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特表2024-504804酸化物絶縁被覆されたボンディングワイヤを含む半導体パッケージ、それを含む電子システム、及びそれを含むバッテリーモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】酸化物絶縁被覆されたボンディングワイヤを含む半導体パッケージ、それを含む電子システム、及びそれを含むバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240125BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H01L21/60 301F
H01L23/12 501W
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546103
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 KR2022000317
(87)【国際公開番号】W WO2022164073
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0014291
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523286381
【氏名又は名称】パク、ソ チェ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソ チェ
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044AA01
5F044AA02
5F044FF01
(57)【要約】
本発明は、酸化物絶縁被覆されたボンディングワイヤを含む半導体パッケージ、それを含む電子システム、及びそれを含むバッテリーモジュールを提供する。本発明の一実施例によれば、前記半導体パッケージは、基板と;前記基板上に搭載された半導体チップと;前記基板と前記半導体チップを電気的に接続し、内部に位置する金属コア部、及び前記金属コア部を被覆する酸化物絶縁被覆部を含むボンディングワイヤと;前記基板と前記ボンディングワイヤとが接続された第1部分に位置し、前記ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第1破片と;を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に搭載された半導体チップと、
前記基板と前記半導体チップを電気的に接続し、内部に位置する金属コア部、及び前記金属コア部を被覆する酸化物絶縁被覆部を含むボンディングワイヤと、
前記基板と前記ボンディングワイヤとが接続された第1部分に位置し、前記ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第1破片とを含み、
前記第1破片は、前記ボンディングワイヤがボンディングされる過程で、前記ボンディングワイヤの加熱によって前記金属コア部が加熱されて形成された液状金属による圧力によって破壊された前記酸化物絶縁被覆部の破片で構成され、
前記ボンディングワイヤは、前記酸化物絶縁被覆部が前記金属コア部の長手方向に沿って端部まで被覆された状態で、前記ボンディングワイヤの端部が加熱されて前記液状金属及び前記第1破片を含むボンディング部分が形成された状態で、前記第1部分で前記基板に接続される、半導体パッケージ。
【請求項2】
前記酸化物絶縁被覆部は、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、及びハフニウム酸化物のうちの少なくともいずれか1つのような金属酸化物を含み、前記金属酸化物は、前記金属コア部上に原子層蒸着法(ALD)を用いて形成される、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記基板と前記ボンディングワイヤとが接続された前記第1部分内に形成された金属間化合物層をさらに含み、
前記第1破片の少なくとも一部は前記金属間化合物層内に位置する、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記半導体チップと前記ボンディングワイヤとが接続された第2部分に位置し、前記ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第2破片を含む、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記第2破片は、前記ボンディングワイヤがボンディングされる過程で破壊された前記酸化物絶縁被覆部の破片で構成された、請求項3に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記金属コア部は、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム、及びこれらの合金を含む、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記酸化物絶縁被覆部は、10nm~20nmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記金属コア部は、一つの導線で構成されるか、複数の同軸導線を含んで構成されるか、または複数の導線が撚り合わせられて構成された、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
基板と、
前記基板上に搭載された第1半導体チップ及び第2半導体チップと、
