(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】タップ取付型の浄水用のユニット
(51)【国際特許分類】
C02F 1/28 20230101AFI20240125BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20240125BHJP
【FI】
C02F1/28 G
C02F1/44 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546092
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2022051914
(87)【国際公開番号】W WO2022162070
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/052021
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523286015
【氏名又は名称】オミフィ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ マルク
(72)【発明者】
【氏名】バハル ピルマジッド
【テーマコード(参考)】
4D006
4D624
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006GA06
4D006GA07
4D006HA91
4D006KA01
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4D006KB12
4D006PA01
4D006PB06
4D006PC51
4D624AA02
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4D624DB26
(57)【要約】
本発明は、タップ取付型の浄水用のユニットに関する。該ユニットは、給水タップに接続するためのタップ用インターフェース(14)と、逆浸透フィルタ(32)と、流路内で、逆浸透フィルタ(32)の前に配置された、前置フィルタ(30)と、流路内で、逆浸透フィルタ(32)の後に配置された、後置フィルタ(34)と、を有する。逆浸透フィルタ(32)は、フィルタ軸(8)に沿って延びる中央ダクト(36)の周囲に位置する。上記の3つのフィルタ(30、32、34)は、フィルタ軸(8)に沿った、異なる位置に配置される。また、該デバイスに、バルブ(64)であって、デバイスを通る水の流れを制御するためのバルブ(64)、を設けてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄水用のユニットであって、
タップ用インターフェース(14)と、
フィルタ軸(8)に沿って延びる中央ダクト(36)の周囲に配置された、メンブレンフィルタ(32)と、
前記メンブレンフィルタ(32)の前に配置された、前置フィルタ(30)と、
前記メンブレンフィルタ(32)の後に配置された、後置フィルタ(34)と、
出口ポート(20)と、を備える、ユニット。
【請求項2】
前記フィルタ(30、32、34)の2つが、前記フィルタ軸(8)に沿って、全く重ならないか、又は部分的にのみ重なるように、かつ、それら両方が、前記フィルタ軸(8)を取り囲むように、前記フィルタ(30、32、34)のうち少なくとも2つが、前記フィルタ軸(8)に沿った、異なる位置に配置される、請求項1記載のユニット。
【請求項3】
前記前置フィルタ(30)、前記後置フィルタ(34)、及び前記メンブレンフィルタ(32)が、前記フィルタ軸(8)に沿って、全く重ならないか、又は部分的にのみ重なるように、かつ、それらすべてが、前記フィルタ軸(8)を取り囲むように、前記前置フィルタ(30)、前記後置フィルタ(34)、及び前記メンブレンフィルタ(32)が、前記フィルタ軸(8)に沿った、異なる位置に配置される、請求項2記載のユニット。
【請求項4】
前記前置フィルタ(30)が、幾何学的には、前記メンブレンフィルタ(32)と前記後置フィルタ(34)の間に配置された、請求項3記載のユニット。
【請求項5】
前記中央ダクト(36)が、前記メンブレンフィルタ(32)から前記後置フィルタ(34)まで延び、
かつ、特に、前記中央ダクト(36)が、前記後置フィルタ(34)内へと延びた、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項6】
前記前置フィルタ(30)が、前記中央ダクト(36)の周囲に配置された、請求項5記載のユニット。
【請求項7】
前記後置フィルタ(34)が、幾何学的には、前記タップ用インターフェース(14)と前記メンブレンフィルタ(32)の間に配置され、かつ、特に、前記タップ用インターフェース(14)と前記前置フィルタ(30)の間に配置された、請求項5又は6に記載のユニット。
【請求項8】
前記ユニットが、ハウジング(2)をさらに備え、前記メンブレンフィルタ(32)、前記前置フィルタ(30)、及び前記後置フィルタ(34)が、前記ハウジング内に配置された、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項9】
前記ハウジングが、円筒形状であり、かつ、前記フィルタ軸(8)に対して同心である、請求項8記載のユニット。
【請求項10】
前記ハウジング(2)が、前記フィルタ軸(8)に沿って延在し、かつ、第1端、及び、反対側にある第2端、を有し、
前記ユニットが、前記第1端を閉じる第1蓋(10)、及び/又は、前記第2端を閉じる第2蓋(12)、をさらに備え、
前記第1蓋(10)及び/又は前記第2蓋(12)が、前記ハウジング(2)に、取外し可能に取付けられた、請求項8又は9に記載のユニット。
【請求項11】
前記蓋(10、12)が、前記ハウジング(2)の前記端の内部へと挿入された、請求項10のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項12】
前記ハウジング(2)が、前記フィルタ軸(8)に沿って延在し、かつ、第1端と、反対側にある第2端と、を有し、かつ、前記ハウジング(2)が、
前記第1端に第1蓋(10)と、かつ、前記第2端に第2蓋(12)と、を備え、
前記第1蓋(10)は、前記第2蓋(12)で、互いに直接接続し、
かつ、特に、前記第1蓋(10)及び前記第2蓋(12)が、カップ形状である、請求項8又は9に記載のユニット。
【請求項13】
前記第1蓋(10)と前記第2蓋(12)が、位置(90)で会合し、かつ、比率D1:D2が、0.25ないし4.0の間であり、D1は、前記第1端(4)と前記位置(90)の間の距離であり、かつ、D2は、前記第2端(6)と前記位置(90)の間の距離である、請求項12記載のユニット。
【請求項14】
