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特表2024-504798廃棄物からのエネルギーを使用して水素含有生成ガスを生成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】廃棄物からのエネルギーを使用して水素含有生成ガスを生成する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/02 20060101AFI20240125BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20240125BHJP
   B09B 3/65 20220101ALI20240125BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20240125BHJP
   C10L 3/08 20060101ALI20240125BHJP
   C01B 3/38 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
C01B3/02 Z
B09B3/40 ZAB
B09B3/65
B09B5/00 M
C10L3/08
C01B3/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546070
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2022051702
(87)【国際公開番号】W WO2022161985
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】21154189.1
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516042103
【氏名又は名称】ヒタチ ゾウセン イノバ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】ヤロスラフ ヘンルレ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ビーガース
(72)【発明者】
【氏名】ミハイ ミティテル
【テーマコード(参考)】
4D004
4G140
【Fターム(参考)】
4D004AA01
4D004AA16
4D004BA03
4D004CA07
4D004CA18
4D004CA22
4D004CB04
4D004CB45
4D004CC02
4D004DA03
4D004DA06
4G140BA02
4G140EA03
4G140EA06
4G140EB03
4G140EB13
(57)【要約】
本発明は、廃棄物からのエネルギーを使用して水素含有生成ガス44,45を生成する方法及びシステムを記載する。方法は、廃棄物供給部10から廃棄物焼却炉のボイラ22へ廃棄物12を搬送し、そして熱を生成するために廃棄物12を燃焼させ、そしてガス供給部からのメタンを含むガス30と蒸気供給部34からの蒸気36とを、蒸気改質ユニットの反応器32へ供給し、ボイラ22内で生成された熱を蒸気改質ユニットの反応器32へ提供し、そして、ボイラ22内の廃棄物12の燃焼により提供された熱によって支援された、メタンを含むガス30と蒸気36との反応により、水素含有生成ガス44,45を生成する工程を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物からのエネルギーを使用して水素含有生成ガス(44,45)を生成する方法であって、
a) 廃棄物供給部(10)から廃棄物焼却炉のボイラ(22)へ廃棄物(12)を搬送し、そして熱を生成するために前記廃棄物(12)を燃焼させ、そしてガス供給部からのメタンを含むガス(30)と蒸気供給部(34)からの蒸気(36)とを、蒸気改質ユニットの反応器(32)へ供給し、
b) 工程a)で前記ボイラ(22)内で生成された熱を前記蒸気改質ユニットの前記反応器(32)へ提供し、
c) 工程a)で提供されたメタンを含むガス(30)と蒸気(36)との反応により、水素を含む生成ガス(44,45)を生成し、前記反応が工程b)で提供された熱によって支援される
工程を含む、廃棄物からのエネルギーを使用して水素含有生成ガス(44,45)を生成する方法。
【請求項2】
