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特表2024-505017複数のエアロゾル発生セグメントを備えたエアロゾル発生ロッド
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  • 特表-複数のエアロゾル発生セグメントを備えたエアロゾル発生ロッド 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】複数のエアロゾル発生セグメントを備えたエアロゾル発生ロッド
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20240126BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20240126BHJP
   A24D 1/18 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
A24D1/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023544764
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2022052083
(87)【国際公開番号】W WO2022167342
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】21154825.0
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルヴェス
(72)【発明者】
【氏名】ベダッソ ベケレ アレム
(72)【発明者】
【氏名】ボンジョヴァンニ ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】オリアナ ヴァレリオ
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA41
4B045AB01
4B045AB11
(57)【要約】
加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成ロッド10は、第一のエアロゾル発生基体を含む第一のエアロゾル発生セグメント12であって、第一のエアロゾル発生基体が、たばこ材料およびエアロゾル形成体を含む、第一のエアロゾル発生セグメント12と、第一のエアロゾル発生セグメントの上流の位置に第二のエアロゾル発生セグメント14と、少なくとも第一のエアロゾル発生セグメントおよび第二のエアロゾル発生セグメントを囲むラッパー(22)とを備える。第二のエアロゾル発生セグメント14は、多孔性基体のプラグを含む。プラグの少なくともコア部分24は、エアロゾル発生媒体または風味剤、または両方を含む。コア部分24を包囲するプラグ18の周辺部分26は、実施的にエアロゾル発生媒体または風味剤を含まない。エアロゾル発生ロッドは、低温において十分なエアロゾル送達を提供し、「冷たい吸煙」または「空の吸煙」効果に対抗する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生ロッド(10)であって、前記エアロゾル発生ロッドが、
第一のエアロゾル発生基体を含む第一のエアロゾル発生セグメント(12)であって、前記第一のエアロゾル発生基体が、たばこ材料およびエアロゾル形成体を含む、第一のエアロゾル発生セグメント(12)と、
前記エアロゾル発生セグメントの上流の位置に第二のエアロゾル発生セグメント(14)と、
少なくとも前記第一のエアロゾル発生セグメントおよび前記第二のエアロゾル発生セグメントを囲むラッパー(22)と、を備え、
前記第二のエアロゾル発生セグメントは、多孔性基体のプラグ(18)を含み、前記プラグ(18)の少なくともコア部分(24)が、エアロゾル発生媒体または風味剤、または両方を含み、前記コア部分(24)を包囲する前記プラグ(18)の周辺部分(26)は、実質的にエアロゾル発生媒体または風味剤を含まない、エアロゾル発生ロッド(10)。
【請求項2】
前記第一のエアロゾル発生セグメント(12)の下流の位置に非エアロゾル発生セグメント(16)を備え、前記非エアロゾル発生セグメント(16)は、多孔性基体のプラグを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項3】
前記ラッパー(22)が、少なくとも前記第一のエアロゾル発生セグメント(12)を囲み、前記第二のエアロゾル発生セグメント(14)が、非多孔性である、請求項1または2に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項4】
前記非多孔性ラッパー(22)は、金属箔を含む、請求項3に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項5】
前記第一のエアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料、たばこキャストリーフ、および再構成たばこのうちの一つ以上を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項6】
前記第一のエアロゾル発生基体は、非たばこ植物材料をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項7】
前記エアロゾル発生媒体は、前記多孔性基体を含浸する液体またはゲルを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項8】
前記エアロゾル発生媒体は、アルカロイド化合物を含むゲル、エアロゾル形成体、および少なくとも一つのゲル化剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項9】
前記第一のエアロゾル発生セグメント(12)の長さが、5ミリメートル~25ミリメートルである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項10】
前記第二のエアロゾル発生セグメント(14)の長さが、2ミリメートル~10ミリメートルである、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項11】
前記第二のエアロゾル発生セグメント(14)の長さと前記第一のエアロゾル発生セグメント(12)の長さとの比が、0.15~0.5である、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項12】
前記コア部分(24)の断面積が、前記第二のセグメント(14)の断面積の少なくとも50パーセントである、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッド(10)を備えるエアロゾル発生物品(50)。
【請求項14】
加熱装置(200)と、請求項13に記載のエアロゾル発生物品(50)と、を備えるエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生基体を備え、かつ加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するように適合された、エアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当該技術分野で公知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源に接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が挙げられる。例えば、エアロゾル発生基体に挿入されるように適合された内部ヒーターブレードを含む、電気加熱式のエアロゾル発生装置が提案されている。代替として、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体内に配設されたサセプタと、を含む、誘導性発熱性エアロゾル発生物品が、WO2015/176898によって提案されている。更なる代替は、WO2020/115151に記載されており、これは、エアロゾル発生物品の外面の周りに配設される一つ以上の発熱体を備える外部加熱システムと組み合わせて使用されるエアロゾル発生物品を開示する。例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基板上の可撓性の加熱箔の形態で提供され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たばこ含有基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、従来の喫煙物品では直面しなかったいくつかの課題を呈する。
【0005】
第一に、たばこ含有基体は、典型的には、従来のたばこの燃焼前部が到達する温度と比較して、著しく低い温度まで加熱される。これは、たばこ含有基体からのニコチン放出および消費者へのニコチン送達に影響を及ぼす可能性がある。同時に、ニコチン送達を促進する試みで加熱温度が上昇する場合、生成されるエアロゾルは、典型的には、消費者に到達する前に、より広範囲かつより迅速に冷却される必要がある。
【0006】
第二に、たばこ含有エアロゾル発生基体を、エアロゾル形成に必要なこのような温度の一つまで加熱するのには通常時間がかかるため、消費者へのエアロゾル送達が遅延する場合がある。ユーザーが物品を最初に吸い込むとき、使用者に到達するエアロゾルは、風味もしくはニコチン含有量、またはその両方が比較的低い場合があり、しばしば「冷たい吸煙(cold puff)」効果または「空の吸煙(empty puff)」効果と呼ばれる。
【0007】
例えば、エアロゾル発生基体が均質化したたばこ材料を含むエアロゾル発生ロッドおよび物品において、エアロゾル形成体とニコチンが放出のために特に容易に利用できない場合があるため、このような遅延の一つが検出され得る。特に、エアロゾル形成体を含むスラリーから調製されたキャストリーフの均質化したたばこ材料を使用する場合、エアロゾル形成体を成形シート上に適用(例えば、噴霧)したものとは対照的に発生する可能性がある。
【0008】
エアロゾル発生ロッドや物品が加熱される装置内に、二つ以上の独立した加熱ゾーンを設けることでこれに対処することが提案されている。これにより、エアロゾル発生基体の異なる部分に対して異なる加熱プロファイルを実装することが可能となるため、これは、「冷たい吸煙」効果に対抗するのに役立ち得る。
【0009】
しかしながら、最初の「冷たい吸煙」または「空の吸煙」効果に対処するように適合した、新規かつ改良されたエアロゾル発生ロッドまたは物品を提供することが望ましいであろう。例えば、ユーザーに満足のいくエアロゾル送達をより迅速に提供することができ、全体として使用中のエアロゾル送達のより細かい調整を可能にする、新規かつ改良されたエアロゾル発生ロッドまたは物品を提供することが望ましいであろう。
【0010】
通常の消費のためにたばこ含有基体を依然として加熱しながら、より低い温度でユーザーに満足のいくエアロゾル送達を発生することができる、そのような新規かつ改良されたエアロゾル発生ロッドまたは物品を提供することが特に望ましいであろう。
【0011】
既存の設備の大規模な改造を必要とせずに、効率的かつ高速で製造することができる、このようなエアロゾル発生ロッドまたは物品を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生ロッドに関する。エアロゾル発生ロッドは、第一のエアロゾル発生セグメントを備えてもよい。第一のエアロゾル発生セグメントは、第一のエアロゾル発生基体を含み得る。第一のエアロゾル発生基体は、たばこ材料およびエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル発生ロッドは、第二のエアロゾル発生セグメントを備えてもよい。第二のエアロゾル発生セグメントは、第一のエアロゾル発生セグメントの上流の位置にあってもよい。第二のエアロゾル発生セグメントは、多孔性基体のプラグを含み得る。プラグの少なくともコア部分は、エアロゾル発生媒体または風味剤、または両方を含み得る。
【0013】
本開示はまた、上述のエアロゾル発生ロッドを備えるエアロゾル発生物品、ならびに加熱装置および一つのこうしたエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【0014】
本発明によると、加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生ロッドが提供されている。エアロゾル発生ロッドは、第一のエアロゾル発生基体を含む第一のエアロゾル発生セグメントであって、第一のエアロゾル発生基体が、たばこ材料およびエアロゾル形成体を含む、第一のエアロゾル発生セグメントと、第一のエアロゾル発生セグメントの上流の位置に第二のエアロゾル発生セグメントとを備える。第二のエアロゾル発生セグメントは、多孔性基体のプラグを含み、プラグの少なくともコア部分は、エアロゾル発生媒体または風味剤、または両方を含む。
【0015】
本発明によれば、上述のエアロゾル発生ロッドを備えるエアロゾル発生物品、ならびに加熱装置および一つのこうしたエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムも提供されている。
【0016】
したがって、本発明によるエアロゾル発生ロッドは、エアロゾル発生媒体の新規の構成を提供する。この新規の構成は、特定の相互配設にある二つの別のエアロゾル発生セグメントの組み合わせによって特徴付けられる。発明者らは、異なる放出プロファイルに従って、加熱時に揮発性種を放出するように本質的に適合された異なるエアロゾル発生基体を含有する二つのセグメントを結合させることにより、有利なことに、既存のエアロゾル発生物品においてしばしば見られるエアロゾルの発生および送達の初期遅延を回避することが可能であることを見出した。
【0017】
以下において、添付図の図面を参照しながら本発明を更に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】ラッパーが取り除かれた、本発明によるエアロゾル発生ロッドの概略斜視図を示す。
図1B】ラッパーが取り除かれた、本発明によるエアロゾル発生ロッドの概略斜視図を示す。
図1C図1Aおよび1Bのエアロゾル発生ロッドのさらなる概略斜視図を示す。
図2図1A、1Bおよび1Cのエアロゾル発生ロッドを備えるエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
図3図2のエアロゾル発生物品の使用中にエアロゾル送達が、時間とともにどのように変化するかを定性的に示す。
図4A】エアロゾル発生装置と、図2のエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの概略斜視図を示す。
図4B】エアロゾル発生装置と、図2のエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図3は、均質化したたばこ基体、およびエアロゾル発生媒体または風味剤を装填された多孔性基体のプラグを含有するセグメントの各々からのエアロゾル送達が、時間とともにどのように変化するかを定性的に示す。図3に線Aで示すように、均質化したたばこ基体および装填された多孔性基体のプラグを含有するセグメントの両方を含有するロッドの加熱開始時、装填された多孔性基体プラグ内のエアロゾル発生媒体または風味剤からエアロゾルが急速に放出される。装填された多孔性基体からのエアロゾル送達は、最大値に達した後、ほぼ同じくらい急速に減少する。装填された多孔性基体基体中のエアロゾル種の含有量は比較的急速に減少するため、エアロゾル発生媒体または風味剤からのエアロゾル放出は、比較的短時間で停止する。一方、線Bで表される均質化したたばこ基体を含有するセグメントからのエアロゾルの放出は、最初はあまり大きくなく、エアロゾル発生媒体または風味剤からのエアロゾルの放出が減少し始めた後に初めて、第一のエアロゾル発生セグメントからのエアロゾルの放出量が同等のレベルに達する。装填された多孔性基体からのエアロゾルの放出がほぼ停止するまでに、均質化したたばこ基体を含有するセグメントからのエアロゾルの放出は、強度が二倍以上になり、ロッドまたは物品の使用サイクルの残りをカバーする長い期間にわたって滑らかに減少するだけとなるであろう。
【0020】
本発明によるエアロゾル発生ロッドまたは物品の使用中の任意の時点において、消費者は事実上、第二のエアロゾル発生セグメントに提供されるエアロゾル発生媒体または風味剤から放出されるエアロゾル種の流れと、第一のエアロゾル発生セグメントの基体から放出されるエアロゾル種の流れの合計を受容する。図3の点線Cは、ロッドまたは物品の使用サイクルの初期部分におけるこの効果を示す。グラフから分かるように、第二のエアロゾル発生セグメントからのエアロゾルの放出は、第一のエアロゾル発生セグメントからのエアロゾル放出における初期の遅延を、後者が実質的に引き継ぐまで補う。これは、既存のエアロゾル発生ロッドまたは物品と比較して、ロッドまたは物品の使用サイクル全体を通して、全体的により迅速で、均質かつ一貫したエアロゾル送達であると消費者に認識される。
【0021】
第一のエアロゾル発生セグメントのたばこ含有基体の選択的選択、およびエアロゾル形成体の含有量の調整等を通して、第二のエアロゾル発生セグメントのエアロゾル発生媒体または風味剤の含有量を調整することによる、第二のエアロゾル発生セグメントのための特定のエアロゾル発生媒体または風味剤の選択を通して、有利なことに、一方のエアロゾル供給源から他方のエアロゾル供給源への移行の微調整が可能である。