前記蓋(10、12)の一方又は両方を取外す際、前記フィルタのすべてを、前記ハウジング(2)から、軸方向に取外すことが可能である、請求項10ないし13のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項15】
前記タップ用インターフェース(14)及び前記出口ポート(20)が、前記第1蓋(10)内に、又は、前記第1蓋(10)上に、配置された、請求項10ないし14のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項16】
前記ユニットが、前記前置フィルタ(30)を含む前置フィルタモジュール(40)と、前記後置フィルタ(34)を含む後置フィルタ(34)モジュール(46)と、をさらに備え、前記蓋(10、12)が閉じているとき、前記モジュールのうち第1モジュールが、前記第1蓋(10)に、かつ/又は、前記ハウジング(2)の1つの端に、接する、請求項10ないし15のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項17】
前記モジュールのうち第2モジュールが、前記第1モジュールと前記メンブレンフィルタ(32)の間に位置する、請求項16記載のユニット。
【請求項18】
前記蓋(10、12)が閉じているとき、前記中央ダクト(36)が、前記第2蓋(12)に接し、かつ、対する、請求項10ないし17のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項19】
前記ハウジング(2)が、
互いに離れて位置する、内壁(92a)及び外壁(92b)と、ならびに、
前記内壁(92a)と前記外壁(92b)の間に配置された、空隙(94)と、を備え、
かつ、特に、前記内壁(92a)及び前記外壁(92b)が、ステンレス鋼板である、請求項1ないし18のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項20】
前記ユニットが、前記ユニットを通る水路を選択的に封鎖するバルブ(64)をさらに備える、請求項1ないし19のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項21】
前記バルブ(64)が、流路内で、前記タップ用インターフェース(14)と前記前置フィルタ(30)の間に、配置された、請求項20記載のユニット。
【請求項22】
前記前置フィルタ(30)及び前記後置フィルタ(34)が、軸方向には、前記メンブレンフィルタ(32)と前記バルブ(64)の間に、位置した、請求項20又は21記載のユニット。
【請求項23】
前記メンブレンフィルタ(32)及び前記後置フィルタ(34)が、第1アセンブリ(76)内の、前記フィルタ軸(8)に沿った、異なる位置に配置され、かつ、前記前置フィルタ(30)が、前記フィルタ軸(8)から横方向に分枝した、第2アセンブリ(78)内に配置された、又は、
前記メンブレンフィルタ(32)及び前記前置フィルタ(30)が、第1アセンブリ(76)内の、前記フィルタ軸(8)に沿った、異なる位置に配置され、かつ、前記後置フィルタ(34)が、前記フィルタ軸(8)から横方向に分枝した、第2アセンブリ(78)内に配置された、請求項1ないし22のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項24】
前記バルブ(64)が、前記第2アセンブリ(78)内に配置された、請求項23及び請求項20ないし22のいずれか一項、に記載のユニット。
【請求項25】
前記ユニットが、少なくとも3つのアセンブリ(76、78、82、84)を有し、前記前置フィルタ(30)、前記メンブレンフィルタ(32)、及び前記後置フィルタ(34)が、前記アセンブリ(76、78、82、84)のうち、異なるアセンブリ内に配置され、かつ、前記アセンブリ(76、78、82、84)が、多角形(83、85)上に、特に正多角形上に、配置された、請求項1ないし22のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項26】
前記アセンブリが、長手方向(76a、78a、82a、84a)を有し、前記長手方向(76a、78a、82a、84a)が、互いに平行である、請求項25記載のユニット。
【請求項27】
アセンブリ(76、78、82、84)の各々が、その長手方向(76a、78a、82a、84a)に関して回転対称な、ハウジングを有する、請求項26記載のユニット。
【請求項28】
アセンブリ(76、78、82、84)の各々が、ハウジングを有し、かつ、ハウジングのすべてが、同一の形状を有する、請求項25ないし27のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項29】
前記前置フィルタ(30)が、活性炭フィルタと、ゼオライトフィルタと、紫外線フィルタと、セディメントフィルタと、マイクロフィルタと、限外濾過フィルタと、の群から選択されたフィルタ、を備え、かつ、特に、前記前置フィルタ(30)が、活性炭フィルタと、マイクロフィルタと、限外濾過フィルタと、の群から選択されたフィルタ、を備え、かつ/又は、
前記後置フィルタ(34)が、活性炭フィルタと、ゼオライトフィルタと、紫外線フィルタと、セラミックフィルタと、脱イオンフィルタと、再ミネラル化ユニットと、の群から選択されたフィルタ、を備え、かつ、特に、前記後置フィルタ(34)が、活性炭フィルタと、ゼオライトフィルタと、セラミックフィルタと、の群から選択されたフィルタ、を備える、請求項1ないし28のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項30】
前記メンブレンフィルタ(32)が、部分的に透過性の膜を有し、前記膜は、水を透過させるが、水溶性の汚染物質のうち、少なくとも一部は通さず、かつ/又は、
前記メンブレンフィルタ(32)が、逆浸透フィルタ及び/又はナノフィルタを含む、請求項1ないし29のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項31】
前記ユニットが、ハウジング(2)をさらに備え、
前記タップ用インターフェース(14)が、
前記ハウジング(2)に取付けられた、第1部分(14a)と、
ねじ切り(98)を有する、第2部分(14b)と、を備え、
前記第1部分(14a)及び前記第2部分(14b)が、水密性のバヨネットマウント(96)を形成する、請求項1ないし30のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項32】
前記中央ダクト(36)の第1端(36c)が、軸方向に、後置フィルタ34内へと延び、前記第1端(36c)では、前記中央ダクト(36)が、軸方向には閉じられ、かつ、半径方向出口開口(36b)を備える、請求項1ないし31のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項33】
