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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】バッテリを調整するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/505 20210101AFI20240125BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240125BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20240125BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20240125BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240125BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240125BHJP
【FI】
H01M50/505
H01M10/48 P
H01M50/244 Z
H01M50/516
H01M50/503
H01M50/569
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547078
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 DE2022100050
(87)【国際公開番号】W WO2022167035
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】102021102316.5
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523080653
【氏名又は名称】ナムバット ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】ヴェグナー,マクシミリアン
【テーマコード(参考)】
5H030
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H030AS08
5H030FF41
5H040AA38
5H040AS04
5H040DD03
5H043AA20
5H043FA04
5H043HA35
(57)【要約】
本発明は、第1の接続ユニット(12,14)に電気的に接続される少なくとも2つのバッテリセル(2~10)を有するバッテリ(1)を調整するための方法及びバッテリセル(2~10)及び取替バッテリセル(30)を有するバッテリ(1)に関するものである。特に、本発明は、第1の接続ユニット(12,14)に電気的に接続される少なくとも2つのバッテリセル(2~10)を有し、導電接触接続部(16)が第1の接続ユニット(12,14)とバッテリセル(2~10)との間で作用するバッテリ(1)を調整するための方法であって、接触接続部(16)を除去することにより、バッテリセル(2~10)から第1の接続ユニット(12,14)を取り外すステップと、バッテリ(1)の少なくとも1つのバッテリセル(2~10)を取替バッテリセル(30)に取り替えるステップと、バッテリセル(2~10)又はバッテリセル(2~10)及び少なくとも1つの取替バッテリセル(30)を電気的に接触させるステップとを含み、接触接続部(16)を除去することは取り外し製造プロセスを用いる、方法に関するものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続ユニット(12,14)に電気的に接続される少なくとも2つのバッテリセル(2~10)を有し、前記第1の接続ユニット(12,14)と前記バッテリセル(2~10)との間で導電接触接続部(16)が作用するバッテリ(1)を調整するための方法であって、
・前記接触接続部(16)を除去することにより、前記バッテリセル(2~10)から前記第1の接続ユニット(12,14)を取り外すステップと、
・前記バッテリ(1)の少なくとも1つのバッテリセル(2~10)を取替バッテリセル(30)に取り替えるステップと、
・1つの前記バッテリセル(2~10)又は複数の前記バッテリセル(2~10)及び前記少なくとも1つの取替バッテリセル(30)を電気的に接触させるステップと
を含み、
・前記接触接続部(16)を除去することは、取り外し製造プロセスを用いて行われる、
方法。
【請求項2】
前記接触接続部(16)は、前記第1の接続ユニット(12,14)及び/又は前記バッテリセル(2~10)での材料除去により除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接触接続部(16)を除去するために、切断工具、特にミリング工具、好ましくは正面削り工具、及び/又は孔開け工具(32)が使用される、先行する請求項のいずれか一項に記載された方法。
【請求項4】
前記切断工具の送り方向は、前記第1の接続ユニット(12,14)の面及び/又は前記バッテリセル(2~10)のうちの1つの極面に実質的に直交するように向けられる、先行する請求項のいずれか一項に記載された方法。
【請求項5】
前記接触接続部(16)は、前記バッテリセル(2~10)のうちの1つと前記第1の接続ユニット(12,14)との間の接触部分においてそれぞれ作用し、前記切断工具は、前記接触部分の主拡張方向よりも大きな工具径を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載された方法。
【請求項6】
・前記バッテリセル(2~10)の性能を特に抵抗及び/又はインピーダンスの測定によりチェックするステップ
を含み、
・好ましくは前記チェックは、少なくとも1つのバッテリセル(2~10)を取り替える前に行われる、
先行する請求項のいずれか一項に記載された方法。
【請求項7】
・前記チェックされたバッテリセル(2~10)を前記チェックの結果に基づいて少なくとも2つの性能カテゴリに分類するステップ