【0022】
発明者らは、「冷たい吸煙」効果または「空の吸煙」効果は特に、第一のエアロゾル発生セグメントのたばこ含有基体が、エアロゾル形成体を組み込む均質化したたばこ材料を含む場合に実感されることを見出した。理論に束縛されることを望むものではないが、これは、上流の第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤がより容易に利用可能であり、ニコチンおよびエアロゾル形成体が、第一のエアロゾル発生セグメントのたばこ含有基体内に存在するためであると仮定される。
【0023】
この効果は、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ含有基体がエアロゾル種を放出し始め得る温度T1より低い温度T2に加熱されるのに伴いエアロゾル種を放出するように適合された第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤を選択することによって増大し得る。特に、以下でより詳細に考察する通り、第一のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤は、放出温度T1とT2の差が、この効果を強化するよう所定値よりも大きくなるように選択され得る。
【0024】
追加的に、または代替的に、本発明によるロッドを備えるエアロゾル発生物品が独立した加熱ゾーンを備えた装置内で使用される場合、熱(例えば、誘導により発生した熱)は、エアロゾルの第一のバースト様放出を消費者に提供できる一方で、第一のセグメント中のたばこ含有基体のバルクの温度がより漸進的に上昇し続けるように、より迅速かつ高温で上流の第二のセグメントへと供給され得る。したがって、たばこ含有基体から出るエアロゾルが、満足できる速度で、望ましい風味とニコチン含有量で放出され始めると、この流れは、残りの使用サイクルの間、エアロゾルの持続的放出をもたらす。
【0025】
すでに考察した通り、本発明は、加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生ロッド、ならびにロッドを備えるエアロゾル発生物品、およびエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えるシステムを提供する。
【0026】
本明細書で使用する「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾル発生基体を加熱して吸入可能なエアロゾルを生成して消費者に送達する物品を示す。本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱時に揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生する能力を有する基体を意味する。
【0027】
従来の紙巻たばこは、ユーザーが炎を紙巻たばこの一方の端に付け、他の端を通して空気を吸う時に点火される。炎と、紙巻たばこを通して引き込まれた空気中の酸素とによってもたらされた局在化した熱は、紙巻たばこの端を点火させ、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を生成する。対照的に、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは風味発生基体(たばこなど)を加熱することによって発生される。公知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式のエアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱の伝達によってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品とが挙げられる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの中に挿入されるように適合されている内部ヒーターブレードを有する電気加熱式のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにおいて特定の用途がある。このタイプのエアロゾル発生物品は、先行技術、例えばEP0822670に記載されている。
【0028】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生するヒーター要素を備える装置を指す。
【0029】
本発明に関連して本明細書で使用される「ロッド」という用語は、一般的に細長い要素、好ましくは実質的に円形、長円形または楕円形の断面の円筒状の要素を示すために使用される。
【0030】
本明細書で使用される「長手方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品の主要長手方向軸に対応する方向を指す。本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に関してエアロゾル発生物品の要素(または要素の部分)の相対的な位置を説明する。
【0031】
使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長手方向に引き出される。「横断方向」という用語は、長手方向軸に対して直角をなす方向を指す。エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」への任意の言及は、別途記載のない限り、横断断面を指す。
【0032】
「長さ」という用語は、長手方向におけるエアロゾル発生物品の構成要素の寸法を意味する。例えば、長手方向におけるロッドまたは細長い管状要素の寸法を意味するために使用されてもよい。
【0033】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生ロッドの下流の位置に下流セクションをさらに備え得る。本発明のエアロゾル発生物品の実施形態の以下の説明から明らかになるように、下流セクションは、一つ以上の下流要素を含み得る。
【0034】
下流セクションは、エアロゾル発生物品の口側端とエアロゾル発生ロッドとの間に中空セクションを含み得る。中空セクションは、中空の管状要素を備えてもよい。
【0035】
本明細書で使用する場合、「中空の管状セグメント」および「中空の管状要素」などの用語は、その長手方向軸に沿った内腔または気流通路を画定する一般的に細長い要素を意味するために使用される。特に、「管状」という用語は以下において、実質的に円筒状の断面を有し、管状要素またはセグメントの上流端と管状要素またはセグメントの下流端との間の途切れることのない流体連通を確立する少なくとも一つの気流導管を画定する、要素またはセグメントに関して使用される。しかし、当然のことながら、管状要素またはセグメントの代替の形状(例えば、代替の断面形状)が可能である場合がある。
【0036】
本発明の文脈において、中空の管状セグメントまたは中空の管状要素は、制限のない流路を提供する。これは、中空の管状セグメントまたは中空の管状要素が、無視できるレベルの引き出し抵抗(RTD)を提供することを意味する。「無視できるレベルのRTD」という用語は、10ミリメートルの長さの中空管状セグメントまたは中空の管状要素当たり1mmH2O未満、好ましくは10ミリメートルの長さの中空管状セグメントまたは中空の管状要素当たり0.4mmH2O未満、より好ましくは10ミリメートルの長さの中空管状セグメントまたは中空の管状要素当たり0.1mmH2O未満のRTDを記述するために使用される。
【0037】
したがって、流れチャネルは、長手方向の空気の流れを妨害するであろういかなる構成要素も備えるべきではない。流れチャネルは、実質的に空であることが好ましい。
【0038】
本明細書において、「中空の管状セグメント」または「中空の管状要素」はまた、「中空管」または「中空管セグメント」と呼ばれてもよい。
【0039】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生ロッドの上流の位置に上流セクションをさらに備え得る。上流セクションは、一つ以上の上流要素を備え得る。上流セクションは、エアロゾル発生ロッドのすぐ上流に配設された上流要素を含み得る。
【0040】
本発明によるエアロゾル発生ロッドは、実質的に円筒状であってもよく、少なくとも約4ミリメートルの外径を有してもよい。エアロゾル発生ロッドは、少なくとも約5ミリメートルの外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生ロッドは、少なくとも約6ミリメートルの外径を有することがさらにより好ましい。
【0041】
エアロゾル発生ロッドは、約12ミリメートル以下の外径を有することが好ましい。エアロゾル発生ロッドを備える要素は、約11ミリメートル以下の外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生ロッドは、約8ミリメートル以下の外径を有することがさらにより好ましい。
【0042】
エアロゾル発生ロッドは、約4ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは5ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有してもよい。他の実施形態では、エアロゾル発生ロッドは、約4ミリメートル~約11ミリメートル、好ましくは5ミリメートル~約11ミリメートル、より好ましくは約6ミリメートル~約11ミリメートルの外径を有する。さらなる実施形態において、エアロゾル発生ロッドは、約4ミリメートル~約8ミリメートル、好ましくは5ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有する。
【0043】
一般的に、エアロゾル発生基体を備えるロッド状の要素の直径が小さいほど、ロッド状の要素のコア温度を上昇させるのに必要な温度が低くなり、十分な量の揮発性種がエアロゾル発生基体から放出されて、所望の量のエアロゾルを形成することが観察されている。同時に、理論に束縛されることを望むものではないが、ロッド状の要素の直径が小さいほど、エアロゾル発生ロッドに供給される熱がその全容量により速く浸透することが可能になることは理解される。それにもかかわらず、ロッド状の要素の直径が小さすぎる場合、利用可能なエアロゾル形成基体の量が低減するため、エアロゾル発生基体の体積と表面の比はあまり好都合でなくなる。
【0044】
本明細書に記載の範囲内に収まるエアロゾル発生ロッドの直径は、エネルギー消費とエアロゾル送達の間のバランスの観点から特に有利である。この利点は、本明細書に記載の直径を有するエアロゾル発生ロッドを備えるエアロゾル発生物品が、エアロゾル発生ロッドまたは物品の外面の周りに配設される外部ヒーターと組み合わせて使用される場合に特に実感される。こうした動作条件下では、エアロゾル発生ロッドのコアで、またはロッドを備える物品のコアで十分に高い温度を達成するのに必要な熱エネルギーが少ないことが観察されている。それ故に、より低い温度で動作する時に、エアロゾル発生ロッドのコアでの望ましい目標温度は、望ましく低減された時間枠内、およびより少ないエネルギー消費によって達成され得る。
【0045】
エアロゾル発生ロッドの全長は、少なくとも約8ミリメートルであってもよい。エアロゾル発生ロッドの全長は、少なくとも約9ミリメートルであることが好ましい。エアロゾル発生ロッドの全長は、少なくとも約10ミリメートルであることがより好ましい。
【0046】
エアロゾル発生ロッドの全長は、約27ミリメートル以下であることが好ましい。エアロゾル発生ロッドの全長は、約23ミリメートル以下であることがより好ましい。エアロゾル発生ロッドの全長は、好ましくは約19ミリメートル以下であることがさらにより好ましい。
【0047】
一部の実施形態では、エアロゾル発生ロッドの全長は、約8ミリメートル~約27ミリメートル、好ましくは約9ミリメートル~約27ミリメートル、より好ましくは約10ミリメートル~約27ミリメートルである。他の実施形態では、エアロゾル発生ロッドの全長は、約8ミリメートル~約23ミリメートル、好ましくは約9ミリメートル~約23ミリメートル、より好ましくは約10ミリメートル~約23ミリメートルである。さらなる実施形態では、エアロゾル発生ロッドの全長は、約8ミリメートル~約19ミリメートル、好ましくは約9ミリメートル~約19ミリメートル、より好ましくは約10ミリメートル~約19ミリメートルである。
【0048】
より詳細に説明するエアロゾル発生ロッドの構成要素は、紙ラッパーまたは紙以外のラッパーであり得るラッパーによって囲まれ得る。こうしたラッパーの一つはまた、エアロゾル発生ロッドの二つ以上の構成要素を互いに取り付け得る。
【0049】
本発明の特定の実施形態で使用する適切な紙ラッパーは当業界で知られていて、これにはシガレットペーパーおよびフィルタープラグラップが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態で使用する適切な、紙ではないラッパーは当業界で知られていて、これには均質化したたばこ材料のシートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
特定の実施形態では、ラッパーは非多孔性である。エアロゾル発生ロッドは、少なくとも第一のエアロゾル発生セグメントおよび第二のエアロゾル発生セグメントを囲む非多孔性ラッパーを備えることが好ましい。
【0051】
特定の実施形態では、ラッパーは金属箔を含んでもよい。特定の好ましい実施形態では、ラッパーは、複数の層を含む積層材料から形成されてもよい。ラッパーは、アルミニウム共積層シートから形成されることが好ましい。アルミニウムを含む共積層シートの使用は有利なことに、エアロゾル発生基体が意図される様態で、加熱されるのではなく、点火されるべき場合に、エアロゾル発生基体の燃焼を防止する。
【0052】
上記で簡単に説明したように、本発明によるエアロゾル発生ロッドは、第一のエアロゾル発生基体を含む第一のエアロゾル発生セグメントを備え、第一のエアロゾル発生基体は、たばこ材料およびエアロゾル形成体を含む。
【0053】
第一のエアロゾル発生セグメントの外径は、ロッドの外径と実質的に同じである。
【0054】
第一のエアロゾル発生セグメントは、少なくとも約5ミリメートルの長さを有してもよい。第一のエアロゾル発生セグメントは、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することが好ましい。第一のエアロゾル発生セグメントは、少なくとも約8ミリメートルの長さを有することがより好ましい。
【0055】
第一のエアロゾル発生セグメントは、最大約25ミリメートルの長さを有してもよい。第一のエアロゾル発生セグメントは、約20ミリメートル以下の長さを有することが好ましい。第一のエアロゾル発生セグメントは、約13ミリメートル以下の長さを有することがより好ましい。
【0056】
いくつかの実施形態では、第一のエアロゾル発生セグメントは、約5ミリメートル~約25ミリメートル、好ましくは約7ミリメートル~約25ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約25ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、第一のエアロゾル発生セグメントは、約5ミリメートル~約20ミリメートル、好ましくは約7ミリメートル~約20ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、第一のエアロゾル発生セグメントは、約5ミリメートル~約13ミリメートル、好ましくは約7ミリメートル~約13ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約13ミリメートルの長さを有する。
【0057】
第一のエアロゾル発生基体は、たばこ植物材料を含む固体エアロゾル発生基体である。「たばこ植物材料」という用語は本明細書において、Nicotiana属の任意の植物メンバーの一部を形成する材料を意味するために使用される。
【0058】
特に好ましい実施形態において、第一のエアロゾル発生基体は均質化したたばこ材料を含む。
【0059】
均質化したたばこ材料は、「均質化した植物材料」の一例である。本明細書で使用される「均質化した植物材料」という用語は、植物の粒子の凝集によって形成された任意の植物材料を包含する。例えば、本発明のエアロゾル発生基体のための均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、タバコ葉ラミナおよびタバコ葉茎のうちの一つ以上をすり潰す、粉砕する、または細分することによって取得されたたばこ材料の粒子を凝集することによって形成され得る。均質化したたばこ材料などの均質化した植物材料は、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、または当業界で公知の任意の他の適切なプロセスによって生成されてもよい。
【0060】
均質化したたばこ材料は、任意の適切な形態で提供することができる。例えば、均質化したたばこ材料は、一つ以上のシートの形態であってもよい。本発明に関して本明細書で使用される場合、「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を記述する。
【0061】
均質化したたばこ材料は、複数のペレットまたは顆粒の形態であり得る。
