IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コードウェル・マリン・リミテッドの特許一覧

特表2024-504762船外推進システムにおける又は関連した改善
<>
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図1
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図2
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図3
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図4
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図5
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図6
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図7
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図8
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図9
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図10A
  • 特表-船外推進システムにおける又は関連した改善 図10B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】船外推進システムにおける又は関連した改善
(51)【国際特許分類】
   B63H 20/12 20060101AFI20240125BHJP
   B63H 20/00 20060101ALI20240125BHJP
   B63H 20/02 20060101ALI20240125BHJP
   B63H 20/32 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B63H20/12 100
B63H20/00 823
B63H20/02 100
B63H20/32 710
B63H20/32 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545778
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 GB2021052472
(87)【国際公開番号】W WO2022162331
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】2101088.9
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2106925.7
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522441884
【氏名又は名称】コードウェル・マリン・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】ブレッダ,スコット
(57)【要約】
ボートへ取り付けるための第1の部分であって略垂直軸周りに固定されている第1の部分と、第1の部分へ接続されていて操舵軸周りに回転するように構成されている第2の部分と、を備える船外推進システムにおいて、第1の部分は、長手軸を有し且つ当該長手軸に対して動き得る部材を囲んでいる密閉ハウジングを備え、第2の部分は、部材に係合するように構成されたギヤであって部材のその長手軸に対する運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するようになったギヤを備え、密閉ハウジングは、密閉ハウジング内の部材の位置を決定するように構成されたセンサを備える、船外推進システム。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボートへ取り付けるための第1の部分であって、略垂直軸周りに固定されている第1の部分と、
前記第1の部分へ接続されていて、操舵軸周りに回転するように構成されている第2の部分と、
を備える船外推進システムにおいて、
前記第1の部分は、長手軸を有し且つ当該長手軸に対して動き得る部材を囲んでいる密閉ハウジングを備え、前記第2の部分は、前記部材に係合するように構成されたギヤであって前記部材のその長手軸に対する運動が前記ギヤの前記操舵軸周りの回転運動を生成するようになったギヤを備え、
前記密閉ハウジングは、当該密閉ハウジング内の前記部材の位置を決定するように構成されたセンサを備える、船外推進システム。
【請求項2】
請求項1に記載の船外推進システムにおいて、
前記部材は磁石を備え、前記センサは、前記密閉ハウジング内の当該部材の前記位置を決定するために、前記磁石によって発生する磁場の変化を監視するように構成されている、船外推進システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の船外推進システムにおいて、
前記第1の部分はエンジン及びトランスミッションアセンブリを備え、前記第2の部分はプロペラシャフトを備え、前記エンジンは前記トランスミッションアセンブリを介して前記プロペラシャフトへ動力を提供するように構成されている、船外推進システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の船外推進システムにおいて、
前記ギヤは、当該ギヤの回転が前記第2の部分の前記第1の部分に対する回転を生じさせるように前記第2の部分へ接続されている、船外推進システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の船外推進システムにおいて、
前記操舵軸は非垂直である、船外推進システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の船外推進システムにおいて、
前記部材は、当該部材のその長手軸に対する運動を生成するように構成されたモータへ動作可能に接続されている、船外推進システム。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の船外推進システムにおいて、
前記部材はその長手軸に沿って動く、船外推進システム。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の船外推進システムにおいて、
前記部材はその長手軸を中心に動く、船外推進システム。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の船外推進システムにおいて、
前記密閉ハウジングは、前記部材によって分離された2つのチャンバを有するシリンダを備え、各チャンバは油圧流体を受け入れるように構成されている、船外推進システム。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の船外推進システムにおいて、
前記密閉ハウジングは、それぞれが長手軸を有し且つ当該長手軸に対して動き得る2つの部材を囲んでおり、
前記ギヤは、少なくとも1つの部材のその長手軸に対する運動が当該ギヤの前記操舵軸周りの回転運動を生成するよう各部材と係合するように構成されている、船外推進システム。
【請求項11】
請求項10に記載の船外推進システムにおいて、
前記第1の部材と前記第2の部材は、前記ギヤの回転運動が当該第1の部材の第1の方向への運動及び当該第2の部材の第2の方向への運動を生じさせるように位置決めされている、船外推進システム。
【請求項12】
請求項11に記載の船外推進システムにおいて、
前記第1の方向は前記第2の方向とは反対方向である、船外推進システム。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の船外推進システムであって、
前記第1の部分と前記第2の部分の間に流体連通を提供する導管を更に備え、前記導管は前記第1の部分から直接に前記第2の部分の中へ通っている、船外推進システム。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の船外推進システムにおいて、
前記第1の部分と前記第2の部分の間の前記導管は略直線状である、船外推進システム。
【請求項15】
請求項12乃至14の何れか一項に記載の船外推進システムにおいて、
前記導管は前記ギヤの開口を通過している、船外推進システム。
【請求項16】
請求項12乃至15の何れか一項に記載の船外推進システムであって、
前記第1の部分と前記第2の部分の間に動力を伝達するように構成されたドライブシャフトを更に備え、前記ドライブシャフトの一部分は前記導管内に配置されている、船外推進システム。
【請求項17】
請求項16に記載の船外推進システムであって、
前記導管内に配置されていて前記ドライブシャフトの一部分を囲むように構成されているスリーブ、を更に備える船外推進システム。
【請求項18】
請求項12乃至17の何れか一項に記載の船外推進システムであって、
前記第1の導管を囲むように構成され且つ前記第1の部分と前記第2の部分の間に流体連通を提供するように構成された第2の導管、を更に備える船外推進システム。
【請求項19】
請求項18に記載の船外推進システムにおいて、
前記第1の導管は水を受け入れるように構成され、前記第2の導管は排気ガスを受け入れるように構成されている、船外推進システム。
【請求項20】
請求項1乃至19の何れか一項に記載の船外推進システムにおいて、