浄水用の、請求項1ないし32のいずれか一項に記載のユニットの使用であって、
前記タップ用インターフェース(14)を、タップに接続する、ステップと、
水を前記タップから順次供給し、前記水を、まず前記前置フィルタ(30)に通し、次に前記メンブレンフィルタ(32)に通し、そして次に前記後置フィルタ(34)に通す、ステップと、を含む、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タップ用インターフェース及びメンブレンフィルタを有する、浄水用のユニットに関する。
【0002】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2021年1月28日に出願された国際特許出願(PCT/EP2021/052021号)の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
メンブレンフィルタデバイスは、部分的に透過性の膜を用いて、飲料水から、イオン、不要な分子、及びより大きな粒子を分離する。浸透圧に打ち勝つために、水圧が利用される。メンブレンフィルタは、多くの種類の、溶存かつ懸濁した、化学種及び生物種を、水から除去することができる。
【0004】
タップ用インターフェースを有する浄水用のユニットは、給水タップに接続することができ、かつ、例えば、それに取付けることができる。大型の工業用デバイスとは対照的に、そのようなユニットは、例えば、家庭内において少量の水を浄化するために使用されるのがよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、良好な浄水性能を有し、使い易く、コンパクトな、この種類の浄水用のユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1記載のユニットによって解決される。
【0007】
従って、本発明は、少なくとも以下の要素を有する、浄水用のユニットに関する。
タップ用インターフェース。これは、給水タップに接続され、かつ、そこから水を受けるように適合した、インターフェースである。有利には、該タップ用インターフェースは、タップへの緊密な機械的接続を提供するように適合し、該タップは、作動中のフィルタユニット(及びその中の水)の重量に耐えるように適する。もっとも、代替的には、該タップ用インターフェースは、例えば、チューブコネクタ及びタップ用アダプタを備える、フレキシブルなインターフェースであってもよい。
メンブレンフィルタ。このフィルタは、中央ダクトの周囲に配置され、かつ、このダクトは、フィルタ軸に沿って延びる。該中央ダクトは、有利には、逆浸透フィルタから後置フィルタ(下記)に水を供給するダクトであるが、前置フィルタ(下記)からメンブレンフィルタに水を供給するダクトであってもよい。該メンブレンフィルタは、有利には、逆浸透フィルタであるが、例えばナノフィルタのような、他の任意の種類のメンブレンフィルタであってもよい。
メンブレンフィルタの前に配置された、前置フィルタ。この文脈において、「前」という用語が示すことは、浄水用のユニットは、給水タップインターフェースからの水を、前置フィルタに通し、そして、その後にのみ、メンブレンフィルタを通すように適合する、ということであり、すなわち、「前」は「上流」と同等であるということである。該ユニットは、そのような前置フィルタを複数備えてもよい。
メンブレンフィルタの後に配置された、後置フィルタ。この文脈において、「後」という用語が示すことは、浄水用のユニットは、水を、まずメンブレンフィルタに通し、そして、その後に後置フィルタに通すように適合する、ということであり、すなわち、「後」は「下流」と同等であるということである。該ユニットは、そのような後置フィルタを複数備えてもよい。
出口ポート。これは、浄化された水のための出口となるポートである。該出口ポートは、有利には、出口ダクトを介して、後置フィルタの出口側に接続される。
【0008】
有利には、フィルタのうち少なくとも2つが、フィルタ軸に沿った、異なる位置に配置される。「フィルタ軸に沿った、異なる位置に配置される」とは、2つのフィルタは、フィルタ軸に沿って、全く重ならないか、又は部分的にのみ重なるということであり、かつ、それら両方が、フィルタ軸を取り囲むことである、というように理解されたい。
【0009】
有利には、これらのフィルタのうち3つすべてが、フィルタ軸に沿った、異なる位置に配置され、それによって、コンパクトな設計が実現される。換言すれば、3つのフィルタは、フィルタ軸に沿って、全く重ならないか、又は部分的にのみ重なり、かつ、それらすべてが、フィルタ軸を取り囲む。
【0010】
上記のユニットは、少なくとも1つのハウジングを有してもよく、その際には、メンブレンフィルタ、前置フィルタ、及び後置フィルタは、該ハウジング内に配置され、ユニットを形成する。
【0011】
有利には、上記のハウジングは、フィルタ軸に沿って延在し、かつ、第1端と、反対側にある第2端と、を有する。第1蓋が第1端を閉じ、かつ/又は、第2蓋が第2端を閉じ、その(又は、それらの)蓋は、ハウジングに、取外し可能に取付けられる。これにより、よりよいメンテナンスのために、ハウジングを、1つの端から、有利には、両方の端から、開けることが可能になる。
【0012】
特に、蓋の一方を(又は、有利には、両方を)取外す際、フィルタのすべてを、ハウジングから軸方向に取外し、例えば、クリーニング又は取替えを行うことが可能である。
【0013】
有利には、上記のハウジングは、円筒形状であり、かつ、フィルタ軸に対して同心である。
【0014】
上記のユニットは、前置フィルタを含む前置フィルタモジュールと、後置フィルタを含む後置フィルタモジュールと、をさらに有してもよい。上記の蓋が閉じているとき、これらのモジュールのうち第1モジュールは、所定の位置に保持されるために、第1蓋に、又はハウジングの1つの端に、接する。
【0015】
そのような実施形態においては、前記モジュールのうち第2モジュールもまた、第1モジュールとメンブレンフィルタの間に位置し、所定の位置に保持されるのがよい。
【0016】
有利には、上記のユニットは、ユニットを通る水路を選択的に封鎖するバルブを備える。
【0017】
このバルブは、例えば、タイマー及び/又は遠隔制御装置によって制御されてもよい。
【0018】
他の実施例においては、同軸的ではない設計が用いられる。この設計は、幾つかの変型を有する。例えば、以下のとおりである。
A)メンブレンフィルタ及び後置フィルタが、第1アセンブリ内の、フィルタ軸に沿った、異なる位置に配置され、かつ、前置フィルタが、フィルタ軸から横方向に分枝した、第2アセンブリ内に配置されている。又は、
B)メンブレンフィルタ及び前置フィルタが、第1アセンブリ内の、フィルタ軸に沿った、異なる位置に配置され、かつ、後置フィルタが、フィルタ軸から横方向に分枝した、第2アセンブリ内に配置されている。
