(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】指紋認識回路、ディスプレイパネル及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20240126BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
G06T1/00 400G
G06F3/042 471
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545309
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2022086908
(87)【国際公開番号】W WO2023015927
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110924831.8
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522457081
【氏名又は名称】合肥維信諾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI VISIONOX TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】5555 New Bengbu Road,Xinzhan District,Hefei,Anhui 230000,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】李東升
(72)【発明者】
【氏名】任慶榮
(72)【発明者】
【氏名】齊峰
(72)【発明者】
【氏名】崔霜
(72)【発明者】
【氏名】胡世文
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼汝博
【テーマコード(参考)】
5B047
【Fターム(参考)】
5B047AA25
5B047BB04
5B047CA01
5B047CA06
5B047CA23
5B047CB17
5B047CB18
(57)【要約】
本願は、指紋認識回路、ディスプレイパネル及びその制御方法を提供し、指紋認識回路における光検知回路は、検知された指で反射した光信号に基づいて第1電気信号を生成し、保持回路に第1電気信号情報を記憶して、走査回路により保持回路に記憶された第1電気信号情報に基づいて指紋認識に用いられる第2電気信号を出力することにより、指紋認識素子は、ユーザの指が滞留する時間が短い場合においても、配置されたすべての指紋認識回路から出力された電気信号の収集を完成させることができ、ひいては光学指紋認識素子でのより大面積でより高密度な指紋認識回路の設計をサポートすることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検知回路、保持回路、走査回路、及びリセット回路を備える指紋認識回路であって、前記光検知回路は、前記保持回路を介して前記走査回路と前記リセット回路とに接続され、
前記光検知回路は、検知された光信号に基づいて第1電気信号を生成するように構成されており、
前記保持回路は、前記第1電気信号の電位情報を記憶するように構成されており、
前記走査回路は、前記保持回路に記憶された前記第1電気信号を増幅して、前記指紋認識回路の対応する位置の指紋情報を指示するように構成されている第2電気信号を出力するように構成されており、
前記リセット回路は、前記保持回路が前記第1電気信号を記憶する前に、前記保持回路に記憶された電気信号を削除するように構成されている、指紋認識回路。
【請求項2】
前記光検知回路は、
感光センサー及び抵抗を備え、前記感光センサーの第1端は第1電位信号を受信するように構成されており、前記感光センサーの第2端は前記抵抗の第1端に接続され、前記抵抗の第2端は第2電位信号を受信するように構成されており、
前記光検知回路は、前記感光センサーの第1端が前記第1電位信号を受信し、前記抵抗の第2端が前記第2電位信号を受信して、且つ前記感光センサーの抵抗値が検知された光信号に応じて変化した後、前記感光センサーの第2端の電気信号又は前記抵抗の第1端の電気信号を、前記第1電気信号とするように構成される、請求項1に記載の指紋認識回路。
【請求項3】
前記保持回路は、
コンデンサ及び第1スイッチトランジスタを備え、前記第1スイッチトランジスタの制御端は保持信号を受信するように構成されており、前記第1スイッチトランジスタの第1端は前記感光センサーの第2端と前記抵抗の第1端とに接続されるように構成されており、前記第1スイッチトランジスタの第2端は前記コンデンサの第1端に接続され、前記コンデンサの第2端は接地され、
前記保持回路は、前記保持信号を受信するとき、前記第1電気信号に対応する電位情報を前記コンデンサに記憶するように構成されている、請求項2に記載の指紋認識回路。
【請求項4】
前記リセット回路は、
第2スイッチトランジスタを備え、前記第2スイッチトランジスタの制御端はリセット信号を受信するように構成されており、前記第2スイッチトランジスタの第1端は前記第2電位信号を受信するように構成されており、前記第2スイッチトランジスタの第2端は前記コンデンサの第1端に接続され、
前記リセット回路は、前記リセット信号を受信した後、前記コンデンサの第1端が前記第2電位信号に接続されることを制御するように構成されている、請求項3に記載の指紋認識回路。
【請求項5】
前記走査回路は、
第3スイッチトランジスタを備え、前記第3スイッチトランジスタの制御端は前記保持回路に記憶された第1電気信号を受信するように構成されており、前記第3スイッチトランジスタの第1端はデータ信号を受信するように構成されており、前記第3スイッチトランジスタの第2端は前記第2電気信号を出力するように構成されており、
前記第3スイッチトランジスタは、前記保持回路に記憶された第1電気信号の制御下で、前記データ信号を受信して前記第2電気信号を出力するように構成されている、請求項4に記載の指紋認識回路。
【請求項6】
前記走査回路は、
第4スイッチトランジスタをさらに備え、前記第4スイッチトランジスタの制御端は走査信号を受信するように構成されており、前記第4スイッチトランジスタの第1端はデータ信号を受信するように構成されており、前記第4スイッチトランジスタの第2端は前記第3スイッチトランジスタの第1端に接続され、
前記第4スイッチトランジスタは、前記走査信号を受信して導通された後、前記データ信号を受信して、前記第3スイッチトランジスタの第1端に前記データ信号を出力するように構成されている、請求項5に記載の指紋認識回路。
【請求項7】
前記指紋認識回路は、スイッチ回路をさらに備え、
前記スイッチ回路は、第5スイッチトランジスタ及び第6スイッチトランジスタを備え、前記第5スイッチトランジスタと前記第6スイッチトランジスタの制御端は制御信号を受信するように構成されており、
前記第5スイッチトランジスタと前記第6スイッチトランジスタは、前記制御信号に基づいて導通されると、前記感光センサーの第1端は前記第5スイッチトランジスタを介して前記第1電位信号を受信し、前記抵抗の第2端は前記第6スイッチトランジスタを介して前記第2電位信号を受信する、請求項2に記載の指紋認識回路。
【請求項8】
前記スイッチトランジスタは、薄膜トランジスタ(TFT)を含む、請求項7に記載の指紋認識回路。
【請求項9】
光学指紋認識素子を備えるディスプレイパネルであって、前記光学指紋認識素子は、行列状に分布されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の指紋認識回路を複数備え、
前記光学指紋認識素子は前記ディスプレイパネルのアレイ膜層に配置されるか、又は、前記光学指紋認識素子は前記ディスプレイパネルのアレイ膜層と基板との間に配置されるか、又は、前記光学指紋認識素子は前記基板の前記アレイ膜層と反対する側に配置されるか、又は、前記光学指紋認識素子は前記アレイ膜層の前記基板と反対する側に配置される、ディスプレイパネル。
【請求項10】
請求項9に記載のディスプレイパネルを制御するために使用できる、ディスプレイパネルの制御方法であって、
複数の指紋認識回路のうちの少なくとも1つの目標指紋認識回路の光検知回路に第1電位信号と第2電位信号とを送信することと、
前記少なくとも1つの目標指紋認識回路のリセット回路にリセット信号を送信することと、
前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の保持回路に保持信号を送信することと、
