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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】過電圧保護回路
(51)【国際特許分類】
   H02H 3/20 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H02H3/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546086
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 KR2022001261
(87)【国際公開番号】W WO2022164163
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0012392
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】クォン キ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ナ ホ チュン
【テーマコード(参考)】
5G004
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004AB02
5G004DA04
5G004DC06
5G004EA01
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る過電圧保護回路は、電源が入力される入力端と負荷に電源を出力する出力端、前記入力端と前記出力端との間に位置し、ターンオフ時に前記負荷への出力を遮断する第1スイッチ、前記入力端に接続されて過電圧を感知して導通する第1ツェナーダイオード、前記第1ツェナーダイオード導通時にターンオンされる第2スイッチ、および前記第1スイッチがターンオン時、ターンオンされる第3スイッチを含み、前記第1スイッチは、前記入力端に入力される電源によってターンオンされ、前記第3スイッチがターンオン時にターンオフされる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源が入力される入力端と負荷に電源を出力する出力端と、
前記入力端と前記出力端との間に位置し、ターンオフ時に前記負荷への出力を遮断する第1スイッチと、
前記入力端に接続されて過電圧を感知して導通する第1ツェナーダイオードと、
前記第1ツェナーダイオード導通時にターンオンされる第2スイッチと、
前記第1スイッチがターンオン時、ターンオンされる第3スイッチと、を含み、
前記第1スイッチは、
前記入力端に入力される電源によってターンオンされ、前記第3スイッチがターンオン時にターンオフされることを特徴とする過電圧保護回路。
【請求項2】
前記第1スイッチはPMOSであり、
前記第1ツェナーダイオードのカソードは、前記第1スイッチのドレーンと接続され、
前記第1ツェナーダイオードのアノードは、直列に接続される第1抵抗および第2抵抗を介してグラウンドと接続されることを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護回路。
【請求項3】
前記第2スイッチはNMOSであり、
前記第2スイッチのゲートは、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間のノードに接続され、
前記第2スイッチのソースは、グラウンドと接続され、
前記第2スイッチのドレーンは、直列に接続される第3抵抗および第4抵抗と接続されることを特徴とする請求項2に記載の過電圧保護回路。
【請求項4】
前記第3スイッチはPMOSであり、
前記第3スイッチのゲートは、前記第3抵抗および前記第4抵抗の間のノードに接続され、
前記第3スイッチのソースは、第5抵抗を介してグラウンドと接続され、
前記第3スイッチのドレーンは、前記第1スイッチのドレーンと接続されることを特徴とする請求項3に記載の過電圧保護回路。
【請求項5】
前記第1スイッチのゲートは、前記第3スイッチのソースおよび前記第5抵抗の間のノードに接続され、
前記第1スイッチのソースは、前記出力端と接続され、
前記第1スイッチのドレーンは、前記入力端と接続されることを特徴とする請求項4に記載の過電圧保護回路。
【請求項6】
前記第1スイッチのゲートおよびドレーンの間にそれそれ並列に接続される第6抵抗および第2ツェナーダイオードを含むことを特徴とする請求項5に記載の過電圧保護回路。
【請求項7】
前記第5抵抗の値が、前記第6抵抗の値より大きく、
前記第1スイッチは、前記入力端に電源入力時に、前記第5抵抗および前記第6抵抗の電圧分配によってターンオンされることを特徴とする請求項6に記載の過電圧保護回路。
【請求項8】
前記第2ツェナーダイオードは、前記第1スイッチのゲートに印加される過電圧を検出することを特徴とする請求項6に記載の過電圧保護回路。
【請求項9】
前記入力端は、
バッテリーまたは前記バッテリーを充電するDC-DCコンバータから電源の入力を受けることを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護回路。
