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特表2024-504829多孔質ブロック材及びその電子装置、並びに風切音を低減できる装置及びその応用
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  • 特表-多孔質ブロック材及びその電子装置、並びに風切音を低減できる装置及びその応用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】多孔質ブロック材及びその電子装置、並びに風切音を低減できる装置及びその応用
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/162 20060101AFI20240125BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20240125BHJP
   H04R 1/08 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G10K11/162
G10K11/16 140
H04R1/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546232
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 CN2022074628
(87)【国際公開番号】W WO2022161463
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110116612.7
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523287001
【氏名又は名称】エスエスアイ ニュー マテリアル (ジェンジャン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】グォ,ミンボ
(72)【発明者】
【氏名】ゴン,チャン
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,ジュンジェ
(72)【発明者】
【氏名】マ,ユアンホン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,レンクン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ホンペン
【テーマコード(参考)】
5D017
5D061
【Fターム(参考)】
5D017BE03
5D061AA11
5D061AA25
5D061CC01
5D061DD11
(57)【要約】
多孔質ブロック材及びその電子装置と風切音を低減できる装置及びその応用を提供する。この装置は、外部音声チャンネルと、ゼオライト材と、収音孔とを含み、前記ゼオライト材は、前記外部音声チャンネルと前記収音孔との間に設けられている。本発明は、さらに、前記装置のマイクロホンを有する電子装置における応用を提供する。当該装置は、風切音を効果的に低減させ、通信装置の通話品質を大幅に改善させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料にゼオライト、接着剤及び分散剤を含み、前記接着剤の固形分の質量が前記ゼオライトの質量の1%~20%であり、前記分散剤の質量が前記ゼオライトの質量の1%~3%であることを特徴とする多孔質ブロック材。
【請求項2】
前記多孔質ブロック材が、多次の孔構造を有し、
前記多孔質ブロック材が、孔径0.3nm~0.7nmの1次孔、孔径10nm~50nmの2次孔、及び孔径2μm~200μmの3次孔を有し、
前記3次孔が、孔径2μm~10μmの粒間空孔及び/又は孔径10μm~200μmのアレイマクロ孔を含み、
前記粒間空孔の細孔容積が、3次孔の細孔容積の1%-5%を占めることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項3】
前記ゼオライトが、MFI構造分子篩、FER構造分子篩、CHA構造分子篩、MEL構造分子篩、TON構造分子篩、MTT構造分子篩、及びZSM-5分子篩の1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記ゼオライトの粒径が、0.5μm~10μmであり、
前記ゼオライトが、孔径0.3nm~0.7nmのミクロ孔及び孔径10nm~30nmのメソ孔を有し、
前記ゼオライトのメソ孔の細孔容積が、前記ゼオライトの全細孔容積の20%~45%を占め、前記ゼオライトのメソ孔の細孔容積が、前記ゼオライトの全細孔容積の25%~35%を占めることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項4】
前記接着剤が、有機接着剤及び/又は無機接着剤を含み、
前記有機接着剤が、ポリアクリレート懸濁液、ポリスチレンアセテート懸濁液、ポリビニルアセテート懸濁液、ポリエチレン・ビニルアセテート懸濁液、及びポリブタジエンゴム懸濁液の1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記無機接着剤が、シリカゾル及び/又はアルミナゾルを含み、
前記接着剤の固形分の質量が、前記ゼオライトの質量の5%~15%であり、
前記分散剤が、エタノール、エチレングリコール、グリセロール、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1種又は2種以上の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項5】
前記多孔質ブロック材が、造孔助剤及び/又は補強助剤をさらに含み、
前記造孔助剤の質量が、前記ゼオライトの質量の0.5%~5%又は1%~3%であり
前記造孔助剤が、アンモニア水、過酸化水素、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、及び炭酸ナトリウムの1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記補強助剤の質量が、前記ゼオライトの質量の3%~15%又は5%~10%であり、
前記補強助剤が繊維材を含み、前記繊維材が化学繊維及び/又は植物繊維を含み、前記化学繊維が無機繊維を含み、前記繊維材における繊維の直径が1μm~10μmであり、長さが20μm~1mmであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項6】
前記多孔質ブロック材が、ゼオライト、接着剤、分散剤を混合して形成した原料懸濁液を押出、スプレー、キャスト、プレスの何れかによって成形したものであり前記多孔質ブロック材が、一様の特性インピーダンスを有することを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項7】
前記多孔質ブロック材が、ゼオライト、接着剤、分散剤を混合して形成した原料懸濁液を繊維紙に均一に分散させて製造されたものであり、
前記繊維紙が、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルホルマール繊維、及びPETT繊維の1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記繊維紙の厚さが50μm~200μmであり、原料懸濁液を担持した繊維紙の厚さが100μm~600μmであり、
前記繊維紙が、孔径10μm~100μmのマクロ孔を有し、
