(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】衝撃吸収材料付き観察光学器械
(51)【国際特許分類】
F41G 1/08 20060101AFI20240126BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20240126BHJP
【FI】
F41G1/08
G02B7/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545979
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2022014090
(87)【国際公開番号】W WO2022165026
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520168099
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】モレル ロブ
(72)【発明者】
【氏名】トイ セス
(72)【発明者】
【氏名】ボーシェーヌ ケレン
【テーマコード(参考)】
2H043
【Fターム(参考)】
2H043AE16
2H043AE23
(57)【要約】
観察光学器械がベースおよびハウジングを有する。ハウジングは、前側部、後側部、左側部、右側部および頂側部を有する。前側部、後側部、左側部および右側部は、ベースから上方に延びている。頂側部は、前側部、後側部、左側部及び右側部の上縁相互間に延びている。荷重吸収/分散部品が頂側部の少なくとも一部分上に位置している。荷重吸収/分散部品は、荷重吸収/分散材料から成る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察光学器械であって、
ベースを有し、
前側部、後側部、左側部、右側部および頂側部を備えたハウジングを有し、前記前側部、前記後側部、前記左側部および前記右側部は、前記ベースから上方に延び、前記頂側部は、前記前側部、前記後側部、前記左側部および前記右側部の上縁相互間に延び、
前記頂側部の少なくとも一部分上に設けられた荷重吸収/分散部品を有する、観察光学器械。
【請求項2】
前記荷重吸収/分散部品は、少なくとも1種類の荷重吸収/分散材料から成る、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項3】
前記荷重吸収/分散材料は、ゴム、ゲル、フォーム、プラスチック、ポリマー材料、非ニュートン物質およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項2記載の観察光学器械。
【請求項4】
前記頂側部は、凹部を有し、前記少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、前記凹部内に位置決めされている、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項5】
少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、前記頂側部の上面と面一をなしている、請求項4記載の観察光学器械。
【請求項6】
前記少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、前記頂側部の上面を越えて延びている、請求項4記載の観察光学器械。
【請求項7】
前記荷重吸収/分散部品は、前記頂側部の上面を少なくとも部分的に覆っている、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項8】
前記左側部、前記右側部および前記ベースのうちの1つの上に設けられた少なくとも1つの制御部をさらに有する、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項9】
前記少なくとも1つの制御部は、少なくとも1つの作動構造体と連絡状態にある、請求項8記載の観察光学器械。
【請求項10】
少なくとも1つの作動構造は、前記頂側部を貫通している、請求項9記載の観察光学器械。
【請求項11】
前記少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、前記少なくとも1つの作動構造と接触状態にある、請求項10記載の観察光学器械。
【請求項12】
銃器であって、
観察光学器械を有し、前記観察光学器械は、
ベースと、
