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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】アライメント機構
(51)【国際特許分類】
   F41G 3/06 20060101AFI20240126BHJP
   G02B 23/16 20060101ALN20240126BHJP
【FI】
F41G3/06
G02B23/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545978
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2022013991
(87)【国際公開番号】W WO2022164961
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/143,391
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520168099
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】クレルモント トッド
(72)【発明者】
【氏名】ファレル ベン
【テーマコード(参考)】
2H039
【Fターム(参考)】
2H039AB62
2H039AB68
(57)【要約】
【課題】銃器の射撃時又は運搬時に移動しない照準点を有する装着式測距計を提供する。
【解決手段】アライメント機構は、前方右象限、前方左象限、後方右象限及び後方左象限を備えたベースを有する。ベースは更に、ヨー軸及びピッチ軸を定める。ボールソケットリンク機構は、ヨー軸とピッチ軸の交点にある前方右象限又は前方左象限の何れかにおいてベース上に配置されている。圧力プレート組立体もまた、前方右象限及び前方左象限の他方のベースの底面にある。ばねは、後方右象限及び後方左象限の一方と接触し、またボールソケットリンク機構と対角線上にあり、ヨーアライメント面が後方右象限及び後方左象限の他方にある。ピッチアライメント面も後方右象限及び後方左象限の一方にある。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アライメント機構であって、
前方右象限、前方左象限、後方右象限及び後方左象限を有するベースであって、更にヨー軸及びピッチ軸を定める、ベースと、
前記前方右象限及び前記前方左象限の一方において前記ベース上で前記ヨー軸と前記ピッチ軸の交点にあるボールソケットリンク機構と、
前記前方右象限及び前記前方左象限の他方において前記ベースの下面にある圧力プレート組立体と、
前記後方右象限及び前記後方左象限の一方に接触するばねと、
前記後方右象限及び前記後方左象限の他方にあるヨーアライメント面と、
前記後方右象限及び前記後方左象限の一方にあるピッチアライメント面と、
を備える、アライメント機構。
【請求項2】
前記ベースが、前記ヨー軸の回りに枢動可能であり且つ前記ピッチ軸の回りに回転可能である、請求項1に記載のアライメント機構。
【請求項3】
前記ボールソケットリンク機構が、前記ヨーアライメント面と対角線上にある、請求項1に記載のアライメント機構。
【請求項4】
前記ボールソケットリンク機構が、前記前方左象限の下面にある、請求項1に記載のアライメント機構。
【請求項5】
前記ばねが、前記後方左象限に接触している、請求項1に記載のアライメント機構。
【請求項6】
前記ばねが、ばね接触面に接触しており、前記ばね接触面が前記ベースの底面に対して25°から65°の角度をなしている、請求項1に記載のアライメント機構。
【請求項7】
測距計であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収納された測距計シャーシと、
前記ハウジング内に収納されたアライメント機構と、
を備え、
前記アライメント機構が、
前方右象限、前方左象限、後方右象限及び後方左象限を有するベースであって、更にヨー軸及びピッチ軸を定める、ベースと、
前記前方右象限及び前記前方左象限の一方において前記ベース上で前記ヨー軸と前記ピッチ軸の交点にあるボールソケットリンク機構と、
前記前方右象限及び前記前方左象限の他方において前記ベースの下面にある圧力プレート組立体と、
前記ハウジングと、前記後方右象限及び前記後方左象限の一方上のばね接触面との間に固定されたばねと、
前記後方右象限及び前記後方左象限の他方にあるヨーアライメント面と、