前記第1の部分は、軸を有し且つ当該軸に対して動き得る係合可能な構成要素を備え、前記係合可能な構成要素は、当該係合可能な構成要素のその軸に対する運動が前記ギヤの前記操舵軸周りの回転運動を生成するように前記ギヤと動作可能に係合される、船外推進システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船外推進システムにおける又は関連した改善に関し、より具体的には船外推進システムの操舵装置(steering arrangement)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の船外推進システムは、ボートのトランサムに装着することのできる自己完結型ユニットであり、システムは、エンジン、トランスミッション、及びプロペラ(又はジェットドライブ)を備えている。プロペラからのスラストの方向を制御し、ひいてはボートを操舵するために、ユニット全体がトランサムに対して垂直操舵軸周りに回転することができる。また、スラストの迎角をトリム調整するために、及び/又は例えば非使用時にユニットを上に傾けるために、ユニット全体をトランサムに対して横軸の水平トリム/チルト軸周りに回転させることもできる。
【0003】
これらの推進システムの構成は、ボートのトランサムへの1つ又はそれ以上の複雑なアタッチメントであって、油圧系を備え、推進システム全体をその操舵軸及びそのトリム/チルト軸周りに回転できるようにしたアッタッチメントを含んでいる。この複雑さは、一部には、回転軸の多さに起因し、また一部には、システム全体がこれらの軸周りに回転する必要があることが理由である。パワーヘッドを回転させることは、大きな力を必要とし、ボートのトランサムの周りにはパワーヘッドが操舵軸周りに回転するための十分なスペースを必要とする。これらの回転運動に適応するために、パワーヘッドは通常はトランサムのかなり後ろに支持される。その結果、多くの従来型船外機は、ボートのハル内に延びる操舵レバーを備えている。このレバーはパワーヘッドへ取り付けられていて、ボートを操舵するために船外機をトランサムに対して回転させるのに使用される。レバーは回転するための十分なスペースを必要とし、ボートのハル内の貴重なスペースを占有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景から本発明が生じたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、ボートへ取り付けるための第1の部分であって略垂直軸周りに固定されている第1の部分と、第1の部分へ接続されていて操舵軸周りに回転するように構成されている第2の部分と、を備える船外推進システムにおいて、第1の部分は、長手軸を有し且つ当該長手軸に対して動き得る部材を囲んでいる密閉ハウジングを備え、第2の部分は、部材に係合するように構成されたギヤであって部材のその長手軸に対する運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するようになったギヤを備え、密閉ハウジングは、密閉ハウジング内の部材の位置を決定するように構成されたセンサを備える、船外推進システムが提供されている。
【0006】
第1の部分は、固定機構を介してボートへ取り付けられるようになっていてもよい。固定機構は、ボートへ接続するように構成されたトランサムブラケットと、第1の部分へ接続するように構成されたクレードルと、を備えていてもよい。クレードルは、トランサムブラケットへ接続され、略水平軸周りに回転するように構成されていてもよい。その結果、第1の部分は略水平軸周りに回転することができる。略水平軸は、ボートのトランサムと略平行であるとしてもよい。代替的又は追加的には、略水平軸は、ボートの長手軸に直角であるとしてもよい。
【0007】
略垂直軸周りに固定されている密閉ハウジング内に部材を囲い込むことは、第1の部分を、部材の係合相手であるギヤを覆って下方へ延ばすことを可能にする。これは、船外推進システムとクレードルの間の接続部の位置決めを最適化させることを可能にする。例えば、クレードルは、ギヤよりもっと水面に近く位置する場所にて第1の部分へ接続され得る。これは、所与のブラケット及び/又はクレードルサイズに対してより大きいエンジンが使用されることを許容する。代替的又は追加的には、第1の部分とクレードルの間の接続部は、第1の部分の底部寄りに最適に位置決めされることができる。例えば、第1の部分とクレードルの間の接続部は、随意的には、第1の部分の底部から500mm未満、300mm未満、200mm未満、又は100mm未満に最適に位置決めされ得る。
【0008】
更にまた、船外推進システムの第1の部分内の密閉ハウジングの中に可動部材を囲い込むことは、部材を海水や海洋生物などの外部環境から保護することを可能にする。したがって、ギヤは第1の部分の保護範囲内で部材と係合するように構成されることができ、その結果、操舵システムのすべての可動部分を内在にさせることができる。代替的又は追加的には、ギヤは密閉ハウジングの保護範囲内で部材と係合するように構成されることができ、その結果、操舵システムのすべての可動部分を内在にさせることができる。
【0009】
密閉ハウジングは、第1の部分全体を囲むように構成されていてもよい。例えば、密閉ハウジングは、各部材及びエンジンを、第1の部分内のその他の構成要素に加えて囲んでいてもよい。したがって、密閉ハウジングは、カウリング又はその一部であるとしてもよい。これは、第1の部分の内部コンポーネントと外部環境の間のシールの数を削減し、より堅牢なシステムをもたらす。したがって、密閉ハウジングは、第1の部分であり及び/又はカウリングであるとしてもよい。第1の部分はボートのスターンへ取り付けることができる。
【0010】
代替的には、密閉ハウジングは、第1の部分内の個別の要素であってもよく、そうすると、カウリングなどの第1の部分の別の要素が取り外されたときに部材が囲い込まれたままであることが確約される。例えば、密閉ハウジングは、操舵装置ハウジングであってもよい。
【0011】
センサは、操舵方向が正確に監視され、ヘルムを介して電子的に調節されるのを可能にする。例えば、船外推進システムは「ワイヤによって操舵」されるようになってもよい。これは、システムの反応性とパッケージ化を改善する。
【0012】
部材は、磁石を備えていてもよい。センサは、密閉ハウジング内の部材の位置を決定するために、磁石によって発生する磁場の変化を監視するように構成されていてもよい。
【0013】
磁石は、部材内に配置されていてもよい。例えば、磁石は、部材の内部に格納されていてもよい。磁石を部材内に配置することは部材のプロファイルを改変しないので、密閉ハウジングを修正する必要は回避される。
【0014】
代替的には、磁石は部材の外側表面上に配置されていてもよい。磁石は、部材の外側表面中へ埋め込まれていてもよい。代替的又は追加的には、磁石は部材を包み込むように成形されていてもよい。例えば、磁石はらせん状であってもよい。磁石を部材に巻き付けることで、部材が動かされたときに磁場にはより大きい変動が発生し、ゆえにセンサが部材の位置を決定することのできる確度と精度が向上する。
【0015】
幾つかの実施形態では、センサは非接触式センサであってもよい。センサは、密閉ハウジングに対し外在的に配置されていてもよい。例えば、センサは、密閉ハウジングの外から部材の運動を検知するように構成されていてもよい。これは、ハウジングの追加シーリングが不要となることを確約し、センサの交換及び/又は保守が簡略化されるのを確約する。
【0016】
第1の部分はエンジンを備え、第2の部分はプロペラシャフトを備えていてもよい。エンジンは、プロペラシャフトへ動力を提供するように構成されていてもよい。
【0017】
ギヤは、ギヤの回転が第2の部分の第1の部分に対する回転を生じさせるように、第2の部分へ接続されていてもよい。ギヤが第2の部分へ固定されているとき、ギヤは第2の部分に対して動かない。第2の部分はスラストを生成するように構成されていてもよい。より具体的には、プロペラシャフトは使用時にスラストを生成するように構成されていてもよい。したがって、第2の部分を第1の部分に対しギヤを介して回転させることは、スラストが生成される方向を変更することになる。スラストが生成される方向を変更することは、ボートを操舵するのに使用できる。
【0018】
第1の部分は、プロペラシャフトへ提供される動力を制御するように構成されたトランスミッションアセンブリを備えていてもよい。例えば、トランスミッションアセンブリは、少なくとも1つのドライブシャフトを介してプロペラシャフトへ提供される動力を制御するように構成されていてもよい。トランスミッションアセンブリを第1の部分内に配置し、したがって操舵装置より上方に配置することで、使用時に第1の部分を下方へ水面により近く延ばせるようになる。これにより、第1の部分とクレードルの間の少なくとも1つの追加の接続部の位置決めを最適化できるようになる。これにより、ボートへの振動が低減され、使用時の船外推進システムの安定性が向上する。
【0019】
操舵軸は非垂直であってもよい。非垂直操舵軸は、システムによって生成されるスラストが垂直方向の成分を備えることを可能にし、旋回中のボートの力学的挙動を改善し及び/又はボートのバウを下げさせ、旋回中にボートが水面を横切って横滑りする可能性を低減する。
【0020】
部材は、部材のその長手軸に対する運動を生成するように構成されたモータへ動作可能に接続されていてもよい。モータはボートのヘルムの様な制御システムへ接続されていて、制御システムは部材の運動ひいてはギヤの回転を制御し、ユーザが船外推進システムによって生成されるスラストの方向を変更するのを可能にさせるように構成されていてもよい。
【0021】
代替的又は追加的には、部材は、部材のその長手軸に対する運動を生成するように構成された油圧ポンプへ動作可能に接続されていてもよい。油圧ポンプはボートのヘルムの様な制御システムへ接続されていて、制御システムは部材の運動ひいてはギヤの回転を制御し、ユーザが船外推進システムによって生成されるスラストの方向を変更するのを可能にさせるように構成されていてもよい。
【0022】
部材は、少なくとも1つの突起部を備えていてもよい。突起部はギヤとの係合を可能にするようになっていてもよい。突起部は歯であってもよい。代替的には、突起部はねじ山であってもよい。代替的又は追加的には、ギヤは、部材と係合するように構成された少なくとも1つの突起部を備えていてもよい。したがって、ギヤは部材と係合するように構成されることができる。
