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特表2024-505057非流体冷却式の電気自動車用急速充電ケーブル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】非流体冷却式の電気自動車用急速充電ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/42 20060101AFI20240126BHJP
【FI】
H01B7/42 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545914
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 US2022014576
(87)【国際公開番号】W WO2022165344
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】17/588,029
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/143,146
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523283704
【氏名又は名称】アールエスシーシー・ワイヤー・アンド・ケーブル・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】RSCC WIRE & CABLE LLC
【住所又は居所原語表記】20 Bradley Park Road, East Granby, CT 06026 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ショシャニ、ギル
(72)【発明者】
【氏名】ラウディシナ、フィル
(72)【発明者】
【氏名】ダブラ、アルティン
【テーマコード(参考)】
5G315
【Fターム(参考)】
5G315FA01
(57)【要約】
非流体冷却式の急速充電電気自動車(EV)ケーブルが、一対のケーブル化された絶縁導体と、バインダと、ブランケット内で非常に低い密度及び非常に低い熱伝導率を有する合成多孔質材料の熱層とを含み、ファイバーグラスカバー及びジャケットをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車(EV)を急速充電するためのケーブルであって、
絶縁導体と、
バインダと、
熱層と、
ジャケットとを備え、前記熱層が、非常に低い密度及び非常に低い熱伝導率を有する合成多孔質材料である、
ケーブル。
【請求項2】
2つの絶縁導体をさらに備え、前記2つの絶縁導体がケーブル化され、前記2つの絶縁導体の周りに前記バインダが配置され、前記バインダの周りに前記熱層が配置され、前記熱層の周りに前記ジャケットが配置される、
請求項1に記載のケーブル。
【請求項3】
前記2つの絶縁導体が、可撓性のスズめっき銅クラスK導体を含む、請求項2に記載のケーブル。
【請求項4】
前記2つの絶縁導体が、2/0AWGの可撓性のスズめっき銅クラスK導体を含む、請求項3に記載のケーブル。
【請求項5】
前記バインダが、マイカベースの材料を含み、前記導体を覆って重ね合わせて貼着される、請求項1に記載のケーブル。
【請求項6】
前記重ね合わせが、約25パーセントの重ね合わせである、請求項5に記載のケーブル。
【請求項7】
前記熱層が、外層とエアロゲル材料とを有するブランケットを備える、請求項1に記載のケーブル。
【請求項8】
前記外層が、ファイバーグラス材料を含む、請求項7に記載のケーブル。
【請求項9】
前記ジャケットが、ポリマー材料から形成され、熱可塑性ポリウレタン材料を含む、請求項1に記載のケーブル。
【請求項10】
2つの絶縁導体をさらに備え、前記2つの絶縁導体が、前記導体の周りに配置された熱層を備え、前記2つの絶縁導体及び前記熱層が、ケーブル化されてアセンブリを形成し、前記アセンブリの周りに前記バインダが配置され、前記バインダの周りに前記ジャケットが配置される、
請求項1に記載のケーブル。
【請求項11】
電気自動車(EV)を急速充電するためのケーブルであって、
導体を取り囲む断熱体を含む絶縁導体と、
前記絶縁導体から熱を伝達する空気流を提供する空気チャネルと、
前記絶縁導体及び空気チャネルを取り囲むジャケットと、
を備えるケーブル。
【請求項12】
前記絶縁導体に隣接するシリコンスペーサ
をさらに備える、請求項11に記載のケーブル。
【請求項13】
前記導体が2つの導体を含み、前記2つの導体が、前記2つの導体を取り囲んで結合するシリコンを含む、請求項11に記載のケーブル。
【請求項14】
前記導体が、前記空気チャネルを備える少なくとも1つの隙間を備える、請求項11に記載のケーブル。
