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特表2024-505023ネストの山(PILE)の信頼性の高い位置合わせを保証するスタッキングピン付きプランジャーストッパの梱包用ネスト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】ネストの山(PILE)の信頼性の高い位置合わせを保証するスタッキングピン付きプランジャーストッパの梱包用ネスト
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/00 20060101AFI20240126BHJP
   A61J 1/14 20230101ALI20240126BHJP
【FI】
A61M5/00 520
A61J1/14 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545193
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2022051734
(87)【国際公開番号】W WO2022161992
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】21305101.4
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カミーユ モーリー
(72)【発明者】
【氏名】ギルダス エスノー
(72)【発明者】
【氏名】グウェン ル ディメ
【テーマコード(参考)】
4C047
4C066
【Fターム(参考)】
4C047AA27
4C047AA31
4C066GG10
4C066LL22
(57)【要約】
上面(12)、底面(14)、およびその中に複数の医療デバイスコンポーネントを格納するための複数のレセプタクル(20)を含む、医療デバイスコンポーネントを格納するためのネスト(10)であって、複数のレセプタクル(20)のそれぞれは、ネスト(10)の底面(14)から下方に延びる側壁部分(22)を含む、ネスト(10)。ネスト(10)は、上面(12)に形成された複数の開口部(26)と、底面(14)から延びる複数のスタッキングピン(28)とをさらに含む。複数の開口部(26)のそれぞれは、2つ以上のネスト(10)が開口部(26)とスタッキングピン(28)との間の関連付けを介して互いに対して垂直にスタックされることを可能にするように、複数のスタッキングピン(28)のそれぞれと実質的に整列される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器部品の保管のためのネスト(10)であって、
上面(12)と、
底面(14)と、
その中に複数の医療機器部品を格納するための複数のレセプタクル(20)であって、前記複数のレセプタクル(20)のそれぞれが、前記ネスト(10)の前記底面(14)から下方に延びる側壁部分(22)を含む、前記複数のレセプタクル(20)と、を備え、
前記ネスト(10)は、前記上面(12)に形成された複数の開口部(26)と、前記底面(14)から延びる複数のスタッキングピン(28)とをさらに含み、前記複数の開口部(26)のそれぞれは、前記開口部(26)と前記スタッキングピン(28)との間の関連付けを介して2つ以上のネスト(10)が互いに対して垂直にスタックされることを可能にするように、前記複数のスタッキングピン(28)のそれぞれと実質的に整列され、前記スタッキングピン(28)のそれぞれの下部(32)は、前記スタッキングピン(28)のそれぞれの上部(30)とは異なる材料で形成される、ことを特徴とするネスト(10)。
【請求項2】
各スタッキングピン(28)は、上部(30)および下部(32)を含み、前記下部(32)は、前記上部(30)よりも小さいサイズである、請求項1に記載のネスト(10)。
【請求項3】
前記スタッキングピン(28)のそれぞれの前記下部(32)および前記複数の開口部(26)のそれぞれが実質的に円筒形である、請求項2に記載のネスト(10)。
【請求項4】
前記スタッキングピン(28)のそれぞれの前記下部(32)の外径が、前記複数の開口部(26)のそれぞれの内径よりも小さい、請求項3に記載のネスト(10)。
【請求項5】
第1のネスト(10)の各スタッキングピン(28)の前記下部(32)は、前記第1のネスト(10)および第2のネスト(10)が互いに垂直に積み重ねられているときに、前記第2のネスト(10)のそれぞれの開口部(26)内に嵌合するように構成される、請求項2から4のいずれか一項に記載のネスト(10)。
【請求項6】
各スタッキングピン(28)は、ピン底面(33)を含み、前記複数のレセプタクル(20)のそれぞれは、レセプタクル底面(23)を含み、前記ピン底面(33)は、前記レセプタクル底面(23)よりも前記ネスト(10)の前記底面(14)の下にさらに延びる、請求項1から5のいずれか一項に記載のネスト(10)。
【請求項7】
少なくとも2つのネスト(10)が互いに対して垂直に積み重ねられているとき、上部位置にある前記ネスト(10)の前記複数のレセプタクル(20)のそれぞれの前記側壁部分(22)は、下部位置で前記ネスト(10)に接触しない、請求項1から6のいずれか一項に記載のネスト(10)。
【請求項8】
前記ネスト(10)は、実質的に四辺形の形状である、請求項1から7のいずれか一項に記載のネスト(10)。
【請求項9】