前記第1半導体チップと前記第2半導体チップを電気的に接続し、内部に位置する金属コア部、及び前記金属コア部を被覆する酸化物絶縁被覆部を含む第1ボンディングワイヤと、
前記第1半導体チップと前記第1ボンディングワイヤとが接続された部分に位置し、前記第1ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第3破片とを含み、
前記第3破片は、前記第1ボンディングワイヤがボンディングされる過程で、前記第1ボンディングワイヤの加熱によって前記金属コア部が加熱されて形成された液状金属による圧力によって破壊された前記酸化物絶縁被覆部の破片で構成され、
前記第1ボンディングワイヤは、前記酸化物絶縁被覆部が前記金属コア部の長手方向に沿って端部まで被覆された状態で、前記第1ボンディングワイヤの端部が加熱されて前記液状金属及び前記第3破片を含むボンディング部分が形成された状態で前記第1半導体チップに接続される、半導体パッケージ。
【請求項10】
前記酸化物絶縁被覆部は、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、及びハフニウム酸化物のうちの少なくともいずれか1つのような金属酸化物を含み、前記金属酸化物は、前記金属コア部上に原子層蒸着法(ALD)を用いて形成される、請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
前記第1半導体チップと前記ボンディングワイヤとが接続された部分内に形成された金属間化合物層をさらに含み、
前記第3破片の少なくとも一部は前記金属間化合物層内に位置する、請求項10に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
前記第2半導体チップと前記第1ボンディングワイヤとが接続された部分に位置し、前記第1ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第4破片と、
前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップのいずれか1つと前記基板を電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、
前記基板と前記第2ボンディングワイヤとが接続された部分に位置し、前記第2ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第5破片とをさらに含む、請求項9に記載の半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術的思想は、半導体パッケージに関し、より詳細には、酸化物絶縁被覆されたボンディングワイヤを含む半導体パッケージ、それを含む電子システム、及びそれを含むバッテリーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージにおいて、配線基板、例えば、印刷回路基板やリードフレームのボンディングパッドと、半導体チップのチップパッドとは、金属で構成されたボンディングワイヤでボンディングして電気的に接続する。このような工程をワイヤボンディング工程と呼ぶ。ワイヤボンディング工程において、半導体チップのチップパッドが微細化され、多層の半導体チップを積層する積層パッケージが適用されることによって、金属ワイヤが互いにくっつくショート現象が発生する。そのため、このようなショート現象を防止するためのボンディングワイヤが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の技術的思想が達成しようとする技術的課題は、酸化物絶縁被覆されたボンディングワイヤを含む半導体パッケージ、それを含む電子システム、及びそれを含むバッテリーモジュールを提供することである。
【0004】
しかし、このような課題は例示的なもので、本発明の技術的思想がこれに限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、酸化物絶縁被覆されたボンディングワイヤを含む半導体パッケージ、それを含む電子システム、及びそれを含むバッテリーモジュールを提供する。
【0006】
本発明の一実施例によれば、前記半導体パッケージは、基板と;前記基板上に搭載された半導体チップと;前記基板と前記半導体チップを電気的に接続し、内部に位置する金属コア部、及び前記金属コア部を被覆する酸化物絶縁被覆部を含むボンディングワイヤと;前記基板と前記ボンディングワイヤとが接続された第1部分に位置し、前記ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第1破片と;を含むことができる。
【0007】
本発明の一実施例によれば、前記第1破片は、前記ボンディングワイヤがボンディングされる過程で破壊された前記酸化物絶縁被覆部の破片で構成され得る。
【0008】
本発明の一実施例によれば、前記基板と前記ボンディングワイヤとが接続された前記第1部分内に形成された金属間化合物層をさらに含み、前記第1破片の少なくとも一部は前記金属間化合物層内に位置することができる。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記半導体チップと前記ボンディングワイヤとが接続された第2部分に位置し、前記ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第2破片を含むことができる。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記第2破片は、前記ボンディングワイヤがボンディングされる過程で破壊された前記酸化物絶縁被覆部の破片で構成され得る。