(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】バーナ迂回可能温度制御を備えたガス・グリル
(51)【国際特許分類】
F24C 3/02 20210101AFI20240125BHJP
F24C 3/08 20060101ALI20240125BHJP
F24C 3/12 20060101ALI20240125BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
F24C3/02 E
F24C3/08 K
F24C3/12 C
A47J37/06 366
F24C3/12 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546501
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 CA2022050149
(87)【国際公開番号】W WO2022165591
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523290230
【氏名又は名称】ウィナーズ プロダクツ エンジニアリング カナダ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー、ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】デソウザ、メラニー
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA02
4B040AA08
4B040AD04
4B040CA02
4B040CA16
4B040LA04
4B040LA13
(57)【要約】
ガス燃焼式クッキング・グリル、及び、ガス燃焼式クッキング・グリルのためのガス弁組立体が提供される。グリルが、クッキング・チャンバと、クッキング・チャンバを加熱するための複数のガス・バーナと、ガス・バーナのうちのそれぞれのガス・バーナへの可燃性ガスの流れを各々が制御する、複数の第1の弁と、可燃性ガス源から可燃性ガスを受け取るためのガス吸入口と、温度自動調節弁部分を有する第2の弁であって、第2の弁が、ガス吸入口と複数の第1の弁との中間に配設され、ガス吸入口及び複数の第1の弁と流体連通しており、第2の弁が、第1のクッキング・モードと第2のクッキング・モードとの間での選択のために使用者からの入力を受信するように構成され、第2の弁が、第1のクッキング・モードにおいてガス吸入口から複数の第1の弁まで可燃性ガスを経由させ、第2のクッキング・モードにおいてガス吸入口から温度自動調節弁部分まで可燃性ガスを経由させ、温度自動調節弁部分が、クッキング・チャンバの所望温度及び実際の温度の比較に基づいてガス・バーナのサブセットまで可燃性ガスを選択的に経由させる、第2の弁と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス燃焼式クッキング・グリルであって、
クッキング・チャンバと、
前記クッキング・チャンバを加熱するための複数のガス・バーナと、
前記ガス・バーナのうちのそれぞれのガス・バーナへの可燃性ガスの流れを各々が制御する複数の第1の弁と、
可燃性ガス源から前記可燃性ガスを受けるためのガス吸入口と、
温度自動調節弁部分を有する第2の弁であって、前記第2の弁は、前記ガス吸入口と前記複数の第1の弁との中間に配設され、且つ前記ガス吸入口及び前記複数の第1の弁と流体連通しており、前記第2の弁は、第1のクッキング・モードと第2のクッキング・モードとの間での選択のために使用者からの入力を受けるように構成され、前記第2の弁は、前記第1のクッキング・モードにおいて前記可燃性ガスを前記ガス吸入口から前記複数の第1の弁へと経路指定案内し、また前記第2のクッキング・モードにおいて前記可燃性ガスを前記ガス吸入口から前記温度自動調節弁部分へと経路指定案内し、前記温度自動調節弁部分は、前記クッキング・チャンバの所望温度及び実際の温度の比較に基づいて前記可燃性ガスを前記ガス・バーナのサブセットへと選択的に経路指定案内する、第2の弁と
を有する、ガス燃焼式クッキング・グリル。
【請求項2】
前記第2の弁が、前記使用者によって操作可能な制御ノブによって制御される、請求項1に記載のガス燃焼式クッキング・グリル。
【請求項3】
前記制御ノブが、前記所望温度を設定するために前記第2の弁と協働する、請求項2に記載のガス燃焼式クッキング・グリル。
【請求項4】
前記温度自動調節弁部分がキャピラリー弁である、請求項1に記載のガス燃焼式クッキング・グリル。
【請求項5】
前記キャピラリー弁が、前記クッキング・チャンバ内に配設された、温度を感知するための温度センサ感温部を有し、前記温度センサ感温部は、加熱された時に膨張する流体を含み、前記流体は、前記クッキング・チャンバの前記実際の温度が前記所望温度を超えたときに前記キャピラリー弁を開位置から閉位置の方に移動させる隔壁に連結されている、請求項4に記載のガス燃焼式クッキング・グリル。
【請求項6】
4つのバーナ及び4つの第1の弁を有し、前記第2の弁は、前記4つのバーナのうちの2つのバーナを選択的に迂回するように構成されている、請求項1に記載のガス燃焼式クッキング・グリル。
【請求項7】
前記4つのバーナが概ね平行な配置構成に配設され、前記4つのバーナのうちの内側の2つのバーナが、選択的に迂回される前記バーナである、請求項6に記載のガス燃焼式クッキング・グリル。
【請求項8】