前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の各行の走査回路に走査信号を送信して、当該行の走査回路における各列の走査回路にデータ信号を送信し、各行及び各列の目標指紋認識回路から出力された第2電気信号を取得することと、を含む、ディスプレイパネルの制御方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの目標指紋認識回路のスイッチ回路に制御信号を送信することをさらに含み、前記目標指紋認識回路の数が前記光学指紋認識素子における前記指紋認識回路の数より小さい、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子技術の分野に関し、特に、指紋認識回路、ディスプレイパネル及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に伴い、携帯電話、タブレットコンピュータなどの電子機器に配置されているディスプレイスクリーンはますます大きくなっており、電子機器のディスプレイスクリーンの表示効果を高めるために、一部の電子機器はそのディスプレイ側の全体にディスプレイスクリーンを配置して、他の物理ボタンを配置しない。この場合、電子機器はユーザの指の指紋を認識する必要があり、これによって、指紋ロック解除、指紋認証などの機能を実現する。
【0003】
関連技術において、指紋を認識するための光学指紋認識素子はアレイ状に配布された複数の指紋認識回路を備えることができ、ユーザの指を光学指紋認識素子の上方のディスプレイスクリーンと密着した後、ディスプレイスクリーンが発する光は指によってディスプレイスクリーン下方の光学指紋認識素子に反射され、光学指紋認識素子における各指紋認識回路は、配置された感光素子によって、その上方領域に位置する指の反射光を受光するために使用されることができ、そして、感光素子により光信号を電気信号に変換した後に出力し、これによって、この後の電子機器における処理ユニットは受信した電気信号に基づいて指紋認識を行うことができる。
【0004】
光学指紋認識素子は、指紋認識の精度を向上させるために、通常、数多くの指紋認識回路を配置する必要があるが、ユーザの指がディスプレイスクリーン上に滞留する時間は短いため、光学指紋認識素子はどのようにして、ユーザの指が滞留する時間が短い場合においても、配置されたすべての指紋認識回路から出力された電気信号の収集を完成させることができるかは、本分野で早急解決しなければならない技術的問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、指紋認識回路、ディスプレイパネル及びその制御方法を提供することにより、指紋認識素子は、ユーザの指が滞留する時間が短い場合に、配置されたすべての指紋認識回路から出力された電気信号の収集を完成させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願は指紋認識回路を提供し、前記指紋認識回路は、光検知回路、保持回路、走査回路、及びリセット回路を含み、前記光検知回路は前記保持回路を介して前記走査回路と前記リセット回路とに接続され、前記光検知回路は検知された光信号に基づいて第1電気信号を生成するように構成されており、前記保持回路は前記第1電気信号の電位情報を記憶するように構成されており、前記走査回路は前記保持回路に記憶された第1電気信号を増幅して、前記指紋認識回路の対応する位置の指紋情報を指示するように構成されている第2電気信号を出力し、前記リセット回路は、前記保持回路が前記第1電気信号を記憶する前に、前記保持回路に記憶された電気信号を削除するように構成されている。
【0007】
第2態様では、本願は、光学指紋認識素子を備えるディスプレイパネルを提供し、前記光学指紋認識素子が複数の前記した指紋認識回路を備えており、前記複数の指紋認識回路が行列状に分布されており、
前記光学指紋認識素子は前記ディスプレイパネルのアレイ膜層に配置されるか、又は、前記光学指紋認識素子は前記ディスプレイパネルのアレイ膜層と基板との間に配置されるか、又は、前記光学指紋認識素子は前記基板の前記アレイ膜層と反対する側に配置されるか、又は、前記光学指紋認識素子は前記アレイ膜層の前記基板と反対する側に配置される。
【0008】
第3態様では、本願は、本願第2態様により提供されるディスプレイパネルを制御することに適用される、電子機器の制御方法を提供し、当該方法は、前記光学指紋認識素子の複数の指紋認識回路のうちの少なくとも1つの目標指紋認識回路の光検知回路に第1電位信号と第2電位信号とを送信することと、前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の光検知回路に第1電位信号と第2電位信号とを送信することと、前記少なくとも1つの目標指紋認識回路のリセット回路にリセット信号を送信することと、前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の保持回路に保持信号を送信することと、前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の各行の走査回路に走査信号を順次送信して、当該行の画素における各列の走査回路にデータ信号を順次送信し、各行及び各列の目標指紋認識回路から出力された第2電気信号を取得することと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
このように、本願の実施例により提供される指紋認識回路、ディスプレイパネル及びその制御方法は、光検知回路が、検知された指で反射した光信号に基づいて第1電気信号に変換した後、保持回路に第1電気信号の電位情報を記憶して、走査回路により保持回路に記憶された第1電気信号に基づいて指紋認識に用いられる第2電気信号を出力することにより、1、光検知回路が検知された光信号を第1電気信号として生成した後、走査回路により第1電気信号に基づいて増幅された第2電気信号を出力することができ、それによって、指紋認識回路から出力される信号の強度及び信号対雑音比は向上し、この後第2電気信号に基づいて指紋認識を行う正確さは向上するという技術的効果、及び、2、保持回路は、光検知回路が短時間内に光信号に基づいて生成した第1電気信号の電位情報を記憶することができ、これによって、光学指紋認識素子における指紋認識回路が数多く配置されたとしても、処理ユニットは第2電気信号を収集するとき、走査回路は保持回路に記憶された第1電気信号に基づいて第2電気信号を出力することができ、ひいては光学指紋認識素子でのより大面積でより高密度な指紋認識回路の設計をサポートすることができるという技術的効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の実施例又は従来の技術の解決手段をより明確に説明するため、以下、実施例又は従来の技術の記述において使用する必要がある図面を簡単に説明する。当然ながら、以下、記載する図面は本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を想到しうる。
【
図1】本願により提供される画素回路が適用されるシーンの概略図である。
【
図2】本願により提供される光学指紋認識素子の構造概略図である。
【
図3】本願により提供される指紋認識回路の1つの実施例の構造概略図である。
【
図4】本願により提供される指紋認識回路の信号インタラクションのフローチャートである。
【
図5】本願により提供される指紋認識回路の1つの実施例の回路構造概略図である。
【
図6】本願により提供される第3スイッチトランジスタのIV曲線の概略図である。
【
図7】本願により提供される指紋認識回路の別の実施例の回路構造概略図である。
【
図8】本願により提供される光学指紋認識素子の1つの実施例の構造概略図である。
【
図9】本願により提供される電子機器の制御方法の1つの実施例のタイミング図である。
【
図10】本願により提供される電子機器の制御方法の別の実施例のタイミング図である。
【
図11】本願により提供される電子機器の制御方法の別の実施例のタイミング図である。
【
図12】本願により提供される光学指紋認識素子の1つの応用シーンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の実施例に係る図面を参照しながら、その技術的解決手段について明瞭、且つ完全に説明し、当然のことながら、記載される実施例は本願の実施例の一部にすぎず、そのすべての実施例ではない。当業者は、本願における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく、獲得されたその他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0012】
