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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】エアロゾル発生デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240126BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240126BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20240126BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240126BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/42
A24D1/20
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540963
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2022051863
(87)【国際公開番号】W WO2022167309
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】21154690.8
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ガルシア, エドゥアルド ホセ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA43
4B045AA50
4B045AB11
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB23
4B162AC14
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル発生材料の第1の層と、エアロゾル発生材料の第2の層と、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップとを含むエアロゾル発生物品であって、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップのそれぞれは、エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置する、エアロゾル発生物品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生材料の第1の層と、
エアロゾル発生材料の第2の層と、
誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップと、
を含む、エアロゾル発生物品であって、
誘導加熱可能なサセプタ材料の前記ストリップのそれぞれは、エアロゾル発生材料の前記第1の層と前記第2の層との間に位置して、誘導加熱可能なサセプタ部分を形成し、
前記誘導加熱可能なサセプタ部分は、少なくとも1つの空気流路を形成するように配置される、
エアロゾル発生物品。
【請求項2】
エアロゾル発生材料の前記第1の層と前記第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の前記複数のストリップは、シートとして配置される、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記シートは、複数の隆起部分を有する第1の表面を含む、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記シートは、渦巻きとして配置される、請求項2又は3に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記シートは、少なくとも2つのシート層を含み、各シート層は、エアロゾル発生材料の前記第1の層と前記第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも2つのストリップを含む、請求項2又は3に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記シート層のそれぞれがリングとして配置される、請求項5に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
シート層の前記リングは、同心円状に配置される、請求項6に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記シートは、複数のシートセグメントを含み、各シートセグメントは、エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも1つのストリップを含む、請求項2又は3に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記シートセグメントのそれぞれが互いに離れている、請求項8に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記シートセグメントのそれぞれがエアロゾル発生デバイス内にランダムに配置される、請求項9に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記エアロゾル発生材料は、タバコ材料を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
エアロゾル発生物品を生産する方法であって、
エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップを配置すること
を含む、方法。
【請求項13】