工程a)の前記メタンを含むガス(30)が、有機材料(16)の消化により嫌気性消化槽(18)内で生成されたバイオメタン(30)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程a)前に、前記廃棄物供給部(10)からの前記廃棄物(12)が、有機廃棄物分(16)と無機廃棄物分(20)とに分離され、前記有機廃棄物分(16)が消化のために前記嫌気性消化槽(18)へ運ばれ、そして前記無機廃棄物分(20)が燃焼のために前記ボイラ(22)へ運ばれることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程a)で生成された燃焼熱の一部、又は工程c)で前記反応器内の前記反応により生成された過剰熱の一部が、前記消化を支援するために前記嫌気性消化槽(18)へ伝達されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記廃棄物焼却炉の前記ボイラ(22)に、前記嫌気性消化槽(18)内の前記有機材料(16)の嫌気性消化後に残った残留廃棄物材料(26)が燃焼のために供給されることを特徴とする、請求項2から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工程a)で前記ボイラ(22)内で生成された熱が、蒸気(36)を生成するために前記蒸気供給部(34)内で使用されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記蒸気供給部(34)が前記廃棄物焼却炉の前記ボイラ(22)内部に配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程b)では、工程a)で前記ボイラ(22)内で生成された熱が、熱伝達媒体(40)を介して前記蒸気改質ユニットへ伝達され、前記熱伝達媒体(40)が流体、好ましくは空気であり、そして前記ボイラ(22)及び前記反応器(32)内に設けられた熱交換器の管を循環することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
工程b)では、工程a)で前記ボイラ(22)内で生成された熱が、熱伝達媒体を介して前記蒸気改質ユニットへ伝達され、前記熱伝達媒体が燃焼煙道ガス(42)であり、そして前記燃焼煙道ガス(42)が前記反応器(32)を通って延びる又は前記反応器(32)の周りに延びる管を通して、前記ボイラ(22)から供給されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ボイラ(22)からの熱が、前記反応器(32)の壁を介した熱伝導によって前記反応器(32)へ直接に伝達されるように、前記蒸気改質ユニットの前記反応器(32)が、前記廃棄物焼却炉の前記ボイラ(22)内部に配置されるか、又は前記ボイラ(22)の壁(54)内へ組み込まれていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記反応器(32)に、温度800~1000℃、好ましくは850~900℃の熱が供給されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
工程d)では、熱が工程c)の前記生成ガス(44)から抽出され、そして前記嫌気性消化槽(18)へ供給され、且つ/又は前記反応器(32)へ供給される前に前記メタンを含むガス(30)の温度を上昇させるために使用されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法にしたがって水素を生成するシステムであって、前記システムが、
- 前記廃棄物(12)の燃焼のための前記ボイラ(22)を含む廃棄物焼却炉と、
- 水素の生成のための前記反応器(32)を含む前記蒸気改質ユニットと、
- 蒸気供給部(34)と、
- メタンを含むガス(30)を供給するためのガス供給部と
を含み、
前記ボイラ(22)から前記反応器(32)への熱伝達を可能にするように、前記反応器(32)が前記ボイラ(22)に接続されている、
水素を生成するシステム。
【請求項14】
前記廃棄物焼却炉の前記ボイラ(22)と前記蒸気改質ユニットの前記反応器(32)とが、熱伝達管(38)を通って流れる熱伝達媒体(40)の助けによって、前記ボイラ(22)から前記反応器(32)へ熱を移動するための少なくとも1つの前記熱伝達管(38)を介して接続されていることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記蒸気改質ユニットの前記反応器(32)が前記ボイラ(22)の内側に配置されており、又は前記反応器(32)が前記ボイラの壁の少なくとも一部を形成しており、これにより、反応器壁を通した熱伝導を介して前記ボイラ(22)から前記反応器(32)への直接的な熱伝達を可能にすることを特徴とする、