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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】リサイクル管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/30 20230101AFI20240126BHJP
【FI】
G06Q10/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545808
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 IL2022050133
(87)【国際公開番号】W WO2022168082
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/144,546
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518274043
【氏名又は名称】セキュリティ マターズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SECURITY MATTERS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】アロン,ハッガイ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
複数の製造者および複数のリサイクル業者が関与するサイクルにおいてプラスチック材料のユニットを管理する技術が提供され、各所与のユニットは、所与のユニットに関連付けられ、その1つまたは複数の特性の情報を持つ、抽出可能なマーク情報データを有するマークを担持する。この技術は、各リサイクル業者について以下を含む:プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、それによってリサイクルされたプラスチック材料の量および品質を追跡する工程;リサイクルされたプラスチック材料の量に従って1つまたは複数の新しいプラスチックトークンを割り当てる工程、および、そこに割り当てられたプラスチックトークンの数を追跡する工程。各製造業者について、プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、それによって使用されたバージンプラスチックの量を追跡する工程;それに割り当てられたプラスチックトークンの数を追跡し、使用されたバージンプラスチック材料の量に従って、割り当てられたプラスチックトークンの数を削減する工程。この技術はさらに、割り当てられたプラスチックトークンをプラスチッククレジットに変換することを可能にする工程を含み、各プラスチッククレジットは、特定のリサイクル業者または製造業者に関連付けられ、プラスチックトークンは、特定の量のバージンプラスチック材料を生産する際に使用する権利を表すデジタル証明書であり、プラスチッククレジットは、その収益化された価値に関連付けられたプラスチックトークンである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の製造業者および複数のリサイクル業者が関与するサイクルにおいて、プラスチック材料のユニットを管理する方法であって、各所与のユニットは、該所与のユニットに関連付けられ、その1つまたは複数の特性の情報を持つ、抽出可能なマーク情報データを有するマークを担持し、前記方法は、
前記プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、前記複数のリサイクル業者のうちの各リサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の量および品質を追跡する工程;
各リサイクル業者について、少なくともそれによってリサイクルされる前記プラスチック材料の量に従って1つまたは複数の新しいプラスチックトークンを割り当て、そこに割り当てられるプラスチックトークンの数を追跡する工程であって、特定の量のリサイクルされた前記プラスチック材料に対して割り当てられる新しいプラスチックトークンの量は、事前に設定された「割り当て変換率」によって定義される、工程;
前記プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、前記複数の製造業者のうちの各製造業者によって使用されたバージンプラスチックの量を追跡する工程;
各製造業者について、それに割り当てられたプラスチックトークンの数を追跡し、少なくともそれによって使用されたバージンプラスチック材料の量に従って、割り当てられたプラスチックトークンの数を削減する工程であって、特定の量のバージンプラスチック材料を使用することによって削減されたプラスチックトークンの量は、事前に設定された「削減変換率」によって定義される、工程;および
前記割り当てられたプラスチックトークンをプラスチッククレジットに変換することを可能にする工程であって、各プラスチッククレジットは、特定のリサイクル業者または製造業者に関連付けられ、プラスチックトークンは、特定の量のバージンプラスチック材料を生産する際に使用する権利を表すデジタル証明書であり、プラスチッククレジットは、その収益化された価値に関連付けられたプラスチックトークンである、工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の新しいプラスチックトークンはさらに、それによってリサイクルされた前記プラスチック材料の品質に従って割り当てられ、各所与のリサイクル業者に割り当てられたプラスチックトークンの数を追跡し、前記品質は、プラスチックの種類、リサイクル操作の種類、リサイクル操作の数、および以前のリサイクルサイクルの少なくとも1つによって特徴付けられ得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記割り当て変換率が、前記リサイクルされたプラスチック材料の異なる品質に対して変動するように事前設定されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数のブロックチェーンにおいて前記プラスチックトークンを割り当てるまたは削減する全てのイベントを記録することを可能にする工程をさらに含み、割り当てまたは削減イベントの記録は、それぞれの製造業者および/またはリサイクル業者、イベントのタイムスタンプ、およびイベントに関連して割り当てられるまたは削減されるプラスチックトークンの数の情報を持つことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のリサイクル業者からの1つまたは複数のリサイクル業者および前記複数の製造業者からの1つまたは複数の製造業者が、それらの間で前記プラスチッククレジットを取引することを可能にする工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
所与のリサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、前記リサイクルされた材料の所有権を移転するイベントを記録し、それによって、第1のTOOイベントの1つまたは複数の記録を生成する工程であって、各記録は、少なくとも、それぞれの第1のTOOイベントの時間、前記リサイクルされたプラスチック材料の量、および新しい所有者または廃棄の情報を持つ、工程;
第1のTOOイベントの1つまたは複数の記録を使用して、第1の時間間隔中に前記所与のリサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の量を追跡する工程;および、
前記第1の時間間隔中にリサイクルされた前記プラスチック材料の量に基づいて、1つまたは複数のプラスチックトークンを前記所与のリサイクル業者に割り当て、前記1つまたは複数のプラスチックトークンを前記所与のリサイクル業者に割り当てるイベントを記録する工程
をさらに含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のTOOイベントの1つまたは複数の記録が、それぞれのリサイクルされたプラスチック材料の品質の情報をさらに持ち、前記第1の時間間隔中に前記所与のリサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の品質を追跡するため、および前記1つまたは複数のプラスチックトークンをそれぞれ割り当てるためにさらに使用されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