【請求項15】
前記断熱体が、前記空気チャネルを備える少なくとも1つの隙間を備える、請求項11に記載のケーブル。
【請求項16】
少なくとも1つの空気チューブをさらに備え、前記少なくとも1つの空気チューブが、前記絶縁導体に隣接して位置され、前記空気チャネルを備える、
請求項11に記載のケーブル。
【請求項17】
前記少なくとも1つの空気チューブが、アルミニウム空気チューブを含む、請求項16に記載のケーブル。
【請求項18】
前記絶縁導体及び前記少なくとも1つの空気チューブが、ケーブル化されている、請求項16に記載のケーブル。
【請求項19】
前記少なくとも1つの空気チューブが、一方向での空気流を含む、請求項16に記載のケーブル。
【請求項20】
前記少なくとも1つの空気チューブが、第1の空気チューブ及び第2の空気チューブを備え、前記第1の空気チューブと第2の空気チューブとが、反対方向の空気流を含む、請求項16に記載のケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年1月29日に出願された米国仮特許出願第63/143,146号に基づき、その優先権を主張するものであり、上記特許文献の全内容を、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に、電気自動車用の充電ケーブルに関し、より詳細には、電気自動車用の非流体冷却式充電ケーブルに関する。
【0003】
電気自動車(EV)は、車載バッテリに蓄えられたバッテリ電力で動作する。バッテリは、電力網から供給される電力を使用して再充電される。充電にはいくつかの「レベル」がある。レベル1の充電は、標準的な電力、例えば家庭用電力(120V)を使用し、これは、車両のバッテリを完全に充電するのに何時間もかかることがある。レベル2の充電は、220~204Vを使用し、住宅、小売店、及びオフィスの充電ステーションでよく見られる。レベル2の充電は、一日又は一晩で車両をフル充電することができる。最も効率的な充電は、約30分で車両を80%以上充電し、約60分で車両をフル充電することができる「急速充電器」を使用するレベル3の充電である。
【0004】
しかし、急速充電器は高電力レベルで動作し、充電ステーションと車両との間のケーブルが冷却される必要があることを理解されたい。従来の急速充電システムは、消費電力によって発生する熱のためにケーブル及びコネクタ(ケーブルと車両との間のコネクタ)を冷却するための流体冷却チューブに依拠する。これにより、充電中に人がケーブルを「取り扱う」ことが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、ケーブルの取扱いを可能にするためにケーブル及びコネクタを低温に維持するための流体を必要としない高速充電ケーブルが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、急速充電EVケーブルは、冷却コイル又は流体を必要としない。一実施形態では、ケーブルは、絶縁導体、バインダ、熱層、及び熱層の周りに配置されたジャケットを含む。一実施形態では、熱層は、非常に低い密度及び非常に低い熱伝導率を有する合成多孔質材料である。1つの適切な熱層は、外層及びエアロゲル材料を有するブランケットとして形成されたサーマルブランケットである。外層は、例えばファイバーグラス材料でよい。
【0007】
一実施形態では、ケーブルは2つの絶縁導体を含み、これらの導体をケーブル化することができる。ケーブルは、3つ以上の絶縁導体を含むこともできる。
【0008】
いくつかの実施形態では、ケーブル化された導体の周りにバインダが配置され、バインダの周りに熱層が配置され、熱層の周りにジャケットが配置される。バインダは、マイカテープなどのマイカベース材料でよい。テープは、導体を覆って重ね合わせて貼着することができる。1つの適切な重ね合わせは、25パーセントの重ね合わせである。ジャケットは、熱可塑性ポリウレタン材料など、高分子材料などの耐摩耗性及び耐切断性の材料でよい。1つ又は複数の実施形態では、ジャケットは、約0.120インチの公称壁厚を有する。他の適切なジャケット材料には、例えば熱硬化性材料が含まれる。他の適切なジャケットの厚さ及び材料は当業者には理解されよう。
【0009】
いくつかの実施形態では、導体は、可撓性のスズめっき押出銅導体である。導体は、例えば、2/0AWGの可撓性のスズめっき押出銅クラスK導体でよい。他の実施形態では、導体は、4/0AWGの可撓性のスズめっき押出銅クラスK導体である。2/0AWG導体の一例は、1323/30撚線導体であり、4/0AWG導体の一例は、1995/30撚線導体である。他のゲージに適した導体も当業者には理解されよう。
【0010】
