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特表2024-504832互いに逆の回転方向に回転するように配置されたブレードの列を有する多段コンプレッサアセンブリ
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  • 特表-互いに逆の回転方向に回転するように配置されたブレードの列を有する多段コンプレッサアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】互いに逆の回転方向に回転するように配置されたブレードの列を有する多段コンプレッサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/16 20060101AFI20240125BHJP
   F04D 29/62 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
F04D25/16
F04D29/62 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546296
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2022015082
(87)【国際公開番号】W WO2022169951
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/146,231
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521001582
【氏名又は名称】シーメンス エナジー グローバル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS ENERGY GLOBAL GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ウィリアム シー.
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB42
3H130AB66
3H130AB68
3H130AC01
3H130BA97Z
3H130CA02
3H130CA06
3H130DA00X
3H130DD01X
3H130DE08X
3H130EA01D
3H130EB05Z
(57)【要約】
多段コンプレッサアセンブリが開示されている。コンプレッサアセンブリの各ステージは、互いに逆方向に回転するように配置されたブレードの列を有し、これは、中程度のブレード先端速度でコンパクトな設置面積で、比較的高い特定の仕事、および高い流量容量を生み出すのに効果的である。一つの非限定的な用途において、コンプレッサアセンブリは、水素のような低分子量と密度を有するガスを圧縮するために利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサアセンブリであって、
回転可能なブレードの第1の列と回転可能なブレードの第2の列を含む第1の圧縮ステージと、
回転可能なブレードの第1の列と回転可能なブレードの第2の列を含む第2の圧縮ステージと、
前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの第1の列を前記第2の圧縮ステージの回転可能なブレードの第1の列に回転可能に連結するように接続された第1のギアボックスと、
前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第2の列を前記第2の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第2の列に回転可能に連結するように接続された第2のギアボックスと、
回転動力源と、
前記第1のギアボックスと前記第2のギアボックスのうちの少なくとも一方に回転動力を加えるために前記回転動力源と結合するように配置されたシャフトアセンブリと、を備え、
前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第1の列および前記第2の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第1の列は、第1の方向に回転するように配置され、
前記第1の圧縮ステージのブレードの前記第2の列および前記第2の圧縮ステージのブレードの前記第2の列は、前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転するように配置される
ことを特徴とするコンプレッサアセンブリ。
【請求項2】
前記回転動力源は、第1の回転動力源と第2の回転動力源とを含む、請求項1に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項3】
前記シャフトアセンブリは、前記第1の回転動力源を前記第1のギアボックスに結合するための第1のロータシャフトを含み、前記シャフトアセンブリは、前記第2の回転動力源を前記第2のギアボックスに結合するための第2のロータシャフトをさらに含む、請求項2に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項4】
前記回転動力源は、前記ギアボックスのそれぞれ1つに結合された単一の回転動力源を含む、請求項1に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項5】