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記酸化物絶縁被覆部は、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、及びハフニウム酸化物のうちの少なくともいずれか1つを含むことができ、前記金属コア部は、金、銀、銅、アルミニウム、錫、パラジウム、及びこれらの合金を含むことができる。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記酸化物絶縁被覆部は、2nm~50nmの範囲の厚さを有することができる。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記金属コア部は、一つの導線で構成されるか、複数の同軸導線を含んで構成されるか、または複数の導線が撚り合わせられて構成されてもよい。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記半導体パッケージは、基板と;前記基板上に搭載された第1及び第2半導体チップと;前記第1半導体チップと前記第2半導体チップを電気的に接続し、内部に位置する金属コア部、及び前記金属コア部を被覆する酸化物絶縁被覆部を含む第1ボンディングワイヤと;前記第1半導体チップと前記第1ボンディングワイヤとが接続された部分に位置し、前記第1ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第3破片と;を含むことができる。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記第2半導体チップと前記第1ボンディングワイヤとが接続された部分に位置し、前記第1ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第4破片と;前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップのいずれか1つと前記基板を電気的に接続する第2ボンディングワイヤと;前記基板と前記第2ボンディングワイヤとが接続された部分に位置し、前記第2ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第5破片と;をさらに含むことができる。
【0016】
本発明の一実施例によれば、第1バッテリーと;前記第1バッテリーと電気的に接続された第2バッテリーと;前記第1バッテリーと前記第2バッテリーを電気的に接続し、内部に位置する金属コア部、及び前記金属コア部を被覆する酸化物絶縁被覆部を含むボンディングワイヤと;前記第1バッテリー又は前記第2バッテリーと前記ボンディングワイヤとが接続された部分に位置し、前記ボンディングワイヤの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる破片と;を含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の技術的思想による場合、半導体パッケージは、基板と半導体チップとの間、または半導体チップと半導体チップとの間を、酸化物絶縁被覆されたボンディングワイヤを用いて電気的に接続することによって、ボンディングワイヤ間のショートを防止することができ、高い密度でボンディングワイヤを集積することができ、また、チップとチップとの間の長さが長いボンディングワイヤを使用することができる。また、前記ボンディングワイヤが酸化物絶縁被覆されることによって、ショートを防止できるので、前記ボンディングワイヤの直径を減少させることができる。前記ボンディングワイヤの酸化物絶縁被覆部を、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、及びハフニウム酸化物のうちの少なくともいずれか1つで構成する場合には、絶縁性に優れ、誘電強度に優れ、金属コア部を構成する物質と金属間化合物を形成しないので安定性が高く、ボンディングワイヤの結合性に優れ、また、保護性に優れる。
【0018】
前記ボンディングワイヤの酸化物絶縁被覆部から形成された第1破片又は第2破片が、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、及びハフニウム酸化物のうちの少なくともいずれか1つのような金属酸化物で構成されることによって、基板又は半導体チップの接着表面の粗さを増加させ、ボンディングワイヤとの接着力を向上させることができる。特に、金属間化合物による結合に比べて、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、及びハフニウム酸化物のうちの少なくともいずれか1つと金属との結合力がさらに大きいため、ステッチボンディングの場合には接着力がさらに増加することができる。
【0019】
上述した本発明の効果は例示的に記載されたもので、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例に係るボンディングワイヤを示す概略図である。
図2】本発明の一実施例に係るボンディングワイヤの金属コア部を示す概略図である。
図3】本発明の一実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
図4】本発明の一実施例に係る半導体パッケージにおけるボンディングワイヤの接続状態を示す断面図である。
図5】本発明の一実施例に係る半導体パッケージにおけるボンディングワイヤの接続状態を示す断面図である。
図6】本発明の一実施例に係る半導体パッケージにおけるボンディングワイヤの接続状態を示す断面図である。
図7】本発明の一実施例に係る半導体パッケージにおけるボンディングワイヤのボンディング工程を示す概略図である。
図8】本発明の一実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