1つ又は複数の実施形態では、ケーブルは2つの絶縁導体を含み、各導体は、絶縁導体の周りに配置された熱層を含み、導体及び熱層がケーブル化されてアセンブリを形成し、アセンブリの周りにバインダが配置され、バインダの周りにジャケットが配置される。
【0011】
1つ又は複数の実施形態では、ケーブルは2つの絶縁導体を含み、各導体は、絶縁導体の周りに配置された熱層を含み、導体及び熱層がケーブル化されてアセンブリを形成する。そのような実施形態では、アセンブリの周りにバインダが配置され、バインダの周りにさらなる熱層が配置され、さらなる熱層の周りにジャケットが配置される。
【0012】
別の実施形態では、ケーブルは、絶縁導体、空気チャネル、及びジャケットを含む。絶縁導体は、導体を取り囲む断熱体を含むことがある。空気チャネルは、絶縁導体から熱を伝達することができる空気流を提供することができる。ジャケットは、絶縁導体及び空気チャネルを取り囲むことがある。
【0013】
一実施形態では、ケーブルは、シリコンスペーサを含む。シリコンスペーサは、絶縁導体に隣接していることがある。
【0014】
一実施形態では、導体は2つの導体を含むことがあり、2つの導体は、2つの導体を取り囲んで結合するシリコンを含むことがある。
【0015】
一実施形態では、導体は、空気チャネルを含むことがある少なくとも1つの隙間を含むことがある。
【0016】
一実施形態では、断熱体は、空気チャネルを含むことがある少なくとも1つの隙間を含むことがある。
【0017】
一実施形態では、ケーブルは、少なくとも1つの空気チューブを含むことがあり、少なくとも1つの空気チューブは、絶縁導体に隣接して位置されることがあり、空気チャネルを含むことがある。
【0018】
一実施形態では、少なくとも1つの空気チューブは、アルミニウム空気チューブを含むことがある。
【0019】
一実施形態では、絶縁導体及び少なくとも1つの空気チューブは、ケーブル化されることがある。
【0020】
一実施形態では、少なくとも1つの空気チューブは、一方向での空気流を含むことがある。
【0021】
一実施形態では、少なくとも1つの空気チューブは、第1の空気チューブ及び第2の空気チューブを含むことがある。第1の空気チューブと第2の空気チューブとは、反対方向の空気流を含むことがある。
【0022】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲と併せて以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示による急速充電の一実施形態の断面図である。
図2】急速充電ケーブルの別の実施形態の断面図である。
図3】急速充電ケーブルのさらに別の実施形態の断面図である。
図4】急速充電ケーブルのさらに別の実施形態の断面図である。
図5】急速充電ケーブルのさらに別の実施形態の断面図である。
図6】急速充電ケーブルのさらに別の実施形態の断面図である。
図7図4の急速充電ケーブルの側断面図である。
図8図5の急速充電ケーブルの側断面図である。
図9図6の急速充電ケーブルの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本デバイスは様々な形態で具現化することができるが、現時点で好ましい実施形態を図面に示し、本明細書で以下に述べる。本開示は、本デバイスの例示とみなされるべきであり、例示される特定の実施形態への限定は意図されていないことを理解されたい。
【0025】
図1は、電気自動車用の非流体冷却式の電気自動車(EV)急速充電ケーブル10の一実施形態の断面図である。ケーブル10は、絶縁導体12、バインダ14、熱層16、及びジャケット18を含む。図示される実施形態では、絶縁導体12は、2/0AWGスズめっき銅クラスK導体など、可撓性のスズめっき押出銅導体などの導体20を含む。1つの適切な可撓性のスズめっき押出銅導体は、2/0AWG(1323/30撚線)導体である。導体20には断熱材22が存在する。例えば0.080インチの最小平均壁を有するシリコーンゴム断熱材など、熱硬化性耐熱材料などの断熱材である。一実施形態では、2つの絶縁導体12が使用される。絶縁導体12は、左撚りでケーブル化される(ねじられる)。ケーブル10は、3つ以上の絶縁導体12を含むこともある。
【0026】
絶縁導体12の周りにバインダ14が配置される。一実施形態では、バインダ14は、マイカテープなどのテープである。1つの適切なマイカテープは、厚さ0.005インチのマイカテープである。テープは、重ね合わせて貼着されることもある。1つの適切な重ね合わせは、25パーセントの重ね合わせである。
【0027】
