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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】トライアルネック及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/46 20060101AFI20240125BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61F2/46
A61B17/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546480
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 IB2022050868
(87)【国際公開番号】W WO2022167936
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】17/248,665
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/649,254
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アマラル・フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】バークベック・アレック
(72)【発明者】
【氏名】クラークソン・フィリッパ
(72)【発明者】
【氏名】ダットン・グレイム
(72)【発明者】
【氏名】フェル・ナターシャ
(72)【発明者】
【氏名】ウィザー・キャロライン
(72)【発明者】
【氏名】ウーレン・ニール
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA05
4C097BB04
4C097BB10
4C160LL11
4C160LL27
(57)【要約】
股関節手術のためのトライアルネック(10)、及びトライアルネックを大腿管器具(60)に取り付ける方法。トライアルネックは、大腿管器具の近位端(64)を受容するための穴(8)を含む本体部分(4)を含む。トライアルネックはまた、本体部分から延びる細長いネック(2を含む。トライアルネックは、レバー(20)を備えるロック機構をさらに含む(20)。レバーは、第1の端部(24)を有する。レバーはまた、第2の端部(22)を有する。レバーは、係合面(26)をさらに有する。レバーの第2の端部は、係合面を大腿管器具の近位端に対して付勢して大腿管器具の近位端を穴内に固定するように作動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
股関節手術のためのトライアルネックであって、
大腿管器具の近位端を受容するための穴を含む本体部分と、
前記本体部分から延在する細長いネックと、
レバーを含むロック機構であって、前記レバーが、
第1の端部、
第2の端部、及び
係合面、を有する、ロック機構と、を備え、
前記レバーの前記第2の端部が、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端に対して付勢して、前記大腿管器具の前記近位端を前記穴内に固定するように作動可能である、トライアルネック。
【請求項2】
前記ロック機構が、前記レバーを作動させるために前記レバーの前記第2の端部と係合するための作動部材をさらに含む、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項3】
さらなる穴を備え、前記作動部材が前記さらなる穴内に延在している、請求項2に記載のトライアルネック。
【請求項4】
前記さらなる穴が、前記細長いネック内に延在している、請求項3に記載のトライアルネック。
【請求項5】
前記さらなる穴が、前記細長いネックの長手方向軸に実質的に平行に延在している、請求項4に記載のトライアルネック。
【請求項6】
前記細長いネックの近位端が、前記さらなる穴につながる開口部を有し、前記作動部材の近位端が、前記作動部材を作動させるためにツールを前記作動部材に接続するための接続特徴部を備える、請求項4に記載のトライアルネック。
【請求項7】
前記細長いネックの前記近位端が、トライアルヘッドに取り付けられるように構成されている、請求項6に記載のトライアルネック。
【請求項8】
前記さらなる穴が、ねじ切り面を有し、
前記作動部材が、前記作動部材を回転させて前記作動部材を前記さらなる穴に沿って移動させて前記レバーの前記第2の端部と係合させることを可能にするために、前記さらなる穴の前記ねじ切り面と係合するためのねじ切り面を備える、請求項3のいずれかに記載のトライアルネック。
【請求項9】
前記さらなる穴内の前記作動部材を見るための窓を備える、請求項3のいずれかに記載のトライアルネック。
【請求項10】
前記レバーの前記第1の端部が、前記トライアルネックの側面に位置している、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項11】
前記レバーの前記係合面が、前記大腿管器具の前記近位端の湾曲した外面に適合するように湾曲している、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項12】
前記穴の内面が、前記大腿管器具の長手方向軸を中心とした前記トライアルネックに対する前記大腿管器具の回転を防止するために、前記大腿管器具の前記近位端の対応する輪郭形成された外面と係合するための輪郭形成された表面を有する、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項13】
前記レバーの前記第1の端部が、前記本体部分と一体であり、前記係合面が、前記レバーの前記第1の端部と前記レバーの前記第2の端部との中間に位置している、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項14】
前記レバーの前記第2の端部が、前記細長いネック内に位置している、請求項13に記載のトライアルネック。
【請求項15】
前記レバーが、少なくとも1つのドッグレッグベンドを含む、請求項13に記載のトライアルネック。
【請求項16】
前記レバーの前記第1の端部が、前記トライアルネック内に枢動可能に装着されている、請求項1に記載のトライアルネック。
【請求項17】
前記作動部材が、前記レバーを作動させるために前記レバーの前記第2の端部と係合するための遠位端を有し、前記遠位端が、前記さらなる穴に沿って前記作動部材を引き抜く際に前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端から離れる方向に移動させるために、前記レバーの前記第2の端部上の対応する突起と係合するための窪みを含む、請求項16に記載のトライアルネック。
【請求項18】
前記レバーの前記第2の端部が、作動部材受容開口部を含む、請求項16に記載のトライアルネック。
【請求項19】
前記レバーの前記第1の端部が、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端から離れる方向に移動させるために前記レバーを手動で作動させるための把持可能な特徴部を含む、請求項16に記載のトライアルネック。
【請求項20】
前記レバーの前記第2の端部が、前記穴に向かって面する傾斜面を含み、前記大腿管器具の前記近位端を前記穴に挿入すると、前記大腿管器具の前記近位端が前記傾斜面上に載ることにより前記レバーを枢動させて、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端から離れる方向に移動させることを可能にする、請求項16に記載のトライアルネック。
【請求項21】
前記レバーが、前記レバーの前記第1の端部を前記穴に向かって付勢し、それによって前記係合面を前記穴から離れる方向に付勢するための付勢要素をさらに備える、請求項16に記載のトライアルネック。
【請求項22】
外科用キットであって、
請求項1~21のいずれか一項に記載のトライアルネックと、
大腿管器具と、を含む、外科用キット。
【請求項23】
前記大腿管器具が、
リーマ、ブローチ又はトライアルステムを含む大腿管準備機器、及び
インプラント、の群から選択されている、請求項22に記載のキット。
【請求項24】
前記大腿管器具の前記近位端が、前記トライアルネックの前記ロック機構の前記係合面と係合するための周方向リップ又は溝を含む、請求項22に記載のキット。
【請求項25】