前記製造された多孔質ブロック材が、特性インピーダンスが層ごとに変化する材であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項8】
電子装置であって、
請求項1から7のいずれか一項に記載の多孔質ブロック材を含み、
前記多孔質ブロック材が、風切音を低減するために、前記電子装置に充填されることを特徴とする電子装置。
【請求項9】
前記電子装置が、マイクロホンを有し、
前記電子装置がTWSイヤホンを含むことを特徴とする請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
本体と、弧状カバーと、PCB板とを含み、
前記本体が管状構造であり、前記本体の一端がPCB板に接続され、他端が前記弧状カバーに接続され、前記本体の内部には内部音声チャンネルが中心軸方向に設けられ、
前記弧状カバーの内部には、外部音声チャンネルが水平方向に設けられ、前記外部音声チャンネルが、全体として風車状構造を呈し、中心キャビティと中心キャビティの周りに放射状に配列された複数の分岐チャンネルとを含み、前記中心キャビティが、前記内部音声チャンネルに連通し、各分岐チャンネルが流線形の弧状構造であることを特徴とする風切音を低減できる装置。
【請求項11】
前記外部音声チャンネルの各分岐チャンネルが、前記中心キャビティの周りに均一に設けられることを特徴とする請求項10に記載の風切音を低減できる装置。
【請求項12】
前記外部音声チャンネルの各分岐チャンネルの直径が、前記装置の外部から内部に向かうにつれて漸減することを特徴とする請求項10に記載の風切音を低減できる装置。
【請求項13】
前記PCB板の中心に前記内部音声チャンネルに連通した収音孔が設けられ、
前記内部音声チャンネルの水平断面形状が円形であり、
前記内部音声チャンネルの軸方向断面形状が矩形又は台形であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記内部音声チャンネルの前記外部音声チャンネルに近接する側のポートの直径が、前記中心キャビティの直径とマッチングし、前記内部音声チャンネルのPCB板に近接する側のポートの直径が、前記収音孔の直径以上であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記内部音声チャンネル内には、請求項1に記載の多孔質ブロック材が充填され、
前記多孔質ブロック材の特性インピーダンスが、外部音声チャンネルの中心キャビティからPCB板に向かう方向につれて層ごとに変化し、
前記多孔質ブロック材の特性インピーダンスが、外部音声チャンネルの中心キャビティからPCB板に向かう方向につれて漸増することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項16】
外部音声チャンネルと、ゼオライト材と、収音孔とを含み、前記ゼオライト材が前記外部音声チャンネルと前記収音孔との間に設けられ、環境風が前記外部音声チャンネルから前記装置に入り、前記ゼオライト材と接触してから前記収音孔に到達することを特徴とする風切音を低減できる装置。
【請求項17】
前記装置が内部音声チャンネルをさらに備え、前記収音孔、前記内部音声チャンネル及び前記外部音声チャンネルが順次に連通し、前記ゼオライト材が前記内部音声チャンネルに充填されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ゼオライト材が、MFI構造分子篩、FER構造分子篩、CHA構造分子篩、MEL構造分子篩、TON構造分子篩、MTT構造分子篩、及びZSM-5分子篩の1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記ゼオライト材の粒径が0.5μm~10μmであり、
前記ゼオライト材が、孔径0.3nm~0.7nmのミクロ孔及び孔径10nm~30nmのメソ孔を有することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記ゼオライト材のメソ孔の細孔容積が、前記ゼオライト材の全細孔容積の20%~45%を占め、
前記ゼオライト材のメソ孔の細孔容積が、前記ゼオライト材の全細孔容積の25%~35%を占めることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項20】
弧状カバーをさらに含み、前記外部音声チャンネルが前記弧状カバーの水平方向に沿って前記弧状カバーの内部に設けられ、
前記外部音声チャンネルが、全体として風車状構造を呈し、中心キャビティと中心キャビティの周りに放射状に配列された複数の分岐チャンネルとを含み、前記中心キャビティが前記内部音声チャンネルに連通し、各分岐チャンネルが流線形の弧状構造であり、
前記外部音声チャンネルの各分岐チャンネルが前記中心キャビティの周りに均一に設けられることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
中心に収音孔が設けられるPCB板をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項22】
一端がPCB板に接続され、他端が前記弧状カバーに接続される本体をさらに含み、内部音声チャンネルが前記本体の中心軸方向に沿って本体の内部に設けられ、
前記本体が管状構造であり、
前記内部音声チャンネルの前記外部音声チャンネルに近接する側のポートの直径が、前記中心キャビティの直径とマッチングし、
前記内部音声チャンネルのPCB板に近接する側のポートの直径が、前記収音孔の直径以上であることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項23】
請求項10に記載の風切音を低減できる装置のマイクロホンを有する電子装置における応用であって、前記マイクロホンを有する電子装置がTWSイヤホンを含む応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置の技術分野に関し、特に、多孔質ブロック材及びその電子装置、並びに風切音を低減できる装置及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォン、電話機、通常イヤホン、ブルートゥース(登録商標)イヤホン、TWSイヤホンなどのモバイル電子装置は、いずれも屋外通話機能を有する。通話機能を実現するには、ケージング内にマイクロホンを設置する必要があるが、一般的には、マイクロホン本体の音孔はケージングの収音孔と連通している。収音孔に風が当たると、収音孔の表面に渦騒音が発生し、ケースの収音孔からマイクロホンの音孔にかけて、気柱共鳴により渦騒音が増強される可能性があり、マイクロホンの音孔においても同様に一部の渦騒音が発生してしまう。このような渦騒音がマイクロホンによって拾われることで、屋外通話中に相手が聞き取れないことがある。また、騒音低減イヤホンを用いて音楽を聴く場合、風切音がシステムによって認識されにくいため、同様に、聴感上聞きづらいという問題がある。
【0003】
従来、風切音を低減する技術案は、主に以下の4種類に分けられている。
1、能動的騒音低減の範疇に属する、DSPアルゴリズムを利用して風切音を低減するもの、
2、受動的騒音低減に属する、音響パラメータが合理的に配置された音響構造及び音響材、及び対応するマイクロホンユニットを選択することを含める音響方法を採用するもの、
3、骨伝導原理を利用して風切音を抑制するもの、及び
4、以上の3つの方法の総合。
【0004】
しかしながら、慣用的な技術案は、相応的な欠点がある。
