(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】試験用のワイヤまたは他のコンポーネント用の引き抜き試験検査ツール
(51)【国際特許分類】
G01L 5/102 20200101AFI20240126BHJP
G01N 3/08 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
G01L5/102
G01N3/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546205
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2021065102
(87)【国際公開番号】W WO2022164563
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ピンティ,リチャード,エム.
(72)【発明者】
【氏名】コリアンドロ,ジョン,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】アダムス,ヘザー,エイ.
【テーマコード(参考)】
2F051
2G061
【Fターム(参考)】
2F051AA21
2F051AB01
2F051AB06
2G061AA01
2G061AB01
2G061BA01
2G061CA01
2G061CB05
2G061CC08
2G061CC09
2G061DA01
2G061EA03
2G061EB02
(57)【要約】
装置は、コンポーネント(104)の一部分に接触するか、またはコンポーネント(104)の一部分を把持し、コンポーネントの引き抜き試験中にコンポーネントに力を加えるように構成されたコネクタ(110、402)を含む携帯機器(102、102a~102d)を含む。携帯機器はまた、コンポーネントの引き抜き試験中にコンポーネントに力を加えるために引っ張られるように構成されたハンドル(116)を含む。携帯機器は、(i)引き抜き試験中にコンポーネントに加えられている力を識別すること、及び(ii)引き抜き試験中にいつ指定量の力がコンポーネントに加えられたのかを識別することの少なくとも1つを行うように構成されたインジケータ(202)をさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器を備える装置であって、
前記携帯機器は、
コンポーネントの一部分に接触するか、または前記コンポーネントの一部分を把持し、前記コンポーネントの引き抜き試験中に前記コンポーネントに力を加えるように構成されたコネクタと、
前記コンポーネントの前記引き抜き試験中に前記コンポーネントに前記力を加えるために引っ張られるように構成されたハンドルと、
(i)前記引き抜き試験中に前記コンポーネントに加えられている前記力を識別すること、及び(ii)前記引き抜き試験中にいつ指定量の力が前記コンポーネントに加えられたのかを識別することの少なくとも1つを行うように構成されたインジケータと、を備える、
装置。
【請求項2】
前記コネクタを前記インジケータまたは前記ハンドルに取り付ける接続ワイヤと、
前記接続ワイヤの少なくとも一部分を受け入れるように構成された中空スリーブと、をさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記インジケータが、
前記コンポーネントに加えられている前記力を提示するように構成されたアナログ張力計またはデジタル張力計と、
前記コンポーネントに加えられている前記力を提示するように構成されたアナログスケールまたはデジタルスケールと、の少なくとも1つを備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記インジケータが、
前記指定量の力が前記コンポーネントに加えられると、フィードバックを提供するように構成された力計と、
前記指定量の力が前記コンポーネントに加えられると、切断または分離するように構成されたヒューズと、の少なくとも1つを備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記インジケータが、少なくとも前記指定量の力が前記コンポーネントに加えられることに応えて可聴フィードバックまたは触覚フィードバックを提供するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記コネクタが、複数の交換可能なコネクタの1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コネクタが、前記コンポーネントを過度の力から保護するために前記引き抜き試験中に前記コンポーネントを解放するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
第2のコネクタであって、前記コンポーネントに固定するように構成された前記第2のコネクタと、
前記コネクタの少なくとも1つを移動させるように構成されたスライドまたはレバーと、をさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記スライドまたは前記レバーを付勢し、前記コネクタの1つを前記ハンドルに向かって引くように構成されたばねをさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記コネクタが、フックを備え、
前記第2のコネクタが、逆フックを備え、
前記フック及び前記逆フックが、前記コンポーネントの反対側に接触するように構成される、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
方法であって、
携帯機器のコネクタを用いたコンポーネントの引き抜き試験中に試験される前記コンポーネントに接触する、または前記コンポーネントを把持することと、
前記コンポーネントの前記引き抜き試験中に前記コネクタに前記コンポーネントに力を加えさせるために前記携帯機器のハンドルを引っ張ることと、
(i)前記引き抜き試験中に前記コンポーネントに加えられている前記力を識別すること、及び(ii)前記引き抜き試験中にいつ指定量の力が前記コンポーネントに加えられたのかを識別することの少なくとも1つを行うために前記携帯機器のインジケータを使用することと、を含む、
方法。
【請求項12】
接続ワイヤが、前記コネクタを前記インジケータまたは前記ハンドルに取り付け、
中空スリーブが、前記接続ワイヤの少なくとも一部分を受け入れる、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記インジケータが、
前記コンポーネントに加えられている前記力を提示するように構成されたアナログ張力計またはデジタル張力計と、
