(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】血液処置デバイスの設定を規定するためのコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20240125BHJP
A61M 1/14 20060101ALI20240125BHJP
A61M 1/34 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61M1/16 110
A61M1/14 100
A61M1/14 110
A61M1/34 125
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546525
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2022052278
(87)【国際公開番号】W WO2022167394
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】102021102333.5
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501276371
【氏名又は名称】フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】521565486
【氏名又は名称】フレセニウス・メディカル・ケア・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーロー、ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】クレビンハウス、ユルゲン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077BB02
4C077EE01
4C077EE02
4C077EE03
4C077EE04
4C077HH03
4C077HH13
(57)【要約】
本発明は、コンピューティングデバイス(5)および表示デバイス(500)を有する、血液処置デバイス(100)の設定を規定するためのコンピュータシステム(1)に関する。表示デバイスは、血液処置デバイス(100)を用いて患者に処置を施すための目標処置パラメータ(522)のデフォルト、ならびにユーザが目標処置パラメータ(522)のデフォルト値を変更することを可能にする、任意選択のスイッチ(521、523)を有する第1の入力インターフェース、および/もしくはユーザが血液処置デバイス(100)を用いた患者の処置のための処置指定を入力することを可能にする第2の入力インターフェース(540)を表示するようにプログラムされる。この場合、本コンピュータシステム(1)は、血液処置デバイス(100)の技術的パラメータの出力のための第1の出力インターフェース(530)をさらに備える。コンピューティングデバイス(5)は、血液処置デバイス(100)のための技術的パラメータを決定し、第1の出力インターフェース(530)を用いて、血液処置デバイス(100)の動作のための決定された技術的パラメータを出力するようにプログラムされる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液処置装置の調整可能な設定を指定するためのコンピュータシステムであって、
- 計算デバイスと、
- 前記血液処置装置を使用して施される患者の処置のための事前設定された目標処置パラメータおよびユーザによって前記目標処置パラメータの前記事前設定値を変更するためのスイッチを任意選択的に有する第1の入力インターフェースを表示し、ならびに/または前記血液処置装置を使用した患者の処置のための処置指定を前記ユーザによって入力するための第2の入力インターフェースを有するように構成またはプログラムされた表示デバイスと、
を有し、
前記コンピュータシステムは、
- 前記血液処置装置の技術的パラメータ値を出力するための第1の出力インターフェースをさらに備え、
前記計算デバイスは、
- それぞれ、前記第1の入力インターフェースもしくはそのスイッチを介した、および/または前記第2の入力インターフェースによる、前記変更された目標処置パラメータ値または入力された処置指定に基づいて、前記血液処置装置の技術的パラメータ値を決定することと、
- 前記第1の出力インターフェースを介して、前記血液処置装置の動作のための前記決定された技術的パラメータ値を出力することと、
を行うようにプログラムされている、コンピュータシステム。
【請求項2】
- 前記第1の入力インターフェースの前記スイッチは、作動されると、目標処置パラメータとしての腎用量の目標値を減少または増加させるようにプログラムされている、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
- 前記第2の入力インターフェースは、作動されると、入力された処置指定としての酸/塩基補正を開始するようにプログラムされている、
請求項1または2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記第1の出力インターフェースは、前記ユーザのための光学インターフェースまたはグラフィックインターフェースであるか、またはそれを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記第1の出力インターフェースは、前記血液処置装置の制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスとのインターフェースであるか、またはそれを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記表示デバイスを介して第2の出力インターフェース内で前記ユーザに処置関連の患者データを表示するための前記第2の出力インターフェースを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
第3の出力インターフェース内で酸/塩基補正のためのグラフィックを前記ユーザに表示するようにプログラムまたは構成された前記第3の出力インターフェースを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記グラフィックは、選択可能な組合せからの、調整可能な設定、特に、血液ポンプの流量および透析液体ポンプの流量の組合せを有する曲線を包含するか、またはそれからなる、請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記コンピュータシステムは、モバイルデバイス、ハンドヘルドデバイス、モバイルフォン、スマートフォン、タブレット、固定のコンピュータ端末、特に集中治療室および/または中央監視室などにあるデスクトップコンピュータであるか、またはこの目的に好適なアプリケーションである、もしくはそれを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記計算デバイスによって決定される前記技術的パラメータ値は、前記血液ポンプの調整可能な設定および前記透析液体ポンプの調整可能な設定であるか、またはそれらを包含する、請求項1~9のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムは、前記血液処置装置の制御デバイスもしくは閉ループ制御デバイスまたはその一部であるか、これを備えるか、またはそれと信号通信する、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスは、前記ユーザによって変更された目標処置パラメータまたは前記ユーザによって入力された処置指定に基づく、前記計算または決定された調整可能な設定、特に技術的パラメータとしての血液ポンプの流量および透析液体ポンプの流量に基づいて、血液ポンプおよび透析液体ポンプを備える前記血液処置装置を制御または調節するようにプログラムされている、請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータシステムを備える、透析装置として設計された血液処置装置。
【請求項14】
血液透析装置、血液濾過装置、または血液透析濾過装置として、特に急性の長期腎代替療法または持続的腎代替療法(CRRT)のための装置として設計されている、請求項13に記載の血液処置装置。
【請求項15】
