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特表2024-504874釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機
(51)【国際特許分類】
   B25C 1/06 20060101AFI20240125BHJP
   B25C 1/04 20060101ALI20240125BHJP
   B25C 7/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B25C1/06
B25C1/04
B25C7/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570329
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 CN2022072211
(87)【国際公開番号】W WO2022166564
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】202110143489.8
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122238613.7
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523293851
【氏名又は名称】張華定
(74)【代理人】
【識別番号】100183564
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 伸也
(72)【発明者】
【氏名】張華定
【テーマコード(参考)】
3C068
【Fターム(参考)】
3C068AA01
3C068BB01
3C068CC02
3C068CC07
3C068DD13
3C068HH02
3C068JJ20
(57)【要約】
本発明は、機械技術の分野に属する釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機を提供する。既存の空気式釘打ち機の釘打ち力調整精度が長期間維持できないという技術的問題を解決する。この空気式釘打ち機は、ケーシングと撃針を含み、ケーシング内に第1シリンダーと第2シリンダーがさらに設けられ、第1シリンダー内に第1ピストンが設けられ、第1ピストンにより第1空気室が画定され、第2シリンダー内に第2ピストンが設けられ、撃針は第2ピストンに固定接続され、第2ピストンにより第2空気室が画定され、第1空気室と第2空気室は完全閉鎖通気路を介して連通し、第1空気室、通気路と第2空気室により外部に対して閉鎖の空気駆動構造を形成し、空気駆動構造に、空気駆動構造と外部を連通させるための空気穴が設けられ、ケーシングに、空気穴と外部の通気量を調整可能なハンドルが設けられる。空気穴は静的な通気構造であるため、調整精度を長期間維持することができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(1)とケーシング(1)に設けられて往復移動して釘を打つための撃針(2)を含み、ケーシング(1)内に第1シリンダー(4)と第2シリンダー(5)がさらに設けられ、第1シリンダー(4)内に、圧縮ストロークと復帰ストロークを行うことが可能な第1ピストン(41)が設けられ、第1ピストン(41)により第1シリンダー(4)内にガスを貯蔵するための第1空気室(42)が画定され、前記第1ピストン(41)はモータ(6)によって直線的に往復移動するように駆動され、第2シリンダー(5)内に第1位置と第2位置間で往復移動することが可能な第2ピストン(51)が設けられ、上記撃針(2)は第2ピストン(51)に固定接続され、前記第2ピストン(51)により第2シリンダー(5)内に第2空気室(52)が画定され、第1空気室(42)と第2空気室(52)は通気路(8)を介して互いに連通し、第1空気室(42)、通気路(8)と第2空気室(52)により外部に対して閉鎖の空気駆動構造を形成する空気式釘打ち機であって、
前記空気駆動構造に、空気駆動構造と外部を連通するための空気穴(7)が設けられ、ケーシング(1)に空気穴(7)と外部の通気量を調整することが可能なハンドル(14)が設けられ、第2ピストン(51)が第1位置にあり撃針(2)がロックされるとき、第1ピストン(41)が圧縮ストロークを行って第1空気室(42)内のガスを圧縮させ、空気穴(7)を通して一部の圧縮ガスを外部に排出させ、第2ピストン(51)が第2位置にあり撃針(2)が解除されるとき、第1ピストン(41)が復帰ストロークを行って第2ピストン(51)を第1位置に復帰させてロックし、空気穴(7)を通して一部の外部ガスを空気駆動構造に吸い込む、ことを特徴とする釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項2】
前記第2シリンダー(5)は第1シリンダー(4)の外側に同軸に配列され、第1シリンダー(4)のシリンダー本体端部と第2シリンダー(5)のシリンダー本体端部に、第1シリンダー(4)のシリンダー本体と第2シリンダー(5)のシリンダー本体をシールするためのシリンダーエンドキャップ(9)が設けられ、上記の通気路(8)はシリンダーエンドキャップ(9)内に位置し、上記の空気穴(7)はシリンダーエンドキャップ(9)または第1シリンダー(4)のシリンダー本体または第2シリンダー(5)のシリンダー本体に設けられ、前記空気穴(7)は前記通気路(8)または第1空気室(42)または第2空気室(52)と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項3】
前記空気穴(7)は内径0.5~5mmの単一のものであり、または前記空気穴(7)は複数である、ことを特徴とする請求項2に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項4】