a.前記所与のリサイクル業者によってプラスチック材料の1つまたは複数のユニットを受信すると、該受信された1つまたは複数のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、前記所与のリサイクル業者を現在の所有者として承認し、前記受信されたプラスチック材料の1つまたは複数のユニットを、それに関連する1つまたは複数の第1のTOOイベントまで追跡する工程
をさらに含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の時間間隔が、前記プラスチックトークンを割り当てる事前設定された周期性によって、および/または前記割り当てイベントをトリガするものとして定義されたリサイクルされたプラスチック材料の量によって定義されることを特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
プラスチック製品の所与の製造業者によって使用されたバージンプラスチック材料の1つまたは複数のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、生産されたプラスチック製品の所有権を移転する1つまたは複数のイベントを記録し、それによって、第2のTOOイベントの1つまたは複数の記録を生成する工程であって、各記録は、少なくとも、イベントの時間、前記使用されたバージンプラスチック材料の量、および前記新しい所有者の情報を持つ、工程;
前記第2のTOOイベントの1つまたは複数の記録を使用して、第2の時間間隔中に前記所与の製造業者によって使用されるバージンプラスチック材料の量を追跡する工程;および
前記所与の製造業者に割り当てられたプラスチックトークンの数を削減する工程であって、この削減は、所有権が移転された前記製品において前記第2の時間間隔中に前記所与の製造業者によって使用されたバージンプラスチック材料の量に基づく工程、および、前記所与の製造業者に前記1つまたは複数のプラスチックトークンを削減するイベントを記録する工程
をさらに含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のTOOイベントの1つまたは複数の記録が、それぞれのバージンプラスチック材料の品質の情報をさらに持ち、前記第2の時間間隔中に前記所与の製造業者によって使用されるバージンプラスチック材料の品質を追跡するため、および前記1つまたは複数のプラスチックトークンをそれぞれ削減するためにさらに使用されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記所与の製造業者がバージンプラスチック材料の1つまたは複数のユニットを受け取ると、前記バージンプラスチック材料の1つまたは複数のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、前記所与の製造業者を現在の所有者として承認し、それに関連する1つまたは複数の第2のTOOイベントまで前記バージンプラスチック材料を追跡する工程
をさらに含むことを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のTOOイベントの1つまたは複数の記録を使用して、第3の時間間隔中に前記所与の製造業者によって使用されたリサイクルされたプラスチック材料の量を追跡する工程;および
前記第3の時間間隔中に使用された前記リサイクルされたプラスチック材料の量に基づいて、前記リサイクルされたプラスチック材料を使用するための1つまたは複数のプラスチックトークンを前記所与の製造業者に割り当て、前記1つまたは複数のプラスチックトークンを前記所与の製造業者に割り当てるイベントを記録する工程
をさらに含むことを特徴とする、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の時間間隔、前記第2の時間間隔、および前記第3の時間間隔のうちの少なくとも2つの時間間隔が、異なる持続時間を有することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサおよびメモリを備える1つまたは複数のコンピューティングデバイスであって、該1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、コンピュータ実行可能命令を介して、クラウドコンピューティング環境において、複数の製造業者および複数のリサイクル業者が関与するサイクルにおいてプラスチック材料のユニットを管理することが可能なシステムを動作させるための操作を実行するように構成され、各所与のユニットは、前記所与のユニットに関連付けられ、その1つまたは複数の特性に関する情報を持つ抽出可能なマーク情報データを有するマークが付され、前記操作は、
プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、複数のリサイクル業者のうちの各リサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の量および品質を追跡する工程;
各リサイクル業者について、少なくとも、それによってリサイクルされたプラスチック材料の量に従って1つまたは複数の新しいプラスチックトークンを割り当て、そこに割り当てられるプラスチックトークンの数を追跡する工程であって、特定の量のリサイクルされたプラスチック材料に対して割り当てられる新しいプラスチックトークンの量が、事前設定された「割り当て変換率」によって定義される、工程;
前記プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、前記複数の製造業者の各製造業者によって使用されたバージンプラスチックの量を追跡する工程;
各製造業者について、それに割り当てられたプラスチックトークンの数を追跡し、少なくとも、それによって使用された前記バージンプラスチック材料の量に従って、割り当てられたプラスチックトークンの数を削減する工程であって、特定の量のバージンプラスチック材料を使用することによって削減されたプラスチックトークンの量が、事前設定された「削減変換率」によって定義される、工程;および
前記割り当てられたプラスチックトークンをプラスチッククレジットに変換することを可能にする工程であって、各プラスチッククレジットは、特定のリサイクル業者または製造業者に関連付けられ、プラスチックトークンは、特定の量のバージンプラスチック材料を生産する際に使用する権利を表すデジタル証明書であり、プラスチッククレジットは、その収益化された価値に関連付けられたプラスチックトークンである、工程
を含むことを特徴とする、1つまたは複数のコンピューティングデバイス。
【請求項16】
請求項2~14のいずれか一項に記載の操作を実行するようにさらに構成されることを特徴とする、請求項15に記載の1つまたは複数のコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記コンピューティングシステムによって実行可能な複数のプログラムコンポーネントを記憶するメモリを備えるコンピューティングシステムによって実行されると、前記コンピューティングシステムを請求項1~14のいずれか一項に従って動作させる命令を備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、リサイクル可能な製品を管理する分野に関し、より詳細には、委任取引証明コンセンサス技術の助けを借りてリサイクル可能な製品を管理することに関する。
【背景技術】
【0002】
環境の福祉における世界的関心の高まりは、バージン材料の使用を最小限に抑え、廃棄物をリサイクルすることを求めている。電子製品、ガラス、紙、金属、プラスチックなどを含む多くの製品をリサイクルすることができる。このような製品は、以下「リサイクル可能な製品」と称される。リサイクルは、天然資源管理および持続可能性の重要な側面である。近年実施される循環型リサイクル経済は、それぞれの供給チェーンに沿ったリサイクル、再分配、および/または再製造のループを介して、リサイクル可能な製品のライフサイクルを拡大する。
【0003】
循環型リサイクル経済の重要な課題の1つは、プラスチック製品のリサイクルである。専門家は、プラスチックの需要が過去50年で20倍増加し、次の20年で再び倍増すると推定している。リサイクルプロセス(化学的または機械的)は、多くの場合、特定のポリマー材料に従って設計されるため、様々な異なる種類のプラスチックが、リサイクルの問題を増大させる。
【0004】