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ガス供給部が、バイオメタン(30)の生成のための嫌気性消化槽(18)であることを特徴とする、請求項13から15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記廃棄物供給部(10)からの前記廃棄物(12)を、嫌気性消化槽(18)へ供給されるべき有機廃棄物分(16)と、前記ボイラ(22)へ供給されるべき無機廃棄物分(20)とに分離するための分離装置(14)が設けられていることをさらに特徴とする、請求項13から16のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素を生成するためにメタンを含有する反応ガスを水蒸気改質することを含む方法に関する。より具体的には、本発明は、再生可能な原材料からの水素の生成を可能にし、そして水蒸気メタン改質プロセスの全体的に改善された効率を可能にする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人又は企業のカーボン・フットプリントを低減するために、新しいエネルギー源及びこのエネルギーの使用方法が模索されている。ここ20年にわたって、化石燃料、例えば油又は石油の代わりに、運転出力として電気を使用することが、ますます注目を集めている。電気駆動プロセスに関する1つの問題は、電力は蓄えるのが容易でないことである。貯水池に運動エネルギーを蓄え、これを後で水力タービンとの組み合わせで使用して電力を提供することが可能である。しかしながら、輸送可能な物質、例えば化石燃料、石炭、石油、及び天然ガスの形態を成すエネルギー担体を有することがより好都合である。
【0003】
加えて、電気自動車は、自動車の燃料となる電力の生産に使用されるエネルギー源と同程度にしか環境に優しくない。換言すれば、電気がもともとはガス又は石炭発電所で生産されたものであるならば、エレクトロモビリティは無益である。結果として、天然資源、具体的には石油の開発を減らそうと望むのであれば、電力の使用は、再生可能な(非化石)資源からのエネルギー生産と連携しなければならない。
【0004】
有望なカーボンニュートラル(CO-neutral)・エネルギー源はバイオマスの燃焼及び/又は発酵である。それというのも、このようなバイオマスは環境からCOを吸収しているからである。バイオマスの発酵及び/又は燃焼から生じるバイオメタンはしたがってカーボンニュートラルである。
【0005】
環境に優しいエネルギー源の別の理想的な候補は水素である。それというのも水素はカーボンニュートラル・エネルギー源によって製造されるならばカーボンニュートラルであり、そして種々の場面、例えば自動車又は家庭において燃料電池内で使用するために貯蔵できるからである。マイナス面としては、例えば石炭又は原油とは異なり、水素は容易には入手できず、生産しなければならない。
【0006】
水素の生産に際しては、メタン又は別の炭化水素源と蒸気とを含有する反応ガスから純粋な水素(又は水素と一酸化炭素との混合物を含む合成ガス)を得るために、いわゆる水蒸気メタン改質プロセス(steam methane reforming process)が化学処理業界では日常的に用いられている。水蒸気メタン改質反応、又は単に短く「改質反応」は一般には、下記式(I)
【化1】
によって表される。
この反応は強い吸熱反応ΔH = 206 kJ/molである。所要の反応熱は下記式(II)
【化2】
に基づくメタンの部分酸化によって通常加えられる。
この反応は発熱反応ΔH = -71 kJ/molである。
【0007】
改質プロセスは一般に、蒸気とメタンとの反応を容易にするために高い温度及び圧力で、そして通常はアルミナ又は別の適宜の材料上に担持された、ニッケル系触媒の存在において実施される。
【0008】
古典的には、触媒的な水蒸気改質に続いて、蒸気への変換工程、つまり「水性ガスシフト反応(Water Gas Shift (WGS) Reaction)」が行われる。この反応は下記式(III)に基づく下記反応
【化3】
によって生成水素を最大化する。
この反応は発熱反応ΔH = -41 kJ/molである。結果として生じる水素ガス流は次いで様々な目的のために、例えば自動車エンジンにおける代替燃料として使用することができる。
【0009】