誘導加熱可能なサセプタ材料の前記複数のストリップに接着剤を塗布することと、
誘導加熱可能なサセプタ材料の前記複数のストリップをエアロゾル発生材料の前記第1の層と前記第2の層との間に位置させることと、
前記第1の層と前記第2の層とを一緒に加圧してシートを形成することと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記シートは、複数のシートセグメントに切断され、各シートセグメントは、エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも1つのストリップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記シートは、少なくとも2つのシート層に切断され、各シート層は、エアロゾル発生材料の前記第1の層と前記第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも2つのストリップを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、エアロゾル発生物品に関し、より詳細には、エアロゾル発生物品を加熱して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生デバイスと共に使用するためのエアロゾル発生物品に関する。本開示は、特に、携帯型(手持ち式)エアロゾル発生デバイスと共に使用するためのエアロゾル発生物品に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、(エアロゾル発生デバイス又は蒸気発生デバイスとしても知られる)リスク低減又はリスク修正デバイスの人気及び使用は、従来のタバコ製品の使用に代わるものとして、急速に成長してきた。エアロゾル発生物質を加熱又は加温して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させる様々なデバイス及びシステムが入手可能である。
【0003】
一般に入手可能なリスク低減又はリスク修正デバイスは、基材加熱式エアロゾル発生デバイス又はいわゆる加熱非燃焼式デバイスである。このタイプのデバイスは、エアロゾル発生基材を典型的には150℃~300℃の範囲の温度に加熱することにより、エアロゾル又は蒸気を発生させる。エアロゾル発生基材を燃やすか又は燃焼させることなく、エアロゾル発生基材をこの範囲内の温度に加熱することにより、蒸気が発生し、蒸気が典型的には冷却及び凝縮して、デバイスのユーザによる吸入のためのエアロゾルを形成する。
【0004】
現在入手可能なエアロゾル発生デバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、エアロゾル発生基材に熱を与えることができる。そのような手法の1つは、誘導加熱システムを採用するエアロゾル発生デバイスを提供することである。そのようなデバイスでは、誘導コイルがデバイス内に設けられ、誘導加熱可能サセプタがエアロゾル発生基材を加熱するために設けられる。ユーザがデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、次に、これにより交流電磁場が発生する。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生させ、この熱は、例えば伝導によって、エアロゾル発生基材に伝達され、エアロゾル発生基材が加熱されるにつれてエアロゾルが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
誘導加熱システムによるエアロゾル発生基材への効率的な熱伝達を可能にするエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、エアロゾル発生材料の第1の層と、エアロゾル発生材料の第2の層と、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップとを含むエアロゾル発生物品が提供される。誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップのそれぞれは、エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置する。
【0007】
誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップをエアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に置くことにより、エアロゾル発生デバイスにおけるエアロゾル発生物品の使用中に、サセプタ材料からエアロゾル発生材料への効果的な熱伝達が提供される。次に、これにより、エアロゾル発生材料の効果的且つ均一な加熱、ひいては信頼性の高い蒸気発生が提供される。本開示によるエアロゾル生成物品はまた、効率的に製造し、比較的容易に大量生産することができる。
【0008】
さらにまた、サセプタ材料をエアロゾル発生材料で取り囲むことにより、エアロゾル発生物品に損傷を与える可能性のある、サセプタ材料がタバコ包装紙と接触するリスクが低減される。
【0009】
エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップは、シートとして配置される。シートは、連続シートであり得る。これにより、エアロゾル発生物品の製造が容易になり得る。
【0010】