バインダテープ14の周りに熱層16が配置される。適切な熱層16は、サーマルブランケット又はベッディングであり、ファイバーグラス材料24がエアロゲル材料26を包んでいるエアロゲルベースのサーマルブランケットなど、非常に低い密度及び非常に低い熱伝導率を有する固体を含む。エアロゲル材料26は、ゲルに由来する合成多孔質超軽量材料であり、ゲル構造の大幅な崩れを伴わずにゲル用の液体成分が気体で置換されている。一実施形態では、熱層ブランケット16は、約0.300インチの公称壁厚を有する。
【0028】
サーマルブランケット16の周りにジャケット18が配置される。ジャケット18は、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)材料など、高分子材料などの耐摩耗性及び耐切断性の材料でよい。他の適切なジャケット材料には、熱硬化性材料が含まれる。1つの本ジャケット18は、約0.120インチの公称壁厚を有するTPU材料である。
【0029】
本EVケーブル10の構成は2つの絶縁導体12を有し、導体20(裸)は約0.48インチの公称直径を有し、断熱材22は0.080インチの最小平均壁を有する。ここでも左撚りでケーブル化された2つの絶縁導体12は、約1.288インチの公称直径を有するアセンブリ28を形成する。25パーセントの重ね合わせなど、重ね合わせて貼着されたバインダテープ14を有するアセンブリ28は、約1.301インチの公称直径を有する。サーマルブランケット16は、公称直径が約1.908インチであり、サーマルブランケット16を覆って配置されてEVケーブル10を形成するジャケット18は、公称直径が約2.155インチである。
【0030】
図2は、EVケーブル110の代替実施形態を示す。この実施形態では、ケーブル110は、絶縁導体112、熱層114、バインダ116、及びジャケット118を含む。図示される実施形態では、絶縁導体112は、4/0AWG(1995/30撚線)スズめっき銅クラスK導体などの導体120を含む。導体120に、0.080インチの最小平均壁を有するシリコーンゴム断熱材など、熱硬化性耐熱材料などの断熱材122が存在する。
【0031】
絶縁導体112の周りに熱層114が配置される。適切な熱層114は、ファイバーグラス材料124がエアロゲル材料126を包んでいるエアロゲルベースのサーマルブランケットなど、非常に低い密度及び非常に低い熱伝導率を有する固体から形成されたサーマルブランケット又はベッディングである。エアロゲル材料126は、ゲルに由来する合成多孔質超軽量材料であり、ゲル構造の大幅な崩れを伴わずにゲル用の液体成分が気体で置換されている。一実施形態では、熱層ブランケット114は、約0.300インチの公称壁厚を有する。
【0032】
図示される実施形態では、個別の熱層114を有する2つの絶縁導体112が使用され、熱層114を有する導体112は、左撚りでケーブル化される(ねじられる)。2つの導体112及びそれらの熱層114が、アセンブリ128を画定する。
【0033】
アセンブリ128(導体112及びそれらの熱層114)の周りにバインダ116が配置される。一実施形態では、バインダ116は、マイカテープなどのテープである。1つの適切なマイカテープは、厚さ0.005インチのマイカテープである。テープは、25パーセントの重ね合わせなど、重ね合わせて貼着されることもある。
【0034】
バインダ116の周りにジャケット118が配置される。ジャケット118は、例えば、約0.120インチの公称壁厚を有するTPU材料など、高分子材料などの耐摩耗性及び耐切断性の材料でよい。他の適切なジャケット材料には熱硬化性材料が含まれる。他の適切なジャケット厚さは当業者に理解されよう。
【0035】
図示されるEVケーブル110の構成は2つの絶縁導体112を有し、導体120(裸)は約0.549インチの公称直径を有し、断熱材122は0.080インチの最小平均壁を有する。
【0036】
この実施形態では、個別の絶縁導体112のそれぞれの周りにサーマルブランケット114が配置される。サーマルブランケット114はそれぞれ、約0.300インチの公称壁厚を有し、ブランケット114を有する絶縁導体112はそれぞれ、約1.32インチの公称直径を有する。サーマルブランケット114を有する2つの導体112は、左撚りでケーブル化されて、約2.641インチの公称直径を有するアセンブリ128を形成し、アセンブリ128を覆って、バインダテープ116が、25パーセントの重ね合わせなどの重ね合わせで配置され、約2.649インチの全体公称直径を有する。
【0037】
バインダ116の周りに、ジャケット118、例えばTPU材料ジャケット118など、高分子材料などの耐摩耗性及び耐切断性の材料が配置され、得られるケーブル110は、約2.895インチの公称直径を有する。他の適切な材料には、例えば熱硬化性材料が含まれる。他の適切なジャケット厚さは当業者に理解されよう。
【0038】