を含み、
・好ましくは、前記性能、特に抵抗及び/又はインピーダンスに関して予め規定された閾値が分類分けに使用され、
・好ましくは、前記閾値を超えた場合に、前記バッテリセル(2~10)を第2の用途用に分類し、前記閾値に達しない場合に、前記バッテリセル(2~10)を第3の用途用に分類する、
先行する請求項のいずれか一項に記載された方法。
【請求項8】
1つの前記バッテリセル(2~10)又は複数の前記バッテリセル(2~10)及び前記少なくとも1つの取替バッテリセル(30)の電気的接触は、接続ユニット(12,14,26,28)により、特に、
・同一の第1の接続ユニット(12,14)により、及び/又は
・さらなる第1の接続ユニットにより、及び/又は
・前記第1の接続ユニットとは異なる第2の接続ユニット(26,28)により
行われる、先行する請求項のいずれか一項に記載された方法。
【請求項9】
・前記第2の接続ユニット(26,28)の接触部(36)は、前記バッテリセル(2~10)に対面する接触側に凸状に構成され、
・好ましくは、前記凸状の接触部はシェル形状に構成される、
先行する請求項のいずれか一項に記載された方法。
【請求項10】
1つの前記バッテリセル(2~10)又は複数の前記バッテリセル(2~10)及び前記少なくとも1つの取替バッテリセル(30)の電気的な接触は、溶接法及び/又は半田付け法により行われる、先行する請求項のいずれか一項に記載された方法。
【請求項11】
前記接触接続部(16)は、前記第1の接続ユニット(12,14)を取り外す前に、1つの前記バッテリセル(2~10)の第1の極部分内又は複数の前記バッテリセル(2~10)のそれぞれの第1の極部分内で作用し、1つの前記バッテリセル(2~10)又は複数の前記バッテリセル(2~10)は、接触接続部(34)が1つの前記バッテリセル(2~10)の前記第1の極部分とは異なる第2の極部分内及び複数の前記バッテリセル(2~10)の前記第1の極部分とは異なる第2の極部分内にそれぞれ構成されるように電気的に接触させられる、先行する請求項のいずれか一項に記載された方法。
【請求項12】
接続ユニット(12,14,26,28)に電気的に接続されるバッテリセル(2~10)及び取替バッテリセル(30)と、前記接続ユニット(12,14,26,28)と前記バッテリセル(2~10)との間及び前記接続ユニット(12,14,26,28)と前記取替バッテリセル(30)との間で作用する導電接触接続部(34)とを有するバッテリ(1)であって、好ましくは先行する請求項1~11のいずれかによる方法により生産される、バッテリ(1)。
【請求項13】
前記取替バッテリセル(30)は、前記バッテリセル(2~10)よりも高い性能を有する、先行する請求項12に記載のバッテリ(1)。
【請求項14】
・前記バッテリセル(2~10)及び前記取替バッテリセル(30)うちの少なくとも1つは、第1の極部分と、前記第1の極部分とは異なる第2の極部分とを有し、前記バッテリセル(2~10)の前記第1の極部分は、除去される前に接触接続部を有しており、さらに/あるいは
・前記バッテリセル(2~10)と前記接続ユニット(12,14,26,28)との間及び/又は前記取替バッテリセル(30)と前記接続ユニット(12,14,26,28)との間の前記接触接続部(34)は、前記第2の極部分内で作用する、
先行する請求項12~13のいずれか一項に記載されたバッテリ(1)。
【請求項15】
前記接続ユニット(12,14,26,28)は、凸状に構成された接触部を含む、先行する請求項12~14のいずれかに記載されたバッテリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の接続ユニットに電気的に接続される少なくとも2つのバッテリセルを有するバッテリを調整するための方法、及びバッテリセル及び取替バッテリセルを有するバッテリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の技術的製品においてバッテリが使用されている。これまでにバッテリの用途はより多様なものとなっている。例えば、従来の複数の駆動装置は、現在、エネルギー源がバッテリであることが多い電動駆動装置に置き替えられている。さらに、現在進められている技術製品の小型化を進め、使用者の利便性を向上することになるため、有線電源は統合バッテリに置き替えられている。
【0003】
しかしながら、使用されるバッテリの数の急激な変化は、一方でバッテリ使用の経済的効率性を上昇させつつ、他方で生態学的な悪影響を最小限にするために、これらのバッテリ及びバッテリ内に収容される構成要素の効率的な使用が必要とされることを意味する。
【0004】
売買のアプローチにもかかわらず、バッテリを調整するための方法としていくつかの方法のみが利用可能である。バッテリは、通常、互いに電気的に接触している複数のバッテリセルを含んでいる。この接触は、例えばバスバーにより行われ得る。バッテリを調整する際には、機械的な力を作用させることによりバッテリセルからバスバーが取り外される。このプロセスにおいて、バッテリセルにダメージが与えられることがあり、バッテリセルの極が再利用できない状態となる。この結果、複数のバッテリ及びバッテリセルは再利用されずに廃棄される必要が生じる。
【0005】
