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特表2024-504881薄膜トランジスタ、表示パネル及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタ、表示パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20240126BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240126BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240126BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240126BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240126BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALN20240126BHJP
【FI】
H01L29/78 616S
H01L29/78 617N
H01L29/78 619A
G09F9/30 338
G09F9/00 366A
G09F9/00 338
G06F3/041 410
G02F1/1368
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560071
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 CN2021121819
(87)【国際公開番号】W WO2023044950
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111120728.4
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲馬▼才
(72)【発明者】
【氏名】柳 ▲銘▼▲崗▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 念
【テーマコード(参考)】
2H192
5C094
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
2H192AA24
2H192BB12
2H192CB37
2H192CB82
2H192EA22
2H192EA43
2H192EA67
2H192EA76
2H192GB33
2H192GD06
2H192JA33
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5C094JA08
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5F110FF28
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5F110GG15
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5F110NN44
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5G435AA16
5G435BB12
5G435KK05
(57)【要約】
本願の実施例は薄膜トランジスタ、表示パネル及びその製造方法を開示し、ここで、薄膜トランジスタは、ゲート、ゲート絶縁層、活性層、第1電極、層間絶縁層及び第2電極を含み、層間絶縁層は第1電極と活性層との間に設置され、層間絶縁層上に第1ビアホールが開口され、活性層は第1ビアホールによって第1電極に接続され、層間絶縁層の厚さはゲート絶縁層の厚さよりも大きく、第2電極は活性層に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタであって、
ゲートと、ゲート絶縁層と、活性層と、第1電極と、層間絶縁層と、第2電極と、を含み、
前記ゲート絶縁層は、前記ゲートの一方側に設置され、
前記活性層は、前記ゲート絶縁層のうちの前記ゲートから離れた側に設置され、前記活性層は前記ゲートと対向して設置され、
前記第1電極は、前記活性層のうちの前記ゲートから離れた側に設置され、
前記層間絶縁層は、前記第1電極と前記活性層との間に設置され、前記第1電極と前記活性層とを絶縁し、前記層間絶縁層上には前記層間絶縁層を貫通し且つ前記第1電極の表面まで延伸する第1ビアホールが開口され、前記活性層は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続され、前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さよりも大きく、及び
前記第2電極は、前記活性層に接続され、前記第2電極は前記活性層と同一層に位置する、薄膜トランジスタ。
【請求項2】
さらに補助電極を含み、
前記補助電極は、前記活性層と対向して設置され、前記層間絶縁層は前記補助電極と前記活性層との間に設置される、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項3】
前記第1電極は前記補助電極と同一層に位置し、前記活性層は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続される、請求項2に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項4】
前記活性層は半導体部分及び第1電極接触部分を含み、前記第1電極接触部分の導電能力は前記第1電極の導電能力よりも小さく、前記第1電極接触部分の導電能力は前記半導体部分の導電能力よりも大きく、前記第1電極接触部分は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続される、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項5】
前記ゲート、前記ゲート絶縁層及び前記活性層の半導体部分の側縁は面一である、請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項6】
前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さの2倍以上である、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項7】