図3は、EVケーブル210のさらに別の代替実施形態を示す。図2の実施形態と同様であるこの実施形態では、ケーブル210は、絶縁導体212、熱層214、バインダ216、別の(又は追加の)熱層218、及びジャケット220を含む。図示される実施形態では、絶縁導体212は、可撓性のスズめっき押出4/0AWG銅クラスK導体などの導体222を含む。1つのそのような導体は、可撓性のスズめっき押出4/0AWG(1995/30撚線)銅クラスK導体である。導体222に、例えば0.080インチの最小平均壁を有するシリコーンゴム断熱材など、熱硬化性耐熱材料などの断熱材224が存在する。
【0039】
絶縁導体212の周りに熱層214が配置される。適切な熱層214は、ファイバーグラス材料226がエアロゲル材料228を包んでいるエアロゲルベースのサーマルブランケットなど、非常に低い密度及び非常に低い熱伝導率を有する固体などのサーマルブランケット又はベッディングである。エアロゲル材料228は、ゲルに由来する合成多孔質超軽量材料であり、ゲル構造の大幅な崩れを伴わずにゲル用の液体成分が気体で置換されている。一実施形態では、熱層ブランケット214は、約0.300インチの公称壁厚を有する。
【0040】
図示される実施形態では、個別の熱層214を有する2つの絶縁導体212が使用される。熱層214を有する導体212は、左撚りでケーブル化される(ねじられる)。2つの導体212及びそれらの熱層214が、アセンブリ230を画定する。
【0041】
アセンブリ230(導体212及びそれらの熱層214)の周りにバインダ216が配置される。一実施形態では、バインダ216は、マイカテープなどのテープである。1つの適切なマイカテープは、厚さ0.005インチのマイカテープである。テープは、25パーセントの重ね合わせなど、重ね合わせて貼着されることもある。
【0042】
アセンブリ230の周りに第2の熱層218が配置される。第2の熱層218は、約0.300インチの公称壁厚を有し、第2の熱層218の周りにジャケット220が配置される。ジャケット220は、例えば、約0.120インチの公称壁厚を有するTPU材料など、高分子材料などの耐摩耗性及び耐切断性の材料でよい。他の適切なジャケット材料には、例えば熱硬化性材料が含まれる。他の適切なジャケット厚さは当業者に理解されよう。
【0043】
図示されるEVケーブル210の構成は2つの絶縁導体212を有し、導体222(裸)は約0.549インチの公称直径を有し、断熱材224は0.080インチの最小平均壁厚を有する。
【0044】
この実施形態では、個別の絶縁導体212それぞれの周りにサーマルブランケット214が配置される。サーマルブランケット214はそれぞれ、約0.300インチの公称壁厚を有し、ブランケットを有する絶縁導体212はそれぞれ、約1.32インチの公称直径を有する。2つの導体212及びそれらのサーマルブランケット214は、左撚りでケーブル化されて、約2.641インチの公称直径を有するアセンブリ230を形成する。アセンブリ230を覆ってバインダテープ216が配置される。アセンブリ230を覆って、バインダテープ216が、25パーセントの重ね合わせなどの重ね合わせで配置され、約2.649インチの全体公称直径を有する。
【0045】
バインダテープ216、及びバインダテープ216を有するアセンブリ230を覆って、第2のサーマルブランケット218が配置され、第2のサーマルブランケット218は、約3.257インチの公称直径を有する。第2のサーマルブランケット218の周りに、ジャケット220、例えばTPU材料ジャケット220など、高分子材料などの耐摩耗性及び耐切断性の材料が配置され、得られるケーブル210は、約3.503インチの公称直径を有する。他の適切なジャケット材料には、例えば熱硬化性材料が含まれる。他の適切なジャケット厚さは当業者に理解されよう。
【0046】
図4は、EVケーブル310のさらに別の代替実施形態を示す。この実施形態では、ケーブル310は、絶縁導体316、シリコンスペーサ314、層312、及びジャケット330を含む。層312は、バインダ及び/又は熱層を含むことがある。図示される実施形態では、絶縁導体316は、4/0AWG(1995/30撚線)スズめっき銅クラスK導体などの導体324を含む。導体324に、シリコーンゴム断熱材など、熱硬化性耐熱材料などの断熱材318が存在する。
【0047】
断熱材318は、空気チャネルを画定する少なくとも1つの隙間320を含む。隙間320は、導体324を取り囲む複数の隙間を含み、隙間が圧力下で潰れるのを防ぐのに十分な構造的完全性又は強度を維持しながら、熱が導体324から隙間320へ、及び隙間320を通って移動することを可能にすることができる。
【0048】
