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特表2024-504891ウェアラブルコンピューティングデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】ウェアラブルコンピューティングデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20240126BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20240126BHJP
   G04G 21/02 20100101ALI20240126BHJP
   G04R 60/10 20130101ALI20240126BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20240126BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
G06F1/16 312G
H04M1/02 C
G04G21/02 H
G04R60/10
G06F1/16 312Z
G06F1/16 312F
G06F1/16 312Q
A61B5/0245 B
A61B5/0245 100D
A61B5/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580524
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 US2021053927
(87)【国際公開番号】W WO2023059323
(87)【国際公開日】2023-04-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517230219
【氏名又は名称】フィットビット・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FITBIT LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】バーマ,リツ
【テーマコード(参考)】
2F002
4C017
4C117
5K023
【Fターム(参考)】
2F002BB03
4C017AA02
4C017AA10
4C017AA19
4C017AB02
4C017AC16
4C017BB12
4C017BC11
4C117XA01
4C117XB01
4C117XC13
4C117XD15
4C117XD17
4C117XE13
4C117XE17
4C117XH12
4C117XJ48
5K023AA07
5K023GG04
5K023LL01
5K023LL05
5K023MM11
5K023PP03
5K023QQ02
(57)【要約】
ウェアラブルコンピューティングデバイスが提供される。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、導電性ハウジングと、導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、導電性ハウジングとプリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナをさらに含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面を含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、表示画面上に配置されているカバーを含む。カバーは、上面および底面を含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、カバーの上面上に部分的に配置されている生体センサ電極を含む。生体センサ電極は、カバーの外周を少なくとも部分的に覆う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
導電性ハウジングと、
前記導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板と、
前記導電性ハウジングと前記プリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナと、
前記プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面と、
前記表示画面上に配置されているカバーとを備え、前記カバーは、上面と底面とを含み、
前記カバーの前記上面上に部分的に配置されている生体センサ電極を備え、前記生体センサ電極は、前記カバーの外周を少なくとも部分的に覆う、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記生体センサ電極は、前記スロットアンテナが動作可能な周波数において、前記生体センサ電極が少なくとも部分的に無線周波数透過性であるようなシート抵抗を有する、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記シート抵抗は、前記スロットアンテナが動作可能な前記周波数に対して約3000Ω/スクエアである、請求項2に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記生体センサ電極は、前記スロットアンテナが動作可能な周波数において、前記生体センサ電極が前記スロットアンテナをロードするための高周波電流をサポートするようなシート抵抗を有する、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記シート抵抗は、前記スロットアンテナが動作可能な前記周波数に対して約200Ω/スクエア未満である、請求項4に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記生体センサ電極と前記表示画面のアクティブ表示領域との間に間隙が規定されている、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記間隙の幅は、約0.5mmから約3mmの範囲である、請求項6に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記周波数は、0.6GHzから10GHzの範囲である、先行する請求項のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記カバーは、光学的に透明な材料を含む、先行する請求項のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記光学的に透明な材料は、ガラス材料を含む、請求項9に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記カバーの前記底面上に配置されている電気接点をさらに備え、
前記生体センサ電極は、前記電気接点に接触している、先行する請求項のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記生体センサ電極の少なくとも一部を被覆する物理蒸着(PVD)コーティングをさらに備える、先行する請求項のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記生体センサ電極の前記一部は、前記生体センサ電極の第1の部分または前記生体センサ電極の第2の部分のうちの少なくとも一つを含み、
前記第1の部分は、前記カバーの前記上面上に配置されており、