前側部、後側部、左側部、右側部および頂側部を備えたハウジングと、
前記頂側部の少なくとも一部分上に設けられた少なくとも1つの荷重吸収/分散部品を有する、銃器。
【請求項13】
前記観察光学器械は、超小型レッドドットサイトである、請求項12記載の銃器。
【請求項14】
銃器は、ハンドガンである、請求項12記載の銃器。
【請求項15】
前記荷重吸収/分散材料は、ゴム、ゲル、フォーム、プラスチック、ポリマー材料、非ニュートン物質およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項12記載の観察光学器械。
【請求項16】
前記頂側部は、凹部を有し、前記少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、前記凹部内に位置決めされている、請求項12記載の観察光学器械。
【請求項17】
前記荷重吸収/分散部品は、前記頂側部の上面を少なくとも部分的に覆っている、請求項12記載の観察光学器械。
【請求項18】
前記左側部、前記右側部および前記ベースのうちの1つの上に設けられた少なくとも1つの制御部をさらに有する、請求項12記載の観察光学器械。
【請求項19】
前記少なくとも1つの制御部は、少なくとも1つの作動構造体と連絡状態にあり、前記少なくとも1つの作動構造体は、前記頂側部を貫通し、前記少なくとも1つの荷重吸収/分散材料は、前記少なくとも1つの作動構造体と接触状態にある、請求項18記載の銃器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示(本発明)は、観察光学器械に関する。一実施形態では、本発明は、荷重吸収/分散材料を含む観察光学器械に関する。一実施形態では、本発明は、荷重吸収/分散材料を含む銃器用の超小型レッドドットサイトに関する。
【0002】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2021年1月29日に出願された米国特許仮出願第63/143,204号の非仮特許出願かつ優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
ミニレッドドットサイト(mini red dot sight:MRDS)は、一般的に小型銃器、例えばハンドガンやピストルに用いられる非拡大型レフレクタ式照準器(サイト)である。MRDSは、光をユーザの方へ投射して標的フィールドおよび照明されたレッドドットレチクルを見るようにする反射光学系を用いる。MRDSは、光学素子の全てがハウジングによって完全に収納される閉鎖型か光学素子の少なくとも一部分がハウジングによって収納されない開放型かのいずれかの場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
MRDSに見られる一問題は、MRDSが取り付けられた銃器を落とした場合、特に、この銃器がピストルのように重い場合、MRDSに損傷が生じる場合があるということである。銃器の相当大きな質量により、レッドドット光学素子がシフトするか、壊れるか、あるいはこれら両方を生じる場合が多い。これは、射手のアキュラシー(命中精度)に悪影響を及ぼす場合がある。MRDSが小型であるので、この損傷の問題を軽減するための設計上の特徴部を有するスペースが限られている。大型の観察光学器械や銃器に取り付けられない観察光学器械の場合であっても、光学素子は、落下時の衝撃で損傷を生じる場合があり、しかもこの問題を軽減する構造的要素を設けることは、美観上いつでも実施できるとは限らない。
【0005】
上述した理由で、観察光学器械に加わる衝撃力を吸収するとともに/あるいは分散する材料または物質を設けることは、大きな利点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、本発明は、観察光学器械を提供する。本発明の実施形態によれば、観察光学器械は、ベースと、前側部、後側部、左側部、右側部および頂側部を備えたハウジングとを有し、前側部、後側部、左側部および右側部は、ベースから上方に延び、頂側部は、前側部、後側部、左側部および右側部の上縁相互間に延び、観察光学器械は、頂側部の少なくとも一部分上に設けられた荷重吸収/分散部品をさらに有する。
【0007】