C)上記の3つのフィルタが、別々のアセンブリ内に配置され、それらのフィルタのうち、他のフィルタと同軸的であるものは1つもない。
【0019】
この設計により、より高スループットの浄水のために、ユニットを非常に長くすることなく、より大型のフィルタを使用することが可能になる。
【0020】
また、本発明は、上記の浄水用のユニットの使用にも関する。その使用は、
タップ用インターフェースを、タップに接続するステップと、
水をタップから順次供給し、その水を、まず前置フィルタに通し、次にメンブレンフィルタに通し、そして次に後置フィルタに通す、ステップと、を含む。
【0021】
以下の詳細な記述を考慮したとき、本発明はよりよく理解され、かつ、上記以外の目的も明らかになるだろう。そのような記述は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、浄水用のユニットの実施例1の断面図である。
【
図2】
図2は、請求項1のユニットであり、矢印が、液体の流れを表す。
【
図4】
図4が示すのは、
図3の実施例のバルブモジュールの機能ブロック図である。
【
図11】
図11は、実施例7の図であり、その2つの蓋は、螺合が解除され、かつ、互いに離れた位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(定義)
タップ用インターフェースを支承する、浄水用のユニットの端が、ユニットの「上」端であると定義される。従って、「上」及び「下」といった用語は、ユニットが重力方向に対して実際にどのように取付けられているかによらず、この基準の枠組みで解釈されるべきである。
【0024】
「水平」又は「横」方向は、フィルタ軸に対して直交する方向である。
【0025】
「メンブレンフィルタ」は、有利には、部分的に透過性の膜を用いたフィルタである。その膜は、水を透過させるが、水溶性の汚染物質のうち、少なくとも一部は通さない。有利には、メンブレンフィルタは、以下の変型のうち1つである。
ナノフィルタ。ナノフィルタは、1ナノメートルないし10ナノメートルの孔径を有する膜を用いる。例えば、wikipediaの「ナノ濾過(Nanofiltration)」の項目を参照(https://en.wikipedia.org/wiki/Nanofiltration)。
逆浸透フィルタ。逆浸透は、非多孔性であるか、又は、約1nm以下の孔径を備えたナノ濾過を用いているか、のいずれかである膜を通って、溶媒が拡散することを意味する。例えば、wikipediaの「逆浸透(Reverse osmosis)」の項目を参照(https://en.wikipedia.org/wiki/Reverse_osmosis)。
「前置フィルタ」は、有利には、水の前処理ユニットであると理解される。
「後置フィルタ」は、有利には、水の後処理ユニットであると理解される。
「セディメントフィルタ」は、有利には、直径100μm未満の、特に10μm未満のフィルタ孔を有する、メカニカルフィルタとして理解される。
【実施例1】
【0026】
図1及び2は、浄水用のユニットの実施例1を示している。また、この実施例は、他の実施例においても用いられ得る、デバイスの一般的な特徴も示している。
【0027】
図1及び2の浄水用のユニットは、円筒形状のハウジング2を備え、ハウジング2は、第1端4及び第2端6を有している。ハウジング2は、フィルタ軸8に対して同心である。
【0028】
本実施例において、実施例は、第1端4の内部へと挿入された第1蓋10と、第2端6の内部へと挿入された第2蓋12と、を有している。蓋10、12の両方は、ハウジング2に、取外し可能に接続されている。特に、その接続は、蓋10、12の外側に配置された第1係合構造と、ハウジング2の内側に配置された第2係合構造と、によって実現されている。そのような係合構造は、例えば、ねじ接続を形成していてもよいし、又は、図示されているように、弾性スナップイン接続13a、13bを形成していてもよい。
【0029】
タップ用インターフェース14が、第1端4に取付けられている。タップ用インターフェース14は、例えば、給水タップを受けるためのシート16を備えている。シート16は、例えば、弾性嵌合機構、ねじ機構、又はクランプ機構(図示されていない)を用いて、該タップとの強固な接続を実現する。
【0030】
出口ポート20が、第1端4に取付けられている。出口ポート20は、浄化された水のための出口として機能する。出口ポート20は、例えば、注ぎ口、又はチューブのためのコネクタ、を形成していてもよい。
【0031】
濃縮液ドレーン24が、ユニットの第2端6上に配置されている。濃縮液ドレーン24は、下記のように、ユニットから濃縮廃水を排出するために用いられる。
【0032】
当該の浄水用のユニットは、一般に、前置フィルタ30、メンブレンフィルタ32、及び後置フィルタ34、という、少なくとも3つのフィルタを含んでいる。メンブレンフィルタは、有利には、逆浸透フィルタである。従って、以下の記述においては、メンブレンフィルタは、それがもし、他の任意の種類のメンブレンフィルタであったとしても、特にナノフィルタであったとしても、逆浸透フィルタと呼称される。
【0033】
前置フィルタ30は、流路内で、逆浸透フィルタ32の前に位置している。すなわち、前置フィルタ30は、流路内で、タップ用インターフェース14と逆浸透フィルタ32の間に配置されている。
【0034】
後置フィルタ34は、流路内で、逆浸透フィルタ32の後に位置している。すなわち、後置フィルタ34は、流路内で、逆浸透フィルタ32と出口ポート20の間に配置されている。
【0035】
前置フィルタ30は、有利には、活性炭フィルタであり、それは、例えば、逆浸透フィルタ32の膜を損傷する可能性がある、有機化学物質及び塩素を捕獲するためである。しかしながら、前置フィルタ30は、ゼオライトフィルタ、紫外線フィルタ、セディメントフィルタ、マイクロフィルタ(wikipediaの「精密濾過(Microfiltration)」の項目を参照(https://en.wikipedia.org/wiki/Microfiltration))、及び/又は、限外濾過フィルタ(wikipediaの「限外濾過(Ultrafiltration)」の項目を参照(https://en.wikipedia.org/wiki/Ultrafiltration))であってもよいし、又は、それらを含んでいてもよい。
【0036】
後置フィルタ34は、有利には、活性炭フィルタであり、それは、例えば、逆浸透フィルタによっては除去されなかった物質を捕獲するためである。しかしながら、後置フィルタ34は、ゼオライトフィルタ、紫外線フィルタ、セラミックフィルタ、脱イオンフィルタ(すなわち、水からイオンを除去するためのフィルタ)、及び/又は、再ミネラル化ユニット、であってもよいし、又は、それらを含んでいてもよい。