前記第2の部分は、前記カバーの前記底面上に配置されている、請求項12に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記上面および前記底面の各々は、平坦面を含み、
前記カバーの前記外周は、曲面を含む、先行する請求項のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項15】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
導電性ハウジングと、
前記導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板と、
前記導電性ハウジングと前記プリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナと、
前記プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面と、
前記表示画面上に配置されているカバーとを備え、前記カバーは、上面と底面とを含み、
第1の生体センサ電極と第2の生体センサ電極とを備え、前記第1の生体センサ電極および前記第2の生体センサ電極は、互いに離間するように、各々、前記カバーの前記上面上に部分的に配置されており、前記第1の生体センサ電極は、前記カバーの外周の第1の部分を覆い、前記第2の生体センサ電極は、前記カバーの前記外周の第2の部分を覆い、
前記第1の生体センサ電極は、前記スロットアンテナが動作可能な周波数において、前記第1の生体センサ電極が少なくとも部分的に無線周波数透過性であるようなシート抵抗を有する、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記シート抵抗は、前記スロットアンテナが動作可能な前記周波数において2000Ω/スクエアよりも大きい、請求項15に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記周波数は、0.6GHzから10GHzの範囲である、請求項15または請求項16に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項18】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
導電性ハウジングと、
前記導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板と、
前記導電性ハウジングと前記プリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナと、
前記プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面と、
前記表示画面上に配置されているカバーとを備え、前記カバーは、上面と底面とを含み、
第1の生体センサ電極と第2の生体センサ電極とを備え、前記第1の生体センサ電極および前記第2の生体センサ電極は、互いに離間するように、各々、前記カバーの前記上面上に部分的に配置されており、前記第1の生体センサ電極は、前記カバーの外周の第1の部分を覆い、前記第2の生体センサ電極は、前記カバーの前記外周の第2の部分を覆い、
前記第1の生体センサ電極は、前記スロットアンテナが動作可能な周波数において、前記第1の生体センサ電極が前記スロットアンテナをロードするための高周波電流をサポートするようなシート抵抗を有する、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記第1の生体センサ電極と前記表示画面のアクティブ表示領域の縁部との間に規定されている間隙の幅は、0.5mmから約3mmである、請求項18に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記シート抵抗は、前記スロットアンテナが動作可能な前記周波数において200Ω/スクエア未満である、請求項18に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、一般的に、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関する。より詳しくは、本開示は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの表示画面のカバーの上面上に部分的に配置されている生体センサ電極を有するウェアラブルコンピューティングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、腕時計)は、情報(例えば、時間、日付など)をユーザに表示するための表示画面を含むことができる。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、1つ以上のアンテナおよびトランシーバを含むことができる。従って、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、他のデバイス(例えば、スマートフォン)と通信することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ユーザによって行われた活動に関するデータ、またはユーザの生理状態に関するデータを収集することができる。このようなデータは、ユーザの周囲環境またはユーザと周囲環境との相互作用を示すデータを含むことができる。例えば、データは、ユーザの様々な生理特性、例えば心拍数、発汗レベルなどを測定することによって取得されたユーザの運動に関する運動データおよび/または生理データを含むことができる。
【発明の概要】
【0003】
概要
本開示の実施形態の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されている、または、説明から知ることができる、または、実施形態の実施を通じて知ることができる。
【0004】
一態様において、ウェアラブルコンピューティングデバイスが提供される。このウェアラブルコンピューティングデバイスは、導電性ハウジングと、導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、導電性ハウジングとプリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面を含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、表示画面上に配置されているカバーを含む。カバーは、上面と底面とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、カバーの上面上に部分的に配置されている生体センサ電極を含む。生体センサは、カバーの外周を少なくとも部分的に覆う。
【0005】
いくつかの実装形態において、生体センサ電極は、スロットアンテナが動作可能な周波数において、当該生体センサ電極が少なくとも部分的に無線周波数透過性であるようなシート抵抗を有する。いくつかの実装形態において、シート抵抗は、スロットアンテナが動作可能な周波数に対して約3000Ω/スクエアである。
【0006】
いくつかの実装形態において、生体センサ電極は、スロットアンテナが動作可能な周波数において、当該生体センサ電極がスロットアンテナをロードするための高周波電流をサポートするようなシート抵抗を有する。いくつかの実装形態において、シート抵抗は、スロットアンテナが動作可能な周波数に対して約200Ω/スクエア未満である。
【0007】
いくつかの実装形態において、表示画面のアクティブ表示領域と生体センサ電極との間に間隙が規定されている。例えば、いくつかの実装形態において、間隙の幅は、約0.5mmから約3mmの範囲である。
【0008】