前記ハンドル(14)はねじ棒(141)を含み、ねじ棒(141)はシリンダーエンドキャップ(9)にねじ込まれて接続され、ねじ棒(141)の内端は阻止端であり、ハンドル(14)の調整により、阻止端を異なる位置に配置して空気穴(7)を阻止し、空気穴(7)の空気量を変えることができる、ことを特徴とする請求項2に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項5】
前記ハンドル(14)はケーシング(1)上の揺動バーにヒンジで接続され、揺動バーの端部に遮断板が設けられ、ハンドル(14)の調節により、遮断板が一部の空気穴(7)を遮断し、空気穴(7)の空気量を変えることができる、ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項6】
前記ハンドル(14)は、ねじ棒(141)の外端に固定接続されたターンテーブル(142)を含み、ターンテーブル(142)に位置決め用の鋼球(143)と鋼球(143)に作用するバネ(144)が設けられ、シリンダーエンドキャップ(9)の外側面に円周方向に均等に分布する多数の位置決め穴(922)が設けられ、前記鋼球(143)はバネ(144)の作用下で一方の位置決め穴(922)の開口内に当接される、ことを特徴とする請求項4に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項7】
前記シリンダーエンドキャップ(9)に柱状の取付ベース(94)が設けられ、取付ベース(94)の一端にねじ穴が設けられ、上記空気穴(7)は他端に設けられ、他端に通気穴(71)が設けられ、前記ハンドル(14)のねじ棒(141)はねじ穴内にねじ込まれて接続され、ねじ棒(141)の内端は空気穴(7)の開口に延伸して空気穴(7)と通気穴(71)間に位置し、シリンダーエンドキャップ(9)の下部に前記通気穴(71)と連通するガス通路(93)が設けられ、前記ガス通路(93)は外部と連通する、ことを特徴とする請求項6に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項8】
シリンダーエンドキャップ(9)に取付ベース(94)が固定接続され、前記空気穴(7)は取付ベース(94)内に設けられ、取付ベース(94)に、空気穴と連通する通気穴(71)がさらに設けられ、前記通気穴(71)は外部と連通し、前記空気穴(7)に通気柱(145)が可動に接続され、前記通気柱(145)は通気ロッドを含み、前記通気ロッドは空気導入穴(145a)および空気導入穴(145a)と連通する内側空気穴(145b)を含み、前記空気導入穴(145a)は第1空気室(42)と連通し、前記通気柱(145)はハンドル(14)に接続され、ハンドル(14)の調整下で、前記内側空気穴(145b)は空気穴(7)を移動し、空気穴(7)の内周面と通気穴(71)とは内側空気穴(145b)を介して導通または閉鎖状態を形成する、ことを特徴とする請求項6に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項9】
前記シリンダーエンドキャップ(9)は、内側エンドキャップ(91)と外側エンドキャップ(92)を含み、前記外側エンドキャップ(92)は内側エンドキャップ(91)の外側面に固着されて内側エンドキャップ(91)と外側エンドキャップ(92)間に上記の通気路(8)を形成し、前記ガス通路(93)は通気路(8)の下方に設けられる、ことを特徴とする請求項7または8に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項10】
前記ガス通路(93)は、内側エンドキャップ(91)の外側面に設けられた円筒状の固定ベース(916)を含み、上記取付ベース(94)は固定ベース(916)内に挿入されて固定ベース(916)と密閉され、固定ベース(916)に上記通気穴(71)と連通する通気溝(917)が設けられ、内側エンドキャップ(91)の外側面の固定ベース(916)の外側に複数のリブ(918)が設けられ、前記リブ(918)間に凹状空洞(95)が形成され、内側エンドキャップ(91)の外縁に、外部と連通する穴(919)が設けられ、前記通気溝(917)、凹状空洞(95)および穴(919)は互いに連通する、ことを特徴とする請求項9に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項11】
前記内側エンドキャップ(91)の内側面に、第1シリンダー(4)のシリンダー本体内に挿入されて密封接続された第1凸部(911)と、第2シリンダー(5)のシリンダー本体に挿入されて密封接続された第2凸部(912)がそれぞれ設けられ、第1凸部(911)に内側エンドキャップ(91)を貫通する第1貫通穴(913)が設けられ、第2凸部(912)に内側エンドキャップ(91)を貫通する第2貫通穴(914)が設けられ、前記外側エンドキャップ(92)と内側エンドキャップ(91)間にシールリング(915)が設けられ、前記シールリング(915)は、前記第1貫通穴(913)と第2貫通穴(914)をシールリング(915)内に囲み、前記外側エンドキャップ(92)に第1貫通穴(913)と第2貫通穴(914)を連通させる溝(921)が設けられる、ことを特徴とする請求項10に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項12】
前記取付ベース(94)は、空気穴(7)と連通する通気リング(941)を含み、前記通気リング(941)に通気穴(71)が開設され、前記通気柱(145)はねじ(145c)を含み、前記取付ベース(94)はねじ穴(942)をさらに含み、前記ねじ(145c)はねじ穴(942)内にねじ込まれ、前記通気柱(145)はタブ(145d)を介してハンドルに接続され、前記通気柱(145)はねじ(145c)とねじ穴(942)の相対的回転により空気穴(7)内で移動し、空気穴(7)は内側空気穴(145b)を介して通気リング(941)と導通または閉鎖状態を形成する、ことを特徴とする請求項8に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項13】