前記コンポーネントに加えられている前記力を提示するように構成されたアナログスケールまたはデジタルスケールと、の少なくとも1つを備える、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記インジケータが、
前記指定量の力が前記コンポーネントに加えられると、フィードバックを提供するように構成された力計と、
前記指定量の力が前記コンポーネントに加えられると、切断または分離するように構成されたヒューズと、の少なくとも1つを備える、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記インジケータが、少なくとも前記指定量の力が前記コンポーネントに加えられることに応えて可聴フィードバックまたは触覚フィードバックを提供する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記コネクタが、複数の交換可能なコネクタの1つを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記コンポーネントを過度の力から保護するために前記引き抜き試験中に前記コンポーネントを解放することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記コネクタ及び第2のコネクタの少なくとも1つを移動させるためにスライドまたはレバーを使用することであって、前記コネクタが前記コンポーネント上に固定されるように構成された、前記スライドまたはレバーを使用することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記スライドまたは前記レバーを付勢し、前記コネクタの1つを前記ハンドルに向かって引くためにばねを使用することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コネクタが、フックを備え、
前記第2のコネクタが、逆フックを備え、
前記フック及び前記逆フックが、前記コンポーネントの反対側に接触するように構成される、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に検査ツールに関する。より具体的には、本開示は、試験用のワイヤまたは他のコンポーネント用の引き抜き試験検査ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤまたは他のコンポーネントを受け入れ、電気接続を形成するために、様々な電気コネクタが利用可能である。例えば、一部の電気コネクタは、オペレータまたは機械にワイヤの一端を電気コネクタに押し込ませて一方向ロックを生じさせることによって動作する。いくつかの場合、電気コネクタは、角度が付けられ、一方向でワイヤを把持し、反対方向でのワイヤの動きに抵抗するばね仕掛けの金属歯を使用する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、試験用のワイヤまたは他のコンポーネント用の引き抜き試験検査ツールを提供する。
【0004】
第1の実施形態では、装置は、コンポーネントの引き抜き試験中に、コンポーネントの一部分に接触するか、または一部分を把持し、コンポーネントに力を加えるように構成されたコネクタを含む携帯機器を含む。携帯機器はまた、コンポーネントの引き抜き試験中にコンポーネントに力を加えるために引っ張られるように構成されたハンドルを含む。携帯機器は、(i)引き抜き試験中にコンポーネントに加えられている力を識別すること、及び(ii)引き抜き試験中にいつ指定量の力がコンポーネントに加えられたのかを識別することの少なくとも1つを行うように構成されたインジケータをさらに含む。
【0005】
第2の実施形態では、方法は、携帯機器のコネクタを用いたコンポーネントの引き抜き試験中に試験されるコンポーネントに接触すること、またはコンポーネントを把持することを含む。方法はまた、コンポーネントの引き抜き試験中にコネクタにコンポーネントに力を加えさせるために携帯機器のハンドルを引っ張ることを含む。方法は、(i)引き抜き試験中にコンポーネントに加えられている力を識別すること、及び(ii)引き抜き試験中にいつ指定量の力がコンポーネントに加えられたのかを識別することの少なくとも1つを行うために携帯機器のインジケータを使用することをさらに含む。
【0006】
他の技術的特徴は、以下の図、説明、及び特許請求の範囲から当業者には容易に明らかとなり得る。
【0007】
本開示をより完全に理解するために、ここで添付の図面と関連させた以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示に従って、引き抜き試験検査ツールが使用され得る例示的なシステムを示す。
【0009】
【
図2】本開示による、第1の例示的な引き抜き試験検査ツールを示す。
【0010】
【
図3】本開示による、第2の例示的な引き抜き試験検査ツールを示す。
【0011】
【
図4】本開示による、第3の例示的な引き抜き試験検査ツールを示す。
【0012】
【
図5A】本開示による、第4の例示的な引き抜き試験検査ツールを示す。
【
図5B】本開示による、第4の例示的な引き抜き試験検査ツールを示す。
【
図5C】本開示による、第4の例示的な引き抜き試験検査ツールを示す。
【0013】
【
図6A】本開示による、引き抜き試験検査ツールの例示的な用途を示す。
【
図6B】本開示による、引き抜き試験検査ツールの例示的な用途を示す。
【
図7】本開示による、引き抜き試験検査ツールの例示的な用途を示す。
【
図8A】本開示による、引き抜き試験検査ツールの例示的な用途を示す。
【
図8B】本開示による、引き抜き試験検査ツールの例示的な用途を示す。
【
図9】本開示による、引き抜き試験検査ツールの例示的な用途を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に説明される
図1~
図9、及び本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、実例としてのみであり、決して本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。当業者は、本開示の原理が、適切に配置された任意のタイプの機器またはシステムで実装され得ることを理解する。
【0015】
上述のように、ワイヤまたは他のコンポーネントを受け入れ、電気接続を形成するために、様々な電気コネクタが利用可能である。例えば、一部の電気コネクタは、オペレータまたは機械にワイヤの一端を電気コネクタに押し込ませて一方向ロックを生じさせることによって動作する。いくつかの場合、電気コネクタは、角度が付けられ、一方向でワイヤを把持し、反対方向でのワイヤの動きに抵抗するばね仕掛けの金属歯を使用する。