以下、本願の技術的解決手段について具体的な実施例を参照して詳細に説明する。以下のいくつかの具体的な実施例は互いに組み合わせることができ、同じの又は類似する概念又はプロセスについていくつかの実施例では繰り返して説明しない場合がある。
【0013】
図1は、本願により提供される画素回路が適用されるシーンの概略図であり、
図1に示されるシーンでは、電子技術の発展に伴い、携帯電話、タブレットコンピュータなどの電子機器20に配置されているディスプレイスクリーンはますます大きくなっており、電子機器20のディスプレイスクリーンの表示効果を高めるために、一部の電子機器20はそのディスプレイ側の全体にディスプレイスクリーン21を配置して、他の物理ボタンを配置しない。この場合、電子機器20はユーザ10の指の指紋を認識する必要があり、これによって、指紋ロック解除、指紋認証などの機能を実現する。1つの方法として、電子機器20は、ディスプレイスクリーン21の下方に光学指紋認識素子22を隠れて配置し、ユーザ10の指がディスプレイスクリーンの指定領域に密着しているとき、ディスプレイスクリーン21が発する光は指に照射し、指紋の凹凸が光を反射する強度は異なるため、光学指紋認識素子22は指で反射した光を収集した後、電子機器20における処理ユニット23は収集された光情報に基づいて指紋認識を行う。
【0014】
いくつかの実施例では、
図2は、本願により提供される光学指紋認識素子の構造概略図であり、
図1に示されるシーンではユーザ10の指で反射した光を収集するための光学指紋認識素子22の構造概略図を示しており、当該光学指紋認識素子22は、アレイ状に配布された複数の指紋認識回路を備え、
図2に示される例では、複数の指紋認識回路がn行n列のように分布されており、各指紋認識回路が配置されている行及び列ごとに指紋認識回路をP11、P12……P21、P22……と順次マーク付ける。光学指紋認識素子22はディスプレイスクリーン21の下方に配置され、ユーザ10の指がディスプレイスクリーンと密着した後、ディスプレイスクリーン21が発する光は指によってディスプレイスクリーン21の下方の光学指紋認識素子22に反射され、このとき、光学指紋認識素子22における各指紋認識回路はユーザの指で反射した上方の光信号を検知し、光信号を電気信号に変換した後に出力するために用いられる。
【0015】
いくつかの実施例では、ディスプレイスクリーン21は、具体的に、光学指紋認識素子を備えるディスプレイパネルを備え、光学指紋認識素子22はアレイ状に配布された複数の指紋認識回路を備える。いくつかの実施例では、光学指紋認識素子22は、ディスプレイパネルのアレイ膜層に配置されてもよいし、又は、ディスプレイパネルのアレイ膜層と基板との間に配置されてもよいし、又は、基板の前記アレイ膜層と反対する側に配置されてもよいし、又は、アレイ膜層の基板と反対する側に配置されてもよい。
【0016】
具体的には、
図2に示される光学指紋認識素子22は、行ごとに走査する方式を用いて上方の反射光を受信して検出することができる。電子機器20における処理ユニット23は行ごとに指紋認識回路に走査信号を送信することができ、例えば、処理ユニット23は、まず、第1行の指紋認識回路P11、P12、P13……に走査信号Select1を送信することができる。この後、処理ユニット23は順次、第1行の第1列の指紋認識回路P11にデータ信号Data1を送信して、指紋認識回路P11から戻された電気信号を受信し、第1行の第2列の指紋認識回路P12にデータ信号Data2を送信して、指紋認識回路P12から戻された電気信号を受信し……これによって類推する。処理ユニット23は、一行のすべての指紋認識回路の電気信号を取得するたびに、次の行の指紋認識回路に走査信号を送信して、その次の行のすべての指紋認識回路の電気信号を引き続き取得する。最終的に、処理ユニット23はすべての指紋認識回路の電気信号を取得した後、すべての指紋認識回路により提供される電気信号に基づいて指紋認識処理を行うことができる。なお、
図2には、各指紋認識回路が走査信号とデータ信号とを受信するときの1つの可能な接続関係は示されており、他の信号を受信するときの接続関係は図に示されていない。
【0017】
図3は、本願により提供される指紋認識回路の1つの実施例の構造概略図であり、
図3に示される指紋認識回路220は、
図2に示される光学指紋認識素子22のいずれか1つであってもよい。
図3に示すように、本願の実施例により提供される指紋認識回路220は、光検知回路221、保持回路222、走査回路224、及びリセット回路223を備える。光検知回路221、保持回路222、及び走査回路224は順次接続され、リセット回路223は保持回路222に接続される。
【0018】
具体的には、光検知回路221は検知された光信号を第1電気信号に変換するために用いられ、第1電気信号は具体的に第1分圧ノードでの電圧とすることができ、この場合、光検知回路221は、指紋認識回路220の上方の指で反射した光信号を検知して、光信号に基づいて第1電気信号に変換し、検知された異なる強度の光信号に基づいて第1分圧ノードの第1電気信号値を調整することを実現することができる。
【0019】
保持回路222は、第1電気信号の電位情報を記憶するために用いられ、記憶された第1電気信号の電位情報は、この後の走査回路224による第2電気信号の出力のために使用されることができ、当該第2電気信号は具体的に出力された電圧、電流とすることができる。電子機器20全体は指紋認識を行うとき、ディスプレイスクリーン21によって光を発した後、光学指紋認識素子22における指紋認識回路220は直ちにユーザ10の指で反射した光を検知する必要があると同時に、指紋認識回路220は数多くあるため、処理ユニット23は行ごとに走査しなければ各指紋認識回路220から出力された第2電気信号を1つずつ取得することができない。処理ユニット23は1秒あたりN個の指紋認識回路220から出力された第2電気信号を取得することができると仮定すると、指紋認識回路220の数がNを超えており、且つユーザの指の滞留時間が1秒未満である場合、処理ユニット23は、指が離れる前にすべての指紋認識回路220から出力された第2電気信号を取得することができない可能性があるため、指紋認識回路220は、光検知回路221が指で反射した光信号を検知して第1電気信号に変換した後、保持回路222によって当該第1電気信号の電位情報をいったん記憶することができ、これによって、この後、ユーザ10の指がディスプレイスクリーン21から離れたとしても、処理ユニット23から指紋認識回路220に走査信号を送信するとき、指紋認識回路220は依然として、光検知回路221がこの前に生成した第1電気信号を保持回路222によって走査回路224に伝送して第2電気信号を出力し、ユーザの指の滞留時間が延長されることがないように、処理ユニット23がすべての指紋認識回路220から出力された第2電気信号を取得できることを確保することができる。したがって、本実施例では、保持回路222の参加により、光学指紋認識素子22における指紋認識回路220が数多くある場合においても、処理ユニット23は各指紋認識回路220から出力された第2電気信号を収集することができ、ひいては光学指紋認識素子22の特定の面積内でのより高密度な指紋認識回路220の設計をサポートすることができる。
【0020】
リセット回路223は、保持回路222が第1分圧ノードでの第1電気信号情報を記憶する前に、保持回路222に記憶された電位情報を削除し、この前に記憶された電位情報が第1分圧ノードでの第1電気信号情報を干渉することを防止するために用いられる。
【0021】
走査回路224は、保持回路222に記憶された第1電気信号情報に基づいて第2電気信号を出力するために用いられ、走査回路224から出力された第2電気信号が第1電気信号を増幅した電気信号である。第2電気信号の電圧及び/又は電流は第1分圧ノードでの第1電気信号の電圧及び/又は電流よりも大きい。走査回路224から出力された第2電気信号は、指紋認識回路220の対応する位置の指紋情報を指示するために用いられ、走査回路224は、第2電気信号を電子機器20における処理ユニット23に出力することができ、処理ユニット23は、すべての指紋認識回路220から出力された第2電気信号を受信した後、すべての指紋認識回路220により提供される第2電気信号に基づいて対応する位置の指紋情報を決定して、この後の指紋認識処理を行うことができ、本願は、処理ユニット23の第2電気信号に対するこの後の処理を限定しない。
【0022】
いくつかの実施例では、
図4は、本願により提供される指紋認識回路の信号インタラクションのフローチャートである。