【0023】
部材は細長であってもよい。細長部材は、部材がギヤと係合できる長さを増加させ、ゆえにギヤのより広い回転運動を可能にする。
【0024】
部材はその長手軸に沿って動くようになっていてもよい。部材をその長手軸に沿って動かすことは、ラックアンドピニオン操舵装置をもたらし得る。例えば、部材はラックであり、ギヤはピニオンギヤであるとしてもよい。ラックアンドピニオン操舵装置は、幾つかの代替的な操舵装置よりもコンパクト且つ堅牢である。
【0025】
部材は、その長手軸を中心に動くようになっていてもよい。代替的又は追加的には、部材はその長手軸周りに動くようになっていてもよい。部材をその長手軸を中心に動かすことは、ウォームドライブ操舵装置をもたらし得る。例えば、部材はねじであり、ギヤはウォームギヤであるとしてもよく、その結果、ウォームドライブ操舵装置がもたらされる。
【0026】
代替的又は追加的には、部材はモータへ直接接続されていてもよい。モータは、部材を第1の方向に回転させ、ひいてはギヤを第2の方向に回転させるように構成されていてもよい。モータを逆転させることが、部材を第1の方向とは反対の第3の方向へ回転させ、ひいてはギヤの第2の方向とは反対の第4の方向への回転を生じさせるようになっていてもよい。
【0027】
部材は、その長手軸に沿って動き尚且つその長手軸周りに動くようになっていてもよい。例えば、油圧流体が、密閉ハウジング内の部材の回転運動と軸方向運動の両方を生じさせるようになっていてもよい。
【0028】
密閉ハウジングは、油圧流体を受け入れるように構成されたチャンバを有するシリンダを備えていてもよい。チャンバは部材に隣接していてもよい。シリンダは、チャンバと流体連通する入口を備えていてもよい。チャンバは、入口を介して油圧流体を受け入れることができる。
【0029】
油圧流体を受け入れるように構成されたチャンバを備えるシリンダは、各部材をその長手軸に対して動かすのに使用されることができる。モータは、油圧流体をチャンバの中へ圧送するように構成されていてもよく、その結果、エンジンによって生じる何らかの振動をモータの近傍から取り除くことが可能になる。チャンバ内の油圧流体は、部材へ圧力を働かせ、こうして部材をその長手軸に対して動かすことができる。
【0030】
チャンバは、チャンバの中から外への油圧流体の流れを制御するように構成された出口を備えていてもよい。チャンバ内の油圧流体はリザーバと流体連通していてもよい。出口は、チャンバからリザーバへの油圧流体の流れを制御するように構成された弁を備えていてもよい。弁が閉じられているとき、モータは油圧流体をリザーバからチャンバの中へ圧送し、チャンバを加圧し及び/又は部材をその長手軸に対して第1の方向に動かすことができる。弁が開かれているとき、チャンバ内の圧力は低下し、その結果、部材がその長手軸に対して第2の方向に動かされることになる。
【0031】
代替的には、幾つかの実施形態では、入口は出口でもある。モータは、流体をリザーバからチャンバの中へ圧送するように構成されたポンプにパワー供給するように構成されていてもよく、その結果、チャンバは加圧され、及び/又は、部材はその長手軸に対して第1の方向に動かされることになる。モータが逆転されると、その結果、チャンバは減圧され及び/又は流体はチャンバからリザーバの中へ流れ戻されることになる。代替的には、モータがオフに切り替えられると、流体が重力下にチャンバからリザーバへ流れ戻るようになっていてもよい。
【0032】
密閉ハウジングは、部材によって分離された2つのチャンバを有するシリンダを備えていてもよい。各チャンバは油圧流体を受け入れるように構成されていてもよい。その結果、密閉ハウジングは単一の複動式部材を備えることになる。
【0033】
各チャンバは、少なくとも1つの入口を介して油圧流体を受け入れるように構成されていてもよい。部材は、シリンダ内のチャンバ間の流体の流れを絞るように構成された少なくとも1つのシールを備えていてもよい。各チャンバは、油圧流体を受け入れるように構成されていてもよい。
【0034】
代替的又は追加的には、ボートへ取り付けるための第1の部分であって略垂直軸周りに固定されている第1の部分と、第1の部分へ接続されていて操舵軸周りに回転するように構成されている第2の部分と、を備える船外推進システムにおいて、第1の部分は、それぞれが長手軸を有し且つ当該長手軸に対して動き得る2つの部材を囲んでいる密閉ハウジングを備え、ギヤが、少なくとも1つの部材のその長手軸に対する運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するように各部材と係合するように構成されている、船外推進システムも提供されている。
【0035】
密閉ハウジングは、複数のシリンダを備えていてもよい。より具体的には、密閉ハウジングは、2つのシリンダを備えていてもよい。各シリンダは、油圧流体を受け入れるように構成されたチャンバを備えていてもよい。
【0036】
第1の部材と第2の部材は、ギヤの回転運動が第1の部材の第1の方向への運動と第2の部材の第2の方向への運動を生じさせるように位置決めされていてもよい。第1の方向は、第2の方向とは反対方向であってもよい。
【0037】
ギヤを回転させたときに2つの部材が互いに反対方向に動くようにすることで、システム内のバックラッシュを小さくすることができる。幾つかの実施形態では、ギヤを回転させたときに2つの部材が互いに反対方向に動くようにすることで、システム内からバックラッシュを除去することができる。また、ギヤを回転させたときに2つの部材が互いに反対方向に動くようにすることで、更に、システム内に生成される振動の量が小さくなり、ひいては共振のリスクが最小限に抑えられる可能性がある。したがって、システム全体を通って伝達され且つボートのハルへ伝達される振動も低減され、その結果、システム内のすべての構成要素への誘導される応力が減少する。
【0038】
第1の部材は、第1のチャンバ内の圧力増加の結果として第1の方向に動かされるようになっていてもよい。第1のチャンバは、第1の部材に隣接していてもよい。第1の部材の運動がギヤの運動を生じさせるようになっていてもよい。ギヤの運動が第2の部材の第2の方向への運動を生じさせるようになっていてもよい。第2の部材の第2の方向への運動が流体を第2のチャンバから外へ押し出すようになっていてもよい。第2のチャンバは第2の部材に隣接していてもよい。第1の部材は、第1のシリンダ内に配置されていてもよい。第1のチャンバは、第1のシリンダ内に配置されていてもよい。第2の部材は、第2のシリンダ内に配置されていてもよい。第2のチャンバは、第2のシリンダ内に配置されていてもよい。
【0039】
代替的又は追加的には、第2の部材は、第2のチャンバ内の圧力増加の結果として第1の方向に動かされるようになっていてもよい。第2の部材の運動がギヤの運動を生じさせるようになっていてもよい。ギヤの運動が第1の部材の第2の方向への運動を生じさせるようになっていてもよい。第1の部材の第2の方向への運動が流体を第1のチャンバから外へ押し出すようになっていてもよい。その結果、密閉ハウジングは2つの単動式部材を備えることになる。
【0040】
代替的又は追加的には、ボートへ取り付けるための第1の部分であって略垂直軸周りに固定されている第1の部分と、第1の部分へ接続されていて操舵軸周りに回転するように構成されている第2の部分と、を備える船外推進システムにおいて、第1の部分は、それぞれが長手軸を有する第1の部材及び第2の部材を囲んでいる密閉ハウジングを備え、第2の部分は、各部材と係合するように構成された少なくとも1つの突起部を含むギヤを備え、各突起部は、第2の部分を操舵軸周りに回転させるために対応する部材の長手軸に沿って動くように構成されている、船外推進システムが提供されている。
【0041】
ギヤは略円形であってもよい。少なくとも1つの突起部は、実質的に湾曲状の又は円弧様の経路を動くように構成されていてもよい。湾曲状の又は円弧様の経路の弦は、部材の長手軸に平行又は略平行であるとしてもよい。
【0042】
ギヤの回転運動が第1の部材の第1の方向への運動を生じさせるようになっていてもよい。代替的又は追加的には、ギヤの回転運動は、第2の部材の第2の方向への運動を生じさせるようになっていてもよい。第2の方向は、第1の方向と反対であるとしてもよい。例えば、第1の部材と第2の部材は、ギヤの互いに反対側に配置されていてもよい。
【0043】
代替的には、幾つかの実施形態では、第1の部材は第2の部材に隣接して位置決めされていてもよい。それにもかかわらず、第1の部材は同じく第2の部材に対して反対方向に動くように構成されることができる。
【0044】
代替的又は追加的には、密閉ハウジングは、それぞれが部材によって分離された2つのチャンバを有する2つのシリンダを備えていてもよい。各チャンバは、油圧流体を受け入れるように構成されていてもよい。その結果、密閉ハウジングは2つの複動式部材を備えることになる。
【0045】
モータは、油圧流体をリザーバから各シリンダ内の第1のチャンバの中へ圧送して各シリンダ内の第1のチャンバを加圧するようになっていてもよい。各シリンダ内の第1のチャンバを加圧することが、各部材をその長手軸に対して動かすことになる。第1の部材は第1の方向に動き、第2の部材は第2の方向に動くようになっていてもよい。第1の方向は第2の方向とは反対方向であるとしてもよい。同時に、各シリンダ内の第2のチャンバの中の流体はリザーバの中へ流れ戻ることになる。
【0046】
次いでポンプが逆転されると、油圧流体がリザーバから各シリンダ内の第2のチャンバの中へ圧送される。油圧流体を各シリンダ内の第2のチャンバの中へ圧送することが第2のチャンバを加圧し、その結果、第1の部材と第2の部材が各自の長手軸に対して第2の方向と第1の方向にそれぞれ動かされることになる。同時に、各シリンダ内の第1のチャンバ内の流体はリザーバの中へ流れてゆくことになる。
【0047】
