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特表2024-504994複数のディスプレイリフレッシュレートのシームレス移行のための入力表示データの較正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】複数のディスプレイリフレッシュレートのシームレス移行のための入力表示データの較正
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240126BHJP
   H04N 17/04 20060101ALI20240126BHJP
   H04N 5/16 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
G09G5/00 520A
G09G5/00 550C
G09G5/00 520V
G09G5/00 550X
G09G5/00 X
H04N17/04 C
H04N5/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544558
(86)(22)【出願日】2021-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2021014902
(87)【国際公開番号】W WO2022159114
(87)【国際公開日】2022-07-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェン,チエン-フイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シン-ユ
【テーマコード(参考)】
5C182
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182BA26
5C182CA01
5C182CA11
5C182CA12
5C182CA13
5C182CA21
5C182DA26
5C182DA53
5C182DA66
5C182DA70
(57)【要約】
方法は、第1のリフレッシュレートにおいて、入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップを含み得る。この方法は、第2のリフレッシュレートにおいて、複数のグレーレベル候補に関する光学特性を測定するステップも含み得る。この方法は、ディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを複数のグレーレベル候補から選択するステップをさらに含み得る。この方法は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルをデバイスに記憶するステップも含み得、デバイスは、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関する前記ディスプレイパネルの光学特性を測定するステップと、
前記デバイスから、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関する前記ディスプレイパネルの前記光学特性を測定するステップと、
前記入力グレーレベルおよび前記複数のグレーレベル候補に関する前記ディスプレイパネルの前記測定された光学特性に基づいて、前記入力グレーレベルに対応するグレーレベルを前記複数のグレーレベル候補から選択するステップと、
前記入力グレーレベルに対応するグレーレベルを前記デバイスに記憶するステップであって、前記デバイスが、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行しているとき、前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記測定するステップが前記ディスプレイパネルの所与のディスプレイ明度帯域に関して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ディスプレイ明度帯域を判定するステップと、
前記判定されたディスプレイ明度帯域における入力グレーレベルを判定するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記入力グレーレベルが、前記光学特性が光学的閾値未満であるとの判定に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記光学特性が光学的閾値よりも大きいという判定に基づいて第2の入力グレーレベルが判定され、前記方法が、
前記デバイスから、前記ディスプレイパネルの、前記第2の入力グレーレベルに関する前記第1のリフレッシュレートと前記第2のリフレッシュレートとの間の前記光学特性における少なくとも1つの差を測定するステップと、
前記ディスプレイパネルが前記第2のリフレッシュレートで動作しているとき、前記デバイスによって前記第2の入力グレーレベルに関して使用されているデフォルトのガンマ値に対して、前記少なくとも1つの測定された差に基づいてオフセット値を適用し、それによって新しいガンマ値を生成するステップと、
前記新しいガンマ値を前記デバイスに記憶するステップであって、前記デバイスが、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第2のリフレッシュレートで動作するときには、前記第2の入力グレーレベルの前記デフォルトのガンマ値を前記新しいガンマ値で置き換えるように構成される、ステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ディスプレイパネルが複数の色チャネルを有し、前記デフォルトのガンマ値が前記複数の色チャネルについてそれぞれのレジスタ値を含み、前記オフセット値が、前記デフォルトのガンマ値の前記レジスタ値のうち少なくとも1つに対するオフセットを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の色チャネルが、赤、緑および青(RGB)の色チャネルを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記オフセット値は、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートで動作しているとき、前記デバイスが前記入力グレーレベルに関して使用するデフォルトのガンマ値に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記測定するステップが、前記光学特性を測定するように構成された画像取込みデバイスによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のリフレッシュレートが60Hzであって前記第2のリフレッシュレートが90Hzである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記光学特性が、前記ディスプレイパネルの輝度または色のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記記憶するステップが、前記デバイスのブートイメージに、複数の入力グレーレベルについて、複数の対応するグレーレベルを記憶するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記デバイスから、第3のリフレッシュレートにおけるグレーレベルの第2の複数の候補に関する前記ディスプレイパネルの前記光学特性を測定するステップと、
前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルおよび前記第3のリフレッシュレートにおける前記第2の複数のグレーレベル候補に基づいて、前記入力グレーレベルに対応する第2のグレーレベルを前記第2の複数のグレーレベル候補から選択するステップと、
前記入力グレーレベルに対応する前記第2のグレーレベルを前記デバイスに記憶するステップであって、前記デバイスが、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第2のリフレッシュレートから前記第3のリフレッシュレートに移行しているとき、前記入力グレーレベルに対応する前記第2のグレーレベルを使用して前記入力表示データを調節するように構成される、ステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記デバイスから、前記ディスプレイパネルの、第2の入力グレーレベルに関する前記第1のリフレッシュレートと前記第2のリフレッシュレートとの間の前記光学特性における少なくとも1つの差を測定するステップと、
前記少なくとも1つの差が光学的閾値を上回ると判定するステップと、
前記第2の入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを選択する前記ステップを起動するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップと、
前記デバイスのストレージから、前記入力グレーレベルに対応するグレーレベルを取り出すステップであって、前記対応するグレーレベルが、前記第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおける、前記入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関する前記デバイスの前記ディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、前記複数のグレーレベル候補から選択されたものである、ステップと、
前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを使用して入力表示データを調節するステップと、
前記調節された入力表示データに基づいて、前記ディスプレイパネルを前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行するステップと
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項16】
前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートで動作している間にレート変更のトリガイベントを識別するステップであって、
前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行する前記ステップが、前記レート変更のトリガイベントを識別する前記ステップに応答して実行される、ステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記レート変更のトリガイベントが、前記デバイスにおいて動作中の処理によって開始される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記レート変更のトリガイベントが、ユーザと前記ディスプレイパネルとの相互作用を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記レート変更のトリガイベントが、前記デバイスのまわりの環境に関連する環境状態の測定に基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行した後に、前記レート変更のトリガイベントの終了を検知するステップと、
前記レート変更のトリガイベントの終了を検知することに応答して、前記ディスプレイパネルを前記第2のリフレッシュレートから前記第1のリフレッシュレートに移行するステップと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
1つまたは複数のプロセッサと、
データストレージとを備えるシステムであって、
前記データストレージはコンピュータ実行可能命令を記憶しており、前記コンピュータ実行可能命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、
複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関する前記ディスプレイパネルの光学特性を測定するステップと、
前記デバイスから、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関する前記ディスプレイパネルの前記光学特性を測定するステップと、
前記入力グレーレベルおよび前記複数のグレーレベル候補に関する前記ディスプレイパネルの前記測定された光学特性に基づいて、前記入力グレーレベルに対応するグレーレベルを前記複数のグレーレベル候補から選択するステップと、
前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを前記デバイスに記憶するステップであって、前記デバイスが、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行しているとき、前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される、ステップと
を含む動作を実行させるシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
リフレッシュレートは、デバイスのディスプレイパネル上の画像をリフレッシュする1秒当たりの回数を指し得る。たとえば、60ヘルツ(Hz)のリフレッシュレートは、画像が1秒当たり60回リフレッシュされることを意味する。リフレッシュレートがより高ければ、通常はより優れたユーザ体験をもたらすが、デバイスの電力消費がより大きくなる。
【0002】
時には、ディスプレイパネルは複数のリフレッシュレートで動作することができる。たとえば、デバイスのディスプレイパネルのリフレッシュレートは、ビデオストリーミングアプリケーションを実行するときには90Hzに設定されてよく、ワードプロセッシングアプリケーションを実行するときには60Hzに設定されてよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本開示は、一般にデバイスのディスプレイパネルに関する。ディスプレイパネルは、第1のリフレッシュレートまたは第2のリフレッシュレートで動作するように構成され得る。デバイスは、第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおいて測定されたディスプレイパネルの光学特性に応じて、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するとき、入力表示データを調節するように構成され得る。