前記後方右象限及び前記後方左象限の一方にあるピッチアライメント面と、
を含む、測距計。
【請求項8】
前記ベースは、前記ヨー軸の回りに枢動可能であり且つ前記ピッチ軸の回りに枢動可能である、請求項7に記載の測距計。
【請求項9】
前記ボールソケットリンク機構が、前記前方左象限の下面上にある、請求項7に記載の測距計。
【請求項10】
前記ばね接触面が、前記後方左象限にある、請求項7に記載の測距計。
【請求項11】
前記ばね接触面が、前記ベースの底面に対して25°から65°の角度をなしている、請求項7に記載の測距計。
【請求項12】
前記ハウジングの第1の開口部を通過して前記ヨーアライメント面に接触するヨー調整プランジャを更に備える、請求項7に記載の測距計。
【請求項13】
前記ヨー調整プランジャの前記ハウジング内への軸方向移動により、前記ばねが、前記ばね接触面に対してヨー方向の力を増大させる、請求項12に記載の測距計。
【請求項14】
前記ヨー調整プランジャの前記ハウジング内への軸方向移動により、前記ベースが、前記ヨー軸の回りに第1の位置から第2の位置まで枢動する、請求項12に記載の測距計。
【請求項15】
前記ハウジングの第2の開口部を通過して前記ピッチアライメント面に接触するピッチ調整プランジャを更に備える、請求項7に記載の測距計。
【請求項16】
前記ピッチ調整プランジャの前記ハウジング内への軸方向移動により、前記ばねが、前記ばね接触面に対するピッチ方向の力を増大させる、請求項15に記載の測距計。
【請求項17】
前記ピッチ調整プランジャの前記ハウジング内への軸方向移動により、前記ベースが、水平調整プレートに対して前記ピッチ軸の回りに第1の位置から第2の位置まで回転する、請求項15に記載の測距計。
【請求項18】
前記ばねは、前記ベースの可動範囲にわたって前記ばね接触面に対してある量の力を作用する、請求項7に記載の測距計。
【請求項19】
銃器に固定するように構成された、請求項7に記載の測距計。
【請求項20】
前記銃器がライフルである、請求項19に記載の測距計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年1月29日に出願された米国仮特許出願第63/143,391号の本出願であって、その優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、アライメント機構に関する。一実施形態において、本開示は、測距計の調整機構に関する。
【背景技術】
【0003】
測距計は、標的までの距離を決定する際に射手を支援する。測距計は、単独で又はライフルのような銃器に装着することができる。装着式測距計は、最初に兵器に固定されて、測距計の照準点が兵器の照準点とアライメントされた状態であるように調整される。しかしながら、射撃後、武器の反動で、取り付けられた既存の測距計の照準点が移動する傾向がある。そのため、武器を発射した後毎回測距計を再調整しなければならない。同様に、測距計が取り付けられた状態で兵器を運搬すると、測距計のアライメントずれが生じる。射撃前に装着式測距計を再調整しないと、測距計が不正確な数値を示す可能性がある。また、装着式測距計の再調整は、射撃の時間を要してしまう。
【0004】
上述した理由から、銃器の射撃時又は運搬時に移動しない照準点を有する装着式測距計を有することは大きな利点がある。従って、これらの懸念に対処できる装着型測距計のアライメント機構に対する大きな必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態において、本開示は、アライメント機構を提供する。本開示の実施形態によれば、アライメント機構は、前方右象限、前方左象限、後方右象限、及び後方左象限を有するベースであって、ヨー軸及びピッチ軸を更に定めるベースと、前方右象限及び前方左象限の一方においてベース上でヨー軸とピッチ軸との交点にあるボールソケットリンク機構と、前方右象限及び前方左象限の他方においてベースの下面にある圧力プレート組立体と、後方右象限及び後方左象限の一方に接触するばねと、後方右象限及び後方左象限の他方にあるヨーアライメント面と、後方右象限及び後方左象限の一方にあるピッチアライメント面と、を備える。
【0006】
一実施形態では、ベースは、ヨー軸の回りに枢動可能であり且つピッチ軸の回りに回転可能である。幾つかの実施形態では、ボールソケットリンク機構は、ヨーアライメント面と対角線上にある。一実施形態では、ボールソケットリンク機構は、前方左象限の下面にある。別の実施形態では、ばねは後方左象限に接触している。別の実施形態によれば、ばねは、ばね接触面と接触しており、ばね接触面は、ベースの底面に対して25°から65°の角度をなしている。