前記温度自動調節弁が複数のポートを有し、前記ポートのうちの1つのポートが、選択的に迂回されないバーナのうちの少なくとも1つのバーナに連結され、前記ポートのうちの別のポートが、選択的に迂回される別のバーナのうちの少なくとも1つのバーナに連結される、請求項1に記載のガス燃焼式クッキング・グリル。
【請求項9】
ガス燃焼式クッキング・グリルのためのガス弁組立体であって、
前記ガス燃焼式クッキング・グリルのクッキング・チャンバを加熱するための複数のガス・バーナのうちのそれぞれのガス・バーナへの可燃性ガスの流れを各々が制御する複数の第1の弁と、
可燃性ガス源から前記可燃性ガスを受けるためのガス吸入口と、
温度自動調節弁部分を有する第2の弁であって、前記第2の弁が、前記ガス吸入口と前記複数の第1の弁との中間に配設され、且つ前記ガス吸入口及び前記複数の第1の弁と流体連通しており、前記第2の弁が、第1のクッキング・モードと第2のクッキング・モードとの間での選択のために使用者からの入力を受けるように構成され、前記第2の弁が、前記第1のクッキング・モードにおいて前記可燃性ガスを前記ガス吸入口から前記複数の第1の弁へと経路指定案内し、前記第2のクッキング・モードにおいて前記可燃性ガスを前記ガス吸入口から前記温度自動調節弁部分へと経路指定案内し、前記温度自動調節弁部分が、前記クッキング・チャンバの所望温度及び実際の温度の比較に基づいて前記可燃性ガスを前記ガス・バーナのサブセットへと選択的に経路指定案内する、第2の弁と
を有する、ガス弁組立体。
【請求項10】
前記第2の弁が、前記使用者によって操作可能な制御ノブによって制御される、請求項9に記載のガス弁組立体。
【請求項11】
前記制御ノブが、前記所望温度を設定するために前記第2の弁と協働する、請求項10に記載のガス弁組立体。
【請求項12】
前記温度自動調節弁部分がキャピラリー弁である、請求項9に記載のガス弁組立体。
【請求項13】
前記キャピラリー弁が、前記クッキング・チャンバ内に配設された、温度を感知するための温度センサ感温部を有し、前記温度センサ感温部は、加熱された時に膨張する流体を含み、前記流体は、前記クッキング・チャンバの前記実際の温度が前記所望温度を超えたときに前記キャピラリー弁を開位置から閉位置の方に移動させる隔壁に連結されている、請求項12に記載のガス弁組立体。
【請求項14】
4つの第1の弁を有し、前記第2の弁は、前記4つのバーナのうちの2つのバーナを選択的に迂回するように構成されている、請求項9に記載のガス弁組立体。
【請求項15】
前記4つのバーナが概ね平行な配置構成に配設され、前記4つのバーナのうちの内側の2つのバーナが、選択的に迂回される前記バーナである、請求項14に記載のガス弁組立体。
【請求項16】
前記温度自動調節弁が複数のポートを有し、前記ポートのうちの1つのポートが、選択的に迂回されないバーナのうちの少なくとも1つのバーナに連結され、前記ポートのうちの別のポートが、選択的に迂回される別のバーナのうちの少なくとも1つのバーナに連結される、請求項9に記載のガス弁組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記は、概してガス器具に関し、より詳細には、ガス燃焼式クッキング・グリルなどのガス器具のチャンバ内の温度のバーナ迂回可能制御(burner-bypassable control)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の屋外用ガス燃焼式クッキング・グリルは、クッキング・チャンバを加熱するための1つ又は複数のバーナ、及び、バーナまでのガスの流れを制御するための1つ又は複数の手動で調整可能な弁を有する。しかし、気象条件(例えば、風速/風向き、大気温度、降水量)がガス・グリルの動作に影響し得、所与の設定弁のためのガス・グリルのクッキング・チャンバ内部の温度に影響し得る。これはガス・グリルを使用する調理を困難なものとし得る。その理由は、実際の調理条件が不確かになる可能性があり、多様な気象条件に対して調理条件を予測することが困難となる可能性があるからである。
【発明の概要】
【0003】
一態様で、ガス燃焼式クッキング・グリルが提供され、グリルが、クッキング・チャンバと、クッキング・チャンバを加熱するための複数のガス・バーナと、ガス・バーナのうちのそれぞれのガス・バーナへの可燃性ガスの流れを各々が制御する、複数の第1の弁と、可燃性ガス源から可燃性ガスを受けるためのガス吸入口と、温度自動調節弁(thermostaric valve;温度調整弁)部分を有する第2の弁であって、第2の弁が、ガス吸入口と複数の第1の弁との中間に配設され、ガス吸入口及び複数の第1の弁と流体連通しており、第2の弁が、第1のクッキング・モードと第2のクッキング・モードとの間での選択のために使用者からの入力を受信するように構成され、第2の弁が、第1のクッキング・モードにおいてガス吸入口から複数の第1の弁まで可燃性ガスを経由させ(routing;ルーティング又は経路指定案内し)、第2のクッキング・モードにおいてガス吸入口から温度自動調節弁部分まで可燃性ガスを経由させ、温度自動調節弁部分が、クッキング・チャンバの所望温度及び実際の温度の比較に基づいてガス・バーナのサブセット(subset)まで可燃性ガスを選択的に経由させる、第2の弁と、を有する。
【0004】
第2の弁が、使用者により操作可能である制御ノブによって制御され得る。
【0005】
制御ノブが、所望温度を設定するために第2の弁と協働することができる。
【0006】
温度自動調節弁部分がキャピラリー弁であってよい。
【0007】