隙間320は、空気が断熱材318内を流れることを可能にし、導体324から熱を移動させて、層312及びジャケット330に熱が伝達するのを制限する。例えば、空気流は、導体324で発生した熱を、ケーブル310を通して移動させて、ケーブルの一端から出すことができる。例えば、空気は、充電端、すなわちEVに接続されてユーザによって取り扱われる端部でケーブル310に入ることができ、ケーブル310を通って隙間320内を流れ、ケーブル310の他端から流出することができる。したがって、導体324から発生した熱を導体から逃がし、層312及びジャケット330への熱伝達を制限する。例えば、層312及びジャケット330に熱がほとんど伝達されないように、熱伝達を空気チャネルに限定することができる。さらに、空気がケーブル310の充電端から入るので、ケーブル310の温度は、ケーブル310の出口端と比較して充電端で最も低くなる。
【0049】
図示される実施形態では、2つのシリコンスペーサ314と、隙間320を含む断熱材318を有する2つの絶縁導体316とが使用される。シリコンスペーサ314及び絶縁導体316を左撚りでケーブル化する(ねじる)ことができる。2つのシリコンスペーサ314及び2つの絶縁導体316は、アセンブリ326を画定する。
【0050】
アセンブリ326(導体324及びそれらの断熱材318)の周りに層312が配置される。一実施形態では、層は、マイカテープなどのテープであるバインダを含む。1つの適切なマイカテープは、厚さ0.005インチのマイカテープである。テープは、25パーセントの重ね合わせなど、重ね合わせて貼着されることもある。層312は、アセンブリ326の周りに配置することができるサーマルブランケットを含むこともある。サーマルブランケットは、約0.300インチの公称壁厚を有することがあり、層312の周りにジャケット330が配置される。ジャケット330は、例えばTPU材料など、高分子材料などの耐摩耗性及び耐切断性の材料でよい。他の適切なジャケット材料には、例えば熱硬化性材料が含まれる。他の適切なジャケット厚さは当業者に理解されよう。
【0051】
図示されるEVケーブル310の構成は、2つのシリコンスペーサ及び2つの絶縁導体316を有し、導体324(裸)は、約0.549インチの公称直径を有し、断熱材318は、0.080インチの最小平均壁厚を有し、空気流用の隙間320を含む。
【0052】
シリコンスペーサ314は、構造的支持を提供する、アセンブリ326内に配置された2つのシリコンスペーサを含み、これにより、絶縁導体316がアセンブリ326内で離間し、層312とほとんど接触しないようにする。シリコンスペーサは、14.6mm~16.7mmの間の直径を有することがある。
【0053】
一実施形態では、ケーブル310は、5.21mmの厚さを有することがある。
【0054】
一実施形態では、シリコンスペーサ314は、16.7mmの直径を有する。
【0055】
一実施形態では、ケーブル310は、75.02mmの直径を有することがある。
【0056】
図5は、EVケーブル410のさらに別の代替実施形態を示す。図4の実施形態と同様であるこの実施形態では、ケーブル410は、絶縁導体414、シリコンスペーサ420、層412、及びジャケット430を含む。層412は、バインダ及び/又は熱層を含むことがある。図示される実施形態では、絶縁導体414は、4/0AWG(1995/30撚線)スズめっき銅クラスK導体などの導体418を含む。導体418に、シリコーンゴム断熱材など、熱硬化性耐熱材料などの断熱材416が存在する。
【0057】
断熱材416は、空気チャネルを画定する少なくとも1つの隙間422を含む。隙間422は、導体418の外縁部での個別の導体間の複数の隙間を含む。隙間422は、熱が導体418から隙間422へ、及び隙間422を通って移動することを可能にする。隙間422は、導体418内にあるので、より小さいケーブル410直径を可能にする。
【0058】
隙間422により、空気が断熱材416と導体418との間、及びケーブルを通って流れることができ、層412及びジャケット430への熱の伝達を制限する。例えば、空気流は、導体418で発生した熱を、ケーブル410を通して移動させて、ケーブルの一端から出すことができる。空気は、充電端、すなわちEVに接続されてユーザによって取り扱われる端部でケーブル410に入ることができ、ケーブル410を通って隙間422内を流れ、ケーブル410の他端から流出することができる。したがって、導体418から発生した熱を導体から逃がし、層412及びジャケット430への熱伝達を制限する。例えば、層412及びジャケット430に熱がほとんど伝達されないように、熱伝達を空気チャネルに限定することができる。さらに、空気がケーブル410の充電端から入るので、ケーブル410の温度は、ケーブル410の出口端と比較して充電端で最も低くなる。
【0059】
図示される実施形態では、2つのシリコンスペーサ420と、隙間422を含む断熱材416を有する2つの絶縁導体418とが使用される。シリコンスペーサ420及び絶縁導体414は、左撚りでケーブル化される(ねじられる)。2つのシリコンスペーサ420及び2つの絶縁導体414は、アセンブリ424を画定する。