前記シャフトアセンブリは、前記単一の回転動力源を前記ギアボックスの前記それぞれの1つに結合するための第1のロータシャフトを含む、請求項4に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項6】
前記ギアボックスの前記それぞれ1つと、前記ギアボックスの他の1つとの間に接続された回転反転ギアをさらに含む、請求項5に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項7】
前記シャフトアセンブリは、前記回転反転ギアを前記ギアボックスの前記他の1つに結合するための第2のロータシャフトを含む、請求項6に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第1の列は、半径方向内向きの列セグメントと半径方向外向きの列セグメントとによって形成され、前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第2の列は、半径方向内向きのセグメントと半径方向外向きのセグメントとを含み、回転可能なブレードの前記第1の列の前記半径方向内向きの列セグメントは、回転可能なブレードの前記第2の列の前記半径方向内向きの列セグメントに流体的に結合され、前記半径方向内向きの列セグメントは、前記第1の圧縮ステージの入口として機能する、請求項1に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項9】
回転可能なブレードの前記第1の列の前記半径方向外向きの列セグメントが、回転可能なブレードの前記第2の列の前記半径方向外向きの列セグメントに流体的に結合され、前記半径方向外向きの列セグメントは、前記第1の圧縮ステージの出口として機能する、請求項8に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項10】
前記半径方向内側の列セグメントを前記半径方向外側の列セグメントに流体的に結合するように配置されたディフューザをさらに含む、請求項8に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の圧縮ステージは、前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第1の列と共通のシャフトに取り付けられ、前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第1の列に対して上流側に配置された回転可能なブレードの第3の列をさらに備える、請求項1に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の圧縮ステージは、前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第2の列と共通のシャフトに取り付けられ、前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第2の列に対して下流側に配置された回転可能なブレードの第4の列を備える、請求項11に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項13】
回転可能なブレードの前記第3の列を前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第1の列に流体的に結合するように配置された第1のディフューザをさらに備える、請求項12に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項14】
回転可能なブレードの前記第4の列を前記第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの前記第2の列に流体的に結合するように配置された第2のディフューザをさらに備える、請求項13に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項15】
前記圧縮ステージそれぞれの、回転可能なブレードの前記第1の列のブレードおよび回転可能なブレードの前記第2の列の前記ブレードの各々が、低反応プロファイルを有する、請求項1に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項16】
前記コンプレッサアセンブリによって処理されるプロセス流体が、水素流体および水素リッチ流体混合物のうちの1つである、請求項1に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項17】
4段から16段の圧縮ステージを有する、請求項16に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項18】
4段から8段の圧縮ステージを有する、請求項17に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項19】
前記プロセス流体のボリュームフローが8m/sから30m/sの範囲である、請求項16に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項20】
