(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】光子美容器
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
A61N5/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526948
(86)(22)【出願日】2022-10-09
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2022123945
(87)【国際公開番号】W WO2023138108
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202210061948.2
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521205870
【氏名又は名称】深▲せん▼市嘉宇康医療器械有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】周 瑩
(72)【発明者】
【氏名】李 兵
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PA02
4C082PC01
4C082PC08
4C082PC10
4C082PG05
4C082PG11
4C082PJ21
(57)【要約】
本発明は、光子美容器に関し、内部に光源モジュール、電源ユニットおよび制御回路基板が設置されるハウジングを含む。光源モジュール、電源ユニットは、制御回路基板に電気的に接続される。前記光子美容器のヘッド部内には、出射光路および光出射口が設置される。光源モジュールで発生する光波は、出射光路によって伝搬されて光出射口から出射される。前記光子美容器のヘッド部には、フィルタを切り換え可能な光学フィルタリング装置が内蔵される。前記光学フィルタリング装置は、1枚または複数枚のフィルタを含むか、または、複数のフィルタ領域を有するフィルタ膜を含む。各フィルタまたはフィルタ膜の各フィルタ領域は移動して出射光路に切り換え、出射光路内の出射光をフィルタリングする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光子美容器であって、
内部に光源モジュール、電源ユニットおよび制御回路基板が設置されるハウジングを含み、
光源モジュール、電源ユニットは、制御回路基板に電気的に接続され、
ヘッド部内には、出射光路および光出射口が設置され、
光源モジュールで発生する光波は、出射光路によって伝搬されて光出射口から出射される光子美容器であって、
前記光子美容器のヘッド部には、フィルタを切り換え可能な光学フィルタリング装置が内蔵され、
前記光学フィルタリング装置は、1枚または複数枚のフィルタを含むか、または、複数のフィルタ領域を有するフィルタ膜を含み、
各フィルタまたはフィルタ膜の各フィルタ領域は移動して出射光路に切り換え可能であり、出射光路内の出射光をフィルタリングすることを特徴とする光子美容器。
【請求項2】
前記複数枚のフィルタは連結部材によって直列に連結されるか、または複数枚のフィルタは接合されて連動のフィルタを形成し、連動のフィルタは、伝達装置または調節機構によって出射光路まで伝搬され、出射光路内の出射光波をフィルタリングするか、または、
前記1枚または複数枚のフィルタは出射光路の側壁にそれぞれ可動に設置され、出射光路まで移動または回動して出射光をフィルタリングすることを特徴とする請求項1に記載の光子美容器。
【請求項3】
前記光子美容器のヘッド部内には、前記出射光路を限定するブラケットが設置され、
出射光路の側壁には、シュートまたは回転機構が設置され、
前記1枚または複数枚のフィルタまたはフィルタ膜は、シュートにより出射光路内まで移動して出射光波をフィルタリングするか、または、回転機構によって出射光路内まで回動して出射光路の出射光波をフィルタリングすることを特徴とする請求項2に記載の光子美容器。
【請求項4】
前記シュートは、ブラケット内に設置されて前記フィルタまたはフィルタ膜を収納し、
フィルタまたはフィルタ膜は、シュートに沿って往復動可能に出射光路内まで搬送され、出射光波をフィルタリングすることを特徴とする請求項3に記載の光子美容器。
【請求項5】
前記シュートは、ブラケットの長手方向に沿ってブラケット内に設置され、両側が貫通し、
前記フィルタは、長手方向に沿ってシュート内に収納され、シュートに沿って出射光路に往復動することを特徴とする請求項4に記載の光子美容器。
【請求項6】
フィルタは、2枚のサブフィルタに区画され、
サブフィルタは、出射光路まで移動または回動するとともに、フィルタ全体として接合されることを特徴とする請求項3に記載の光子美容器。
【請求項7】
前記出射光路の側壁外は、収納キャビティとして形成され、
貫通する前記シュートが側壁に開設されて出射光路に連通することで、前記フィルタまたはフィルタ膜は、シュートを通して収納キャビティと出射光路との間に往復動して前記収納キャビティ内に収納されるか、または出射光路を閉鎖したり出射光路内の幅をわたったりして出射光波をフィルタリングすることを特徴とする請求項3に記載の光子美容器。
【請求項8】
前記フィルタまたはフィルタ膜は、円弧状または平面フィルタであり、
前記光学フィルタリング装置は、手動パドル、引きレバーまたはリンクで、フィルタまたはフィルタ膜の位置を手動で調節するか、または、モータとギヤとの噛合による伝達、ベルトによる伝達、チェーンによる伝達またはスクリューによって、フィルタまたはフィルタ膜の位置を自動的に調節することを特徴とする請求項1に記載の光子美容器。
【請求項9】
前記光学フィルタリング装置は、光子美容器のヘッド部内に設置され、
前記ブラケットは、口金ブラケットであり、
光源モジュールは、前記口金ブラケットの一側に取り付けられ、
光源モジュールは、ランプ管および反射カップを含み、
光反射カップの開放口側は、光出射窓であり、
光出射窓には、固定フィルタが設置されて反射カップの出口を被せ、
光反射カップの外側には、放熱部材が貼り合わせて設置され、
前記美容器のヘッド部には、ファンが設置され、
ヘッド部ハウジングには、給風口または吹出口が設置されて光源モジュールの空冷放熱をすることを特徴とする請求項3~請求項8のいずれか一項に記載の光子美容器。
【請求項10】
前記光学フィルタリング装置は、付属ヘッド内に設置され、
付属ヘッドは、光子美容器のヘッド部に嵌められて外付け部材を形成し、
付属ヘッドの頂面の中心には、光入射口として光出射窓が設置され、光子美容器のヘッド部に設置される光出射口に突き合わせ、
前記固定ブラケットは、一対の平行側壁を含み、中間の間隔が出射光路および光出射口として形成され、
平行側壁と付属ヘッドの外ケースとの間の間隔スペースは、フィルタの収納およびフィルタの進退のための収納キャビティとして形成され、
平行側壁には、貫通するシュートが開設され、
前記シュートは、付属ヘッドの出射光路とキャビティとを貫通させ、フィルタが出射光路に滑り込んだり、出射光路から退出したりすることを特徴とする請求項3~請求項8のいずれか一項に記載の光子美容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容装置領域に関し、特に、光子美容器に関する。
【背景技術】
【0002】
パルス光、レーザーまたは他の光源を用いて美容機能を実現する光子美容器は、フォトニック美容器と称される。光子美容器では、内部の光源モジュールで光波を発生し、作業ヘッド部の光出射窓から光波を出射し、作業ヘッド部の端面に接触する(または直接に接触しない)皮膚表面に対して、例えば、脱毛や肌の若返り、シミ取り、抗炎症、血管の軟化、シワ取り、皮膚赤み除去、にきび治療、血管病変治療、色素性病変治療などの機能という美容治療を行う。現在、市販の一部の携帯またはポータブル光子美容器は、対応する波長の光波を得るために、複数枚のフィルタまたは複数の付属ヘッドの携帯が必要になり、使用時に挿入や交換により、使用、携帯、収納に不便さをもたらしたりするなどの問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的問題は、光子美容器を提供し、従来の、フィルタを交換可能な光子美容器の使用、携帯、収納に不便さをもたらしたりするなどの問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術的問題を解決するために、本発明が提供する技術案は以下の通りである。
光子美容器は、内部に光源モジュール、電源ユニットおよび制御回路基板が設置されるハウジングを含む。光源モジュール、電源ユニットは、制御回路基板に電気的に接続される。ヘッド部内には、出射光路および光出射口が設置される。光源モジュールで発生する光波は、出射光路によって伝搬されて光出射口から出射される。前記光子美容器のヘッド部には、フィルタを切り換え可能な光学フィルタリング装置が内蔵される。前記光学フィルタリング装置は、1枚または複数枚のフィルタを含むか、または、複数のフィルタ領域を有するフィルタ膜を含む。各フィルタまたはフィルタ膜の各フィルタ領域は移動して出射光路に切り換え可能であり、出射光路内の出射光をフィルタリングする。
【0005】