トライアルネックを大腿管器具に取り付ける方法であって、前記トライアルネックは、
大腿管器具の近位端を受容するための穴を含む本体部分と、
前記本体部分から延在する細長いネックと、
レバーを含むロック機構であって、前記レバーが、
第1の端部、
第2の端部、及び
係合面、を有する、ロック機構と、を備え、
前記レバーの前記第2の端部が、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端に対して付勢して、前記大腿管器具の前記近位端を前記穴内に固定するように作動可能であり、
前記方法は、
前記大腿管器具の前記近位端を前記穴に挿入することと、
前記レバーの前記第2の端部を作動させて、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端に対して付勢することと、を含む、方法。
【請求項26】
前記ロック機構の作動部材を前記レバーの前記第2の端部と係合させて、前記レバーを作動させることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記作動部材の近位端が、接続特徴部を備え、前記方法が、前記作動部材を作動させるために、ツールを前記作動部材に前記接続特徴部に接続することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記トライアルネックの前記細長いネック内の窓を通して前記作動部材を見ることをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記レバーの前記第1の端部が前記本体部分と一体であり、前記係合面が、前記レバーの前記第1の端部と前記レバーの前記第2の端部との中間に配置されている、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記レバーの前記第1の端部が、前記トライアルネック内に枢動可能に装着されている、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年2月2日に出願された米国特許出願第17/248,665号の一部継続出願であり、その全体は参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本明細書は、トライアルネック、及びトライアルネックを大腿管器具に取り付ける方法に関する。
【0003】
股関節置換術は、股関節を人工関節インプラントに置換する外科的手技である。股関節の全置換は、患者の寛骨臼内に寛骨臼カップインプラントを設置することと、患者の大腿骨内にプロテーゼを設置することと、を含む。プロテーゼは、典型的には、大腿骨の髄管内に受容されるステムと、寛骨臼又は寛骨臼カップインプラント内に受容される軸受面を有する頭部と、を含む。プロテーゼは、典型的には、ステムの近位端と頭部との間に延在する頸部も含む。
【0004】
股関節置換術の成功は、寛骨臼カップインプラント並びにプロテーゼ自体の正確な位置決め及び整列を必要とする。寛骨臼カップインプラント及び/又はプロテーゼのミスアライメント及び/又は不適切なサイズの選択により、プロテーゼの動きの制限及び/又は寛骨臼カップインプラントの軸受面頭部の軸受面の摩耗や断裂の促進を招く。この正確な位置決め及びアライメントを達成するために、様々な要因が関与する。これらの要因のうちの少なくともいくつかは、プロテーゼのネックに関する。これらの要因には、例えば、ネックの長さ(オフセット)、及びステムに対するネックの角度方向が含まれてもよい。
【0005】
股関節置換手術は、通常、寛骨臼カップインプラント及びプロテーゼの種々の構成要素を実際に試すことを伴う。この一部として、様々なサイズのブブローチ/リーマを使用して大腿骨の髄管を調製することができる。ブローチ/リーマが大腿骨に挿入されると、(例えば、ネックのサイズ及びオフセットに関して)そのタイプのネック及びヘッドを有するプロテーゼが患者にとって適切であるかどうかを評価するために、トライアルネック及びトライアルヘッドもブローチ/リーマに取り付けられてもよい。
【0006】
外科医が、ブローチ/リーマ、トライアルネック、及びトライアルヘッドの選択された組み合わせが正確に位置決めされ、位置合わせされたことに満足した後、それらを取り外し、インプラント自体と交換することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載される。従属請求項からの特徴の組み合わせは、独立請求項の特徴と適宜組み合わせることができ、請求項に明示的に記載されるものだけに限定されない。
【0008】
本開示の一態様によれば、股関節手術のためのトライアルネックが提供され、トライアルネックは、
大腿管器具の近位端を受容するための穴を含む本体部分と、
本体部分から延在する細長いネックと、
レバーを含むロック機構であって、レバーが、
第1の端部、
第2の端部、及び
係合面、を有する、ロック機構と、を備え、
レバーの第2の端部が、係合面を大腿管器具の近位端に対して付勢して、大腿管器具の近位端を穴内に固定するように作動可能である、トライアルネック。
【0009】
トライアルネックのロック機構のレバーは、トライアルネックを大腿管器具に取り付ける確実な方法を提供することができる。レバーは、十分な固定力が穴内の大腿管器具に加えられることを可能にし得る一方で、微調整がなされることも可能にする。
【0010】
ロック機構は、レバーを作動させるためにレバーの第2の端部と係合するための作動部材をさらに含むことができる。これは、レバーを操作する便利な方法を提供することができる。
【0011】
トライアルネックは、さらなる穴を含んでもよい。作動部材は、さらなる穴内に延在してもよい。さらなる穴は、細長いネック内に延在してもよい。
【0012】
さらなる穴は、細長いネックの長手方向軸に実質的に平行に延在してもよい。
【0013】
細長いネックの近位端は、さらなる穴に通じる開口部を有してもよい。作動部材の近位端は、作動部材を作動させるためにツールを作動部材に接続するための接続特徴部を含んでもよい。
【0014】
細長いネックの近位端は、トライアルヘッドに取り付けられるように構成されてもよい。
【0015】
さらなる穴は、ねじ切り面を有してもよい。作動部材は、作動部材を回転させて作動部材をさらなる穴に沿って移動させてレバーの第2の端部と係合させることができるように、さらなる穴のねじ切り面と係合するためのねじ切り面を有することができる。作動部材のねじ係合により、レバーの位置を微調整することが可能になり得る。
【0016】
トライアルネックは、さらなる穴内の作動部材を見るための窓を有してもよい。これは、外科的処置の間のトライアルネックの洗浄にも有用であり得る。
【0017】
レバーの第1の端部は、トライアルネックの側面に位置してもよい。
【0018】
レバーの係合面は、大腿管器具の近位端の湾曲した外面に適合するように湾曲していてもよい。
【0019】
穴の内面は、大腿管器具の長手方向軸を中心としたトライアルネックに対する大腿管器具の回転を防止するために、大腿管器具の近位端の対応する輪郭形成された外面と係合するための輪郭形成された表面を有してもよい。
【0020】
レバーの第1の端部は、本体部分と一体であってもよい。係合面は、レバーの第1の端部とレバーの第2の端部との中間に位置してもよい。
【0021】
レバーの第2の端部は、細長いネック内に配置されてもよい。
【0022】
レバーは、少なくとも1つのドッグレッグベンド(dog leg bend)を含んでもよい。これにより、レバーによって提供されるレバーアームを最適化することができる。
【0023】
大腿管器具は、例えば、ステムインプラントなどのインプラントであってもよい。大腿管器具は、例えば、リーマ、トライアルステム、又はブローチなどの大腿管準備機器であってもよい。
【0024】
レバーの第1の端部は、トライアルネック内に枢動可能に取り付けられてもよい。
【0025】
作動部材は、レバーを作動させるためにレバーの第2の端部と係合するための遠位端を有してもよい。遠位端は、レバーの第2の端部上の対応する突出部と係合して、さらなる穴に沿って作動部材を引き抜く際に係合面を大腿管器具の近位端から離れる方向に移動させるための窪みを含んでもよい。
【0026】
レバーの第2の端部は、作動部材受容開口部を含んでもよい。
【0027】
レバーの第1の端部は、係合面を大腿管器具の近位端から離れる方向に移動させるためにレバーを手動で作動させるための把持可能な特徴部を含むことができる。
【0028】
