置とスライドに伴って移動する複数のローラを含むコンベアシステムを含むシステムの概略図である。
図12】本発明の第3の実施形態に係るシステムにおける、複数のローラ、ドライブローラ、コーター、およびプリントヘッドを含む熱転写印刷装置の概略図である。
図13】本発明の一実施形態による、コンベアシステムのローラの一部を覆う取り外し可能な装置の支持部材の断面図であり、支持部材の回転軸に垂直な平面である。
図14】本発明の一実施形態による、折りたたみ可能な取り外し可能な装置の概略図である。
図15】本発明の一実施形態による、取り外し可能な装置の支持部材と、支持部材の回転軸に平行な平面におけるコンベアシステムのローラと、の断面図である。
図16】取り外し可能な装置がコンベアシステム上で係合する、第1実施形態に係る取り外し可能な装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明は、図を参照した以下の明細書によって理解される。
【0053】
<コンベアシステム>
図1を参照しながら、コンベアシステム20の好ましい実施例を説明する。コンベアシステム20は、エンドレスリボン11を支持しながら送るために、少なくとも2つのローラ23を含む。エンドレスリボン11の経路は、決められた経路に従う。この決められた経路は、コンベアシステム20のローラ23の配置による。
エンドレスリボンを送ることにより、ローラ23は、エンドレスリボン11を、当該ローラ23によってあらかじめ決められたループ経路に沿って動かすように構成されていることが理解できる。
【0054】
ローラ23は、コンベアシステム20のフレーム29に取り付けられ、それ自体で回転してリボンを円周表面に送る。一実施形態では、ローラ23は円筒形をしており、コンベアシステム20のフレーム29に取り付けられ、その縦軸を中心に回転する。
【0055】
ローラ23の少なくとも一方は、駆動ローラ25であってもよい。駆動ローラ25は、モータに接続され、当該駆動ローラ25を回転させる。コンベアシステム20に少なくとも1つのバッテリーを埋め込み、当該モータに電力を供給することができる。駆動ローラ25の回転は、その経路に沿ったエンドレスリボンの変位を生成し、他のローラ23の回転も生成する。
【0056】
<取り外し可能な装置>
ここでは、取り外し可能な装置の好ましい実施形態について説明する。取り外し可能な装置10は、複数の支持部材12、14を含む。支持部材12、14は、フレーム13に接続されることが望ましい。支持部材12、14は、エンドレスリボン11を支持するように配置される。
【0057】
一実施形態では、取り外し可能な装置10は、コンベアシステム20上で係合するように構成される。この構成では、当該取り外し可能な装置10とコンベアシステム20との連携を可能にするために、各支持部材12はフレーム13を基準として、特定の位置に配置される。取り外し可能な装置10のフレーム13上の各支持部材10の詳細位置によって、コンベアシステム20の部材と、当該連携を阻止する取り外し可能な装置10の部材と、の間の干渉がしないように、取り外し可能な装置10とコンベアシステム20との連携を可能にする。
【0058】
表現されていない一実施形態では、取り外し可能な装置10は、コンベアシステム20に取り外し可能な装置10を係合させるための案内部材を含む。案内部材は、スライド部材及びレール部材の少なくとも一方または縦溝を含むことができる。これらの案内部材は、取り外し可能な装置10とコンベアシステム20との連携を容易にするのに有利である。
【0059】
取り外し可能な装置10は、コンベアシステム20のローラ23の少なくとも一方の端部231を支持するためのサスペンションポイント15を含む。上記のサスペンションポイント15は、ベアリングを含む。サスペンションポイント15は、取り外し可能な装置10がコンベアシステム20上で係合した際に、取り外し可能な装置10とコンベアシステム20との連携を強化するのに好ましい。ベアリングは、コンベアシステムのローラのシャフトと連携しやすいように設計されている。
【0060】
一実施形態では、コンベアシステムの少なくとも2つのローラ23は、取り外し可能な装置10がコンベアシステム20上で係合すると、当該ローラの縦軸と支持部材12、14の回転軸A-Aが一致するように配置される。
【0061】
一実施形態では、取り外し可能な装置10は、エンドレスリボン11を含む。エンドレスリボン11は、既にインクによりコーティングされていてもよい。