- 透析装置として設計された1つまたは複数の血液処置装置と、
- 請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータシステムと、
を備え、またはそれらからなり、
前記1つまたは複数の血液処置装置および前記コンピュータシステムは、互いに分離している、システム。
【請求項16】
医療用処置装置を使用して実施される患者の次回の処置または処置セッションを準備するための方法であって、
- 本発明に係るコンピュータシステム、本発明に係る血液処置装置、もしくは本発明に係るシステムを提供すること、または既に提供されているそのような構成要素を使用することと、
- 前記ユーザによって前記第1の入力インターフェースを作動させることによって前記目標処置パラメータの前記事前設定値を変更すること、および/または前記第2の入力インターフェースを作動させることによって処置指定を入力することと、
- 前記目標処置パラメータの前記事前設定値の前記変更または前記処置指定の前記入力に基づいて前記計算デバイスによって計算または決定された前記血液ポンプおよび前記透析液体ポンプの前記調整可能な設定を、任意選択的に前記表示デバイスの前記第1の出力インターフェースを介して表示または出力すること、および/または処置関連の患者パラメータを、任意選択的に前記第2または第3の出力インターフェースを介して出力することと、
- 任意選択的に、前記表示された変更を前記ユーザによって前記表示デバイス上のボタンを介して確認または否認することと、
- 任意選択的に、前記確認された変更の前記血液ポンプについての前記計算または決定された調整可能な設定および前記透析液体ポンプについての前記計算または決定された調整可能な設定を前記血液処置装置の前記制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスに送信することと、
- 任意選択的に、前記ユーザによって開始された前記目標処置パラメータの前記値の変更または処置指定の前記入力に基づく前記血液ポンプまたは前記透析液体ポンプについての前記計算または決定された調整可能な設定を使用して、前記制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスを介して前記血液処置装置を好ましくは自動的に制御または調節することと、
を行うステップを備える、方法。
【請求項17】
従来のコンピュータシステムが請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータシステムへと再プログラムされるように、プログラム可能なコンピュータシステムと相互作用するように設計された電子的に読み取り可能な制御信号を有する、特にディスケット、CD、またはDVD、EPROM、FRAM、またはSSDの形態のデジタル記憶媒体。
【請求項18】
従来のコンピュータシステムが請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータシステムに再プログラムされるように、プログラム可能なコンピュータシステムと相互作用するための機械読取り可能キャリア上に記憶されたプログラムコードを有する、または信号波としての、コンピュータプログラム製品。
【請求項19】
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、従来のコンピュータシステムを請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータシステムへと再プログラムするためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のコンピュータシステム、請求項13に記載の血液処置装置、請求項15に記載のシステム、および請求項16に記載の方法に関し、さらに、請求項17に記載のデジタル記憶媒体、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品、および請求項19に記載のコンピュータプログラム、または各場合におけるそれらの請求項のプリアンブルまたは一般的用語に記載のものに関する。
【背景技術】
【0002】
血液処置を目的として、可変の処置パラメータについての調整可能な設定が、ユーザ、例えばクリニックスタッフによって、この目的のために使用される血液処置装置に入力される。ユーザは、手動入力により、例えばスクリーン(タッチスクリーン)上の入力インターフェースなどを介して、または入力に好適な他のインターフェース上で、そのような調整可能な設定の変更を開始することができる。
【0003】
透析処置における腎用量(renal dose)などの所定の処置ゴールまたは目標を達成するには、そのうちのいくつかが互いに相互作用する複数の調整可能な設定をユーザが決定または変更する必要があり得るので、血液処置装置を設定することは、要求が厳しく、また誤りやすい行動であり得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、ユーザが血液処置装置の調整可能な値を設定するのを支援するためのコンピュータシステム、さらに本発明に係るコンピュータシステムを備える血液処置装置、およびシステムを提案することであり得る。さらに、デジタル記憶媒体、コンピュータプログラム製品、およびコンピュータプログラムを提案することを意図している。
【0005】
本発明に係る目的は、請求項1の特徴を有するコンピュータシステムによって解決することができる。さらに、本発明に係る目的は、請求項13の特徴を有する血液処置装置、請求項15の特徴を有するシステム、および請求項16の特徴を有する方法によって解決することができる。さらに、本発明に係る目的は、請求項17の特徴を有するデジタル記憶媒体、請求項18の特徴を有するコンピュータプログラム製品、および請求項19の特徴を有するコンピュータプログラムによって解決することができる。
【0006】
本発明によれば、血液処置装置の調整可能な設定を決定するためのコンピュータシステムが提案される。
【0007】
コンピュータシステムは、血液処置装置から分離していてもよいし、血液処置装置に接続されてもよいし、または血液処置装置と信号通信してもよい。
【0008】
コンピュータシステムは、計算デバイスおよび表示デバイスを備える。後者は、GUI(グラフィカルユーザインターフェース)の形態であってよく、および/または本明細書ではユーザインターフェースと呼ばれる場合もある。
【0009】
表示デバイスは、事前設定された目標処置パラメータを表示するようにプログラムされる。目標処置パラメータの事前設定値は、例えば、血液処置装置を使用した患者の進行中の処置または予定される処置の所望の目標値、および/または、例えば腎用量などの処置のパラメータであり得る。
【0010】
さらに、表示デバイスまたはコンピュータシステムは、第1の入力インターフェースを備え、これを介して任意選択的に、例えば、目標処置パラメータの事前設定値が、ユーザによって、例えば、表示デバイスの入力インターフェースまたは任意選択的にそのスイッチ、ボタンなどを介した手動操作によって変更され得る。
【0011】
事前設定された目標処置パラメータを表示するようにプログラムされること、および第1の入力インターフェースを備えることに加えて、またはその代わりに、表示デバイスまたはコンピュータシステムは、血液処置装置を使用した患者の処置のための処置指定をユーザが入力するための第2の入力インターフェースを備え得る。処置指定とは、単に例として、処置されているまたは処置される患者の酸塩基平衡の所望の補正の問題に関連し得る。
【0012】
コンピュータシステムはさらに、第1の出力インターフェースを備える。出力インターフェースは、血液処置装置の少なくとも1つの技術的パラメータ値を出力するために使用される。
【0013】
計算デバイスは、第1の入力インターフェースを介して変更された目標処置パラメータの値に基づいて、および/または第2の入力インターフェースを介して入力された処置指定に基づいて、血液処置装置の少なくとも1つの技術的パラメータ値を決定または割り当てるようにプログラムされる。
【0014】
さらに、計算デバイスは、第1の出力インターフェースを介して、血液処置装置の動作のために決定または割り当てられた技術的パラメータ値を出力するようにプログラムされる。
【0015】
計算デバイスは、好ましくは、信号通信して、または信号通信に備えて、表示デバイスおよび/または入力インターフェースに接続される。