【0016】
残念なことに、ワイヤの絶縁材が適切に剥ぎ取られていない場合、ワイヤが電気コネクタに適切に挿入されていない場合、ワイヤのサイズがコネクタに対して間違っている場合、または電気コネクタのピンが適切に据え付けられていない場合も、ワイヤは金属歯によって適切に挿入され、ロックされているか、またはそれ以外の場合電気コネクタによって適切に固定されていると感じられる場合がある。しかしながら、実際には、ワイヤは、コネクタによってではなく、単に、不適切に剥ぎ取られた絶縁材の摩擦によって、または屈曲したもしくはサイズが大きすぎるワイヤ自体によって所定の位置に保持されているだけの場合がある。さらに、例えばシステムがすでに現場に配備されているとき、またはサブシステムがすでに組み立てられており、システムもしくはサブシステムのワイヤに物理的にほとんどアクセスできないときなど、いくつかの状況では、試験者または他の人員が引き抜き試験を実施するためにワイヤを把持することが困難である場合がある。さらに引き抜き試験は、例えば、試験者が手袋を着用しているとき、冬の間、雨または雪が降っているとき、戦時中、または騒音、砂、風、もしくは他の環境要因が存在するときなど、厳しい状態では実行することが困難である場合がある。
【0017】
本開示は、試験用のワイヤまたは他のコンポーネントに力を加えるために引き抜き試験中に使用できる様々な引き抜き試験検査ツールを提供する。例えば、以下により詳細に説明されるように、各引き抜き試験検査ツールは、試験されているワイヤまたは他のコンポーネントの一部分の周りに配置され得るか、その一部分を受け入れ得るか、その一部分に結合され得るか、固定され得るか、またはそれ以外の場合、その一部分に接触し得る少なくとも1つのフックまたは他のコネクタを含む。各引き抜き試験検査ツールはまた、ワイヤまたは他のコンポーネントに力を加えるためにオペレータ、ロボット、または他の試験者が引き得るハンドルを含む。各引き抜き試験検査ツールは、ワイヤもしくは他のコンポーネントに加えられている力を識別し得る、及び/またはいつ指定量の力がワイヤもしくは他のコンポーネントに加えられたのかを識別し得るインジケータをさらに含む。いくつかの場合、試験されているワイヤまたは他のコンポーネントへの確実な接続を提供するために、引き抜き試験検査ツールのいずれかと結束バンドまたは他の一時的なクランプを使用することができ、これは、ワイヤまたは他のコンポーネントの試験を改善し、繰り返し使用するために動作の一貫性を提供するために役立つことができる。また、いくつかの実施形態では、試験前にワイヤまたは他のコンポーネントを把持するのを支援するために、一時的なまたは恒久的な摩擦レバーまたは他の機構を使用できる。
【0018】
各引き抜き試験検査ツールは、ワイヤが電気コネクタに適切に挿入され、電気コネクタによって固定されているかどうかを検証するために、ワイヤが適切にはんだ付けされているか、もしくはそれ以外の場合別のワイヤにより継ぎされているのかを検証するために、または試験されているワイヤもしくは他のコンポーネントのなんらかの他の状態を検証するために使用できる。例えば、各引き抜き試験検査ツールは、オペレータが、例えば、ワイヤが、ワイヤコネクタの歯または他のコンポーネントによって所定の場所に確実に保持されているのかどうかを判断することなど、試験されている各ワイヤまたは他のコンポーネントが最小基準(例えば、最小引っ張り力)を満たしているかどうかを判断することを可能にし得る。引き抜き試験検査ツールは、安価に生産することができ、再現可能な結果を提供することができ、様々な現場条件に適応可能であり、成功または失敗の可視表示または可聴表示を提供することができる(例えば、ツールの掴みを手で感じることができる、またはツールのブザーを聞くことができるときなど)。また、引き抜き試験検査ツールは使いやすさを提供し得、必要とされるトレーニングは最小限である場合がある。いくつかの場合、引き抜き試験検査ツールは非常に軽量であり、おそらく標準的なモバイルスマートフォン以下の重さであり、引き抜き試験検査ツールは携帯用ハンドヘルドデバイスであるため、これは有用である。さらに、引き抜き試験検査ツールは、非破壊的に動作することができ、人間の手がそれ以外の場合通常の動作でワイヤまたは他のコンポーネントに加える可能性がある力に同等な力のみを、試験されているワイヤまたは他のコンポーネントに加え得る。いくつかの場合、引き抜き試験検査ツールは、コンポーネントに対する損傷またはコンポーネントの破壊を防ぐために、試験されているワイヤまたは他のコンポーネントを設定された力で意図的に解放することができる。いくつかの場合、引き抜き試験検査ツールによってワイヤに適切な力を加えると、実際に電気コネクタにワイヤを正しく装着するために役立つ場合がある。
【0019】
小型電気コネクタを引っ張る試験器から、大型のスキートラム、ヨット、及び登山ケーブルを引っ張る試験器まで、様々な利用可能な引き抜き試験器があるが、それらは概してすでに組み立てられている電気部品と使用するには適しておらず、概して電気部品を必要とする現場作業には適しておらず、多くの場合、繊細なコンポーネントを損傷する可能性がある。実装に応じて、本開示の引き抜き試験検査ツールは、スケール、トリップヒューズ、メータ、または(コネクタ端部ではなく)ワイヤ端部からすでに組み立てられているワイヤコネクタの引き抜き試験を支援する他のコンポーネントを使用し得る。例えば、各引き抜き試験検査ツールは、ヒューズアセンブリ、張力計、デジタルスケール、または引き抜き試験検査ツールの他のコンポーネントに取り付けられているフックまたは他のコネクタとともに、カムロックまたは結束バンドを使用して、試験されているワイヤまたは他のコンポーネントを把持し得る。その結果、他の引き抜き試験器では多くの場合必要とされる、引き抜き試験中にコネクタ自体を把持する必要をなくし得る。いくつかの場合、引き抜き試験検査ツールは、密閉された空間内で試験されているワイヤまたは他の物体をつかむように構成され得る。
【0020】
本特許文書中、引き抜き試験検査ツールは、多くの場合、電気コネクタへのワイヤの挿入の質を検査するために使用されるとして記述されているが、これは例示及び説明のためのみであることに留意されたい。本特許文書に開示される引き抜き試験検査ツールは、任意の他の適切なコンポーネントまたはコンポーネントの接合部もしくは結合体を必要とする引き抜き試験に使用され得る。したがって、以下に説明される引き抜き試験検査ツールは、任意の他の適切な環境で、及び任意の他の適切な目的のために使用され得る。また、本特許文書中、引き抜き試験検査ツールは、多くの場合、人間の試験者によって使用されるとして記述されているが、引き抜き試験検査ツールは、ロボットまたは任意の他の適切な自動化されたシステムもしくは他のシステムによって使用され得る。特定の例として、ロボットシステムは、引き抜き試験検査ツールの位置決めを支援するために1つまたは複数の光学センサまたは他のセンサを使用し得、ロボットシステムは、引き抜き試験検査ツールが引き抜き試験を実行するために適切に位置決めされると、引き抜き試験検査ツールに力を加え得る。