代替的又は追加的には、少なくとも1つの油圧制御弁が、リザーバから各シリンダ内の第1のリザーバ及び/又は第2のリザーバの中へ圧送される油圧流体を方向決めするように構成されていてもよい。
【0048】
2つの複動式部材は、システムに或るレベルの冗長性をもたらすことになる。これは、一方の部材がギヤから係合解除された場合や部材の一方を動かすユーザの能力が損なわれたり制限されたりした場合でも、ギヤを回転させることを可能にする。各部材はギヤの互いに反対側に配置されているので、平行且つオフセットされた長手軸がもたらされる。その結果、ギヤの回転は各部材を各自の軸に対して互いに反対方向に動かすことになる。
【0049】
幾つかの実施形態では、各部材は、最初は単動式部材として動作して、油圧流体がシリンダ内の第2のチャンバに入るのを阻止するようになっていてもよい。その結果、システム内のバックラッシュを小さくすることができる。代替的又は追加的には、システム内のバックラッシュを完全に除去することができる。使用中にシリンダは複動式へ切り替わるように構成されていてもよく、その結果、油圧流体は必要時にのみシリンダ内の第2のチャンバに進入することを許容されることになる。シリンダ内の第2のチャンバの中への流体の流れは、第2のポンプ及び/又は少なくとも1つの弁を介して制御されるようになっていてもよい。弁は特注弁であってもよい。幾つかの実施形態では、部材は、ギヤが中立操舵位置に近く位置しているときに単動式となるように構成されていてもよい。
【0050】
したがって、複数の部材が存在していてもよい。各部材は単動式であってもよい。代替的又は追加的には、各部材は複動式であってもよい。
【0051】
代替的又は追加的には、船外推進システムは、第1の部分と第2の部分の間に流体連通を提供する導管を備えていてもよい。したがって、ボートへ取り付けるための第1の部分であって略垂直軸周りに固定されている第1の部分と、第1の部分へ接続されていて操舵軸周りに回転するように構成されている第2の部分と、を備える船外推進システムにおいて、第1の部分は、長手軸を有し且つ当該長手軸に対して動き得る部材を囲んでいる密閉ハウジングを備え、第2の部分は、部材に係合するように構成されたギヤであって部材のその長手方向に対する運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するようになったギヤを備え、導管が第1の部分と第2の部分の間に流体連通を提供している、船外推進システムも提供されている。第1の部分と第2の部分の間に流体連通を提供する導管が、排気ガスや水などの流体がシステム全体を通って輸送されるのを可能にする。流体は液体及び/又はガスであるとしてもよい。
【0052】
導管は、第1の部分から直接に第2の部分の中へ通っていてもよい。代替的又は追加的には、導管は第2の部分から直接に第1の部分の中へ通っていてもよい。導管を第1の部分から直接に第2の部分の中へ通すことは導管の長さを最小化し、ひいてはシステムの効率を向上させる。導管を第1の部分から直接に第2の部分の中へ通すことは更にシステムの全体としてのパッケージングサイズを縮小する。
【0053】
第1の部分と第2の部分の間の導管は略直線状であってもよい。第1の部分と第2の部分の間の略直線状の導管が、システムの効率を更に向上させ、システムの全体としてのパッケージングサイズを更に縮小する。
【0054】
導管はギヤの開口を通過していてもよい。導管にギヤの開口を通過させることが導管の長さを更に短縮する。更にまた、導管にギヤの開口を通過させることは、導管が回転中心を中心にして位置決めされることを可能にする。例えば、ギヤ近傍の導管の重心は操舵軸と整列され得る。
【0055】
船外推進システムは、第1の部分と第2の部分の間で動力を伝達するように構成されたドライブシャフトを備えていてもよい。ドライブシャフトの一部分が導管内に配置されていてもよい。
【0056】
船外推進システムは、導管内に配置されたスリーブを備えていてもよい。スリーブは、ドライブシャフトの一部分を囲むように構成されていてもよい。
【0057】
ドライブシャフトを導管内に配置することが、システムの全体としてのパッケージングサイズを縮小し、ひいては全体としての重量を削減する。スリーブは、導管内の流体からドライブシャフトを保護することができる。したがって、スリーブは、システムの堅牢性を高め、ドライブシャフトがその最適状態から離れて劣化するのを防ぐ。
【0058】
船外推進システムは、第2の導管を備えていてもよい。第2の導管は、第1の導管を囲むように構成されていてもよい。第2の導管は、第1の部分と第2の部分の間に流体連通を提供するように構成されていてもよい。それら導管は同心であってもよい。第1の導管を第2の導管内に囲い込むことは、水と排気ガスの両方がシステム全体を通って別々に且つ効率的に輸送されるのを可能にする。第1の導管は水を受け入れるように構成されていてもよい。第2の導管は排気ガスを受け入れるように構成されていてもよい。代替的には、第1の導管は排気ガスを受け入れるように構成されていてもよい。第2の導管は水を受け入れるように構成されていてもよい。
【0059】
代替的又は追加的には、ボートへ取り付けるための第1の部分であって略垂直軸周りに固定されている第1の部分と、第1の部分へ接続されていて操舵軸周りに回転するように構成されている第2の部分と、を備える船外推進システムにおいて、第1の部分は、長手軸を有し且つ当該長手軸に対して動き得る部材を備え、第2の部分は、部材に係合するように構成されたギヤであって部材のその長手軸に対する運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するようになったギヤを備え、第1の部分は、軸を有し且つ当該軸に対して動き得る係合可能な構成要素を備え、係合可能な構成要素は、係合可能な要素のその軸に対する運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するようにギヤと動作可能に係合される、船外推進システムが提供されている。
【0060】
係合可能な要素のその軸に対する運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するようギヤと動作可能に係合するように構成された係合可能な構成要素が、船外推進システムに冗長性をもたらすことになる。例えば、幾つかの実施形態では、部材が動かせなくなったときでも、係合可能な構成要素を介して第2の部分を回転させることができる。係合可能な構成要素は、非常事態時に第2の部分を回転させるのに使用され得る。
【0061】
係合可能な構成要素は、自身の中心を通る軸周りに回転するように構成された歯付きディスクであってもよい。歯付きディスクのその軸周りの回転が、ギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するようになっていてもよい。
【0062】
歯付きディスクは、ギヤとの係合を可能にし、ひいては回転力がそれらの間で伝達されることを可能にする。歯付きディスクはギヤであってもよい。システムは、ギヤへ動作可能に接続された複数の歯付きディスクを備えていてもよい。第1の歯付きディスクは、第2の歯付きディスクよりも大きい直径を備えていてもよい。第1の歯付きディスクと第2の歯付きディスクは、ギヤ比を作り出すように構成されていてもよい。その結果、第1の歯付ディスクと第2の歯付きディスクは、係合可能な部材へ提供される回転力のパワー出力を増加及び/又は減少させるように構成されることができる。
【0063】
代替的又は追加的には、係合可能な部材は、長手軸を有し且つ当該長手軸に沿って動き得る歯付きバーであってもよい。歯付きバーのその長手軸に沿った運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するようになっていてもよい。
【0064】
歯付きバーが歯付きディスクの代わりに使用されてもよい。歯付きバーは、複数の突起部を備える部材であってもよい。複数の突起部は歯であってもよい。バーは、ディスクに比べ、全体としてのパッケージングサイズを縮小することができる。幾つかの実施形態では、歯付きバーは、歯付きディスクへ動作可能に接続されていてもよい。歯付きバーは、複数の歯付きディスクへ動作可能に接続されていてもよい。複数の歯付きディスクは、上述の様にギヤ比を作り出すように構成されていてもよい。
【0065】
代替的又は追加的には、係合可能な部材は、長手軸を有し且つ当該長手軸周りに動き得るねじの切られたバーであってもよい。ねじの切られたバーのその長手軸周りの運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するようになっていてもよい。
【0066】
ねじの切られたバーが、歯付きディスク及び/又は歯付きバーの代わりに使用されてもよい。ねじの切られたバーは、単一の細長い突起部を備えていてもよい。幾つかの実施形態では、ねじの切られたバーは、歯付きディスクへ動作可能に接続されていてもよい。ねじの切られたバーは、複数の歯付きディスクへ動作可能に接続されていてもよい。複数の歯付きディスクは、上述の様にギヤ比を作り出すように構成されていてもよい。
【0067】
更にまた、ねじの切られたバーは、ギヤの運動が係合可能な部材を介してのみ達成可能であることを確約するように構成された操舵ロックを提供していてもよい。これは、部材が自由に動けるシナリオでユーザが係合可能な部材を介して操舵位置をロックするのを可能にする。これは、油圧システムから流体が漏れた場合に起こる可能性がある。
【0068】
船外推進システムは、係合可能な部材をギヤと係合させるように構成されたハンドルを更に備えていてもよい。代替的には、ハンドルはボタンであってもよい。例えば、幾つかの実施形態では、係合可能な部材は、ハンドルを介してギヤと係合され及びギヤから係合解除されるようになっていてもよい。但し、幾つかの実施形態では、係合可能な部材は、常にギヤへ動作可能に結合されている。
【0069】