【0060】
アセンブリ424(シリコンスペーサ420と、導体418及びそれらの断熱材416と)の周りに層412が配置される。一実施形態では、層は、マイカテープなどのテープであるバインダを含む。1つの適切なマイカテープは、厚さ0.005インチのマイカテープである。テープは、25パーセントの重ね合わせなど、重ね合わせて貼着されることもある。層412は、アセンブリ424の周りに配置することができるサーマルブランケットを含むこともある。サーマルブランケットは、約0.300インチの公称壁厚を有することがあり、層412の周りにジャケット430が配置される。ジャケット430は、例えばTPU材料など、高分子材料などの耐摩耗性及び耐切断性の材料でよい。他の適切なジャケット材料には、例えば熱硬化性材料が含まれる。他の適切なジャケット材料は当業者に理解されよう。
【0061】
図示されるEVケーブル410の構成は、2つのシリコンスペーサ及び2つの絶縁導体414を有し、導体418(裸)は、約0.549インチの公称直径を有し、断熱材416は、0.080インチの最小平均壁厚を有し、空気流用の隙間422を含む。
【0062】
シリコンスペーサ420は、構造的支持を提供する、アセンブリ424内に配置された2つのシリコンスペーサを含み、これにより、絶縁導体414がアセンブリ424内で離間し、層412とほとんど接触しないようにする。シリコンスペーサは、14.6mm~16.7mmの間の直径を有することがある。
【0063】
一実施形態では、ケーブル410は、4.83mmの厚さを有することがある。
【0064】
一実施形態では、シリコンスペーサ420は、14.6mmの直径を有する。
【0065】
一実施形態では、ケーブル410は、66.21mmの直径を有することがある。
【0066】
図6は、EVケーブル510のさらに別の代替実施形態を示す。この実施形態では、ケーブル510は、空気チューブ518、絶縁導体514、層512、及びジャケット530を含む。層512は、バインダ及び/又は熱層を含むことがある。図示される実施形態では、絶縁導体514は、4/0AWG(1995/30撚線)スズめっき銅クラスK導体などの導体520を含む。導体520に、シリコーンゴム断熱材など、熱硬化性耐熱材料などの断熱材522が存在する。断熱材522は、アセンブリ526内に配置され、構造的支持を提供し、これにより、絶縁導体520がアセンブリ526内で離間し、層512とほとんど接触しないようにする。
【0067】
空気チューブ518は、空気チャネル516を画定する管状構造を含む。空気チューブ518は、開口部524をさらに含む。開口部524により、空気が空気チューブ518に流入し、そこから流出し、絶縁導体514と空気チューブ518との間の空間528に流入することが可能になる。したがって、空気は、空気チューブ518を通って、絶縁導体514と空気チューブ518との間の空間528に流入することができ、より多くの熱が導体520から伝達されることを可能にする。空気チューブ518は、アルミニウムから形成することができる。
【0068】
空気チューブ518は、空気が絶縁導体514からケーブル510を通って流れることを可能にし、層512及びジャケット530への熱の伝達を制限する。例えば、空気流は、導体520で発生した熱を、ケーブル510を通して移動させて、ケーブルの一端から出すことができる。例えば、空気は、充電端、すなわちEVに接続されてユーザによって取り扱われる端部でケーブル510に入ることができ、空気は、ケーブル510を通って空気チューブ518内を流れ、ケーブル510の他端から流出することができる。したがって、導体520から発生した熱を導体から逃がし、層512及びジャケット530への熱伝達を制限する。別の実施形態では、空気は、ケーブル510の充電端から一方の空気チューブ518を通ってケーブル510の他端に流れることができ、そこでケーブル510の第2の空気チューブ518に送られて、ケーブル510の充電端に流れる。空気チューブ518は、空気チューブ518の端部を曲げて接続する管状構造を使用して、ケーブル510内の第2の空気チューブ518に接続されることがある。湾曲部での管状構造は、第2の空気チューブに送られる前に空気流をさらに冷却するための冷却構造を含むことがある。冷却構造は、例えば、部分的にジャケット530の外側にある構造でもよい。部分的に露出された構造は、ヒートシンクを含むことがある。別の例では、冷却構造は、湾曲部で管状構造内に冷気を強制的に送り込むファンを含むことがある。
【0069】
一実施形態では、断熱材522又は導体514には隙間又は穴がないため、空気チューブ518は、より小さいケーブル510直径を可能にすることができる。
【0070】