好ましくは、シートは、複数の隆起部分を有する第1の表面を含む。シートの第1の表面はまた、複数の低くなった部分も含み得る。隆起部分及び低くなった部分は、シート上に択一的に配置され得る。好ましくは、隆起部分は、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップを含むシートの一部に対応する。この配置は、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップがエアロゾル発生材料の第1の層及び第2の層内に埋め込まれていると考えることができるという効果を有し得る。これにより、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップがエアロゾル発生材料の層によって完全に取り囲まれ、したがって、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップからエアロゾル発生材料の層への熱伝達が最大化されるので、エアロゾル又は蒸気をより効果的に発生させることが可能となり得る。
【0011】
いくつかの発展形態では、シートは、発生した蒸気が限定的な障害で吸入中にエアロゾル発生物品から自由に移動できるように、シートの周りの十分な空気流を確保するのに役立つ渦巻きとして配置され得る。
【0012】
他のいくつかの発展形態では、シートは、少なくとも2つのシート層を含んでもよく、各シート層は、エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも2つのストリップを含む。シートのそれぞれは、リングとして配置され得る。好ましくは、シート層のリングは、同心円状に配置され得る。これにより、シート層の周りに十分な空気流があることを確実にすることができ、発生した蒸気は吸入中にエアロゾル発生物品から自由に移動することが可能になる。
【0013】
さらなる発展形態では、シートは、複数のシートセグメントを含んでもよく、各シートセグメントは、エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも1つのストリップを含む。好ましくは、シートセグメントのそれぞれは互いに離れており、それは、シートセグメントの周りの空気流を改善するのに役立ち得る。
【0014】
シートセグメントのそれぞれは、エアロゾル発生デバイス内にランダムに配置され得る。複数のシートセグメントは、エアロゾル発生物品の断面内に複数の異なる向きを有し得る。これは、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップからエアロゾル発生材料の層への均一な熱伝達を確保するのに役立ち、ひいては、エアロゾル発生物品の使用中に最大量の蒸気を発生させることを可能にし得る。
【0015】
好ましくは、エアロゾル発生材料は、タバコ材料を含む。これにより、エアロゾル発生物品の製造が容易になり得、また、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップから伝達される熱によるエアロゾル発生材料の第1の層と第2の層の両方の加熱により、エアロゾル発生物品の使用中に最大量の蒸気を発生させることが可能となり得る。
【0016】
エアロゾル発生材料は、任意のタイプの固体又は半固体の材料であり得る。エアロゾル発生固体の例示的なタイプとしては、粉末、顆粒、ペレット、シュレッド、ストランド、粒子、ゲル、ストリップ、ルーズリーフ、カットリーフ、カットフィラー、多孔質材料、発泡材料又はシートが挙げられる。エアロゾル発生材料は、植物由来の材料を含み得、特にタバコを含み得る。それは、有利なことに、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む、再構成タバコを含み得る。したがって、エアロゾル発生物品が使用されることを意図したエアロゾル発生デバイスは、「加熱式タバコデバイス」、「加熱非燃焼式タバコデバイス」、「タバコ製品気化用デバイス」などと呼ぶことができ、これにより、これらの効果を実現するのに適したデバイスとして解釈される。本明細書に開示する特徴は、任意のエアロゾル発生基材を気化させるように設計されたデバイスに等しく適用可能である。
【0017】
いくつかの例では、エアロゾル発生材料の第1の層及び第2の層のそれぞれの長さは、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップのそれぞれの長さに等しくてもよい。これにより、蒸気発生及びエアロゾル発生物品の製造が容易になり得る。
【0018】
誘導加熱可能なサセプタ材料は、好ましくはステンレス鋼及び炭素鋼から選択される、金属を含み得る。しかしながら、誘導加熱可能サセプタ材料は、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、炭素鋼及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅のうちの1つ又は複数を含むがこれらに限定されない、任意の好適な材料を含むこともできる。エアロゾル発生デバイス内でのエアロゾル発生物品の使用中に電磁場をその近傍に印加すると、サセプタ材料のストリップは、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により熱を発生させることができ、電磁気から熱へのエネルギー変換をもたらす。
【0019】
誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップのそれぞれは、1μm~500μmの間、好ましくは10μm~100μmの間、より好ましくは約50μmの厚さを有し得る。これらの厚さ寸法を有するサセプタ材料のストリップは、エアロゾル発生物品の使用中に誘導加熱されるのに特に好適であり得、また、エアロゾル発生物品の製造を容易にし得る。
【0020】
エアロゾル発生材料の第1の層及び/又は第2の層は、50μm~500μmの間、好ましくは150μm~300μmの間、より好ましくは約220μmの厚さを有し得る。
【0021】
エアロゾル発生物品は、紙ラッパーによって囲まれていてもよい。
【0022】
