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特表2024-504926がんの処置のためのデオキシリボヌクレアーゼ酵素と細胞療法の組み合わせ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】がんの処置のためのデオキシリボヌクレアーゼ酵素と細胞療法の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/46 20060101AFI20240126BHJP
   C12N 9/16 20060101ALI20240126BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240126BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20240126BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20240126BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240126BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240126BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240126BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20240126BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240126BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20240126BHJP
   C12N 15/864 20060101ALN20240126BHJP
【FI】
A61K38/46
C12N9/16 Z ZNA
C12N5/10
C12N5/0783
A61P35/00
A61K35/12
A61K48/00
A61K35/76
A61P35/04
A61K35/17
A61P43/00 121
C12N15/12
C12N15/13
C12N15/62 Z
C12N15/864 100Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541722
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2022011648
(87)【国際公開番号】W WO2022150609
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/135,438
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/148,304
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】523260495
【氏名又は名称】シーエルエス セラピューティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゲンキン,ディミトリー ドミートリエヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】テッツ,ゲオルギー ヴィクトロヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】テッツ,ヴィクトール ヴェニアミノヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】ステパノヴ,アレクセイ ヴャシェスラヴォヴィッチ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA94X
4B065AB01
4B065AC14
4B065AC20
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4B065CA46
4C084AA02
4C084AA13
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084DC22
4C084MA55
4C084MA66
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB65
4C087CA12
4C087MA55
4C087MA66
4C087NA05
4C087ZB26
(57)【要約】
本発明は、デオキシリボヌクレアーゼ酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を発現する細胞とを含む養子細胞免疫療法の組み合わせを利用するがんの処置方法に関する。特定の実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素は、非経口的に与えられるか、又はベクターによってコードされるか、又はTCR若しくはCARを含む細胞によって分泌され得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする対象のがんを処置する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞とを前記対象に投与することを含む方法。
【請求項2】
前記DNase酵素が、腫瘍組織における免疫抑制タンパク質の発現を低減させ、及び/又は腫瘍組織内のCAR発現細胞又はTCR発現細胞の含有量を増加させるのに有効な量で使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
それを必要とする対象におけるCAR-T細胞療法の1以上の副作用を防止する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素を前記対象に投与することを含み、前記DNase酵素が、前記CAR-T細胞療法と同時に又は連続して投与される方法。
【請求項4】
前記CAR-T細胞療法の副作用が、神経系の副作用、サイトカイン放出症候群(CRS)、好中球減少症、貧血、発熱、発熱性好中球減少症、及び血小板減少症から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
対象におけるCAR-T細胞療法による前記疾患の処置後の疾患の再発を防止する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素を前記対象に投与することを含み、前記DNase酵素が、前記CAR-T細胞療法と同時に又は連続して投与される方法。
【請求項6】
CAR-T細胞療法を受けている対象の血液中のCAR-T細胞の存続を増大させる方法であって、前記対象にデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素を投与することを含み、前記DNase酵素が、前記CAR-T細胞療法と同時に又は連続して投与される方法。
【請求項7】
それを必要とする対象におけるCAR-T細胞療法の有効性を増大させる方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素を前記対象に投与することを含み、前記DNase酵素が、前記CAR-T細胞療法と同時に又は連続して投与される方法。
【請求項8】
前記DNase酵素が、DNase酵素タンパク質として投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記DNase酵素が、ベクターによってコードされる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ベクターが、(i)キャプシドタンパク質と、(ii)前記DNase酵素をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸とを含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)発現ベクターである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プロモーターが肝臓特異的プロモーターである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロモーターが、腫瘍発生組織又は転移標的組織に特異的である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記DNase酵素が、mRNA分子によってコードされる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記DNase酵素が、非経口的に又は腫瘍の部位に投与される、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記DNase酵素が、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む細胞によって同時発現される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記CAR発現細胞又はTCR発現細胞が、非経口的に又は腫瘍の部位に投与される、請求項1、2及び8~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記CAR発現細胞又はTCR発現細胞が、単一の標的又は複数の標的である、請求項1、2及び8~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記CARが、(i)CD5、CD7、CD19、CD28、メソテリン、CD123、CD30、CD171、CS-1、CLL-1、CD33、EGFRvIII、GD2、GD3、BCMA、Tn Ag、PSMA、ROR1、FLT3、FAP、TAG72、CD38、CD44v6、CEA、EPCAM、B7H3、KIT、IL-13Ra2、IL-11Ra、PSCA、PRSS21、VEGFR2、ルイスY、CD24、PDGFR-ベータ、SSEA-4、CD20、葉酸受容体アルファ、FR-1、c-MET、EGFR/CD133、IL13Ra2、HER2、ERBB2(Her2/neu)、MUC1、EGFR、NCAM、プロスターゼ、PAP、ELF2M、エフリンB2、IGF-I受容体、CAIX、LMP2、gp100、bcr-abl、チロシナーゼ、EphA2、フコシルGM1、sLe、GM3、TGS5、HMWMAA、o-アセチル-GD2、葉酸受容体ベータ、TEM1/CD248、TEM7R、CLDN6、TSHR、GPRC5D、CXORF61、CD97、CD179a、ALK、ポリシアル酸、PLAC1、GloboH、NY-BR-1、UPK2、HAVCR1、ADRB3、PANX3、GPR20、LY6K、OR51E2、TARP、WT1、NY-ESO-1、LAGE-1a、MAGE-A1、レグマイン、HPV E6,E7、MAGE A1、ETV6-AML、精子タンパク質17、XAGE1、Tie 2、MAD-CT-1、MAD-CT-2、Fos-関連抗原1、p53、p53変異体、プロステイン、サバイビン、テロメラーゼ、PCTA-1/ガレクチン8、MelanA/MART1、Ras変異体、hTERT、肉腫転座切断点、ML-IAP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、MYCN、RhoC、TRP-2、CYP1B1、BORIS、SART3、PAX5、OY-TES1、LCK、AKAP-4、SSX2、RAGE-1、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2、腸内カルボキシルエステラーゼ、及びmut hsp70-2から選択される腫瘍抗原;(ii)固形腫瘍に関連する抗原;(iii)メソテリン、EGFRvIII、GD2、CLDN6、Tn Ag、PSMA、CD97、TAG72、CD44v6、CEA、EPCAM、KIT、IL-13Ra2、レグマイン、CD171、PSCA、TARP、MAD-CT-1、ルイスY、CD24、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、ERBBs、MUC1、EGFR、NCAM、PDGFR-ベータ、MAD-CT-2、Fos-関連抗原、SSEA-4、好中球エラスターゼ、CAIX、HPV E6 E7、ML-IAP、NA17、ALK、アンドロゲン受容体ポリシアル酸(plsialic acid)、TRP-2、CYP1B1、PLAC1、GloboH、NY-BR-1、精子タンパク質17、HMWMAA、ベータヒト絨毛性ゴナドトロピン、AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、腸カルボキシルエステラーゼ、及びmut hsp 70-2から選択される固形腫瘍関連抗原;(iv)中皮腫、肺がん、膵臓がん、食道腺癌、卵巣がん、乳がん、結腸直腸がん、膀胱がん、又はそれらの任意の組み合わせの内部/上部に存在する固形腫瘍関連抗原;(v)血液のがんに関連する腫瘍抗原;(vi)急性白血病及び慢性白血病から選択される疾患に存在する腫瘍抗原、並びに(vii)治療抵抗性がんに存在する腫瘍抗原から選択される1以上の抗原に特異的に結合することが可能な抗原結合ドメインを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記DNase酵素が、配列番号4と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記DNase酵素が、配列番号53と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与と同日又はその前日に1回静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後から開始して週に1回静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後から開始して月に1回静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の1週間前に静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の1ヶ月前に静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の21日前から投与の14日後に1回静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後少なくとも14日間静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後少なくとも16日間静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与前少なくとも3日間、それと一緒に又は投与後3日間静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後少なくとも7日間静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与前少なくとも7日間静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記DNase酵素タンパク質が、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与前又は後に少なくとも3日間静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記DNase酵素タンパク質が、少なくとも250μg/kg/日の用量で静脈内注射される、請求項8及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記DNase酵素タンパク質が、少なくとも600μg/kg/日の用量で静脈内注射される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記DNase酵素タンパク質が、少なくとも900μg/kg/日の用量で静脈内注射される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記DNase酵素タンパク質が、少なくとも2.5mg/kg/日の用量で静脈内注射される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記DNase酵素タンパク質が、少なくとも5mg/kg/日の用量で静脈内注射される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記DNase酵素タンパク質が、少なくとも7.5mg/kg/日で静脈内注射される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記CAR発現細胞又はTCR発現細胞が、免疫チェックポイント阻害剤分子を発現するようにさらに改変される、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記DNase酵素が、低酸素環境におけるCAR発現細胞の有効性を増大させる量で使用される、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
DNase酵素をコードするベクターが、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の少なくとも14日前に、静脈内及び/又は腫瘍部位に注射される、請求項9~12及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
DNase酵素をコードするベクターが、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の少なくとも3日前に、静脈内及び/又は腫瘍部位に注射される、請求項9~12及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
DNase酵素をコードするベクターが、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与と同時に静脈内及び/又は腫瘍部位に注射される、請求項9~12及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
DNase酵素をコードするベクターが、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の3日後に静脈内及び/又は腫瘍部位に注射される、請求項9~12及び16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記CAR発現細胞がCAR T細胞である、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
(i)デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素と、(ii)キメラ抗原受容体(CAR)及び/又はT細胞受容体(TCR)とを発現する細胞。
【請求項47】
さらに、免疫チェックポイント阻害剤分子を発現する、請求項46に記載の細胞。
【請求項48】
前記CAR又はTCRが、単一の標的又は複数の標的である、請求項46又は請求項47に記載の細胞。
【請求項49】
前記CARが、(i)CD5、CD7、CD19、CD28、メソテリン、CD123、CD30、CD171、CS-1、CLL-1、CD33、EGFRvIII、GD2、GD3、BCMA、Tn Ag、PSMA、ROR1、FLT3、FAP、TAG72、CD38、CD44v6、CEA、EPCAM、B7H3、KIT、IL-13Ra2、IL-11Ra、PSCA、PRSS21、VEGFR2、ルイスY、CD24、PDGFR-ベータ、SSEA-4、CD20、葉酸受容体アルファ、FR-1、c-MET、EGFR/CD133、IL13Ra2、HER2、ERBB2(Her2/neu)、MUC1、EGFR、NCAM、プロスターゼ、PAP、ELF2M、エフリンB2、IGF-I受容体、CAIX、LMP2、gp100、bcr-abl、チロシナーゼ、EphA2、フコシルGM1、sLe、GM3、TGS5、HMWMAA、o-アセチル-GD2、葉酸受容体ベータ、TEM1/CD248、TEM7R、CLDN6、TSHR、GPRC5D、CXORF61、CD97、CD179a、ALK、ポリシアル酸、PLAC1、GloboH、NY-BR-1、UPK2、HAVCR1、ADRB3、PANX3、GPR20、LY6K、OR51E2、TARP、WT1、NY-ESO-1、LAGE-1a、MAGE-A1、レグマイン、HPV E6,E7、MAGE A1、ETV6-AML、精子タンパク質17、XAGE1、Tie 2、MAD-CT-1、MAD-CT-2、Fos-関連抗原1、p53、p53変異体、プロステイン、サバイビン、テロメラーゼ、PCTA-1/ガレクチン8、MelanA/MART1、Ras変異体、hTERT、肉腫転座切断点、ML-IAP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、MYCN、RhoC、TRP-2、CYP1B1、BORIS、SART3、PAX5、OY-TES1、LCK、AKAP-4、SSX2、RAGE-1、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2、腸内カルボキシルエステラーゼ、及びmut hsp70-2から選択される腫瘍抗原;(ii)固形腫瘍に関連する抗原;(iii)メソテリン、EGFRvIII、GD2、CLDN6、Tn Ag、PSMA、CD97、TAG72、CD44v6、CEA、EPCAM、KIT、IL-13Ra2、レグマイン、CD171、PSCA、TARP、MAD-CT-1、ルイスY、CD24、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、ERBBs、MUC1、EGFR、NCAM、PDGFR-ベータ、MAD-CT-2、Fos-関連抗原、SSEA-4、好中球エラスターゼ、CAIX、HPV E6 E7、ML-IAP、NA17、ALK、アンドロゲン受容体ポリシアル酸(plsialic acid)、TRP-2、CYP1B1、PLAC1、GloboH、NY-BR-1、精子タンパク質17、HMWMAA、ベータヒト絨毛性ゴナドトロピン、AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、腸カルボキシルエステラーゼ、及びmut hsp 70-2から選択される固形腫瘍関連抗原;(iv)中皮腫、肺がん、膵臓がん、食道腺癌、卵巣がん、乳がん、結腸直腸がん、膀胱がん、又はそれらの任意の組み合わせの中/上に存在する固形腫瘍関連抗原;(v)血液のがんに関連する腫瘍抗原;(vi)急性白血病及び慢性白血病から選択される疾患に存在する腫瘍抗原、並びに(vii)治療抵抗性がんに存在する腫瘍抗原から選択される1以上の抗原に特異的に結合することが可能な抗原結合ドメインを含む、請求項46~48のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項50】
前記DNase酵素が、配列番号4と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項46~49のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項51】
前記デオキシリボヌクレアーゼ酵素が、配列番号53と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項46~49のいずれか一項に記載の細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年1月8日に出願された米国仮特許出願第63/135,438号、及び2021年2月11日に出願された米国仮特許出願第63/148,304号に対する優先権を主張し、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、これにより、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2022年1月7日に作成された前記ASCIIコピーは、252732_000023_SL.txtという名称であり、サイズは117,776バイトである。
【0003】
発明の分野
本発明は、デオキシリボヌクレアーゼ酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を発現する細胞を含む養子細胞免疫療法との組み合わせを利用するがんを処置する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本発明は、がんの新規かつより有効な処置に関する当技術分野の高いニーズに取り組む。
【発明の効果】
【0006】
一態様において、本発明は、それを必要とする対象のがんを処置する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素とキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞とを対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記DNase酵素は、腫瘍組織における免疫抑制タンパク質の発現を低減、及び/又は腫瘍組織内のCAR発現細胞又はTCR発現細胞の含有量を増加させるのに有効な量で使用される。
【0007】
別の態様において、本発明は、それを必要とする対象におけるCAR-T細胞療法の1以上の副作用を防止する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素を対象に投与することを含み、前記DNase酵素が、前記CAR-T細胞療法と同時に又は連続して投与される方法を提供する。いくつかの実施形態において、CAR-T細胞療法の副作用は、神経系の副作用、サイトカイン放出症候群(CRS)、好中球減少症、貧血、発熱、発熱性好中球減少症、及び血小板減少症から選択される。
【0008】
さらなる態様において、本発明は、対象におけるCAR-T細胞療法による前記疾患の処置後の疾患の再発を防止する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素を対象に投与することを含み、前記DNase酵素が、前記CAR-T細胞療法と同時に又は連続して投与される方法を提供する。
【0009】
さらに別の態様において、本発明は、CAR-T細胞療法を受けている対象の血液中のCAR-T細胞の存続を増大させる方法であって、対象にデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素を投与することを含み、前記DNase酵素が、前記CAR-T細胞療法と同時に又は連続して投与される方法を提供する。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、それを必要とする対象におけるCAR-T細胞療法の有効性を増大させる方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素を対象に投与することを含み、前記DNase酵素が、前記CAR-T細胞療法と同時に又は連続して投与される方法を提供する。
【0011】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素は、DNase酵素タンパク質として投与される。
【0012】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素は、ベクターによってコードされる。いくつかの実施形態において、ベクターは、遺伝子治療ベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、(i)キャプシドタンパク質と(ii)DNase酵素をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸と、を含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは肝臓特異的プロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは、腫瘍発生組織又は転移標的組織に特異的である。
【0013】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素は、mRNA分子によってコードされる。
【0014】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素は、非経口的に又は腫瘍の部位に投与される。
【0015】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素は、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む細胞によって同時発現される。
【0016】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、CAR発現細胞又はTCR発現細胞は、非経口的に又は腫瘍の部位に投与される。上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、CAR発現細胞又はTCR発現細胞は、単一の標的又は複数の標的である。
