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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20240126BHJP
   F04C 29/06 20060101ALI20240126BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
F04B39/00 101M
F04B39/00 106Z
F04C29/06 B
F04C29/00 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542975
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 KR2022015433
(87)【国際公開番号】W WO2023068643
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0141377
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ, ヒョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ミン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】ベ, サン ウ
(72)【発明者】
【氏名】アン, ヘ リム
(72)【発明者】
【氏名】アン, フュ ナム
(72)【発明者】
【氏名】オ, ソン デク
(72)【発明者】
【氏名】ユン, ジェ ス
【テーマコード(参考)】
3H003
3H129
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AB07
3H003AC03
3H003BA04
3H003CD01
3H003CF01
3H129AA02
3H129AA18
3H129AB03
3H129BB21
3H129CC09
3H129CC27
3H129CC28
(57)【要約】
【課題】本発明はノイズ低減素子がインバータ部回路基板の半径方向外側に配置され、高電圧コネクター、ノイズ低減素子及び低電圧コネクターがサポートボディー上に一体化することによって、インバータ部のパッケージ縮小及び軽量化が可能な電動圧縮機を提供する。
【解決手段】本発明は、ハウジング、と、前記ハウジング内に備えられる圧縮部、と、前記ハウジング内に備えられ、前記圧縮部を駆動するモーター部、及び前記ハウジングの一側に結合され、前記モーター部を制御するインバータ部を含み、前記インバータ部は、前記ハウジングの一側に結合されるサポートボディー、及び前記サポートボディーの一側に結合されるインバータカバーを含み、前記サポートボディーは、回路基板が装着される中心部、及び前記中心部から半径方向外側に延び、ノイズ低減素子が内部に配置される第1収容部を含むことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、前記ハウジング内に備えられる圧縮部、前記ハウジング内に備えられ、前記圧縮部を駆動するモーター部、及び前記ハウジングの一側に結合され、前記モーター部を制御するインバータ部、を含み、前記インバータ部は、前記ハウジングの一側に結合されるサポートボディー、及び前記サポートボディーの一側に結合されるインバータカバーを含み、前記サポートボディーは、回路基板が安着する中心部、及び前記中心部から半径方向外側に延び、ノイズ低減素子が内部に配置される第1収容部を含むことを特徴とする電動圧縮機。
【請求項2】
前記サポートボディーは、前記第1収容部の半径方向外側に並んで配置され、高電圧コネクターが内部に配置される第2収容部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記サポートボディーは、前記中心部から半径方向外側に延び、低電圧コネクターが内部に配置される第3収容部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項4】
前記第1収容部と前記第3収容部は前記中心部から同じ方向に向かって平行するように延びることを特徴とする請求項3に記載の電動圧縮機。
【請求項5】
前記インバータカバーは前記中心部と前記第1収容部を覆うことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項6】
前記サポートボディーを囲む金属の電磁波遮蔽部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項7】
前記インバータカバーと前記サポートボディーとの間、及び前記サポートボディーと前記ハウジングとの間には、それぞれシーリング部材が配置されることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項8】
スピードリベットが前記回路基板と前記サポートボディーを貫通して設置され、ボルトが前記スピードリベットを貫通して前記ハウジングまで設置されることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項9】