エアロゾル発生物品は、実質的にスティックの形状に形成され得、好適な形態で配置されたエアロゾル発生基材を有する管状領域を有する紙巻きタバコに概ね類似し得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の近位端に、例えばセルロースアセテート繊維を含む、フィルタセグメントを含み得る。フィルタセグメントは、マウスピースフィルタを構成することができ、サセプタ材料及びエアロゾル発生材料を含むエアロゾル発生基材と同軸に整列することができる。一部の設計には、1つ又は複数の蒸気収集領域、冷却領域、及び他の構造も含まれ得る。例えば、エアロゾル発生物品は、フィルタセグメントの上流に少なくとも1つの管状セグメントを含み得る。管状セグメントは、蒸気冷却領域として機能し得る。蒸気冷却領域は、有利なことに、エアロゾル発生材料を加熱することによって発生する加熱蒸気が、冷却及び凝縮して、例えばフィルタセグメントを通して、ユーザによる吸入のための好適な特性を有するエアロゾルを形成することを可能にし得る。
【0023】
エアロゾル発生材料は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。典型的には、エアロゾル発生材料は、乾燥重量ベースで約5%~約50%の間のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル発生材料は、乾燥重量ベースで約10%~約20%の間、場合により乾燥重量ベースで約15%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。
【0024】
加熱すると、エアロゾル発生材料は、揮発性化合物を放出し得る。揮発性化合物は、ニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含み得る。
【0025】
別の態様によれば、上述のエアロゾル発生物品のいずれかによるエアロゾル発生物品を含むエアロゾル発生デバイスが提供される。
【0026】
別の態様によれば、エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップを配置するステップを含む、エアロゾル発生物品を生産する方法が提供される。
【0027】
方法は、好ましくは、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップに接着剤を塗布するステップと、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップをエアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置させるステップと、第1の層と第2の層とを一緒に加圧してシートを形成するステップとを含む。
【0028】
いくつかの例では、シートは、複数のシートセグメントに切断されてもよく、各シートセグメントは、エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも1つのストリップを含む。
【0029】
他の例では、シートは、少なくとも2つのシート層に切断されてもよく、各シート層は、エアロゾル発生材料の第1の層と第2の層との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも2つのストリップを含む。
【0030】
ここで、本発明の実施形態について、添付図面を参照して、単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1a】エアロゾル発生物品の概略側断面図である。
図1b】エアロゾル発生物品の第1の例における、図1aの線A-Aに沿った断面図である。
図1c】エアロゾル発生物品の第2の例における、図1aの線A-Aに沿った断面図である。
図2】エアロゾル発生物品を製造するための装置及び方法の概略図である。
図3】接着剤領域及び非接着剤領域を示す、サセプタ材料の連続ウェブのセクションの平面図である。
図4】誘導加熱可能なサセプタストリップの形成、及びエアロゾル発生材料の表面への誘導加熱可能なストリップの適用を概略的に例示する、図2の装置及び方法の一部の機能図である。
図5a】エアロゾル発生物品を形成する方法の機能図である。
図5b】エアロゾル発生物品を形成する別の方法の機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書に記載のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料を燃やすことなくエアロゾル発生材料を加熱して、エアロゾル発生材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、それにより、冷却及び凝縮してエアロゾル発生デバイスのユーザによる吸入のためのエアロゾルを形成する加熱蒸気を発生させるために、エアロゾル発生デバイスと共に使用するためのものである。エアロゾル発生デバイスは、手持ち式の携帯型デバイスである。
【0033】
一般論として、蒸気は、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより蒸気を液体に凝縮することができることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中に微細な固体粒子又は液滴が浮遊しているものである。しかしながら、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特にユーザによる吸入のために発生する吸入可能媒体の形態に関して、本明細書では同義で使用され得ることに留意されたい。
【0034】