【0016】
本発明に係る血液処置装置は、好ましくは本発明に係るコンピュータシステムを備える透析装置として設計される。
【0017】
本発明に係るシステムは、1つまたは複数の血液処置装置および本発明に係るコンピュータシステムを備えるか、またはそれらからなる。
【0018】
それによって血液処置装置は、好ましくは透析デバイスとして設計される。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の血液処置装置およびコンピュータシステムは、互いに分離している。「互いに分離している」という用語は、本明細書において、例えば、空間的、物理的分離、および/または血液処置装置とコンピュータシステムとの間に信号通信がないという点での分離を含み得る。他の実施形態では、処置装置(単数または複数)およびコンピュータシステムは、互いに信号通信する。
【0020】
好ましくは患者の次回の処置または処置セッションを、代替的に医療用処置装置を使用して行われる処置セッション中に準備するための本発明に係る方法は、
- 本発明に係るコンピュータシステム、本発明に係る血液処置装置、もしくは本発明に係るシステムを提供すること、または既に提供されているそのような構成要素を使用することと、
- ユーザによって第1の入力インターフェース、すなわちそのスイッチ、ボタンなどを作動させることによって目標処置パラメータの事前設定値を変更すること、および/または第2の入力インターフェースを作動させることによって処置指定を入力することと、
- 目標処置パラメータの事前設定値の変更または処置指定の入力に基づいて計算デバイスによって計算または決定された血液ポンプおよび透析液体ポンプの調整可能な設定を、任意選択的に表示デバイスの第1の出力インターフェースを介して表示または出力すること、および/または処置関連の患者パラメータを、任意選択的に第2または第3の出力インターフェースを介して出力することと、
- 任意選択的に、表示された変更をユーザによって表示デバイスのボタンを介して確認または否認することと、
- 任意選択的に、確認された変更の血液ポンプについての計算または決定された調整可能な設定および透析液体ポンプについての計算または決定された調整可能な設定を血液処置装置の制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスに送信することと、
- 任意選択的に、計算または決定された値を使用して、例えば、血液ポンプ(101)および透析液体ポンプの調整可能な設定を使用して、制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスを介して血液処置装置を好ましくは自動的に制御または調節することと、
を行うステップを備える。
【0021】
本発明に係るデジタル、特に不揮発性記憶媒体は、特に電子的または光学的に読み取り可能な制御信号を有する、特に機械読取り可能キャリアの形態、特にディスケット、CD、DVD、EPROM、FRAM(登録商標)(Ferroelectric RAM)、またはSSD(Solid-State-Drive)の形態であり、プログラム可能なコンピュータシステムと相互作用して、従来のコンピュータシステムが、例えばそのメモリコンテンツがプログラム可能なコンピュータシステム上で実行されたときに、本発明に係るコンピュータシステムとなるようにプログラムされるように設計される。
【0022】
本発明に係るコンピュータプログラム製品は、揮発性もしくは一時的なプログラムコードまたは機械読取り可能キャリア上に記憶されたものまたは信号波を備え、コンピュータシステムのプログラム可能なコンピュータ構成と相互作用して、コンピュータシステムが、本発明に係るコンピュータシステムとなるように再プログラムされ得るように構成される。
【0023】
コンピュータプログラム製品は、例えば、本発明によれば、媒体に記憶されたコンピュータプログラム、コンピュータプログラムを有する包括的システムである組込みシステム(例えばコンピュータプログラムを有する電子デバイス)、コンピュータ実装のコンピュータプログラムのネットワーク(例えば、クライアント/サーバシステム、クラウドコンピューティングシステムなど)、またはコンピュータプログラムがロード、実行、記憶、実施、または展開されるコンピュータとして理解することができる。
【0024】
本明細書で使用される「機械読取り可能キャリア」という用語は、本発明の特定の実施形態では、ソフトウェアおよび/またはハードウェアによって解釈可能なデータまたは情報を含むキャリアを指す。キャリアは、例えば、ディスケット、CD、DVD、USBスティック、フラッシュカード、またはSDカードなどのデータキャリア、および本明細書で言及される他の任意のストレージまたは本明細書で言及される他の任意の記憶媒体であり得る。
【0025】
本発明によれば、コンピュータプログラム製品は、例えば、特にスマートフォン、タブレット、または別のモバイルハンドヘルドデバイス用のプログラムされたアプリケーション(略称アプリ)と理解してもよい。
【0026】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータプログラムが対応するコンピュータシステム上で実行されている場合に、従来のコンピュータシステムが本発明に係るコンピュータシステムに再プログラムされ得ることを開始するためのプログラムコードを備える。本発明によれば、コンピュータプログラムは、例えば、プログラムを備える物理的な配布可能なソフトウェア製品を意味するととらえることができる。
【0027】
上記または下記のすべてにおいて、「~であり得る」または「~を有し得る」などの表現の使用は、それぞれ「好ましくは~である」または「好ましくは~を有する」などと同義に理解するべきであり、本発明に係る実施形態の例示を意図している。
【0028】
本発明に係る実施形態は、上述および以下の特徴のうちの1つまたは複数を備え得る。ここにおいて、本明細書に記載の特徴は、いずれの組合せでも、当業者が特定の組合せが技術的に不可能であると認識しない限り、本発明に係る実施形態の主題であり得る。
【0029】
さらに本発明に係る実施形態は、従属請求項に記載の主題である。
【0030】
本明細書で数値語が言及される場合は常に、当業者はそれらを数値の下限値の指標として認識または理解するものとする。当業者を明らかな矛盾に導かない限り、当業者は、例えば「1つ」という指定が「少なくとも1つ」を包含するものとして理解するものとする。この理解はまた、当業者にとって明らかに技術的に可能である場合は常に、数値語、例えば「1つ」が代替的に「正確に1つ」を意味する場合があるという解釈として、本発明に同等に包含される。両方の理解が本発明に包含され、本明細書では使用されるすべての数値語に適用される。
【0031】
適用性または方法ステップが本明細書に記載されている場合は常に、本発明は、好ましくは、特に本発明にしたがって好適な装置またはその一部分の対応するプログラムまたは構成を行うことも包含する。
【0032】
本発明に係る主題が、特定の実施形態において1つまたはいくつかの特徴を備えることが本明細書において開示されるとき、本発明に係る主題が、例えば免責事項の意味で、同様に本発明に係る他の実施形態では、その1つまたはいくつかの特徴を明示的に備えないことも本明細書においてそれぞれ開示される。そのため、本明細書に記載のすべての実施形態について、例えば否定として策定される逆の実施形態も開示されることが適用される。
【0033】
本明細書に一実施形態が記載されている場合は常に、それは本発明に係る例示的な一実施形態である。
【0034】
「上部」および「下部」という記述は、ここでは、不確かな場合、関連する構成要素の、その意図された使用中の配向に関連する、絶対的または相対的な空間指標として当業者は理解するべきである。
【0035】
本明細書で事前設定値またはデフォルトの調整可能な設定に言及する場合は常に、これは、最後に調整された値、提案された値、表示された値、またはデフォルト設定であると理解することができる。工場設定値またはサービス技術者によって設定される値は、ここでは任意選択であり、必須ではない。
【0036】
第1および/または第2の入力インターフェースの各々は、対応して設計されたタッチスクリーン、ロータリスイッチ、スライダ、またはキーボードなどであってもよいし、またはそれを包含してもよい。
【0037】