水蒸気改質は効果的な水素生成法ではあるものの、克服すべき難題が未だに残っている。すなわち、一つには、水蒸気改質は強い吸熱プロセスであり、高い反応温度(>750℃)を必要とする。改質反応が行われるように、所要の触媒は通常、炉内に設置された管内に置かれ、炉は、所要の熱を提供するように、燃料を燃焼することにより加熱される。この熱は通常、メタンの燃焼によって、又は水蒸気改質装置内で生成された水素の一部を炉のための燃料として使用することによって提供される。後者の場合、外部の燃料は必要とされないが、しかしこれは産業的な使用のために利用し得る水素の正味量を少なくしてしまう。加えて、大型の複雑な改質炉が一般に必要とされる。構成部品のこのような複雑さ、及びこれに関連するコストは一般に、水蒸気改質プロセスを採算が取れるものにするために大規模生産設備を必要とする。このように、より小規模の生産が利益になり得る、よりコンパクトな改質技術が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、より小規模な生産設備でも採算が取れるように、エネルギー効率全体が改善され、且つ水素収率が改善された水素の生成方法を提供することである。特に好ましい実施態様では、この方法は水素の生成のために、再生可能な、すなわち非化石の有機原材料を使用する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1に記載された本発明の方法によって達成される。好ましい実施態様は従属請求項の対象である。
【0012】
請求項1によれば、本発明は、廃棄物からのエネルギーを使用して水素含有生成ガスを生成する方法であって、
a) 廃棄物供給部から廃棄物焼却炉のボイラへ廃棄物を搬送し、そして熱を生成するために前記廃棄物を燃焼させ、そしてガス供給部からのメタンを含むガスと蒸気供給部からの蒸気とを、蒸気改質ユニットの反応器へ供給し、
b) 前記ボイラ内で生成された熱を前記反応器へ提供し、
c) 工程a)で提供されたメタンを含むガスと蒸気との反応により、水素を含む生成ガスを生成し、前記反応が工程b)で提供された熱によって支援される
工程を含む、廃棄物からのエネルギーを使用して水素含有生成ガスを生成する方法に関する。
【0013】
本出願の文脈において、下記定義が当てはまる:
「廃棄物」という用語は、廃棄物焼却炉内で燃焼させ得る有機及び無機化合物を意味する。
【0014】
「ボイラ」という用語は、廃棄物の焼却が行われる廃棄物焼却炉のハウジングを意味する。
【0015】
「メタンを含むガス」という用語は、潜在的な他の成分とは別にメタン(CH)を含む任意のガスを意味する。メタンを含むガスは再生可能な又は再生不能の源泉とすることができる。メタンの再生不能の源泉は例えば埋立地又は炭層からの天然ガスである。再生可能なメタン源の一例は、有機物を消化することにより特にバイオメタンを生成する、嫌気性消化プロセスである。
【0016】
「蒸気(steam)」という用語は水蒸気(water vapor)の同義語であり、水の気相を意味する。
【0017】
「反応器」という用語は、メタンを含むガスと蒸気とが反応することにより、水素を含む生成ガスとなり得るハウジングを意味する。
【発明の効果】
【0018】
当業者に知られた、広く使用されている水蒸気改質プラントと比較して、本発明の方法は、水蒸気改質プロセスを推進するために使用し得る熱を生成するために、焼却プラントのボイラ内の廃棄物の燃焼を伴う。このようなものとして、本発明の方法は、吸熱性水蒸気メタン改質プロセスを活性化するための燃焼燃料として、水素及び/又はメタンを使用を不要にする。したがって、供給されたメタン1モル当たりの生成された水素のモル比が高くなり、その結果、従来技術と比較してプロセスのエネルギーバランスが改善される。
【0019】
工程c)の水素生成反応は一般に、水蒸気改質触媒を使用することにより採用される。好適な水蒸気改質触媒は当業者によく知られている。これらは遷移金属触媒、例えばロジウム、ニッケル、コバルト、白金、パラジウム、ルテニウム、及びイリジウムを含む。触媒は担持されても担持されなくてもよい。
【0020】
本発明の特に好ましい実施態様では、工程a)の前記メタンを含むガスが、有機材料の消化により嫌気性消化槽内で生成されたバイオメタンを含む。
【0021】
「嫌気性消化槽」(anaerobic digestor)」(AD)という用語はここでは、一連のプロセス中に酸素の不在において微生物が生分解性材料を分解するハウジングを意味する。このような嫌気性消化槽は当業者に広く知られている。
【0022】
