(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】安全ベルトクランプ装置および車両用チャイルドシート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
B60N2/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542977
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2022050775
(87)【国際公開番号】W WO2022152868
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202120118334.4
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ウェイファン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE06
3B087DE06
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】誤使用を防止し、安全性が高い安全ベルトクランプ装置の提供。
【解決手段】本発明に係る安全ベルトクランプ装置は、クランプ部材(1)の側面に接続部(11)を有するクランプ部材(1)を含み、さらに、クランプ部材(1)の別の側面に取り付けられたロック機構(2)を含む。ロック機構(2)は、駆動部材(22)と、ロック部材(23)と、弾性部材とを含む。ロック部材(23)は、クランプ部材(1)の側面に移動可能に設けられ、ロック位置とロック解除位置を有する。弾性部材は、ロック部材(23)の側部に設けられ、ロック部材(23)が常にロック解除位置からロック位置に移動する傾向を有するように構成される。駆動部材(22)は、クランプ部材(1)の側部に移動可能に設けられている。駆動部材(22)は、クランプ部材(1)をロック位置とロック解除位置との間で切り換えられるように駆動するように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプ部材の側面に接続部を有するクランプ部材を備える安全ベルトクランプ装置であって、該安全ベルトクランプ装置は、前記クランプ部材の別の側面に取り付けられたロック機構をさらに備えており、
前記ロック機構は、駆動部材、ロック部材、弾性部材を備え、
前記ロック部材は、前記クランプ部材の側面に移動可能に設けられ、ロック位置とロック解除位置を有し、
前記弾性部材は、前記クランプ部材の側部に設置され、前記ロック部材が前記ロック解除位置から前記ロック位置へ移動する傾向を常に有するように構成されており、
前記駆動部材は、前記クランプ部材の側部に移動可能に設けられており、
前記駆動部材は、前記クランプ部材を前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で切り替えるように駆動するように構成されている、
安全ベルトクランプ装置。
【請求項2】
前記駆動部材に連結された操作部材をさらに備え、前記駆動部材は、前記操作部材の操作を受けて移動し、前記ロック部材を駆動して前記ロック位置と前記ロック解除位置との間を切り替えるように構成されている、請求項1に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項3】
前記駆動部材は、前記クランプ部材に枢動可能に接続され、前記ロック部材は、前記クランプ部材に枢動可能に接続されている、請求項1または2に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項4】
前記駆動部材は、前記ロック部材に向かって延在して前記当接部を形成し、前記ロック部材は、前記当接部に対応する押し合わせ部を形成するように延在しており、前記押し合わせ部は、前記当接部の押圧を受けて回転するように構成されている、請求項3に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項5】
前記当接部はフックであり、前記押し合わせ部は、前記ロック部材が前記フックの内部に向かって延びるように形成された突出構造である、請求項4に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項6】
前記ロック部材が前記ロック解除位置にあるとき、前記当接部が前記押し合わせ部から離間しており、
前記当接部は、前記ロック解除位置から前記ロック位置まで回転する前記ロック部材を介して、前記押し合わせ部を押すために、前記押し合わせ部に強制的に接近させられる、
請求項4または5に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項7】
前記ロック部材は、ロック部材本体と、該ロック部材本体によって形成され、外側に延びるロックフックを備え、
前記押し合わせ部は、前記ロック部材本体の外側に配置され、
前記ロックフックと前記押し合わせ部とは、互いに離間するように配置されている、
請求項4から6のいずれか1項に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項8】
前記操作部材に接続開口部が設けられており、
前記駆動部材が、前記接続開口部に向かって延びて接続ラグを形成しており、
前記接続ラグは、前記接続開口部に挿入されて接続される、
請求項2から7のいずれか1項に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項9】
前記操作部材は、外側に延びて引っ張り部を形成する操作部材本体からなり、前記接続開口部は、前記操作部材本体の内側に配置されている、請求項8に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項10】
前記引っ張り部及び前記接続開口は、前記操作部材の両側に配置され、前記引っ張り部は、板状構造を有する、請求項9に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項11】
前記クランプ部材の長さ方向に沿った前記操作部材の縦断面が相似T字形状を有し、
前記操作部材の上部の一端は操作部材本体であり、
前記操作部材の上部のもう一方の端は引っ張り部であり、
前記操作部材の中間部および下部は支持部であり、該支持部は前記操作部材本体および前記引っ張り部に対してほぼ垂直であり、
前記接続開口部は、前記操作部材本体と前記操作部材の前記支持部との間に配置される、
請求項8から10のいずれか1項に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の安全ベルトクランプ装置を備えている、車両用チャイルドシート。
【請求項13】
シート本体をさらに備え、
前記クランプ部材の前記接続部は、前記シート本体に枢動可能に接続されており、
クランプされる部品は、前記クランプ部材の枢動によってクランプされまたは解放され、
前記シート本体は、前記ロック部材に対応するロック係合部を備え、
前記ロック部材がロック位置にあるとき、前記クランプ部材のシート本体に対する枢動をロックするために、前記ロック部材は前記ロック係合部と係合する、
請求項12に記載の車両用チャイルドシート。
【請求項14】
前記シート本体は、前記クランプ部材に対応するクランプ溝を備え、