【0021】
図1は、本開示に従って、引き抜き試験検査ツール102が使用され得る例示的なシステム100を示す。
図1に示されるように、システム100は、試験されるワイヤ104を含んでおり、ワイヤ104は(理想的には)電気コネクタ106によって固定される。検査ツール102は、ここでは、ワイヤ104が電気コネクタ106によって適切に固定されているかどうかを検証するために使用され、これは状況次第で明らかもしくは容易に試験可能である場合もあれば、そうではない場合もある。例えば、この特定の例では、電気コネクタ106は、ケース108内に配置されており、これは、試験者が電気コネクタ106を見る能力を妨げる可能性がある。したがって、検査ツール102は、ワイヤ104を引っ張り、ワイヤ104が電気コネクタ106によって適切に固定されているかどうかを試験するためにオペレータによって使用され得る。しかしながら、(電気コネクタがケースもしくは他の構造物内に位置決めされているのか、またはケースもしくは他の構造物によって覆い隠されているのかに関わりなく)検査ツール102が、任意の他の適切な電気コネクタによって固定されると想定される任意の他の適切なワイヤを試験するために使用され得ることに留意されたい。さらに、上述のように、検査ツール102は、任意の他の適切なコンポーネントに引き抜き試験を実施するために使用され得る。さらに、
図1に示される様々なコンポーネントのサイズが、例示及び説明を容易にするために誇張されていることに留意されたい。
【0022】
この例の検査ツール102は、ワイヤ104の一部分の周りに配置するか、その一部分を受け入れるか、その一部分に結合されるか、固定されるか、またはそれ以外の場合その一部分に接触することができるコネクタ110を含む。検査ツール102がオペレータによって引っ張られると、コネクタ110はワイヤ104に力を加え、ワイヤ104を引っ張り、ワイヤ104が電気コネクタ106によって適切に固定されているかどうかの判断を可能にする。コネクタ110は、試験されているワイヤ104または他のコンポーネントに一時的に力を加えるように構成された任意の適切な構造を表す。この例示的な実施形態では、コネクタ110は、開いたフックの形を有しており、これにより、試験されているワイヤ104または他のコンポーネントがフックの開口部を通過してフックの内部空間に入ることが可能になる。フックの開口部は、例えば、フックが約30°の開口部、またはワイヤ104もしくは他のコンポーネントをフックの中に受け入れることを可能にする他の適切な開口部を有するときなど、任意の適切なサイズまたは角度を有し得る。いくつかの場合、コネクタ110は、ゴム、または例えば熱可塑性ポリウレタングリップポリマー(一例は、3Mの把持材料TB400)のような軟質または柔軟な材料などの他の低デュロメータ材料でコーティングされ得る。この材料は、引き抜き試験中にワイヤ104または他のコンポーネントを把持するために役立つ粘着性を提供することができる。しかしながら、例えば、(一例が以下に説明される)構造物間にワイヤ104またはコンポーネントの一部分を捕捉するために協働する1対の構造物など、任意の他の適切なコネクタ110がここで使用され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、コネクタ110は、試験されている異なるタイプまたはサイズのワイヤ104または他のコンポーネントと使用され得る複数の交換可能なフックまたは他の交換可能なコネクタ110の1つを表し得る。特定の例として、異なるコネクタ110は、例えば12~22の米国ワイヤゲージ規格(AWG)のワイヤまたは同等な英国規格、メートル法、または他の測定基準のワイヤなど、異なる厚さまたはゲージのワイヤ104を試験するために使用され得る。1つまたは複数のコネクタ110のそれぞれは、例えば軟質または柔軟な材料でコーティングされた高張力ばね鋼などの任意の適切な材料(複数可)から、任意の適切な方法で形成され得る。
【0024】
この例では、検査ツール102の接続ワイヤ112の少なくとも一部分は、中空シャフト114を通って延び、接続ワイヤ112は、コネクタ110を検査ツール102のハンドル116に結合する。接続ワイヤ112は、任意の適切な材料(複数可)から、任意の適切な方法で形成され得る。しかしながら、接続ワイヤ112の使用は任意選択であること、及びコネクタ110は、任意の他の適切な方法で直接的にまたは間接的にハンドル116に結合され得ることに留意されたい。シャフト114は、検査ツール102に沿って任意の適切な長さ延び得、例えば、試験されているワイヤ104または他のコンポーネントの一部分がコネクタ110の中に通過するようにコネクタ110を移動させることによってコネクタ110を位置決めするのを助けるために使用され得る。シャフト114は、例えば1つまたは複数の金属またはプラスチックなどの任意の適切な材料(複数可)から、任意の適切な方法で形成され得る。
【0025】
ハンドル116は、ワイヤ104または他のコンポーネントを試験するためにオペレータが引くことができる検査ツール102の一部分を表す。ハンドル116は、例えば人間工学に基づいた発泡体で覆われた金属またはプラスチックのコアなどの任意の適切な材料(複数可)から、任意の適切な方法で形成され得る。ハンドル116はまた、任意の適切な形状を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、例えば、ハンドル116は、まっすぐなまたは湾曲したハンドルを表し得る。他の実施形態では、ハンドル116は、検査ツール102の位置決め及び引っ張りを容易にする部分的なもしくは完全なループまたは他の形状を形成し得る。いくつかの場合、ハンドル116は、検査ツール102の長さを必要に応じてまたは所望されるように調整できるように伸縮自在かつロック可能であってよい。
【0026】
ハウジング118は、コネクタ110が接続ワイヤ112を介してハンドル116に結合される検査ツール102の一部分を表す。シャフト114は、オペレータがハンドル116を操作するときに、必要に応じてまたは所望されるようにコネクタ110を位置決めするためにシャフト114が移動するように、ハウジング118から延びることができる。ハウジング118は、例えば1つまたは複数の金属またはプラスチックなどの任意の適切な材料(複数可)から、任意の適切な方法で形成され得る。
【0027】