生分解性材料(有機材料としても知られる)を使用することにより、水素の生成を再生可能、カーボンニュートラル、又はグリーン水素とラベル付けすることができる。嫌気性消化槽のための好ましい有機材料は、混ざり合った食品廃棄物(comingled food waste)、例えばスーパーマーケットの残り物、調理残渣及び厨芥、バイオ廃棄物、庭から出た廃棄物、例えば刈り取られた草又は枝、市場及び野菜の不良品、及び木くずである。嫌気性消化槽を起源とするガスは、これが生分解性材料から生成されるため、一般にバイオガスと呼ばれる。このバイオガスは通常、バイオメタン並びに約15%~69%のCO及び他の汚染物質を含む。これらの汚染物質は好ましくは、バイオガス・アップグレードと呼ばれるプロセスにおいて、圧力-温度スイング吸着(pressure-temperature swing absorption)(PTSA)、又はメンブレンを用いて除去される。当業者には好適なアップグレード・プロセスがよく知られている。アップグレードされたバイオメタンのメタン濃度は好ましくは少なくとも80%、より好ましくは95%超である。好適な嫌気性消化槽は200~350kg/hのメタンを生成する。
【0023】
工程a)前に、前記廃棄物供給部からの廃棄物が、有機廃棄物分と無機廃棄物分とに分離され、前記有機廃棄物分が消化のために前記嫌気性消化槽へ送達され、そして前記無機廃棄物分が燃焼のために前記ボイラへ送達される。
【0024】
ボイラへ搬送される前に廃棄物を分離することにより、より広い範囲の廃棄物を使用できる。廃棄物焼却プラントは、これが燃焼可能である限りあらゆる種類の廃棄物を処理できるのに対して、嫌気性消化槽は一般に有機廃棄物しか処理できない。廃棄物を有機廃棄物分と無機廃棄物分とに先ず分離することにより、単一の廃棄物源を使用して、廃棄物焼却炉及び嫌気性消化槽の両方に供給を行うことができる。このことはエネルギーバランスの改善を可能にする。それというのも、前記廃棄物が熱の生成のための燃料として、そしてバイオメタンの生成のための出発材料として、すなわち、水蒸気改質反応における3種の主成分のうちの2種を生成するために役立ち得るからである。
【0025】
ボイラ内で生成された熱の一部、又は嫌気性消化槽内で生成されたバイオメタンの一部を、本発明のシステムの他の領域内で使用してもよい。例えば、嫌気性消化槽は好ましくは、中温消化のためには30℃~38℃で、又は高温消化のためには49~57℃で動作する。この温度条件を提供するために、嫌気性消化槽は、電気と同様に、生成されたバイオメタンのいくらかを燃焼させることにより、又は別の熱源を使用することにより、理論的には加熱され得るはずである。しかしながら、このことは、嫌気性消化槽のメタンのネット・バランスを低下させ、又は作業コストを高くしてしまう。したがって、工程a)で生成された燃焼熱の一部、又は工程c)で前記反応器内の前記反応により生成された過剰熱の一部が、前記消化を支援するために前記嫌気性消化槽へ移動されることが好ましい。水蒸気改質プロセスのために必要とされるものよりも多くのバイオメタンが嫌気性消化槽内で生成されるならば、このような過剰のバイオメタンは、遠隔プロセスにおけるエネルギー源として使用するために貯蔵され輸送されてよい。
【0026】
上述のように、バイオメタンは、嫌気性消化槽内の有機廃棄物の消化を通して生成されたバイオガスの一部である。消化後に残った材料は残留廃棄物材料と呼ばれる。本発明の好ましい実施態様では、この残留廃棄物材料は燃焼のためにボイラへ送られる。残留廃棄物は固体状態であるか、又はスラリーの形態を成してよい。固形材料がより容易に燃焼し得るものの、廃棄物の少なくとも一部がスラリーの形態で提供されるならば、焼却プロセスは一般にはこれを許容することが可能であり、これによって、ボイラへの供給前に廃棄物材料を乾燥させるのに必要となる設備のためのコストを節約できる。嫌気性消化から生じる残留廃棄物材料又はいわゆる「残り物」(leftover)は、バイオメタンの生成にはさらに使用することはできないが、しかしこれはボイラ内で残留廃棄物を燃焼させることによって十分に利用され得る熱的な有用性をまだ有している。
【0027】
本発明の好ましい実施態様では、工程a)で前記ボイラ内で生成された熱が、蒸気を生成するために前記蒸気供給部内で使用される。このことは水素生成のエネルギーバランスをさらに改善する。それというのも、水蒸気メタン改質プロセスのための蒸気を生成するために、外部エネルギー源、例えば電力、又はバイオメタン又は水素の燃焼を用いなくてもよいからである。生成された熱は、熱伝達媒体によって別個の蒸気供給部へ伝達することができ、あるいは好ましくは蒸気供給部は廃棄物焼却炉のボイラ内部に配置される。蒸気供給部をボイラ内に配置することにより、熱伝達媒体を使用せずに、熱を蒸気供給部へ直接に移動することができ、これによって移動中の熱損失が低減され、焼却炉-水蒸気改質システムのよりコンパクトな構造が可能になる。この点については下でさらに詳述する。
【0028】