効果的なリサイクル経済は、リサイクル可能な材料のマーキング、識別および追跡を含む、供給チェーンに沿ったリサイクル管理を必要とする。リサイクル管理全般、特にプラスチックリサイクル管理の問題は、従来技術で認識されており、例えば、次のような解決策を提供するための様々なシステムが開発されてきた。
【0005】
特許文献1は、包装に通常使用される材料の回収およびリサイクルのための閉ループプロセスの技術を開示している。このプロセスは、リサイクルされる材料を含むアイテムを収集および選別する工程と、選別された材料の量および起源ならびにアイデンティティ、ブランド、種類および/または品質に関する情報を含む、選別された材料の部分に関する1つまたは複数のデータセットを作成する工程と、選別された材料の少なくとも量および起源ならびに任意選択的にアイデンティティ、ブランド、種類および/または品質についてもブロックチェーン内に登録する工程とを含む。本発明の実施形態は、アイテムの少なくとも1つの特性を決定するためのソフトウェア支援アイテム認識を実行することを含む。
【0006】
特許文献2は、リサイクル可能な材料の生産および再利用を監視し、および/またはその通貨もしくは品質尺度を決定するための技術を開示している。1つまたは複数のマーカーが、リサイクル可能な材料の成分材料要素に導入され、1つまたは複数のマーカーは、成分材料要素の少なくとも1つの1つまたは複数の特性を示す。少なくとも1つまたは複数の特性を示す情報は、各々が1つまたは複数のマーカーの少なくとも1つに関連付けられる、複数の記録を含むデータベースに記録される。リサイクル可能な材料を含む製品から得られた信号は、1つまたは複数のマーカーのうちの少なくとも1つの存在を決定するために処理され、それに基づいて、それに関連するデータベース記録のうちの少なくとも1つに情報が記録され、製品に含まれるリサイクル可能な材料の成分材料要素の少なくとも1つの品質または通貨尺度が、情報によって示される1つまたは複数の特性に基づいて決定される。
【0007】
特許文献3は、物理的物体の取引を管理する方法およびそのシステムを開示する。このシステムは、当事者間の1つまたは複数の物理的物体の取引に関連する物体取引を記録するように適合された第1の分散型台帳に接続可能である。システムは、1つまたは複数の物理的物体に関して実行される物体処理動作を示すデータを記録するように適合された第2の分散型台帳;および、1つまたは複数の物理的物体に関して実行される処理動作を認証するように適合された物体処理管理モジュール、を含む。物体処理管理モジュールは、処理動作の実行パラメータを取得し、処理動作の実行パラメータを認証し、認証された処理動作を第2の分散型台帳に記録するように構成され、動作可能である。それによって、システムは、1つまたは複数の物理的物体に関して実行される処理動作の実行パラメータが1つまたは複数のそれぞれの所定の条件を満たすことを認証すると、1つまたは複数の物理的物体に関連する物体取引の記録を可能にする。
【0008】
特許文献4は、ブロックチェーンアーキテクチャおよび物理的マーキングに基づく仮想通貨のためのシステムおよび方法を開示する。一実施形態では、マーキングされた物体を記録するための方法は、以下を含む:リーダユニットによって物体の特異的かつ固有のマーキングを決定する工程;および、物体およびそのマーキングの少なくとも1つの記録を生成するために、マーキングを示す暗号化されたデータとマーキングされた物体を示すデータとを少なくとも1つのサーバシステムに通信する工程。少なくとも1つのサーバシステムは、以下を含む分散型ブロックチェーンシステムであってもよい:ブロックチェーン内に物体の取引を記録するように適合された少なくとも1つのブロックチェーンサービスモジュール;および、取引の認証に基づいて、物体の各取引の承認に適合された少なくとも1つの管理サービスモジュールであって、取引の認証は、以下による:リーダユニットが物体上の特定のマーキングを正確に読み取ることを許可/可能にする特定の読み取りスキーム/パラメータをリーダユニットに提供する工程;および、それに応答してリーダユニットから、読み取りスキームを使用して読み取られたマーキングを示す読み取りデータを取得する工程、および、読み取りデータと、少なくとも1つのサーバによって記憶される物体のマーキングの記憶データとの間の一致に基づいて物体を認証する工程。また、ブロックチェーンにおける物体に対する取引の記録の要求を実行する前に、ブロックチェーンサービスモジュールは、管理サービスからの取引の承認を待つように適合される。
【0009】
特許文献5は、廃棄物販売者、廃棄物購入者、および廃棄物輸送プロバイダからなる循環型廃棄物経済プラットフォームのためのシステムおよび方法を開示し、このプラットフォームは、人工知能を利用して、販売者と購入者との間の廃棄物の販売、移送、および履行を容易にし、廃棄物取引は分散型台帳に記録される。
【0010】
背景技術において引用された文献は、物理的物体に関連付けられた電子文書を管理する多くの原理を教示し、そのような原理のいくつかは、本開示の主題に適用可能であり得る。したがって、これらの刊行物の全内容は、追加的または代替的な詳細、特徴および/または技術的背景の適切な教示のために、適切な場合には参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/0005002号明細書
【特許文献2】国際公開第2021/070182号
【特許文献3】米国特許出願公開第2021/0012278号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2020/0184465号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2020/0143336号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本開示の主題の特定の態様によれば、複数の製造業者および複数のリサイクル業者が関与するサイクルにおいて、プラスチック材料のユニットを管理する方法が提供され、各所与のユニットは、所与のユニットに関連付けられ、その1つまたは複数の特性の情報を持つ、抽出可能なマーク情報データを有するマークを担持する。この方法は、以下:プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、複数のリサイクル業者の各リサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の量および品質を追跡する工程;各リサイクル業者について、少なくともそれによってリサイクルされるプラスチック材料の量に従って1つまたは複数の新しいプラスチックトークンを割り当てる工程、および、そこに割り当てられるプラスチックトークンの数を追跡する工程、を含み、特定の量のリサイクルされるプラスチック材料に対して割り当てられる新しいプラスチックトークンの量は、事前に設定された「割り当て変換率」によって定義される。この方法は、以下:プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、複数の製造業者の各製造業者によって使用されるバージンプラスチックの量を追跡する工程;各製造業者について、それに割り当てられたプラスチックトークンの数を追跡し、少なくともそれによって使用されるバージンプラスチック材料の量に従って、割り当てられたプラスチックトークンの数を削減する工程、を含み、特定の量のバージンプラスチック材料を使用することによって削減されたプラスチックトークンの量は、事前に設定された「削減変換率」によって定義され、割り当てられたプラスチックトークンをプラスチッククレジットに変換することを可能にし、各プラスチッククレジットは、特定のリサイクル業者または製造業者に関連付けられ、プラスチックトークンは、特定の量のバージンプラスチック材料を生産する際に使用する権利を表すデジタル証明書であり、プラスチッククレジットは、その収益化された価値に関連付けられたプラスチックトークンである。
【0013】
複数のリサイクル業者からの1つまたは複数のリサイクル業者および複数の製造業者からの1つまたは複数の製造業者は、それらの間でプラスチッククレジットを取引すること、および任意選択的に、プラスチッククレジットをさらにプラスチックトークンに変換することを可能にし得る。
【0014】
任意選択的に、プラスチックトークンを割り当てるまたは削減するすべてのイベントは、1つまたは複数のブロックチェーンに記録することができ、割り当てるまたは削減するイベントの記録は、それぞれの製造業者および/またはリサイクル業者、イベントのタイムスタンプ、およびイベントに関連して割り当てられるまたは削減されるプラスチックトークンの数の情報を持つ。
