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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】神経内分泌がんの治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/12 20150101AFI20240126BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240126BHJP
   C07K 16/18 20060101ALI20240126BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20240126BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240126BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240126BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 31/282 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 33/243 20190101ALI20240126BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20240126BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240126BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20240126BHJP
【FI】
A61K35/12
C12N5/10
C07K16/18
C07K14/705
C07K19/00
A61P35/00
A61K35/17
A61P35/04
A61K39/395 N
A61K45/00
A61K31/282
A61K33/243
A61K31/7048
A61K31/337
A61K47/68
C12N15/09 Z ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546275
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 US2022014792
(87)【国際公開番号】W WO2022165440
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/144,337
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】507127440
【氏名又は名称】ザ・リージエンツ・オブ・ザ・ユニバーシテイー・オブ・カリフオルニア
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プルサック,チャールズ・イー
(72)【発明者】
【氏名】オー,クリストファー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C086
4C087
4C206
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AB01
4B065BA01
4B065CA24
4B065CA44
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF70
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB26
4C085AA14
4C085BB11
4C085BB31
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA02
4C086EA11
4C086HA12
4C086HA28
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB65
4C087CA12
4C087MA02
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZB26
4C206AA01
4C206AA02
4C206JB16
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB26
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA72
4H045DA76
4H045EA20
(57)【要約】
本明細書では、神経内分泌がんを治療し、神経内分泌がんに由来する転移を予防又は治療するための組成物及び方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経内分泌がんの治療を必要とする対象の神経内分泌がんを治療する方法であって、ROR-1結合抗体領域を含むキメラ抗原受容体(CAR)を発現する有効量の細胞を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記キメラ抗原受容体が、
i.抗原結合領域であって、ROR-1に特異的に結合し、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、
(a)前記軽鎖可変ドメインが、配列番号43に記載されるCDR L1、配列番号44に記載されるCDR L2、及び配列番号45に記載されるCDR L3を含み、前記重鎖可変ドメインが、配列番号46に記載されるCDR H1、配列番号47に記載されるCDR H2、及び配列番号48に記載されるCDR H3を含むか、又は
(b)前記軽鎖可変ドメインが、配列番号49に記載されるCDR L1、配列番号50に記載されるCDR L2、及び配列番号51に記載されるCDR L3を含み、前記重鎖可変ドメインが、配列番号52に記載されるCDR H1、配列番号53に記載されるCDR H2、及び配列番号54に記載されるCDR H3を含む、抗原結合領域と、
ii.スペーサードメインと、
iii.膜貫通ドメインと、
iv.細胞内ドメインと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スペーサードメインが、14~120のアミノ酸長である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記軽鎖可変ドメインが、前記重鎖可変ドメインのN末端又はC末端に連結されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記軽鎖可変ドメインが、ポリペプチドリンカーを介して前記重鎖可変ドメインに共有結合している、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリペプチドリンカーが、配列番号24のアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記スペーサードメインが抗体ドメインを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記抗体ドメインが、免疫グロブリンヒンジドメイン、免疫グロブリン定常重鎖3(CH3)ドメイン、免疫グロブリン定常重鎖2(CH2)ドメイン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スペーサードメインが、配列番号29、配列番号41又は配列番号42のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記軽鎖可変ドメインが、配列番号21と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記重鎖可変ドメインが、配列番号27と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記膜貫通ドメインが、CD8α膜貫通ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD4膜貫通ドメイン、CD3ζ膜貫通ドメイン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記膜貫通ドメインがCD28膜貫通ドメインである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記細胞内ドメインが、細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、ICOS細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、OX-40細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン及び41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記細胞内T細胞シグナル伝達ドメインが、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記キメラ抗原受容体(CAR)が神経内分泌がん性細胞に結合する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記細胞がTリンパ球である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記Tリンパ球がCD4+Tリンパ球又はCD8+Tリンパ球である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記細胞がナチュラルキラー細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記ナチュラルキラー細胞が前記対象に対して自家である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ナチュラルキラー細胞が前記対象に対して異種である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ナチュラルキラー細胞が前記対象に対して同種異系である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記神経内分泌がんが、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、皮膚の神経内分泌がん、小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がん、神経内分泌前立腺がん(NEPC)、又は転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記神経内分泌がんが転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記神経内分泌がん性細胞がROR-1を発現する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記対象がアンドロゲン遮断療法に応答しなかった、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記神経内分泌がんが骨に転移している、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