【0062】
利点の一つは、古いリボンが既に取り外されているコンベアシステムに新しいリボンを取り付けることができることである。
【0063】
<フレーム>
図2に示す一実施形態では、取り外し可能な装置10の各支持部材12がフレーム13の第1面に接続されている。これにより、フレーム13の別の面に他の部材を自由に取り付けることができるという利点がある。また、フレーム13の自由な面にある取り外し可能な装置10を押して、コンベアシステム20に取り外し可能な装置10を取り付けるなど、ユーザーが簡単に取り外し可能な装置10を操作できるという利点もある。
【0064】
一実施形態では、フレーム13の自由な面は、一つまたは複数のハンドルによって構成される。各ハンドルは、コンベアシステム20に取り外し可能な装置10を挿入することを容易にするのに有利である。また、取り外し可能な装置10を容易に動かすことができる。
【0065】
フレーム13はプラスチック材料によって構成することができる。フレームは、成形部品、複合部品またはアルミニウムを含む材料により構成されてもよい。この構成では、取り外し可能な装置10の重量が容易に減少する。
【0066】
フレーム13及びコンベアシステム20の少なくとも一方は、一つまたは複数のセンサを含む。この実施例では、フレームは、コンベアシステム20に電気的に接続されている。センサは、位置センサを含む。位置センサは、コンベアシステム20と取り外し可能な装置10の両方を損傷するのを防ぐために、リボン取り付け中の取り外し可能な装置10の動きを容易に検出する。
【0067】
一実施形態では、フレーム13は、コンベアシステム20の上で係合する取り外し可能な装置10を維持するように設計されたロックシステムを含む。ロックシステムは、自動ロックシステムを含む。ロックシステムは、少なくとも一つのセンサを含み、そのセンサは、フレーム13とコンベアシステム20との間の連携を検出するように構成されている。
【0068】
フレーム13は、発光手段を含む。発光手段は、コンベアシステム20を点灯させるように設計されている。この発光手段は、取り外し可能な装置10とコンベアシステム20の両方の部材を損傷することを容易に防止するために、取り外し可能な装置10を係合するプロセス中にコンベアシステムを取り付けやすいように配置されている。
【0069】
<支持部材、第1の位置及び第2の位置>
支持部材12、14は、エンドレスリボン11を支持する凸部を構成する。凸部は、エンドレスリボン11を支持するように設計された外側凸面を構成する。凸部は、エンドレスリボン11の局部張力を低減するのに有利である。
【0070】
一実施形態では、少なくとも一つの支持部材12、14がモバイルリンクされており取り外し可能な装置10のフレーム13に接続されている。モバイルリンクは、少なくとも一つの自由度を可能にすることが好ましい。
【0071】
一実施形態では、少なくとも一つの支持部材12、14は、第1の位置から第2の位置まで、で好ましくはモバイルリンクによって許容される自由度に従って可動である。支持部材は、A-A軸を中心とする回転変位によって、第1の位置から第2の位置まで可動である。各支持部材12、14の第1の位置では、それぞれの凸部上のエンドレスリボン11を第1の所定の張力で維持することを可能にする。第2の位置では、エンドレスリボン11の張力を減少させることを可能にする。第1の位置と第2の位置の間の遷移によってコンベアシステム20にリボンを取り付けられる。第1の位置では、リボンを損傷することなく、取り外し可能な装置を取り付けることを可能にする。また、第1の位置では、リボンがコンベアシステムのローラと接触しないようにリボンを伸ばすことができる。第2の位置では、リボンがコンベアシステムのリボン経路に到達するまで、リボンの張力を低下させることができるという利点がある。
【0072】
取り外し可能な装置10は、各支持部材12、14が第1の位置に位置しているときに、当該コンベアシステム20上で係合した後、コンベアシステム20から取り外すことができる。これは、その寿命に至ったエンドレスリボン11の交換を容易に可能にする。
【0073】
図3による一実施形態では、取り外し可能な装置10の支持部材12がエンドレスリボン11を支持しているとき、取り外し可能な装置10の支持部材12は第1の位置にある。よく、第1の位置では、新しいエンドレスリボン11をコンベアシステム20に取り付ける必要があるとき、または使用済みのエンドレスリボンをコンベアシステム20から取り外す必要があるときに、取り外し可能な装置の各支持部材12、14はエンドレスリボン11を支持することができる。