特に、大変な技術的努力を伴い、さらに/あるいはバッテリセルへのダメージを与えることによってはじめてバッテリセルを互いに分離することが可能であるため、バッテリを調整するための効率的なアプローチは現在存在していない。例えば、レーザを利用した方法の適用は、満足できる結果が得られるものの、バスバーからバッテリセルを分離するのに数日を要し、したがって、実際に適用できる方法ではないことが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、上述した欠点のうち1つ以上を軽減するかなくすことのできるバッテリを調整するための方法及びバッテリを提供することにある。特に、本発明の目的は、費用対効果が高く、さらに/あるいは生態学的に継続可能なバッテリの調整を可能にする解決策を提供することにある。すくなくとも、本発明の目的は、代替方法及び/又は代替バッテリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、この目的は、第1の接続ユニットに電気的に接続される少なくとも2つのバッテリセルを有し、上記第1の接続ユニットと上記バッテリセルとの間で導電接触接続部が作用するバッテリを調整するための方法であって、上記接触接続部を除去することにより、上記バッテリセルから上記第1の接続ユニットを取り外すステップと、上記バッテリの少なくとも1つのバッテリセルを取替バッテリセルに取り替えるステップと、1つの上記バッテリセル又は複数の上記バッテリセル及び上記少なくとも1つの取替バッテリセルを電気的に接触させるステップとを含み、上記接触接続部(16)を除去することは、取り外し製造プロセスを用いて行われる、方法により解決される。
【0008】
本発明は、バッテリ駆動システムの成功は、バッテリを効率的に使用できることに大きく依存しているという認識に基づくものである。現在、例えば、80%未満の性能を有するバッテリが車両から取り外され、一般的にはその後再利用されていない。したがって、現在のところ、それ以上使用することができない多くのバッテリが生じることが予想される。
【0009】
上記で述べたバッテリを調整するための方法により、既に使用されているバッテリをその後の用途に、例えば、蓄電のため又はより緩い条件を有する車両バッテリのために使用することができるように調整することが可能になる。
【0010】
さらに、本発明者等は、バッテリを調整するための本方法が再現可能な方法であることを見出した。本方法は、第1の接続ユニット又は個々のバッテリセルの極の特定の特性に留意する必要なく、様々なバッテリについて使用することができる。特に、本方法は、特定の製造プロセスが知られていないバッテリに適用することができる。バッテリ調整会社は、通常、バッテリの製造会社ではないので、これは特に必要なことである。
【0011】
加えて、取り外し製造プロセスは、バッテリセル及び第1の接続ユニットに対して決まった機械的影響をもたらすので、1つのバッテリセル又は複数のバッテリセルと少なくとも1つの取替バッテリセルの電気的接触においてこれらを有利な方法で考慮することができる。
【0012】
本方法は、高いプロセス速度によりさらに特徴付けられる。さらに、本方法は低コストで使用することができることが分かった。加えて、取り外し製造プロセスのために使用される工具の入手可能性は一般的に良いと考えられる。その結果、バッテリの調整を連続的に工業化された状態で行うことができ、バッテリの継続可能な使用が可能となる。
【0013】
バッテリは、電気的エネルギーを貯蔵するための貯蔵ユニットであると基本的に理解されている。例えば、バッテリを蓄電池(accumulator)として構成することができる。例えば、車両駆動装置及び/又は動力貯蔵ユニットを供給し、さらに/あるいは10kWhよりも大きな容量、25kWhよりも大きな容量、50kWhよりも大きな容量及び/又は75kWhよりも大きな容量を有するようにバッテリを構成してもよい。
【0014】
一般的に、バッテリは、複数の個別バッテリセルを含んでいる。バッテリが1つ、2つ、又はそれより多くのバッテリモジュールを有する又は含むように、バッテリのバッテリセルを組み合わせてバッテリモジュールにすることができる。バッテリモジュールは、典型的には、10kWh未満の容量、5kWh未満の容量、特に2kWh未満の容量を有する。例えば、バッテリセルは、電気化学エネルギー貯蔵デバイスであり得る。
【0015】
そのようなバッテリの使用中に、バッテリセル内で欠損又は摩耗が典型的に生じ、それらの性能が低下する。また、これらのバッテリセルは、バッテリの性能を低下させる。本発明は、性能の低下したバッテリセルを取り替えることにより、バッテリを再調整できるという知見にさらに基づくものである。
【0016】
特に、バッテリの調整は、バッテリセルに関する組成の変化を意味すると理解される。例えば、調整は、性能の向上をもたらすことができるが、必ず必要とされるものではない。例えば、それぞれ75%の性能を有する2つのバッテリから、80%の性能を有するバッテリと70%の性能を有するバッテリとからなる2つの調整済みバッテリを提供することができる。
【0017】
バッテリセルは、第1の接続ユニットに電気的に接続されている。第1の接続ユニットは、例えば、バスバー及び/又は集電体であり得る。特に、第1の接続ユニットは、電気的及び/又は機械的に少なくとも2つのバッテリセルを接続するように配置及び構成される。このために、第1の接続ユニットは、好ましくは、導電材料を有しているか、導電材料からなる。
【0018】
第1の接続ユニットとバッテリセルとの間の電気的接続を確保するために、導電接触接続部が、第1の接続ユニットとバッテリセルとの間で作用し、機械的接続をさらに形成することができる。例えば、それぞれバッテリセルと第1の接続ユニットとの間の物体間接続により導電接触接続部を構成することができる。例えば溶接スポットにより物質的インターロック接続を構成することができる。加えて、独立接点ユニットとして接触接続部を構成することもでき、それぞれの接触接続部がバッテリセル及び第1の接続ユニットに接続される。補足的に又は代替的に、接触接続部は、第1の接続ユニット及び/又はバッテリセルの一部であってもよい。
【0019】
バッテリセルから第1の接続ユニットを取り外すために、接触接続部が除去される。接触接続部の除去は、取り外し製造プロセスを用いて行われる。取り外し製造プロセスは、特にワークピースから一部が取り外され、この一部がチップの形態に構成され得る製造プロセスとして理解される。取り外し製造プロセスの選択肢は、例えばドイツ規格DIN8580に含まれている。接触接続部を除去することにより、第1の接続ユニットから及び/又はバッテリセルのうちの1つ又は2つ以上から材料の除去が生じ得る。接触接続部の除去は、特に、ほとんど力を作用させずに第1の接続ユニットをバッテリセルから取り外すことができるようになされる。特に、これは、第1の接続ユニットとバッテリセルとの間に機械的接続が実質的にないことを意味している。