【0017】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、CARは、(i)CD5、CD7、CD19、CD28、メソテリン、CD123、CD30、CD171、CS-1、CLL-1、CD33、EGFRvIII、GD2、GD3、BCMA、Tn Ag、PSMA、ROR1、FLT3、FAP、TAG72、CD38、CD44v6、CEA、EPCAM、B7H3、KIT、IL-13Ra2、IL-11Ra、PSCA、PRSS21、VEGFR2、ルイスY、CD24、PDGFR-ベータ、SSEA-4、CD20、葉酸受容体アルファ、FR-1、c-MET、EGFR/CD133、IL13Ra2、HER2、ERBB2(Her2/neu)、MUC1、EGFR、NCAM、プロスターゼ、PAP、ELF2M、エフリンB2、IGF-I受容体、CAIX、LMP2、gp100、bcr-abl、チロシナーゼ、EphA2、フコシルGM1、sLe、GM3、TGS5、HMWMAA、o-アセチル-GD2、葉酸受容体ベータ、TEM1/CD248、TEM7R、CLDN6、TSHR、GPRC5D、CXORF61、CD97、CD179a、ALK、ポリシアル酸、PLAC1、GloboH、NY-BR-1、UPK2、HAVCR1、ADRB3、PANX3、GPR20、LY6K、OR51E2、TARP、WT1、NY-ESO-1、LAGE-1a、MAGE-A1、レグマイン、HPV E6,E7、MAGE A1、ETV6-AML、精子タンパク質17、XAGE1、Tie 2、MAD-CT-1、MAD-CT-2、Fos-関連抗原1、p53、p53変異体、プロステイン、サバイビン、テロメラーゼ、PCTA-1/ガレクチン8、MelanA/MART1、Ras変異体、hTERT、肉腫転座切断点、ML-IAP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、MYCN、RhoC、TRP-2、CYP1B1、BORIS、SART3、PAX5、OY-TES1、LCK、AKAP-4、SSX2、RAGE-1、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2、腸内カルボキシルエステラーゼ、及びmut hsp70-2から選択される腫瘍抗原;(ii)固形腫瘍に関連する抗原;(iii)メソテリン、EGFRvIII、GD2、CLDN6、Tn Ag、PSMA、CD97、TAG72、CD44v6、CEA、EPCAM、KIT、IL-13Ra2、レグマイン(leguman)、CD171、PSCA、TARP、MAD-CT-1、ルイスY、CD24、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、ERBBs、MUC1、EGFR、NCAM、PDGFR-ベータ、MAD-CT-2、Fos-関連抗原、SSEA-4、好中球エラスターゼ、CAIX、HPV E6 E7、ML-IAP、NA17、ALK、アンドロゲン受容体ポリシアル酸(plsialic acid)、TRP-2、CYP1B1、PLAC1、GloboH、NY-BR-1、精子タンパク質17、HMWMAA、ベータヒト絨毛性ゴナドトロピン、AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、腸カルボキシルエステラーゼ、及びmut hsp 70-2から選択される固形腫瘍関連抗原;(iv)中皮腫、肺がん、膵臓がん、食道腺癌、卵巣がん、乳がん、結腸直腸がん、膀胱がん、又はそれらの任意の組み合わせの内部/上部に存在する固形腫瘍関連抗原;(v)血液のがんに関連する腫瘍抗原;(vi)急性白血病(限定されないが、B細胞性急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞性急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)を含む)、及び慢性白血病(限定されないが、慢性骨髄性白血病(CIVIL)及び慢性リンパ性白血病(CLL)を含む)から選択される疾患に存在する腫瘍抗原、並びに(vii)ミエロペルオキシダーゼ及び好中球エラスターゼを含むがこれらに限定されない治療抵抗性がんに存在する腫瘍抗原から選択される1以上の抗原に特異的に結合することが可能な抗原結合ドメインを含み、これらには、細胞株、ハイブリドーマによる発現、細菌、酵母若しくは他の宿主細胞によるインビトロでの発現、又は任意の他の合成方法によって産生されるかどうかにかかわらず、ScFv、Fab、CDRループ、CDR移植片、dAb及びナノボディ断片の非物質的バリアント、変異、断片又は誘導体である任意のタンパク質又はペプチドが含まれる。
【0018】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素は、配列番号4と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0019】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素は、配列番号53と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0020】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与と同日又はその前日に1回静脈内注射される。
【0021】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後から開始して週に1回静脈内注射される。
【0022】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後から開始して月に1回静脈内注射される。
【0023】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の1週間前に静脈内注射される。
【0024】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の1ヶ月前に静脈内注射される。
【0025】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の21日前から投与の14日後に1回静脈内注射される。
【0026】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後少なくとも14日間静脈内注射される。
【0027】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後少なくとも16日間静脈内注射される。
【0028】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与前、、投与時、又は投与後少なくとも3日間静脈内注射される。
【0029】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与後少なくとも7日間静脈内注射される。
【0030】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与前少なくとも7日間静脈内注射される。
【0031】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与前又は投与後少なくとも3日間静脈内注射される。
【0032】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、少なくとも250μg/kg/日の用量で静脈内注射される。
【0033】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、少なくとも600μg/kg/日の用量で静脈内注射される。
【0034】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、少なくとも900μg/kg/日の用量で静脈内注射される。
【0035】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、少なくとも2.5mg/kg/日の用量で静脈内注射される。
【0036】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、少なくとも5mg/kg/日の用量で静脈内注射される。
【0037】
DNase酵素タンパク質を用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素タンパク質は、少なくとも7.5mg/kg/日で静脈内注射される。
【0038】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、CAR発現細胞又はTCR発現細胞は、免疫チェックポイント阻害剤分子を発現するようにさらに改変される。
【0039】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素は、低酸素環境におけるCAR発現細胞の有効性を増大させる量で使用される。
【0040】
DNase酵素をコードするベクターを用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素をコードするベクターは、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の少なくとも14日前に、静脈内及び/又は腫瘍部位に注射される。
【0041】
DNase酵素をコードするベクターを用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素をコードするベクターは、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の少なくとも3日前に、静脈内及び/又は腫瘍部位に注射される。
【0042】
DNase酵素をコードするベクターを用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素をコードするベクターは、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与と同時に静脈内及び/又は腫瘍部位に注射される。
【0043】
DNase酵素をコードするベクターを用いる上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNase酵素をコードするベクターは、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の投与の3日後に静脈内及び/又は腫瘍部位に注射される。
【0044】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、CAR発現細胞は、CAR T細胞である。
【0045】
別々の態様において、本発明は、(i)デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素と、(ii)キメラ抗原受容体(CAR)及び/又はT細胞受容体(TCR)とを発現する細胞を提供する。いくつかの実施形態において、細胞はさらに、免疫チェックポイント阻害剤分子を発現する。いくつかの実施形態において、CAR又はTCRは、単一の標的又は複数の標的である。いくつかの実施形態において、CARは、(i)CD5、CD7、CD19、CD28、メソテリン、CD123、CD30、CD171、CS-1、CLL-1、CD33、EGFRvIII、GD2、GD3、BCMA、Tn Ag、PSMA、ROR1、FLT3、FAP、TAG72、CD38、CD44v6、CEA、EPCAM、B7H3、KIT、IL-13Ra2、IL-11Ra、PSCA、PRSS21、VEGFR2、ルイスY、CD24、PDGFR-ベータ、SSEA-4、CD20、葉酸受容体アルファ、FR-1、c-MET、EGFR/CD133、IL13Ra2、HER2、ERBB2(Her2/neu)、MUC1、EGFR、NCAM、プロスターゼ、PAP、ELF2M、エフリンB2、IGF-I受容体、CAIX、LMP2、gp100、bcr-abl、チロシナーゼ、EphA2、フコシルGM1、sLe、GM3、TGS5、HMWMAA、o-アセチル-GD2、葉酸受容体ベータ、TEM1/CD248、TEM7R、CLDN6、TSHR、GPRC5D、CXORF61、CD97、CD179a、ALK、ポリシアル酸、PLAC1、GloboH、NY-BR-1、UPK2、HAVCR1、ADRB3、PANX3、GPR20、LY6K、OR51E2、TARP、WT1、NY-ESO-1、LAGE-1a、MAGE-A1、レグマイン、HPV E6,E7、MAGE A1、ETV6-AML、精子タンパク質17、XAGE1、Tie 2、MAD-CT-1、MAD-CT-2、Fos-関連抗原1、p53、p53変異体、プロステイン、サバイビン、テロメラーゼ、PCTA-1/ガレクチン8、MelanA/MART1、Ras変異体、hTERT、肉腫転座切断点、ML-IAP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、MYCN、RhoC、TRP-2、CYP1B1、BORIS、SART3、PAX5、OY-TES1、LCK、AKAP-4、SSX2、RAGE-1、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2、腸内カルボキシルエステラーゼ、及びmut hsp70-2から選択される腫瘍抗原;(ii)固形腫瘍に関連する抗原;(iii)メソテリン、EGFRvIII、GD2、CLDN6、Tn Ag、PSMA、CD97、TAG72、CD44v6、CEA、EPCAM、KIT、IL-13Ra2、レグマイン、CD171、PSCA、TARP、MAD-CT-1、ルイスY、CD24、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、ERBBs、MUC1、EGFR、NCAM、PDGFR-ベータ、MAD-CT-2、Fos-関連抗原、SSEA-4、好中球エラスターゼ、CAIX、HPV E6 E7、ML-IAP、NA17、ALK、アンドロゲン受容体ポリシアル酸(plsialic acid)、TRP-2、CYP1B1、PLAC1、GloboH、NY-BR-1、精子タンパク質17、HMWMAA、ベータヒト絨毛性ゴナドトロピン、AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、腸カルボキシルエステラーゼ、及びmut hsp 70-2から選択される固形腫瘍関連抗原;(iv)中皮腫、肺がん、膵臓がん、食道腺癌、卵巣がん、乳がん、結腸直腸がん、膀胱がん、又はそれらの任意の組み合わせの内部/上部に存在する固形腫瘍関連抗原;(v)血液のがんに関連する腫瘍抗原;(vi)急性白血病(限定されないが、B細胞性急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞性急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)を含む)、及び慢性白血病(限定されないが、慢性骨髄性白血病(CIVIL)及び慢性リンパ性白血病(CLL)を含む)から選択される疾患に存在する腫瘍抗原、並びに(vii)ミエロペルオキシダーゼ及び好中球エラスターゼを含むがこれらに限定されない治療抵抗性がんに存在する腫瘍抗原から選択される1以上の抗原に特異的に結合することが可能な抗原結合ドメインを含み、これらには、細胞株、ハイブリドーマによる発現、細菌、酵母若しくは他の宿主細胞によるインビトロでの発現、又は任意の他の合成方法によって産生されるかどうかにかかわらず、ScFv、Fab、CDRループ、CDR移植片、dAb及びナノボディ断片の非物質的バリアント、変異、断片又は誘導体である任意のタンパク質又はペプチドが含まれる。いくつかの実施形態において、DNase酵素は、配列番号4と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素は、配列番号53と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0046】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の説明、特許請求の範囲及び図面において当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は、対照、CAR19とDNase I、CAR19、及びDNase Iの実験グループについてノギスで測定し、楕円体の式を使用して推定した腫瘍体積(mm)を示す。ヒト組換えDNase I酵素の静脈内(IV)注射は、CD19 CAR T細胞に実質的な有効性の強化を提供した。
図2図2は、対照、CAR19とDNase I、CAR19、及びDNase Iの実験グループの生存グラフを示し、CAR T細胞とAAV DNase I遺伝子導入の組み合わせによる生存利益を実証する。
図3A-C】図3A~3Cは、PD-L1を発現する転移性MC32a細胞のパーセンテージを示すフローサイトメトリー分析を示す。対照(図3)と比較して、PD-L1発現は、AAV-DNase I遺伝子導入(図3B)、及びCAR T細胞との組み合わせ(図3C)で処置したマウスの転移性病変からの転移性MC32a細胞において抑制された。
図4図4は、MC32a転移性病変の実質におけるがん胎児性抗原(CEA)標的化CAR T細胞のパーセンテージのグラフを示す。データは、CAR T細胞とAAV DNase I遺伝子導入の組み合わせで処置したマウスからの転移性病変におけるCAR T細胞のパーセンテージの増加を示している。
図5図5A~5Bは、例示的なウイルスベクターの構築の概略図を示す。図5Aは、EF-1αプロモーター及びCD3ζドメインを含むmDNaseI mut P2A 4D5 IgG4 CAR(4,237bp)のダイアグラムを示す。図5Bは、mDNase I P2A IgG4 CAR(12,146bp)を含むウイルスベクターの完全な配列マップを示す。
図6図6は、DNase I FL1-CAR-T、FL1-CAR-T、及び非形質導入対照T細胞の培地中の、蛍光プローブを用いて分析したDNase活性のグラフを示す。活性をpM/s(ピコメートル/秒)として測定した。データは、DNase I FL1-CAR-Tの培養培地におけるデオキシリボヌクレアーゼ活性の漸増を示している。
図7図7は、Raji-FL1細胞と同時インキュベートしたFL1-CAR T、DNase I FL1-CAR-T及び非形質導入(モック)対照T細胞についての乳酸(lactase)デヒドロゲナーゼ(LDH)放出アッセイによる細胞毒性の評価を示す。CARとDNase I酵素を同時に発現するようにT細胞をリプログラミングすると、標的リンパ腫細胞に対して優れた細胞毒性をもたらした。E:T比、エフェクター対標的細胞の比。
図8図8は、プラセボ対照(グループ1)、FL1 CAR T細胞(グループ2)及び高活性アクチン耐性変異体DNase I(配列番号5)を発現するFL1 CAR T細胞(グループ3)の実験グループについてノギスで測定し、楕円体の式を使用して推定した腫瘍体積(mm)を示す。CARとデオキシリボヌクレアーゼ酵素を同時に発現するようにT細胞をリプログラミングすると、そのような二重リプログラムT細胞に関して優れた有効性を提供した。
図9図9は、末梢血中のCAR-T細胞の数を示す(ビオチン化プロテインL及びFITCとコンジュゲートしたストレプトアビジンを用いたフローサイトメトリー検出により決定した)。データは、DNaseとCAR-T細胞療法の組み合わせが血液中のCAR-T細胞の存続を有意に(全てについてp<0.05)増加させることを示している。
図10図10は、DNaseとCAR-T細胞療法の組み合わせが動物の生存を高めることを実証する。
図11図11は、サイトカイン放出症候群(CRS)を有する動物のパーセンテージを示し、DNaseの使用がCAR-T療法の安全性を高め、CAR-T関連副作用から保護することを実証する。
【発明を実施するための形態】
【0048】
発明の詳細な説明
本発明は、デオキシリボヌクレアーゼ酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を発現する細胞を含む養子細胞免疫療法との組み合わせを利用するがんの処置方法に関する。特定の実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素は、非経口的に与えられるか又はベクターによってコードされるか又はTCR若しくはCARを含む細胞によって分泌され得る。
【0049】
定義
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0050】
単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「その」は、文脈が特に明確に指示しない限り、複数形の言及を含む。そのため、例えば、「方法」という言及は、本明細書に記載の、及び/又は本開示を読んだ上で当業者に明らかになるであろうタイプの1以上の方法、及び/又は工程を含む。
【0051】
「約」又は「およそ」という用語は、値の統計的に意味のある範囲内にあることを含む。そのような範囲は、一桁以内、好ましくは50%以内、より好ましくは20%以内、さらにより好ましくは10%以内、さらにより好ましくは所与の値又は範囲内の5%以内であり得る。「約」又は「およそ」という用語に包含される、許容される変形形態は、研究中の特定のシステムに依存し、当業者なら容易に理解することができる。
【0052】
DNase酵素
ある態様において、本発明は、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞とを対象に投与することを含む方法を提供する。関連する態様において、本発明は、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、対象にDNase酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞とを投与することを含み、前記DNase酵素が、腫瘍組織において免疫抑制タンパク質の発現を低減させるため、及び/又は腫瘍組織内のキメラ抗原受容体又はT細胞受容体を含む細胞の含量を増加させるために有効である方法を提供する。いくつかの実施形態において、DNase酵素は、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質として非経口投与される。いくつかの実施形態において、DNase酵素は、ベクターによってコードされる。いくつかの実施形態において、DNase酵素は、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む細胞によって同時発現される。いくつかの実施形態において、DNase酵素は、低酸素環境におけるCAR発現細胞の有効性を増大させるために使用される。
【0053】
本発明のいずれかの方法において有用であり得るDNase酵素の非限定的な例としては、例えば、DNase I、DNase X、DNase γ、DNase1L1、DNase1L2、DNase1L3、DNase II、DNase IIα、DNase IIβ、カスパーゼ活性化DNase(CAD)、エンドヌクレアーゼG(ENDOG)、グランザイムB(GZMB)、ホスホジエステラーゼI、ラクトフェリン、アセチルコリンエステラーゼ、及びそれらの変異体又は誘導体、バリアント又は類似体が挙げられる。
【0054】
いくつかの実施形態において、DNaseは、DNase I又はその変異体若しくは誘導体であり得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、DNase Iは、ヒトDNase I又はその変異体若しくは誘導体であり得る。いくつかの実施形態において、DNase Iは、非ヒトDNase I又はその変異体若しくは誘導体、例えば、限定するものではないが、げっ歯類(例えば、マウス)DNase I又はその変異体若しくは誘導体であり得る。
【0056】
いくつかの実施形態において、DNase酵素は、ヒトDNase 1酵素と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase酵素は、ヒトDNase I酵素と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、DNase酵素は、DNase1様3(D1L3)酵素(配列番号51)のアミノ酸21~305と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase酵素は、DNase1様3(D1L3)酵素(配列番号51)のアミノ酸21~305と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、DNase Iは、配列番号1の配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase Iアミノ酸配列は、配列番号22と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNase Iは、配列番号22のヌクレオチド配列によってコードされる配列番号1のアミノ酸配列を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、DNase Iは、配列番号4の配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase Iアミノ酸配列は、配列番号23と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNase Iは、配列番号23のヌクレオチド配列によってコードされる配列番号4のアミノ酸配列を含む。
【0060】
いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、アクチン結合部位において1以上の変異を含み得る。いくつかの実施形態において、アクチン結合部位における1以上の変異は、Gln-9、Glu-13、Thr-14、His-44、Asp-53、Tyr-65、Val-66、Val-67、Glu-69、Asn-74、Ala-114における変異、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、アクチン結合部位における変異の1つは、Ala-114における変異である。
【0061】
いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、DNase活性を増加させる1以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、DNase活性を増加させる1以上の変異は、Q9R、E13R、E13K、T14R、T14K、H44R、H44K、N74K、A114F及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、DNase活性を増加させる1以上の変異は、Q9R、E13R、N74K、及びA114Fからなる群から選択される。
【0062】
いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、H44C、H44N、L45C、V48C、G49C、L52C、D53C、D53R、D53K、D53Y、D53A、N56C、D58S、D58T、Y65A、Y65E、Y65R、Y65C、V66N、V67E、V67K、V67C、E69R、E69C、A114C、A114R、H44N:T46S、D53R:Y65A、D53R:E69R、H44A:D53R:Y65A、H44A:Y65A:E69R、H64N:V66S、H64N:V66T、Y65N:V67S、Y65N:V67T、V66N:S68T、V67N:E69S、V67N:E69T、S68N:P70S、S68N:P70T、S94N:Y96S、S94N:Y96T、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、DNaseの長時間作用型である。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、DNaseの高活性バリアント型である。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号5のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号2のアミノ酸配列を含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号5の配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体アミノ酸配列は、配列番号21と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNase I変異体アミノ酸配列は、配列番号18と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、変異Q9R、E13R、N74K及びA114Fを含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号5の配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号21のヌクレオチド配列によってコードされる配列番号5のアミノ酸配列を含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号2の配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体アミノ酸配列は、配列番号19と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、変異Q9R、E13R、N74K及びA114Fを含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号2の配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号19のヌクレオチド配列によってコードされる配列番号2のアミノ酸配列を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号2又は配列番号5の配列からなる。
【0066】