前記第1の圧縮ステージと前記第2の圧縮ステージのそれぞれの圧縮ステージは、1.1から1.5の範囲の圧力比を有する、請求項16に記載のコンプレッサアセンブリ。
【請求項21】
前記第1および前記第2の列の回転可能なブレードのブレード先端速度は、前記圧力比1.5において370m/秒以下である、請求項20に記載のコンプレッサアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体の圧縮に関し、より具体的には、互いに逆の回転方向に回転するように配置されたブレード列を有する多段コンプレッサアセンブリに関し、より具体的には、1つの非限定的な用途において、水素などの低分子量および密度を有する気体を効率的に圧縮するために利用できるコンプレッサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの国や産業界では、水素は将来の持続可能なエネルギーインフラにとって重要な要素のひとつであると考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
水素持続可能な経済の成長と確立には、現在の水素ガスの圧縮能力に関わる技術的な課題を解決する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
任意の特定の要素や行為の議論を容易に特定するために、参照番号の最上位の桁または数字は、その要素が最初に登場する図番号を指す。
図1図1は、開示されたコンプレッサアセンブリの1つの例示的な実施形態の等角図であり、それぞれが複数のピニオンを有するそれぞれのギアボックスを駆動する二重回転動力源を含み、このギアボックスが、例えばギアボックスのそれぞれの面に配置されたコンプレッサアセンブリの複数の圧縮ステージを駆動する。
図2図2は、コンプレッサアセンブリの複数の圧縮ステージのそれぞれの圧縮ステージにおける、回転可能なブレードの第1の列と回転可能なブレードの第2の列の一実施形態を断片的に示す断面等角図であり、ブレードの列のそれぞれは、互いに逆の回転方向に回転するように配置されている。
図3図3は、コンプレッサアセンブリ内の複数の圧縮ステージを駆動するために、別のそのようなギアボックスと組み合わせて使用することができるギアボックスの一実施形態の概念的詳細を示す、概略図である。
図4図4は、単一の回転動力源を含む、開示されたコンプレッサアセンブリの別の実施形態の等角図である。
図5図5は、単一の回転動力源を含むコンプレッサアセンブリで使用され得るような回転反転ギアに接続されたギアボックスを含む別の実施形態の概念的詳細を示す概略図である。
図6図6は、互いに逆の回転方向に回転するように配置された、回転可能なブレードの第1の列及び回転可能なブレードの第2の列を断片的に示す断面図であり、回転可能なブレードの列の各々は、それぞれの半径方向に積み重ねられた列セグメントを有し、さらに、半径方向に積み重ねられた列セグメントの周りを流れるプロセス流体の流路例を示す。
図7図7は、それぞれの第1および第2のシャフト上で互いに逆の回転方向に回転するように配置された回転可能なブレードの第1の列と、回転可能なブレードの第2の列を断片的に示しており、回転可能なブレードの第1の列は、回転可能なブレードのさらなる列から下流に配置され、それぞれ第1のシャフトに取り付けられており、回転可能なブレードの第2の列は、回転可能なブレードの追加の列に対して上流に配置され、それぞれ第2のシャフトに取り付けられている。
図8図8は、開示されたコンプレッサアセンブリのさらに別の実施形態の等角図であり、例えば、それぞれのギアボックスのそれぞれの対向面に配置されたそれぞれの追加の回転可能なブレード列を含む。
【発明を実施するための形態】
【0005】
開示された実施形態を詳細に説明する前に、開示された概念は、その適用において、本明細書に記載され、または以下の図面に図示された構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。開示された概念は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実施されることが可能である。また、本明細書で使用される言い回しや用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0006】
次に、システムおよび方法に関連する様々な技術を、図面を参照して説明するが、ここで、同様の参照数字は、全体を通して同様の要素を表す。 後述する図面、および本特許文献において本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のためのものであり、本開示の範囲を限定するように解釈されるべきではない。当業者であれば、本開示の原理は、任意の適切に配置された装置において実施され得ることを理解するであろう。特定のシステム要素によって実行されると説明されている機能は、複数の要素によって実行される場合があることを理解されたい。同様に、例えば、ある要素が複数の要素によって実行される、と説明される機能を実行するように構成されることもある。本出願の多数の革新的な教示を、例示的な非限定的実施形態を参照して説明する。
【0007】