前記複数の開口部(26)および前記複数のスタッキングピン(28)が、前記ネスト(10)のそれぞれの角に近接して配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載のネスト(10)。
【請求項10】
前記複数の開口部(26)は、少なくとも3つの開口部(26)を含み、前記複数のスタッキングピン(28)は、少なくとも3つのスタッキングピン(28)を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のネスト(10)。
【請求項11】
前記複数の開口部(26)のそれぞれが、前記上面(12)と前記底面(14)との間の前記ネスト(10)の全体の厚さ未満の深さを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のネスト(10)。
【請求項12】
その中に形成された少なくとも1つの指開口部(24)をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のネスト(10)。
【請求項13】
各指開口部(24)の周りに少なくとも部分的に延在し、前記ネスト(10)の前記底面(14)から延在するフランジ(25)をさらに備える、請求項12に記載のネスト(10)。
【請求項14】
前記ネスト(10)がポリプロピレンで形成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のネスト(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、例えば、注射器などの医療デバイスに使用されるプランジャーストッパのパッケージングのためのネスト構成に関する。より具体的には、本開示は、互いの上に垂直に配置されたネストの山(またはスタック)の信頼性の高い位置合わせを確実にするために、スタックピンを利用するネスト配置に関する。
【0002】
本出願は、2021年1月26日に出願された「A Nest for the Packaging of Plunger Stoppers with Stacking Pins Ensuring A Reliable Alignment of a Pile of Nests」と題された欧州優先出願第21305101.4号の優先権を主張し、その全体の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
当技術分野で知られているように、薬剤、薬物、またはワクチンの送達または保管のための移送または保管デバイス(例えば、注射器など)は、プランジャーロッドを介して物質をデバイスに引き込む(またはデバイスから物質を排出する)ために、概して管状の注射器バレルの内面と接触するプランジャーストッパを利用する。
【0004】
現在、多くのそのようなデバイスは、自動充填機を使用して充填および組み立てられる。このような機械は、生産性と精度を向上させるだけでなく、実質的に殺菌した無菌の充填環境を提供する。デバイスの様々な構成要素(例えば、プランジャーストッパ、シリンジバレルなど)は、少なくともある程度のレベルの自動組立を可能にするために、充填機内に別々に設けられる。
【0005】
典型的には、複数のプランジャーストッパは、組み立て中に充填機によってアクセスされるバッグまたはネスト(バッグ内に入って提供される)に設けられる。逆に、注射器バレルは、一般に、バレルを保持するためにその中に形成された多数の「煙突」を有するネストに包装され、各ネストは、充填機に導入されたときにタブ内に保持されるように構成される。
【0006】
注射器バレル用の現在のネストは、タブと共に使用するように特別に設計されているが、プランジャーストッパを保持するように設計された現在のネストは、特定のタブプロファイルで使用するように構成されておらず、注射器バレルに使用されるタブ内にしっかりと収まることもない。一部の自動充填機では、プランジャーストッパのネストを保持するためのタブがないため、問題はない。しかしながら、他の、より最近設計された充填装置(例えば、Vanrx Pharmasystems Inc.のVanrx SA25ロボット無菌充填作業セルなど)では、ネストおよびタブの両方に梱包された構成要素のみが取り扱われることが可能である。
【0007】
さらに、上述したように、プランジャーストッパのための現在利用可能なネストは、既存のタブ設計内に保持されるように設計されておらず、一貫して積み重ね可能であるプランジャーストッパのためにそれらのネストが構成されていない。したがって、プランジャーストッパに関連して既存のネストおよびタブを一緒に利用しようとすると、組み合わせは、重ねられたときに、タブ内および/または上または下のネストに対する信頼できない位置決めおよび望ましくないネストの移動をもたらす可能性があり、これは、充填装置内のネストのロボット処理にとって問題となるであろう。文献EP3450349A1、EP3834943A1、EP3524293A1およびEP2017624A1は、容器用包装に関する。
【発明の概要】
【0008】
上記を考慮すると、プランジャーストッパのために特別に設計されたネスト、並びにタブの内側または外側のいずれかに垂直に積み重ねられたときにネストの一貫した安全な整列を確実にするように設計されたネストが必要である。
【0009】