さらに、前記複数枚のフィルタは連結部材によって直列に連結されるか、または、複数枚のフィルタは接合されて連動のフィルタを形成する。連動のフィルタは、伝達装置または調節機構によって出射光路まで搬送され、出射光路内の出射光波をフィルタリングするか、または、前記1枚または複数枚のフィルタは出射光路の側壁にそれぞれ可動に設置され、出射光路まで移動または回動して出射光をフィルタリングする。
【0006】
さらに、前記光子美容器のヘッド部内には、前記出射光路を限定するブラケットが設置される。出射光路の側壁には、シュートまたは回転機構が設置される。前記1枚または複数枚のフィルタまたはフィルタ膜は、シュートにより出射光路内まで移動して出射光波をフィルタリングするか、または、回転機構によって出射光路内まで回動して出射光路の出射光波をフィルタリングする。
【0007】
一部の実施例では、前記シュートは、ブラケット内に設置されて前記フィルタまたはフィルタ膜を収納する。フィルタまたはフィルタ膜は、シュートに沿って往復動可能に出射光路内まで搬送され、出射光波をフィルタリングする。
【0008】
一部の実施例では、前記シュートは、ブラケットの長手方向に沿ってブラケット内に設置され、両側が貫通する。前記フィルタは、長手方向に沿ってシュート内に収納され、シュートに沿って出射光路に往復動する。
【0009】
一部の実施例では、フィルタは、2枚のサブフィルタに区画される。サブフィルタは、出射光路まで移動または回動するとともに、フィルタ全体として接合される。
【0010】
一部の実施例では、前記出射光路の側壁外は、収納キャビティとして形成される。貫通するシュートが側壁に開設されて出射光路に連通することで、前記フィルタまたはフィルタ膜は、シュートを通して収納キャビティと出射光路との間に往復動して前記収納キャビティ内に収納されるか、または出射光路を閉鎖したり出射光路内の幅をわたったりして出射光波をフィルタリングする。
【0011】
一部の実施例では、前記フィルタまたはフィルタ膜は、円弧状または平面フィルタである。前記光学フィルタリング装置は、手動パドル、引きレバーまたはリンクで、フィルタまたはフィルタ膜の位置を手動で調節するか、または、モータとギヤとの噛合による伝達、ベルトによる伝達、チェーンによる伝達またはスクリューによって、フィルタまたはフィルタ膜の位置を自動的に調節する。
【0012】
一部の実施例では、前記光学フィルタリング装置は、光子美容器のヘッド部内に設置される。前記ブラケットは、口金ブラケットである。光源モジュールは、前記口金ブラケットの一側に固定的に取り付けられる。光源モジュールは、ランプ管および反射カップを含む。口金ブラケットには、光出射窓が対応して設置される。光出射窓には、固定フィルタが設置されて反射カップの出口を被せ、ランプ管を口金ブラケットに封止して取り付ける。光反射カップの外側には、放熱部材が貼り合わせて設置される。前記美容器のヘッド部には、ファンが設置される。ヘッド部ハウジングには、給風口または吹出口が設置されて光源モジュールの空冷放熱をする。
【0013】
一部の実施例では、前記光学フィルタリング装置は、付属ヘッド内に設置される。付属ヘッドは、光子美容器のヘッド部に嵌められて外付け部材を形成する。付属ヘッドの頂面の中心には、光入射口として光出射窓が設置され、光子美容器のヘッド部に設置される光出射口に突き合わせる。前記固定ブラケットは、一対の平行側壁を含み、中間の間隔が出射光路および光出射口として形成される。平行側壁と付属ヘッドの外ケースとの間の間隔スペースは、フィルタの収納およびフィルタの進退のための収納キャビティとして形成される。平行側壁には、貫通するシュートが開設される。前記シュートは、付属ヘッドの出射光路とキャビティとを貫通させ、フィルタが出射光路に滑り込んだり、出射光路から退出したりする。
【0014】
本発明光子美容器は、美容器のヘッド部に切り換え可能なフィルタを有する光学フィルタリング装置が内蔵されるかまたは外付けられ、前記光学フィルタリング装置が1枚または複数枚のフィルタを含んだり、1つまたは複数のフィルタ領域を有するフィルタ膜を含んだりすることで、フィルタを交換可能であり、使用、携帯、収納がより便利である。
【0015】
以下、図面を参照して本発明をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施例に係る光子美容器の分解図である。
【
図2】本発明の第1実施例に係る光子美容器の軸線方向に沿う断面図である。
【
図3】本発明の第1実施例に係る光子美容器の軸線方向に沿って他の角度からみた場合の断面図である。
【
図4】本発明の第1実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す図であり、
図4(a)~
図4(c)が、作業ヘッド部内の異なる角度またはフィルタの切り換え状態を示すである。
【
図5】本発明の第1実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す正面図であり、
図5(a)~
図5(c)がフィルタの切り換え状態を表す。
【
図6】本発明の第1実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す斜視図であり、
図6(a)~
図6(c)がフィルタの切り換え状態を表す。
【
図7】本発明の第1実施例に係る光子美容器の光学フィルタリング装置を示す図であり、
図7(a)~
図7(b)が異なる分解図である。
【
図8】本発明の第1実施例に係る光子美容器の光学フィルタリング装置を示す図であり、
図8(a)~
図8(c)がフィルタの切り換え状態を表す。
【
図9】本発明の第1実施例に係る光子美容器の光学フィルタリング装置の他の実施例を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第2実施例に係る光子美容器の構成を示す図であり、
図10(a)が斜視図、
図10(b)が軸線方向に沿う断面図である。
【
図11】本発明の第2実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す図であり、
図11(a)~
図11(c)がフィルタの切り換え状態を表す。
【
図12-14】本発明の第3実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す図であり、
図12(a)、
図13(a)、
図14(a)は、固定フィルタがない場合の可動フィルタの切り換え状態を表し、
図12(b)、
図13(b)、
図14(b)は、固定フィルタがある場合の可動フィルタの切り換え状態を表す。
【
図15-19】本発明の第3実施例に係る光子美容器の光学フィルタリング装置の複数種の実施形態を示す図である。
【
図20】本発明の第3実施例に係る光子美容器のフィルタを示す斜視図である。
【
図21】本発明の第4実施例に係る光子美容器を示す斜視図である。
【
図22】本発明の第4実施例に係る光子美容器の一部を示す断面図である。
【
図23】本発明の第4実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す図であり、
図23(a)~
図23(c)がフィルタの切り換え状態を表す。
【
図24】本発明の第5実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す斜視図である。
【
図25】本発明の第5実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す断面図である。
【
図26】本発明の第5実施例に係る光子美容器のフィルタの構造を示す図であり、
図26(a)~
図26(c)は、フィルタの切り換え状態を表す。
【
図27】本発明の第6実施例に係る光子美容器の一部を示す断面図である。
【
図28】本発明の第6実施例に係る光子美容器を示す斜視図である。
【
図29】本発明の第6実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す図であり、
図29(a)~
図29(c)は、フィルタの切り換え状態を表す。
【
図30】本発明の第7実施例に係る光子美容器の作業ヘッド部の内部構成を示す図であり、
図30(a)~
図30(c)は、フィルタの切り換え状態を表す。
【
図31】本発明の第8実施例に係る光子美容器の一部を示す断面図である。
【
図32】本発明の第8実施例に係る光子美容器を示す斜視図である。
【
図33】本発明の第8実施例に係る光子美容器のフィルタの構造を示す図であり、
図33(a)~
図33(c)がフィルタの切り換え状態を表す。
【
図34】本発明の第8実施例に係る光子美容器の光学フィルタリング装置の構造を示す図であり、
図34(a)~
図34(c)は、フィルタの切り換え状態を表す。
【
図35】本発明の第8実施例に係る光子美容器の光学フィルタリング装置の一部構成を示す図である。
【
図36】本発明の第8実施例に係る光子美容器のフィルタの構成を示す図であり、
図36(a)~
図36(b)がフィルタの表裏面の構成を表す。
【
図37】本発明の第9実施例に係る光子美容器の光学フィルタリング装置の構成を示す図であり、
図37(a)~
図37(c)は、フィルタの切り換え状態を表す。
【
図38】本発明に係る光子美容器の外付け付属ヘッドを示す斜視図である。
【
図39】本発明に係る光子美容器の外付け付属ヘッドの第1実施例を示す断面図であり、
図39(a)~
図39(c)は、フィルタの切り換え状態を表す。
【
図40】本発明に係る光子美容器の外付け付属ヘッドの第2実施例を示す断面図である。
【
図42-44】本発明に係る光子美容器の外付け付属ヘッドの第3実施例のフィルタの切り換え状態を示す断面図である。