【0004】
第1の態様ではコンピュータ実施方法が提供される。この方法は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップを含み得る。この方法は、デバイスから、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップをさらに含み得る。この方法は、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを複数のグレーレベル候補から選択するステップも含み得る。この方法は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルをデバイスに記憶するステップであって、デバイスが、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される、記憶するステップをさらに含み得る。
【0005】
第2の態様ではシステムが提供される。システムは1つまたは複数のプロセッサを含み得る。システムはデータストレージも含み得、データストレージには、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、システムに動作を実行させるコンピュータ実行可能命令が記憶されている。これらの動作は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップを含み得る。これらの動作は、デバイスから、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップをさらに含み得る。これらの動作は、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを複数のグレーレベル候補から選択するステップも含み得る。これらの動作は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルをデバイスに記憶するステップをさらに含み得、デバイスは、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される。
【0006】
第3の態様ではデバイスが提供される。デバイスは、動作を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサを含む。これらの動作は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップを含み得る。これらの動作は、デバイスから、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップをさらに含み得る。これらの動作は、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを複数のグレーレベル候補から選択するステップも含み得る。これらの動作は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルをデバイスに記憶するステップをさらに含み得、デバイスは、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される。
【0007】
第4の態様では製品が提供される。製品は、プログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体を含み得、プログラム命令は、コンピューティングデバイスの1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに動作を実行させる。これらの動作は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップを含み得る。これらの動作は、デバイスから、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップをさらに含み得る。これらの動作は、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを複数のグレーレベル候補から選択するステップも含み得る。これらの動作は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルをデバイスに記憶するステップをさらに含み得、デバイスは、記憶するステップ後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される。
【0008】
第5の態様ではコンピュータ実施方法が提供される。この方法は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に入力グレーレベルを識別するステップを含み得る。この方法は、デバイスのストレージから、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを取り出すステップをさらに含み得、対応するグレーレベルは、第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおける、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するデバイスのディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、複数のグレーレベル候補から選択されたものである。この方法は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するステップも含み得る。この方法は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップをさらに含み得る。
【0009】
第6の態様ではシステムが提供される。システムは1つまたは複数のプロセッサを含み得る。システムはデータストレージも含み得、データストレージには、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、システムに動作を実行させるコンピュータ実行可能命令が記憶されている。これらの動作は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップを含み得る。これらの動作は、デバイスのストレージから、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを取り出すステップをさらに含み得、対応するグレーレベルは、第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおける、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するデバイスのディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、複数のグレーレベル候補から選択されたものである。これらの動作は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して、入力表示データを調節するステップも含み得る。これらの動作は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップをさらに含み得る。
【0010】
第7の態様ではデバイスが提供される。デバイスは、動作を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサを含む。これらの動作は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップを含み得る。これらの動作は、デバイスのストレージから、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを取り出すステップをさらに含み得、対応するグレーレベルは、第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおける、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するデバイスのディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、複数のグレーレベル候補から選択されたものである。これらの動作は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して、入力表示データを調節するステップも含み得る。これらの動作は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップをさらに含み得る。
【0011】
第8の態様では製品が提供される。製品は、プログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体を含み得、プログラム命令は、コンピューティングデバイスの1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに動作を実行させる。これらの動作は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップを含み得る。これらの動作は、デバイスのストレージから、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを取り出すステップをさらに含み得、対応するグレーレベルは、第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおける、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するデバイスのディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、複数のグレーレベル候補から選択されたものである。これらの動作は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して、入力表示データを調節するステップも含み得る。これらの動作は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップをさらに含み得る。
【0012】
当業者には、他の態様、実施形態、および実装形態が、以下の発明を実施するための形態を、適切な場合には添付図面を参照しながら読み取ることによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】例示の実施形態による、様々なグレーレベルに関する明度値を示す表である。
図2】例示の実施形態による、60Hzおよび90Hzにおける様々なグレーレベルに関する輝度値を表す図である。
図3】例示の実施形態による、輝度値とグレーレベルとの間の関係を示すグラフである。
図4】例示の実施形態による、入力データの調節を示すグラフである。
図5】例示の実施形態による、較正の前後における輝度値の増分を示す表である。
図6】例示の実施形態によるルックアップ表を示す図である。
図7】例示の実施形態による、入力データの調節を示す別のグラフである。
図8】例示の実施形態による、較正の前後における輝度値の増分を示すグラフである。
図9】例示の実施形態によるオフセット表を表す図である。
図10】例示の実施形態によるコンピューティングデバイスを示す図である。
図11A】例示の実施形態による、様々なディスプレイ明度値(DBV)帯域に関する60Hzのガンマカーブを示すグラフである。
図11B】例示の実施形態による、DBV帯域6に関する90Hzのガンマカーブを示すグラフである。
図12】例示の実施形態による方法を示す図である。
図13】例示の実施形態による別の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本明細書において、例示の方法、デバイス、製品、およびシステムが説明される。本明細書で使用される、「例示の」や「例示的な」という単語は、「例、事例、または例証として役立つ」ということを意味するものと理解されたい。本明細書において「例示の」または「例示的な」と記述されるいかなる実施形態または特徴も、他の実施形態または特徴に対して、必ずしも好ましいものまたは有利なものと解釈されることはない。本明細書で提示された主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、他の変更形態が作製され得る。
【0015】
したがって、本明細書で説明される例示の実施形態は、限定することを意味するわけではない。本明細書で全体的に説明されて図に示される本開示の態様は、多種多様な別々の構成における配置、置換、組合せ、分離、設計が可能であり、そのすべてが本明細書において企図されるものである。
【0016】
さらに、文脈に別の示唆がない限り、図の各々に示された特徴は、互いに組み合わせて使用され得る。したがって、図は、一般的には、それぞれの実施形態が示された特徴のすべてを必要とするわけではないという理解を伴って、1つまたは複数の全体的な実施形態の態様の構成要素として見られるべきである。
I.概要
コンピューティングデバイスのディスプレイパネルのディスプレイリフレッシュレートが高ければ(たとえば90Hzまたは120Hz)映像またはゲームのアプリケーションなどの視覚的に複雑なソフトウェアアプリケーションを実行するとき、望ましいものとなり得る。しかしながら、リフレッシュレートが高ければコンピューティングデバイスの消費電力も大きくなる。性能とバッテリ寿命とをうまく両立させるために、いくつかのディスプレイパネルは、複数の異なるリフレッシュレート(たとえば10Hz、30Hz、60Hz、90Hz、および120Hz)のうち1つで動作することができる。すなわち、ディスプレイパネルは、実行されているアプリケーションに応じて複数のリフレッシュレートを切り換えることができる。
【0017】