本発明のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、DNaseをコードする配列は、分泌シグナル配列を含み、前記分泌シグナル配列は、対象へのベクターの投与時に、肝門脈類洞循環(hepatic porto-sinusoidal circulation)への酵素の有効な分泌を媒介する。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、DNase I分泌シグナル配列、IL2分泌シグナル配列、アルブミン分泌シグナル配列、β-グルクロニダーゼ分泌シグナル配列、アルカリプロテアーゼ分泌シグナル配列、及びフィブロネクチン分泌シグナル配列からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MRGMKLLGALLALAALLQGAVS(配列番号6)と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MRGMKLLGALLALAALLQGAVS(配列番号6)を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MRGMKLLGALLALAALLQGAVS(配列番号6)からなる。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MYRMQLLSCIALSLALVTNS(配列番号7)と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MYRMQLLSCIALSLALVTNS(配列番号7)を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MYRMQLLSCIALSLALVTNS(配列番号7)からなる。
【0067】
いくつかの実施形態において、DNase酵素は、DNase I、DNase X、DNase γ、DNase1L1、DNase1L2、DNase1L3、DNase II、DNase IIα、DNase IIβ、カスパーゼ活性化DNase(CAD)、エンドヌクレアーゼG(ENDOG)、グランザイムB(GZMB)、ホスホジエステラーゼI、ラクトフェリン、アセチルコリンエステラーゼ、及びそれらの変異体又は誘導体、バリアント又は類似体からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、DNase酵素は、DNase I又はその変異体若しくは誘導体である。いくつかの実施形態において、DNase Iは、ヒトDNase I又はその変異体若しくは誘導体である。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、アクチン結合部位において1以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、アクチン結合部位における1以上の変異は、Gln-9、Glu-13、Thr-14、His-44、Asp-53、Tyr-65、Val-66、Val-67、Glu-69、Asn-74、Ala-114における変異、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、アクチン結合部位における変異の1つは、Ala-114における変異である。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、DNase活性を増加させる1以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、DNase活性を増加させる1以上の変異は、Q9R、E13R、E13K、T14R、T14K、H44R、H44K、N74K、A114F、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、DNase活性を増加させる1以上の変異は、Q9R、E13R、N74K、及びA114F、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号5の配列と少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、変異Q9R、E13R、N74K、及びA114Fを含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号5の配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号5の配列からなる。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号2の配列と少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、変異Q9R、E13R、N74K、及びA114Fを含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号2の配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、配列番号2の配列からなる。いくつかの実施形態において、DNase I変異体は、H44C、H44N、L45C、V48C、G49C、L52C、D53C、D53R、D53K、D53Y、D53A、N56C、D58S、D58T、Y65A、Y65E、Y65R、Y65C、V66N、V67E、V67K、V67C、E69R、E69C、A114C、A114R、H44N:T46S、D53R:Y65A、D53R:E69R、H44A:D53R:Y65A、H44A:Y65A:E69R、H64N:V66S、H64N:V66T、Y65N:V67S、Y65N:V67T、V66N:S68T、V67N:E69S、V67N:E69T、S68N:P70S、S68N:P70T、S94N:Y96S、S94N:Y96T、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号4の配列を含むDNase Iをコードする。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号23と少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号23のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号1の配列を含むDNase Iをコードする。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号22と少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号22のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号32と少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号32のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号24の配列を含むDNase Iをコードする。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号29と少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号29のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号26の配列を含むDNase Iをコードする。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号28と少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号28のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号5の配列を含むDNase I変異体をコードする。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号21と少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号21のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号2の配列を含むDNase I変異体をコードする。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号19と少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号19のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、DNase酵素は、(ii)アルブミン又はFc又はその断片に連結された(i)DNase酵素又はその断片を含む融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、DNase酵素をコードする配列は、分泌シグナル配列をコードする配列を含み、前記分泌シグナル配列は、酵素の効果的な分泌を媒介する。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、DNase I分泌シグナル配列、IL2分泌シグナル配列、アルブミン分泌シグナル配列、β-グルクロニダーゼ分泌シグナル配列、アルカリプロテアーゼ分泌シグナル配列、及びフィブロネクチン分泌シグナル配列からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MRGMKLLGALLALAALLQGAVS(配列番号6)又はMYRMQLLSCIALSLALVTNS(配列番号7)を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MRGMKLLGALLALAALLQGAVS(配列番号6)又はMYRMQLLSCIALSLALVTNS(配列番号7)からなる。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MRGMKLLGALLALAALLQGAVS(配列番号6)と少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列又はMYRMQLLSCIALSLALVTNS(配列番号7)と少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列をコードする配列は、配列番号20と少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列をコードする配列は、配列番号20のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MRYTGLMGTLLTLVNLLQLAGT(配列番号25)を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、配列MRYTGLMGTLLTLVNLLQLAGT(配列番号25)からなる。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列は、MRYTGLMGTLLTLVNLLQLAGT(配列番号25)の配列と少なくとも80%又は少なくとも85%若しくは少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、分泌シグナル配列をコードする配列は、配列番号27のヌクレオチド配列を含む。別の実施形態において、本発明の核酸は、配列番号30又は配列番号31の配列を含む。
【0068】
AAVベクター
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるDNase酵素は、ベクター(例えば、遺伝子治療ベクター)によってコードされ得る。いくつかの実施形態において、ベクターは、(i)キャプシドタンパク質と、(ii)デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸とを含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)発現ベクターである。
【0069】
いくつかの実施形態において、ベクターは、ウイルスベクターである。ウイルスベクターの非限定的な例としては、例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター(例えば、レンチウイルスベクター)、及び肝指向性ウイルスベクター(例えば、B型肝炎ウイルス(HBV)ベクター)が挙げられる。
【0070】
ある実施形態において、本発明のベクターは、パルボウイルスベクター、例えばアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。本明細書において使用される「パルボウイルス」という用語は、自己複製するパルボウイルス及びディペンドウイルスを含むパルボウイルス科を包含する。自律性パルボウイルスには、パルボウイルス属、エリスロウイルス属、デンソウイルス属、イテラウイルス属、及びコントラウイルス属のメンバーが含まれる。自律性パルボウイルスには、限定するものではないが、マウス微小ウイルス、ウシパルボウイルス、イヌパルボウイルス、ニワトリパルボウイルス、ネコ汎血球減少症ウイルス、ネコパルボウイルス、ガチョウパルボウイルス、H1パルボウイルス、バリケンパルボウイルス、B19ウイルス、及び現在公知の又は後に発見された任意の他の自律性パルボウイルスが含まれる。他の自律性パルボウイルスは当業者に公知である。例えば、Bernard N. Fieldsら,Virology,2巻、69章(第4版、Lippincott-Raven Publishers)を参照されたい。
【0071】
いくつかの実施形態において、パルボウイルスベクターは、AAVベクターなどの一本鎖パルボウイルスベクターである。AAV(ディペンドウイルス属)は、通常、ヒト(例えば、血清型1、2、3A、3B、4、5、及び6)又は霊長類(例えば、血清型1及び4)、又は他の温血動物(例えば、ウシ、イヌ、ウマ、及びヒツジのAAV)に感染する。パルボウイルス及びパルボウイルス科の他のメンバーに関するさらなる情報は、例えば、Kenneth I.Berns、「パルボウイルス科:ウイルスとその複製(Parvoviridae:The Viruses and Their Replication)」、69章、Fields Virology(第3版、1996)に提供されている。
【0072】
本明細書に開示されるAAVベクターは、血清型(例えば、「偽型」AAV)の組み合わせを含む任意のAAV血清型又は様々なゲノム(例えば、一本鎖又は自己相補的)から誘導され得る。「血清型」は伝統的に、あるウイルスに対する抗体と別のウイルスに対する抗体との間の交差反応性の欠如に基づいて定義される。そのような交差反応性の違いは、通常、キャプシドタンパク質配列/抗原決定基の違いによるものである(例えば、VP1、VP2、及び/又はVP3の配列の違いによる)。本発明のAAV発現ベクターを開発するために使用することができるAAV血清型の非限定的な例としては、例えば、AAV血清型1(AAV1)、AAV2、AAV3(3A型及び3B型を含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh10(例えば、米国特許第9,790,472号、国際特許出願公開WO2017180857号及びWO2017/180861に開示されているような)、AAV-LK03、AAV-LK06、AAV-LK12(例えば、Wangら、Mol.Ther.,2015、23(12):1877-1887に開示されているような)、AAV-KP1(例えば、国際特許出願公開WO2019191701A1号に開示されているような)、AAVhu37(例えば、国際特許出願公開WO2017180857に開示されているような)、AAVrh64R1(例えば、国際特許出願公開WO2017180857に開示されているような)、Anc80(血清型AAV1、AAV2、AAV8及びAAV9の予測される祖先に基づく;Zinnら、Cell Rep.、2015、12(67):1056-1068を参照されたい)、鳥類AAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、ヒツジAAV、及びそれらの任意のキメラが挙げられる。例えば、Fieldsら、Virology,2巻,69章(第4版、Lippincott-Raven Publishers)を参照されたい。
【0073】
多数の推定される新しいAAV血清型及びクレードが同定されている(例えば、Gaoら、(2004)J.Virology 78:6381-6388;Morisら、(2004)Virology 33-:375-383)。AAV及び自律性パルボウイルスの様々な血清型のゲノム配列、並びに末端反復、Repタンパク質、及びキャプシドサブユニットの配列は、当技術分野で公知であり、例として、Srivistavaら,(1983)J.Virology 45:555;Chioriniら,(1998)J.Virology 71:6823;Chioriniら,(1999)J.Virology 73:1309;Bantel-Schaalら,(1999)J.Virology 73:939;Xiaoら,(1999)J.Virology 73:3994;Muramatsuら,(1996)Virology 221:208;Shadeら,(1986)J.Virology 58:921;Gaoら,(2002)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 99:11854;Morisら,(2004)Virology 33-:375-383;GenBankアクセッション番号U89790;GenBankアクセッション番号J01901;GenBankアクセッション番号AF043303;GenBankアクセッション番号AF085716;GenBankアクセッション番号NC006152;GenBankアクセッション番号Y18065;GenBankアクセッション番号NC 006260;GenBankアクセッション番号NC_006261;国際特許公開WO00/28061、WO99/61601、WO98/11244;及び米国特許第6,156,303号であり、その開示は、パルボウイルス及びAAVの核酸及びアミノ酸配列を教示するために本明細書に参照により組み込まれる。
【0074】
全ての既知のAAV血清型のゲノム構成は、非常に類似している。AAVのゲノムは、長さが約5,000ヌクレオチド(nt)未満の直鎖状の一本鎖DNA分子である。逆位末端配列(ITR)は、非構造複製(Rep)タンパク質及び構造(VP)タンパク質の固有のコードヌクレオチド配列に隣接している。VPタンパク質(VP1、VP2及びVP3)はキャプシドを形成する。末端145ヌクレオチドは自己相補的であり、T字型のヘアピンを形成するエネルギー的に安定な分子内二本鎖が形成され得るように構築されている。それらのヘアピン構造は、ウイルスDNA複製の起点として機能し、細胞DNAポリメラーゼ複合体のプライマーとして作用する。哺乳類細胞におけるwtAAV感染後に、Rep遺伝子(すなわちRep78及びRep52)は、それぞれP5プロモーター及びP19プロモーターから発現され、両方のRepタンパク質はウイルスゲノムの複製において機能を有する。
【0075】
いくつかの実施形態において、組換えAAV(rAAV)ベクターは、少なくとも1つのパルボウイルス又はAAV逆位末端反復配列(ITR)が隣接する目的の1以上のヌクレオチド配列を含む。そのようなrAAVベクターは、AAV rep及びcap遺伝子産物(すなわち、AAV Rep及びCapタンパク質)を発現しているパッケージング細胞内で産生される場合に複製され、ウイルス粒子にパッケージングされ得る。「AAV Capタンパク質」又は「AAVキャプシドタンパク質」という用語は、本明細書で使用される場合、天然AAV Capタンパク質(例えば、VP1、VP2、VP3)の少なくとも1つの機能的活性を有するポリペプチドを指す。Capタンパク質(例えば、VP1、VP2、VP3)の機能的活性の例としては、キャプシドの形成を誘導する能力、一本鎖DNAの蓄積を促進する能力、キャプシドへのAAV DNAパッケージング(すなわち、キャプシド化)を促進する能力、細胞受容体に結合する能力、及び宿主細胞へのビリオンの侵入を促進する能力が挙げられる。
【0076】
いくつかの実施形態において、AAVベクターは、所望のタンパク質又はタンパク質バリアントを含み得る。本明細書において使用される「バリアント」は、1以上のアミノ酸が変更されたアミノ酸配列を指す。バリアントは「保存的」変化を有してよく、置換アミノ酸は、類似の構造的又は化学的特性、例えば、ロイシンのイソロイシンによる置換を有する。よりまれに、バリアントは、「非保存的」変化、例えばグリシンのトリプトファンへの置換を有することがある。類似の軽微な多様性はまた、アミノ酸の欠失又は挿入、あるいはその両方も含み得る。
【0077】
AAVベクターは、AAVウイルスキャプシドにパッケージングされる。AAVウイルスキャプシドタンパク質の配列は、特定のAAVベクターの多数の特徴を定義する。例えば、キャプシドタンパク質は、とりわけ、キャプシドの構造及びアセンブリ、Rep及びAAPタンパク質などのAAV非構造タンパク質との相互作用、宿主の体液及び細胞外マトリックスとの相互作用、血液からのウイルスのクリアランス、血管透過性、抗原性、中和抗体に対する反応性、組織/器官/細胞型指向性、細胞接着及び内在化の効率、細胞内輸送経路、ビリオン非コーティング率に影響を及ぼす。キャプシドタンパク質(例えば、VP3)の配列は、肝臓への送達を増強するように変更され得る。
【0078】
AAVコンストラクトは、本明細書に開示されるポリヌクレオチド配列をパッケージングする1以上のキャプシドタンパク質(VP1及び/又はVP2、及び/又はVP3キャプシドタンパク質、好ましくは単にVP3キャプシドタンパク質)をコードする配列を含み得る。本発明の文脈で使用するためのキャプシドタンパク質(複数可)をコードする配列は、既知の42種の血清型、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、Anc80のいずれかから、又は例えば、キャプシドシャッフリング技術及び/若しくはAAVキャプシドライブラリーの使用によって得られる新たに開発されたAAV様粒子から得られ得る。キャプシドタンパク質配列のいくつかの非限定的な例については、例えば、米国特許第9,790,472号;同第9,677,089号;同第7,282,199号;国際特許出願公開WO2015/054653、W02017/180857(AAV8、AAV9、AAVrh10、AAVhu37、AAVrh64R1)、W02017/180861(AAVrh10)、W02017/180854(AAV8変異体)、及びWangら、Mol.Ther.、2015,23(12):1877-1887(AAV8、AAVrh10、AAV3B、及びAAV-LK03)を参照されたい。キャプシドタンパク質をコードする配列がITRとは異なるAAV血清型に由来する場合、AAVコンストラクトは、国際特許出願公開WO00/28004及びChaoら,(2000)Molecular Therapy2:619に記載される「ハイブリッド」パルボウイルスゲノム(すなわち、AAVキャプシドとAAV末端反復(複数可)は異なるAAVからのものである)として公知である。
【0079】
いくつかの実施形態において、キャプシドタンパク質(複数可)は、肝臓へのAAVベクターの効率的な標的化を媒介する。いくつかの実施形態において、キャプシドタンパク質(複数可)は、肝臓に対するAAVベクターの優先的標的化を媒介する。いくつかのキャプシドタンパク質(例えば、Anc80、AAV8及びAAV3BのVP3)は、天然では肝臓特異的である。本発明はまた、肝臓標的化及び/又は肝臓特異性を増強するAAVキャプシド変異体の使用も包含する。AAV8キャプシド配列に対するそのような点変異の非限定的な例としては、例えば、S279A、S671A、K137R、及びT252A、並びに国際特許出願公開WO2017/180854に開示されているAAV8キャプシド変異(例えば、AAV3G1、AAVT20又はAAVTR1、アミノ酸263~267[例えば、263NGTSG267→SGTH又は263NGTSG267→SDTH(「NGTSG」は配列番号54として開示され;「SGTH」は配列番号55として開示され、「SDTH」は配列番号56として開示される)、及び/又はアミノ酸457~459[例えば、457TAN459→SRP]、及び/又はアミノ酸455~459[例えば、455GGTAN459→DGSGL](「GGTAN」は配列番号57として開示され、「DGSGL」は配列番号58として開示される)、及び/又はアミノ酸583~597におけるVP3変異)が挙げられる。
【0080】
いくつかの実施形態において、キャプシドタンパク質(複数可)は、神経系へのAAVベクターの効率的な標的化を媒介する。いくつかの実施形態において、キャプシドタンパク質(複数可)は、肝臓と神経系の両方に対するAAVベクターの優先的標的化を媒介する。いくつかのキャプシドタンパク質は、天然では肝臓と神経系の両方を標的にする。本発明はまた、肝臓及び/又は神経系への標的化を増強するAAVキャプシド変異体の使用も包含する。
【0081】
いくつかの実施形態において、キャプシドタンパク質は、対応する野生型キャプシドタンパク質と比較して、肝臓及び/又は神経系へのベクターの送達の効率及び/又は特異性を改善する1以上の変異を含む。一実施形態において、肝臓へのベクターの送達の改善された効率及び/又は特異性は、他の組織及び器官と比較して肝臓における酵素の発現を実質的に高める。一実施形態において、神経系へのベクターの送達の改善された効率及び/又は特異性は、他の組織及び器官と比較して、神経系における酵素の発現を実質的に高める。一実施形態において、キャプシドタンパク質はVP3を含む。一実施形態において、キャプシドタンパク質における1以上の変異は、S279A、S671A、K137R、T252A、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。一実施形態において、キャプシドタンパク質における1以上の変異には、変異K137Rが含まれる。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号34の配列を含む。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号34の配列からなる。
【0082】
いくつかの実施形態において、キャプシドタンパク質は、S279A、S671A、K137R、T252A、及びそれらの任意の組み合せからなる群から選択される1以上の変異を含む。一実施形態において、キャプシドタンパク質における1以上の変異には、変異K137Rが含まれる。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号3の配列[Anc80]を含む。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号3の配列[Anc80]からなる。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号9の配列[Anc80]を含む。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号9の配列[Anc80]からなる。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号34の配列[Anc80L65]を含む。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号34の配列[Anc80L65]からなる。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号35の配列[Anc80L65バリアント]を含む。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号35の配列[Anc80L65バリアント]からなる。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、変異体AAV8キャプシドタンパク質、例えば、AAV3G1、AAVT20又はAAVTR1、又は国際特許出願公開WO2017/180854に開示される別の変異体キャプシドタンパク質(例えば、アミノ酸263~267[例えば、263NGTSG267→SGTH又は263NGTSG267→SDTH(「NGTSG」は、配列番号54として開示され:「SGTH」は配列番号55として開示され、「SDTH」は配列番号56として開示される)]、及び/又はアミノ酸457~459[例えば、457TAN459→SRP]、及び/又はアミノ酸455~459[例えば、455GGTAN459→DGSGL](「GGTAN」は配列番号57として開示され、「DGSGL」は配列番号58として開示される)、及び/又はアミノ酸583~597におけるVP3変異を含む)である。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号47の配列[AAV-LK03]を含む。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号47の配列[AAV-LK03]からなる。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号49の配列[AAV-KP1]を含む。一実施形態において、キャプシドタンパク質は、配列番号49の配列[AAV-KP1]からなる。
【0083】
