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特表2024-504823パワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路
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  • 特表-パワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】パワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/082 20060101AFI20240125BHJP
   H03F 1/52 20060101ALI20240125BHJP
   H03F 3/217 20060101ALI20240125BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20240125BHJP
   H03K 17/60 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H03K17/082
H03F1/52 220
H03F3/217
H03K17/687 A
H03K17/60 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546213
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 CN2022074488
(87)【国際公開番号】W WO2022161451
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110130329.X
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523288101
【氏名又は名称】ホーフェイ チュァンユェン ビークル コントロール テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HEFEI CHUANGYUAN VEHICLE CONTROL TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Fourth Floor, F9A, Venture Center, No.110 Science Avenue, HighTech Zone Hefei, Anhui 230088 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ユェン ティンホア
【テーマコード(参考)】
5J055
5J500
【Fターム(参考)】
5J055AX12
5J055AX32
5J055AX53
5J055AX63
5J055BX16
5J055CX07
5J055DX09
5J055DX22
5J055DX54
5J055EX01
5J055EX17
5J055EY01
5J055EY17
5J055EY21
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5J055EZ10
5J055EZ20
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5J055FX32
5J055GX01
5J055GX02
5J500AA01
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5J500AC87
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5J500AH10
5J500AH19
5J500AH25
5J500AK01
5J500AK17
5J500AK27
5J500AK28
5J500AK33
5J500AK34
5J500AT01
5J500PF05
5J500PG01
(57)【要約】
本発明では、パワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路を提供し、負荷を駆動するためのパワー電子スイッチトランジスタと、パワー電子スイッチトランジスタに電源エネルギーを供給するためのパワー電源と、パワー電子スイッチトランジスタに含まれる電流源信号を感知し、感知された電流源信号をパワー電子スイッチトランジスタに対して安全保護を実行する制御信号に変換するための制御モジュールと、制御モジュールに作動電源を提供するための絶縁電源とを含んでいる。絶縁電源の負極は、パワー電源の正極に接続されている。本発明は、構造が簡単で、信頼性が高く、コストが低い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路であって、
負荷(2)を駆動するためのパワー電子スイッチトランジスタ(1)と、
パワー電子スイッチトランジスタに電源エネルギーを供給するためのパワー電源と、