【0020】
さらに、本方法は、バッテリの少なくとも1つのバッテリセルを取替バッテリセルに取り替えることを含んでいる。この取替は、例えば、1つ又は2つ以上のバッテリセルを除去し、取替バッテリセルを据え付けることを含み得る。特に、除去されたバッテリセルに対応する数の取替バッテリセルが据え付けられることが好ましい。さらに、除去されたバッテリセルの数に比べてより少ない数又はより多い数の取替バッテリセルが提供されてもよい。
【0021】
しかしながら、さらに、このステップは、バッテリのバッテリセルを分離した後にバッテリセルを再配置することを含んでいてもよい。このため、n個のバッテリセルを有するバッテリから、n-1個のバッテリセルを取り替えることもできる。このように再調整されたバッテリは、バッテリセルが除去された1又は2以上のバッテリと同じ数のバッテリセル、又はそれよりも多くのバッテリセル、又はそれよりも少ないバッテリセルを有していてもよい。
【0022】
取替バッテリセルは、新しいバッテリセル又は実質的に未使用のバッテリセル又は使用済みバッテリセルであってもよい。取替バッテリセルは、残っている1以上のバッテリセルの性能と実質的に等しい性能を有していることが好ましい。1以上のバッテリセル及び取替バッテリセルは、同一又は異なる構成を有し得る。
【0023】
加えて、本方法は、1つのバッテリセル又は複数のバッテリセルと少なくとも1つの取替バッテリセルとを電気的に接触させるステップを含んでいる。以下でより詳細に説明するように、この電気的接触は、様々な方法を用いて、例えば接続ユニット、特に第1の接続ユニット及び/又は第2の接続ユニットを用いて行うことができる。電気的接触中に、接触接続部は、好ましくは、1つのバッテリセル又は複数のバッテリセル及び取替バッテリセルと1つの接続ユニット又は複数の接続ユニットとの間にそれぞれ構成される。接触接続部は、取替前と同じ位置又は異なる位置でバッテリセル上又はそれらの極上で作用し得る。
【0024】
本方法の好ましい実施形態は、接触接続部が、第1の接続ユニット及び/又はバッテリセルでの、特にバッテリセルの極での材料除去により除去されることに特徴付けられる。第1の接続ユニット及び/又はバッテリセルでの材料除去により、接触接続部での材料除去も生じ得ることは特に理解すべきである。これは、好ましくは、第1の接続ユニット及び/又はバッテリセル、特にバッテリセルの極の幾何学的に決まった修正であり、その結果、本方法は、高いプロセス安定性を有し、再現可能な方法で行われ得る。
【0025】
取り外し製造プロセスは、幾何学的に決まった切断エッジを用いた方法、特にミリング方法(milling method)及び/又は孔開け方法(drilling method)、及び/又は幾何学的に決まっていない切断エッジを用いた方法、特に研削方法(grinding method)であり得る。
【0026】
本方法のさらに好ましい実施形態は、接触接続部を除去するために切断工具が使用されるという事実により特徴付けられる。切断工具は、特に幾何学的に貴めった切断エッジにより切断するために使用される。切断工具は、好ましくはミリング工具であり、これは、例えば正面削り工具及び/又はエンドミル工具として構成され得る。さらに、切断工具は、孔開け工具であり得る。孔開け工具又はミリング工具は、好ましくはできる限り大きなチップ角を有しており、これにより、バッテリセルとの低レベルの干渉が確保される。孔開け工具又はミリング工具の先端角が大きくなればなるほど、バッテリセル又はバッテリセルの極での材料除去が多くなる。ミリング工具及び/又は孔開け工具のチップ角は、好ましくは150°より大きく、160°よりも大きく、170°よりも大きく、さらに/あるいは175°よりも大きい。
【0027】
切断工具の使用により、バッテリセル上の線条加工であるにもかかわらず、高いプロセス安定性が確保される。このため、バッテリセルから接続ユニットを除去するための従来の方法に比べて、バッテリセルに対する悪影響を特に低くすることができる。加えて、切断工具は、一般的に用途に好適な幅広いデザインのものが容易に入手可能である。
【0028】
本方法のさらなる改良は、切断工具の送り方向が、第1の接続ユニットの面及び/又はバッテリセルのうちの1つの極面に実質的に直交するように整列される点に特徴付けられる。
【0029】
実質的に直交とは、特に、送り方向が、第1の接続ユニットの面及び/又は極面に直交する面から20°未満、10°未満、5°未満及び/又は2.5°未満ずれていることを意味している。特に、極面は、バッテリセルの極の面として理解されるべきである。極面は、第1の接続ユニットの延長平面に対して面平行であり得る。
【0030】
さらに好ましい実施形態においては、切断工具の送り方向が、第1の接続ユニットの延長平面に実質的に直交するように整列される。有利な方法で、この実施形態の変形例は、第1の接続ユニット及び/又はバッテリセルにほとんど影響を与えることなく、接触接続部の目標とする再移動を可能にする。
【0031】
本方法のさらに好ましいさらなる実施形態は、接触接続部が接触部分においてそれぞれ作用し、切断工具が接触部分の主拡張方向よりも大きな工具径を有する点に特徴付けられる。
【0032】
接触部分は、特にバッテリセルのうちの1つと第1の接続ユニットとの間にそれぞれ位置している。それぞれの接触接続部は、バッテリセルと第1の接続ユニットとの間で作用する。接触部分は、特にバッテリセルが第1の接続ユニットに電気的及び/又は機械的に接続される部分として理解されるべきである。これは、例えば溶接部分であり得る。接触部分の主拡張方向は、接触部分が最も長く延びる、例えば溶接が最も長く延びる方向である。
【0033】
主拡張方向は、好ましくは、第1の接続ユニット及び/又はバッテリセルの極面の延長平面上の平面に延びる。工具径が接触部分の主拡張方向よりも大きく構成されている場合には、1つの送り動作のみで接触接続部を除去することができる。このため、切断工具の前後の移動の繰り返しが避けられる。この結果、本方法を素早く行うことができ、関連する労力の少ない。加えて、特に有利な方法で本方法を自動化することができ、連続生産における本方法の適用が可能となる。