第1の入力インターフェースおよび第2の入力インターフェースは同一であってもよく、すなわち、1つのみの共通の入力インターフェースによって実現されていてもよい。代替として、それらは互いに異なっていてもよいし、および/または独立していてもよい。
【0038】
血液処置装置の構成要素、例えば血液ポンプおよび/または透析液体ポンプの調整可能な設定を決定または計算するときに、表示デバイス上に読み込み可能な目標処置パラメータの事前設定値に対して行われる変更または処置指定の入力を考慮に入れることは、例えば補助テーブルなどからのさらなるパラメータ値を含むことができる例えば既知のアルゴリズムに基づいて達成することができる。これらのアルゴリズムおよび/またはさらなるパラメータ値(ならびに後者に属するさらなる調整可能な設定)は、例えば、コンピュータシステムの記憶デバイスに記憶され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、目標処置パラメータの変更された値または入力された処置指定は、ユーザによって能動的に確認または否認され得る。このための好適な入力オプション、例えば、保存ボタンまたはキャンセルボタンが設けられ得る。
【0040】
確認は、単に「OK」ボタンなどの押下であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、確認には、調整可能な設定のタイピング、入力、複数のオプションからの選択なども、さらには暗算も伴わない。
【0042】
目標処置パラメータおよび/または処置指定は、好ましくは、血液処置装置を用いてその時点で処置されている特定の患者、または血液処置装置を用いた血液処置セッションが近い将来予定されている特定の患者に関連している。
【0043】
腎用量とは、一方では排液流量または濾液流量と他方では患者の体重との商として定義され得る。
【0044】
排液流量を決定するとき、治療のタイプに依存して、種々の流量(例えば、透析液流量、透析液体流量、置換流体流量、カルシウム流量、クエン酸塩流量、正味限外濾過量)を考慮に入れる必要があり得る。
【0045】
腎用量は、例えば、目標腎用量(TRD)または有効腎用量(RRD)であり得る。
【0046】
目標腎用量(TRD)は、例えば、以下の式を使用して計算することができる。
【数1】
ここで、以下が適用される。
BF…血流量または血液流量
DF…透析液体流量または透析液体の流量
NFRF…正味流体引出し流量または正味流体引出しの流量
m…患者の体重
PostDF…後希釈流量または後希釈の流量
PreDF…前希釈流量または前希釈の流量
【0047】
有効腎用量(RRD)は、治療期間tに応じて、以下の式を使用して計算することができる。
【数2】
ここで、以下が適用される。
BV…処理される血液量
DV…透析液体量
NFRV…正味流体引出し量
m…患者の体重
PostDV…後希釈量
PreDV…前希釈量
【0048】
本発明に係るコンピュータシステムのいくつかの実施形態では、第1の入力インターフェースは、作動されると、目標処置パラメータとしての腎用量の目標値を減少または増加させるようにプログラムされる。これらの実施形態では、表示デバイスは、腎用量の事前設定値を表示し、好ましくはユーザによって行われた変更も表示する。
【0049】
いくつかの実施形態では、第2の入力インターフェースは、作動されると、入力された処置指定としての酸/塩基補正を開始または送信するようにプログラムされる。
【0050】
表示デバイスは、好ましくは、変更の影響を、例えば、第1の出力インターフェースでは、特に血液処置装置の関与するポンプの技術的流量の指標として、および/または第2の出力インターフェースでは、血清中の(処置セッションの終了時の)予想される重炭酸塩濃度として、両方とも数値的に出力することができ得る。さらに、例えば第3の出力インターフェースにおいて、グラフィックにおいて強調表示された変更の影響を出力することができる。
【0051】
特定の実施形態では、処置指定、特に酸/塩基の偏りが、その影響、その程度、その量または質などに関してどのように調整されるかに関してユーザをガイドするために使用することができる、例えばバーの形態の状態表示も存在する。状態表示のグラフィカル表現は、好ましくは、ユーザが処置指定を迅速に識別することを可能にする働きをする。例えば、バーが、ウィンドウ、フレーム、バー表示領域の比較的高いところにある場合、代謝性アシドーシスの比較的顕著なまたは強い補正であることを意味する。バーが中央にある場合、アシドーシスまたはアルカローシスは長期的に正常化される。一方、バーが比較的下のところに表示される場合、代謝性アルカローシスの強い補正の可能性が高い。このコンテキストでの強い補正とは、例えば、速いまたは高い用量を意味する。補正の強さまたは速さは、例えば、患者の体重および/または他の決定要因を参照して、患者に処置を施す者の裁量による。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の出力インターフェースは、好ましくは、ユーザのための光学インターフェースもしくはグラフィカルインターフェースであるか、またはそのようなインターフェースを備える。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1の出力インターフェースは、血液処置装置の制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスとの共通インターフェースであるか、またはそれを備える。
【0054】
いくつかの実施形態では、本発明に係るコンピュータシステムまたはその表示デバイスは、第2の出力インターフェースを有し、これを介して処置関連の患者データをユーザに出力、特に表示する。
【0055】
特定の実施形態において、第2の出力インターフェースは、第1の出力インターフェースと同様または同一に設計および/または構成され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、処置関連の患者データまたはさらなるパラメータ値は、処置のためまたは処置中の所望の抗凝固、特にクエン酸塩カルシウム抗凝固を考慮するまたはそれに関連するものである。
【0057】
いくつかの実施形態では、処置関連の患者データまたはさらなるパラメータ値は、検査結果および/または血液処置装置の他の設定、特に処置されるまたはその時点で処置されている患者の血液処置セッションに関する処置モードなどを考慮するまたはそれに関連するものである。
【0058】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、第3の出力インターフェース内で酸/塩基補正グラフをユーザに表示するようにプログラムまたは構成された第3の出力インターフェースを備える。
【0059】
いくつかの実施形態では、グラフは、選択可能な組合せの、特に、血液ポンプの流量および透析液体ポンプの流量についての調整可能な設定の組合せの曲線を備えるか、またはそれからなる。
【0060】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、モバイルデバイス、ハンドヘルドデバイス、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットなどのうちの少なくとも1つであるか、またはそれを備える。
【0061】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、固定のコンピュータ端末、デスクトップコンピュータなどであるか、または少なくとも1つのそのようなデバイスを備える。これらの実施形態では、それは、例えば、中央監視室、特に集中治療室に設けられ得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、そのようなモバイルデバイスまたは他のデバイス上にロードされ得るか、またはそのようなデバイス上に記憶されるか、実行可能であるか、または動作することになるもしくは動作するコンピュータプログラムまたはアプリケーション(略称アプリ)を備える。
【0063】
いくつかの実施形態では、計算デバイスによって決定される技術的パラメータ値は、血液ポンプの調整可能な設定および透析液体ポンプの調整可能な設定であるか、またはそれらを包含する。換言すれば、これらの実施形態では、計算デバイスは、それぞれ目標処置パラメータの事前設定値の変更に基づいてまたは処置指定の入力によって決定または計算された血液ポンプの調整可能な設定および透析液体ポンプの調整可能な設定を、ユーザが、第1の出力インターフェースを用いて、技術的パラメータ値として、もしくはその一部として確認応答するために、表示デバイスを介して表示または別様に出力するようにプログラムされる。