前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さの3倍である、請求項6に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項8】
表示パネルであって、第1電極と、層間絶縁層と、活性層と、第2電極と、ゲート絶縁層と、ゲートと、を含み、
前記第1電極は、第1金属層に位置し、
前記層間絶縁層は、前記第1電極上に設置され、前記層間絶縁層上には前記層間絶縁層を貫通し且つ前記第1電極の表面まで延伸する第1ビアホールが開口され、
前記活性層は、前記層間絶縁層上に設置され、前記活性層は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続され、
前記第2電極は、前記活性層に接続され、
前記ゲート絶縁層は、前記活性層上に設置され、
前記ゲートは、前記ゲート絶縁層上に設置された第2金属層に位置し、前記活性層と対向して設置され、
前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さよりも大きい、表示パネル。
【請求項9】
さらに補助電極を含み、
前記補助電極は、前記活性層と対向して設置され、前記層間絶縁層は前記補助電極と前記活性層との間に設置される、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第1電極はドレインであり、前記第2電極はソースであり、及び/又は、前記第1電極はソースであり、前記第2電極はドレインである、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記補助電極は前記第1金属層に位置し、前記層間絶縁層は前記第1電極及び前記補助電極を被覆する、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記活性層は半導体部分及び第1電極接触部分を含み、前記第1電極接触部分の導電能力は前記第1電極の導電能力よりも小さく、前記第1電極接触部分の導電能力は前記半導体部分の導電能力よりも大きく、前記第1電極接触部分は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続される、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項13】
さらに画素電極を含み、前記画素電極は前記活性層と同じ層に設置され、前記画素電極は前記活性層に電気的に接続され、前記活性層は金属酸化物半導体を含む、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項14】
さらに基板と、走査線と、パッシベーション層と、共通電極と、を含み、
前記第1金属層は前記基板上に設置され、前記第1金属層はさらにデータ線を含み、
前記走査線は、前記第2金属層に位置し、前記走査線は前記データ線と交差して複数のサブ画素ユニットを限定し、前記ゲート、前記第2電極、前記第1電極、及び前記活性層から構成される薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続される前記画素電極とはいずれも前記サブ画素ユニット内に位置し、
前記パッシベーション層は、前記第2金属層上に設置され、前記ゲート及び前記画素電極を被覆し、
前記共通電極は、前記パッシベーション層上に設置され、前記共通電極は前記画素電極と対向して設置される、請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記ゲート、前記ゲート絶縁層及び前記活性層の半導体部分の側縁は面一である、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さの2倍以上である、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さの3倍である、請求項16に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記第1金属層はさらにタッチ制御信号線を含み、前記表示パネルはさらに第1タッチ制御電極を含み、
前記第1タッチ制御電極は前記活性層と同じ層に設置され、前記第1タッチ制御電極は前記活性層に接続される、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記表示パネルはさらに第2タッチ制御電極を含み、前記第2タッチ制御電極は第1タッチ制御電極と絶縁され、且つ対向して設置される、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項20】
表示パネルの製造方法であって、
B1:1つの基板を提供するステップと、
B2:前記基板上に第1金属層を形成し、前記第1金属層をパターン化して第1電極を形成するステップと、
B3:前記第1金属層上に層間絶縁層を設置し、前記層間絶縁層をパターン化して第1ビアホールを形成するステップと、
B4:前記層間絶縁層上にパターン化された活性層を設置するステップであって、前記活性層は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続され、前記活性層は金属酸化物半導体を含む、ステップと、
B5:前記活性層上にゲート絶縁層及び第2金属層を形成し、前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さの2倍以上であり、
前記第2金属層をパターン化してゲートを形成し、前記ゲートを前記活性層と対向して設置し、
パターン化後の前記ゲートをマスクとして前記ゲート絶縁層をパターン化して前記第1電極の上方に位置する前記活性層を露出させ、