パワー電子スイッチトランジスタに含まれる電流源信号を感知し、感知された電流源信号を、パワー電子スイッチトランジスタに対して安全保護を実行する制御信号に変換するための制御モジュール(3)と、
制御モジュールに動作電源を提供するための絶縁電源(4)とを含み、前記絶縁電源の負極は、パワー電源の正極に接続されている、ことを特徴とするパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【請求項2】
前記パワー電子スイッチトランジスタ(1)の入力端はパワー電源VPに接続されており、出力端は負荷に接続されており、前記パワー電子スイッチトランジスタ(1)は、絶縁ゲート電極MOSFET及びIGBTを含んでいる、ことを特徴とする請求項1に記載のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【請求項3】
前記制御モジュール(3)は、論理制御ユニット(31)、パワー電子スイッチトランジスタの電流源信号を変換するための信号調整ユニット(32)、及び論理制御ユニットが入力した安全保護制御信号を変換するための駆動調整ユニット(33)を含んでいる、ことを特徴とする請求項2に記載のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【請求項4】
前記信号調整ユニット(32)は、抵抗R2、抵抗R3、及び参照電源VWを含んでおり、前記抵抗R2の一端は、パワー電子スイッチトランジスタのソース電極に接続されており、他端は抵抗R3の一端に接続されており、抵抗R3の他端は参照電源VWに接続されており、前記参照電源VWは、独立電源、又は論理制御ユニットにおけるD/Aコンバータによって出力された電圧源である、ことを特徴とする請求項3に記載のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【請求項5】
前記信号調整ユニット(32)は、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6、及びオペアンプOPを含んでおり、前記抵抗R4の一端はパワー電子スイッチトランジスタ(1)のドレイン電極に接続されており、他端はオペアンプOPの正極に接続されており、抵抗R5の一端は、パワー電子スイッチトランジスタ(1)のソース電極に接続されており、他端はオペアンプOPの負極に接続されており、抵抗R6の一端はオペアンプOPの負極に接続されており、他端はオペアンプOPの出力端に接続されている、ことを特徴とする請求項3に記載のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【請求項6】
前記論理制御ユニット(31)の出力ポートIO-1と駆動調整ユニット(33)の命令入力ポートCINとが接続されており、駆動調整ユニット(33)の出力ポートOUTは、パワー電子スイッチトランジスタ(1)の制御端TGに接続されており、制御端TGは、抵抗R1を介してパワー電子スイッチトランジスタ(1)のゲート電極に接続されており、前記駆動調整ユニット(33)の入力ポートCINの入力信号は、論理レベル信号であり、駆動調整ユニット(33)の出力ポートOUTの出力信号は、パワー電子スイッチトランジスタを駆動するレベル信号であり、このレベル信号は、パワー電子スイッチトランジスタ(1)におけるMOSFETの導通を制御するのに用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【請求項7】
前記論理制御ユニット(31)は、A/Dコンバータ、デジタル論理比較器及びデジタル閾値レベルユニットを含んでおり、前記A/Dコンバータの入力は信号調整ユニット(32)の出力であり、前記論理制御ユニット(31)は、パワー電子スイッチトランジスタの保護に用いられ、デジタル論理比較器の第1入力端は、A/Dコンバータの出力変換結果に接続されており、第2入力端は、設定可能ないデジタル閾値レベルユニットに接続されており、デジタル論理比較器の出力は、駆動調整ユニット(33)の入力CIN端に接続されており、前記デジタル論理比較器は、演算論理によって実現される仮想デジタル論理比較器、又はソフトウェアによって配置されるデジタル論理比較器を含んでいる、ことを特徴とする請求項6に記載のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【請求項8】
前記論理制御ユニット(31)は、アナログ論理比較器をさらに含んでおり、前記アナログ論理比較器の第1入力端は、信号調整回路(32)の出力端に接続されており、第2入力端は、設定可能なアナログ閾値レベルに接続されており、アナログ論理比較器の出力は、駆動調整ユニット(33)の入力CIN端に接続されている、ことを特徴とする請求項7に記載のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【請求項9】