【0064】
いくつかの実施形態では、本発明に係るコンピュータシステムは、血液処置装置の制御デバイスもしくは閉ループ制御デバイスまたはその一部であるか、またはそれと信号通信する。
【0065】
本明細書で2つの構成要素間の信号接続または通信接続に言及している場合、これは、使用時に既に存在する接続を意味すると理解してよい。例えば2つの構成要素を結合することによって、例えばペアリングなどによって、そのような信号通信(有線、ワイヤレス、または別様に実装される)の備えがあることも意味し得る。
【0066】
ペアリングとは、通信の目的でコンピュータユニット間に初期リンクを確立するためにコンピュータネットワークのコンテキストで行われるプロセスであると理解される。これの最もよく知られた例には、Bluetooth(登録商標)接続の確立があり、これにより種々のデバイス(例えば、スマートフォン、ヘッドフォン)が互いに接続される。ペアリングは、ボンディングと呼ばれるときもある。
【0067】
本発明によれば、いくつかの実施形態では、本発明に係るコンピュータシステムを、血液処置装置の制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス内に実装することが提供され得、それによって血液処置装置が本発明に係る血液処置装置に構成される、または構成されることになる。これらの実施形態では、血液処置装置の既に存在する入力インターフェースおよび出力インターフェースならびに計算デバイスを、有利なことに本発明に係るコンピュータシステムを実装するために使用することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、サーバベースのソリューションであってもよいし、またはそれを備えてもよく、ここにおいて、ユーザは、本発明に係る方法のステップを実行または開始するために、サーバ上で実行されるプログラムを、例えばウェブサイトを介して呼び出し得る。したがって、コンピュータシステムは、任意選択的にサーバを備え得る。それは、サーバと通信するようにセットアップされた、ユーザインターフェースおよび/またはコンピュータ、モバイルフォン、またはタブレットなどのユーザ端末を備え得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスは、技術的パラメータとしての、ユーザによって変更された目標処置パラメータまたはユーザによって入力された処置指定の血液ポンプおよび透析液体ポンプの計算または決定された調整可能な設定に基づいて、血液ポンプおよび透析液体ポンプを備える血液処置装置を制御または調節するようにプログラムされる。
【0070】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムの計算デバイスは、既存のまたはさらなる入力インターフェースを介して血液処置セッションのためのさらなる(関連する)パラメータ値を取得することができるようにプログラムされる。代替的に、さらなるパラメータが、例えば、この目的のために提供される記憶媒体から読み込まれ得る。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、既存のまたはさらなる出力インターフェース内にさらなるパラメータ値を表示するようにプログラムされる。有利なことに、計算デバイスは、関与する血液処置装置ポンプの調整可能な設定を決定するときに、これらのパラメータ値を考慮に入れるように構成され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムの計算デバイスは、選択された組合せの血液ポンプの調整可能な設定および透析液体ポンプの調整可能な設定を、表示デバイスを使用した確認応答のためにユーザに表示すること、および/またはそれらを、出力インターフェースを介して、例えば血液処置装置の制御デバイスまたは閉ループ制御デバイスに出力することを行うようにプログラムされる。
【0072】
いくつかの実施形態では、出力インターフェースおよび表示デバイスは同一であってもよい。したがって、出力インターフェースを介した出力は、表示デバイスを介した表示であってもよいし、逆もまた同様である。
【0073】
いくつかの実施形態では、本発明に係るコンピュータシステムは、腎用量の目標値などの目標処置パラメータの事前設定値および/または本明細書に記載のポンプ、例えば血液ポンプ、透析液体ポンプ、置換流体ポンプ、カルシウムポンプ、クエン酸塩ポンプ、ヘパリンポンプ、ならびに/もしくは他のポンプの実際の流量または調整可能な設定を示す値を、例えば上述の出力インターフェースのうちの少なくとも1つを介して出力するようにプログラムされる。
【0074】
コンピュータシステムは、これらの値を、例えばロジスティクスシステムおよび/または会計システムに転送するようにプログラムされ得る。コンピュータシステムの外部にあり得るが本発明に係るシステムの一部であり得るロジスティクスシステムおよび/または請求システムは、次に配送フロー、注文、および消費量などを監視、記録、記憶、発行、インボイス作成、および/または別様に処理するようにプログラムされ得る。そのため、ロジスティクスシステムは、コンピュータシステムによって送信された値を使用して、血液処置セッション中に消費された流体、例えばクエン酸塩溶液、透析液体などの再注文と、血液処置が行われたクリニックへの配送とを開始するように構成され得る。請求システムは、コンピュータシステムによって送信された値を使用して、血液処置セッションに関連してクリニックによって提供されたサービスについて請求するように設計され得る。例えば、目標処置パラメータの変更された値または処置指定の入力は、例えばヘパリン、クエン酸塩溶液などの流体の消費量を反映し得る。これは、患者または保険会社などの支払者への請求のための根拠として使用することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、本発明に係る血液処置装置は、血液透析装置、血液濾過装置、または血液透析濾過装置として、特に急性の長期腎代替療法または持続的腎代替療法(CRRT)のための装置として設計される。
【0076】
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載されるように変更または入力された値およびそれに基づいて決定された技術的パラメータ値に基づいて、好ましくは自動的に、血液処置装置を制御または調節することを備える。
【0077】
「プログラムされた」または「構成された」が本明細書に記載されているとき、これらの用語が互いに交換可能であることも開示される。
【0078】
本発明に係る実施形態のいくつかまたは全部は、上述および/または以下の利点のうちの1つ、複数、または全部を備え得る。
【0079】
本発明の利点は、次回または現在の血液処置のための血液処置装置のポンプの調整可能な設定を決定することであって、それら(調整可能な設定)を処置に使用することによって、変更または適応された目標処置パラメータを同時に達成することができる調整可能な設定を決定することによって、ユーザ、すなわち主に主治医または担当者の決断を可能にするまたは容易にすることであり得る。本発明は、目標処置パラメータの簡易化した変更もしくは適応またはユーザによる処置指定の選択という観点から、ポンプ設定の好ましくない組合せを最初から除外することを可能にするので、これは担当者にとっての意思決定タスクの複雑さを大幅に低減することができる。
【0080】
したがって、本発明の利点の1つには、さらに、本発明に係る簡易化を通じて調整可能な設定を変更することにより、有利なことに、設定を行うときに経験の浅いユーザに自信をより与えることができるということもあり得る。
【0081】
本発明によれば、例えば、暗算ステップまたはユーザによる間違いのリスクをなくすことができるので、調整可能な設定を求めるときの誤りの確率を著しく低減することができる。
【0082】
有利なことに、本発明は、ユーザが流量の設定を表示させることに以前から慣れていた表示に対応する補助曲線で設定の変化を表示することもできる。これはまた、従来の方法を経験したユーザにも有用であり得る。
【0083】
このようにして、患者の安全性を間接的かつ有利に増大させることができる。
【0084】