いくつかの実装形態において、カバーは、光学的に透明な材料を含む。例えば、いくつかの実施態様において、光学的に透明な材料は、ガラス材料を含む。
【0009】
いくつかの実装形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、カバーの底面上に配置されている電気接点を含む。また、生体センサ電極は、カバーの底面上に配置されている電気接点に接触している。
【0010】
いくつかの実装形態において、生体センサ電極の少なくとも一部は、物理蒸着(PVD)コーティングを含む。例えば、いくつかの実装形態において、生体センサ電極の一部は、カバーの上面上に配置されている少なくとも第1の部分、またはカバーの底面上に配置されている第2の部分を含む。
【0011】
いくつかの実装形態において、カバーの上面およびカバーの底面は、平坦である。また、いくつかの実装形態において、カバーの外周は、曲面を含む。
【0012】
別の態様において、ウェアラブルコンピューティングデバイスが提供される。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、導電性ハウジングと、導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、導電性ハウジングとプリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面を含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、表示画面上に配置されているカバーを含む。カバーは、上面と底面とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、第1の生体センサ電極と第2の生体センサ電極とを含む。第1の生体センサ電極および第2の生体センサ電極は、互いに離間するように、各々、カバーの上面上に部分的に配置されている。第1の生体センサ電極は、カバーの外周の第1の部分を覆う。第2の生体センサ電極は、カバーの外周の第2の部分を覆う。さらに、第1の生体センサ電極は、スロットアンテナが動作可能な周波数において、当該第1の生体センサ電極が少なくとも部分的に無線周波数透過性であるようなシート抵抗を有する。
【0013】
さらに別の態様において、ウェアラブルコンピューティングデバイスが提供される。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、導電性ハウジングと、導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、導電性ハウジングとプリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面を含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、表示画面上に配置されているカバーを含む。カバーは、上面と底面とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、第1の生体センサ電極と第2の生体センサ電極とを含む。第1の生体センサ電極および第2の生体センサ電極は、互いに離間するように、各々、カバーの上面上に部分的に配置されている。第1の生体センサ電極は、カバーの外周の第1の部分を覆う。第2の生体センサ電極は、カバーの外周の第2の部分を覆う。さらに、第1の生体センサ電極は、スロットアンテナが動作可能な周波数において、当該第1の生体センサ電極がスロットアンテナをロードするための高周波電流をサポートするようなシート抵抗を有する。
【0014】
本開示の様々な実施形態のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照してよりよく理解されるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、説明と共に関連する原理を説明する。
【0015】
当業者に向けられた実施形態の詳細な考察は、添付の図面を参照して本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示のいくつかの実装形態に従って、ウェアラブルコンピューティングデバイスを示す図である。
図2】本開示のいくつかの実装形態に従って、ウェアラブルコンピューティングデバイスを示す分解図である。
図3】本開示のいくつかの実装形態に従って、ウェアラブルコンピューティングデバイスを示す断面図である。
図4】本開示のいくつかの実装形態に従って、ウェアラブルコンピューティングデバイスの導電性ハウジングとウェアラブルコンピューティングデバイスのプリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナを示す図である。
図5】本開示のいくつかの実装形態に従って、ウェアラブルコンピューティングデバイスの一部を示す分解図である。
図6A】本開示のいくつかの実装形態に従って、カバーの上面上に部分的に配置されており、かつ、カバーの外周を少なくとも部分的に覆う第1の生体センサ電極を有する表示画面のカバーを示す側面図である。
図6B】本開示のいくつかの実装形態に従って、カバーの上面上に部分的に配置されており、かつ、カバーの外周を少なくとも部分的に覆う第2の生体センサ電極を有する表示画面のカバーを示す側面図である。
図7】本開示のいくつかの実装形態に従って、ウェアラブルコンピューティングデバイスを示す上面図である。
図8】本開示のいくつかの実装形態に従って、図7のウェアラブルコンピューティングデバイスからカバー、ベルトおよびハウジングを除去したものを示す上面図である。
図9】本開示のいくつかの実装形態に従って、ウェアラブルコンピューティングデバイスのカバーを示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
図面に示されている1つ以上の例を含む本発明の実施形態を詳細に参照する。各例は、本発明を説明するために提供され、本発明を限定するものではない。実際、当業者は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明に様々な修正および変更を行うことができることが明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される特徴は、別の実施形態と共に使用され、さらに別の実施形態をもたらすことができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内に入る修正および変形を包含することが意図される。
【0018】
本開示の例示的な態様は、ユーザの手首に装着することができるウェアラブルコンピューティングデバイスに関する。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ウェアラブルコンピューティングデバイスの導電性ハウジング(例えば、金属ハウジング)とウェアラブルコンピューティングデバイスのプリント回路基板との間の間隙(例えば、約0.5mmから約10mm)によって規定されているスロットアンテナを含むことができる。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、表示画面をさらに含むことができる。従って、表示画面は、ユーザに見られる情報(例えば、時間、日付)を表示することができる。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、表示画面を傷から保護するために表示画面の上面上に配置されているカバーを含むことができる。カバーは、ユーザが表示画面に表示されている情報を見えるように光学的に透明でであってもよい。以下で説明するように、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、カバー上に配置されている1つ以上の生体センサ電極を含むことができる。