パターン化後の前記ゲートをマスクとして、露出した前記活性層に対して金属化処理を行って前記活性層に接続される第2電極及び第1電極接触部分を形成し、前記第1電極接触部分は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続される、ステップと、を含む、表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示技術分野に関し、具体的に、薄膜トランジスタ、表示パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバックチャネルエッチング型(BCE)薄膜トランジスタでは、電気的性能を上げるために、できるだけVgs電圧を低減させる必要があり、具体的に、ゲート絶縁層の厚さを薄くすることによって実現できるが、ゲート絶縁層の厚さの低減は、ゲートとドレインとの間の耐電圧性の低下をもたらすことになるだけでなく、さらにゲートとソース/ドレインとの間の静電容量を増大させることになり、薄膜トランジスタの総合的な電気的性能に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例は薄膜トランジスタ、表示パネル及びその製造方法を提供し、薄膜トランジスタの総合的な電気的性能を効果的に改善できる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は薄膜トランジスタを提供し、ゲートと、ゲート絶縁層と、活性層と、第1電極と、層間絶縁層と、第2電極と、を含み、前記ゲート絶縁層は、前記ゲートの一方側に設置され、前記活性層は、前記ゲート絶縁層のうちの前記ゲートから離れた側に設置され、前記活性層は前記ゲートと対向して設置され、前記第1電極は、前記活性層のうちの前記ゲートから離れた側に設置され、前記層間絶縁層は、前記第1電極と前記活性層との間に設置され、前記第1電極と前記活性層とを絶縁し、前記層間絶縁層上には前記層間絶縁層を貫通し且つ前記第1電極の表面まで延伸する第1ビアホールが開口され、前記活性層は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続され、前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さよりも大きく、及び、前記第2電極は、前記活性層に接続され、前記第2電極は前記活性層と同一層に位置する。
【0005】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、薄膜トランジスタはさらに補助電極を含み、前記補助電極は、前記活性層と対向して設置され、前記層間絶縁層は前記補助電極と前記活性層との間に設置される。
【0006】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、前記第1電極は前記補助電極と同一層に位置し、前記活性層は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続される。
【0007】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、前記活性層は半導体部分及び第1電極接触部分を含み、前記第1電極接触部分の導電能力は前記第1電極の導電能力よりも小さく、前記第1電極接触部分の導電能力は前記半導体部分の導電能力よりも大きく、前記第1電極接触部分は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続される。
【0008】
本願の実施例はさらに表示パネルを提供し、第1電極と、層間絶縁層と、活性層と、第2電極と、ゲート絶縁層と、ゲートと、を含み、前記第1電極は、第1金属層に位置し、前記層間絶縁層は、前記第1電極上に設置され、前記層間絶縁層上には前記層間絶縁層を貫通し且つ前記第1電極の表面まで延伸する第1ビアホールが開口され、前記活性層は、前記層間絶縁層上に設置され、前記活性層は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続され、前記第2電極は、前記活性層に接続され、前記ゲート絶縁層は、前記活性層上に設置され、前記ゲートは、前記ゲート絶縁層上に設置された第2金属層に位置し、前記活性層と対向して設置され、前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さよりも大きい。
【0009】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、表示パネルはさらに補助電極を含み、前記補助電極は、前記活性層と対向して設置され、前記層間絶縁層は前記補助電極と前記活性層との間に設置され、前記第1電極はドレインであり、前記第2電極はソースであり、及び/又は、前記第1電極はソースであり、前記第2電極はドレインである。
【0010】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、前記補助電極は前記第1金属層に位置し、前記層間絶縁層は前記第1電極及び前記補助電極を被覆する。
【0011】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、前記活性層は半導体部分及び第1電極接触部分を含み、前記第1電極接触部分の導電能力は前記第1電極の導電能力よりも小さく、前記第1電極接触部分の導電能力は前記半導体部分の導電能力よりも大きく、前記第1電極接触部分は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続される。
【0012】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、さらに画素電極を含み、前記画素電極は前記活性層と同じ層に設置され、前記画素電極は前記活性層に電気的に接続され、前記活性層は金属酸化物半導体を含む。
【0013】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、表示パネルはさらに基板と、走査線と、パッシベーション層と、共通電極と、を含み、前記第1金属層は前記基板上に設置され、前記第1金属層はさらにデータ線を含み、前記走査線は、前記第2金属層に位置し、前記走査線は前記データ線と交差して複数のサブ画素ユニットを限定し、前記ゲート、前記第2電極、前記第1電極、及び前記活性層から構成される薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続される前記画素電極とはいずれも前記サブ画素ユニット内に位置し、前記パッシベーション層は、前記第2金属層上に設置され、前記ゲート及び前記画素電極を被覆し、前記共通電極は、前記パッシベーション層上に設置され、前記共通電極は前記画素電極と対向して設置される。
【0014】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、前記ゲート、前記ゲート絶縁層及び前記活性層の半導体部分の側縁は面一である。