前記取付ベース(94)の端部にフランジ(943)が設けられ、前記固定ベース(916)は、フランジ(943)の形状と合致する取付溝(96)を含み、前記与フランジ(943)は取付溝(96)内に位置し、前記取付ベース(94)の外壁に環状溝(944)がさらに開設され、前記環状溝(944)は上記通気溝(917)と連通する、ことを特徴とする請求項12に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項14】
釘打ち機はハウジング(15)をさらに含み、前記ハウジング(15)に固定溝(15a)が設けられ、カバープレート(16)は固定溝(15a)のノッチに取り付けられ、前記固定溝(15a)内に可動ロッド(17)が設けられ、前記可動ロッド(17)の一端にバネ2(18)が装着されるバネ溝(17a)が開設され、前記バネ2(18)はシリンダーエンドキャップ(9)に当接され、前記可動ロッド(17)の他端は球状タブ(17b)であり、前記ハンドル(14)は接続ロッド(14a)と接続ロッド(14a)の外端に接続されたタブターンテーブル(14b)を含み、前記接続ロッド(14a)はタブ(145d)に接続され、前記タブターンテーブル(14b)に、球状タブ(17b)の形状と合致する球状溝(14c)が開設され、前記球状タブ(17b)は固定溝(15a)のU字形開口(15a1)を貫通して球状溝(14c)に当接される、ことを特徴とする請求項13に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。
【請求項15】
前記ハウジング(15)に開口(15b1)を有する回転溝(15b)がさらに設けられ、前記タブターンテーブル(14b)は回転溝(15b)内で回転し、前記タブターンテーブル(14b)の端面に、球状溝(14c)に対応する数字が設けられ、前記数字はタブターンテーブル(14b)のタッチパッド(14b1)に間隔を空けて設けられる、ことを特徴とする請求項14に記載の釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械技術の分野に属する空気式釘打ち機に関し、特に、釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気式釘打ち機は、釘を打つための高圧ガス駆動工具である。既存の空気式釘打ち機は、シングルシリンダー式釘打ち機とダブルシリンダー式釘打ち機に分けられる。シングルシリンダー式釘打ち機は、主に外部の高圧ガス源からシングルシリンダーに入力して釘を打ち、外部の高圧ガスは一般的に高圧ガスタンクまたはコンプレッサーから出力した高圧ガスであるため、シングルシリンダー式の空気式釘打ち機は、ガスパイプを介して高圧ガス源に接続される必要があり、高圧ガス源の近くにのみ使用できる。ダブルシリンダー式釘打ち機は、シングルシリンダーをベースに1つガスシリンダーを追加して高圧ガスを発生させ、動力源を内蔵して駆動しているため、ダブルシリンダー式釘打ち機はポータブル釘打ち機であり、任意範囲内で移動できる。
【0003】
シングルシリンダー式空気式釘打ち機の釘打ち力調整は、シングルシリンダーと外部高圧ガス源間のガス通路にバランスバルブを設けてシングルシリンダーに入力した圧力を調整することにより行われ、主に外部から隔離されている内部ガス通路で調整されるので、高圧ガス源が外部に漏れることはない。
【0004】
ダブルシリンダー式釘打ち機の釘打ち力調整は、主にバネ力調整とセンサープログラム制御調整によって行われる。バネ力調整構造としては、公開番号CN109693210Aの中国特許では釘打ち機が開示されており、撃針に取り付けられたピストンにバネと調整ノブが設定され、ピストンが収縮するとバネを圧縮してバネの作用力がピストンに作用し、調整ノブはバネの初期位置を調整してバネ作用力を変更することができ、ピストンリリースとき、異なるバネ作用力が異なる釘打ち力を発生させる。
【0005】
別のセンサープログラム制御調整は、主に複数のセンサーにより釘打ち位置を予め設定し、ガス圧縮により高圧を生成するシリンダーのピストンが予め設定された位置に達するとセンサーによって感知されプログラム制御によって釘を打ち、またはセンサーにより初期位置とストロークを感知して釘打ち位置を算出し、プログラム制御によって釘を打つものである。
【0006】
上記のいくつかの方法による釘打ち力調整は釘打ち力を効果的に調整することができるが、釘打ち力精度の調整において長期的な精度を維持することができず、バネでもセンサーでも長期間の使用において、精度が徐々に低下し、長期間的な精度を維持することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願公開第109693210号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
先行技術における上記問題点を鑑み、本発明は、釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機を提供し、解決しようとする技術的課題は、釘打ち力をいかに長期間精度よく調整するかである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の技術的解決策によって実現される。釘打ち力を調整可能な空気式釘打ち機は、ケーシングと、ケーシングに設けられて往復移動して釘を打つための撃針を含み、前記ケーシングに、撃針をロックまたは解放することが可能なロック部材が設けられ、ケーシング内に第1シリンダーと第2シリンダーがさらに設けられ、第1シリンダー内に、圧縮ストロークと復帰ストロークを行う第1ピストンが設けられ、第1ピストンにより第1シリンダー内でガスを貯蔵するための第1空気室が画定され、前記第1ピストンはモータによって直線的に往復移動するように駆動され、第2シリンダー内で第1位置と第2位置間で往復移動する第2ピストンが設けられ、上記の撃針は第2ピストンに固定接続され、前記第2ピストンにより第2シリンダー内で第2空気室が画定され、第1空気室と第2空気室は通気路を介して互いに連通し、第1空気室、通気路と第2空気室により、外部に対して閉鎖の空気駆動構造を形成し、前記空気駆動構造に、空気駆動構造と外部を連通するための空気穴が設けられ、ケーシングに空気穴と外部の通気量を調整することが可能なハンドルが設けられ、第2ピストンが第1位置にあり撃針がロックされるとき、第1ピストンが圧縮ストロークを行って第1空気室内のガスを圧縮させ、空気穴を通して一部の圧縮ガスを外部に排出させ、第2ピストンが第2位置にあり撃針が解除されるとき、第1ピストンが復帰ストロークを行って第2ピストンを第1位置に復帰させてロックし、空気穴を通して一部の外部ガスを空気駆動構造に吸い込む。