【0062】
均質化したたばこ材料は、複数のストランド、細片、または断片の形態であり得る。本明細書で使用される場合、「ストランド」という用語は、その幅および厚さより実質的に大きい幅および長さを有する材料の細長い要素を記述する。「ストランド」という用語は、細片、断片、および類似の形態を有する任意の他の均質化したたばこ材料を包含するものと見なされるべきである。均質化したたばこ材料のストランドは、例えば、切断もしくは細断によって、または他の方法、例えば、押出成形方法によって、均質化したたばこ材料のシートから形成されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、ストランドは、第一のエアロゾル発生基体の形成中の均質化したたばこ材料のシートの分割または分解の結果として、例えば、捲縮の結果として、第一のエアロゾル発生基体内の原位置で形成され得る。エアロゾル発生基体内の均質化したたばこ材料のストランドは、相互から分離されてもよい。第一のエアロゾル発生基体内の均質化したたばこ材料の各ストランドは、ストランドの長さに沿った隣接したストランドまたは複数のストランドに少なくとも部分的に接続されてもよい。例えば、隣接したストランドは、一つ以上の繊維によって接続されてもよい。これは例えば、上述の通り、第一のエアロゾル発生基体の製造中の均質化したたばこ材料のシートの分割に起因してストランドが形成されている場合に生じる場合がある。
【0064】
第一のエアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料の一つ以上のシートの形態であることが好ましい。本発明の様々な実施形態では、均質化したたばこ材料の一つ以上のシートは、キャスティングプロセスによって生成されてもよい。本発明の様々な実施形態では、均質化したたばこ材料の一つ以上のシートは、製紙プロセスによって生成されてもよい。本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、100マイクロメートル~600マイクロメートル、好ましくは150マイクロメートル~300マイクロメートル、最も好ましくは200マイクロメートル~250マイクロメートルの厚さを有し得る。個々の厚さは個々のシートの厚さを指し、組み合わされた厚さはエアロゾル発生基体を構成するすべてのシートの合計厚さを指す。例えば、第一のエアロゾル発生基体が二つの個々のシートから形成される場合、組み合わされた厚さは、二つの個々のシートの厚さ、または二つのシートの測定された厚さの合計であり、二つのシートはエアロゾル発生基体内に積み重ねられる。
【0065】
本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、約100g/m2~約300g/m2の坪量を有し得る。
【0066】
本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、約0.3g/cm3~約1.3g/cm3の密度を有してもよく、約0.7g/cm3~約1.0g/cm3の密度を有することが好ましい。
【0067】
第一のエアロゾル発生基体が均質化したたばこ材料の一つ以上のシートを含む本発明の実施形態では、シートは、一つ以上のシートの集合体の形態であることが好ましい。本明細書で使用される場合、「集合」という用語は、均質化したたばこ材料のシートが、プラグもしくはロッドの円筒軸に対して実質的に横断方向に渦巻き状にされる、折り曲げられる、または別の方法で圧縮もしくは締め付けられることを意味する。
【0068】
均質化したたばこ材料の一つ以上のシートは、その長手方向軸に対して横断方向に集合され、またラッパーで取り囲まれて連続的なロッドまたはプラグを形成してもよい。
【0069】
均質化したたばこ材料の一つ以上のシートは、有利なことに捲縮されうる、または同様に処理されうる。本明細書で使用される「捲縮」という用語は、複数の実質的に平行な隆起またはコルゲーションを有するシートを意味する。捲縮されることとは別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料の一つ以上のシートは、エンボス加工、デボス加工、穿孔、または別の方法で変形されて、シートの一方または両側にテクスチャを提供しうる。
【0070】
好ましくは、均質化したたばこ材料の各シートは、プラグの円筒軸に実質的に平行な複数の隆起または波形を有するように捲縮されてもよい。この処理は、有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートを集合してプラグを形成することを容易にする。均質化したたばこ材料の一つ以上のシートが集合され得ることが好ましい。均質化したたばこ材料の捲縮したシートは、プラグの円筒軸に対して鋭角または鈍角をなす複数の実質的に平行な隆起または波形を有し得ることが理解されるであろう。シートは、シートの完全性が複数の平行な隆起または波形にて妨害され、材料の分離を引き起こし、均質化したたばこ材料の断片、ストランド、または細片の形成をもたらす程度に捲縮されてもよい。
【0071】
均質化したたばこ材料の一つ以上のシートは、上記で言及されるように、ストランドに切断されてもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料の複数のストランドを含む。ストランドは、プラグを形成するために使用され得る。典型的には、こうしたストランドの幅は、約5ミリメートル、または約4ミリメートル、または約3ミリメートル、または約2ミリメートル、またはそれ以下である。ストランドの長さは、約5ミリメートルより長くてもよく、約5ミリメートル~約15ミリメートルであってもよく、約8ミリメートル~約12ミリメートルであってもよく、または約12ミリメートルであってもよい。ストランドは、実質的に相互に同じ長さを有することが好ましい。ストランドの長さは、それによってロッドがより短いプラグに切断される製造プロセスによって決定されてもよく、ストランドの長さはプラグの長さに対応する。ストランドは壊れやすく、特に移行中に破損する可能性がある。こうした場合、ストランドの一部の長さは、プラグの長さよりも短くなり得る。
【0072】
複数のストランドは、長手方向軸と整列して、実質的に長手方向に第一のエアロゾル発生基体の長さに沿って延びることが好ましい。したがって、複数のストランドは、相互に実質的に平行に整列していることが好ましい。
【0073】
均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で最大約95重量パーセントの植物粒子を含んでもよい。好ましくは、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で、最大で約90重量パーセントの植物粒子を含み、より好ましくは、最大で約80重量パーセントの植物粒子を含み、より好ましくは、最大で約70重量パーセントの植物粒子を含み、より好ましくは、最大で約60重量パーセントの植物粒子を含み、より好ましくは、最大で約50重量パーセントの植物粒子を含む。
【0074】
例えば、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で、約2.5重量パーセント~約95重量パーセントの植物粒子、または約5重量パーセント~約90重量パーセントの植物粒子、または約10重量パーセント~約80重量パーセントの植物粒子、または約15重量パーセント~約70重量パーセントの植物粒子、または約20重量パーセント~約60重量パーセントの植物粒子、または約30重量パーセント~約50重量パーセントの植物粒子を含み得る。
【0075】
本発明で使用する均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準で少なくとも約40重量パーセントのたばこ含有量、より好ましくは、より好ましくは、乾燥重量基準で少なくとも約50重量パーセントのたばこ含有量、より好ましくは、乾燥重量基準で少なくとも約70重量パーセントのたばこ含有量、最も好ましくは、乾燥重量基準で少なくとも約90重量パーセントのたばこ含有量を有し得る。
【0076】
本発明に関して、用語「たばこ粒子」は、Nicotiana種の任意の植物部材の粒子を指す。「たばこ粒子」という用語は、たばこの処理、取り扱い、および発送中に形成された粉砕または粉末たばこ葉ラミナ、粉砕または粉末たばこ葉茎、たばこダスト、たばこの微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物を包含する。好ましい実施形態では、たばこ粒子は実質的にすべてがたばこ葉ラミナに由来する。対照的に、単離ニコチンおよびニコチン塩は、たばこに由来する化合物であるが、本発明の目的上、たばこ粒子とは見なされず、粒子状植物材料の割合には含まれない。
【0077】
たばこ粒子は、一つ以上のたばこ植物の品種から調製され得る。任意のタイプのたばこが、ブレンドに使用され得る。使用され得るタイプのたばこの例には、日光乾燥たばこ、火力乾燥たばこ、バーレー種たばこ、メリーランド種たばこ、オリエント種たばこ、バージニア種たばこ、およびその他の特殊たばこが含まれるが、これに限定されない。
【0078】
火力乾燥は、バージニア種たばこで特に使用されるたばこの乾燥方法である。火力乾燥プロセス中、加熱された空気が密集したたばこを通して循環する。第一の段階中に、たばこ葉が黄色くなって枯れる。第二の段階中に、葉のラミナが完全に乾燥する。第三の段階中に、葉の茎が完全に乾燥する。
【0079】
バーレー種たばこは、多くのたばこブレンドにおいて重要な役割を果たしている。バーレー種たばこは独特の風味と芳香を有し、大量のケーシングを吸収する能力を有する。
【0080】
オリエント種は、小さな葉を有し、高い芳香品質を有するたばこの一種である。ただし、オリエント種たばこは、例えばバーレー種よりもマイルドな風味を有する。したがって、概して、オリエント種たばこは、たばこブレンドにおいて比較的少ない割合で使用される。
【0081】
カストリ(Kasturi)、マドゥラ(Madura)、ジャティム(Jatim)は、使用可能な日光乾燥たばこのサブタイプである。カストリたばこおよび火力乾燥たばこがブレンドに使用されてたばこ粒子を生成することが好ましい。したがって、粒子状植物材料中のたばこ粒子は、カストリたばこと火力乾燥たばこのブレンドを含み得る。
【0082】
たばこ粒子は、乾燥重量に基づいて少なくとも約2.5重量パーセントのニコチン含有量を有し得る。より好ましくは、たばこ粒子は、乾燥重量に基づいて、少なくとも約3重量パーセントのニコチン含有量を有してもよく、少なくとも約3.2重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約3.5重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約4重量パーセントのニコチン含有量を有し得ることが最も好ましい。
【0083】
本発明の特定の他の実施形態では、均質化したたばこ材料は、非たばこ植物風味粒子と組み合わせたたばこ粒子を含み得る。好ましくは、非たばこ植物風味粒子は、ショウガ粒子、ユーカリ粒子、クローブ粒子、およびスターアニス粒子のうちの一つ以上から選択される。好ましくは、こうした実施形態では、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で、少なくとも約2.5重量パーセントの非たばこ植物風味粒子を含み、残りの植物粒子はたばこ粒子である。好ましくは、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で、少なくとも約4重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、少なくとも約6重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、少なくとも約8重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、少なくとも約10重量パーセントの非たばこ植物風味粒子を含む。好ましくは、均質化したたばこ材料は、最大約20重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、最大約18重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、最大約16重量パーセントの非たばこ植物風味粒子を含む。
【0084】
均質化したたばこ材料を形成する粒子状植物材料中の非たばこ植物風味粒子およびたばこ粒子の重量比は、使用中にエアロゾル発生基体から生成されるエアロゾルの望ましい風味特性および組成に応じて変化し得る。好ましくは、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で、たばこ粒子に対する非たばこ植物風味粒子の少なくとも1:30重量比、より好ましくは、たばこ粒子に対する非たばこ植物風味粒子の少なくとも1:20重量比、より好ましくは、たばこ粒子に対する非たばこ植物風味粒子の少なくとも1:10重量比、および最も好ましくは、たばこ粒子に対する非タバコ植物風味粒子の少なくとも1:5重量比を含む。
【0085】
均質化したたばこ材料は、好ましくは、乾燥重量基準で95重量パーセント以下の粒子状植物材料を含む。したがって、粒子状植物材料は、典型的には、一つ以上の他の成分と組み合わされて、均質化したたばこ材料を形成する。
【0086】
均質化したたばこ材料は、粒子状植物材料の機械的特性を変化させるための結合剤をさらに含んでもよく、ここで、結合剤は、本明細書に記載のように、製造中に均質化したたばこ材料に含まれる。当業者に公知である好適な外来性結合剤は、当技術分野で公知であり、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガムおよびローカストビーンガムなどのガム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。結合剤はグアーガムを含むことが好ましい。
【0087】
結合剤は、均質化したたばこ材料の乾燥重量に基づいて、約1重量パーセント~約10重量パーセントの量、好ましくは、均質化したたばこ材料の乾燥重量に基づいて、約2重量パーセント~約5重量パーセントの量で存在してもよい。
【0088】
均質化したたばこ材料は、揮発性構成要素(例えば、エアロゾル形成体、ジンゲロール、およびニコチン)の拡散率を促進するための一つ以上の脂質をさらに含んでもよく、ここで、脂質は、本明細書に記載する製造中に均質化したたばこ材料に含まれる。均質化したたばこ材料内に含むための適切な脂質としては、中鎖トリグリセリド、ココアバター、パーム油、パーム核油、マンゴー油、シアバター、大豆油、綿実油、ココナッツ油、水素化されたココナッツ油、カンデリラワックス(candellila wax)、カルナウバワックス、シェラック、ヒマワリワックス、ヒマワリ油、米糠、およびRevel A、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
均質化したたばこ材料は、pH修飾剤をさらに含み得る。
【0090】
均質化したたばこ材料は、均質化したたばこ材料の機械的特性を変化させるために繊維をさらに含んでもよく、繊維は、本明細書に記述されるように、製造中に均質化したたばこ材料中に含まれる。均質化したたばこ材料に含めるための好適な外来性繊維は当技術分野で公知であり、セルロース繊維、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、非たばこ材料およびショウガ材料から形成された繊維を含む。また、たばこおよび/またはショウガ由来の外来性繊維を添加してもよい。均質化したたばこ材料に添加される任意の繊維は、上記に定義された「粒子状植物材料」の一部を形成するとは見なされない。均質化したたばこ材料内の包含の前に、繊維は、機械的パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびそれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない、当技術分野で知られている適切なプロセスによって処理されてもよい。典型的には、繊維は、その幅よりも大きな長さを有する。
【0091】
好適な繊維は、典型的には、400マイクロメートルよりも大きく、4ミリメートル以下の長さを有し、0.7ミリメートル~4ミリメートルの範囲内の長さを有することが好ましい。繊維は、基体の乾燥重量に基づいて、約2重量パーセント~約15重量パーセントの量、最も好ましくは約4重量パーセントの量で存在することが好ましい。
【0092】
本発明の文脈において、第一のエアロゾル発生基体は、一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含む。揮発に伴い、エアロゾル形成体は、エアロゾル中のニコチンおよび風味剤などの、加熱時に第一のエアロゾル発生基体から放出される他の気化した化合物を搬送することができる。第一のエアロゾル発生基体に含めるのに好適なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセロールなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテート)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0093】
いくつかの実施形態では、第一のエアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料、たばこキャストリーフ、および再構成たばこのうちの二つ以上を含み得る。