前記ロック係合部は、前記クランプ溝内に配置され、
前記ロック部材が前記ロック係合部と係合するとき、前記クランプ部材が前記クランプ溝内に配置される、
請求項13に記載の車両用チャイルドシート。
【請求項15】
前記安全ベルトクランプ装置は、前記シート本体の着座部に配置されている、請求項13または14に記載の車両用チャイルドシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、中国特許出願第202120118334.4(出願日は2021年1月15日、名称は「安全ベルトクランプ装置および車両用チャイルドシート」)の優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、子供用機器の分野に関し、特に安全ベルトクランプ装置および車両用チャイルドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
関連車両のシートには常に安全ベルトの装置が装備されており、安全ベルトは大人の乗員を保護するように構成されている場合もあれば、乳幼児や幼い子供を乗せるためにチャイルド安全シートを固定するように構成されている場合もある。
【0003】
チャイルド安全シートの場合、安全シートは通常、車両の安全ベルトをクランプするクランプ装置によって車両の座席に取り付けられる。クランプ装置が解除されると、安全ベルトは自由に可動し、安全ベルトの締結や解除を容易にする。クランプ装置がロックされると、安全ベルトがチャイルド安全シートに固定され、チャイルド安全シートと車両シートの連結が実現する。既存のクランプ装置はロック解除ボタンとロックフックを含み、ロック解除ボタンとロックフックは固定され、チャイルド安全シートはロックフックに対応するロックピンを備えている。ロック解除ボタンを操作することで、ロックフックがロックピンと係合または係合解除し、クランプ装置がロック状態またはロック解除状態になる。ロック解除ボタンでロックフックを駆動してロックおよびロック解除を行うモードは、操作が簡単でロック解除に便利であるが、子供が誤って触れてロックを解除することが容易であり、チャイルド安全シート使用中の子供の車内での安全を著しく脅かすことになる。
【0004】
したがって、上記の問題を解決する安全ベルトクランプ装置が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の一つの目的は、誤使用を防止し、安全性の高い安全ベルトクランプ装置を提供することである。本願発明の他の目的は、安全性の高い車両用チャイルドシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、クランプ部材の側面に接続部を有するクランプ部材を含む安全ベルトクランプ装置を提供する。安全ベルトクランプ装置は、クランプ部材の別の側面に取り付けられたロック機構をさらに含む。ロック機構は、駆動部材、ロック部材、弾性部材を含む。ロック部材は、クランプ部材の側面に移動可能に設けられ、ロック位置とロック解除位置を有する。弾性部材は、クランプ部材の側方に設置され、ロック部材がロック解除位置からロック位置へ常に移動する傾向を保持するように構成される。駆動部材は、クランプ部材の側方に移動可能に設けられ、駆動部材は、クランプ部材をロック位置とロック解除位置との間で切り換えるように駆動するように構成されている。
【0007】
本願発明によるいくつかの実施形態では、安全ベルトクランプ装置は、駆動部材に連結された操作部材をさらに含み、駆動部材は、操作部材の操作を受けて移動し、ロック部材を駆動してロック位置とロック解除位置との間を切り替えるように構成されている。
【0008】
本願発明によるいくつかの実施形態では、駆動部材はクランプ部材に枢動可能に連結され、ロック部材はクランプ部材に枢動可能に連結される。
【0009】
本願発明によるいくつかの実施形態では、駆動部材はロック部材に向かって延びて当接部(abutting portion)を形成し、ロック部材は延びて当接部に対応する押し合わせ部(push matching portion)を形成し、押し合わせ部は当接部の押し付けを受けて回転するように構成されている。
【0010】
本願発明によるいくつかの実施形態では、当接部はフックであり、押し合わせ部は、フックの内部に向かって延びるロック部材によって形成された突出構造(protruding structure)である。
【0011】
本願発明によるいくつかの実施形態では、ロック部材がロック解除位置にあるとき、当接部は押し合わせ部から離間しており、当接部は、ロック解除位置からロック位置に回転するロック部材を介して、押し合わせ部を押すために押し合わせ部に接近させられる。
【0012】
本願発明によるいくつかの実施形態では、ロック部材は、ロック部材本体と、ロック部材本体が外側に延びることによって形成されたロックフックとを備える。押し合わせ部は、ロック部材本体の外側に配置される。ロックフックと押し合わせ部は、互いに間隔をあけて配置される。
【0013】
本願発明によるいくつかの実施形態では、操作部材は接続開口部(connection opening)を備え、駆動部材は接続開口部に向かって延びて接続ラグ(connection lug)を形成し、接続ラグは接続開口部に挿入されて接続される。
【0014】
本願発明によるいくつかの実施形態では、操作部材は、外側に延びて引っ張り部(pulling portion)を形成する操作部材本体を含み、接続開口部は、操作部材本体の内側に配置される。
【0015】
本願発明によるいくつかの実施形態では、引っ張り部及び接続開口部は、操作部材の2つの側面に配置され、引っ張り部は板状の構造を有する。
【0016】
本願発明によるいくつかの実施形態では、クランプ部材の長さ方向に沿った操作部材の縦断面図は、相似T字形状(similar T shape)を有する。操作部材の上部の一端は操作部材本体であり、操作部材の上部の他端は引っ張り部であり、操作部材の中間部及び下部は支持部であり、支持部は操作部材本体及び引っ張り部に対して略垂直である。接続開口部は、操作部材本体と操作部材の支持部との間に配置される。
【0017】
上記目的を達成するために、本願発明は、上記安全ベルトクランプ装置を含む車両用チャイルドシートを提供する。
【0018】
本願発明によるいくつかの実施形態では、車両用チャイルドシートは、シート本体をさらに含む。クランプ部材の接続部は、シート本体に枢動可能に接続されている。クランプされる部品は、クランプ部材の枢動によって、クランプまたは解放される。シート本体には、ロック部材に対応するロック係合部(locking engaging part)が設けられている。ロック部材がロック位置にあるとき、ロック部材はロック係合部と係合してクランプ部材のシート本体に対する枢動をロックする。
【0019】
本願発明によるいくつかの実施形態では、シート本体は、クランプ部材に対応するクランプ溝を備える。ロック係合部はクランプ溝内に配置され、ロック部材がロック係合部に係合すると、クランプ部材はクランプ溝内に配置される。
【0020】
本願発明によるいくつかの実施形態では、安全ベルトクランプ装置は、シート本体の着座部に配置される。
【0021】