本明細書で使用される語句は、いくつかの例で明示的に限定されない限り、広く解釈されるべきであることを理解すべきである。例えば、用語「含む」、「有する」、及び「からなる」、並びにそれらの派生語は、制限なく包含することを意味する。単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、本明細書で使用される用語「および/または」は、関連する列挙された項目の1つまたは複数のあらゆる可能な組み合わせを指し、包含する。「または」という用語は、文脈上そうでないことが明らかに示されていない限り、包括的であり、かつ/または、を意味する。「に関連する」および「と関連する」という語句、ならびにその派生語は、例えば、含む、内部に含まれる、相互接続する、含む、内部に含まれる、に接続する又はと接続する、に結合する又はと結合する、通信可能である、協働する、相互接続する、並置する、近接する、結合する、有する、特性を有する、などを意味する場合がある。
【0008】
さらに、複数の実施形態または構造が本明細書に記載され得るが、1つの実施形態に関して記載される任意の特徴、方法、ステップ、構成要素などは、反対の特定の記載がない限り、他の実施形態にも等しく適用される。
【0009】
また、本明細書では、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語が、様々な要素、情報、機能、または行為を指すために使用されることがあるが、これらの要素、情報、機能、または行為は、これらの用語によって限定されるべきではない。むしろ、これらの数字の形容詞は、異なる要素、情報、機能、または行為を互いに区別するために使用される。例えば、第1の要素、情報、機能、または行為は、第2の要素、情報、機能、または行為と呼ぶことができ、同様に、第2の要素、情報、機能、または行為は、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素、情報、機能、または行為と呼ぶことができる。
【0010】
加えて、「隣接する」という用語は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、要素がさらなる要素に比較的近接しているが接触していないこと、または要素がさらなる部分に接触していることを意味する場合がある。さらに、「~に基づく」という表現は、明示的に別段の記載がない限り、「少なくとも部分的に~に基づく」という意味を意図している。「約」または「実質的に」などの用語は、その寸法に関する通常の業界製造公差内にある値のばらつきをカバーすることを意図している。業界標準が入手できない場合、特に断りのない限り、20%の変動はこれらの用語の意味内に入る。
【0011】
本発明者は、様々な産業分野において、比較的高い特定の仕事を生み出すことができるコンプレッサの必要性を認識している。即ち、コスト効率の良い方法で、コンパクトな設置面積を有するコンプレッサは、処理される処理流体の単位質量当たり、回転シャフトと処理流体との間で交換される特定の仕事を効率的に改善する。
非限定的な用途の1つは、水素または水素リッチ流体混合物のような低分子量および密度を有する気体を圧縮して、低炭素エネルギー経済において使用または分配することである。開示された実施形態は、互いに逆の回転方向に回転するように配置された2列の回転可能なブレードを利用して、関係するブレード材料の構造的制限を条件とする、1ステージ当たりのより大きな特定の仕事を提供する。
すなわち、開示された実施形態では、適度なブレード先端速度で比較的高い圧力比および高い流体容量を提供することに役立つ。そのため、そうでなければ高いブレード先端速度に耐えるために必要とされる比較的コストのかかる金属または金属合金を利用する必要がない。
一例として、開示された実施形態の各圧縮ステージにおいて、低分子量ガスを含む用途において通常1.05未満の圧力比を生じる公知の多段遠心コンプレッサと比較して、1.1から1.5までの範囲の圧力比を実現することができる。開示された実施形態は、8m/sから30m/sの範囲のボリュームフローを伴う用途において容易に適用できることが期待される。一例として、開示された実施形態では、370m/s以下のブレード先端速度で1.5の圧力比を生成することができる。
【0012】
図1は、開示されたコンプレッサアセンブリ100の一実施例の等角図であり、回転動力源は、それぞれの電気モータまたはそれぞれのターボマシンを含むような、別個の二重回転動力源102、104を備える。この例では、各動力源は、それぞれのギアボックス106、108を駆動するように接続されている。各ギアボックスは、複数のピニオン110(例えば、ピニオンギア)を有し、これらのピニオン110は、順に、コンプレッサアセンブリ100の複数の圧縮ステージ112の回転可能なブレードを駆動する。図1における煩雑な視覚的散乱を低減するために、圧縮ステージ間の相互接続配管は図示されていない。
さらに、図1に示された特定の数(例えば、4つ)のピニオンおよび関連する圧縮ステージの数は、この数が所与の用途の必要性に基づいて調整され得るので、例として解釈されるべきであり、限定として解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0013】
実用的な実施形態において実施され得る圧縮ステージの例示的な範囲は、4つの圧縮ステージから16の圧縮ステージまでであってもよく、または4つの圧縮ステージから8つの圧縮ステージまでであってもよい。
図1において理解され得るように、一例として、圧縮ステージ112は、ギアボックス106、108の互いに対向する側面(面)114に配置され得る。以下の説明は、図2の文脈において、開示された実施形態のそれぞれの圧縮ステージ112に使用され得るブレード配置の一例について説明を進める。