【0010】
この空気式釘打ち機の動作原理は次のとおりである。第1空気室、通気路と第2空気室により空気駆動構造を形成して釘を打つとき、事前にハンドルを調整して空気駆動構造上の空気穴と外部の一定の通気量を維持し、第2ピストンが第1位置にあるときピストンが第2シリンダーの底部まで収縮され、ロック部材は撃針をロックして撃針が第2ピストンに固定接続されるため、第2ピストンは第2シリンダーの底部に移動不可能に制限され、第2空気室の容積が一定であり、第1ピストンは圧縮ストロークを行って、第1シリンダー内のガスが圧縮されて高圧ガスを発生させ、さらに空気駆動構造全体が高圧状態になり、空気穴が外部と連通しているため、一部の高圧ガスが空気駆動機構から排出され、実際の高圧ガスの圧力値が第1ピストンの予め設定されたストロークによって生成した圧力値よりも小さく、予めハンドルを異なる位置に操作することにより、第1空気室内の実際高圧ガスの圧力値を調整して、釘打ち力の調整を実現し、第1ピストンが圧縮ストロークを行った後、ロック部材がそれを解放し、第2ピストンが高圧ガスの作用下で高速移動して撃針を駆動して釘を打ち、その後第1ピストンが復帰ストロークを行い、第1空気室、通気路と第2空気室により形成された空気駆動構造は空気穴以外に密閉されるため、復帰ストロークでは、第1空気室は第2空気室に対して負圧を発生させ、第2シリンダー内の第2ピストンは第1位置まで引き戻されてロック部材によってロックされ、復帰過程では、空気穴が外部と連通しいるため、第1空気室の圧力も大気圧よりも小さく、第1空気室に予め一部のガスが進入し、第1空気室に必要なガスを予め補充する。空気穴とハンドルの協働により外部大気が第1空気室内に一定量しか入らないため、第2空気室に対する第1空気室の負圧に影響を与えることがなく、第1ピストンの復帰とき徐々に増加するモータトルクを落ち着かせることができ、モータの動作がスムーズで、モータの動作精度を維持することができ、空気穴は静的な通気構造であるため、バネのように動的に移動しないため、調整精度を長期間維持することができる。
【0011】
上記の空気式釘打ち機において、前記第2シリンダーは第1シリンダー外側に同軸に配列され、第1シリンダーのシリンダー本体端部と第2シリンダーのシリンダー本体の端部に、第1シリンダーのシリンダー本体と第2シリンダーのシリンダー本体をシールするためのシリンダーエンドキャップが設けられ、同一側の第1空気室と第2空気室が形成され、上記の通気路はシリンダーエンドキャップ内に位置し、上記の空気穴はシリンダーエンドキャップ上または第1シリンダーのシリンダー本体上または第2シリンダーのシリンダー本体上に設けられ、前記空気穴は前記通気路または第1空気室または第2空気室と連通する。
【0012】
上記の空気式釘打ち機において、前記空気穴は単一であり、内径は0.5~5mmであり、または前記空気穴は複数である。複数の空気穴の総通気量は内径0.5~5mmの単一空気穴と同じである。
【0013】
上記の空気式釘打ち機において、前記ハンドルはねじ棒を含み、ねじ棒はシリンダーエンドキャップにねじ込まれて接続され、ねじ棒の端部に阻止端が設けられ、ハンドルを調整した後、阻止端を空気穴内の異なる位置に位置させて空気穴の空気量を変えることができる。
【0014】
上記の空気式釘打ち機において、前記ハンドルは、ケーシングにヒンジで接続された揺動バーを含み、揺動バーの端部に遮断板が設けられ、ハンドルを調整した後、遮断板が一部の空気穴を遮断して空気穴の空気量を変える。
【0015】
上記の空気式釘打ち機において、前記ハンドルは、ねじ棒の外端に接続されたターンテーブルを含み、ターンテーブルの縁に、位置決め用の鋼球と鋼球に作用するバネが設けられ、シリンダーエンドキャップの外側面に円周方向に均一に分布する複数の位置決め穴が設けられ、前記鋼球はバネの作用下で一方の位置決め穴の開口内に当接される。ターンテーブルを回転させると、ターンテーブルはねじ棒の軸方向を中心として回転し、鋼球はバネの作用下で1つの開口内に当接され、回転中、鋼球は元の開口から離れて軌跡に沿って次の開口に進入してユーザに次の調整位置まで回転して位置決めることを提示するために、叩き音を発する。
【0016】
上記の空気式釘打ち機において、前記シリンダーエンドキャップに柱状の取付ベースが設けられ、取付ベースの一端にねじ穴が設けられ、上記空気穴は他端に設けられ、他端に通気穴が設けられ、前記ハンドルのねじ棒はねじ穴にねじ込まれて接続され、ねじ棒の内端は空気穴開口に延伸して空気穴と通気穴間に位置し、シリンダーカバーの下部に前記通気穴と連通するガス通路がさらに設けられ、前記ガス通路は外部と連通する。このような構造によって、外部との排気と吸気を実現し、防塵作用も果たす。
【0017】