関連技術と比較して、本願発明の安全ベルトクランプ装置は、ロック機構を提供し、ロック機構は、操作部材、駆動部材、ロック部材及び弾性部材を含み、ロック部材は、クランプ部材の側部に移動可能に配置され、ロック位置及びロック解除位置を有し、ロック位置及びロック解除位置の間で移動可能に切り替えられ、それに応じて、クランプ部材は、クランプされる外部ピースを強固にクランプ又はロック解除することを実現する。弾性部材は、クランプ部材の側部に取り付けられ、ロック部材がロック解除位置からロック位置へ常に移動する傾向を有することを可能にし、これにより、ロック部材はロック位置に保持され、クランプ部材はクランプされる部品をしっかりとクランプする。上記駆動部材は、クランプ部材の側方に移動可能に配置され、操作部材は、駆動部材に連結され、操作部材の操作を受けて駆動部材が移動してロック部材を駆動してロック位置とロック解除位置とを切り換えることにより、ロック部材を駆動して弾性部材の弾性力に打ち勝ってロック位置からロック解除位置に切り換え、クランプ部材が被クランプ部品を解放してロック解除を実現することを特徴とする。駆動部材は、操作部材とロック部材との間に設けられ、駆動部材は、駆動構造として機能し、延長部を形成するため、関連技術においてロック解除が僅かな接触によってトリガされる危険性を回避することができ、子供の不用意な接触による誤ロック解除を効果的に回避することができ、子供の車載安全性を確保し、高い安全性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本願発明に係る安全ベルトクランプ装置がクランプ対象物を強固にクランプしているときの車両用チャイルドシートの概略構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本願発明に係る安全ベルトクランプ装置がクランプ対象物を解放する際の車両用チャイルドシートの概略構造を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の車両用チャイルドシートの一部の内部構造を示す概略斜視図である。
【
図4】
図4は、ロック部材がロック位置にある
図3の車両用チャイルドシートを示す状態図である。
【
図5】
図5は、ロック部材がロック解除位置にある
図3の車両用チャイルドシートを示す状態図である。
【
図6】
図6は、本願発明に係る安全ベルトクランプ装置の構造を示す概略斜視図である。
【
図7】
図7は、本願発明に係る安全ベルトクランプ装置の構造を示す別の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願発明によって達成される技術的内容、構造的特徴、目的及び効果を詳細に説明するために、本明細書では添付図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図1から
図4を参照すると、本願発明は、シート本体20と、安全ベルトクランプ装置10とを含む車両用チャイルドシート100を提供する。安全ベルトクランプ装置10は、クランプされる部品(図面には示されていない)をクランプまたは解放するように構成されている。本実施形態では、クランプ対象物は、車両における安全ベルトであり、クランプ対象物は、車両用チャイルドシート100のシート本体20を車両に固定するように構成されている。安全ベルトクランプ装置10は、シート本体20の着座部に配置されている。しかしながら、本願発明はこれに限定されるものではなく、例えば、安全クランプ装置をシート本体20の背面部やその他の位置に配置しても勿論よい。安全ベルトクランプ装置10は、クランプ部材1とロック機構2とを備え、クランプ部材1の側面には、シート本体20に枢動可能に接続される接続部11が設けられ、クランプ部材1の枢動により、クランプ対象物を強固にクランプまたは解除する。例えば、クランプ部材1が接続部11を中心にシート本体20に向かって
図2に矢印Aで示す方向に枢動し、クランプ部材1とシート本体20との間にクランプ対象物を挟み込むことにより、シート本体20が車両に固定される。クランプ部材1は、接続部11を中心としてシート本体20から離れる方向に、
図2に矢印Aで示す方向とは反対方向に枢動し、クランプ対象物(図示せず)を解放して、シート本体20を車両から取り外す。ロック機構2は、クランプ部材1の別の側面に設置され、すなわち、接続部11とロック機構2は、クランプ部材1の対向する2つの側面に配置される。本実施形態では、クランプ部材1は長い棒状をなし、接続部11とロック機構2はクランプ部材1の対向する2つの端部に配置されている。ロック機構2は、操作部材21、駆動部材22、ロック部材23、および弾性部材(図示せず)を含む。
図4及び
図5を参照して、ロック部材23は、クランプ部材1の側部に移動可能に設けられ、
図4に示すロック位置と
図5に示すロック解除位置とを有し、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能に切り換えられる。
図2から
図5を参照すると、シート本体20には、ロック部材23に対応するロック係合部201が設けられており、ロック位置にあるとき、ロック部材23がロック係合部201に係合することにより、シート本体20に対するクランプ部材1の枢動がロックされ、クランプ部材1によってクランプされる外部ピースが強固にクランプされ、ロック解除位置にあるとき、ロック部材23はロック係合部201から離間し、それによりクランプ部材1のシート本体20に対する枢動が解除され、クランプ部材1はクランプされる外部ピースを解放する。弾性部材は、クランプ部材1の側部に設けられ、ロック部材23がロック解除位置からロック位置へ常に移動する傾向を有することを可能にし、ロック部材23がロック部材に保持され、クランプ部材1がクランプ対象物を強固にクランプする。いくつかの実施形態では、弾性部材はねじりばねであるが、これに限定されない。駆動部材22は、クランプ部材1の側部に移動可能に配置されている。駆動部材22によって駆動され、クランプ部材1はロック位置とロック解除位置との間で切り替えられる。操作部材21は駆動部材22に接続され、操作部材21の操作を受けて駆動部材22が移動してロック部材23をロック位置とロック解除位置との間で切り換えるように駆動し、ロック部材23が弾性部材の弾性力に打ち勝ってロック位置からロック解除位置に切り換えられ、これに応じてクランプ部材1がクランプ対象物を解放してロックを解除する。また、操作部材21とロック部材23との間に駆動部材22が設けられ、駆動部材22が延長部を形成する駆動構造として機能するため、関連技術において、ちょっとした接触でロック解除が引き起こされる危険性を防止することができ、子供の不慮の接触による誤ロック解除を効果的に防止し、乳幼児の車載安全と高い安全性を確保することができる。駆動部材22は操作部材21と一体化して一体構造を形成してもよく、駆動部材22と操作部材は分離構造であってもよく、さらに組み立てられることに留意すべきである。駆動部材22と操作部材21は、その機能に応じて名付けられた2つのモジュールであるが、これに限定されるべきではない。
【0025】
図4から