【0019】
1つ以上の生体センサ電極は、カバーの上面の一部に部分的に配置されてもよい。また、1つ以上の生体センサ電極は、カバーの底面上に配置されている1つ以上の電気接点に接触するように、カバーの外周(例えば、縁部)を少なくとも部分的に覆うことができる。従って、1つ以上の生体センサ電極は、表示画面のアクティブ領域を囲む領域の一部(例えば、不感帯:dead band)を視認から隠すことができる。表示画面のアクティブ領域を囲む領域は、表示画面の「不感帯」と呼ばれてもよい。さらに、1つ以上の生体センサ電極を用いて表示画面の不感帯の少なくとも一部を視認から隠すことができるため、視覚改善を提供するために表示画面の一部を覆うための別個の装飾要素(例えば、ベゼル)を配置する必要がない。
【0020】
しかしながら、カバー上に1つ以上の生体センサ電極を配置することは、スロットアンテナの性能を劣化させる可能性がある。例えば、1つ以上の生体センサ電極は、スロットアンテナに関連する放射パターンおよび/またはスロットアンテナの放射効率を妨害するまたは劣化させる可能性がある。以下で説明するように、1つ以上の生体センサ電極は、カバー上に1つ以上の生体センサ電極を配置することに起因するスロットアンテナの性能の劣化を低減または排除するように構成されてもよい。
【0021】
いくつかの実装形態において、1つ以上の生体センサ電極の少なくとも一部は、スロットアンテナが動作可能な周波数範囲に対して1つ以上の生体センサ電極が無線周波数透過性であるような第1のシート抵抗値を有することができる。いくつかの実装形態において、1つ以上の生体センサ電極の少なくとも一部の無線周波数透過性は、スロットアンテナが動作可能な周波数範囲に対して、少なくとも80%または少なくとも90%(すなわち、少なくとも0.8または少なくとも0.9の透過係数)であってもよい。例えば、第1のシート抵抗値は、スロットアンテナが動作可能な周波数範囲(例えば、約0.6GHzから約10GHz)に対して2000Ω/スクエアよりも大きい任意のシート抵抗値を含むことができる。従って、1つ以上の生体センサ電極は、スロットアンテナが動作可能な周波数範囲に対して少なくとも部分的に無線周波数透過性であるため、カバー上に1つ以上の生体センサ電極を配置することに起因する当該周波数範囲にわたるスロットアンテナの性能の劣化を低減または排除することができる。
【0022】
いくつかの実装形態において、1つ以上の生体センサ電極は、スロットアンテナが動作可能な周波数範囲に対して1つ以上の生体センサ電極がスロットアンテナをロードするための高周波電流をサポートすることができるように、第1のシート抵抗値よりも小さい第2のシート抵抗値を有することができる。例えば、第2のシート抵抗値は、周波数範囲に対して約200Ω/スクエア未満であってもよい。従って、1つ以上の生体センサ電極は、スロットアンテナが動作可能な周波数範囲に対してスロットアンテナをロードするための高周波電流をサポートするため、カバー上に1つ以上の生体センサ電極を配置することに起因する当該周波数範囲にわたるスロットアンテナの性能の劣化を低減または排除することができる。いくつかの実装形態において、第2のシート抵抗値は、約100Ω/スクエア未満であってもよい。例えば、第2のシート抵抗値は、約20Ω/スクエアから約40Ω/スクエアの範囲であってもよい。
【0023】
いくつかの実装形態において、1つ以上の生体センサの少なくとも一部は、物理蒸着(PVD)コーティングを含むことができる。このような実装形態において、1つ以上の生体センサ電極の導電性材料の厚さは、PVDコーティングによって少なくとも部分的に制限されてもよい。また、このような実装形態において、1つ以上の生体センサ電極のシート抵抗は、PVDコーティングプロセスによって制限される1つ以上の生体センサ電極の導電性材料の厚さによって少なくとも部分的に制限されてもよい。より具体的には、1つ以上の生体センサ電極のシート抵抗の大きさを制限することができる。
【0024】
本開示の例示的な態様に従ったウェアラブルコンピューティングデバイスは、多くの技術的な効果および利点を提供することができる。例えば、表示画面のカバー(例えば、ガラス)の上面上に1つ以上の生体センサ電極を配置することは、表示画面の不感帯を覆うための別個の要素(例えば、ベゼル)を配置する必要を排除する。さらに、カバーの上面上に1つ以上の生体センサ電極を配置することは、ウェアラブルコンピューティングデバイスを装着しているユーザのオンデマンド生体測定(例えば、心電図、皮膚電位など)を可能にすることができる。さらに、1つ以上の生体センサ電極は、ウェアラブルコンピューティングデバイスの通信および機能に関連する周波数帯域において、ウェアラブルコンピューティングデバイスのスロットアンテナに関連する放射パターンの妨害を低減または排除するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実装形態において、1つ以上の生体センサ電極のシート抵抗は、1つ以上の生体センサ電極が関連する周波数帯域に対して無線周波数透過性であるように構成されてもよい。代替的な実装形態において、1つ以上の生体センサ電極のシート抵抗は、1つ以上の生体センサ電極が関連する周波数帯域に対して高周波電流をサポートするように構成されてもよい。
【0025】
以下、図面を参照して、図1および図2は、本開示のいくつかの実装形態に係るウェアラブルコンピューティングデバイス100を示す。図示のように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、例えば、ユーザの腕102(例えば、手首)に着用されてもよい。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ベルト104と、導電性ハウジング110とを含むことができる。なお、導電性ハウジング110は、任意の好適な導電性材料(例えば、金属)を含むことができる。
【0026】
導電性ハウジング110は、ベルト104に接続することができる。従って、ベルト104をユーザの腕102に固定することによって、導電性ハウジング110をユーザの腕102に固定することができる。また、導電性ハウジング110は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100の(例えば、プリント回路基板上に配置されている)1つ以上の電子素子を収容するためのキャビティ111を規定することができる。
【0027】
ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、表示画面112を含むことができる。表示画面112は、ユーザに見られる情報(例えば、時間、日付、バイオメトリクス)を表示することができる。いくつかの実装形態において、表示画面112は、対話型表示画面(例えば、接触画面または非接触画面)を含むことができる。このような実装形態において、ユーザは、表示画面112を介してウェアラブルコンピューティングデバイス100と対話することによって、ウェアラブルコンピューティングデバイス100の動作を制御することができる。
【0028】