【
図45-47】本発明に係る光子美容器の外付け付属ヘッドの第4実施例のフィルタの切り換え状態を示す断面図である。
【
図48】本発明の第10実施例に係る光子美容器を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の幾つかの具体的な実施例について説明する。なお、本発明の各実施例および実施例による特徴構成について、矛盾がない限り、相互に組み合わせて使ってもよい。
【0018】
図1~
図48を参照し、本発明の実施例は、光子美容器に関し、フィルタを切り換え可能な光学フィルタリング装置50が内蔵されるかまたは外付けられる。光学フィルタリング装置50は、1枚または複数枚のフィルタ5を含むか、または、1つまたは複数のフィルタ領域を有するフィルタ膜5を含む。各フィルタまたはフィルタ膜の各フィルタ領域は、出射光路内の出射光波をフィルタリングするように出射光路まで調節可能である。フィルタを自動的にまたは手動で調節切換することで、美容器内の光源モジュール30で発生する光波をフィルタリングして相応の光子波長帯域の出射光を得て、皮膚に処理を行って相応の美容効果を得る。
【0019】
光学フィルタリング装置が内蔵される場合は、本発明の光子美容器において、作業ヘッド部内に光学フィルタリング装置50が設置される。光学フィルタリング装置50は、複数枚のフィルタを含み、美容器のハウジングに手動調節機構が設置されたり、美容器の内部に電動駆動機構が設置されたりすることでフィルタの位置調節を駆動し、美容器の光出射口の後方のフィルタを切り換え、光波をフィルタリングした後に作業ヘッド部の光出射口から出射する。
【0020】
光学フィルタリング装置が外付けられる場合は、主に、美容器の作業ヘッド部に付属ヘッドが嵌められ、付属ヘッドに複数枚のフィルタが内蔵され、付属ヘッドハウジングに手動調節機構が設置されたり、美容器の内部に電動駆動機構が設置されて付属ヘッドのフィルタに連結されたりすることで、付属ヘッドの光出射口の後方のフィルタを調節切換し、光波をフィルタリングした後に付属ヘッドの光出射口から出射する。
【0021】
光子美容器の本体は、脱毛器であってもよく、光学フィルタリング装置50が脱毛作業ヘッド部内に設置されたり、脱毛作業ヘッド部に付属ヘッドが嵌められたりすることで、フィルタを手動または自動的に切り換える。
【0022】
本発明に係る光子美容器は、ヘッド部(すなわち、作業ヘッド部)1および本体2を含む。なお、本体ハウジングは、作業ヘッド部のハウジングと一体構造に形成されてもよいし、作業ヘッド部のハウジングに固定的または可動に連結されて光子美容器のハウジングを構成してもよい。ハウジングの内部には、光源モジュール30、電源モジュール40および制御回路基板90が設置される。電源モジュール40は、光源モジュール30に給電する。制御回路基板90は、前記光源モジュール30を制御して発光させて光波を発生する。一実施例として、光源モジュール30は、パルス光波を発生する。光子美容器の作業ヘッド部の前端は、光出射口である。作業ヘッド部のハウジングである前ハウジング10には、給風口101および吹出口102が設置される。給風口101、吹出口102は、ハウジングの1組または複数組の貫通孔であってもよいし、ハウジングの隙間であってもよく、光源モジュールに対して空冷放熱をする。給風口、吹出口は、美容器の内部の光源モジュールの位置によって設置される。
【0023】
一部の実施例では、光子美容器の作業ヘッド部内には、光学フィルタリング装置50が取り付けられる。作動時に、光源モジュール30で発生される光波は、光学フィルタリング装置50によってフィルタリングされた後に光出射口まで伝搬され、透過された光波が美容または治療効果を果たす。光学フィルタリング装置50によってフィルタリングされた光波では、光子波長帯域によって皮膚への効果が異なり、例えば、480nmの光子が殺菌消毒効果を有し、530nmの光子が肌の若返り、色素沈着改善の効果を有し、600nmの光子が血管の軟化効果を有し、640nmの光子が脱毛の効果を有する。光子の効果を総合的に考慮すると、使用する光子の波長帯域は、皮膚のトラブルによって異なる必要がある。波長帯域の異なるフィルタが設置されることで、使用時に選択されるフィルタを切り換える。
【0024】
光子美容器の作業ヘッド部1内には、光学フィルタリング装置50が設置される。光学フィルタリング装置50は、複数のフィルタ5を含む。光学フィルタリング装置50が作業ヘッド部1内に取り付けられた後、異なるフィルタ5を手動または自動的に切り換え可能であるため、複数の付属品を携帯したり、複数枚のフィルタを単独に携帯したりする必要がなく、構造が簡単かつ使い勝手がよい。
【0025】
図1~
図9を参照し、光子美容器の第1実施例では、作業ヘッド部内に光源モジュール30が取り付けられ、光学フィルタリング装置50が光源モジュール30と光出射口との間に取り付けられる。制御回路基板90は、光源モジュール30、電源ユニット40に電気的に接続され、光源モジュールを制御して光波を発生させる。電源ユニット40は、光源モジュール30に給電する。光子美容器の作業ヘッド部1の前端は、光出射口であり、前端面は作業面であって皮膚に接触して美容治療を行うことが可能である。制御回路基板9は、光源モジュール30を制御してパルス光、例えば、IPLパルス光を発生させ、光学フィルタリング装置50によってフィルタリングされた後に透過したパルス光でスキンケアする。
【0026】
具体的には、本体2のハウジングは、下ハウジング20、および下ハウジング20に係合する表示蓋21を含む。下ハウジング20と表示蓋21との間には、ベゼルハウジング22がさらに設置されてもよい。係合後の内部のキャビティには、制御回路基板90および電源ユニット40が取り付けられる。電源ユニット40は、充電式電池、使い捨て電池、コンデンサ電池、外部電源モジュールまたは従来技術の他の電源モジュールであってもよい。制御回路基板90には、外部電源または内部電源に接続されるための電源ホルダ91、例えば、DC電源ホルダが設置される。本体2には、押しキー、例えば、電源キー95、ライトキー94などが設置される。本体2内には、それぞれ制御回路基板90に電気的に接続されるライトPCBおよび押しキーパネル92が対応して設置される。
【0027】
下ハウジング20の一端には、作業ヘッド部1を取り付けるための取付盤23が設置される。取付盤23は、下ハウジング20の一部(中央開口)であってもよく、光源モジュール30と本体2内の制御回路基板90との接続に用いられる。本実施例の取付盤23は、円環形状であり、締付部材によって作業ヘッド部1に連結される。作業ヘッド部1は、本体2に連結されて全体がL字状に形成される。本体2は、手持ち部である。
【0028】
作業ヘッド部ハウジングは、筒体構造の前ハウジング10を含み、内部キャビティに光源モジュール30、光学フィルタリング装置50および放熱モジュールが取り付けられる。放熱モジュールは、ファン60を含む。給風口101および吹出口102は、前ハウジング10に設置されてファン60の位置に対応してもよく、主に光源モジュール30の放熱に用いられる。ファン60は、光源モジュール30と本体2の取付盤23との間に取り付けられる。給風口102から流入した冷風は、光源モジュール30に案内され、さらに、ファン60の一側の給風口からファン内に流入する。ファン螺旋ハウジングの側面には、前ハウジング10に設置される吹出口102の位置に対応してガス路によって連通するファン吹出口64が設置される。さらに、ファン螺旋ハウジングの吹出口64には、吹出口導風カバー61が連結され、導風カバー6によって熱風が吹出口102に案内されて本体の外部に排出される。導風カバー61は、放熱効率の向上に寄与する。前ハウジング10の後端形状は、取付盤23に合わせられる。本実施例では、前ハウジング10は、円筒形状であり、前端の口径が縮小し、前端開口が光出射口を形成するためのものである。前ハウジング10と取付盤23との間には、環状給風蓋18がさらに設置される。前ハウジング10の後端、給風蓋18は、取付盤23に取り付けられて係合されるとともに、締付部材によって締付連結される。環状給風蓋18の円周には、給風口として貫通孔180が設置される。前ハウジング10の前端には、環状ランプパネル13、皮膚誘導コイル12(またはセンサ)、前ベゼル19’がさらに取り付けられる。環状ランプパネル13、皮膚誘導コイル12(またはセンサ)は、制御回路基板90に電気的に接続される。
【0029】
光源モジュール30は、ランプ管3を含み、制御回路基板90に電気的に接続される。電極片31は、ランプ管の両端に設置される。ランプ管3の外部には、光反射カップ32が設置される。作業ヘッド部1内には、口金ブラケット35が設置される。光源モジュール30は、口金ブラケット35に取り付けられる。口金ブラケット35の前端には、ランプ管3の光出射方向と一致する光出射窓が設置される。光出射窓には、リフレクタカバー17(その内部が、光を光出射口に伝搬するための出射光路である)が取り付けられる。リフレクタカバー17の前端には、白板ガラス16が取り付けられる。白板ガラスは、シールリング11によってリフレクタカバー17の前端面に取り付けられる。作業ヘッド部1内には、光反射カップ導風カバー34が設置される。光源モジュールは、光反射カップ導風カバー34によって口金ブラケット35に取り付けられる。光反射カップ導風カバー34には、ファン60の給風口に連通する導風通路が設置されることで、光反射カップの放熱効率を向上させる。白板ガラス16は、固定フィルタとして設置されてもよいし、透明ガラスを使用してもよい。さらに、白板ガラス16はなくてもよい。