その一方、調整可能な設定を求めるまたは変更する責任および責任を、有利なことにユーザに留めることができる。したがって、ユーザは、不正な動作で驚かされることなく、本発明に係るコンピュータシステムから有益なサポートを受ける。
【0085】
血液処置装置およびコンピュータシステムが分離したデバイスのままである場合、既存の血液処置装置を本発明に係るコンピュータシステムと組み合わせて、本発明に係るシステムを形成することができる。血液処置装置の制御への介入がここでは必要ないので、血液処置装置の医療機器としての新たな承認も必要ない。
【0086】
本発明について添付図面に関連させて例示的に説明し、図面において同じ参照番号は同じまたは同様の構成要素を指す。図面の各図において、以下が適用される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】本発明に係るコンピュータシステムに加えて血液処置装置を有する、本発明に係るシステムを非常に簡略化した表現で示す。
【
図2】本発明に係るコンピュータシステムの例示的な実施形態のユーザに表示され得る、例えばGUIとして設計された、表示デバイスの例示的な一部としてのグラフィック(またはグラフィック表示)の部分を示す。
【
図3】本発明に係るコンピュータシステムの表示デバイス上のGUIの例示的な設計を示す。
【
図4】本発明に係るコンピュータシステムまたはシステムの一実施形態を使用する本発明に係る方法の例示的な過程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0088】
図1は、任意選択的に体外血液回路300に接続された、本発明に係るシステムの一部としての血液処置装置100を非常に簡略化した表現で示す。
【0089】
体外血液回路300は、ここでは動脈ライン部分の形態である第1のライン301を備える。
【0090】
第1のライン301は、血液処置デバイス、ここでは例えば血液フィルタまたは透析器303と流体連通している。血液フィルタ303は、透析液体チャンバ303aおよび血液チャンバ303bを備え、これらはほとんど半透性の膜303cによって互いに分離されている。
【0091】
体外血液回路300はさらに、ここでは静脈ライン部分の形態である少なくとも1つの第2のライン305を備える。第1のライン301および第2のライン305の両方は、患者の血管系(図示せず)にそれらを接続するために使用され得る。
【0092】
第1のライン301は、任意選択的に、ライン301を遮断または閉鎖するための(第1の)チューブクランプ302に接続される。第2のライン305は、任意選択的に、ライン305を遮断または閉鎖するための(第2の)チューブクランプ306に接続される。
【0093】
図1に概略的にそのデバイスのうちのいくつかのみによって表される血液処置装置100は、血液ポンプ101を備える。各図において流れの方向を全体的に示す小矢印によって示されているように、患者の処置中、血液ポンプ101は、体外血液回路300の部分を通して血液フィルタまたは透析器303の方向に血液を搬送する。
【0094】
ローラポンプまたはそれ以外では任意の閉塞ポンプ(occluding pump)として具現化され得る透析液体用ポンプ121を使用して、新しい透析液体が、供給源200から透析液体入口ライン104に沿って透析液体チャンバ303aへと圧送される。透析液体は、場合により濾液で富化された透析液(dialysate)として、任意選択の排液バッグ400の方向に透析液体チャンバ303aを出て、本明細書では排液と呼ばれる。
【0095】
供給源200は、例えばバッグまたは容器であり得る。供給源200はさらに、流体ライン、例えば、血液処置装置100の水圧出口または水圧ポートであり得、そこからオンラインおよび/または連続的に生成または混合された液体が提供される。
【0096】
置換流体を有するさらなる供給源201が任意選択的に設けられ得る。これは、供給源200に対応していてもよいし、または別個の供給源であってもよい。
【0097】
概略的に示す制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス150が、血液処置セッションを制御または調節するように構成され得る。
【0098】
任意選択の排液バッグ400が血液処置装置100に接続される場所は、
図1の右下に示されている。
【0099】
上述の血液ポンプ101および上述の透析液体用ポンプ121に加えて、
図1に示す配置は、単に任意選択的に、いくつかの他の任意選択のポンプ、すなわち置換流体用ポンプ111および排液用ポンプ131をさらに備える。
【0100】
ポンプ121は、透析液体を、供給源200、例えばバッグから、加熱バッグを有する任意選択の利用可能なバッグヒータH2を通して、透析液体入口ライン104を使用して、血液フィルタ303に供給するために設けられる。
【0101】
このように供給された透析液体は、任意選択のポンプ131によって補助されて、血液フィルタ303から透析液出口ライン102(排液入口ラインともいう)を介して出て、廃棄され得る。
【0102】
任意選択の動脈センサPS1が血液ポンプ101の上流に設けられる。これは、患者の処置中の動脈ライン内の圧力を測定する。
【0103】
血液ポンプ101の下流に、ただし血液フィルタ303の上流に、そして設けられている場合にはヘパリンの添加点25の上流に、さらなる任意選択の圧力センサPS2が設けられる。これは血液フィルタ303の上流(「プレヘモフィルタ」)の圧力を測定する。
【0104】
血液フィルタ303の濾液圧を測定するために、血液フィルタ303の下流に、ただし好ましくは透析液出口ライン102内のポンプ131の上流に、さらなる圧力センサがPS4として設けられ得る。
【0105】
血液フィルタ303を出た血液は、任意選択の静脈血チャンバ29を通り、この静脈血チャンバ29は、脱気デバイス31および/またはさらなる圧力センサPS3を備え得る。
【0106】
図1に示す制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス150は、血液処置装置100を制御または調節するために、本明細書で言及される構成要素のいずれか、特にまたは具体的には血液ポンプ101に、ケーブル接続またはワイヤレス信号接続し得る。
【0107】
任意選択のポンプ111は、置換流体を、任意選択の供給源201、例えばバッグから、ヒートパックを有する任意選択の利用可能なバッグヒータH1を介して、第2のライン305に供給するために設けられる。
【0108】
いくつかの実施形態では、ここではクエン酸塩バッグ9として例示されている、任意選択的に設けられるクエン酸塩溶液の供給源から、クエン酸塩溶液が、場合によってはクエン酸塩ポンプ15を介してライン301内に送出される。例えば、4%のNa3のクエン酸塩がクエン酸塩溶液の供給源から供給される。
【0109】
ここではカルシウムポンプ12として設計される任意選択の添加デバイスが、
図1では例示的にカルシウムバッグ13として設計される任意選択のカルシウム溶液の供給源からライン305内にカルシウム溶液を送出するために設けられる。例えば、CaCl
2溶液がカルシウム溶液の供給源から供給される。これは、91mmol/l、100mmol/lのカルシウム濃度、または別の好適なカルシウム濃度を備え得る。
【0110】
図1では、血液処置装置100の右側に、計算デバイス5および任意選択の記憶デバイス7を備える本発明に係るコンピュータシステム1が示されている。コンピュータシステム1は、表示デバイス500を備える。コンピュータシステムまたは表示デバイス500は、任意選択的にスイッチ521、523を有する第1の入力インターフェース、および/または第2の入力インターフェース540、ならびに少なくとも1つまたは複数の出力インターフェース530、550、560(
図1には図示せず、
図3参照)をさらに備える。
【0111】
血液処置装置100およびコンピュータシステム1を合わせて本発明に係るシステムの一実施形態を表す。
【0112】
コンピュータシステム1は、血液処置装置100から物理的に分離した、例えばモバイルフォンまたはタブレットといったモバイルハンドヘルドデバイス上に提供され得る。
図1に示す実施形態では、血液処置装置100に信号通信を介して接続されていない。
【0113】