一実施形態では、荷重吸収/分散部品は、少なくとも1種類の荷重吸収/分散材料から成る。別の実施形態では、荷重吸収/分散材料は、ゴム、ゲル、フォーム、プラスチック、ポリマー材料、非ニュートン物質およびこれらの組み合わせから成る群から選択される。さらに別の実施形態では、頂側部は、凹部を有し、少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、凹部内に位置決めされている。もう1つの実施形態によれば、少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、頂側部の上面と面一をなしている。もう1つの実施形態によれば、少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、頂側部の上面を越えて延びている。別の実施形態では、荷重吸収/分散部品は、頂側部の上面を少なくとも部分的に覆っている。
【0008】
一実施形態では、観察光学器械は、左側部、右側部およびベースのうちの1つの上に設けられた少なくとも1つの制御部をさらに有する。別の実施形態では、少なくとも1つの制御部は、少なくとも1つの作動構造体と連絡状態にある。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの作動構造は、頂側部を貫通している。一実施形態では、少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、少なくとも1つの作動構造と接触状態にある。
【0009】
もう1つの実施形態では、本開示は、銃器を提供する。本発明の実施形態によれば、銃器は、観察光学器械を有し、観察光学器械は、ベースと、前側部、後側部、左側部、右側部および頂側部を備えたハウジングと、頂側部の少なくとも一部分上に設けられた少なくとも1つの荷重吸収/分散部品を有する。
【0010】
一実施形態では、観察光学器械は、超小型レッドドットサイトである。もう1つの実施形態では、銃器は、ハンドガンである。
【0011】
一実施形態では、荷重吸収/分散材料は、ゴム、ゲル、フォーム、プラスチック、ポリマー材料、非ニュートン物質およびこれらの組み合わせから成る群から選択される。もう1つの実施形態では、頂側部は、凹部を有し、少なくとも1つの荷重吸収/分散部品は、凹部内に位置決めされている。別の実施形態では、荷重吸収/分散部品は、頂側部の上面を少なくとも部分的に覆っている。さらにもう1つの実施形態では、観察光学器械は、左側部、右側部およびベースのうちの1つの上に設けられた少なくとも1つの制御部をさらに有する。別の実施形態では、少なくとも1つの制御部は、少なくとも1つの作動構造体と連絡状態にあり、少なくとも1つの作動構造体は、頂側部を貫通し、少なくとも1つの荷重吸収/分散材料は、少なくとも1つの作動構造体と接触状態にある。
【0012】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を開示するが、これらは、説明上の目的のためであるに過ぎない。本発明は、その用途が図示のコンポーネントの構成または配置の細部には限定されない。本発明は、他の実施形態で実現できまたは他の種々の仕方で実施できまたは実現される。同一の参照符号は、同一のコンポーネントを示すために用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の諸実施形態に従って荷重吸収/分散材料を有するMRDSの第1の実施形態の略図である。
【
図3】
図2のMRDSの3‐3線矢視断面図である。
【
図4】種々の力の方向が光学素子によってどのように変えられるかを示す
図3のMRDSの略図である。
【
図5A】本発明の諸実施形態に従って荷重吸収/分散材料を有するMRDSの第2の実施形態の平面図である。
【
図5C】荷重吸収/分散材料を省いた状態の
図5AのMRDSの右側斜視図である。
【
図5F】荷重吸収/分散材料および作動部材を省いた状態の
図5AのMRDSの別の右側斜視図である。
【
図6A】本発明の諸実施形態に従って荷重吸収/分散材料を示すMRDSの第3の実施形態の平面図である。
【
図6C】荷重吸収/分散材料を省いた状態の
図6AのMRDSの右側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その用途が以下の説明に記載されまたは図面に示されたコンポーネントの構成および配置の細部には限定されない。理解されるべきこととして、本発明の技術は、他の実施形態で具体化できまたは種々の仕方で実施できまたは実行できる。また、理解されるべきこととして、本明細書で用いられている表現および用語は、説明の目的のためであり、本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0015】