キャピラリー弁が、クッキング・チャンバ内に配設された、温度を感知するための温度センサ感温部(bulb)を有することができ、温度センサ感温部が加熱時に膨張する流体を収容し、流体が、クッキング・チャンバの実際の温度が所望温度を超えるときにキャピラリー弁を開位置から閉位置の方に移動させる隔壁に連結される。
【0008】
ガス燃焼式クッキング・グリルが4つのバーナ及び4つの第1の弁を有することができ、第2の弁が4つのバーナのうちの2つのバーナを選択的に迂回するように構成される。
【0009】
4つのバーナが概して平行な配置構成に配設され、4つのバーナのうちの内側の2つのバーナが選択的に迂回されるバーナである。
【0010】
温度自動調節弁が複数のポートを有することができ、ポートのうちの1つのポートが、選択的に迂回されないバーナのうちの少なくとも1つのバーナに連結され、別のポートが選択的に迂回される別のバーナのうちの少なくとも1つのバーナに連結される。
【0011】
別の態様では、ガス燃焼式クッキング・グリルのためのガス弁組立体が提供され、ガス弁組立体が、ガス燃焼式クッキング・グリルのクッキング・チャンバを加熱するために複数のガス・バーナのうちのそれぞれのガス・バーナまでの可燃性ガスの流れを各々が制御する、複数の第1の弁と、可燃性ガス源から可燃性ガスを受けるためのガス吸入口と、温度自動調節弁部分を有する第2の弁であって、第2の弁が、ガス吸入口と複数の第1の弁との中間に配設され、ガス吸入口及び複数の第1の弁と流体連通しており、第2の弁が、第1のクッキング・モードと第2のクッキング・モードとの間での選択のために使用者からの入力を受信するように構成され、第2の弁が、第1のクッキング・モードにおいてガス吸入口から複数の第1の弁まで可燃性ガスを経由させ、第2のクッキング・モードにおいてガス吸入口から温度自動調節弁部分まで可燃性ガスを経由させ、温度自動調節弁部分が、クッキング・チャンバの所望温度及び実際の温度の比較に基づいてガス・バーナのサブセットまで可燃性ガスを選択的に経由させる、第2の弁と、を有する。
【0012】
第2の弁が、使用者により操作可能である制御ノブによって制御され得る。
【0013】
制御ノブが、所望温度を設定するために第2の弁と協働することができる。
【0014】
温度自動調節弁部分がキャピラリー弁であってよい。
【0015】
キャピラリー弁が、クッキング・チャンバ内に配設された、温度を感知するための温度センサ感温部を有することができ、温度センサ感温部が加熱時に膨張する流体を収容し、流体が、クッキング・チャンバの実際の温度が所望温度を超えるときにキャピラリー弁を開位置から閉位置の方に移動させる隔壁に連結される。
【0016】
ガス燃焼式クッキング・グリルが4つのバーナ及び4つの第1の弁を有することができ、第2の弁が4つのバーナのうちの2つのバーナを選択的に迂回するように構成される。
【0017】
4つのバーナが概して平行な配置構成に配設され、4つのバーナのうちの内側の2つのバーナが選択的に迂回されるバーナである。
【0018】
温度自動調節弁が複数のポートを有することができ、ポートのうちの1つのポートが、選択的に迂回されないバーナのうちの少なくとも1つのバーナに連結され、別のポートが選択的に迂回される別のバーナのうちの少なくとも1つのバーナに連結される。
【0019】
これらの及び他の態様が本明細書で企図及び説明される。上記の概要が以下の詳細な説明を熟練した読者が理解するのを支援するために実施例の典型的な態様を記載するものであることが認識されよう。
【0020】
図を参照することにより実施例をより理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】ガス・グリルのクッキング・チャンバの温度を制御するための例示のシステムを有するガス・グリルを示す正面概略図である。
【
図2】
図1のガス・グリルのクッキング・チャンバの温度を制御するためのシステムを示す斜視図である。
【
図3】
図1のガス・グリルのクッキング・チャンバの温度を制御するための別の例示のシステムを示す斜視図である。
【
図5A】
図2のシステムの例示の温度自動調節弁を示す斜視図である。
【
図5B】
図2のシステムの例示の温度自動調節弁を示す上面図である。
【
図5C】
図2のシステムの例示の温度自動調節弁を示す正面図である。
【
図5D】
図2のシステムの例示の温度自動調節弁を示す右側面図である。
【
図6】
図5A~5Dの温度自動調節弁の例示の内部構成を示している、
図2のシステムを示す例示の概略図である。
【
図7A】示される第1のクッキング・モードにおける、4つのバーナによるガス燃焼式クッキング・グリル(four-burner gas-fired cooking grill)を示す図である。
【
図7B】第2のクッキング・モードにおける、4つのバーナによるガス燃焼式クッキング・グリルを示す図である。
【
図8A】第1のクッキング・モードにおける、実施例による、ガス・グリルのクッキング・チャンバの温度を迂回可能に制御するためのシステムを示す概念図である。
【
図8B】第2のクッキング・モードにおける、
図8Aのシステムによる、ガス・グリルのクッキング・チャンバの温度を迂回可能に制御するためのシステムを示す概念図である。
【
図9】
図8Aのシステムで使用されるための第2の弁の実施例を示す斜視図である。
【
図10A】第1のクッキング・モードにおける、
図9による第2の弁を示す正面断面図である。
【
図10B】第2のクッキング・モードにおける、
図9による第2の弁を示す正面断面図である。
【
図11】
図9の第2の弁の弁ステムを示す斜視図である。
【
図12A】第1のクッキング・モード中である
図9の第2の弁を示す上面部分断面図である。
【
図12B】第1のクッキング・モード中である