図9】本発明の一実施例に係る半導体パッケージにおけるボンディングワイヤの接続状態を示す断面図である。
図10】本発明の一実施例に係る電子システムのブロックダイアグラムである。
図11】本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールを示す概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明の技術的思想をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の技術的思想の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の技術的思想を完全に伝達するために提供されるものである。本明細書全体において、同一の符号は同一の要素を意味する。さらに、図面での様々な要素と領域は概略的に示されたものである。したがって、本発明の技術的思想は、添付の図面に示された相対的な大きさや間隔によって制限されない。
【0022】
従来のボンディングワイヤは、金、銀、銅またはアルミニウムなどのような金属のみを用いて形成するか、又は、目的に応じて、銀コアに金を被覆したり、金コアにアルミニウムを被覆したり、金コアに銅を被覆したり、銅にパラジウムを被覆したり、銅にアルミニウムを被覆したりして形成した。しかし、チップが微細化されるにつれ、ボンディングワイヤの直径が減少し、また、ボンディングワイヤ間の間隔が減少するため、上述したボンディングワイヤを使用する場合には、互いに接触してショート現象が発生するようになる。そのため、ボンディングワイヤの表面に絶縁層を形成することに関する関心が増大している。
【0023】
本発明の技術的思想によれば、酸化物絶縁被覆されたボンディングワイヤ、及びそれを含む半導体パッケージを提供する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係るボンディングワイヤ130を示す概略図である。
【0025】
図1を参照すると、ボンディングワイヤ130は、内部に位置する金属コア部132と、金属コア部132を被覆する酸化物絶縁被覆部134とを含む。
【0026】
金属コア部132は、例えば、0.1mm~5.0mmの範囲の直径を有してもよく、例えば、0.1mm~1.0mmの範囲の直径を有してもよい。金属コア部132は、金属を含むことができ、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)、及びこれらの合金を含むことができる。金属コア部132は、様々な断面形状を有することができ、例えば、真円形、楕円形、半円形、三角形、四角形などの断面形状を有することができる。
【0027】
酸化物絶縁被覆部134は、金属コア部132を外部と絶縁する機能を行うことができ、また、金属コア部132を保護するパッシベーション機能を行うことができる。酸化物絶縁被覆部134は、金属コア部132を完全に被覆することができる。酸化物絶縁被覆部134は、例えば、2nm~100nmの範囲の厚さを有してもよく、例えば、2nm~50nmの範囲の厚さを有してもよい。酸化物絶縁被覆部134の厚さは、印加される電圧が増加するほど厚くなることが好ましい。
【0028】
酸化物絶縁被覆部134は、絶縁物を含むことができ、例えば酸化物を含むことができ、例えば、アルミニウム酸化物(Al2O3)、チタン酸化物(TiO2)、ジルコニウム酸化物(ZrO2)、及びハフニウム酸化物(HfO2)のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。特に、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、及びハフニウム酸化物のうちの少なくともいずれか1つで酸化物絶縁被覆部134を形成する場合には、絶縁性に優れ、誘電強度に優れ、金属コア部132を構成する物質と金属間化合物を形成しないので、安定性が高く、ボンディングワイヤの結合性に優れ、また、保護性に優れる。酸化物絶縁被覆部134は、物理気相蒸着法(PVD)、化学気相蒸着法(CVD)、または原子層蒸着法(ALD)などを用いて形成することができる。
【0029】
図2は、本発明の一実施例に係るボンディングワイヤ130の金属コア部132を示す概略図である。
【0030】
図2を参照すると、金属コア部132は、一つの導線で構成された金属コア部132a、複数の同軸導線を含んで構成された金属コア部132b、または複数の導線が撚り合わせられて構成された金属コア部132cなどを含むことができる。
【0031】
図3は、本発明の一実施例に係る半導体パッケージ100を示す断面図である。
【0032】
図4乃至図6は、本発明の一実施例に係る半導体パッケージ100におけるボンディングワイヤの接続状態を示す断面図である。
【0033】
図3乃至図6を参照すると、半導体パッケージ100は、基板110、半導体チップ120、ボンディングワイヤ130、及び第1破片140を含む。
【0034】