本開示での数値範囲は、近似であり、したがって、別途示さない限り範囲外の値を含むことができる。数値範囲は、いずれかの下限値といずれかの上限値の間に少なくとも2単位の分離幅が存在するという前提で下限値から上限値までのこれらの値を含む全ての値を1単位の増分で含む。一例として、組成上の特性、物理的特性または他の特性、例えば、分子量、メルトインデックス、温度などが100~1,000である場合、例えば100、101、102などのような全ての個々の値および例えば100~144、155~170、197~200などのような部分的な範囲を明示的に列挙するよう意図されている。1よりも小さい数または1よりも大きくて1未満の数を含む少数(例えば、1.1、1.5など)である値を含む範囲に関し、1単位は、適宜0.0001、0.001、0.01、または0.1であると考えられる。10よりも小さい1桁の数を含む範囲(例えば、1~5)では、1単位は、一般的に0.1であると考えられる。これらは、具体的に意図するものの例に過ぎず、列挙する最低値と最高値の間の数値の全ての可能な組合せを本発明の開示において明示的に記載していると考えられたい。
【0016】
本明細書では、図に示す1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を説明するのに記述のしやすさの目的で「下」、「下方」、「下側」、「上方」、および「上側」などのような空間相対性を表す用語を使用する場合がある。これらの空間相対性を表す用語は、使用時のデバイスの様々な向きまたは図に描く向き以外の向きを包含するように意図したものであることは認められるであろう。例えば、図のデバイスが反転された場合に、他の要素または特徴の「下方」または「下」にあると説明する要素は、これらの他の要素または特徴の「上方」に向けられることになる。したがって、「下方」という例示的な用語は、上方と下方の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他に向けることができ(90°回転または他の向き)、本明細書に使用する空間対性記述子は、相応に解釈することができる。
【0017】
本明細書で用いられる「および/または」という表現は、関連の列挙した用語のうちの1つ以上の任意および全ての組み合わせを含む。例えば、「Aおよび/またはB」のような表現について使用する「および/または」という用語は、AとBの両方、AまたはB、A(のみ)、およびB(のみ)を含むように意図している。同様に、「A、B、および/またはC」のような表現に対して使用する「および/または」という用語は、AおよびBおよびC、AまたはBまたはC、AまたはC、AまたはB、BまたはC、AおよびC、AおよびB、BおよびC、A(のみ)、B(のみ)、ならびにC(のみ)を含むように意図している。
【0018】
要素または層が別の要素または層の「上」にあり、これに「接続され」、または「結合され」ると記載されている場合、当該要素または層は、他方の要素または層の上に直にあり、直接的に接続される、または直接的に結合される場合があることは理解されよう。変形例として、介在する要素または層が存在する場合がある。これとは対照的に、要素が別の要素または層の「上に直接」あり、これに「直接的に接続され」、または「直接的に結合され」ると記載されている場合、介在する要素または層は存在しない。
【0019】
本明細書で用いる「荷重吸収/分散材料」は、力を吸収するとともに/あるいは力を所望の方向に向けることができる任意の材料を意味している。例示の荷重吸収/分散材料としては、ゴム、ゲル、フォーム、プラスチック、ポリマー材料、非ニュートン物質およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。
【0020】
本明細書で用いられる「凹部」は、第1の材料の孔、空洞、チャンバ、溝、切欠き、スリット、スロット、開口部、隆起部、穴、または第1の材料のない他のかかる容積部であり、この凹部中には、第2の材料を挿入することができる。
【0021】
一実施形態では、本発明は、サイト(照準器)本体、光学素子、および荷重吸収/分散部品を含む組立体を有する。一実施形態では、荷重吸収/分散部品は、サイト本体の頂側部上に設けられた1種類以上の荷重吸収/分散材料である。もう1つの実施形態では、本発明は、右側部、左側部、前側部、後側部および頂側部を備えたサイト本体、光学素子およびサイト本体の頂側部上に設けられた荷重吸収/分散部品を含む組立体に関する。さらにもう1つの実施形態では、荷重吸収/分散部品は、サイト本体の頂側部上に設けられた1種類以上の荷重吸収/分散材料である。さらにもう1つの実施形態では、荷重吸収/分散部品は、サイト本体の頂側部に設けられた1つ以上の凹部内に位置決めされたサイト本体の頂側部上に設けられている1種類以上の荷重吸収/分散材料である。