図4に示される指紋認識回路220における各回路は、外部信号を受信して、外部信号に基づいて対応するフロー及びステップを実行するために使用されることができる。外部信号は、電子機器20における処理ユニット23が発したものであってもよいし、又は、電子機器20における他の処理素子などが発したものであってもよい。具体的には、
図4に示される指紋認識回路220では、光検知回路221は、第1電位信号VL及び第2電位信号VHを受信して、第1電位信号VL及び第2電位信号VHの作用下で、検知された光信号に基づいて第1電気信号を生成することができる。第1電位信号VL及び第2電位信号VHは、異なる電圧値に対応し、例えば、第1電位信号VLはローレベル信号とし、第2電位信号VHはハイレベル信号とするように、本願の実施例は、第1電位信号VL及び第2電位信号VHの具体的な電圧値を限定しない。保持回路222は、保持信号Holdingを受信して、保持信号Holdingに基づいて第1分圧ノードでの第1電気信号の電位情報を記憶するために使用されることができる。リセット回路223は、リセット信号Rstを受信して、リセット信号Rstに基づいて保持回路222に記憶された第1電気信号の電位情報を削除するために使用されることができる。走査回路224は、走査信号Select及びデータ信号Dataを受信して、走査信号Selectを受信した後、データ信号Data及び第1分圧ノードでの第1電気信号の電位情報に基づいて第2電気信号D-outを出力するために使用されることができる。
【0023】
図5は、本願により提供される指紋認識回路の1つの実施例の回路構造概略図であり、
図5には、
図4により提供される指紋認識回路の1つの可能な回路実現形態が示されており、以下、指紋認識回路における各部分の回路実装及び原理について説明する。
【0024】
光検知回路221は、感光センサーPD及び抵抗Rを含む。感光センサーPDの第1端は、第1電位信号VLを受信するために用いられ、感光センサーPDの第2端は、第1分圧ノードT0を介して抵抗Rの第1端に接続され、抵抗Rの第2端は、第2電位信号VHを受信するために用いられる。いくつかの実施例では、感光センサーPDは、感光抵抗であってもよい。感光センサーPDは光を受光していないとき、抵抗は高く、「逆バイアス」状態となり、このとき、感光センサーPDの第1端は第1電位信号VLを受信して且つ抵抗Rの第2端は第2電位信号VHを受信すると、感光センサーPDの第2端と抵抗Rの第1端との間にある第1分圧ノードT0での電圧は、例えば-3V程度となる。一方、前記感光センサーPDは光信号を検知してその抵抗が減少するとき、感光センサーPDの第1端は第1電位信号VLを受信して且つ抵抗Rの第2端は第2電位信号VHを受信した場合、第1電位信号VL及び前記第2電位信号VHは、感光センサーPDと抵抗Rとで形成された直列回路上において、前記第1分圧ノードT0での分圧が変化し、例えば-3Vから-6V程度に変化し、この場合に変化した第1分圧ノードT0での電気信号は第1電気信号とし、保持回路222に送信され得る。
【0025】
保持回路222は、コンデンサC及び第1スイッチトランジスタT1を含む。第1スイッチトランジスタT1の制御端は保持信号Holdingを受信するために用いられ、第1スイッチトランジスタT1の第1端は、第1分圧ノードT0に、すなわち、感光センサーPDの第2端及び前記抵抗Rの第1端に接続されるために用いられる。第1スイッチトランジスタT1の第2端はコンデンサCの第1端に接続され、コンデンサCの第2端は接地される。保持回路222における第1スイッチトランジスタT1の制御端は保持信号Holdingを受信していない場合、第1スイッチトランジスタT1は遮断状態となり、第1分圧ノードT0からの第1電気信号を受信しない。一方、保持回路222における第1スイッチトランジスタT1の制御端は保持信号Holdingを受信した場合、第1スイッチトランジスタT1は導通状態となり、コンデンサCの第1端は第1スイッチトランジスタT1を介して感光センサーPDの第2端と前記抵抗Rの第1端とに接続され、コンデンサCは、第1分圧ノードT0からの第1電気信号を受信して、第1電気信号の電位情報を記憶することができる。
【0026】
リセット回路223は、第2スイッチトランジスタT2を含む。第2スイッチトランジスタT2の制御端はリセット信号Rstを受信するために用いられ、第2スイッチトランジスタT2の第1端は第2電位信号VHを受信するために用いられ、第2スイッチトランジスタT2の第2端はコンデンサCの第1端に接続される。リセット回路223における第2スイッチトランジスタT2の制御端はリセット信号Rstを受信していない場合、第2スイッチトランジスタT2は遮断状態となり、保持回路222をリセットしないが、リセット回路223における第2スイッチトランジスタT2の制御端はリセット信号Rstを受信した場合、第2スイッチトランジスタT2は導通状態となり、コンデンサCの第1端は第2スイッチトランジスタT2を介して第2電位信号VHに接続されることができ、この場合、コンデンサCの両端の第2電位信号VHと接地点とで共にコンデンサCに記憶された電位情報をリセットし、コンデンサCの電荷を接地点から放出する方式でコンデンサCに記憶された電位情報をクリアし、コンデンサCに残った電荷がコンデンサCにおける第1電気信号情報の記憶に影響を与えることを防止する。
【0027】
走査回路224は、第4スイッチトランジスタT3及び第3スイッチトランジスタT4を含む。第4スイッチトランジスタT3の制御端は走査信号Selectを受信するために用いられ、第3スイッチトランジスタT4の制御端は第1スイッチトランジスタT1の第2端に接続され、第4スイッチトランジスタT3の第1端はデータ信号を受信するために用いられ、第4スイッチトランジスタT3の第2端は第3スイッチトランジスタT4の第1端に接続され、第3スイッチトランジスタT4の第2端は第2電気信号D-outを出力するために用いられる。このように、走査回路224における第4スイッチトランジスタT3の制御端は走査信号Selectを受信していない場合、第4スイッチトランジスタT3は遮断状態となり、走査回路224は第2電気信号(電気信号D-out)を出力しない。一方、走査回路224における第4スイッチトランジスタT3の制御端は走査信号Selectを受信した場合、第4スイッチトランジスタT3は導通状態となり、第3スイッチトランジスタT4は保持回路に記憶された第1分圧ノードT0での電位情報を受信することにより、第1端のデータ信号Data及び制御端の第1電気信号に基づき、第2電気信号D-outを出力することができ、出力された第2電気信号は具体的に指紋認識回路の対応する位置の指紋情報を指示するために使用されることができる。
【0028】
いくつかの実施例では、本願により提供される第3スイッチトランジスタT4は薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFTと略称)であってもよく、例えば、P型TFTであってもよい。この場合、感光センサーPDは検知された光信号に基づいて第1電気信号を生成するとき、得られた第1分圧ノードT0にある第1電気信号(電圧値及び電流値)は小さくなり、例えば、感光センサーPDは光を検出していない場合、第1分圧ノードT0での電圧は-3Vとなり、感光センサーPDは光抵抗の変化を検出した後、第1分圧ノードT0での電圧は-6Vとなり、その前後において第1分圧ノードT0での電圧は-3V変化し、つまり、第1分圧ノードT0において光を検出した状態及び検出していない状態という2つの異なる状態下で出力された電圧の変化範囲(-6Vないし-3V)の絶対値は3であり、当該変化範囲が小さいため、この後第1分圧ノードT0での電圧及び/又は電流に基づいて指紋認識を行うとき、信号対雑音比がより大きくなり、誤判断の確率が高くなる。したがって、本願の実施例では、第3スイッチトランジスタT4のP型TFTのIV特性を利用して、T0点の電圧値をTFTのゲート入力電圧とすることにより、当該TFTのゲート電圧は小さく変化したとしても、TFTの第1端から入力されたデータ信号Dataの直流電流の駆動下で、TFTの第2端から出力された第2電気信号D-outの電流は大きく変化することができる。すなわち、本願により提供される走査回路224に配置された第3スイッチトランジスタT4は、光検知回路221が取得した第1分圧ノードでの比較的小さい第1電気信号に対して増幅処理を行い、増幅された第2電気信号D-outを取得した後に出力し、すなわち、第1電気信号の電圧及び/又は電流を増幅した後に比較的大きい電圧及び/又は電流の第2電気信号を出力することができる。このように、この後、走査回路224から出力された増幅された電圧及び/又は電流を有する第2電気信号を用いて指紋認識を行うとき、第2電気信号D-outの増幅された電圧及び/又は電流により、異なる位置の指紋による光の反射をより明瞭に指示することができ、ひいては指紋認識の正確さを向上させる。