以下により詳細に説明されるように、ハンドル116、ハウジング118、または検査ツール102の他の部分は、試験されているワイヤ104または他のコンポーネントに加えられている力を識別する、及び/またはいつ指定量の力が試験されているワイヤ104または他のコンポーネントに加えられたのかを識別するように構成されたインジケータを含む。例えば、インジケータは、ワイヤ104または他のコンポーネントに加えられている力を提示するように構成されたアナログ張力計もしくはデジタル張力計、指定量の力がワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられたときにカチッと音を発する/ビープ音を発する/振動するように構成されたトルクメータまたは他の力計、指定量の力がワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられたときに切断または分離するように構成されたヒューズ、ワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられている力を提示するように構成されたアナログスケールもしくはデジタルスケール、または指定量の力がワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられたときにその把持を解放するように構成されたばねを含む。インジケータは、少なくとも指定量の力が試験用のワイヤ104または他のコンポーネントに加えられることに応えて(例えば、可聴フィードバックまたは触覚フィードバックなどの)1つまたは複数の形式の認識可能なフィードバックを提供し得る。これによって、検査ツール102のオペレータは、ワイヤ104または他のコンポーネントが、ワイヤ104または他のコンポーネントに加えられている少なくとも指定量の力に耐えることができるかどうかを判断することができる。
【0028】
いくつかの例では、コネクタ110に沿ってワイヤ104または他のコンポーネントの摩擦のみを使用して達成できるよりもより確実にコネクタに対して、またはコネクタ110を使用してワイヤ104または他のコンポーネントを保持することが必要であるか、または望ましい場合がある。それらの例では、一時的なクランプ(例えば、結束バンド120または歯付きクランプ122)が、コネクタ110が試験中にワイヤ104または他のコンポーネントをよりしっかりと把持することを可能にするために使用され得る。試験が完了すると、一時的なクランプはワイヤ104または他のコンポーネントから取り外すことができる。再利用可能である場合、一時的なクランプは、次に別のワイヤ104または他のコンポーネントを試験するために使用され得る。
【0029】
また、いくつかの例では、引き抜き試験検査ツール102は、ワイヤ104または他のコンポーネントに加えられる所望の量の力をわずかに上回る及び/またはわずかに下回る力レベルで(例えば、可聴フィードバックまたは触覚フィードバックなどの)フィードバックを提供するように構成可能であってよい。例えば、引き抜き試験検査ツール102は、ワイヤ104または他のコンポーネントに加えられる所望の量の力を約5%上回る及び/または約5%下回る力レベルでフィードバックを提供するように構成可能であってよい。このタイプのフィードバックは、試験されるワイヤまたは他のコンポーネントに概して正しい量の力を加えるように人間の試験者をトレーニングするのを支援するために使用できる。5%の値がここでは例示のみのためであり、必要に応じてまたは所望されるように変わり得ることに留意されたい。
【0030】
図1は、引き抜き試験検査ツール102が使用され得るシステム100の一例を示すが、
図1に様々な変更を加え得る。例えば、検査ツール102は、ワイヤがどのように使用されるのか、ワイヤとともに使用される電気コネクタ、及び電気コネクタまたはワイヤの位置決めとは関わりなく、任意の他の適切なワイヤと使用され得る。また、上述のように、検査ツール102は、ワイヤ以外のコンポーネントの引き抜き試験に使用され得る。さらに、検査ツール102自体及び検査ツール102の様々なコンポーネントのフォームファクタは、
図1に示されるものから容易に変化する可能性がある。一般に、検査ツール102自体は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有する場合があり、検査ツール102の各コンポーネントは、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有する場合がある。
【0031】
図2は、本開示による、第1の例示的な引き抜き試験検査ツール102aを示す。説明を容易にするために、検査ツール102aは、
図1のワイヤ104を試験するためにシステム100で使用されるとして説明され得る。しかしながら、検査ツール102aは、任意の他の適切なコンポーネントの引き抜き試験のために、任意の他の適切なシステムで使用され得る。
【0032】
図2に示されるように、検査ツール102aは、接続ワイヤ112と、ハンドル116の一部に結合されるか、またはハンドル116の一部を形成するシャフト204との間に配置されたゲージまたは他のインジケータ202を含む。しかしながら、インジケータ202は、例えばシャフト204に沿って、またはハンドル116内など、他の任意の適切な場所に配置され得ることに留意されたい。インジケータ202は、試験用のワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられている力を測定できる、またはいつ指定量の力が試験用のワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられたのかを示すことができるゲージまたは他の構造物を表す。
【0033】
いくつかの場合、インジケータ202は、試験用のワイヤ104または他のコンポーネントに加えられている力の(デジタル形式またはアナログ形式の)量を提供し得る。これらの場合、インジケータ202は、アナログ張力計もしくはデジタル張力計、アナログスケールもしくはデジタルスケール、または試験用のワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられている実際の力を識別する他の機構の形をとり得る。オペレータは、適切な力が試験用のワイヤ104または他のコンポーネントに加えられたかどうかを判断するために、張力計、スケール、または他の機構によって提供される測定値を閲覧し得る。
【0034】