しかしながら、リフレッシュレートが異なれば光学的特性も異なり得る。具体的には、ディスプレイパネルの輝度や色は、60Hzと90Hzとで異なり得る。ディスプレイパネルが60Hzから90Hzに(90Hzから60Hzに)切り換わるとき、この光学的差が、ディスプレイパネルの視覚的フリッカとして現れる可能性がある。結果的に、ディスプレイパネルのリフレッシュレートが60Hzと90Hzとの間で頻繁に切り換わると、視覚的フリッカが目立つようになってユーザの体験を損なう恐れがある。さらに、人の目が低輝度設定における変化に対してとても敏感であるため、ディスプレイパネルの輝度が低いとき、および/またはディスプレイパネルの周辺環境の周囲光が少ないとき、視覚的フリッカは特に目立つ。
【0018】
ディスプレイパネルの輝度が低いときには60Hzと90Hzとの間の移行を不可能にすることによって、この「フリッカ問題」を解決しようとする解決策もある。しかし、これらの解決策には、「低いディスプレイ輝度」と見なされるものの定義がかなり高い可能性があるという問題がある。いくつかの例示のコンピューティングデバイスでは、すべてのフリッカを緩和するための理想的な移行閾値は75%であることが判明している。言い換えれば、ディスプレイパネルの輝度がディスプレイパネルの全体の可能な輝度の75%以上であると、60Hzと90Hzとの間の移行が許容され得る。ディスプレイパネルの輝度が全体の可能な輝度の75%未満であると、60Hzと90Hzとの間の移行は許容され得ない。しかし、ユーザは、大抵の場合ディスプレイパネルの輝度を75%未満に保つので、複数のリフレッシュレートを使用する利益が最低になってしまう。
【0019】
ディスプレイパネルの第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートへの円滑な移行を実現するためのやり方の1つには、移行中に、すべてのグレーレベルおよび明度設定においてディスプレイパネルの光学特性における差を最小化するものがある。本明細書で使用される「光学特性」という用語は、デバイスによって表示される画像のあらゆる測定可能な特性を指し得る。たとえば、デバイスが画像を表示するとき、またはデバイスが異なるリフレッシュレートの間を移行するときには、光学特性は、ディスプレイパネルの色または輝度値を指し得る。また、たとえば、光学特性は、たとえば屈折、吸収、散乱、反射のレベルなどの特性を指し得る。
【0020】
一般的には、光学特性(たとえば、色および輝度)に関する値は、工場において較正され、表示駆動集積回路(DDIC)に記憶され得る。実際には、これは高明度および高いグレーレベルに関して実行される。しかしながら、低明度および低いグレーレベルに関するそのような較正は付加時間(「タクトタイム」)を必要とする可能性がある。一般的には、タクトタイムは、顧客要求を満たすのに十分な商品を生産するために、単位あたり製造業者が有する時間を指す。したがって、製造業者は、長いタクトタイムを考えると、そのような較正を実行したがらない傾向がある。したがって、低明度および低いグレーレベルにおける移行の間に光学歪みが出現する可能性がある。いくつかの実装形態では、ディスプレイが低明度および低いグレーレベルのときには、ディスプレイパネルがリフレッシュレートの間を移行するのを抑止する阻止ゾーンが適用されることがある。しかしながら、阻止ゾーンを解消して、すべての明度およびグレーレベルに関する移行を可能にするのが望ましい。
【0021】
本明細書で説明されるいくつかの技術は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節することによってこれらの問題に対処するものである。これらの調節を適用した後、60Hzで動作しているときのディスプレイパネルの光学特性(たとえば色、輝度など)が、90Hzで動作しているときのディスプレイパネルの光学特性に類似のものになり得、したがって、60Hzと90Hzとの間で切り換えるときに生じる視覚的フリッカが、より目立たなくなり得る。これを促進するために、ディスプレイパネルに関して、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性が測定され得る。ディスプレイパネルの、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関する光学特性も測定され得る。次いで、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、入力グレーレベルに対応するグレーレベルが選択されてよい。対応するグレーレベルは、複数のグレーレベル候補から選択され得る。対応するグレーレベルはデバイスに記憶され得る。続いて、デバイスは、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成され得る。
【0022】
本明細書で説明された技術を使用すると、いかなるフリッカの影響も軽減するかまたは解消して、複数のリフレッシュレートが利用され得る。他の利益も企図され、本明細書の議論から理解されるはずである。
II.調節された入力表示データを決定するための例示の技術
図1は、例示の実施形態による、様々なグレーレベルに関する明度値を示す表100である。表100は、DBV帯域1~DBV帯域7の7つのディスプレイ明度値(DBV)帯域を示す。DBVは、ディスプレイパネルの明度設定を制御する。各DBV帯域が明度レベル設定に対応する。たとえば、帯域7は81nit~500nitの輝度の明度設定を制御し、帯域6は51nit~80nitの輝度の明度設定を制御し、帯域5は26nit~50nitの輝度の明度設定を制御する、などである。一般的には、デジタル画像の各画素が、ディスプレイの特定のスポットにおけるデジタル画像の輝度(たとえば明るさまたは暗さ)を表す数値を有し得る。これらの数値は「グレーレベル」と称され得る。グレーレベルの数は、数値を表すために使用されるビット数に依拠し得る。たとえば、数値を表現するために8ビットが使用されると、ディスプレイパネルが256のグレーレベルをもたらし得、0の数値が全黒に対応し、255の数値が全白に対応する。より具体的な例として、コントローラは、ディスプレイ構成要素に24ビットを含有するデジタル画像ストリームを供給し得、8ビットが、画素群の赤、緑、および青の色チャネルの各々に関するグレーレベルに対応する。
【0023】
輝度レベルの正確な制御を可能にするために、各DBV帯域は、ガンマ補正ポイント(「タップポイント」)と呼ばれる複数のグレーレベルも有し得る。たとえば、表100に示されるように、各DBV帯域が、グレーレベルG7、グレーレベルG12、グレーレベルG24、グレーレベルG37などにレジスタタップポイントを有する。タップポイントは、グレーレベルG255~G7にあり得る。各タップポイントに関して、デバイスは、赤、緑、および青(RGB)の画素値を制御するための制御手段またはノブを伴って構成され得る。RGB比率は60Hzと90Hzとの間でバランスされ得る。それぞれのDBV帯域およびグレーレベルが輝度値に対応する。
【0024】
たとえばDBV帯域7およびグレーレベルG7では輝度値は0.184nitであり、DBV帯域6およびグレーレベルG7では輝度値は0.029nitに低下する。DBV帯域1およびグレーレベルG7では、輝度値は0.001nitに低下する。
【0025】
表100のセルには、明度設定に基づく3つのタイプがあり、セルの第1のタイプは、高レベルの明度のものであり、網掛けなしで示される。これらのセルの明度設定は、(たとえばデバイス製造業者によって)正確に構成され得る。たとえば、DBV帯域7では、輝度は500nitであり、デバイスに関して、G7のタップポイント以外は、すべてのタップポイントにおいて明度レベルが正確に構成され得る。同様に、DBV帯域6では、輝度は80nitであり、デバイスに関して、G7およびG15のタップポイント以外は、すべてのタップポイントにおいて明度レベルが正確に構成され得る。
【0026】
第2のタイプのセルは、中間レベルの明度のものである。これらのセルは、一般的には0.055nitを超える輝度値を有するものであり、垂直線で網掛けされている。たとえば、DBV帯域6では、タップポイントG15は中間の明度設定に対応する。別の例として、DBV帯域5では、タップポイントG15およびG23は中間の明度設定に対応する。これらのDBV帯域およびタップポイントについては、製造業者が明度レベルを正確に構成していない可能性があり、光学的欠陥を低減するために90Hzにおけるそれぞれのガンマ値を調節する必要がある(これは以下でより詳細に説明される)。次いで、調節されたガンマ値が、デバイスに(たとえばルックアップ表として)記憶され得、実行時にデバイスが第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)から第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)に移行するとき輝度設定を変更するために使用され得る。
【0027】
第3のタイプのセルは、低レベルの明度のものである。これらのセルは、一般的には0.055nit未満の輝度値を有するものであり、水平線で網掛けされている。たとえば、DBV帯域5および6では、タップポイントG7は低明度の設定に対応する。別の例として、DBV帯域4では、タップポイントG15およびG7は低明度の設定に対応する。これらのDBV帯域およびタップポイントについては、製造業者が明度レベルを正確に構成していない可能性があり、ガンマ調節も、タクトタイムが長いために不可能である。一般的には、これら低明度の設定は、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)から第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)への移行中に阻止される。しかしながら、以下で説明されるように、デバイスは、入力グレーレベルにおけるそれぞれの輝度値を異なるリフレッシュレート(たとえば60Hzと90Hz)に決定し、次いで、60Hzにおける各入力グレーレベルについて、90Hzにおける対応するグレーレベルを、それぞれの光学特性(たとえば輝度値)が類似するように選択することにより、これらの設定において支障なく移行するように構成され得る。これらの技術は第2のタイプのセルにも適用され得る。これによって、すべての明度設定に関する光学的欠陥が低減され、明度設定を阻止する必要性はなくなる。
【0028】
より大きいDBV帯域およびより大きい明度値については、デバイスが明度設定を用いて正確に構成され得、移行は支障なく生じ得る。表100に示されるように、小さいDBV帯域および低いグレーレベルについては明度値が非常に小さい。たとえば明度値が0.055nit未満であるときなどには、工場内の設備では、一般的にはそのような明度レベルを正確に測定することができない。したがって、そのような小さい明度値および小さいDBV帯域については、フリッカなどの光学的欠陥を低減する目的で、リフレッシュレートの間の移行が阻止される可能性がある。
【0029】
図2は、例示の実施形態による、60Hzおよび90Hzにおける様々なグレーレベルに関する輝度値を表す。たとえば、固定されたDBV帯域、および種々のリフレッシュレートについて様々なグレーレベルの画像を取り込むために、測色計などの画像取込みデバイスが使用され得る。画像200に示されるように、画像は、80nitのDBV帯域(帯域6に対応する)において、5~32のグレーレベルについて、60Hzのリフレッシュレートおよび90Hzのリフレッシュレートで取り込まれ得る。いくつかの実施形態では、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスについては、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関してディスプレイパネルの光学特性が測定され得る。
【0030】
たとえば、デバイスに、固定されたDBV帯域およびグレーレベルの画像が第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)で表示され得、測色計は、画像を取り込んで輝度値を測定することができる。次いで、第2のリフレッシュレート(90Hz)の画像に関してディスプレイパネルの光学特性が測定され得る。たとえば、画像が60Hzで表示されている間に、デバイスに関するリフレッシュレートが90Hzに切り換えられ得、測色計は、第2の画像を取り込んで90Hzの輝度値を測定することができる。各グレーレベルにおけるそれぞれの明度レベルは、各画像の断面から決定され得る。場合によって、測色計の較正方法に応じて、明度レベルの測定値は、明度レベルの絶対値ではなく、2つのリフレッシュレートの間の相対的な値でもよい。いくつかの実施形態では、各リフレッシュレートにおいて1つまたは複数の光学特性が測定され得、これらの測定値は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを決定するために、個々に、または組み合わせて使用され得る。たとえば、対応するグレーレベルは、輝度値、色、および/またはこれら2つの組合せに基づいて決定され得る。追加の光学特性および/または代替の光学特性が使用され得る。また、たとえば、様々な光学的視距離および/または視角に関して種々の測定値が決定され得、そのような測定値は、適切に正規化され、かつ/または平均され得る。明瞭さのために、以下の例は、輝度などの特定の光学特性を参照する。
【0031】
画像200に示されるように、領域205は、60Hzにおけるグレーレベル13~32の輝度値を表示し、領域210は、90Hzにおけるグレーレベル13~32の輝度値を表示している。示されるように、輝度における目に見える差は無視できる。
【0032】
領域215は、60Hzにおけるグレーレベル5~13の輝度値を表示し、領域220は、90Hzにおけるグレーレベル5~13の輝度値を表示している。示されるように、輝度に明らかな差が見られる。これらの差は、図でさらに分析され得る。
【0033】
図3は、例示の実施形態による、図2に表された輝度値とグレーレベルとの間の関係を示すグラフである。グラフ300は、図2においてDBV帯域6に関して表示された輝度値の図的表現である。縦軸は測定された輝度値(nit)に対応し、横軸は5~32のグレーレベルに対応する。図2の画像200において測定された輝度値が、60Hz(対応するポイントは円で表現されている)および90Hz(対応するポイントは方形で表現されている)における各グレーレベルおよびリフレッシュレートに関して表示されている。図2に関して、13~32のグレーレベル(図2の領域205および210に対応する)について観察されるように、2つのリフレッシュレートの輝度値はほぼ同一である(たとえば円と方形とがほぼオーバラップしている)。しかしながら、5~13のグレーレベル(図2の領域215および220に対応し、バウンディングボックス305で示される)については、2つのリフレッシュレートの輝度値は異なる(たとえば円と方形とは別個のポイントにある)。