【0014】
図2は、コンプレッサアセンブリの複数の圧縮ステージ112のそれぞれの圧縮ステージにおける回転可能なブレードの第1の列202及び回転可能なブレードの第2の列204の一例を断片的に示す断面等角図である。ブレードの列202、204のそれぞれは、矢印206によって概略的に示されるように、互いに逆の回転方向に回転するように配置される。それぞれのブレードの列は、それぞれのブレードの列を通過するプロセス流体の流れの角運動量を変えるように設計されている。一般的な場合、ブレードの列は、軸方向の流れ、半径方向の流れ、または子午線方向の流れを定義する混合流、を提供するように配置され得ることが理解されよう。
【0015】
ブレード列には、入力された運動エネルギーをプロセス流の内部エネルギーに変換するのを促進するために、静止ディフューザを配置することができる。一例として、ブレード列は、ブレード効率を高めるために低反応ブレードで構成することができる。以下の説明は、図3の文脈において、開示された実施形態のギアボックス106、108において使用され得るギア配置の一例について説明を進める。
【0016】
図3は、図1の文脈で上述したような、二重回転動力源102、104を含む実施形態におけるような、それぞれの圧縮ステージにおいて回転可能なブレードを駆動するために組み合わせて使用され得るギアボックス106、108のそれぞれのギアボックスの一例の概念的な詳細を示す概略図である。この例では、ブルギア302が、回転動力源102、104のうちの1つから回転動力を受け取り、次に、ブルギア302が、ピニオン304(この例では、4つ)に回転動力を供給して、それぞれの圧縮ステージ112のブレードのそれぞれの列を駆動する回転動力を提供する。
【0017】
例えば、第1のギアボックス106(図1)は、第1の圧縮ステージの回転可能なブレードの第1の列202(図2)を、第2の圧縮ステージの回転可能なブレードの第1の列202、および開示されたコンプレッサアセンブリの、所定の実施態様の一部であり得る追加の圧縮ステージの回転可能なブレードの追加のそれぞれの第1の列に回転可能に結合するように配置され得る。この例では、4つの圧縮ステージを含み、これは、第3および第4の圧縮ステージの回転可能なブレードのそれぞれの第1の列を意味することになる。同様に、第2のギアボックス108(図1)は、第1の圧縮ステージの回転可能なブレード204の第2の列(図2)を、第2の圧縮ステージの回転可能なブレード204の第2の列、およびコンプレッサアセンブリの所定の実施態様の一部であり得る追加の圧縮ステージの回転可能なブレードの追加のそれぞれの第2の列に回転可能に結合するように配置され得る。この例では、4つの圧縮ステージを含み、これは、第3および第4の圧縮ステージの回転可能なブレードのそれぞれの第2の列を意味する。
【0018】
1つの例示的な実施形態において、シャフトアセンブリは、第1のギアボックスおよび第2のギアボックスの少なくとも一方に回転動力を加えるために回転動力源を結合するように配置され得る。図1において理解され得るように、1つの例示的な実施形態において、シャフト組立体は、第1の回転動力源102を第1のギアボックス106に結合するために第1の回転方向に回転する第1のロータシャフト120を有することができ、第2の回転動力源104を第2のギアボックス108に結合するために第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に回転する第2のロータシャフト122をさらに有することができる。より具体的には、この例では、第1のロータシャフト120は、第1のギアボックス106内のそれぞれのブルギア302(図3)に連結され、第2のロータシャフト122は、第2のギアボックス108内のそれぞれのブルギア302に連結される。
【0019】
図4は、開示されたコンプレッサアセンブリの別の実施例の等角図であり、それぞれの電気モータまたはそれぞれのターボマシンを含み得るような単一の回転動力源402が、ギアボックス106、108のそれぞれの一方(図ではギアボックス108)に結合されている。この実施例では、シャフトアセンブリは、第1の回転方向についてギアボックス108に回転動力を提供するために特異回転動力源402を結合する第1のロータシャフト122を含む。
図5に示すように、一例の実施形態では、回転反転ギア404が、ギアボックス106とギアボックス108との間に接続されており、そして、第2のロータシャフト406は、ブレード202、204の列の各々がコンプレッサアセンブリのそれぞれの圧縮ステージ112において逆向きの回転方向で回転するように、第1の回転方向とは逆向きの第2の回転方向について回転反転ギア404からギアボックス108に回転動力を伝達するために使用され得る(図解を簡単にするために、図5には2つの圧縮ステージだけが示されている)。
【0020】
図6は、開示された実施形態のそれぞれの圧縮ステージで使用され得るブレード配置の別の例の断面図である。図6は、回転可能なブレード602の第1の列および回転可能なブレード604の第2の列を断片的に示しており、回転可能なブレード602、604の各列は、互いに逆の回転方向に回転するように配置されている。この例では、回転可能なブレード602の第1の列は、半径方向に積み重ねられたそれぞれの列セグメント602、602を有する。すなわち、回転可能なブレード602の第1の列において、列セグメント602は半径方向内向きの列セグメントを構成し、列セグメント602は半径方向外向きの列セグメントを構成する。同様に、回転可能なブレードの第2の列604では、列セグメント604が半径方向内向きの列セグメントを構成し、列セグメント604が半径方向外向きの列セグメントを構成する。この積み重ね配置は、列ブレードセグメントの積み重ね配置のない同等の圧縮ステージと比較して、所定の圧縮ステージで生成され得る圧力比を増加させる(約2倍)のに有効である。