締結部材が前記インバータカバー、前記サポートボディーを貫通して前記ハウジングまで設置されることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項10】
前記回路基板に接続される知能型電力モジュール(IPM)は前記ハウジングに接触されることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項11】
前記ハウジングの一側には前記知能型電力モジュール(IPM)が接触できるように前記サポートボディーに向かって突出する突出部が備えられることを特徴とする請求項10に記載の電動圧縮機。
【請求項12】
前記高電圧コネクターは、第1バスバーを通し前記ノイズ低減素子に連結され、前記ノイズ低減素子は第2バスバーを通し前記回路基板に連結されることを特徴とする請求項2に記載の電動圧縮機。
【請求項13】
前記ノイズ低減素子は前記第1バスバーと前記第2バスバーにそれぞれ溶接されることを特徴とする請求項12に記載の電動圧縮機。
【請求項14】
前記ノイズ低減素子はCMチョーク(common mode choke)であることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動圧縮機に係り、より詳しくは、ノイズ低減素子がインバータ部回路基板の半径方向外側に配置され、高電圧コネクター、ノイズ低減素子及び低電圧コネクターがサポートボディー上に一体化することによって、インバータ部のパッケージ縮小及び軽量化が可能な電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に自動車には、室内の冷暖房のための空調システムが備えられる。このような空調システムは蒸発器から引き込まれた低温低圧の気相冷媒を高温高圧の気相冷媒に圧縮させて凝縮機に送る圧縮機を含む。
【0003】
このような自動車に適用される圧縮機には、エンジンの駆動力の伝達を受けて駆動される機械式圧縮機と電気によって駆動されるモーターを用いる電動式圧縮機があり、最近では自動車内に電装化が速化し、電動式圧縮機の使用が増加している。
【0004】
一方、圧縮機には、ピストンの往復運動によって冷媒を圧縮する往復式と回転運動しながら圧縮を行う回転式がある。往復式には駆動源の伝達方式によって、クランクを使用して複数個のピストンに伝達するクランク式、斜板が設置された回転軸に伝達する斜板式などがあり、回転式には回転するロータリー軸とベインを使用するベインロータリー式、旋回スクロールと固定スクロールを使用するスクロール式がある。
【0005】
また、電動式圧縮機では、モーターの運転速度を可変することのできるインバータ方式の圧縮機開発が活発に行われている。このようなインバータ方式の電動式圧縮機はインバータがケーシングの外周面、又は一側面に装着されて、そのケーシングを貫通するターミナルとバスバーなどを利用してインバータをケーシング内部に備えられるモーターと電気的に連結している。
【0006】
この時、従来の電動式圧縮機では、高周波ノイズ低減のためのノイズ低減素子がインバータの回路基板上に配置されている。例えば、韓国公開特許第2020-0115215号公報に開示される電動圧縮機をみると、インバータの回路基板(29)には、共通モードチョークコイル(34)が実装され、これは車両側のPCU(39)で発生する高周波ノイズが圧縮機側のインバータ回路(31)に伝達されることを抑制する。
【0007】
このように、ノイズ低減素子が回路基板(29)上で、インバータカバー部材(25)の内部に配置されることによって、回路基板(29)の広さが大きくなり、それによってインバータカバー部材(25)の広さ及び高さも大きくなる必要があり、インバータ部のパッケージ縮小及び軽量化が困難であるという問題がある。
【0008】
さらに、コネクター(27)がインバータカバー部材(25)の外側に設けられ、モーターと反対方向に向かって突出しているので、電動圧縮機の全体長さも増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第2020-0115215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はノイズ低減素子がインバータ部回路基板の半径方向外側に配置され、高電圧コネクター、ノイズ低減素子及び低電圧コネクターがサポートボディー上に一体化することによって、インバータ部のパッケージ縮小及び軽量化が可能な電動圧縮機を提供することにその目的がある。
【0011】
本発明が実現しようとする技術的と課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は下記から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に分かるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の課題を解決するため本発明は、ハウジング、と、前記ハウジング内に備えられる圧縮部、と、前記ハウジング内に備えられ、前記圧縮部を駆動するモーター部、及び前記ハウジングの一側に結合され、前記モーター部を制御するインバータ部を含み、前記インバータ部は、前記ハウジングの一側に結合されるサポートボディー、及び前記サポートボディーの一側に結合されるインバータカバーを含み、前記サポートボディーは、回路基板が装着される中心部、及び前記中心部から半径方向外側に延び、ノイズ低減素子が内部に配置される第1収容部を含むことを特徴とする。