【0022】
図1は、本発明の諸実施形態に従って荷重吸収/分散部品60を有する例示の観察光学器械100を示している。図示すると共に本明細書において説明する特定の実施形態では、観察光学器械100は、MRDSであり、本発明の目的上、「観察光学器械」と「MRDS」を互換的に使用する場合がある。観察光学器械は、銃器に取り付けられると、銃器の軌道と標的の位置合わせを容易にするためのレチクルを表示する。
【0023】
図示の実施形態では、観察光学器械100は、ハウジング10およびベース20を有する。ハウジング100は、前側部12、後側部14、左側部16、右側部18および頂側部32を有する。前側部12、後側部14、左側部16、および右側部18は、全体として、ベース20から上方に延びている。前側部12および後側部14は、左側部16と右側部18との間に延びている。頂側部32は、前側部12、後側部14、左側部16、および右側部18の各々の上縁相互間に延びている。結果として得られるハウジング10は、観察光学器械を機能的にする照明システムおよび他の部品を収納している。光学素子25、この場合、レンズが前側部10a内に収納され、観察光学器械は、「開放型」MRDSである。別の実施形態では、後側の透明なカバー(図示せず)、例えば、ガラスが後側部10b内に収納されてもよく、観察光学器械は、閉鎖型MRDSである。ベース20は、図面が煩雑になるのを避けるために図示していない取り付け手段(例えば、取り付けねじ)および種々の調節器具(例えば、調節ねじ)をさらに有する。同様に、バッテリもまた、ハウジング10内に固定され、そしてバッテリ用キャップによって保護され、ただし、バッテリおよびバッテリキャップは、図面が煩雑になるのを避けるために図示されていない。
【0024】
特にベース20を参照すると、ベース20は、前側部22、後側部24、左側部26、右側部28および上面33を有する。ハウジングの左側部16および右側部18は、それぞれ、ベースの左側部26および右側部28から上方に延びるレッグのように見える。
【0025】
図1~
図4に示すように、制御部50a,50bは、それぞれ、ベース20の左側部26および右側部28上に位置決めされている。別の実施形態では、単一の制御部が単一の側部(すなわち、左側部26か右側部28かのいずれか)に設けられてもよい。
図1~
図4に示すように、左側部26および右側部28は各々、制御部50a,50bが入れられる凹部52を有する。図示の実施形態では、凹部52および関連制御部50a,50bは、全体がベース20上に設けられ、他の実施形態では、凹部52および/または制御部50a,50bの全てまたは一部分が必要に応じて、左側部26および/または右側部28まで延びる。
【0026】
図示の実施形態では、制御部50a,50bの各々は、2つの押しボタンとして提供される。特定の実施形態では、2つの押しボタンのうちの一方(すなわち、ボタン50aまたはボタン50b)は、観察光学器械100の輝度を高くするよう構成され、他方は、観察光学器械100の輝度を低くするよう構成されている。さらに、図示の特定の実施形態では、両方の制御部50a,50bは、同一であり、このことは、観察光学器械の同一の特性を同一の仕方で制御することを意味している。しかしながら、別の実施形態では、制御部50a,50bは、任意形式の調節手段または調節手段の組み合わせ、例えば、押しボタン、トグル、ノブ、スライダなどであってもよい。さらに、制御部は、任意個数のかかる調節手段を含むことができ、かかる調節手段としては、単一の制御部、または3つ以上の制御部が挙げられるが、これらには限定されない。同様に、制御部50a,50bのうちの1つ以上は、輝度以外の観察光学器械の特性を調節するよう制御されているのがよく、制御部50a,50bは、互いに異なる特性を制御するよう構成されているのがよい。
【0027】
一実施形態では、制御部50a,50bは、エラストマー材料またはゴム状材料の一部分を含む。図示のように、かかる実施形態では、制御部50a,50bは各々、ベース20のそれぞれ対応の側部26,28に設けられた凹部52内に収納されたゴムまたはシリコーン材料の一部分を含む。理解されるように、凹部は、調節される特性を制御する内部機構と電気的連絡状態にある内部機構を収納し、上述の特定の性質は、本実施形態では、輝度である。
【0028】