本開示の実施形態は、医療機器用部品(components)の保管のためのネストに関する。ネストは、上面、底面、およびその中に複数の医療デバイスコンポーネントを格納するための複数のレセプタクルを含み、複数のレセプタクルのそれぞれは、ネストの底面から下方に延びる側壁部分を含む。ネストは、上面に形成された複数の開口部と、底面から延びる複数のスタッキングピンとをさらに含み、複数の開口部のそれぞれは、複数のスタッキングピンのそれぞれと実質的に整列され、2つ以上のネストが、開口部とスタッキングピンとの間の関連付けを介して互いに対して垂直にスタックされることを可能にする。
【0010】
いくつかの実施形態では、各スタッキングピンは、上部および下部を含み、下部は、上部よりも小さいサイズである。
【0011】
いくつかの実施形態では、スタッキングピンの各々の下部および複数の開口部の各々は、実質的に円筒形である。
【0012】
いくつかの実施形態では、スタッキングピンのそれぞれの下部の外径は、複数の開口部のそれぞれの内径よりも小さい。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1のネストの各スタッキングピンの下部は、第1および第2のネストが互いに垂直に積み重ねられているときに、第2のネストのそれぞれの開口部内に嵌合するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、スタッキングピンのそれぞれの下部は、スタッキングピンのそれぞれの上部とは異なる材料で形成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、各スタッキングピンは、ピン底面を含み、複数のレセプタクルのそれぞれは、レセプタクル底面を含み、ピン底面は、レセプタクル底面よりもネストの底面の下にさらに延びる。
【0016】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのネストが互いに垂直に積み重ねられているとき、上部位置にあるネストの複数のレセプタクルのそれぞれの側壁部分は、下部位置のネストに接触しない。
【0017】
いくつかの実施形態では、ネストは、実質的に四辺形の形状である。
【0018】
いくつかの実施形態では、複数の開口部および複数のスタッキングピンは、ネストのそれぞれの角に近接して配置される。
【0019】
いくつかの実施形態では、複数の開口部は、少なくとも3つの開口部を含み、複数のスタッキングピンは、少なくとも3つのスタッキングピンを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、複数の開口部のそれぞれは、上面と底面との間のネストの全体の厚さ未満の深さを有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの指開口部がネスト内に形成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、ネストは、各指開口部の周りに少なくとも部分的に延在し、ネストの底面から延在するフランジをさらに含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、ネストは、ポリプロピレンで形成される。
【0024】
本開示のさらなる詳細および利点は、添付の図面と併せて読まれる以下の詳細な説明から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本開示の態様による、プランジャーストッパの保管のためのネストの上面等角図である。
図2図2は、図1のネストの底面等角図である。
図3図3は、図1のネストの上面図である。
図4図4は、本開示の態様による、一対の積み重ねられたネストの部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明は、当業者が本発明を実施するために企図される説明された実施形態を作成および使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、および、代替物は、当業者に容易に明らかなことである。任意の、および、全てのそのような修正、変形、等価物、および代替物は、本発明の主旨および範囲の中に入ることが意図されたものである。
【0027】
以下、説明の目的のために、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「最上部」、「最下部」、「横」、「縦」、および、それらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、様々な代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付の図面に示され、および、以下の明細書に記載される具体的な装置は、単に、本発明の例示的な実施形態であることも理解されるべきである。そのため、本明細書に開示される側面に関連する具体的な寸法および他の物理的な特徴は、限定的なものであるとしてみなされるべきではない。
【0028】