【0013】
前記サポートボディーは、前記第1収容部の半径方向外側に並んで配置され、高電圧コネクターが内部に配置される第2収容部をさらに含むことができる。
【0014】
前記サポートボディーは、前記中心部から半径方向外側に延び、低電圧コネクターが内部に配置される第3収容部をさらに含むことができる。
【0015】
前記第1収容部と前記第3収容部は前記中心部から同じ方向に向かって平行するように延びることができる。
【0016】
前記インバータカバーは前記中心部と前記第1収容部を覆うことができる。
【0017】
前記サポートボディーをめぐる金属の電磁波遮蔽部材をさらに含むことができる。
【0018】
前記インバータカバーと前記サポートボディーとの間、及び前記サポートボディーと前記ハウジングとの間には、それぞれシーリング部材が配置されることができる。
【0019】
スピードリベットが前記回路基板と前記サポートボディーを貫通して設置され、ボルトが前記スピードリベットを貫通して前記ハウジングまで設置されることができる。
【0020】
締結部材が前記インバータカバー、前記サポートボディーを貫通して前記ハウジングまで設置されることができる。
【0021】
前記回路基板に接続される知能型電力モジュール(IPM)は前記ハウジングに接触されることができる。
【0022】
前記ハウジングの一側には前記知能型電力モジュール(IPM)が接触できるように前記サポートボディーに向かって突出する突出部が備えられることができる。
【0023】
前記高電圧コネクターは第1バスバーを通じて前記ノイズ低減素子に連結され、前記ノイズ低減素子は第2バスバーを通じて前記回路基板に連結されることができる。
【0024】
前記ノイズ低減素子は前記第1バスバーと前記第2バスバーにそれぞれ溶接されることができる。
【0025】
前記ノイズ低減素子はCMチョーク(common mode choke)であることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ノイズ低減素子が回路基板の半径方向外側に配置されてサポートボディーから軸方向に突出しないので、回路基板のサイズ縮小が可能であり、インバータカバーの長さも縮小が可能である。それにより、インバータ部のパッケージ縮小、軽量化、原価削減及び設計自由度上昇の効果を奏し、電動圧縮機の全体的な長さも減少できる。
【0027】
また、高電圧コネクター及び低電圧コネクターがサポートボディーに一体型に構成されることによって、別途のボルト及び加工が不要になるので、部品数と重さが減少し、費用削減及び生産性増大の効果を奏する。
【0028】
また、原価削減及び軽量化のためにサポートボディーがプラスチック素材からなっても電磁波遮蔽部材により電磁波遮蔽が可能である。
【0029】
また、知能型電力モジュール(IPM)がハウジングに直接接触されることによって放熱性能が向上することができる。
【0030】
本発明の効果は前述した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明、又は特許請求範囲に記載される発明の構成から推論可能な全ての効果を含むと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例による電動圧縮機を図示する斜視図である。
図2図1の電動圧縮機一部を分離して図示する斜視図である。
図3図2の他の側面の斜視図である。
図4図1でサポートボディーを分離して図示する正面図である。
図5図4の一部構成を図示する正面図である。
図6】回路基板とサポートボディーの結合関係を図示する断面図である。
図7】知能型電力モジュール(IPM)とフロントハウジングを拡大して図示する斜視図である。
図8図1の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の電動圧縮機に対する好ましい実施例を添付図面を参照して説明する。
また、後述の用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者、運用者の意図または慣例によって変わることができ、下の実施例は本発明の権利範囲を限定するものではなく、本発明の請求範囲に提示される構成要素の例示的な事項にすぎない。
【0033】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通して同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時は、これは特別に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに備えることができることを意味する。
【0034】
まず、図1乃至3を参考にして、本発明による電動圧縮機(1)の構成を簡略に説明する。
【0035】
本発明の電動圧縮機は大きくハウジング(10)、モーター部、圧縮部、インバータ部(20)及びモーター部とインバータ部(20)を電気的に連結するターミナルユニットを含む。