【0037】
この文脈において、有利には逆浸透フィルタの後に位置する、再ミネラル化ユニットは、イオンを水に添加するように適合した、ユニットである。そのイオンは、水の中にあって望ましいものであり、例えば、カリウム、マンガン、及び/又はカルシウムのイオン、ならびに/又はケイ酸塩である。また、再ミネラル化ユニットに、微量のミネラルを、例えば、鉄、亜鉛、及びリン等を、添加してもよい。再ミネラル化ユニットは、例えば、粉砕された貝殻、及び/又は、粉砕された天然ミネラル、を含んでいてもよい。本明細書の文脈においては、そのような再ミネラル化ユニットを、「フィルタ」であると考える。
【0038】
また、後置フィルタ34は、pH、TDS、味、及び/又は、(例えば、水の一部を、構造水として公知である、H3O2
-に変換することによって)分子組成、を調整することもできる。また、後置フィルタ34は、例えば、国際公開2012/168093号に記載されているような、渦流デバイス及び/又は水旋回デバイスを使用することにより、浄化された水の酸素飽和度を高めるように適合してもよい。
【0039】
逆浸透フィルタ32は、当業者には既知である、半透過膜を含んでいてもよい。それは、例えば、中央ダクト36の周囲に巻かれる。
【0040】
図示されている実施例においては、中央ダクト36は、逆浸透フィルタ32からの出口を形成している。
【0041】
中央ダクト36は、フィルタ軸8に沿って延び、かつ、有利には、フィルタ軸8に対して同心である。逆浸透フィルタ32の領域においては、中央ダクト36は、水が通過することを許容する、(現在、図示されている)穿孔を備えている。
【0042】
図示されている実施例において、中央ダクト36は、逆浸透フィルタ32から後置フィルタ34まで、上方に延びている。有利には、中央ダクト36の上端38は、後置フィルタ34で終わる。
【0043】
中央ダクト36は、前置フィルタ30を通過して延びている。すなわち、前置フィルタ30は、環形状を有しており、かつ、中央ダクト36の周囲に配置されている。
【0044】
中央ダクト36の底端40は、第2蓋12に接している。
【0045】
図示されている実施例においては、前置フィルタ30は、幾何学的には、逆浸透フィルタ32と後置フィルタ34の間に配置されている。後置フィルタ34は、幾何学的には、前置フィルタ30と第1蓋10の間に配置されている。浸透フィルタ32は、幾何学的には、前置フィルタ30と第2蓋12の間に配置されている。
【0046】
従って、図に見ることができるように、後置フィルタ34は、第1蓋10の下に配置されている。前置フィルタ30は、後置フィルタ34の下に配置されている。逆浸透フィルタ34は、前置フィルタ30の下に配置されている。かつ、第2蓋12は、逆浸透フィルタ34の下に配置されている。
【0047】
上記のフィルタは、モジュールとして設計されている。
前置フィルタモジュール40は、前置フィルタ30及び前置フィルタフレーム42a、42bを備えている。前置フィルタフレーム42a、42bは、例えば、剛直高分子又は金属から成ってよい。それは、前置フィルタ30をユニット内で位置づけする、機械的インターフェースを提供する。
逆浸透フィルタモジュール44は、逆浸透フィルタ32及び中央ダクト36を備えている。中央ダクト36は、例えば、剛直高分子又は金属から成ってよい。それも、同様に、逆浸透フィルタ32をユニット内で位置づけする、機械的インターフェースを提供する。
後置フィルタモジュール46は、後置フィルタ34及び後置フィルタフレーム48a、48bを備えている。後置フィルタフレーム48a、48bは、例えば、剛直高分子又は金属から成ってよい。それは、後置フィルタ34をユニット内で位置づけする、機械的インターフェースを提供する。
【0048】
ユニットが組立てられ、かつ、2つの蓋10、12が閉じられたとき、モジュール40、44、46は、互いに対して軸方向に接し、かつ、蓋10、12によって及ぼされる圧縮力によって、一緒に保たれる。
【0049】
蓋10、12が開けられたとき、モジュール40、44、46は、軸方向に、かつ、有利には、個別に、ユニットから取外すことができる。
【0050】
有利には、後置フィルタフレーム48a、48bは、後置フィルタ34を取り囲み、かつ、中央ダクト36を受けるための軸方向入口ポート50、及び/又は、第1蓋10に接続するための軸方向出口ポート52、を形成する。
【0051】
【0052】
図に見ることができるように、水は、タップ用インターフェース14から、該タップ用インターフェースを受ける凹所18を形成する、入口ポート54を通って、流れる。
【0053】
その後、水は、後置フィルタ34の周囲を流れ、例えば、後置フィルタモジュール46とハウジング2の間の、円筒形状ギャップ56等を通り、前置フィルタフレーム42bの周縁にある、(図示されていない)適当な流路又はギャップを通り、そして、前置フィルタ30に到着する。
【0054】
水は、前置フィルタ30を通り、フィルタ軸8に向かって半径方向に流れ、そして、前置フィルタ30と中央ダクト36の間の、環形状空間58に到着する。
【0055】
水は、そこから、逆浸透フィルタ32内へと流れ落ちる。
【0056】
水の一部は、濃縮廃液として、浸透フィルタ32の底端を通って排出され、そして、第2蓋12内の濃縮液ドレーン24を通って、ユニットから出ていく。
【0057】
ドレーン24は、ドレーンインセット24aを備えている。ドレーンインセット24aは、例えば、ドレーンチューブのための空間及び取付台を提供することができる。ドレーンインセット24aは、
図1に示されているように、ハウジング2に、特に底蓋12に、接続され得る。又は、ドレーンインセット24aは、下記の実施例7で示されるように、中央ダクト36に接続されてもよい。
【0058】
浄化された水は、中央ダクト36の開口(図示されていない)を通り、逆浸透フィルタ32を出ていく。浄化された水は、中央ダクト36を通って上昇し、後置フィルタ34に到着する。
【0059】
その後、水は、後置フィルタ34を通過し、そして、第1蓋10の出口ダクト22を通って、ユニットから出ていく。
【実施例2】
【0060】
【0061】
実施例2は、バルブ64を備えたバルブモジュール62を有することによって、実施例1と異なる。バルブ64は、ユニットを通る水流を遮断するように構成されている。バルブ64は、例えば、オン状態及びオフ状態を備えた、流量制御バルブであってもよい。そのようなバルブは、当業者にとっては既知である。
【0062】
バルブ64は、有利には、流路内で、タップ用インターフェース14と前置フィルタ30の間に配置される。
【0063】
図示されている実施例においては、バルブ64は、幾何学的には、フィルタの上に配置されている。特に、前置フィルタ30及び後置フィルタ34は、軸方向には、逆浸透フィルタ32とバルブ64の間に位置している。
【0064】