図7を参照すると、より具体的には、駆動部材22がクランプ部材1に枢動可能に接続され、ロック部材23がクランプ部材1に枢動可能に接続されている。駆動部材22は、操作部材21の操作を受けて回転し、ロック部材23を回転駆動してロック位置とロック解除位置とを回転可能に切り替える。また、操作部材21、駆動部材22及びロック部材23は、いずれも回動可能であるため、操作部材21、駆動部材22及びロック部材23間のより円滑な連動動作が実現される。なお、他の実施形態において、駆動部材22がクランプ部材1に対してスライド可能に配置され、ロック部材23がクランプ部材1の側部にスライド可能に配置され、駆動部材22の移動によってロック部材23が駆動されて移動し、それによってロック部材23のロック位置とロック解除位置との間の切り替えが実現されてもよい。具体的には、駆動部材22は、ロック部材23に向かって延びて当接部221を形成し、ロック部材23は、当接部221に対応する押し合わせ部231を形成するように延びている。押し合わせ部231は、当接部221に押されて回転する。好ましくは、当接部221はフックであり、押し合わせ部231はロック部材23によって形成されたフックの内部に向かって延びる突出構造である。ロック部材23がロック解除位置にあるとき、当接部221は押し合わせ部231から離間しており、すなわち当接部221と押し合わせ部231との間には距離があり、当接部221は駆動部材22の回転により押し合わせ部231に接近し、その後、押し合わせ部231を押圧する。また、ロック部材23がロック解除位置にあるとき、当接部221が押し合わせ部231から離間しているため、すなわち、押し合わせ部231と当接部221との間に一定の距離があるため、当接部221が押し合わせ部231に接触して当接する前に、駆動部材22がロック解除位置から一定の距離だけ強制的に移動させられるため、子供が誤って触れることによる誤ロック解除を効果的に回避することができ、乳幼児の車載安全性を確保することができ、高い安全性を実現することができる。他の実施形態では、駆動部材22は、リセットトーションスプリングを備えることができる。リセットトーションスプリングは、駆動部材22の当接部221が、ロック部材23の押し合わせ部231に対して当接を解除する傾向を有するように作用する弾性力を提供するように構成されている。なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、リセットトーションスプリングを設けないことを選択することもできる。ロック部材23は、ロック係合部201と係合または係合解除することにより、ロック部材23とロック係合部201との安定した連結を実現する。具体的には、ロック部材23は、ロック部材本体232と、ロック部材本体232によって形成され、外側に延びるロックフック233とを含む。押し合わせ部231は、ロック部材本体232の外周側に配置され、ロックフック233は、押し合わせ部231から離間するように配置され、ロックフック233は、押し合わせ部231に隣接して配置される。
図3を参照すると、これに対応して、ロック係合部201はロックピンであり、ロックフック233はロックピンと係合または係合解除することにより、ロックまたはロック解除を実現する。もちろん、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、製造者は必要に応じて、上記ロック構造を他のロック構造に調整することができる。
【0026】
図4から
図5を参照すると、操作部材21には接続開口部211が設けられており、駆動部材22は接続開口部211に向かって延びて接続ラグ222を形成している。接続ラグ222が接続開口部211に挿入されて接続されることにより、操作部材21が駆動部材22に固定され、操作部材21が駆動部材22を回転駆動することができ、駆動部材22の移動の安定性が向上する。なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、操作部材21と駆動部材22との安定した接続を実現するために、製造者が他の接続方法を選択することもできる。具体的には、操作部材21は操作部材本体212を含み、操作部材本体212は外側に延びて引っ張り部213を形成する。接続開口部211は、操作部材21の操作部材本体212の内側に配置されている。引っ張り部213と接続開口部211は操作部材21の両側面に配置され、引っ張り部213は板状構造を有し、引っ張り部213には滑り止めが施されている。ただし、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0027】
本願発明のいくつかの実施形態では、
図4に示すように、クランプ部材1の長さ方向に沿った操作部材21の縦断面が同様のT字形状を有している。相似T字形状の操作部材21の上部の一端は操作部材本体212であり、他端は引っ張り部213である。操作部材21の中間部および下部は支持部214となっている。支持部214は、操作部材本体212および引っ張り部213に対してほぼ垂直である。接続開口部211は、操作部材本体212と操作部材21の支持部214との間に配置されている。
【0028】
図1から2を参照すると、シート本体20には、クランプ部材1に対応するクランプ溝202が設けられ、クランプ溝202にロック係合部201が配置されている。ロック部材23がロック係合部201に係合すると、クランプ部材1はクランプ溝202に配置される。クランプ溝202の配置により、クランプ部材1がシート本体20から突出するのを効果的に防止することができ、乳幼児の違和感を効果的に回避することができる。
【0029】
図1から
図7と合わせて、車両用チャイルドシート100の装着工程を以下に詳細に説明する。
【0030】
シート本体20を車両に装着したい場合には、操作部材21を引くと、操作部材21の操作により駆動部材22が
図5に矢印Bで示す方向に回転する。駆動部材22の回転に駆動されて、当接部221が押し合わせ部231に近づき、押し合わせ部231を押す。そして、当接部221の付勢力を受けてロック部材23がロック位置からロック解除位置に回転し、弾性部材の弾性力に打ち勝ってロック部材23がロック係合部201から外れる。このとき、クランプ部材1が接続部11を支点に枢動し、シート本体20から離れる方向に、
図2の矢印Aで示す方向とは逆の枢動方向に回転することで、クランプ溝202とクランプ部材1との間にクランプ対象物が配置される。クランプ部材1は接続部11上で枢動し、
図2中の矢印Aで示す枢動方向にシート本体20に近接して回転し、クランプ部材1とシート本体20との間にクランプ対象物がクランプされる。ロック部材23が弾性部材の弾性復元力の作用によりロック解除位置からロック位置に回転し、駆動部材22及び操作部材21がリセットされることにより、クランプ対象物が強固にクランプされ、シート本体20が車両に固定される。シート本体20を車両から取り外したい場合には、上記の工程を逆の順序で繰り返して安全ベルトを取り出す。
【0031】
ロック機構2が設けられ、ロック機構2は、操作部材21と、駆動部材22と、ロック部材23と、弾性部材とを含み、ロック部材23は、クランプ部材1の側部に移動可能に配置され、ロック位置とロック解除位置とを有し、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能に切り替えられ、これにより、クランプ部材1は、クランプされる外部ピースを強固にクランプ又はロック解除することを実現する。弾性部材は、クランプ部材1の側部に取り付けられ、ロック部材23がロック解除位置からロック位置へ常に移動する傾向を有することを可能にし、これにより、ロック部材23はロック位置に保持され、クランプ部材1はクランプされる部品をしっかりとクランプする。駆動部材22はクランプ部材1の側方に移動可能に配置され、操作部材21は駆動部材22に接続され、操作部材21の操作を受けて駆動部材22が移動してロック部材23を駆動してロック位置とロック解除位置とを切り換えることにより、ロック部材23を駆動して弾性部材の弾性力に打ち勝ってロック位置からロック解除位置に切り換え、クランプ部材1がクランプ対象物を解放してロック解除を実現することができる。駆動部材22は、操作部材21とロック部材23との間に設けられ、駆動部材22は、駆動構造として機能し、延長部を形成するため、関連技術における僅かな接触によってロック解除がトリガされる危険性を回避することができ、子供の不意の接触による誤操作によるロック解除を効果的に回避することができ、子供の車載安全を確保し、高い安全性を実現することができる。