【0029】
いくつかの実施例では、第1電気信号を電圧信号とし、第2電気信号を電流信号とすることを例にして、
図6は、本願により提供される第3スイッチトランジスタT4のIV曲線の概略図であり、
図6に示される横座標は第3スイッチトランジスタT4のゲート電圧であり、縦座標は出力された電気信号D-outの電流段数であり、各線は、データ信号Dataの異なる電圧に応じた、第3スイッチトランジスタT4のゲート電圧の変化に起因する走査回路224から出力された第2電気信号D-outの電流段数の変化を表し、例えば、番号1の曲線は、第3スイッチトランジスタT4が0.1電圧のデータ信号Dataを受信したとき、そのゲートが受信した電圧が-30V~0V程度の変化を見せた場合、出力された第2電気信号D-outの電流段数が-11~-4の間で変化することを指示する。これに応じて、番号2の曲線は、データ信号Dataの電圧が-1Vである場合に対応し、番号3の曲線は、データ信号Dataの電圧が-5Vである場合に対応し、番号4の曲線は、データ信号Dataの電圧が-10Vである場合に対応するなどが挙げられる。
【0030】
第3スイッチトランジスタT4が受信したデータ信号Dataの電圧が-5Vである場合を例にすると、
図6の番号3の曲線から分かるように、曲線上のS1点において、感光センサーPDは光を検出していないとき、第1分圧ノードT0点での電圧は-3Vとなり、第3スイッチトランジスタT4が受信した電圧は-3Vであるとき、第3スイッチトランジスタT4から出力された第2電気信号D-outの電流は約10
-10から10
-9Aとなる。一方、曲線上のS2点において、感光センサーPDは光抵抗の変化を検出した後、第1分圧ノードT0での電圧は-3Vから-6Vに変化して、そして、T0点での-6V電圧を第1電気信号として第3スイッチトランジスタT4のゲートに入力した後、このとき、第3スイッチトランジスタT4から出力された第2電気信号D-outの電流は約10
-8から10
-7Aとなる。したがって、第1分圧ノードT0において光を検出した状態及び検出していない状態という2つの異なる状態下で出力された電圧の変化範囲(-6Vないし-3V)の絶対値は3Vであり、2倍変化の変化関係のみに対応し、この後、依然として第3スイッチトランジスタT4に基づいて電圧を増幅して、最終的に電流変化範囲(100倍)が増幅された第2電気信号D-outを出力することができ、このように、出力された第2電気信号D-outに基づいて指紋認識を行うとき、信号対雑音比はより小さくなり、誤判断の確率はより低くなる。いくつかの実施例では、第2電気信号D-outの変化した電流は、50倍の電圧変化に対応することができ、第1分圧ノードT0での電圧の変化範囲をはるかに超えている。
【0031】
いくつかの実施例では、本願により提供される第1スイッチトランジスタT1、第2スイッチトランジスタT2、第4スイッチトランジスタT3、及び第3スイッチトランジスタT4はいずれもTFTであってもよい。又は、本願により提供される第1スイッチトランジスタT1、第2スイッチトランジスタT2、第4スイッチトランジスタT3、及び第3スイッチトランジスタT4は導通と遮断の機能を有する他のタイプのスイッチトランジスタであってもよく、本願は、スイッチトランジスタの具体的な実装を限定しない。
【0032】
以上のように、本願の実施例により提供される指紋認識回路、ディスプレイパネル及びその制御方法は、光検知回路が、検知された指で反射した光信号に基づいて第1電気信号を生成した後、保持回路に第1電気信号の電圧情報を記憶して、走査回路により保持回路に記憶された電圧情報に基づいて指紋認識に用いられる第2電気信号を出力することにより、1、光検知回路が、検知された光信号を第1分圧ノードの第1電気信号に変換し、走査回路により第1分圧ノードでの比較的小さい電圧及び/又は電流に応じて増幅された電圧及び/又は電流を有する第2電気信号を出力することができ、それによって、指紋認識回路から出力される信号の強度及び信号対雑音比は向上し、この後走査回路から出力された電流に基づいて指紋認識を行う正確さは向上するという技術的効果、及び、2、保持回路は、光検知回路が短時間内に光信号に基づいて生成した第1電気信号の電位情報を記憶することができ、これによって、光学指紋認識素子における指紋認識回路が数多く配置されたとしても、処理ユニットはすべての指紋認識回路から出力された第2電気信号を収集するとき、走査回路は保持回路に記憶された第1電気信号に基づいて情報第2電気信号を出力することができ、ひいては光学指紋認識素子でのより大面積でより高密度な指紋認識回路の設計をサポートすることができるという技術的効果を達成することができる。
【0033】
いくつかの実施例では、
図7は、本願により提供される指紋認識回路の別の実施例の回路構造概略図であり、
図7に示される指紋認識回路は、
図5に示される実施例に基づき、スイッチ回路225をさらに備える。スイッチ回路225は、オン状態とオフ状態の切り換えによって、光検知回路221が検知された光信号に基づいて第1分圧ノードの第1電気信号を生成できるか否かを制御するために用いられる。例えば、スイッチ回路225は導通されると、光検知回路221は検知された光信号に基づいて第1電気信号を生成し、この後、走査回路224は第2電気信号を出力することができるが、スイッチ回路225は遮断されると、光検知回路221は検知された光信号に基づいて第1電気信号を生成することができなくなり、走査回路224は第2電気信号を出力しなくなる。
【0034】
いくつかの実施例では、
図7に示されるスイッチ回路225は、第5スイッチトランジスタT5及び第6スイッチトランジスタT6を備える。第5スイッチトランジスタT5を感光センサーPDの第1端に配置し、第6スイッチトランジスタT6を抵抗Rの第2端に配置することにより、感光センサーPDの第1端は第5スイッチトランジスタT5を介して第1電位信号VLを受信し、抵抗Rの第2端は第6スイッチトランジスタT6を介して第2電位信号VHを受信する。第5スイッチトランジスタT5及び第6スイッチトランジスタT6は、制御信号の制御下で、同時に導通されるか又は同時に遮断されることができる。いくつかの実施例では、スイッチ回路225における第5スイッチトランジスタT5及び第6スイッチトランジスタT6の導通を制御する制御信号V-Dotは、処理ユニット23から送信されてもよいし、又は、電子機器20における他の制御素子、ソフトウェアシステムにおけるアプリケーションプログラムなどから送信されてもよい。
【0035】
第5スイッチトランジスタT5と第6スイッチトランジスタT6は同時に導通されると、スイッチ回路225は導通されるが、第5スイッチトランジスタT5と第6スイッチトランジスタT6は同時に遮断されると、スイッチ回路225は遮断される。例えば、第5スイッチトランジスタT5と第6スイッチトランジスタT6は、制御信号を受信して導通された後、感光センサーPDの第1端は第5スイッチトランジスタT5を介して第1電位信号VLを受信することができ、抵抗Rの第2端は第6スイッチトランジスタT6を介して第2電位信号VHを受信することができ、光検知回路221は検知された光信号に基づいて第1電気信号を生成することができ、このように、この後当該指紋認識回路の走査回路224は、走査信号を受信した後、第2電気信号を出力することにより、指紋認識回路全体を動作状態にさせることができる。一方、第5スイッチトランジスタT5と第6スイッチトランジスタT6は制御信号を受信しておらず遮断されるとき、感光センサーPDと抵抗Rは第1電位信号と第2電位信号を受信することができず、光検知回路221は第1電気信号を生成することができないため、当該指紋認識回路は電圧を出力せず、これによって、指紋認識回路全体は動作状態でなくなる。
【0036】
したがって、
図7に示される実施例では、指紋認識回路にスイッチ回路を追加することにより、指紋認識回路全体は、制御信号によって制御を実現し、指紋認識中に差別化したイネーブルメントを発揮するとともに、指紋認識回路は第2電気信号を出力する必要がある場合、スイッチ回路をオンにして指紋認識回路が第2電気信号を出力できるようにするが、必要がない場合、スイッチ回路をオフにして、指紋認識回路が第2電気信号を出力できないようにすることにより、指紋認識回路における無効な信号処理プロセス及び無効な消費電力を節約し、当該光学指紋認識素子を使用して指紋認識を行うときに必要な全体の信号量を増加させ、消費電力を低下させる。
【0037】
いくつかの実施例では、
図8は、本願により提供される光学指紋認識素子の1つの実施例の構造概略図であり、
図8に示される光学指紋認識素子は複数の指紋認識回路を備え、各指紋認識回路はいずれも
図5又は
図7に示される回路構造を採用して実装され、行列の形式でP11、P12……のように配置される。