例えば、バルブ64が、(図示されているように)第1蓋10に組み入れられていてもよいし、又は、バルブモジュール62が、第1蓋10から分離され、かつ、ハウジング2内で第1蓋10の下に位置する、モジュールであってもよい。また、バルブモジュール62が、タップ用インターフェース14の部分を構成してもよい。
【0065】
バルブモジュール62は、バルブ64を制御するためのバルブ制御装置66を備えている。
【0066】
一実施形態においては、バルブ制御装置66は、例えば、
図4に示されているような、電子制御装置であり得る。
【0067】
そのような電子制御装置は、例えば、マイクロプロセッサ等の制御プロセッサ68と、バッテリ等の電源70と、を備え得る。
【0068】
また、バルブ制御装置66は、有線の、又は、(有利には、)例えば、Bluetooth(登録商標)インターフェースのような、無線の、インターフェース72も備え得る。
【0069】
また、バルブ制御装置66は、ユニットを通る水の体積流量を測定するように適合した、流量計73も備え得る。
【0070】
バルブ制御装置66は、例えば、以下のモードの少なくとも1つで、バルブ64を操作するように、構成される。
バルブ制御装置66は、特定の回数、例えば、1日あたり特定の回数、バルブ64を開閉する、タイマーモードで、バルブ64を制御してもよい。
バルブ制御装置66は、命令に応じて、例えば、インターフェース72を通じて受信された命令に応じて、バルブ64を制御してもよい。
バルブ制御装置66は、支払条件に応じて、バルブ64を制御してもよい。例えば、バルブ制御装置66は、流量計72によって測定される、ユニットを通る水の流れに対して差し引かれる、クレジットカウンタを備え得る。
【0071】
また、バルブ制御装置66は、ネットワーク接続能力も備え得る。ネットワーク接続能力は、例えば、インターフェース72を通じてIoTネットワークに接続するためのものであり得る。ネットワーク接続能力は、例えば、フィルタが消耗したときに、例えば、交換部品を自動出荷するために、又はユーザ通知のために、使用データを中央サーバと交換するためのものであり得る。
【0072】
他の実施形態においては、バルブ制御装置66は、機械的制御装置でもあり得る。その際、バルブ制御装置66は、レバー又はノブのようなユーザインターフェース要素によって操作されてもよく、かつ/又は、ばね式の機械タイマーによって操作されてもよい。
【実施例3】
【0073】
実施例1及び2においては、前置フィルタ30は、幾何学的には、後置フィルタ34と逆浸透フィルタ32の間に配置されていた。
【0074】
図5は、前置フィルタと後置フィルタの位置が逆転した、代替的な実施例を、概略的に示している。ここでは、後置フィルタ34は、前置フィルタ30と逆浸透フィルタ32の間に配置されている。前置フィルタ30からの水は、例えば、後置フィルタ34の周囲を流れ、逆浸透フィルタ32に到着する。浄化された水は、そこから、中央ダクト36を通って上昇する。中央ダクト36は、後置フィルタ34で終わっている。後置フィルタ34からの水は、前置フィルタ30内の中央開口内に位置するダクト部分74を通って上昇し、そして、そこから、第1蓋10まで上昇する。
【0075】
また、実施例3は、例えば、実施例2で示されたような、バルブモジュールを備えてもよい。
【実施例4】
【0076】
これまでに示されてきた実施例においては、前置フィルタ30、逆浸透フィルタ32、及び後置フィルタ34は、フィルタ軸8に沿った、軸方向の異なる位置に、同軸的に配置されていた。
【0077】
他の実施形態においては、前置フィルタ30及び後置フィルタ34のうち、ただ一方のみが、逆浸透フィルタ32と同軸的に配置され、一方、前置フィルタ30及び後置フィルタ34のうち、もう一方は、フィルタ軸8から横方向に分枝して配置される。
【0078】
【0079】
ここで、逆浸透フィルタ32及び後置フィルタ34が、第1アセンブリ76内で、同軸的に配置され、有利には、後置フィルタ34は、逆浸透フィルタ32の上に位置する。
【0080】
前置フィルタ30は、逆浸透フィルタ32及び/又は後置フィルタ34と横方向に隣り合う、第2アセンブリ78内で、水平に配置されている。
【0081】
バルブ64を備えたバルブモジュール62が、例えば、前置フィルタ30の上に位置してよい。
【0082】
相互接続ダクト80は、アセンブリ76、78に接続しており、かつ、水を前置フィルタ30から逆浸透フィルタ32に導くために備えられている。
【0083】
タップ用インターフェース(
図6においては示されていない)は、有利には、第1アセンブリ78上に配置され、一方、出口ポートが、第2アセンブリ76上に配置される。
【0084】
図6の設計によって、ユニットを非常に長くすることなく、より大きな体積のフィルタを使用することが可能になる。
【0085】
図6に示されている設計に対する代替として、前置フィルタ30の位置と後置フィルタ34の位置を交換してもよい。換言すれば、前置フィルタ30及び逆浸透フィルタ32が、第1アセンブリ76内で、同軸的に配置され、かつ、後置フィルタ34が、第2アセンブリ78内に配置されてもよい。そのような設計は、後置フィルタ34に、より大きな体積を提供する。
【0086】
そのような例においては、タップ用インターフェースは、有利には、第2アセンブリ76上に配置され、一方、出口ポートは、第1アセンブリ78上に配置される。
【0087】
さらに他の実施形態においては、タップ用インターフェースは、第1アセンブリ76と第2アセンブリ78の間に配置されてもよい。そのような実施形態は、米国特許第47313175号明細書に記載されている。
【実施例5】
【0088】
図7及び8は、ユニットの実施例5を示している。この実施例において、ユニットは、3つのアセンブリ76、78、82を備えており、そのうち1つのアセンブリが、前置フィルタ30を含み、他の1つのアセンブリが、メンブレンフィルタ32を含み、かつ、第3アセンブリが、後置フィルタ34を含んでいる。
【0089】
例えば、前置フィルタ30が、第1アセンブリ76内に配置され、メンブレンフィルタ32が、第2アセンブリ78内に配置され(ブライン出口24もまた、第2アセンブリ78上に配置され)、かつ、後置フィルタ34が、第3アセンブリ82内に配置されてよい。
【0090】
図示されている実施例において、タップ用インターフェース14は、第1アセンブリ76に取付けられ、かつ、出口ポート20は、第3アセンブリ82に取付けられている。
【0091】
また、任意のアセンブリが、特に第1アセンブリ76が、上記されたような、バルブユニット、及び/又は制御ユニット、及び/又はセディメントフィルタ、を備え得る。
【0092】
しかしながら、タップ用インターフェース14はまた、他の場所に、例えば、ユニットの中央に、配置されていてもよい。
【0093】