【0034】
輝度値の差を定量的に測定するやり方の1つには、輝度増分値を決定するものがある。たとえば、輝度増分は、
【0035】
【数1】
【0036】
または
【0037】
【数2】
【0038】
として計算され得る。
図3に示されるように、バウンディングボックス305は、ほぼ160%の輝度増分値に対応し、ディスプレイパネルが60Hzから90Hzに移行するときの輝度値における大きな差を示す。そのような大きな輝度増分は、フリッカなどの光学的欠陥をもたらす。一般的には、フリッカを最小化するには輝度増分の割合が閾値未満であるのが望ましい。
【0039】
図4は、例示の実施形態による、入力データの調節を示すグラフである。グラフ400は、横軸が輝度値であり縦軸がグレーレベルである。60Hzにおける様々なグレーレベルの輝度値は円で表現されており、90Hzにおけるグレーレベルの輝度値は方形で表現されている。光学的欠陥を最小化するために、輝度増分が低減され得る。これを実現するやり方の1つに、異なるリフレッシュレートにおいて類似の輝度値を出力するようにディスプレイのグレーレベルを調節するものがある。
【0040】
グラフ400に示されるように、60Hzにおいて測定されたグレーレベルG9 410の輝度値は0.028であり、90Hzにおいて測定された輝度値は0.056である。しかしながら、90Hzにおいて測定されたグレーレベルG7 405の輝度は、0.030である。したがって、グレーレベル9 410において、60Hzから90Hzへの移行に際し、90Hzのグレーレベルが、(矢印415で示されるように)60Hzにおけるグレーレベル9 410の輝度値0.028に近い0.030の輝度値を有するグレーレベル7 405に調節され得る。したがって、デバイスのディスプレイパネルが60Hzから90Hzに移行する際の輝度値の変化は0.028nitから0.030nitであり、わずかなフリッカしか生じない。しかしながら、移行中に輝度値が0.028から0.056に変化すると、輝度増分が非常に大きくなって、知覚可能なレベルのフリッカが生じる恐れがある。
【0041】
別の例として、60Hzにおいて測定されたグレーレベルG11 420の輝度値は0.058であり、90Hzにおいて測定された輝度値は0.081である。しかしながら、90Hzにおいて測定されたグレーレベルG9 410の輝度は、0.056である。したがって、グレーレベル11 420において、60Hzから90Hzへの移行に際し、90Hzのグレーレベルが、(矢印425で示されるように)60Hzにおけるグレーレベル11 420の輝度値0.058に近い0.056の輝度値を有するグレーレベル9 410に調節され得る。したがって、デバイスのディスプレイパネルが60Hzから90Hzに移行する際の輝度値の変化は0.058nitから0.056nitであり、わずかなフリッカしか生じない。しかしながら、移行中に輝度値が0.058から0.081に変化すると、輝度増分が非常に大きくなって、知覚可能なレベルのフリッカが生じる恐れがある。
【0042】
図5は、例示の実施形態による、較正の前後における輝度値の増分を示す表である。表500は、列505のグレーレベルG7~G14と、60Hzにおける輝度値(列510)および90Hzにおける輝度値(列515)とを表示している。対応する輝度増分値は、列520における割合として表示されている。列530は、90Hzにおいて調節されるグレーレベルの明度値を示す。列535には、調節または較正の後の輝度増分値が表示されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、DBV帯域および/または入力グレーレベルが、調節および/または較正を必要とするものとして識別され得る。たとえば、グレーレベルG14では、60Hzの輝度は0.126であり、90Hzの輝度は0.131である。したがって、対応する輝度増分は4.42%に決定され得、これは輝度増分の閾値割合(たとえば7%)未満である。したがって、90HzにおけるG14のグレーレベルは較正不要と判定され得る。
【0044】
行525には、グレーレベルG9に関する値が表示されている。列510、515、および520においてそれぞれ示されるように、60Hzの輝度は0.028であり、90Hzの輝度は0.056であって、輝度増分は95.80%となる。輝度増分がそのように大きければ、知覚可能な光学的欠陥の原因となるはずである。したがって、90HzにおけるG9のグレーレベルは較正が必要であると判定され得る。
【0045】
較正は、図4に関して示されるように実行され得る。図5を参照して、第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)における複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの光学特性(たとえば輝度値または色)が、列515に表示されている。したがって、入力グレーレベル(たとえばG9)に対応するグレーレベルが複数のグレーレベル候補から選択され得る。たとえば、グレーレベルG9については、列515におけるすべての輝度値のうち60Hzにおける輝度値0.028に最も近いのは、90HzのグレーレベルG7に関する列510の輝度値0.030である。したがって、G9の入力グレーレベルに対応するグレーレベルにはグレーレベルG7が選択され得る。したがって、行525に示されるように、列530におけるエントリは「0.030」および「G7」であり、ディスプレイパネルが入力グレーレベルG9において60Hzから90Hzに移行するとき、デバイスは、対応するグレーレベルG7を使用して入力表示データを調節するように較正され得る。そのような調節の後に、輝度増分は、行525および列535におけるエントリによって示されるように6.75%になる。本明細書で使用される「入力表示データ」という用語は、一般的には表示のために使用される値を指す。たとえば、光学的値が輝度であるなら、入力表示データは様々なグレーレベルにおける輝度値(または明度設定)であり得る。別の例として、光学特性が色であるなら、入力表示データは、各画素に赤、青および緑に関して割り当てられるそれぞれの値であり得る。それぞれの光学特性が入力表示データに関連付けられ得、そのようなデータは調節され得、かつ/または較正され得る。
【0046】
図6は、例示の実施形態によるルックアップ表を示す。ルックアップ表600は、図5を参照しながら説明された処理によって決定され得る。ルックアップ表600は、本明細書でC1、C2、...、C7と称される7つの列を含む。列C1は、60Hzにおける複数の入力グレーレベルを表示する。表示されるグレーレベルは11~50である。列C2は、60Hzにおける各入力グレーレベルに関する輝度値を表示し、列C3は、90Hzにおける各入力グレーレベルに関する複数のグレーレベル候補の輝度値を表示する。列C2およびC3に表示された輝度値は、本明細書で説明された測色計を使用して測定することによって決定され得る。この説明に具体性を与えるために輝度値が使用されているが、別の光学特性に関する値も使用され得る。列C4は較正後の90Hzにおける輝度値を表示し、列C5は、60Hzにおける各入力グレーレベルについて90Hzにおける対応するグレーレベルを表示する。列C6およびC7は、それぞれ較正の前後の輝度増分値を表示する。
【0047】
ブロック610は、ブロック605における各入力グレー値について、ブロック605における60Hzのグレーレベル値が、90Hzの対応するグレーレベルを得るために調節される様子を表示する。同様に、ブロック620は、ブロック615における各入力グレー値について、ブロック615における60Hzのグレーレベル値が、90Hzの対応するグレーレベルを得るために調節される様子を表示し、ブロック630は、ブロック625における各入力グレー値について、ブロック625における60Hzのグレーレベル値が、90Hzの対応するグレーレベルを得るために調節される様子を表示する。そのような調節は、デバイスのディスプレイパネルの光学特性に依拠することが注目され得る。
【0048】
図5を参照しながら説明されたように、入力グレーレベルについて、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、入力グレーレベルに対応するグレーレベルが選択され得る。対応するグレーレベルは、複数のグレーレベル候補から選択される。たとえば、一例としてブロック605を考えると、列C1および行635における入力グレーレベル48について、60Hzにおける対応する輝度値は0.1302(列C2)であり、90Hzにおける輝度値は0.1171(列C3)である。較正前の輝度増分値は10.04%(列C6)である。したがって、グレーレベル48は、90Hzにおける輝度値を調節する必要がある入力グレーレベルとして識別され得る。例示の実装形態では、90Hzにおける輝度値は、複数のグレーレベル候補の輝度値(列C3)の中から、60Hzにおける入力グレーレベル48に関する輝度値0.1302に最も近い輝度値が選択される。したがって、輝度値0.1281(列C4)が選択され、それによって、対応するグレーレベルとして50(列C5)が選択される。列C6とC7とにおける輝度増分値の比較は、輝度増分が、較正前の10.04%から較正後の1.61%に低下したことを示す。これは、ディスプレイパネルを60Hzから90Hzに移行する間に、対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するとき、光学的欠陥の所望の低減をもたらす。
【0049】
別の例として、引き続きブロック605を考えると、一例として、列C1および行640における入力グレーレベル33について、60Hzにおける対応する輝度値は0.0543(列C2)であり、90Hzにおける輝度値は0.0476(列C3)である。較正前の輝度増分値は12.34%(列C6)である。したがって、グレーレベル33は、90Hzにおける輝度値を調節する必要がある別の入力グレーレベルとして識別され得る。例示の実装形態では、90Hzにおける輝度値は、複数のグレーレベル候補の輝度値(列C3)の中から、60Hzにおける入力グレーレベル33に関する輝度値0.0543に最も近い輝度値が選択される。したがって、輝度値0.0545(列C4)が選択され、それによって、対応するグレーレベルとして35(列C5)が選択される。列C6とC7とにおける輝度増分値の比較は、輝度増分が、較正前の12.34%から較正後の0.39%に低下したことを示す。これは、ディスプレイパネルを60Hzから90Hzに移行する間に、対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するとき、光学的欠陥の所望の低減をもたらす。
【0050】
ブロック615における入力グレーレベルを考えると、60Hzにおいて輝度値0.0190を有する入力グレーレベル21が、90Hzにおいて輝度値0.0194を有する対応するグレーレベル23にマッピングされ、それによって、対応する輝度増分が15.79%から1.86%に減少する。別の例として、60Hzにおいて輝度値0.0171を有する入力グレーレベル20が、90Hzにおいて輝度値0.0160を有する対応するグレーレベル21にマッピングされ、それによって、対応する輝度増分が11.81%から6.09%に減少する。また、たとえば、60Hzにおいて輝度値0.0153を有する入力グレーレベル19が、90Hzにおいて輝度値0.0151を有する対応するグレーレベル20にマッピングされ、それによって、対応する輝度増分が10.51%から1.49%に減少する。
【0051】
ブロック625における入力グレーレベルを考えると、60Hzにおいて輝度値0.0122を有する入力グレーレベル17が、90Hzにおいて輝度値0.0119を有する対応するグレーレベル17にマッピングされ、それによって、対応する輝度増分は2.65%のまま不変である。ブロック630に示されるように、ブロック625における60Hzの各入力グレーレベルに関して、90Hzにおける対応するグレーレベルは不変のままである。
【0052】
いくつかの実施形態では、第2の入力グレーレベルに関する、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の、ディスプレイパネルの光学特性(たとえば輝度増分)における少なくとも1つの差が、デバイスから測定され得る。少なくとも1つの差が、光学的閾値を超えることが判定されてよい。そのような事例では、第2の入力グレーレベルに関する対応するグレーレベルの選択が起動され得る。たとえば、入力グレーレベルに関する入力表示データの調節は、較正前の輝度増分(列C6)が所定の閾値(たとえば6%)を超えるかどうかを判定することによって、判定されてよい。たとえば、18~50の入力グレーレベルについては、較正前の輝度増分が6%超過するので、入力表示データを調節すると判定される。しかしながら、11~17の入力グレーレベルについては、較正前の輝度増分が6%を超過しないので、入力表示データは調節しないと判定され得る。
【0053】
図7は、例示の実施形態による、入力データの調節を示す別のグラフである。グラフ700は、較正前後の、60Hzおよび90Hzにおける25nitのDBV帯域に関する輝度値のグラフ表示である。たとえば、これらの値は、図6のルックアップ表600に表示された輝度値に対応し得る。横軸は11~50の入力グレーレベル(図6のルックアップ表600の列C1)に対応し、縦軸は輝度値(nit)に対応する。60Hzにおける輝度値(図6のルックアップ表600の列C2に対応する)は三角形で表現され、90Hzにおける較正前の輝度値(図6のルックアップ表600の列C3に対応する)は円で表現され、90Hzにおける較正後の輝度値(図6のルックアップ表600の列C4に対応する)は十字で表現されている。11~17の入力グレーレベル(図6のブロック625におけるグレーレベルに対応する)に関して、60Hzにおける輝度値と、90Hzにおける較正前の輝度値と、90Hzにおける較正後の輝度値とは同一であって、対応する三角形と、円と、十字とが一致することによって示されている。しかしながら、グレーレベル18~50については、60Hzにおける輝度値と90Hzにおける輝度値とが別個に見える。したがって、90Hzにおける輝度値がこれらの入力グレーレベルに関して調節されて、対応する十字と、三角形とが同一に見えるようになり、これらの入力グレーレベルに関して、90Hzにおける調節された輝度値が60Hzにおける輝度値に近いことを示している。