いくつかの実装形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100と対話するように、ユーザによって操作(例えば、押下)され得る1つ以上の入力素子114を含むことができる。例えば、1つ以上の入力素子114は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100と対話するように操作(例えば、押下)され得る機械ボタンを含むことができる。いくつかの実装形態において、1つ以上の入力素子114は、表示画面112に関連するバックライト(図示せず)の動作を制御するように操作されてもよい。なお、1つ以上の入力素子114は、ユーザが任意の適切な方法でウェアラブルコンピューティングデバイス100と対話することを可能にするように構成されてもよい。例えば、いくつかの実装形態において、1つ以上の入力素子114は、表示画面112に表示された情報(例えば、1つ以上のメニュー画面)を介してナビゲートするようにユーザによって操作されてもよい。
【0029】
ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、導電性ハウジング110上に配置されているカバー116を含むことができる。カバー116は、表示画面112の上面上に配置されている。このように、カバー116は、表示画面112を損傷(例えば、傷)から保護することができる。いくつかの実装形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、カバー116と導電性ハウジング110との間に配置されているシール(図示せず)を含むことができる。例えば、シールの第1の表面は、カバー116に接触することができ、シールの第2の表面は、導電性ハウジング110に接触することができる。従って、導電性ハウジング110とカバー116との間のシールは、液体(例えば、水)が導電性ハウジング110のキャビティ111に浸入することを防ぐことができる。
【0030】
カバー116は、ユーザが表示画面112上に表示されている情報を見ることができるように光学的に透明であってもよい。例えば、いくつかの実装形態において、カバー116は、ガラス材料を含んでもよい。なお、カバー116は、任意の好適な光学的に透明な材料を含んでもよい。
【0031】
カバー116は、表示画面112の上面113を覆うようなサイズに形成されてもよい。また、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、カバー116の上面117の一部に部分的に配置されている1つ以上(図示には1つのみ)の生体センサ電極118を含むことができる。より具体的には、上面117の一部は、上面117の最も外側の部分(例えば、外周)を含むことができる。従って、1つ以上の生体センサ電極118は、表示画面112を枠囲みするための別個の要素、例えばベゼルを設ける必要を排除することができる。さらに、1つ以上の生体センサ電極118がカバー116の上面117に配置されているため、ユーザは、1つ以上の生体センサ電極118に接触する(例えば、触れる)ことによって、オンデマンド生体測定(例えば、心電図、皮膚電位など)を行うことができる。
【0032】
以下、図3を参照して、本開示のいくつかの実装形態に従って、ウェアラブルコンピューティングデバイス100の断面図が示されている。図示のように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、導電性ハウジング110によって規定されているキャビティ111内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板200を含むことができる。なお、いくつかの実装形態において、表示画面112(図2)は、フレキシブルプリント回路を介してプリント回路基板200に電気的に接続されてもよい。以下、プリント回路基板200の詳細を説明する。
【0033】
以下、図4を参照して、間隙300が導電性ハウジング110とプリント回路基板200との間に規定されるように、導電性ハウジング110に対してプリント回路基板200を配置することができる。より具体的には、間隙300は、導電性ハウジング110の内面からプリント回路基板200の外周(例えば、縁部)まで延在することができる。さらに、いくつかの実装形態において、間隙300は、プリント回路基板200の外周の全体に沿って延在してもよい。言い換えれば、いくつかの例において、プリント回路基板200の縁部は、導電性ハウジング110に接触しない(例えば、触れない)。
【0034】
いくつかの実装形態において、導電性ハウジング110とプリント回路基板200との間に規定されている間隙300の幅302は、約0.5mmから約10mmの範囲であってもよい。代替的にまたは追加的には、いくつかの実装形態において、間隙300の幅302は、プリント回路基板200の外周に沿って変動することができる。例えば、プリント回路基板200の外周の第1の部分における導電性ハウジング110とプリント回路基板200との間の間隙300の幅302は、プリント回路基板200の外周の第2の部分における導電性ハウジング110とプリント回路基板200との間の間隙300の幅302とは異なる(例えば、より広い、より狭い)ことができる。
【0035】
いくつかの実装形態において、プリント回路基板200の外周は、銅を含まないまたは接地されない領域206を含むことができる。なお、接地されない領域206は、電子部品(例えば、レジスタ、コンデンサなど)を配置することができないプリント回路基板200の領域を含むことができる。いくつかの実装形態において、プリント回路基板200の接地されない領域206の幅208は、0.1mmから約2mmの範囲であってもよい。代替的な実装形態において、プリント回路基板200は、接地されない領域206を含まなくてもよい。以下で説明するように、接地されない領域206は、電気間隙として機能することができる。
【0036】
いくつかの実装形態において、(破線によって示されている)スロットアンテナ400は、導電性ハウジング110とプリント回路基板200との間の間隙300によって規定されてもよい。また、いくつかの実装形態において、スロットアンテナ400は、プリント回路基板200の接地されない領域206の幅208に跨る電気間隙によってさらに規定されてもよい。このような実装形態において、スロットアンテナ400の幅は、間隙300の幅302およびプリント回路基板200の接地されない領域206の幅208に跨ることができる。例えば、いくつかの実装形態において、スロットアンテナ400の幅は、約0.5mmから約10mmの範囲であってもよい。
【0037】
スロットアンテナ400は、複数の異なる周波数帯域で動作可能であってもよい。例えば、スロットアンテナ400は、1つ以上の全地球航法衛星システム(GNSS)周波数帯域で動作可能であってもよい。いくつかの実装形態において、1つ以上のGNSS周波数帯域は、1つ以上のGPS周波数帯域を含むことができる。1つ以上のGPS周波数帯域は、約1164MHz(メガヘルツ)から約1189MHzの範囲の第1のGPS周波数帯域、約1563MHzから約1587MHzの範囲の第2のGPS周波数帯域、および約1215MHzから約1240MHzの範囲の第3のGPS周波数帯域のうち、少なくとも一つを含むことができる。また、スロットアンテナ400は、1つ以上のGPS周波数帯域に加えて、セルラー通信(例えば、4G、5G)またはワイヤレスローカルエリア通信に関連する1つ以上の周波数帯域で放射するように構成されてもよい。なお、スロットアンテナ400は、任意の好適な通信規格に関連する周波数帯域で動作可能であってもよい。
【0038】