【0015】
さらなる態様によれば、および任意選択的に、本開示の主題の他の態様と組み合わせて、本方法は、以下をさらに含む:所与のリサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、リサイクルされた材料の所有権を移転するイベントを記録し、それによって、第1のTOOイベントの1つまたは複数の記録を生成する工程であって、各記録は、少なくとも、それぞれの第1のTOOイベントの時間、リサイクルされたプラスチック材料の量、および新しい所有者または廃棄の情報を持つ、工程;第1のTOOイベントの1つまたは複数の記録を使用して、第1の時間間隔中に所与のリサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の量を追跡する工程;および、第1の時間間隔中にリサイクルされたプラスチック材料の量に基づいて、1つまたは複数のプラスチックトークンを所与のリサイクル業者に割り当て、1つまたは複数のプラスチックトークンを所与のリサイクル業者に割り当てるイベントを記録する工程。
【0016】
第1のTOOイベントの1つまたは複数の記録は、それぞれのリサイクルされたプラスチック材料の品質の情報をさらに持つことができ、第1の時間間隔中に所与のリサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の品質を追跡するため、および1つまたは複数のプラスチックトークンをそれぞれ割り当てるためにさらに使用することができる。
【0017】
さらなる態様によれば、任意選択的に、本開示の主題の他の態様と組み合わせて、本方法はさらに以下を含むことができる:所与のリサイクル業者によってプラスチック材料の1つまたは複数のユニットを受信すると、受信された1つまたは複数のユニットに関連するマーク情報データを使用して、所与のリサイクル業者を現在の所有者として承認し、受信されたプラスチック材料の1つまたは複数のユニットを、それに関連する1つまたは複数の第1のTOOイベントまで追跡する工程。
【0018】
さらなる態様によれば、任意選択的に、本開示の主題の他の態様と組み合わせて、本方法は、以下をさらに含む:プラスチック製品の所与の製造業者によって使用されるバージンプラスチック材料の1つまたは複数のユニットに関連するマーク情報データを使用して、生産されたプラスチック製品の所有権を移転する1つまたは複数のイベントを記録し、それによって、第2のTOOイベントの1つまたは複数の記録を生成する工程であって、各記録は、少なくとも、イベントの時間、使用されたバージンプラスチック材料の量、および新しい所有者の情報を持つ、工程;第2のTOOイベントの1つまたは複数の記録を使用して、第2の時間間隔中に所与の製造業者によって使用されるバージンプラスチック材料の量を追跡する工程;および、所与の製造業者に割り当てられたプラスチックトークンの数を削減する工程であって、この削減は、所有権が移転された製品において第2の時間間隔中に所与の製造業者によって使用されたバージンプラスチック材料の量に基づく工程、および、所与の製造業者に1つまたは複数のプラスチックトークンを削減するイベントを記録する工程。
【0019】
第2のTOOイベントの1つまたは複数の記録は、それぞれのバージンプラスチック材料の品質の情報をさらに持つことができ、第2の時間間隔中に所与の製造業者によって使用されるバージンプラスチック材料の品質を追跡するため、および1つまたは複数のプラスチックトークンをそれぞれ削減するためにさらに使用することができる。
【0020】
さらなる態様によれば、任意選択的に、本開示の主題の他の態様と組み合わせて、本方法はさらに以下を含むことができる:所与の製造業者がバージンプラスチック材料の1つまたは複数のユニットを受け取ると、バージンプラスチック材料の1つまたは複数のユニットに関連するマーク情報データを使用して、所与の製造業者を現在の所有者として承認し、それに関連する1つまたは複数の第2のTOOイベントまでバージンプラスチック材料を追跡する工程。
【0021】
さらなる態様によれば、任意選択的に、本開示の主題の他の態様と組み合わせて、本方法はさらに以下を含むことができる:第2のTOOイベントの1つまたは複数の記録を使用して、第3の時間間隔中に所与の製造業者によって使用されたリサイクルされたプラスチック材料の量を追跡する工程;および、第3の時間間隔中に使用されたリサイクルされたプラスチック材料の量に基づいて、リサイクルされたプラスチック材料を使用するための1つまたは複数のプラスチックトークンを所与の製造業者に割り当て、1つまたは複数のプラスチックトークンを所与の製造業者に割り当てるイベントを記録する工程。
【0022】
第1のTOOイベントおよび第2のTOOイベントの記録は、1つまたは複数のブロックチェーンに記録することができる。
【0023】
本開示の主題の他の態様によれば、複数の製造業者および複数のリサイクル業者が関与するサイクルにおいてプラスチック材料のユニットを管理するように構成されたシステムが提供され、各所与のユニットは、所与のユニットに関連付けられ、その1つまたは複数の特性に関する情報を示す抽出可能なマーク情報データを有するマークが付されており、システムは、上記の態様を参照して詳述された方法に従って動作するように構成される。
【0024】
本開示の主題の他の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備える1つまたは複数のコンピューティングデバイスが提供され、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、コンピュータ実行可能命令を介して、クラウドコンピューティング環境において、複数の製造業者および複数のリサイクル業者が関与するサイクルにおいてプラスチック材料のユニットを管理することが可能なシステムを動作させるための操作を実行するように構成され、各所与のユニットは、所与のユニットに関連付けられ、その1つまたは複数の特性に関する情報を持つ抽出可能なマーク情報データを有するマークが付される。操作は、以下を含む:プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、複数のリサイクル業者の各リサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の量および品質を追跡する工程;各リサイクル業者について、少なくとも、それによってリサイクルされるプラスチック材料の量に従って1つまたは複数の新しいプラスチックトークンを割り当て、そこに割り当てられるプラスチックトークンの数を追跡する工程であって、特定の量のリサイクルされたプラスチック材料に対して割り当てられる新しいプラスチックトークンの量は、事前設定された「割り当て変換率」によって定義される、工程;プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、複数の製造業者の各製造業者によって使用されるバージンプラスチックの量を追跡する工程;各製造業者について、それに割り当てられたプラスチックトークンの数を追跡し、少なくとも、それによって使用されるバージンプラスチック材料の量に従って、割り当てられたプラスチックトークンの数を削減する工程であって、特定の量のバージンプラスチック材料を使用することによって削減されたプラスチックトークンの量が、事前設定された「削減変換率」によって定義される、工程;および、割り当てられたプラスチックトークンをプラスチッククレジットに変換することを可能にする工程であって、各プラスチッククレジットは、特定のリサイクル業者または製造業者に関連付けられ、プラスチックトークンは、特定の量のバージンプラスチック材料を生産する際に使用する権利を表すデジタル証明書であり、プラスチッククレジットは、その収益化された価値に関連付けられたプラスチックトークンである、工程。
【0025】
本開示の主題の他の態様によれば、コンピューティングシステムによって実行可能な複数のプログラムコンポーネントを記憶するメモリを備えるコンピューティングシステムによって実行されると、上記態様を参照して詳述された方法に従ってコンピューティングシステムを動作させる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0026】