【0054】
図8は、例示の実施形態による、較正の前後における輝度値の増分を示すグラフである。グラフ800は、較正前後の、25nitのDBV帯域に関する輝度増分値のグラフ表示である。たとえば、これらの値は、図6のルックアップ表600に表示された輝度増分値に対応し得る。横軸は11~50の入力グレーレベル(ルックアップ表600の列C1)に対応し、縦軸は輝度増分値(%)に対応する。90Hzにおける較正前の輝度増分値(図6のルックアップ表600の列C6の値に対応する)は三角形で表現され、90Hzにおける較正後の輝度増分値(図6のルックアップ表600の列C7の値に対応する)は方形で表現されている。示されるように、入力グレーレベル11~17(図6のブロック625におけるグレーレベルに対応する)について、90Hzにおける輝度値は調節されず、輝度増分値は不変である。しかしながら、グレーレベル18~50について、90Hzにおける較正の前後の輝度値は異なるものに見える。ライン805によって示される(たとえば6%の)閾値は、90Hzにおいて(たとえば6%の)閾値を超える輝度増分値を有するグレーレベルが、輝度増分値を所望の閾値未満まで低減するように調節され得る様子を示す。
【0055】
ディスプレイパネルが第2のリフレッシュレートから第3のリフレッシュレートに移行するときには、類似の技術が使用され得る。たとえば、ディスプレイパネルの、第3のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関する光学特性も測定され得る。たとえば、90Hzから120Hzに移行するとき、入力グレーレベルに関して120Hzにおける輝度値が測定され得、図6の列C3に類似の値の列が生成され得る。これは、第2の複数のグレーレベル候補を用意することになる。本明細書で説明された処理と同様に、所与の入力グレーレベルについて、120Hzにおける輝度値が90Hzにおける輝度値と比較され得、(たとえば90Hzにおいて)入力グレーレベルに対応するグレーレベルと、第3のリフレッシュレート(たとえば120Hz)における第2の複数のグレーレベル候補とに基づいて、入力グレーレベルに関する第2の対応するグレーレベルが選択され得る。グレーレベルに対応する入力グレーレベルと、第2の対応するグレーレベルとの間のマッピングが記憶され得る。実行中に、デバイスは、ディスプレイパネルが第2のリフレッシュレートから第3のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応する第2のグレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される。
III.例示の、ガンマ値の修正
特定のDBV帯域について、入力グレーレベルにおける光学特性およびグレーレベル候補が測定され得る。いくつかの実施形態では、そのような測定は、選択されたDBV帯域におけるすべての入力グレーレベルについて実行され得る。また、たとえばいくつかの実施形態では、輝度増分値は測定の後に決定されてよく、DBV帯域および入力グレーレベルは、輝度増分値が所定の閾値を超えることに基づいて識別され得る。
【0056】
図1を参照して、ある特定のDBV帯域におけるいくつかの明度設定は不変であり得る。たとえば、表100の網掛けがないセルは、変化させる必要のない明度レベルに対応する。一般的には、そのような輝度レベルは、より大きいDBV帯域およびより大きいグレーレベルタップポイントに対応する。たとえば、タップポイント255には、調節が必要な明度設定はない。
【0057】
いくつかの実施形態では、入力グレーレベルは、光学特性が光学的閾値未満であるとの判定に基づき得る。再び図1を参照して、光学的閾値は0.055nitの輝度値でよい。したがって、タップポイントG7において、DBV帯域1~6における入力グレーレベルは、調節するように識別され得る。同様に、タップポイントG15において、DBV帯域1~4における入力グレーレベルは調節するように識別され得、タップポイントG23において、DBV帯域1~3における入力グレーレベルは調節するように識別され得る、などである。これらのセルは、低明度設定を有する第3のタイプのセルに対応し、水平線を含む網掛けで示されている。
【0058】
いくつかの実施形態では、光学特性が光学的閾値を超過するとき、調節のために別の技術が適用されることがある。図1を再び参照すると、タップポイントG7およびDBV帯域7において明度値が0.184であり、例示の光学的閾値0.055を超過する。別の例として、DBV帯域5において、タップポイントG15およびG23ではそれぞれの輝度値が0.098および0.251であって、例示の光学的閾値0.055を超過する。これらのセルは、中間の明度設定を有する第2のタイプのセルに対応し、垂直線を含む網掛けで示されている。したがって、これらの明度設定における入力グレーレベルに対して、本明細書で開示された技術が適用され得る。しかしながら、以下で説明されるように、光学特性を較正するために、技術の別のセットも適用され得る。
【0059】
ユーザに目立つことなくリフレッシュレートを60Hzと90Hzとの間で変化させるために、60Hzと90Hzとの間の輝度増分が、選択された入力グレーレベルにわたって平均すると減少するように、ガンマテーブル(たとえば図1の表100)におけるガンマ値を変更するのが望ましいものとなり得る。人の目が低輝度設定における変化には非常に敏感であるので、いくつかの実施形態は、たとえばG48以下の低い入力グレーレベルの閾値に関するガンマ値のみを変更することを包含し得る。
【0060】
表100におけるタップポイントのガンマ値を変更するために、いくつかの実装形態は、図9のディスプレイ調節回路1020の中の1つまたは複数のレジスタ値を変化させることを包含する。たとえば、ディスプレイ調節回路1020は、表100の各タップポイントについてハードウェアレジスタのセットを含み得る。ディスプレイ調節回路1020は、これらのレジスタの値を使用して、コントローラ1060からディスプレイパネル1010に送られた入力グレーレベル信号を変化させることができる。一般に、所与のタップポイントに関するハードウェアレジスタの数は、ディスプレイパネル1010が使用する色チャネルの数に相当する。たとえば、ディスプレイパネル1010がRGB色チャネルを使用するなら、ディスプレイ調節回路1020は、所与のタップポイント用に3つのハードウェアレジスタを含有し得、3つのレジスタの各々がRGB色チャネルのうち1つに対応する。
【0061】
表100のガンマ値を変更するために、所与の色チャネルについて、リフレッシュレート(60Hz)におけるレジスタ値がリフレッシュレート(90Hz)におけるレジスタ値に類似するように、オフセットが適用され得る。このオフセットの大きさは輝度増分値に基づいて決定されてよい。たとえば、入力グレーレベルに関して60Hzと90Hzとの間の輝度増分が25%であるなら、90Hzにおける緑の色チャネルに関するレジスタ値は、60Hzにおける緑の色チャネルに関するレジスタ値よりもかなり大きくなる。したがって、より大きいオフセットが適用され得る。あるいは、入力グレーレベルに関して60Hzと90Hzとの間の輝度増分が10%であるなら、90Hzにおける緑の色チャネルに関するレジスタ値は、60Hzにおける緑の色チャネルに関するレジスタ値に比較的似たものになり、したがって、より小さいオフセット値が適用され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、入力グレーレベルについて、第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間のディスプレイパネルの光学特性における少なくとも1つの差が測定され得る。一般的には、ガンマオフセットの大きさは、入力グレーレベルに関する輝度増分(または光学特性における別の測定された差)に応じて異なり得る。いくつかの実施形態は、様々な輝度増分に適用されるオフセット値を列挙する一連のオフセット表を包含し得る。いくつかの実装形態では、これらのオフセット表は、ディスプレイパネル1010に類似のディスプレイパネルを含有しているデバイス(恐らくディスプレイパネル1010を開発した製造業者が開発したデバイス)の分析に基づいて決定される。
【0063】
図9は、例示の実施形態による様々な例示のオフセット表を含む。すなわち、図9は、オフセット表910、オフセット表920、オフセット表930、およびオフセット表940といった4つのオフセット表を含む。これらのオフセット表の各々が、輝度増分表900の様々な輝度増分に適用するべきオフセット値を識別するために使用され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、ディスプレイパネルが第2のリフレッシュレートで動作しているとき、デバイスによって入力グレーレベルに関して使用されているデフォルトのガンマ値に対して、少なくとも1つの測定された差に基づいてオフセット値が適用され得、それによって新しいガンマ値を生成する。いくつかの実施形態では、ディスプレイパネルは複数の色チャネルを含み得、デフォルトのガンマ値は、複数の色チャネルに対してそれぞれのレジスタ値を含み得る。そのような事例では、オフセット値は、デフォルトのガンマ値のレジスタ値のうち少なくとも1つに対するオフセットを含み得る。複数の色チャネルは、赤、緑および青(RGB)の色チャネルを含み得る。たとえば、輝度増分902は、DVB帯域4/入力グレーレベルG15に関する輝度増分である。輝度増分902の値が-15.446であると判定されたとき、-15.446の値が[-15.5,-13]の範囲に入るように決定するために、オフセット表920が使用され得、したがって、90HzにおけるDVB帯域4/入力グレーレベルG15の緑の色チャネルレジスタ値に対してオフセット値1が適用されるべきである。別の例として、輝度増分904は、DVB帯域2/入力グレーレベルG15に関する輝度増分である。輝度増分904の値が12.67であると判定されたとき、12.67の値が[7,14]の範囲に入るように決定するために、オフセット表940が使用され得、したがって、90HzにおけるDVB帯域2/入力グレーレベルG15の緑の色チャネルレジスタに対してオフセット値-1が適用されるべきであり、90HzにおけるDVB帯域2/入力グレーレベルG15の赤の色チャネルレジスタに対してオフセット値1が適用されるべきであって、90HzにおけるDVB帯域2/入力グレーレベルG15の青の色チャネルレジスタに対してオフセット値1が適用されるべきである。
【0065】
いくつかの実施形態では、デバイスは、新しいガンマ値を記憶し、それに続いて、ディスプレイパネルが第2のリフレッシュレートで動作するときには、第2の入力グレーレベルに関するデフォルトのガンマ値を新しいガンマ値で置き換えるように構成される。いくつかの実施形態では、入力グレーレベルに関する輝度増分が所定の閾値未満になるまで入力グレーレベルに関するレジスタ値を更新するプロセスが生じる。いくつかの例では、所定の閾値は5%~95%である。たとえば、所定の閾値は5%、10%、または90%でよい。
【0066】
ある種の実施形態では、(i)入力グレーレベルに関する輝度の増分が所定の閾値未満になって、しかも(ii)入力グレーレベルに関する色差の増分が所定の色閾値未満になるまで、入力グレーレベルに関するレジスタ値を更新するプロセスが生じ、色差は、90Hzのu’と60Hzのu’の差の2乗と、90Hzのv’と60Hzのv’の差の2乗との一次結合として測定され、u’およびv’はCIELUV色空間における色座標である。たとえば、色差は、
【0067】
【数3】
【0068】
として測定され得る。
場合によって、所定の色閾値は0.4%であり、すなわち、Δ(u’,v’)を0.004未満に保つのが望ましいものとなり得る。場合によって、小さな輝度増分でも色差は大きく、光学的欠陥が知覚可能なままである。したがって、いくつかの実施形態では、より優れた結果を実現するために、輝度と色の両方を調節しなければならないことがある。光学特性の測定中に、輝度変化と色変化の両方が記録され、かつ/または監視され得る。色差は輝度増分の測定と類似のやり方で測定され得る。
IV.例示のデバイス
図10は、例示の実施形態によるコンピューティングデバイス1000を示す。コンピューティングデバイス1000は、ディスプレイパネル1010、ディスプレイ調節回路1020、1つまたは複数の周囲光センサ1030、1つまたは複数の他のセンサ1040、ネットワークインターフェース1050、およびコントローラ1060を含む。いくつかの例では、コンピューティングデバイス1000は、デスクトップデバイス、サーバデバイス、またはモバイルデバイスという形を採用し得る。コンピューティングデバイス1000は環境と相互作用するように構成されてよい。たとえば、コンピューティングデバイス1000は、コンピューティングデバイス1000のまわりの環境に関連する環境状態の測定値(たとえば温度測定値、周囲光測定値など)を得てよい。
【0069】
ディスプレイパネル1010は、1つまたは複数の画面(タッチ画面を含む)、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、デジタル光処理(DLP)技術および/または他の類似の技術を使用するディスプレイとして、ユーザに出力信号を供給するように構成され得る。ディスプレイパネル1010は、スピーカ、スピーカジャック、音声出力ポート、音声出力デバイス、イヤホン、および/または他の類似のデバイスなどを用いて聴覚的出力を生成するようにも構成され得る。ディスプレイパネル1010は、コンピューティングデバイス1000とのタッチおよび/または物理接触によって検知可能な振動および/または他の出力などの触覚出力を生成することができる1つまたは複数の触覚部品を用いてさらに構成され得る。
【0070】
例示の実施形態では、ディスプレイパネル1010は、所与のリフレッシュレートで出力信号を供給するように構成される。リフレッシュレートは、ディスプレイパネル1010が新しい内容に更新する1秒当たりの回数に相当し得る。たとえば、60Hzのリフレッシュレートは、ディスプレイパネル1010が1秒につき60回更新することを意味し得る。例示の実施形態では、ディスプレイパネル1010は、とりわけ60Hz、90Hz、または120Hzのリフレッシュレートで動作し得る。