【0094】
一例として、第一のエアロゾル発生基体は、高品質のたばこ葉材料のブレンドから生成される均質化したたばこ材料のシートを含んでもよく、エアロゾル形成体は、結果としての混合物からシートを形成する前に、たばこ葉材料と密接に組み合わせられる。こうした均質化したたばこ材料は、たばこキャストリーフ、または再構成たばこ、または両方の組み合わせであってもよい。たばこキャストリーフまたは再構成たばこ、または両方は、例えば、たばこ粒子から形成される、回収されたたばこ粒子を含むがこれに限定されない標準的なキャストリーフまたは標準的な再構成たばこであってもよく、標準的なキャストリーフまたは標準的な再構成たばこは、シートへと形成された後にエアロゾル形成体で含浸される。
【0095】
発明者らは、同じ条件下で同じ期間加熱した場合に、これらのたばこ材料が異なるエアロゾル送達プロファイルを有し得ることを見出した。特に、標準的なたばこキャストリーフは、標準的な再構成たばこと比較して、迅速かつ低温でエアロゾル種を放出する傾向を有し得る。次いで、標準的な再構成たばこは、上述の均質化したたばこ材料と比較して、迅速かつ低温でエアロゾル種を放出する傾向を有し得る。したがって、第一のエアロゾル発生基体におけるこれらの異なるたばこ材料の相対的な割合を調整することによって、有利なことに、使用中に第一のエアロゾル発生セグメントからエアロゾルを送達するタイミングおよび強度を微調整することが可能である。
【0096】
第一のエアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。
【0097】
好ましくは、第一のエアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、少なくとも約10重量パーセント、より好ましくは乾燥重量基準で、少なくとも約15重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。
【0098】
第一のエアロゾル発生基体は、好ましくは、乾燥重量基準で、約25重量パーセント以下、より好ましくは乾燥重量基準で、約20重量パーセント以下のエアロゾル形成体含有量を有する。
【0099】
いくつかの実施形態では、第一のエアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、5重量パーセント~25重量パーセント、好ましくは乾燥重量基準で、10重量パーセント~25重量パーセント、より好ましくは乾燥重量基準で、15重量パーセント~25重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。他の実施形態では、第一のエアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、5重量パーセント~20重量パーセント、好ましくは乾燥重量基準で、10重量パーセント~20重量パーセント、より好ましくは乾燥重量基準で、15重量パーセント~20重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。
【0100】
他の実施形態では、第一のエアロゾル発生基体は、約30重量パーセント~約45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。この比較的高レベルのエアロゾル形成体は、摂氏275度未満の温度で加熱されることを意図した第一のエアロゾル発生基体に特に好適である。こうした実施形態では、第一のエアロゾル発生基体は、好ましくは、乾燥重量基準で、約2重量パーセント~約10重量パーセントのセルロースエーテルと、乾燥重量基準で、約5重量パーセント~約50重量パーセントの追加のセルロースとを含む均質化したたばこ材料をさらに含む。セルロースエーテルおよび追加のセルロースの組み合わせの使用は、30重量パーセント~45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有するエアロゾル発生基体において使用される場合、特に効果的なエアロゾルの送達をもたらすことが見出された。
【0101】
好適なセルロースエーテルには、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、エチルヒドロキシルエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい実施形態では、セルロースエーテルは、カルボキシメチルセルロースである。
【0102】
本明細書で使用される場合、「追加のセルロース」という用語は、均質化したたばこ材料に組み込まれた任意のセルロース材料を包含し、これは、均質化したたばこ材料に提供された非たばこ植物粒子またはたばこ粒子から由来されない。したがって、追加のセルロースは、非たばこ植物材料またはたばこ材料に加えて、非たばこ植物粒子またはたばこ粒子内に本質的に提供される任意のセルロースに対する個々の、かつ別個のセルロース源として、均質化したたばこ材料に組み込まれる。追加のセルロースは、典型的には、非たばこ植物粒子またはたばこ粒子とは異なる植物に由来する。好ましくは、追加のセルロースは、不活性なセルロース材料の形態であり、これは、感覚的に不活性であり、したがって、エアロゾル発生基体から発生したエアロゾルの官能特性に実質的に影響を与えない。例えば、追加のセルロースは、好ましくは、無味かつ無臭の材料である。
【0103】
追加のセルロースは、セルロース粉末、セルロース繊維、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0104】
エアロゾル形成体は、エアロゾル発生基体において湿潤剤として作用し得る。
【0105】
上記で簡単に説明したように、本発明によるエアロゾル発生ロッドは、第一のエアロゾル発生セグメントの上流の位置に第二のエアロゾル発生セグメントをさらに備える。
【0106】
第二のエアロゾル発生セグメントは、多孔性基体のプラグを含む。
【0107】
「多孔性基体」という用語は本明細書において、材料を通した空気の通過を可能にする複数の細孔または開口部を提供する材料を記述するために使用される。多孔性基体は、エアロゾル発生媒体または風味を、特に、以下に記載するように、これらが液体またはゲルの形態で提供される場合に、保持(hold)または保持(retain)できる任意の適切な多孔性材料であり得る。
【0108】
エアロゾル発生媒体または風味で装填された多孔性基体の利点は、エアロゾル発生媒体または風味が多孔性媒体内に保持され、これが、ゲル組成物の製造、貯蔵、または輸送に役立ち得ることである。これは、エアロゾル発生媒体または風味がゲルの形態であるときに特に効果的であるが、これは、多孔性基体の使用は、特に使用中だけでなく製造および輸送中に、所望のコア位置にゲルを保存すること、およびゲルを維持することを支援し得るためである。
【0109】
特定の実施形態では、多孔性基体は、天然材料、合成、もしくは半合成、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔性基体は、シート材料、発泡体、もしくは繊維、例えば、ばらの繊維、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔性基体は、織布、不織布、または押出材、またはそれらの組み合わせを含む。多孔性基体は、綿、紙、ビスコース、PLA、もしくはセルロースアセテート、またはそれらの組み合わせを含むことが好ましい。いくつかの実施形態では、多孔性基体は、例えば、綿またはセルロースアセテートで作製された、シート材料の集合体を含み得る。
【0110】
プラグの少なくともコア部分は、エアロゾル発生媒体または風味剤、または両方を含む。
【0111】
好ましくは、コア部分を包囲するプラグの周辺部分は、実質的にエアロゾル発生媒体または風味剤を含まない。好ましい実施形態では、プラグの周辺部分は、プラグの周辺表面からコア部分の外周まで全面的に延びる。言い換えれば、プラグのコア部分は、エアロゾル発生媒体または風味剤、または両方を含み、プラグの残りの部分は、実質的にエアロゾル発生媒体または風味剤を含まない。
【0112】
コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の少なくとも約30パーセントであってもよい。好ましくは、コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の少なくとも約40パーセントである。より好ましくは、コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の少なくとも約50パーセントである。さらにより好ましくは、コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の少なくとも約60パーセントである。
【0113】
コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の約90パーセント以下であることが好ましい。より好ましくは、コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の約85パーセント以下である。さらにより好ましくは、コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の約80パーセント以下である。
【0114】
いくつかの実施形態において、コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の約30パーセント~約90パーセントであり、好ましくは第二のセグメントの断面積の約40パーセント~約90パーセント、より好ましくは第二のセグメントの断面積の約50パーセント~約90パーセントである。他の実施形態では、コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の約30パーセント~約85パーセントであり、好ましくは第二のセグメントの断面積の約40パーセント~約85パーセント、より好ましくは第二のセグメントの断面積の約50パーセント~約85パーセントである。さらなる実施形態では、コア部分の断面積は、第二のセグメントの断面積の約30パーセント~約80パーセントであり、好ましくは第二のセグメントの断面積の約40パーセント~約80パーセント、より好ましくは第二のセグメントの断面積の約50パーセント~約80パーセントである。
【0115】
第二のエアロゾル発生セグメントの外径は、ロッドの外径と実質的に同じである。
【0116】
エアロゾル発生セグメントは、少なくとも約2ミリメートルの長さを有してもよい。第二のエアロゾル発生セグメントは、少なくとも約3ミリメートルの長さを有することが好ましい。第二のエアロゾル発生セグメントは、少なくとも約4ミリメートルの長さを有することがより好ましい。
【0117】
第二のエアロゾル発生セグメントは、最大約10ミリメートルの長さを有してもよい。第二のエアロゾル発生セグメントは、約7ミリメートル以下の長さを有することが好ましい。第二のエアロゾル発生セグメントは、約5ミリメートル以下の長さを有することがより好ましい。
【0118】
いくつかの実施形態では、第二のエアロゾル発生セグメントは、約2ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約3ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約4ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、第二のエアロゾル発生セグメントは、約2ミリメートル~約17ミリメートル、好ましくは約3ミリメートル~約7ミリメートル、より好ましくは約4ミリメートル~約7ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、第二のエアロゾル発生セグメントは、約2ミリメートル~5ミリメートル、好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートル、より好ましくは約4ミリメートル~約5ミリメートルの長さを有する。
【0119】
本発明によるエアロゾル発生ロッドにおいて、第二のエアロゾル発生セグメントの長さと第一のエアロゾル発生セグメントの長さとの比は、少なくとも約0.15である。第二のエアロゾル発生セグメントの長さと第一のエアロゾル発生セグメントの長さとの比は、少なくとも約0.2であることが好ましい。第二のエアロゾル発生セグメントの長さと第一のエアロゾル発生セグメントの長さとの比は、少なくとも約0.3であることがより好ましい。
【0120】
第二のエアロゾル発生セグメントの長さと第一のエアロゾル発生セグメントの長さとの比は、約0.5以下であることが好ましい。第二のエアロゾル発生セグメントの長さと第一のエアロゾル発生セグメントの長さとの比は、約0.45以下であることがより好ましい。第二のエアロゾル発生セグメントの長さと第一のエアロゾル発生セグメントの長さとの比は、約0.4以下であることがさらにより好ましい。
【0121】
いくつかの実施形態では、第二のエアロゾル発生セグメントの長さと第一のエアロゾル発生セグメントの長さとの比は、約0.15~約0.5、好ましくは約0.2~0.5、より好ましくは約0.3~約0.5である。他の実施形態では、第二のエアロゾル発生セグメントの長さと第一のエアロゾル発生セグメントの長さとの比は、約0.15~約0.45、好ましくは約0.2~0.45、より好ましくは約0.3~約0.45である。さらなる実施形態では、第二のエアロゾル発生セグメントの長さと第一のエアロゾル発生セグメントの長さとの比は、約0.15~約0.4、好ましくは約0.2~0.4、より好ましくは約0.3~約0.4である。
【0122】
第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤は、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)未満の第二の温度(T2)に加熱されるのに伴い揮発性種を放出するように適合されることが好ましい。
【0123】
第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)と、第二のエアロゾル発生セグメント内のエアロゾル発生媒体または風味剤が揮発性種を放出し始める第二の温度(T2)の差(T1-T2)は、少なくとも摂氏約15度である。好ましくは、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)と、第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤が揮発性種を放出し始める第二の温度(T2)の差(T1-T2)は、少なくとも摂氏約20度である。より好ましくは、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)と、第二のエアロゾル発生セグメント内のエアロゾル発生媒体または風味剤が揮発性種を放出し始める第二の温度(T2)の差(T1-T2)は、少なくとも摂氏約30度である。
【0124】
第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)と、第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤が揮発性種を放出し始める第二の温度(T2)の差(T1-T2)は、摂氏約80度未満であってもよい。好ましくは、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)と、第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤が揮発性種を放出し始める第二の温度(T2)の差(T1-T2)は、摂氏約70度以下である。より好ましくは、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)と、第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤が揮発性種を放出し始める第二の温度(T2)の差(T1-T2)は、摂氏約60度以下である。
【0125】
いくつかの実施形態では、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)と、第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤が揮発性種を放出し始める第二の温度(T2)の差(T1-T2)は、摂氏約15度~摂氏約80度、好ましくは摂氏約20度~摂氏約80度、より好ましくは摂氏約30度~摂氏約80度である。他の実施形態では、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)と、第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤が揮発性種を放出し始める第二の温度(T2)の差(T1-T2)は、摂氏約15度~摂氏約80度、好ましくは摂氏約20度~摂氏約70度、より好ましくは摂氏約30度~摂氏約70度である。さらなる実施形態において、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料が揮発性種を放出し始める第一の温度(T1)と、第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤が揮発性種を放出し始める第二の温度(T2)の差(T1-T2)は、摂氏約15度~摂氏約60度、好ましくは摂氏約20度~摂氏約60度、より好ましくは摂氏約30度~摂氏約60度である。