コンピュータシステム1は、本発明に係る方法のいくつかのステップを実行または開始するために、ユーザが、例えば、ウェブサイトを介してサーバ上で実行されているプログラムを呼び出すことができるサーバベースのソリューションであってもよいし、またはそれを備えてもよい。よってコンピュータシステム1はサーバを備え得る。それは、サーバと通信するために配置された、ユーザインターフェースおよび/またはコンピュータ、モバイルフォン、またはタブレットなどのユーザ端末を備え得る。
【0114】
しかしながら、ここに示されるもの以外の血液処置装置の実施形態では、コンピュータシステムは、血液処置装置100またはその一部に信号通信し、および/または物理的に接続される。しかしながら、後者の場合、そのように接続されたデバイスは、もはや本発明に係るシステムではなく、むしろ本発明に係る血液処置装置である。
【0115】
本明細書に示すもの以外に、コンピュータシステム1が、制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス150と同一であるか、またはそれによって包含されることが本発明にさらに包含される。
【0116】
図2は、本発明に係るコンピュータシステム1の例示的な実施形態のユーザに表示され得る、例えばGUIとして設計される、表示デバイス500(
図2には図示せず)の例示的な一部としてのグラフィック(またはグラフィック表示)の部分を示す。
【0117】
グラフィカル表示の図において、縦軸は、横軸の透析液体流量[ml/h単位]に対する血流量[ml/min単位]を表す。
【0118】
したがって、示された図内の各点は、一方では血液ポンプの送出速度についての考えられる調整可能な設定
【数3】
(以下、英文字Qに点(ドット)が付いた文字を「Q
・」と表記する。)と、他方では透析液体ポンプの送出速度についての考えられる調整可能な設定
【数4】
(以下、英文字Dに点(ドット)が付いた文字を「D
・」と表記する。)との組合せに対応する。例えば、組合せK1は、血液ポンプの速度である100ml/min(調整可能な設定Q
・
1=100ml/min)と、透析液体ポンプの速度である2000ml/min(調整可能な設定D
・
1=2000ml/min)との組合せに対応する。一方、組合せK2は、血液ポンプの速度である120ml/min(調整可能な設定D
・
2=120ml/min)と、既に組合せK1にある通り、透析液体ポンプの速度である2000ml/min(調整可能な設定D
・
2=2000ml/min)とを表す。
【0119】
血液ポンプの送出速度および透析液体ポンプの送出速度からのそのような一連の組合せK1、K2、K3、...の可能な設定を用いると、予想される酸塩基状態(血清中の予想される重炭酸塩濃度B1、B2、B3、...Bn、または中間値)が数学的にもたらされる。
【0120】
血流量と透析液体流量の複数の組合せについて、血清中の予想される重炭酸塩濃度Bnが図中に線の形態で示されている。図示の線は、B1~B7として示されているが、これらは単に例示的なものである。これらの各々について、それらの各々に位置する流量の組合せを設定すると重炭酸塩のどの値(mmol/l単位)が予想されるかが図の縁に示されている(
図2のグラフの値はシミュレーションで決定された)。血流量と透析液体流量の組合せを用いて、グラフィック内の直線上にない調整可能な設定を代替的に選択することができる。
【0121】
本実施例を使用して、例えば、K1からK2へ20%血流量を増加させると、血清中の予想される重炭酸塩濃度が約4mmol/l上方へ(24mmol/lから28mmol/lへ、すなわち代謝性アルカローシスに向かって)変化することが分かる。透析液体流量を20%増加させる(K3にする)と、この影響が補償されることになる。
【0122】
本実施例における基礎となる一定の処置パラメータは、血液1リットルあたりクエン酸塩用量4mmol、血液1リットルあたりカルシウム用量1.7mmol、正味限外濾過量100ml/hである。
【0123】
いくつかの実施形態では、第3の出力インターフェース560(
図3参照)を使用してグラフを表示するとき、処置パラメータ設定に対応する予想される血清重炭酸塩濃度Bnを強調表示することを意図している(
図3参照)。
【0124】
図3は、血液処置装置100(
図3には図示せず)を使用した患者の処置のために、いずれの場合もユーザによって目標処置パラメータの事前設定値を変更する可能性および/または処置指定を入力する可能性を有する、本発明に係るコンピュータシステム1の表示デバイス500のGUIの例示的な構造を示す。
【0125】
フィールド505は、一般的なデータ、例えば、日付、時間、患者の氏名、ならびに/または患者の体重および/またはBMIなどを表示するために提供され得る。これは、任意選択的に見出しとして配置される。
【0126】
図3では、フィールド505の下の左上に、任意選択のウィンドウ510を見ることができ、これを介して、例えば、この時点または別の時点での処置のタイプ(例えば、処置モード)が表示または示され得る。代替的または追加的に、処置モードは、ウィンドウ510を介してまたは別の場所で変更および/または設定され得る。この場合、現在の処置のタイプまたはモードが、フィールド511内に、例えばドロップダウンメニュー(フィールド511の右側の矢印キー参照)を介して表示され得、さらなる処置のタイプが利用可能にされ、ユーザによってメニューから選択または調整され得る。
【0127】
ウィンドウ510の下には、任意選択的に、処置パラメータ(例えば、処置設定)、特に、目標処置パラメータの例としての透析用量(腎用量)を表示および/または設定するための別のウィンドウ520がある。ここで、目標処置パラメータの事前設定値が、フィールド522に表示される。第1の入力インターフェースを使用して、例えば、ボタンであってよい、第1の入力インターフェースのスイッチ521または523を使用して、目標処置パラメータ、この場合は透析用量の表示値の減少または表示値の増加が変更、適応、または設定され得る。
【0128】
ディスプレイとして例示的に設計される第1の出力インターフェース530において、重要な処置パラメータまたは透析パラメータ(例えば、透析パラメータ)、例えば、血液処置に関与するポンプ101、111、121、131の技術的流量が、技術的パラメータとして表示され得る。例えば、透析液体流量がフィールド531に、血流量がフィールド532に、および/または限外濾過率がフィールド533にあってもよいし、または表示されてもよい。これらの流量は、測定値および/または計算値であり得る。
【0129】
表示デバイス500の上方の表示の中央に例示的に示されている任意選択の第2の入力インターフェース540内には、処置指定の意味での酸/塩基補正のための例示的な操作要素541、542、543、例えば、代謝性アシドーシスの補正のための操作要素541、標準設定のための操作要素542、および/または代謝性アルカローシスの補正のための操作要素543がある。さらに、右側には任意選択の状態表示545があり、これは、処置指定、特に酸/塩基の偏りがどのように、どのレベル(「強」、「中」、「弱」など)に設定されるかに関する方向付けのためにユーザによって使用され得る。状態表示545のグラフィカル表現は、好ましくは、ユーザによる処置指定の迅速な検出に役立つ。任意選択的に、数値によって与えられる情報をサポートすることができる。例えば、バーが高いところにある場合、代謝性アシドーシスの強いまたは高用量の補正が望ましい。中間にある場合、アシドーシスまたはアルカローシスは比較的長期的に正常化され、バーが低いところにある場合、代謝性アルカローシスの強い補正が調整される。
【0130】
表示デバイス500の表示の下の中央に例示的に示される第2の出力インターフェース550内に、酸/塩基平衡の補正によって引き起こされることになる変化が表示され得る。例えば、処置セッションの終わり頃の血液中の予想される重炭酸塩濃度がそこに表示されてもよいし、または表示される。
【0131】
図2のグラフと同様に作図され得る第3の出力インターフェース560内の任意選択のグラフには、予想される重炭酸塩濃度に対応する補助曲線が強調表示され得る。これは、表示されたパラメータを決定するために補助曲線がここに示されることを好むユーザに特に好適である。
【0132】
キャンセルボタン570が、選択された設定をリセットするために使用され得る。
【0133】
任意選択の保存ボタン580を使用して、選択された調整可能な設定が保存され、場合によっては、血液処置装置100の制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス150に送信され得る。