1、DSPアルゴリズムを利用して風切音を低減するものは、コストが高く、ある程度音質に影響を与える。
2、従来の携帯型の屋外通信機器は、体積がますます小さくなるため、従来の音響材、例えば、フォームは、非常に小さい空間で機能することができなくなる。
3、骨伝導技術は、プロセスへの要求が高く、骨伝導イヤホンに音漏れの問題があり、現在の骨伝導技術を適用するイヤホンは一般的に体積が大きい。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、多孔質ブロック材及びその電子装置、並びに風切音を低減できる装置及びその応用を提供することにあり、該装置は、風速を効果的に低減させることができ、優れた騒音低減効果を有し、通話品質の向上に有利である。
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、原料がゼオライト、接着剤及び分散剤を含み、前記接着剤の固形分の質量が前記ゼオライトの質量の1%-20%であり、前記分散剤の質量が前記ゼオライトの質量の1%-3%である多孔質ブロック材を提供する。
【0007】
本発明の具体的な実施形態において、前記多孔質ブロック材は、風速を低減させ、渦騒音を低減させることに有利であるためには、一般的に多次の孔構造を有し、即ち多孔質材である。いくつかの具体的な実施形態において、前記多孔質ブロック材は、一般的に孔径0.3nm-0.7nmの1次孔と、孔径10nm-50nmの2次孔と、孔径2μm-200μmの3次孔とを有する。いくつかの具体的な実施形態において、前記3次孔は、孔径2μm-10μmの粒間空孔及び/又は孔径10μm-200μmのアレイマクロ孔を含み、前記粒間空孔の細孔容積は、3次孔の細孔容積の1%-5%であってもよい。前記アレイマクロ孔は、アレイ針板が多孔質ブロック材を完全的に又は部分的に貫通して形成されたマクロ孔であってもよい。
【0008】
いくつかの具体的な実施形態において、前記ゼオライトは、MFI構造分子篩、FER構造分子篩、CHA構造分子篩、MEL構造分子篩、TON構造分子篩、MTT構造分子篩、及びZSM-5分子篩の1種又は2種以上の組み合わせを含んでもよい。前記ゼオライトの粒径は、一般的に0.5μm-10μmである。前記ゼオライトは、一般的に孔径0.3-0.7nmのミクロ孔及び孔径10-30nmのメソ孔を有し、ここで、前記ゼオライトのメソ孔の細孔容積は、一般的に前記ゼオライトの全細孔容積の20%-45%、好ましくは25%-35%を占める。
【0009】
本発明の具体的な実施形態において、前記接着剤は、有機接着剤及び/又は無機接着剤を含んでもよく、一般的に懸濁液又はゾルの形態である。ここで、前記有機接着剤は、ポリアクリレート懸濁液、ポリスチレンアセテート懸濁液、ポリビニルアセテート懸濁液、ポリエチレン・ビニルアセテート懸濁液、及びポリブタジエンゴム懸濁液の1種又は2種以上の組み合わせを含んでもよく、前記無機接着剤は、シリカゾル及び/又はアルミナゾルを含んでもよい。前記接着剤の固形分の質量は、多孔質ブロック材の質量の5%-15%であることが好ましい。
【0010】
本発明の具体的な実施形態において、前記分散剤は、エタノール、エチレングリコール、グリセロール、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1種又は2種以上の組み合わせを含んでもよい。
【0011】
本発明の具体的な実施形態において、前記多孔質ブロック材は、造孔助剤及び/又は補強助剤をさらに含んでもよい。前記造孔助剤は、多孔質ブロック材の細孔容積を増加させることができ、一般的にアンモニア水、過酸化水素、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、及び炭酸ナトリウムの1種又は2種以上の組み合わせを含み、前記造孔助剤の質量は、一般的に前記ゼオライトの質量の0.5%-5%、好ましくは1%-3%である。前記補強助剤は、多孔質ブロック材の機械的特性を向上させることができ、一般的に繊維材を含む。前記繊維材における繊維は、直径が一般的に1μm-10μmであり、長さが一般的に20μm-1mmである。前記繊維材は、化学繊維及び/又は植物繊維を含んでもよく、ここで、前記化学繊維は、無機繊維を含むことが好ましい。前記補強助剤の質量は、一般的に前記ゼオライトの質量の3%-15%、好ましくは5%-10%である。
【0012】
本発明の具体的な実施形態において、前記多孔質ブロック材は、ゼオライト、接着剤、分散剤及び助剤を混合して形成された原料懸濁液(多孔質ブロック材の原料が造孔助剤及び/又は補強助剤を含む場合、前記原料懸濁液は、造孔助剤及び/又は強化助剤も含む)が押出、スプレー、キャスト、プレスなどの処理方式の何れかによって成形されたブロック材であってもよく、いくつかの実施形態において、前記多孔質ブロック材は、さらに熱風乾燥又は凍結乾燥成形の方式によって製造されたものであってもよい。これにより得られた多孔質ブロック材は、一般的に一様の特性インピーダンスを有する。
【0013】
本発明の具体的な実施形態において、前記多孔質ブロック材は、スプレーの方式で成形されたブロック材であってもよい。具体的には、前記多孔質ブロック材は、ゼオライト、接着剤、分散剤、充填剤及び助剤を混合して形成された原料懸濁液(多孔質ブロック材の原料が造孔助剤及び/又は補強助剤を含む場合、前記原料懸濁液は、造孔助剤及び/又は補強助剤も含む)を繊維紙に均一に分散させて製造することができる。いくつかの具体的な実施形態において、前記多孔質ブロック材は、原料懸濁液を担持した一枚の繊維紙から形成されてもよく、原料懸濁液を担持した複数枚の繊維紙を積層して、乾燥させる前にプレス成形することにより形成されてもよい。このような製造方法によって得られる多孔質ブロック材は、原料懸濁液の繊維紙への塗布浸透の程度が異なることに起因して、一般的に特性インピーダンスが層ごとに変化する材料である。
【0014】
前記多孔質ブロック材において、前記繊維紙は、一般的にポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルホルマール繊維、及びPETT(ポリエチレンテレフタレート-ポリトリメチレンテレフタレートコポリエステル)繊維の1種又は2種以上の組み合わせを含む。前記繊維紙(原料懸濁液を担持していないもの)の厚さは、一般的に50μm-200μmであり、原料懸濁液を担持した繊維紙の厚さは、一般的に100μm-600μmである。前記繊維紙は、一般的に繊維紙の製造過程において形成された粒子径が不均一で、孔径が10μm-100μmのマクロ孔を有し、前記多孔質ブロック材は、アレイ針板が繊維紙を完全的に又は部分的に貫通して形成された、孔径が1-100μmのマクロ孔を更に含む。原料に繊維紙を含む多孔質材ブロックは、繊維多孔質ブロックとも呼ばれてもよい。いくつかの具体的な実施形態において、繊維多孔質ブロックの厚さは、繊維多孔質ブロックのサイズが充填される空間(一般的に、音声チャンネル構造)のサイズとマッチングするように、前記繊維の厚さ又は積層数によって調節されてもよい。
【0015】
本発明は、さらに、前記多孔質ブロック材を含む電子装置を提供し、具体的には、前記多孔質ブロック材は、吸音材として電子装置に充填されてもよい(例えば、電子装置の音声チャンネルに充填される)、風切音を低減させる役割を果たす。いくつかの具体的な実施形態において、前記電子装置は、TWSイヤホンなどのマイクロホンを有する電子装置であってもよい。
【0016】