【0074】
図4図5、及び図16に従った一実施形態では、取り外し可能な装置10がコンベアシステム20上で係合しているときに、取り外し可能な装置10の各支持部材12は、第1の位置にある。この構成では、エンドレスリボン11は、コンベアシステムに取り付ける準備ができているという利点がある。
【0075】
図15に示すように、各支持部材は、凸部とフレームとの間の機械的接続を確保するアーム16、17を含むことができる。アームとフレームとの接続は、ピボットリンクによって確保される。
【0076】
アーム16、17は、ピボットリンクによってフレームに機械的に接続されることが好ましい。図15に示されている一実施形態では、アーム17は、凸部141に接続された遠位端172と、取り外し可能装置のフレーム13に接続された近位端171とを含む。近位端は、回転軸A-Aを中心として回転する1つの自由度でフレームに接続される。一実施形態では、アームは、その遠位端と縦方向の末端との間で、回転軸A-Aに対して略垂直な方向に、より好ましくはコンベアシステムのローラ23の半径よりも長い長さに沿って延びる。このアームは、コンベアシステム20のローラ23の周りに回転して凸部を配置することを容易に可能にする。
【0077】
一実施形態では、凸部がローラである場合、支持部材の当該ローラは、回転の一自由度に従い遠位端に接続される。ローラは、支持部材12とエンドレスリボン11の間の摩擦を低減するのに有利である。ローラ121は、アーム16の遠位端に機械的に接続されている。当該アーム1の近位端。
【0078】
図9および図10に示す一実施形態では、少なくとも一つの支持部材14が中空円筒の一部を構成する。この構成では、凸部の厚さは薄い方が好ましい。さらに、取り外し可能な装置10はよりコンパクトであると好ましい。
【0079】
支持部材14は、コンベアシステムのローラに面するように設計された内面を有する。当該内面は凹形を構成することが望ましい。これは、コンベアシステム20上で取り外し可能な装置10を係合するプロセスを容易にし、取り外し可能な装置10の体積を減少させる。
【0080】
一実施形態では、支持部材14の内面は、内面に面するローラ23の表面の曲率半径の絶対値よりも等しいか、わずかに大きい曲率半径の絶対値を有する。この構成により、最初に決められた張力を減少させることができる。
【0081】
一実施形態では、凸部の長さは、エンドレスリボン11の幅よりも等しいか、わずかに優れていてもよい。「凸部の長さ」によって、リボンの幅の寸法に沿った凸部の寸法とすることが理解できる。
【0082】
一実施例では、支持部材14は停止部材を含む。停止部材は、凸部の長さに沿ったリボンの変位を防ぐのに有利である。停止部材は、凸部の外面に配置することができる。停止部材は、さらに凸部の遠位端近くに配置することができる。停止部材は、凸部の厚さよりも優れた厚さを持つ凸部の一部とすることもできる。この構成は、エンドレスリボンが支持部材14から外れるのを防ぐために、特に有利である。
【0083】
一実施形態では、支持部材14は把持面を含む。把持面は、エンドレスリボン11を支持するためのものである。把持面は、エンドレスリボンが取り外し可能な装置10の支持部材によって支持されている場合に、エンドレスリボン11が移動するのを容易に防止する。把持面は、薄い紙片を含むことができる。グリップ面では、リボン経路に従った方向の摩擦が、当該リボン経路に垂直な方向の摩擦よりも低くてもよい。これは、支持部材14のリボンの滑りを容易に防止する。
【0084】
一実施形態では、エンドレスリボン11がコンベアシステム20の少なくとも二つのローラ23によって支持されているとき、取り外し可能な装置10の少なくとも二つの支持部材12、14は第2の位置にある。
【0085】
取り外し可能な装置10は、取り外し可能な装置の各支持部材12、14が第2の位置にあるとき、コンベアシステム20から取り外すことができる。この構成により、エンドレスリボン11の取り付け後に、取り外し可能な装置10をコンベアシステム20から取り外すことができるという利点がある。
【0086】