【0034】
本方法のさらに好ましい実施形態においては、本方法は、バッテリセルの性能をチェックするステップを含む。バッテリセルの性能のチェックは、例えば、電圧測定及び/又は容量の測定であり得る。特に、これは、抵抗及び/又はインピーダンスの測定により行われ得る。好ましくは、性能のチェックは、少なくとも1つのバッテリセルを取り替える前に行われる。
【0035】
バッテリセルの性能をチェックすることにより、同様の性能を有するバッテリセルをバッテリ内に据え付けることが可能となり、個々のバッテリセルを特に効率的に使用することが可能となる。効率的な使用は、特に、最も弱いバッテリセルがバッテリの性能を規定することが多く、このため、同様の性能を有するバッテリセルを使用することで、バッテリセルの効率的な使用が可能となるという事実から得られるものである。
【0036】
本方法のさらに好ましい実施形態においては、本方法は、チェックされたバッテリセルをチェックの結果に基づいて少なくとも2つの性能カテゴリに分類するステップを含んでいる。
【0037】
チェックの結果は、1又は2以上の測定結果を含み得る。性能、特に抵抗及び/又はインピーダンスに関して予め規定された閾値が分類分けに使用されることが好ましい。性能は80%のような健康状態値であることがさらに好ましい。
【0038】
さらに、閾値を超えた場合に、バッテリセルを第1の及び/又は第2の用途用に分類し、閾値に達しない場合に、バッテリセルを第3の用途用に分類することが好ましい場合がある。第2の用途用のバッテリセルは、第3の用途用に意図されるバッテリよりも高い性能を有し得る。例えば、性能の閾値は70%であり得る。例えば、第1の用途は、特に車両バッテリに関して、第1のバッテリライフサイクル中にバッテリセルを使用することを含み得る。第2の用途は、特に車両バッテリ及び/又は電力貯蔵デバイスに関して、例えば、第2のバッテリライフサイクル中にバッテリセルを使用することに関するものであり得る。第3の用途は、特に電力貯蔵デバイスに関して、特に第3のバッテリライフサイクル中にバッテリセルを使用することに関するものであり得る。チェックされるバッテリセルの分類分けにより、異なる性能のバッテリを調整するための連続生産に適した方法を実現することが可能になる。
【0039】
本方法のさらに好ましい実施形態においては、1つのバッテリセル又は複数のバッテリセル及び少なくとも1つの取替バッテリセルの電気的な接触が接続ユニットにより行われる。
【0040】
接続ユニットは、バッテリセルが最初に既に接続されていた第1の接続ユニットと同一であってもよい。さらに、接続ユニットは、他の同一の第1の接続ユニット、特に新しい第1の接続ユニットであってもよい。さらに、接続ユニットは、第1の接続ユニットとは異なる第2の接続ユニットであってもよい。
【0041】
同一の第1の接続ユニットを使用することは、第1の接続ユニットが再利用されるので、特にリソース効率の良いバッテリを提供するという利点がある。さらに、第1の接続ユニットでの取り外し製造プロセスにより生成される開口を有利な絶縁的な方法で使用することができる。他の第1の接続ユニットを利用することにより、少なくとも1つの取替バッテリセルと1以上のバッテリセルとの間の最適な接続性が提供され得る。第2の接続ユニットを利用することにより、例えば以下でさらに示されるように、特定の幾何学形状を有する、少なくとも1つの取替バッテリセル及び1つのバッテリセル又は複数のバッテリセルからの再構成に対する最適な順応性が実現され得る。
【0042】
本方法のさらに好ましい実施形態は、第2の接続ユニットの接触部分が、バッテリセルに対面する接触側に凸状に構成される点で特徴付けられる。凸状の接触部はシェル形状に構成されることが好ましい。
【0043】
第2の接続ユニットの接触部分は、特に、その内部で接触接続部がバッテリセル又は少なくとも1つの取替バッテリセルとともに構成されている第2の接続ユニットの部分又は領域である。これらは、例えば、溶接がそれらの部分で構成されるような方法で提供される。
【0044】
シェル形状とは、例えば、半球形状、楕円形状及び/又は角のある形状を意味し得る。凸状接触部分は、例えば、トラフとして又はエンボスとして構成され得る。有利な方法により、これにより、バッテリセルに対する接続ユニットの幾何学的適応が向上し、したがって、バッテリセルを接続ユニットにより簡単に接続することができる。このため、電気的接触のための労力が低減する。
【0045】
本方法のさらに好ましい実施形態によれば、1つのバッテリセル又は複数のバッテリセル及び少なくとも1つの取替バッテリセルの電気的接触が、溶接法及び/又は半田付け法により行われる。さらに、電気的接触は、ネジ及び/又はクランプにより行ってもよい。例えば、接触は、接続ユニット、特に第1の接続ユニット及び/又は第2の接続ユニットの配置、及びそれに続くバッテリセル及び少なくとも1つの取替バッテリセルへのこの接続ユニットの溶接又は半田付けによりなされ得る。溶接法又は半田付け法による接続は、電気的接触のための有利な接続に加えて、本方法の高い再現可能性を可能にする。
【0046】
本方法のさらに好ましい実施形態によれば、第1の接続ユニットを取り外す前に、接触接続部は、1つのバッテリセルの第1の極部分内又は複数のバッテリセルの第1の極部分内で作用し、さらに/あるいは1つのバッテリセル又は複数のバッテリセルは、接触接続部が1つのバッテリセルの第1の極部分とは異なる第2の極部分内及び複数のバッテリセルの第1の極部分とは異なる第2の極部分内にそれぞれ構成されるように電気的に接触させられる。
【0047】
極部分は、バッテリセルの極の部分である。第2の極部分は、第1の極部分とは異なっており、第2の極部分は、好ましくは、第1の極部分に隣接して位置している。好ましくは、第2の極部分は、第1の極部分に隣接して位置している。特に、第1の極部分が、極の第1の側端部に隣接して配置され、第2の極部分が、第1の端部とは異なる第2の端部に隣接して配置されることが好ましい。