【請求項10】
前記出力端は、
バッテリー管理システム(Battery Management System)と接続されることを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電圧保護回路に関し、より具体的に瞬間的な過電圧および連続的な過電圧を遮断して負荷を保護する過電圧保護回路に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
電気車両のように、バッテリー電源を利用する装置の場合、高電圧が入力される時、内部を保護する過電圧保護回路が適用される。図1は、マイルドハイブリッド車両(mHEV)に適用される過電圧保護回路であり、12Vバッテリーと48Vバッテリーの48V電圧を12Vに変換するDC-DCコンバータから電源の入力を受けて、バッテリー管理装置(BMS)に出力して、過電圧を保護するために、ツェナーダイオードを利用する。
【0003】
基本KL30電源(12Vバッテリー)を使用するBMS場合、入力に対する過電圧保護回路はツェナーダイオード(D3)を利用して、入力過電圧(Overshoot)発生時、過電圧を制限(clamping)してBMSを保護する。マイルドハイブリッドカー48Vシステムでも、上記と同様にBMSは、KL30電源の入力を受け、48V/12V DC-DCコンバータで、KL30バッテリーを充電して、KL30電源を使用する負荷に電源を供給する。
【0004】
この時、48/12V DC-DCコンバータに故障が発生して、40V OVP(over voltage protection)が発生する場合、これと接続される負荷である電気装置に損傷(damage)が発生しないべきである。図1のように、ツェナーダイオードを利用する場合、瞬間OVPは遮断できるが、連続的なOVPによって、ツェナーダイオードは、連続電圧クランピングを行う場合、正格電力損失(power dissipation)過多によって、損傷が発生することになって、連続的に入力される40V以上OVPは保護できない問題がある。
【0005】
図2は、ツェナーダイオードでないレギュレーター(regulator)を利用する過電圧保護回路で、レギュレーターを利用する場合でも、連続的なOVPが印加される場合、正格電力損失(Power Dissipation)過多によって、損傷が発生することになって、連続的に入力されるOVPは保護できない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、瞬間的な過電圧および連続的な過電圧を遮断して負荷を保護する過電圧保護回路に関する発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、本発明の一実施例に係る過電圧保護回路は、電源が入力される入力端と負荷に電源を出力する出力端と、前記入力端と前記出力端との間に位置し、ターンオフ時に前記負荷への出力を遮断する第1スイッチと、前記入力端に接続されて過電圧を感知して導通する第1ツェナーダイオードと、前記第1ツェナーダイオード導通時にターンオンされる第2スイッチと、前記第1スイッチがターンオン時に、ターンオンされる第3スイッチを含み、前記第1スイッチは、前記入力端に入力される電源によってターンオンされ、前記第3スイッチがターンオン時にターンオフされる。
【0008】
また、前記第1スイッチは、PMOSで、前記第1ツェナーダイオードのカソードは、前記第1スイッチのドレーンと接続され、前記第1ツェナーダイオードのアノードは、直列に接続される第1抵抗および第2抵抗を介してグラウンドと接続されてもよい。
【0009】
また、前記第2スイッチは、NMOSで、前記第2スイッチのゲートは、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間のノードに接続され、前記第2スイッチのソースは、グラウンドと接続され、前記第2スイッチのドレーンは。直列に接続される第3抵抗および第4抵抗と接続されてもよい。
【0010】
また、前記第3スイッチは、PMOSで、前記第3スイッチのゲートは、前記第3抵抗および前記第4抵抗の間のノードに連結され、前記第3スイッチのソースは、第5抵抗を介してグラウンドと接続され、前記第3スイッチのドレーンは、前記第1スイッチのドレーンと接続されてもよい。
【0011】
また、前記第1スイッチのゲートは、前記第3スイッチのソースおよび前記第5抵抗の間のノードに接続され、前記第1スイッチのソースは、前記出力端と接続され、前記第1スイッチのドレーンは、前記入力端と接続されてもよい。
【0012】
また、前記第1スイッチのゲートおよびドレーンの間に、それそれ並列に接続される第6抵抗および第2ツェナーダイオードを含むことができる。
【0013】
また、前記第5抵抗の値が、前記第6抵抗の値よりも大きく、前記第1スイッチは、前記入力端に電源入力時、前記第5抵抗および前記第6抵抗の電圧分配によってターンオンできる。
【0014】