【0015】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さの2倍以上である。
【0016】
選択可能に、本願のいくつかの具体的な実施例では、前記第1金属層はさらにタッチ制御信号線を含み、前記表示パネルはさらに第1タッチ制御電極と、第2タッチ制御電極と、を含み、前記第1タッチ制御電極は前記活性層と同じ層に設置され、前記第1タッチ制御電極は前記活性層に接続され、前記第2タッチ制御電極は前記第1タッチ制御電極と絶縁され、且つ対向して設置される。
【0017】
本願の実施例はさらに表示パネルの製造方法を提供し、
B1:1つの基板を提供するステップと、
B2:前記基板上に第1金属層を形成し、前記第1金属層をパターン化して第1電極を形成するステップと、
B3:前記第1金属層上に層間絶縁層を設置し、前記層間絶縁層をパターン化して第1ビアホールを形成するステップと、
B4:前記層間絶縁層上にパターン化された活性層を設置するステップであって、前記活性層は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続され、前記活性層は金属酸化物半導体を含む、ステップと、
B5:前記活性層上にゲート絶縁層及び第2金属層を形成し、前記層間絶縁層の厚さは前記ゲート絶縁層の厚さの2倍以上であり、前記第2金属層をパターン化してゲートを形成し、前記ゲートを前記活性層と対向して設置し、パターン化後の前記ゲートをマスクとして前記ゲート絶縁層をパターン化して前記第1電極の上方に位置する前記活性層を露出させ、パターン化後の前記ゲートをマスクとして、露出した前記活性層に対して金属化処理を行って前記活性層に接続される第2電極及び第1電極接触部分を形成し、前記第1電極接触部分は前記第1ビアホールによって前記第1電極に接続される、ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
[有益な効果]
本願の有益な効果は以下の通りである。
薄膜トランジスタの第1電極及びゲートを活性層の両側に設置し、ゲートと活性層との間のゲート絶縁層及び第1電極と活性層との間の層間絶縁層を独立して設置することによって、ゲートと活性層との間のゲート絶縁層の厚さ及び第1電極と活性層との間の層間絶縁層の厚さをそれぞれ独立して調整できることを実現し、ゲート絶縁層の厚さを薄くしてVgsを小さくすると同時に、層間絶縁層の厚さを増大させることによってゲートとドレイン(第1電極)との間の耐電圧特性を増大させることができ、且つ層間絶縁層の厚さの増加はさらにゲートとドレイン(第1電極)との間の静電容量を低減させることができ、薄膜トランジスタの様々な電気的性能を大幅に向上させることができる。
【0019】
また、本願の表示パネルの製造方法では、ゲートの自己整合プロセスによってゲート絶縁層のパターン化及び活性層の金属化処理を完了し、2つの光マスクを減少させ、生産コストを低減させる。
【0020】
本願の実施例中の技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例の記述中に使用される必要がある図面を簡単に紹介する。明らかなように、以下の記述中の図面は単に本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労働をしない前提下で、さらにこれらの図面に基づいてほかの図面を獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本願が提供する薄膜トランジスタの1つの具体的な実施例の断面模式図である。
図2】本願が提供する第1実施例における表示パネルの表示領域の断面模式図である。
図3】本願が提供する第2実施例における表示パネルの表示領域の断面模式図である。
図4A図2中の表示パネルの製造過程中での構造模式図を示す。
図4B図2中の表示パネルの製造過程中での構造模式図を示す。
図4C図2中の表示パネルの製造過程中での構造模式図を示す。
図4D図2中の表示パネルの製造過程中での構造模式図を示す。
図4E図2中の表示パネルの製造過程中での構造模式図を示す。
図4F図2中の表示パネルの製造過程中での構造模式図を示す。
図4G図2中の表示パネルの製造過程中での構造模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本願の実施例中の図面と併せて、本願の実施例中の技術的手段を明確で完全に記述する。明らかなように、記述される実施例は単に本願の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本願中の実施例に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提下で獲得するすべてのほかの実施例はともに本願の保護範囲に属する。
【0023】
本願は薄膜トランジスタを提供し、ゲート、ゲート絶縁層、活性層、補助電極、層間絶縁層、第1電極及び第2電極を含む。ゲート絶縁層はゲートの一方側に設置される。活性層はゲート絶縁層のうちのゲートから離れた側に設置される。活性層はゲートと対向して設置される。補助電極は活性層と対向して設置される。層間絶縁層は補助電極と活性層との間に設置され、補助電極と活性層とを絶縁する。層間絶縁層の厚さはゲート絶縁層の厚さよりも大きい。第1電極は補助電極と同一層に位置する。層間絶縁層上には層間絶縁層を貫通し且つ第1電極の表面まで延伸する第1ビアホールが開口される。活性層は第1ビアホールによって第1電極に接続される。第2電極は活性層に接続される。第2電極は活性層と同一層に位置する。
【0024】
具体的に、図1に示すように、薄膜トランジスタは基板1上に設置される。
【0025】
基板1はアレイ基板である。基板1は剛性基板である。剛性の基板1はガラスを採用して製造して得ることができる。理解できるように、基板1はフレキシブル基板であってもよい。フレキシブル基板1は水蒸気及び酸素ガスを遮断できるポリイミド(Polyimide、PI)及び/又はポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)等の有機絶縁材料を採用して製造して得ることができ、ここでは具体的に限定しない。
【0026】