本発明は、本体と、弧状カバーと、PCB板とを含み、前記本体が管状構造であり、その一端が前記PCB板に接続され、他端が前記弧状カバーに接続され、前記本体の内部には、内部音声チャンネルが中心軸方向に設けられ、前記弧状カバーの内部には、外部音声チャンネル水平方向に設けられ、前記外部音声チャンネルが、全体として風車状構造を呈し、中心キャビティと、中心キャビティの周りに放射状に配列された複数の分岐チャンネルとを含み、前記中心キャビティが、前記内部音声チャンネルに連通し、各分岐チャンネルは、前記中心キャビティ周りに放射状に配列され、且つ各分岐チャンネルが流線形の弧状構造である、風切音を低減できる装置をさらに提供する。
【0017】
本発明の具体的な実施形態において、前記外部音声チャンネルの分岐チャンネルは、流線形の弧状であり、即ち各分岐チャンネルの開口は、弧状軌跡に沿って前記弧状カバーの外側から前記中心キャビティに向かって延びている。環境風が外ポートから外部音声チャンネルに入ると、各分岐チャンネルの流線形の弧状構造によって、環境風の移動距離と時間とを延長することができ、風速減衰に有利であり、一定の騒音低減効果を達成する。
【0018】
本発明の具体的な実施形態において、前記本体と前記弧状カバーとは、一体成形構造であってもよい。前記外部音声チャンネルが位置する平面は、一般的に前記本体と弧状カバーとの接続箇所の水平面と平行又は略平行である。前記外部音声チャンネルの各分岐チャンネルは、前記中心キャビティの周りに放射状に均一に分布してもよい。PCB板から離れる方向を「外」と定義すると、前記外部音声チャンネルの各分岐チャンネルの直径は、一般的に外から内に向かうにつれて漸減する。いくつかの具体的な実施形態において、前記外部音声チャンネルにおけるチャンネルは、一般的に2本以上、例えば、2本、3本、4本などである。
【0019】
本発明の具体的な実施形態において、前記内部音声チャンネルの軸線は、前記外部音声チャンネルが位置する平面に対して垂直であってもよい。前記内部音声チャンネルの一端は、前記PCB板に接し、他端は前記中心キャビティに連通する。前記内部音声チャンネルと外部音声チャンネルとを合わせて前記装置の収音チャンネルを構成する。
本発明の具体的な実施形態において、前記外部音声チャンネルにおける各チャンネルの直径は、前記装置の外部から装置の内部に向かうにつれて漸減してもよい。
本発明の具体的な実施形態において、前記PCB板の中心には、一般的に収音孔が設けられ、前記収音孔は、一般的に前記内部音声チャンネルに連通し、さらに前記音声チャンネルの中心キャビティに連通する。
【0020】
本発明の具体的な実施形態において、前記内部音声チャンネルの水平断面(PCB板が位置する平面に平行な方向)の形状は円形であってもよい。前記内部音声チャンネルの縦断面(PCB板が位置する平面に垂直な方向)の形状は、矩形又は台形であってもよく、即ち、前記内部音声チャンネルは全体として円柱状又は円錐台状であってもよい。前記内部音声チャンネルの縦断面が台形である場合、前記内部音声チャンネルの2つのポートの直径は、それぞれ、接する外部音声チャンネルの中心キャビティの直径、及び収音孔の直径とマッチングする。前記内部音声チャンネルの軸方向断面形状が台形である場合、前記内部音声チャンネルのPCB板に近接する側のポートの直径は、前記収音孔の直径以上であってもよい。いくつかの具体的な実施形態において、前記収音孔の直径は、前記外部音声チャンネルの中心キャビティの直径以下であってもよい。
【0021】
本発明の具体的な実施形態において、前記内部音声チャンネル内には、入ってくる環境風の風速をさらに低減させるために、多孔質ブロック材が充填されてもよく、前記多孔質ブロック材は、上記多孔質ブロック材であってもよく、当分野で入手可能な吸音材として用いられる他の多孔質ブロック材であってもよい。前記多孔質ブロック材は、脱落を防止するために、内部音声チャンネル内に固定されてもよい。
本発明の具体的な実施形態において、前記内部音声チャンネル内に充填された多孔質ブロック材は、一様の特性インピーダンスを有してもよく、特性インピーダンスが層ごとに変化してもよい。特性インピーダンスが層ごとに変化する多孔質ブロック材は、内部音声チャンネルを流れる環境風を徐々に低減させ、風切音を低減するのにより有利である。いくつかの具体的な実施形態において、前記多孔質ブロック材のインピーダンスは、外部音声チャンネルの中心キャビティからPCB板に向かう方向に沿って層ごとに変化し、例えば、多孔質ブロック材の特性インピーダンスは、外部音声チャンネルの中心キャビティからPCB板に向かう方向に沿って漸増するように層ごとに変化してもよい。
本発明は、前記風切音を低減できる装置のマイクロホンを有する電子装置における応用をさらに提供し、例えば、前記装置がTWSイヤホンに応用され、風切音による通話品質への影響を低減させることができる。
【0022】
本発明は、風切音を低減できる装置であって、外部音声チャンネル、ゼオライト材、及び収音孔を含み、前記ゼオライト材が前記外部音声チャンネルと前記収音孔との間に設けられ、環境風が前記外部音声チャンネルから前記装置に入り、前記ゼオライト材と接触してから前記収音孔に到達する風切音を低減できる装置をさらに提供する。
本発明の具体的な実施形態において、前記風切音を低減できる装置は、内部音声チャンネルをさらに備えてもよく、前記収音孔、内部音声チャンネル、及び外部音声チャンネルは、一般的に順次連通し、前記ゼオライト材は、一般的に前記内部音声チャンネルに充填される。
【0023】
いくつかの具体的な実施形態において、前記ゼオライト材は、MFI構造分子篩、FER構造分子篩、CHA構造分子篩、MEL構造分子篩、TON構造分子篩、MTT構造分子篩、及びZSM-5分子篩の1種又は2種以上の組み合わせを含んでもよい。
いくつかの具体的な実施形態において、前記ゼオライト材の粒径は、一般的に0.5μm-10μmである。
【0024】
いくつかの具体的な実施形態において、前記ゼオライト材は、一般的に孔径0.3-0.7nmのミクロ孔及び孔径10-30nmのメソ孔を有する。
【0025】
いくつかの具体的な実施形態において、前記ゼオライト材のメソ孔の細孔容積は、一般的に前記ゼオライト材の全細孔容積の20%-45%、好ましくは25%-35%を占める。
本発明の具体的な実施形態において、前記風切音を低減できる装置は、弧状カバーをさらに含んでもよく、前記外部音声チャンネルは、前記弧状カバーの水平方向に沿って前記弧状カバーの内部に設けられる。具体的には、前記外部音声チャンネルは、全体として風車状構造を呈してもよく、且つ前記外部音声チャンネルは、中心キャビティと、中心キャビティの周りに放射状に配列された複数の分岐チャンネルとを含み、前記中心キャビティは、前記内部音声チャンネルに連通し、各分岐チャンネルは流線形の弧状構造である。より具体的には、前記外部音声チャンネルの各分岐チャンネルは、前記中心キャビティの周りに均一に設けられてもよい。
【0026】
本発明の具体的な実施形態において、前記風切音を低減できる装置は、一般的に中心に収音孔が設けられるPCB板をさらに含んでもよい。
【0027】
本発明の具体的な実施形態において、前記風切音を低減できる装置は、一端がPCB板に接続され、他端が前記弧状カバーに接続された本体をさらに含んでもよく、内部音声チャンネルは、前記本体の中心軸方向に沿って本体の内部に設けられる。いくつかの具体的な実施形態において、前記本体は、管状構造であってもよい。
【0028】
本発明の具体的な実施形態において、前記風切音を低減できる装置において、前記内部音声チャンネルの前記外部音声チャンネルに近接する側のポートの直径は、一般的に前記中心キャビティの直径とマッチングする。
【0029】