【0032】
上記に開示したものは、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するために使用されるべきではない。従って、本願の実施形態に基づいてなされた同等の変更は、本願によってカバーされる範囲内にある。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプ部材の側面に接続部を有するクランプ部材を備える安全ベルトクランプ装置であって、該安全ベルトクランプ装置は、前記クランプ部材の別の側面に取り付けられたロック機構をさらに備えており、
前記ロック機構は、駆動部材、ロック部材、弾性部材を備え、
前記ロック部材は、前記クランプ部材の側面に移動可能に設けられ、ロック位置とロック解除位置を有し、
前記弾性部材は、前記クランプ部材の側部に設置され、前記ロック部材が前記ロック解除位置から前記ロック位置へ移動する傾向を常に有するように構成されており、
前記駆動部材は、前記クランプ部材の側部に移動可能に設けられており、
前記駆動部材は、前記
ロック部材を前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で切り替えるように駆動するように構成されている、
安全ベルトクランプ装置。
【請求項2】
前記駆動部材に連結された操作部材をさらに備え、前記駆動部材は、前記操作部材の操作を受けて移動し、前記ロック部材を駆動して前記ロック位置と前記ロック解除位置との間を切り替えるように構成されている、請求項1に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項3】
前記駆動部材は、前記クランプ部材に枢動可能に接続され、前記ロック部材は、前記クランプ部材に枢動可能に接続されている、請求項
1に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項4】
前記駆動部材は、前記ロック部材に向かって延在して前記当接部を形成し、前記ロック部材は、前記当接部に対応する押し合わせ部を形成するように延在しており、前記押し合わせ部は、前記当接部の押圧を受けて回転するように構成されている、請求項3に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項5】
前記当接部はフックであり、前記押し合わせ部は、前記ロック部材が前記フックの内部に向かって延びるように形成された突出構造である、請求項4に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項6】
前記ロック部材が前記
ロック位置にあるとき、前記当接部が前記押し合わせ部から離間しており、
前記当接部は、前記
ロック位置から前記
ロック解除位置まで回転する前記ロック部材を介して、前記押し合わせ部を押すために、前記押し合わせ部に強制的に接近させられる、
請求項4または5に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項7】
前記ロック部材は、ロック部材本体と、該ロック部材本体によって形成され、外側に延びるロックフックを備え、
前記押し合わせ部は、前記ロック部材本体の外側に配置され、
前記ロックフックと前記押し合わせ部とは、互いに離間するように配置されている、
請求項4
または5に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項8】
前記操作部材に接続開口部が設けられており、
前記駆動部材が、前記接続開口部に向かって延びて接続ラグを形成しており、
前記接続ラグは、前記接続開口部に挿入されて接続される、
請求項2から
5のいずれか1項に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項9】
前記操作部材は、外側に延びて引っ張り部を形成する操作部材本体からなり、前記接続開口部は、前記操作部材本体の内側に配置されている、請求項8に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項10】
前記引っ張り部及び前記接続開口は、前記操作部材の両側に配置され、前記引っ張り部は、板状構造を有する、請求項9に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項11】
前記クランプ部材の長さ方向に沿った前記操作部材の縦断面が相似T字形状を有し、
前記操作部材の上部の一端は操作部材本体であり、
前記操作部材の上部のもう一方の端は引っ張り部であり、
前記操作部材の中間部および下部は支持部であり、該支持部は前記操作部材本体および前記引っ張り部に対してほぼ垂直であり、
前記接続開口部は、前記操作部材本体と前記操作部材の前記支持部との間に配置される、
請求項
8に記載の安全ベルトクランプ装置。
【請求項12】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の安全ベルトクランプ装置を備えている、車両用チャイルドシート。
【請求項13】
シート本体をさらに備え、
前記クランプ部材の前記接続部は、前記シート本体に枢動可能に接続されており、
クランプされる部品は、前記クランプ部材の枢動によってクランプされまたは解放され、
前記シート本体は、前記ロック部材に対応するロック係合部を備え、
前記ロック部材がロック位置にあるとき、前記クランプ部材のシート本体に対する枢動をロックするために、前記ロック部材は前記ロック係合部と係合する、
請求項12に記載の車両用チャイルドシート。
【請求項14】
前記シート本体は、前記クランプ部材に対応するクランプ溝を備え、
前記ロック係合部は、前記クランプ溝内に配置され、
前記ロック部材が前記ロック係合部と係合するとき、前記クランプ部材が前記クランプ溝内に配置される、
請求項13に記載の車両用チャイルドシート。
【請求項15】
前記安全ベルトクランプ装置は、前記シート本体の着座部に配置されている、
請求項13に記載の車両用チャイルドシート。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月14日に出願された国際出願第PCT/EP2022/050775号の日本国内段階であり、中国特許出願第202120118334.4(出願日は2021年1月15日、名称は「安全ベルトクランプ装置および車両用チャイルドシート」)の優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、子供用機器の分野に関し、特に安全ベルトクランプ装置および車両用チャイルドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