最初に図1aを参照すると、エアロゾル発生物品1を誘導加熱し、それによりデバイスのユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させる誘導加熱システムを含むエアロゾル発生デバイスと共に使用するためのエアロゾル発生物品1が示されている。そのようなデバイスについては、当技術分野では知られており、本明細書ではさらに詳細には説明しない。エアロゾル発生物品1は細長く、遠位端11aと近位端(又は口端)11bとを有し、実質的に円筒形である。円形の断面により、ユーザによる物品1の取り扱い及びエアロゾル発生デバイスのキャビティ又は加熱コンパートメントへの物品1の挿入が容易になる。
【0035】
エアロゾル発生物品1は、第1の端部10a及び第2の端部10bを有するエアロゾル発生基材10と、誘導加熱可能なサセプタ部分12とを含む。エアロゾル発生基材10及び誘導加熱可能なサセプタ部分12は、ラッパー14内に位置決めされ、ラッパー14によって包み込まれる。ラッパー14は、実質的に非導電性且つ非透磁性の材料を含む。図示する例では、ラッパー14は、紙ラッパーであり、タバコ紙を含み得る。
【0036】
誘導加熱可能なサセプタ部分12は、図1b及び図1cに示すように、エアロゾル発生材料の第1の層15と、エアロゾル発生材料の第2の層13と、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16とを含む。誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16のそれぞれは、エアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13との間に位置する。換言すれば、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16は、エアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13との間に挟まれていると考えることができる。これは、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16がエアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13の両方に接着されることによって実現される。このようにして、エアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16は、シートを形成するように配置される。すなわち、誘導加熱可能なサセプタ部分12は、シート状構造を有する。
【0037】
誘導加熱可能なサセプタ部分12のシートは、エアロゾル発生基材10の一部を形成し、実質的にロッド状のエアロゾル発生物品1を形成するように配置される。誘導加熱可能なサセプタ部分12は、実質的にエアロゾル発生物品1の長手方向に向けられて配置される。誘導加熱可能なサセプタ部分12のシートは、エアロゾル発生物品1を通る空気流経路が中断されず、物品1を通る均一な空気流が実現され得ることを確実にするために、典型的には、長手方向に折り目がない。
【0038】
エアロゾル発生材料の第1の層15、エアロゾル発生材料の第2の層13、及び誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16は、すべて実質的に同じ高さを有する。この場合、高さとは、エアロゾル発生物品1の長手方向の距離を指す。
【0039】
ここで、エアロゾル発生物品1内の誘導加熱可能なサセプタ部分12の配置について、図1b及び図1cを参照して、より詳細に説明する。
【0040】
第1の例示的な配置では、誘導加熱可能なサセプタ部分12は、エアロゾル発生基材10内に渦巻きとして配置される。渦巻きは、エアロゾル発生基材10内の実質的に中心に位置し、渦巻きは、エアロゾル発生物品1と実質的に同軸に整列される。
【0041】
図1bに示す第2の例では、誘導加熱可能なサセプタ部分12のシートは、少なくとも2つの部分19に分割され、それらは、誘導加熱可能なサセプタシート層19と呼ぶことができる。各シート層19は、エアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも2つのストリップ16を含む。このようにして、各シート層19は、誘導加熱可能なサセプタ部分12と同様の構成を有するが、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16がより少ない。シート層19のそれぞれは、図1bに示すように、リングとして配置され、複数のリングは、エアロゾル発生基材10内に同心円状に配置される。シート層19のリングは、エアロゾル発生物品1と同軸に整列される。図1bに示す例では2つの同心円状リングを例示しているが、3つ以上のリングを設けてもよいことが理解されよう。
【0042】
図1cに示す第3の例では、誘導加熱可能なサセプタ部分12は、複数の部分21に分割され、それらは、誘導加熱可能なサセプタシートセグメント21と呼ばれることがある。各シートセグメント21は、エアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも1つのストリップ16を含む。
【0043】
図1cに示す例では、各シートセグメント21が誘導加熱可能なサセプタ材料の1つのストリップ16を有することを例示しているが、いくつかのシートセグメントは、誘導加熱可能なサセプタ材料の2つ以上のストリップ16を有し得ることが理解されよう。シートセグメントのそれぞれは、図1cに示すように、目立たず、互いに離れている。シートセグメント21は、図1cに示すように、それらがエアロゾル発生物品1の断面内に複数の異なる向きを有するように、ロッド状のエアロゾル発生物品1の断面全体にわたってランダムに分布させることができる。このようにして、シートセグメント21は、エアロゾル発生基材10と共にランダムに配置され、方向付けられる。