レバーの第2の端部は、穴に向かって面する傾斜面を含むことができ、大腿管器具の近位端を穴に挿入すると、大腿管器具の近位端が傾斜面上に載ることによりレバーを枢動させて、係合面を大腿管器具の近位端から離れる方向に移動させることを可能にする。
【0029】
レバーは、レバーの第1の端部を穴に向かって付勢し、それによって係合面を穴から離れる方向に付勢するための付勢要素をさらに備えることができる。
【0030】
本発明の別の態様によれば、外科用キットが提供され、外科用キットは、
上述した種類のトライアルネック、及び
大腿管器具を含む。
【0031】
大腿管器具の近位端は、トライアルネックのロック機構の係合面と係合するための周方向リップ又は溝を含んでもよい。係合面は、ロック機構がロックされたときにリップ又は溝に引っ掛かり、大腿管器具の近位端が穴から外れることに抵抗することができる。
【0032】
大腿管器具は、例えば、ステムインプラントなどのインプラントであってもよい。大腿管器具は、例えば、リーマ、トライアルステム、又はブローチなどの大腿管準備機器であってもよい。
【0033】
本開示のさらなる態様によれば、トライアルネックを大腿管器具に取り付ける方法が提供され、トライアルネックは、
大腿管器具の近位端を受容するための穴を含む本体部分と、
本体部分から延在する細長いネックと、
レバーを含むロック機構であって、レバーが、
第1の端部、
第2の端部、及び
係合面、を有する、ロック機構と、を備え、
レバーの第2の端部が、係合面を大腿管器具の近位端に対して付勢して、大腿管器具の近位端を穴内に固定するように作動可能であり、
方法は、
大腿管器具の近位端を穴に挿入することと、
レバーの第2の端部を作動させて、係合面を大腿管器具の近位端に対して付勢することと、を含む。
【0034】
トライアルネックのロック機構のレバーは、トライアルネックを大腿管器具に取り付ける確実な方法を提供することができる。レバーは、十分な固定力が穴内の大腿管器具に加えられることを可能にし得る一方で、微調整がなされることも可能にする。
【0035】
本方法は、ロック機構の作動部材をレバーの第2の端部と係合させて、レバーを作動させることを含むことができる。これは、レバーを操作する便利な方法を提供することができる。
【0036】
作動部材の近位端は、接続特徴部を含んでもよい。本方法は、作動部材を作動させるために、作動部材へのツールを接続特徴部に接続することをさらに含んでもよい。
【0037】
本方法は、トライアルネックの細長いネック内の窓を通して作動部材を見ることをさらに含んでもよい。
【0038】
レバーの係合面は、大腿管器具の近位端の湾曲した外面に適合するように湾曲していてもよい。
【0039】
レバーの第1の端部は、本体部分と一体であってもよい。係合面は、レバーの第1の端部とレバーの第2の端部との中間に位置してもよい。
【0040】
レバーの第1の端部は、トライアルネック内に枢動可能に取り付けられてもよい。
【0041】
大腿管器具は、例えば、ステムインプラントなどのインプラントであってもよい。大腿管器具は、例えば、リーマ、トライアルステム、又はブローチなどの大腿管準備機器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本開示の実施形態を、あくまで例として、添付図面を参照しながら以下に説明する。なお、図中、同様の参照符合は同様の要素に関する。
図1】本開示の実施形態による、リーマなどの大腿管器具に取り付けられたトライアルネックの図である。
図2図1のトライアルネックの別の図である。
図3図1のトライアルネックの前面図である。
図4A図1のトライアルネックの上面図である。
図4B図1のトライアルネックの底面図である。
図4C図1のトライアルネックの内側図である。
図5図1のトライアルネックの断面図である。
図6図5に示される平面V-Vを通る、図1のトライアルネックの別の断面図である。
図7】大腿骨管器具の対応する輪郭表面と係合するための、トライアルネックの穴の輪郭形成された表面を示す、図1のトライアルネックの断面図である。
図8】本開示の別の実施形態によるトライアルネックの断面図である。
図9図8のトライアルネックの構成要素のいくつかをより詳細に示す図である。
図10】ロックされていない構成における図8のトライアルネックの断面図である。
図11】ロックされた構成における図8のトライアルネックの断面図である。
図12】本開示のさらなる実施形態によるトライアルネックの断面図である。
図13】本開示の別の実施形態によるトライアルネックの断面図である。
図14】本開示のさらなる実施形態によるトライアルネックの断面図である。
図15】本開示の別の実施形態によるトライアルネックの断面図である。
図16】本開示のさらなる実施形態によるトライアルネックの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本開示の実施形態を、添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0044】
本開示の実施形態によるトライアルネック10及び大腿管器具の様々な図が、図1図7に示されている。図面において、以下の方向が示されている:
・内側方向82、
・横方向84、
・上方向86、及び
・下方向88。
【0045】
大腿管器具は、例えば、リーマ、トライアルステム、又はブローチなどの大腿管準備機器であってもよい。あるいは、大腿管器具は、例えば、ステムインプラントなどのインプラントであってもよい。
【0046】
図1図7の以下の説明において、大腿管器具は、リーマ60を含む大腿管準備機器である。しかしながら、他の実施形態では、大腿管器具は、上述した器具のうちの1つのような別の器具であってもよく、リーマ60の近位端64と同様に構成された近位端を有してもよいことが理解されよう。
【0047】
トライアルネック10は、本体部分4を有する。本体部分4は、穴8を含む。穴8は、盲穴(その近位端で閉じている)であってもよいが、図に示されている実施形態では、穴8は、本体部分4を完全に貫通する開放穴である。穴8は、リーマ60をトライアルネック10に取り付けるために、リーマ60の近位端を受け入れることができる。図5に示されるように、いくつかの実施形態では、穴は、穴8の狭窄部分を含む内部リップ又は肩部63を含んでもよい。リップ又は肩部63は、大腿管器具の近位端64のより広い部分を備える対応するリップ又は肩部と係合して、近位端64が穴8を完全に通過するのを防止する完全停止部として作用してもよい。
【0048】
リーマ60自体は、細長いシャフト(例えば、図1参照)の形態であってもよく、遠位に位置する切削面68を有してもよい。リーマ60はまた、切削面68に対して近位に位置する中間部66を有してもよい。リーマ60は近位端64を有する。近位端64は、切削面68及び/又は中間部66に対して近位に位置してもよい。近位端64は、円形断面を有する実質的に円筒形であってもよいが、これは必須ではない。近位端64は、以下により詳細に説明されるように、リーマ60をトライアルネックに取り付けるためにトライアルネック10の穴8に挿入されることができる。
【0049】
図5に見られるように、リーマ60の近位端64は、いくつかの特徴部を含むことができる。例えば、近位端64は、リーマ60をリーマドライバに取り付けるために、輪郭形成された穴などの接続特徴部62を有してもよい。接続特徴部62の穴は、リーマドライバ等の補助機器の取り付けを補助するために、雌ねじ山65を含んでもよい。穴8が本体部分8を完全に貫通して延在する実施形態では、トライアルネック10がリーマ60に取り付けられている場合であっても、リーマドライバは、接続特徴部62を使用してリーマ60に取り付けられてもよい。
【0050】
リーマ60の近位端64はまた、以下に詳細に説明されるトライアルネック10のロック機構の係合面と係合するための周方向リップ又は溝70を含んでもよい。図5に見られるように、リップ又は溝70は、近位端64の半径の段階的増加(又は減少)を有するリーマ60の近位端64の円周部の縁部によって形成されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、リーマ60は、係合面がリーマ60に接触する角度でロック機構の係合面に適合するように角度が付けられた表面を含んでもよい。傾斜面は、(リップ又は溝70とほぼ同様に)リーマ60の周りに延在する円周方向(例えば環状)の窪みを含むことができる。このようにして、リーマ60と係合面との接触表面積を最大化することができ、リーマ60の表面に対する潜在的な損傷(リーマ60に「食い込む」係合面によって引き起こされる)を回避することができる。いくつかの実施形態では、係合面及び傾斜面は協働して、内部リップ又は肩部63を近位端64の対応するリップ又は肩部に対して付勢し、それによって、近位端64が穴8内でどちらの軸方向にも移動しないようにロックすることができる。