【0038】
本願は、
図1に示される電子機器20に適用され得る電子機器の制御方法をさらに提供し、光学指紋認識素子22は
図8に示される構造を採用して、各指紋認識回路220はいずれも
図5又は
図7に示される構造を採用する場合、処理ユニット23により電子機器20のディスプレイパネルに含まれる光学指紋認識素子22における複数の指紋認識回路220を制御する。例えば、
図9は、本願により提供される電子機器の制御方法の1つの実施例のタイミング図であり、
図9を参照すると、本願により提供される電子機器の制御方法は、S100~S104を含む。
【0039】
S100では、光学指紋認識素子の複数の指紋認識回路のうち、少なくとも1つの目標指紋認識回路のスイッチ回路に制御信号を送信し、目標指紋認識回路の数が光学指紋認識素子内のすべての指紋認識回路の数より小さい。処理ユニットは、
図8に示されるt1時刻の前に制御信号を送信して、次の周期のt1時刻まで続けることができる。
【0040】
S101では、少なくとも1つの目標指紋認識回路における光検知回路に第1電位信号と第2電位信号とを送信する。処理ユニットは、
図8に示されるt1時刻に、各指紋認識回路の光検知回路に第1電位信号と第2電位信号とを送信して、指紋認識回路の次の走査周期前のt10時刻まで続けることができる。この場合、各指紋認識回路の光検知回路は、第1電位信号と第2電位信号とを受信した後、検知された光信号に基づいて第1電気信号を生成することができる。いくつかの実施例では、第1電位信号VLはローレベルとし、第2電位信号VHはハイレベルとする。
【0041】
S102では、少なくとも1つの目標指紋認識回路におけるリセット回路にリセット信号を送信する。処理ユニットは、
図9に示されるt1の後のt2時刻に、各指紋認識回路のリセット回路にリセット信号を送信して、t3時刻の前のt20時刻まで続けることができ、この場合、各リセット回路はリセット信号を受信した後、t2時刻の前に記憶された電位情報を削除する。いくつかの実施例では、リセット回路における第2スイッチトランジスタT2はP型TFTである場合、
図9に示されるリセット信号Rstはローレベル信号とする。
【0042】
S103では、少なくとも1つの目標指紋認識回路における保持回路に保持信号を送信する。処理ユニットは、
図9に示されるt2の後のt3時刻に、各指紋認識回路の保持回路に保持信号を送信して、t4時刻の前のt30時刻まで続けることができ、この場合、各保持回路は、保持信号を受信した後、第1分圧ノードが記憶されている第1電気信号情報を受信することができる。いくつかの実施例では、保持回路における第1スイッチトランジスタT1はP型TFTである場合、
図9に示される保持信号Holdingはローレベル信号とする。
【0043】
S104では、行ごとに走査することにより、各行の目標指紋認識回路における走査回路に走査信号を順次送信し、例えば、
図9に示されるt4時刻に、一行の指紋認識回路に行ごとの走査信号Selectを送信して、t40時刻まで続け、t4時刻とt40時刻との間の時間帯において、処理ユニットはさらに、当該行の画素における各列の目標指紋認識回路における走査回路にハイレベルのデータ信号Dataを順次送信し、走査回路における第4スイッチトランジスタT3はP型TFTである場合、
図9に示される走査信号Selectはローレベル信号となり、最終的に
図9に示されるt4-t40時刻の間にハイレベルのデータ信号Dataが送信されるたびに対応する時刻に、処理ユニットは当該一行及び一列の指紋認識回路から出力されたハイレベルの第2電気信号D-outを受信することができる。第2電気信号D-outの電流と電圧との大小関係は、
図6に示される概略図を参照することができる。
【0044】
例えば、
図11は、本願により提供される電子機器の制御方法の別の実施例のタイミング図であり、一行の目標指紋認識回路における走査回路に送信される走査信号Selectが持続するt4-t40時刻内に、当該行にn個の走査回路があると仮定する場合、t5時刻において当該行の第1個の指紋認識回路の走査回路にデータ信号Data1を送信してt50時刻まで続けると同時に、当該第1個の指紋認識回路から出力されたD-out1を受信し、そして、t50時刻において当該行の第2個の指紋認識回路の走査回路にデータ信号Data2を送信してt51時刻まで同じ時間続けると同時に、当該第2個の指紋認識回路から出力されたD-out2を受信し、これによって類推し、t5n-1時刻において当該行の第n個の指紋認識回路の走査回路にデータ信号Datanを送信してt40時刻まで同じ時間続けると同時に、当該第n個の指紋認識回路から出力されたD-outnを受信するまで行う。この後、S104の
図11に示される上記のプロセスを重複して、そして、次の行の目標指紋認識回路における走査回路に走査信号Selectを送信して、走査信号Selectの持続時間内に、当該次の行の目標指紋認識回路における各列の目標指紋認識回路の走査回路にハイレベルのデータ信号Dataを引き続き、すべての行の目標指紋認識回路から出力された第2電気信号D-outが受信されるまで、順次送信する。
【0045】
なお、
図9は、電子機器の制御方法の1つの実施例のタイミング図を示しており、指には凹凸の異なる領域があり、突起した領域で反射した光が強いため、指の突起した領域に対応する指紋認識回路はt5時刻の後に
図9に示されるハイレベルの第2電気信号D-outを出力することができる。一方、指の凹んだ領域で反射した光が弱いため、光検知回路は第1電気信号を出力せず、この場合、走査回路は走査信号を受信したとしても第2電気信号D-outを出力せず、その波形図を
図10に示し、
図10は、本願により提供される電子機器の制御方法の別の実施例のタイミング図であり、
図10から分かるように、当該指紋認識回路はt5時刻の後にその出力端がいずれもローレベルとなり、ハイレベルの第2電気信号D-outを出力しない。
【0046】
最終的には、処理ユニットは、光学指紋認識素子における複数の指紋認識回路から出力された第2電気信号をすべて取得した後、第2電気信号の電圧及び/又は電流の大小に基づいて複数の指紋認識回路の上方の指の指紋の画像をすべて決定して、この後の指紋認識処理を行う。例えば、指紋認識回路は
図9に示される第2電気信号D-outを出力したと決定した場合、当該指紋認識回路の上方は指紋の突起した部分であると決定するが、指紋認識回路は
図10に示される第2電気信号D-outを出力したと決定した場合、指紋認識回路の上方は指紋の凹んだ部分であると決定する。本願の実施例における電子機器の制御方法を実行するときの各指紋認識回路の動作方式及び原理は、指紋認識回路に関する前記した説明を参照することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0047】
図12は、本願により提供される光学指紋認識素子の1つの応用シーンの概略図であり、
図12に示される光学指紋認識素子には
図7に示される指紋認識回路を複数備える場合、仮にこのとき破線枠での指紋認識回路の一部であるP22、P23、P32及びP33によってのみ指紋認識を行う必要があると想定すると、処理ユニット23により当該指紋認識回路の一部のスイッチ回路に制御信号を送信することができ、このように、P22、P23、P32、及びP33という4つの指紋認識回路のイネーブル回路における第5スイッチトランジスタT5と第6スイッチトランジスタT6は導通され、通常通りに第2電気信号を出力することができ、この後この4つの指紋認識回路から出力された第2電気信号のみに基づいて指紋認識を行なえばよい。一方、他の指紋認識回路のスイッチ回路は制御信号を受信しておらず、第5スイッチトランジスタT5と第6スイッチトランジスタT6は導通されていないため、第2電気信号を出力しない。したがって、本実施例の応用シーンでは、異なる指紋認識回路を選択的に制御することを制御信号によって実現し、認識する必要がある領域内の指紋認識回路を導通して第2電気信号を出力するように制御することができ、認識する必要がない領域の画素回路は第2電気信号を出力しないため、無効な信号処理プロセス及び無効な消費電力は節約され、当該光学指紋認識素子を使用して指紋認識を行うときに必要な全体の信号量は増加し、消費電力は低下すると同時に、当該光学指紋認識素子を使用した電子機器の差別化認識の設定に寄与する。
【0048】