【0071】
ある種の実施形態では、ディスプレイパネル1010は、画像を生成するための複数の色チャネルを利用するカラーディスプレイでよい。たとえば、ディスプレイパネル1010は、とりわけ、赤、緑、および青(RGB)の色チャネル、または、青緑色、赤紫色、黄色、および黒色(CMYK)の色チャネルを利用し得る。本明細書で説明されるように、ディスプレイ調節回路1020は、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節し得る。本明細書でさらに説明されるように、ディスプレイ調節回路1020は、図9を参照しながら説明されたように、ディスプレイパネル1010の色チャネルの各々についてガンマ特性を調節し得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、ディスプレイパネル1010は、複数の行および列を定義する画素配列に配設された複数の画素を含み得る。たとえば、ディスプレイパネル1010が1024×600の解像度を有するなら、配列の各列が600の画素を含み得、配列の各行は、各グループが赤色画素、青色画素、および緑色画素を含む1024の画素グループを含み得るので、1行につき合計3072の画素になる。例示の実施形態では、特定の画素の色は、画素の上に配設される色フィルタに依拠し得る。
【0073】
例示の実施形態では、ディスプレイパネル1010は、コントローラ1060から画像データを受け取り、対応して、画像データを表示するためにディスプレイパネル1010の画素配列に信号を送ってよい。コントローラ1060は、ディスプレイパネル1010に画像データを送るために、最初に、デジタル画像を、ディスプレイパネル1010が解釈可能な数値データに変換してよい。たとえば、デジタル画像は、ディスプレイパネル1010のそれぞれの画素に対応する様々な画像画素を含有し得る。デジタル画像の各画素が、特定のスポットにおけるデジタル画像の輝度(たとえば明るさまたは暗さ)を表す数値を有し得る。これらの数値は「グレーレベル」と称され得る。グレーレベルの数は、数値を表すために使用されるビット数に依拠し得る。たとえば、数値を表現するために8ビットが使用されると、ディスプレイパネル1010が256のグレーレベルをもたらし得、0の数値が全黒に対応し、255の数値が全白に対応する。より具体的な例として、コントローラ1060は、ディスプレイパネル1010に24ビットを含有するデジタル画像ストリームを供給し得、8ビットが、画素群の赤、緑、および青の色チャネルの各々に関するグレーレベルに対応する。
【0074】
場合によっては、ディスプレイパネル1010が表示する画像の輝度特性は、ユーザによって知覚されるとき不正確に表される可能性がある。そのような不正確さは、人の目の非線形応答から生じ得、ユーザの視点からするとディスプレイパネル1010における色/輝度の不正確な描写の原因となり得る。そのような不正確さを補償するために、コンピューティングデバイス1000はディスプレイ調節回路1020を使用することができる。
【0075】
ディスプレイ調節回路1020は、ディスプレイパネル1010に画像を表示するときに生じる不正確さを補償することができる回路を含み得る。こうするために、ディスプレイ調節回路は、1つまたは複数のガンマカーブ/ガンマ表を記憶するためのメモリを含み得る。それぞれのカーブ/表の値は、入力グレーレベルの範囲にわたるディスプレイパネル1010の伝達感度に基づいて決定され得る。
【0076】
説明に役立つ例として、図11Aは、様々なガンマカーブを含むグラフ1100を表す。各ガンマカーブが、ディスプレイ輝度値(DBV)帯域に対応し得る。ユーザ入力に基づき、特定のDBV帯域(したがって特定のガンマカーブ)が使用され得る。たとえば、ユーザは、恐らく明度調整バーと相互作用することにより、ディスプレイパネル1010に関する最大明度を選択し得る。ディスプレイパネル1010は、その最大明度に基づいて、画像を表示するときに生じる不正確さを補償するように、対応するDBV帯域(したがって対応するガンマカーブ)を選択し得る。
【0077】
グラフ1100に示されるように、各ガンマカーブは、入力グレーレベル(x軸)とディスプレイパネル1010に表示される可視画像の輝度(y軸)との間の関係を含む。これらの関係は非線形である。たとえば、帯域7では、1100の入力グレーレベルは300nitの輝度値に対応する。ガンマカーブを使用して入力グレーレベルを調節することにより、ディスプレイパネル1010に表示される画像は、結果的に、入力グレーレベルに対する関係が非線形な輝度を示す可能性がある。しかしなお、表示された画像をユーザが見たとき、人の目の応答により、輝度と入力グレーレベルとの間の線形の関係を有するものとして知覚され得る。したがって、ガンマカーブを使用することにより、ディスプレイパネル1010は、ユーザによって、入力グレーレベルと輝度とに関して全体的に線形の関係を有するように知覚され得る画像を生成することができる。
【0078】
ディスプレイパネル1010は、第1のリフレッシュレート(たとえば60Hz)と第2のリフレッシュレート(たとえば90Hz)のどちらで動作するかということに応じて、別々のガンマカーブを使用することができる。たとえば、ディスプレイパネル1010は、60Hzで動作するときには、グラフ1100に示されるガンマカーブを利用し得る。他方では、ディスプレイパネル1010は、90Hzで動作するときには、図11Bのグラフ1110に示されるガンマカーブを利用し得る。明瞭さのために、グラフ1110には、DBV帯域6に関するガンマカーブしか含まれていない。しかしながら、グラフ1110には他のDBV帯域に関する他のガンマカーブも含有され得ることに留意されたい。
【0079】
60Hzのガンマカーブは90Hzのガンマカーブとは異なり得る。たとえば、グラフ1100のDBV帯域6に関するガンマカーブは、グラフ1110のDBV帯域6に関するガンマカーブとは異なる。より具体的には、グラフ1110におけるDBV帯域6に関するガンマカーブは、平均すると、グラフ1100におけるDBV帯域6に関するガンマカーブよりも、入力グレーレベルに関して大きい輝度値を有する。上記の議論に沿って、ディスプレイパネル1010が60Hzから90Hzに移行するとき(90Hzから60Hzに移行するときにも)、この差によって、ディスプレイパネル1010に視覚的フリッカが現れる可能性がある。結果的に、ディスプレイパネル1010のリフレッシュレートが60Hzと90Hzの間で頻繁に切り換わると、視覚的フリッカが目立つようになってユーザの体験を損なう恐れがある。さらに、低輝度設定において人の目が非常に敏感であるので、ディスプレイパネル1010の輝度が低いとき、視覚的フリッカが特に目立つ。
【0080】
図10に戻って、周囲光センサ1030は、コンピューティングデバイス1000の(たとえば1m以内、5m以内、または10m以内の)環境から光を受け取るように構成され得る。周囲光センサ1030は、1つまたは複数の単光子アバランシェ検知器(SPAD)、アバランシェフォトダイオード(APD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検知器、および/または電荷結合素子(CCD)を含み得る。たとえば、周囲光センサ1030は、約1550nmの波長の光を検知するように構成されたインジウム砒化ガリウム(InGaAs)APDを含み得る。本明細書では、他のタイプの周囲光センサ1030が可能であり、企図される。
【0081】
いくつかの実施形態では、周囲光センサ1030は、1次元配列または2次元配列に配設された複数の光検知素子を含み得る。たとえば、周囲光センサ1030は、単一の列(たとえば線形配列)に配置された16の検知器素子を含み得る。検知器素子は、主軸に沿って、または少なくとも主軸に対して平行に、配置され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス1000は1つまたは複数の他のセンサ1040を含み得る。他のセンサ1040が、コンピューティングデバイス1000の内部の状態および/または(たとえば1m以内、5m以内、または10m以内の)環境の状態を測定して、これらの状態に関するデータを供給するように構成され得る。たとえば、他のセンサ1040は、(i)コンピューティングデバイス1000に関するデータを得るための、コンピューティングデバイス1000の温度を測定するための温度計、コンピューティングデバイス1000の1つまたは複数のバッテリの電力を測定するためのバッテリセンサ、および/またはコンピューティングデバイス1000の状態を測定するための他のセンサなどの、これらに限定されないセンサと、(ii)他の対象物および/またはデバイスを識別するための、無線周波数識別(RFID)リーダ、近接センサ、1次元バーコードリーダ、2次元バーコード(たとえばクイックレスポンス(QR)コード)リーダ、および/またはレーザトラッカなどの、これらに限定されない識別センサであって、RFIDタグ、バーコード、QRコード(登録商標)、ならびに/あるいは他のデバイスおよび/または対象物などの読み取られるように構成された識別子を読み出して、少なくとも識別情報を供給するように構成され得る識別センサと、(iii)コンピューティングデバイス1000の位置および/または動きを測定するための、傾斜センサ、ジャイロスコープ、加速度計、ドップラセンサ、全地球測位システム(GPS)デバイス、ソナーセンサ、レーダー装置、レーザ変位センサ、および/またはコンパスなどの、これらに限定されないセンサと、(iv)コンピューティングデバイス1000の環境を示すデータを得るための、赤外線センサ、光センサ、バイオセンサ、容量性センサ、タッチセンサ、温度センサ、ワイヤレスセンサ、無線センサ、動きセンサ、近接センサ、レーダー受信機、マイクロフォン、音センサ、超音波センサおよび/または煙感知器などの、これらに限定されない環境センサと、(v)コンピューティングデバイス1000のまわりに作用する1つまたは複数の力(たとえば慣性力および/またはGの力)を測定するための、1つまたは複数の次元の力を測定する1つまたは複数のセンサ、トルク、重力、摩擦、ならびに/あるいはZMPおよび/またはZMPの位置を識別するゼロモーメントポイント(ZMP)センサなどの、これらに限定されない力センサとのうち、1つまたは複数を含み得る。他のセンサ1040の他の多くの例が同様に可能である。
【0083】
周囲光センサ130および他のセンサ1040から収集されたデータは、データを使用して1つまたは複数のアクションを実行するコントローラ1060に通信され得る。
【0084】
ネットワークインターフェース1050は、ネットワークを通じて通信するように設定可能な1つまたは複数のワイヤレスインターフェースおよび/または有線インターフェースを含み得る。無線インターフェースは、Bluetooth(商標)トランシーバ、Zigbee(登録商標)トランシーバ、Wi-Fi(商標)トランシーバ、WiMAX(商標)トランシーバ、および/またはワイヤレスネットワークを通じて通信するように設定可能な他の類似のタイプのワイヤレストランシーバなどの1つまたは複数のワイヤレス送信器、受信器、および/またはトランシーバを含み得る。有線インターフェースは、ツイストペア線、同軸ケーブル、光ファイバリンク、または有線ネットワークに対する類似の物理的接続を通じて通信するように構成可能な、イーサネットトランシーバ、ユニバーサルシリアルバス(USB)トランシーバ、あるいは類似のトランシーバなどの1つまたは複数の有線の送信器、受信器、および/またはトランシーバを含み得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェース1050は、確実、安全、かつ/または認証された通信を提供するように構成され得る。本明細書で説明されたそれぞれの通信について、確実な通信(たとえば保証されたメッセージ配信)を容易にするために、恐らくメッセージのヘッダおよび/またはフッタの一部として情報(たとえばパケット/メッセージのシーケンシング情報、カプセル化のヘッダおよび/またはフッタ、サイズ/時間の情報、ならびに巡回冗長検査(CRC)および/またはパリティチェック値などの伝送検証情報)が提供され得る。通信は、それだけではないが、データ暗号化規格(DES)、先進暗号化規格(AES)、Rivest-Shamir-Adelman(RSA)アルゴリズム、Diffie-Hellmanアルゴリズム、Secure Sockets Layer(SSL)、Transport Layer Security(TLS)、および/またはDigital Signature Algorithm(DSA)などの安全なソケットプロトコルなど、1つまたは複数の暗号のプロトコルおよび/またはアルゴリズムを使用して、安全にされ(たとえば符号化または暗号化され)かつ/または解読/復号され得る。通信を安全にするために(次いで解読/復号するために)、他の暗号のプロトコルおよび/またはアルゴリズムが、本明細書で列挙されたものと同様に、またはさらに、使用され得る。
【0086】
コントローラ1060は、1つまたは複数のプロセッサ1062およびメモリ1064を含み得る。プロセッサ1062は、1つまたは複数の汎用プロセッサおよび/または1つまたは複数の専用プロセッサ(たとえば表示ドライバ集積回路(DDIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、テンソル処理ユニット(TPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)など)を含み得る。プロセッサ1062は、メモリ1064に含有されたコンピュータ可読命令および/または本明細書で説明されたような他の命令を実行するように構成され得る。
【0087】
メモリ1064は、プロセッサ1062による読出しおよび/またはアクセスが可能な1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、全体または一部がプロセッサ1062のうち少なくとも1つと統合され得る、光学式メモリ、磁気メモリ、有機メモリまたは他のメモリもしくはディスクストレージなどの、揮発性および/または不揮発性の記憶構成要素を含み得る。いくつかの例では、メモリ1064は、単一の物理的装置(たとえば、1つの、光学的メモリ、磁気的メモリ、有機メモリ、または他のメモリもしくはディスクストレージユニット)を使用して実施され得る。一方、他の例では、メモリ1064は2つ以上の物理的装置を使用して実施され得る。