図1~3を参照すると、本開示の一態様によるネスト10が示される。各ネスト10は、自動充填機のロボット部品(components)による正確な取り扱いを可能にするために、プランジャーストッパおよびネストの両方の所望の位置決めおよび位置合わせを提供する方法で、複数のプランジャーストッパ(図示せず)を格納するように構成される。図示されないが、複数のネスト10は、以下でさらに詳細に説明されるように、ネスト10が互いの上に垂直に積み重ね可能であるように構成された、タブまたは他の保持構成内に取り外し可能に保持されることが可能である。典型的には、2から10個のネストの間は、互いに対して垂直に積み重ねられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも2つのネストが互いに積み重ねられている。一実施形態では、タブは、7つのネストが互いに積み重ねられ得るように構成される。さらに、本開示に記載のネストは、プランジャーストッパとの使用に限定されず、例えば、針カバー、先端キャップ、または任意の他の医療用部品などの他の要素および/またはデバイスと共に利用され得ることを理解されたい。
【0029】
各ネスト10は、その中に形成された複数のストッパーレセプタクル20を含む。ストッパーレセプタクル20は、実質的に円錐台形の「煙突」として形成され得、それぞれは、例えば、自律充填機の構成部品によるアクセスおよび取り外しのためにプランジャーストッパを保持することができる。図1および図2を参照すると、各ストッパーレセプタクル20は、ネスト10の上面12に形成された上部開口部を含み、ストッパーレセプタクル20の「煙突」は、ネスト10の底面14の下に延びる実質的に円錐台形の壁部分22によって形成される。各ストッパーレセプタクル20の直径およびサイズは、特定の充填動作中に利用されるストッパのタイプに基づいて変化し得る。一実施形態では、ネスト10は、例えば、1mLの注射器で使用するためのサイズの160個のストッパを保持するように構成され得る。しかしながら、ネスト10は、より多くまたはより少ないストッパ、ならびに異なるサイズのストッパを保持するように構成され得ることを理解されたい。例えば、別の実施形態によるネスト10は、2.25mLシリンジで使用するためのサイズの100個のストッパを保持するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、ストッパーレセプタクル20の全体の数および位置は、図1および2に示されるものと比較して変化し得る。
【0030】
ネスト10は、一対の長い側辺(sides)16および一対の短い側辺18を含む。しかしながら、代替の実施形態では、ネスト10の側辺は、長さおよび/または平行である必要はなく、代わりに、例えば、等しい、非平行などであり得ることを理解されたい。各ネスト10の一般的な寸法(すなわち、長さ、幅、および高さ)は、利用されている特定の保持タブまたは自動充填機に基づいて適合され得る。
【0031】
図1および2に示されるように、長い側辺16はそれぞれ、その上に形成された指開口部24を含み得、各指開口部24は、例えば、タブまたは他の保持配置への(またはそれからの)ネスト10の簡略化された手動装填(および/または取り外し)を可能にするように設計される。いくつかの実施形態では、フランジ25は、各指開口部24を少なくとも部分的に取り囲み、ネスト10の底面14から延在してもよく、それによって、ユーザに、ネスト10を把持するためのより大きな表面積を提供する。2つの指開口部24は、図1および図2の対向する長い側辺16に示されているが、ネスト10は、長い側辺16または短い側辺18のいずれかに、より多くまたはより少ない指開口部を含み得ることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、指開口部24は、完全に省略されてもよい。
【0032】
図1~4を参照すると、本開示によるネスト10は、ネスト10のそれぞれの角に近接する上面12内に形成された複数の開口部26を含む。いくつかの実施形態では、各開口部26は、実質的に円筒形であり得、上面12と底面14との間のネスト10の全体の厚さ未満の深さを有する。しかしながら、他の実施形態では、各開口部26は、ネスト10を完全に通って延在してもよい。
【0033】
さらに、本開示によるネスト10は、複数のスタッキングピン28を含む。スタッキングピン28は、ネスト10の底面14から延在し、開口部26と実質的に一直線に配置される。一実施形態では、各スタッキングピン28は、少なくとも部分的に円筒形であり、上部30および下部32を含み、下部32は、上部30よりも直径が小さい。しかしながら、いくつかの実施形態では、各スタッキングピン28は、その全長に沿って一貫した直径を有し得る。さらに、いくつかの実施形態では、スタッキングピン28の少なくとも一部は、非円筒形であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも下部32は、円錐台形であってもよく、それによって、スタッキングピン28の遠位端に向かってわずかに先細りする。
【0034】
以下でさらに詳細に説明されるように、開口部26とスタッキングピン28との間の位置関係は、互いの上に垂直に積み重ねられたときに複数のネスト10の相対的な整列を補助するように構成される。スタッキングピン28は、ネスト10に適用されるわずかな横方向および/または垂直方向の力に起因するスタックされたネスト10の移動に抵抗するようにサイズ設定され、構成されるが、必要に応じてネスト10の垂直方向の分離を可能にする。
【0035】
図2および図4を参照すると、各スタッキングピン28の下部32は、ピン底面33を含み、各ストッパーレセプタクル20の円錐台形壁部分22は、レセプタクル底面23を含む。図4に示されるように、各スタッキングピン28のピン底面33は、レセプタクル底面23よりもネスト10の底面14の下により長い距離を延びるように構成される。例えば、レセプタクル底面23は、ネスト10の底面14の下に7~12mmの間で延在してもよく、一方、ピン底面33は、例えば、レセプタクル底面23よりも底面14の下に1~3mm遠くに延在してもよい。