第1金属層2は基板1上に設置される。第1金属層2はパターン化プロセスによって薄膜トランジスタの第1電極21及び補助電極22を形成する。第1金属層2はMo、Al、Ti及びCu等の普通の導電金属又は合金のうちの1種又は複数種を採用して製造して得ることができる。第1金属層2は単一金属で構成される単層導電層構造であってもよく、複数種の金属で構成される多層導電層構造であってもよく、ここでは具体的に限定しない。第1電極21はソース又はドレインである。本実施例では、第1電極21はデータ線に接続されるドレインである。
【0027】
層間絶縁層3は第1金属層2上に設置される。層間絶縁層3は第1電極21及び補助電極22を被覆する。層間絶縁層3上には層間絶縁層3を貫通し且つ第1電極21の表面まで延伸する第1ビアホール31が開口される。層間絶縁層3は一般に水蒸気及び酸素ガスを遮断できるSiNx、SiOx、及びAl2O3等の普通の無機材料のうちの1種又は複数種を採用して堆積又はスパッタリングして形成される。層間絶縁層3は有機絶縁層を採用して製造されてもよく、それにより平坦な表面を獲得する。
【0028】
活性層4は層間絶縁層3上に設置される。活性層4は金属酸化物、アモルファスシリコン及び多結晶シリコン等の普通の半導体材料を採用できる。活性層4の中間領域は補助電極22に対応して設置される。活性層4は半導体部分41及び第1電極接触部分42を含む。第1電極接触部分42の導電能力は第1電極21の導電能力よりも小さい。第1電極接触部分42の導電能力は半導体部分41の導電能力よりも大きい。第1電極接触部分42は第1ビアホール31によって第1電極21に接続される。
【0029】
第2電極5は活性層4に接続される。第2電極5は半導体部分41に接続される。第2電極5はドレイン又はソースである。本実施例では、第2電極5は画素電極又はほかの回路に接続されるソースである。第2電極5は活性層4と同一層に位置する。第2電極5及び第1電極接触部分42はそれぞれ半導体部分41の両側に設置される。
【0030】
ゲート絶縁層6は活性層4上に設置される。ゲート絶縁層6は半導体部分41を被覆する。ゲート絶縁層6は一般に水蒸気及び酸素ガスを遮断できるSiNx、SiOx、及びAl2O3等の普通の無機材料のうちの1種又は複数種を採用して堆積又はスパッタリングして形成される。通常の場合下で、単層の絶縁層だけで表示パネルの歩留まり要件を満たすことができるが、多結晶シリコン又は金属酸化物を活性層として採用する表示パネルでは、歩留まりを向上させるために、多層絶縁層を重ねて設置する構造を採用して水蒸気及び酸素ガスに対する効果的な遮断を確保することもあり、本実施例では、ゲート絶縁層6は単層SiO2又は単層SiNx構造である。
【0031】
ゲート71はゲート絶縁層6上に設置される。ゲート71は半導体部分41と対向して設置される。ゲート71はMo、Al、Ti及びCu等の普通の導電金属又は合金のうちの1種又は複数種を採用して製造して得ることができる。ゲート71は単一金属で構成される単層導電層構造であってもよく、複数種の金属で構成される多層導電層構造であってもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0032】
補助電極22は補助ゲート及び/又は遮光電極である。補助電極22は半導体部分41と対向して設置される。補助電極22は補助ゲートとするとき、補助電極22は金属又はITO等の導電材料を採用して作ることができ、補助電極22は半導体部分41と対向することで、薄膜トランジスタの電気的性能を効果的に向上させることができる。補助電極22は金属又はほかの光非透過性材料を採用するとき、遮光電極とすることができ、補助電極22は半導体部分41と対向することで、光線が半導体部分41に照射して薄膜トランジスタの電気的性能に影響を与えることを防止できる。
【0033】
本実施例が提供する薄膜トランジスタは第1電極21及びゲート71を活性層4の両側に設置し、第1電極21と活性層4との間を層間絶縁層3によって絶縁し、ゲート71と活性層4との間をゲート絶縁層6によって絶縁する。ゲート71と活性層4との間の絶縁層及びソース/ドレインと活性層4との間の絶縁層を独立して設置することによって、ゲート71と活性層4との間のゲート絶縁層6の厚さ及びソース/ドレインと活性層4との間の層間絶縁層3の厚さをそれぞれ独立して調整できることを実現し、従来技術ではゲート及びソース/ドレインがいずれも活性層の同じ側に設置されるとき、ゲート絶縁層の厚さを薄くしてVgsを小さくすると同時に薄膜トランジスタのほかの電気的性能を低減させることになることを回避できる。
【0034】
層間絶縁層3の厚さをゲート絶縁層6の厚さよりも大きく設置する。薄膜トランジスタのVgs目標設定値に基づいてゲート絶縁層6の厚さを薄くし、層間絶縁層3の厚さは同時に変わらない又は増大するようにしてもよいため、ゲート71とドレイン(第1電極21)との間の耐電圧特性がゲート絶縁層6の厚さを薄くするという影響を受けないことを確保できるだけでなく、層間絶縁層3の厚さを適切に増大させることによってゲート71とドレイン(第1電極21)との間の静電容量を低減させることもできる。上記設計によって、薄膜トランジスタの様々な電気的性能はともに比較的大きく向上する。
【0035】
選択可能に、層間絶縁層3の厚さはゲート絶縁層6の厚さの2倍以上である。ゲート絶縁層6の厚さが層間絶縁層3の厚さの3分の1であるとき、薄膜トランジスタの全体的な電気的性能は比較的良好である。
【0036】
選択可能に、ゲート71、ゲート絶縁層6及び活性層4中の半導体部分41の側縁は面一である。該構造は薄膜トランジスタの光マスクの数を減少させることができる。具体的に、活性層4は金属酸化物半導体、たとえばIGZO又はIGZTO等を含む。パターン化後のゲート71をマスクとしてゲート絶縁層6をパターン化して第1電極21の上方に位置する活性層4を露出させる。パターン化後のゲート71をマスクとして、露出した活性層4に対して金属化処理を行って活性層4に接続される第2電極5及び第1電極接触部分42を形成する。第1電極接触部分42は第1ビアホール31によって第1電極21に接続される。ゲート71の自己整合プロセスによってゲート絶縁層6のパターン化及び活性層4の金属化処理を完了し、2つの光マスクを減少させ、生産コストを低減させる。
【0037】
図2に示すように、本願はさらに表示パネルの第1実施例を提供する。表示パネルは基板1と、基板1上に設置される第1金属層2、層間絶縁層3、活性層4、第2電極5、ゲート絶縁層6、第2金属層7、画素電極8、パッシベーション層9及び共通電極層10とを含む。