【0052】
トライアルネック10はまた、細長いネック2を有する。細長いネック2は、本体部分4から延びる。細長いネック2は、穴8の長手方向軸に対して非ゼロの角度で延在する。細長いネック2の近位端16は、トライアルヘッドに取り付けられるように構成され得る(すなわち、接続特徴部(複数可)を含む)。
【0053】
トライアルネック10は、トライアルネック10のタイプ又は寸法に関する情報を示すための1つ以上の外部印14を含んでもよい。図1図7に示される実施形態では、1つのそのような印14は、トライアルネック10の近位(上)面上に位置するが、そのような印の他の位置も可能である。
【0054】
前述したように、リーマ60の近位端64は、リーマ60をトライアルネック10に取り付けるために穴8内に受け入れられてもよい。本開示の実施形態によれば、トライアルネック10は、ロック機構を含む。ロック機構は、トライアルネック10に対するリーマ60の移動及び/又はトライアルネック10のリーマ60からの不慮の分離を防止するように、穴8内でリーマ60の近位端64をロックするために使用することができる。
【0055】
ロック機構はレバー20を含む。レバー20は、第1の端部24と、第2の端部22と、係合面26とを有する。第1の端部24は、係合面26及び第2の端部22に対して横方向に配置されてもよい。係合面26は、第2の端部22に対して横方向に配置されてもよい。
【0056】
この実施形態では、第1の端部24は、本体部分4と一体である。図2図3図6及び図7を検討することから理解され得るように、レバー20の第1の端部24は、一対のアームを備え得、これらのアームの各々は、穴8の周りに延びて、トライアルネック10上のほぼ横方向に位置する点において本体部分4と接合する。第1の端部24(の一対のアーム)が本体部分4に接合する点は、ライブスプリング(live spring)のヒンジを形成してもよい。
【0057】
この実施形態における第2の端部22は、トライアルネック10の細長いネック2内に配置されるが、本体部分4内に配置されてもよい。第2の端部22を細長いネック2内に配置することにより、第2の端部22を係合面26から十分に離すことができ、本体部分4内のレバー20の第2の端部22の位置と比較して、レバー20によって提供される機械的利点を改善することができる。
【0058】
この実施形態では、係合面26は、第1の端部24と第2の端部22との中間に配置される。この実施形態における係合面26は、穴8の側壁に隣接して配置され、レバー20が作動されたときにリーマ60の近位端64を穴8内に固定するために、係合面26がリーマ60の近位端64と接触しかつリーマ60の近位端64に対して付勢することを可能にする。
【0059】
本実施形態では、穴8の周りに延在するレバー20の前述の一対のアームは、第1の端部24において本体部分4と接合するように、係合面26を含むレバー20の部分から概ね横方向84に延在する。係合面26と第2の端部22との間のレバー20の部分は、一対のアームを形成するために係合面26で分岐する単一の中実片を備えてもよい。したがって、レバーは、穴8の長手方向軸に沿って見たときに、実質的にフォーク形状又はY形状であってもよい。
【0060】
図から分かるように、係合面26と第2の端部22との間のレバー20の部分は、いくつかのドッグレッグ型屈曲部を含むことができる。これは、以下に説明するように、レバー20の第2の端部22の作動から機械的利点が得られることを可能にする一方で、レバー20が細長いネック2と穴8の長手方向軸との間の前述の非ゼロの角度を進むことも可能にする。
【0061】
図からも分かるように、レバー20は、トライアルネック10の側壁に形成されたスロット内に存在してもよい。スロットは、ロック機構の動作中にスロットの側部を汚すことなくレバー20を作動させることができることを確実にするのに十分なクリアランスを有する寸法にすることができる。スロットはまた、トライアルネック10の洗浄中にレバー20のための適切な支持を提供するような寸法であってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、ロック機構はまた、作動部材30を含む。作動部材30は、レバー20の第2の端部を作動させるために使用することができる。
【0063】
本実施形態では、トライアルネック10は、作動部材30がその内部で延在するさらなる穴15を有する。さらなる穴15は、細長いネック2の(長手方向)ネック軸に実質的に平行に延在してもよい。さらなる穴15は、細長いネック2の近位端16で終端してもよい。この実施形態では細長いネック2の近位端16に位置するさらなる穴15の入り口開口部は、作動部材30へのアクセスを可能にし得る。作動部材30の近位端は、作動部材30を作動させるために、ツール50の対応する接続特徴部52を作動部材30に接続するための接続特徴部32を備えることができる。いくつかの実施形態では、細長いネック2の近位端16に取り付け可能なトライアルヘッドは、トライアルヘッドを通過する開口部又は開口を含んでもよく、この開口部又は開口は、作動部材30を動作させるための接続特徴部32へのアクセスを提供する。例えば、ツール50は、トライアルヘッドの開口部又は開口を通して挿入されて、接続特徴部52を接続特徴部32に接続させることができる。いくつかの実施形態では、ツール50はトライアルヘッド自体に組み込まれてもよい。
【0064】
作動部材30を操作するために、作動部材30は、さらなる穴15に沿って(この実施形態では細長いネック2の長手方向軸に実質的に平行である図5の矢印「A」によって示される方向に)レバー20の第2の端部22に向かって移動されてもよい。したがって、先端部34は、レバー20の第2の端部22と接触し、それによってレバー20を撓ませることができる。これにより、レバー20がレバー20の第1の端部24の周りで(図5の矢印「B」によって示される方向に)回転する。続いてそれにより、係合面26がリーマ60の近位端64に対して付勢され、近位端64を穴8内にロックする。
【0065】
さらなる穴15は、作動部材30の対応するねじ切り面38と係合するためのねじ切り面18を有し得る。さらなる穴15内での作動部材30の回転(例えば、ツール50を使用する)は、作動部材をさらなる穴15内で前後に、かつ上述のように方向「A」に沿って移動させ、それによってレバー20を動作させることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、トライアルネックは、1つ以上の窓を備えていてもよい。例えば、図中に示される実施形態におけるトライアルネック10は、細長いネック2に配置された窓12を有する。窓12は、細長いネック10の前面及び後面の両方に開口してもよい。窓12は、さらなる穴15内で作動部材30を見ることを可能にし得る。これは、さらなる穴15内の作動部材30の位置を検査によって決定することを可能にすることができる。窓12(複数可)はまた、洗浄作業を行うために、トライアルネック10の内部(特にさらなる穴15)への改善されたアクセスを可能にすることができる。レバー20が内部に配置され得る前述のスロットも同様に、改善された洗浄作業を行うために、トライアルネック10の内部へのアクセスを可能にし得ることに留意されたい。
【0067】
いくつかの実施形態では、レバー20の係合面26は湾曲していてもよい(本実施形態におけるこの実施例は、図6及び図7に見ることができる)。この湾曲により、リーマ60の近位端64の湾曲した外面と係合面とが実質的に一致することを可能にし得る。リーマ60の近位端64の湾曲した外面と一致することによって、係合面26と近位端64との間の係合領域の大きさが増大し、トライアルネック10とリーマ60との間の接続をより確実なものとすることができる。いくつかの実施形態では、レバー20の前述の一対のアーム上に位置する係合面26の一部が、湾曲した係合面26の少なくとも一部を形成してもよいことに留意されたい。
【0068】
上述のロック機構は、穴8の長手方向軸に沿ったリーマ60の移動に概ね対抗し、それによって、リーマ60に対するトライアルネック10の不慮の移動を防止し、かつ/又はリーマ60の近位端が穴8から不用意に外れるのを防止する。いくつかの実施形態では、トライアルネック10及び/又はリーマ60は、穴8内での(すなわち、穴8の長手方向軸を中心とした)リーマ60の回転に対抗するための特徴部を備えていてもよい。そのような追加の特徴部がない場合であっても、係合面26をリーマ60の近位端に対して付勢することに関連する摩擦力もまた、穴8内でのリーマ60の回転にある程度対抗し得ることに留意されたい。