当業者であれば、上記の方法の実施例を実現するステップの全部又は一部が、プログラム命令に関連するハードウェアによって実行され得ることを理解することができる。前記したプログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され得る。当該プログラムは実行されるとき、上記の各方法の実施例を含むステップは実行される。前記した記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスクまたは光ディスクなどプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0049】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものであって、それを制限するものではなく、前述した各実施例を参照しながら本願を詳細に説明しているが、当業者であれば、依然として前述した各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱しないと理解すべきである。
【0050】
本願は2021年8月12日に中国特許局に提出された、出願番号が202110924831.8で、出願の名称が「指紋認識回路、ディスプレイパネル及びその制御方法」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
第3態様では、本願は、本願第2態様により提供されるディスプレイパネルを制御することに適用される、電子機器の制御方法を提供し、当該方法は、前記光学指紋認識素子の複数の指紋認識回路のうちの少なくとも1つの目標指紋認識回路の光検知回路に第1電位信号と第2電位信号とを送信することと、前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の光検知回路に第1電位信号と第2電位信号とを送信することと、前記少なくとも1つの目標指紋認識回路のリセット回路にリセット信号を送信することと、前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の保持回路に保持信号を送信することと、前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の各行の走査回路に走査信号を順次送信して、当該行の走査回路における各列の走査回路にデータ信号を順次送信し、各行及び各列の目標指紋認識回路から出力された第2電気信号を取得することと、を含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本願の実施例又は従来の技術の解決手段をより明確に説明するため、以下、実施例又は従来の技術の記述において使用する必要がある図面を簡単に説明する。当然ながら、以下、記載する図面は本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を想到しうる。
【
図1】本願により提供される
指紋認識回路が適用されるシーンの概略図である。
【
図2】本願により提供される光学指紋認識素子の構造概略図である。
【
図3】本願により提供される指紋認識回路の1つの実施例の構造概略図である。
【
図4】本願により提供される指紋認識回路の信号インタラクションのフローチャートである。
【
図5】本願により提供される指紋認識回路の1つの実施例の回路構造概略図である。
【
図6】本願により提供される第3スイッチトランジスタのIV曲線の概略図である。
【
図7】本願により提供される指紋認識回路の別の実施例の回路構造概略図である。
【
図8】本願により提供される光学指紋認識素子の1つの実施例の構造概略図である。
【
図9】本願により提供される電子機器の制御方法の1つの実施例のタイミング図である。
【
図10】本願により提供される電子機器の制御方法の別の実施例のタイミング図である。
【
図11】本願により提供される電子機器の制御方法の別の実施例のタイミング図である。
【
図12】本願により提供される光学指紋認識素子の1つの応用シーンの概略図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図1は、本願により提供される
指紋認識回路が適用されるシーンの概略図であり、
本願の実施例における指紋認識回路は、指紋画素回路とも呼ばれる。図1に示されるシーンでは、電子技術の発展に伴い、携帯電話、タブレットコンピュータなどの電子機器20に配置されているディスプレイスクリーンはますます大きくなっており、電子機器20のディスプレイスクリーンの表示効果を高めるために、一部の電子機器20はそのディスプレイ側の全体にディスプレイスクリーン21を配置して、他の物理ボタンを配置しない。この場合、電子機器20はユーザ10の指の指紋を認識する必要があり、これによって、指紋ロック解除、指紋認証などの機能を実現する。1つの方法として、電子機器20は、ディスプレイスクリーン21の下方に光学指紋認識素子22を隠れて配置し、ユーザ10の指がディスプレイスクリーンの指定領域に密着しているとき、ディスプレイスクリーン21が発する光は指に照射し、指紋の凹凸が光を反射する強度は異なるため、光学指紋認識素子22は指で反射した光を収集した後、電子機器20における処理ユニット23は収集された光情報に基づいて指紋認識を行う。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
リセット回路223は、保持回路222が第1分圧ノードでの第1電気信号の電位情報を記憶する前に、保持回路222に記憶された電位情報を削除し、この前に記憶された電位情報が第1分圧ノードでの第1電気信号の電位情報を干渉することを防止するために用いられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
走査回路224は、保持回路222に記憶された第1電気信号の電位情報に基づいて第2電気信号を出力するために用いられ、走査回路224から出力された第2電気信号が第1電気信号を増幅した電気信号である。第2電気信号の電圧及び/又は電流は第1分圧ノードでの第1電気信号の電圧及び/又は電流よりも大きい。走査回路224から出力された第2電気信号は、指紋認識回路220の対応する位置の指紋情報を指示するために用いられ、走査回路224は、第2電気信号を電子機器20における処理ユニット23に出力することができ、処理ユニット23は、すべての指紋認識回路220から出力された第2電気信号を受信した後、すべての指紋認識回路220により提供される第2電気信号に基づいて対応する位置の指紋情報を決定して、この後の指紋認識処理を行うことができ、本願は、処理ユニット23の第2電気信号に対するこの後の処理を限定しない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
リセット回路223は、第2スイッチトランジスタT2を含む。第2スイッチトランジスタT2の制御端はリセット信号Rstを受信するために用いられ、第2スイッチトランジスタT2の第1端は第2電位信号VHを受信するために用いられ、第2スイッチトランジスタT2の第2端はコンデンサCの第1端に接続される。リセット回路223における第2スイッチトランジスタT2の制御端はリセット信号Rstを受信していない場合、第2スイッチトランジスタT2は遮断状態となり、保持回路222をリセットしないが、リセット回路223における第2スイッチトランジスタT2の制御端はリセット信号Rstを受信した場合、第2スイッチトランジスタT2は導通状態となり、コンデンサCの第1端は第2スイッチトランジスタT2を介して第2電位信号VHに接続されることができ、この場合、コンデンサCの両端の第2電位信号VHと接地点とで共にコンデンサCに記憶された電位情報をリセットし、コンデンサCの電荷を接地点から放出する方式でコンデンサCに記憶された電位情報をクリアし、コンデンサCに残った電荷がコンデンサCにおける第1電気信号の電位情報の記憶に影響を与えることを防止する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
S103では、少なくとも1つの目標指紋認識回路における保持回路に保持信号を送信する。処理ユニットは、
図9に示されるt2の後のt3時刻に、各指紋認識回路の保持回路に保持信号を送信して、t4時刻の前のt30時刻まで続けることができ、この場合、各保持回路は、保持信号を受信した後、第1分圧ノードが記憶されている第1電気信号
の電位情報を受信することができる。いくつかの実施例では、保持回路における第1スイッチトランジスタT1はP型TFTである場合、
図9に示される保持信号Holdingはローレベル信号とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
S104では、行ごとに走査することにより、各行の目標指紋認識回路における走査回路に走査信号を順次送信し、例えば、
図9に示されるt4時刻に、一行の指紋認識回路に行ごとの走査信号Selectを送信して、t40時刻まで続け、t4時刻とt40時刻との間の時間帯において、処理ユニットはさらに、当該行の