【0038】
基板1はアレイ基板である。基板1は剛性基板である。剛性の基板1はガラスを採用して製造して得ることができる。理解できるように、基板1はフレキシブル基板であってもよい。フレキシブル基板1は水蒸気及び酸素ガスを遮断できるポリイミド及び/又はポリエチレンテレフタレート等の有機絶縁材料を採用して製造して得ることができ、ここでは具体的に限定しない。
【0039】
第1金属層2は基板1上に設置される。第1金属層2はパターン化プロセスによってデータ線(図示せず)、薄膜トランジスタの第1電極21と補助電極22、及び共通電極線23を形成する。第1金属層2はMo、Al、Ti及びCu等の普通の導電金属又は合金のうちの1種又は複数種を採用して製造して得ることができる。第1金属層2は単一金属で構成される単層導電層構造であってもよく、複数種の金属で構成される多層導電層構造であってもよく、ここでは具体的に限定しない。第1電極21はソース又はドレインである。本実施例では、第1電極21はデータ線に接続されるドレインである。
【0040】
補助電極22は補助ゲート及び/又は遮光電極である。補助電極22は半導体部分41と対向して設置される。補助電極22は補助ゲートとするとき、補助電極22は金属又はITO等の導電材料を採用して作ることができ、補助電極22は半導体部分41と対向することで、薄膜トランジスタの電気的性能を効果的に向上させることができる。補助電極22は金属又はほかの光非透過性材料を採用するとき、遮光電極とすることができ、補助電極22は半導体部分41と対向することで、光線が半導体部分41に照射して薄膜トランジスタの電気的性能に影響を与えることを防止できる。
【0041】
層間絶縁層3は第1金属層2上に設置される。層間絶縁層3はデータ線、第1電極21、補助電極22及び共通電極線23を被覆する。層間絶縁層3上には層間絶縁層3を貫通し且つ第1電極21の表面まで延伸する第1ビアホール31が開口される。層間絶縁層3は一般に水蒸気及び酸素ガスを遮断できるSiNx、SiOx、及びAl2O3等の普通の無機材料のうちの1種又は複数種を採用して堆積又はスパッタリングして形成される。通常の場合下で、単層の絶縁層だけで表示パネルの歩留まり要件を満たすことができるが、多結晶シリコン又は金属酸化物を活性層として採用する表示パネルでは、歩留まりを向上させるために、多層絶縁層を重ねて設置する構造を採用して水蒸気及び酸素ガスに対する効果的な遮断を確保することもあり、本実施例では、層間絶縁層3は単層SiO2又は単層SiNx構造である。
【0042】
活性層4は層間絶縁層3上に設置される。活性層4は金属酸化物、アモルファスシリコン及び多結晶シリコン等の普通の半導体材料を採用できる。本実施例では、活性層4は金属酸化物半導体を採用して製造される。活性層4の中間領域は補助電極22に対応して設置される。活性層4は半導体部分41及び第1電極接触部分42を含む。第1電極接触部分42の導電能力は第1電極21の導電能力よりも小さい。第1電極接触部分42の導電能力は半導体部分41の導電能力よりも大きい。第1電極接触部分42は第1ビアホール31によって第1電極21に接続される。
【0043】
第2電極5は活性層4に接続される。第2電極5は半導体部分41に接続される。第2電極5はドレイン又はソースである。第2電極5は活性層4と同一層に位置する。第2電極5及び第1電極接触部分42はそれぞれ半導体部分41の両側に設置される。
【0044】
ゲート絶縁層6は活性層4上に設置される。ゲート絶縁層6は半導体部分41を被覆する。ゲート絶縁層6は一般に水蒸気及び酸素ガスを遮断できるSiNx、SiOx、及びAl2O3等の普通の無機材料のうちの1種又は複数種を採用して堆積又はスパッタリングして形成される。通常の場合下で、単層の絶縁層だけで表示パネルの歩留まり要件を満たすことができるが、多結晶シリコン又は金属酸化物を活性層として採用する表示パネルでは、歩留まりを向上させるために、多層絶縁層を重ねて設置する構造を採用して水蒸気及び酸素ガスに対する効果的な遮断を確保することもあり、本実施例では、ゲート絶縁層6は単層SiO2又は単層SiNx構造である。
【0045】
第2金属層7はゲート絶縁層6上に設置される。第2金属層7はパターン化プロセスによって薄膜トランジスタのゲート71及び走査線(図示せず)を形成する。ゲート71は半導体部分41と対向して設置される。第2金属層7はMo、Al、Ti及びCu等の普通の導電金属又は合金のうちの1種又は複数種を採用して製造して得ることができる。第2金属層7は単一金属で構成される単層導電層構造であってもよく、複数種の金属で構成される多層導電層構造であってもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0046】
画素電極8は層間絶縁層3上に設置される。画素電極8は活性層4及び第2電極5と同じ層に設置される。画素電極8及び第2電極5は活性層4が金属ドーピング処理を行うことによって形成される。画素電極8及び第2電極5は一体成形される。第2電極5の一端は半導体部分41に接続される。第2電極5の他端は画素電極8に接続される。画素電極8及び第2電極5はともに酸化物半導体層に対して金属ドーピングを行うことによって獲得される。いくつかの具体的な実施例では、第2電極5は省略されてもよく又は画素電極8の一部として見なされてもよく、具体的に、画素電極8のパターンに基づいて決定する。
【0047】
パッシベーション層9は第2金属層7上に設置される。パッシベーション層9はゲート71、走査線、第1電極接触部分42、第2電極5及び画素電極8を被覆する。パッシベーション層9上にはパッシベーション層9及び層間絶縁層3を貫通し且つ共通電極線23の表面まで延伸する第2ビアホール91が開口される。パッシベーション層9は一般に水蒸気及び酸素ガスを遮断できるSiNx、SiOx、及びAl2O3等の普通の無機材料のうちの1種又は複数種を採用して堆積又はスパッタリングして形成される。通常の場合下で、単層の絶縁層だけで表示パネルの歩留まり要件を満たすことができるが、多結晶シリコン又は金属酸化物を活性層として採用する表示パネルでは、歩留まりを向上させるために、多層絶縁層を重ねて設置する構造を採用して水蒸気及び酸素ガスに対する効果的な遮断を確保することもある。
【0048】