【0036】
ハウジング(10)は電動圧縮機(1)の外観を形成して、本実施例ではフロントハウジング(12)とリアハウジング(14)からなる。
【0037】
モーター部はフロントハウジング(12)内に備えられ、圧縮部が冷媒を圧縮するための動力を提供する。モーター部は、図示されないが、フロントハウジング(12)の中心に回転可能に設置される回転軸に結合される回転子と、フロントハウジング(12)に固定されて回転子の半径方向外側に配置される固定子を含むことができる。また、固定子は固定子コアと、固定子コアに巻き取られるコイルを含むことができる。
【0038】
圧縮部はリアハウジング(14)内に備えられ、図示されないが、回転軸に偏心ブッシュを通じて結合される旋回スクロールと、フロントハウジング(12)とリアハウジング(14)との間に固定されて旋回スクロールと共に冷媒の圧縮が行われる圧縮室を形成する固定スクロールを含むことができる。このように、圧縮部が回転軸を通じてモーター部と連結されることによって、モーター部で生成される回転力が回転軸により圧縮部の旋回スクロールに伝達されることができる。しかし、これに限定されるものではなく、他の方式の圧縮部が使用できることは言うまでもない。
【0039】
インバータ部(20)はハウジング(10)の一側に結合されるが、モーター部を基準に圧縮部と反対側に結合される。インバータ部(20)はモーター部と電気的に連結されて、外部から伝達される電源及び制御信号を通じてモーター部に電源を印加して動作を制御する。具体的に、固定子はインバータ部(20)から印加される電源により電磁気場を形成し、固定子が形成する電磁気場により回転子が回転することによって圧縮部を駆動するための回転力が生成される。
【0040】
この時、モーター部とインバータ部(20)はターミナルユニットにより電気的に連結されることができる。本実施例では3相(3-phase)モーターが使われるので、3相の電源をインバータ部(20)からモーター部に供給するために、3相とそれぞれ連結される3個の連結ピン及び3個のターミナル(30)が備えられることができる。3個の連結ピンは固定子の3相コイルにそれぞれ連結されて、フロントハウジング(12)を貫通してインバータ部(20)の内側まで突出する。インバータ部(20)の内側に突出する連結ピンのそれぞれはインバータ部の回路基板(200)を貫通してそれぞれのターミナル(30)を通じて回路基板(200)に電気的に連結される。そのために、フロントハウジング(12)の一側とサポートボディー(100)、そして回路基板(200)には連結ピンが貫通するための貫通ホール(12a、102、202)がそれぞれ形成されることができる。
【0041】
以下、図2乃至5を参考して、インバータ部(20)を詳細に説明する。インバータ部(20)は大きくサポートボディー(100)、回路基板(200)、インバータカバー(300)、ノイズ低減素子(400)、高電圧コネクター(500)、低電圧コネクター(600)及び電磁波遮蔽部材(700)を含むことができる。
【0042】
サポートボディー(100)はフロントハウジング(12)の一側に配置され、スイチン素子が接続される回路基板(200)がサポートボディー(100)に装着される。本実施例でサポートボディー(100)は回路基板(200)が装着されるための円形の中心部(120)を含む。サポートボディー(100)は原価削減及び軽量化のためにプラスチック素材で形成されることができる。この時、サポートボディー(100)がプラスチック素材からなっても電磁波遮蔽が可能になるように、金属の電磁波遮蔽部材(700)がサポートボディー(100)を囲むように備えられる。実施例によって、電磁波遮蔽部材(700)はサポートボディー(100)の内側周りに沿って備えられることができる。
【0043】
サポートボディー(100)と回路基板(200)にはそれぞれサポートボディー(100)と回路基板(200)の締結のための締結ホール(104、204)が備えられる。図6に図示するように、スピードリベット(820)がサポートボディー(100)と回路基板(200)を同時に貫通して設置されることができる。ここで、サポートボディー(100)はプラスチック素材からなり、接地されないので、ボルト(840)がスピードリベット(820)を貫通してフロントハウジング(12)まで設置されることによって接地が行われることができる。
【0044】
また、サポートボディー(100)の中心部(120)にはスイチン素子のためのスロットが形成されることができる。図3、4及び7に図示するように、本実施例で回路基板(200)に接続される知能型電力モジュール(IPM、220)はスロット(106)を通じてフロントハウジング(12)に接触されることができる。そのために、フロントハウジング(12)の一側には知能型電力モジュール(220)が接触できるようにサポートボディー(100)に向かって突出する突出部(12b)が備えられる。このように、知能型電力モジュール(220)がフロントハウジング(12)に直接接触されることによって放熱性能が向上することができる。知能型電力モジュール(220)はキャリアを利用せず、フロントハウジング(12)にボルトを利用して直接締結することができる。