【0069】
図1図7に示される実施形態(特に、図4A図4B、及び図7参照)において、穴8の内面は、リーマ60の近位端64の対応する輪郭形成された外面67(図3及び図6参照)と係合するための輪郭形成された表面87を有する。これらの輪郭形成された表面67/87の係合は、上述したように、穴8/リーマ60の長手方向軸を中心としたトライアルネック10に対するリーマ60の回転に抵抗することができる。リーマ60上の輪郭形成された表面67は、(図6に見られるように)リーマ60の近位端64の周囲に沿って完全に延在してもよく、その結果、リーマ60が最初に穴8に挿入されたときのリーマ60の近位端64の向きに関係なく、輪郭形成された表面67の一部がトライアルネック10の輪郭形成された表面87に提示され得る。
【0070】
図7に見られるように、輪郭形成された表面87は、穴8の周囲全体に延在する必要はなく、代わりに、穴8のあるセグメント上にのみ存在してもよい(図7では、輪郭形成された表面87を含むセグメントは、穴8の内面の最も内側に位置する部分である)。さらに図7に見られるように、輪郭形成された表面87は、穴15の内面の長さに沿って完全に延在していてもよい。図1図7に示す実施形態では、輪郭形成された表面87は、穴8の近位端から穴8の遠位端まで延在し、輪郭形成された表面87の一部は、係合面26上に位置する。しかしながら、輪郭形成された表面87が係合面26上にのみ配置されてもよいことも想定される。
【0071】
上述したように、リーマ60の近位端64は、トライアルネック10のロック機構の係合面と係合するための周方向リップ又は溝70を含んでもよい。図5に見られるように、リップ又は溝70は、近位端64の半径の段階的増加(又は減少)を有するリーマ60の近位端64の円周部の縁部によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、輪郭形成された表面67は、レバー20の係合面26上の輪郭形成された表面87(の一部)と係合するために、このリップ上及び/又はこの溝70内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、係合面は、ロック機構がロックされたときにリップ又は溝70に引っ掛かり(例えば、係合面26を含むレバー20の一部が溝70内に入り込み)、リーマ60の近位端64が穴8から外れることに抵抗することに留意されたい。このようにして、係合面26によって加えられる摩擦力に加えて、係合面26は、リーマ60の近位端64が穴8から外れるのを物理的に阻止することができる。
【0072】
輪郭形成された表面67/87は、リーマ60及び穴8の長手方向軸に実質的に平行に延びる、対応する形状のスプラインを備えてもよい。他の種類の輪郭形成された表面を使用してもよい。係合面26上の輪郭形成された表面87(の一部)は、リーマ60の近位端64上の輪郭形成された表面67と係合する1つ又は複数の歯を形成してもよいことに留意されたい(例えば、図6参照)。
【0073】
図8は、本開示の別の実施形態によるトライアルネックの断面を示す。図9は、図8のトライアルネックの構成要素のいくつかをより詳細に示す。図10は、ロックされていない構成における図8のトライアルネックの断面を示し、図11は、ロックされた構成における図8のトライアルネックの断面を示す。
【0074】
図8図10及び図11に示す大腿管器具は、例えば、リーマ、トライアルステム、又はブローチを含む大腿管準備機器であってもよい。図8図10及び図11に示す大腿管器具は、代替的に、例えば、ステムインプラントなどのインプラントであってもよい。
【0075】
図8図11の以下の説明では、大腿管器具は、図1に示すリーマ60などのリーマを含む。しかしながら、他の実施形態では、大腿管器具は、上述した他の器具のうちの1つであってもよく、リーマの近位端64と同様に構成された近位端を有してもよいことが理解されよう。
【0076】
トライアルネック10は、本体部分4を有する。本体部分4は、穴8を含む。穴8は、盲穴(その近位端で閉じている)であってもよいが、図8図10及び図11に示されている実施形態では、穴8は、本体部分4を完全に貫通する開放穴である。穴8は、リーマをトライアルネック10に取り付けるために、リーマの近位端64を受け入れることができる。上述したように、穴8は、穴8の狭窄部分を含む内部リップ又は肩部を含むことができる。リップ又は肩部は、大腿管器具の近位端64のより広い部分を備える対応するリップ又は肩部と係合して、近位端64が穴8を完全に通過するのを防止する完全停止部として作用してもよい。
【0077】
リーマ自体は、細長いシャフト(例えば、図1参照)の形態であってもよく、遠位に位置する切削面68を有してもよい。大腿管器具60はまた、切削面68に対して近位に位置する中間部66を有してもよい。大腿管器具60は近位端64を有する。近位端64は、切削面68及び/又は中間部66に対して近位に位置してもよい。近位端64は、円形断面を有する実質的に円筒形であってもよいが、これは必須ではない。近位端64は、以下により詳細に説明されるように、大腿管器具60をトライアルネックに取り付けるためにトライアルネック10の穴8に挿入されることができる。
【0078】
図8図10及び図11から分かるように、リーマの近位端64は、いくつかの特徴部を含むことができる。例えば、近位端64は、リーマをリーマドライバに取り付けるために、輪郭形成された穴などの接続特徴部62を有してもよい。接続特徴部62の穴は、リーマドライバの取り付けを補助するために、雌ねじ山を含んでもよい。穴8が本体部分4を完全に貫通して延在する実施形態では、トライアルネック10がリーマに取り付けられている場合であっても、リーマドライバは、接続特徴部62を使用してリーマに取り付けられてもよい。
【0079】
リーマの近位端64はまた、図1図7に関連して上述したように、トライアルネック10のロック機構の係合面と係合するための周方向リップ又は溝を含んでもよい。
【0080】
上述したように、リーマは、係合面がリーマに接触する角度でロック機構の係合面に適合するように角度が付けられた表面を含んでもよい。傾斜面は、(リップ又は溝70とほぼ同様に)リーマの周りに延在する円周方向(例えば環状)の窪みを含むことができる。このようにして、リーマと係合面との接触表面積を最大化することができ、リーマの表面に対する潜在的な損傷(リーマに「食い込む」係合面によって引き起こされる)を回避することができる。
【0081】
トライアルネック10はまた、細長いネック2を有する。細長いネック2は、本体部分4から延びる。細長いネック2は、穴8の長手方向軸に対して非ゼロの角度で延在する。細長いネック2の近位端16は、トライアルヘッドに取り付けられるように構成され得る(すなわち、接続特徴部(複数可)を含む)。
【0082】
図1図7に関連して説明したように、トライアルネック10は、トライアルネック10のタイプ又は寸法についての情報を示すための1つ以上の外部印を含んでもよい。
【0083】
前述したように、リーマの近位端64は、リーマをトライアルネック10に取り付けるために穴8内に受け入れられてもよい。本開示の実施形態によれば、トライアルネック10は、ロック機構を含む。ロック機構は、トライアルネック10に対するリーマの移動及び/又はトライアルネック10のリーマからの不慮の分離を防止するように、穴8内でリーマの近位端64をロックするために使用することができる。
【0084】
ロック機構はレバー20を含む。レバー20は、第1の端部24と、第2の端部22と、係合面26とを有する。第1の端部24は、係合面26及び第2の端部22に対して上方に位置してもよい。係合面26は、レバー20の横方向に面する側に配置されてもよい。
【0085】
レバー20は、トライアルネック10内、例えば本体部分4内に(例えばレバー20の第1の端部24において)枢動可能に装着されてもよい。図8図16に示す実施形態では、レバー20は、細長いネック2に隣接しかつ穴8に隣接する本体部分4の一部に位置する空洞90内に枢動可能に装着される。空洞90の少なくとも一部は、大腿管器具60が穴8内に受け入れられたときに係合面26が大腿管器具60の近位端64と係合することができるように、穴8内に開口していてもよい。前述のように、これにより、レバー20が作動されたときに、係合面26が大腿管器具60の近位端64に接触してこれを付勢し、大腿管器具60の近位端64を穴8内に固定することができる。