前記デジタル論理比較器とアナログ論理比較器の出力は、いずれも論理制御ユニット(31)の出力端IO-1に接続されており、且つ、論理制御ユニット(31)がデジタル論理比較器及びアナログ論理比較器の出力に対して論理積演算を行った後、駆動調整ユニット(33)のCIN入力端に出力する、ことを特徴とする請求項8に記載のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【請求項10】
前記絶縁電源(4)は、DC/DC絶縁電源を含んでおり、前記絶縁電源(4)の負極は、少なくとも1つのダイオードを介して、パワー電源の正極に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイサイド駆動のパワー電子スイッチトランジスタの導通電流検出及びパワー電子スイッチトランジスタの安全保護技術分野に関わり、具体的には、パワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路に関わる。
【背景技術】
【0002】
ハイサイド駆動のパワー電子スイッチトランジスタの電流検出方法として、主に電流ループ式、ホール素子式及び集積回路センサ式の3種類がある。電流ループ式又はホール式電流センサの体積が大きく、集積回路式電流センサのコストが高い。
【0003】
現在、コストを下げるため、検出抵抗を電源電圧正極とパワー電子スイッチトランジスタとの間の高い位置に配置し、オペアンプによって信号を増幅して電流検出を実現することが一般的である。しかし、センスアンプのコモンモード電圧が電源電圧に近いため、このような広い範囲のコモンモード電圧は、オペアンプに対して高いコモンモード特性を要求し、却ってコストが高くなる。
【0004】
したがって、例えば自動車のような、パワー電子スイッチトランジスタが多く使われる場合、パワー電子スイッチトランジスタの電流検出及び保護のコストを削減することは重要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、構造が簡単で、コストが比較的低いハイサイドパワー電子スイッチトランジスタの電流収集回路及び安全保護回路を提供することを目的とする。
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明では以下の技術的解決手段を用いる。
【0007】
パワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全保護回路であって、
負荷を駆動するためのパワー電子スイッチトランジスタと、
パワー電子スイッチトランジスタに電源エネルギーを供給するためのパワー電源と、
パワー電子スイッチトランジスタに含まれる電流源信号を感知し、感知された電流源信号を、パワー電子スイッチトランジスタに対して安全保護を実行する制御信号に変換するための制御モジュールと、
制御モジュールに動作電源を提供するための絶縁電源とを含み、前記絶縁電源の負極は、パワー電源の正極に接続されている。
【0008】
さらに、前記パワー電子スイッチトランジスタの入力端はパワー電源VPに接続されており、出力端は負荷に接続されている。前記パワー電子スイッチトランジスタは、絶縁ゲート電極MOSFET及びIGBTを含んでいる。
【0009】
さらに、前記制御モジュールは、論理制御ユニット、パワー電子スイッチトランジスタの電流源信号を変換するための信号調整ユニット、及び論理制御ユニットが入力した安全保護制御信号を変換するための駆動調整ユニットを含んでいる。
【0010】
さらに、前記信号調整ユニットは、抵抗R2、抵抗R3、及び参照電源VWを含んでいる。抵抗R2の一端は、パワー電子スイッチトランジスタのソース電極に接続されており、他端は抵抗R3の一端に接続されている。抵抗R3の他端は参照電源VWに接続されている。参照電源VWは、独立電源、又は論理制御ユニットにおけるD/Aコンバータによって出力された電圧源である。
【0011】
さらに、前記信号調整ユニットは、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6、及びオペアンプOPを含んでいる。抵抗R4の一端はパワー電子スイッチトランジスタのドレイン電極に接続されており、他端はオペアンプOPの正極に接続されている。抵抗R5の一端は、パワー電子スイッチトランジスタのソース電極に接続されており、他端はオペアンプOPの負極に接続されている。抵抗R6の一端はオペアンプOPの負極に接続されており、他端はオペアンプOPの出力端に接続されている。
【0012】
さらに、前記論理制御ユニットの出力ポートIO-1と駆動調整ユニットの命令入力ポートCINとが接続されている。駆動調整ユニットの出力ポートOUTは、パワー電子スイッチトランジスタ1の制御端TGに接続されており、制御端TGは、抵抗R1を介してパワー電子スイッチトランジスタのゲート電極に接続されている。前記駆動調整ユニットの入力ポートCINの入力信号は、論理レベル信号であり、駆動調整ユニットの出力ポートOUTの出力信号は、パワー電子スイッチトランジスタを駆動するレベル信号である。このレベル信号は、パワー電子スイッチトランジスタにおけるMOSFETの導通を制御するのに用いられる。