【0007】
別の実施形態において、本開示は測距計を提供する。本開示の実施形態によれば、測距計は、ハウジングと、ハウジング内に収容された測距計シャーシと、ハウジング内に収容されたアライメント機構と、を備え、アライメント機構は、前方右象限、前方左象限、後方右象限、及び後方左象限を有するベースであって、ヨー軸及びピッチ軸を更に定める、ベースと、前方右象限及び前方左象限の一方においてベース上でヨー軸とピッチ軸との交点にあるボールソケットリンク機構と、前方右象限及び前方左象限の他方のベースの下面にある圧力プレート組立体と、ハウジングと後方右象限及び後方左象限の一方のばね接触面との間に固定されたばねと、後方右象限及び後方左象限の他方にあるヨーアライメント面と、後方右象限及び後方左象限の一方にあるピッチアライメント面と、を備える。
【0008】
一実施形態では、ベースは、ヨー軸の回りに枢動可能であり且つピッチ軸の回りに回転可能である。別の実施形態では、ボールソケットリンク機構は、前方左象限の下面上にある。更に別の実施形態では、ばね接触面は後方左象限にある。更なる実施形態では、ばね接触面は、ベースの底面に対して25°から65°の角度をなしている。
【0009】
別の実施形態によれば、測距計は、ハウジングの第1の開口部を通過してヨーアライメント面に接触するヨー調整プランジャを更に備える。一実施形態では、ヨー調整プランジャのハウジング内への軸方向移動により、ばねが、ばね接触面のヨー方向の力を増大させる。更なる実施形態において、ヨー調整プランジャのハウジング内への軸方向移動により、ベースが、ヨー軸の回りに第1の位置から第2の位置まで枢動する。
【0010】
別の実施形態では、測距計は、ハウジングの第2の開口部を通過してピッチアライメント面に接触するピッチ調整プランジャを更に備える。一実施形態では、ハウジング内へのピッチ調整プランジャにより、ばねが、ばね接触面に対するピッチ方向の力を増大させる。更なる実施形態では、ハウジング内へのピッチ調整プランジャの軸方向移動により、ベースが、水平調整プレートに対してピッチ軸の回りに第1の位置から第2の位置まで回転する。
【0011】
一実施形態において、ばねは、ベースの可動範囲にわたってばね接触面に対してある量の力を作用する。
【0012】
一実施形態において、測距計は銃器に固定するように構成される。一実施形態において、銃器はライフルである。
【0013】
本開示の実施形態は、添付図面を参照して開示され、例示のみを目的とする。本開示は、その適用において、構造の詳細又は図面に例示された構成要素の配置に限定されない。本開示は、他の実施形態、又は他の様々な方法で実行又は実施可能である。同様の参照数字は、同様の構成要素を示すために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本開示の実施形態によるアライメント機構の底面後方斜視図である。
図1B図1Aの分解斜視図である。
図2図1のアライメント機構に使用されるボールソケットリンク機構の断面図である。
図3】本開示の実施形態によるハウジング内の測距計シャーシと共に使用される図1のアライメント機構の後方左斜視図である。
図4図3の右側面図である。
図5】本開示の実施形態によるアライメント機構のヨー調整を示す概略図である。
図6】本開示の実施形態によるアライメント機構のピッチ調整を示す概略図である。
図7】本開示の実施形態に係るアライメント機構のロール調整に対する抵抗を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載又は図面に例示された構造の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示の技術は、他の実施形態が可能である、又は様々な方法で実行又は実施される。また、本明細書で採用される表現及び用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0016】
ここで、本明細書において開示される装置及び方法について、本開示の実施形態が示される添付図面を参照しながらより完全に説明する。しかしながら、本明細書に開示される装置及び方法は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が網羅的且つ完全であり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供されることになる。