アセンブリ526(空気チューブ518と、導体520及び断熱材522と)の周りに層512が配置される。一実施形態では、層512は、マイカテープなどのテープであるバインダを含む。1つの適切なマイカテープは、厚さ0.005インチのマイカテープである。テープは、25パーセントの重ね合わせなど、重ね合わせて貼着されることもある。層512は、アセンブリ526の周りに配置することができるサーマルブランケットを含むこともある。サーマルブランケットは、約0.300インチの公称壁厚を有することがあり、層512の周りにジャケット530が配置される。ジャケット530は、例えばTPU材料など、高分子材料などの耐摩耗性及び耐切断性の材料でよい。他の適切なジャケット材料には、例えば熱硬化性材料が含まれる。他の適切なジャケット材料は当業者に理解されよう。
【0071】
一実施形態では、ケーブル510は、4.32mmの厚さを有することがある。
【0072】
一実施形態では、空気チューブ518は、12.1mmの直径を有することがある。
【0073】
一実施形態では、ケーブル510は、57.92mmの直径を有することがある。
【0074】
図7は、図4のケーブル310の側面図を示す。ケーブル310は、絶縁導体316、シリコンスペーサ314、層312、及びジャケット330を含む。絶縁導体316は、導体324と、隙間320を含む断熱体318とを含む。シリコンスペーサ314及び絶縁導体316は、左撚りでケーブル化される(ねじられる)。導体324は、断熱体318内でケーブル化される個別の導体を含む。図7での導体324は、どのようにケーブル化される(ねじられる)かを示すために裸の導体を示す。
【0075】
図8は、図5でのケーブル410の側面図を示す。ケーブル410は、絶縁導体414、シリコンスペーサ420、層412、及びジャケット430を含む。絶縁導体414は、導体418と、隙間422を含む断熱体416とを含む。シリコンスペーサ420及び絶縁導体414は、左撚りでケーブル化される(ねじられる)。導体418は、断熱体416内でケーブル化される個別の導体を含む。図8での導体418は、どのようにケーブル化される(ねじられる)かを示すために裸の導体を示す。
【0076】
図9は、図6でのケーブル510の側面図を示す。ケーブル510は、空気チューブ518、絶縁導体514、層512、及びジャケット530を含む。空気チューブ518及び絶縁導体514は、左撚りでケーブル化される(ねじられる)。導体520は、断熱体522内でケーブル化される個別の導体を含むことがある。空気チューブ518は、空気がアセンブリ526に流入及び流出することを可能にする開口部524及び532を含む。
【0077】
1つ又は複数の実施形態では、ファン又は他のデバイスを使用して空気流を増加させ、空気を強制的に移動させて、充電ケーブルに流入又は流出させることができる。
【0078】
1つ又は複数の実施形態では、空気流は、ケーブル内に強制的に又は自然に流入する冷気を含むことがある。例えば、冷気は、EVにプラグ接続されていないケーブルの端部から流れることがある。
【0079】
冷却コイルを必要とせず、冷却流体、流体接続、及び漏れの可能性をなくす急速充電EVケーブルの利点を当業者は理解されよう。断熱材、バインダ、サーマルブランケット、及びジャケットに関する特定の材料が開示されているが、急速充電EVケーブルに使用することができる他の適切な材料も当業者は認識されよう。それらの他の材料も、本開示の範囲及び精神内にある。また、開示される任意の実施形態における様々な材料及び層は、他の実施形態と共に使用することもでき、そのような実施形態及びその変形形態はすべて本開示の範囲及び精神内にあることも認識されよう。
【0080】
本明細書で言及されるすべての特許は、本開示の本文に具体的に組み込まれているか否かにかかわらず、参照により本明細書に援用する。
【0081】
本開示において、「1つ」という単語は、単数形と複数形との両方を含むものとして解釈すべきである。逆に、複数の要素への言及は、適宜、単数形も含むものとする。さらに、「上側」又は「下側」など様々な構成要素の向きを表す用語は、例示の目的で使用されているにすぎず、本開示の主題を特定の向きに限定するものではないことを理解されたい。
【0082】
以上のことから、本開示の新規概念の真の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形を実現することができることが分かるであろう。例示された特定の実施形態に対する限定は意図されていない、又は推測されるべきでないことを理解されたい。本開示は、すべてのそのような修正が特許請求の範囲の範囲内に含まれるようにそれらを網羅することを意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】