本発明を理解し、実際にどのように実施できるかを見るために、非限定的な例として、添付の図面を参照して実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の主題の特定の実施形態に従って構成される、コンピュータ化されたエクスチェンジプラットフォーム(EXP)を含む、一般化されたリサイクル環境を示す図
図2】本開示の主題の特定の実施形態に従って構成される、供給チェーン内のプレーヤとEXP105との間のデータ交換の非限定的概略実施例を示す図
図3】本開示の主題の特定の実施形態による、リサイクル可能材料を管理する一般化されたフローチャート
図4】本開示の主題の特定の実施形態による、リサイクル可能材料を管理するリサイクルの流れの一般化されたフローチャート
図5】本開示の主題の特定の実施形態による、リサイクル可能材料の管理の流れを生成する一般化されたフローチャート
図6】本開示の主題の特定の実施形態に従って構成される、EXP105の一般化されたブロック図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本開示の主題は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には理解されよう。他の例では、よく知られている方法、手順、構成要素、および回路は、本開示の主題を不明瞭にしないように、詳細には説明されていない。
【0029】
特に断らない限り、以下の説明から明らかなように、本明細書全体を通して、「処理」、「記録」、「追跡」、「割り当て」、「削減」などの用語を使用する説明は、データを操作し、および/または他のデータに変換するコンピュータの動作および/またはプロセスを指し、前記データは、電子量などの物理的量として表され、および/または前記データは物理的物体を表すことを理解されたい。「コンピュータ」という用語は、非限定的な例として、本出願に開示されるコンピュータ化されたエクスチェンジプラットフォーム(EXP)を含む、データ処理能力を有する任意の種類のハードウェアベースの電子デバイスを包含するように広範に解釈されるべきである。
【0030】
本明細書の教示による動作は、所望の目的のために特別に構築されたコンピュータによって、または非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムによって所望の目的のために特別に構成された汎用コンピュータによって実行され得る。
【0031】
これを念頭に置いて、本開示の主題の特定の実施形態に従って構成されたコンピュータ化されたエクスチェンジプラットフォーム(EXP)を含む一般化されたリサイクル環境を示す図1に注目する。
【0032】
例示のみを目的として、以下の説明はプラスチック製品のリサイクルについて提供される。当業者は、本開示の主題の教示が、同様に、他のリサイクル可能な製品のリサイクルに適用可能であることを容易に理解するであろう。
【0033】
一般化されたプラスチックリサイクル環境は、バージンおよびリサイクル原材料の供給者101、リサイクル業者102、製造業者103および消費者104を含む複数のプレーヤを有するサプライチェーン100(以下、「供給チェーン」または「チェーン」とも呼ばれる)を含む。本開示の主題の特定の実施形態に従って、プレーヤは、コンピュータ化されたエクスチェンジプラットフォーム105(EXP)に登録されることができる。各登録プレーヤは、EXP105とデータ通信して動作するように構成されたコンピュータ化されたワークステーションに関連付けることができる。
【0034】
図2図6を参照してさらに詳述されるように、EXP105は、チェーンにわたる異なる当事者間のデジタル証明書のデジタル交換(デジタル取引を含む)を可能にするように構成される。以下の説明では、予め定義された量のバージンプラスチック材料を有するユニットを生産する際に使用する権利を表すデジタル証明書を、以下では「プラスチックトークン」と呼び、収益化された価値に関連付けられたプラスチックトークンを、以下では「プラスチッククレジット」と呼ぶ。
【0035】
各プラスチックトークンは、同量の特定の種類のバージンプラスチック材料の使用権を表し、この量は、異なる種類のバージン材料について異なり得ることに留意されたい。所与のプラスチックトークンの収益化された価値は、各プラスチッククレジットを取引する条件に応じて、別のプラスチックトークンの収益化された価値とは異なる可能性がある。
【0036】
EXP105は、以下のリサイクルアプローチを可能にする:
-プラスチックトークンは、製造業者および/または基幹産業に周期的に割り当てられる;
-バージンプラスチック材料を使用するたびに、プラスチックトークンが必要となり、したがって、それぞれの製造業者が利用可能なプラスチックトークンの数を削減する;
-プラスチック材料をリサイクルすると、所定の基準に従ってリサイクル業者にプラスチックトークンが割り当てられる;
-プラスチックトークンは、プラスチッククレジットに変換可能であり、その逆も同様である;
-プラスチッククレジットは、一次市場および二次市場で取引可能である;
-製造業者は、プラスチッククレジットを購入し、生産におけるバージンプラスチック材料の使用に必要なプラスチックトークンに変換することができる。
【0037】
したがって、EXP105は、供給チェーンの流れを生成およびリサイクルする際に使用可能なデジタル資産(プラスチッククレジットおよびプラスチックトークン)を生成および管理することを可能にする。
【0038】
「プラスチック材料」なる用語は、バージンおよび/またはリサイクルプラスチックならびに中間または最終製品に含まれるプラスチックの任意の種類、形態、量および組合せを包含するように広範に解釈されるべきであることに留意されたい。さらに、「プラスチック材料のユニット」という用語は、体積および/または重量で測定される特定の量のプラスチック材料(任意の種類および形態の)を指すことに留意されたい。ユニット内のプラスチック材料の体積/重量は、種類および形態(例えば、ペレット、ボトル、細断ボトルなど)および包装に応じて、所定の様式で変化することができる。
【0039】
従来技術で知られているように、プラスチック材料は、その製造中に、プラスチック材料の1つまたは複数の特性の情報を持つマークを構成するタガント材料でマーキングすることができる。プラスチック材料の1つまたは複数の特性を特徴付け、そのマーキングから抽出可能なデータを、以下、プラスチック材料に関連するマーク情報データと呼ぶ。
【0040】
現在提示されている主題の特定の実施形態によれば、マーク情報データは、少なくとも、プラスチック材料のそれぞれのユニットの製造業者(生産者またはリサイクル業者)およびその中のプラスチックの種類などの特性の情報を持つ。任意選択的に、マークはさらに、プラスチック材料のユニットにおけるリサイクルされたプラスチックの割合、現在のリサイクルサイクル、リサイクルの種類などの情報を持つことができる。複数の種類のプラスチックを含むプラスチック製品の場合、マーク情報データは、その中のプラスチックのそれぞれの種類(および任意選択的に相対的割合)を表すことができる。
【0041】
マークは、適切な分光計(以下、リーダと呼ぶ)によって検出可能であり、プラスチック材料のマーク特性によって表される情報を提供する電磁信号を放出するように構成することができる。非限定的な例として、マークは、リーダから入射する電磁放射線(例えば、紫外線(UV)、X線回折(XRD)または蛍光X線(XRF)マーク)に応答して電磁信号を放出するように構成することができる。例えば、マークは、プラスチック材料に埋め込まれたXR応答タガント材料(例えば、それぞれの物理的物体のXRF分析を介して識別可能な蛍光X線(XRF)シグネチャ)とすることができ、リーダは、X線分光法を実行して前記XR応答マーキングを読み取る(例えば、プラスチック材料の少なくとも一部をガンマ線のX線で照射し、その特性を示す蛍光X線応答を検出することによる)ように構成することができる。
【0042】
図1に示すように、EXP105は、複数のワークステーション113-1~113-3に動作可能に接続され、各ワークステーションは、少なくとも1つのリーダを有し、特定のプレーヤに関連付けられる。非限定的実施例として、ワークステーション113-1は、リサイクル業者のうちの1つと関連付けられ、コンピュータ112-1に動作可能に接続されたリーダ111-1を備える;ワークステーション113-2は、製造業者の1つに関連付けられ、リーダ111-2が組み込まれたコンピュータ112-2を備える;ワークステーション113-3は、原材料の供給業者のうちの1つに関連付けられ、EXP105に直接動作可能に接続されたリーダ111-3を備える。
【0043】