【0017】
本開示における数値範囲は、近似値であり、従って、別段の指示がない限り、範囲外の値を含むことができる。数値範囲は、何れかの下側値と何れかの上側値との間に少なくとも2単位の隔たりがあることを条件として、1単位刻みで下側値及び上側値を含む全ての値を含む。一例として、例えば分子量、メルトインデックス、温度等の組成的、物理的又は他の特性が100から1,000である場合、100、101、102等の全ての個々の値及び100から144、155から170、197から200等の部分範囲が明示的に列挙されることが意図される。1未満の値を含む範囲、又は1より大きい端数(例えば1.1、1.5等)を含む範囲については、適宜、1単位は0.0001、0.001、0.01又は0.1とみなされる。10未満の1桁の数字を含む範囲(例:1~5)では、1単位は通常0.1とみなされる。これらは具体的に意図されたものの例に過ぎず、列挙された最低値と最高値の間の数値の可能な組み合わせは全て、本開示に明示されているとみなされる。
【0018】
「真下」、「下方」、「下側」、「上方」、及び「上側」等の空間的用語は、本明細書では、説明を容易にするために、図に例示されるように、1つの要素又は特徴の他の要素又は特徴に対する関係を記述するのに使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用時又は動作時のデバイスの異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。例えば、デバイスが反転された場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「真下」と記載された要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向されることになる。従って、例示的な用語「下方」は、上方及び下方の向きの両方を包含することができる。デバイスは、他の向き(90°回転した向き又は他の向き)であってもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0019】
本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、関連する列挙された品目の1又は2以上の何れか及び全ての組み合わせを含む。例えば、「A及び/又はB」のような表現で使用される場合、「及び/又は」という語句は、A及びBの両方;A又はB;A(単独);及びB(単独)を含むことを意図している。同様に、「A、B及び/又はC」のような表現で使用される用語「及び/又は」は、以下の実施形態:A、B及びC;A、B又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)の各々を包含することが意図される。
【0020】
要素又は層が別の要素又は層の「上にある」、「接続されている」又は「結合されている」と称される場合、これは他の要素又は層上に直接、接続されるか又は結合されることができることを理解されるであろう。或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、要素又は層が、他の要素又は層上に「直接的に」、「直接的に接続された」又は「直接的に結合された」と称される場合、介在要素又は層は存在しない。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「銃器」は、制御可能な方法で物体又は発射体を推進する何れかのデバイスを指す。銃器には、限定ではないが、単発銃器、半自動銃器、及び全自動銃器を含めて、拳銃、ピストル、ライフル、機関銃、及びガトリングガンが挙げられる。
【0022】
図1A及び図1Bは、本開示の実施形態によるアライメント機構100を示す。アライメント機構100は、前方部10a及び後方部10b、並びに右側部10c及び左側部10dを有するプレート状構造体であるベース10を含む。これらの部分の重なりにより、前方右象限、前方左象限、後方右象限及び後方左象限の4つの象限が形成される。図示の実施形態では、前方部10aは、後方部10bよりも幅が広く、ややダブテール形状を形成している。他の実施形態では、前方部10aは、後方部10bよりも幅狭とすることができる。更なる実施形態では、ベース10は、限定ではないが、矩形、三角形、楕円形、又は多角形を含む、他の形状を有することができる。底面15は、前方左象限にボールソケットリンク機構20と、前方右象限に圧力プレート29組立体とを含む。図1A-1Bに示すように、ボールソケットリンク機構20は、開口部20aにてベース10に固定される。図1A-1Bに示すように、圧力プレート組立体29は、ベース10が偏倚するための接点を提供し、ドーム状要素29b(ハウジングに固定される)及びベース10に固定されるプレート29aから構成される。追加の開口部18は、測距距計シャーシ(図示せず)を固定するためにベース10を貫通している。