本明細書に開示されるAAVベクターには、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素をコードする核酸が含まれる。様々な実施形態において、核酸はまた、コードされた酵素の発現及び分泌を可能にする1以上の調節配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、配列内リボソーム侵入部位(IRES)、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)をコードする配列、分泌シグナル配列などを含み得る。そのため、いくつかの実施形態において、核酸は、トランスフェクトされた細胞において目的のタンパク質の発現を生じさせるか又は改善するためにコード配列に作動可能に連結されたプロモーター領域を含み得る。そのようなプロモーターは、例えば、肝臓及び/又は神経系におけるタンパク質の効率的及び安定な産生を可能にするために、遍在する、細胞又は組織特異的、強い、弱い、調節された、キメラなどのプロモーターであり得る。プロモーターは、コードされたタンパク質に相同であっても異種であってもよいが、一般的に、開示される方法で使用するプロモーターはヒト細胞で機能的である。調節プロモーターの例としては、限定するものではないが、Tetオン/オフエレメント含有プロモーター、ラパマイシン誘導性プロモーター、タモキシフェン誘導性プロモーター、及びメタロチオネインプロモーターが挙げられる。使用され得る他のプロモーターには、例えば、肝臓、神経系及び/又は腸に対して組織特異的であるプロモーターが含まれる。肝臓特異的プロモーターの非限定的な例としては、例えば、アルブミンプロモーター(Alb)、ヒトアルファ-1アンチトリプシン(hAAT)プロモーター、チロキシン結合グロブリン(TBG)、アポリポタンパク質E肝制御領域プロモーター、アポリポタンパク質A-II(APOA2)プロモーター、セルピンペプチダーゼ阻害剤、クレードA、メンバー1(SERPINA1)(hAAT)プロモーター、シトクロムP450ファミリー3、サブファミリーAポリペプチド4(CYP3A4)プロモーター、マイクロRNA122(miR-122)プロモーター、肝臓特異的IGF-IIプロモーターP1、マウストランスサイレチン(MTTR)プロモーター、及びアルファ-フェトプロテイン(AFP)プロモーターが挙げられる。神経系特異的プロモーターの非限定的な例としては、例えば、ミクログリア特異的プロモーター(例えば、F4/80、CD68、TMEM119、CX3CR1、CMV、Iba1)、骨髄特異的プロモーター(例えば、TTR、CD11b、c-fes)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、CMV、NSE、シナプシン[SynI、SynII]、CaMKII、アルファ-CaMKII、VGLUT1)、及び他の神経細胞及びグリア細胞(例えば、乏突起膠細胞星細胞)タイプ特異的プロモーター(例えば、GFAP)が挙げられる。腸特異的プロモーターの非限定的な例としては、MUC2、ビリン、T3b、CB/CMV、GFAP、miCMV、CMV+I、tetO-CMV、及びβ-アクチン-CMVが挙げられる。ユビキタスプロモーターの非限定的な例としては、例えば、CMVプロモーター、RSVプロモーター、SV40プロモーターなどのウイルスプロモーター、及び細胞プロモーター、例えば、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、EF1aプロモーター、CMVE/CAGプロモーター系、及びβ-アクチンプロモーターが挙げられる。いくつかの実施形態において、プロモーターは、腫瘍発生組織又は転移標的組織に特異的である。
【0084】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるいずれかのAAVベクターは、プロモーターの上流又は下流に位置する1以上のエンハンサーを含み得る。いくつかの実施形態において、1以上のエンハンサーは、アポリポタンパク質E(ApoE)エンハンサー、アルファフェトプロテインエンハンサー、TTRエンハンサー、LSPエンハンサー、α1-ミクログロブリン/ビクニンエンハンサー、アルブミン遺伝子エンハンサー(Ealb)、nPE2エンハンサー、Gal4エンハンサー、foxP2エンハンサー、aMef2エンハンサー、CMVエンハンサー、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。一実施形態において、エンハンサーは、アポリポタンパク質E(ApoE)エンハンサーである。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、肝臓制御領域(HCR)エンハンサーである。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、配列番号17と少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。一実施形態において、エンハンサーは、配列番号17の配列を含む。一実施形態において、エンハンサーは、配列番号17の配列からなる。
【0085】
上記のいずれかのベクターの一実施形態において、核酸は、DNase酵素をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたポリアデニル化シグナルをさらに含む。
【0086】
いくつかの実施形態において、核酸は、コザック配列をさらに含む。1つの具体的な実施形態において、コザック配列は、5'-GCCGCCACC-3'(配列番号33)の配列を含む。一実施形態において、核酸は、配列番号30と少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、核酸は、配列番号30と少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、核酸は、配列番号30と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、核酸は、配列番号30と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、核酸は、配列番号30のヌクレオチド配列を含む。
【0087】
上記のいずれかのベクターの一実施形態において、核酸は、転写後調節エレメントをさらに含む。一実施形態において、転写後調節エレメントは、ウッドチャック肝炎転写後調節エレメント(WPRE)である。一実施形態において、WPREは、機能的なXタンパク質をコードしない。一実施形態において、転写後調節エレメントは、配列番号16と少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。一実施形態において、転写後調節エレメントは、配列番号16の配列を含む。一実施形態において、転写後調節エレメントは、配列番号16の配列からなる。
【0088】
本発明のAAVベクターはまた、分解不可能な末端反復を含み得る。本明細書で使用される場合、「分解不可能な末端反復」という表現は、AAV Repタンパク質によって認識されず、かつ分解(すなわち、「ニック」)されず、その結果、末端反復の分解能が実質的に低減される(例えば、分解可能な末端反復と比較して少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%又はそれ以上)か又は排除される末端反復に関する。そのような分解不可能な末端反復は、天然に存在する末端反復配列(その変更型を含む)であってよく、例えば、AAVを含むパルボウイルスに由来し得るか、又は別のウイルスに由来し得るか、又は、さらなる代替として、部分的若しくは完全に合成することができる。分解不可能な末端反復は、AAV Repタンパク質によって認識されない非AAVウイルス配列であり得るか、又はAAV Repタンパク質によって認識されなくなるように(例えば、挿入、置換及び/又は欠失によって)改変されたAAV末端反復であり得る。さらに、分解不可能な末端反復は、ウイルスベクターを生成するために用いられる条件下で分解不可能な任意の末端反復であり得る。さらに、AAV末端反復は、AAV Repタンパク質による分解能が実質的に低下又は排除されるように改変することができる。分解不可能な末端反復は、ヘアピン構造を形成し、AAV Repタンパク質がニッキングできない任意の逆反復配列であり得る。
【0089】
逆位末端配列(ITR)は、典型的には、AAVベクター中に少なくとも2コピーで存在し、典型的には、DNase酵素をコードするヌクレオチド配列(複数可)を含む発現カセットに隣接している。ITRは通常、DNase酵素をコードするヌクレオチド配列(複数可)の5'末端と3'末端に存在するが、それに隣接している必要はない。ITRは、互いに同じでも異なっていてもよい。「末端反復」という用語は、ヘアピン構造を形成し、Samulskiらの米国特許第5,478,745号に記載されている「ダブルD配列」などの逆位末端配列として機能する任意のウイルス末端反復及び/又は部分的若しくは完全な合成配列を含む。「AAV末端反復」は、血清型1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、Anc80、又は現在知られている若しくは後に発見される他の任意のAAVを含むが、これらに限定されない任意のAAVからのものであり得る。AAV末端反復は、末端反復が所望の機能、例えば複製、ニッキング、ウイルスパッケージング、組み込み、及び/又はプロウイルスレスキューなどを媒介する限り、野生型配列を有する必要はない(例えば、野生型配列は挿入、欠失、切断又はミスセンス変異によって改変され得る)。ベクターコンストラクトは、同じでも異なっていてもよい1以上の(例えば、2つの)AAV末端反復を含むことができる。さらに、1以上のAAV末端反復は、AAVキャプシドと同じAAV血清型からのものであり得るか、又は異なり得る。特定の実施形態において、ベクターコンストラクトは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、及び/又はAnc80末端反復を含む。
【0090】
パルボウイルスITRヌクレオチド配列は、典型的には、「A」、「B」、及び「C」領域とも呼ばれる、ほとんど相補的で対称的に配置された配列を含む回文配列である。ITRは、複製において「シス」の役割を有する部位、すなわち、例えば、回文及び回文内部の特異的配列を認識するRep78(又はRep68)などのトランス作用する複製タンパク質の認識部位である複製起点として機能する。ITR配列の対称性に対する1つの例外は、ITRの「D」領域である。それは特有である(1つのITR内に相補体がない)。一本鎖DNAのニッキングは、A領域とD領域の間の接合部で発生する。それは新しいDNA合成が始まる領域である。D領域は通常、回文の片側に位置し、核酸複製工程に方向性を提供する。哺乳類細胞内で複製するパルボウイルスは、典型的には2つのITR配列を有する。しかし、結合部位がA領域の両方の鎖にあり、D領域が回文の両側に1つずつ対称的に位置するようにITRを操作することは可能である。次いで、二本鎖環状DNAテンプレート(プラスミドなど)上で、Rep78-又はRep68支援核酸複製は両方向に進行し、環状ベクターのパルボウイルス複製には単一のITRで十分である。そのため、1つのITRヌクレオチド配列を本発明の文脈で使用することができる。2つ又は別の偶数の通常のITRを使用することができる。
【0091】
機能的ITR配列は、AAVビリオンの複製、レスキュー及びパッケージングに必要である。ITR配列は、野生型配列であり得るか、又は野生型配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は100%の配列同一性を有し得る。ITR配列は、それらが機能し続ける限り、例えばヌクレオチドの挿入、変異、欠失又は置換によって変更され得る。この文脈において、機能性とは、キャプシドシェルへのゲノムのパッケージングを指示し、次いで形質導入される宿主細胞又は標的細胞での発現を可能にする能力を指す。
【0092】
AAVベクターは、一本鎖又は二本鎖(自己相補的)DNAを含むことができる。両方の極性が等しく遺伝子発現を可能にするので、一本鎖核酸分子は、センス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかである。AAVベクターは、マーカー又はレポーター遺伝子、例えば抗生物質耐性遺伝子、蛍光タンパク質(例えば、GFP)をコードする遺伝子、又は当技術分野で公知の化学的、酵素的又は他の方法で検出可能及び/もしくは選択可能な生成物(例えば、lacZ、aphなど)をコードする遺伝子をさらに含み得る。
【0093】
AAV発現ベクターは、形質導入細胞からのコードされたDNase酵素の分泌を可能にする分泌シグナル配列を含み得る核酸を含み得る。そのような分泌シグナル配列の非限定的な例としては、例えば、DNase I分泌シグナル配列、IL2分泌シグナル配列、アルブミン分泌シグナル配列、β-グルクロニダーゼ分泌シグナル配列、アルカリプロテアーゼ分泌シグナル配列、及びフィブロネクチン分泌シグナル配列が挙げられる。
【0094】
いくつかの実施形態において、AAV8ベース又はAnc80ベースのベクターが、発現ベクターとして使用される。AAV8及びAnc80ベクターは、肝臓の標的化及び発現に特に適している。例えば、AAV8ベクターとAnc80ベクターはどちらも、AAV2ベクターと比較して、より高い効率で肝細胞にトランスフェクトすることができる。AAV8及びAnc80はどちらも、いくつかの他のAAVベクターよりも少量の中和抗体を誘導する。
【0095】
DNase酵素をコードするヌクレオチドを含むAAV8ベクター又はAnc80ベクターを、肝細胞にトランスフェクトし、コードされるDNase酵素の有効な産生及び内皮周囲空間及びDisseの空間におけるその分泌を媒介するのに有効なAAV8又はAnc80ベクターと共に、肝臓内(例えば、直接臓器注射を介して)又は全身的に、例えば、静脈内注射によって投与することができる。いくつかの実施形態において、Anc80キャプシドタンパク質(例えば、配列番号3又は配列番号9の配列を含むAnc80 VP1キャプシドタンパク質、又は配列番号34の配列を含むAnc80L65 VP1キャプシドタンパク質、又は配列番号35の配列を含むバリアントAnc80L65 VP1キャプシドタンパク質)は、発現ベクター内のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、AAV8キャプシドタンパク質(例えば、AAV8 VP1又はAAV8 VP3)は、発現ベクター内のヌクレオチド配列によってコードされる。本発明のAAVベクターの末梢投与は、全身注射、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、及び動脈内注射を含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、発現ベクターとして、AAV3ベース、又はAAV-LK03、又はAAV-KP1ベクターが使用される。AAV3、AAV-LK03及びAAV-KP1ベクターは、肝臓の標的化及び発現に特に適している。例えば、AAV3、AAV-LK03及びAAV-KP1ベクターは、AAV2ベクターと比較してより高い効率で肝細胞をトランスフェクトすることができる。AAV-LK03及びAAV-KP1はどちらも、いくつかの他のAAVベクターよりも少量の中和抗体を誘導する。
【0097】
本発明のDNase酵素をコードするAAVベクターの所望の用量は、例えば、疾患状態、対象、処置スケジュールなどに応じて、当業者が容易に適合させることができる。いくつかの実施形態において、用量当たり10e5~101e4、例えば、10e6~10e11、10e7~10e11、又は108~1014の組換えウイルス粒子が投与される。他の実施形態において、処置効果を達成するための例示的な用量は、少なくとも約10e5、10e6、10e7、10e8、10e9、10e10又は10e11の組換えウイルス粒子又はそれ以上の力価を含み得る。
【0098】
外因性標的化配列(複数可)が、主要なキャプシドサブユニット(例えば、VP3)の一部又は全部を置き換えるか又は置き換えてもよい。さらなる代替として、2以上の外因性標的化配列、例えば、2、3、4、5以上の配列を、ビリオンキャプシドに導入してもよい。代替実施形態において、マイナーキャプシドサブユニット(例えば、VP1及びVP2)内での挿入及び置換を行ってもよい。AAVキャプシドの場合、VP2又はVP3への挿入又は置換を行ってもよい。
【0099】
天然ビリオンの指向性は、アミノ酸配列の挿入若しくは置換によって低下又は消失し得る。あるいは、外因性アミノ酸配列の挿入又は置換は、ビリオンを特定の細胞型(複数可)に標的化し得る。外因性標的化配列は、ビリオンの指向性を変更するタンパク質又はペプチドをコードする任意のアミノ酸配列であり得る。特定の実施形態において、標的化ペプチド又はタンパク質は、天然に存在するか、又は代わりに、完全に又は部分的に合成され得る。例示的なペプチド及びタンパク質には、肝細胞に存在する細胞表面受容体に結合するリガンド及び他のペプチド、アポリタンパク質Eに対するSr-B1受容体に結合することができるリガンド、ガラクトース及びラクトース特異的レクチン、低密度リポタンパク質受容体リガンド、アシアロ糖タンパク質(ガラクトース末端)リガンドなどが含まれる。
【0100】
あるいは、外因性標的化配列は、抗体又はその抗原認識部分であり得る。本明細書において使用される場合、「抗体」という用語は、IgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEを含む全ての種類の免疫グロブリンを指す。抗体は、モノクローナルであってもポリクローナルであってもよく、(例えば)マウス、ラット、ウサギ、ウマ、又はヒトを含む任意の起源の種の抗体であってもよく、又はキメラ抗体であってもよい。また、「抗体」という用語には、当業者に公知である二重特異性又は「架橋」抗体も包含される。本発明の範囲内での抗体断片には、例えば、Fab、F(ab’)2、及びFc断片、並びにIgG以外の抗体から得られる対応する断片が含まれる。そのような断片は、公知の技術により生成され得る。ビリオンキャプシドに挿入される外因性のアミノ酸配列は、ビリオンの精製又は検出を容易にする配列であり得る。例えば、外因性アミノ酸配列は、当業者に公知であるように、ニッケルカラム上でビリオンを精製するのに有用なポリヒスチジン配列、又は標準的な免疫精製技術によってビリオンを精製するために使用され得る抗原ペプチド又はタンパク質を含み得る。あるいは、アミノ酸配列は、受容体リガンド、又はアフィニティー精製若しくは当技術分野において公知の任意の他の技術(例えば、異なるサイズ、密度、電荷、若しくは等電点に基づく精製技術、イオン交換クロマトグラフィー、又はペプチドクロマトグラフィー)によって修飾ビリオンを精製するために使用され得る任意の他のペプチド若しくはタンパク質をコードし得る。
【0101】
あるいは、外因性標的化配列は、抗体又はその抗原認識部分であり得る。本明細書において使用される場合、「抗体」という用語は、IgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEを含む全ての種類の免疫グロブリンを指す。抗体は、モノクローナル又はポリクローナルであり得るか、(例えば)マウス、ラット、ウサギ、ウマ、又はヒトを含む任意の起源の種の抗体であってもよく、又はキメラ抗体であってもよい。また、「抗体」という用語には、当業者に公知である二重特異性又は「架橋」抗体も包含される。本発明の範囲内での抗体断片には、例えば、Fab、F(ab’)2、及びFc断片、並びにIgG以外の抗体から得られる対応する断片が含まれる。そのような断片は、公知の技術により生成され得る。
【0102】
ビリオンキャプシドに挿入される外因性アミノ酸配列は、ビリオンの精製又は検出を容易にするものであり得る。本発明のこの態様によると、外因性アミノ酸配列は、改変パルボウイルスのビリオンも変更する必要はない。例えば、外因性アミノ酸配列は、当業者に公知であるように、ニッケルカラム上でビリオンを精製するのに有用なポリヒスチジン配列、又は標準的な免疫精製技術によってビリオンを精製するために使用され得る抗原ペプチド又はタンパク質を含み得る。あるいは、アミノ酸配列は、受容体リガンド、又はアフィニティー精製若しくは当技術分野において公知の任意の他の技術(例えば、異なるサイズ、密度、電荷、若しくは等電点に基づく精製技術、イオン交換クロマトグラフィー、又はペプチドクロマトグラフィー)によって修飾ビリオンを精製するために使用され得る任意の他のペプチド若しくはタンパク質をコードし得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるAAVベクターは、それを必要とする対象における神経変性疾患、神経発達疾患、精神疾患、腫瘍疾患、若しくは自己免疫疾患又は感染症を処置及び/又は防止するのに有用であり得、前記方法は、上記のrAAVベクター又はそのようなベクターを含む医薬組成物のいずれかの治療有効量を対象に投与することを含む。
【0104】
プロモーター
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるベクターは、(i)キャプシドタンパク質と(ii)デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含む核酸とを含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)発現ベクターであり得る。いくつかの実施形態において、プロモーターは肝臓特異的プロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは、腫瘍発生組織又は転移標的組織に特異的である。いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、腫瘍発生組織又は転移標的組織に特異的である。
【0105】
本発明のベクターに使用され得るプロモーターの非限定的な例としては、例えば、アルブミンプロモーター、α1-アンチトリプシン(AAT)プロモーター、甲状腺ホルモン結合グロブリンプロモーター、アルファフェトプロテインプロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター、第VIII因子(FVIII)プロモーター、HBVベーシックコアプロモーター(BCP)、HBV PreS2プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)プロモーター、チロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター、肝制御領域(HCR)-ApoCIIハイブリッドプロモーター、HCR-hAATハイブリッドプロモーター、アポリポタンパク質E(ApoE)プロモーター、低密度リポタンパク質プロモーター、ピルビン酸キナーゼプロモーター、ホスフェノールピルビン酸カルボキシキナーゼプロモーター、フェニルアラニンヒドロキシラーゼプロモーター、レシチン-コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)プロモーター、アポリポタンパク質H(ApoH)プロモーター、アポリポタンパク質A-IIプロモーター(APOA2)、トランスフェリンプロモーター、トランスサイレチンプロモーター、α-フィブリノーゲンプロモーター、β-フィブリノーゲンプロモーター、アルファ1-アンチキモトリプシンプロモーター、α2-HS糖タンパク質プロモーター、ハプトグロビンプロモーター、セルロプラスミンプロモーター、プラスミノーゲンプロモーター、補体タンパク質のプロモーター、α1-酸性糖タンパク質プロモーター、LSP1プロモーター、セルピンペプチダーゼ阻害剤プロモーター、クレードAメンバー1(SERPINA1)(hAAT)プロモーター、シトクロムP450ファミリー3サブファミリーAポリペプチド4(CYP3A4)プロモーター、マイクロRNA122(miR-122)プロモーター、肝臓特異的IGF-IIプロモーターP1、トランスサイレチン(MTTR)プロモーター、及びαフェトプロテイン(AFP)プロモーターが挙げられる。
【0106】
いくつかの実施形態において、プロモーターは、肝臓特異的/神経系特異的タンデムプロモーターである。いくつかの実施形態において、肝臓特異的/神経系特異的タンデムプロモーターは、他の組織及び器官と比較して、肝臓及び/又は神経系において酵素の実質的に増加した発現を媒介する。いくつかの実施形態において、肝臓特異的/神経系特異的タンデムプロモーターは、アルブミンプロモーター、α1-アンチトリプシン(AAT)プロモーター、甲状腺ホルモン結合グロブリンプロモーター、アルファフェトプロテインプロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター、第VIII因子(FVIII)プロモーター、HBVベーシックコアプロモーター(BCP)、HBV PreS2プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)プロモーター、チロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター、肝制御領域(HCR)-ApoCIIハイブリッドプロモーター、HCR-hAATハイブリッドプロモーター、アポリポタンパク質E(ApoE)プロモーター、低密度リポタンパク質プロモーター、ピルビン酸キナーゼプロモーター、ホスフェノールピルビン酸カルボキシキナーゼプロモーター、フェニルアラニンヒドロキシラーゼプロモーター、レシチン-コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)プロモーター、アポリポタンパク質H(ApoH)プロモーター、アポリポタンパク質A-IIプロモーター(APOA2)、トランスフェリンプロモーター、トランスサイレチンプロモーター、α-フィブリノーゲンプロモーター、β-フィブリノーゲンプロモーター、アルファ1-アンチキモトリプシンプロモーター、α2-HS糖タンパク質プロモーター、ハプトグロビンプロモーター、セルロプラスミンプロモーター、プラスミノーゲンプロモーター、補体タンパク質のプロモーター、α1-酸性糖タンパク質プロモーター、LSP1プロモーター、セルピンペプチダーゼ阻害剤プロモーター、クレードAメンバー1(SERPINA1)(hAAT)プロモーター、シトクロムP450ファミリー3サブファミリーAポリペプチド4(CYP3A4)プロモーター、マイクロRNA122(miR-122)プロモーター、肝臓特異的IGF-IIプロモーターP1、トランスサイレチン(MTTR)プロモーター、及びαフェトプロテイン(AFP)プロモーターからなる群から選択される肝臓特異的プロモーターを含む。いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、アンチトリプシン(AAT)プロモーターである。いくつかの実施形態において、AATプロモーターは、ヒトα1-アンチトリプシン(hAAT)プロモーターである。いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、配列番号15の配列と少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、配列番号15の配列を含む。いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、配列番号15の配列からなる。いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターはアルブミンプロモーターである。いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、配列番号8の配列と少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、配列番号8の配列を含む。いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、配列番号8の配列からなる。いくつかの実施形態において、肝臓特異的/神経系特異的タンデムプロモーターは、F4/80プロモーター、CD68プロモーター、TMEM119プロモーター、CX3CR1プロモーター、CMVプロモーター、MEF2プロモーター、FoxP2プロモーター、Iba1プロモーター、TTRプロモーター、CD11bプロモーター、c-fesプロモーター、NSEプロモーター、シナプシンプロモーター、CamKIIプロモーター、α-CamKIIプロモーター、VGLUT1プロモーター、及びグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターからなる群から選択される神経系特異的プロモーターを含む。いくつかの実施形態において、神経系特異的プロモーターはシナプシンプロモーターである。いくつかの実施形態において、シナプシンプロモーターは、ヒトシナプシンプロモーターである。一実施形態において、神経系特異的プロモーターはF4/80プロモーターである。いくつかの実施形態において、神経系特異的プロモーターはCMVプロモーターである。いくつかの実施形態において、神経系特異的プロモーターはTMEM119プロモーターである。いくつかの実施形態において、神経系特異的プロモーターはMEF2プロモーターである。いくつかの実施形態において、神経系特異的プロモーターは、FoxP2プロモーターである。いくつかの実施形態において、肝臓特異的/神経系特異的タンデムプロモーターは、配列番号36及び38~42の配列のいずれか1つと少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む神経特異的プロモーターを含む。一実施形態において、神経系特異的プロモーターは、配列番号36及び38~42の配列のいずれか1つを含む。一実施形態において、神経系特異的プロモーターは、配列番号36及び38~42の配列のいずれか1つの配列からなる。
【0107】