ハンドルは、使用時に係合可能な部材とギヤの間に係合を生成するように構成されていてもよい。係合可能な部材とギヤの係合は、係合可能な部材を介してギヤと部材の両方の運動を可能にするようになっていてもよい。更にまた、幾つかの実施形態では、係合可能な部材の係合は、部材の運動を阻止するようになっていてもよい。そうすると、係合可能な部材は、通常使用中に部材がギヤを回転させるのを可能にするために、ギヤから係合解除されることが必要になるだろう。
【0070】
係合可能な部材の運動が、ギヤの操舵軸周りの回転運動と部材のその長手軸に対する運動を生成するようになっていてもよい。これは、ユーザが部材へ提供される如何なる入力もオーバーライドすることを可能にし、こうしてユーザに第2の部分の回転に対する完全な制御権を与える。
【0071】
ギヤは、係合可能な部材と係合するように構成された複数の突起部を備えていてもよい。突起部は、ギヤの周囲の少なくとも30%を周って位置決めされていてもよい。複数の突起部は歯であってもよい。ギヤの周囲の少なくとも30%を周って位置決めされていて係合可能な部材と係合するよう構成されている複数の突起部を備えるギヤは、ギヤが係合可能な部材の運動を介して少なくとも108度に亘って回転されることを可能にし得る。
【0072】
幾つかの実施形態では、より詳細に上述されている様に、部材は少なくとも1つの突起部を備えていてもよい。ギヤ側の複数の突起部もまた、部材側の少なくとも1つの突起部と係合するように構成されていてもよい。ギヤの周囲の少なくとも30%を周って位置決めされている突起部は、部材及び係合可能な部材の運動を、それらのどちらかをギヤから係合解除させることなく可能にし得る。
【0073】
幾つかの実施形態では、船外推進システムは2つの部材を備えていてもよい。したがって、複数の突起部は、ギヤの周囲の少なくとも60%を周って位置決めされていて、各部材及び係合可能な部材側の少なくとも1つの突起と係合するように構成されていてもよい。
【0074】
幾つかの実施形態では、ギヤは、その周囲の少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%を周って位置決めされた突起部を備えていてもよい。
【0075】
係合可能な部材は直接にギヤへ接続されていてもよい。係合可能な部材を直接にギヤへ接続することは、システムの全体としてのパッケージサイズを縮小することができる。更にまた、係合可能な部材を直接にギヤへ接続することは、失陥したり、摩耗したり、又は交換が必要になったりする構成要素の数を減らすためにシステムを簡素化することができる。
【0076】
代替的には、係合可能な部材は、少なくとも1つの中間ギヤを介してギヤへ接続されていてもよい。係合可能な部材は、複数の中間ギヤを介してギヤへ接続されていてもよい。中間ギヤは、使用中にギヤへ印加されるトルク、モーメント、及び/又は回転力を増加させるように構成されていてもよい。したがって、中間ギヤはギヤよりも小さい直径を有していてもよい。代替的又は追加的には、中間ギヤは、係合可能な部材よりも大きい直径を有していてもよい。複数の中間ギヤが複数の異なる直径を有していてもよい。
【0077】
係合可能な部材は、係合可能な部材をその軸に対して動かすように構成されたモータへ動作可能に接続されていてもよい。モータは、使用中にボートのヘルムを介して制御可能であってもよい。代替的又は追加的には、モータは、船外推進システム上の又は船外推進システムへ取り付けられたボタンを介して制御可能であってもよい。モータはバッテリからパワーを受け取るように構成されていてもよい。代替的又は追加的には、モータは船外推進システムからパワーを受け取るように構成されていてもよい。
【0078】
係合可能な部材は、アクチュエータへ動作可能に接続されていてもよい。アクチュエータは、ユーザによって手動回転されるように構成されていてもよい。更にまた、アクチュエータは、ユーザがアクチュエータを回転させるのを支援するように適合されたレバーを受け入れるように構成されていてもよい。レバーはスパナであってもよい。係合可能な部材を回転させるように構成された手動操作式アクチュエータは、船外推進システムの第2の部分を機械的に回転させることができて電子信号頼み及び/又は油圧流体頼みにならないことを確約するために、使用され得る。これは、操舵システムの完全失陥の可能性を低減する。代替的又は追加的には、アクチュエータは、船外モータによって回転させるように構成されていてもよい。更にまた、幾つかの実施形態では、アクチュエータは、別個のモータによって回転させるように構成されていてもよい。モータは、バッテリ動作型であってもよいし、及び/又は、ボートのヘルムから制御されるようになっていてもよい。
【0079】
その結果、係合可能な部材は、ユーザと船外機とバッテリのうちの少なくとも1つからエネルギーを受け取るように構成されることができ、こうしてシステム内に冗長性がもたらされる。更にまた、ユーザは、自分にとって最も都合の良いエネルギー源を使用して、及び/又は、所与の状況にとって最も望ましいボート上の場所から、係合可能な部材を動かすことができるようになる。
【0080】
係合可能な部材は、可撓性シャフトを介してアクチュエータへ動作可能に接続されていてもよい。可撓性シャフトは、システムのパッケージングを改善するために使用されてもよい。可撓性シャフトは、係合可能な部材をアクチュエータへ蛇行経路を介して接続するように構成されていてもよい。代替的には、係合可能な部材は、それぞれが自在継ぎ手の様な回転可能な継ぎ手を介して隣接する剛性シャフトへ接続された複数の剛性シャフトを介してアクチュエータへ動作可能に接続されていてもよい。代替的には、係合可能な部材は、少なくとも1つの剛性シャフトを介してアクチュエータへ動作可能に接続されていてもよい。係合可能な部材は、単一の剛性シャフトを介してアクチュエータへ動作可能に接続されていてもよい。
【0081】
アクチュエータは、使用中にボートの中にいるユーザによってアクセス可能であり得る。ユーザがボートの中からアクチュエータにアクセスできるようにすることは、ユーザがボート内から第2の部分を回転させ、ひいてはボートを操舵することを許容する。これは、万一、使用中にボートのヘルムを介した船外推進システムの制御が失われた場合にユーザにとって特に好都合である。
【0082】
先に開示されている様に、第1の部分は、部材を囲むように構成された密閉ハウジングを備えることができる。代替的又は追加的に、密閉ハウジングは、係合可能な部材を囲むように構成されていてもよい。
【0083】
密閉ハウジングの中に係合可能な部材を囲い込むことは、係合可能な部材を海水や海洋生物などの外部環境から保護する。したがって、ギヤは、第1の部分の保護範囲内で係合可能な部材と係合するように構成されることができ、その結果、操舵システムのすべての可動部分を内在にさせることができる。
【0084】
代替的には、密閉ハウジングは、係合可能な部材を囲むように構成された追加のチャンバを備えていてもよい。追加のチャンバは、密閉ハウジングの本体へ取り付けられていてもよい。密閉ハウジングの本体と追加のチャンバの間の接続部は、実質的に液密とすることができる。
【0085】
同じく、前述の様に、密閉ハウジングは、油圧流体をリザーバから入口を介して受け入れるように構成されたチャンバを有するシリンダを備えていてもよい。シリンダは、部材によって分離された第1のチャンバと第2のチャンバを備えていてもよい。各チャンバは、油圧流体をリザーバから入口を介して受け入れるように構成されていてもよい。第1のチャンバは、リザーバを介して第2のチャンバと流体連通していてもよい。
【0086】
代替的又は追加的には、密閉ハウジングは、それぞれが長手軸を有し且つ当該長手軸に対して動き得る2つの部材を囲んでいてもよい。ギヤは、少なくとも1つの部材のその長手軸に対する運動がギヤの操舵軸周りの回転運動を生成するように、各部材と係合するように構成されていてもよい。したがって、密閉ハウジングは、第1のチャンバを有する第1のシリンダと、第2のチャンバを有する第2のシリンダと、を備えていてもよい。各チャンバは、油圧流体をリザーバから入口を介して受け入れるように構成されていてもよい。第1のチャンバは、リザーバを介して第2のチャンバと流体連通していてもよい。
【0087】
船外推進システムは、第1のチャンバと第2のチャンバの間に直接的な流体連通を生成するように構成されたスイッチを更に備えていてもよい。第1のチャンバと第2のチャンバ間の直接的な流体連通を生成するように構成されたスイッチは、油圧流体がリザーバへ戻ることができなくなったときでも、ギヤを回転させることができる。
【0088】
幾つかの実施形態では、スイッチは、オーバーライド弁を動作させるように構成されている。代替的又は追加的には、オーバーライド弁は、ユーザによって手動式に操作されるようになっていてもよい。したがって、オーバーライド弁は手動オーバーライド弁であるとしてもよい。手動オーバーライド弁は、第1の位置では、システム内の油圧流体が第1チャンバと第2チャンバの間をリザーバ経由で流れることを許容する。また一方、第2の位置では、手動オーバーライド弁は、油圧流体が第1のチャンバから直接に第2のチャンバへ流れるのを可能にする。
【0089】
船外推進システムは、係合可能な部材のその軸に対する運動を許容するように構成された第1の位置と係合可能な部材のその軸に対する回転を阻止するように構成された第2の位置との間で動作可能なロック機構を備えていてもよい。ロック機構は、リザーバに出入りする油圧流体の流れを制御するように構成されたシャトル弁であってもよい。シャトル弁は電子的に制御されていてもよい。
【0090】
ロック機構は、第2の部分の第1の部分に対する位置を固定するために使用され得る。これは、使用時にボートの船首方位を維持するのに使用され得る一定した操舵方向を提供することができる。ロック機構はまた、第1の位置にあるときには部材のその軸に対する運動を許容するように、また第2の位置に位置決めされたときには部材のその軸に対する運動を阻止するように構成されていてもよい。ロック機構は、システム内の油圧流体の流れを制御するようになっていてもよい。例えば、第1の位置はシステム内の油圧流体の流れを可能にするのに対し、第2の位置はシステム内の油圧流体の流れを阻止するようになっていてもよい。