【0048】
第1の極部分は、さらに好ましくは、第2の極部分が第1の極部分のそれぞれの側に位置するように極上の中央に位置し得る。第2の極部分が、極の側端部に隣接する領域内に位置していることが特に好ましく、第1の極部分に隣接して位置していることがさらに好ましい。このため、接続ユニットの1つのバッテリセル又は複数のバッテリセル及び取替バッテリセルとのより良い接続性が得られ、その結果、本方法は、より良い自動化実現性、さらには、より良い再現性を有する。
【0049】
さらなる態様によれば、上述した目的は、接続ユニットに電気的に接続されるバッテリセル及び取替バッテリセルを有するバッテリにより実現され、導電接触接続部は、接続ユニットとバッテリセルとの間に加え、接続ユニットと取替バッテリセルとの間で作用し、好ましくは、このバッテリは、上記で述べた実施形態のうち1つの方法により生産される。
【0050】
特に、バッテリは、少なくとも1つのバッテリセル及び/又は少なくとも1つの取替バッテリセルを含んでいる。好ましくは、バッテリは、2つ以上のバッテリセル及び/又は2つ以上の取替バッテリセルを含んでいる。
【0051】
接続ユニットは、上記で述べた第1の接続ユニット及び/又は第2の接続ユニットであり得る。上記で述べたバッテリはより高い性能及びより高い効率により特徴付けられる。特に、このより高い効率は、バッテリセルの利用可能な性能能力をより良く利用することに関係している。取替バッテリセルは、好ましくはバッテリセルに類似するものである。取替バッテリセルは、特に、バッテリの新しい生産物には含まれていなかったバッテリセル及び/又はその後挿入されたバッテリセルである。
【0052】
バッテリの好ましい実施形態によれば、取替バッテリセルは、バッテリセル、特に除去したバッテリセルよりも高い性能を有する。さらに、取替バッテリセルは、バッテリが据え付けられるときには実質的に未使用であることが好ましい。さらに、取替バッテリセルは、使用済みバッテリセルであってもよい。例えば、取替バッテリセルは、先に述べたように分類分けされたバッテリセルであってもよい。
【0053】
バッテリの好ましい実施形態は、バッテリセル及び/又は取替バッテリセルは、それぞれ第1の極部分と、第1の極部分とは異なる第2の極部分とを有し、バッテリセルの第1の極部分は、除去される前に接触接続部を有しており、さらに/あるいは、バッテリセルと接続ユニットとの間及び/又は取替バッテリセルと接続ユニットとの間の接触接続部は、第2の極部分内で作用する点で特徴付けられる。特に、極部分は、バッテリセル及び/又は取替バッテリセルの極の異なる領域として理解されるべきである。また、極部分は、接触用の領域として理解され得る。この実施形態は、接続ユニットとバッテリセル又は取替バッテリセルとの間で良好な接続が確立できるという利点を有する。
【0054】
バッテリのさらに好ましい実施形態は、接続ユニットが、凸状に構成された接続部分を有するという事実により特徴付けられる。
【0055】
さらなる利点、さらなる態様の実施形態の変形例及び実施形態の詳細と考えられるさらなる実施形態については、本プロセスの対応する特徴及びさらなる実施形態に関して先に述べた説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
好ましい実施形態が例として添付図面を参照して説明される。添付図面は以下のものを示している。
【0057】
図1図1は、バッテリの例示的な実施形態の模式的三次元図である。
図2図2は、バッテリの模式的二次元詳細図である。
図3図3は、本方法のサブステップの適用後のバッテリの模式的三次元図である。
図4図4は、本方法のサブステップの適用後のバッテリの模式的三次元図である。
図5図5は、取替バッテリセル及び第2の接続ユニットを有する図1のパッテリの模式的三次元図である。
図6図6は、方法の概念図である。
図7図7は、方法のさらなる概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図面においては、同一の、あるいは本質的に機能的に同一又は類似の要素は同一の参照符号を用いて示される。
【0059】
図1は、バッテリセル2,4,6,8,10を有するバッテリ1を示している。バッテリセル2~10は、2つの第1の接続ユニット12,14と電気的に接続されている。導電接触接続部16は、第1の接続ユニット12,14とバッテリセル2~10との間で作用する。左側の第1の接続ユニット12のバッテリセル2との接触接続部のみが参照符号16で示されている。他の接触接続部は同様に構成されている。
【0060】
図2は、バッテリ1の断面図を示しており、断面のみがここに示されている。特に、第1の接続ユニット12とバッテリセル4との間の接触接続部16がここに示されており、接続ユニット12とバッテリセル4とは、バッテリセル4の極4aにより互いに連結されている。接触接続部16は、第1の接続ユニット12をバッテリセル4に接続している。接触接続部16は、例えば溶接部であってもよい。バッテリ1を調整するために、第1の接続ユニット12をバッテリセル2~10から取り外す必要がある場合がある。このために、接触接続部16を除去しなければならない。先に述べた、バッテリ1を調整するための方法によれば、接触接続部16は、取り外し製造プロセスを用いて除去される。これは、孔開け工具32を用いて行われ、工具径は、接触接続部16の接触部分の主拡張方向よりも大きい。接触部分は、xy平面に延びている。
【0061】
孔開け工具32として構成される切断工具の送り方向38は、それぞれ第1の接続ユニット12の面に直交し、バッテリセル4の極4aの極面に直交するように、すなわちz方向に向けられている。ここでは点線で示されている孔又は開口18を孔開け工具32を用いて形成することにより、接触接続部16が除去される。これは、第1の接続ユニット12に開口を生成する一方で、他方ではバッテリセル4の極4aに凹部20を生成するものである。バッテリセル4の極4a内の凹部20はできる限り小さいか、存在しないことが好ましい。しかしながら、通常は、孔開け工具32の先端角のためにこれを完全になくすことはできない。