【0088】
例示の実施形態では、プロセッサ1062は、メモリ1064に記憶された命令を実行して動作を実行するように構成される。
【0089】
これらの動作は、ディスプレイパネル1010が第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップを含み得る。
【0090】
これらの動作は、コンピューティングデバイス1000のストレージ(たとえばメモリ1064)から、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを取り出すステップをさらに含み得る。対応するグレーレベルは、入力グレーレベルに関するディスプレイパネル1010の測定された光学特性と、第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補とに基づいて、複数のグレーレベル候補から選択されたものでよい。たとえば、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネル1010の光学特性は、測定済であってよい。たとえば、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネル1010の光学特性も、測定済であってよい。これは、コンピューティングデバイス1000とは別の、光学特性を測定するように構成された画像取込みデバイス(たとえば分光測光器または測色計)による測定を包含し得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光学特性が測定され得る。
【0091】
これらの動作は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して、入力表示データを調節するステップも含み得る。
【0092】
これらの動作は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネル1010を第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップも含み得る。たとえば、コントローラ1060は、ディスプレイパネル1010のリフレッシュレートを、60Hzから90Hzに、または90Hzから60Hzに、移行し得る。
【0093】
これらの動作は、ディスプレイパネル1010が第1のリフレッシュレートで動作している間にレート変更のトリガイベントを識別するステップをさらに含み得る。ディスプレイパネル1010の第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートへの移行は、レート変更のトリガイベントの識別に応答して実行され得る。いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、デバイス上で動作中の処理(たとえば、種々の用途向けの明度設定、時間帯の指定など)によって開始され得る。いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、ユーザとディスプレイパネル1010との相互作用(たとえばコンピューティングデバイス1000がユーザの指紋認証を試行する指紋検知イベント)を含み得る。いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、コンピューティングデバイス1000のまわりの環境に関連する、(たとえば周囲光センサ1030および/または他のセンサ1040による)環境状態測定に基づき得る。
【0094】
これらの動作は、ディスプレイパネル1010が第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行した後に、レート変更のトリガイベントの終了を検知するステップをさらに含み得る。次いで、これらの動作は、レート変更のトリガイベントの終了を検知することに応答して、ディスプレイパネル1010を第2のリフレッシュレートから第1のリフレッシュレートに移行するステップを含み得る。
V.例示の方法
図12は、例示の実施形態による方法1200を示す。方法1200は様々なブロックまたはステップを含み得る。ブロックまたはステップは、個々に実行されてよく、組み合わせて実行されてもよい。ブロックまたはステップは、任意の順序で、ならびに/あるいは順次に、または並行して実行されてよい。さらに、方法1200は、ブロックまたはステップが省略されてよく、追加されてもよい。
【0095】
方法1200のブロックのうちいくつかまたはすべてが、コンピューティングデバイス1000の様々な要素によって実行され得る。代わりに、またはそれに加えて、方法1200のブロックのうちいくつかまたはすべてが、コンピューティングデバイス1000に通信可能に結合されたコンピューティングデバイスよって実行され得る。その上、方法1200のいくつかの実装形態は、図1図9に関連して示されて説明されたグラフおよび/または表に表された関係を利用し得る。
【0096】
ブロック1210は、複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスについて、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップを含む。
【0097】
ブロック1220は、このデバイスについて、第2のリフレッシュレートにおけるグレーレベルの複数の候補に関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップを含む。
【0098】
ブロック1230は、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの測定された光学特性候補に基づいて、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを複数のグレーレベル候補から選択するステップを含む。
【0099】
ブロック1240は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルをデバイスに記憶するステップであって、デバイスは、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される、ステップを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、測定するステップは、ディスプレイパネルの所与のディスプレイ明度帯域に関して実行され得る。
【0101】
いくつかの実施形態は、ディスプレイ明度帯域を決定するステップを包含する。そのような実施形態は、判定されたディスプレイ明度帯域における入力グレーレベルを判定するステップも包含し得る。いくつかの実施形態では、入力グレーレベルは、光学特性が光学的閾値未満であるとの判定に基づく。
【0102】
いくつかの実施形態では、第2の入力グレーレベルは、光学特性が光学的閾値よりも大きいとの判定に基づいて決定され得る。そのような実施形態は、デバイスから、ディスプレイパネルの、第2の入力グレーレベルに関する第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性における少なくとも1つの差を測定するステップも包含し得る。そのような実施形態は、ディスプレイパネルが第2のリフレッシュレートで動作しているとき、デバイスによって第2の入力グレーレベルに関して使用されているデフォルトのガンマ値に対して、少なくとも1つの測定された差に基づいてオフセット値を適用し、それによって新しいガンマ値を生成するステップをさらに包含し得る。そのような実施形態は、新しいガンマ値をデバイスに記憶するステップであって、デバイスは、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第2のリフレッシュレートで動作するときには、第2の入力グレーレベルに関するデフォルトのガンマ値を新しいガンマ値で置き換えるように構成される、ステップも包含し得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、ディスプレイパネルは複数の色チャネルを有し得る。デフォルトのガンマ値は、複数の色チャネルについてそれぞれのレジスタ値を含み得る。オフセット値は、デフォルトのガンマ値のレジスタ値のうち少なくとも1つに対するオフセットを含み得る。いくつかの実施形態では、複数の色チャネルは、赤、緑および青(RGB)の色チャネルを含み得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、オフセット値は、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作しているとき、デバイスが入力グレーレベルに関して使用するデフォルトのガンマ値に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、測定するステップは、光学特性を測定するように構成された画像取込みデバイスによって実行され得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1のリフレッシュレートは60Hzでよく、第2のリフレッシュレートは90Hzでよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、光学特性は、ディスプレイパネルの輝度または色のうち1つでよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、記憶するステップは、デバイスのブートイメージに、複数の入力グレーレベルについて、複数の対応するグレーレベルを記憶するステップを含み得る。
【0109】
いくつかの実施形態は、このデバイスについて、第3のリフレッシュレートにおける第2の複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの光学特性を測定するステップを包含する。そのような実施形態は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルおよび第3のリフレッシュレートにおける第2の複数のグレーレベル候補に基づいて、入力グレーレベルに対応する第2のグレーレベルを第2の複数のグレーレベル候補から選択するステップをさらに包含し得る。そのような実施形態は、入力グレーレベルに対応する第2のグレーレベルをデバイスに記憶するステップであって、デバイスは、記憶するステップの後に、ディスプレイパネルが第2のリフレッシュレートから第3のリフレッシュレートに移行しているとき、入力グレーレベルに対応する第2のグレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される、ステップも包含し得る。
【0110】
いくつかの実施形態は、デバイスから、ディスプレイパネルの、第2の入力グレーレベルに関する第1のリフレッシュレートと第2のリフレッシュレートとの間の光学特性における少なくとも1つの差を測定するステップを包含する。そのような実施形態は、少なくとも1つの差が光学的閾値を超過することを判定するステップをさらに包含し得る。そのような実施形態は、第2の入力グレーレベルに対応するグレーレベルを選択するステップを起動するステップも包含し得る。
【0111】
図13は、例示の実施形態による方法1300を示す。方法1300は様々なブロックまたはステップを含み得る。ブロックまたはステップは、個々に実行されてよく、組み合わせて実行されてもよい。ブロックまたはステップは、任意の順序で、ならびに/あるいは順次に、または並行して実行されてよい。さらに、方法1300は、ブロックまたはステップが省略されてよく、追加されてもよい。
【0112】
方法1300のブロックのうちいくつかまたはすべてが、コンピューティングデバイス1000の様々な要素によって実行され得る。代わりに、またはそれに加えて、方法1300のブロックのうちいくつかまたはすべてが、コンピューティングデバイス1000に通信可能に結合されたコンピューティングデバイスよって実行され得る。その上、方法1300のいくつかの実装形態は、図1図9に関連して示されて説明されたグラフおよび/または表に表された関係を利用し得る。
【0113】
ブロック1310は、デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップを含む。
【0114】
ブロック1320は、デバイスのストレージから、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを取り出すステップを含み、対応するグレーレベルは、第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおける、入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関するディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、複数のグレーレベル候補から選択されたものである。
【0115】
ブロック1330は、入力グレーレベルに対応するグレーレベルを使用して入力表示データを調節するステップを含む。
【0116】
ブロック1340は、調節された入力表示データに基づいて、ディスプレイパネルを第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行するステップを含む。
【0117】
いくつかの実施形態は、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間にレート変更のトリガイベントを識別するステップを包含する。ディスプレイパネルの第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートへの移行は、レート変更のトリガイベントの識別に応答して実行され得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、デバイスにおいて動作中の処理によって開始され得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、ユーザとディスプレイパネルとの相互作用を含み得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、レート変更のトリガイベントは、デバイスのまわりの環境に関連する環境状態の測定に基づき得る。