【0091】
代替的又は追加的には、船外推進システムは、第1の部分の第2の部分に対する運動を阻止するように構成されたロック可能なカラーを備えていてもよい。ロック可能なカラーは、アクチュエータへ動作可能に接続されていてもよい。代替的又は追加的には、ロック可能なカラーは係合可能な部材へ動作可能に接続されていてもよい。ロック可能なカラーは、シャフトを介して係合可能な部材へ動作可能に接続されていてもよい。
【0092】
より具体的には、ロック可能なカラーは、第2の部分の第1の部分に対する回転を許容するように構成された第1の位置を備えていてもよい。更にまた、ロック可能なカラーは、第2の部分の第1の部分に対する回転を阻止するように構成された第2の位置を備えていてもよい。ロック可能なカラーは、第1の位置と第2の位置の間を手動で動かされるようになっていてもよい。その結果、第2の位置では、ロック可能なカラーは、第2の部分の第1の部分に対する方向及び/又は方位を維持させることができる。これは、システムが不十分な量の油圧流体を備える状況では特に好都合である。これは、例えば油圧システムが漏れを備えている場合に起こる可能性がある。
【0093】
更にまた、ロック可能なカラーは、第1の位置と第2の位置の何れかに固定されるようになっていてもよい。より具体的には、ロック可能なカラーは、ロック可能なカラーの第1の位置と第2の位置の間の運動を阻止するように構成されたロックを備えていてもよい。
【0094】
ロック可能なカラーは、アクチュエータと係合するように構成されていてもよい。したがって、ロック可能なカラーは、アクチュエータの回転を阻止することができ、それがひいては係合可能な部材及びギヤの回転を阻止することになる。
【0095】
これより、添付図面を参照しながら、単に一例として、発明を更に且つより具体的に説明してゆく。
【図面の簡単な説明】
【0096】
図1】本発明の幾つかの実施形態による船外推進システムを示す。
図2】本発明の幾つかの実施形態による密閉ハウジングを示す。
図3】ラックアンドピニオン操舵装置を備える本発明の或る実施形態を示す。
図4】ウォームドライブ操舵装置を備える本発明の或る実施形態を示す。
図5】第1の部分と第2の部分の間に流体連通を提供する2つの同心の導管を備える本発明の或る実施形態を示す。
図6図5に示された船外推進システムを通る断面を示す。
図7図5に示された船外推進システムを通る油圧流体の流れを制御するように構成された複数の弁の構成を模式的に示す。
図8】係合可能な部材を備える本発明の或る実施形態を示す。
図9】アクチュエータを示す。
図10A】ロック可能なカラーが係合解除されたときのアクチュエータを通る断面を示す。
図10B】ロック可能なカラーが係合されたときのアクチュエータを通る断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0097】
図1は、ボートへ取り付けるための第1部分20を備える船外推進システム10を示している。より具体的には、第1部分20は、クレードル又はブラケットを介してボートのスターンへ取り付けられる。但し、船外推進システムをボートへ接続するための何れの適切な手段が使用されてもよい。
【0098】
第1部分20は略垂直軸14周りに固定されている。代替的又は追加的には、図示されない幾つかの実施形態では、第1部分20は略垂直平面周りに固定され得る。
【0099】
第1部分20は、エンジン22と、トランスミッションアセンブリ24と、を備えている。エンジン22は、従来の4ストローク圧縮着火ディーゼルエンジンである。但し、何れの内燃機関が使用されていてもよい。幾つかの実施形態では、エンジンはディーゼルを燃料とし、一方、他の実施形態では、エンジンはガソリンを燃料とする。更にまた、幾つかの実施形態では、エンジンは、ハイブリッドであり、少なくとも1つのバッテリ、少なくとも1つの電気モータ、及び内燃機関を備えている。図示されない幾つかの実施形態では、船外推進システムは完全電気式であり、1つ又はそれ以上の電気モータ及び対応するバッテリを備えている。トランスミッションアセンブリ24は、エンジン22から出力される動力を制御するように構成されている。
【0100】
船外推進システム10は、第1部分へ接続されていて操舵軸16周りに回転するように構成されている第2部分50、を更に備えている。第2部分50は、スラストを生成するように構成されたプロペラシャフト52を備えている。エンジン22は、プロペラシャフト52へ動力を提供し、ひいてはスラストを生成するように構成されている。トランスミッションアセンブリ24は、プロペラシャフト52へ提供される動力を制御するように構成されている。
【0101】
操舵軸16は非垂直である。幾つかの実施形態では、操舵軸16は、少なくとも1つのプロペラシャフト52の長手軸に100度から140度の間の角度で交わっていてもよい。代替的又は追加的には、操舵軸16は、少なくとも1つのプロペラシャフト52の長手軸に約120度の角度で交わっていてもよい。但し、図示されない幾つかの実施形態では、操舵軸16は、少なくとも1つのプロペラシャフト52の長手軸に、90度から180度の間の角度、95度から160度の間の角度、100度から140度の間の角度、110度から130度の間の角度、115度から125度の間の角度、又は約120度の角度で交わっていてもよい。
【0102】
幾つかの実施形態では、操舵軸16は略垂直軸14に40度から80度の間の角度で交わっていてもよい。代替的又は追加的には、操舵軸16は略垂直軸14に約60度の角度で交わっていてもよい。但し、図示されない幾つかの実施形態では、操舵軸16は、略垂直軸14に、0度から90度の間の角度、20度から85度の間の角度、40度から80度の間の角度、50度から70度の間の角度、55度から65度の間の角度、又は約60度の角度で交わっていてもよい。
【0103】
図3及び図4に示されている様に、第1部分20は、第1シリンダ41A及び第2シリンダ41Bを有する密閉ハウジング40を備えている。シリンダ41Aは第1部材30Aを囲み、第2シリンダ41Bは第2部材30Bを囲んでいる。各部材30A、30Bは長手軸32A、32Bを有し、長手軸32A、32Bに対して部材30A、30Bがそれぞれ動く。第2部分50は、部材30A、30Bと係合するように構成されたギヤ60であって各部材のその長手軸32A、32Bに対する運動がギヤの操舵軸16周りの回転運動を生成するようになったギヤ60を備えている。
【0104】
ギヤ60は、ギヤ60の回転が第2部分50の第1部分20に対する回転を生じさせるように第2部分50へ接続されている。ギヤ60が第2部分50へ固定されているとき、ギヤ60は第2部分50に対して動かない。第2部分50は、第1部分20に対して180度まで回転するように構成されている。但し、幾つかの実施形態では、第2部分50は、第1部分20に対して、40度、60度、80度、90度、100度、120度、140度、又は160度まで回転するように構成されている。第2部分50は、時計回り及び/又は反時計回りに回転することができる。
【0105】
図示されない幾つかの実施形態では、密閉ハウジング40は、第1部分20全体を囲むように構成されている。代替的又は追加的には、第1部分20は、図2乃至図4に示されている様に、第1部材30A、第2部材30B、及びギヤ60を囲むように構成された個別の密閉ハウジング40を備えていてもよい。
【0106】
図3は、それぞれがギヤ60と係合するように構成された2つの部材30A、30Bを備える本発明の或る実施形態を示している。密閉ハウジング40は、2つのシリンダ41A、41Bを備え、各シリンダはチャンバ42A、42Bをそれぞれ備えている。各チャンバ42A、42Bは、入口(図示せず)を介して油圧流体44を受け入れるように構成されている。各チャンバは、更に、チャンバから出てリザーバ49へ戻る油圧流体の流れを制御するように構成された出口(図示せず)を備えている。各チャンバ内の油圧流体は、それぞれに導管45A、45Bを介してリザーバ49と流体連通している。各導管は、リザーバ49と入口及び/又は出口の間の流体経路を提供している。
【0107】
各部材30A、30Bは、細長であって、ギヤ60と係合するように構成された少なくとも1つの突起部34A、34Bを備えている。更にまた、各部材30A、30Bは、磁石36A、36Bを備えている。密閉ハウジング40は、部材ごとに少なくとも1つのセンサ38A、38Bを更に備え、センサは、密閉ハウジング内の磁石の位置を決定するように、したがって各部材30A、30Bの位置を、ひいては操舵方向を決定するように構成されている。センサ38A、38Bは、磁界の変化に基づいて磁石の位置を監視するように構成されている。
【0108】
但し、何れの適切な磁石及び/又はセンサが使用されてもよい。センサはアナログであってもよいし又はデジタルであってもよい。例えば、幾つかの実施形態では、ホール効果センサが使用されてもよい。代替的又は追加的には、幾つかの実施形態では、磁気ピックアップセンサが使用されてもよい。
【0109】
使用時、モータ70がポンプ72にパワー供給して油圧流体44をリザーバ49から第1導管45Aに沿って第1チャンバ42Aの中へ第1入口を介して圧送させる。チャンバ42A内の油圧流体44は、部材30Aへ圧力を働かせる。チャンバ42A内の油圧流体44からの圧力が、部材30Aを第1位置から離れて第1方向に動かす。第1部材30Aの第1方向への運動がギヤ60を反時計回りの方向に回転させる。その結果、ギヤ60の回転が第2部材30Bを第1位置から離れて第2方向に動かす。第2部材30Bの第2方向への運動が、第2チャンバ42B内の油圧流体44を第2チャンバ42Bから押し出し出口を介して第2導管45Bに沿ってリザーバ49の中へ戻す。その結果、第2部分50は第1部分20に対して操舵軸16周りに反時計回りの方向に回転させられる。このプロセスは、第2部分50を第1部分20に対して操舵軸16周りに反対方向に回転させるためには反転される。
【0110】