上記の空気式釘打ち機において、シリンダーエンドキャップに取付ベースが固定接続され、前記空気穴は取付ベース内に設けられ、取付ベースに空気穴と連通する通気穴がさらに設けられ、前記通気穴は外部と連通し、前記空気穴は通気柱に可動に接続され、前記通気柱は通気ロッドを含み、前記通気ロッドは通気穴、および通気穴と連通する内側空気穴を含み、前記通気穴は第1空気室と連通し、前記通気柱はハンドルに接続され、ハンドルの調整下で、前記内側空気穴は空気穴で移動し、空気穴内周面と通気穴は内側空気穴を介して導通または閉鎖状態を形成する。ハンドルを一定のターン数で回転させた後、貫通穴内周面と外部空気穴が一部の導通状態を形成すると空気駆動構造と外部の通気量が変更され、操作者が意図せずにハンドルを触れたときハンドルが回転して阻止部の位置を変更させ、空気駆動構造と外部が連通する状況を回避する同時に、通気ロッドは取付ベースの貫通穴内に位置し、取付ベースの密封性を確保し、釘打ち機の釘打ち力の調整精度を向上させることができる。
【0018】
上記の空気式釘打ち機において、前記シリンダーエンドキャップは内側エンドキャップと外側エンドキャップを含み、前記外側エンドキャップは内側エンドキャップの外側面に密着されて内側エンドキャップと外側エンドキャップ間に上記の通気路が形成され、前記ガス通路は通気路の下方に設けられる。このような構造によって、外部ガスが第1シリンダーの下側から上方へ第1空気室内に進入し、進入したガスの清浄度を保証することができる。
【0019】
上記の空気式釘打ち機において、前記ガス通路は、内側エンドキャップ外側面に設けられた円筒状の固定ベースを含み、上記の取付ベースは固定ベース内に挿入されて固定ベースと密閉され、固定ベースに、上記通気穴と連通する通気溝が設けられ、内側エンドキャップ外側面の固定ベース外側に複数のリブがさらに設けられ、前記リブ間に凹状空洞が設けられ、内側エンドキャップの外縁に外部と連通する穴が設けられ、前記通気溝、凹状空洞と穴は連通する。通気溝と穴間に容積の大きい凹状空洞が設けられ、第1空気室から排除された高圧ガスは緩衝を形成して騒音を低減することができる。
【0020】
上記の空気式釘打ち機において、前記内側エンドキャップの内側面に、第1シリンダーのシリンダー本体に挿入されて密封接続された第1凸部と、第2シリンダーのシリンダー本体に挿入されて密封接続された第2凸部とがそれぞれ設けられ、第1凸部に内側エンドキャップを貫通する第1貫通穴が設けられ、第2凸部に内側エンドキャップを貫通する第2貫通穴が設けられ、前記外側エンドキャップと内側エンドキャップ間にシールリングが設けられ、前記シールリングは前記第1貫通穴と第2貫通穴をシールリング内に囲み、前記外側エンドキャップに第1貫通穴と第2貫通穴を連通する溝が設けられる。
【0021】
上記の空気式釘打ち機において、前記取付ベースは空気穴と連通する通気リングを含み、前記通気リングに通気穴が開設され、前記通気柱はねじを含み、前記取付ベースはねじ穴を含み、前記ねじは、ねじ穴内にねじ込まれ、前記通気柱はタブを介してハンドルに接続され、前記通気柱はねじとねじ穴の相対的回転により空気穴内で移動し、空気穴は内側空気穴を介して通気リングと導通または閉鎖状態を形成する。
【0022】
上記の空気式釘打ち機において、前記取付ベースの端部にフランジが設けられ、前記固定ベースはフランジの形状と合致する取付溝を含み、前記フランジは取付溝内に位置し、前記取付ベースの外壁に環状溝がさらに開設され、前記環状溝は上記通気溝と連通する。
【0023】
上記の空気式釘打ち機において、釘打ち機はハウジングを含み、前記ハウジングに固定溝が設けられ、カバープレートは固定溝のノッチに取り付けられ、前記固定溝内に可動ロッドが設けられ、前記可動ロッドの一端にバネ2が装着されたバネ溝が開設され、前記バネ2はシリンダーエンドキャップに当接され、前記可動ロッドの他端は球状タブであり、前記ハンドルは接続ロッドと接続ロッド外端に接続されたタブターンテーブルを含み、前記接続ロッドはタブに接続され、前記タブターンテーブルに球状タブの形状と合致する球状溝が開設され、前記球状タブは固定溝のU字形開口を通過して球状溝に当接される。
【0024】
上記の空気式釘打ち機において、前記ハウジングに開口を有する回転溝がさらに設けられ、前記タブターンテーブルは回転溝内で回転し、前記タブターンテーブルの端面に球状溝に対応する数字がさらに設けられ、前記数字はタブターンテーブルのタッチパッドに間隔を空けて設けられる。
【発明の効果】
【0025】
先行技術と比較すると、この空気式釘打ち機は以下の利点を有する。
1、この空気式釘打ち機は、空気駆動構造に外部と連通する空気穴を設けて釘打ち力を調整することにより、釘打ち力の調整を実現することができ、第1ピストンの復帰時徐々に増加するモータトルクを落ち着かせることができ、モータの動作がスムーズで、モータの動作精度を維持することができ、空気穴は静的な通気構造であるため、バネのように動的に移動しないため、調整精度を長期間維持することができる。
2、この空気式釘打ち機は、空気穴を介して排気と吸気を行う時、空気穴の外側に空気溝が設けられ、内部空洞と穴などのガス通路により排気騒音がなくなり、吸気時、無灰層が第1空気室に進入することを回避し、長期間の精度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】この空気式釘打ち機の断面構造を示す概略図である。
図2】この空気式釘打ち機の一部立体分解構造を示す概略図である。
図3図2における空気式釘打ち機のシリンダーエンドキャップ部分の拡大立体構造を示す概略図である。
図4図1のA部の拡大立体構造を示す概略図である。
図5】第1ピストンが圧縮ストロークを行う時の空気駆動構造の状態を示す概略構造図である。
図6】第1ピストンが圧縮ストロークを行った時の空気駆動構造の状態を示す概略構造図である。
図7】釘打ち後の空気駆動構造の状態を示す概略構造図である。
図8】第1ピストンが復帰ストロークを行う時の空気駆動構造の状態を示す概略構造図である。
図9】第1ピストンが復帰ストロークを行った後の空気駆動構造の状態が初期状態に復帰する場合の概略構造図である。
図10】この空気式釘打ち機の実施例2中の一部立体分解構造を示す概略図である。
図11図10の空気式釘打ち機のシリンダーエンドキャップの一部拡大立体構造を示す概略図である。
図12】この空気式釘打ち機の実施例2中の取付ベースと通気柱の拡大立体構造を示す概略図である。