【0044】
上述の配置はすべて、各誘導加熱器サセプタストリップを取り囲むエアロゾル発生材料を有利に提供する。複数のサセプタがタバコ材料によって取り囲まれているということは、サセプタのいずれもタバコ包装紙と接触するリスクがないことを意味する。これにより、サセプタが包装紙を燃やす又は損傷する可能性が低減される。
【0045】
加えて、各サセプタがタバコ材料によって取り囲まれることにより、各サセプタは、直接接触しているタバコ材料の量を加熱しているのみである。これにより、エアロゾル発生基材10を通した熱伝播が低減することによって、熱及びエネルギー効率が最大化される。これはまた、浪費されるエネルギーが少なくなるので、スティック全体を加熱するために必要とされる最高温度を制限するのにも役立つ。
【0046】
上述の配置のさらなる利点は、各サセプタ構造(すなわち渦巻き、シート層、及びシートセグメント)の間に空気流路が形成され、これにより、発生した蒸気が最小限の障害でフィルタに向かって移動することが可能となることである。
【0047】
図1aを振り返って見ると、エアロゾル発生物品1は、エアロゾル発生基材10の下流に位置決めされたマウスピースセグメント20を含む。エアロゾル発生基材10及びマウスピースセグメント20は、ラッパー14の内側に同軸に整列して配置されて、構成要素を所定位置に保持して、ロッド状のエアロゾル発生物品1を形成する。
【0048】
図示の実施形態では、マウスピースセグメント20は、下流方向に、換言すればエアロゾル発生物品1の遠位端11aから近位(口)端11bまで、連続的に且つ同軸に整列して配置された以下の構成要素、すなわち冷却セグメント22、中心孔セグメント23及びフィルタセグメント24を含む。冷却セグメント22は、紙ラッパー14の厚さよりも大きい厚さを有する中空紙管22aを含む。中心孔セグメント23は、セルロースアセテート繊維と可塑剤とを含有する硬化混合物を含み得、マウスピースセグメント20の強度を高めるように機能する。フィルタセグメント24は、典型的にはセルロースアセテート繊維を含み、マウスピースフィルタとして機能する。加熱された蒸気が、エアロゾル発生基材10からエアロゾル発生物品1の近位(口)端11bに向かって流れると、蒸気は、冷却セグメント22及び中心孔セグメント23を通過する際に冷却及び凝縮して、フィルタセグメント24を通したユーザによる吸入のための好適な特性を有するエアロゾルを形成する。
【0049】
エアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13は、タバコ材料を含む。エアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13は、有利なことに、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む再構成タバコを含むことができる。
【0050】
エアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13は、典型的には、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含む。典型的には、エアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13は、乾燥重量ベースで約5%~約50%の間のエアロゾル形成剤含有量を含む。加熱すると、エアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13は、場合によりニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含む、揮発性化合物を放出する。
【0051】
エアロゾル発生デバイスにおける物品1の使用中に、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16の近傍に時間変化する電磁場が印加されるとき、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16に熱が発生する。熱は、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16からエアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13に伝達されて、エアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13を燃やすことなく加熱して、1つ又は複数の揮発性化合物を放出し、それにより蒸気を発生させる。ユーザがフィルタセグメント24を通して吸入すると、加熱蒸気は、エアロゾル発生基材10の第1の端部10aからエアロゾル発生基材10の第2の端部10bに向かって、そしてフィルタセグメント24に向かって、物品1を通って下流方向に吸い込まれる。上記のように、加熱蒸気が冷却セグメント22及び中心孔セグメント23を通ってフィルタセグメント24に向かって流れると、加熱蒸気は冷却及び凝縮して、フィルタセグメント24を通したユーザによる吸入のための好適な特性を有するエアロゾルを形成する。
【0052】
ここで、本開示によるエアロゾル発生物品を製造するために好適な装置30及び方法について説明する。
【0053】
簡単に言うと、方法は、エアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13との間に誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16を配置することを伴う。接着剤が誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16に塗布され、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16をエアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13との間に位置させた後、エアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13は、一緒に加圧されて、シートの形態を有する誘導加熱可能なサセプタ部分12を形成する。前述した第2の例及び第3の例の場合、エアロゾル発生物品1が組み立てられる前に、シートはいくつかの部分に切断される。