例えば、使用時、モータ70がポンプ72にパワー供給して油圧流体44をリザーバ49から第2導管45Bに沿って第2チャンバ42Bの中へ第1入口を介して圧送させる。チャンバ42B内の油圧流体44は、部材30Bへ圧力を働かせる。チャンバ42B内の油圧流体44からの圧力が、部材30Bを第2位置から離れて第1方向に動かす。第2部材30Bの第1方向への運動がギヤ60を時計回りの方向に回転させる。その結果、ギヤ60の回転が第1部材30Aを第2位置から離れて第2方向に動かす。第1部材30Aの第2方向への運動が、第2チャンバ42A内の油圧流体44を第1チャンバ42Aから押し出し出口を介して第1導管45Aに沿ってリザーバ49の中へ戻す。その結果、第2部分50は第1部分20に対して操舵軸16周りに時計回りの方向に回転させられる。
【0111】
図示されない幾つかの実施形態では、少なくとも1つの出口が、チャンバ42からリザーバ49への油圧流体44の流れを制御するように構成された弁を備えている。出口は、複数の弁を備えていてもよい。代替的又は追加的には、リザーバ49は、リザーバ49からチャンバ42への油圧流体44の流れを制御するように構成された少なくとも1つの弁を備えていてもよい。弁が閉じられているとき、ポンプ72は、油圧流体をリザーバ49から第1のチャンバ42A、42Bの中へ入口を介して圧送し、チャンバを加圧し及び/又は部材30A、30Bをその長手軸32A、32Bに対して第1方向に動かす。弁が開かれているとき、油圧流体はチャンバ42A、42Bからリザーバ49の中へ出口を介して流れる。その結果、チャンバ42A、42B内の圧力が低下し、したがって、部材30A、30Bがその長手軸32A、32Bに対して第2方向に動くことが可能になる。
【0112】
図7は、上述の船外推進システム10でのリザーバ49と少なくとも1つのチャンバ42の間の油圧流体44の流れを制御するように構成された複数の弁の構成を模式的に示している。
【0113】
図7では、ポンプ72は、モータ70からパワーを受け取るように構成された双方向ポンプである。ポンプ72は、油圧流体をリザーバ49から第1チャンバ42Aの中へ第1ユーザ操作式逆止弁141A及び第1絞り142Aを介して圧送するように構成されている。同時に、油圧流体は、第2チャンバ42Bからリザーバ49の中へ第2絞り142B及び第2ユーザ操作式逆止弁141Bを介して流れるように仕向けられることになる。ポンプ72がオフにされたとき、ユーザ操作式逆止弁141A、141Bは閉位置又は「ロック」位置に留まり、したがって、システム内の油圧流体の流れが阻止される。
【0114】
各ユーザ操作式逆止弁141A、141Bは、電子信号の結果として開位置と閉位置の間で操作されるようになっていてもよい。代替的又は追加的には、各ユーザ操作式逆止弁141A、141Bは、システム内の油圧流体圧力の結果として、開位置と閉位置の間で操作されるようになっていてもよい。
【0115】
各絞り142A、142Bは、チャンバ42A、42Bとリザーバ49の間の油圧流体の流れを絞るように構成されており、ゆえに、システム内の所定の油圧流体圧力が維持される。更にまた、システムは、第1絞り142A及び第2絞り142Bにそれぞれ平行に配置された第1逃し弁143A及び第2逃し弁143Bを備えている。逃し弁143A、143Bは、システム内の最大油圧流体圧力を制限するように構成されている。代替的又は追加的には、逃し弁143A、143Bは、リザーバ49の中へ流れ戻る油圧流体の流れ及び/又は圧力を制御するように構成されている。
【0116】
第3逃し弁144A及び第4逃し弁144Bも存在している。第3逃し弁144A及び第4逃し弁144Bは、システム内に大きい圧力スパイクが起こった場合に流体をリザーバ49へ戻すように構成されている。
【0117】
システムは、絞り142A、142Bとチャンバ42A、42Bの間に配置された手動オーバーライド弁145を更に備えている。手動オーバーライド弁145は、第1位置に位置決めされたときには、システムが上記の様に機能するのを可能にする。一方、第2位置に位置決めされたときには、手動オーバーライド弁は、流体が第1チャンバ42Aと第2チャンバ42Bの間を直接流れることを可能にするように構成されている。これは、例えば非常事態時に船外推進システムが手動で操舵されることを可能にし得る。幾つかの実施形態では、手動オーバーライド弁145は、第1位置と第2位置の間でスイッチ(図示せず)を介して操作可能である。スイッチは、電子スイッチであってもよい。スイッチは、使用中のボートのヘルムに配置されていてもよいし、及び/又は、船外推進システム上に配置されていてもよい。したがって、スイッチは、第1チャンバ42Aと第2チャンバ42Bの間の直接的な流体連通を生成するように構成されている。
【0118】
更にまた、システムは、リザーバ49の中へ戻る油圧流体の流れを制御するように構成されたシャトル弁146を備えている。シャトル弁146は電子制御式である。その結果、シャトル弁はロック機構の役目を果たすことができる。例えば、シャトル弁は、リザーバ49を出入りする油圧流体の流れを阻止することができ、ひいては部材32及びギヤ60を各自の軸に対して動けないようにすることができる。
【0119】
図示されない幾つかの実施形態では、各シリンダは、部材によって分離された2つのチャンバを備えている。その結果、各シリンダは、部材30を備えた複動式油圧シリンダをもたらす。代替的には、密閉ハウジングは、それぞれが反対方向に動くように構成された部材を備える2つの複動式油圧シリンダを備えていてもよい。各チャンバは、別々の導管を介してリザーバと流体連通している入口と出口を備えていてもよい。
【0120】
代替的又は追加的には、第1シリンダ内の第1チャンバは、第2シリンダ内の第1チャンバと流体連通していてもよい。更にまた、第1シリンダ内の第2チャンバは、第2シリンダ内の第2チャンバと流体連通していてもよい。その結果、油圧流体は、部材をその長手軸に対して動かすために、互いに反対側のシリンダ内の各対のチャンバ間を流れることができる。
【0121】
幾つかの実施形態では、各部材30は複数の突起部34を備えている。例えば、図3は、ラックアンドピニオン操舵装置を備える本発明の或る実施形態を示している。各部材30A、30Bは、ギヤ60と係合するように成形された歯の形態の複数の突起部34A、34Bを備えている。各部材30A、30Bは、矢印Xによって指示されている様にその長手軸32A、32Bに沿って動き、ひいてはギヤ60を回転させる。
【0122】
幾つかの実施形態では、各部材30は、単一の突起部34を備えている。単一の突起部は、連続したねじ山であってもよい。例えば、図4は、ウォームドライブ操舵装置を備える本発明の或る実施形態を示している。各部材30A、30Bは、ギヤ60と係合するように成形されたねじ山の形態の単一の突起部34A、34Bを備えている。各部材30A、30Bは、矢印Yによって指示されている様にその長手軸32A、32Bを中心に及び/又は長手軸32A、32B周りに動き、ひいてはギヤ60を回転させる。図4では、部材は、前述の様に油圧流体によって生成される圧力を介してその軸周りに回転させられるようになっていてもよい。但し、図示されない幾つかの実施形態では、各部材30A、30Bはモータ70へ直接接続されている。モータは、部材を第1方向又は第2方向に回転させ、ひいてはギヤ及び第2部分の第3方向又は第4方向への回転を生成するように構成されている。
【0123】
図5は、それぞれが第1部分20と第2部分50の間に流体連通を提供している2つの同心の導管80、81を備える本発明の或る実施形態を示している。第1導管80は、水を受け入れるように構成されている。第2導管81は、エンジン22からの排気ガスを受け入れるように構成されている。各導管80、81は、第1部分20と第2部分50の間に流体連通を提供する。
【0124】
より具体的には、各導管80、81は、第1部分20から直接に第2部分50の中へ通っている。したがって、各導管80、81は、第1部分20と第2部分50の間に直接に流体経路を提供している。導管80、81は、ギヤ60の開口62を通過している。その結果、導管80、81の重心は操舵軸16と整列される。
【0125】
船外推進システム10は、第1部分20内のエンジン22から第2部分50内のプロペラシャフト52へ動力を伝達するように構成されたドライブシャフト84を更に備えている。幾つかの実施形態では、ドライブシャフト84へは複数の中間のシャフト、ギヤ及び/又は接続部が動作可能に結合されている。中間のシャフト、ギヤ、及び/又は接続部のうちの少なくとも1つは、エンジン22とプロペラシャフト52の間に配置されている。したがって、「○○へ結合されている」は、直接的に○○へ結合されていると間接的に○○へ結合されている、の両方を含む。例えば、幾つかの実施形態では、トランスミッション24は、エンジン22とドライブシャフト84の間に配置されている。したがって、図示されていないが少なくとも1つの追加のドライブシャフトがエンジン22とトランスミッション24の間に配置されていてもよい。
【0126】
ドライブシャフト84の一部分は、図5に示されている様に第1導管80内に配置されている。ドライブシャフト84は、導管80、81内の流体がドライブシャフト84に接触してしまうのを防止するように構成されたスリーブ82によって囲まれている。第2導管81は、第1導管80を囲み、第1部分20と第2部分50の間に追加の流体連通を提供している。各導管は、第1導管に係る流体が第2導管内の流体と混合することのないように構成されている。幾つかの実施形態では、第1導管80は水を受け入れるように構成され、第2導管81は排気ガスを受け入れるように構成されている。
【0127】
図6は、図5に示された船外推進システム10を通る断面を示している。より具体的には、図6は、第1部分20から直接に第2部分50の中へ通っている導管80、81を示している。代替的又は追加的には、図6は、第2部分50から直接に第1部分20の中へ通っている導管80、81を示している。
【0128】