【0030】
光源モジュール30には、光源放熱部材33が設置される。光源放熱部材33は、フィンラジエータ、放熱片、熱伝導板またはヒートパイプなどであってもよい。具体的な例では、ランプ管の光反射カップ32外には、フィンラジエータまたは放熱片が設置される。放熱部材33は、光反射カップに貼り合わせて取り付けられる熱伝導ベースを含む。フィンラジエータまたは放熱片は、熱伝導ベースの表面に設置される。熱伝導ベースの光反射カップに貼り合わせられる表面は、光反射カップと形状が一致することで、光反射カップの熱を放熱部材33まで迅速に伝導して放熱を行う。光源放熱部材33は、光反射カップ導風カバー34内に取り付けられる。前ハウジング10に設置される給風口101は、光源放熱部材33に対応する。冷風は、給風口101から作業ヘッド部内の光源放熱部材33表面の空間に流入して熱を吸収して放熱を行う。熱風は、光反射カップ導風カバー34の導風通路を経由してファンの給風口からファン内に流入し、ファンによって吹出口64から前ハウジング10の吹出口102まで排出される。給風口101、光源放熱部材33表面の放熱風路、ファン60の風路、吹出口102は、ガス路によって連通して光源モジュールの放熱風路を形成する(
図2~
図3の矢印で示される風方向を参照)。
【0031】
一実施例として、作業ヘッド部1内には、半導体冷却片が設置される。半導体冷却片の低温面は、皮膚に接触して冷却効果を果たすか、または、皮膚に接触する光出射口の端面を冷却させて、接触する皮膚表面に冷却効果を果たす。一実施例では、半導体冷却片14は、光源モジュールの光出射口の外部に取り付けられ、すなわち、口金ブラケット35の前端の光出射窓前に取り付けられて光出射窓に対応し、光透過域を有し、光源で発生する光波が半導体冷却片の光透過域を透過する。作動時に、半導体冷却片14の前端面は、皮膚に接触可能である。半導体冷却片14の光透過域は、白板ガラス16または口金ブラケット35の前端の光出射窓に対応し、白板ガラス16または口金ブラケット35の前端の光出射窓を被せて出射光路を封止する。
【0032】
作業ヘッド部1内には、フィンラジエータ(または放熱片)6、ヒートパイプ62およびヒートパイプの熱伝導部材63を含む冷却片の放熱モジュールがさらに設置される。冷却片ラジエータ6は、ファン60の他側に取り付けられ、光源放熱部材33に対向する。冷却片ラジエータ6は、環状給風蓋18に対応する。環状給風蓋18の円周には、給風口として貫通孔が設置される。冷風は、貫通孔180から作業ヘッド部内に流入し、冷却片ラジエータフィンの間に形成される風路に流れる。熱風は、ファンの他側の給風口からファン内に流入し、ファンによって前ハウジング10の吹出口102に排出される。貫通孔180、冷却片ラジエータ6の風路、ファン60の他側の給風口およびファンの内部の風路、吹出口102は、ガス路によって連通し、冷却片の放熱風路を形成する(
図2~
図3の矢印で示される風方向を参照)。熱伝導部材63は、冷却片に連結されて冷却片を冷却させる。具体的には、熱伝導部材63は、半導体冷却片の高温面に貼り合わせて取り付けられ、熱を適時に伝導する。熱伝導部材63およびラジエータ6は、ヒートパイプ62に連結される。本実施例では、ファンは、両面給風構造であり、一面の給風口が光源放熱風路の給風に用いられて光源放熱部材33/導風カバーに向け、他面の給風口が冷却片放熱部材の放熱風路の給風に用いられて冷却片ラジエータ6に向ける。
【0033】
他の実施例では、貫通孔180は、前ハウジングの後端面と本体2の取付盤23の周辺との間の隙間によって形成される通風口であってもよい。美容器ハウジングには、マルチ給風口および吹出口が設置されてもよい。
【0034】
本実施例では、光学フィルタリング装置50は、作業ヘッド部1内に取り付けられ、複数枚のフィルタ5(3枚が図示される)を含む。複数枚のフィルタ5は、チェーン連結されて連動のフィルタを形成する。チェーン連結される一側または一端が押されると、異なるフィルタは、作業ヘッド部の光出射口/出射光路まで押し込まれる。具体的には、各フィルタ5は、フィルタブラケット55によって固定される。フィルタブラケット55は、回転軸、ヒンジまたはリンクによって連結される。
【0035】
一実施例では、
図1~
図6および
図9を参照し、フィルタ5は、フィルタブラケット55内に取り付けられる。フィルタブラケット55の両端または両側には、カム軸550がそれぞれ設置される。リンク54は、2つのフィルタブラケットの両側のカム軸550に可動に連結されることで、各フィルタを可動に連結させる。リンク54には、軸孔が対応して設置される。カム軸550は、軸孔内に挿入されて回動連結される。本実施例では、各リンク54の両端には、各フィルタブラケットの一側のカム軸550に内嵌されて回動可能に係合する軸孔がそれぞれ設置される。端部に位置するフィルタ5のフィルタブラケット55の両側のカム軸550に可動に連結される一対のリンクは、第1リンク53とされる。第1リンク53は、必要に応じて他のリンクより長くて湾曲ロッド状に設置されてもよい。2つの第1リンク53の端部は、駆動スライダー52によって固定的に連結される。駆動スライダー52内には、雌ねじ軸孔520が設置される。本実施例では、光学フィルタリング装置50は、スクリュー51をさらに含む。スクリュー51は、駆動スライダー52の雌ねじ軸孔520内に挿入されて螺合し、スクリュー51の回転運動を駆動スライダー52の直線運動に変換する。
図2~
図6および
図9に示される方向を参照し、スクリュー51は、作業ヘッド部1内において軸に平行な方向に設置されてもよいし、前ハウジング10の内壁に沿って光出射口に向ける方向に設置されてもよく、これにより、駆動スライダー52を光出射口の方向に往復動させて第1リンク53を往復動させ、すなわち、それと連動してリンク53、54に連結される各層フィルタ5を往復動させ、リンクが対応するフィルタを光出射口に向けて進退させることで、対応するフィルタを光出射口/出射光路に進退移動させ、異なるフィルタ5の位置を切り換える。口金ブラケットは、ほぼL字状である。L字状口金ブラケット35の前部には、ランプ管3が取り付けられるとともに光出射窓が設置される。L字状口金ブラケット35の後部(光出射方向/軸に平行な方向)には、駆動スライダー52およびスクリュー51が取り付けられる。L字状口金ブラケット35内には、両側を貫通するシュート350が開設される。シュート350は、L字状口金ブラケット35の周長方向に沿って設置され、連動する複数枚のフィルタ5を収納するとともに、フィルタ5をシュート内に移動させる。フィルタブラケット55の両側のカム軸550は、それぞれシュート350の両側の開口内に位置して外部へ突出する。各対のリンク53、54は、対応するカム軸550に回動連結され、シュート350の両側の開口の外部にそれぞれ位置する。好ましくは、シュートの断面もL字状である。シュート350は、口金ブラケット35の内部に設置され、連結する複数枚のフィルタの運動軌跡および収納スペースとされ、別途にスペースを設置したり、別途にフィルタ5を携帯したりする必要がない。
【0036】
駆動スライダー52は、L字状口金ブラケット35の後部(出射光方向/軸に平行な方向)に摺動可能に設置される。駆動スライダー52は、クロスバーであり、その両側に一対のカム軸が設置される。カム軸は、第1リンクの端部の軸孔に回動連結される。駆動スライダー52の長さを口金ブラケット35の後部の幅に合せることで、駆動スライダー52全体は、L字状口金ブラケット35の後部の幅方向に摺動可能に嵌められ、駆動スライダー52の両端のカム軸が外部に突出して第1リンクの端部の軸孔に連結される。本実施例では、駆動スライダー52は、リンク53、54と連動構造を形成し、光出射口/出射光路に向けて往復摺動し、L字状口金ブラケット35の後部に沿って往復摺動可能である。
【0037】
L字状口金ブラケットの後部は、抜き構造であり、中間が抜かれて抜きスペース351を形成する。抜きスペース351の対応する前後壁には、軸孔352が設置される。駆動スライダー52には、内部に突出して抜きスペース351内に位置する雌ねじ軸孔520が設置され。スクリュー51は、抜きスペース351の対応する前後壁に設置される軸孔352を貫通して回動可能に係合するとともに、抜きスペース351内の駆動スライダー52の雌ねじ軸孔520を貫通して螺合し、スライダー52を抜きスペース351の前後壁の間に往復動させる。抜きスペース351の前後壁は、雌ねじ軸孔520の運動位置規制として機能する。
【0038】
スクリュー51は、手動または電動で回動可能である。スクリュー51の端部には、ギヤエンドキャップ510が設置される。光学フィルタリング装置50は、作業ヘッド部1を回動可能に取り付ける調節輪56をさらに含んでもよい。具体的な例では、調節輪56は、前ハウジング10の後端リングの縁部に設置されて回動可能に調節される。調節輪56は、一定の円弧長さ(または角度)で回動可能に設置されてもよい。調節輪56の内壁には、ギヤエンドキャップ510の外ラックに噛合する内ラックが設置され、調節輪56を回動させることでギヤエンドキャップ510(すなわち、スクリュー51)を回動駆動する。調節輪56の回動可能な円弧長さおよび設置される内ラックで覆われる円弧面の長さは、ギヤエンドキャップ510の円周円弧長さに対応する。調節輪56が正逆転することでることで、ギヤエンドキャップ510(すなわち、スクリュー51)を正逆転駆動して駆動スライダー52の前後往復動に転換する。リンクは各フィルタ5を押して前後に往復動させることで、口金ブラケット35の前端の光出射窓/出射光路内を覆う異なるフィルタ5を切り換える。