本発明の好ましい実施態様では、工程a)で前記ボイラ内で生成された熱が、工程b)では、熱伝達媒体を介して前記蒸気改質ユニットへ移動され、前記熱伝達媒体が流体、好ましくは空気であり、そして前記ボイラ及び前記反応器内に設けられた熱交換器の管を循環する。閉じた回路内の熱伝達媒体の移動の利点は、熱伝達媒体(一般には空気)がボイラの燃焼煙道ガス又は反応器内の蒸気-メタンガス混合物と直接には接触しないことである。このことは、ボイラ及び反応器内の安定な反応条件を提供し、そして伝達される熱伝達媒体の量を調整することにより熱伝達を正確に制御することを可能にする。
【0029】
別の実施態様としては、工程b)では、工程a)で前記ボイラ内で生成された熱が、熱伝達媒体を介して蒸気改質ユニットへ移動され、前記熱伝達媒体が燃焼煙道ガスであり、そして前記燃焼煙道ガスが前記反応器を通って延びる管を通して又は管の周りで、前記ボイラから移動される。上述の実施態様と同様に、ボイラから反応器へ熱を移動するために、熱伝達媒体が使用される。しかしながら、この実施態様では煙道ガスが熱伝達媒体として使用されるので、これらの煙道ガスは好ましくは、反応器を通る閉じた管内を運ばれ、続いて煙道ガス処理ユニットへ送られるか、又はボイラへ戻される。この構造は、反応器へのより直接的な熱伝達を可能にする。それというのも、熱を高温の煙道ガスから別の移動媒体、例えば空気へ移動し、次いでこの別の移動媒体を反応器へ移動するのではなく、高温の煙道ガスが熱伝達媒体として直接に使用されるからである。
【0030】
好ましくは、前記ボイラからの熱が、前記反応器の壁を介した熱伝導により前記反応器へ直接に移動されるように、前記蒸気改質ユニットの前記反応器が、前記廃棄物焼却炉の前記ボイラ内部に配置されている。熱伝達のこの第3実施態様では、熱は反応器の壁を介して直接に伝導され、これにより、熱伝達媒体を使用した場合に発生するであろう熱損失をさらに低減する。ボイラ内部の反応器の位置に応じて、ボイラによって反応器へ提供される熱の量を調節することができる。
【0031】
ボイラのサイズ、構造、又は形状いかんでは、反応器をボイラの内側に入れることが常に可能であるとは限らない。この事例では、ボイラと反応器とは1つの共通の壁を共有してよい。この共通の壁は直接的な熱伝達をなおも可能にし、そして熱伝達媒体を設けた場合に発生する熱の損失を低減する。反応器及び共有された共通の壁の領域の位置に応じて、ボイラから反応器へ供給される熱の量を調節することができる。
【0032】
あるいは、反応器は、ボイラの壁内へ組み込まれていてもよい。例えば、反応器は、ボイラの壁内部で延びる1つ又は2つ以上の管を含んでよく、あるいは反応器自体がボイラの1つ又は2つ以上の壁を形成する。このことの利点は、ボイラ内部の空間が反応器によって制約されないことである。加えて、これによって、熱交換のために広い表面積が得られる。
【0033】
好ましくは、前記反応器に、温度800~1000℃、好ましくは850~900℃の熱が供給される。ボイラ内で生成された熱の5~10%が反応器へ伝達されることが、さらに好ましい。上述の水蒸気メタン改質プロセスのための温度範囲が800~1000℃であると、高い収率で水素の生成をもたらすことが示されている。理想的な温度範囲は850~900℃である。この温度範囲内では、一般に、反応は最高収率の生成水素をもたらした。上述のように、ボイラからの熱の5~10%が反応器へ移動されることが好ましい。焼却プラントのボイラの通常のサイズを用いた場合、燃焼効率に不都合な影響を与えることなしに、反応器内で改質反応を推進するには、ボイラ内で生成された熱の5~10%で概ね十分である。ボイラ内で生成された熱全体の最大でさらに5%(すなわち生成された熱の合計で最大15%)を、ボイラ内の燃焼効率を低下させることなく、他のプロセス、例えば上述の嫌気性消化槽を加熱するためにさらに使用することができる。
【0034】
あるいは、熱は他の起源、すなわちボイラ以外の起源から抽出されてもよい。工程d)における本発明の好ましい実施態様では、熱が工程c)の前記生成ガスから抽出され、そして前記嫌気性消化槽へ供給され、且つ/又は前記反応器へ供給される前に前記メタンを含むガスの温度を上昇させるために使用される。メタンを含むガスと蒸気との反応器内での効率的な反応のために、メタンを含むガスの温度は約300℃~500℃まで高めなければならない。メタンを含むガスのこのような加熱は、熱交換器内で効率的に達成することができる。熱交換器内では、生成ガスの熱はメタンを含むガスへ移動される。このことはさらに有利である。それというのも、反応器内の生成ガスは、温度が約800℃~1000℃であり、そして上述の式(III)に基づく「水性ガスシフト反応」を可能にするために冷却される必要があるからである。したがって、生成ガスからメタンを含むガス及び/又は嫌気性消化槽への熱伝達は、加熱及び冷却のための外部エネルギーの必要を少なくし、ひいては本発明の方法のエネルギーバランスを改善する。