制御部50a,50bをベース20の両側部26,28上に位置決めすることによって、右利きのユーザであっても左利きのユーザであっても、ユーザは、利き手ではない方の手を使う必要なく、観察光学器械を同じように利用することができる。さらに、図示の制御部50a,50bは各々、2つの調節手段を有しているので、制御の多数の方向または多数の特性を単一の制御部50a,50bで調節することができる。これは、単一の制御部をハウジングの単一の側部上に設けるやり方とは正反対である。また、制御部50a,50bをベース20の側部26,28上に位置決めすると、制御部50a,50bは、他の構造体によって妨害されることもなく、あるいは込み入った状態になることもないようになり、それにより、ユーザは、手袋を着用している間であっても、制御部50a,50bに容易に接近することができる。
【0029】
また、制御部50a,50bをハウジング10のベース20の両側部26,28上に設けることにより、ユーザは、銃器をそのホルスターに入れた状態に調節を行うことができ、このことは、幾つかの制御部が観察光学器械の単一の側部上に設けられている状態ではいつでも可能であるというわけではない。例えば、競技に参加している射手は、雲が到来して幾らか空を覆ったときにこれを補償するために輝度調整を行いたいと思っても、対戦ルールにより銃器をホルスターから取り出してこの調整を行うことはできないが、本明細書において開示する観察光学器械100を用いてかかる調整を依然として行うことができる。
【0030】
図3および
図4を参照すると、荷重吸収/分散部品60が示されている。図示の実施形態では、荷重吸収/分散部品60は、ハウジング10の頂側部32上に位置決めされている。特に、
図3および
図4に示すように、ハウジングの頂側部32は、凹部62を有し、荷重吸収/分散部品60は、凹部62内に収納された荷重吸収/分散材料の単一の要素として提供されている。別の実施形態では、荷重吸収/分散部品60は、荷重吸収/分散材料の多数の片であってもよく、荷重吸収/分散材料の多数の片は、ハウジング10の頂側部32に設けられた単一の凹部または多数の凹部内に設けられてもよい。
【0031】
図3および
図4に示す実施形態では、荷重吸収/分散部品60は、主として、頂側部32の上面と面一をなしており、ただし、荷重吸収/分散部品60の表面上に設けられたオプションとしてのロゴ/製品標識63を除く。しかしながら、他の実施形態では、荷重吸収/分散部品60の一部分は、頂側部32の上面の上方で延びるのがよい。
【0032】
次に
図4を参照すると、衝撃が荷重吸収/分散部品60によってどのように吸収されるか、そして光学素子10からその衝撃力の方向がどのように遠ざけられるかを示す代表的な説明図が示されている。衝撃力は、矢印71で示されている。衝撃が荷重吸収/分散部品60の入っていない頂側部32の部分に当たった場合、衝撃力は、矢印72によって示すようにハウジング側部16,18に沿って下方へ伝えられる。しかしながら、衝撃が荷重吸収/分散部品に直接当たった場合、衝撃力は、減衰されて頂側部32を横切って側部16,18に広げられ、そして矢印73で示すように、光学素子25から遠ざかる。荷重吸収/分散効果は、ニュートンの第2の運動法則および荷重吸収/分散部品60の材質に起因している。衝突の際、例えば荷重吸収/分散材料を提供することによって衝撃時間が長くなる場合、この力の受け具合が軽減される。上述したように荷重吸収/分散材料の1つ以上の要素または片、例えばゴム、フォームなどである荷重吸収/分散部品60は、衝撃力の一部分を吸収し、その結果、光学素子25は、衝撃力全体を受けることがないようになる。
【0033】
【0034】
図5A~
図5Eに示す実施形態では、荷重吸収/分散部品60′は、
図1~
図4の観察光学器械100に関して示したように凹部62′内に位置する荷重吸収/分散材料の単一の片である。しかしながら、
図5A~
図5Eに示す実施形態では、観察光学器械100′の制御部50a′,50b′は、それぞれ、ハウジング10の左側部16′および右側部18′上に設けられる。制御部50a′,50b′は、本明細書において説明した任意の実施形態または実施形態の組み合わせであるのがよい。
【0035】
図5Cは、荷重吸収/分散部品60′が凹部62′から除かれた状態の観察光学器械100′を示している。作動構造体56′が見え、この作動構造体は、制御部50a′,50b′によって調節されている特定の特性を制御する内部機構体と連絡状態にある導電性構造体を含む。すなわち、制御部50a′または制御部50b′の作動により、作動構造体56′は、電気信号を内部機構体に送り、内部機構体は、説明した実施形態では輝度である特性を制御する。