図13】実施例2中のシリンダーエンドキャップの拡大断面構造を示す概略図である。
図14】本釘打ち機の実施例2中の内側空気穴と通気穴が導通していない場合の断面構造を示す概略図である。
図15】本釘打ち機の実施例2中の内側空気穴と通気穴が一部導通する場合の断面構造を示す概略図である。
図16】本釘打ち機の実施例2中の内側空気穴と通気穴が完全に導通する場合の断面構造を示す概略図である。
図17】本釘打ち機の実施例3の立体構造を示す概略図である。
図18】実施例3の分解構造を示す概略図である。
図19】実施例3の一部構造の分解概略図である。
図20】実施例3の一部構造の分解概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面と実施例の形態を併せて本発明をさらに説明する。
【実施例1】
【0028】
図1に示すように、空気式釘打ち機は、ケーシング1、ケーシング1に設けられ往復移動して釘を打つための撃針2、前記ケーシング1に設けられて撃針2をロックまたは解放するロック部材3を含み、ロック部材3はロックフックを含み、撃針2の側部に係合溝が設けられ、ロック状態時、ロックフックが係合溝に係合されて撃針2がロック状態に保持されて移動できない。ケーシング1内に第1シリンダー4と第2シリンダー5がさらに設けられ、第1シリンダー4内に圧縮ストロークと復帰ストロークを行う第1ピストン41が設けられ、第1ピストン41により第1シリンダー4内でガスを貯蔵するための第1空気室42が画定され、第1ピストン41にピストンロッド411が接続され、ピストンロッド411はクランク412に接続され、ケーシング1内に設けられたモータ6はギア減速機61に接続され、ギア減速機61の出力軸はクランク412に接続され、ピストンロッド411とクランク412はクランクリンク構造を形成し、モータ6の回転力を第1ピストン41を直線的に往復移動するように駆動する動力に変換する。第2シリンダー5内に第1位置と第2位置間で往復移動する可能な第2ピストン51が設けられ、第1位置は撃針2がロックされて第2ピストン51が所在する位置であり、第2位置は撃針が釘を打った後第2ピストン51が所在する位置であり、撃針2は第2ピストン51に固定接続され、第2ピストン51により第2シリンダー5内で第2空気室52が画定され、第1空気室42と第2空気室52は完全閉鎖通気路8を介して互いに連通し、第1空気室42、通気路8と第2空気室52により、外部に対して閉鎖の空気駆動構造を形成する。ケーシング1の把持部下端に着脱可能な電池10が設けられ、電池10はモータコントロールパネル11に電源を供給し、ケーシング1の把持部下端にボタン12がさらに設けられ、ボタン12もモータコントロールパネル11に接続され、ボタン12が押されたと、モータコントロールパネル11はモータ6を制御し、第1ピストン41が圧縮ストロークと復帰ストロークを行うように駆動する。ケーシング1の前端に釘箱13がさらに設けられ、釘箱13内の釘がバネの作用下で自動的に撃針2の前に上昇する。第1ピストン41が圧縮ストロークを行った後、解放機構はロックフックを撃針2の係合溝内から外し、撃針2と第2ピストン51が解放状態になり、第2ピストン51は高圧の作用下で高速移動し、撃針2が撃針2前方の釘を打撃するように駆動され、一回の釘打ち動作を完了する。その後、第1ピストン41が復帰ストロークを行い、負圧の作用下で、第2ピストン51が第1位置から第2位置に戻り、ロックフックにより撃針2を再びロックし、このように繰り返して連続釘打ちを実現する。
【0029】
図1と併せて、図2に示すように、図2は、この空気式釘打ち機の立体分解図である。第2シリンダー5は第1シリンダー4上方に位置し、第1シリンダー4と第2シリンダー5は同軸方向に配列され、第1シリンダー4のシリンダー本体端部と第2シリンダー5のシリンダー本体の端部に、第1シリンダー4のシリンダー本体と第2シリンダー5のシリンダー本体をシールするためのシリンダーエンドキャップ9が設けられ、第1シリンダー4と第2シリンダー5のエンドキャップは同一シリンダーエンドキャップ9であり、第1シリンダー4と第2シリンダー5の一側に取り付けられ、同一側の第1空気室42と第2空気室52が形成され、通気路8はシリンダーエンドキャップ9内に位置する。シリンダーエンドキャップ9は内側エンドキャップ91と外側エンドキャップ92を含み、内側エンドキャップ91の内側面に、第1シリンダー4のシリンダー本体内に挿入されて密封接続された第1凸部911と、第2シリンダー5のシリンダー本体に挿入されて密封接続された第2凸部912が設けられ、第1凸部911に、内側エンドキャップ91を貫通する第1貫通穴913が設けられ、第2凸部912に内側エンドキャップ91を貫通する第2貫通穴914が設けられ、外側エンドキャップ92と内側エンドキャップ91間にシールリング915が設けられ、シールリング915は第1貫通穴913と第2貫通穴914をシールリング915内に囲み、外側エンドキャップ92の内側面に第1貫通穴913と第2貫通穴194を連通する溝921が設けられる。このような構造により、外側エンドキャップ92は内側エンドキャップの外側面に密着されねじを介して第1シリンダー4のシリンダー本体と第2シリンダー5のシリンダー本体に固定され、内側エンドキャップ91と外側エンドキャップ92が固定された後内側エンドキャップ91と外側エンドキャップ92間に上記の通気路8が形成される。
【0030】