【0035】
さらなる態様では、本発明はまた、上記方法にしたがって水素を生成するシステムを参照する。前記システムは、
- 廃棄物の燃焼のためのボイラを含む廃棄物焼却炉と、
- 水素の生成のための反応器を含む蒸気改質ユニットと、
- 蒸気供給部と、
- メタンを含むガスを供給するためのガス供給部と
を含み、
前記ボイラから前記反応器への熱伝達を可能にするように、前記反応器が前記ボイラに接続されている。
【0036】
本発明はこのように、ボイラ又は廃棄物焼却炉と、蒸気改質ユニットの反応器とを含む統合システムを提供する。ボイラと反応器とは、外部エネルギー源、例えばメタン又は水素を使用する必要なしに、反応器内の上述の水素生成反応を支援するように、ボイラから反応器への熱の移動を可能にするように接続される。本発明の方法と関連して上述したものと同じ理由から、本発明のシステムの構造は、エネルギーバランスの著しい改善をもたらし、そしてシステムの構造及び作業のコストを削減する。
【0037】
好ましくは、前記廃棄物焼却炉の前記ボイラと前記蒸気改質ユニットの前記反応器とが、当該管を通って流れる熱伝達媒体の助けによって、前記ボイラから前記反応器へ熱を移動するための少なくとも1つの熱伝達管を介して接続されている。熱伝達媒体と、蒸気及びメタンガス混合物とが反応器内で直接に接触しないように、熱伝達媒体は好ましくは閉じた回路内で運ばれる。このことは、反応器内の安定な反応条件を提供し、そして送られれる熱伝達媒体量を調節することにより、伝達される熱を正確に制御することができる。
【0038】
システムの好ましい実施態様では、前記蒸気改質ユニットの前記反応器がボイラの内側に配置されており、反応器壁を介した熱伝導によって前記廃棄物焼却炉から前記反応器への直接的な熱伝達を可能にする。熱伝達のこの別の実施態様では、熱は反応器の壁を通して直接に移動される。このことは、熱伝達のために熱伝達媒体が使用される場合に一般に発生する熱の損失を低減する。ボイラ内部の反応器の位置に応じて、ボイラによって反応器へ提供される熱の量を調節することができる。
【0039】
システムのさらに好ましい実施態様では、反応器はボイラの壁内へ組み込まれ、又はボイラの壁の1つ又は2つ以上の少なくとも一部を形成している。この事例では、反応器は好ましくは、ボイラの壁を通って延びる少なくとも1つの反応器管を含み、又は反応器管から成る。反応器が反応器壁内部に配置された複数の管で構成されている場合、熱伝達のために使用し得る広い表面積が存在する。
【0040】
さらなる実施態様では、ボイラと反応器とは1つの共通の壁を共有してよいが、しかし互いに隣接して配置されている。したがって熱伝達は共通の壁を介して行われ、熱伝達媒体の使用と比較して熱損失が少ないという利点をなおももたらす。ボイラと反応器との間に発生する熱伝達の量は、共通の壁の厚さ及びサイズに依存する。
【0041】
好ましくは、前記ガス供給部が、バイオメタンの生成のための嫌気性消化槽である。このことは、有機廃棄物からのバイオメタンの生成を可能にする。バイオメタンは、化石水素原料源である天然ガス源からの水蒸気メタン改質と比較して、カーボンニュートラル・エネルギー源、及び再生可能(非化石)水素原料源とみなされる。
【0042】
好ましい実施態様では、前記システムは、前記廃棄物供給部からの廃棄物を、前記嫌気性消化槽へ送達されるべき有機廃棄物分と、前記ボイラへ送達されるべき無機廃棄物分とに分離するための分離装置を含む。
【0043】
前述のように、分離装置の利用は、より広い範囲の廃棄物の使用を可能にする。典型的には、廃棄物焼却は、燃焼に適したあらゆる種類の廃棄物を処理する。嫌気性消化槽内でバイオメタンを生成するために使用し得る有機廃棄物と、ボイラ内の燃焼のために使用し得る無機廃棄物とに廃棄物を事前に分離することにより、エネルギーバランスの改善が可能になる。それというのも、1つの廃棄物源が燃焼熱、並びにバイオメタンを提供することができ、バイオメタンは貯蔵し輸送し、そして他のプロセスにおけるエネルギー源として使用し得るからである。
【0044】
純粋に概略的な図面に示された模範的実施態様に基づいて、本発明を以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、水素生成プロセスの第1の好ましい実施態様を示す概略図である。
図2図2は、水素生成プロセスの第2の好ましい実施態様を示す概略図である。
図3図3は、水素生成プロセスの第3の好ましい実施態様を示す概略図である。
図4図4は、水素生成プロセスの第4の好ましい実施態様を示す概略図である。