図9の第2の弁を示す側面部分断面図である。
【
図12C】第2のクッキング・モード中である
図9の第2の弁を示す側面部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に図を参照して実施例を説明する。説明の単純さ及び明瞭さのために、適切であるとみなされる場合には対応する要素又は類似の要素を示すために複数の図にわたって参照符号が繰り返され得る。加えて、本明細書で説明される実施例を徹底的に理解するのを可能にするために多数の具体的な細部が記載される。しかし、本明細書で説明される実施例がこれらの具体的な細部なしでも実施され得ることを当業者であれば理解するであろう。他には、本明細書で説明される実施例を不明瞭にしないように、よく知られている方法、手順、及び構成要素は詳細には説明されない。また、本説明は本明細書で説明される実施例の範囲を限定するものとみなされないものとする。
【0023】
本説明の全体を通して使用される種々の用語は、文脈により他の意味を示されない限り、以下のように読まれて理解され得る。全体を通して使用される「又は」は「及び/又は」と記載されているかのように包含的なものである。全体を通して使用される単数形の冠詞及び代名詞はその複数形も含み、逆も同様である。同様に、性の区別のある代名詞はその反対の代名詞を含み、したがって、代名詞は、本明細書で説明されるものを、単一の性による使用、実装形態、性能などのみに限定するものとして理解すべきではない。「例示」は「説明的」又は「典型例的」と理解されるべきであり、必ずしも他の実施例よりも「好ましい」ものとして理解されるべきではない。本明細書では別の用語の定義が記載される可能性がある。これらの定義は、本説明を読むことにより理解されるように、その用語の先行する例又は後述の例にも適用される。
【0024】
下記は概してガス器具に関し、より詳細には、ガス燃焼式クッキング・グリルなどのガス器具のチャンバ内の温度の迂回可能制御に関する。
【0025】
種々の実施例で、本開示の態様が、ガス燃焼式クッキング・グリルのクッキング・チャンバ内の温度を制御するのに特に有用となり得る。いくつかの実施例では、本明細書で説明されるシステム及び方法の使用が、屋外用ガス燃焼式クッキング・グリルのクッキング・チャンバ内の調理条件の制御及び予測可能性を改善することができる。
【0026】
本開示の態様が、例えば、ガス燃焼式屋外用ヒータ、ガス燃焼式暖炉、及びガス燃焼式薫製装置(gas-fired smoker)などの他の種類の器具の動作を制御するのにも有用となり得る。種々の器具で、本明細書で説明されるシステム及び方法が、このような器具の、コンパートメント、部分的に閉鎖された空間、又は空洞などの、チャンバの温度を制御するのに使用され得る。
【0027】
「接続」又は「連結」という用語は、中間要素を一切用いずに2つの要素が互いに接続/連結されるような、直接の接続/連結を含むことができ、さらには、2つの要素の間に少なくとも1つの追加の要素が位置するような、間接的な連結も含むことができる。弁、バーナ、マニホルド、及び導管の連結に関連して、「接続」又は「連結」という用語はさらには流体連通を意味することができる。本明細書で使用される場合の「実質的」という用語は、その関連する基本機能を結果として変化させることなく許容範囲内で変化する任意の定量的表現を修飾するのに適用され得る。図面を参照して種々の実施例の態様を説明する。
【0028】
図1が、ガス・グリル10を動作させるためのシステム11を有するガス燃焼式クッキング・グリル10の正面概略図を描いている。ガス・グリル10がクッキング格子17及び蓋18を有することができる。蓋18が、食べ物を調理するための閉鎖されたクッキング・チャンバ32(
図2にも概略的に示される)を作り出すためにクッキング格子17を覆うのに使用され得る。クッキング格子17及び蓋18の両方が、グリル(grilling)の熱に耐えることができ、適切な耐腐食性を呈する、鋳鉄、ステンレス鋼、又はクロムめっき鋼などの、金属材料で作られ得る。
【0029】
システム11が、バーナ19A~19D(本明細書では「バーナ19」とも総称する)(
図2を参照)に気体燃料を供給するための燃料リザーバ12を有することができる。種々の実施例で、燃料リザーバ12が、例えば、プロパン、ブタン、又は天然ガスを収容するタンクであってよい。いくつかの実施例では、燃料リザーバ12が、システム11に解除可能に接続可能である可搬式容器であってよい。システム11が、燃料リザーバ12の代わりにガス(例えば、天然ガス)の事業施設からの燃料供給ラインに接続され得ることが理解されよう。システム11が、燃料リザーバ12からシステム11に供給されているガスの圧力を調節する(例えば、低下させる)ように機能する圧力レギュレータ13(
図2に示される)をさらに有することができる。
【0030】
システム11が、各々が制御ノブ16A~16D(本明細書では「制御ノブ16」とも総称する)のうちのそれぞれ1つの制御ノブによって動作可能に制御される1つ又は複数の第1の弁22A~22D(本明細書では「第1の弁22」とも総称する)を有することができる。制御ノブ16が、第1の弁22のうちのそれぞれ1つの第1の弁の設定を調整するのに使用され得る。第1の弁22A~22Dが、制御ノブ16を回すことにより手動で調整可能となり得る。システム11が、制御ノブ14によって動作可能に制御される第2の弁24を有することができる。制御ノブ14が、第2の弁24の設定を調整するのに使用され得る。制御ノブ14が、後で説明されるように、クッキング・チャンバ32の所望の温度設定を定めることを目的として温度範囲の表示/指示に関連付けられ得る。制御ノブ14が、ガス・グリル10のクッキング・チャンバ32のために所望される温度範囲内の温度に手動で調整され得る。第1の弁22A~22Dが第2の弁24とは異なる種類であってよい。