半導体パッケージ100は、ボンディングワイヤを用いる様々な半導体パッケージを含むことができ、例えば、SIP(System-In-Package)、SOP(Small Outline Package)、QFP(Quad Flat Package)、SOJ(Small Outline J-Band Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、JLCC(J Leaded Chip Carrier)、MSP(Mini Square Package)、LCC(Leadless Chip Carrier)、DIP(Dual In-Line Package)、SILP(Single In-Line Package)、ZIP(Zigzag In-Line Package)、S-DIP(Shrink Dual In-Line Package)、SK-DIP(Skinny Dual In-Line Package)、PGA(Pin Grid Array)、CBGA(Ceramic Ball Grid Array)、CPGA(Ceramic Pin Grid Array)、TCP(Tape Carrier Package)、LCC(Leadless Chip Package)、COB(Chip On Board)、COG(Chip On Glass)、またはCSP(Chip Scale Package)などを含むことができる。
【0035】
基板110は、様々な基板を含むことができ、例えば、印刷回路基板、リードフレーム、フレキシブル印刷回路基板、LED MCPCB(metal-core printed circuit board)、またはバッテリーモジュール電極などを含むことができる。
【0036】
半導体チップ120は、基板110上に搭載され得る。半導体チップ120の基板110上への搭載は、様々な方式で行われ得る。半導体チップ120は、様々な半導体チップを含むことができる。半導体チップ120は、例えば、メモリ半導体チップであってもよい。前記メモリ半導体チップは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)のような揮発性メモリ半導体チップであるか、あるいはPRAM(Phase-change Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)又はRRAM(ResistiveRandom Access Memory)のような非揮発性メモリ半導体チップであってもよい。また、半導体チップ120は、例えば、中央処理装置(CPU、MPU)、アプリケーションプロセッサ(AP)、グラフィック処理半導体チップ(GPU)、イメージセンサ半導体チップなどのようなロジック半導体チップであってもよい。
【0037】
ボンディングワイヤ130は、基板110と半導体チップ120を電気的に接続することができる。ボンディングワイヤ130は、内部に位置する金属コア部132と、金属コア部132を被覆する酸化物絶縁被覆部134とを含むことができる。
【0038】
図4を参照すると、基板110とボンディングワイヤ130が第1部分142で接続されている。第1部分142には第1破片140が位置し、第1破片140は、ボンディングワイヤ130の酸化物絶縁被覆部134と同じ物質からなることができる。第1破片140は、ボンディングワイヤ130がボンディングされる過程で破壊された酸化物絶縁被覆部134の破片で構成され得る。
【0039】
図5を参照すると、基板110とボンディングワイヤ130が第1部分142で接続されている。基板110とボンディングワイヤ130とが接続された第1部分142内に形成された金属間化合物層144をさらに含むことができる。また、第1破片140の少なくとも一部は、金属間化合物層144内に位置することができる。または、第1破片140の少なくとも一部は、ボンディングワイヤ130と金属間化合物層144との界面に位置するか、または基板110と金属間化合物層144との界面に位置することができる。金属間化合物層144は、基板110のパッドを構成する物質と、前記パッドに接触するボンディングワイヤ130を構成する物質とが合金化結合して形成され得る。
【0040】
図6を参照すると、半導体チップ120とボンディングワイヤ130が第2部分152で接続されている。第2部分152には第2破片150が位置し、第2破片150は、ボンディングワイヤ130の酸化物絶縁被覆部134と同じ物質からなることができる。第2破片150は、ボンディングワイヤ130がボンディングされる過程で破壊された酸化物絶縁被覆部134の破片で構成され得る。また、図示していないが、第2部分152には、上述した金属間化合物層144のような金属間化合物層が形成され得、第2破片150の少なくとも一部は前記金属間化合物層内に位置することができる。
【0041】
このような第1破片140又は第2破片150が、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、及びハフニウム酸化物のうちの少なくともいずれか1つのような金属酸化物で構成されることによって、基板110又は半導体チップ120の表面の粗さを増加させ、ボンディングワイヤ130との接着力を向上させることができる。また、金属間酸化物による結合力に比べて、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、及びハフニウム酸化物のうちの少なくともいずれか1つのような金属酸化物と金属との結合力がさらに大きいので、接着力が増加することができる。
【0042】
図7は、本発明の一実施例に係る半導体パッケージにおけるボンディングワイヤのボンディング過程を示す概略図である。
【0043】
図7を参照すると、まず、金属コア部132と酸化物絶縁被覆部134で構成されたボンディングワイヤ130を提供する。次いで、ボンディングワイヤ130の一端部を加熱すると、加熱によって金属コア部132が加熱されて液状金属136を形成し、これによって、酸化物絶縁被覆部134は外側方向に圧力を受けるようになる。このような加熱は、電気的スパーク又はレーザーを用いて行われてもよい。これによって、前記圧力によって絶縁被覆部134が破壊される。次いで、破壊された絶縁被覆部134の破片140,150が液状金属136に混合されるようになる。これによって、破片140,150が、基板110の第1部分142又は半導体チップ120の第2部分152に残存するようになる。
【0044】