本発明の具体的な実施形態において、前記風切音を低減できる装置において、前記内部音声チャンネルのPCB板に近接する側のポートの直径は、一般的に前記収音孔の直径以上である。
【0030】
本発明は、前記風切音を低減できる装置のマイクロホンを有する電子装置における応用をさらに提供し、例えば前記装置がTWSイヤホンに応用され、風切音の通話品質への影響を低減させることができる。
【0031】
本発明の有益な効果は以下のことにある。
【0032】
1、本発明が提供する風切音を低減できる装置は、構造が簡単で、性能が良く、安定で、コストが低く、体積が小さく、携帯しやすく、外部音声チャンネルと収音孔との間にゼオライト材又はゼオライト材を含む多孔質材ブロックを設けることにより、装置の風切音を効果的に低減させ、音質及び通話品質を改善させることができ、マイクロホン(例えばTWSイヤホン)を有する電子装置に適用する。
【0033】
2、さらに、本発明が提供する装置の外部音声チャンネルは、風車状構造であり、外界と連通する複数のチャンネルを有してもよいため、環境風が外部音声チャンネルに入ってくると、風速が効果的に低減され、良好な騒音低減効果を達成することができ、当該装置の内部音声チャンネルにも、多孔質ブロック材が充填されてもよく、風速をさらに低減させ、風切音を低減させることができる。よりさらに、多孔質ブロック材の特性インピーダンスが層ごとに変化する場合、内部音声チャンネル内において多孔質ブロック材の位置変化につれて、異なる特性インピーダンスを有し、風速をより効果的に低減させることができ、風切音を低減させる作用を奏する。外部音声チャンネル構造に対する特別な設計、及び、内部音声チャンネルに多孔質ブロック材を充填することにより、前記装置に入って収音孔に移動する環境風の風速を徐々に下げ、風切音を相乗的に低減させ、音質と通話品質を効果的に改善させることができ、マイクロホン(例えばTWSイヤホン)を有する電子装置に適用する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】実施例1に係る多孔質ブロック材の3次孔の分布の模式図である。
図2】実施例3乃至実施例5に係る風切音を低減できる装置の軸側外形図である。
図3】実施例3乃至実施例5に係る風切音を低減できる装置の軸側断面図である。
図4】実施例3乃至実施例4に係る風切音を低減できる装置のA-A断面図であり、多孔質ブロック材は図示されていない。
図5】実施例3乃至実施例4に係る風切音を低減できる装置の断面図であり、多孔質ブロック材は図示されている。
図6】実施例5に係る風切音を低減できる装置のA-A断面図であり、多孔質ブロック材は図示されていない。
図7】実施例5に係る風切音を低減できる装置の断面図であり、多孔質ブロック材は図示されている。
【符号の説明】
【0035】
1 本体、2 弧状カバー、3 PCB板、11 内部音声チャンネル、21 外部音声チャンネル、211、212、213、214 外部音声チャンネルの分岐チャンネル、31 収音孔、4 多孔質ブロック材
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の技術的特徴、目的及び有益な効果をより明瞭に理解するために、本発明の技術案について以下に詳細に説明するが、本発明の実施可能な範囲を限定するものと理解されるべきではない。
【0037】
なお、本発明の説明において、「第1」、「第2」という用語は、単に説明の目的のためのものであり、相対的な重要性を指示又は暗示する、又は言及された技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解されるべきではない。よって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は、1つ又はそれ以上のその特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」は、特に断りのない限り、2つ又は2つ以上を意味する。
【0038】
本発明の具体的な実施形態において、前記多孔質ブロック材は、ゼオライト材の粉体、接着剤、及び分散剤(さらに造孔助剤及び/又は補強助剤を含んでもよい)で形成された原料懸濁液が押出、スプレー、キャスト、プレスの何れかによって成形され、さらに熱風乾燥又は凍結乾燥成形によって得られたブロックであってもよく、前記原料懸濁液が繊維紙に均一に分散されて製造されたブロックであってもよい。
【0039】
本発明の具体的な実施形態において、前記多孔質ブロック材は、多次の孔構造を有するものであってもよく、一般的に孔径0.3nm-0.7nmの1次孔と、孔径10nm-50nmの2次孔と、孔径2μm-200μmの3次孔とを含む。いくつかの具体的な実施形態において、前記3次孔は、孔径2μm-10μmの粒間空孔及び/又は孔径10μm-200μmのアレイマクロ孔を含んでもよく、前記粒間空孔の細孔容積は、3次孔の細孔容積の1%-5%であってもよい。前記アレイマクロ孔は、アレイ針板によってプレスして形成されたマクロ孔であってもよく、アレイ針板は、シリコン基板をエッチングして形成した平行針板であり、各針の直径が10μm-200μmであり、アレイ針の密度が30本/cm2である。
【0040】
前記多孔質ブロック材において、ゼオライト材は、MFI構造分子篩、FER構造分子篩、CHA構造分子篩、MEL構造分子篩、TON構造分子篩、及びMTT構造分子篩の1種又は2種以上の組み合わせを含んでもよく、ゼオライト材の粒子径は、0.5μm-10μmであってもよく、ゼオライト材は、一般的に孔径0.3-0.7nmのミクロ孔及び孔径10-30nmのメソ孔を有し、メソ孔の細孔容積は、一般的にゼオライト材の全細孔容積の20%-45%、好ましくは25%-35%を占める。
【0041】
前記多孔質ブロック材において、接着剤は、懸濁液又はゾルの形態であってもよく、前記接着剤の固形分の質量は、一般的にゼオライト材の質量の1%-20%、好ましくは5%-15%に制御される。接着剤は、有機接着剤及び/又は無機接着剤を含んでもよい。ここで、前記有機接着剤は、ポリアクリレート懸濁液、ポリスチレンアセテート懸濁液、ポリビニルアセテート懸濁液、ポリエチレン・ビニルアセテート懸濁液、及びポリブタジエンゴム懸濁液の1種又は2種以上の組み合わせを含んでもよく、前記無機接着剤は、シリカゾル及び/又はアルミナゾルを含んでもよい。
【0042】
前記多孔質ブロック材において、前記分散剤の質量は、一般的にゼオライト材の質量の1%-3%に制御される。分散剤は、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1種又は2種以上の組み合わせを含んでいてもよい。
【0043】
前記多孔質ブロック材において、助剤は、造孔助剤及び/又は補強助剤を含んでもよく、造孔助剤は、多孔質ブロック材の細孔容積を増加させることができ、前記造孔剤の質量は、一般的にゼオライト材の質量の0.5%-5%、好ましくは1%-3%に制御され、一般的に、アンモニア水、過酸化水素、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、及び炭酸ナトリウムの1種又は2種以上の組み合わせを含む。補強助剤は、多孔質ブロック材の機械的特性を向上させることができ、その質量は、一般的にゼオライト材の質量の3%-15%、好ましくは5%-10%に制御される。前記補強助剤は、一般的に繊維材を含み、前記繊維材における繊維は、直径が一般的に1μm-10μmであり、長さが一般的に20μm-1mmである。繊維材は、化学繊維及び/又は植物繊維を含んでもよく、前記化学繊維は、無機繊維を含むことが好ましい。
【0044】
実施例1