【0054】
ここで、エアロゾル発生物品1を製造するための装置及び方法のさらなる詳細について、図2を参照して説明する。
【0055】
装置30は、実質的に平坦な表面を有するエアロゾル発生材料15の連続ウェブ34を運ぶ供給リール32(例えば、第1のボビン)と、エアロゾル発生材料15の連続ウェブ34の給送を制御するための第1の給送ローラ36とを含む。装置30はまた、エアロゾル発生材料13の第2の連続ウェブを運ぶ第2の供給リール33(例えば、第2のボビン)を含む。明確にするために、この第2の供給リール33及びエアロゾル発生材料13の第2の連続ウェブは、図2に示していない。
【0056】
装置30は、サセプタ材料の連続ウェブ40を運ぶサセプタ供給リール38(例えば、第3のボビン)と、サセプタ材料の連続ウェブ40の給送を制御するための給送ローラ42、44と、接着剤塗布ユニット46と、サセプタ切断ユニット48とを含む。明確にするために、図2では、サセプタ材料の第1の面に接着剤を塗布するように配置された1つの接着剤塗布ユニット46のみを示す。別の接着剤塗布ユニット(図示せず)が、サセプタ材料のもう一方の面に接着剤を塗布するように配置される。
【0057】
装置30は、任意選択のヒータ50、ストリップ切断ユニット52、給送ローラ54、ロッド形成ユニット56、及びロッド切断ユニット58をさらに含む。
【0058】
動作中、エアロゾル発生材料15の第1の連続ウェブ34が供給リール32から連続的に供給され、エアロゾル発生材料13の第2の連続ウェブが第2の供給リールから連続的に供給される。同時に、サセプタ材料の連続ウェブ40が、サセプタ供給リール38から給送ローラ42、44を介して接着剤塗布ユニット46に連続的に供給される。接着剤塗布ユニット46は、サセプタ材料の連続ウェブ40の両面(すなわち、上面及び底面)に接着剤47を塗布する。図示する例では、接着剤塗布ユニット46は、接着剤47をサセプタ材料の連続ウェブ40の表面に断続的に、ウェブ40の全幅にわたって塗布する。このようにして、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面上に離散的な接着剤領域60(図3及び図4を参照されたい)が形成され、サセプタ材料16の連続ウェブ40の進行方向において隣接する接着剤領域60の間に接着剤のない領域62が形成される。
【0059】
サセプタ材料の連続ウェブ40は、接着剤塗布ユニット46からサセプタ切断ユニット48に供給され、サセプタ切断ユニット48は、サセプタ材料の連続ウェブ40を連続的に切断して、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16を形成する。サセプタ切断ユニット48、支持ドラム66及び切断ドラム68。支持ドラム66は、その外周の周りでサセプタ材料の連続ウェブ40を支持する。切断ドラム68は、その外周の周りに、複数の周方向に間隔を置いた切断要素、例えば突出した切断ブレードを含み、切断要素は、支持ドラム66の外周の周りの周方向に間隔を置いた凹部と連携する(例えば、その中に延びる)。これにより、サセプタ材料の連続ウェブ40が連続的に剪断されて、誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16が形成される。
【0060】
接着剤塗布ユニット46によってサセプタ材料の連続ウェブ40に塗布された接着剤47によるサセプタ切断ユニット48の汚れを最小限にするために、サセプタ切断ユニット48は、接着剤のない領域62で、すなわち、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面の接着剤領域60の間の位置で、サセプタ材料の連続ウェブ40を切断する。これは、サセプタ切断ユニット48の動作をサセプタ材料の連続ウェブ40の移動と同期させることによって実現することができる。
【0061】
サセプタ切断ユニット48によって提供された誘導加熱可能なサセプタ材料の複数のストリップ16は、例えば図4に示すように、誘導加熱可能なサセプタ材料の各連続するストリップ16の縁部間に一定の所定の間隔74が存在するように、エアロゾル発生材料15、13の第1及び第2の連続ウェブ34のそれぞれの表面間に位置決めされる。誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16とエアロゾル発生材料15、13の第1及び第2の連続ウェブ34の実質的に平坦な表面との間に適切な接着が存在することを確実にするために、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16は、図2に図式的に示すように、第1及び第2のエアロゾル発生材料15、13に圧縮力を加えるカムローラ76によって第1及び第2のエアロゾル発生材料15、13の間で加圧されて、シート状構造を有する誘導加熱可能なサセプタ部分12を形成する。
【0062】