本発明のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、プロモーターは肝臓特異的プロモーターである。本発明のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、他の組織及び器官と比較して、肝臓において酵素の実質的に増加した発現を媒介する。肝臓特異的プロモーターの非限定的な例としては、例えば、アルブミンプロモーター(Alb)、ヒトα-1アンチトリプシン(hAAT)プロモーター、チロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター、アポリポタンパク質E肝制御領域プロモーター、アポリポタンパク質A-II(APOA2)プロモーター、セルピンペプチダーゼ阻害剤、クレードA、メンバー1(SERPINA1)(hAAT)プロモーター、シトクロムP450ファミリー3、サブファミリーAポリペプチド4(CYP3A4)プロモーター、マイクロRNA122(miR-122)プロモーター、肝臓特異的IGF-IIプロモーターP1、マウストランスサイレチン(MTTR)プロモーター、アルファ-フェトプロテイン(AFP)プロモーター、甲状腺ホルモン結合グロブリンプロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター、第VIII因子(FVIII)プロモーター、HBVベーシックコアプロモーター(BCP)及びPreS2プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)プロモーター、肝制御領域(HCR)-ApoCIIハイブリッドプロモーター、マウスアルブミン遺伝子エンハンサー(Ealb)エレメントと組み合わせたAATプロモーター、低密度リポタンパク質プロモーター、ピルビン酸キナーゼプロモーター、ホスフェノールピルビン酸カルボキシキナーゼプロモーター、レシチン-コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)プロモーター、アポリポタンパク質H(ApoH)プロモーター、トランスフェリンプロモーター、トランスサイレチンプロモーター、アルファ-フィブリノーゲン及びベータ-フィブリノーゲンプロモーター、アルファ1-アンチキモトリプシンプロモーター、アルファ2-HS糖タンパク質プロモーター、ハプトグロビンプロモーター、セルロプラスミンプロモーター、プラスミノーゲンプロモーター、補体タンパク質のプロモーター(例えば、C1q、C1r、C2、C3、C4、C5、C6、C8、C9、補体I因子、及び補体H因子)、C3補体活性化因子及び[アルファ]1-酸性糖タンパク質プロモーターが挙げられる。さらなる組織特異的プロモーターは、組織特異的プロモーターデータベースTiProD(Nucleic Acids Research,J4:DI04-DI07(2006)に見出され得る。
【0108】
いくつかの態様において、例えば、肝臓標的化がキャプシドタンパク質によって媒介される場合、DNase酵素をコードする核酸を、効率的な全身発現を可能にするプロモーター(例えば、CMVプロモーター、ニワトリベータアクチンプロモーター(CBA)、EF1aプロモーター)に作動可能に連結することができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、肝臓特異的プロモーターは、α1-アンチトリプシン(AAT)プロモーターである。1つの具体的な実施形態において、アンチトリプシンプロモーターは、ヒトα1-アンチトリプシン(AAT)プロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは、α1-アンチトリプシン(AAT)プロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは、ヒトα1-アンチトリプシン(hAAT)プロモーターである。いくつかの実施形態において、アンチトリプシンプロモーターは、配列番号15の配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、AATプロモーターは、配列番号15の配列を含む。いくつかの実施形態において、AATプロモーターは、配列番号15の配列からなる。
【0110】
いくつかの態様において、トランスフェクト細胞において目的のタンパク質の発現を生じさせるか又は改善させるために、プロモーター領域をコード配列に作動可能に連結してもよい。そのようなプロモーターは、例えば、肝臓及び/又は神経系におけるタンパク質の効率的かつ安定な生成を可能にするために、遍在する、細胞又は組織特異的、強い、弱い、調節された、キメラのプロモーターなどであり得る。プロモーターは、コードされたタンパク質に相同であるか、又は異種であり得るが、開示された方法で使用するプロモーターは一般にヒト細胞において機能的である。調節プロモーターの例としては、限定するものではないが、Tetオン/オフエレメント含有プロモーター、ラパマイシン誘導性プロモーター、タモキシフェン誘導性プロモーター、及びメタロチオネインプロモーターが挙げられる。
【0111】
いくつかの実施形態において、本発明で使用され得るプロモーターは、例えば、肝臓及び/又は神経系に対して組織特異的であるプロモーターを含み得る。肝臓特異的プロモーターの非限定的な例としては、例えば、アルブミンプロモーター(Alb)、ヒトアルファ-1アンチトリプシン(hAAT)プロモーター、チロキシン結合グロブリン(TBG)、アポリポタンパク質E肝臓制御領域プロモーター、アポリポタンパク質A-II(APOA2)プロモーター、セルピンペプチダーゼ阻害剤、クレードA、メンバー1(SERPINA1)(hAAT)プロモーター、シトクロムP450ファミリー3、サブファミリーAポリペプチド4(CYP3A4)プロモーター、マイクロRNA122(miR-122)プロモーター、肝臓特異的IGF-IIプロモーターP1、マウストランスサイレチン(MTTR)プロモーター、及びアルファ-フェトプロテイン(AFP)プロモーターが挙げられる。神経系特異的プロモーターの非限定的な例としては、例えば、ミクログリア特異的プロモーター(例えば、F4/80、CD68、TMEM119、CX3CR1、CMV、Iba1)、骨髄特異的プロモーター(例えば、TTR、CD11b、c-fes)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、CMV、NSE、シナプシン[SynI、SynII]、CamKII、α-CaMKII、VGLUT1)、及び他の神経細胞及びグリア細胞(例えば、乏突起膠細胞星細胞)タイプ特異的プロモーター(例えば、GFAP)が挙げられる。腸特異的プロモーターの非限定的な例としては、MUC2、ビリン、T3b、CB/CMV、GFAP、miCMV、CMV+I、tetO-CMV、及びβ-アクチン-CMVが挙げられる。
【0112】
いくつかの実施形態において、本発明で使用され得るプロモーターは、ユビキタスプロモーターを含み得る。ユビキタスプロモーターの非限定的な例としては、例えば、CMVプロモーター、RSVプロモーター、SV40プロモーターなどのウイルスプロモーター、及び細胞プロモーター、例えば、ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)プロモーター、EF1aプロモーター、CMVE/CAGプロモーター系、及びβ-アクチンプロモーターが挙げられる。
【0113】
DNase酵素の投与
一態様において、本発明は、それを必要とする対象のがんを処置する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞とを対象に投与することを含む方法を提供する。
【0114】
関連する態様において、本発明は、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞とを対象に投与することを含み、前記デオキシリボヌクレアーゼ酵素は、腫瘍組織における免疫抑制タンパク質の発現を低下させ、及び/又は腫瘍組織内のキメラ抗原受容体若しくはT細胞受容体を含む細胞の含量を増加させるのに有効である方法を提供する。免疫抑制タンパク質の非限定的な例としては、例えば、PD-L1、PD-L2、CD80、CD86、及びMHCが挙げられる。
【0115】
本発明の方法によるDNase酵素の投与は、全身投与及び疾患の部位(例えば、原発性腫瘍)への直接投与を含む任意の適切な経路によって行うことができる。有用な投与経路の具体的で非限定的な例としては、静脈内(IV)、皮下(SC)、腹腔内(IP)、及び筋肉内が挙げられる。
【0116】
上記のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、注射を介して投与される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、静脈内注射を介して投与される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、本明細書に開示されるCAR発現細胞又はTCR発現細胞の注入に続いて静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、本明細書に開示されるCAR発現細胞又はTCR発現細胞の注入前に静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、本明細書に開示されるCAR発現細胞又はTCR発現細胞の注入と共に静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の注入後少なくとも14日間静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の注入後少なくとも16日間静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の注入前、それと一緒に又は注入後少なくとも3日間静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の注入後少なくとも7日間静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の注入前少なくとも7日間静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、CAR発現細胞又はTCR発現細胞の注入前又は注入後少なくとも3日間静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、少なくとも14日間静脈内注射される。
【0117】
本発明の方法において有用なDNase用量は、CAR/TCR療法の種類、患者の病歴及びDNaseに対する応答、並びに主治医の裁量に依存する。有用な投与量範囲の非限定的な例としては、0.5~100mg/kg/日又は1000~200000KU/kg/日、好ましくは0.5~50mg/kg/日又は1000~100000クニッツ単位(KU)/kg/日、より好ましくは1.5~50mg/kg/日又は3000~100000KU/kg/日、最も好ましくは10~50mg/kg/日又は20000~100000KU/kg/日が挙げられる。
【0118】
いくつかの態様において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、250μg/kg/日で静脈内注射される。いくつかの実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、250μg/kg/日で少なくとも14日間静脈内注射される。
【0119】
いくつかの実施形態において、CARは、BCMA、CD44v6、CAIX(炭酸脱水酵素IX)、CEA(癌胎児性抗原)、CD5、CD7、CD19、CD20、CD22、CD30、CD36、CD37、CD70、CD123、CD133、c-Met(肝細胞増殖因子受容体)、EGFR(上皮成長因子)、EGFRvIII(III型バリアント上皮成長因子)、EGFRB3、Epcam(上皮細胞接着分子)、EphA2(エリスロポエチン産生肝細胞癌A2)、胎児アセチルコリン受容体、FLT3、GD2(ガングリオシドGD2)、GPC3(グリピカン-3)、GUCY2C(グアニリルシクラーゼC)、HER1(ヒト上皮成長因子受容体1)、HER2(ヒト上皮成長因子受容体2)、ICAM-1(細胞間接着分子1)、IL3R-アルファ、IL13Rα2(インターロイキン13受容体α2)、IL11Rα(インターロイキン11受容体α)、Kras(Kristenラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ)Kras G12D、L1CAM(L1-細胞接着分子)、MAGE、MET、メソテリン、MUC(ムチン1)、MUC16エクト(ムチン16)、NKG2D(ナチュラルキラーグループ2メンバーD)、NY-ESO-1、PSCA(前立腺幹細胞抗原)、PSMA、ROR1及びWT-1(ウィルムス腫瘍1)から選択される1以上の抗原に特異的に結合することが可能な固形腫瘍関連標的抗原結合ドメインを含む。
【0120】
本明細書で使用される場合、「有効量」は、臨床的に定義された障害を有する哺乳動物を処置するのに適した用量を含む。
【0121】
「類似体」、「バリアント」又は「誘導体」は、天然の分子に対して、構造が実質的に類似し、同じ生物学的活性を有するが、場合により異なる程度の活性を有する化合物である。例えば、ポリペプチドバリアントは、実質的に類似の構造を共有し、参照ポリペプチドと同じ生物学的活性を有するポリペプチドを指す。バリアント又は類似体は、(i)ポリペプチドの1以上の末端及び/若しくは天然ポリペプチド配列の1以上の内部領域(例えば、断片)における1以上のアミノ酸残基の欠失、(ii)ポリペプチドの1以上の末端における1以上のアミノ酸の挿入若しくは付加(典型的には「付加」若しくは「融合」)及び/又は天然に存在するポリペプチド配列の1以上の内部領域における1以上のアミノ酸の挿入若しくは付加(典型的には「挿入」)あるいは(iii)天然に存在するポリペプチド配列における1以上のアミノ酸の他のアミノ酸への置換を伴う1以上の変異に基づいて、類似体が由来する天然に存在するポリペプチドと比較してそのアミノ酸配列の組成が異なる。例として、「誘導体」とは、例えば化学的に修飾されている参照ポリペプチドと同じ又は実質的に類似の構造を共有するポリペプチドを指す。
【0122】
バリアント又は類似体ポリペプチドは、1以上のアミノ酸残基が、本発明のタンパク質アミノ酸配列に付加される挿入バリアントを含む。挿入は、タンパク質のいずれか又は両方の末端に位置してもよく、及び/又はタンパク質アミノ酸配列の内部領域内に位置してもよい。いずれか又は両方の末端にさらなる残基を有する挿入バリアントは、例えば、融合タンパク質及びアミノ酸タグ又は他のアミノ酸標識を含むタンパク質を含む。一態様において、タンパク質分子は、場合により、特に、分子が、例えば酵母、昆虫細胞又は大腸菌などの細菌細胞において組換え発現される場合に、N末端にMetを含む。
【0123】
欠失バリアントにおいて、本明細書に記載のタンパク質又はポリペプチド中の1以上のアミノ酸残基が除去される。欠失は、タンパク質若しくはポリペプチドの一方又は両方の末端で、及び/又はタンパク質アミノ酸配列内の1以上の残基の除去によって影響を受ける可能性がある。したがって、欠失バリアントには、タンパク質又はポリペプチド配列の断片が含まれる。
【0124】
置換バリアントにおいて、タンパク質又はポリペプチドの1以上のアミノ酸残基が除去され、代替残基で置換される。一態様において、置換は本質的に保存的であり、この種類の保存的置換は当技術分野において周知である。あるいは、本発明は、これも非保存的である置換を包含する。例示的な保存的置換は、参照により本明細書に組み込まれるLehninger,[Biochemistry,第2版;Worth Publishers,Inc.,New York(1975),pp.71-77]に記載されている。
【0125】
デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、経口、局所、経皮、非経口、吸入スプレーにより、膣内、直腸内、又は頭蓋内注入によって投与され得る。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、大槽内注射、又は注入の技術を含む。静脈内、皮内、筋肉内、乳腺内、腹腔内、髄腔内、眼球後、肺内注射及び又は特定の部位への外科的移植による投与も同様に企図される。一般に、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、基本的に発熱物質、並びにレシピエントに有害であり得る他の不純物を含まない。
【0126】
デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の単回投与又は複数回投与は、処置する医師によって選択される用量レベル及びパターンで行うことができる。がんの防止又は処置のために、適切な投与量は、上記のような処置される疾患の種類、がんの重篤度及び経過、薬物が防止目的又は処置目的で投与されるかどうか、以前の処置、患者の病歴及び薬物に対する応答、並びに主治医の裁量に依存する。
【0127】
本発明はまた、薬学的に許容される担体、希釈剤、塩、緩衝液、又は賦形剤を含む、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞に関する。医薬組成物は、臨床的に定義された障害を処置するために使用することができる。本発明の医薬組成物は、溶液又は凍結乾燥物であり得る。医薬組成物の溶液は、任意の適切な凍結乾燥プロセスに供され得る。
【0128】
この実施形態の他の態様において、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、がんの重篤度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%低減する。この実施形態のさらに他の態様において、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質は、腫瘍の大きさを、例えば、約5%~約100%、約10%~約100%、約20%~約100%、約30%~約100%、約40%~約100%、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、約10%~約90%、約20%~約90%、約30~約90%、約40%~約90%、約50%~約90%、約60%~約90%、約70%~約90%、約10%~約80%、約20%~約80%、約30%~約80%、約40%~約80%、約50%~約80%、又は約60%~約80%、約10%~約70%、約20%~約70%、約30%~約70%、約40%~約70%、又は約50%~約70%低減する。
【0129】
この実施形態の態様において、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、例えば、少なくとも25μg/kg、少なくとも50μg/kg、少なくとも75μg/kg、少なくとも100μg/kg、少なくとも125μg/kg、少なくとも150μg/kg、少なくとも175μg/kg、少なくとも200μg/kg、少なくとも225μg/kg、少なくとも250μg/kg、少なくとも275μg/kg、少なくとも300μg/kg、少なくとも325μg/kg、少なくとも350μg/kg、少なくとも375μg/kg、少なくとも400μg/kg、少なくとも425μg/kg、少なくとも450μg/kg、少なくとも475μg/kg、少なくとも500μg/kg、少なくとも525μg/kg、少なくとも550μg/kg、少なくとも575μg/kg、少なくとも600μg/kg、少なくとも625μg/kg、少なくとも650μg/kg、少なくとも675μg/kg、少なくとも700μg/kg、少なくとも725μg/kg、少なくとも750μg/kg、少なくとも775μg/kg、少なくとも800μg/kg、少なくとも825μg/kg、少なくとも850μg/kg、少なくとも875μg/kg、少なくとも900μg/kg、少なくとも925μg/kg、少なくとも950μg/kg、少なくとも975μg/kg、少なくとも1mg/kg、少なくとも1.25mg/kg、少なくとも1.5mg/kg、少なくとも2mg/kg、少なくとも2.5mg/kg、少なくとも3mg/kg、少なくとも3.5mg/kg、少なくとも4mg/kg、少なくとも4.5mg/kg、少なくとも5mg/kg、少なくとも5.5mg/kg、少なくとも6mg/kg、少なくとも6.5mg/kg、少なくとも7mg/kg、少なくとも7.5mg/kg、少なくとも8mg/kg、少なくとも8.5mg/kg、少なくとも9mg/kg、少なくとも9.5mg/kg、少なくとも10mg/kg、少なくとも10.5mg/kg、少なくとも11mg/kg、少なくとも11.5mg/kg、少なくとも12mg/kg、少なくとも12.5mg/kg、少なくとも13mg/kg、少なくとも13.5mg/kg、少なくとも14mg/kg、少なくとも14.5mg/kg、少なくとも15mg/kg、少なくとも15.5mg/kg、少なくとも16mg/kg、少なくとも16.5mg/kg、少なくとも17mg/kg、少なくとも17.5mg/kg、少なくとも18mg/kg、少なくとも18.5mg/kg、少なくとも19mg/kg、少なくとも19.5mg/kg、少なくとも20mg/kg、少なくとも20.5mg/kg、少なくとも21mg/kg、少なくとも21.5mg/kg、少なくとも22mg/kg、少なくとも22.5mg/kg、少なくとも23mg/kg、少なくとも23.5mg/kg、少なくとも24mg/kg、少なくとも24.5mg/kg、少なくとも25mg/kg、少なくとも25.5mg/kg、少なくとも26mg/kg、少なくとも26.5mg/kg、少なくとも27mg/kg、少なくとも27.5mg/kg、少なくとも28mg/kg、少なくとも28.5mg/kg、少なくとも29mg/kg、少なくとも29.5mg/kg、少なくとも30mg/kg、少なくとも31mg/kg、少なくとも32mg/kg、少なくとも33mg/kg、少なくとも34mg/kg、少なくとも35mg/kg、36mg/kg、少なくとも37mg/kg、少なくとも38mg/kg、少なくとも39mg/kg、少なくとも40mg/kg、41mg/kg、少なくとも42mg/kg、少なくとも43mg/kg、少なくとも44mg/kg、少なくとも45mg/kg、少なくとも46mg/kg、少なくともmg/kg、少なくとも48mg/kg、少なくとも49mg/kg少なくとも50mg/kg、少なくとも51mg/kg、少なくとも52mg/kg、少なくとも53mg/kg、少なくとも54mg/kg、少なくとも55mg/kg、少なくとも56mg/kg、少なくとも57mg/kg、少なくとも58mg/kg、少なくとも59mg/kg、少なくとも60mg/kg、少なくとも61mg/kg、少なくとも62mg/kg、少なくとも63mg/kg、少なくとも64mg/kg、少なくとも65mg/kg、少なくとも66mg/kg、少なくとも67mg/kg、少なくとも68mg/kg、少なくとも69mg/kg、少なくとも70mg/kg、少なくとも71mg/kg、少なくとも72mg/kg、少なくとも73mg/kg、少なくとも74mg/kg、少なくとも75mg/kg、少なくとも76mg/kg、少なくとも77mg/kg、少なくとも78mg/kg、少なくとも79mg/kg、少なくとも80mg/kg、少なくとも81mg/kg、少なくとも82mg/kg、少なくとも83mg/kg、少なくとも84mg/kg、少なくとも85mg/kg、少なくとも86mg/kg、少なくとも87mg/kg、少なくとも88mg/kg、少なくとも89mg/kg、少なくとも90mg/kg、少なくとも91mg/kg、少なくとも92mg/kg、少なくとも93mg/kg、少なくとも94mg/kg、少なくとも95mg/kg、少なくとも96mg/kg、少なくとも97mg/kg、少なくとも98mg/kg、少なくとも99mg/kg、少なくとも100mg/kg、少なくとも150mg/kg、少なくとも200mg/kg、少なくとも250mg/kg、少なくとも300mg/kg、少なくとも350mg/kg、少なくとも400mg/kg、少なくとも450mg/kg、少なくとも500mg/kg、少なくとも550mg/kg、少なくとも600mg/kg、少なくとも650mg/kg、少なくとも700mg/kg、少なくとも750mg/kg、少なくとも800mg/kg、少なくとも850mg/kg、少なくとも900mg/kg、少なくとも950mg/kg、少なくとも1g/kg、少なくとも2g/kg、少なくとも3g/kg、少なくとも4g/kg、少なくとも5g/kg、少なくとも6g/kg、少なくとも7g/kg、少なくとも8g/kg、少なくとも9g/kg、少なくとも10g/kg、少なくとも15g/kg、少なくとも20g/kg、少なくとも25g/kg、少なくとも50g/kg、少なくとも100g/kgの用量であり得る。
【0130】
この実施形態の態様において、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、例えば、約25μg/kg、約50μg/kg、約75μg/kg、約100μg/kg、約125μg/kg、約150μg/kg、約175μg/kg、約200μg/kg、約225μg/kg、約250μg/kg、約275μg/kg、約300μg/kg、約325μg/kg、約350μg/kg、約375μg/kg、約400μg/kg、約425μg/kg、約450μg/kg、約475μg/kg、約500μg/kg、約525μg/kg、約550μg/kg、約575μg/kg、約600μg/kg、約625μg/kg、約650μg/kg、約675μg/kg、約700μg/kg、約725μg/kg、約750μg/kg、約775μg/kg、約800μg/kg、約825μg/kg、約850μg/kg、約875μg/kg、約900μg/kg、約925μg/kg、約950μg/kg、約975μg/kg、約1mg/kg、約1.25mg/kg、約1.5mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約3.5mg/kg、約4mg/kg、約4.5mg/kg、約5mg/kg、約5.5mg/kg、約6mg/kg、約6.5mg/kg、約7mg/kg、約7.5mg/kg、約8mg/kg、約8.5mg/kg、約9mg/kg、約9.5mg/kg、約10mg/kg、約10.5mg/kg、約11mg/kg、約11.5mg/kg、約12mg/kg、約12.5mg/kg、約13mg/kg、約13.5mg/kg、約14mg/kg、約14.5mg/kg、約15mg/kg、約15.5mg/kg、約16mg/kg、約16.5mg/kg、約17mg/kg、約17.5mg/kg、約18mg/kg、約18.5mg/kg、約19mg/kg、約19.5mg/kg、約20mg/kg、約20.5mg/kg、約21mg/kg、約21.5mg/kg、約22mg/kg、約22.5mg/kg、約23mg/kg、約23.5mg/kg、約24mg/kg、約24.5mg/kg、約25mg/kg、約25.5mg/kg、約26mg/kg、約26.5mg/kg、約27mg/kg、約27.5mg/kg、約28mg/kg、約28.5mg/kg、約29mg/kg、約29.5mg/kg、約30mg/kg、約31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kg、41mg/kg、約42mg/kg、約43mg/kg約44mg/kg、約45mg/kg、約46mg/kg、約mg/kg、約48mg/kg、約49mg/kg、約50mg/kg、約51mg/kg、約52mg/kg、約53mg/kg、約54mg/kg、約55mg/kg、約56mg/kg、約57mg/kg、約58mg/kg、約59mg/kg、約60mg/kg、約61mg/kg、約62mg/kg、約63mg/kg、約64mg/kg、約65mg/kg、約66mg/kg、約67mg/kg、約68mg/kg、約69mg/kg、約70mg/kg、約71mg/kg、約72mg/kg、約73mg/kg、約74mg/kg、約75mg/kg、約76mg/kg、約77mg/kg、約78mg/kg、約79mg/kg、約80mg/kg、約81mg/kg、約82mg/kg、約83mg/kg、約84mg/kg、約85mg/kg、約86mg/kg、約87mg/kg、約88mg/kg、約89mg/kg、約90mg/kg、約91mg/kg、約92mg/kg、約93mg/kg、約94mg/kg、約95mg/kg、約96mg/kg、約97mg/kg、約98mg/kg、約99mg/kg、約100mg/kg、約150mg/kg、約200mg/kg、約250mg/kg、約300mg/kg、約350mg/kg、約400mg/kg、約450mg/kg、約500mg/kg、約550mg/kg、約600mg/kg、約650mg/kg、約700mg/kg、約750mg/kg、約800mg/kg、約850mg/kg、約900mg/kg、約950mg/kg、約1g/kg、約2g/kg、約3g/kg、約4g/kg、約5g/kg、約6g/kg、約7g/kg、約8g/kg、約9g/kg、約10g/kg、約15g/kg、約20g/kg、約25g/kg、約50g/kg、約100g/kgの用量であり得る。
【0131】