【0039】
他の実施例では、作業ヘッド部内にモータが設置されるとともにモータ出力軸にギヤが嵌められ、ギヤがスクリュー51の端部に設置されるギヤエンドキャップ510に噛合してフィルタを電動で調節してもよい。モータは、制御回路基板90に電気的に接続される。
【0040】
置換形態として、フィルタ5がフィルタブラケット55によって固定された後、2つのフィルタブラケット55が枢軸またはヒンジで連結されてチェーン連結形態を形成する。
図7~
図8を参照し、フィルタブラケットの両端には、軸孔が対応して設置され、短軸または短針57が隣り合う2つのフィルタブラケットの一対の軸孔内に挿入されて枢着され、各フィルタ(フィルタブラケット)を直列に連結して連動のフィルタを形成する。第1枚のフィルタ5のフィルタブラケット55の両端において、第1リンク53および駆動スライダー52により、連動するフィルタがスクリュー51に押されて移動し、光出射窓/出射光路内に位置するフィルタを切り換える。
【0041】
他の実施例では、フィルタに連結される他の手動機構が作業ヘッド部に設置されてもよく、可動フィルタの位置を手動で調節することで、光出射窓のフィルタを選択して切り換える。
【0042】
図2および
図3の矢印は、風方向または光出射方向を示し、
図4(c)、
図8の矢印は、光出射方向を示す。
図9の矢印は、駆動スライダー51の往復動方向およびそれによって駆動されるリンク、直列に連結されるフィルタの移動軌跡を示す。移動軌跡は、実際製品の外形によって設定されてもよい。
図4~
図6は、直列に連結されるフィルタの切り換えの状態変化図である。
【0043】
他の実施例では、シュート350は、口金ブラケット35と前ハウジング10の内壁との間によって形成されてもよく、フィルタの収容スペースとして、フィルタ5の移動、および光出射口に位置するフィルタの切り換えに用いられる。
【0044】
光子美容器の第2実施例として、
図10~
図11を参照し、
図10(b)が簡略化された内部構成を示す図である。ハウジング全体は、ほぼL字状である。作業ヘッド部のハウジングは、本体ハウジングと一体のハウジング構造であってもよい。本実施例では、光学フィルタリング装置50は、引出し式(または引出式)で間隔をあけて平行に設置される多層フィルタ5を含み、対応するフィルタを前方に向けて光出射口/出射光路内まで押すと、他のフィルタが退避して本体内に収納される。フィルタ5は、フィルタブラケットによって固定される。
図10~
図11では、3層のフィルタ5を例として示される。なお、
図11(a)は、第1フィルタが光出射口/出射光路内に位置してランプ管3の出射光をフィルタリングすることを表し、
図11(b)は、第1フィルタ、第2フィルタが光出射口/出射光路内に平行に位置してランプ管3の出射光をフィルタリングすることを表し、
図11(c)は、第1フィルタ、第3フィルタが光出射口/出射光路内に平行に位置してランプ管3の出射光をフィルタリングすることを表す。一例として、
図11(a)に示すように、ランプ管3が露光した後の出射光は、第1フィルタ(フィルタ波長帯域:500~1200nm)によって皮膚に直接に作用可能であり、
図11(b)に示すように、ランプ管3が露光した後に、第1フィルタ(フィルタ波長帯域:500~1200nm)を経由した後に第2フィルタ(550~850nm)を通して出射され、すなわち、皮膚に作用する光子波長帯域が550~850nmである。本実施例では、口金ブラケット35は簡単な構造として設置されてもよく、ランプ管3、光反射カップ32および光源放熱部材33が固定的に取り付けられ、前端面が光出射窓として形成され、出射光路の対向する両側壁に、側壁を貫通するシュート350が設置される。シュート350は、複数であってもよく、フィルタ(フィルタブラケットによって固定される)と数が同じであり、形状が合わせられる。複数のシュート350は、平行に設置され、各フィルタを引き出して光出射口/出射光路内に進退させる。第1フィルタは、ランプ管に固定的に設置される光出射窓封止ランプ管3であってもよい。本実施例のマルチフィルタでは、各フィルタに連結される手動トグル機構が美容器ハウジングに設置されたり、フィルタブラケットが縁部に沿って美容器ハウジング外に突出したりするとともに、それに対応して可動ガイドレールまたは開口溝が設置されることで、手動操作で異なるフィルタを光出射口/出射光路内に簡便に切り換えることができる。また、美容器の内部には、電動プッシュロッドまたは従来技術の他の電動押し引き機構が設置されて制御回路基板90に電気的に接続され、押しまたは引き出しが必要なフィルタを自動的に制御し、自動調節を行う。
【0045】
図12~
図20で示されるのは、美容器の第3実施例に係る光学フィルタリング装置である。複数枚のフィルタ5は、円弧を連結してなるかまたは同一の円弧状の基材で形成され、全体が円弧状である。
図20を参照し、円弧状フィルタは、3枚のフィルタを接合して形成されてもよいし、同一の基材において、領域を分けてめっきするプロセスにより、複数のフィルタに相当する異なるフィルタ領域が形成されてもよい。本実施例の円弧状フィルタは、構造スペースがより小さくて全ての美容器形態に適用可能である。本実施例では、ランプ管の前方に固定フィルタ5’および移動調節可能な円弧状フィルタが設置さてもよい。
図12(b)、
図13(b)、
図14(b)を参照し、固定フィルタ5’は、平面フィルタであってもよく、口金ブラケット35の前端の光出射窓に固定され、光反射カップの出口を封止し、ランプ管3を光反射カップ内に封止する。ランプ管3から発される光波は、固定フィルタ5’を通した後に円弧状フィルタ5によってフィルタリングされる。他の実施例では、固定フィルタ5’が設置されなくてもよい(
図12(a)、
図13(a)、
図14(a)を参照)。本実施例では、フィルタの移動、切り換えに用いられるシュート350は、口金ブラケット35の前端の出射光路の対向する両側壁に設置され、円弧状溝であって円弧状フィルタ5に係止する。円弧状フィルタ5の移動は、手動または自動的に実現されてもよい。一実施例では、円弧状フィルタ5が固定される円弧状フィルタブラケット55には、ラックが設置される。本体または作業ヘッド部内には、モータによって駆動されるギヤが設置されてもよい。ギヤは、フィルタブラケットのラックに噛合してフィルタブラケット55を回動駆動することで、円弧状フィルタ5を移動させ、対応するフィルタ領域またはフィルタを出射光路内まで回動させてフィルタリングを行う。同様に、フィルタブラケット55に連結される手動トグル部材が設置されてもよいし、フィルタブラケット44の外縁が美容器ハウジングにそのまま突出して設置され、ガイドレールまたはガイド溝に係合し、手動でフィルタブラケット55を動かして異なるフィルタを移動させて切り換えてもよい。
【0046】
他の実施例では、二層または多層シュート350が設置されてもよい。
図18~
図19を参照し、二層シュート350の構成を例として示し、単一の円弧状フィルタ5(単層シュート350)と同様に設置されることで、多層フィルタの切り換えを実現可能である。
【0047】
なお、円弧状フィルタ5は、上方向または下方向に設置されてもよく、
図15~
図16を参照し、他の構造と同じまたは類似する。
【0048】
図21~
図23を参照し、光子美容器の第4実施例に係る光学フィルタリング装置50では、複数枚のフィルタ5はソフトな連結形態であり、より小さい角のスペースに適用可能である。
図22は、内部構成を簡略化した美容器を示す。本実施例では、各フィルタ5は、2つのハーフサブフィルタ5Aおよび5Bに区画されてもよく、サブフィルタ5Aがサブフィルタ5Bにソフトに連結され、共同に光出射口に送り込まれて1つのフィルタとしてフィルタリングを行う。本実施例では、口金ブラケット35の前端にランプ管3が取り付けられて出射光路/光出射口(矢印で示される)を限定する。放熱部材33の一側の熱伝導ベースは、光反射カップ32の外形と一致する表面を有し、互いに貼り合わせて取り付けられ、他側に放熱フィンまたは放熱片が形成される。口金ブラケット35の前端は、二層壁を含む。二層壁の間の間隔は、フィルタ5の移動に用いられるシュート350として形成される。二層壁の断面は、C字状またはC字状に類似し、その内側に前記光源モジュール30が取り付けられる。光出射窓には、固定フィルタ5’が第1フィルタとして設置されて第2フィルタおよび第3フィルタをソフトに連結してシュート350内に収容し、シュートに沿って移動する。
図23(a)、
図23(b)、
図23(c)は、フィルタ5の切り換え状態を示し、それぞれ第1フィルタ、第1フィルタ+第2フィルタ、第1フィルタ+第3フィルタによって、ランプ管3から出射される光波をフィルタリングする。
【0049】
本実施例のソフトな連結とは、1つのフィルタ5を2つのハーフサブフィルタに分割してハーフサブフィルタを接合するか、および/または、フレキシブルなプラスチックあるいは弾性体材からなるソフトフィルタブラケット55によってフィルタ5を固定させたり取り囲んだりし、各隣り合うフィルタブラケット55が一体連結部によって連結される。また、ソフトまたはフレキシブル材の連結部材で隣り合うフィルタブラケット55を連結することで、複数枚のフィルタ5を形成するか、または単一のフィルタの2つの部分をソフトに連結する。本実施例における光学フィルタリング装置50では、上述した実施例で言及される手動または自動調節方法を用いて、フィルタの移動、転移を実現する。