【0086】
枢動取付部92は、例えば、トライアルネック10を前後方向に貫通するねじ又はボルトを備えていてもよい。枢動取付部92は、レバーが実質的に冠状面内で枢動することを可能にするように、レバー20内の孔を通過してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、ロック機構はまた、作動部材30を含む。作動部材30は、以下により詳細に説明されるように、レバー20の第2の端部22を作動させるために使用することができる。作動部材30は、図1図7の実施形態に関連して上述した作動部材30と同様であってもよい。したがって、トライアルネック10は、作動部材30が内部で延在するさらなる穴15を有してもよい。さらなる穴15は、細長いネック2の(長手方向)ネック軸に実質的に平行に延在してもよい。さらなる穴15は、細長いネック2の近位端16で終端してもよい。この実施形態では細長いネック2の近位端16に位置するさらなる穴15の入り口開口部は、作動部材30へのアクセスを可能にし得る。作動部材30の近位端は、作動部材30を作動させるために、ツール50の対応する接続特徴部52を作動部材30に接続するための接続特徴部32を備えることができる。いくつかの実施形態では、細長いネック2の近位端16に取り付け可能なトライアルヘッドは、トライアルヘッドを通過する開口部又は開口を含んでもよく、この開口部又は開口は、作動部材30を動作させるための接続特徴部32へのアクセスを提供する。例えば、ツール50は、トライアルヘッドの開口部又は開口を通して挿入されて、接続特徴部52を接続特徴部32に接続させることができる。いくつかの実施形態では、ツール50はトライアルヘッド自体に組み込まれてもよい。図1図7の実施形態と同様に、作動部材30は、さらなる穴15の対応する内側ねじ切り面と係合するねじ切り面17を含むことができ、それにより、さらなる穴15内での作動部材30の回転(例えば、ツール50を使用する)が、作動部材30をさらなる穴15に沿って移動させ、それによってレバー20を動作させる。
【0088】
作動部材30を操作するために、作動部材30は、さらなる穴15に沿って(この実施形態では細長いネック2の長手方向軸に実質的に平行である図8の矢印「A」によって示される方向に)レバー20の第2の端部22に向かって移動されてもよい。したがって、作動部材30の先端部34は、レバー20の第2の端部22と接触し、それによってレバー20を移動させることができる。これにより、レバー20が枢動取付部92の周りで(図11の矢印「B」によって示される方向に)回転する。続いてこれにより、係合面26が(図11において「C」とラベル付けされた矢印によって示されるように)大腿管器具60の近位端64に対して付勢され、近位端64を穴8内にロックする。大腿管器具60の近位端64を解放するために、作動部材30は、さらなる穴15に沿って(すなわち、図8図10、及び図11において「A」とラベル付けされた矢印によって示される方向と反対の方向に)引き抜かれてもよく、レバー20が、図11において「B」とラベル付けされた矢印によって示される方向と反対の方向に枢動して戻ることを可能にし、それによって、係合面26を近位端64から係合解除する。
【0089】
上述したように、いくつかの実施形態では、レバー20の係合面26は湾曲していてもよい。この湾曲により、リーマ60の近位端64の湾曲した外面と係合面とが実質的に一致することを可能にし得る。大腿管器具60の近位端64の湾曲した外面と一致することによって、係合面26と近位端64との間の係合領域の大きさが増大し、トライアルネック10と大腿管器具60との間の接続をより確実なものとすることができる。
【0090】
図1図7の実施形態と同様に、上述のロック機構は、穴8の長手方向軸に沿った大腿管器具60の移動に概ね対抗し、それによって、大腿管器具60に対するトライアルネック10の不慮の移動を防止し、かつ/又は大腿管器具60の近位端が穴8から不用意に外れるのを防止する。また上述したように、いくつかの実施形態では、トライアルネック10及び/又は大腿管器具60は、穴8内での(すなわち、穴8の長手方向軸を中心とした)大腿管器具60の回転に対抗するための特徴部を備えていてもよい。そのような追加の特徴部がない場合であっても、係合面26を大腿管器具60の近位端に対して付勢することに関連する摩擦力もまた、穴8内での大腿管器具60の回転にある程度対抗し得ることに留意されたい。
【0091】
図8図16に示される実施形態では、穴8の内面は、大腿管器具60の近位端64の対応する輪郭形成された外面(例えば、輪郭形成された外面67)と係合するために、上述した種類の輪郭形成された表面(例えば、輪郭形成された表面87)を有してもよい。上述したように、これらの輪郭形成された表面の係合は、穴8/大腿管器具60の長手方向軸を中心としたトライアルネック10に対する大腿管器具60の回転に抵抗することができる。さらに上述したように、輪郭形成された表面(例えば輪郭形成された表面87)は、係合面26上にのみ配置されてもよいことが想定される。
【0092】
この場合も、輪郭形成された表面は、大腿管器具60及び穴8の長手方向軸に実質的に平行に延びる、対応する形状のスプラインを備えてもよい。他の種類の輪郭形成された表面を使用してもよい。係合面26上の輪郭形成された表面87(の一部)は、大腿管器具60の近位端64上の輪郭形成された表面と係合する1つ又は複数の歯(例えば、図9の歯27を参照のこと)を形成してもよいことに留意されたい。
【0093】
図1図7の実施形態に関連して上述したように、大腿管器具60の近位端64は、トライアルネック10のロック機構の係合面と係合するための周方向リップ又は溝を含んでもよい。
【0094】
本実施形態では、作動部材は、作動部材30の近位端と先端部34との中間に位置する拡幅部分35を備えることができる。この拡幅部分35は、さらなる穴15の直径と実質的に同じ直径を有することができる。これは、作動部材30がさらなる穴15内で移動する間、作動部材30の長手方向軸がさらなる穴15の長手方向軸に対して実質的に平行なままであることを確実にするのを助けることができる。作動部材30の他の部分の少なくともいくつかは、作動部材30とさらなる穴15との間の摩擦を低減するように、さらなる穴の輪郭よりも狭い輪郭を有してもよい。
【0095】
本実施形態では、レバー20は、レバー20の第2の端部22と作動部材30の先端部34との係合を補助するための特徴部を含んでもよい。図9、並びに図8図10及び図11に示される断面図を参照すると、この実施形態におけるレバー20の第2の端部22は、作動部材受容開口部96を含む。作動部材受容開口部96は、レバー20の内側に位置し、作動部材30が図8図10、及び図11において「A」とラベル付けされた矢印によって示される方向に移動されるときに、作動部材30の先端部32が作動部材受容開口部96内に摺動し得るように位置付けられる。作動部材受容開口部96は、先端部32を内面94に向かって案内するために、漏斗形状の外形を有してもよい。先端部32は、レバー20を作動させるために、内面94と係合しかつ内面94に対して付勢することができる。内面94自体は、例えば、係合面26が大腿管器具60の近位端64と係合されるときに、内面94の面法線が作動部材30の長手方向軸に実質的に平行であるように角度が付けられてもよい。作動部材受容開口部96の漏斗形状の外形及び内面94の前述の向きは、作動部材30及びレバー20が操作されている間に、冠状面の外側への作動部材30及び/又はレバー20の移動がほとんど又は全くないことを確実にするのに役立ち得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、レバー20の正確な回転を補助するための特徴部が含まれてもよい。例えば、大腿骨管器具60の近位端64の穴8への挿入又は穴8からの取り外しをレバー20が妨げることを防止するための特徴部が設けられてもよい。ここで、そのような特徴部の特定の実施例を図12図16に関連して説明する。
【0097】
図12は、本開示のさらなる実施形態によるトライアルネック10の断面を示す。図12の実施形態は、図8図11の実施形態と多くの点で類似しており、本質的相違点のみについてここで説明する。
【0098】