図5Dおよび
図5Eは、荷重吸収/分散部品60′が定位置にある状態の内部電気接続部をさらに詳細に示している。作動構造体56′は、右側部18′から頂側部32′を横切り、凹部62′を通り、そして荷重吸収/分散部品60′の下に延び、そして左側部16′に沿って下に延びて観察光学器械100′のベース20′内の内部部品と結合する。図示の実施形態では、作動構造体56′は、荷重吸収/分散部品60′の一部分と接触状態にある。
【0036】
図5Fおよび
図5Gは、図面が煩雑になるのを避けるために荷重吸収/分散材料60′、作動構造体56′および制御部50a′,50b′が省かれた状態の観察光学器械100′を示している。
【0037】
図6A~
図6Dに示す実施形態では、制御部50a″,50b″は、観察光学器械100′の制御部50a′,50b′と設計がほぼ同じである。
図6Cおよび
図6Dに示すように、作動構造体56″は、右側部18″と頂側部32″を横切り、荷重吸収/分散部品60″の下に延び、そして左側部16″に沿って下に延びて観察光学器械100″のベース20″内の内部部品と結合する。特に、作動構造体56″が頂側部32″を横切って延びる際、この作動構造体は、凹部57″、この実施形態では、溝またはチャネルを通過する。
図6Aおよび
図6Bに示すように、荷重吸収/分散材料60″は、凹部57″、作動構造体56″および頂側部32″を覆った状態で、一部が側部16″,18″上に延びる。図示の実施形態では、作動構造体56″は、荷重吸収/分散部品60″の一部分と接触状態にある。
【0038】
取り付けシステムをMRDSと関連して説明したが、本明細書において説明した取り付けシステムを用いて多様な他の観察光学器械は、本明細書において説明したように、頂面上に制御部を備えるのがよい。本明細書で用いられる「観察光学器械」という用語は、標的を選択、識別、またはモニタするために射手または観的手によって使用される装置を指す。「観察光学器械」は、標的の目視観察、または例えば赤外線(IR)撮像、紫外(UV)撮像、レーダー撮像、熱撮像、マイクロ波撮像、または磁気撮像、X線、ガンマ線、同位元素放射線、および粒子放射線を含む放射線、暗視、超音波、音パルス、ソナー、地震振動、磁気共鳴を含む振動の感知器、重力感知器、電波を含むブロードキャスト周波数、テレビジョン感知器およびセルラー感知器、または標的の他の像に頼る場合がある。「観察光学器械」によって射手に提示される標的の像は、未修正とするかまたは例えば拡大、増幅、減算、重複、フィルタリング、安定化、テンプレート整合、または他の手段によって改善されたものとすることができる。「観察光学器械」によって選択、識別、またはモニタされる標的は、射手の視線の範囲にありまたは射手の視界に対して接線方向である場合があり、または射手の視線は、観察光学器械が標的の合焦またはピント合わせ標的像を提示している間に遮蔽される場合がある。「観察光学器械」によって捕捉される標的の像は、例えば、アナログまたはデジタルであり、また、例えばビデオ、物理的なケーブルまたはワイヤ、IR、電波、セルラー接続、レーザパルス、光、802.11b、または他の無線送信により、例えば、html、SML、SOAP、X.25、SNAのようなプロトコル、Bluetooth(登録商標)、シリアル、USB、または他の適切な画像配信法を用いて1人以上の射手および観的手のネットワーク内で共有、格納、保存、または送信することができる。一実施形態では、観察光学器械は、MRDS、特に開放型MRDSである。
【0039】
MRDSの種々の実施形態を詳細に説明したが、これら実施形態に対する改造例および変形例が可能であることは、明らかなはずであり、これら改造例および変形例の全ては、本発明の真の精神および範囲に属する。次に、上述の説明に関し、理解されるべきこととして、寸法、材料、形状、形態、機能、ならびに動作の仕方、組立の仕方、および使用の仕方における変形例を含む本発明の諸部分に関する最適な寸法上の関係は、当業者には容易に明らかでありかつ明白であると考えられ、図面に記載されるとともに本明細書において説明した実施形態に対するすべての均等な関係は、本発明に含まれるものである。したがって、上記内容は、本発明の原理の例示としてのみみなされる。さらに、多くの改造および変更が当業者には容易に想到されるので、本発明を図示するとともに説明した構成および作用そのものに限定することは望まれず、したがって、すべての適当な改造例および均等例は、本発明の範囲に含まれる。
【国際調査報告】