【0050】
図24~
図26で示される光子美容器の第5実施例では、光学フィルタリング装置50がフィルタソフトフィルムに設計され、占用スペースが小さくて種々形態の外ケースに適用可能である。光学フィルタリング装置50は、ロールフィルタ膜である。フィルタ膜は、搬送方向に沿って複数のフィルタ領域を含み、複数箇所のフィルタ5が対応して形成され、一対のローラ58がフィルタ膜の両端をそれぞれ巻き付け、ローラ58の回動により、対応するフィルタ領域を光出射口に伝送する。本実施例では、口金ブラケット35には、光出射口の両側に位置する回転軸台が設置され、前記一対のローラ58が回動可能に取り付けられる。口金ブラケット35の前端は、出射光路および光出射口/出射光路(
図25の矢印で示される)を限定する。出射光路または光出射口の2つの対向する側壁には、シュート350が設置される。フィルタ膜の両端は、それぞれローラ58に巻き付けられ、シュート350により光出射口に掛け渡されて設置される。前記一対のローラ58は、それぞれ光出射口の両側壁外に回動可能に取り付けられ、シュート350と平行に設置される。
図25に示すように、光出射口(または口金ブラケット前端の光出射窓)には、固定フィルタ5’が第1フィルタとして設置され、光出射口(光出射窓)を被せる。フィルタ膜5は、出射光路内に設置されて固定フィルタ5’の外側に位置する。ランプ管3から発されるパルス光は、固定フィルタ5’およびフィルタ膜の対応するフィルタ領域(第2フィルタとする)によってフィルタリングされた後に光出射口から出射される。
図26を参照し、
図26(a)、
図26(b)および
図26(c)は、フィルタ5の位置の切り換え状態を表し、矢印が光源から発される光線の出射方向を表す。フィルタ膜は、光出射口に位置する。
【0051】
図27~
図30を参照し、光子美容器の第6実施例では、このフィルタは、作業ヘッド部の長さ方向に設定され、製品の前端103のスペースサイズが小さいが、後端104のスペースが十分な場合(または一端/一側のスペースが不足、一端/一側のスペースが十分な場合)により適応する。複数のフィルタ5が引かれて(平行移動)出射光路(光出射口)に進退し、フィルタ5が出射光路(光出射口)から退出した後に作業ヘッド部ハウジング内に収納され、例えば、本実施例において、作業ヘッド部の後端に収納される。口金ブラケット35の前端の出射光路の2つの対向する側壁には、いずれもシュート350が設置される。フィルタ5は、一対のシュート内に平行に摺動可能に支持され、前端に押されて出射光路に進入する。複数枚のフィルタ5は、平行に設置され、出射光路の側壁に設置されるシュート350によって摺動可能に支持される。
図27および
図29に示すように、光出射口/出射光路内には、固定フィルタ5’が第1フィルタとして設置され、光出射窓または光反射カップの開口側を被せる。複数枚のフィルタ5は、出射光路内に設置されて固定フィルタ5’の外側に位置する。ランプ管3から発されるパルス光は、固定フィルタ5’および複数枚のフィルタ5によってフィルタリングされた後に光出射口から出射される。
図29を参照し、
図29(a)、
図29(b)および
図29(c)は、フィルタ5の位置の切り換え状態を表す。
図29(a)では、固定フィルタ5’が光出射口に設置され、第2フィルタ、第3フィルタが光出射口から退出して作業ヘッド部の後端104内に収納される。
図29(b)および
図29(c)は、それぞれ、第2フィルタまたは第3フィルタがシュート350によって案内されて光出射口/出射光路内に滑り込み、固定フィルタ5’と間隔をあけて平行に設置される。ランプ管3から出射されるパルス光は、固定フィルタ5’および第2フィルタまたは第3フィルタ5によってフィルタリングされた後に光出射口から出射され、皮膚に直接に作用可能である。図の矢印は、出射光路/光出射口を表す。複数枚のフィルタ5は、手動押しまたは電動で切り換え可能であり、上述した実施例の方法を参照して実現しもよい。
【0052】
図30を参照し、光子美容器の第7実施例では、両側にフィルタが挿入されて接合される形態で、一辺のスペースへの要求が小さいため、より多くの小型の製品に適用可能である。具体的には、口金ブラケット35の前端の出射光路の2つの対向する側壁には、いずれもシュート350が設置される。フィルタ5の2つのハーフサブフィルタ5A、5Bは、一対のシュート内に摺動可能に支持され、内側に押されて平行に移動して出射光路に進入し、フィルタ全体として接合される。複数枚のフィルタ5は、平行に設置され、出射光路の側壁に設置される多層シュート350によって摺動可能に支持される。光出射窓には、固定フィルタ5’が第1フィルタとして設置され、光反射カップの開口側を被せてランプ管3を封止する。複数枚のフィルタ5は、出射光路内に設置されて固定フィルタ5’の外側に位置する。ランプ管3から発されるパルス光は、固定フィルタ5’および複数枚のフィルタ5によってフィルタリングされた後に光出射口から出射される。
図30(a)、
図30(b)および
図30(c)は、フィルタ5の位置の切り換え状態を表す。
図30(a)は、固定フィルタ5’が光出射窓に設置され、第2フィルタ、第3フィルタの各半枚5A、5Bが両側に向けて出射光路から退出することを表す。
図30(b)および
図30(c)は、それぞれ、第2フィルタまたは第3フィルタの2つの半枚がシュート350によって案内されて摺動し、出射光路内に進入して接合され、固定フィルタ5’と間隔をあけて平行に設置されることを表す。ランプ管3から出射されるパルス光は、固定フィルタ5’および第2フィルタまたは第3フィルタ5によってフィルタリングされた後に光出射口から出射され、皮膚に直接に作用可能である。図の矢印は、出射光路/光出射口を表す。複数枚のフィルタ5は、手動押しまたは電動で切り換え可能であり、上述した実施例の方法を参照して実現しもよい。
【0053】
図31~
図36を参照し、光子美容器の第8実施例では、フィルタ5は斜めに回転して接合され、作業ヘッド部1が円形ヘッドでありかつスペースが比較的に十分な場合に適用する。本実施例では、美容器の本体2は、手持ち部であり、長円筒状体である。作業ヘッド部1は、球状であり、前ハウジング10は、球状ハウジングであり、ハウジングに給風口101および吹出口102が設置され、かつ開口が光出射口として設けられる。口金ブラケット35は、前ハウジング10内に取り付けられ、その前端に光源モジュールが取り付けられ、円形底板353を含み、底板353の一側にランプ管3が取り付けられる。ランプ管3は、光反射カップ32によって覆われて口金ブラケット35の底板353に取り付けられる。光反射カップ32外には、放熱部材33が貼り合わせて設置される。放熱部材33の一側の熱伝導ベースは、光反射カップ32の外形と同じ表面を有し、互いに貼り合わせて取り付けられ、他側が放熱フィンまたは放熱片として形成されてランプ管の熱を放熱部材に伝導して放熱を行う。口金ブラケット底板353の中心は、光出射窓36として形成され、固定フィルタ5’(第1フィルタとする)が取り付けられる。固定フィルタ5’は、ランプ管の光反射カップ32の開口側を被せてランプ管3を光反射カップ32内に封止する。口金ブラケット35の、光出射窓36から前ハウジング10への開口には、一対の側壁が形成されて出射光路(光出射口)を区画形成する。口金ブラケット底板353の他の側面には、光学フィルタリング装置の複数枚のフィルタ5が可動に取り付けられる。具体的には、底板353には、中心の光出射窓36から径方向に2対(2対に限定されない)のシュート350がガイドレールとして形成される。好ましくは、各対のシュート350は、一直線に位置し、2対のシュートが2つの直線に対応して交点が底板の中心に位置する。2つのフィルタ5は、2対のシュート350内に摺動可能に取り付けられる。各フィルタ5は、半分ずつでサブフィルタ5Aおよび5Bに区画され、それぞれ一対のシュートに摺動可能に設置され、中心へ押されてフィルタ5全体として接合され、光出射窓36に位置する。本実施例では、底板353の他側に取り付けられる2枚のフィルタ5は、それぞれ第2フィルタおよび第3フィルタとされる。1枚のサブフィルタ5Aおよび5Bが対応するシュート350において近づくように移動する場合、もう1枚のフィルタ5Aおよび5Bは離れるように移動する。フィルタ5は、方形であってもよく、それに対応してサブフィルタ5Aおよび5Bが三角形であり、接合線が方形の対角線に位置する。サブフィルタ5Aまたは5Bの縁部には、固定ブラケット59が設置される。ブラケット59には、突起590が設置される。突起590は、シュート350内に係止し、シュートから離脱しないように摺動可能である。シュート350および突起590には、係止部が対応して設置されることで離脱を防止する。固定ブラケット59は、L字状に設置されてもよく、サブフィルタ5Aまたは5Bの頂角に固定されてサブフィルタを摺動駆動する。
【0054】