【0023】
ベース10の後方左象限には、ばね接触面12が形成されている。ばね30は、ハウジング(図示せず)及びばね接触面12の間に挟まれている。図1A図1B及び図3-4に示すように、ばね接触面12はベース10の下面に対して角度をなしている。ばね(30、図示せず)が上下方向及び左右方向の両方向に適切な力を加えるためには、ばね接触面12は、ヨー調整プランジャー(図示せず)の動きに対して垂直とピッチ調整プランジャー(図示せず)に対して垂直との間の角度でなければならない。一実施形態では、ばね接触面12は、25°、又は30°、又は35°、又は40°、又は45°から50°、又は55°、又は60°、又は65°までの角度である。一実施形態では、ばね接触面12は、40°、又は41°、又は42°、又は43°、又は44°から45°、又は46°、又は47°、又は48°、又は49°、又は50°までの角度である。
【0024】
図1B及び図2に示すように、ボールソケットリンク機構は、ピン21、ボール23、及びロックリング25を含む。ソケットは、ボールソケットリンク機構20が配置されるベース10の開口部の内面と組み合わされたロックリング25によって形成される。ピン21は、ロックリングの軸受面26及び開口部の内面の軸受面24と共に協働して、ボール23がソケットから離脱するのを防止する。ボールソケットリンク機構20は、前方左象限の底面に示されているが、ボールソケットリンク機構の別の配置も機能することが理解されるであろう。例えば、幾つかの実施形態では、ボールソケットリンク機構20は、前方左象限又は前方右象限の上側表面又は側面上に設けられてもよく、ボールソケットの互いに対する特定の動きは、アライメント機構の他の構成要素の配置に依存することになる。しかしながら、説明の便宜上、ボールソケットリンク機構20は、前方左象限の下側にあるものとして示されて説明される。
【0025】
単一のボールソケットリンク機構を使用することにより、ヨー(左及び/又は右の枢動)、ピッチ(上及び/又は下の転動)及びロール(左及び/又は右への傾動)の3つの回転運動度に沿ったアライメント機構100の移動が容易になる。ヨーを調整すると測距計の水平方向の照準が調整され、ピッチを調整すると測距計の垂直方向の照準が調整されることは理解されるであろう。純粋なロール運動は、必ずしもアライメント機構100の照準点を変更するものではないが、機構100は、ロール運動と共に複合的な角度運動を示し、これはアライメント機構100の照準点を変更することができる。従って、図示の実施形態では、ボールソケットリンク機構20は、ヨー軸28とピッチ軸38との交点に枢動点を形成する。
【0026】
ベース10の上面19は、図3及び図4に示すように、測距計シャーシ300の下面の幾何形状に一致し且つ測距計シャーシ300をベース10に固定するための構造及び/又は輪郭を有する。
【0027】
図3及び図4は、図1A図2のアライメント機構100を、測距計シャーシ300と共に使用して、ハウジング200(明瞭にするために上側及び後側ハウジング部分は除去されている)内に収容して銃器と共に使用するための測距計400を形成した状態を更に示している。図示の実施形態では、ハウジング200は、複数の部分として提供され、開口部205に係合するピン又はねじを用いて共に保持される。しかしながら、更なる実施形態では、ハウジングは、より多くの又はより少ない要素を備え、及び/又は異なる構造又はデバイスを用いて共に保持することができる。ハウジング200の前方部は、測距計シャーシ300の前面側とほぼ同じサイズか又はそれよりも大きいウィンドウ201を含む。
【0028】
ハウジング200は更に、ハウジング200の右側の第1の開口部(図示せず)及び右後部上側の第2の開口部(図示せず)である、2つの開口部を含む。開口部は各々、測距計シャーシ300のヨー及びピッチを調整するために調整プランジャが開口部内で軸方向に移動可能であるように、係合された調整プランジャを含む。