【0036】
したがって、図4に示されるように、2つ(またはそれ以上)のネスト10が互いに積み重ねられているとき、上側のネスト10から延びる各スタッキングピン28の底部32は、下側のネスト10のそれぞれの開口部26内に嵌合するように構成され、一方、上側のネスト10の各ストッパーレセプタクル20の円錐台形壁部分22は、下側のネスト10のストッパーレセプタクル20の円錐台形壁部分22と接触しないままである。このようにして、開口部26とスタッキングピン28との間の関連は、互いに対して積み重ねられたネスト10の適切な位置合わせおよび保持を確実にするように構成される。
【0037】
さらに図4を参照すると、一実施形態では、各スタッキングピン28の底部32は、その下に配置されたネスト10の対応する開口部26内に実質的に適合するようにサイズ設定および構成され得る。各スタッキングピン28の底部32の外径は、開口部26の内径よりもわずかに小さいサイズに、構成されてもよく、一方、各底部32の高さは、開口部26の深さよりもわずかに高くてもよい。このようにして、各スタッキングピン28の底部32は、底部32とそれぞれの開口部26との間の最小量の「遊び」(すなわち、横方向の動き)が許容されるように、それぞれの開口部26内に嵌合し得、それによって、スタッキングピン28が開口部26内に固着するのを防ぐ。そのような構成では、2つ以上の積み重ねられたネスト10は、最小限の水平または垂直移動による外れ(movement)に抵抗することができるが、必要に応じて充填機および/またはユーザによって分離することができる。
【0038】
図1~4に示される実施形態では、各ネスト10は、4つの開口部26および4つのスタッキングピン28を含み、それぞれがネスト10のそれぞれの角に近接して配置されるように示される。しかしながら、本開示に従って、より多くのまたはより少ない開口部26および/またはスタッキングピン28が利用され得ることを理解されたい。例えば、代替の実施形態では、各ネスト10は、3つの開口部26および3つのスタッキングピン28のみを含み得る。さらに、開口部26および/またはスタッキングピン28の配置は、ネスト10の角領域に限定されず、例えば、ネスト10の側辺に沿って、ネスト10の中央領域などに配置され得る。さらに、ネスト10は、図1図3において四辺形であるように示されているが、ネスト10は、そのように限定されず、任意の適切な形状および/またはサイズで形成され得ることを理解されたい。
【0039】
各ネスト10は、任意の適切な材料から、および任意の適切な方法を介して形成され得る。例えば、ネスト10は、例えば、プラスチック、ポリマー(例えば、ポリプロピレン)、金属などから形成され得、例えば、成形、スタンピング、熱成形、押出、溶接などによって形成され得る。さらに、ネスト10は、単一の部品として、または一緒に結合された複数の部品として形成され得る。複数のパーツで形成されている場合、各パーツを形成する材料は同じであっても異なっていてもよい。
【0040】
追加的および/または代替的に、各スタッキングピン28は、例えば、成形、スタンピング、熱成形などの方法で、ネスト10と一体的に形成され得る。しかしながら、別の実施形態では、各スタッキングピン28は、スタッキングピン28がその後、例えば、接着剤、溶接、1つ以上の締結具などの任意の適切な方法を介してネスト10に固定されるように別々に形成されてもよい。
【0041】
追加的および/または代替的に、各スタッキングピン28の上部30および下部32は、同じまたは異なる材料で形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、底部32は、上部30と比較して増加した硬度および/または耐摩耗性特性を有する材料で形成され得る。底部32は、別のネスト10の開口部26に接触および/または嵌合するスタッキングピン28の部分であるため、そのような増加した硬度および/または耐摩耗性を有することは、例えば、ネスト10の寿命を延ばし、スタッキングピン28と開口部26との間の一貫した滑らかな関連性を確保するなどに有益であり得る。
【0042】
さらに、開口部26は、例えば、成形、スタンピング、機械加工、ドリル加工などの任意の適切な方法によって形成され得る。さらに、いくつかの実施形態では、開口部26は、各開口部26の内部接触面の硬度および/または耐摩耗性を増加させるように、材料および/またはコーティングで補強され得る。上述のスタッキングピン28と同様に、開口部26のそのような増加した硬度および/または耐摩耗性は、例えば、ネスト10の寿命を延ばし、スタッキングピン28と開口部26との間の一貫した滑らかな関連性を確保するなどに有益であり得る。
【0043】
ネストおよびネストの配置のいくつかの実施形態が添付の図に示され、本明細書に詳細に説明されているが、他の実施形態は、本発明の範囲および精神から逸脱せずに当業者には明らかであり、容易に作成されるであろう。例えば、本開示は、可能な範囲で、任意の実施形態の1つ以上の特徴を、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせることができることを企図することを理解されたい。したがって、前述の説明は、制限的というよりも例示的であることを意図している。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】