【0134】
上記で行われた入力に基づいて決定された技術的パラメータ値は、任意選択的に、血液処置装置100の一部であってもよい表示デバイス500のユーザインターフェースから、任意選択的に直接、手動でまたは自動的に、制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス150(
図3には図示せず)に転送され得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム1または少なくともその入力インターフェース521、523、540および/またはその出力インターフェース530、550、560は、血液処置装置100の外部に、例えば、モバイルデバイス、ハンドヘルドデバイス、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットなどに実装されてもよいし、またはこの目的に好適なアプリケーションであってもよいし、もしくはそれを備えてもよい。この場合、設定は、血液処置装置100またはその制御デバイスもしくは閉ループ制御デバイス150に送信される必要がある。このために好適な構成要素が設けられ得る。いくつかの実施形態ではユーザによる手動での送信も可能であり、これら実施形態のうちのいくつかでは、それが唯一のオプションである。
【0136】
表示デバイス500上のフィールド、操作要素、およびボタンの配置は、単に例示的なものであり、限定として理解されるべきではない。任意の他の配置も本発明の範囲内に包含される。
【0137】
特定の実施形態では、さらなる処置関連の患者データを提供することができ、例えば、様々な検査結果(例えば、pH、BE、HCO3、pCO2、乳酸塩など)、抗凝固に関するデータ、および/または以前の処置セッションからの処置パラメータの設定も含む患者履歴が表示デバイス500上に表示され得る。これは、例えば、第3の出力インターフェース560内で行われ得る。
【0138】
図4は、本発明に係るコンピュータシステム1またはシステムを介してまたは使用して開始または実行され得る、本発明に係る方法の例示的な実施形態のフローチャートを示す。
【0139】
そこで方法ステップS1は、本発明に係るコンピュータシステム1、本発明に係る血液処置装置100、または本発明に係るシステムを提供することを表す。
【0140】
方法ステップS2において、ユーザは、第1の入力インターフェースをアクティブ化することによって、例えばスイッチ521および523を使用して、事前設定された、以前に表示された、最後に調整されたなどの目標処置パラメータ、ここでは一例として腎用量を増加または減少させる。したがって、患者の処置のための、例えば腎用量といった目標処置パラメータから得られた推奨値または最後の値が、血液処置装置100の表示デバイス500上の第1の入力インターフェースを使用して変更または適応される。
【0141】
代替的または追加的に、処置指定、例えば酸/塩基補正の入力が、方法ステップS3において第2の入力インターフェース540を介して開始され得る。例えば、代謝性アシドーシスの補正は、操作要素541を選択または作動させることによって選択または開始され、例えば、代謝性アルカローシスの補正は、操作要素543の選択によって行われ得る。
【0142】
S4は、例えば上述の調整された腎用量または開始された酸/塩基補正に基づいて計算デバイス5によって計算された技術的パラメータ値として血液ポンプ101および透析液体ポンプ121の調整可能な設定Q・
B、D・
Bを、表示デバイス500の第1の出力インターフェース530を介して表示することを表す。さらに、予想される変更の結果の出力、例えば処置の終わり頃の血清中の、例えば重炭酸塩濃度の予想される値の出力が、第2の出力インターフェース550を介して、または例えば、予想される重炭酸塩濃度に対応する対応補助曲線を第3の出力インターフェース560内のグラフィック、例えば図において強調表示することによって行われる。
【0143】
方法ステップS5において、表示された変更は、ユーザが表示デバイス500上のボタン570、580を使用することによって確認または否認され得る。変更を破棄した場合、任意選択的に方法ステップS2および/または方法ステップS3に戻ることができ、変更を確認した場合、方法ステップS6に進むことができる。
【0144】
方法ステップS6において、確認された変更の血液ポンプ101についての計算された調整可能な設定および透析液体ポンプ121についての計算された調整可能な設定は、血液処置装置100の制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス150に送信される。これは、ケーブルで、または好ましくはワイヤレスで行われ得る。これは手動で行うことができる。
【0145】
S7は、目標処置パラメータに対して行われた変更に基づいて、または入力された処置指定に基づいて、例えば、血液ポンプ101の調整可能な設定Q・
Bおよび透析液体ポンプ121の調整可能な設定D・
Bを計算および送信された値に適応させることによって、制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス150を介して血液処置装置100を好ましくは自動的に制御または調節する任意選択の方法ステップを表す。
【0146】
任意選択的に、上述のステップは、上述の順序で、重複して、または同時に、または再帰的に実施される。
【符号の説明】
【0147】
1…コンピュータシステム
5…計算デバイス
7…記憶デバイス(任意選択)
9…クエン酸塩溶液供給源、ここでは、例はクエン酸塩バッグ
12…カルシウムポンプ
13…カルシウム溶液源、カルシウムバッグ
15…クエン酸塩ポンプ
25…ヘパリンの添加点(任意選択)
29…静脈血チャンバ(任意選択)
31…脱気デバイス
100…血液処置装置
101…血液ポンプ
102…透析液出口ライン、排液入口ライン
104…透析液体入口ライン
111…置換流体用ポンプ
121…透析液体用ポンプ
131…排液入口ライン内の透析液または排液用ポンプ
150…制御デバイスまたは閉ループ制御デバイス
200…透析液体を有する供給源
201…置換流体を有する供給源(任意選択)
300…体外血液回路
301…第1のライン(動脈ライン部分)
302…(第1の)チューブクランプ
303…血液フィルタまたは透析器
303a…透析液体チャンバ
303b…血液チャンバ
303c…半透膜
305…第2のライン(静脈ライン部分)
306…(第2の)チューブクランプ
400…排液バッグ
500…表示デバイス
505…一般的な毎日のデータおよび/または患者データを表示するためのフィールド
510…ウィンドウ
511…処置タイプを表示するためのフィールド
520…ウィンドウ
521…第1の入力インターフェースのスイッチ(例えば、マイナス)
522…目標処置パラメータを表示するためのフィールド
523…第1の入力インターフェースのスイッチ(例えば、プラス)
530…技術的流量を表示するための第1の出力インターフェース
531…透析液体流量を表示するフィールド
532…血流量を表示するためのフィールド
533…限外濾過率を表示するためのフィールド
540…第2の入力インターフェース
541…操作要素
542…操作要素
543…操作要素
545…状態表示
550…第2の出力インターフェース
560…第3の入力インターフェース
570…キャンセルボタン
580…保存ボタン
K1…組合せ1
K2…組合せ2
K3…組合せ3
B1…30mmol/lの血清中の予想される重炭酸塩濃度
B2…28mmol/lの血清中の予想される重炭酸塩濃度
B3…26mmol/lの血清中の予想される重炭酸塩濃度
B4…24mmol/lの血清中の予想される重炭酸塩濃度
B5…22mmol/lの血清中の予想される重炭酸塩濃度
B6…20mmol/lの血清中の予想される重炭酸塩濃度
B7…18mmol/lの血清中の予想される重炭酸塩濃度
Bn…重炭酸塩濃度
H1…バッグヒータ
H2…バッグヒータ
PS1…動脈センサ
PS2…圧力センサ(任意選択の「プレヘモフィルタ」)
PS3…圧力センサ
PS4…圧力センサ
S1…方法ステップ
S2…方法ステップ
S3…方法ステップ
S4…方法ステップ
S5…方法ステップ
S6…方法ステップ
S7…方法ステップ
Q・
1、Q・
2、Q・
3、Q・
B…調整可能な血液ポンプ設定
D・
1、D・
2、D・
3、D・
B…調整可能な透析液体ポンプ設定
【国際調査報告】