サセプタ材料の複数のストリップ16は、隙間74によって間隔を空けられているので、エアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13が一緒に加圧された後、誘導加熱可能なサセプタ部分12の1つの表面は、図5a及び図5bに示すように、交互に隆起した及び低くなった(例えば、起伏のある)構造を有することになる。表面の隆起部分27は、誘導加熱可能なサセプタ部分12のうち、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16を含む部分に対応し、表面の低くなった部分29は、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16間の隙間に対応する。この配置は、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16とエアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13との間に非常に密接な接触を提供し、それは、誘導加熱可能なサセプタ材料16とエアロゾル発生材料15、13との間の密接な接触及び増加した表面積により、蒸気発生の増加に寄与するのに役立つ。加えて、エアロゾル発生材料の第1の層15及び第2の層13が互いに接触している、誘導加熱可能なサセプタ材料の各ストリップ16間の低くなった部分29は、誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16間の接触の可能性を最小限にする。
【0063】
図に見られるように、エアロゾル発生材料の上層13がサセプタ材料の剛性ストリップ16に押し付けられるとき、エアロゾル発生材料の上層13のこれらのストリップに対応する部分は変形し、他の領域と比較して隆起した構造27を形成する。これらの隆起部分27は、誘導加熱可能なサセプタ部分12の凹部と呼ぶこともできる。
【0064】
いくつかの例では、第1及び第2のエアロゾル発生材料15、13並びにその表面に接着された誘導加熱可能なサセプタ材料のストリップ16は、任意選択のヒータ50によって加熱することができる。これは、接着剤47を硬化又は固定するのに役立ち、それにより、誘導加熱可能なサセプタ材料の各ストリップ16とエアロゾル発生材料15、13の表面との良好な結合を確実にすることができる。
【0065】
誘導加熱可能なサセプタ部分12のシートは、誘導加熱可能なサセプタ部分12の連続シートを切断するストリップ切断ユニット52に給送される。図2のストリップ切断ユニット52は、誘導加熱可能なサセプタ部分12のシートを剪断して複数のサセプタストリップ16を形成するために連携する(例えば、相互に噛み合う)第1及び第2の切断フォーメーション84、86をそれぞれ有する第1及び第2の切断ドラム80、82を含む。
【0066】
図5aに示すように誘導加熱可能なサセプタ部分12が複数の同心円状に配置されたリングの形態をとる、第2の例では、誘導加熱可能なサセプタ部分12は、少なくとも2つの部分に切断されて、誘導加熱可能なサセプタシート層19を形成する。前述したように、各シート層19は、エアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも2つのストリップ16を含む。
【0067】
誘導加熱可能なサセプタ部分12が複数の別個の部分の形態をとる、第3の例では、誘導加熱可能なサセプタ部分12は、図5bに示すように、複数の部分に分割されて、誘導加熱可能なサセプタシートセグメント21を形成する。前述したように、各シートセグメント21は、エアロゾル発生材料の第1の層15と第2の層13との間に位置する誘導加熱可能なサセプタ材料の少なくとも1つのストリップ16を含む。
【0068】
誘導加熱可能なサセプタ部分12が渦巻きの形態をとる、第1の例の場合、切断が必要とされないことに留意すべきである。
【0069】
誘導加熱可能なサセプタ部分12(例えば、シート、少なくとも2つのシート層、複数のシートセグメントの形態である)は、図2に見られるように、ロッド形成ユニット56に運搬され、そこでそれらは連続ロッド88に形成される。包装紙の連続シート(図示せず)が、ロッド形成ユニット56の下流に位置決めすることができる供給リール(図示せず)からロッド形成ユニット56に供給される。包装紙のシートが搬送され、ロッド形成ユニット56を通って案内されると、連続ロッド88がラッパー14によって囲まれるように、包装紙のシートは誘導加熱可能なサセプタ部分12に巻き付けられる。
【0070】
ラッパー14によって囲まれた連続ロッド88は、次にロッド切断ユニット58に搬送され、そこで、適切な位置で所定の長さに切断されて複数のエアロゾル発生物品1を形成する。連続ロッド88は、好ましくはロッド切断ユニットによって繰り返し切断される。
【0071】
さらなるユニット(図示せず)は、ロッド切断ユニット58の下流に配置され得、上述したマウスピースセグメント20などの1つ又は複数の追加の構成要素を提供し、これらを、ロッド切断ユニット56により形成された個々のエアロゾル発生物品1と組み立てて、完成品のエアロゾル発生物品1を形成するように構成され得る。この場合、組み立てられた構成要素を同時に包装して、完成品のエアロゾル発生物品1を形成することができるように、別個の包装ユニットがロッド切断ユニット58の下流に設けられ得る。さらなるユニットは、装置30の一部を形成し得るか、又は最終組み立てラインの一部を形成する別個の独立型ユニットであり得る。
【0072】
これまでの段落では例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正をすることができることを理解されたい。したがって、特許請求の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0073】
本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、すべての可能な変形形態における上述した特徴の任意の組み合わせは、本開示によって包含される。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5a
図5b
【国際調査報告】