本実施例は、ゼオライト材、接着剤、分散剤、造孔助剤及び補強助剤によって形成された原料懸濁液から製造されたブロック材であって、材料全体として特性インピーダンスの分布が均一である多孔質ブロック材を提供する。ここで、ゼオライト材はZSM-5分子篩であり、その粒径は1.2μmであり、該分子篩は平均孔径0.748nmのミクロ孔と平均孔径14.39nmのメソ孔とを含み、メソ孔の細孔容積はゼオライト材の全細孔容積の29%を占める。接着剤はポリアクリレート懸濁液であり、その質量はゼオライト材の質量の9%であり、分散剤はグリセリンであり、その質量はゼオライト材の質量の1.5%であり、造孔助剤はアンモニア水であり、その質量はゼオライト材の質量の2%であり、補強助剤はガラス繊維であり、その質量はゼオライト材の質量の8%である。
【0045】
本実施例において、多孔質ブロック材の具体的な製造は、以下の通りである。ZSM-5粉末100g、水100g、50%固形物含有ポリアクリレート懸濁液18g、グリセリン1.5g、アンモニア水2g、ガラス繊維8gを3minの超音波、30minの撹拌を経て均一な原料懸濁液に製造し、原料懸濁液を予め用意した金型に導入し、-40℃で低温凍結成形し、真空低温昇華し、昇温解析脱水し、脱水後の成形物をアレイ針板でプレスして孔を開け、プレート押し上げで離型して多孔質ブロック状材を製造する。
【0046】
本実施例に用いられる多孔質ブロック材は、孔径が0.748nmの1次孔、孔径が14.27nmの2次孔、及び平均孔径が67.9μmの3次孔という3次の孔構造を有する。なお、3次孔は、5.6μmの粒間空孔(即ち、結晶粒の堆積によって生じた孔)と、孔径120μmのアレイマクロ孔とを含み、アレイマクロ孔は、前記アレイ針板で製造されてもよく、アレイマクロ孔の配列方式は、図1に示す方式を含むが、これらに限定されない。多孔質ブロック材の粒間空孔の孔径の測定方法は、アレイ針板で多孔質ブロック材にアレイマクロ孔を製造する前に、アレイマクロ孔を含んでいない多孔質ブロック材について水銀ポロシメーターで測定することができる。
【0047】
実施例2
本実施例は、多孔質ブロック材であって、ゼオライト材、接着剤、分散剤、及び造孔助剤によって形成された原料懸濁液が繊維紙に均一に分散されて製造されたブロック材を提供する。ここで、ゼオライト材はZSM-5分子篩であり、その粒径は1.2μmであり、該分子篩は平均孔径0.748nmのミクロ孔と平均孔径14.39nmのメソ孔とを含み、メソ孔の細孔容積は、ゼオライト材の全細孔容積の29%を占める。接着剤はポリアクリレート懸濁液であり、その質量はゼオライト材の質量の7%であり、分散剤はグリセリンであり、その質量はゼオライト材の質量の1%であり、造孔助剤はアンモニア水であり、その質量はゼオライト材の質量の2%である。
【0048】
本実施例に係る多孔質ブロック材の具体的な製造は、以下の通りである。ZSM-5粉末100g、水100g、50%固形物含有ポリアクリレート懸濁液14g、グリセリン1g、アンモニア水2gを3minの超音波、30minの撹拌を経て均一な懸濁液に製造し、繊維紙をスラリーに10min浸漬し、平板でプレスし、-40℃で低温凍結成形し、真空低温昇華し、昇温解析脱水し、アレイ針板でプレスして孔を開け、プレート押し上げで離型して多孔質ブロック状材を製造する。このようにして形成された多孔質ブロック材は、層ごとに変化する特性インピーダンスを有する。
【0049】
本実施例に係る多孔質ブロック材は、孔径が0.748nmの1次孔、孔径が14.27nmの2次孔及び3次孔という3次の孔構造を有し、3次孔は、繊維紙が有する孔径10μm-100μmのマクロ孔、及びアレイ針板により形成された80μmのマクロ孔を含む。また、3次孔は、粒間空孔をさらに含むが、本実施例で用いられた繊維紙におけるマクロ孔は、主な吸音作用を果たし、且つ孔径が大きいため、粒間空孔の孔径測定結果に干渉を与え、そのため、ここで粒間空孔の具体的な孔径について説明を省略する。
【0050】
実施例3
本実施例は、風切音を低減できる装置を提供する。図2は本実施例に係る装置の軸側外形図であり、図2における破線は、透視構造を示す。図3は本実施例に係る装置の軸方向断面図であり、図4図3におけるA-A面の断面図であり、図5図4に多孔質ブロック材を充填した装置の構造模式図である。
図2図5に示すように、当該装置は、本体1と、弧状カバー2と、PCB板3とを含む。本体1は、一端がPCB板3によって閉鎖され、他端が弧状カバー2によって閉鎖される管状構造を有し、PCB板3及び弧状カバー2とともに一端が弧状の円柱体、即ち装置の中実部分を形成する。
【0051】
弧状カバー2の内部には、風車状構造を有する外部音声チャンネル21が設けられている。外部音声チャンネル21は、中心キャビティと、分岐チャンネル211と、分岐チャンネル212と、分岐チャンネル213と、分岐チャンネル214とからなる。中心キャビティは、本体1と弧状カバー2との接続箇所が位置する水平面の中心に位置し、分岐チャンネル211、分岐チャンネル212、分岐チャンネル213、及び分岐チャンネル214は、中心キャビティを中心として、弧状カバー2に向かって一様に放射状に延び、即ち、各分岐チャンネルの一端の開口が中心キャビティに連通し、他端の開口が弧状カバー2の外部に連通している。各分岐チャンネルは、水平方向において、略同一平面上に位置している。各分岐チャンネルの形状は流線形の弧状構造であり、直径は外から内に向かって漸減している。
【0052】
本体1の内部には、内部音声チャンネル11が中心軸方向に設けられ、内部音声チャンネル11の軸方向断面は矩形であり、断面は円形である。図5に示すように、内部音声チャンネル11には、多孔質ブロック材4が充填されている。この多孔質ブロック材4は、実施例1で製造された多孔質ブロック材である。
PCB板3の真中には、貫通した収音孔31が設けられている。本実施例で用いられるPCB板3は、マイクロホンを備えている。
【0053】
収音孔31と、内部音声チャンネル11と、中心キャビティとは、順次連通している。内部音声チャンネル11の直径は、収音孔31の直径より大きく、且つ中心キャビティの直径とマッチングする。
【0054】
本実施例に係る装置を使用する際に、環境風はまず、外部音声チャンネル21の各分岐チャンネルのポートから装置に入り、減速する。一旦減速された環境風は、引き続き内部音声チャンネル11に入り、多孔質ブロック材4と接触し、多孔質ブロック材4における多孔質構造により、風速をさらに低減させることができ、環境風が複数回減速された結果、それにより発生される風切音が大幅に低減され、音質を向上させる効果を達成する。
【0055】
実施例4
本実施例は、風切音を低減できる装置を提供し、該装置の構造は実施例3に係る装置の構造とほぼ同じであるが、内部音声チャンネル11に充填された多孔質ブロック材が異なるという点のみに相違している。本実施例は、実施例2で製造された、層ごとに変化する特性インピーダンスを有する多孔質ブロック材を採用している。
【0056】
本実施例に係る装置を使用する際に、環境風はまず、外部音声チャンネル21の各分岐チャンネルのポートから外部音声チャンネル21の装置内部に入り、減速する。一旦減速された環境風は、引き続き内部音声チャンネル11に入り、多孔質ブロック材4と接触し、多孔質ブロック材4における多次の孔構造により、風速をさらに低減させることができるとともに、繊維紙ブロックのインピーダンス特性が上から下に向かって(外部音声チャンネル21からPCB板3に向かう方向に沿う)、層ごとに変化しているため、環境風が収音孔31に到達する前に、それによって発生した風切音が複数層に渡って複数回低減されており、騒音干渉を低減させ、通話品質を向上させる効果を奏する。