【0013】
さらに、前記論理制御ユニットは、A/Dコンバータ、デジタル論理比較器及びデジタル閾値レベルユニットを含んでいる。前記A/Dコンバータの入力は信号調整ユニットの出力である。前記論理制御ユニットは、パワー電子スイッチトランジスタの保護に用いられる。デジタル論理比較器の第1入力端は、A/Dコンバータの出力変換結果に接続されており、第2入力端は、設定可能なデジタル閾値レベルユニットに接続されており、デジタル論理比較器の出力は、駆動調整ユニットの入力CIN端に接続されている。前記デジタル論理比較器は、演算論理によって実現される仮想デジタル論理比較器、又はソフトウェアによって配置されるデジタル論理比較器を含んでいる。
【0014】
さらに、前記論理制御ユニットは、アナログ論理比較器をさらに含んでいる。前記アナログ論理比較器の第1入力端は、信号調整回路の出力端に接続されており、第2入力端は、設定可能なアナログ閾値レベルに接続されており、アナログ論理比較器の出力は、駆動調整ユニットの入力CIN端に接続されている。
【0015】
さらに、前記デジタル論理比較器とアナログ論理比較器の出力は、いずれも論理制御ユニットの出力端IO-1に接続され、且つ、論理制御ユニットがデジタル論理比較器とアナログ論理比較器の出力に対して論理積演算を行った後、駆動調整ユニットのCIN入力端に出力する。
【0016】
さらに、前記絶縁電源は、DC/DC絶縁電源を含み、前記絶縁電源の負極は、少なくとも1つのダイオードを介して、パワー電源の正極に接続されている。
【0017】
産業上の利用可能性
(1)本発明における電流センサ信号源は、パワー電子スイッチトランジスタが備えている導通内抵抗から取得され、追加の付加センサを省き、体積を小さくし、コストを低下させる。
(2)本発明の絶縁電源とパワー電源の接続方法は、MOSFETを駆動する導通作動及び安全保護に安全電源を提供し、パワー電子スイッチトランジスタの信頼性を向上させる。
(3)本発明は、制御モジュール、絶縁電源及びパワー電子スイッチトランジスタを有機的に結合し、安全保護と電流検出を備える知能電子スイッチ機構にする。論理制御ユニットと電流源信号調整回路の構造が簡単で、論理線路が短く、実施が便利である。
(4)本発明は、普通の電子スイッチトランジスタを安全保護と電流検出を備える知能電子スイッチトランジスタにアップグレードさせ、構造が簡単で、信頼性が高く、コストが低く、応用範囲が広い。本発明では、構造が簡単で、性能要求が低いパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集及び安全制御回路を提供することによって、信頼できる性能を保証すると同時に、本発明が構成するシステムの体積を小さくし、コストを低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は本発明の実施形態1の回路原理概略図である。
図2図2は本発明の実施形態2の回路原理概略図である。
図3図3は本発明の実施形態3の回路原理概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面と併せて、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0020】
図1に示されるパワー電源スイッチトランジスタのハイサイド電流電流収集及び安全保護回路は、負荷2を駆動するためのパワー電子スイッチトランジスタ1と、パワー電子スイッチトランジスタに電源エネルギーを供給するためのパワー電源と、パワー電子スイッチトランジスタに含まれる電流源信号を感知し、感知された電流源信号をパワー電子スイッチトランジスタに対して安全保護を実行する制御信号に変換するための制御モジュール3と、制御モジュールに作動電源を提供するための絶縁電源4とを含んでいる。
【0021】
この好ましい実施形態に記載のパワー電子スイッチトランジスタ1の電源入力端は、パワー電源VPに接続されており、出力端は負荷2に接続されている。負荷の他端はパワー電源のアースに接続されている。パワー電子スイッチトランジスタ1は絶縁ゲート電極MOSFET及びIGBTを含んでいる。本発明における電流センサ信号源は、パワー電子スイッチトランジスタ1が備えている導通内抵抗から取得され、追加の付加センサを省くことができる。絶縁電源4は、パワー電源によって駆動されるDC/DC絶縁電源を含み、絶縁電源4の負極は、パワー電源の正極に接続されている。本発明では、パワー電源の正極を制御モジュール3の参照アースレベルに設定することによって、信号調整回路32及び論理制御ユニット31を簡単にし、回路の性能に対する制御システムの要求を低くする。
【0022】
具体的に、制御モジュール3は、論理制御ユニット31、論理制御ユニットA/Dサンプリングレベル信号の要求を満たすように、パワー電子スイッチトランジスタの電流源信号を変換するための信号調整ユニット32、及び、パワー電子スイッチトランジスタのオフ又はオンを駆動するレベル信号の要求を満たすように、論理制御ユニットが入力した安全保護制御信号を変換するための駆動調整ユニット33を含んでいる。論理制御ユニット31は、シングルチップマイクロコンピュータ、CPLD及びFPGAを含んでいる。