図3および図4に示すように、シリンダーエンドキャップ9に通気路8と連通する単一空気穴7が設けられ、空気穴7の内径は0.5~5mmであり、ケーシング1に、空気穴7と外部の通気量を調整することが可能なハンドル14が設けられ、ハンドル14はねじ棒141を含み、ねじ棒141はシリンダーエンドキャップ9にねじ込まれて接続され、ねじ棒141の内端は阻止端であり、ハンドルを調整した後阻止端が空気穴7内の異なる位置に位置して空気穴7の空気量を変えることができる。代替的な構造として、空気穴7を第1シリンダー4のシリンダー本体上または第2シリンダー5のシリンダー本体上に設けてもよく、空気穴7は第1空気室42または第2空気室52と連通し、空気穴7の数も複数であってもよく、複数の空気穴の総通気量は内径0.5~5mmの単一空気穴と同じまたは近似である。強度を高めるために、シリンダーエンドキャップ9の内側エンドキャップ91と外側エンドキャップ92に銅などの金属材料からなる柱状の取付ベース94が設けられ、取付ベース94はプラスチックからなるシリンダーエンドキャップ9内に設けられ、取付ベース94の一端にねじ穴が設けられ、空気穴7は他端に設けられ、他端に空気導入穴145aが設けられ、ハンドル14のねじ棒141はねじ穴内にねじ込まれて接続され、ねじ棒141の内端は空気穴7の開口に延伸して空気穴7と空気導入穴145a間に位置する。ハンドル14はねじ棒141の外端に接続されたターンテーブル142を含み、ターンテーブル142の縁に、位置決め用の鋼球143と鋼球143に作用するバネ144がさらに設けられ、シリンダーエンドキャップ9の外側面に円周方向に均一に配置された複数の位置決め穴922が設けられ、鋼球143はバネ144の作用下で一方の位置決め穴922の開口内に当接される。ターンテーブルを回転させると、ターンテーブル142はねじ棒141の軸方向を中心として回転し、鋼球143はバネ144の作用下で1つの開口に当接され、回転中、鋼球143は元の開口から離れて軌跡に沿って次の開口に進入して、ユーザに次の調整位置まで回転して位置決めることを提示するために、叩き音を発する。
【0031】
空気穴7は、シリンダーエンドキャップ9内のガス通路93に設けられ、空気駆動構造と外部を連通させ、ガス通路93はシリンダーエンドキャップ9の下部に設けられ、通気路8の下方に位置する。具体的に、ガス通路93は内側エンドキャップ91の外側面に設けられた円筒状の固定ベース916を含み、取付ベース94は固定ベース916内に挿入されて固定ベース916と密閉され、固定ベース916に、空気導入穴145aと連通する通気溝917が設けられ、内側エンドキャップ91の外側面の固定ベース916外側に複数のリブ918がさらに設けられ、リブ918間に凹状空洞95が設けられ、内側エンドキャップ91の外縁に外部と連通する穴919がさらに設けられ、前記通気溝917、凹状空洞95と穴919は連通する。
【0032】
本発明の動作過程は、図5図9に示すように、第1空気室42、通気路8と第2空気室52により空気駆動構造を形成し、図1に示す第1ピストン41と第2ピストン51が所在する位置は初期状態であり、事前にハンドル14を調整したとき空気駆動構造上の空気穴7は外部との通気量を決められた範囲に維持し、第2ピストン51は第1位置に位置し、すなわち、第1ピストン51が第2シリンダー5の底部に収縮し、ロックフックを有するロック部材3は撃針2をロックする。
【0033】
図5に示すように、第1ピストン41は圧縮ストロークを行って、第1シリンダー4内のガスが圧縮されて高圧ガスを発生させ、さらに空気駆動構造全体は高圧状態になり、空気穴7はガス通路93を介して外部と連通しているため、一部の高圧ガスは通気溝917、凹状空洞95および穴919を介して一部の高圧ガスを外部に排出させ、実際の高圧ガスの圧力値が第1ピストン41で予め設定されたストロークにより生成した圧力値よりも小さく、釘打ち力の調整を実現する。
【0034】
図6および図7に示すように、第1ピストン41が圧縮ストロークを行った後、解放機構はロックフックを撃針2の係合溝から移し、ロック部材3が解放状態になり、撃針2と第2ピストン51は両方とも解放状態になり、第2ピストン51は高圧の作用下で高速移動し、撃針2が撃針2前方の釘を打撃するように駆動され、一回の釘打ち動作を完了し、このとき、第2ピストン51は第2位置に位置する。
【0035】
図8に示すように、第1ピストン41は復帰ストロークを行い、第1空気室42、通気路8と第2空気室52によって形成された空気駆動構造は空気穴7以外に密閉されるため、復帰ストロークでは、第1空気室42は第2空気室52に対して負圧を発生し、第2シリンダー5内の第2ピストン51は第1位置に移動する。復帰過程中、空気穴7は外部と連通しているため、第1空気室42の圧力も大気圧よりも小さく、第1空気室42は通気溝917、凹状空洞95および穴919を介して予め一部のガスが進入し、第1空気室42に必要なガスを予め補充する。空気穴とハンドルの協働により、外部大気が第1空気室42内に一定量しか入らないため、第2空気室52に対する第1空気室42の負圧に影響を与えることがなく、第1ピストン41の復帰時徐々に増加するモータ6のトルクを落ち着かせることができ、モータ6の動作がスムーズで、モータ6の動作精度を維持することができる。
【0036】
図9に示すように、第1ピストン41が初期位置に復帰すると、第2ピストン51は負圧作用下で第1位置に復帰し、ロック部材3によって撃針が再びロックされ、一回の釘打ち循環を完了する。
【実施例2】
【0037】
図10図13に示すように、実施例2は、以下の点を除いて実施例1の構造と基本的に同字であり、実施例2の釘打ち機では、取付ベース94と固定ベース916が別の構造であり、取付ベース94はフランジ943を含み、フランジ943は六角形構造であり、フランジ943は内側エンドキャップ91の取付溝96に取り付けられ、取付ベース94は空気穴7を含み、空気穴7は通気リング941と連通し、通気リング941に通気穴71が開設され、通気穴71は空気導入穴145aと連通し、取付ベース94の外壁に環状溝944が開設される。本実施例では、内側エンドキャップ91に別の構造の通気溝917がさらに設けられ、環状溝944は通気溝917と連通する。
【0038】
通気柱145は取付ベース94内に位置し、通気柱145は通気ロッドを含み、通気ロッドに空気導入穴145a、および空気導入穴145aと連通する内側空気穴145bが設けられ、空気導入穴145aは第1空気室42と連通する。通気柱145にねじ145cが設けられ、取付ベース94にねじ穴942がさらに設けられ、ねじ145cはねじ穴942内にねじ込まれ、通気柱145はタブ145dを介してハンドル14に接続され、ハンドル14の回転時、ねじ145cとねじ穴942は相対的に回転し、通気柱145は空気穴7内で移動する。