いくつかの実装形態において、スロットアンテナ400は、第1の接地接点402と第2の接地接点404とを含むことができる。第1の接地接点402は、導電性ハウジング110とプリント回路基板200の外周(例えば、接地されない領域206)上の第1の位置との間に接続されてもよい。一方、第2の接地接点404は、導電性ハウジング110とプリント回路基板200の外周(例えば、接地されない領域206)上の第2の位置との間に接続されてもよい。いくつかの実装形態において、第1の位置および第2の位置は、プリント回路基板200の対向する側面に対応してもよい。なお、第1の接地接点402および第2の接地接点404は、スロットアンテナ400の長さを調整するようにプリント回路基板200の外周の任意の好適な位置に接続されてもよい。例えば、第1の接地接点402および第2の接地接点404は、スロットアンテナ400を短縮するように互いに近接して配置されてもよい。代替的には、第1の接地接点402および第2の接地接点404は、スロットアンテナ400を長くするように配置されてもよい。
【0039】
いくつかの実装形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、遮蔽缶210を含むことができる。図示のように、遮蔽缶210は、プリント回路基板200の一部の上面上に配置されてもよい。例えば、遮蔽缶210は、プリント回路基板200上に配置されている1つ以上の電気回路を含むプリント回路基板200の一部の上面上に配置されてもよい。従って、遮蔽缶210は、1つ以上の電気回路を電磁干渉(EMI)から電気的に遮蔽することができる。
【0040】
以下、図5図6A図6B、および図7から図9を参照して、ウェアラブルコンピューティングデバイス100の1つ以上の生体センサ電極118(図1)は、第1の生体センサ電極500と、第2の生体センサ電極510とを含むことができる。代替的な実装形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、3つ以上の生体センサ電極を含むことができる。
【0041】
図示のように、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、カバー116の上面117上に配置されてもよい。例えば、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、カバー116の上面117の一部に各々部分的に配置されてもよい。より具体的には、上面117の一部は、上面117の最も外側の部分(例えば、外周)を含むことができる。従って、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、表示画面112を枠囲みするための別個の要素、例えばベゼルなどを設ける必要を排除することができる。
【0042】
第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、表示画面112のアクティブ表示領域600を囲む表示画面112の領域の少なくとも一部(例えば、不感帯)を覆うことができる。より具体的には、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510によって少なくとも部分的に覆われる領域は、アクティブ表示領域600の縁部610からカバー116の外周119まで延在することができる。
【0043】
いくつかの実施態様において、間隙620は、アクティブ表示領域600の縁部610と生体センサ電極(例えば、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510)との間に規定されてもよい。例えば、いくつかの実装形態において、間隙620の幅は、約0.5mmから約3mmの範囲であってもよい。なお、スロットアンテナ400(図4)は、間隙620を通って放射することができる。以下でより詳細に説明するように、間隙620の幅は、生体センサ電極(例えば、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510)のシート抵抗に応じて変動することができる。
【0044】
さらに、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、カバー116の上面117上に配置されているため、ウェアラブルコンピューティングデバイス100を装着しているユーザのオンデマンド生体測定(例えば、心電図、皮膚電位など)を可能にすることができる。例えば、いくつかの実装形態において、ユーザは、第1の生体センサ電極500に接触する(例えば、触れる)ことによって、オンデマンド心電図の示度を得ることができる。代替的にまたは追加的には、ユーザは、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510の両方に接触する(例えば、触れる)ことによって、オンデマンド皮膚電位の示度を得ることができる。
【0045】
いくつかの実装形態において、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、カバー116の上面117に互いに離間されてもよい。例えば、第1の間隙520は、第1の生体センサ電極500の第1の端部502と第2の生体センサ電極510の第1の端部512との間に規定されてもよい。また、第2の間隙522は、第1の生体センサ電極500の第2の端部504と第2の生体センサ電極510の第2の端部514との間に規定されてもよい。いくつかの実装形態において、第1の間隙520の幅と第2の間隙522の幅とは、同じであってもよい。例えば、いくつかの実装形態において、第1の間隙520の幅および第2の間隙522の幅は、約0.5mmから約2mmの範囲であってもよい。代替的な実装形態において、第1の間隙520の幅は、第2の間隙522の幅とは異なる(例えば、より狭い、より広い)ことができる。
【0046】
第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は各々、カバー116の底面121上の1つ以上の電気接点に接触する(例えば、触れる)ように、カバー116の外周119を少なくとも部分的に覆うことができる。例えば、いくつかの実装形態において、カバー116の底面121は、第1の電気接点700と、第2の電気接点710とを含むことができる。このような実装形態において、第1の生体センサ電極500は、カバー116の底面121上の第1の電気接点700に接触するように、カバー116の外周119の第1の部分を覆うことができる。また、第2の生体センサ電極510は、カバー116の底面121上の第2の電気接点710に接触するように、カバー116の外周119の第2の部分を覆うことができる。
【0047】
なお、カバー116の外周119の第2の部分は、カバー116の外周119の第1の部分とは異なる。例えば、いくつかの実装形態において、外周119の第1の部分は、カバー116の上半分に対応し得る。このような実装形態において、外周119の第2の部分は、カバー116の下半分に対応し得る。なお、いくつかの実装形態において、カバー116の底面121は、より多くの電気接点を含むことができる。例えば、いくつかの実装形態において、カバー116の底面121は、第1の生体センサ電極500によって接続され得る複数の電気接点を含むことができる。代替的にまたは追加的には、カバー116の底面121は、第2の生体センサ電極510によって接続され得る複数の電気接点を含むことができる。
【0048】
いくつかの実装形態において、カバー116の上面117およびカバー116の底面121は各々、実質的に平坦な表面であってもよい。代替的にまたは追加的には、カバー116の外周119は、湾曲してもよい。なお、カバー116は、任意の好適な形状を有することができる。なお、いくつかの実装形態において、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、フレキシブルプリント回路を介してプリント回路基板200に電気的に接続されてもよい。例えば、いくつかの実施態様において、フレキシブルプリント回路は、プリント回路基板200とカバー116の底面121上の1つ以上の電気接点(例えば、第1の電気接点700、第2の電気接点710)との間に接続されてもよい。従って、生体測定に関連する信号を、フレキシブルプリント回路を介してプリント回路基板200上の1つ以上の回路に伝達することができる。