また、前記第2ツェナーダイオードは、前記第1スイッチのゲートに印加される過電圧を検出することができる。
【0015】
また、前記入力端は、バッテリーまたは前記バッテリーを充電するDC-DCコンバータから電源の入力を受けることができる。
【0016】
また、前記出力端は、バッテリー管理システム(Battery Management System)と接続されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例によると、瞬間的な過電圧だけでなく連続的な過電圧を遮断することができる。簡単な回路構成を介して実現することによって、PCB空間活用に容易で、回路を追加するにも低費用で実現が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の比較実施例に係る過電圧保護回路を示した図。
図2】本発明の比較実施例に係る過電圧保護回路を示した図。
図3】本発明の一実施例に係る過電圧保護回路のブロック図。
図4】本発明の実施例に係る過電圧保護回路の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0020】
但し、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で実現することができ、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間でその構成要素のうちの一つ以上を選択的に結合または置換して使用することができる。
【0021】
また、本発明の実施例で使用される用語(技術および科学的用語を含む)は、明らかに特別に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に一般的に理解できる意味と解釈することができ、予めに定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0022】
また、本発明の実施例で使用された用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0023】
本明細書において、単数形は文面で特に言及しない限り複数形も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一個以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせられるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0024】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を別の構成要素と区別するためのものだけであって、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0025】
なお、ある構成要素が別の構成要素に「連結」、「結合」、または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその別の構成要素に直接的に「連結」、「結合」、または「接続」される場合だけでなく、その構成要素とその別の構成要素との間にあるさらに別の構成要素によって「連結」、「結合」、または「接続」される場合も含むことができる。
【0026】
また、各構成要素の「上(の上)」または「下(の下)」に形成または配置されると記載される場合、「上(の上)」または「下(の下)」は、二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、一つ以上のさらに別の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(の上)」または「下(の下)」で表現される場合、一つの構成要素を基準に上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0027】
図3は、本発明の一実施例に係る過電圧保護回路のブロック図で、図4は、本発明の実施例に係る過電圧保護回路の回路図である。
【0028】
本発明の一実施例に係る過電圧保護回路100は、入力端110、出力端120、第1スイッチ130、第1ツェナーダイオード140、第2スイッチ150、第3スイッチ160で構成され、第2ツェナーダイオード、ダイオードおよび抵抗を含むことができる。
【0029】
入力端110は、電源が入力され、出力端120は負荷に電源を出力する。過電圧保護回路は、入力端110に入力された電源を出力端120を介して負荷に出力するが、過電圧が発生する場合、負荷に過電圧電源が出力されないようにする。
【0030】