【0121】
いくつかの実施形態は、ディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートから第2のリフレッシュレートに移行した後に、レート変更のトリガイベントの終了を検知するステップを包含する。そのような実施形態は、レート変更のトリガイベントの終了を検知することに応答して、ディスプレイパネルを第2のリフレッシュレートから第1のリフレッシュレートに移行するステップを包含し得る。
【0122】
図に示された特定の機構は、限定と見られるべきではない。他の実施形態は、所与の図に示された各要素よりも多くの要素またはより少ない要素を含み得ることを理解されたい。さらに、示された要素のうちいくつかは、組み合わされてよく、省略されてもよい。またさらに、例示の実施形態は、図に示されていない要素を含み得る。
【0123】
情報の処理を表現するステップまたはブロックは、本明細書で説明された方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成され得る回路に対応することができる。代わりに、またはそれに加えて、情報の処理を表現するステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコード(関連するデータを含む)の一部に対応することができる。プログラムコードは、方法または技術における特定の論理機能またはアクションを実施するためにプロセッサによって実行可能な1つまたは複数の命令を含み得る。プログラムコードおよび/または関連するデータは、ディスク、ハードドライブ、または他の記憶媒体を含むストレージデバイスなどの任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶され得る。
【0124】
コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短期間にわたってデータを記憶するコンピュータ可読媒体などの一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体は、より長い期間にわたってプログラムコードおよび/またはデータを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。したがって、コンピュータ可読媒体は、たとえば読出し専用メモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスクを使った読出し専用メモリ(CD-ROM)のような、2次または持続性の長期間ストレージを含み得る。コンピュータ可読媒体は、他の揮発性または不揮発性のストレージシステムでもあり得る。コンピュータ可読媒体は、たとえば有体のストレージデバイスといったコンピュータ可読記憶媒体と見なされ得る。
【0125】
様々な例や実施形態を開示してきたが、当業者には他の例および実施形態が明らかであろう。様々な開示された例および実施形態は、解説を目的とするものであって、限定する意図はなく、真の範囲は以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関する前記ディスプレイパネルの光学特性を測定するステップと、
前記デバイスから、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関する前記ディスプレイパネルの前記光学特性を測定するステップと、
前記入力グレーレベルおよび前記複数のグレーレベル候補に関する前記ディスプレイパネルの前記測定された光学特性に基づいて、前記入力グレーレベルに対応するグレーレベルを前記複数のグレーレベル候補から選択するステップと、
前記入力グレーレベルに対応するグレーレベルを前記デバイスに記憶するステップとを含み、前記デバイス、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行しているとき、前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される、方法。
【請求項2】
前記測定するステップは、前記ディスプレイパネルの所与のディスプレイ明度帯域に関して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ディスプレイ明度帯域を判定するステップと、
前記判定されたディスプレイ明度帯域における入力グレーレベルを判定するステップと
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記入力グレーレベル、前記光学特性が光学的閾値未満であるとの判定に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記光学特性が光学的閾値よりも大きいという判定に基づいて第2の入力グレーレベルが判定され、前記方法
前記デバイスから、前記ディスプレイパネルの、前記第2の入力グレーレベルに関する前記第1のリフレッシュレートと前記第2のリフレッシュレートとの間の前記光学特性における少なくとも1つの差を測定するステップと、
前記ディスプレイパネルが前記第2のリフレッシュレートで動作しているとき、前記デバイスによって前記第2の入力グレーレベルに関して使用されているデフォルトのガンマ値に対して、前記少なくとも1つの測定された差に基づいてオフセット値を適用し、それによって新しいガンマ値を生成するステップと、
前記新しいガンマ値を前記デバイスに記憶するステップとをさらに含み、前記デバイス、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第2のリフレッシュレートで動作するときに、前記第2の入力グレーレベルの前記デフォルトのガンマ値を前記新しいガンマ値で置き換えるように構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ディスプレイパネル複数の色チャネルを有し、前記デフォルトのガンマ値前記複数の色チャネルについてそれぞれのレジスタ値を含み、前記オフセット値、前記デフォルトのガンマ値の前記レジスタ値のうち少なくとも1つに対するオフセットを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の色チャネル、赤、緑および青(RGB)の色チャネルを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記オフセット値は、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートで動作しているとき、前記デバイスが前記入力グレーレベルに関して使用するデフォルトのガンマ値に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記測定するステップ、前記光学特性を測定するように構成された画像取込みデバイスによって実行される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のリフレッシュレート60Hzであって前記第2のリフレッシュレート90Hzである、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記光学特性、前記ディスプレイパネルの輝度または色のうちの1つである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記記憶するステップ、前記デバイスのブートイメージに、複数の入力グレーレベルについて、複数の対応するグレーレベルを記憶するステップを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記デバイスから、第3のリフレッシュレートにおけるグレーレベルの第2の複数の候補に関する前記ディスプレイパネルの前記光学特性を測定するステップと、
前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルおよび前記第3のリフレッシュレートにおける前記第2の複数のグレーレベル候補に基づいて、前記入力グレーレベルに対応する第2のグレーレベルを前記第2の複数のグレーレベル候補から選択するステップと、
前記入力グレーレベルに対応する前記第2のグレーレベルを前記デバイスに記憶するステップとをさらに含み、前記デバイス、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第2のリフレッシュレートから前記第3のリフレッシュレートに移行しているとき、前記入力グレーレベルに対応する前記第2のグレーレベルを使用して前記入力表示データを調節するように構成される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記デバイスから、前記ディスプレイパネルの、第2の入力グレーレベルに関する前記第1のリフレッシュレートと前記第2のリフレッシュレートとの間の前記光学特性における少なくとも1つの差を測定するステップと、
前記少なくとも1つの差が光学的閾値を上回ると判定するステップと、
前記第2の入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを選択する前記ステップを起動するステップと
をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
デバイスのディスプレイパネルが第1のリフレッシュレートで動作している間に、入力グレーレベルを識別するステップと、
前記デバイスのストレージから、前記入力グレーレベルに対応するグレーレベルを取り出すステップとを含み、前記対応するグレーレベル、前記第1のリフレッシュレートおよび第2のリフレッシュレートにおける、前記入力グレーレベルおよび複数のグレーレベル候補に関する前記デバイスの前記ディスプレイパネルの測定された光学特性に基づいて、前記複数のグレーレベル候補から選択されたものであり、さらに
前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを使用して入力表示データを調節するステップと、
前記調節された入力表示データに基づいて、前記ディスプレイパネルを前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行するステップと
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項16】
前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートで動作している間にレート変更のトリガイベントを識別するステップをさらに含み
前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行するステップ、前記レート変更のトリガイベントを識別するステップに応答して実行される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記レート変更のトリガイベント、前記デバイスにおいて動作中の処理によって開始される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記レート変更のトリガイベント、ユーザと前記ディスプレイパネルとの相互作用を含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記レート変更のトリガイベント、前記デバイスのまわりの環境に関連する環境状態の測定に基づく、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行した後に、前記レート変更のトリガイベントの終了を検知するステップと、
前記レート変更のトリガイベントの終了を検知することに応答して、前記ディスプレイパネルを前記第2のリフレッシュレートから前記第1のリフレッシュレートに移行するステップと
をさらに含む、請求項16~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
1つまたは複数のプロセッサと、
データストレージとを備えるシステムであって、
前記データストレージはコンピュータ実行可能命令を記憶しており、前記コンピュータ実行可能命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、
複数のリフレッシュレートで動作するように構成されたディスプレイパネルを有するデバイスから、第1のリフレッシュレートにおける入力グレーレベルに関する前記ディスプレイパネルの光学特性を測定するステップと、
前記デバイスから、第2のリフレッシュレートにおける複数のグレーレベル候補に関する前記ディスプレイパネルの前記光学特性を測定するステップと、
前記入力グレーレベルおよび前記複数のグレーレベル候補に関する前記ディスプレイパネルの前記測定された光学特性に基づいて、前記入力グレーレベルに対応するグレーレベルを前記複数のグレーレベル候補から選択するステップと、
前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを前記デバイスに記憶するステップであって、前記デバイスが、前記記憶するステップの後に、前記ディスプレイパネルが前記第1のリフレッシュレートから前記第2のリフレッシュレートに移行しているとき、前記入力グレーレベルに対応する前記グレーレベルを使用して入力表示データを調節するように構成される、ステップと
を含む動作を実行させるシステム。
【請求項22】
コンピュータプログラムであって、コンピュータによって実行されたとき、前記コンピュータに請求項15~20のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項23】
コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムであって、システムに備えられた1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記システムに請求項1~14のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】