共通電極10はパッシベーション層9上に設置される。共通電極10は透明ITO材料を採用して作ることができる。共通電極10は第2ビアホール91によって共通電極線23に接続される。本実施例中の表示パネルはFFS表示パネルであり、面状に敷設された画素電極8及びパターン化された共通電極10を上下に積層することによって、水平フリンジ電界を発生させて液晶を偏向させるように駆動する。表示品質を確保するために、画素電極8の下方の層間絶縁層3を有機絶縁平坦層として設置する必要があり、それにより画素電極8をできるだけ同一水平面に形成することを保証する。共通電極10は画素電極8と対向して設置され、水平電界を発生させて液晶を駆動する。理解できるように、共通電極10は「米」字型、及び櫛形等のほかのパターンであってもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0049】
第1配向層(図示せず)は共通電極10上に設置されて液晶の偏向角度を調整する。
【0050】
表示パネルはさらにベース11と、ベース11上に設置されるカラーフィルム層12、遮光層13及び第2配向層(図示せず)とを含む。
【0051】
ベース11は基板1と対向して設置される。ベース11の材料は基板1と同じであり、ここでは贅言しない。
【0052】
カラーフィルム層12は複数の光学フィルター121を含む。各サブ画素領域内に1つの光学フィルター121が設置されている。光学フィルター121は画素電極8と対向して設置される。
【0053】
遮光層13は隣接する2つの光学フィルター121の間に設置されて混色を回避する。遮光層13は一般に黒色樹脂材料を採用して作られる。
【0054】
第2配向層はカラーフィルム層12及び遮光層13を被覆して液晶の偏向角度を調整する。
【0055】
表示パネルはさらに基板1とベース11との間に設置される液晶層(図示せず)及びスペーサー(図示せず)を含む。
【0056】
表示パネルの表示領域に第1方向に沿って延伸する複数本の走査線及びほぼ第2方向に沿って延伸する複数本のデータ線が設置されている。走査線とデータ線とは交差してアレイ状に配列される複数のサブ画素領域を限定する。ゲート71、第2電極5、第1電極21、及び活性層4から構成される薄膜トランジスタと、上記薄膜トランジスタに接続される画素電極8とはいずれもサブ画素ユニット内に位置する。
【0057】
補助電極22は補助ゲート及び/又は遮光電極である。補助電極22は半導体部分41と対向して設置される。補助電極22は補助ゲートとするとき、補助電極22は金属又はITO等の導電材料を採用して作ることができ、補助電極22は半導体部分41と対向することで、薄膜トランジスタの電気的性能を効果的に向上させることができる。補助電極22は金属又はほかの光非透過性材料を採用するとき、遮光電極とすることができ、補助電極22は半導体部分41と対向することで、光線が半導体部分41に照射して薄膜トランジスタの電気的性能に影響を与えることを防止できる。
【0058】
本実施例が提供する表示パネルでは、薄膜トランジスタの第1電極21及びゲート71を活性層4の両側に設置し、第1電極21と活性層4との間を層間絶縁層3によって絶縁し、ゲート71と活性層4との間をゲート絶縁層6によって絶縁する。ゲート71と活性層4との間の絶縁層及びソース/ドレインと活性層4との間の絶縁層を独立して設置することによって、ゲート71と活性層4との間のゲート絶縁層6の厚さ及びソース/ドレインと活性層4との間の層間絶縁層3の厚さをそれぞれ独立して調整できることを実現し、従来技術ではゲート及びソース/ドレインがいずれも活性層の同じ側に設置されるとき、ゲート絶縁層の厚さを薄くしてVgsを小さくすると同時に薄膜トランジスタのほかの電気的性能を低減させることになることを回避できる。
【0059】
層間絶縁層3の厚さをゲート絶縁層6の厚さよりも大きく設置する。薄膜トランジスタのVgs目標設定値に基づいてゲート絶縁層6の厚さを薄くし、層間絶縁層3の厚さは同時に変わらない又は増大するようにしてもよいため、ゲート71とドレイン(第1電極21)との間の耐電圧特性がゲート絶縁層6の厚さを薄くするという影響を受けないことを確保できるだけでなく、層間絶縁層3の厚さを適切に増大させることによってゲート71とドレイン(第1電極21)との間の静電容量を低減させることもできる。上記設計によって、薄膜トランジスタの様々な電気的性能はともに比較的大きく向上する。
【0060】
選択可能に、層間絶縁層3の厚さはゲート絶縁層6の厚さの2倍以上である。ゲート絶縁層6の厚さが層間絶縁層3の厚さの3分の1であるとき、薄膜トランジスタの全体的な電気的性能は比較的良好である。
【0061】
選択可能に、ゲート71、ゲート絶縁層6及び活性層4中の半導体部分41の側縁は面一である。該構造は薄膜トランジスタの光マスクの数を減少させることができる。具体的に、パターン化後のゲート71をマスクとしてゲート絶縁層6をパターン化して第1電極21の上方に位置する活性層4を露出させる。パターン化後のゲート71をマスクとして、露出した活性層4に対して金属化処理を行って活性層4に接続される第2電極5及び第1電極接触部分42を形成する。第1電極接触部分42は第1ビアホール31によって第1電極21に接続される。ゲート71の自己整合プロセスによってゲート絶縁層6のパターン化及び活性層4の金属化処理を完了し、2つの光マスクを減少させ、生産コストを低減させる。
【0062】
図3に示すように、本願はさらに表示パネルの第2実施例を提供する。本実施例と第1実施例との相違点は以下を含む。
【0063】
第1金属層2はさらにタッチ制御信号線を含む。第1金属層2はパターン化プロセスによって第1電極21、補助電極22、共通電極線23及びタッチ制御信号線24を形成する。
【0064】
パッシベーション層9上にはパッシベーション層9及び層間絶縁層3を貫通し且つ共通電極線23の表面まで延伸する第2ビアホール91と、パッシベーション層9及び層間絶縁層3を貫通し且つタッチ制御信号線24の表面まで延伸する第3ビアホール92とが開口される。
【0065】
表示パネルは相互静電容量式タッチ制御構造であるとき、さらに第1タッチ制御電極14及び第2タッチ制御電極15を含む。第1タッチ制御電極14は活性層4と同じ層に設置される。第1タッチ制御電極14は活性層4に接続される。第2タッチ制御電極15は第1タッチ制御電極14と絶縁され、且つ対向して設置される。第2タッチ制御電極15は共通電極10と同一層に位置する。第2タッチ制御電極15は第3ビアホール92によってタッチ制御信号線24に接続される。
【0066】
表示パネルは自己静電容量式タッチ制御構造であるとき、共通電極と同一層に位置する1層の第2タッチ制御電極15のみを含む。第2タッチ制御電極15は第3ビアホール92によってタッチ制御信号線24に接続される。