ここで、入力端110は、バッテリーまたは前記バッテリーを充電するDC-DCコンバータから電源の入力を受けることができ、出力端120は、バッテリー管理システム(Battery Management System)と接続されている。本発明の実施例に係る過電圧保護回路100は、バッテリー電源を負荷に印加時発生する過電圧から負荷を保護することができる。例えば、マイルドハイブリッドカー(mHEV)で、バッテリー電源がバッテリー管理装置(Battery Management System,BMS)に入力される時、過電圧発生時バッテリー管理装置を保護する役割をすることができる。ここで、バッテリー管理装置は、バッテリーの充放電を走行状態に応じて管理する装置である。マイルドハイブリッドカーの場合、バッテリー管理装置に12Vバッテリーの電源が印加されるだけでなく48Vシステムにより48V/12V DC-DCコンバータを介して変換された電源が印加されることができる。
【0031】
ショートなどの故障によって12VバッテリーやDC-DCコンバータから瞬間的な過電圧が発生する場合、ツェナーダイオードで保護が可能であるが、DC-DCコンバータの故障によって電圧変換が正常に行われない場合、定格電圧である12Vよりも大きい電圧が連続的に入力されることができる。例えば、DC-DCコンバータで40V以上の過電圧を有する電源が入力されることができ、この場合、ツェナーダイオードに損傷が発生することにより負荷を保護し難い。これを解決するために、本発明の実施例に係る過電圧保護回路100は、複数のスイッチを利用する。
【0032】
第1スイッチ130は、前記入力端と前記出力端との間に位置し、ターンオフ時に前記負荷への出力を遮断する。第1スイッチ130は、入力端110と出力端120との間、即ち、入力ラインに接続され、入力端110と出力端120との間を接続したり接続を遮断する役割をする。第1スイッチ130が、ターンオフされると、入力端110と出力端120の接続が遮断され、出力端120を通した負荷への電源出力が遮断されて、過電圧から負荷を保護することができる。
【0033】
第1スイッチ130は、入力端110に電源が入力されると、入力端110に入力される電源によってターンオンされる。第1スイッチ130は、PMOSであってもよく、入力端110に入力される電源を利用して、第1スイッチ130のゲートにゲート電圧よりも大きい電圧を印加してターンオンされるようにする。第1スイッチ130~第3スイッチ160は、MOSFETでなく受動素子など様々なスイッチング素子で形成してもよい。
【0034】
電圧が正常範囲にある場合、第1スイッチ130は、ターンオンされた以後、オン状態を維持する。しかし、過電圧が発生する場合、第1ツェナーダイオード140、第2スイッチ150、第3スイッチ160を利用して、第1スイッチ130がターンオフされるようにする。
【0035】
第1ツェナーダイオード140は、入力端110に接続されて過電圧を感知して導通する。ツェナーダイオード(Zener Diode)は、PN接合ダイオードで、非常に低く一定の降伏電圧(ツェナー電圧)特性を有しており、逆方向にツェナー電圧以上の電圧がかかると電流が流れる。このような特性を利用して、入力端110に印加される過電圧を感知する役割をする。
【0036】
第1ツェナーダイオード140は、入力端110に分岐されて接続され、入力端にツェナー電圧以上の過電圧が印加されると、電流がグラウンドに流れるように経路を形成し、過電圧が出力端120でなくグラウンドに流れるようにする。これにより、過電圧から負荷を保護することができる。しかし、連続的な過電圧が印加される場合、第1ツェナーダイオード140に損傷が発生する可能性があり、損傷が発生した場合、正常な過電圧保護が行われなくなるため、連続的な過電圧を遮断するために、第1スイッチ130をターンオフさせなければならない。
【0037】
第2スイッチ150は、第1ツェナーダイオード140導通時にターンオンされ、第3スイッチ160は、第1スイッチ130がターンオン時、ターンオンされ、第3スイッチ160がターンオンされると、第1スイッチ130がターンオフされる。第1ツェナーダイオード140導通→第2スイッチ150ターンオン→第3スイッチ160ターンオン→第1スイッチ130ターンオフにより過電圧が発生すると、第1スイッチ130がターンオフされて負荷を保護する過程が行われる。
【0038】
第1スイッチ130はPMOSで、第1ツェナーダイオード140のカソードは、第1スイッチ130のドレーンと接続され、第1ツェナーダイオード140のアノードは、直列に連結される第1抵抗および第2抵抗を介してグラウンドと接続されてもよい。第1ツェナーダイオード140が、過電圧によって導通されると、電流が第1抵抗および第2抵抗を介してグラウンドに抜ける。
【0039】
第2スイッチ150はNMOSで、第2スイッチ150のゲートは、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間ノードに接続され、第2スイッチ150のソースは、グラウンドと接続され、第2スイッチ150のドレーンは、直列に接続される第3抵抗および第4抵抗と接続することができる。NMOSはゲート-ソース電圧が閾値より高いとターンオンされ、ゲート-ソース電圧が閾値より低いとターンオフされる。第1ツェナーダイオード140が導通しないと、第2抵抗によってグラウンドと接続され、第2スイッチ150のゲート-ソース電圧が閾値より低く、オフ状態を維持する。