また、いくつかの場合、インジケータ202は、少なくとも指定量の力が試験用のワイヤ104または他のコンポーネントに加えられることに応えて、(例えば、振動、パチンという音、またはビープ音などの)可聴フィードバック、触覚フィードバック、または他の認識可能なフィードバックを提供し得る。それらの場合、インジケータ202は、カチッという音を発するトルクメータ、切断または分離するヒューズ、または指定量の力がワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられたときになんらかのタイプの識別可能なフィードバックを提供する他の機構の形をとり得る。オペレータは、適切な力が、試験用のワイヤ104または他のコンポーネントに加えられたかどうかを判断するためにフィードバックを使用し得る。インジケータ202として使用され得る例示的なタイプのヒューズは、交換可能なピンなどの可塑性のまたは他の張力切断可能なヒューズリンクである。ヒューズは、「離脱」張力に達すると切断または物理的に分離するピンを有する場合があり、これによってオペレータは、オペレータが検査ツール102を視認することを必要とせずに、物理的な切断を感じることができる(これは、厳しい条件で役立つ)。いくつかの場合、このタイプのヒューズは、射出成形され得、使い捨てであってよい。ヒューズはまた、リセット可能であってよく、ヒューズの部分が分離し得るが、同じコンポーネントまたは別のコンポーネントの試験のために分離後に再接続可能であり得ることを意味する。
【0035】
また、これらの手法の組み合わせを使用し得る。例えば、検査ツール102aは、(i)張力計、スケール、またはワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられる力を出力する他の機構、及び(ii)トルクメータ、ヒューズ、または指定量の力がワイヤ104もしくは他のコンポーネントに加えられると、認識可能なフィードバックを生成する他の機構の両方を含み得る。一般に、検査ツール102aは、試験中にワイヤ104または他のコンポーネントに加えられる力と関連する情報を提供する任意の適切なタイプ(複数可)のインジケータ(複数可)を含み得る。
【0036】
図3は、本開示による、第2の例示的な引き抜き試験検査ツール102bを示す。説明を容易にするために、検査ツール102bは、
図1のワイヤ104を試験するためにシステム100で使用されるとして説明され得る。しかしながら、検査ツール102bは、任意の他の適切なコンポーネントの引き抜き試験のために、任意の他の適切なシステムで使用され得る。
【0037】
図3に示されるように、検査ツール102bは、ハンドル116の一部に結合されるか、またはその一部を形成するシャフト204の周りに巻き付けられたばね304を含む張力ベースの重力スケール302を含む。重力スケール302は、力が試験用のワイヤ104または他のコンポーネントに加えられるときにどこまでばね304が延びるのかに基づいて力の量を示すことができる。オペレータは、適切な力が試験用のワイヤ104または他のコンポーネントに加えられたかどうかを判断するために重力スケール302によって記録された測定値を閲覧し得る。
【0038】
図4は、本開示による、第3の例示的な引き抜き試験検査ツール102cを示す。説明を容易にするために、検査ツール102cは、
図1のワイヤ104を試験するためにシステム100で使用されるとして説明され得る。しかしながら、検査ツール102cは、任意の他の適切なコンポーネントの引き抜き試験のために、任意の他の適切なシステムで使用され得る。
【0039】
図4に示されるように、検査ツール102cは、検査ツール102aに形状が類似している。しかしながら、検査ツール102cはまた、支持シャフト404に接続された追加のコネクタ402を含む事前把持手動操作式クランプを含む。追加のコネクタ402は、ここでスライドまたはレバー406の回転を介して(検査ツール102cの長さに沿って)長手方向に前後に、及びいくぶん左右に移動することができる。枢支点408は、スライドまたはレバー406、支持シャフト404、及び/またはバー410が、互いにまたは検査ツール102cの他のコンポーネントに回転可能に結合される場所を示す。この例では、スライドまたはレバー406の自由端を後方にまたはハンドル116に向かって引くと、追加のコネクタ402は、前方にまたはコネクタ110から遠ざかるように移動する。スライドまたはレバー406の自由端を前方にまたはハンドル116から離して押すと、追加のコネクタ402は、後方にまたはコネクタ110に向かって移動する。これによって、試験用のワイヤ104または他のコンポーネントの一部分を、コネクタ110とコネクタ402との間に確実に固定することが可能になり、これは(試験用のワイヤ104または他のコンポーネントが滑りやすいときのような)いくつかの場合に役立つ場合がある。コネクタ110及び402は、ここで、集合的に、試験用のワイヤ104または他のコンポーネント上に固定するために使用できる事前把持クランプを形成することができる。
【0040】
ここでは図示されていないが、ばねは、コネクタ402が外部の影響なしに後方に引っ張られるように、スライドまたはレバー406を前方位置に付勢するために使用され得る。ばねの力は、オペレータがスライドまたはレバー406を後方に引くことによって克服することができ、これによってコネクタ402は前方に押される。これによって、ワイヤ104または他のコンポーネントをコネクタ110とコネクタ402との間に配置できるように、例えば、コネクタ402を、コネクタ110より先に前方に移動することが可能になり得る。スライドまたはレバー406が解放されると、ばね力がコネクタ402をコネクタ110に向かって引き戻すことができ、コネクタ110及び402を試験用のワイヤ104または他のコンポーネント上に固定することを可能にする。コネクタ110及び402は、オペレータが、引き抜き試験中に検査ツール102cを使用してワイヤ104または他のコンポーネントを引っ張っている間にもワイヤ104または他のコンポーネント上に固定され続けることができる。しかしながら、オペレータが試験用のワイヤ104または他のコンポーネントに過剰な引っ張る力を加えようとすると、ばねはコネクタ110及び402が分離し、ワイヤ104または他のコンポーネントを解放することを可能にし得、それによって、ワイヤ104または他のコンポーネントに対する損傷を回避するために役立つ。
【0041】
コネクタ110及び402は、ここでは同じ形(同じ全体的な向きで開いたフック)を有するとして示されているが、これが必ずしも必要とされないことに留意されたい。例えば、コネクタ110及び402は、コネクタ110とコネクタ402との間に配置されたワイヤ104または他のコンポーネント上に協働して固定される相補的な形を有してよい。また、インジケータ202はここで使用されているとして示されているが、事前把持手動操作式クランプが、重力スケール302を有する検査ツール102bで使用されることを妨げるものはないことに留意されたい。
【0042】
図5Aから
図5Cは、本開示による、第4の例示的な引き抜き試験検査ツール102dを示す。説明を容易にするために、検査ツール102dは、