関連車両のシートには常に安全ベルトの装置が装備されており、安全ベルトは大人の乗員を保護するように構成されている場合もあれば、乳幼児や幼い子供を乗せるためにチャイルド安全シートを固定するように構成されている場合もある。
【0003】
チャイルド安全シートの場合、安全シートは通常、車両の安全ベルトをクランプするクランプ装置によって車両の座席に取り付けられる。クランプ装置が解除されると、安全ベルトは自由に可動し、安全ベルトの締結や解除を容易にする。クランプ装置がロックされると、安全ベルトがチャイルド安全シートに固定され、チャイルド安全シートと車両シートの連結が実現する。既存のクランプ装置はロック解除ボタンとロックフックを含み、ロック解除ボタンとロックフックは固定され、チャイルド安全シートはロックフックに対応するロックピンを備えている。ロック解除ボタンを操作することで、ロックフックがロックピンと係合または係合解除し、クランプ装置がロック状態またはロック解除状態になる。ロック解除ボタンでロックフックを駆動してロックおよびロック解除を行うモードは、操作が簡単でロック解除に便利であるが、子供が誤って触れてロックを解除することが容易であり、チャイルド安全シート使用中の子供の車内での安全を著しく脅かすことになる。
【0004】
したがって、上記の問題を解決する安全ベルトクランプ装置が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の一つの目的は、誤使用を防止し、安全性の高い安全ベルトクランプ装置を提供することである。本願発明の他の目的は、安全性の高い車両用チャイルドシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、クランプ部材の側面に接続部を有するクランプ部材を含む安全ベルトクランプ装置を提供する。安全ベルトクランプ装置は、クランプ部材の別の側面に取り付けられたロック機構をさらに含む。ロック機構は、駆動部材、ロック部材、弾性部材を含む。ロック部材は、クランプ部材の側面に移動可能に設けられ、ロック位置とロック解除位置を有する。弾性部材は、クランプ部材の側方に設置され、ロック部材がロック解除位置からロック位置へ常に移動する傾向を保持するように構成される。駆動部材は、クランプ部材の側方に移動可能に設けられ、駆動部材は、ロック部材をロック位置とロック解除位置との間で切り換えるように駆動するように構成されている。
【0007】
本願発明によるいくつかの実施形態では、安全ベルトクランプ装置は、駆動部材に連結された操作部材をさらに含み、駆動部材は、操作部材の操作を受けて移動し、ロック部材を駆動してロック位置とロック解除位置との間を切り替えるように構成されている。
【0008】
本願発明によるいくつかの実施形態では、駆動部材はクランプ部材に枢動可能に連結され、ロック部材はクランプ部材に枢動可能に連結される。
【0009】
本願発明によるいくつかの実施形態では、駆動部材はロック部材に向かって延びて当接部(abutting portion)を形成し、ロック部材は延びて当接部に対応する押し合わせ部(push matching portion)を形成し、押し合わせ部は当接部の押し付けを受けて回転するように構成されている。
【0010】
本願発明によるいくつかの実施形態では、当接部はフックであり、押し合わせ部は、フックの内部に向かって延びるロック部材によって形成された突出構造(protruding structure)である。
【0011】
本願発明によるいくつかの実施形態では、ロック部材がロック位置にあるとき、当接部は押し合わせ部から離間しており、当接部は、ロック位置からロック解除位置に回転するロック部材を介して、押し合わせ部を押すために押し合わせ部に接近させられる。
【0012】
本願発明によるいくつかの実施形態では、ロック部材は、ロック部材本体と、ロック部材本体が外側に延びることによって形成されたロックフックとを備える。押し合わせ部は、ロック部材本体の外側に配置される。ロックフックと押し合わせ部は、互いに間隔をあけて配置される。
【0013】
本願発明によるいくつかの実施形態では、操作部材は接続開口部(connection opening)を備え、駆動部材は接続開口部に向かって延びて接続ラグ(connection lug)を形成し、接続ラグは接続開口部に挿入されて接続される。
【0014】
本願発明によるいくつかの実施形態では、操作部材は、外側に延びて引っ張り部(pulling portion)を形成する操作部材本体を含み、接続開口部は、操作部材本体の内側に配置される。
【0015】
本願発明によるいくつかの実施形態では、引っ張り部及び接続開口部は、操作部材の2つの側面に配置され、引っ張り部は板状の構造を有する。
【0016】
本願発明によるいくつかの実施形態では、クランプ部材の長さ方向に沿った操作部材の縦断面図は、相似T字形状(similar T shape)を有する。操作部材の上部の一端は操作部材本体であり、操作部材の上部の他端は引っ張り部であり、操作部材の中間部及び下部は支持部であり、支持部は操作部材本体及び引っ張り部に対して略垂直である。接続開口部は、操作部材本体と操作部材の支持部との間に配置される。
【0017】
上記目的を達成するために、本願発明は、上記安全ベルトクランプ装置を含む車両用チャイルドシートを提供する。
【0018】
本願発明によるいくつかの実施形態では、車両用チャイルドシートは、シート本体をさらに含む。クランプ部材の接続部は、シート本体に枢動可能に接続されている。クランプされる部品は、クランプ部材の枢動によって、クランプまたは解放される。シート本体には、ロック部材に対応するロック係合部(locking engaging part)が設けられている。ロック部材がロック位置にあるとき、ロック部材はロック係合部と係合してクランプ部材のシート本体に対する枢動をロックする。
【0019】
本願発明によるいくつかの実施形態では、シート本体は、クランプ部材に対応するクランプ溝を備える。ロック係合部はクランプ溝内に配置され、ロック部材がロック係合部に係合すると、クランプ部材はクランプ溝内に配置される。
【0020】
本願発明によるいくつかの実施形態では、安全ベルトクランプ装置は、シート本体の着座部に配置される。
【0021】
関連技術と比較して、本願発明の安全ベルトクランプ装置は、ロック機構を提供し、ロック機構は、操作部材、駆動部材、ロック部材及び弾性部材を含み、ロック部材は、クランプ部材の側部に移動可能に配置され、ロック位置及びロック解除位置を有し、ロック位置及びロック解除位置の間で移動可能に切り替えられ、それに応じて、クランプ部材は、クランプされる外部ピースを強固にクランプ又はロック解除することを実現する。弾性部材は、クランプ部材の側部に取り付けられ、ロック部材がロック解除位置からロック位置へ常に移動する傾向を有することを可能にし、これにより、ロック部材はロック位置に保持され、クランプ部材はクランプされる部品をしっかりとクランプする。上記駆動部材は、クランプ部材の側方に移動可能に配置され、操作部材は、駆動部材に連結され、操作部材の操作を受けて駆動部材が移動してロック部材を駆動してロック位置とロック解除位置とを切り換えることにより、ロック部材を駆動して弾性部材の弾性力に打ち勝ってロック位置からロック解除位置に切り換え、クランプ部材が被クランプ部品を解放してロック解除を実現することを特徴とする。駆動部材は、操作部材とロック部材との間に設けられ、駆動部材は、駆動構造として機能し、延長部を形成するため、関連技術においてロック解除が僅かな接触によってトリガされる危険性を回避することができ、子供の不用意な接触による誤ロック解除を効果的に回避することができ、子供の車載安全性を確保し、高い安全性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本願発明に係る安全ベルトクランプ装置がクランプ対象物を強固にクランプしているときの車両用チャイルドシートの概略構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本願発明に係る安全ベルトクランプ装置がクランプ対象物を解放する際の車両用チャイルドシートの概略構造を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の車両用チャイルドシートの一部の内部構造を示す概略斜視図である。