【0057】
実施例5
本実施例は、風切音を低減できる装置を提供する。
【0058】
図2は、本実施例に係る装置の軸側外形図であり、図2における破線は、透視構造を示す。図6は、本実施例に係る装置の軸方向断面図であり、図4は、図6におけるA-A面の断面図であり、図7は、図6に多孔質ブロック材を充填した装置の構造模式図である。
【0059】
図2図4図6、及び図7に示すように、当該装置は、本体1と、弧状カバー2と、PCB板3とを含む。本体1は、一端がPCB板3によって閉鎖され、他端が弧状カバー2によって閉鎖された管状構造を有し、PCB板3及び弧状カバー2とともに一端が弧状の円柱体、即ち装置の中実部分を形成する。
【0060】
弧状カバー2の内部には、風車状構造を有する外部音声チャンネル21が設けられている。外部音声チャンネル21は、中心キャビティと、分岐チャンネル211と、分岐チャンネル212と、分岐チャンネル213と、分岐チャンネル214とからなる。中心キャビティは、本体1と弧状カバー2との接続箇所が位置する水平面の中心に位置し、分岐チャンネル211、分岐チャンネル212、分岐チャンネル213、分岐チャンネル214は、中心キャビティを中心として、弧状カバー2に向かって一様に放射状に延び、即ち、各分岐チャンネルの一端の開口が中心キャビティに連通し、他端の開口が弧状カバー2の外部に連通する。各分岐チャンネルは、水平方向において、略同一平面に位置している。各分岐チャンネルの形状は流線形の弧状構造であり、直径は外から内に向かって漸減している。
【0061】
本体1の内部には、内部音声チャンネル11が中心軸方向に設けられ、内部音声チャンネル11の軸方向断面は台形であり、断面は円形である。図7に示すように、内部音声チャンネル11には、多孔質ブロック材4が充填されている。この多孔質ブロック材4は実施例1で製造された多孔質ブロック材である。
【0062】
PCB板3の真中には、貫通した収音孔31が設けられている。本実施例で用いられるPCB板3は、マイクロホンを備えている。
【0063】
収音孔31と、内部音声チャンネル11と、中心キャビティとは、順次連通している。内部音声チャンネル11の両端の直径は、それぞれ接する収音孔31の直径、中心キャビティの直径とマッチングする。
【0064】
試験例1
本試験例は、異なる多孔質ブロック材及びチャンネル構造による風速への影響の試験結果を提供し、具体的には表1を参照する。風速試験は、SMARTAS8336風速計を用いた。表1は、多孔質ブロック材を通した風速試験結果及び異なる音声チャンネル構造を通した風速試験結果である。実験1は、環境風がインピーダンス特性が一定である多孔質ブロック材(実施例1の多孔質ブロック材)を通した風速であり、実験2は、インピーダンス特性が層ごとに変化する多孔質ブロック材(実施例2の多孔質ブロック材)を通した風速であり、実験3は、風車状の外部音声チャンネルを有する実施例3の装置(多孔質ブロック材が充填されていない)を通した風速であり、実験4は、実施例2の多孔質ブロック材が充填され、且つ、外部音声チャンネルが風車状である実施例4の装置を通した風速であり、実験5は、TWSイヤホンのマイクロホンのチャンネル(本発明の多孔質ブロック材が充填されていない)を通した風速である。
【0065】
実験5に用いられるTWSイヤホンのマイクロホンの具体的な構造は、以下の通りである。音響入口部材は、1本の直線状の管路を有し、その音響入口部材の一端が開口して音響入口孔が形成され、音響入口孔の他端に1つの吸音キャビティが接続され、吸音キャビティの内部にフォームを充填することによって気流を緩和減衰し、吸音キャビティの音入れ孔から離れた一端は、マイクロホンの収音孔である。該TWSイヤホンのマイクロホンの主な動作原理は、風によって発生した気流が音響入口部材を通過する際に、音響入口孔によってある程度気流を減衰させ、その後、気流が吸音キャビティによって緩和減衰され、マイクロホンの収音孔に到達し、風切音信号に対して一定の緩衝作用を果たすことである。
【0066】
【表1】
【0067】
表1から分かるように、本発明により提供される多孔質ブロック材の充填によっても風車状の外部音声チャンネル構造によっても、風速を効果的に低減させることができるが、特性インピーダンスが一定である多孔質ブロック材よりも、特性インピーダンスが層ごとに変化する多孔質ブロック材は、風速を低減させる効果がより顕著である。さらに、風車状の外部音声チャンネル構造を有するとともにインピーダンス特性が層ごとに変化する多孔質ブロック材を充填した電子装置は、ほぼ風速を完全に消去させ、風切音を解消させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料にゼオライト、接着剤及び分散剤を含み、前記接着剤の固形分の質量が前記ゼオライトの質量の1%~20%であり、前記分散剤の質量が前記ゼオライトの質量の1%~3%であることを特徴とする多孔質ブロック材。
【請求項2】
前記多孔質ブロック材が、多次の孔構造を有し、
前記多孔質ブロック材が、孔径0.3nm~0.7nmの1次孔、孔径10nm~50nmの2次孔、及び孔径2μm~200μmの3次孔を有し、
前記3次孔が、孔径2μm~10μmの粒間空孔及び/又は孔径10μm~200μmのアレイマクロ孔を含み、
前記粒間空孔の細孔容積が、3次孔の細孔容積の1%-5%を占めることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項3】
前記ゼオライトが、MFI構造分子篩、FER構造分子篩、CHA構造分子篩、MEL構造分子篩、TON構造分子篩、MTT構造分子篩、及びZSM-5分子篩の1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記ゼオライトの粒径が、0.5μm~10μmであり、
前記ゼオライトが、孔径0.3nm~0.7nmのミクロ孔及び孔径10nm~30nmのメソ孔を有し、
前記ゼオライトのメソ孔の細孔容積が、前記ゼオライトの全細孔容積の20%~45%を占め、前記ゼオライトのメソ孔の細孔容積が、前記ゼオライトの全細孔容積の25%~35%を占めることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項4】
前記接着剤が、有機接着剤及び/又は無機接着剤を含み、
前記有機接着剤が、ポリアクリレート懸濁液、ポリスチレンアセテート懸濁液、ポリビニルアセテート懸濁液、ポリエチレン・ビニルアセテート懸濁液、及びポリブタジエンゴム懸濁液の1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記無機接着剤が、シリカゾル及び/又はアルミナゾルを含み、
前記接着剤の固形分の質量が、前記ゼオライトの質量の5%~15%であり、
前記分散剤が、エタノール、エチレングリコール、グリセロール、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1種又は2種以上の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項5】
前記多孔質ブロック材が、造孔助剤及び/又は補強助剤をさらに含み、
前記造孔助剤の質量が、前記ゼオライトの質量の0.5%~5%又は1%~3%であり
前記造孔助剤が、アンモニア水、過酸化水素、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、及び炭酸ナトリウムの1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記補強助剤の質量が、前記ゼオライトの質量の3%~15%又は5%~10%であり、