前ハウジング10の内壁には、環状(または円弧状)溝19が対応して設置される。口金ブラケット底板353の周辺は、環状溝19内に嵌め込まれる。環状溝19は、口金ブラケット底板353の縁部を支持するが、互いに固定されない。環状(または円弧状)溝19の縁部には、一対の凸歯190が設置される。一対の凸歯190は、一直線に位置してもよく、対向して底板中心方向に突出して延在し、一対のサブフィルタ5Aおよび5Bの固定ブラケット59に可動に係合可能である。本実施例では、2対のシュート350および一対の凸歯190の所在する直線は、いずれも円形底板353の直径である。一実施例では、前ハウジング10は上下2つの半球形に区画され、一定のラジアン(または角度)で相対的に回動可能に係合する。下半球ハウジングの内壁には、環状(または円弧状)溝19が設置される。下半球ハウジングが回動すると、一対の凸歯190を回動駆動する。凸歯190は、一対のサブフィルタ5Aおよび5Bのシュート位置まで回動すると、前記一対のサブフィルタ5Aおよび5Bの固定ブラケット59に可動に当接し、前記一対のサブフィルタ5Aおよび5Bを接合するまで押圧して近づけさせる。同時に、前記一対のサブフィルタ5Aおよび5Bは、他の一対のサブフィルタ5Aおよび5Bを離れるように押して底板の縁部まで摺動させる。下半球ハウジングが逆転すると、凸歯190は回動して他の一対のサブフィルタ5Aおよび5Bを接合するまで押圧して近づけさせる。凸歯190の長さを設定することで、サブフィルタ5Aおよび5Bの接合を促進する。下半球ハウジングの正逆転のラジアン(または角度)を設定することで、サブフィルタ5Aおよび5Bの接合を促進する。他の実施例では、調節輪56が設置されてもよい。前ハウジング10の上下ハウジングの間には、調節輪56が一定のラジアン(または角度)で回動可能に設置される。環状(または円弧状)溝19および一対の凸歯190は、調節輪56に設置される。底板353の縁部は、環状(または円弧状)溝19内に嵌め込まれる。凸歯190は、一対のサブフィルタ5Aおよび5Bを接合するまで可動に押圧して近づけさせる。
【0055】
ランプ管3で発生するパルス光は、光出射窓36の固定フィルタ5’から出射され、出射光路内において第2フィルタ、第3フィルタ5によってフィルタリングされた後の出射光が皮膚に直接に作用可能である。
【0056】
図37を参照し、光子美容器の第9実施例では、内側反転式フィルタ案により、スペースが小さく、全ての形態の美容器に適用可能であり、すなわち、美容器の種々の形状および空間設計に適用する。口金ブラケット35は、作業ヘッド部1の前ハウジング10内に取り付けられる。口金ブラケット35の前端には、光源モジュールが取り付けられる。ランプ管3は、光反射カップ32によって覆われて口金ブラケット35の底板353に取り付けられる。光反射カップ32の外面には、放熱部材33が貼り合わせて設置される。放熱部材33の一側の熱伝導基体は、光反射カップ32と外形が同じの表面を有し、互いに貼り合わせて取り付けられ、他側が放熱フィンまたは放熱片として形成される。口金ブラケットの前端は、光出射窓として形成され、固定フィルタ5’(第1フィルタとする)が取り付けられる。固定フィルタ5’は、ランプ管の光反射カップ32の開口側を被せてランプ管3を光反射カップ32内に封止する。
図37(a)の矢印で示されるように、口金ブラケット35の、光出射窓から前ハウジング10への開口には、一対の側壁355が形成されてその間が出射光路(光出射口)を区画形成する。側壁355の内壁には、枢軸またはヒンジ連結構造で形成される回転中心6が設置され、1枚のフィルタ5が第2フィルタおよび第3フィルタとしてそれぞれ取り付けられる。2つのフィルタ5は、回転中心6を中心にして出射光路内に逆転可能であり、例えば、垂直位置と水平位置との間で反転して切り換えられ、出射光路内まで回動して出射光方向と垂直に光出射口を封止し、固定フィルタ5’と平行になる。
図37(a)は、2つのフィルタ(第2フィルタおよび第3フィルタ)が収納部に位置し、すなわち、垂直側壁355の内壁に近接することを示す。
図37(b)および
図37(c)は、それぞれ、第2フィルタおよび第3フィルタが水平位置まで回転して光出射口を封止することを表す。ランプ管3から発されるパルス光は、固定フィルタ5’を経由した後に第2フィルタまたは第3フィルタによってフィルタリングされ、出射光が皮膚に直接に作用可能である。なお、1枚のフィルタ5のみが設置されてもよいし、出射光路の内壁に多層フィルタが反転可能に設置され、各層のフィルタに1枚または対向する2枚のフィルタ5が設置されてもよい。本実施例に係る光子美容器の形態では、光学フィルタリング装置がランプ管の外部の出射光路に設置されるよう従来技術の美容器または脱毛器を採用してもよいし、上述した各実施例に係る美容器形態(外形および内部構成)を採用してもよい。
【0057】
なお、本実施例の回転中心6は、頂部または底部に設置され、すなわち、フィルタが跳ね上げられたり、跳ね下げられたりして設置可能である。フィルタは、フィルタブラケットによって固定される。回転中心6は、フィルタブラケットに設置されたり、フィルタブラケットに係合したりする。
【0058】
上記の各実施例の光子美容器では、光出射口においてリフレクタカバーおよび/または半導体冷却片が設置され、前ハウジングの開口から突出することで、光出射口(出射光路)を外部へ一定の長さで突出し、前端面が皮膚に接触可能である。半導体冷却片としては、透明結晶低温面を、皮膚に直接に接触する作業面として用いてもよい。また、半導体冷却片の外部には、半導体冷却片の低温面で冷却を行う1つの透明結晶が作業端面として貼り合わせて設置されてもよいし、環状熱伝導片が皮膚に接触する作業面として設置されてもよい。
【0059】
図38~
図47は、マルチフィルタの光子美容器の他の実施形態、すなわち、フィルタの外付け形態を示す。具体的に、美容器の作業ヘッド部には、付属ヘッド5000が嵌められる。上記の各実施例の内蔵光学フィルタリング装置50の実施形態は、いずれも付属ヘッド5000内に設置され、光子美容器の作業ヘッド部に嵌められる形態である。付属ヘッドには、付属ヘッドの光入射口として光出射窓5100が設置される。光出射窓5100には、固定フィルタ5’が設置されてもよい。付属ヘッドの光出射窓5100は、美容器本体の作業ヘッド部1の光出射口に合わせて対応する。付属ヘッドが作業ヘッド部に嵌められる場合、付属ヘッドの光出射窓5100は、作業ヘッド部1の光出射口に揃って連結される。付属ヘッドを操作することで、付属ヘッド内のフィルタを選択して光出射口に切り換え、美容器の作業ヘッド部の光源で発生するパルス光が付属ヘッドのフィルタによってフィルタリングされた後に出射され、そのまま皮膚への処理に用いられることが可能である。
図38~
図47の矢印は、付属ヘッドの光入射口および光出射口を示す。付属ヘッドが美容器の作業ヘッド部に外接されることは、作業ヘッド部の取り外し可能な延在部材または外付け部材に、その内部に1枚(作業ヘッド部内に固定フィルタが設置されてもよい)または複数枚のフィルタが収納されることで、光源の出射光をフィルタリングすることに相当する。このような形態によれば、1つの付属ヘッドのみに1枚以上のフィルタが取り付けられて手動または自動的に切り換え、収納が容易、洗浄が便利、低コスト、環境保全という効果を果たす。
【0060】
上述した実施例のフィルタモジュールに連結される手動トグル部材を付属ヘッド5000に設置してもよいし、フィルタブラケットの縁部をハウジング外に突出させたりすることで、付属ヘッド内のフィルタの位置を手動で調節することを容易にする。上述した実施例の電動調節機構は、付属ヘッドに設置されてもよい。付属ヘッドには、サブ回路基板および/またはコネクタが設置される。美容器本体には、コネクタが対応して設置される。付属ヘッドが作業ヘッド部に嵌められる場合、付属ヘッドの内部回路は、本体の内部回路/制御回路基板90に電気的に接続されることで、フィルタの位置を電動的に調節する。
【0061】
図38は、付属ヘッド5000の構造を示す図である。付属ヘッド5000は、頂面の中心位置に光出射窓5100が光入射口として設置され、内部に一対の平行側壁5200が設置され、中間の間隔が出射光路、すなわち、光出射口として形成される。前記一対の平行側壁5200と付属ヘッド5000の外ケースとの間の間隔スペースは、フィルタ5の収納およびフィルタ5の進退に用いられるキャビティ5500として形成される。平行側壁5200には、貫通するシュート5300が開設されて出射光路をキャビティ5500に貫通させることで、フィルタ5が摺動して出射光路に進退可能である。
【0062】
図39で示される付属ヘッドの実施例では、フィルタ5が円弧状であり、光出射窓で1つの基本フィルタ(第1フィルタ)5’を固定させ、出射光路の左右にそれぞれ1つの円弧状フィルタ5が第2および第3フィルタとして取り付けられる。円弧状フィルタ5は、シュート5200から出射光路または収納キャビティ5300内に移動し、出射光路内まで移動して横方向に出射光路を閉鎖し、入射光をフィルタリングした後に光出射口から出射される。
図39(a)~
図39(c)は、フィルタの切り換え状態を表す。なお、
図39(a)は、固定フィルタ5’のみで入射光をフィルタリングし、第2、第3フィルタが両側のキャビティ5300内に収納されることを示す。
図39(b)は、第2フィルタが出射光路内に滑り込み、入射光が固定フィルタ5’、第2フィルタ5によってフィルタリングされた後に出射されることを示す。
図39(c)は、第3フィルタが出射光路内に滑り込み、入射光が固定フィルタ5’、第3フィルタ5によってフィルタリングされた後に出射されることを示す。なお、出射光路の両側には、いずれも多層光学フィルタリング装置が設置されてもよく、例えば、各側の多層フィルタが平行に設置され、組み合わせて調節され、種々のフィルタまたは多層フィルタを切り換えて出射光路に進入させてフィルタリングを行う。本実施例の複数枚の円弧状フィルタは、回転運動して切り換えられ、手動パドル/引きロッド、リンクなどを設置して手動で切り換えられてもよい。