【0031】
いくつかの実施例では、ガス・グリル10が、第3の弁30によって動作可能に制御される副バーナ(図示せず)を有することができる。制御ノブ20が、第3の弁30の設定を調整するために使用され得る。いくつかの実施例では、第1の弁22A~22D及び第3の弁30が同じ種類であってよい。
【0032】
制御ノブ14、16、及び20が制御盤21から突出することができ、対応する弁24、22、及び30がそれぞれ制御盤21の後方に少なくとも部分的に配設され得る。
【0033】
図2が、ガス・グリル10のシステム11の斜視図を示している。システム11が燃料リザーバ12に接続され得、ガス・バーナ19、第1の弁22、及び第2の弁24を有することができる。ガス・バーナ19が、それぞれの第1の弁22及び第2の弁24を介してガスを受けるための内部通路を有する有孔金属管を有することができる。ガス・バーナ19が、金属管からガスを放出するための、金属管に沿って配設された穿孔を有することができる。
【0034】
燃料リザーバ12内に収容された燃料が、システム11の複数の分岐の間でガスを分配するように構成されたフロー・スプリッタ31に供給され得る。描かれるように、ガスが、フロー・スプリッタ31を介して第2の弁24及び/又は第3の弁30に供給され得る。フロー・スプリッタ31が例えばT形パイプの取付具であってよい。
【0035】
第3の弁30が、副バーナまでのガスの流れを制御するための副バーナ(図示せず)に関連付けられ得る。第3の弁30が、副バーナまでのガスの流れを調整するために調整可能となり得る。第3の弁30が制御ノブ20(
図1に示される)を使用して調整され得る。副バーナがチャンバ32の外部にあってよく、第2の弁24の設定から無影響となり得る。いくつかの実施例では、ガス・グリル10が、チャンバ32の外部にある、及び/又は、第2の弁24から無影響となり得る、1つ又は複数の追加のバーナを有することができる。例えば、ガス・グリル10が、第2の弁24の設定から無影響となるように第2の弁24を迂回する1つ又は複数の他の任意選択の(例えば、副又は他の)バーナを有することができる。
【0036】
第1の弁22の各々がバーナ19のうちのそれぞれ1つのバーナに関連付けられ得、ガス・バーナ19のうちのそれぞれ1つのガス・バーナまでのガスの流れを制御するように構成され得る。バーナ19がチャンバ32を加熱するのに使用され得る。いくつかの実施例では、バーナ19がチャンバ32内に位置することができる。バーナ19がクッキング格子(
図1に示される)の下に配設され得る。第1の弁22の各々が、バーナ19に供給されるそれぞれのガスの流れを調整するために調整可能となり得る。第1の弁22の各々が、制御ノブ16のうちのそれぞれ1つの制御ノブ16を使用して手動で調整され得る。
【0037】
第2の弁24がシステム11内で第1の弁22の上流に位置することができ(燃料リザーバ12と第1の弁22との中間)、第1の弁22を介してバーナ19までガスを制御可能に供給するように構成され得る。第2の弁24及び第1の弁22が、燃料リザーバ12とバーナ19のうちの1つ又は複数のバーナとの間で直列に配設され得る。第2の弁24がチャンバ32の温度を制御するのに使用され得る。第2の弁24がチャンバ32の所望温度を設定するために調整可能となり得る。制御ノブ14(
図1に示される)の位置がチャンバ32の所望温度を示すことができる。第2の弁24が、チャンバ32の所望温度設定及びチャンバ32の実際の温度に基づいて自動で調整可能となり得る。
【0038】
いくつかの実施例では、第2の弁24が、クッキング・チャンバ32の内部などの位置での所望温度を維持するためにガスの流れを制御するために自動で調整可能である温度調整弁となり得る。いくつかの実施例では、第2の弁24が、温度センサ感温部28に動作可能に接続されたキャピラリーチューブ26などの温度感知要素に動作可能に接続され得る。感温部28及びキャピラリーチューブ26が一体に形成されてもよく、又は、互いに動作可能に接続される(例えば、流体連通される)別個の構成要素であってもよい。感温部28又はキャピラリーチューブ26内に収容される適切な流体(例えば、蒸気又は液体)が加熱されるときに膨張することができ、冷却されるときに収縮することができ、感温部28及びキャピラリーチューブ26内の圧力の変化が第2の弁24の開閉を引き起こすことができる。
【0039】
感温部28がガス・グリル10のチャンバ32内に位置することができ、及び/又は、他の手法でチャンバ32の実際の温度に対して露出することができる。感温部28がチャンバ32内の温度に関連する温度を有する別の位置に位置することもできることが理解されよう。いくつかの実施例では、第2の弁24が、キャピラリーチューブ26及び温度感知感温部28を有するキャピラリータイプの温度自動調節弁であってもよい。例えば、第2の弁24が熱膨張弁又はサーモスタット膨張弁(しばしば、TEV、TXV、又はTX弁と略される)として知られる種類であってもよい。第2の弁24が、クッキング・チャンバ32の内部の所望温度を維持するために感温部28が露出しているところの温度の関数として1つ又は複数のバーナ19までの燃料の流れを測定するための測定デバイスとして機能することができる。
【0040】