前記補強助剤が繊維材を含み、前記繊維材が化学繊維及び/又は植物繊維を含み、前記化学繊維が無機繊維を含み、前記繊維材における繊維の直径が1μm~10μmであり、長さが20μm~1mmであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項6】
前記造孔助剤の質量が、前記ゼオライトの質量の1%~3%であり、
前記補強助剤の質量が、前記ゼオライトの質量の5%~10%でありことを特徴とする請求項5に記載の多孔質ブロック材。
【請求項7】
前記多孔質ブロック材が、ゼオライト、接着剤、分散剤を混合して形成した原料懸濁液を押出、スプレー、キャスト、プレスの何れかによって成形したものであり前記多孔質ブロック材が、一様の特性インピーダンスを有することを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項8】
前記多孔質ブロック材が、ゼオライト、接着剤、分散剤を混合して形成した原料懸濁液を繊維紙に均一に分散させて製造されたものであり、
前記繊維紙が、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルホルマール繊維、及びPETT繊維の1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記繊維紙の厚さが50μm~200μmであり、原料懸濁液を担持した繊維紙の厚さが100μm~600μmであり、
前記繊維紙が、孔径10μm~100μmのマクロ孔を有し、
前記製造された多孔質ブロック材が、特性インピーダンスが層ごとに変化する材であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック材。
【請求項9】
電子装置であって、
請求項1に記載の多孔質ブロック材を含み、
前記多孔質ブロック材が、風切音を低減するために、前記電子装置に充填されることを特徴とする電子装置。
【請求項10】
前記電子装置が、マイクロホンを有し、
前記電子装置がTWSイヤホンを含むことを特徴とする請求項に記載の電子装置。
【請求項11】
本体と、弧状カバーと、PCB板とを含み、
前記本体が管状構造であり、前記本体の一端がPCB板に接続され、他端が前記弧状カバーに接続され、前記本体の内部には内部音声チャンネルが中心軸方向に設けられ、
前記弧状カバーの内部には、外部音声チャンネルが水平方向に設けられ、前記外部音声チャンネルが、全体として風車状構造を呈し、中心キャビティと中心キャビティの周りに放射状に配列された複数の分岐チャンネルとを含み、前記中心キャビティが、前記内部音声チャンネルに連通し、各分岐チャンネルが流線形の弧状構造であることを特徴とする風切音を低減できる装置。
【請求項12】
前記外部音声チャンネルの各分岐チャンネルが、前記中心キャビティの周りに均一に設けられることを特徴とする請求項11に記載の風切音を低減できる装置。
【請求項13】
前記外部音声チャンネルの各分岐チャンネルの直径が、前記装置の外部から内部に向かうにつれて漸減することを特徴とする請求項11に記載の風切音を低減できる装置。
【請求項14】
前記PCB板の中心に前記内部音声チャンネルに連通した収音孔が設けられ、
前記内部音声チャンネルの水平断面形状が円形であり、
前記内部音声チャンネルの軸方向断面形状が矩形又は台形であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記内部音声チャンネルの前記外部音声チャンネルに近接する側のポートの直径が、前記中心キャビティの直径とマッチングし、前記内部音声チャンネルのPCB板に近接する側のポートの直径が、前記収音孔の直径以上であることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記内部音声チャンネル内には、請求項1に記載の多孔質ブロック材が充填され、
前記多孔質ブロック材の特性インピーダンスが、外部音声チャンネルの中心キャビティからPCB板に向かう方向につれて層ごとに変化し、
前記多孔質ブロック材の特性インピーダンスが、外部音声チャンネルの中心キャビティからPCB板に向かう方向につれて漸増することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項17】
装置であって、
外部音声チャンネルと、ゼオライト材と、収音孔とを含み、前記ゼオライト材が前記外部音声チャンネルと前記収音孔との間に設けられ、環境風が前記外部音声チャンネルから前記装置に入り、前記ゼオライト材と接触してから前記収音孔に到達することを特徴とする風切音を低減できる装置。
【請求項18】
前記装置が内部音声チャンネルをさらに備え、前記収音孔、前記内部音声チャンネル及び前記外部音声チャンネルが順次に連通し、前記ゼオライト材が前記内部音声チャンネルに充填されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ゼオライト材が、MFI構造分子篩、FER構造分子篩、CHA構造分子篩、MEL構造分子篩、TON構造分子篩、MTT構造分子篩、及びZSM-5分子篩の1種又は2種以上の組み合わせを含み、
前記ゼオライト材の粒径が0.5μm~10μmであり、
前記ゼオライト材が、孔径0.3nm~0.7nmのミクロ孔及び孔径10nm~30nmのメソ孔を有することを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記ゼオライト材のメソ孔の細孔容積が、前記ゼオライト材の全細孔容積の20%~45%を占め、
前記ゼオライト材のメソ孔の細孔容積が、前記ゼオライト材の全細孔容積の25%~35%を占めることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
弧状カバーをさらに含み、前記外部音声チャンネルが前記弧状カバーの水平方向に沿って前記弧状カバーの内部に設けられ、
前記外部音声チャンネルが、全体として風車状構造を呈し、中心キャビティと中心キャビティの周りに放射状に配列された複数の分岐チャンネルとを含み、前記中心キャビティが前記内部音声チャンネルに連通し、各分岐チャンネルが流線形の弧状構造であり、
前記外部音声チャンネルの各分岐チャンネルが前記中心キャビティの周りに均一に設けられることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項22】
中心に収音孔が設けられるPCB板をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項23】
一端がPCB板に接続され、他端が前記弧状カバーに接続される本体をさらに含み、内部音声チャンネルが前記本体の中心軸方向に沿って本体の内部に設けられ、
前記本体が管状構造であり、
前記内部音声チャンネルの前記外部音声チャンネルに近接する側のポートの直径が、前記中心キャビティの直径とマッチングし、
前記内部音声チャンネルのPCB板に近接する側のポートの直径が、前記収音孔の直径以上であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項24】
風切音を低減できる請求項11に記載の装置のマイクロホンを有する電子装置における応用であって、前記マイクロホンを有する電子装置がTWSイヤホンを含む応用。
【請求項25】
風切音を低減できる請求項17に記載の装置のマイクロホンを有する電子装置における応用であって、前記マイクロホンを有する電子装置がTWSイヤホンを含む応用。
【国際調査報告】