取り外し可能な装置10は、各支持部材12、14が第2の位置にあるときに、コンベアシステム20に挿入することができる。この構成により、取り外し可能な装置10の各支持部材12、14は、回転軸A-Aを中心に回転可動することができる。これは、コンベアシステム20のエンドレスリボン11を交換するために、特に有利である。
【0087】
一実施形態では、取り外し可能な装置10の少なくとも一つの支持部材12、14の第1の位置と第2の位置との間の遷移によって、エンドレスリボン11の張力を減少させることができる。
【0088】
一実施形態では、取り外し可能な装置10の各支持部材12、14は、取り外し可能な装置の各支持部材12、14が決められたリボン経路から引き出されたときに、第2の位置にある。「決められたリボン経路」 は、各支持部材12、14が第1の位置に位置する時の支持部材12、14の配置によって決められた経路として理解される。決められたリボンの経路は、エンドレスリボン11を支持する部材の他の配置によって描画される任意の経路にすることもできる。
【0089】
<回転>
一実施形態では、図5および図15を参照すると、少なくとも1つの支持部材が回転軸A-Aの周りの回転において自由である。
【0090】
一実施形態では、少なくとも1つの支持部材12、14は、回転軸A―Aの周りに少なくとも90度、好ましくは180度に沿ったフレームに対して自由に回転する。この回転は、回転軸A-Aの周りの円形軌道により決められる。図5から図8を参照すると、回転軸A-Aの周りの取り外し可能な装置10の少なくとも1つの支持部材12、14の回転は、コンベアシステム20の各ローラ23上のエンドレスリボン11を設置させるのに有利である。
【0091】
一実施形態では、少なくとも1つのアーム16、17をフレーム13に接続する少なくとも1つのピボットリンクは、回転軸A-Aの周りに少なくとも90度、好ましくは180度少なくとも1つのアーム16,17の回転を可能にする。
【0092】
一つの利点は、リボンを支持部材によって支持している位置からリボンをコンベアシステムのローラによって支持している位置に遷移することである。
【0093】
図13に示す一実施形態では、回転軸A-Aに垂直な平面における凸部の断面の両端141間の角度αは、270度未満、好ましくは180度または120度未満である。角度αは、回転軸A-Aに垂直な平面に従い、当該断面における軸A-Aの点からの断面において測定される。
【0094】
1つの利点は、支持部材12、14の回転によって、エンドレスリボン11をコンベアシステム20のローラ23に確実に移動できるようにすることである。
【0095】
もう一つの利点は、取り外し可能な装置の支持部材の最大サイズを確実にすることである。
【0096】
一実施例では、取り外し可能な装置10の一つの支持部材12、14の回転軸A-Aは、コンベアシステム20の一つのローラ23の回転軸に平行または略平行である。これは、取り外し可能な装置10がコンベアシステム20上で係合した際に、接点のない各ローラ23の周りの各支持部材12、14の回転を容易にする。
【0097】
一実施形態では、図7では、取り外し可能な装置10の各支持部材12、14は、第1の位置と第2の位置の中間位置にある。この構成では、エンドレスリボン11の張力が容易に維持される。
【0098】
図8に示した一実施形態では、取り外し可能な装置10の各支持部材12、14は、回転軸を中心に180回転した後である第2の位置にある。この構成では、エンドレスリボン11の張力が容易に減少し、エンドレスリボン11がコンベアシステムの少なくとも2つのローラ23によって支持されている。
【0099】
各支持部材12、14の回転軌道は、コンベアシステム20の各ローラ23上のエンドレスリボン11を容易に落下させることができる。
【0100】
一実施形態では、取り外し可能な装置10の各支持部材12、14は、コンベアシステム20の1つのローラ23の周りを回転しながら、エンドレスリボン11とまだ接触している。この構成では、エンドレスリボン11の張力は、第1の位置と第2の位置の間の遷移中に容易に維持される。
【0101】
一実施形態では、少なくとも一つの支持部材12、14は、互いに独立して軸A-A周りを回転運動するように設計されている。この構成では、コンベアシステム20の各ローラ23上で、エンドレスリボン11を少しずつ落下させることが容易である。
【0102】
別の実施形態では、取り外し可能な装置10は、モバイルリンクに従った少なくとも一つの支持部材12、14の動きが、取り外し可能な装置10の別の支持部材12、14の同様の動きを駆動するように設計されている。