この実施形態の態様において、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、例えば、25μg/kg以下、50μg/kg以下、75μg/kg以下、100μg/kg以下、125μg/kg以下、150μg/kg以下、175μg/kg以下、200μg/kg以下、225μg/kg以下、250μg/kg以下、275μg/kg以下、300μg/kg以下、325μg/kg以下、350μg/kg以下、375μg/kg以下、400μg/kg以下、425μg/kg以下、450μg/kg以下、475μg/kg以下、500μg/kg以下、525μg/kg以下、550μg/kg以下、575μg/kg以下、600μg/kg以下、625μg/kg以下、650μg/kg以下、675μg/kg以下、700μg/kg以下、725μg/kg以下、750μg/kg以下、775μg/kg以下、800μg/kg以下、825μg/kg以下、850μg/kg以下、875μg/kg以下、900μg/kg以下、925μg/kg以下、950μg/kg以下、975μg/kg以下、1mg/kg以下、1.25mg/kg以下、1.5mg/kg以下、2mg/kg以下、2.5mg/kg以下、3mg/kg以下、3.5mg/kg以下、4mg/kg以下、4.5mg/kg以下、5mg/kg以下、5.5mg/kg以下、6mg/kg以下、6.5mg/kg以下、7mg/kg以下、7.5mg/kg以下、8mg/kg以下、8.5mg/kg以下、9mg/kg以下、9.5mg/kg以下、10mg/kg以下、10.5mg/kg以下、11mg/kg以下、11.5mg/kg以下、12mg/kg以下、12.5mg/kg以下、13mg/kg以下、13.5mg/kg以下、14mg/kg以下、14.5mg/kg以下、15mg/kg以下、15.5mg/kg以下、16mg/kg以下、16.5mg/kg以下、17mg/kg以下、17.5mg/kg以下、18mg/kg以下、18.5mg/kg以下、19mg/kg以下、19.5mg/kg以下、20mg/kg以下、20.5mg/kg以下、21mg/kg以下、21.5mg/kg以下、22mg/kg以下、22.5mg/kg以下、23mg/kg以下、23.5mg/kg以下、24mg/kg以下、24.5mg/kg以下、25mg/kg以下、25.5mg/kg以下、26mg/kg以下、26.5mg/kg以下、27mg/kg以下、27.5mg/kg以下、28mg/kg以下、28.5mg/kg以下、29mg/kg以下、29.5mg/kg以下、30mg/kg以下、31mg/kg以下、32mg/kg以下、33mg/kg以下、34mg/kg以下、35mg/kg以下、36mg/kg、37mg/kg以下、38mg/kg以下、39mg/kg以下、40mg/kg以下、41mg/kg、42mg/kg以下、43mg/kg以下、44mg/kg以下、45mg/kg以下、46mg/kg以下、mg/kg以下、48mg/kg以下、49mg/kg以下、50mg/kg以下、51mg/kg以下、52mg/kg以下、53mg/kg以下、54mg/kg以下、55mg/kg以下、56mg/kg以下、57mg/kg以下、58mg/kg以下、59mg/kg以下、60mg/kg以下、61mg/kg以下、62mg/kg以下、63mg/kg以下、64mg/kg以下、65mg/kg以下、66mg/kg以下、67mg/kg以下、68mg/kg以下、69mg/kg以下、70mg/kg以下、71mg/kg以下、72mg/kg以下、73mg/kg以下、74mg/kg以下、75mg/kg以下、76mg/kg以下、77mg/kg以下、78mg/kg以下、79mg/kg以下、80mg/kg以下、81mg/kg、82mg/kg以下、83mg/kg以下、84mg/kg以下、85mg/kg以下、86mg/kg以下、87mg/kg以下、88mg/kg以下、89mg/kg以下、90mg/kg以下、91mg/kg以下、92mg/kg以下、93mg/kg以下、94mg/kg以下、95mg/kg以下、96mg/kg以下、97mg/kg以下、98mg/kg以下、99mg/kg以下、100mg/kg以下、150mg/kg以下、200mg/kg以下、250mg/kg以下、300mg/kg以下、350mg/kg以下、400mg/kg以下、450mg/kg以下、500mg/kg以下、550mg/kg以下、600mg/kg以下、650mg/kg以下、700mg/kg以下、750mg/kg以下、800mg/kg以下、850mg/kg以下、900mg/kg以下、950mg/kg以下、1g/kg以下、2g/kg以下、3g/kg以下、4g/kg以下、5g/kg以下、6g/kg以下、7g/kg以下、8g/kg以下、9g/kg以下、10g/kg以下、15g/kg以下、20g/kg以下、25g/kg以下、50g/kg以下、100g/kg以下の用量であり得る。
【0132】
この実施形態のさらに他の態様において、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、例えば、約1μg/kg~約30mg/kg、約5μg/kg~約50mg/kg、約5μg/kg~約75μg/kg、約100μg/kg~約40mg/kg、約500μg/kg~約35mg/kg、約100μg/kg~約30mg/kg、約150μg/kg~約35mg/kg、約250μg/kg~約25mg/kg、約350μg/kg~約30mg/kg、約500μg/kg~約25mg/kg、約150μg/kg~約30mg/kg、約750μg/kg~約30mg/kg、約500μg/kg~約12mg/kg、約200μg/kg~約30mg/kg、約250μg/kg~約40mg/kg、約100μg/kg~約10mg/kg、約200μg/kg~約35mg/kg、約500μg/kg~約30mg/kg、又は約10μg/kg~約30mg/kg、約1mg/kg~約30mg/kg、約5mg/kg~約50mg/kg、約5mg/kg~約75mg/kg、約10mg/kg~約40mg/kg、約5mg/kg~約35mg/kg、約10mg/kg~約30mg/kg、約15mg/kg~約35mg/kg、約25mg/kg~約50mg/kg、約35mg/kg~約60mg/kg、約50mg/kg~約75mg/kg、約15mg/kg~約60mg/kg、約150mg/kg~約100mg/kg、約5mg/kg~約120mg/kg、約20mg/kg~約60mg/kg、約25mg/kg~約75mg/kg、約10mg/kg~約35mg/kg、約20mg/kg~約35mg/kg、約15mg/kg~約30mg/kg、又は約10mg/kg~約30mg/kgの用量範囲であり得る。
【0133】
この実施形態の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、がんと関連する症状を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%低減する。
【0134】
この実施形態の他の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、がんと関連する症状を、例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、最大95%又は最大100%低減する。
【0135】
この実施形態のさらに他の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、がんと関連する症状を、例えば、約10%~約100%、約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約10%~約60%、約10%~約50%、約10%~約40%、約20%~約100%、約20%~約90%、約20%~約80%、約20%~約20%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約30%~約100%、約30%~約90%、約30%~約80%、約30%~約70%、約30%~約60%、又は約30%~約50%低減する。
【0136】
一実施形態において、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、がんに罹患している個体における疾患の重篤度を、同じ処置を受けていない患者と比較して、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%低減することが可能である。
【0137】
この実施形態の他の態様において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、がんに罹患している個体における疾患の重篤度を、同じ処置を受けていない患者と比較して、例えば、約10%~約100%、約20%~約100%、約30%~約100%、約40%~約100%、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、約10%~約90%、約20%~約90%、約30%~約90%、約40%~約90%、約50%~約90%、約60%~約90%、約70%~約90%、約10%~約80%、約20%~約80%、約30%~約80%、約40%~約80%、約50%~約80%、又は約60%~約80%、約10%~約70%、約20%~約70%、約30%~約70%、約40%~約70%、又は約50%~約70%低減することが可能である。
【0138】
この実施形態の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、がんと関連する症状を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%低減する。
【0139】
この実施形態の他の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、がんと関連する症状を、例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、最大95%又は100%低減する。
【0140】
この実施形態のさらに他の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、がんと関連する症状を、例えば、約10%~約100%、約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約10%~約60%、約10%~約50%、約10%~約40%、約20%~約100%、約20%~約90%、約20%~約80%、約20%~約20%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約30%~約100%、約30%~約90%、約30%~約80%、約30%~約70%、約30%~約60%、又は約30%~約50%低減する。
【0141】
一実施形態において、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、がんに罹患している個体における疾患の重篤度を、同じ処置を受けていない患者と比較して、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%低減することが可能である。
【0142】
この実施形態の他の態様において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、がんに罹患している個体における疾患の重篤度を、同じ処置を受けていない患者と比較して、例えば、約10%~約100%、約20%~約100%、約30%~約100%、約40%~約100%、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、約10%~約90%、約20%~約90%、約30%~約90%、約40%~約90%、約50%~約90%、約60%~約90%、約70%~約90%、約10%~約80%、約20%~約80%、約30%~約80%、約40%~約80%、約50%~約80%、又は約60%~約80%、約10%~約70%、約20%~約70%、約30%~約70%、約40%~約70%、又は約50%~約70%低減することが可能である。
【0143】
さらなる実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質の初回投与後1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、1週、2週、3週、4週、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月又はそれ以上ごとに1回以上投与される。
【0144】
さらなる実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント又は類似体並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の初回投与後2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、1週、2週、3週、4週、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月又はそれ以上ごとに1回以上投与される。
【0145】
実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体の投与期間は、10分間、20分間、30分間、45分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0146】
実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、約10分、約20分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間、約12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0147】
実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体の投与期間は、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0148】
実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体の投与期間は、10分以内、20分以内、30分以内、45分以内、1時間以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内、1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、7日以内、8日以内、9日以内、10日以内、11日以内、12日以内、13日以内、14日以内、3週間以内、4週間以内、5週間以内、6週間以内、7週間以内、8週間以内、9週間以内、10週間以内、11週間以内、12週間以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、6ヶ月以内、7ヶ月以内、8ヶ月以内、9ヶ月以内、10ヶ月以内、11ヶ月以内、12ヶ月以内、又はそれ以上の間である。
【0149】
さらなる実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体の投与が停止される期間は、10分間、20分間、30分間、45分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれ以上の間である。
【0150】
さらなる実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体の投与が停止される期間は、約10分間、約20分間、約30分間、約45分間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間、約12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0151】
さらなる実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体の投与が停止されるのは、10分以内、20分以内、30分以内、45分以内、1時間以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内、1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、7日以内、8日以内、9日以内、10日以内、11日以内、12日以内、13日以内、14日以内、3週間以内、4週間以内、5週間以内、6週間以内、7週間以内、8週間以内、9週間以内、10週間以内、11週間以内、12週間以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、6ヶ月以内、7ヶ月以内、8ヶ月以内、9ヶ月以内、10ヶ月以内、11ヶ月以内、12ヶ月以内、又はそれ以上の間である。
【0152】
さらなる実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体の投与が停止されるのは、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0153】
実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、10分間、20分間、30分間、45分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0154】
実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、約10分、約20分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間、約12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0155】
実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0156】
実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、10分以内、20分以内、30分以内、45分以内、1時間以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内、1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、7日以内、8日以内、9日以内、10日以内、11日以内、12日以内、13日以内、14日以内、3週間以内、4週間以内、5週間以内、6週間以内、7週間以内、8週間以内、9週間以内、10週間以内、11週間以内、12週間以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、6ヶ月以内、7ヶ月以内、8ヶ月以内、9ヶ月以内、10ヶ月以内、11ヶ月以内、12ヶ月以内、又はそれ以上の間である。
【0157】
さらなる実施形態において、投与が停止される間の、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、10分間、20分間、30分間、45分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0158】
実施形態において、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、10分以内、20分以内、30分以内、45分以内、1時間以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内、1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、7日以内、8日以内、9日以内、10日以内、11日以内、12日以内、13日以内、14日以内、3週間以内、4週間以内、5週間以内、6週間以内、7週間以内、8週間以内、9週間以内、10週間以内、11週間以内、12週間以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、6ヶ月以内、7ヶ月以内、8ヶ月以内、9ヶ月以内、10ヶ月以内、11ヶ月以内、12ヶ月以内、又はそれ以上の間である。
【0159】
デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与が停止される期間は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0160】
デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0161】
さらなる実施形態において、投与が停止される間の、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、10分間、20分間、30分間、45分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0162】
さらなる実施形態において、投与が停止される間の、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0163】
さらなる実施形態において、投与が停止される間の、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、10分以内、20分以内、30分以内、45分以内、1時間以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内、1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、7日以内、8日以内、9日以内、10日以内、11日以内、12日以内、13日以内、14日以内、3週間以内、4週間以内、5週間以内、6週間以内、7週間以内、8週間以内、9週間以内、10週間以内、11週間以内、12週間以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、6ヶ月以内、7ヶ月以内、8ヶ月以内、9ヶ月以内、10ヶ月以内、11ヶ月以内、12ヶ月以内、又はそれ以上の間である。
【0164】
さらなる実施形態において、投与が停止される間の、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体並びに/又はキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞の投与期間は、約10分、約20分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間、約12ヶ月間、又はそれ以上の間である。
【0165】
この実施形態の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、個体のがんの重篤度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%若しくは少なくとも100%低減又は維持する。この実施形態の他の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、個体のがんの重篤度を、例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、最大95%若しくは最大100%低減又は維持する。この実施形態のさらに他の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体は、個体の疾患の重篤度を、例えば、約10%~約100%、約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約10%~約60%、約10%~約50%、約10%~約40%、約20%~約100%、約20%~約90%、約20%~約80%、約20%~約20%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約30%~約100%、約30%~約90%、約30%~約80%、約30%~約70%、約30%~約60%、又は約30%~約50%低減又は維持する。
【0166】
この実施形態の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、個体のがんの重篤度を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%若しくは少なくとも100%低減又は維持する。この実施形態の他の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、個体のがんの重篤度を、例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、最大95%若しくは最大100%低減又は維持する。この実施形態のさらに他の態様において、本明細書に開示される治療有効量のデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)若しくはT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞は、個体の疾患の重篤度を、例えば、約10%~約100%、約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約10%~約60%、約10%~約50%、約10%~約40%、約20%~約100%、約20%~約90%、約20%~約80%、約20%~約20%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約30%~約100%、約30%~約90%、約30%~約80%、約30%~約70%、約30%~約60%、若しくは約30%~約50%低減又は維持する。
【0167】
デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞が個体に投与される。典型的には、個体はヒトであるが、飼いならされているかどうかにかかわらず、イヌ、ネコ、トリ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、爬虫類及び他の動物を含むがこれらに限定されない動物であり得る。典型的には、処置の候補者である任意の個体は、その疾患が良性であろうと悪性であろうと、その個体が罹患している疾患に対する何らかの形態の療法の候補者である。がんに関しては、最も一般的な種類のがんには、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、腎臓がん(kidney cancer)、腎臓がん(renal cancer)、白血病、肺がん、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓がん、前立腺がん、胃がん及び甲状腺がんが含まれるが、これらに限定されない。典型的には、術前の評価には、手順の全ての関連するリスクと利点を開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、定期的な病歴と身体検査が含まれる。
【0168】
実施形態において、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質、又はそのような治療用化合物を含む組成物は、液体製剤にすることができる。実施形態において、経腸投与又は非経口投与に適する液体製剤には、限定するものではないが、溶液、シロップ剤、エリキシル剤、分散液、エマルジョン、及び懸濁液が含まれる。実施形態において、そのような投与が意図される本明細書に開示される治療用化合物又は組成物は、限定するものではないが、医薬組成物の製造に関して当技術分野で公知の任意の方法に従って調製され得る。実施形態において、そのような液体剤形において、本明細書で開示される治療用化合物又は組成物は、限定するものではないが、(a)適切な水性及び非水性担体、(b)希釈剤、(c)溶媒、例えば、限定するものではないが、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、植物油、例えば、限定するものではないが、菜種油及びオリーブ油、並びに注入可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチル;並びに/又は流動性剤、例えば、限定されないが、界面活性剤又はレシチンのようなコーティング剤と混合され得る。分散液及び懸濁液の場合には、流動性は、特定の粒子サイズを維持することによって制御することもできる。実施形態において、液体製剤において、本明細書で開示される治療用化合物の治療有効量は、典型的には、約0.0001%(w/v)~約90%(w/v)、0.0001%(w/v)~約80%(w/v)、0.0001%(w/v)~約70%(w/v)、0.0001%(w/v)~約60%(w/v)、0.0001%(w/v)~約50%(w/v)、0.0001%(w/v)~約40%(w/v)、0.0001%(w/v)~約30%(w/v)、0.0001%(w/v)~約20%(w/v)、0.0001%(w/v)~約10%(w/v)、約0.001%(w/v)~約90.0%(w/v)、0.001%(w/v)~約80.0%(w/v)、0.001%(w/v)~約70.0%(w/v)、0.001%(w/v)~約60.0%(w/v)、0.001%(w/v)~約0.0%(w/v)、0.001%(w/v)~約40.0%(w/v)、0.001%(w/v)~約30.0%(w/v)、0.001%(w/v)~約20.0%(w/v)、0.001%(w/v)~約10.0%(w/v)又は約0.01%(w/v)~約90.0%(w/v)、約0.01%(w/v)~約80.0%(w/v)、約0.01%(w/v)~約70.0%(w/v)、約0.01%(w/v)~約60.0%(w/v)、約0.01%(w/v)~約50.0%(w/v)、約0.01%(w/v)~約40.0%(w/v)、約0.01%(w/v)~約30.0%(w/v)約0.01%(w/v)~約20.0%(w/v)又は約0.01%(w/v)~約10.0%(w/v)であり得る。
【0169】
実施形態において、液体懸濁液は、限定するものではないが、水性懸濁液の製造に適する賦形剤と混合して、本明細書に開示されるデオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質を含むがこれらに限定されない治療用化合物を懸濁することによって製剤化され得る。実施形態において、そのような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、限定するものではないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、天然ガム、寒天、トラガカントガム及びアカシアガムであり;分散剤又は湿潤剤は、天然のホスファチド、例えば、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、限定するものではないが、ポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、限定するものではないが、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸、例えば、限定するものではないが、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから誘導される部分エステルとの縮合生成物であり得る。
【0170】
追加の態様として、本発明は、対象への投与のためのその使用を容易にするように包装された本発明の組成物を含むキットを含む。一実施形態において、そのようなキットは、方法の実施における化合物又は組成物の使用を説明する、容器に貼付されるか又はパッケージに含まれるラベルと共に密封されたボトル又は入れ物などの容器に包装される、本明細書に記載の化合物又は組成物(例えば、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質及び/又はその誘導体、バリアント若しくは類似体、並びにキメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞を含む組成物)を含む。一実施形態において、キットは、デオキシリボヌクレアーゼ酵素タンパク質を含む組成物を有する第1の容器と、第1の容器内の組成物用の生理学的に許容される再構成溶液を有する第2の容器とを含有する。一態様において、化合物又は組成物は、単位剤形で包装される。キットは、特定の投与経路に従って組成物を投与するのに適するデバイスをさらに含み得る。好ましくは、キットは、治療用タンパク質又はペプチド組成物の使用を説明するラベルを含有する。