【0049】
いくつかの実装形態において、第1の生体センサ電極500または第2の生体センサ電極510の少なくとも一方の少なくとも一部は、物理蒸着(PVD)コーティングを含むことができる。例えば、いくつかの実装形態において、第1のPVDコーティングは、カバー116の上面117上に配置されている第1の生体センサ電極500の少なくとも一部を覆うことができる。代替的にまたは追加的には、第1のPVDコーティングは、カバー116の底面121上に配置されている第1の生体センサ電極500の少なくとも一部を覆うことができる。なお、第1のPVDコーティングは、第1の生体センサ電極500の任意の部分を覆うことができる。例えば、いくつかの実装形態において、第1のPVDコーティングは、第1の生体センサ電極500を完全に覆うことができる。
【0050】
いくつかの実装形態において、第2のPVDコーティングは、カバー116の上面117上に配置されている第2の生体センサ電極510の少なくとも一部を覆うことができる。代替的にまたは追加的には、第2のPVDコーティングは、カバー116の底面121上に配置されている第2の生体センサ電極510の少なくとも一部を覆うことができる。なお、第2のPVDコーティングは、第2の生体センサ電極510の任意の部分を覆うことができる。例えば、いくつかの実装形態において、第1のPVDコーティングは、第2の生体センサ電極510を完全に覆うことができる。
【0051】
なお、カバー116上に第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510を配置することは、スロットアンテナ400(図4)の性能を劣化させる可能性がある。例えば、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、スロットアンテナ400の放射パターンを妨害するまたは劣化させる可能性がある。以下で説明するように、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、カバー116上に第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510を配置することに起因するスロットアンテナ400の性能の劣化を低減または排除するように構成されてもよい。
【0052】
いくつかの実装形態において、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は各々、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510のうちの少なくとも一つが各々スロットアンテナ400(図4)が動作可能な周波数範囲に対して無線周波数透過性であるように、第1のシート抵抗値を有することができる。例えば、いくつかの実装形態において、第1のシート抵抗値は、スロットアンテナ400(図4)が動作可能な周波数範囲(例えば、約1GHzから約3GHz)に対して約2000Ω/スクエアよりも大きい任意のシート抵抗値を有することができる。従って、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は各々、スロットアンテナ400が動作可能な周波数範囲に対して無線周波数透過性であるため、カバー116上に第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510を配置することに起因する周波数範囲にわたるスロットアンテナ400の性能の劣化を低減または排除することができる。
【0053】
いくつかの実装形態において、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は各々、第1のシート抵抗値よりも小さい第2のシート抵抗値を有することができる。従って、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、スロットアンテナ400が動作可能な周波数範囲にわたってスロットアンテナ400(図4)をロードするための高周波電流をサポートすることができる。より具体的には、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は、スロットアンテナ400の放射に関連する損失を引き起こすことなく、スロットアンテナ400をロードするための高周波電流をサポートすることができる。例えば、いくつかの実装形態において、第2のシート抵抗値は、スロットアンテナ400が動作可能な周波数範囲に対して約200Ω/スクエア未満であってもよい。従って、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510は各々、スロットアンテナ400が動作可能な周波数範囲にわたってスロットアンテナ400をロードするための高周波電流をサポートするため、カバー上に1つ以上の生体センサ電極を配置することに起因する上記周波数範囲にわたるスロットアンテナの性能の劣化を低減または排除することができる。いくつかの実施態様において、第2のシート抵抗値は、100Ω/スクエア未満、例えば、約20Ω/スクエアから約40Ω/スクエアであってもよい。
【0054】
第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510の各々がスロットアンテナ400をロードするための高周波電流をサポートする第2のシート抵抗値を有する実装形態における間隙620の幅は、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510の各々が少なくとも部分的に無線周波数透過性である第1の抵抗値を有する実装形態における間隙620の幅よりも大きい。例えば、いくつかの実装形態において、間隙620の幅は、第1の生体センサ電極500および第2の生体センサ電極510がスロットアンテナ400(図4)に関連する放射パターンを妨害する可能性を低減または排除するために、1mmよりも大きくなければならない。
【0055】
様々な具体的例示的な実施形態に関して本開示の主題を詳細に説明したが、各実施例は、説明のために提供され、本開示の限定ではない。当業者は、前述した説明を理解すると、これらの実施形態に対する変更、変形、および均等物を容易に作成することができる。したがって、本開示は、当業者には容易に明らかであろうように、本開示の主題に対する修正、変形、および/または追加の包含を排除しない。例えば、一実施形態の一部として図示または説明された特徴は、別の実施形態と共に使用され、さらに別の実施形態をもたらすことができる。したがって、本開示は、このような変更、変形、および均等物を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
導電性ハウジングと、
前記導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板と、
前記導電性ハウジングと前記プリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナと、
前記プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面と、
前記表示画面上に配置されているカバーとを備え、前記カバーは、上面と底面とを含み、