過電圧によって、第1ツェナーダイオード140が導通されて第1抵抗および第2抵抗に電流が流れると、第1抵抗と第2抵抗に過電圧が分配されてかかるようになり、第2抵抗にかかる電圧が第2スイッチ150のゲートに印加され、第2スイッチ150のゲート-ソース電圧が閾値より高くなり、第2スイッチ150がターンオンされる。第2抵抗にかかる電圧が第2スイッチのゲート-ソース電圧に該当するが、過電圧の大きさがしきい値以上である時、第2スイッチ150がターンオンされるように第1抵抗と第2抵抗の抵抗値を設定することができる。例えば、第1ツェナーダイオード140のツェナー電圧が30Vの時、過電圧が40V以上であればこれを遮断するように設定し、第2スイッチ150のゲート-ソース電圧の閾値は5Vである場合、過電圧が40Vであれば、第1ツェナーダイオード140に30Vがかかり、第1抵抗と第2抵抗の大きさを同じに設定すれば、第2抵抗には5Vがかかり第2スイッチ150をターンオンさせることができる。追加されるダイオードや素子による電圧損失、誤差などを考慮して、第1抵抗と第2抵抗の値を設定したり、使用者によって設定されてもよい。第2スイッチ150がターンオンされると、第3抵抗および第4抵抗に電流が流れる。
【0040】
第3スイッチ160はPMOSで、第3スイッチ160のゲートは、前記第3抵抗および前記第4抵抗の間のノードに接続され、第3スイッチ160のソースは、第5抵抗を介してグラウンドに接続され、第3スイッチ160のドレーンは、第1スイッチ130のドレーンに接続されてもよい。PMOSは、ゲート-ソース電圧が閾値より高いとターンオフされ、ゲート-ソース電圧が閾値より低いとターンオンされる。第2スイッチ150がオフ状態である場合、第3スイッチのゲートは、第3抵抗によって入力端110と接続されるが、第3スイッチ160のゲート-ソース電圧が閾値より高く、オフ状態を維持する。過電圧によって、第1ツェナーダイオード140が導通し、第2スイッチ150がターンオンなつて第3抵抗および第4抵抗に電圧がかかると、第3抵抗および第4抵抗の電圧分配によって、ゲート電圧が低くなり、それにより第3スイッチ160のゲート-ソース電圧が閾値より低くなり、第3スイッチ160がターンオンされる。
【0041】
第1スイッチ130のゲートは、第3スイッチ160のソースおよび前記第5抵抗の間のノードに接続され、第1スイッチ130のソースは、出力端120に接続され、第1スイッチ130のドレーンは、入力端110に接続され、第1スイッチ130のゲートおよびドレーンの間には、第6抵抗および第2ツェナーダイオードがそれそれ並列に接続されてもよい。ここで、前記第5抵抗の値が前記第6抵抗の値より大きく、前記第1スイッチ130は、前記入力端に電源入力時、前記第5抵抗および前記第6抵抗の電圧分配によってターンオンすることができる。
【0042】
入力端に正常範囲の電圧を有する電源が印加されると、第5抵抗および第6抵抗に電流が流れ、第5抵抗および第6抵抗の間のノードに接続される第1スイッチ130のゲートに電圧が印加され、この時、第5抵抗および第6抵抗の電圧分配によって、第6抵抗にかかる電圧が閾値より低くなるように設定することができる。これにより、第1スイッチ130のゲート-ソース電圧が閾値より低くなり、第1スイッチ130がターンオンされる。第1スイッチ130がターンオンされると、入力端110に入力された電源が出力端120を介して負荷出力される。
【0043】
この時、電圧が正常範囲である時、第1スイッチ130のゲート-ソース電圧が閾値より低くなるように第5抵抗の値と第6抵抗の値を設定することができる。入力端110に入力される電圧、第1スイッチ130のゲート-ソース電圧の閾値、第5抵抗および第6抵抗にかかる電圧の大きさに応じて設定することができる。例えば、正常範囲でバッテリー電圧12Vが入力される状況で、第1スイッチ130のゲート-ソース電圧の閾値が5Vである場合、第1スイッチ130のゲート-ソース電圧は、第6抵抗にかかる電圧になるが、第6抵抗よりも第5抵抗にかかる電圧がより大きくなければ、第1スイッチ130のゲート-ソース電圧が閾値より低くなり、第1スイッチ130をターンオンさせることができる。このために、第5抵抗の値が第6抵抗の値より大きく設定することができる。
【0044】
正常動作時、第1スイッチ130のゲートを保護するために、第2ツェナーダイオードを接続して、第2ツェナーダイオードは、第1スイッチ130のゲートに印加される過電圧を検出して、過電圧発生時、第1スイッチ130のゲートに過電圧が印加されるのを遮断することができる。過電圧発生時、第1ツェナーダイオード140、第2スイッチ150、第3スイッチ160の動作によって、第1スイッチ130がオフされるまで時間がかかることがあるため、第1スイッチ130のゲート保護のために、第1スイッチ130のゲートおよびソースの間に第2ツェナーダイオードを接続する。
【0045】