【0062】
図1のバッテリが示されている図3においては、接触接続部16が除去された後の状態がここでは示されている。すなわち、これらが除去され、開口18が見えている。接触接続部16を除去することにより、第1の接続ユニット12をバッテリセル2~10から取り外すことができる。
【0063】
図4においては、バッテリ1の状態が、第1の接続ユニット12,14が取り外され除去されて示されている。その結果として、バッテリセル2~10の極2a,4a,6a,8a,10aにおける凹部20が見えている。
【0064】
バッテリセル2~10に関して例示的に、バッテリセル10に基づいて極10aの例示的な構造が示されている。極10aは、中央に配置された第1の極部分22を含んでいる。第1の極部分22は凹部20を含んでいる。中央に位置する第1の極部分22に隣接して、極10aは2つの第2の極部分24を含んでおり、これらは側方極部分とも呼ばれることがある。
【0065】
図5は、調整済みバッテリ1を示している。調整済みバッテリ1は、バッテリセル2~6,10と取替バッテリセル30とを有している。バッテリセル8が取替バッテリセル30に取り替えられている。バッテリセル2~6,10,30は、第2の接続ユニット26,28によって電気的に接触している。バッテリセル2~6,10,30のそれぞれの極2a,4a,6a,10aは、2つの接触接続部34により第2の接続ユニット26,28のそれぞれに接続されている。極2a,4a,6a,10aと第1の接触接続部16の利用可能なサイズが許容するのであれば、接続部を1つの接触接続部34のみで作成することもできる。さらに、これらの接触接続部34が第2の極部分内に位置していることが分かる。また、それぞれの極2a,4a,6a,10aは、接触接続部34により第2の接続ユニット26,28のそれぞれに接続され得る。
【0066】
第2の接続ユニット26,28は、バッテリセル2~6,10,30に対面する接触側に凸状に構成された幾何学的形状を有しており、これらの形状はトラフ36として示されている。これらは、紙面に向かって突出しており、溶接プロセスを用いた特に有利な方法により極10aに溶接され得る。
【0067】
図6は、複数のバッテリセル2~10を有するバッテリ1を調整するための方法の概念図を示しており、複数のバッテリセル2~10は第1の接続ユニット12,14に電気的に接続され、導電接触接続部16が第1の接続ユニット12,14とバッテリセル2~10との間で作用している。
【0068】
ステップ100においては、第1の接続ユニット12,14がバッテリセル2~10から取り外される。この取り外しは、接触接続部16を除去することにより行われ、これは、取り外し製造プロセスを用いてなされる。例えば、このために孔開け工具32が用いられ得る。あるいは、このために例えばミリング工具(milling tool)又は研削工具(abrasive tool)が用いられ得る。
【0069】
ステップ110においては、バッテリ1の少なくとも1つのバッテリセル2~10が取替バッテリセル30に取り替えられる。このために、バッテリ1から少なくとも1つのバッテリセル2~10が取り外され、バッテリ1に取替バッテリセル30が挿入される。
【0070】
ステップ120においては、バッテリセル2~10及び少なくとも1つの取替バッテリセル30が電気的に接触される。この電気的接触は、例えば第2の接続ユニット26,28により、あるいは第1の接続ユニット12,14によりなされ得る。
【0071】
図7は、好ましい方法の概念図を示している。本方法においては、図6に示される方法と比べて、ステップ102及び104が補足されている。ステップ102においては、バッテリセル2~10の性能がチェックされる。性能は、例えば、抵抗及び/又はインピーダンスの測定によりチェックされ得る。チェックは、取替110に先立って行われる。
【0072】
ステップ104においては、チェックされたバッテリセルが、チェックの結果に基づいて少なくとも2つの性能カテゴリに分類される。好ましくは、抵抗又はインピーダンスのような性能に関して予め規定された閾値が分類分けに使用される。
【0073】
特に、ステップ102及び/又は104がステップ100の前に行われることが好ましい。特に、ステップ102及び/又は104は、バッテリの使用中に記録された情報に基づいて行われてもよい。
【0074】
上記で述べたバッテリ1を調整するための方法により、バッテリ1を調整するための再現可能な方法が提供される。この方法は、極及び接触接続部16,34の幾何学的配置にかかわらず実施することができるので、この方法は異なるバッテリ1に適用可能である。さらに、取り外し製造プロセスのための工具32、例えば上記で述べられた孔開け工具32は容易に入手可能である。さらに、孔開け工具32は、バッテリセル2~10と接続ユニット12,14に決まったダメージを与えるように使用され、その結果、プロセスを簡単に制御することができる。本方法は、高速及び低コストによりさらに特徴付けられる。
【符号の説明】
【0075】
1 バッテリ
2 バッテリセル
2a 極
4 バッテリセル
4a 極
6 バッテリセル
6a 極
8 バッテリセル
10 バッテリセル
10a 極
12 第1の接続ユニット
14 第1の接続ユニット
16 接触接続部
18 孔
20 凹部
22 第1の極部分
24 第2の極部分
26 第2の接続ユニット
28 第2の接続ユニット
30 取替バッテリセル
32 孔開け工具
34 接触接続部
36 窪み
38 送り方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続ユニット(12,14)に電気的に接続される少なくとも2つのバッテリセル(2~10)を有し、前記第1の接続ユニット(12,14)と前記バッテリセル(2~10)との間で導電接触接続部(16)が作用するバッテリ(1)を調整するための方法であって、
・前記接触接続部(16)を除去することにより、前記バッテリセル(2~10)から前記第1の接続ユニット(12,14)を取り外すステップと、