システム11が、第2の弁24から第1の弁22までガスを分配するためのガス・マニホルド40をさらに有することができる。マニホルド40が、第2の弁24からガスを受けるための入口、並びに、第1の弁22及び関連付けられたバーナ19までガスを送るための複数の出口を有することができる。システム11のマニホルド40及び他のガス・ラインが、例えば、適切な管及び/又はホース並びに取付具を使用して実装され得る。
【0041】
図1~2は4つのバーナ19を有するシステム11を示すが、システム11が、関連付けられた第1の弁22により各々が制御可能にガスを供給される異なる数のバーナ19(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、6つ、又は8つ)を有することができる。
図3が、
図1のガス・グリルのクッキング・チャンバの温度を制御するための別の例示のシステム110の斜視図である。システム110がシステム11の要素に等しい又は類似の要素を有することができ、同様の要素は同様の参照符号を使用して示される。燃料リザーバ12及びバーナ19が概略的に示される。システム110が任意の数のバーナ19を有することができる。例えば、バーナ19が、クッキング・グリル10のクッキング・チャンバ32を加熱するのに使用される主バーナであり得る。
【0042】
システム110が、第2の弁24を迂回し、1つ又は複数の第3の弁30を介して制御され得る、1つ又は複数のバーナ19Gを有することができる。このようなバーナ19Gが、例えば、副バーナ及び/又はクッキング・グリル10の(例えば、後方)ロティサリー・バーナを含むことができる
【0043】
システム110が、第2の弁24の下流に配設され、第2の弁24を介してさらに制御され得る、1つ又は複数のバーナ19Hを有することができる。バーナ19Hが、第1の弁22Hを介しても制御可能となり得る。バーナ19Hがクッキング・チャンバ32の内部に配設され得るが、クッキング・チャンバ32内の異なる位置に配設されてもよい。例えば、バーナ19A~19Fがクッキング格子17の下に配設され得、バーナ19Hが、クッキング格子17の上方に配設された(例えば、後方)ロティサリー・バーナであってよい。1つ又は複数のガス・マニホルド40及び関連付けられたバーナ19が第2の弁24の下流で接続され得、第2の弁24を介して制御可能となり得る。例えば、1つ又は複数の追加のガス・マニホルド40AがT形取付具33を介してガス・マニホルド40に流体連結され得る。
【0044】
図4が、T形取付具33を介してガス・マニホルド40に流体連結された追加のガス・マニホルド40Aを示している、
図3の領域R4の拡大図である。マニホルド40、40Aが、例えばねじ係合又は溶接を介してT形取付具33に連結され得る。
【0045】
図5A~5Dが、それぞれ、例示の第2の弁24の斜視図、上面図、正面図、及び右側面図である。制御ノブ14が、回転可能シャフトであってよいインターフェース38から取り外されている。第2の弁24が、燃料リザーバ12からガスを受けるための入口34、及び、マニホルド40(
図2及び3に示される)に接続された出口36を有することができる。
【0046】
図6が、第2の(例えば、温度自動調節)弁24の例示の内部構成を示している、システム11,110の例示の概略図である。インターフェース38が回転可能であってよく、弁ボディ42又は他の構成要素にねじ係合され得、また第2の弁24のばね44などのアクチュエータに動作可能に連結され得る。ばね44がオリフィス48を開けるか又は閉じるために弁部材46の移動に影響を与えるように機能することができ、リザーバ12からのガスがオリフィス48を通ってマニホルド40へ出力される。制御ノブ14がインターフェース38の回転を引き起こすように調整されると、ばね44の予荷重が、ばね44により弁部材46に加えられる付勢力を調整するようにばね44の圧縮量を調整するために調整され得る。ノブ14の角度位置が感温部28の対応する露出温度及びひいてはチャンバ32の設定された所望温度に合うように較正され得る。制御ノブ14のこの調整が第2の弁24の弁部材46の動作範囲を設定することができる。
【0047】
キャピラリーチューブ26及び/感温部28内に収容される流体が、多様な温度の対しての感温部28の露出により流体の体積の変化並びに/或いはキャピラリーチューブ26及び感温部28内の圧力の変化を引き起こすのを可能にするような、熱膨張係数を有することができる。感温部28がチャンバ32内に配設され得、ガス・グリル10の使用時の昇温状態に露出することができる。感温部28内の流体の温度が上昇することができ、それにより流体の熱膨張を引き起こすことができる。感温部28内の流体の体積が増大すると、流体の一部が強制的にキャピラリーチューブ26の中に入れられ得る。キャピラリーチューブ26内の流体が隔壁50に係合され得、隔壁50が弁部材46に操作可能に連結され得、キャピラリーチューブ26の内部の圧力の変化に反応して弁部材46の作動を引き起こす。隔壁50に作用する力の大きさ及び隔壁50の対応する変位がチャンバ32内の実際の温度に関連し得る。クッキング・チャンバ32の内部の温度の上昇によって引き起こされるキャピラリーチューブ26の内部の圧力の増大が弁部材46を閉位置の方に付勢することができる。
図6の参照では、チャンバ32の内部の温度の上昇が隔壁50により弁部材46を下方に付勢することができ、それにより第2の弁24の入口34と出口36との間に配設されたオリフィス48を閉じる。
【0048】
ばね44が弁部材46に係合され得、隔壁50により弁部材46に加えられる閉じる力に抵抗することができる。言い換えると、ばね44が弁部材46を開位置の方に付勢することができる(例えば、