図5図5は、蒸気供給部の好ましい実施態様を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明の水素生成法の好ましい実施態様を示す概略図である。廃棄物供給部10は未分類の廃棄物12を廃棄物分離装置14へ供給する。分離装置14内では、廃棄物は、嫌気性消化槽18内で消化され得る有機廃棄物分16と、廃棄物焼却炉(図示せず)のボイラ22内で燃焼され得る無機廃棄物分20とに分離される。嫌気性消化槽18内では、有機廃棄物16は嫌気性消化、すなわち有機物が酸素の不在において細菌によって分解されることにより、i)バイオメタン30を含む生バイオガス24とii)残留廃棄物26とを生成するプロセスを通して消化される。残留廃棄物26は、燃焼のためにボイラ22へ送られるのに対して、生バイオガス24は、アップグレード装置28内でバイオメタン30へアップグレードされる。バイオメタン30は蒸気改質ユニット(図示せず)の反応器32へ供給される。蒸気供給部34は蒸気36を反応器32へ供給する。反応器32とボイラ22とは、少なくとも1つの熱伝達媒体管38によって結合されており、熱伝達媒体管38には、熱伝達媒体40、ここでは空気が充填されている。ボイラ22内で無機廃棄物20と残留廃棄物26とを燃焼させることにより(この燃焼は火炎記号により示されている)、高温の煙道ガス42が生成される。これらの高温の煙道ガス42は熱を放出し、その熱は、管38内の熱伝達媒体40によって取り込まれる。次いで高温の熱伝達媒体40は反応器32へ運ばれ、反応器32において、熱伝達媒体からの熱が反応器内へ放出されることによって、蒸気36とバイオメタン30との水蒸気改質反応を支援し、これにより、水素を含む高温の生成ガス44を生成する。
【0047】
高温の生成ガス44と、嫌気性消化槽18からのバイオメタン30とを両方とも熱交換器46へ送達することにより、高温の生成ガス44とバイオメタン30との間の熱交換を可能にするので、バイオメタン30の温度は高められるのに対して、高温の生成ガス44の温度は低下させられる。高温の生成ガス44の温度低下は、生成ガス44の水素含有率が後続の水性ガスシフト反応において高められるのを可能にするために重要である。生成ガス45を次いで熱交換器46から水素分離ユニット48へ送ることにより、生成ガス45から水素を単離する。
【0048】
ボイラ22からの燃焼済み廃棄物の残余は燃焼残渣貯蔵部50へ送られ、これに対してボイラ22からの煙道ガス42は、これらのガスが環境中に放出される前に、清浄化のために処理ユニット52へ送られる。
【0049】
図2は、本発明の水素生成プロセスの第2の好ましい実施態様を示す概略図である。図1に示された実施態様と比較して、ボイラ22は開いた熱伝達管54を含む。この熱伝達管を通って、熱伝達媒体(ここでは煙道ガス42)はボイラ22から反応器32へ熱を移動することによって、蒸気36とバイオメタン30との水蒸気改質反応を支援し、これにより、水素を含む高温の生成ガス44を生成する。
【0050】
図3は、本発明の水素生成プロセスの第3の好ましい実施態様を示す概略図である。図1及び2に開示された実施態様と比較して、反応器32はボイラ22内部に配置されている。このような実施態様では、高温の煙道ガス42は燃焼熱を反応器32の壁へ直接に移動し、そして熱は熱伝導を介して反応器32に達することによって、蒸気36とバイオメタン30との水蒸気改質反応を支援し、これにより、水素を含む高温の生成ガス44を生成する。
【0051】
図4は、本発明の水素生成プロセスの第4の好ましい実施態様を示す概略図である。図1~3に開示された実施態様と比較して、反応器32は、ここではボイラ22の壁54内へ組み込まれるか、あるいはボイラと反応器とが共通の壁54を共有する。このような実施態様では、燃焼熱を壁54へ直接に伝達する高温の煙道ガス42を介して、燃焼熱は反応器32内へ放出される。反応器32内部で、熱は蒸気36とバイオメタン30との水蒸気改質反応を支援し、これにより、水素を含む高温の生成ガス44を生成する。反応器32がボイラ22の壁54内へ組み込まれる場合には、反応器は、壁54の内側、すなわち壁54内を通る1つ又は2つ以上の管(図示せず)で構成されてもよい。
【0052】
図5は、本発明の水素生成法の好ましい実施態様を示す概略図である。ここではボイラ22は蒸気供給部34としても機能する。水供給部56は、ボイラ22を通って反応器32へ延びる管58内へ水を供給する。ボイラ22内では、水の温度は蒸発点まで高められるので、蒸気36が発生し、ひいては反応器32へ提供される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】