【0126】
上述の関係を有する、第二のエアロゾル発生セグメント中のエアロゾル発生媒体または風味剤、または両方と、第一のエアロゾル発生セグメント中のたばこ材料とを組み合わせることにより、有利なことに、「冷たい吸煙」効果に効率的に対抗することが可能である。加えて、使用中に、第二のエアロゾル発生セグメントが消費者に送達されるエアロゾル種の一次供給源である上昇段階から、第一のエアロゾル発生セグメントが消費者に送達されるエアロゾル発生種の一次供給源となり、一次供給源のままである、プラトー段階の滑らかな移行を達成することが可能であり得る。
【0127】
エアロゾル発生媒体または風味は、少なくとも摂氏約50度の温度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合され得る。好ましくは、エアロゾル発生媒体または風味は、少なくとも摂氏約60度の温度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合される。より好ましくは、エアロゾル発生媒体または風味は、少なくとも摂氏約70度の温度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合される。さらにより好ましくは、エアロゾル発生媒体または風味は、少なくとも摂氏約80度の温度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合される。
【0128】
エアロゾル発生媒体または風味は、摂氏約140度未満の温度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合され得る。好ましくは、エアロゾル発生媒体または風味は、摂氏約130度未満の温度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合される。より好ましくは、エアロゾル発生媒体または風味は、摂氏約110度未満の温度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合される。
【0129】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生媒体または風味は、摂氏約60度~摂氏約140度、好ましくは摂氏約70度~摂氏約140度、より好ましくは摂氏約80度~摂氏約140度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合される。他の実施形態では、エアロゾル発生媒体または風味は、摂氏約60度~摂氏約130度、好ましくは摂氏約70度~摂氏約130度、より好ましくは摂氏約80度~摂氏約130度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合される。さらなる実施形態において、エアロゾル発生媒体または風味は、摂氏約60度~摂氏約110度、好ましくは摂氏約70度~摂氏約110度、より好ましくは摂氏約80度~摂氏約110度に加熱されるのに伴い、揮発性種を放出するように適合される。
【0130】
発明者らは、上述の温度範囲内で揮発性種を放出するように適合されたエアロゾル発生媒体または風味を含む第二のエアロゾル発生セグメントを提供することにより、有利なことに、最初の「冷たい吸煙」効果の良好な補償を達成することが可能であることを見出した。理論に拘束されることを望むものではないが、これは、これらの揮発温度は、第一のエアロゾル発生基体のたばこ材料中に含有される種の揮発温度から十分離れているためであることが理解される。さらに、ロッドを加熱し始めると、第二のエアロゾル発生セグメントのプラグのコア部分のエアロゾル発生媒体または風味を迅速かつ効果的に加熱することは比較的容易であり、したがって、エアロゾルの発生および消費者への送達を非常に速やかに開始することができることが理解される。
【0131】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生媒体は、多孔性基体を含浸する液体またはゲルを含む。
【0132】
特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生媒体は、アルカロイド化合物を含むゲル、エアロゾル形成体、および少なくとも一つのゲル化剤を含む。
【0133】
「アルカロイド化合物」という用語は、一つ以上の塩基性窒素原子を含む自然発生的有機化合物の任意の一つのクラスを意味する。一般的に、アルカロイドは、アミンタイプ構造にある少なくとも一つの窒素原子を含有する。アルカロイド化合物の分子内のこの窒素原子または別の窒素原子は、酸塩基反応における塩基として活性であることができる。大半のアルカロイド化合物は、例えば複素環などの環状系の一部として、その窒素原子のうちの一つ以上を有する。自然界において、アルカロイド化合物は主に植物に見られ、ある特定の科の顕花植物において特に一般的である。しかしながら、一部のアルカロイド化合物は動物種および真菌に見られる。本開示において、「アルカロイド化合物」という用語は、天然由来のアルカロイド化合物と、合成的に製造されたアルカロイド化合物との両方を指す。
【0134】
エアロゾル発生媒体は、好ましくは、ニコチン、アナタビン、およびその組み合わせからなる群から選択されるアルカロイド化合物を含み得る。
【0135】
エアロゾル発生媒体は、ニコチンを含むことが好ましい。
【0136】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、およびこれに類するものなど)を指す。
【0137】
エアロゾル発生媒体は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのアルカロイド化合物を含むことが好ましい。エアロゾル発生媒体は、約0.5重パーセント~約5重量パーセントのアルカロイド化合物を含んでもよい。エアロゾル発生媒体は、約1重量パーセント~約3重量パーセントのアルカロイド化合物を含むことが好ましい。エアロゾル発生媒体は、好ましくは、約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのアルカロイド化合物を含んでもよい。エアロゾル発生媒体は、好ましくは、約2重量パーセントのアルカロイド化合物を含んでもよい。
【0138】
エアロゾル発生媒体のアルカロイド化合物成分は、エアロゾル発生媒体の最も揮発性の高い成分であり得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル発生媒体は、水を含んでもよく、水は、エアロゾル発生媒体の最も揮発性の高い成分であってもよく、エアロゾル発生媒体のアルカロイド化合物成分は、エアロゾル発生媒体の第二の最も揮発性の高い成分であってもよい。
【0139】
ニコチンは、エアロゾル発生媒体中に含まれることが好ましい。ニコチンは、遊離塩基形態または塩形態でエアロゾル発生媒体に加えられ得る。
【0140】
エアロゾル発生媒体は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのニコチン、または約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのニコチンを含む。好ましくは、エアロゾル発生媒体は、約1重量パーセント~約3重量パーセントのニコチン、または約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのニコチン、または約2重量パーセントのニコチンを含む。
【0141】
上記で簡単に説明したように、エアロゾル発生媒体は、好ましくはさらにエアロゾル形成体を含む。理想的には、エアロゾル形成体は、関連付けられたエアロゾル発生装置の作動温度で熱劣化に対して実質的に耐性がある。好適なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールまたはその混合物は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび、グリセリン(グリセロールもしくはプロパン-1,2,3-トリオール)またはポリエチレングリコールのうちの一つ以上であり得る。エアロゾル形成体は、好ましくはグリセロールである。
【0142】
エアロゾル発生媒体は、ゲルの形態であり得る。
【0143】
ゲルは、好ましくは、ニコチン、アナタビン、およびその組み合わせからなる群から選択されるアルカロイド化合物を含み得る。
【0144】
好ましくは、ゲルはニコチンを含む。
【0145】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、およびこれに類するものなど)を指す。
【0146】
ゲルは、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのアルカロイド化合物を含むことが好ましい。ゲルは、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのアルカロイド化合物を含んでもよい。ゲルは、約1重量パーセント~約3重量パーセントのアルカロイド化合物を含むことが好ましい。ゲルは、好ましくは、約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのアルカロイド化合物を含んでもよい。ゲルは、好ましくは、約2重量パーセントのアルカロイド化合物を含んでもよい。
【0147】
ゲルのアルカロイド化合物成分は、ゲルの最も揮発性の高い成分であり得る。いくつかの実施形態では、、ゲルは水を含んでもよく、水は、ゲルの最も揮発性の高い成分であり得、ゲルのアルカロイド化合物成分は、ゲルの二番目に揮発性の高い成分であり得る。
【0148】
好ましくは、ニコチンはゲル中に含まれる。ニコチンは、遊離塩基形態または塩形態でゲル組成物に加えられ得る。
【0149】
ゲルは、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのニコチン、または約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのニコチンを含む。好ましくは、ゲルは、約1重量パーセント~約3重量パーセントのニコチン、または約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのニコチン、または約2重量パーセントのニコチンを含む。
【0150】
上記で簡単に説明したように、ゲルは、好ましくはさらにエアロゾル形成体を含む。理想的には、エアロゾル形成体は、関連付けられたエアロゾル発生装置の作動温度で熱劣化に対して実質的に耐性がある。好適なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールまたはその混合物は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび、グリセリン(グリセロールもしくはプロパン-1,2,3-トリオール)またはポリエチレングリコールのうちの一つ以上であり得る。エアロゾル形成体は、好ましくはグリセロールである。
【0151】
ゲルは、エアロゾル形成体の大部分を含み得る。ゲルは、水とエアロゾル形成体の混合物を含み得、エアロゾル形成体はゲルの大部分(重量で)を形成する。エアロゾル形成体は、ゲルの少なくとも約50重量パーセントを形成し得る。エアロゾル形成体は、ゲルの少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約65重量パーセント、または少なくとも約70重量パーセントを形成し得る。エアロゾル形成体は、ゲルの約70重量パーセント~約80重量パーセントを形成し得る。エアロゾル形成体は、ゲルの約70重量パーセント~約75重量パーセントを形成し得る。
【0152】
ゲルは、グリセロールの大部分を含み得る。ゲルは、水とグリセロールの混合物を含み得、グリセロールはゲルの大部分(重量で)を形成する。グリセロールは、ゲルの少なくとも約50重量パーセントを形成し得る。グリセロールは、ゲルの少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約65重量パーセント、または少なくとも約70重量パーセントを形成し得る。グリセロールは、ゲルの約70重量パーセント~約80重量パーセントを形成し得る。グリセロールは、ゲルの約70重量パーセント~約75重量パーセントを形成し得る。
【0153】
ゲルは、少なくとも一つのゲル化剤をさらに含むことが好ましい。ゲル組成物は、合計量が約0.4重量パーセント~約10重量パーセントの範囲のゲル化剤を含むことが好ましい。より好ましくは、ゲルは、約0.5重量パーセント~約8重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。より好ましくは、ゲルは、約1重量パーセント~約6重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。より好ましくは、ゲルは、約2重量パーセント~約4重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。より好ましくは、ゲルは、約2重量パーセント~約3重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。
【0154】
「ゲル化剤」という用語は、均質的に、50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物に約0.3重量パーセントの量で加えられた時、固体媒体または支持マトリクスを形成させてゲルへと導く化合物を指す。ゲル化剤としては、限定するものではないが、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤が挙げられる。
【0155】
ゲル化剤は、一つ以上のバイオポリマーを含んでもよい。バイオポリマーは多糖類で形成されてもよい。
【0156】
バイオポリマーとしては、例えばジェランガム(天然ジェランガム、低アシルジェランガム、高アシルジェランガム、低アシルジェランガムが好ましい)、キサンタンガム、アルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガムなどが挙げられる。組成物はキサンタンガムを含むことが好ましい場合がある。組成物は二つのバイオポリマーを含んでもよい。組成物は三つのバイオポリマーを含んでもよい。組成物は、二つのバイオポリマーを実質的に等しい重量で含んでもよい。組成物は、三つのバイオポリマーを実質的に等しい重量で含んでもよい。
【0157】
好ましくは、ゲルは、少なくとも約0.2重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤を含む。ゲルは、好ましくは、少なくとも約0.2重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤を含む。最も好ましくは、ゲルは、少なくとも約0.2重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤、および少なくとも約0.2重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤を含む。ゲルは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤、および約0.5重量パーセント~約3重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤、または約1重量パーセント~約2重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤、および約1重量パーセント~約2重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤を含み得る。水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤は、実質的に等重量のゲル中に存在し得る。
【0158】
「水素結合架橋ゲル化剤」という用語は、水素結合を介した非共有架橋結合または物理的架橋結合を形成するゲル化剤を指す。水素結合は、水素原子への共有結合ではなく、分子間の静電気的な双極子-双極子引力の一タイプである。これは、N、O、またはF原子などの極度の電気陰性原子に共有結合された水素原子と別の極度の電気陰性原子との間の引力からもたらされる。
【0159】
水素結合架橋ゲル化剤は、ガラクトマンナン、ゼラチン、アガロース、またはコンニャクガム、または寒天のうちの一つ以上を含んでもよい。水素結合架橋ゲル化剤は、寒天を含むことが好ましい場合がある。
【0160】
ゲルは、約0.3重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含むことが好ましい。好ましくは、ゲルは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含む。ゲルは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含むことが好ましい。