【0029】
詳細には、図3図5を参照すると、第1の開口部(図示せず)は、後部にてハウジング200の右側にある。ヨー(又は水平)調整プランジャ40は、第1の開口部に係合する。ヨー調整プランジャ40の内部端面45は、ベース10の後方右象限上のヨー(又は水平)アライメント面42に接触する。
【0030】
図5に示すように、ヨー調整プランジャ40は、第1の開口部内にねじ止めされており、ヨー調整プランジャ40の軸方向位置は、単純なねじ調整によって操作される。他の実施形態では、プランジャの軸方向位置の調整を可能にするために、例えば、プランジャの工具なし調整を可能にする構造など、異なる構造及び/又は機構を使用することができる。
【0031】
測距計の水平アライメントを調整するために、ヨー調整プランジャ40の軸方向位置を変更する。ヨー調整プランジャ40をハウジング200内に更に移動させると、内部端面45がヨーアライメント面42に押し付けられる。ヨー調整プランジャ40がヨーアライメント面42に押し付けられ続けると、ばね30は更に、水平方向に追加の力を与え、ベース10は、ヨー軸28の回りにボールソケットリンク機構20にて枢動する。ヨーアライメント面(図示せず)がベース10の後方右象限にあり、ばね30がベース10の後方左象限にある、図示の特定の実施形態では、ばね30のばね接触面12に対する力が増大する(すなわち、ヨー調整プランジャ40をハウジング内に更に移動させる)ことにより、ベース10が時計回りに枢動する。測距計の照準を反対方向に調整するには、ヨー調整プランジャ40を外側に移動させることにより、ヨーアライメント面への圧力を緩和し、ばね30が水平方向の力を低減できるようにする。
【0032】
図示の実施形態では、ばね30は標準的なコイル圧縮ばねとして示されている。しかしながら、更なる実施形態では、異なるタイプのばねを使用することができる。例示的なばねには、限定ではないが、コイル状圧縮ばね、コイル状伸長ばね、可変ばね、機械加工ばね、渦巻ばね、及びゴムのようなエラストマー材料(すなわち、荷重又は力が材料から取り除かれた後に元の形状に戻る材料)の体積が含まれる。重要なことには、ばね30は、完全に弛緩した状態にはならない。アライメントを維持するために、ばね接触面12には常にある量の力が作用する。例えば、ばね30がコイル圧縮ばねである図示の実施形態では、ばね30を弛緩可能になると、ばね30は、ベース10を押してヨー軸28の回りに反時計回りに枢動するようにする。ヨーアライメント面42及びばね30の位置が逆であれば、反対のことが起こることは理解されるであろう。
【0033】
ボールソケットリンク機構20での枢動を必要とするヨー軸28の回りの回転を達成するためには、ドーム状要素29bは、プレート29aに対して滑動可能でなければならない。これとは逆に、ヨー運動のための枢動点を提供するために、ボールソケットリンク機構20は、ハウジング200に固定されている。
【0034】
図6は、ハウジング200内に示されたアライメント機構100の左側面図である。ハウジング200は、後部のハウジング200の上部に第2の開口部(図示せず)を含む。図4図6を参照すると、ピッチ(又は垂直)調整プランジャ50が第2の開口部に係合する。ピッチ調整プランジャ50の内部端面55は、後方右象限においてベース10の上面上のピッチ(又は垂直)アライメント面56に接触する。明瞭化のため、ピッチ調整プランジャ50は図6から省略されている。
【0035】
図4図5に示すように、ピッチ調整プランジャ50は、第2の開口部内にねじ止めされており、ピッチ調整プランジャ50の軸方向位置は、単純なねじ調整によって操作される。他の実施形態では、プランジャの軸方向位置の調整を可能にするために、例えば、プランジャの工具なし調整を可能にする構造など、異なる構造及び/又は機構を使用することができる。
【0036】
アライメント機構100を用いて測距計300の垂直アライメントを調整するには、ピッチ調整プランジャ50の軸方向位置を変更する。ピッチ調整プランジャ50をハウジング200内に更に移動させると、ピッチ調整プランジャ50の内部端面55がピッチアライメント面56に押し付けられる。ピッチ調整プランジャ50がピッチアライメント面56に押し付けられ続けると、ばね30が垂直方向に更なる力を提供し、ベース10は、ボールソケットリンク機構20において、ヨー軸28にほぼ垂直又は垂直なピッチ軸38の回りに枢動する。ピッチアライメント面56がベース10の右後方近傍の上側にあり、ばね30がベース10の左側にある図示の特定の実施形態では、ばね30のばね接触面12に対する力を増大させる(すなわち、ピッチ調整プランジャ50をハウジングの更に奥に移動させる)ことにより、ベース10はその前端を上方に枢動させる。測距計の照準を反対方向に調整するには、ピッチ調整プランジャ50を外側に移動させることにより、ピッチアライメント面への圧力を緩和し、ばね30が垂直方向への力を弱めることを可能にする。