所与のプレーヤがプラスチック材料のマークされたユニットを受け取ると、それぞれに関連付けられたリーダがマークから信号を取得する。さらに、リーダ(および/またはリーダに動作可能に接続されたコンピュータ)は、信号からマーク情報データを抽出し、それによってユニットの特性の情報を持つデータを得る。ワークステーションはさらに、少なくともプラスチックの種類およびユニットの製造業者の認証のために、マーク情報データ(および/またはその派生物)をEXP105に送信する。図2図6を参照してさらに詳述されるように、EXP105は、認証されたデータ(および/またはその派生物)を記録することを可能にする。EXPはまた、プラスチック材料のユニットがある所有者から別の所有者に移されるときに、所有権移転(TOO)イベントを記録することを可能にする。記録は、1つまたは複数のブロックチェーンで提供することができる。
【0044】
ユニットのアイデンティティを認証することは、マーキングを検証すること、すなわち、マーク情報データとユニットの情報を持つ予め記憶された参照データとの間の一致を判定することによって提供することができる。同様に、リーダを所有するエンティティの身元を認証することは、マーキングを検証すること、すなわち、リーダを識別するデータとリーダを所有するそれぞれのエンティティを列挙する参照データとの間の一致を判定することによって提供することができる。
【0045】
非限定的な例として、プラスチック材料のユニットのマーキングおよび供給チェーンにおけるそのさらなる追跡は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2018/207180号、同第2019/175878号および同第2021/074919号に詳述される方法で提供することができる。
【0046】
図2を参照すると、供給チェーン内のプレーヤとEXP105との間のデータ交換の非限定的な概略例が示されている。図示のように、プラスチック材料の異なるユニットが、製造/リサイクル中にマークされる。ユニットは、供給チェーンに沿って移動される。プレーヤの1人によるユニットの廃棄も、以下では、そのようなユニットをチェーンに沿って移動させるものとして考慮されることに留意されたい。
【0047】
さらに、次のプレーヤがユニットを受け取ると、ユニットは、リーダの助けを借りてスキャンされ、ユニットに関連付けられたマーク情報データを抽出する。EXP105は、このデータおよび/またはその派生物(例えば、認証結果)を1つまたは複数のブロックチェーンに記録することを可能にする。EXP105はまた、プラスチック材料のユニットの所有権を移転するそれぞれのTOOイベントをブロックチェーンに記録することを可能にする。
【0048】
非限定的な例として、「スマート契約」の助けを借りてTOOイベントをブロックチェーンに登録することができる。「スマート契約」なる用語は、先行する条件の発生時に当事者間の合意に従って実行することができる実行可能なコンピュータコードまたは論理を指す。
【0049】
EXP150は、マーキングされたプラスチック材料の所有権の変更に関連するスマート契約を実施することができ、そのような変更は、マーキングされたプラスチック材料が特定のマーキングによってマークされていることの検証を条件とする。例えば、所有権を受け取るプレーヤは、材料が製造に適用される特定のマーキングを有するかどうかをチェックすることによって、受け取ったプラスチック材料を認証することを望む場合がある。TOOイベントは、それぞれのマーキングが検証された場合のみ実行され、ブロックチェーンに記録されると考えることができる。
【0050】
本開示の主題の教示は、図1および図2を参照して説明されるリサイクル環境によって拘束されないことに留意されたい。同等および/または修正された機能は、別の方法で統合または分割することができ、ソフトウェアとファームウェアおよび/またはハードウェアとの任意の適切な組合せで実装し、1つまたは複数の適切なデバイス上で実行することができる。EXP105の機能の少なくとも一部は、クラウドおよび/または分散型および/または仮想化されたコンピューティング構成で実装することができる。チェーンサプライは、図2に示すよりも多いまたは少ないプレーヤを含むことができる。
【0051】
また、説明のみを目的として、本説明は、1つまたは複数のブロックチェーンに特定のイベントの情報を提供するデータを記録することに言及することにも留意されたい。当業者は、ここで開示される主題の教示が、同様に、委任された「利益証明」コンセンサス(分散型台帳)機能を伴うデータ記録の任意の他の構造化された分散型リストにイベント情報データを記録することに適用可能であることを容易に理解するであろう。
【0052】
図3を参照すると、本開示の主題の特定の実施形態による、リサイクル可能材料を管理する一般化されたフローチャートが図示されている。
【0053】
EXP105は、すべての登録された製造業者およびリサイクル業者を、それに割り当てられたプラスチックトークンの数と関連付ける記録を管理するように構成される(300)。
【0054】
EXP105は、プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、EXP105に登録された複数のリサイクル業者のうち、各所与のリサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の量および品質を追跡する(301)。各所与のリサイクル業者に、EXP105は、それによってリサイクルされるプラスチック材料の量および任意選択的に品質に従って、1つまたは複数の新しいプラスチックトークンを割り当てる(302)。リサイクルされたプラスチック材料の品質は、プラスチックの種類、リサイクル操作および技術の種類、ならびに供給チェーンにおけるその場所、リサイクル操作の数、リサイクルサイクルなどによって特徴付けることができる。特定の量のリサイクルされたプラスチック材料に対してEXP105によって割り当てられるプラスチックトークンの数は、任意選択的にリサイクルされたプラスチック材料の異なる品質に対して変化する、事前設定された「割り当て変換率」によって定義される。任意選択的に、割り当て変換率は、異なるリサイクル業者に対してさらに変化することができる(例えば、一部のリサイクル業者は、一時的なインセンティブ率を提供され得る)。EXP105は、各リサイクル業者に割り当てられたプラスチックトークンの数を追跡する(303)。
【0055】
同様に、EXP105は、プラスチック材料のユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、各所与の製造業者によって使用されるバージンプラスチックの量を追跡する(304)。各所与の製造業者について、EXP105は、それによって使用されるバージンプラスチック材料の量および任意選択的にその種類に従って、そこに割り当てられるプラスチックトークンの数を削減する(305)。特定量のバージンプラスチック材料を使用することによってEXP105により削減されるプラスチックトークンの数は、事前設定された「削減変換率」によって定義され、任意選択的に、異なる種類のバージンプラスチック材料および/または異なる製造業者によって変化する。
【0056】
任意選択的に、図5を参照してさらに詳述されるように、EXP105は、リサイクルされたプラスチック材料を使用するために、製造業者にプラスチックトークンを割り当てるように構成することができる。この場合の割り当て変換率は、動作(302)における割り当て変換率と異なってもよい。
【0057】
EXP105は、各製造業者に割り当てられたプラスチックトークンの数を追跡する(306)。
【0058】
EXP105は、1つまたは複数のブロックチェーンに全てのプラスチックトークンの割当て/削減イベントを記録することを可能にする(307)。割当て/削減イベントの記録は、所与の製造業者/リサイクル業者、イベントのタイムスタンプ、および現在割り当てられている/削減されているプラスチックトークンの数の情報を持つ。任意選択的に、記録はまた、対応するリサイクルまたはバージンプラスチック材料の量および品質ならびにそれぞれの変換率の情報を持つことができる。
【0059】
EXP105はさらに、割り当てられたプラスチックトークンをプラスチッククレジットに変換することを可能にし(308)、各プラスチッククレジットは、特定のリサイクル業者または製造業者と関連付けられる。EXP105はさらに、登録されたリサイクル業者および製造業者がプラスチッククレジットを取引することを可能にする(308)。任意選択的に、EXP105は、供給チェーン内の任意のプレーヤおよび/またはEXP105に登録された他のエンティティがプラスチッククレジットを取引することを可能にすることができる。