【0171】
ある実施形態において、DNase酵素は、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に医薬組成物中に製剤化される。
【0172】
本発明の方法で使用される製剤は、都合よく単位剤形で提示されてもよく、当技術分野で公知の方法によって調製され得る。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主及び特定の投与様式に応じて変化する。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、一般に、治療効果をもたらす化合物の量である。
【0173】
一般に、製剤は、液体担体、又は微粉化された固体担体、又はその両方を用いて調製することができ、次いで、必要に応じて、生成物を成形することができる。
【0174】
非経口投与に適する医薬組成物は、1以上の薬学的に許容される無菌で等張性の水溶液又は非水溶液、分散液、懸濁液若しくはエマルジョン、又は使用直前に滅菌注入溶液若しくは分散液に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせて、1種以上の活性成分(DNase及び、場合により、別の化合物[例えば、抗がん化合物])を含んでよく、それには、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図したレシピエントの血液と等張にする溶質、又は懸濁剤又は増粘剤が含まれ得る。本発明の医薬組成物に使用され得る適切な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、並びにそれらの適切な混合物、植物油、例えば、オリーブ油、及び注入可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合に必要な粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0175】
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤を含有することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確実にすることができる。等張化剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを組成物中に含めることも望ましい場合がある。加えて、注入可能な医薬形態の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤の包含によってもたらされ得る。
【0176】
注入可能なデポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に1種以上の活性成分のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製することができる。ポリマーに対する活性成分の比率、及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、活性成分の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(酸無水物)が挙げられる。デポー注入用製剤はまた、身体組織に適合するリポソーム又はマイクロエマルジョン中に活性成分を封入することによって調製される。
【0177】
経口投与のための製剤は、カプセル、カシェ、丸剤、錠剤、粉末、顆粒、又は水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として(例えば、うがい薬として、飲み込む組成物として、若しくは浣腸として)、又は水中油型若しくは油中水型液体エマルジョンとしてなどの、各々が所定量の1種以上の活性成分を含有する形態であり得る。
【0178】
経口投与のための固体剤形(カプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末、顆粒など)において、1種以上の活性成分を、1種以上の薬学的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム、及び/又は以下のもの:(1)充填剤又は増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/又はアカシア;(3)保湿剤、例えば、グリセリン;(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(5)溶液遅延剤、例えば、パラフィン;(6)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール;(8)吸収剤、例えば、カオリン及びベントナイト粘土;(9)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物;並びに(10)着色剤のいずれかと混合することができる。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合には、医薬組成物は緩衝剤も含み得る。同様の種類の固体組成物も、ラクトース又は乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る。
【0179】
懸濁液は、1種以上の活性成分に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにそれらの混合物を含有することができる。
【0180】
粉末及びスプレーは、1種以上の活性成分に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物を含有することができる。スプレーは、通例の推進剤、例えば、クロロフルオロ炭化水素、並びに揮発性の非置換炭化水素、例えば、ブタン及びプロパンをさらに含有することができる。
【0181】
がん及び他の処置
一態様において、本発明は、それを必要とする対象のがんを処置する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞とを対象に投与することを含む方法を提供する。
【0182】
関連する態様において、本発明は、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、デオキシリボヌクレアーゼ酵素と、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を含む少なくとも1つの細胞とを対象に投与することを含み、前記デオキシリボヌクレアーゼ酵素は、腫瘍組織における免疫抑制タンパク質の発現を低下させ、及び/又は腫瘍組織内のキメラ抗原受容体又はT細胞受容体を含む細胞の含有量を増加させるのに有効である方法を提供する。
【0183】
本発明の方法は、広範囲のがんに罹患している対象において使用することができる。関連するがんの非限定的な例としては、例えば、乳がん、前立腺がん、多発性骨髄腫、移行上皮癌、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC))、腎臓がん、甲状腺がん、白血病(例えば、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫)、頭頸部がん、食道がん、胃がん、大腸がん、腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、膵臓がん、肝臓がん、胆管がん、胆嚢がん、卵巣がん、子宮体がん、膣がん、子宮頸がん、膀胱がん、神経芽細胞腫、肉腫、骨肉腫、悪性黒色腫、扁平上皮がん、原発性骨がん(例えば、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、アダマンチノーマ、巨細胞腫、及び脊索腫)と続発性(転移性)骨がんの両方を含む骨がん、軟部組織肉腫、基底細胞癌、血管肉腫(angiosarcoma)、血管肉腫(hemangiosarcoma)、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、精巣がん、子宮がん、消化器がん、中皮腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、気管支原性癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、上皮癌、神経膠腫、膠芽腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経鞘腫、乏突起膠腫、髄膜腫、網膜芽細胞腫、髄様癌、胸腺腫、肉腫が挙げられる。
【0184】
本発明のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、対象はヒトである。
【0185】
実施例
本発明はまた、以下の実施例によって説明され、実証される。しかし、本明細書中の他所でのこれら及び他の実施例の使用は例示にすぎず、本発明又は任意の例示された用語の範囲及び意味を決して制限しない。同様に、本発明は、本明細書に記載の任意の特定の好ましい実施形態に限定されない。実際、本発明の多くの改変及び変形形態は、本明細書を読めば当業者には明らかであり得、そのような変形は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく行うことができる。したがって、本発明は、特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。
【0186】
実施例1.デオキシリボヌクレアーゼ酵素は、キメラ抗原受容体(CAR)保有T細胞の治療有効性を高める
6~8週齢で、平均体重16~20gの雌性NOD SCID(CB17_Prkdcscid/NcrCrl)マウスを使用した。0.9%生理食塩水200μl中5×10個のRaji細胞をマウスの左側に皮下接種することによって、リンパ腫を生着させた。腫瘍が少なくとも50mmの触診可能な体積に達した後、マウスを4つの実験グループに無作為に割り当てた:
グループ「対照」:腫瘍接種後10日目に3×10個の非形質導入ヒトCD8 T細胞の単回IV注射;
グループ「DNase I」:腫瘍接種後10日目から始める4mg/kg用量のヒト組換えDNase I酵素(Kevelt AS;配列番号4)の10回の毎日のIV注射;
グループ「CAR19」:腫瘍接種後10日目に、CD19CAR[FMC63 scFv/IgG4ヒンジ/IgG4 CH2-CH3/CD28TM/OX-40/CD3z](Stepanov A V,Markov OV,Chernikov IV,Gladkikh DV,Zhang H,Jones T,Sen’kova A V,Chernolovskaya EL,Zenkova MA,Kalinin RS,Rubtsova MP,Meleshko AN,Genkin DD,Belogurov AA Jr,Xie J,Gabibov AG,Lerner RA.「リンパ腫の個別化CAR-T療法用のリガンドの自己分泌に基づく選択(Autocrine-based selection of ligands for personalized CAR-T therapy ofiymphoma) Sci Adv 2018 Nov 14;4(11):eaau4580.doi:10.1126/sciadv.aau4580.PMID:30443597;PMCID:PMC6235538)をコードするレンチウイルスベクターを形質導入した3×10個のヒトCD8 T細胞の単回IV注射;
グループ「CAR19とDNase I」:腫瘍接種後10日目にCD19 CAR[FMC63 scFv/IgG4ヒンジ/IgG4 CH2- CH3/CD28TM/OX-40/CD3z]をコードするレンチウイルスベクターを形質導入した3×10個の非形質導入ヒトCD8 T細胞の単回IV注射と、腫瘍接種後10日目から始める4mg/kg用量のヒト組換えDNase I酵素の10回の毎日のIV注射。
【0187】
腫瘍体積をキャリパーで測定し、楕円体の式を用いて推定した。データを図1に示す。データは、ヒト組換えDNase I酵素のIV注射がCD19 CAR T細胞に対して統計的に有意な(p<0.05)有効性の強化を提供することを明確に示している。
【0188】
実施例2.デオキシリボヌクレアーゼ酵素のAAV遺伝子導入は、キメラ抗原受容体(CAR)保有T細胞の腫瘍組織への動員を増加させ、局所免疫抑制を低減する
AAV-DNase Iベクターを、Xia Y、He J、Zhang H,らに記載のように生成した。結腸直腸がんを有するマウスの肝臓におけるDNase IのAAV媒介遺伝子導入は、肝転移を低減させ、局所的な自然免疫応答及び適応免疫応答を回復させる[印刷に先立ってオンラインで公開、2020年8月19日]Mol Oncol.2020;14(11):2920-2935.doi:10.1002/1878-0261.12787。簡単に説明すると、AAV-DNase Iベクターを、HEK293細胞においてAnc80L65キャプシドをコードするrep/capプラスミド、pCLS-014、及びアデノウイルスヘルパープラスミドのポリエチレンイミントリプルプラスミドトランスフェクションを用いて生成し、さらにイオジキサノール勾配で大規模に精製した。プラスミドpAAV-ApoEHCRエンハンサー-hAATプロモーター-hDNase I(高活性)-WPRE Xinact(pCLS-014)は、具体的には、(a)アポリポタンパク質E-肝制御領域(APOE-HCRエンハンサー)及びヒトα-1-アンチトリプシン(hAAT)プロモーター、(b)コザック配列、(c)天然のシグナル配列を含有するヒト高活性アクチン耐性のDNase Iバリアント、(d)開始コドンを変異させることにより不活化したXタンパク質コード領域を有するウッドチャック肝炎ウイルス転写後エレメント(WPRE)からなる導入遺伝子発現カセットを含んでいた。精製したAAV-DNase Iベクターを、35mM NaCl及び0.001%プルロニックF68を補充したPBS中で再構築し、定量的PCRによって力価(ゲノムコピー[GC]/mL)を決定した。精製したAAVベクターをSDS/PAGEで解析したところ、VP1~3タンパク質に対応する60、72、及び90kDaの3つのバンドが約1:1:10の比で観察された。AAV-nullは、DNase I cDNAを含まないことを除いて、CLS-014導入遺伝子発現カセットの全ての成分を含んでいた。
【0189】
CEAに特異的なモノクローナル抗体のscFvは、専有のscfvファージディスプレイライブラリーを用いて作製されている。scFvを、CD8αヒンジ、CD28膜貫通ドメイン、並びにCD3ζ及びCD28シグナル伝達ドメインと共に、pMS3レトロウイルスベクターにクローニングした。マウスCEA標的化CAR T細胞は、Wang L,Ma N,Okamoto S,ら「軽度のサイトカイン放出症候群の症状と関連する養子移入CEA特異的CAR T細胞による効率的な腫瘍退縮(Efficient tumor regression by adoptively transferred CEA-specific CAR-T cells associated with symptoms of mild cytokine release syndrome)」.Oncoimmunoiogy.2016;5(9):e1211218.2016年7月25日発行.doi:10.1080/2162402X.2016.1211218に記載のように作製されている。C57BL/6(CD45.1)同属マウスの全脾細胞(1.5×10細胞/5mL)を、6ウェルプレートの1ウェル中で固定された抗CD3(1mg/mL;145-2C11)及び可溶性抗CD28(1mg/mL;37.51)によって刺激した。刺激の1日後(1日目)に、5×10細胞に、1mLの培地を含む24ウェルプレートのレトロネクチン(Takara Bio)コーティングウェルにウイルス溶液をプレロードするレトロネクチン結合ウイルス感染法を使用してウイルスベクターを形質導入した。3日目に、増大させるために10mL培養培地を含む50mLフラスコに細胞を移した。5日目に、細胞を回収し、実験に使用した。60IU/mLの組換えヒトIL-2(Novartis)を培養中に添加した。
【0190】
肝転移モデルを樹立するために、麻酔したC57BL/6マウスを仰臥位に置いた。手術部位の皮膚を消毒した後、腹部正中切開を行い、続いて十二指腸を移動させて門脈を特定した。100万個のCEA+MC32a細胞を、30G針を用いて門脈に注射した。針を取り除いた後、綿棒で穿刺部位をそっと押すことで出血を止めた。注射後、腸を再配置し、腹壁を非吸収性縫合糸で閉じた。
【0191】
腫瘍負荷後5日目に、マウス(1グループ当たり7匹)を4グループ:
グループ「対照」:腫瘍担持対照マウス;
グループ「CAR19」:5×10個のCAR T細胞のIV注射;
グループ「AAV-DNase I」:マウスあたり1.5×1012個のGCでのAAV-DNase IベクターのIV注射;
グループ「CAR19とAAV-DNase I」:マウス投与あたり1.5×1012個のGCでのAAV-DNase Iベクターと組み合わせた5×10個のCAR T細胞のIV注射
に無作為に割り当てた。
【0192】
生存グラフを図2に提示する。図2のデータは、CAR T細胞とAAV-DNase I遺伝子導入の組み合わせによる有意な生存(p<0.05)利益を明確に示している。
【0193】
15日目に、グループ「対照」、「CAR19」、及び「CAR19とAAV-DNase I」の各々からの1匹の動物を安楽死させ(1グループ当たり1匹のマウス)、検査のために肝臓を摘出した。転移組織を、抗PD-L1抗体(クローン10F.9G2,Merck)を用いるPD L1発現、並びにビオチン化プロテインL及びFITCとコンジュゲートしたストレプトアビジンを用いるCEA標的化CAR T細胞の存在に関してフローサイトメトリーによって分析した[Xia Y,He J,Zhang H,ら「結腸直腸がんを有するマウスの肝臓におけるDNase IのAAV媒介遺伝子導入は、肝転移を低下させ、局所的な自然免疫応答及び適応免疫応答を回復させる(AAV-mediated gene transfer of DNase I in the liver of mice with colorectal cancer reduces liver metastasis and restores local innate and adaptive immune response)」 Mol Oncol.2020;14(11):2920-2935.doi:10.1002/1878-0261.12787に記載のように]。
【0194】
図3は、PD-L1を発現する転移性MC32a細胞のパーセンテージを示す。データは、CAR T細胞とAAV-DNase I遺伝子導入の組み合わせで処置したマウスの転移性病変からの転移性MC32a細胞におけるPD-L1発現の有意な抑制(p<0.05)を示している。
【0195】
図4は、MC32a転移性病変の実質におけるCEA標的化CAR T細胞のパーセンテージを示す。データは、CAR T細胞とAAV-DNase I遺伝子導入の組み合わせで処置したマウスの転移性病変におけるCAR T細胞の数の有意な増加(p<0.05)を示している。
【0196】
実施例3.デオキシリボヌクレアーゼ酵素を発現するキメラ抗原受容体(CAR)担持T細胞の開発
健常ドナーからのヒト末梢血T細胞を、自己切断ペプチドP2Aを介して、全長ヒト高活性アクチン耐性変異体DNase I(配列番号5)の遺伝子を含む又は含まない、CILDLPKFC/IgG1 Fcスペーサードメイン(「CILDLPKFC」は配列番号59として開示されている)、GGGSリンカー(配列番号60)、CD28膜貫通及び細胞内領域、並びにOX-40及びCD3ゼータの細胞内ドメインを含むFL1 CARによって操作した(Stepanovら、リンパ腫の個別化CAR T療法のためのリガンドの自己分泌に基づく選択(Autocrine-based selection of ligands for personalized CAR-T therapy of lymphoma) Sci Adv.2018,4(11):eaau4580;doi:10.1126/sciadv.aau4580)。図5を参照されたい。
【0197】
ヒトIL-2(40U/mL)を補充した完全RPMI 1640培地中での細胞の6時間インキュベーション中に、FL1-CAR-T細胞、DNase I FL1-CAR-T細胞及び非形質導入対照T細胞の培養培地中のDNase活性を、蛍光プローブ(Terekhovら、PNAS 2017,114(10):2550-2555)を用いて分析した。全ての実験は三連で行った。データを図6に提示する。データは、DNase I FL1-CAR T細胞の培養培地中でのDNase活性の漸増を示している。
【0198】
操作されたT細胞の細胞毒性及び特異性を、製造業者の推奨に従って標準的なLDH放出アッセイ(CytoTox 96非放射性細胞毒性アッセイ、Promega)で評価した。FL1-CAR-T細胞、DNase I FL1-CAR-T細胞及び非形質導入対照T細胞を、ヒトIL-2(40U/ml)を補充した完全RPMI 1640培地中で、10個のRaji-FL1細胞とともに6時間共にインキュベートした。全ての実験を三連で行った。
【0199】
データを図7に示す。データは、CARとデオキシリボヌクレアーゼ酵素を同時に発現するようにT細胞をリプログラミングすると、標的リンパ腫細胞に対して優れた細胞毒性を提供することを明確に示している(p<0.01)。
【0200】
実施例4.デオキシリボヌクレアーゼ酵素を発現するキメラ抗原受容体(CAR)担持T細胞の生物活性
6~8週齢で、平均体重16~20gの雌性NOD SCID(CB17_Prkdcscid/NcrCrl)マウスを使用した。0.9%生理食塩水200μl中5×10個のRaji-FL1 CAR細胞をマウスの左側に皮下接種することによって腫瘍を生着させた。腫瘍が少なくとも50mmの触診可能な体積に達した後、マウスを以下のように無作為に割り当て、処置した:10日目及び15日目に、担がんマウスに3×10個のaFL1 CAR T細胞(グループ2;6匹のマウス)、高活性アクチン耐性変異体DNase I(配列番号5)を発現する3×10個のaFL1 CAR T細胞(グループ3;6匹のマウス)及びプラセボ対照(グループ1;6匹のマウス)を静脈内注射した。腫瘍体積をキャリパーで測定し、楕円体の式を用いて推定した。動物を20日目に安楽死させた。
【0201】
データを図8に示す。データは、CARとDNase酵素を同時に発現するようにT細胞をリプログラミングすると、そのような二重リプログラムT細胞に優れた有効性を提供することを明確に示している(p<0.05)。
【0202】
実施例5.DNaseによる処置はCAR-T細胞療法の有効性を高める
健常ドナーからのヒト末梢血T細胞を、FMC63 scFv/IgG4ヒンジ/IgG4 CH2-CH3/CD28TM/OX-40/CD3zを含むCD19 CARによって操作した(Stepanovら、リンパ腫の個別化CAR-T療法のためのリガンドの自己分泌に基づく選択(Autocrine-based selection of ligands for personalized CAR-T therapy of lymphoma) Sci Adv.2018,4(11):eaau4580.doi:10.1126/sciadv.aau4580)に記載のように)。6~8週齢で、平均体重16~20gの雌性NOD SCID(CB17_Prkdcscid/NcrCrl)マウスを使用した。0.9%生理食塩水200μl中5×10個のRaji-CD19 CAR細胞をマウスの左側に皮下接種することによって腫瘍を生着させた。腫瘍が少なくとも50mmの触診可能な体積に達した後、マウスを以下のように無作為に割り当て、処置した:10日目及び15日目に、担がんマウスに0.5×10個のCAR-T細胞/kgの用量を単独で、又は異なるDNase Iレジメンと組み合わせて、担癌マウスにCD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞を静脈内注射した(ヒト組換えDNase I酵素(Kevelt AS;配列番号4)をIV注射により投与)。
動物を異なるグループに無作為化した:
グループ1(n=5匹のマウス)-CD19 CAR-T細胞による処置;
グループ2(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始24時間前のCD19 CAR-T細胞+500μg/kgDNase Iによる1回の処置;
グループ3(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始の24時間前と24時間後のCD19 CAR-T細胞+1000μg/kgDNase Iによる2回の処置;
グループ4(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始72時間前及び30日後のCD19 CAR-T細胞+1000μg/kgDNase Iによる2回の処置;
グループ5(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始3日前のCD19 CAR-T細胞+250μg/kgDNase Iによる処置;
グループ6(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始1日前と開始から6日間毎日のCD19 CAR-T細胞+2500μg/kgDNase Iによる処置;
グループ7(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始7日前のCD19 CAR-T細胞+500μg/kgDNase Iによる1回の処置;
グループ8(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始7日前、及びCAR T細胞療法の開始後、次の8週間毎週のCD19 CAR-T細胞+500μg/kgDNase Iによる1回の処置;
グループ9(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始の28日前のCD19 CAR-T細胞+1500μg/kgDNase Iによる1回の処置。
臨床効果と副作用をモニタリングした。
【0203】
図9は、ビオチン化プロテインL及びFITCとコンジュゲートしたストレプトアビジンを用いた末梢血中のCAR-T細胞のフローサイトメトリー検出を示す(Stepanovら、リンパ腫の個別化CAR T療法のためのリガンドの自己分泌に基づく選択(Autocrine-based selection of ligands for personalized CAR-T therapy of lymphoma) Sci Adv.2018,4(11):eaau4580;doi:10.1126/sciadv.aau4580)。データは、DNaseとCAR-T細胞療法の組み合わせが有意に(全てについてp<0.05)血液中のCAR T細胞の存続を増加させることを実証する。
【0204】
図10は、DNaseとCAR-T細胞療法の組み合わせが動物の生存を高めることを実証する。DNase IとCD19 CAR-T細胞処置の試験した全ての組み合わせは、CD19 CAR-T細胞処置単独よりも有意に優れていることを示している。グループ9の高用量DNase Iによるマウスの前処置は、CD19 CAR-T細胞処置前の腫瘍微小環境のより広範な事前の条件付けに関連し得る特定の利点をもたらした。
【0205】
実施例6.DNaseでの処置はCAR T細胞療法に関連するサイトカイン放出症候群を減少させる
サイトカイン放出症候群(CRS)をモデル化するために、6~8週齢の雌性C.B.Igh-1b/GbmsTac-PrkdcscidLystbgN7(SCID)マウス(Charles River)を使用し、3×10個のRaji細胞を腹腔内注射した。3×10個のCD19 CAR-T細胞(実施例5と同じ)を腫瘍成長後25日目に腹腔内注射した。CAR-T細胞を単独で又は異なるDNase Iレジメンと組み合わせて投与した(ヒト組換えDNase I酵素(Kevelt AS;配列番号4)、IV注射により投与)。
動物は異なるグループに無作為化した:
グループ1(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞による処置;
グループ2(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始24時間前のCAR-T細胞+500μg/kgDNase Iによる1回の処置;
グループ3(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始24時間後のCAR-T細胞+1000μg/kgDNase Iによる処置;
グループ4(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始72時間前のCAR-T細胞+1000μg/kgDNase Iによる2回の処置;
グループ5(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始7日前のCAR-T細胞+500μg/kgDNase Iによる処置;
グループ6(n=5匹のマウス)-CAR-T細胞療法の開始28日前のCAR-T細胞+500μg/kgDNase Iによる処置。
【0206】
図11に示すCRSを有する動物の%に関するデータは、DNaseの使用がCAR-T療法の安全性を高め、CAR-T関連副作用から保護することを実証する。
【0207】
配列
配列番号1-ヒトDNase I、野生型(WT)、前駆体;Genbankアクセッション番号NP_005214.2;分泌シグナル配列を下線で示す。
【化1】
配列番号2-ヒトDNAse I変異体、前駆体;配列番号1と比較した変異残基を太字の下線で示す;分泌シグナル配列を下線で示す。
【化2】