過電圧が発生して第1ツェナーダイオード140が導通され、第2スイッチ150がターンオンされると、第3スイッチ160がターンオンされる。第3スイッチ160がターンオンされると、第6抵抗でなく第3スイッチ160の経路に沿って電流が流れる。第6抵抗を介して、第1スイッチ130のゲートとソースが接続される場合、第1スイッチ130のソースの電圧がゲートの電圧より高く、第1スイッチ130のゲート-ソース電圧はロー(LOW)で第1スイッチ130がオン状態を維持する、第3スイッチ160がターンオンされると、第3スイッチ160のターンオンによって、第1スイッチ130のソースとゲートの電位差が低くなり、第1スイッチ130のゲート-ソース電圧は閾値より高くなり、これによりハイ(HIGH)となり、第1スイッチ130がターンオフされる。
【0046】
本発明の実施例に係る過電圧保護回路100は、図4のような回路で実施することができる。
【0047】
本発明の実施例に係る過電圧保護回路100は、12Vバッテリー220で形成されるKL30電源と48V/12V DC-DCコンバータ210から電源の入力を受けてバッテリー管理装置であるBMS230に電源を出力することができる。過電圧からBMS230を保護するために、本発明の実施例に係る過電圧保護回路100は、第1ツェナーダイオード140であるD1、第1スイッチ130であるM1、第2スイッチ150であるM2、第3スイッチ160であるM3を含み、ダイオードD3、第2ツェナーダイオードD2、および第1抵抗であるR1、第2抵抗であるR2、第3抵抗であるR3、第4抵抗であるR4、第5抵抗であるR5、第6抵抗であるR6を含むことができる。
【0048】
入力端を介して電源が入力されると、D3およびM1を経て出力端に出力される。ここで、D3は逆方向、即ち、入力端に電源が出力されるのを防止する。D1は、過電圧を検出して遮断するために、過電圧範囲でツェナー電圧が設定されることができる。例えば、入力電圧の正常範囲が12Vの時、ツェナー電圧は27V~28Vに設定することができる。これは要求される仕様や使用者によって設定することができる。
【0049】
正常電圧が印加される場合、D1はダイオード特性により導通されず、M2のゲート-ソース電圧が閾値より低いため、オフ状態を維持する。M2がオフ状態であれば、M3はR3を介してゲートに高い電圧がかかり、ゲート-ソース電圧が閾値より高くなり、オフ状態になる。M3がオフ状態であれば、M1は、R6とR5の電圧分配によりゲート-ソース電圧はR6にかかる電圧になり、R6にM1のゲート-ソース電圧の閾値より低くなるようにR6とR5の抵抗値を設定して、M1がターンオンされるようにすることができる。これにより、電圧が正常範囲で、D1未導通、M2、M3はオフ、M1はターンオンして、正常電圧の電源がBMS230に出力されるようにすることができる。D2は、M1に過電圧が印加されることを検出して防止する役割をする。
【0050】
正常動作中D1のツェナー電圧以上の過電圧が発生すると、D1が導通され、R1およびR2の電圧分配によりR2にかかる電圧がM2のゲート-ソース電圧になるが、R2にかかる電圧がM2のゲート-ソース電圧より大きくなると、M2がターンオンされる。過電圧の大きさがしきい値以上の時、M2をターンオンするようにしきい値に応じてR1およびR2の値を設定することができる。
【0051】
M2がターンオンされると、R3およびR4に電流が流れ、R4によりM3のゲート電圧が低くなり、M3のゲート-ソース電圧が閾値より低くなってターンオンされる。M3がターンオンされると、R6に電流が流れず、M3に流れるため、M1のゲート-ソース電圧の大きさがローから電位差が小さくなってハイになり、これにより、M1のゲート-ソース電圧が閾値より大きくなるとターンオフされる。M1がターンオフされると、BMS230への電源の出力が遮断されて、過電圧からBMS230を保護することができる。
【0052】
前記の通り、ツェナーダイオードと共に、スイッチを利用することによって過電圧を遮断して負荷に接続されるBMS内のICのような回路などを保護することができる。瞬間的な過電圧は、ツェナーダイオードで検出および遮断し、連続的な過電圧については、順に動作するスイッチを利用して、出力端への出力を遮断することができる。これにより、48Vマイルドハイブリッドカーなど、連続的な過電圧が発生しうる装置において、40V以上の過電圧を遮断することができて、過電圧保護が可能である。また、簡単な素子で回路を実現することによって、PCB空間活用が容易であり、回路を追加しても低費用で実施が可能である。
【0053】
本実施例と関連する技術分野で通常の知識を有する者は、上記した記載の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形で実施できることを理解できるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点でなく、説明的な観点から考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての相違点は、本発明に含まれたものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源が入力される入力端と負荷に電源を出力する出力端と、
前記入力端と前記出力端との間に位置し、ターンオフ時に前記負荷への出力を遮断する第1スイッチと、
前記入力端に接続されて過電圧を感知して導通する第1ツェナーダイオードと、