図6の参照では上方に)。したがって、ばね44及び隔壁50によりばね部材46に加えられる合力が、オリフィス48を基準とした弁部材46の位置を決定することができる。チャンバ32の実際の温度がチャンバ32の所望温度より低い場合、ばね44及び隔壁50により弁部材46に作用する合力が弁部材46を完全な開位置の方に移動させることができ、それによりバーナ19までのガスの流れを増大させることができる。対照的に、チャンバ32の実際の温度がチャンバ32の所望温度より高い場合、弁部材46に作用する合力が閉位置に向かう弁部材46の移動を引き起こすことができ、それによりバーナ19までのガスの流れを減少させることができる。チャンバ32の温度がインターフェース38を介して設定されたチャンバ32の所望温度に等しい状況では、第2の弁24の弁部材に作用する合力がゼロとなり得、第2の弁24の弁部材46を静止状態で維持するという結果になり得る。したがって、第2の弁24が、インターフェース38を介して選択される温度に基づいて、クッキング・チャンバ32の内部の温度を制御するためのフィードバック測定デバイスとして機能することができる。
【0049】
さらなる実施例では、ガス燃焼式クッキング・グリル10が、第1のクッキング・モード(「BBQモード」と称される)及び第2のクッキング・モード(「オーブン・モード」と称される)、の2つのクッキング・モードを有することができる。第1のクッキング・モードが、それらのそれぞれの制御ノブ16に基づいて独立して動作する各バーナ19を用いて稼働する。第2のクッキング・モードでは、バーナ19の少なくとも一部が迂回される。有利には、バーナ19の少なくとも一部を迂回することにより、キャピラリーチューブ26を使用する第2の弁24の自動調整を利用して低温度で安全に稼働することが可能となる。
【0050】
一般に、バーナは最小ガス出力を有し(BTUで測定される)、この最小ガス出力ではバーナがブローアウトを引き起こすことなく安全に動作することができる。ブローアウトでは、炎を維持するのに十分な可燃性ガス出力が存在しない。ブローアウトは特に深刻で危険なものである。その理由は、毒性の可燃性ガスが燃焼なしで出力され続けるからである。この実施例では、迂回可能である第2の弁24を有することによりシステムがバーナの一部に対してのみ自動でガスを提供することが可能となる。これにより、開いている制御ノブ16により過度に多くのバーナ19がガスを受けるような状況、及びそれによりガスが最小ガス出力未満となり、ブローアウトのリスクが生じる状況を危険に許容することなくグリル10が十分に低い温度に達することが可能となる。
【0051】
図7A及び7Bが、
図7Aに示される第1のクッキング・モード及び
図7Bに示される第2のクッキング・モードにおける4つのバーナによるガス燃焼式クッキング・グリル10を示す。示されるように、4つのすべてのバーナ(19Aから19D)が第1のクッキング・モードにおいて動作可能であり、バーナ(1)19A及びバーナ(4)19Cのみが第2のクッキング・モードにおいて動作可能である。
図2を考察するときに示されるバーナ配置構成は本質的に例示であるが、典型的な配置構成を表しており、ここでは、4つのバーナが概して平行に配設され、4つのバーナのうちの2つの内側のバーナが選択的に迂回されるバーナであり、それにより良好な熱分配が得られる。
【0052】
図8Aが、第1のクッキング・モードにおける、実施例による、ガス・グリルのクッキング・チャンバの温度を迂回可能に制御するためのシステムの概念図を示しており、ここでは供給ガスが第2の弁700(キャピラリータイプの弁)に供給され、第2の弁700が本明細書で説明されるように第1の弁(16Aから16D)を介してガスを各々の4つのバーナ(19Aから19D)まで経由させる。
図8Bが、第2のクッキング・モードにおけるシステムの概念図を示しており、ここでは、供給ガスが第2の弁700に提供され、第2の弁700が第1の弁(16A及び16D)を介してガスを第1のバーナ19A及び第4のバーナ19Dのみまで経由させる。
【0053】
図9が本実施例による第2の弁700の斜視図を示している。可燃性ガス吸入口706がガス源からガスを受ける。第2の弁700が、ポート(3)702に接続されたホースを用いてバーナ(3)19Cに接続され、ポート(2)704に接続されたホースを用いてバーナ(2)19Bに接続される。第2の弁700が、例えばマニホルドを介して、ポート(1)708を通してバーナ(1)19A及びバーナ(2)19Dに接続される。
【0054】
第2の弁700が制御ノブを受けるための弁ステム710を有する。弁ステム710が、第1のクッキング・モードと第2のクッキング・モードとの間で選択を行うために、またいくつかの事例ではチャンバ32の所望温度を設定するために、使用される。第2の弁700が、温度センサ感温部712に動作可能に接続されたキャピラリーチューブ714をさらに有する。感温部28及び/又はキャピラリーチューブ26内に収容された適切な流体(例えば、蒸気又は液体)が加熱されるときに膨張することができ、冷却されるときに収縮することができ、感温部28及びキャピラリーチューブ26内の圧力の変化が第2の弁700の開閉を引き起こすことができ、それによりガスを第1のバーナ19A及び第4のバーナ19Dまで経由させるのをそれぞれ選択的に可能にするか又は停止する。
【0055】
図10Aが、第1のクッキング・モードにおける第2の弁700の正面断面図である。示されるように、ガスがガス吸入口706のところで受け入れられ、ガスが弁ボディ716及び弁ステム710の間に形成された第1のチャンネル718を通るように経由させられる。この構成では、第1のチャンネル718がポート(3)702及びポート(2)704に連通される。