【0023】
好ましい実施形態として、本実施形態に記載の信号調整ユニットの実施方法は以下の通りである。
【0024】
<実施形態1>
信号調整ユニット32がバイアス抵抗であることによって実現される。図1に示すように、パワー電子スイッチトランジスタ1はN型MOSFET、信号調整ユニット32は抵抗R2、抵抗R3、及び参照電源VWを含んでいる。抵抗R2の一端は、パワー電子スイッチトランジスタ1のソース電極に接続されており、他端は抵抗R3の一端に接続されている。抵抗R3の他端は、参照電源VWに接続されている。参照電源VWは独立電源、又は論理制御ユニット31におけるD/Aコンバータが出力した電圧源である。論理制御ユニット31に、抵抗R2の他端に接続されているA/Dコンバータ、及び、抵抗R3の他端に接続されているD/Aコンバータが配置されている。論理制御ユニット31の出力ポートIO-1と駆動調整ユニット33の命令入力ポートCINとが接続されている。駆動調整ユニット33の出力ポートOUTは、制御端TGに接続されており、制御端TGは、抵抗R1を介してパワー電子スイッチトランジスタ1のゲート電極に接続されている。駆動調整ユニット33の入力信号CINは論理レベル信号であり、駆動調整ユニット33の出力信号OUTはパワー電子スイッチトランジスタ1を駆動するレベル信号である。このレベル信号は、MOSFETの導通及び閉鎖を制御することができる。
【0025】
パワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集の作動原理は以下の通りである。
【0026】
パワー電子スイッチトランジスタ1のドレイン電極とソース電極との間の導通抵抗はRONであり、パワー電子スイッチトランジスタ1が導通しているとき、電流IAによってその抵抗において電圧差信号VDS=IA*RONが発生する。この電圧差信号VDSは、パワー電子スイッチトランジスタ1の電流源信号として、信号調整ユニット32のVI+とVI-端に接続される。パワー電子スイッチトランジスタ1のソース電極のレベルがドレイン電極のレベルより低く、論理制御ユニット31のA/Dコンバータに対して負のレベル信号を呈するため、順バイアス回路に接続する必要がある。順バイアス回路は独立安定化電圧電源VW、抵抗R2、及び抵抗R3によって構成されている。順バイアス回路によって、A/Dコンバータの入力端におけるVDS電圧が正のレベル信号になる。抵抗R2と抵抗R3との接続点における電圧の計算式は以下の通りであり、
VIA=(R2*VW-R3*VI-)/(R2+R3);
具体的な実施過程において、(R2*VW-R3*VI-)>0とする。
【0027】
上記のパワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流安全保護の作動原理は以下の通りである。
【0028】
論理制御ユニット31の閾値ユニットVIGに対して、安全保護電流閾値(図面では符号を省略する)を予め設定し、論理制御ユニット31のA/Dサンプリング電流値がソフトウェアの比較で、設定した電流閾値VIGより大きいとき、論理制御ユニット31の制御ポートBD1が出力ポートIO-1においてオフ信号を出力する。このオフ信号は、駆動調整ユニッ33によって変換され、OUTポートから出力され、パワー電子スイッチトランジスタ1をオフにすることによって、パワー電子スイッチトランジスタの安全を保護する。
【0029】
同時に、A/Dサンプリング電流値は、他の外部接続されるユニット又はシステムに読み取られて使用されることは可能である(具体的な回路形式の例示及び説明は省略する)。
【0030】
<実施形態2>
信号調整ユニット32がオペアンプであることによって実現される。図2に示すように、信号調整ユニット32は、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6、及びオペアンプOPを含んでいる。抵抗R4の一端はパワー電子スイッチトランジスタ1のドレイン電極に接続されており、他端はオペアンプOPの正極に接続されている。抵抗R5の一端は、パワー電子スイッチトランジスタ1のソース電極に接続されており、他端はオペアンプOPの負極に接続されている。抵抗R6の一端はオペアンプOPの負極に接続されており、他端はオペアンプOPの出力端に接続されている。
【0031】
前記パワー電子スイッチトランジスタのハイサイド電流収集の作動原理は以下の通りである。
【0032】
パワー電子スイッチトランジスタ1のドレイン電極とソース電極との間の導通抵抗はRONである。パワー電子スイッチトランジスタ1が導通しているとき、電流IAによってその抵抗において電圧差信号VDS=IA*RONが発生する。この電圧差信号VDSは、パワー電子スイッチトランジスタ1の電流源信号として、信号調整ユニット32のVI+とVI-端に接続される。信号調整ユニット32は、オペアンプOPを内蔵している。オペアンプOPの出力電圧はVIAであり、出力電圧VIAの電圧計算式は以下の通りである。