有利には、かつ、図に見ることができるように、すべてのアセンブリ76、78、82が、細長く、それらの最も長い軸76a、78a、82aは、互いに平行である。これは、コンパクトな設計を提供するためである。
【0094】
有利には、アセンブリ76、78、82は、上から見たときに(すなわち、タップ用インターフェースの側から見たときに)、多角形上に配置されており、直線上に配置されてはいない。このことが、同様に、設計をよりコンパクトなものとするのである。例えば、
図7に示されているように、それらのアセンブリは、三角形83上に、特に正三角形である、三角形83上に、配置されている。
【実施例6】
【0095】
図9及び10は、ユニットの実施例6を示している。この実施例においては、ユニットは、4つのアセンブリ76、78、82、84を備えており、うち1つのアセンブリが、前置フィルタ30を含み、他の1つのアセンブリが、メンブレンフィルタ32を含み、かつ、第3アセンブリが、後置フィルタ34を含んでいる。第4アセンブリは、例えば、バルブユニット、及び/又はセディメントフィルタ、及び/又は制御ユニット、を含み得る。
【0096】
例えば、バルブユニット及びその制御ユニットが、第1アセンブリ76内に配置され、前置フィルタ30が、第2アセンブリ78内に配置され、メンブレンフィルタ32が、第3アセンブリ82内に配置され(ブライン出口24もまた、第3アセンブリ82上に配置され)、かつ、後置フィルタ34が、第4アセンブリ84内に配置されてよい。
【0097】
図示されている実施例において、タップ用インターフェース14は、第1アセンブリ76に取付けられ、かつ、出口ポート20は、第4アセンブリ84に取付けられている。
【0098】
しかしながら、同様にして、タップ用インターフェース14は、他の場所に、例えば、ユニットの中央に、配置されていてもよい。
【0099】
有利には、かつ、図に見ることができるように、すべてのアセンブリが、同様にして、細長く、それらの最も長い軸76a、78a、82aは、互いに平行である。これは、コンパクトな設計を提供するためである。
【0100】
有利には、アセンブリ76、78、82は、上から見たときに(すなわち、タップ用インターフェースの側から見たときに)、多角形上に配置されており、直線上に配置されてはいない。このことが、同様に、設計をよりコンパクトなものとするのである。例えば、
図9に示されているように、それらのアセンブリは、矩形85上に、特に正方形である、矩形85上に、配置されている。
【0101】
有利には、「多角形上に配置」という表現は、上から見たときに(すなわち、タップ用インターフェースの側から見たときに)、アセンブリの中心が、多角形上に配置されていることである、というように理解されたい。
【0102】
より一般的には、かつ、実施例5及び6で示されたように、ユニットは、少なくとも3つのアセンブリを、特に、少なくとも4つのアセンブリ76、78、82、84を、有し、前置フィルタ、メンブレンフィルタ、及び後置フィルタは、異なるアセンブリ内に配置されてよい。それらのアセンブリは、例えば、タップ用インターフェース14の側から見たときに、多角形上に、特に、三角形83又は矩形85のような、正多角形である、多角形上に、配置されていてよい。
【0103】
有利には、それらのアセンブリは、それらの最も長い方向を示す、(それらの中心軸によって画定される)長手方向76a、78a、82a、84aを有し、それら長手方向は、互いに平行である。
【0104】
特に、アセンブリの各々は、その長手方向について回転対称なハウジングを有し、該ハウジングは、例えば、長手方向を中心とする楕円形、円形、又は正多角形の形状である、長手方向に垂直な断面、を有することによって、長手方向について回転対称である。このことは、特に、コンパクトな設計という結果を導く。
【0105】
ユニットの製造を容易化するために、アセンブリのハウジングのすべてが、同一の形状を有するとよい。
【実施例7】
【0106】
図11及び12に示されている実施例7は、実施例1が有するのと同一の、前置フィルタ30、メンブレンフィルタ32、及び後置フィルタ34の、ハウジング2内における配置を有する。
【0107】
ユニットは、その第1端4に第1蓋10を、かつ、その第2端6及び第2蓋12を、有している。
【0108】
しかしながら、この実施例においては、第1蓋10及び第2蓋12は、ユニットのハウジング2を形成し、かつ、それらは、互いに直接接続している。これにより、ハウジングの組立て及び分解が容易になる。
【0109】
有利には、第1蓋10及び第2蓋12は、それらの間に、ねじ切り13を形成している。
【0110】
図示されているように、上記の2つの蓋は、有利には、それらの間にあるフィルタユニットの内部機構を受けるために、カップ形状をしている。
【0111】
それら2つの蓋は、第1端4と第2端6の間の、位置90で会合する。
【0112】
有利には、位置90は、比率D1:D2が0.25と4.0の間であるという意味において、第1端4と第2端6の間の、おおよそ中間である。ここで、D1は、第1端4と位置90の間の距離であり、かつ、D2は、第2端6と位置90の間の距離である(
図12を見よ)。この設計は、位置90が第1端4又は第2端6に近接している設計よりも、第1蓋及び第2蓋が、より浅型となる、という結果を導く。これにより、フィルタの構成部分を取外すこと、及び挿入することが、より容易になる。
【0113】
図12は、本明細書に記述された、他の任意の実施例についても使用可能な、フィルタユニットの他の有利な要素を示している。
【0114】
図示されているように、蓋10、12の各々は、及び、従ってハウジング2は、互いに離れて位置する、内壁92a及び外壁92bを備えている。空隙94が、内壁92aと外壁92bの間に形成されている。
【0115】
この設計により、ハウジングの重量が減らされる。
【0116】
有利には、内壁92a及び外壁92bは、ステンレス鋼板で形成される。この例においては、当該の2つの壁の設計は、鋼板を変形させることによってハウジングを製造することを可能にする。これと対照的に、同等の安定性を有する、単一壁のハウジングは、より重量があり、かつ、圧延して金属部品を形成する必要がある。
【0117】
この設計により、より多くの材料が利用可能であるために、構成要素の外部取付けを増加させることが可能になる。
【0118】
加えて、二重壁の設計は、単一壁のハウジングと比較すると、ハウジングの熱伝導率を低下させる。これは、非常に冷たい水を浄化するときに、特に有利であり、それは、その設計が、フィルタユニットの外側表面上の結露を減らすからである。
【0119】
位置90における接続は、例えば、任意の種類の適当なねじ切りによって、又はバヨネットマウントによって、形成されてよく、有利には、水密性のシールを形成するための、追加的なシール部材91が備えられるとよい。
【0120】