【0056】
図10Bが、第2のクッキング・モードにおける第2の弁700の正面断面図である。示されるように、弁ステム710が回転して部分720のところで遮断されていることで、第1のチャンネル718がポート(3)702及びポート(2)704に連通されなくなる。
【0057】
図11が弁ステム710の斜視図を示している。弁ステムが、制御ノブをその上で受けるための端部分730を有する。弁ステム710が3つのチャンネルを画定する。第1のチャンネル718が、第1のクッキング・モードにおいてガスをポート(3)702及びポート(2)704まで経由させるための経路を提供する。第2のチャンネル732が、第1のバーナ19A及び第4のバーナ19Dのための燃料を提供するために、第1のクッキング・モードにおいてガスをポート(1)708まで経由させるための経路を提供する。第3のチャンネル734が、キャピラリー弁が開いているときに第1のバーナ19A及び第4のバーナ19Dのための燃料を供給するために、並びに、キャピラリー弁が閉じているときに第1のバーナ19A及び第4のバーナ19Dへの燃料を停止するために、第2のクッキング・モードにおいてガスをポート(1)708まで経由させるための経路を提供する。
【0058】
図12A及び12Bが、第1のクッキング・モード中である第2の弁700のそれぞれ上面部分断面図及び側面部分断面図を示している。この構成の弁ステム710の回転が、最終的にガスをポート(3)702及びポート(2)704まで経由させる経路に第1のチャンネル718を連通させ、最終的にガスをポート(1)708まで経由させる経路に第2のチャンネル732を連通させる、ことを示している。対して第3のチャンネル734が吸入ガスを一切受けないように遮断されている。
【0059】
図12Bが、第2のクッキング・モード中である第2の弁700の部分側面断面図を示している。この構成の弁ステム710の回転が、最終的にガスをポート(3)702及びポート(2)704まで経由させる経路に第1のチャンネル718を連通させ、最終的にガスをポート(1)708まで経由させる経路に第2のチャンネル732を連通させる、ことを示している。対して第3のチャンネル734が吸入ガスを一切受け取らないように遮断されている。
【0060】
図12Cが、第2のクッキング・モード中である第2の弁700の部分側面断面図を示している。この構成の弁ステム710の回転が第1のチャンネル718及び第2のチャンネル732を遮断することを示しており、その結果、吸入ガスが流れて通過することができない。第3のチャンネル734が、最終的にポート(1)708に連通されるキャピラリー弁部分740を通るように吸入ガスを経由させる経路に連通される。キャピラリー弁部分740が、キャピラリーチューブ714内の膨張流体からの圧力がクッキング・グリル内の所望温度に関連付けられた値に達するときに、ポート(1)708までのガスの流れを閉じるばね式ピストン742を有する。弁ステム710の回転が多様なばね荷重を実現し、したがって、クッキング・グリル内の多様な所望温度に結びつく多様な圧力を実現する。別の事例では、キャピラリー弁部分740が、第1の弁16を通過することなく第1のバーナ19A及び第4のバーナ19Dに直接に接続された別のポートを経由させられ得る。
【0061】
いくつかの事例では、第2の弁700が、天然ガス及びプロパンなどの異なるガス吸入源の間で選択を行うための弁ステム710内にある別のチャンネルをさらに有することができる。チャンネルが別の弁システムに基づいて開けられたり又は閉じられたりされ得る。
【0062】
上記の実施例は、例示を目的として、第1のクッキング・モードにおいて4つのバーナが動作可能であり、第2のクッキング・モードにおいて2つのバーナが動作可能であるような、4つのバーナによるクッキング・グリルを説明するものであるが、第2のクッキング・モードにおけるバーナの数が適切な安全であるガス出力レベル未満に達しない限りにおいて、任意適切な数及び配置構成のバーナが使用され得ることが理解されよう。
【0063】
本文献で説明される実施例は本技術の可能な実装形態の非限定の実例を提供する。本開示を読むことにより、本技術の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明される実施例に対して変更形態が作られ得ることを当業者であれば認識するであろう。例えば、システム及び方法はガス燃焼式クッキング・グリルに関連して説明されるが、本明細書で説明されるシステム及び方法が、ガス燃焼式薫製装置、ガス燃焼式ヒータ、又はガス燃焼式暖炉などの、他のガス燃焼式器具にも適用可能であることが理解されよう。システム11のいくつかの実施例を動作させるのに電源が必要ではないことを理由として、いくつかの実施例におけるシステム11の種々の態様の手動及び機械式の制御が有利である可能性がある。しかし、第1の弁22及び/又は第2の弁24が電気モータ/アクチュエータを介して電気的に動作させられ得、制御盤又はディスプレイなどの適切なユーザ・インターフェースを介して制御可能となり得ることが理解されよう。デジタル温度制御装置及び例えば熱電対又はサーミスタなどの温度感知手段を有する他のフィードバック制御構成内に第2の弁24が実装され得ることが理解されよう。本開示を考慮して当業者により別の修正形態が実装され得、この修正形態は本技術の範囲に入ることになる。
【0064】
特定の具体的な実施例を参照して上記を説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、これの種々の修正形態が当業者には明らかになろう。
【国際調査報告】