VIA=(VI+ - VI-)*(R6/R5);
信号調整ユニット32のオペアンプOPが単電源によって給電されるとき、そのVI-入力端で受信する負の信号は、増幅出力を歪ませる。 VI-端の信号を正の信号にするため、絶縁電源4の負極出力端VPは1つ又は複数のダイオードに直列接続されてから、パワー電源VPの正極に接続される。パワー電子スイッチトランジスタ1の導通抵抗は、一般的に、数ミリオームであるため、負荷電流がその内部抵抗に形成する電圧は、一般的に、ダイオードの順方向導通電圧(ダイオードの順方向導通電圧は約0.6Vである)より低い。ダイオードを直列接続した後、制御モジュール3のアースレベルVPPはVPより低いため、オペアンプが負極端で受信する信号は正極性信号である。
【0033】
本実施形態の安全保護回路及び原理は実施形態1に同様である。
【0034】
<実施形態3>
実施形態2をもとに、論理制御ユニット31に1つのアナログ比較器を追加する。他の部分は実施形態2に同様である。
【0035】
具体的には、図3に示すように、論理制御ユニット31は、ディスクリート素子からなるアナログ比較器ACOMPと、デジタル論理ユニットからなるデジタル比較器DCOMPとを内蔵している。当該アナログ比較器の負極端は、オペアンプOP1の出力端に接続されており、正極端は、アナログ比較閾値設定ユニットAVIGに接続されている。当該デジタル比較器DCOMPの負極端は、A/Dコンバータの出力端に接続されており、正極端は、デジタル比較閾値ユニットDVIGに接続されている。ポートIO-1とアナログ比較器ACOMPの出力ポート及びデジタル比較器DCOMの出力ポートとは論理積関係である。即ち、いずれの比較器が論理オフ信号を出力しても、ポートIO-1は論理オフ信号を出力する。駆動調整ユニットの入力信号CINは論理レベル信号であり、駆動ユニットの出力信号OUTはパワー電子スイッチトランジスタ1を駆動するレベル信号である。このレベル信号は、MOSFETの導通をオフにすることができる。
【0036】
本実施形態の電流収集回路の作動原理は実施形態2と同様である。
【0037】
アナログ比較器ACOMPがオフ論理信号を出力する作動原理は以下の通りである。アナログ比較器ACOMPの閾値ユニットAVIGに対し、論理制御ユニット31が電流閾値を予め設定し、オペアンプの出力端の値VIAレベル値が設定した電流閾値AVIGより大きいとき、比較器ACOMPがパワー電子スイッチトランジスタ1をオフにする信号を出力する。
【0038】
デジタル比較器DCOMがオフ論理信号を出力する作動原理は以下の通りである。デジタル比較器DCOMPの閾値ユニットDVIGに対し、論理制御ユニット31が電流閾値を予め設定し、A/Dコンバータの出力が設定した電流閾値DVIGより大きいとき、比較器DCOMPがパワー電子スイッチトランジスタ1をオフにする信号を出力する。
【0039】
デジタル比較器DCOMPの出力はソフトウェアのみで制御されるため、デジタル比較器DCOMPは異なる出力制御論理を設定することができる。
【0040】
実際のアプリケーションでは、負荷を通過する電流が設定した電流閾値DVIGより大きく、電子スイッチトランジスタを保護する必要があるとき、2つのステップにすることができる。
【0041】
(1)アナログ比較器ACOMPの負極端に印加されるレベル信号VIAによって、アナログ比較器ACOMPがオフ信号を出力する。
(2)同時に、制御論理によって、A/Dコンバータが収集した過負荷電流値をデジタル比較器DCOMPの負極端に出力し、デジタル比較器DCOMPがオフ信号を出力するようにさせる。
【0042】
出力ポートIO-1と2つの比較器とは論理積関係であるため、いずれのオフ信号でも、論理出力ポートIO-1が駆動調整ユニット33の入力ポートCINにオフ信号を出力することになり、パワー電子スイッチトランジスタ1をオフにする。デジタル比較器DCOMPはソフトウェアによって制御され、ソフトウェア論理上において、デジタル比較器DCOMPがオフ信号を出力すると、このオフ論理が維持される。即ち、A/Dコンバータによって印加されるその入力ポートの値がどのように変化しても、論理制御ユニット31がパワー電子スイッチトランジスタをオンにするための他の外部信号を受信するまで、パワー電子スイッチトランジスタ1は導通しない。
【0043】
以上の実施形態は本発明の好ましい実施形態を説明するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の設計趣旨から逸脱しない前提で、当業者が本発明の技術的解決手段に対して行った様々な変更及び改良は、いずれも本発明の特許請求の範囲の保護範囲内に属すべきである。
【符号の説明】
【0044】
1-パワー電子スイッチトランジスタ、2-負荷、3-制御モジュール、31-論理制御ユニット、32-信号調整ユニット、33-駆動調整ユニット、4-絶縁電源。
図1
図2
図3
【国際調査報告】