配列番号3-Anc80 VP1キャプシドタンパク質:
【化3】

=K又はRであり;X=A又はSであり;X=A又はGであり;X=R又はKであり;X=E又はQであり;X=T又はEであり;X=A又はTであり;X=S又はNであり;X=Q又はEであり;X10=S又はAであり、及びX11=N又はDである。
配列番号4-成熟野生型(WT)ヒトDNase I(分泌シグナル配列なし;GenBankアクセッション番号4AWN_A:
【化4】

配列番号5-成熟ヒトDNAse I変異体(分泌シグナル配列なし);配列番号4と比較した変異残基を太字の下線で示す:
【化5】

配列番号6-ヒトDNase Iの分泌シグナル配列:
【化6】
配列番号7-IL2の分泌シグナル配列:
【化7】
配列番号8-ヒトアルブミンプロモーター:
【化8】
配列番号9-Anc80 VP1キャプシドタンパク質:
【化9】
=K又はRであり;X=A又はSであり;X=A又はGであり;X=R又はKであり;X=E又はQであり;X=T又はEであり;X=A又はTであり;X=S又はNであり;X=Q又はEであり;X10=S又はAであり、及びX11=N又はDである。
配列番号10-ヒトベータグロビンプライマー:
【化10】
配列番号11-フォワードNLRP3プライマー:
【化11】
配列番号12-リバースNLRP3プライマー:
【化12】
配列番号13-フォワード16Sユニバーサル細菌RNA遺伝子プライマー:
【化13】
配列番号14-リバース16Sユニバーサル細菌RNA遺伝子プライマー:
【化14】
配列番号15-ヒトアンチトリプシンプロモーター配列:
【化15】
配列番号16-機能性タンパク質Xをコードしないウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント:
【化16】

配列番号17-アポリポタンパク質E(ApoE)エンハンサー、肝制御領域(HCR):
【化17】

配列番号18-配列番号5のヒトDNase I高活性バリアントをコードするポリヌクレオチド:
【化18】

配列番号19-配列番号2のヒトDNAse I変異体の前駆体をコードするポリヌクレオチド(分泌シグナル配列を下線で示す):
【化19】
配列番号20-ヒトDNase Iの分泌シグナル配列(配列番号6)をコードするポリヌクレオチド:
【化20】
配列番号21-配列番号5の成熟ヒトDNAse I変異体(分泌シグナル配列なし)をコードするポリヌクレオチド:
【化21】

配列番号22-配列番号1のヒトDNase I野生型(WT)前駆体をコードするポリヌクレオチド:
【化22】

配列番号23-配列番号4の成熟野生型(WT)ヒトDNase Iをコードするポリヌクレオチド:
【化23】

配列番号24-Mus musculus野生型DNase I、前駆体;GenBankアクセッション番号NP_034191.3;分泌シグナル配列を下線で示す:
【化24】

配列番号25-Mus musculus野生型DNase Iの分泌シグナル配列
【化25】
配列番号26-成熟野生型(WT)Mus musculus野生型DNase I
【化26】
配列番号27-Mus musculus野生型DNase Iの分泌シグナル配列をコードするポリヌクレオチド
【化27】
配列番号28-成熟野生型(WT)Mus musculus野生型DNase Iをコードするポリヌクレオチド
【化28】

配列番号29-Mus musculus野生型DNase Iの前駆体をコードするポリヌクレオチド
【化29】

配列番号30-ApoEHCRエンハンサー-hAATプロモーター-hDNase I(高活性)正確なリーダー-WPRE Xinact(VR-18013AD)の完全な配列
【化30】

(APOE HCRエンハンサー:塩基1~320;ヒトα-1-アンチトリプシンプロモーター:塩基321~717;コザック配列:塩基718~726;天然の完全に正確なリーダー配列を有するヒトDNase I高活性バリアント:塩基727~1575;不活化されたWPRE Xタンパク質:塩基1576~2212)
配列番号31-ApoEHCRエンハンサー-hAATプロモーター-hDNase I野生型-WPRE Xinact(VR-18014AD)の完全な配列
【化31】

(APOE HCRエンハンサー:塩基1~320;ヒトα-1-アンチトリプシンプロモーター:塩基321~717;コザック配列:塩基718~726;天然の完全に正確なリーダー配列を有するヒトDNase I野生型:塩基727~1575;不活化されたWPRE Xタンパク質:塩基1576~2212)
配列番号32-終止コドンを有する配列番号1のヒトDNase I野生型(WT)前駆体をコードするポリヌクレオチド:
【化32】

配列番号33-コザック配列
【化33】
配列番号34-Anc80L65 VP1キャプシドタンパク質
【化34】

配列番号35-バリアント型Anc80L65 VP1キャプシドタンパク質
【化35】

配列番号36-ヒトシナプシンプロモーター
【化36】

配列番号37-CMVプロモーター
【化37】

配列番号38-F4/80プロモーター
【化38】

配列番号39-TMEM119プロモーター
【化39】

配列番号40-MEF2プロモーター
【化40】

配列番号41-FoxP2プロモーター
【化41】

配列番号42-hDNase I(高活性)正確なリーダー-WPRE.bGH
【化42】

配列番号43-hDNase I(野生型)WPRE.bGH
【化43】

配列番号44-ヒトDNase I変異体
【化44】

配列番号45-AAV5キャプシド配列(VP1)
【化45】

配列番号46-AAV9キャプシド配列(VP1)
【化46】

配列番号47-AAVLK03 VP1キャプシドタンパク質:
【化47】

配列番号48-AAV-LK03 VP1キャプシドタンパク質をコードするポリヌクレオチド:
【化48】

配列番号49-AAV-KP1 VP1キャプシドタンパク質:
【化49】
配列番号50-AAV-KP1 VP1キャプシドタンパク質をコードするポリヌクレオチド:
【化50】

配列番号51-ヒトDNase1L3(Q13609)の前駆体(シグナルペプチドを下線で示す):
【化51】

配列番号52-ヒトDNase1L3(Q13609)の前駆体をコードするポリヌクレオチド:
【化52】

配列番号53-成熟DNase1L3:
【化53】

NGTSG(配列番号54)
SGTH(配列番号55)
SDTH(配列番号56)
GGTAN(配列番号57)
DGSGL(配列番号58)
CILDLPKFC(配列番号59)、IgG1 Fcスペーサードメイン
GGGSリンカー(配列番号60)
【0208】
本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲が限定されるべきではない。実際に、本明細書に記載のものに加えて本発明の様々な変更が、前述の説明から当業者に明らかになるであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0209】
本明細書で引用する全ての特許、出願、刊行物、試験方法、文献、及び他の材料は、あたかも本明細書中に物理的に存在するかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-09-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2024504926000001.app
【国際調査報告】