・前記バッテリ(1)の少なくとも1つのバッテリセル(2~10)を取替バッテリセル(30)に取り替えるステップと、
・1つの前記バッテリセル(2~10)又は複数の前記バッテリセル(2~10)及び前記少なくとも1つの取替バッテリセル(30)を電気的に接触させるステップと
を含み、
・前記接触接続部(16)を除去することは、取り外し製造プロセスを用いて行われる、
方法。
【請求項2】
前記接触接続部(16)は、前記第1の接続ユニット(12,14)及び/又は前記バッテリセル(2~10)での材料除去により除去される、請求項1に記載された方法。
【請求項3】
前記接触接続部(16)を除去するために、切断工具及び/又は孔開け工具(32)が使用される、請求項1又は2に記載された方法。
【請求項4】
前記接触接続部(16)を除去するために、ミリング工具が使用される、請求項3に記載された方法。
【請求項5】
前記切断工具の送り方向は、前記第1の接続ユニット(12,14)の面及び/又は前記バッテリセル(2~10)のうちの1つの極面に実質的に直交するように向けられる、先行する請求項に記載された方法。
【請求項6】
前記接触接続部(16)は、前記バッテリセル(2~10)のうちの1つと前記第1の接続ユニット(12,14)との間の接触部分においてそれぞれ作用し、前記切断工具は、前記接触部分の主拡張方向よりも大きな工具径を有する、請求項に記載された方法。
【請求項7】
・前記バッテリセル(2~10)の性能をチェックするステップを含、先行する請求項1から6のいずれか一項に記載された方法。
【請求項8】
前記チェックは、抵抗及び/又はインピーダンスの測定により行われる、請求項7に記載された方法。
【請求項9】
前記チェックは、少なくとも1つのバッテリセル(2~10)を取り替える前に行われる、請求項7又は8に記載された方法。
【請求項10】
・前記チェックされたバッテリセル(2~10)を前記チェックの結果に基づいて少なくとも2つの性能カテゴリに分類するステップを含、先行する請求項7から9のいずれか一項に記載された方法。
【請求項11】
前記性能に関して予め規定された閾値が分類分けに使用される、請求項10に記載された方法。
【請求項12】
抵抗及び/又はインピーダンスに関して予め規定された閾値が分類分けに使用される、請求項11に記載された方法。
【請求項13】
前記閾値を超えた場合に、前記バッテリセル(2~10)を第2の用途用に分類し、前記閾値に達しない場合に、前記バッテリセル(2~10)を第3の用途用に分類する、請求項11又は12に記載された方法。
【請求項14】
1つの前記バッテリセル(2~10)又は複数の前記バッテリセル(2~10)及び前記少なくとも1つの取替バッテリセル(30)の電気的接触は、接続ユニット(12,14,26,28)により行われる、先行する請求項1から13のいずれか一項に記載された方法。
【請求項15】
1つの前記バッテリセル(2~10)又は複数の前記バッテリセル(2~10)及び前記少なくとも1つの取替バッテリセル(30)の電気的接触は、同一の第1の接続ユニット(12,14)により、及び/又はさらなる第1の接続ユニットにより、及び/又は前記第1の接続ユニットとは異なる第2の接続ユニット(26,28)により行われる、請求項14に記載された方法。
【請求項16】
・前記第2の接続ユニット(26,28)の接触部(36)は、前記バッテリセル(2~10)に対面する接触側に凸状に構成され、請求項15に記載された方法。
【請求項17】
前記凸状の接触部はシェル形状に構成される、請求項16に記載された方法。
【請求項18】
1つの前記バッテリセル(2~10)又は複数の前記バッテリセル(2~10)及び前記少なくとも1つの取替バッテリセル(30)の電気的な接触は、溶接法及び/又は半田付け法により行われる、先行する請求項1から17のいずれか一項に記載された方法。
【請求項19】
前記接触接続部(16)は、前記第1の接続ユニット(12,14)を取り外す前に、1つの前記バッテリセル(2~10)の第1の極部分内又は複数の前記バッテリセル(2~10)のそれぞれの第1の極部分内で作用し、1つの前記バッテリセル(2~10)又は複数の前記バッテリセル(2~10)は、接触接続部(34)が1つの前記バッテリセル(2~10)の前記第1の極部分とは異なる第2の極部分内及び複数の前記バッテリセル(2~10)の前記第1の極部分とは異なる第2の極部分内にそれぞれ構成されるように電気的に接触させられる、先行する請求項1から18のいずれか一項に記載された方法。
【請求項20】
接続ユニット(12,14,26,28)に電気的に接続されるバッテリセル(2~10)及び取替バッテリセル(30)と、前記接続ユニット(12,14,26,28)と前記バッテリセル(2~10)との間及び前記接続ユニット(12,14,26,28)と前記取替バッテリセル(30)との間で作用する導電接触接続部(34)とを有するバッテリ(1)。
【請求項21】
請求項1~19のいずれかによる方法により生産される、請求項20に記載のバッテリ(1)。
【請求項22】
前記取替バッテリセル(30)は、前記バッテリセル(2~10)よりも高い性能を有する、先行する請求項20又は21に記載のバッテリ(1)。
【請求項23】
・前記バッテリセル(2~10)及び前記取替バッテリセル(30)うちの少なくとも1つは、第1の極部分と、前記第1の極部分とは異なる第2の極部分とを有し、前記バッテリセル(2~10)の前記第1の極部分は、除去される前に接触接続部を有しており、さらに/あるいは
・前記バッテリセル(2~10)と前記接続ユニット(12,14,26,28)との間及び/又は前記取替バッテリセル(30)と前記接続ユニット(12,14,26,28)との間の前記接触接続部(34)は、前記第2の極部分内で作用する、
先行する請求項20から22のいずれか一項に記載されたバッテリ(1)。
【請求項24】
前記接続ユニット(12,14,26,28)は、凸状に構成された接触部を含む、先行する請求項20から23のいずれかに記載されたバッテリ(1)。
【国際調査報告】