図1のワイヤ104を試験するためにシステム100で使用されるとして説明され得る。しかしながら、検査ツール102dは、任意の他の適切なコンポーネントの引き抜き試験のために、任意の他の適切なシステムで使用され得る。
【0043】
図5A~
図5Cに示されるように、検査ツール102dは、検査ツール102dの長さまたは長手方向軸にほぼ横向きに延びる、横木の形のハンドル116を含む。ハンドル116は、ハンドル116に一体化されたインジケータ202を含むが、インジケータ202は上述のように他の場所に配置されてもよい。検査ツール102dはまた、コネクタ110及び402を含む。この例では、コネクタ110及び402は、相補的な構造を有する。より具体的には、コネクタ110は、試験用のワイヤ104または他のコンポーネントの一方の側に接触できるより小型のU字形のフックを含み、コネクタ402は、試験用のワイヤ104または他のコンポーネントのもう一方の側に接触できる逆U字形のフックを含む。コネクタ110及び402は、コネクタ110とコネクタ402との間に試験用のワイヤ104または他のコンポーネントを把持するために、試験用のワイヤ104または他のコンポーネントに対して反対の力を加えることができる。例えば、コネクタ110は、試験用のワイヤ104または他のコンポーネントを受け入れるためにコネクタ402を越えて延ばすことができ、コネクタ110は、コネクタ110とコネクタ402との間に試験用のワイヤ104または他のコンポーネントを固定するためにコネクタ402に向かって引き戻すことができる。
【0044】
この例では、コネクタ110に加えられるクランプ力は、固定ブロック504に対して摺動できる可動ブロック502を含む構造物によって提供される。ばね506は、固定ブロック504を、1つまたは複数のバー510によって可動ブロック502に固定的に接続されたブロック508に結合する。したがって、1つまたは複数のバー510は、固定ブロック504の1つまたは複数の開口部を通過しながら、可動ブロック502及びブロック508を接続する。1つまたは複数の支持シャフト404は固定ブロック504に結合され、ブロック508の1つまたは複数の開口部を通過する。1つまたは複数の追加の支持シャフト512は、(接続ワイヤ112を使用するのではなく)コネクタ110をブロック508に結合する。この構成によって、可動ブロック502の前方への摺動が、ブロック508を固定ブロック504から遠ざけて押し、ばね506を延ばし、コネクタ110を前方に、コネクタ402を越えて押すことを可能にする。可動ブロック502が解放されると、ばね506はブロック508を後方に引き、コネクタ110をコネクタ402に向けて移動させ、試験されるワイヤ104または他のコンポーネント上に固定させる。
【0045】
この例では、ハンドル116は、竜頭514または他の可動構成要素によって検査ツール102dの残りに結合されることに留意されたい。しかしながら、これは必ずしも必要とされておらず、ハンドル116は、任意の他の適切な方法で検査ツール102dの1つまたは複数の他のコンポーネントに結合され得る。例えば、ハンドル116は、上述のように、シャフト204を含み得るか、またはシャフト204に結合され得る。
【0046】
図2~
図5Cは、引き抜き試験検査ツール102a~102dの例を示しているが、
図2~
図5Cに様々な変更を加え得る。例えば、検査ツール102a~102dは、ワイヤ以外のコンポーネントの引き抜き試験に使用され得る。また、検査ツール102a~102d自体及び検査ツール102a~102dの様々なコンポーネントのフォームファクタは、
図2~
図5Cに示されるものから容易に変化する可能性がある。一般に、各検査ツール102a~102d自体は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有する場合があり、検査ツール102a~102dの各コンポーネントは、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有する場合がある。さらに、
図2~
図5Cに示される特徴の任意の適切な組み合わせは、特徴のその特定の組み合わせが図に示されるか、または上述されるのかどうかに関わりなく、単一の引き抜き試験検査ツールでともに使用され得る。特定の例として、
図2~
図5Cに示される引き抜き試験検査ツールのいずれも、任意の適切なタイプ(複数可)のインジケータ(複数可)を含み得、
図2及び
図3に示される引き抜き試験検査ツール102a~102bのどちらも、
図4または
図5A~
図5Cに示される事前把持手動操作式クランプを含み得る。
【0047】
図6A~
図9は、本開示による引き抜き試験検査ツールの例示的な用途を示す。
図6A及び
図6Bに示されるように、上述のまたは本開示に従って設計された引き抜き試験検査ツールのいずれも、少なくとも1つのレバーナット604に挿入されている1つまたは複数のワイヤ602の引き抜き試験に使用され得る。各レバーナット604は、ここで、1つまたは複数のレバー606を含み、レバー606のそれぞれは、レバーナット604の内部クランプ608がワイヤ602の1つの剥ぎ取られた端部に固定されるかどうかを制御するために開閉することができる。ここで、各ワイヤ602が、関連するレバーナット604の対応する内部クランプ608によって適切に固定されていることを確実にするために引き抜き試験を実行できる。
【0048】
図7に示されるように、上述のまたは本開示に従って設計された引き抜き試験検査ツールのいずれも、「ユーロ」式コネクタと呼ばれることもある、1つまたは複数のねじ式コネクタ704に挿入された1つまたは複数のワイヤ702の引き抜き試験に使用され得る。コネクタ704は、ワイヤ702の剥ぎ取られた端部の上にロックし、剥ぎ取られた端部を解放するために回すことができるねじ706を含む。コネクタ704内での内部導電構造によって、電気信号が異なるワイヤ702間を通過することが可能になる。ここで、各ワイヤ702が、関連するコネクタ704の対応するねじ706によって適切に固定されていることを確実にするために引き抜き試験を実行できる。
【0049】
図8A及び
図8Bに示されるように、上述のまたは本開示に従って設計された引き抜き試験検査ツールのいずれも、少なくとも1つの押し込みワイヤコネクタ804に挿入されている1つまたは複数のワイヤ802の引き抜き試験に使用され得る。各押し込みワイヤコネクタ804は、複数のワイヤ802の挿入を容易にし、ワイヤ802の取り外しに抵抗する内部コネクタを含む。各押し込みワイヤコネクタ804内の1つまたは複数の内部導電構造によって、電気信号が、押し込みワイヤコネクタ804に挿入された異なるワイヤ802間を通過することが可能になる。ここで、各ワイヤ802が、関連する押し込みワイヤコネクタ804によって適切に固定されていることを保証するために、引き抜き試験を実行できる。