【0037】
重要なことは、ヨー調整を参照して説明したように、ばね30は完全に弛緩した状態にはならない。アライメントを維持するために、ばね接触面12には常にある量の力が作用する。例えば、ばね30がコイル圧縮ばねである図示の実施形態では、ばね30が弛緩可能になると、ばね30は、ベース10を押してピッチ軸38の回りに下方に枢動するようにする。ピッチアライメント面がベース10の前方部10aに配置される場合には、反対のことが起こることは理解されるであろう。
【0038】
図7は、ベース10のロールを禁止又は制限するために所定位置にある構造を示している。ボールソケットリンク機構20は、ベース10の左部分10dがハウジング200に向かって下方に揺動するのを防止するためのスタンドとして機能する。同様に、圧力プレート組立体29は、ベース10の右側部分10cがハウジング200に向かって下方に揺動するのを防止するためのスタンドとして機能する。ボールソケットリンク機構20及び圧力プレート組立体29は共に、ベース10の回転組立体運動に抵抗するように働く。ばね30及びプランジャ40、50も反転されると仮定すると、ボールソケットリンク機構20及び圧力プレート組立体29の位置を反転できることが理解されるであろう。すなわち、一実施形態では、ボールソケットリンク機構20及びプランジャ40、50(図7には示されていない)は、対角線上になければならない。
【0039】
ベース10の前方部10aにてボールソケットリンク機構20及びプレッシャープレート16並びにばね30を備えた単一の調整ベース10を設けることにより、ベース10のヨー及びピッチが調整プランジャ40,50及びばね30を介して制御される一方で、ベース10の転回運動が禁止される。更に、ばね30がばね接触面12に対して常時ある量の力を作用するのを用いることにより、銃器の反動又は輸送に起因するハウジング200内に固定された測距計シャーシ300の何らかの移動が確実に緩和される。言い換えれば、ばね30が完全に弛緩した状態になることがないので、ベース10に対してヨー方向及びピッチ方向に常に反力が作用する。その結果、測距計シャーシ300がハウジング200内で移動した場合、ばね30はベース10をプランジャ40,50に対して戻す力を作用し、測距計シャーシ300を設定位置に戻す。
【0040】
アライメント機構は測距計シャーシ300と共に使用するために記載されているが、非限定的な例として、フラッシュライト、照準レーザー、IRデバイス(例えば、フラッドライト、照準レーザー)、及び他の同様のデバイスのような、他のデバイスがアライメント機構と共に使用できることは理解されるであろう。
【0041】
アライメント機構及び測距計の様々な実施形態を詳細に説明してきたが、これらに対する修正及び変形が可能であり、その全てが本発明の真の精神及び範囲内に属することを理解されたい。上記の説明に関して、開示された技術の部品の最適な寸法関係は、大きさ、材料、形状、機能及び操作、組立及び使用の態様における変形を含むように、当業者には容易に明らかであり、自明であると考えられ、図面に例示され、明細書に記載されたものと同等の全ての関係は、本発明によって包含されることが意図されることを理解されたい。従って、上記は本発明の原理を例示するものに過ぎないと考えられる。更に、多くの修正及び変更が当業者には容易に想起されるので、図示及び記載された正確な構成及び動作に本発明を限定することは望ましくなく、従って、全ての好適な修正及び均等物は、本発明の範囲に用いられ、属することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 ベース
10a 前方部
10b 後方部
10c 右側部
10d 左側部
12 ばね接触面
15 底面
18 開口部
20 ボールソケットリンク機構
21 ピン
23 ボール
24 開口部の内面の軸受面
25 ロックリング
26 ロックリングの軸受面29 圧力プレート組立体
29a プレート
30 ばね
100 アライメント機構
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】