【
図4】
図4は、ロック部材がロック位置にある
図3の車両用チャイルドシートを示す状態図である。
【
図5】
図5は、ロック部材がロック解除位置にある
図3の車両用チャイルドシートを示す状態図である。
【
図6】
図6は、本願発明に係る安全ベルトクランプ装置の構造を示す概略斜視図である。
【
図7】
図7は、本願発明に係る安全ベルトクランプ装置の構造を示す別の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願発明によって達成される技術的内容、構造的特徴、目的及び効果を詳細に説明するために、本明細書では添付図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図1から
図4を参照すると、本願発明は、シート本体20と、安全ベルトクランプ装置10とを含む車両用チャイルドシート100を提供する。安全ベルトクランプ装置10は、クランプされる部品(図面には示されていない)をクランプまたは解放するように構成されている。本実施形態では、クランプ対象物は、車両における安全ベルトであり、クランプ対象物は、車両用チャイルドシート100のシート本体20を車両に固定するように構成されている。安全ベルトクランプ装置10は、シート本体20の着座部に配置されている。しかしながら、本願発明はこれに限定されるものではなく、例えば、安全
ベルトクランプ装置をシート本体20の背面部やその他の位置に配置しても勿論よい。安全ベルトクランプ装置10は、クランプ部材1とロック機構2とを備え、クランプ部材1の側面には、シート本体20に枢動可能に接続される接続部11が設けられ、クランプ部材1の枢動により、クランプ対象物を強固にクランプまたは解除する。例えば、クランプ部材1が接続部11を中心にシート本体20に向かって
図2に矢印Aで示す方向に枢動し、クランプ部材1とシート本体20との間にクランプ対象物を挟み込むことにより、シート本体20が車両に固定される。クランプ部材1は、接続部11を中心としてシート本体20から離れる方向に、
図2に矢印Aで示す方向とは反対方向に枢動し、クランプ対象物(図示せず)を解放して、シート本体20を車両から取り外す。ロック機構2は、クランプ部材1の別の側面に設置され、すなわち、接続部11とロック機構2は、クランプ部材1の対向する2つの側面に配置される。本実施形態では、クランプ部材1は長い棒状をなし、接続部11とロック機構2はクランプ部材1の対向する2つの端部に配置されている。ロック機構2は、操作部材21、駆動部材22、ロック部材23、および弾性部材(図示せず)を含む。
図4及び
図5を参照して、ロック部材23は、クランプ部材1の側部に移動可能に設けられ、
図4に示すロック位置と
図5に示すロック解除位置とを有し、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能に切り換えられる。
図2から
図5を参照すると、シート本体20には、ロック部材23に対応するロック係合部201が設けられており、ロック位置にあるとき、ロック部材23がロック係合部201に係合することにより、シート本体20に対するクランプ部材1の枢動がロックされ、クランプ部材1によってクランプされる外部ピースが強固にクランプされ、ロック解除位置にあるとき、ロック部材23はロック係合部201から離間し、それによりクランプ部材1のシート本体20に対する枢動が解除され、クランプ部材1はクランプされる外部ピースを解放する。弾性部材は、クランプ部材1の側部に設けられ、ロック部材23がロック解除位置からロック位置へ常に移動する傾向を有することを可能にし、ロック部材23がロック部材に保持され、クランプ部材1がクランプ対象物を強固にクランプする。いくつかの実施形態では、弾性部材はねじりばねであるが、これに限定されない。駆動部材22は、クランプ部材1の側部に移動可能に配置されている。駆動部材22によって駆動され、
ロック部材23はロック位置とロック解除位置との間で切り替えられる。操作部材21は駆動部材22に接続され、操作部材21の操作を受けて駆動部材22が移動してロック部材23をロック位置とロック解除位置との間で切り換えるように駆動し、ロック部材23が弾性部材の弾性力に打ち勝ってロック位置からロック解除位置に切り換えられ、これに応じてクランプ部材1がクランプ対象物を解放してロックを解除する。また、操作部材21とロック部材23との間に駆動部材22が設けられ、駆動部材22が延長部を形成する駆動構造として機能するため、関連技術において、ちょっとした接触でロック解除が引き起こされる危険性を防止することができ、子供の不慮の接触による誤ロック解除を効果的に防止し、乳幼児の車載安全と高い安全性を確保することができる。駆動部材22は操作部材21と一体化して一体構造を形成してもよく、駆動部材22と操作部材は分離構造であってもよく、さらに組み立てられることに留意すべきである。駆動部材22と操作部材21は、その機能に応じて名付けられた2つのモジュールであるが、これに限定されるべきではない。
【0025】
図4から
図7を参照すると、より具体的には、駆動部材22がクランプ部材1に枢動可能に接続され、ロック部材23がクランプ部材1に枢動可能に接続されている。駆動部材22は、操作部材21の操作を受けて回転し、ロック部材23を回転駆動してロック位置とロック解除位置とを回転可能に切り替える。また、操作部材21、駆動部材22及びロック部材23は、いずれも回動可能であるため、操作部材21、駆動部材22及びロック部材23間のより円滑な連動動作が実現される。なお、他の実施形態において、駆動部材22がクランプ部材1に対してスライド可能に配置され、ロック部材23がクランプ部材1の側部にスライド可能に配置され、駆動部材22の移動によってロック部材23が駆動されて移動し、それによってロック部材23のロック位置とロック解除位置との間の切り替えが実現されてもよい。具体的には、駆動部材22は、ロック部材23に向かって延びて当接部221を形成し、ロック部材23は、当接部221に対応する押し合わせ部231を形成するように延びている。押し合わせ部231は、当接部221に押されて回転する。好ましくは、当接部221はフックであり、押し合わせ部231はロック部材23によって形成されたフックの内部に向かって延びる突出構造である。ロック部材23が
ロック位置にあるとき、当接部221は押し合わせ部231から離間しており、すなわち当接部221と押し合わせ部231との間には距離があり、当接部221は駆動部材22の回転により押し合わせ部231に接近し、その後、押し合わせ部231を押圧する。また、ロック部材23が