図示されている実施例において、ハウジングの蓋10、12の両方がステンレス鋼の二重壁で形成されていることには、注意されたい。しかしながら、例えば、フィルタユニット内の回路が、外部デバイスとのRF接続を必要とするときなどには、蓋10、12の一方又は両方は、例えばプラスチックといった他の材料から成ってもよい。
【0121】
図11及び12は、本明細書に記述された、他の任意の実施例と組み合わせて使用することが可能な、さらに他の態様を示している。
【0122】
図示されているように、タップ用インターフェース14は、第1部分14a及び第2部分14bを備え、第1部分14aは、ハウジング2に接続されている。第1部分14a及び第2部分14bは、各々、一緒にバヨネットマウントを形成する、凹所96a及び/又は突起96bを備えている。さらに、第2部分14bは、第2部分14bをタップに接続するための、ねじ切り98を備えている。ねじ切り98は、取付けられるタップに応じて、内ねじ切りである場合もあれば、又は外ねじ切りである場合もある。
【0123】
バヨネットマウントの代わりに、例えば、標準的なねじ切りが用いられてもよいし、そればかりでなく、他の任意の迅速接続機構が用いられてもよい。
【0124】
従って、第2部分14bが、タップ上に恒久的に螺合され、そして、第1部分14aを、及び、従ってハウジング2を、それに容易に取付け、かつ、バヨネットマウント96を用いて、それから容易に取外す、ということが可能になる。
【0125】
換言すれば、タップ用インターフェース14は、有利には、ハウジング2に取付けられた第1部分14aと、ねじ切り98を有する第2部分14bと、を備え、これら第1部分14a及び第2部分14bが、水密性のバヨネットマウント96を形成する。
【0126】
組を成す、異なる第2部分14bが提供されてもよく、それらは、ねじ切り98の直径、及び/又は、その露出(内ねじ切りであるか、又は、外ねじ切りであるか)において異なる。これらの第2部分14bは、異なるタップの種類に適合したアダプタを形成する。
【0127】
図12の実施例は、ドレーンインセット24aが、中央ダクト25に接続しており、かつ、ハウジング2には接続していない、ことをさらに示しており、これは、ドレーンインセット24aを、フィルタアセンブリと一緒に、ハウジングから容易に取外すことができるようにするためである。ドレーンインセット24aは、有利には、ハウジング2の底部の凹所24bに着座する。
【実施例8】
【0128】
図13に示されている実施例8は、中央ダクト36が、軸方向に(すなわち、中央軸8に沿って)、後置フィルタ34内へと延び、かつ、その軸端36aで閉じている、という点を除き、実施例7と一致している。さらに、実施例8は、後置フィルタ34内への水の流路を提供するための、水の半径方向出口ポート36bを備えている。これにより、後置フィルタ34を通る水流を、他の実施例に示されていた軸方向出口ポートを用いるよりも、より均一に、分散させることが可能になる。
【0129】
従って、有利には、中央ダクト36の第1端36cは、軸方向に、後置フィルタ34内へと延びている。第1端36cでは、中央ダクト36は、軸方向には閉じられ、かつ、半径方向出口開口36bを備えている。
【0130】
半径方向出口開口36bは、中央ダクト36の内部を、後置フィルタ34に接続する。
【0131】
(註)
上記の実施例において、ハウジング2は円筒形状である。しかしながら、ハウジング2はまた、他の断面を、すなわち、正方形断面、楕円断面、又は多角形断面を、有してもよい。また、その断面が、フィルタ軸に沿って変化してもよい。もっとも、円筒断面が有利であり、というのも、それは製造しやすく、かつ、高圧にも耐えるからである。
【0132】
上記したように、ユニットはまた、単一の蓋のみを有してもよく、特に、その蓋を、底端で有してもよい。そのような例においては、ハウジングのもう一方の端は、恒久的に閉じている。
【0133】
タップ用インターフェース14が図示されているのは、
図1及び3においてのみであるが、しかしながら、有利には、すべての実施例に、そのようなタップ用インターフェースが備えられてもよい。
【0134】
上記の実施例においては、タップ用インターフェース14は、タップとの、強固で緊密な接続を形成する。代替的には、タップ用インターフェースが、例えば、フレキシブルなチューブ及びタップ用アダプタを備えてもよく、その際、該タップ用アダプタは、タップとの機械的インターフェースを形成するように設計されているのがよい。このような事例においては、ユニットが、例えば、タップ近傍の支持台上に配置され、一方で、タップが、チューブを用いてアダプタに接続されていてもよい。
【0135】
有利には、タップ用インターフェース14は、第1蓋10内に、又は第1蓋10上に、配置される。
図1の実施例においては、タップ用インターフェース14は、蓋10内の凹所18に取付けられている。また、タップ用インターフェース14は、第1蓋10の一体部分を形成してもよい。
【0136】
同様に、出口ポート20が図示されているのは、
図1及び3のみであるが、しかしながら、有利には、すべての実施例に、そのような出口ポートが備えられてもよい。
【0137】
有利には、出口ポート20は、第1蓋10内に、又は第1蓋10上に、配置される。
図1の実施例においては、出口ポート20は、蓋10内の凹所22に取付けられている。また、出口ポート20は、蓋10の一体部分を形成してもよく、又は、蓋10がハウジングの一体部分である場合には、ハウジング2の一体部分を形成してもよい。
【0138】
有利には、出口ポート20は、
図1に示されているように、ユニットから突き出したダクト部分で形成される。フィルタ軸8と出口ポート20の間の角αは、有利には、0°よりも大きく、90°以下である。これにより、出口ポート20が、第1蓋10の端表面に取付けられること、及び、出口ポート20が、例えば、タップ又はタップ用インターフェース14とぶつかることなく、チューブに接続されること、が可能になる。
【0139】
必須ではないが、有利には、角度αは、90°未満であり、特に、15°と75°の間である。
【0140】
上記したように、前置フィルタ及び/又は後置フィルタは、幾つかの機能を組み合わせてもよい。例えば、前置フィルタ30は、セディメントフィルタ及び活性炭フィルタを含み得る。それら幾つかの機能が、1つの構成ユニット内に組み合わせられてもよいし(例えば、セディメントフィルタとして機能する層を、入力表面等に有する、活性炭フィルタ)、又は、フィルタが、幾つかの構造的に分離したユニットを備えてもよい(例えば、セディメントフィルタとして機能する1つのユニット、及び、活性炭フィルタとして機能する他のユニット)。同じことが、後置フィルタ34に対して適用される。
【0141】
本発明の現時点での好ましい実施例を示し説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲内で様々に具体化及び実施できるということを、明確に理解されたい。
【国際調査報告】