図8は、係合可能な部材90を備える船外推進システム10の或る実施形態を示している。係合可能な部材90は軸91を有し、軸91に対して係合可能な部材91が動くように構成されている。幾つかの実施形態では、係合可能な部材は、図8に示されている様に、自身の軸91周りに又は軸91を中心に回転するように構成されたギヤの様な歯付きディスクである。代替的に、図示されない幾つかの実施形態では、係合可能な部材は、自身の軸に沿って動くラックの様な歯付きバー、又は自身の軸周りに又は軸を中心に回転するねじ山の様なねじの切られたバーである。
【0129】
図8では、係合可能な部材90は、中間ギヤ92を介してギヤ60へ動作可能に結合されている。但し、図示されない幾つかの実施形態では、係合可能な部材90は直接にギヤ60へ結合されている。代替的又は追加的には、図示されない幾つかの実施形態では、船外推進システムは、係合可能な部材90とギヤ60及び/又は中間ギヤ92との係合を生じさせるように構成されたハンドルを備えている。
【0130】
中間ギヤ92は、係合可能な部材90によってギヤ60へ提供される回転力を増加させるように構成されている。幾つの数の中間ギヤ92が使用されていてもよい。例えば、一部の実施形態は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の又は10より多い中間ギヤ92を備えている。
【0131】
ギヤ60は、係合可能な部材90及び/又は中間ギヤ92と係合するように構成された複数の突起部96を備えている。図8に示されている様に、突起部96は、ギヤ60の周囲の少なくとも30%、より厳密には50%、最も厳密には75%を周って位置決めされている。
【0132】
図8に示されている係合可能な部材90は、密閉ハウジング40内に囲まれている。但し、添付の図面に描かれていない幾つかの実施形態では、密閉ハウジングは、密閉ハウジング40の本体へ取り付けられるように構成され且つ係合可能な部材90を囲むように構成された追加のチャンバを備えている。前述の構成のそれぞれは、係合可能な部材を外部環境から保護する。代替的に、幾つかの実施形態では、係合可能な部材90は密閉ハウジング40に対し外在である。この構成は、例えば保守のための容易アクセスを提供することができる。
【0133】
係合可能な部材は、1つ又はそれ以上のシャフト94を介してアクチュエータ97へ動作可能に結合されている。シャフト94は可撓性であってもよいし又は剛性であってもよい。アクチュエータは、シャフト94を回転させるためにユーザを介し手動で操作され、それによって係合可能な部材90が回転し、それが中間ギヤ92を回転させ、それがギヤ60をその軸16周りに回転させる。
【0134】
幾つかの実施形態では、係合可能な部材90は、ボタン及び/又はコントロールパネルを介して操作可能なモータへ動作可能に結合されている。モータは、エンジン22又はバッテリ(図示せず)からのエネルギーを用いて係合可能な部材を回転させるように構成されている。
【0135】
図9は、アクチュエータ97を示している。アクチュエータ97は、シャフト94を介して係合可能な部材90へ動作可能に結合されている。係合可能な部材90は、ギヤ60へ動作可能に結合されている。したがって、船外機の通常使用時には、アクチュエータ97はギヤ60が回転する際に回転する。したがって、幾つかの実施形態では、図8に示されている様に、アクチュエータ97はキャップ99によって覆われている。
【0136】
通常の操舵システムの失陥時には、ギヤ60を回転させ、ひいては船外機を操舵するためにアクチュエータ97が使用され得る。例えば、部材30A、30Bが無反応になったか又はギヤ60から係合解除されてしまった場合、ギヤ60はシリンダ41A、41B内の油圧流体44の存在によってその場にロックされ得る。このシナリオでは、ユーザは、オーバーライド弁145を動かして第2位置へ入れ、シリンダ41A、41B間の油圧流体の運動を許容させる。次いで、ユーザは、アクチュエータ97を手動で回転させればよく、その結果、ギヤ60が回転する。その後、オーバーライド弁145を第1の位置へ戻せば、ギヤ60はその新しい位置にロックされる。
【0137】
但し、十分な油圧流体がシステムから失われた場合、ギヤ60は自由に動けてしまう。この場合も同じく、部材30A、30Bに対する制御が失われることで操舵失陥が生じる。このシナリオでは、オーバーライド弁145を第1位置と第2位置の間で動かすことは冗長的である。とはいえ、ユーザはなおもアクチュエータ97を介してギヤ60の回転を制御することができる。
【0138】
幾つかの実施形態では、船外推進システムは、図9図10A、及び図10Bに示されている様に、ロック可能なカラー98を備えている。ロック可能なカラー98は、アクティブ化されたとき、第2部分50の第1部分20に対する運動を阻止するように構成されている。したがって、ロック可能なカラー98は、システム内の油圧流体が不十分であるときにユーザが船外推進システムの操舵方向をロックすることを可能にする。こうして、ロック可能なカラー98はシステム内に更なる冗長性をもたらす。
【0139】
ロック可能なカラー98は、ボートのトランサムへ固定される。また、ロック可能なカラー98は、アクチュエータ97に係合してその回転を阻止するように構成されている。より具体的には、ロック可能なカラー98は、第1位置と第2位置の間で動作可能であり、第1位置はアクチュエータ97の回転を許容し、第2位置はアクチュエータ97の回転を阻止する。
【0140】
図10Aは、ロック可能なカラー98が係合解除された第1位置にあるアクチュエータ97を通る断面を示している。この位置では、アクチュエータ97はギヤ60が回転する際に自由に回転することができる。逆に、図10Bは、第2位置にあるアクチュエータ97を通る断面を示しており、この位置では、ロック可能なカラー98は係合されていて、ゆえにギヤ60の回転が阻止される。より具体的には、ロック可能なカラー98は、複数の突起部101を備えている。アクチュエータ97も、複数の突起部102を備えている。ロック可能なカラー98側の突起部101は、図10A及び図10Bに示されている様にアクチュエータ97側の突起部102と係合及び係合解除するように構成されている。
【0141】
シャフト94は、その遠位端にねじの切られた孔104を備えている。ねじの切られた孔104は長手軸106を有する。アクチュエータ97は、ねじの切られた孔104内に位置決めされるねじの切られたバー103を介してシャフト94へ取り付けられている。使用時、ボルト105を介し、ひいてはねじの切られたバー103をねじの切られた孔104内で孔の軸106に沿って巻いたりほどいたりすることによって、アクチュエータ97をシャフト4に対して回転させることができる。したがって、アクチュエータ97は、ロック可能なカラー98に対して孔104の軸106に沿って動くことができる。或る特定の点にて、アクチュエータ97の突起部102はロック可能なカラー98の突起部101と係合する。この構成では、アクチュエータ97は所定位置にロックされ、その結果、シャフト94と係合可能な部材90とギヤ60は回転するのを阻止される。その後、アクチュエータ97の突起部102がロック可能なカラー98の突起部101から係合解除されるまでナット105を反対方向に回転させることによってアクチュエータは解放されることができる。
【0142】
代替的に、図示されない幾つかの実施形態では、ロック可能なカラーは機械的締結具であってもよい。ロック可能なカラーは、アクチュエータ、シャフト94、及び/又は係合可能な部材90と係合するように構成されていてもよい。代替的又は追加的には、ロック可能なカラーは、第2部分50と直接に係合するように構成されていてもよい。
【0143】
本開示に鑑みて当業者には本発明の様々な更なる態様及び実施形態が明らかであろう。
【0144】
「及び/又は」は、本明細書で使用されている場合、2つの特定された特徴又は構成要素のそれぞれを他方の有無にかかわらず開示しているものと解釈されるべきである。例えば、「A及び/又はB」は、(i)A、(ii)B、及び、(iii)A及びB、の各々を、それぞれが本明細書で個別に示されているかの様に、特定的に開示しているものと解釈されるべきである。
【0145】
文脈によって別途指示されない限り、以上に示されている特徴の説明及び定義は、発明の何れかの特定の態様又は実施形態に限定されず、記載されているすべての態様及び実施形態に等しく適用される。
【0146】
発明は幾つかの実施形態を参照しながら一例として説明されているが、発明は開示されている実施形態に限定されないこと、及び付随の特許請求の範囲によって定義される発明の範囲から逸脱することなく代替的な実施形態が構築され得ることが、当業者には更に理解されるであろう。
【符号の説明】
【0147】
10 船外推進システム
14 略垂直軸
16 操舵軸
20 第1部分
22 エンジン
24 トランスミッションアセンブリ
30A 第1部材
30B 第2部材
32、32A、32B長手軸
34、34A、34B 突起部
36A、36B 磁石
38A、38B センサ
40 密閉ハウジング
41A 第1シリンダ
41B 第2シリンダ
42A 第1チャンバ
42B 第2チャンバ
44 油圧流体
45A、45B 導管
49 リザーバ
50 第2部分
52 ロペラシャフト
60 ギヤ
62 開口
70 モータ
72 ポンプ
80 第1導管
81 第2導管
82 スリーブ
84 ドライブシャフ
90 係合可能な部材
91 係合可能な部材の軸
92 中間シャフト
94 シャフトト
97 アクチュエータ
98 ロック可能なカラー
99 キャップ
101 突起部
102 突起部
103 ねじの切られたバー
104 ねじの切られた孔
105 ボルト、ナット
106 孔の長手軸
141A 第1ユーザ操作式逆止弁
141B 第2ユーザ操作式逆止弁
142A 第1絞り
142B 第2絞り
143A 第1逃し弁
143B 第2逃し弁
144A 第3逃し弁
144B 第4逃し弁
145 手動オーバーライド弁
146 シャトル弁
X、Y 部材30の動く方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
【国際調査報告】