この実施形態では、レバー20の第2の端部22は、傾斜面112を含む。傾斜面112は穴8の方を向いている。使用時には、大腿管器具60の近位端64が穴8内に挿入されると、近位端64が傾斜面112に対して付勢されてその上に載り、それによってレバー20が図12に「D」とラベル付けされた矢印によって示される方向に枢動する。これは、係合面26を大腿管器具60の近位端64から離れる方向に移動させる効果を有する。これにより、大腿管器具60が穴8に挿入されるときに、レバー20、特に係合面26が大腿管器具60の近位端64に当たって損傷するのを防止することができる。
【0099】
傾斜面112を図12に関連して説明してきたが、この種の傾斜面は、図8図16に示す実施形態のいずれにも含まれてもよいことが理解されよう。
【0100】
図13は、本開示の別の実施形態によるトライアルネック10の断面を示す。図13の実施形態は、図8図12の実施形態と多くの点で類似しており、本質的相違点のみについてここで説明する。
【0101】
この実施形態では、レバー20は付勢要素104をさらに備える。この実施形態における付勢要素104は、レバー20の第1の端部24の内側に装着される。付勢要素104の第1の端部は、空洞90の内側に位置する側壁106に対して付勢することができ、それによって、レバー20の第1の端部24が穴8に向かって付勢される一方で、係合面26が穴8から離れる方向に付勢されるように、レバー20を付勢する。いくつかの実施形態では、付勢要素104の第1の端部は、空洞90の内側に位置する側壁に位置する盲穴内に受容されてもよい。同様に、付勢要素104の第2の端部は、レバー20の第1の端部24内に位置する盲穴内に受容されてもよい。
【0102】
付勢要素104は、作動部材30の作動前に係合面26を穴8から離しておくように動作することができる。これにより、例えば、大腿骨管器具60が穴8に挿入されるときに、係合面26が大腿骨管器具60の近位端64に当たって破損するのを防止することができる。
【0103】
付勢要素104を図13に関連して説明したが、この種の付勢要素は、図8図16に示す実施形態のいずれにも含まれてもよいことが理解されよう。
【0104】
図13の付勢要素は、つる巻きばねを備えている。しかしながら、他の種類の付勢要素が使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0105】
図14は、本開示のさらなる実施形態によるトライアルネック10の断面を示す。図14の実施形態は、図8図13の実施形態と多くの点で類似しており、本質的相違点のみについてここで説明する。
【0106】
この実施形態では、図13に関連して上述したつる巻きばねの代わりに、付勢要素104は板ばねを備えている。図14に見られるように、板ばねは、蛇行パターンを含んでもよい。この実施例における付勢要素104は、レバー20と一体的に形成されてもよい。
【0107】
(板ばね)付勢要素104を図14に関連して説明してきたが、この種の付勢要素は、図8図16に示す実施形態のいずれにも含まれてもよいことが理解されよう。
【0108】
図15は、本開示の別の実施形態によるトライアルネック10の断面を示す。図15の実施形態は、図8図14の実施形態と多くの点で類似しており、本質的相違点のみについてここで説明する。
【0109】
この実施形態では、レバー20の第1の端部24は、把持可能な特徴部102を含む。この実施形態における把持可能な特徴部102は、本体部分4から上方に延在して外科医が手動で操作することを可能にする突出部を備える。他の形態の把持可能な特徴部(例えば、輪郭形成された表面若しくは粗面化された表面又は一連の隆起部)が使用され得ることが想定される。
【0110】
把持可能な特徴部102は、係合面26を大腿管器具60の近位端64から離れる方向に移動させるように、レバー20を手動で作動させるために、外科医によって手動で操作可能である。特に、外科医は、把持可能な特徴部102を使用してレバーの第1の端部24を穴8に向かって回転させることができ、これにより、係合面26は穴8から離れるように枢動する。
【0111】
これにより、外科医は、使用時に、大腿骨管器具60が穴8に挿入される際に、係合面26が大腿骨管器具60の近位端64に当たって破損しないことを確実にすることができる。外科医はまた、近位端64を穴8から除去しようとする前に、係合面26が大腿管器具60の近位端64から係合解除されるようにするために、把持可能な特徴部102を使用することができる。
【0112】
把持可能な特徴部102を図15に関連して説明してきたが、この種の把持可能な特徴部は、図8図16に示す実施形態のいずれにも含まれ得ることが理解されよう。実際に、図13図14及び図16に示す実施形態はそれぞれ、そのような特徴部を含む。
【0113】
図16は、本開示のさらなる実施形態によるトライアルネック10の断面を示す。図16の実施形態は、図8図14の実施形態と多くの点で類似しており、本質的相違点のみについてここで説明する。
【0114】
この実施形態では、作動部材30は、レバー20の第2の端部22と係合してレバー20を作動させるための遠位端(先端部32が位置する)を有する。この実施形態では、遠位端は窪み108も含む。窪み108は、実施形態において、作動部材30の狭窄部分を含む。レバー20の第2の端部22はまた、窪み108に対応する突出部95を含む。
【0115】
この実施形態では、作動部材30がレバー20の第2の端部22に向かって移動すると、窪み108の近位縁部110が突出部95に接触し、それによって係合面26を大腿管器具60の近位端64に対して付勢する(図16参照)。
【0116】
窪み108はまた、作動部材30がさらなる穴15に沿って引き抜かれるときに係合面26が大腿管器具60の近位端64から離れる方向に移動されるように、レバー20を枢動させるように動作することができる。具体的に言うと、作動部材30がさらなる穴15に沿って引き抜かれると、窪み108の遠位縁部114が突出部95に接触し、それによってレバー20を枢動させ、係合面26が大腿管器具60の近位端64から離れる方向に移動する。
【0117】
したがって、窪み108及び対応する突出部95は、係合面26が穴8の近位端64の取り外しを妨げないように、係合面26が大腿管器具60の近位端64から係合解除することを確実にするように協働することができる。
【0118】
窪み及び対応する突出部を図16に関連して説明してきたが、この種の窪み及び対応する突出部は、図8図16に示す実施形態のいずれにも含まれてもよいことが理解されよう。実際、図15に示される実施形態は、そのような特徴部を含む。具体的に言うと、図15では、作動部材30の先端部32は実質的に球形である。これは、先端部32からすぐ近位に位置するネックを形成し、ネックは、上述した種類の窪みを構成する。この実施形態における対応する突出部は、上述の作動部材受容開口部96のリップによって形成されてもよい。この実施形態では、作動部材30がさらなる穴15に沿って引き抜かれるとき、ネックによって形成された窪みは、作動部材受容開口部96のリップに対して作用することができ、それによって、レバー20の係合面26を大腿管器具60から離れるように回転させる。ここでも同様に、これは、係合面26が大腿管器具60に対して静止することを防止することができ、防止されなければ、穴8からの大腿管器具60の近位端64の正確な除去が阻害される可能性がある。
【0119】
本開示の実施形態によれば、トライアルネック(例えば、図1図16に関連して上述した種類のトライアルネック10)を大腿管器具(リーマ60又は上述した他の大腿管器具のいずれかなど)に取り付ける方法が提供され得る。本方法は、大腿管器具(例えば、リーマ60)の近位端64をトライアルネック10の穴8に挿入することを含んでもよい。本方法はまた、レバー20の第2の端部22を作動させて、係合面26を大腿管器具(例えばリーマ60)の近位端64に対して付勢することを含んでもよい。
【0120】
上述したように、本方法は、作動部材、例えば作動部材30を使用して、レバー20の第2の端部22を作動させることを含むことができる。本方法はまた、作動部材30を作動させるために、ツール(例えば、ツール50)を作動部材30の接続特徴部32に接続することを含んでもよい。トライアルネック10を使用している間、方法はまた、トライアルネック10の細長いネック2内の窓(例えば、窓12)を通して作動部材30を見ることを含んでもよい。本方法は、トライアルネック10を(再び)使用する前にトライアルネック10を洗浄することをさらに含んでもよい。窓12は、作動部材30が配置され得るさらなる穴15への改善されたアクセスを可能にすることによって、この洗浄を補助し得る。
【0121】