目標指紋認識回路における走査回路における
、各列の目標指紋認識回路における走査回路にハイレベルのデータ信号Dataを順次送信し、走査回路における第4スイッチトランジスタT3はP型TFTである場合、
図9に示される走査信号Selectはローレベル信号となり、最終的に
図9に示されるt4-t40時刻の間にハイレベルのデータ信号Dataが送信されるたびに対応する時刻に、処理ユニットは当該一行及び一列の指紋認識回路から出力されたハイレベルの第2電気信号D-outを受信することができる。第2電気信号D-outの電流と電圧との大小関係は、
図6に示される概略図を参照することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
図12は、本願により提供される光学指紋認識素子の1つの応用シーンの概略図であり、
図12に示される光学指紋認識素子には
図7に示される指紋認識回路を複数備える場合、仮にこのとき破線枠での指紋認識回路の一部であるP22、P23、P32及びP33によってのみ指紋認識を行う必要があると想定すると、処理ユニット23により当該指紋認識回路の一部のスイッチ回路に制御信号を送信することができ、このように、P22、P23、P32、及びP33という4つの指紋認識回路の
スイッチ回路における第5スイッチトランジスタT5と第6スイッチトランジスタT6は導通され、通常通りに第2電気信号を出力することができ、この後この4つの指紋認識回路から出力された第2電気信号のみに基づいて指紋認識を行なえばよい。一方、他の指紋認識回路のスイッチ回路は制御信号を受信しておらず、第5スイッチトランジスタT5と第6スイッチトランジスタT6は導通されていないため、第2電気信号を出力しない。したがって、本実施例の応用シーンでは、異なる指紋認識回路を選択的に制御することを制御信号によって実現し、認識する必要がある領域内の指紋認識回路を導通して第2電気信号を出力するように制御することができ、認識する必要がない領域の
指紋認識回路は第2電気信号を出力しないため、無効な信号処理プロセス及び無効な消費電力は節約され、当該光学指紋認識素子を使用して指紋認識を行うときに必要な全体の信号量は増加し、消費電力は低下すると同時に、当該光学指紋認識素子を使用した電子機器の差別化認識の設定に寄与する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検知回路、保持回路、走査回路、及びリセット回路を備える指紋認識回路であって、前記光検知回路は、前記保持回路を介して前記走査回路と前記リセット回路とに接続され、
前記光検知回路は、検知された光信号に基づいて第1電気信号を生成するように構成されており、
前記保持回路は、前記第1電気信号の電位情報を記憶するように構成されており、
前記走査回路は、前記保持回路に記憶された前記第1電気信号を増幅して、前記指紋認識回路の対応する位置の指紋情報を指示するように構成されている第2電気信号を出力するように構成されており、
前記リセット回路は、前記保持回路が前記第1電気信号を記憶する前に、前記保持回路に記憶された電気信号を削除するように構成されている、指紋認識回路。
【請求項2】
前記光検知回路は、
感光センサー及び抵抗を備え、前記感光センサーの第1端は第1電位信号を受信するように構成されており、前記感光センサーの第2端は前記抵抗の第1端に接続され、前記抵抗の第2端は第2電位信号を受信するように構成されており、
前記光検知回路は、前記感光センサーの第1端が前記第1電位信号を受信し、前記抵抗の第2端が前記第2電位信号を受信して、且つ前記感光センサーの抵抗値が検知された光信号に応じて変化した後、前記感光センサーの第2端の電気信号又は前記抵抗の第1端の電気信号を、前記第1電気信号とするように構成される、請求項1に記載の指紋認識回路。
【請求項3】
前記保持回路は、
コンデンサ及び第1スイッチトランジスタを備え、前記第1スイッチトランジスタの制御端は保持信号を受信するように構成されており、前記第1スイッチトランジスタの第1端は前記感光センサーの第2端と前記抵抗の第1端とに接続されるように構成されており、前記第1スイッチトランジスタの第2端は前記コンデンサの第1端に接続され、前記コンデンサの第2端は接地され、
前記保持回路は、前記保持信号を受信するとき、前記第1電気信号の電位情報を前記コンデンサに記憶するように構成されている、請求項2に記載の指紋認識回路。
【請求項4】
前記リセット回路は、
第2スイッチトランジスタを備え、前記第2スイッチトランジスタの制御端はリセット信号を受信するように構成されており、前記第2スイッチトランジスタの第1端は前記第2電位信号を受信するように構成されており、前記第2スイッチトランジスタの第2端は前記コンデンサの第1端に接続され、
前記リセット回路は、前記リセット信号を受信した後、前記コンデンサの第1端が前記第2電位信号に接続されることを制御するように構成されている、請求項3に記載の指紋認識回路。
【請求項5】
前記走査回路は、
第3スイッチトランジスタ
及び/又は第4スイッチトランジスタを備え、
前記第3スイッチトランジスタの制御端は前記保持回路に記憶された第1電気信号を受信するように構成されており、前記第3スイッチトランジスタの第1端はデータ信号を受信するように構成されており、前記第3スイッチトランジスタの第2端は前記第2電気信号を出力するように構成されており、
前記第3スイッチトランジスタは、前記保持回路に記憶された第1電気信号の制御下で、前記データ信号を受信して前記第2電気信号を出力するように構成され
、
前記第4スイッチトランジスタの制御端は走査信号を受信するように構成されており、前記第4スイッチトランジスタの第1端はデータ信号を受信するように構成されており、前記第4スイッチトランジスタの第2端は前記第3スイッチトランジスタの第1端に接続され、
前記第4スイッチトランジスタは、前記走査信号を受信して導通された後、前記データ信号を受信して、前記第3スイッチトランジスタの第1端に前記データ信号を出力するように構成されている、請求項4に記載の指紋認識回路。
【請求項6】
前記指紋認識回路は、スイッチ回路をさらに備え、
前記スイッチ回路は、第5スイッチトランジスタ及び第6スイッチトランジスタを備え、前記第5スイッチトランジスタと前記第6スイッチトランジスタの制御端は制御信号を受信するように構成されており、
前記第5スイッチトランジスタと前記第6スイッチトランジスタは、前記制御信号に基づいて導通されると、前記感光センサーの第1端は前記第5スイッチトランジスタを介して前記第1電位信号を受信し、前記抵抗の第2端は前記第6スイッチトランジスタを介して前記第2電位信号を受信する、請求項2に記載の指紋認識回路。
【請求項7】
前記スイッチトランジスタは、薄膜トランジスタ(TFT)を含む、請求項6に記載の指紋認識回路。
【請求項8】
光学指紋認識素子を備えるディスプレイパネルであって、前記光学指紋認識素子は、行列状に分布されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の指紋認識回路を複数備え、
前記光学指紋認識素子は前記ディスプレイパネルのアレイ膜層に配置されるか、又は、前記光学指紋認識素子は前記ディスプレイパネルのアレイ膜層と基板との間に配置されるか、又は、前記光学指紋認識素子は前記基板の前記アレイ膜層と反対する側に配置されるか、又は、前記光学指紋認識素子は前記アレイ膜層の前記基板と反対する側に配置される、ディスプレイパネル。
【請求項9】
請求項8に記載のディスプレイパネルを制御するために使用できる、ディスプレイパネルの制御方法であって、
複数の指紋認識回路のうちの少なくとも1つの目標指紋認識回路の光検知回路に第1電位信号と第2電位信号とを送信することと、
前記少なくとも1つの目標指紋認識回路のリセット回路にリセット信号を送信することと、
前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の保持回路に保持信号を送信することと、
前記少なくとも1つの目標指紋認識回路の各行の走査回路に走査信号を送信して、当該行の走査回路における各列の走査回路にデータ信号を送信し、各行及び各列の目標指紋認識回路から出力された第2電気信号を取得することと、を含む、ディスプレイパネルの制御方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの目標指紋認識回路のスイッチ回路に制御信号を送信することをさらに含み、前記目標指紋認識回路の数が前記光学指紋認識素子における前記指紋認識回路の数より小さい、請求項9に記載の方法。
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】