前記ボンディングワイヤは、半導体チップと半導体チップを接続する場合に適用され得、以下に説明する。
【0045】
図8は、本発明の一実施例に係る半導体パッケージ100aを示す断面図である。
【0046】
図9は、本発明の一実施例に係る半導体パッケージ100aにおけるボンディングワイヤの接続状態を示す断面図である。
【0047】
図8において、点線で表示された領域は、半導体チップとボンディングワイヤとが接続された領域、または基板とボンディングワイヤとが接続された領域を示す。
【0048】
図8及び図9を参照すると、半導体パッケージ100aは、基板110と;基板110上に搭載された第1及び第2半導体チップ120a,120bと;第1半導体チップ120aと第2半導体チップ120bを電気的に接続し、内部に位置する金属コア部、及び前記金属コア部を被覆する酸化物絶縁被覆部を含む第1ボンディングワイヤ130aと;第1半導体チップ120aと第1ボンディングワイヤ130aとが接続された第3部分162に位置し、第1ボンディングワイヤ130aの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第3破片160と;を含むことができる。
【0049】
また、第2半導体チップ120bと第1ボンディングワイヤ130aとが接続された第4部分172に位置し、第1ボンディングワイヤ130aの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第4破片170を含むことができる。
【0050】
また、第1半導体チップ120a及び第2半導体チップ120bのいずれか1つと前記基板110を電気的に接続する第2ボンディングワイヤ130b,130cと;基板110と第2ボンディングワイヤ130b,130cとが接続された部分に位置し、第2ボンディングワイヤ130b,130cの前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる第5破片と;をさらに含むことができる。前記第5破片は、上述した第1破片140又は第2破片150と同一であってもよい。
【0051】
また、図示していないが、第3部分162及び第4部分172には、上述した金属間化合物層144のような金属間化合物層が形成され得、第3破片160の少なくとも一部及び第4破片170の少なくとも一部は、それぞれ前記金属間化合物層内に位置することができる。
【0052】
基板110は単一の基板として示されているが、これは例示的であり、基板110が、分離された2つの基板で構成され、第1半導体チップ120aと第2半導体チップ120bが、分離された基板のそれぞれに位置する場合も、本発明の技術的思想に含まれる。
【0053】
上述したように、本発明の技術的思想による半導体パッケージは、基板と半導体チップとの間、または半導体チップと半導体チップとの間を、酸化物絶縁被覆されたボンディングワイヤを用いて電気的に接続することによって、ボンディングワイヤ間のショートを防止することができ、高い密度でボンディングワイヤを集積することができ、また、チップとチップとの間の長さが長いボンディングワイヤを使用することができる。
【0054】
図10は、本発明の一実施例に係る電子システムのブロックダイアグラムである。
【0055】
図10を参照すると、電子システム1000は、コントローラ1010、入出力装置(I/O)1020、メモリ1030、及びインターフェース1040を含み、これらは、それぞれバス1050を介して相互接続されている。
【0056】
コントローラ1010は、マイクロプロセッサ(microprocessor)、デジタル信号プロセッサ、及びこれらと類似の処理装置のうちの少なくとも1つを含むことができる。入出力装置1020は、キーパッド(keypad)、キーボード(keyboard)、及びディスプレイ(display)のうちの少なくとも1つを含むことができる。メモリ1030は、コントローラ1010によって実行された命令を格納するのに使用され得る。例えば、メモリ1030は、ユーザデータ(user data)を格納するのに使用されてもよい。電子システム1000は、上述した半導体パッケージ、及びこれらから本発明の技術的思想の範囲内で変形及び変更された様々な製造方法により製造された半導体パッケージのうちの少なくとも1つを含む。
【0057】
図11は、本発明の一実施例に係るバッテリーモジュール200を示す概略図である。
【0058】
図11を参照すると、バッテリーモジュール200は、第1バッテリー210と;第1バッテリー210と電気的に接続された第2バッテリー220と;第1バッテリー210と第2バッテリー220を電気的に接続し、内部に位置する金属コア部、及び前記金属コア部を被覆する酸化物絶縁被覆部を含むボンディングワイヤ130と;第1バッテリー210又は第2バッテリー220とボンディングワイヤ130とが接続された部分に位置し、ボンディングワイヤ130の前記酸化物絶縁被覆部と同じ物質からなる破片と;を含む。
【0059】
前記金属コア部は、上述した金属コア部132と実質的に同一であってもよい。前記酸化物絶縁被覆部は、上述した酸化物絶縁被覆部134と実質的に同一であってもよい。前記破片は、上述した第1破片140と実質的に同一であってもよい。
【0060】
また、本発明の技術的思想によるボンディングワイヤは、電気自動車のモータの内部のワイヤーにも適用可能であり、様々な配線に適用可能である。
【0061】
以上で説明した本発明の技術的思想が、前述した実施例及び添付の図面に限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるということは、本発明の技術的思想が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】