【0060】
EXP105は、変換率に従って、プラスチックトークンをプラスチッククレジットに変換することを可能にする。特定の実施形態では、変換率は、それぞれのプラスチッククレジットの現在の取引レートに依存し得る。代替的にまたは追加的に、変換率は、プラスチックの品質、環境効果、生態系の重要性などに依存し得る。
【0061】
EXP105の助けを借りて、登録された製造業者は、購入されたプラスチッククレジットを、バージンプラスチック材料を含む製造におけるさらなる使用のためにプラスチックトークンに変換することができる(309)。EXP105は、変換されたプラスチックトークンを記録し、それぞれの製造業者に関連付けられた割り当て済みプラスチックトークンの数を更新することを可能にする。
【0062】
任意選択的に、EXP105は、登録されたプレーヤの少なくとも一部が、プラスチックトークンを「それ自体」で、プラスチッククレジットに変換してさらに取引することなく、交換することを可能にするように構成することができる。
【0063】
EXP105は、プレーヤの各々に割り当てられたプラスチックトークンの数の変化を追跡する
【0064】
EXP105は、2つ以上の種類のプラスチックトークンを保持することができ、各種類のプラスチックトークンは、それぞれの種類のバージンプラスチック材料に対応することに留意されたい。そのような場合、上記で詳述した動作304~306は、バージン材料の種類ごとに別々に提供することができる。
【0065】
リサイクル可能な材料の上記で開示された管理のリサイクルの流れは、図4に示される一般化されたフローチャートによってさらに詳述される。EXP105は、所与のリサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料に関連付けられたマーク情報データを使用して、リサイクルされた材料の所有権を供給チェーン内の別のプレーヤに移転するイベント(以下、第1のTOOイベントと呼ぶ)を記録する(401)。各記録は、それぞれの第1のTOOイベントの時間、リサイクルされたプラスチック材料の量および品質、および新しい所有者(廃棄されていない場合)の情報を持つ。
【0066】
任意選択的に、所与のリサイクル業者によってプラスチック材料の1つまたは複数のユニットが受け取られると、EXP105はまた、受け取ったユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、所与のリサイクル業者を現在の所有者として承認し、受け取ったプラスチック材料を第1のTOOイベントまで追跡することができる。
【0067】
EXP105は、第1のTOOイベントの記録を使用して、第1の時間間隔中に所与のリサイクル業者によってリサイクルされたプラスチック材料の量および品質を追跡する(402)。EXP105はさらに、第1の時間間隔中にリサイクルされ、供給チェーンに沿って移動されたプラスチック材料の量および品質に基づいて、1つまたは複数のプラスチックトークン(またはその一部)を所与のリサイクル業者に割り当てる(403)。「割り当て変換率」は、事前に設定され、例えば、図3の動作(302)を参照して詳述される基準に依存し得る。
【0068】
第1の時間間隔は、プラスチックトークンを割り当てる予め設定された周期性(例えば、毎日、毎週など)によって定義することができる。そのような周期性は、全てのリサイクル業者に対して等しく構成することができる、または変動することができる(例えば、リサイクル業者の位置、提供されたリサイクル操作、プラスチックの種類、予想される生産能力などに依存して)。代替的にまたは追加的に、第1の時間間隔は、割り当てイベントをトリガするものとして定義されるリサイクルされたプラスチック材料の量(総量および/または特定の種類のリサイクルされたプラスチック材料の量)によって定義することができる。
【0069】
第1のTOOイベントは、リサイクルされた材料の所有権を所与のリサイクル業者から供給チェーン中の任意のプレーヤに移転する、またはリサイクルされた材料を廃棄するイベントを含むことに留意されたい。
【0070】
任意選択的に、EXP105は、異なるプレーヤおよび/またはそのグループへのリサイクル材料の所有権の移転を別々に追跡するように構成することができる。そのような場合、EXP105は、異なる次の所有者および/またはそのグループに移されるリサイクルされたプラスチック材料に対して、プラスチックトークンを別個にかつ異なるように(例えば、異なる周期性および/または異なる割り当て変換率で)割り当てるように構成され得る。
【0071】
EXP105は、所与のリサイクル業者にプラスチックトークンを割り当てるイベントを記録することを可能にする(404)。さらに、EXP105は、プラスチックトークンをプラスチッククレジットに変換し(405)、所与のリサイクル業者がプラスチッククレジットを取引することを可能にする。
【0072】
図5は、本開示の主題の特定の実施形態による、リサイクル可能材料を管理することの生産ストリームを図示する。EXP105は、プラスチック製品の所与の製造業者によって使用されるバージンプラスチック材料に関連付けられたマーク情報データを使用して、製品の所有権を供給チェーン内の別のプレーヤに移転するイベント(第2のTOOイベント)を記録する(501)。記録は、イベントの時間、使用されたバージンプラスチック材料の量および品質、および新しい所有者に関する情報を持つ。
【0073】
任意選択的に、所与の製造業者によってプラスチック材料の1つまたは複数のユニットが受け取られると、EXP105はまた、受け取ったユニットに関連付けられたマーク情報データを使用して、所与の製造業者を現在の所有者として承認し、第2のTOOイベントまでバージンプラスチック材料を追跡することができる。
【0074】
EXP105は、第2のTOOイベントの記録を使用して、第2の時間間隔中に所与の製造業者によって使用されるバージンプラスチック材料の量および品質を追跡する(502)。EXP105はさらに、所与の製造業者に割り当てられたプラスチックトークンの数を削減し(503)、この削減は、供給チェーンに沿って移動する製品において第2の時間間隔中に所与の製造業者によって使用されるバージンプラスチック材料の量および品質に基づく。「削減変換率」は、事前に設定され、例えば、図3の動作(306)を参照して詳述される基準に依存し得る。
【0075】
第2の時間間隔は、事前設定された周期性(例えば、毎日、毎週など)によって定義することができる。そのような周期性は、すべての製造業者に対して等しく構成することができる、または変動することができる(例えば、製造業者の場所、使用されるバージンプラスチックの種類、予想される生産能力、現在割り当てられているプラスチックトークンの数などに依存して)。代替的にまたは追加的に、第2の時間間隔は、削減イベントをトリガするものとして定義される使用済みプラスチック材料の量(特定の種類のバージンプラスチック材料の総量および/または量)によって定義することができる。第2の時間間隔は、第1の時間間隔と等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0076】
第2のTOOイベントは、生産されたプラスチック製品の所有権を所与の製造業者から供給チェーン内の任意のプレーヤに移転するイベントを含むことに留意されたい。
【0077】
任意選択的に、EXP105は、リサイクルされたプラスチック材料を使用するために製造業者にプラスチックトークンを割り当てるように構成することができる。EXP105は、第2のTOOイベントの記録を使用して、第3の時間間隔中に所与の製造業者によって使用されるリサイクルされたプラスチック材料の量および品質を追跡することができる(504)。第3の時間間隔は、第2の時間間隔と等しくてもよいし、異なっていてもよい。EXP105はさらに、第3の時間間隔中に所与の製造業者によって使用されるリサイクルプラスチックの量および品質に基づいて、1つまたは複数のプラスチックトークンを所与の製造業者に割り当てることができる(505)。
【0078】
この場合の割り当て変換率は、動作(503)における割り当て変換率と異なり得る。
【0079】
所与の製造業者が1つまたは複数の購入されたプラスチッククレジットを1つまたは複数のプラスチックトークンに変換すると、EXP105は、新しく変換されたプラスチックトークンの数のそれぞれのデータを受信し(506)、所与の製造業者にプラスチックトークンのそれぞれの数を割り当てる(507)。
【0080】