【0050】
図9に示されるように、上述のまたは本開示に従って設計された引き抜き試験検査ツールのいずれも、互いに結合された1つまたは複数のワイヤ902の引き抜き試験に使用され得る。この例では、複数のワイヤ902は、接合部904ではんだ付けされ得るか、またはそれ以外の場合、互いに結合され得る。ここで、各接合部904が関連するワイヤ902の接続を維持するために十分な強度を有していることを確実にするために、引き抜き試験を実行できる。
【0051】
図6A~
図9は、引き抜き試験検査ツール102、102a~102dの用途の例を示しているが、
図6A~
図9に様々な変更を加え得る。例えば、引き抜き試験検査ツール102、102a~102dは、任意の他の適切な方法で使用され得、
図6A~
図9に示される構成で配置されたワイヤを試験することに限定されない。
【0052】
以下は、引き抜き試験検査ツールを実装する、または引き抜き試験検査ツールに関連する本開示の例示的な実施形態を説明する。しかしながら、本開示の教示に従って他の実施形態も使用され得る。
【0053】
第1の実施形態では、装置は、コンポーネントの一部分に接触するか、またはコンポーネントの一部分を把持し、コンポーネントの引き抜き試験中にコンポーネントに力を加えるように構成されたコネクタを含む携帯機器を含む。携帯機器はまた、コンポーネントの引き抜き試験中に コンポーネントに力を加えるために引っ張られるように構成されたハンドルを含む。携帯機器は、(i)引き抜き試験中にコンポーネントに加えられている力を識別すること、及び(ii)引き抜き試験中にいつ指定量の力がコンポーネントに加えられたのかを識別することの少なくとも1つを行うように構成されたインジケータをさらに含む。
【0054】
第2の実施形態では、方法は、携帯機器のコネクタを用いたコンポーネントの引き抜き試験中に試験されるコンポーネントに接触すること、またはコンポーネントを把持することを含む。方法はまた、コンポーネントの引き抜き試験中にコネクタにコンポーネントに力を加えさせるために携帯機器のハンドルを引っ張ることを含む。方法は、(i)引き抜き試験中にコンポーネントに加えられている力を識別すること、及び(ii)引き抜き試験中にいつ指定量の力がコンポーネントに加えられたのかを識別することの少なくとも1つを行うために携帯機器のインジケータを使用することをさらに含む。
【0055】
以下の特徴の任意の単一の特徴または任意の適切な組み合わせは、第1の実施形態または第2の実施形態と使用され得る。接続ワイヤは、コネクタをインジケータまたはハンドルに取り付け得、中空スリーブは、接続ワイヤの少なくとも一部分を受け入れるように構成され得る。インジケータは、コンポーネントに加えられている力を提示するように構成されたアナログ張力計もしくはデジタル張力計、及び/またはコンポーネントに加えられている力を提示するように構成されたアナログスケールもしくはデジタルスケールを含み得る。インジケータは、指定量の力がコンポーネントに加えられたときにフィードバックを提供するように構成された力計、及び/または指定量の力がコンポーネントに加えられたときに切断または分離するように構成されたヒューズを含み得る。インジケータは、少なくとも指定量の力がコンポーネントに加えられることに応えて可聴フィードバックまたは触覚フィードバックを提供するように構成され得る。コネクタは、複数の交換可能なコネクタの1つを表す場合がある。コネクタは、コンポーネントを過度の力から保護するために引き抜き試験中にコンポーネントを解放するように構成され得る。第2のコネクタが設けられ得、コネクタがコンポーネントに固定されるように構成され得、スライドまたはレバーがコネクタの少なくとも1つを移動させるように構成され得る。ばねは、スライドまたはレバーを付勢し、コネクタの1つをハンドルに向かって引くように構成され得る。コネクタは、フックを含み得、第2のコネクタは逆フックを含み得、フック及び逆フックは、コンポーネントの反対側に接触するように構成され得る。
【0056】
本特許文書を通して使用される特定の単語または句の定義を説明することが有利な場合がある。用語「含む(include)」及び「含む(comprise)」、ならびにその派生語は、制限なく含むことを意味する。用語「または」は包括的であり、および/またはを意味する。語句「と関連する(associated with)」及びその派生語は、含む(include)、中に含まれる(be included within)、と相互接続する(interconnect with)、含む(contain)、中に含まれる(be contained within)、に接続する(connect to)またはと接続する(connect with)、に結合する(couple to)またはと結合する(couple with)、と通信可能である(be communicable with)、と協働する(cooperate with)、インターリーブする(interleave)、並置する(juxtapose)、に近接する(be proximate to)、に結合する(be bound to)またはと結合する(be bound with)、有する(have)、の特性を有する(have a property of)、に関係を有する(have a relationship to)またはと関係を有する(have a relationship with)などを意味する場合がある。語句「の少なくとも1つ」は、項目の一覧と使用される場合、一覧された項目の1つまたは複数の異なる組み合わせが使用され得、一覧の1つの項目しか必要とされない場合があることを意味する。例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AとB、AとC、BとC、及びAとBとCのいずれかの組み合わせを含む。
【0057】
本開示における説明は、特定の要素、ステップ、または機能が特許請求の範囲に含まれなければならない必須要素または重要な要素であることを示唆するとして解釈されるべきではない。特許を有する主題の範囲は、許可された特許請求の範囲によってのみ定義される。さらに、特定の請求項において正確な単語「のための手段」または「のためのステップ」が明示的に使用され、その後に機能を識別する分詞が続いていない限り、請求項のいずれも、添付の請求項または請求項要素のいずれに関しても合衆国法典第35巻112条を発動させない。
【0058】
本開示は、特定の実施形態及び一般に関連する方法を説明したが、これらの実施形態及び方法の変更及び置換は当業者には明らかであろう。したがって、例示的な実施形態の上記の説明は、本開示を定義または制限しない。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、及び改変も可能である。
【国際調査報告】