【0021】
図6はさらに、それぞれの半径方向に積み重ねられた列セグメントを通って流れるプロセス流体の例示的な流路(矢印606によって概略的に表される)を示し、ここで、回転可能なブレードの第1の列602の半径方向内側の列セグメント602は、回転可能なブレードの第2の列604の半径方向内側の列セグメント604に流体的に結合されていることが理解され得る。この例では、半径方向内側の列セグメント602、604は、それぞれの圧縮ステージにおいて回転可能なブレード602、604の列によって加工されるプロセス流体に対する入口として機能する。
【0022】
図6において、回転可能なブレードの第2の列604の半径方向外向きの列セグメント604が、回転可能なブレードの第1の列602の半径方向外向きの列セグメント602に流体的に結合されていることがさらに理解され得る。ディフューザ608は、半径方向内向きの列セグメント602、604を半径方向外向きの列セグメント602、604に流体結合するように配置されている。この場合、半径方向外向きの列セグメント602、604は、回転可能なブレード602、604の列によって処理されるプロセス流体に対する出口として機能する。
【0023】
図7は、開示された実施形態のそれぞれの圧縮ステージで使用され得るブレード配置のさらに別の例の概略図である。図7は、回転可能なブレード702の第1の列および回転可能なブレード704の第2の列を断片的に示しており、回転可能なブレード702、704の各列は、互いに逆の回転方向に回転するように配置されている。図7はさらに、回転可能なブレードの第1の列702と共通の第1のシャフト708に取り付けられた回転可能なブレードの第3の列706を示す。回転可能なブレードのそれぞれの列を通って流れるプロセス流体の例示的な流路(矢印714によって概略的に表される)が、図7に示される。図7に示すように、回転可能なブレードの第3の列706は、回転可能なブレードの第1の列702に対して上流側に配置される。
【0024】
図7は、回転可能なブレードの第2の列704と共通に共有される第2のシャフト712に取り付けられ、回転可能なブレードの第2の列704に対して下流に配置された回転可能なブレードの第4の列710を示す。対回転ブレード702、704と協働する回転可能なブレードのそれぞれの余分な列のこの配置は、回転可能なブレードのそれぞれの余分な列がない等価な圧縮ステージと比較して、所定の圧縮ステージで生成され得る圧力比を増加させるのに有効である。第1のディフューザ716は、回転可能なブレードの第3の列706を回転可能なブレードの第1の列702と流体的に結合するように配置される。第2のディフューザ718は、回転可能なブレードの第2の列704と回転可能なブレードの第4の列710とを流体的に結合するように配置される。
【0025】
図8は、開示された圧縮機アセンブリのさらに別の実施形態の等角図であり、例えば、それぞれのギアボックス108、106のそれぞれの対向面116上に配置された、それぞれの追加の回転可能なブレードの列を含む。この配置は、図7の文脈で上述した回転可能なブレードの追加列を含むブレード配置と概念的に等価である。すなわち、互いに逆の回転方向に回転するように配置された回転可能なブレードのそれぞれの列は、(図1の文脈で論じたように)ギアボックス106、108の互いに対向する面114に配置され、この例の回転可能なブレードの余分な列は、ギアボックス106、108のそれぞれの対向する面116に配置されることになる。
【0026】
動作において、開示された実施形態は、比較的高い特定の仕事、大流量水素圧縮、または低分子量もしくは低密度を有する任意の他のガスを提供するのに有効である。当業者であれば今や理解できるように、開示された実施形態は、限定されるものではないが、水素持続可能経済における水素分配システムに関与し得る用途に有効であり、実質的な流量容量制限を有する傾向のある容積式圧縮様式または実質的な圧力比制限を有する傾向のある遠心式圧縮様式のような、そのような能力を欠く既知の圧縮様式の費用効果の高い効率的な代替を提供する。
【0027】
本開示の例示的な実施形態を詳細に説明したが、当業者であれば、本明細書に開示される様々な変更、置換、変形、および改良が、最も広い形態の本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解するであろう。
【0028】
本出願のいずれの記載も、特定の要素、ステップ、行為、または機能が、クレーム範囲に含まれなければならない必須要素であることを暗示するものとして読まれるべきではない。特許された主題の範囲は、許可された特許請求の範囲によってのみ定義される。さらに、これらのクレームは、「means for」という正確な語句の後に分詞が続かない限り、ミーンズ・プラス・ファンクションのクレーム構造を行使することを意図していない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】