ロック位置にあるとき、当接部221が押し合わせ部231から離間しているため、すなわち、押し合わせ部231と当接部221との間に一定の距離があるため、当接部221が押し合わせ部231に接触して当接する前に、駆動部材22が
ロック位置から一定の距離だけ強制的に移動させられるため、子供が誤って触れることによる誤ロック解除を効果的に回避することができ、乳幼児の車載安全性を確保することができ、高い安全性を実現することができる。他の実施形態では、駆動部材22は、リセットトーションスプリングを備えることができる。リセットトーションスプリングは、駆動部材22の当接部221が、ロック部材23の押し合わせ部231に対して当接を解除する傾向を有するように作用する弾性力を提供するように構成されている。なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、リセットトーションスプリングを設けないことを選択することもできる。ロック部材23は、ロック係合部201と係合または係合解除することにより、ロック部材23とロック係合部201との安定した連結
もしくは離間を実現する。具体的には、ロック部材23は、ロック部材本体232と、ロック部材本体232によって形成され、外側に延びるロックフック233とを含む。押し合わせ部231は、ロック部材本体232の外周側に配置され、ロックフック233は、押し合わせ部231から離間するように配置され、ロックフック233は、押し合わせ部231に隣接して配置される。
図3を参照すると、これに対応して、ロック係合部201はロックピンであり、ロックフック233はロックピンと係合または係合解除することにより、ロックまたはロック解除を実現する。もちろん、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、製造者は必要に応じて、上記ロック構造を他のロック構造に調整することができる。
【0026】
図4から
図5を参照すると、操作部材21には接続開口部211が設けられており、駆動部材22は接続開口部211に向かって延びて接続ラグ222を形成している。接続ラグ222が接続開口部211に挿入されて接続されることにより、操作部材21が駆動部材22に固定され、操作部材21が駆動部材22を回転駆動することができ、駆動部材22の移動の安定性が向上する。なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、操作部材21と駆動部材22との安定した接続を実現するために、製造者が他の接続方法を選択することもできる。具体的には、操作部材21は操作部材本体212を含み、操作部材本体212は外側に延びて引っ張り部213を形成する。接続開口部211は、操作部材21の操作部材本体212の内側に配置されている。引っ張り部213と接続開口部211は操作部材21の両側面に配置され、引っ張り部213は板状構造を有し、引っ張り部213には滑り止めが施されている。ただし、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0027】
本願発明のいくつかの実施形態では、
図4に示すように、クランプ部材1の長さ方向に沿った操作部材21の縦断面が同様のT字形状を有している。相似T字形状の操作部材21の上部の一端は操作部材本体212であり、他端は引っ張り部213である。操作部材21の中間部および下部は支持部214となっている。支持部214は、操作部材本体212および引っ張り部213に対してほぼ垂直である。接続開口部211は、操作部材本体212と操作部材21の支持部214との間に配置されている。
【0028】
図1から2を参照すると、シート本体20には、クランプ部材1に対応するクランプ溝202が設けられ、クランプ溝202にロック係合部201が配置されている。ロック部材23がロック係合部201に係合すると、クランプ部材1はクランプ溝202に配置される。クランプ溝202の配置により、クランプ部材1がシート本体20から突出するのを効果的に防止することができ、乳幼児の違和感を効果的に回避することができる。
【0029】
図1から
図7と合わせて、車両用チャイルドシート100の装着工程を以下に詳細に説明する。
【0030】
シート本体20を車両に装着したい場合には、操作部材21を引くと、操作部材21の操作により駆動部材22が
図5に矢印Bで示す方向に回転する。駆動部材22の回転に駆動されて、当接部221が押し合わせ部231に近づき、押し合わせ部231を押す。そして、当接部221の付勢力を受けてロック部材23がロック位置からロック解除位置に回転し、弾性部材の弾性力に打ち勝ってロック部材23がロック係合部201から外れる。このとき、クランプ部材1が接続部11を支点に枢動し、シート本体20から離れる方向に、
図2の矢印Aで示す方向とは逆の枢動方向に回転することで、クランプ溝202とクランプ部材1との間にクランプ対象物が配置される。クランプ部材1は接続部11上で枢動し、
図2中の矢印Aで示す枢動方向にシート本体20に近接して回転し、クランプ部材1とシート本体20との間にクランプ対象物がクランプされる。ロック部材23が弾性部材の弾性復元力の作用によりロック解除位置からロック位置に回転し、駆動部材22及び操作部材21がリセットされることにより、クランプ対象物が強固にクランプされ、シート本体20が車両に固定される。シート本体20を車両から取り外したい場合には、上記の工程を逆の順序で繰り返して安全ベルトを取り出す。
【0031】
ロック機構2が設けられ、ロック機構2は、操作部材21と、駆動部材22と、ロック部材23と、弾性部材とを含み、ロック部材23は、クランプ部材1の側部に移動可能に配置され、ロック位置とロック解除位置とを有し、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能に切り替えられ、これにより、クランプ部材1は、クランプされる外部ピースを強固にクランプ又はロック解除することを実現する。弾性部材は、クランプ部材1の側部に取り付けられ、ロック部材23がロック解除位置からロック位置へ常に移動する傾向を有することを可能にし、これにより、ロック部材23はロック位置に保持され、クランプ部材1はクランプされる部品をしっかりとクランプする。駆動部材22はクランプ部材1の側方に移動可能に配置され、操作部材21は駆動部材22に接続され、操作部材21の操作を受けて駆動部材22が移動してロック部材23を駆動してロック位置とロック解除位置とを切り換えることにより、ロック部材23を駆動して弾性部材の弾性力に打ち勝ってロック位置からロック解除位置に切り換え、クランプ部材1がクランプ対象物を解放してロック解除を実現することができる。駆動部材22は、操作部材21とロック部材23との間に設けられ、駆動部材22は、駆動構造として機能し、延長部を形成するため、関連技術における僅かな接触によってロック解除がトリガされる危険性を回避することができ、子供の不意の接触による誤操作によるロック解除を効果的に回避することができ、子供の車載安全を確保し、高い安全性を実現することができる。
【0032】
上記に開示したものは、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するために使用されるべきではない。従って、本願の実施形態に基づいてなされた同等の変更は、本願によってカバーされる範囲内にある。
【国際調査報告】