【0039】
本実施例の動作原理は、図13図16に示すように、具体的に以下のとおりであり、釘打ち機の釘打ち力調整は、ハンドル14を調整して空気駆動構造と外部大気の通気量を変更することにより行われ、通気量調整は主に、内側空気穴145bと通気リング941の重なり度合いを変更することにより決定され、図14に示すように、釘打ち機が初期状態にあるとき、第1空気室42内のガスは通気柱145の空気導入穴145a内に拡散し、このとき内側空気穴145bは空気穴7内に位置しているため、内側空気穴145bと通気リング941は完全にずれ、空気駆動構造と外部大気は隔離された状態に保たれ、第1シリンダー4内のピストンが圧縮ストロークを完了した後、第1空気室42内の実際高圧ガスの圧力値は第1ピストン41で予め設定されたストロークにより生成した圧力値と等しく、図15に示すように、ハンドル14を&#35843;整するとき、通気柱145は取付ベース94で回転し、通気ロッド上の内側空気穴145bと通気リング941が部分的に重なり合うと、空気駆動構造中のガスは空気導入穴145a、内側空気穴145b、通気リング941および通気穴71を介して外部大気と連通し、このとき第1空気室42内の実際高圧ガスの圧力値は第1ピストン41で予め設定されたストロークにより生成した圧力値よりも小さく、図16に示すように、ハンドル14の調整により内側空気穴145bと通気リング941が完全に重なり合うと、第1空気室42内の実際高圧ガスの圧力値は第1ピストン41で予め設定されたストロークにより生成した圧力値よりも小さく、本実施例では、ハンドル14が一定のターン数で回転し、内側空気穴145bと通気リング941が部分的に位置合わせると、空気駆動構造と外部通気量を変更する必要があり、これにより、操作者によるハンドル14に対する意図しない接触に起因して、ハンドル14を回転させると阻止部の位置が変更し空気駆動構造と外部が連通する状況の発生を回避することができ、同時に通気ロッドが取付ベース94の空気穴7内に位置するため、取付ベース94内の密封性が確保され、釘打ち機の釘打ち力の調整精度を向上させることができる。
【実施例3】
【0040】
図17図20に示すように、実施例2は以下の点を除いて実施例1の構造とほぼ同じであり、タブ145dは図19の構造を採用し、ハンドル14はタブ145dに接続された接続ロッド14aと、接続ロッド14aの外端に接続されたタブターンテーブル14bとを含み、釘打ち機のハウジング15に固定溝15aが設けられ、カバープレート16は固定溝15aのノッチに取り付けられ、固定溝15a内に可動ロッド17が設けられ、可動ロッド17の一端にバネ溝17aが開設され、バネ溝17aにバネ218が装着され、バネ218はシリンダーエンドキャップ9に当接され、可動ロッド17の他端は球状タブ17bであり、タブターンテーブル14bに球状タブ17bの形状と合致する球状凹溝14cが開設され、球状タブ17bは固定溝15aのU字形開口15a1を通して球状溝14cに当接され、ハウジング15に回転溝15bがさらに設けられ、タブターンテーブル14bは回転溝15b内で回転し、タブターンテーブル14bの端面に、球状溝14cに対応する数字がさらに設けられ、ここで、各数字が1つの球状溝14cを示し、数字がタブターンテーブル14cのタッチパッド14b1に間隔を空けて設けられ、回転溝15bに開口15b1が設けられ、タブターンテーブル14bを調整するとき、ユーザが開口15b1を介してタッチパッド14b1に配置されタブターンテーブル14cを回転させ、タブターンテーブル14cに、回転方向を示すための回転標識がさらに設けられる。
【0041】
本明細書で説明される具体的な実施例は、本発明の精神を単に例示するものに過ぎない。本発明が属する技術分野の当業者であれば、本発明の精神および特許請求の範囲に定義された範囲から逸脱しない限り、説明された具体的な実施例に様々な修正や追加を加えたり、類似の置換を採用したりすることができる。
【0042】
本明細書では、ケーシング、撃針、クランク、第1シリンダーなどの用語が頻繁に使用されるが、他の用語を使用する可能性も排除されない。これらの用語は、本発明および本発明の本質を説明するために使用されるものに過ぎず、これらを何らかの追加的な限定として理解することは、本発明の精神に反するものである。
【符号の説明】
【0043】
1 ケーシング
2 撃針
3 ロック部材
4 第1シリンダー
41 第1ピストン
411 ピストンロッド
412 クランク
42 第1空気室
5 第2シリンダー
51 第2ピストン
52 第2空気室
6 モータ
61 ギア減速機
7 空気穴
71 通気穴
8 通気路
9 シリンダーエンドキャップ
91 内側エンドキャップ
911 第1凸部
912 第2凸部
913 第1貫通穴
914 第1貫通穴
915 シールリング
916 固定ベース
917 通気溝
918 リブ
919 穴
92 外側エンドキャップ
921 溝
922 位置決め穴
93 ガス通路
94 取付ベース
941 通気リング
942 ねじ穴
943 フランジ
944 環状溝
95 凹状空洞
96 取付溝
10 電池
11 モータコントロールパネル
12 ボタン
13 釘箱
14 ハンドル
141 ねじ棒
142 ターンテーブル
143 鋼球
144 バネ
14a 接続ロッド
14b タブターンテーブル
14b1 タッチパッド
14c 球状溝
145 通気柱
145a 空気導入穴
145b 内側空気穴
145c ねじ
145d タブ
15 ハウジング
15a 固定溝
15a1 U字形開口
15b 回転溝
15b1 開口
16 カバープレート
17 可動ロッド
17a バネ溝
17b 球状タブ
18 バネ2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】