【0067】
本実施例のほかの構造は実施例1と同じであり、ここでは贅言しない。
【0068】
図4A図4Gに示すように、本願はさらに表示パネルの製造方法の具体的な実施例を提供する。表示パネルの製造方法は以下を含む。
【0069】
B1:1つの基板1を提供する。
【0070】
B2:図4Aに示すように、基板1上に第1金属層2を形成する。第1金属層2をパターン化して第1電極21を形成する。
【0071】
選択可能に、ステップB2は基板1上に第1金属層2を形成るステップを含む。第1金属層2をパターン化して第1電極21、補助電極22、共通電極線23及びデータ線(図示せず)を形成する。
【0072】
B3:図4Bに示すように、第1金属層2上に層間絶縁層3を設置する。層間絶縁層3をパターン化して第1ビアホール31を形成する。第1ビアホール31は層間絶縁層3を貫通し且つ第1電極21の表面まで延伸する。
【0073】
B4:図4Cに示すように、層間絶縁層3上にパターン化された活性層4を設置する。活性層4は第1ビアホール31によって第1電極21に接続される。活性層4は酸化物半導体層である。
【0074】
B5:図4Dに示すように、活性層4上にゲート絶縁層6及び第2金属層7を形成する。層間絶縁層3の厚さはゲート絶縁層6の厚さの2倍以上である。第2金属層7をパターン化してゲート71及び走査線(図示せず)を形成し、ゲート71を活性層4と対向して設置する。選択可能に、ゲート71は補助電極22と対向して設置される。
【0075】
パターン化後のゲート71をマスクとして、ゲート絶縁層6をパターン化して第1電極21の上方に位置する活性層4を露出させ、ゲート71及びゲート絶縁層6の側縁を面一にする。ゲート71をマスクとして利用してゲート絶縁層6をパターン化することで、1つの光マスクを節約できる。
【0076】
パターン化後のゲート71をマスクとして、露出した活性層4に対して金属化ドーピング処理を行って、画素電極8、半導体部分41に接続される第2電極5及び第1電極接触部分42を形成し、ゲート71、ゲート絶縁層6及び半導体部分41の側縁を面一にする。第1電極接触部分42は第1ビアホール31によって第1電極21に接続される。
【0077】
第2電極5は活性層4に接続される。第2電極5は半導体部分41に接続される。第2電極5はドレイン又はソースである。第2電極5は半導体部分41と同一層に位置する。第2電極5及び第1電極接触部分42はそれぞれ半導体部分41の両側に設置される。
【0078】
第2電極5及び画素電極8は同じ材料を有する。画素電極8のパターンは平面状である。第2電極5及び画素電極8は一体成型される。画素電極8及び第2電極5はともに酸化物半導体層に対して金属ドーピングを行うことによって獲得される。いくつかの具体的な実施例では、第2電極5は省略されてもよく又は画素電極8の一部として見なされてもよく、具体的に、画素電極8のパターンに基づいて決定する。
【0079】
B6:図4Eに示すように、第2金属層7上にパッシベーション層9を形成する。パッシベーション層9はゲート71、走査線、第1電極接触部分42、第2電極5及び画素電極8を被覆する。パッシベーション層9をパターン化して、パッシベーション層9上にはパッシベーション層9及び層間絶縁層3を貫通し且つ共通電極線23の表面まで延伸する第2ビアホール91を開口する。
【0080】
B7:図4Fに示すように、パッシベーション層9上に共通電極層を形成する。共通電極層をパターン化して共通電極10を形成する。共通電極10は透明ITO材料を採用して作ることができる。共通電極10は櫛状パターンである。面状に敷設された画素電極8及びパターン化された共通電極10を上下に積層して、水平フリンジ電界を発生させて液晶を偏向させるように駆動する。共通電極10は第2ビアホール91によって共通電極線23に接続される。
【0081】
B8:図4Gに示すように、共通電極10の上方にカラーフィルム基板を蓋設し、液晶を共通電極10とカラーフィルム基板上の光学フィルター121との間に封入する。
【0082】
本願は、薄膜トランジスタの第1電極21及びゲート71を活性層4の両側に設置することを提案し、ゲート71と活性層4との間のゲート絶縁層6及び第1電極21と活性層4との間の層間絶縁層3を独立して設置することによって、ゲート71と活性層4との間のゲート絶縁層6の厚さ及び第1電極21と活性層4との間の層間絶縁層3の厚さをそれぞれ独立して調整できることを実現し、ゲート絶縁層6の厚さを薄くしてVgsを小さくすると同時に、層間絶縁層3の厚さを増大させることによってゲート71とドレイン(第1電極21)との間の耐電圧特性を増大させることができ、且つ層間絶縁層3の厚さの増加はさらにゲート71とドレイン(第1電極21)との間の静電容量を低減させることができ、薄膜トランジスタの様々な電気的性能を大幅に向上させることができる。
【0083】
また、本願の表示パネルの製造方法では、ゲート71の自己整合プロセスによってゲート絶縁層6のパターン化及び活性層4の金属化処理を完了し、2つの光マスクを減少させ、生産コストを低減させる。
【0084】
以上、本願の実施例が提供する薄膜トランジスタ、表示パネル及びその製造方法に対して詳細な紹介を行った。本明細書では具体的な例を応用して本願の原理及び実施形態を述べたが、以上の実施例の説明は本願の方法及びその中心思想の理解を補助するためのものに過ぎず、同時に、当業者であれば、本願の思想に従って、具体的な実施形態及び応用範囲においていずれにも変更を加えることができる。以上のように、本明細書の内容は本願を制限するものであると理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0085】
1 基板
2 第1金属層
3 層間絶縁層
4 活性層
5 第2電極
6 ゲート絶縁層
7 第2金属層
8 画素電極
9 パッシベーション層
10 共通電極
11 ベース
12 カラーフィルム層
13 遮光層
14 第1タッチ制御電極
15 第2タッチ制御電極
21 第1電極
22 補助電極
23 共通電極線
24 タッチ制御信号線
31 第1ビアホール
41 半導体部分
42 第1電極接触部分
71 ゲート
91 第2ビアホール
92 第3ビアホール
121 光学フィルター
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
【国際調査報告】