EXP105は、所与の製造業者へのプラスチックトークンの削減または割り当てのイベントを記録し(508)、所与の製造業者に関連付けられたプラスチックトークンの現在の総数を追跡する(509)ことを可能にする。
【0081】
図6を参照すると、本開示の主題の特定の実施形態に従って構成され、図1~5を参照して上記で詳述されるように動作する、EXP105の一般化されたブロック図が図示されている。
【0082】
EXP105は、フロントエンド部602に動作可能に接続されたバックエンド部601を備える。
【0083】
EXPフロントエンド602は、登録されたプレーヤにユーザインターフェースを提供するように構成することができる(例えば、プラスチックトークンの割り当ておよび/またはプラスチッククレジットの取引操作に関連するRO操作および監視のため)。
【0084】
EXPバックエンド601は、プラスチッククレジット(PC)取引モジュール604およびプレーヤのワークステーション(PW)インターフェース606に動作可能に接続されたプラスチックトークン(PT)管理モジュール603を含む。PWインターフェース606は、EXP105とプレーヤに関連付けられたワークステーション(例えば、図1に示すワークステーション113-1~113-3)との間のデータ通信(プルおよび/またはプッシュモード)を可能にするように構成される。
【0085】
EXP105は、1つまたは複数のブロックチェーンとのデータ通信において動作し、ブロックチェーンのうちの一部またはすべては、EXP105の一部であり得る。図6に示される実施形態では、プラスチックトークン管理モジュール603およびプラスチッククレジット取引モジュール604は、ブロックチェーン605によってそれらの間に接続され、外部ブロックチェーンインターフェース614を介して1つまたは複数の外部ブロックチェーン621に接続される。
【0086】
非限定的実施例として、EXP105は、プラスチック材料上の追跡動作に関連するデータ(例えば、プレーヤが受け取るプラスチック材料の承認、プラスチック材料の古いおよび新しい所有者の承認など)を、1つまたは複数の外部ブロックチェーン621に記録することを可能にするように構成されることができる。外部ブロックチェーン621はまた、プラスチッククレジットの取引に関連するデータを記録するために使用可能であり得る。任意選択的に、異なる種類の記録を異なる外部ブロックチェーンに提供することができる。外部ブロックチェーンインターフェース614は、EXP105のモジュールと外部ブロックチェーンとの間のデータ通信を可能にするように構成される。
【0087】
EXP105はさらに、TOOイベントおよびプラスチックトークン割り当て/削減イベント(内部ブロックチェーン605内でプラスチッククレジットから変換されたプラスチックトークンを割り当てるイベントを含む)に関する情報の記録を維持するように構成され得る。任意選択的に、ブロックチェーン605は、これらのイベントの異なる種類のための別個のサブブロックチェーンを含むことができる。
【0088】
EXP105は、それぞれの「スマート契約」によって示される所定の条件に準拠するように、イベントを記録するよう構成することができる。非限定的な例として、いくつかの実施形態では、所有権を示す「スマート契約」は、古い所有者および新しい所有者を認可するデータをBC621から受信した場合にのみ、BC605に記録され得る。同様に、所与の製造業者によってプラスチッククレジットから変換されたプラスチックトークンの割り当ては、BC621からプラスチッククレジットのそれぞれの所有権の確認を受信したときにのみ、BC605に記録することができる。
【0089】
他の実施形態では、すべての記録は、EXP105の一部であるか、またはそれに動作可能に接続され得る単一のブロックチェーンに提供され得ることに留意されたい。
【0090】
プラスチックトークン(PT)管理モジュール603は、処理およびメモリ回路(PMC)606を備え、プラスチッククレジット(PC)管理モジュール604は、PMC607を備える。PMC606およびPMC607は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に実装されたコンピュータ可読命令に従って、いくつかのプログラム構成要素を実行するように構成される。そのような実行可能なプログラムコンポーネントは、以下、PMCに含まれる機能ブロックと呼ばれる。機能ブロックは、ソフトウェアとファームウェアおよび/またはハードウェアとの任意の適切な組合せで実装され得る。
【0091】
PT管理モジュール603内のPMC606は、追跡ブロック608と、割当て/削減ブロック609と、TO(入力/出力)記録ブロック610とを備える。
【0092】
追跡ブロック608は、図1図5を参照して詳述した追跡動作を可能にするように構成される。各登録された製造業者およびリサイクル者について、追跡ブロック608は、TOOイベントを追跡し、バージンおよびリサイクルされたプラスチック材料のそれぞれの量を計算する。追跡ブロック608は、割当てまたは削減されるべきプラスチックトークンの対応する数を計算する割当て/削減ブロック609にそれぞれのデータを転送する。追跡ブロック608は、受信したデータを使用して、登録プレーヤに割り当てられたプラスチッククレジットの現在の数を追跡する。
【0093】
追跡ブロック608および割当て/削減ブロック609は、データをI/O記録ブロック610に転送する。I/O記録ブロック610は、ブロックチェーン605または621に記録される記録を準備し、そこにデータを送信する。次に、I/O記録ブロック610は、追跡ブロック608および/または割当て/削減ブロック609の代わりにブロックチェーンに要求し、要求されたデータ(例えば、TOOスマート契約に必要な許可関連データ)を提供するように構成される。
【0094】
PT取引モジュール603内のPMC607は、PT/PC交換ブロック611と、PC取引ブロック613と、I/O(入力/出力)記録ブロック612とを備える。
【0095】
PC取引ブロック613は、登録プレーヤ間でのプラスチッククレジットの取引を可能にし(例えば、EXP-フロントエンド602の助けを借りて)、ブロックチェーンに記録するためにそれぞれのデータをI/O記録ブロック612に転送するように構成される。
【0096】
PT/PC交換ブロック611は、図1図5を参照して詳述した変換動作を可能にし、ブロックチェーンに記録するために、得られたデータをI/O記録ブロック612に転送するように構成される。
【0097】
I/O記録ブロック612はさらに、PT/PC交換ブロック611、PC取引ブロック613の代わりに、それぞれのブロックチェーンからデータを要求し、要求されたデータを提供するように構成される。
【0098】
本開示の主題の教示は、図6を参照して説明される調整システムによって拘束されないことに留意されたい。同等および/または修正された機能は、別の方法で統合または分割することができ、ソフトウェアとファームウェアおよび/またはハードウェアとの任意の適切な組合せで実装することができる。EXP105の図示された要素のいずれも(別々におよび/または一緒に)、クラウドおよび/または分散型および/または仮想化されたコンピューティング構成で実装することができる。
【0099】
本発明は、その適用において、本明細書に含まれる説明に記載されるか、または図面に図示される詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施および実行することができる。したがって、本明細書で使用される表現および用語は、説明の目的のためであり、限定と見なされるべきではないことを理解されたい。したがって、当業者は、本開示の基礎となる概念が、本開示の主題のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に利用され得ることを理解するであろう。
【0100】
本発明によるシステムは、少なくとも部分的に、適切にプログラムされたコンピュータ上に実装され得ることも理解されるであろう。同様に、本発明は、本発明の方法を実行するためにコンピュータによって読み取り可能なコンピュータプログラムを企図する。本発明はさらに、本発明の方法を実行するためにコンピュータによって実行可能な命令のプログラムを有形に具現化する非一時的なコンピュータ可読メモリを企図する。
【0101】
当業者であれば、添付の特許請求の範囲に定義される範囲から逸脱することなく、本明細書において上記で説明した本発明の実施形態に様々な修正および変更を適用することができることを容易に理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】