【0063】
図40~
図41に示される付属ヘッドの実施例では、光学フィルタリング装置がフィルタソフトフィルムに設計され、占用スペースが小さくて種々形態の外ケースに適用可能である。一対のローラ58には、フィルタソフトフィルムが巻き付けられ、搬送方向に沿って複数の平行フィルタ領域が設置されて複数のフィルタ5とされる。ローラ58の回動により、フィルタソフトフィルムに対応するフィルタ領域は、第2フィルタとして出射光路内まで搬送される。前記一対のローラ58は、出射光路の両側の収納キャビティ5300内に収容され、側壁5200に近接して回動可能に取り付けられる。フィルタソフトフィルムは、側壁の貫通シュート5500から出射光路の両側に掛け渡されて左右に搬送され、異なるフィルタ領域(フィルタ)を光出射口に搬送してフィルタリングを行う。上述した実施例を参照し、手動捩れまたは電動(モータ+ギヤ/モータと同期レベル/モータ+ウォームなど)でローラ58を回動駆動してフィルタを切り換える。
【0064】
図42~
図44に示される付属ヘッドの実施例では、光学フィルタリング装置は、出射光路の両側にフィルタ5が挿入されて接合され、一辺のスペースへの要求が小さいため、より多くの小型の製品に適用可能である。出射光路の両側壁5200には、一層または多層のシュート5500が開設される。一層または多層フィルタ5は、シュート5500から左右両側の収納キャビティ5300および出射光路内において摺動することで、キャビティ5300内に収納されたり、出射光路内に進入して光出射口を封止したりする。本実施例では、各フィルタ5は、左右サブフィルタ5A、5Bに区画されるとともに、出射光路内に押されてフィルタ全体として接合され、光出射口に位置して入射光をフィルタリングする。なお、
図42は、固定フィルタ5’のみで入射光をフィルタリングし、第2、第3フィルタが両側のキャビティ5300内に収納されることを表す。
図43は、第2フィルタ(両側のサブフィルタ5Aと5Bによって接合される)が出射光路内に滑り込み、入射光が固定フィルタ5’、第2フィルタ5によってフィルタリングされた後に出射されることを表す。
図44は、第3フィルタ(両側のサブフィルタ5Aと5Bによって接合される)が出射光路内に滑り込み、入射光が固定フィルタ5’、第3フィルタ5によってフィルタリングされた後に出射されることを表す。
【0065】
図45~
図47に示される光子美容器の付属ヘッドを参照し、この実施例に係る光学フィルタリング装置は、内側反転式フィルタであり、スペースが小さくて全ての形態の美容器および付属ヘッドに適用可能であり、すなわち、種々の形状および空間設計に適用する。出射光路の両側壁5200の内壁には、枢軸またはヒンジ構造で形成される回転中心6が設置され、1枚のフィルタ5が第2フィルタおよび第3フィルタとしてそれぞれ取り付けられる。2つのフィルタ5は、それぞれ回転中心6を中心にして出射光路内において反転可能であり、例えば、垂直位置と水平位置との間に反転し、出射光路内まで回動して出射光方向と垂直に光出射口を封止し、固定フィルタ5’と平行になる。
図45は、2つのフィルタ(第2フィルタおよび第3フィルタ)が収納部の内壁に位置することを示す。
図46および
図47は、それぞれ第2フィルタおよび第3フィルタが水平位置まで回転して光出射口を封止することを示す。パルス光は、固定フィルタ5’を経由した後に第2フィルタまたは第3フィルタによってフィルタリングされ、出射光が皮膚に直接に作用可能である。なお、1枚のフィルタ5のみが設置されてもよいし、出射光路の内壁に多層の光学フィルタリング装置が反転可能に設置され、各層の光学フィルタリング装置に1枚または対向する2枚のフィルタ5が設置されてもよい。なお、本実施例の回転中心6は、頂部または底部設置されてもよい。すなわち、フィルタが跳ね上げられたり跳ね下げられたりして設置されてもよい。フィルタは、フィルタブラケットによって固定され、回転中心6は、フィルタブラケットに設置されたり、フィルタブラケットに係合したりする。
【0066】
図48は、光子美容器の第10実施例を示す。
図1に示される光子美容器に比べて、本実施例の光子美容器の作業ヘッド部内には、冷却機能が設置されず、すなわち、冷却片および放熱構造6が設置されず、ファンのみで空冷放熱をする。
【0067】
なお、上述した各実施例は、切り換え可能な光学フィルタリング装置および付属ヘッドが内蔵され、冷却付き光子美容器または冷却ができない光子美容器に適用する。
【0068】
一部の実施例では、フィルタ5の出射光(フィルタによってフィルタリングされた光波)の波長は、510nm~1200nm、530nm~1200nm、560nm~1200nm、590nm~1200nm、610nm~1200nm、640nm~1200nm、645~750nmであってもよい。
【0069】
脱毛機能を有する光子美容器に用いられる光学フィルタリング装置5では、フィルタの光波の波長は610nm以上であることが好ましい。例えば、610~1200nmの範囲を使用する光学フィルタリング装置は、波長が610nmを超える光波を作業面10に透過させる。他の実施例では、光波が645~750nmの少なくとも1つの光学フィルタリング装置5、すなわち、2波長帯域のフィルタを使用してもよく、645nm以下かつ750nm以上の光波をフィルタリングし、出射光の波長が645~750nmである。
【0070】
フィルタの波長および光子美容器の美容効果の例は、以下の例を含むが、これらに限定されない。
430~1200nmのフィルタ:炎症性にきびの治療が可能である。
480~1200nmのフィルタ:にきびおよび血管病変の治療が可能である。
530~1200nmのフィルタ:血管病変(表層細い血管)および色素沈着病変の治療が可能である。
560~1200nmのフィルタ:シワ取り、色素沈着病変および血管病変(奥部太い血管)の治療が可能である。
640~1200nmのフィルタ:脱毛、肌の若返り、奥部赤み除去が可能である。
690~1200nmのフィルタ:脱毛、奥部赤み除去などが可能である。
【0071】
上記の各実施例の技術的特徴は、異なる実施例を得るために組み合わせ、変換、または置換されることができ、これらの実施例は、いずれも本発明の実施例の開示範囲に属する。上記の実施例におけるいくつかの共通の構造または類似の構造は、一部の実施例に記載されているが、他の実施例に記載されていなく、これらの共通の構造または類似の構造は、これらの実施例にも適用可能であり、いずれも本発明の実施例の開示範囲に属する。
【0072】
本発明の説明では、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などで示される方位または位置関係は、図示された方位または位置関係を基にし、本発明を容易に説明し且つ説明を簡素化するためのものに過ぎず、示した装置またはモジュールが必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作されることを指示又は暗示しないため、本発明を限定するものとして理解できない。
【0073】
また、「第1」及び「第2」との用語は、単に説明目的に過ぎず、相対的重要性の表示若しくは黙示又は表示された技術的特徴の数の黙示として理解すべきではない。「第1」又は「第2」によって限定される特徴は、1又は複数の特徴を明示的又は黙示的に含むことがある。本発明の説明では、「複数」とは、別途に明確かつ詳細な限定がない限り、2つまたは2つ以上を含む。
【0074】
本発明では、特に明確な規定または限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広い意味を有するものとして理解さるべきであり、例えば、固定して接続されてもよいし、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体として接続されてもよく、機械的に接続されていてもよいし、電気的に接続されたりデータを伝送可能に接続されたりしてもよく、直接に連結されていてもよいし、中間の媒介を介して間接的に連結されていてもよく、2つのモジュールの内部の連通、または2つのモジュールの相互の作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な場合に応じて本発明における上記の用語の意味を理解することができる。
【0075】
本発明の明細書または特許請求の範囲に言及する「一」または「1つ」などが1つまたは複数の両種の場合を含むが、明確に1つの場合と指摘することを除く。同様に、明細書または特許請求の範囲に言及する「二」または「2つ」が2つまたは2つ以上の両種の場合を含むが、明確に2つの場合と指摘することを除く。また、明細書または特許請求の範囲では、「複数」、「一つ又は複数」、または「少なくとも一つ」を含むことが可能である。しかしながら、このような限定がない場合、複数を含まないと意味しない、且つ解釈されるべきではない。
【0076】
本発明の実施例を図示し説明したが、当業者にとっては、本発明の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変更、修正、置換、変形を行うことができるが、いずれも本発明の範囲に属する。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって規定されることが理解できる。
【国際調査報告】