【0161】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でガラクトマンナンを含み得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0162】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でゼラチンを含み得る。好ましくは、ゼラチンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ゼラチンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ゼラチンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0163】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でアガロースを含み得る。好ましくは、アガロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アガロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アガロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0164】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でコンニャクガムを含み得る。好ましくは、コンニャクガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、コンニャクガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、コンニャクガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0165】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲の寒天を含み得る。好ましくは、寒天は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、寒天は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、寒天は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0166】
「イオン架橋ゲル化剤」という用語は、イオン結合を介した非共有架橋結合または物理的架橋結合を形成するゲル化剤を指す。イオン架橋は、非共有相互作用によるポリマー鎖の会合を伴う。反対の電荷を有する多価分子が静電気的に互いに引かれる時に、架橋ポリマーネットワークを生じさせると、架橋ネットワークが形成される。
【0167】
イオン架橋ゲル化剤は、低アシルジェラン、ペクチン、カッパカラゲナン、イオタカラゲナンまたはアルギネートを含んでもよい。イオン架橋ゲル化剤は、低アシルジェランを含み得ることが好ましい。
【0168】
ゲルは、約0.3重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲルは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲でイオン架橋ゲル化剤を含む。好ましくは、ゲルは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲でイオン架橋ゲル化剤を含む。
【0169】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で低アシルジェランを含み得る。好ましくは、低アシルジェランは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、低アシルジェランは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、低アシルジェランは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0170】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でペクチンを含み得る。好ましくは、ペクチンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ペクチンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ペクチンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0171】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でカッパカラゲナンを含み得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0172】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でイオタカラゲナンを含み得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0173】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でアルギネートを含み得る。好ましくは、アルギネートは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アルギネートは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アルギネートは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0174】
ゲルは、約3:1~約1:3の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲルは、約2:1~約1:2の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲルは、約1:1の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。
【0175】
ゲルは、増粘剤をさらに含んでもよい。水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤と組み合わせられた増粘剤は、驚くべきことに、固体培体を支持し、ゲル組成物が高レベルのグリセロールを含む時でさえもゲル組成物を維持するらしい。
【0176】
「増粘剤」という用語は、25℃の50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物の中に0.3重量パーセントの量で均一に添加された時に、ゲルの形成をもたらすことなく粘度を増加させ、混合物が流体の状態に留まる、または流体のままになる化合物を指す。好ましくは、増粘剤は、25℃の50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物の中に0.3重量パーセントの量で均一に添加された時に、0.1s-1のせん断速度にて、ゲルの形成をもたらすことなく、粘度を少なくとも50cPsに増加させ、好ましくは少なくとも200cPsに増加させ、好ましくは少なくとも500cPsに増加させ、好ましくは少なくとも1000cPsに増加させ、混合物が流体の状態に留まる、または流体のままになる化合物を指す。好ましくは、増粘剤は、25℃で、50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物に0.3重量パーセントの量で均質的に加えられた時に、ゲルの形成をもたらすことなく、0.1s-1のせん断速度にて、添加前よりも少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも100倍大きく粘度を増加させ、混合物が流体の状態に留まる、または流体のままになる化合物を指す。
【0177】
本明細書に挙げた粘度値は、ブルックフィールドRVT粘度計を使用し、ディスクタイプRV#2スピンドルを25℃で6回転/分(rpm)の速度で回転させながら測定し得る。
【0178】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲の増粘剤を含むことが好ましい。好ましくは、ゲルは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲の増粘剤を含む。好ましくは、ゲルは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲の増粘剤を含む。好ましくは、ゲルは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲の増粘剤を含む。
【0179】
増粘剤は、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、アラビアガム、グアーガム、ラムダカラゲナン、またはデンプンのうちの一つ以上を含んでもよい。増粘剤はキサンタンガムを含み得ることが好ましい。
【0180】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のキサンタンガムを含み得る。好ましくは、キサンタンガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、キサンタンガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、キサンタンガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0181】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のカルボキシメチルセルロースを含み得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0182】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲の微結晶セルロースを含み得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0183】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のメチルセルロースを含み得る。好ましくは、メチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、メチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、メチルセルロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0184】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のアラビアガムを含み得る。好ましくは、アラビアガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アラビアガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アラビアガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0185】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のグアーガムを含み得る。好ましくは、グアーガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、グアーガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、グアーガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0186】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のラムダカラゲナンを含み得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0187】
ゲルは、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のデンプンを含み得る。好ましくは、デンプンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、デンプンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、デンプンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0188】
ゲルは、二価カチオンをさらに含み得る。好ましくは、二価カチオンは、溶液中の乳酸カルシウムなどのカルシウムイオンを含む。二価カチオン(カルシウムイオンなど)は、例えばイオン架橋ゲル化剤などのゲル化剤を含む組成物のゲル形成を補助し得る。イオン効果はゲル形成を補助する場合がある。二価カチオンは、約0.1~約1重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約1重量パーセントの範囲でゲル組成物中に存在し得る。
【0189】
ゲルは、酸をさらに含んでもよい。酸はカルボン酸を含み得る。カルボン酸はケトン基を含み得る。好ましくは、カルボン酸は、レブリン酸または乳酸などの約10個未満の炭素原子、または約6個未満の炭素原子または約4個未満の炭酸原子を有するケトン基を含み得る。好ましくは、このカルボン酸は三つの炭素原子(乳酸など)を有する。乳酸は驚くべきことに、類似のカルボン酸をも上回るほどにゲルの安定性を改善する。カルボン酸は、ゲル形成を補助し得る。カルボン酸は、保管中のゲル内のアルカロイド化合物濃度の変化を低減させ得る。カルボン酸は、保管中のゲル内のニコチン濃度の変化を低減させ得る。
【0190】
ゲルは、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のカルボン酸を含み得る。好ましくは、カルボン酸は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボン酸は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボン酸は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0191】
ゲルは、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲の乳酸を含み得る。好ましくは、乳酸は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、乳酸は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、乳酸は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0192】
ゲルは、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のレブリン酸を含み得る。好ましくは、レブリン酸は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、レブリン酸は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、レブリン酸は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0193】
ゲルは、好ましくはいくらかの水を含む。ゲルがいくらかの水を含む場合、ゲルはより安定である。ゲルは、少なくとも約1重量パーセント、または少なくとも約2重量パーセント、または少なくとも約5重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲルは、少なくとも約10重量パーセント、または少なくとも約15重量パーセントの水を含むことが好ましい。
【0194】
ゲルは、約8重量パーセント~約32重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲルは、約15重量パーセント~約25重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲルは、約18重量パーセント~約22重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲルは、約20重量パーセントの水を含むことが好ましい。
【0195】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生ロッドはさらに、第一のエアロゾル発生セグメントの下流の位置に非エアロゾル発生セグメントを備える。非エアロゾル発生セグメントは、多孔性基体のプラグを含む。多孔性基体のプラグは、実質的にエアロゾル発生化合物を含まない。
【0196】
有利なことに、非エアロゾル発生セグメントは、第一のエアロゾル発生セグメントを支持し、第一のエアロゾル発生セグメントに含有されるたばこ材料のいずれかが外れることを防止するのに役立ち得る。さらに、非エアロゾル発生セグメントは、ロッドの全体的な構造的強度に寄与し、特に製造中にその取り扱いを容易にする。
【0197】
好ましくは、非エアロゾル発生セグメントの多孔性基体のプラグは、ロッドの全体的なRTDに実質的に寄与しない。
【0198】
非エアロゾル発生セグメントの外径は、実質的にロッドの外径と同じである。
【0199】