【0045】
本発明において、ノイズ低減素子(400)はサポートボディー(100)に設置されるが、回路基板(200)の半径方向外側に配置される。そのために、サポートボディー(100)は中心部(120)の半径方向外側に延び、ノイズ低減素子(400)が内部に配置される第1収容部(140)を含む。中心部(120)と第1収容部(140)は一体に形成されることができる。このように、ノイズ低減素子(400)が回路基板(200)の半径方向外側に配置され、特にサポートボディー(100)から軸方向に突出しないので、電動圧縮機をコンパクトに形成できる。ノイズ低減素子(400)は一例としてCMチョーク(common mode choke)に該当することができる。
【0046】
また、サポートボディー(100)は第1収容部(140)の半径方向外側に並んで配置され、高電圧コネクター(500)が内部に配置される第2収容部(160)をさらに含む。ここで、第2収容部(160)は高電圧コネクターのハウジングであることができる。高電圧コネクター(500)がノイズ低減素子(400)の半径方向外側に並んで配置されることによって、高電圧コネクター(500)とノイズ低減素子(400)の連結が容易であり、よりコンパクトに構成することができる。この時、図5に図示するように、高電圧コネクター(500)は第1バスバー(520)を通じてノイズ低減素子(400)に電気的に連結され、ノイズ低減素子(400)は第2バスバー(420)を通じて回路基板(200)に電気的に連結される。ノイズ低減素子(400)は第1バスバー(520)と第2バスバー(420)にそれぞれ溶接されることによってサポートボディー(100)に容易に一体化することができる。
【0047】
また、サポートボディー(100)は中心部(120)から半径方向外側に延び、低電圧コネクター(600)が内部に配置される第3収容部(180)をさらに含む。ここで、第3収容部(180)は低電圧コネクターのハウジングであることができる。このように、低電圧コネクター(600)もサポートボディー(100)から軸方向に突出しないので、電動圧縮機をコンパクトに形成できる。本実施例において、第1収容部(140)と第3収容部(180)は中心部(120)から同じ方向に向かって平行するように延びる。図5に図示するように、低電圧コネクター(600)は回路基板(200)に直接電気的に連結される。
【0048】
インバータカバー(300)はサポートボディー(100)の一側に結合されるが、本実施例ではサポートボディーの中心部(120)と第1収容部(140)を覆う。すなわち、インバータカバー(300)の内部に高電圧コネクター(500)及び低電圧コネクター(600)は配置されない。締結部材(860)がインバータカバー(300)及びサポートボディー(100)を貫通してフロントハウジング(12)まで設置されることによって、インバータカバー(300)とサポートボディー(100)がフロントハウジング(12)の一側に結合されることができる。
【0049】
この時、インバータカバー(300)とサポートボディー(100)との間、そしてサポートボディー(100)とフロントハウジング(12)との間には、それぞれシーリング部材(900)が配置される。具体的に図8に図示するように、インバータカバー(300)とフロントハウジング(12)でそれぞれサポートボディー(100)を向き合う側に円形の突出部が形成され、円形の突出部がサポートボディー(100)の内側面に接するように結合されることによって、互いに接する面の間にそれぞれシーリング部材(900)としてO-ringが備えられいる。
【0050】
本発明によれば、ノイズ低減素子(400)が回路基板(200)の半径方向外側に配置されてサポートボディー(100)から軸方向に突出しないので、回路基板(200)のサイズ縮小が可能であり、インバータカバー(300)の長さも縮小が可能である。それにより、インバータ部(20)のパッケージ縮小、軽量化、原価削減及び設計自由度上昇の効果を奏し、電動圧縮機(1)の全体的な長さも減少できる。
【0051】
また、高電圧コネクター(500)及び低電圧コネクター(600)がサポートボディー(100)に一体型に構成されることによって、別途のボルト及び加工が不要であるので、部品数と重さの減少が可能であり、費用節減及び生産性増大の効果を奏する。
【0052】
本発明は前述した特定の実施例及び説明に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨を逸することなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば多様な変形実施が可能であり、そのような変形は本発明の保護範囲内にある。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、ノイズ低減素子がインバータ部回路基板の半径方向外側に配置され、高電圧コネクター、ノイズ低減素子及び低電圧コネクターがサポートボディー上に一体化することによって、インバータ部のパッケージ縮小及び軽量化が可能な電動圧縮機に関する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】