本開示の一実施形態によれば、外科用キットが提供され得る。外科用キットは、図1図16に関連して上述した種類のトライアルネック10を含んでもよい。外科用キットはまた、上述の種類の大腿管器具(例えば、リーマ60)を含んでもよい。キットは、さらなる構成要素(例えば、上述した種類の1つ以上の異なる大きさのトライアルネック、1つ以上の異なる種類の大腿管器具(例えば、異なるリーマ)、1つ以上のトライアルヘッド、及び/又は任意の他の構成要素)を含み得ることが想定される。
【0122】
以上、股関節手術のためのトライアルネック、及びトライアルネックを大腿管器具に取り付ける方法について説明した。トライアルネックは、大腿管器具の近位端を受容するための穴を含む本体部分を含む。トライアルネックはまた、本体部分から延びる細長いネックを含む。トライアルネックは、レバーを備えるロック機構をさらに含む。レバーは第1の端部を有し、この第1の端部は、本体部分と一体であってもよく、又は枢動可能に装着されてもよい。レバーはまた、第2の端部を有する。レバーはさらに係合面を有し、係合面は、第1の端部と第2の端部との中間に配置されてもよく、又は第2の端部に配置されてもよい。レバーの第2の端部は、係合面を大腿管器具の近位端に対して付勢して大腿管器具の近位端を穴内に固定するように作動可能である。
【0123】
本開示の特定の実施形態について説明してきたが、特許請求の範囲内で多くの変更/追加、及び/又は置換を行い得ることが、理解されよう。
【0124】
〔実施の態様〕
(1) 股関節手術のためのトライアルネックであって、
大腿管器具の近位端を受容するための穴を含む本体部分と、
前記本体部分から延在する細長いネックと、
レバーを含むロック機構であって、前記レバーが、
第1の端部、
第2の端部、及び
係合面、を有する、ロック機構と、を備え、
前記レバーの前記第2の端部が、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端に対して付勢して、前記大腿管器具の前記近位端を前記穴内に固定するように作動可能である、トライアルネック。
(2) 前記ロック機構が、前記レバーを作動させるために前記レバーの前記第2の端部と係合するための作動部材をさらに含む、実施態様1に記載のトライアルネック。
(3) さらなる穴を備え、前記作動部材が前記さらなる穴内に延在している、実施態様2に記載のトライアルネック。
(4) 前記さらなる穴が、前記細長いネック内に延在している、実施態様3に記載のトライアルネック。
(5) 前記さらなる穴が、前記細長いネックの長手方向軸に実質的に平行に延在している、実施態様4に記載のトライアルネック。
【0125】
(6) 前記細長いネックの近位端が、前記さらなる穴につながる開口部を有し、前記作動部材の近位端が、前記作動部材を作動させるためにツールを前記作動部材に接続するための接続特徴部を備える、実施態様4に記載のトライアルネック。
(7) 前記細長いネックの前記近位端が、トライアルヘッドに取り付けられるように構成されている、実施態様6に記載のトライアルネック。
(8) 前記さらなる穴が、ねじ切り面を有し、
前記作動部材が、前記作動部材を回転させて前記作動部材を前記さらなる穴に沿って移動させて前記レバーの前記第2の端部と係合させることを可能にするために、前記さらなる穴の前記ねじ切り面と係合するためのねじ切り面を備える、実施態様3のいずれかに記載のトライアルネック。
(9) 前記さらなる穴内の前記作動部材を見るための窓を備える、実施態様3のいずれかに記載のトライアルネック。
(10) 前記レバーの前記第1の端部が、前記トライアルネックの側面に位置している、実施態様1に記載のトライアルネック。
【0126】
(11) 前記レバーの前記係合面が、前記大腿管器具の前記近位端の湾曲した外面に適合するように湾曲している、実施態様1に記載のトライアルネック。
(12) 前記穴の内面が、前記大腿管器具の長手方向軸を中心とした前記トライアルネックに対する前記大腿管器具の回転を防止するために、前記大腿管器具の前記近位端の対応する輪郭形成された外面と係合するための輪郭形成された表面を有する、実施態様1に記載のトライアルネック。
(13) 前記レバーの前記第1の端部が、前記本体部分と一体であり、前記係合面が、前記レバーの前記第1の端部と前記レバーの前記第2の端部との中間に位置している、実施態様1に記載のトライアルネック。
(14) 前記レバーの前記第2の端部が、前記細長いネック内に位置している、実施態様13に記載のトライアルネック。
(15) 前記レバーが、少なくとも1つのドッグレッグベンドを含む、実施態様13に記載のトライアルネック。
【0127】
(16) 前記レバーの前記第1の端部が、前記トライアルネック内に枢動可能に装着されている、実施態様1に記載のトライアルネック。
(17) 前記作動部材が、前記レバーを作動させるために前記レバーの前記第2の端部と係合するための遠位端を有し、前記遠位端が、前記さらなる穴に沿って前記作動部材を引き抜く際に前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端から離れる方向に移動させるために、前記レバーの前記第2の端部上の対応する突起と係合するための窪みを含む、実施態様16に記載のトライアルネック。
(18) 前記レバーの前記第2の端部が、作動部材受容開口部を含む、実施態様16に記載のトライアルネック。
(19) 前記レバーの前記第1の端部が、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端から離れる方向に移動させるために前記レバーを手動で作動させるための把持可能な特徴部を含む、実施態様16に記載のトライアルネック。
(20) 前記レバーの前記第2の端部が、前記穴に向かって面する傾斜面を含み、前記大腿管器具の前記近位端を前記穴に挿入すると、前記大腿管器具の前記近位端が前記傾斜面上に載ることにより前記レバーを枢動させて、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端から離れる方向に移動させることを可能にする、実施態様16に記載のトライアルネック。
【0128】
(21) 前記レバーが、前記レバーの前記第1の端部を前記穴に向かって付勢し、それによって前記係合面を前記穴から離れる方向に付勢するための付勢要素をさらに備える、実施態様16に記載のトライアルネック。
(22) 外科用キットであって、
実施態様1~21のいずれかに記載のトライアルネックと、
大腿管器具と、を含む、外科用キット。
(23) 前記大腿管器具が、
リーマ、ブローチ又はトライアルステムを含む大腿管準備機器、及び
インプラント、の群から選択されている、実施態様22に記載のキット。
(24) 前記大腿管器具の前記近位端が、前記トライアルネックの前記ロック機構の前記係合面と係合するための周方向リップ又は溝を含む、実施態様22に記載のキット。
(25) トライアルネックを大腿管器具に取り付ける方法であって、前記トライアルネックは、
大腿管器具の近位端を受容するための穴を含む本体部分と、
前記本体部分から延在する細長いネックと、
レバーを含むロック機構であって、前記レバーが、
第1の端部、
第2の端部、及び
係合面、を有する、ロック機構と、を備え、
前記レバーの前記第2の端部が、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端に対して付勢して、前記大腿管器具の前記近位端を前記穴内に固定するように作動可能であり、
前記方法は、
前記大腿管器具の前記近位端を前記穴に挿入することと、
前記レバーの前記第2の端部を作動させて、前記係合面を前記大腿管器具の前記近位端に対して付勢することと、を含む、方法。
【0129】
(26) 前記ロック機構の作動部材を前記レバーの前記第2の端部と係合させて、前記レバーを作動させることを含む、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記作動部材の近位端が、接続特徴部を備え、前記方法が、前記作動部材を作動させるために、ツールを前記作動部材に前記接続特徴部に接続することをさらに含む、実施態様26に記載の方法。
(28) 前記トライアルネックの前記細長いネック内の窓を通して前記作動部材を見ることをさらに含む、実施態様25に記載の方法。
(29) 前記レバーの前記第1の端部が前記本体部分と一体であり、前記係合面が、前記レバーの前記第1の端部と前記レバーの前記第2の端部との中間に配置されている、実施態様25に記載の方法。
(30) 前記レバーの前記第1の端部が、前記トライアルネック内に枢動可能に装着されている、実施態様25に記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】