前記第1ツェナーダイオード導通時にターンオンされる第2スイッチと、
前記第1スイッチがターンオン時、ターンオンされる第3スイッチと、を含み、
前記第1スイッチは、
前記入力端に入力される電源によってターンオンされ、前記第3スイッチがターンオン時にターンオフされ
前記第1スイッチは、PMOSであり、
前記第1ツェナーダイオードのカソードは、前記第1スイッチのドレーンと接続され、
前記第1ツェナーダイオードのアノードは、直列に接続される第1抵抗および第2抵抗を介してグラウンドと接続され、
前記第2スイッチはNMOSであり、
前記第2スイッチのゲートは、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間のノードに接続され、
前記第2スイッチのソースは、グラウンドと接続され、
前記第2スイッチのドレーンは、直列に接続される第3抵抗および第4抵抗と接続されることを特徴とする、過電圧保護回路。
【請求項2】
前記第3スイッチはPMOSであり、
前記第3スイッチのゲートは、前記第3抵抗および前記第4抵抗の間のノードに接続され、
前記第3スイッチのソースは、第5抵抗を介してグラウンドと接続され、
前記第3スイッチのドレーンは、前記第1スイッチのドレーンと接続されることを特徴とする請求項に記載の過電圧保護回路。
【請求項3】
前記第1スイッチのゲートは、前記第3スイッチのソースおよび前記第5抵抗の間のノードに接続され、
前記第1スイッチのソースは、前記出力端と接続され、
前記第1スイッチのドレーンは、前記入力端と接続されることを特徴とする請求項に記載の過電圧保護回路。
【請求項4】
前記第1スイッチのゲートおよびドレーンの間にそれそれ並列に接続される第6抵抗および第2ツェナーダイオードを含むことを特徴とする請求項に記載の過電圧保護回路。
【請求項5】
前記第5抵抗の値が、前記第6抵抗の値より大きく、
前記第1スイッチは、前記入力端に電源入力時に、前記第5抵抗および前記第6抵抗の電圧分配によってターンオンされることを特徴とする請求項に記載の過電圧保護回路。
【請求項6】
前記第2ツェナーダイオードは、前記第1スイッチのゲートに印加される過電圧を検出することを特徴とする請求項に記載の過電圧保護回路。
【請求項7】
前記入力端は、バッテリーまたは前記バッテリーを充電するDC-DCコンバータから電源の入力を受けることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
【請求項8】
前記出力端は、バッテリー管理システム(Battery Management System)と接続されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
【請求項9】
電源が入力される入力端と、
負荷に電源を出力する出力端、
PMOSであり、前記入力端に接続されるドレーンと前記出力端と接続されるソースを含む第1スイッチ、
前記入力端に接続されて、前記第1スイッチのドレーンに接続されるカソードと直列に接続される第1抵抗及び第2抵抗を通してグラウンドと接続されるアノードを含む第1ツェナーダイオード、
NMOSであり、前記第1抵抗及び前記第2抵抗との間のノードに接続されるゲート、グラウンドと接続されるソースと、直列に接続される第3抵抗及び第4抵抗と接続されるドレーンを含む第2スイッチ、および
NMOSであり、前記第3抵抗及び前記第4抵抗との間のノードに接続されるゲート、第5抵抗を通してグラウンドと接続されるソースと、前記第1スイッチのドレーンと接続されるドレーンを含む第3スイッチを含むことを特徴とする、過電圧保護回路。
【請求項10】
バッテリーの充放電を管理するバッテリー管理装置において、
過電圧から前記バッテリー管理装置を保護する過電圧保護回路を含み、
前記過電圧保護回路は、
電源が入力される入力端と負荷に電源を出力する出力端と、
前記入力端と前記出力端との間に位置し、ターンオフ時に前記負荷への出力を遮断する第1スイッチと、
前記入力端に接続されて過電圧を感知して導通する第1ツェナーダイオードと、
前記第1ツェナーダイオード導通時にターンオンされる第2スイッチと、
前記第1スイッチがターンオン時、ターンオンされる第3スイッチと、を含み、
前記第1スイッチは、前記入力端に入力される電源によってターンオンされ、前記第3スイッチがターンオン時にターンオフされ、
前記第1スイッチは、PMOSであり、
前記第1ツェナーダイオードのカソードは、前記第1スイッチのドレーンと接続され、
前記第1ツェナーダイオードのアノードは、直列に接続される第1抵抗および第2抵抗を介してグラウンドと接続され、
前記第2スイッチは、NMOSであり、
前記第2スイッチのゲートは、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間のノードに接続され、
前記第2スイッチのソースは、グラウンドと接続され、
前記第2スイッチのドレーンは、直列に接続される第3抵抗および第4抵抗と接続されることを特徴とする、バッテリー管理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【国際調査報告】