【0103】
この構成では、エンドレスリボン11は、1度でコンベアシステム20の各ローラ23上に容易に設置される。
【0104】
<第2自由度>
一実施形態では、少なくとも一つの支持部材12、14は、フレーム13に対する第2自由度に沿って平行移動を自由に可能である。この場合、フレームは、スライドを含むことができる。支持部材12、14のいずれかの移動は、エンドレスリボン11の張力を変更することを容易に可能にする。エンドレスリボン11の取り付けは、容易になる。さらに、この構成では、取り付け時にエンドレスリボン11を損傷するリスクが容易に低減される。
【0105】
好ましくは、スライドによって、外側位置と、リボンの張力が外側位置よりも低い内側位置と、の二つの位置の間で支持部材12、14を平行移動させることができる。取り外し可能な装置10は、支持部材を自動的に内側位置に戻すために、負荷のかかったばねをさらに含むことができる。
【0106】
<インターフェース>
一実施形態では、取り外し可能な装置10は、インターフェースを有することができる。一例では、インターフェースは、制御手段を有する。
【0107】
制御手段は、第1の位置と第2の位置との間の少なくとも1つの支持部材の移動を制御するように構成される。制御手段は、少なくとも1つの支持部材12、14に機械的に接続される。制御手段は、インターフェースによって駆動され、支持部材12、14の動きを駆動するモータを含むことができる。
【0108】
インターフェースは、アクチュエータを含むことができる。アクチュエータは、第1の位置から第2の位置または第2の位置から第1の位置への支持部材の動きを制御する制御手段を作動させるように構成される。
【0109】
この構成では、制御手段は、ユーザーが取り外し可能な装置10の少なくとも一つの支持部材12、14の動きを制御することを容易にする。
【0110】
本発明の利点の一つは、リボンをコンベアシステムに取り付け、リボンをコンベアシステム20から取り外すステップの間、エンドレスリボン11が張力を付加した状態を維持することである。このために、支持部材12、14は、エンドレスリボン11の長さとほぼ等しい経路を描くようにフレーム上に配置される。また、エンドレスリボン11が張力を付加した状態を維持するために、ローラ23は、エンドレスリボン11の長さとほぼ等しい経路を描くようにコンベアシステム20に配置される。
【0111】
別の実施形態では、インターフェースは制御手段を駆動する電子手段を含む。
【0112】
アクチュエータは、支持部材の動きを作動させるために制御手段を機械的に制御することができる。アクチュエータは、支持部材を制御するためのハンドルを含むことができる。アクチュエータは、ボタンのような電子手段を含むこともできる。
【0113】
別の実施形態では、コントロールは、支持部材を駆動するためのモータを含むことができる。
【0114】
インターフェースは、2つの支持部材12、14の動きを互いに独立して制御するように設計することができる。
【0115】
<シーケンス>
インターフェースまたは制御手段は、2つの支持部材を同期して移動するように設計することもできる。インターフェースは、決められたシーケンスに従って、2つの支持部材を第1の位置または第2の位置に移動するように設計することもできる。
【0116】
たとえば、決められたシーケンスは、以下を含む。
第1の支持部材の第1または第2の位置への移動の作動。
第1の支持部材が第1または第2の位置に達した場合、または第1の支持部材が第1と第2の位置の間の所定の中間位置に達した場合、第2の支持部材の第1または第2の位置への移動の自動作動。
【0117】
インターフェースは、決められたシーケンスを開始するためにユーザーが作動できるアクチュエータを含むことができる。
【0118】
この構成は、ユーザーがコンベアシステムにエンドレスリボン11を少しずつ設置したい場合に特に有利である。リボン上の損傷を防ぐために、リボンの設置を容易に最適化することができる。
【0119】
別の実施形態では、決められたシーケンスは、同時に同じ回転方向にある第1または第2の位置に向かう各支持部材12、14の動きであってもよい。
【0120】
ある実施形態では、取り外し可能な装置は、支持部材の運動を監視するための少なくとも一つのセンサを含み、決められたシーケンスと支持部材の監視された動きとの間の相違を検出することが望ましい。