非エアロゾル発生セグメントは、少なくとも約2ミリメートルの長さを有してもよい。非エアロゾル発生セグメントは、少なくとも約3ミリメートルの長さを有することが好ましい。非エアロゾル発生セグメントは、少なくとも約4ミリメートルの長さを有することがより好ましい。
【0200】
非エアロゾル発生セグメントは、最大約10ミリメートルの長さを有してもよい。非エアロゾル発生セグメントは、約7ミリメートル以下の長さを有することが好ましい。非エアロゾル発生セグメントは、約5ミリメートル以下の長さを有することがより好ましい。
【0201】
いくつかの実施形態では、非エアロゾル発生セグメントは、約2ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約3ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約4ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、非エアロゾル発生セグメントは、約2ミリメートル~約17ミリメートル、好ましくは約3ミリメートル~約7ミリメートル、より好ましくは約4ミリメートル~約7ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態において、非エアロゾル発生セグメントは、約2ミリメートル~約5ミリメートル、好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートル、より好ましくは約4ミリメートル~約5ミリメートルの長さを有する。
【0202】
上記説明から既に明らかであるように、本発明によるエアロゾル発生ロッドは、加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品などのエアロゾル発生物品の製造に使用される。
【0203】
本発明によるエアロゾル発生物品は、上述のエアロゾル発生ロッドを備え、さらに、エアロゾル発生ロッドの下流の位置に下流セクションを備えてもよい。さらに、または代替として、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生ロッドの上流の位置に上流セクションを備え得る。
【0204】
下流セクションは、一つ以上の下流要素を含み得る。
【0205】
下流セクションは、エアロゾル発生ロッドと整列して、かつその下流に配設される支持要素を含み得る。とりわけ、支持要素はエアロゾル発生ロッドのすぐ下流に位置してもよく、またエアロゾル発生ロッドに当接してもよい。
【0206】
支持要素は、任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、酢酸セルロース、厚紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)から成る群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態では、支持要素は、酢酸セルロースから形成されている。他の好適な材料には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維が含まれる。
【0207】
支持要素は中空管状セグメントを備え得る。好ましい実施形態において、支持要素は、中空のセルロースアセテート管を備える。
【0208】
支持要素は、エアロゾル発生ロッドと実質的に整列して配設される。これは、支持要素の長さ寸法が、ロッドおよび物品の長手方向とほぼ平行に、例えばロッドの長手方向に平行から±10度以内に配設されることを意味する。好ましい実施形態では、支持要素は、ロッドの長手方向軸に沿って延びる。
【0209】
支持要素は、エアロゾル発生ロッドの外径とほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0210】
支持要素の周辺壁は、少なくとも1ミリメートルの厚さを有してもよく、少なくとも約1.5ミリメートルの厚さを有することが好ましく、少なくとも約2ミリメートルの厚さを有することがより好ましい。
【0211】
支持要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有してもよい。支持要素は、少なくとも約6ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。好ましい実施形態では、支持要素は、約12ミリメートル未満、より好ましくは約10ミリメートル未満の長さを有する。
【0212】
いくつかの実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約15ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有する。
【0213】
好ましい実施形態では、支持要素は、約8ミリメートルの長さを有する。
【0214】
好ましくは、支持要素の中空管状セグメントは、およそ0ミリメートルH2O(約0Pa)~およそ20ミリメートルH2O(約100Pa)の、より好ましくはおよそ0ミリメートルH2O(約0Pa)~およそ10ミリメートルH2O(約100Pa)のRTDを発生させるように適合される。したがって、支持要素は、好ましくは、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに寄与しない。
【0215】
特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品の下流セクションは、エアロゾル発生ロッドの下流に位置付けられ、エアロゾル発生ロッドと長手方向に整列するマウスピース要素を備える。
【0216】
マウスピース要素は、好ましくは、エアロゾル発生物品の下流端部または口側端部に位置し、エアロゾル発生物品の口側端部までずっと延びる。
【0217】
好ましくは、マウスピース要素は、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルをフィルタリングするための少なくとも一つの繊維質の濾過材料のマウスピースフィルターセグメントを備える。好適な繊維質の濾過材料は、当業者に公知であろう。少なくとも一つのマウスピースフィルターセグメントは、セルロースアセテートトウから形成されたセルロースアセテートフィルターセグメントを含むことが特に好ましい。
【0218】
特定の好ましい実施形態において、マウスピース要素は、単一のマウスピースフィルターセグメントからなる。代替的な実施形態において、マウスピース要素は、相互に端と端を接する関係で当接して軸方向に整列した二つ以上のマウスピースフィルターセグメントを含む。
【0219】
本発明の特定の実施形態では、下流セクションは、上述のようなマウスピース要素の下流にある下流端に口側端くぼみを備え得る。口側端空洞は、マウスピースの下流端に提供された中空の管状要素によって画定されてもよい。口側端空洞は、マウスピース要素の外側ラッパーによって画定されてもよく、外側ラッパーは、マウスピース要素から下流方向に延びる。
【0220】
マウスピース要素は、任意の適切な形態で提供されてもよい風味剤を随意に含んでもよい。例えば、マウスピース要素は、一つ以上のカプセル、風味剤のビーズもしくは顆粒、または一つ以上の風味負荷スレッドもしくはフィラメントを含んでもよい。
【0221】
特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品の下流セクションは、エアロゾル発生ロッドのすぐ下流に位置する支持要素、および支持要素の下流に位置するマウスピース要素の両方をさらに備える。
【0222】
好ましくは、マウスピース要素は、低い粒子濾過効率を有する。
【0223】
好ましくは、マウスピースは、繊維質の濾過材料のセグメントから形成される。
【0224】
マウスピース要素は、プラグラップによって囲まれていることが好ましい。マウスピース要素は、空気がマウスピース要素に沿ってエアロゾル発生物品に入らないように通気されないことが好ましい。
【0225】
マウスピース要素は、好ましくは、先端ラッパーによって、エアロゾル発生物品の隣接する上流構成要素のうちの一つ以上に接続される。
【0226】
好ましくは、マウスピース要素は、約25ミリメートルH2O未満のRTDを有する。より好ましくは、マウスピース要素は、約20ミリメートルH2O未満のRTDを有する。さらにより好ましくは、マウスピース要素は、約15ミリメートルH2O未満のRTDを有する。
【0227】
約10ミリメートルH2O~約15ミリメートルH2OのRTDの値は、一つのこのようなRTDを有するマウスピース要素が、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに最小限寄与することが予期されるため、消費者に送達されるエアロゾルに実質的に濾過作用を及ぼさないことが特に好ましい。
【0228】
マウスピース要素はエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0229】
マウスピース要素は、好ましくは少なくとも約5ミリメートル、より好ましくは少なくとも約8ミリメートル、より好ましくは少なくとも約10ミリメートルの長さを有する。マウスピース要素は、好ましくは、約25ミリメートル未満、より好ましくは約20ミリメートル未満、より好ましくは約15ミリメートル未満の長さを有し得る。
【0230】
いくつかの実施形態では、マウスピース要素は、好ましくは約5ミリメートル~約25ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約25ミリメートル、さらにより好ましくは約10ミリメートル~約25ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、マウスピース要素は、好ましくは約5ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約20ミリメートル、さらにより好ましくは約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、マウスピース要素は、好ましくは約5ミリメートル~約15ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約15ミリメートル、さらにより好ましくは約10ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有する。
【0231】
例えば、マウスピース要素は、約5ミリメートル~約25ミリメートル、または約8ミリメートル~約20ミリメートル、または約10ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい実施形態では、マウスピース要素は、およそ12ミリメートルの長さを有する。
【0232】
特に好ましい実施形態では、下流セクションは、支持要素の下流に位置するエアロゾル冷却要素をさらに備え、マウスピース要素は支持要素とエアロゾル冷却要素の両方の下流に位置する。特に好ましくは、マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素のすぐ下流に位置される。一例として、マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素の下流端に当接してもよい。
【0233】
エアロゾル冷却要素は、例えば、熱交換に利用できる高い表面積を作るように、複数の長手方向に延びるチャネルを画定し得る。複数の長手方向に延びるチャネルは、チャネルを形成するためにひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされているシート材料によって画定され得る。複数の長手方向に延びるチャネルは、複数のチャネルを形成するために、ひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされている単一のシートによって画定され得る。シートはまた、ひだ付け、集合、または折り畳みされる前に捲縮されてもよい。複数の長手方向に延びるチャネルは、複数のチャネルを形成するために捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされている複数のシートによって画定され得る。いくつかの実施形態では、複数の長手方向に延在するチャネルは、捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みされた複数のシートによって画定されてもよく、すなわち、オーバーレイ配設にもたらされ、その後、一つのものとして捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みされた二つ以上のシートによって画定されてもよい。
【0234】
一つのこうした追加のエアロゾル冷却要素は、長さ1ミリメートル当たり約300平方ミリメートル~長さ1ミリメートル当たり約1000平方ミリメートルの総表面積を有し得る。
【0235】
一つのこうしたエアロゾル冷却要素は、好ましくは、追加の冷却要素を通した空気の通過に対して低引き出し抵抗を提供する。好ましくは、エアロゾル冷却要素はエアロゾル発生物品の引き出し抵抗に実質的に影響を及ぼさない。エアロゾル冷却要素は、好ましくは、金属箔、ポリマーシート、および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択されるシート材料を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔からなる群から選択されるシート材料を含み得る。特に好ましい実施形態では、追加の冷却要素は、PLAのシートを含む。
【0236】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生要素の上流の位置に上流セクションをさらに備える。上流セクションは、一つ以上の上流要素を備え得る。いくつかの実施形態では、上流セクションは、エアロゾル発生要素のすぐ上流に配設される上流要素を備えることができる。
【0237】
上流要素は、エアロゾル発生物品の上流端に改善された外観を提供し得る。さらに、所望される場合、上流要素は、エアロゾル発生物品に関する情報、例えば、その物品が使用されることが意図されるエアロゾル発生装置のブランド、風味、含量、または詳細に関する情報を提供するために使用され得る。
【0238】
上流要素は、多孔性のプラグ要素であり得る。多孔性のプラグ要素は、エアロゾル発生物品の引き出し抵抗を変化させないことが好ましい。上流要素は、エアロゾル発生物品の長手方向に少なくとも約50パーセントの空隙率を有することが好ましい。より好ましくは、上流要素は、長手方向に約50パーセント~約90パーセントの空隙率を有する。上流要素の長手方向の空隙率は、上流要素の位置での、上流要素を形成する材料の断面積と、エアロゾル発生物品の内部断面積との比によって定義される。
【0239】
上流要素は、多孔性材料で作製されてもよく、または複数の開口部を備え得る。これは、例えばレーザー穿孔により達成され得る。複数の開口部は、上流要素の断面全体にわたり均質に分布することが好ましい。
【0240】
上流要素の空隙率または浸透性は、エアロゾル発生物品の望ましい全体的な引き出し抵抗を提供するために、有利に変化し得る。
【0241】
上流要素のRTDは、少なくとも約5ミリメートルH2Oであることが好ましい。より好ましくは、上流要素のRTDは、少なくとも約10ミリメートルH2Oである。さらにより好ましくは、上流要素のRTDは、少なくとも約15ミリメートルH2Oである。特に好ましい実施形態では、上流要素のRTDは、少なくとも約20ミリメートルH2Oである。
【0242】
上流要素のRTDは、好ましくは、約80ミリメートルH2O以下である。より好ましくは、上流要素のRTDは、約60ミリメートルH2O以下である。さらにより好ましくは、上流要素のRTDは、約40ミリメートルH2O以下である。
【0243】
いくつかの実施形態では、上流要素のRTDは、約5ミリメートルH2O~約80ミリメートルH2O、好ましくは約10ミリメートルH2O~約80ミリメートルH2O、より好ましくは約15ミリメートルH2O~約80ミリメートルH2O、さらにより好ましくは約20ミリメートルH2O~約80ミリメートルH2Oである。他の実施形態では、上流要素のRTDは、約5ミリメートルH2O~約60ミリメートルH2O、好ましくは約10ミリメートルH2O~約60ミリメートルH2O、より好ましくは約15ミリメートルH2O~約60ミリメートルH2O、さらにより好ましくは約20ミリメートルH2O~約60ミリメートルH2Oである。さらなる実施形態では、上流要素のRTDは、約5ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2O、好ましくは約10ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2O、より好ましくは約15ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2O、さらにより好ましくは約20ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2Oである。
【0244】
代替的な実施形態では、上流要素は、空気に対して不透過性である材料から形成されてもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、ラッパー内に提供される好適な通気手段を介して、空気がエアロゾル発生ロッド中に流れるように構成され得る。