前記カバーの前記上面上に部分的に配置されている生体センサ電極を備え、前記生体センサ電極は、前記カバーの外周を少なくとも部分的に覆う、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記生体センサ電極は、前記スロットアンテナが動作可能な周波数において、前記生体センサ電極が少なくとも部分的に無線周波数透過性であるようなシート抵抗を有する、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記シート抵抗は、前記スロットアンテナが動作可能な前記周波数に対して000Ω/スクエアよりも大きい、請求項2に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記生体センサ電極は、前記スロットアンテナが動作可能な周波数において、前記生体センサ電極が前記スロットアンテナをロードするための高周波電流をサポートするようなシート抵抗を有する、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記シート抵抗は、前記スロットアンテナが動作可能な前記周波数に対して200Ω/スクエア未満である、請求項4に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記生体センサ電極と前記表示画面のアクティブ表示領域との間に間隙が規定されている、請求項1から請求項5のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記間隙の幅は、0.5mmから3mmの範囲である、請求項6に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記周波数は、0.6GHzから10GHzの範囲である、請求項2から請求項5のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記カバーは、光学的に透明な材料を含む、請求項1から請求項8のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記光学的に透明な材料は、ガラス材料を含む、請求項9に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記カバーの前記底面上に配置されている電気接点をさらに備え、
前記生体センサ電極は、前記電気接点に接触している、請求項1から請求項10のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記生体センサ電極の少なくとも一部を被覆する物理蒸着(PVD)コーティングをさらに備える、請求項1から請求項11のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記生体センサ電極の前記一部は、前記生体センサ電極の第1の部分または前記生体センサ電極の第2の部分のうちの少なくとも一つを含み、
前記第1の部分は、前記カバーの前記上面上に配置されており、
前記第2の部分は、前記カバーの前記底面上に配置されている、請求項12に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記上面および前記底面の各々は、平坦面を含み、
前記カバーの前記外周は、曲面を含む、請求項1から請求項13のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項15】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
導電性ハウジングと、
前記導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板と、
前記導電性ハウジングと前記プリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナと、
前記プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面と、
前記表示画面上に配置されているカバーとを備え、前記カバーは、上面と底面とを含み、
第1の生体センサ電極と第2の生体センサ電極とを備え、前記第1の生体センサ電極および前記第2の生体センサ電極は、互いに離間するように、各々、前記カバーの前記上面上に部分的に配置されており、前記第1の生体センサ電極は、前記カバーの外周の第1の部分を覆い、前記第2の生体センサ電極は、前記カバーの前記外周の第2の部分を覆い、
前記第1の生体センサ電極は、前記スロットアンテナが動作可能な周波数において、前記第1の生体センサ電極が少なくとも部分的に無線周波数透過性であるようなシート抵抗を有する、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記シート抵抗は、前記スロットアンテナが動作可能な前記周波数において2000Ω/スクエアよりも大きい、請求項15に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記周波数は、0.6GHzから10GHzの範囲である、請求項15または請求項16に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項18】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
導電性ハウジングと、
前記導電性ハウジング内に少なくとも部分的に配置されているプリント回路基板と、
前記導電性ハウジングと前記プリント回路基板との間の間隙によって規定されているスロットアンテナと、
前記プリント回路基板に電気的に接続されている表示画面と、
前記表示画面上に配置されているカバーとを備え、前記カバーは、上面と底面とを含み、
第1の生体センサ電極と第2の生体センサ電極とを備え、前記第1の生体センサ電極および前記第2の生体センサ電極は、互いに離間するように、各々、前記カバーの前記上面上に部分的に配置されており、前記第1の生体センサ電極は、前記カバーの外周の第1の部分を覆い、前記第2の生体センサ電極は、前記カバーの前記外周の第2の部分を覆い、
前記第1の生体センサ電極は、前記スロットアンテナが動作可能な周波数において、前記第1の生体センサ電極が前記スロットアンテナをロードするための高周波電流をサポートするようなシート抵抗を有する、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記第1の生体センサ電極と前記表示画面のアクティブ表示領域の縁部との間に規定されている間隙の幅は、0.5mmから3mmである、請求項18に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記シート抵抗は、前記スロットアンテナが動作可能な前記周波数において200Ω/スクエア未満である、請求項18または請求項19に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
いくつかの実装形態において、第2のPVDコーティングは、カバー116の上面117上に配置されている第2の生体センサ電極510の少なくとも一部を覆うことができる。代替的にまたは追加的には、第2のPVDコーティングは、カバー116の底面121上に配置されている第2の生体センサ電極510の少なくとも一部を覆うことができる。なお、第2のPVDコーティングは、第2の生体センサ電極510の任意の部分を覆うことができる。例えば、いくつかの実装形態において、第のPVDコーティングは、第2の生体センサ電極510を完全に覆うことができる。
【国際調査報告】