【0121】
一実施形態では、インターフェースは、開始されたシーケンスを逆方向に作動させるまたは停止する手段を含むことができる。これは、設置を間違った場合に取り外し可能な装置10とコンベアシステム20の両方が損傷するのを防ぎたい場合に特に有利である。
【0122】
一実施形態では、取り外し可能な装置10及びコンベアシステム20の少なくとも一方は、記録手段を構成する。記録手段は、コンベアシステム20におけるエンドレスリボン11の取り付けまたは取り外しを撮影するように設計されていてもよい。記録手段は、スクリーンに接続されていてもよい。この構成は、ユーザーがエンドレスリボン11の取り付けまたは取り外しをリアルタイムで監視したい場合に特に有利である。
【0123】
<コンベアシステムおよび取り外し可能デバイス>
第二の側面によれば、本発明はさらに、取り外し可能な装置10およびコンベアシステム20を含むシステムに関する。コンベアシステム20は、取り外し可能な装置10と連携するようになっている。好ましくは、取り外し可能な装置は、本発明において説明したものと同じである。この側面における本発明のシステムは、図4に図示される。
【0124】
一実施例では、各ローラ23の第1円周部分24は、取り外し可能な装置の各支持部材12、14が第一位置にあるとき、取り外し可能な装置の一つの支持部材12、14に接触してもよい。この構成は、取り外し可能な装置10とコンベアシステム20の安定性を強化するのに有利である。別の利点は、取り外し可能な装置10の各支持部材12、14の第1の位置と第2の位置の間の移行後に、コンベアシステム20の各ローラ23上でエンドレスリボン11が損傷することなく確実に外れることである。
【0125】
一実施形態では、取り外し可能な装置10とコンベアシステム20の間の連携は、手段を確保することによって維持される。この構成では、確保手段はロックシステムであってもよい。取り外し可能な装置10がコンベアシステム20上で係合しているという事実は、 「連携」によって理解されるべきである。この構成は、コンベアシステム20へのリボンの取り付け中に、取り外し可能な装置10のフレーム13が確実に固定されるようにするために、特に有利である。この構成のもう一つの利点は、取り外し可能な装置10のフレーム13が、印刷の段階においてコンベアシステム20に確実に固定されることである。
【0126】
一実施形態では、システムはアラームを含むことができる。アラームは、位置センサによって作動することができる。
【0127】
システムは、エンドレスリボンを含んでもよい。表現されていない一実施形態では、エンドレスリボンは、その外面に保護シートを含む。保護シートは、トングを含むことができる。トングは、エンドレスリボンを保護シートから分離するために、展開することができる。この構成により、エンドレスリボン11をコンベアシステム20に簡単に取り付けることができるという利点がある。
【0128】
<熱転写印刷装置およびシステム>
別の側面によれば、本発明はさらに、本発明によるシステムを含む熱転写印刷装置30である。システムは、本発明の第2の側面によるシステムと同じシステムであることが望ましい。
【0129】
一実施形態では、熱転写印刷装置は、プリントヘッド27を備える。プリントヘッドは、熱転写を利用して、リボンから基板にインクを転写するのに有利である。熱転写印刷装置は、さらに、新しいインクによりリボンの外面を連続コーティングするコータを含む。コータ26は、スロットダイのコーティング装置、当業者によって知られているインクローラまたはリボンをコーティングする任意のコーティング装置である。
【0130】
一実施形態では、熱転写印刷装置30は、コータ26を含む。このコータは、印刷にインクが使用されたときにリボンをコーティングするのに有利である。
【0131】
<折りたたみ式取り外し可能な装置>
一実施形態では、取り外し可能な装置は、折りたたみ式である。一実施形態では、取り外し可能な装置のフレームは、例えばヒンジ3によってピボット接続によって接続された様々な部位である。1つの利点は、このような取り外し可能な装置の輸送と保管を容易にすることである。一実施形態では、取り外し可能な装置は、支持部材12、14の周りに既に配置されたエンドレスリボンにより梱包されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】