【0245】
上流要素は、エアロゾル発生物品での使用に好適な任意の材料で作製され得る。上流要素は、例えば、マウスピース、冷却要素、または支持要素などのエアロゾル発生物品のその他の構成要素のうちの一つに使用されるものと同じ材料で作製されてもよい。上流要素の好適な材料には、フィルタ材料、セラミック、高分子材料、酢酸セルロース、厚紙、ゼオライト、またはエアロゾル発生基体が含まれる。上流要素は、酢酸セルロースのプラグから形成されることが好ましい。
【0246】
上流要素は、耐熱性材料で形成されることが好ましい。例えば、上流要素は、最大摂氏350度の温度に耐える材料から形成されることが好ましい。これにより、上流要素が、エアロゾル発生基体を加熱するための加熱手段によって悪影響を受けないことを確実にする。
【0247】
上流要素は、エアロゾル発生物品の直径とほぼ等しい直径を有することが好ましい。
【0248】
上流要素は、約1ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有することが好ましく、約3ミリメートル~約8ミリメートルであることがより好ましく、約4ミリメートル~約6ミリメートルであることがより好ましい。特に好ましい実施形態では、上流要素は、約5ミリメートルの長さを有する。上流要素の長さは、エアロゾル発生物品の所望の全長を提供するために有利に変化し得る。例えば、エアロゾル発生物品の他の構成要素のうちの一つの長さを減少させることが望ましい場合、上流要素の長さは、物品の同じ全長を維持するために増加され得る。
【0249】
上流要素は、実質的に均質な構造を有することが好ましい。例えば、上流要素は、質感および外観が実質的に均質であり得る。上流要素は、例えば、その断面全体の上に連続的な規則的な表面を有してもよい。上流要素は、例えば、認識可能な対称性を有しない場合がある。
【0250】
上流要素は、ラッパーによって囲まれていることが好ましい。上流要素を囲むラッパーは、硬いプラグラップ、例えば、少なくとも平方メートル当たり約80グラム(gsm)、または少なくとも約100gsm、または少なくとも約110gsmの坪量を有するプラグラップ)であることが好ましい。これにより、上流要素に構造的剛性が提供される。
【0251】
エアロゾル発生物品は、約35ミリメートル~約100ミリメートルの長さを有してもよい。
【0252】
エアロゾル発生物品は、約35ミリメートル~約100ミリメートルの長さを有してもよい。
【0253】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約38ミリメートルであることが好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約40ミリメートルであることがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約42ミリメートルであることが更により好ましい。
【0254】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、70ミリメートル以下であることが好ましい。より好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、60ミリメートル以下であることが好ましい。更により好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、50ミリメートル以下であることが好ましい。
【0255】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約70ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約70ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約70ミリメートルであることが更により好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約60ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約60ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約60ミリメートルであることが更により好ましい。更なる実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約50ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約50ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約50ミリメートルであることが更により好ましい。例示的な実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約45ミリメートルである。
【0256】
エアロゾル発生物品は、少なくとも5ミリメートルの外径を有する。エアロゾル発生物品は、少なくとも6ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、少なくとも7ミリメートルの外径を有することがより好ましい。
【0257】
エアロゾル発生物品は、約12ミリメートル以下の外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約10ミリメートル以下の外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、約8ミリメートル以下の外径を有することが更により好ましい。
【0258】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有する。他の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの外径を有する。更なる実施形態において、エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約8ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有する。
【0259】
特に好ましい実施形態では、本発明によるエアロゾル発生物品は、線形の連続配設で、上流要素と、上流要素のすぐ下流に位置するエアロゾル発生ロッドと、エアロゾル発生要素のすぐ下流に位置する支持要素と、支持要素のすぐ下流に位置するマウスピース要素と、上流要素、エアロゾル発生要素、支持要素、およびマウスピース要素を囲む外側ラッパーとを備える。
【0260】
より詳細には、エアロゾル発生ロッドは上流要素に当接し得る。支持要素は、エアロゾル発生ロッドに当接し得る。エアロゾル冷却要素は、支持要素に当接し得る。マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素に当接し得る。
【0261】
エアロゾル発生物品は、実質的に円筒形の形状、および約7.25ミリメートルの外径を有する。
【0262】
上流要素は、約9ミリメートルの長さを有し、エアロゾル発生要素は、約12ミリメートルの長さを有し、支持要素は、約18ミリメートルの長さを有し、マウスピース要素は、約8ミリメートルの長さを有する。したがって、エアロゾル発生物品の全長は、約47ミリメートルである。
【0263】
上流要素は、硬いプラグラップで包まれた酢酸セルロースのプラグの形態である。
【0264】
エアロゾル発生ロッドは、線形の連続配設で、多孔性基体のプラグ、およびプラグのコア部分に提供される上述のエアロゾル発生ゲルを含む第二のエアロゾル発生セグメントと、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む第一のエアロゾル発生セグメントと、多孔性基体のプラグを含む非エアロゾル発生セグメントとを備える。
【0265】
マウスピースは、低密度セルロースアセテートフィルタセグメントの形態にある。
【0266】
本発明によるエアロゾル発生ロッドおよび物品は、ロッドまたは物品を加熱するためのヒーターを備えるエアロゾル発生装置で使用され得る。したがって、本発明はまた、一つのこうしたエアロゾル発生装置、例えば、電気加熱式のエアロゾル発生装置と、上述のエアロゾル発生ロッドを含むエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムに関する。好適なエアロゾル発生装置の例は、当業者に公知である。一般に、好適なエアロゾル発生装置は、少なくとも第一および第二のエアロゾル発生セグメントを受容するための加熱チャンバーと、チャンバー内に受容された時に第一および第二のエアロゾル発生セグメントを加熱するように適合されたヒーターとを備える。
【0267】
これは、加熱チャンバーを画定する管状のサセプタ要素の外面の周りに配設された一つ以上の誘導ヒーターを含むエアロゾル発生装置を含むが、これに限定されない。他のタイプの外部ヒーター要素を備えるエアロゾル発生装置も適切であり得る。
【0268】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0269】
実施例1.
加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生ロッドであって、エアロゾル発生ロッドが、第一のエアロゾル発生基体を含む第一のエアロゾル発生セグメントであって、第一のエアロゾル発生基体が、たばこ材料およびエアロゾル形成体を含む、第一のエアロゾル発生セグメントと、第一のエアロゾル発生セグメントの上流の位置に第二のエアロゾル発生セグメントとを備え、第二のエアロゾル発生セグメントが、多孔性基体のプラグを含み、プラグの少なくともコア部分が、エアロゾル発生媒体または風味剤、または両方を含む、エアロゾル発生ロッド。
実施例2.
プラグの周辺部分が、実質的にエアロゾル発生媒体または風味剤を含まない、実施例1によるエアロゾル発生ロッド。
実施例3.
第一のエアロゾル発生セグメントの下流の位置に非エアロゾル発生セグメントを備え、非エアロゾル発生セグメントが、多孔性基体のプラグを含む、実施例1または2によるエアロゾル発生ロッド。
実施例4.
少なくとも第一のエアロゾル発生セグメントおよび第二のエアロゾル発生セグメントを囲む非多孔性ラッパーを備える、実施例1~3のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッド。
実施例5.
非多孔性ラッパーが、金属箔を含む、実施例4によるエアロゾル発生ロッド。
実施例6.
第一のエアロゾル発生基体が、均質化したたばこ材料、たばこキャストリーフ、および再構成たばこのうちの一つ以上を含む、実施例1~5のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッド。
実施例7.
第一のエアロゾル発生基体が、非たばこ植物材料をさらに含む、実施例1~6のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッド。
実施例8.
エアロゾル発生媒体が、多孔性基体を含浸する液体またはゲルを含む、実施例1~7のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッド。
実施例9.
エアロゾル発生媒体が、アルカロイド化合物を含むゲル、エアロゾル形成体、および少なくとも一つのゲル化剤を含む、実施例1~8のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッド。
実施例10.
第一のエアロゾル発生セグメントの長さが、5ミリメートル~25ミリメートルである、実施例1~9のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッド。
実施例11.
第二のエアロゾル発生セグメントの長さが、2ミリメートル~10ミリメートルである、実施例1~10のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッド。
実施例12.
第一のエアロゾル発生セグメントの長さと第二のセグメントの長さとの比が、0.15~0.5である、実施例1~11のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッド。
実施例13.
コア部分の断面積が、第二のセグメントの断面積の少なくとも50パーセントである、実施例1~12のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッド。
実施例14.
実施例1~13のいずれか一つによるエアロゾル発生ロッドを備える、エアロゾル発生物品。
実施例15.
加熱装置と、実施例14によるエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
【0270】
図1に示すエアロゾル発生ロッド10は、第一のエアロゾル発生セグメント12と、第一のエアロゾル発生セグメント12の上流の位置に第二のエアロゾル発生セグメント14とを備える。さらに、エアロゾル発生セグメント10は、第一のエアロゾル発生セグメント12の下流の位置に非エアロゾル発生セグメント16を備える。
【0271】
第一のエアロゾル発生セグメント12、第二のエアロゾル発生セグメント14、および非エアロゾル発生セグメント16は、線形に連続配設される。第一のエアロゾル発生セグメント12は、第二のエアロゾル発生セグメント14のすぐ下流に位置し、非エアロゾル発生セグメント16は、第一のエアロゾル発生セグメント12のすぐ下流に位置する。さらにより具体的には、第一のエアロゾル発生セグメント12の上流端は、第二のエアロゾル発生セグメント14の下流端に当接し、非エアロゾル発生セグメント16の上流端は、第一のエアロゾル発生セグメント12の下流端に当接する。したがって、エアロゾル発生ロッド10は、上流または遠位端18から下流または口側端20まで延びる。図1Cの矢印は、使用中に意図される、ロッド10を通した気流の方向を示す。
【0272】
第一のエアロゾル発生セグメントは、約12ミリメートルの長さを有する。エアロゾル発生セグメント14は、約5ミリメートルの長さを有する。非エアロゾル発生セグメント16は、約3ミリメートルの長さを有する。したがって、エアロゾル発生ロッドは、約20ミリメートルの全長を有する。
【0273】
エアロゾル発生ロッド10は、第一のエアロゾル発生セグメント12、第二のエアロゾル発生セグメント14、および非エアロゾル発生セグメント16を囲むラッパー22をさらに備える。図1A、1Bおよび1Cの実施形態では、ラッパーは、非多孔性であり、金属箔で形成される。
【0274】
エアロゾル発生ロッドは、約7.25ミリメートルの直径を有する。
【0275】
第一のエアロゾル発生セグメント12は、たばこ材料およびエアロゾル形成体を含む第一のエアロゾル発生基体22を含む。より詳細には、第一のエアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む。
【0276】
第二のエアロゾル発生セグメント14は、多孔性基体のプラグ18を含む。プラグ18のコア部分24は、エアロゾル発生媒体を含む。コア部分18を包囲するプラグの周辺部分26は、実質的にエアロゾル発生媒体を含まない。コア部分24の断面積は、第二のエアロゾル発生セグメント14の約60パーセントである。
【0277】
図2に示すエアロゾル発生物品50は、上述のロッド10、中空のセルロースアセテート管52、スペーサ要素54、およびマウスピースフィルター56を備える。これら四つの要素は連続的に、かつ同軸に整列して配設されていて、ラッパー58によって囲まれて、エアロゾル発生物品50を形成する。エアロゾル発生物品50は、口側端60と、口側端60に対して物品の反対側の端に位置する遠位端62とを有する。図2に示すエアロゾル発生物品10は、ロッド10を加熱するためのヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するのに特に適切である。
【0278】
図4Aおよび4Bは、電気的に作動するエアロゾル発生装置200を概略的に示し、図4Aではいくつかの要素が取り除かれている。エアロゾル発生装置200は、外部インダクタコイル210およびサセプタスリーブ212の対を利用して、上述のエアロゾル発生物品50のロッド10を加熱する。インダクタコイル210は、サセプタスリーブ212の周りに取り付けられ、図4Bに概略的に示すように、エアロゾル発生物品50を受容するための円筒状のチャンバーを画定する。
【0279】
エアロゾル発生装置200は、電池214によって電力供給され、電子回路216によって制御され、オンオフボタン218を有する。
【0280】
当然のことながら、上述のエアロゾル発生ロッド10およびエアロゾル発生物品50は、他のタイプのエアロゾル発生装置と共に使用されるのにも適し得る。
【0281】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数Aは、A±10%のAとして理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられ得る。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用するいくつかの事例において、Aが逸脱する量が、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱し得る。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
【国際調査報告】