シルムツズマブを前記対象に投与することを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記シルムツズマブと前記細胞とを別々に投与する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記シルムツズマブと前記細胞とを一緒に投与する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記対象に白金ベースの化学療法を投与することを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記白金ベースの化学療法が、カルボプラチン、シスプラチン、エトポシド、タキサン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記白金ベースの化学療法が抗体-薬物コンジュゲートを投与することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
神経内分泌がんを有する対象における転移を予防又は治療する方法であって、ROR-1結合抗体領域を含むキメラ抗原受容体(CAR)を発現する有効量の細胞を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項39】
前記キメラ抗原受容体が、
i.抗原結合領域であって、ROR-1に特異的に結合し、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、
(a)前記軽鎖可変ドメインが、配列番号43に記載されるCDR L1、配列番号44に記載されるCDR L2、及び配列番号45に記載されるCDR L3を含み、前記重鎖可変ドメインが、配列番号46に記載されるCDR H1、配列番号47に記載されるCDR H2、及び配列番号48に記載されるCDR H3を含むか、又は
(b)前記軽鎖可変ドメインが、配列番号49に記載されるCDR L1、配列番号50に記載されるCDR L2、及び配列番号51に記載されるCDR L3を含み、前記重鎖可変ドメインが、配列番号52に記載されるCDR H1、配列番号53に記載されるCDR H2、及び配列番号54に記載されるCDR H3を含む、抗原結合領域と、
ii.スペーサードメインと、
iii.膜貫通ドメインと、
iv.細胞内ドメインと、を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記スペーサードメインが、14~120のアミノ酸長である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記軽鎖可変ドメインが、前記重鎖可変ドメインのN末端又はC末端に連結されている、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記軽鎖可変ドメインが、ポリペプチドリンカーを介して前記重鎖可変ドメインに共有結合している、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記ポリペプチドリンカーが、配列番号24のアミノ酸配列を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記スペーサードメインが抗体ドメインを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記抗体ドメインが、免疫グロブリンヒンジドメイン、免疫グロブリン定常重鎖3(CH3)ドメイン、免疫グロブリン定常重鎖2(CH2)ドメイン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記スペーサードメインが、配列番号29、配列番号41又は配列番号42のアミノ酸配列を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記軽鎖可変ドメインが、配列番号21と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記重鎖可変ドメインが、配列番号27と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
前記膜貫通ドメインが、CD8α膜貫通ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD4膜貫通ドメイン、CD3ζ膜貫通ドメイン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
前記膜貫通ドメインがCD28膜貫通ドメインである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記細胞内ドメインが、細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項52】
前記細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、ICOS細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、OX-40細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン及び4-1BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを更に含む、請求項52に記載の方法。
前記細胞内T細胞シグナル伝達ドメインがCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記キメラ抗原受容体(CAR)が内分泌がん細胞に結合する、請求項38に記載の方法。
【請求項57】
前記細胞がTリンパ球である、請求項38に記載の方法。
【請求項58】
前記Tリンパ球がCD4+Tリンパ球又はCD8+Tリンパ球である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記細胞がナチュラルキラー細胞である、請求項38に記載の方法。
【請求項60】
前記ナチュラルキラー細胞が前記対象に対して自家である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記ナチュラルキラー細胞が前記対象に対して異種である、請求項59記載の方法。
【請求項62】
前記ナチュラルキラー細胞が前記対象に対して同種異系である、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記神経内分泌がんが、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、皮膚の神経内分泌がん、小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がん、神経内分泌前立腺がん(NEPC)、又は転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、請求項38に記載の方法。
【請求項64】
前記神経内分泌がんが転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、請求項38に記載の方法。
【請求項65】
前記神経内分泌がん性細胞がROR-1を発現する、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記対象がアンドロゲン遮断療法に応答しなかった、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記神経内分泌がんが骨に転移している、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
シルムツズマブを前記対象に投与することを更に含む、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
前記シルムツズマブと前記細胞とを別々に投与する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記シルムツズマブと前記細胞とを一緒に投与する、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記対象に白金ベースの化学療法を投与することを更に含む、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記白金ベースの化学療法が、カルボプラチン、シスプラチン、エトポシド、タキサン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記白金ベースの化学療法が抗体-薬物コンジュゲートを投与することを含む、請求項71に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年2月1日に出願された米国仮出願第63/144,337号の優先権を主張し、参照によりその全体が、かつ全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
2020年3月23日に作成された69,632バイト、マシンフォーマットIBM-PC、MS Windowsオペレーティングシステムのファイル048537-640001WO SEQUENCE LISTING_ST25.TXTに記載された配列表が、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
神経内分泌腫瘍(NET)は、神経内分泌細胞から生じるまれなタイプの腫瘍である。これらの細胞は、神経細胞及びホルモン産生細胞の両方の形質を有し、神経系からのシグナルに応答してホルモンを血液中に放出する。神経内分泌腫瘍はホルモンを産生する細胞から生じるので、腫瘍もまたホルモンを産生し得る。ほとんどの神経内分泌腫瘍は、消化管、膵臓、直腸、肺、虫垂、及び前立腺に生じる。神経内分泌腫瘍としては、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、皮膚の神経内分泌がん(メルケル細胞がん)、小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がん、及び神経内分泌前立腺がん(NEPC)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0004】
NEPCは、前立腺がんの侵襲性組織学的サブタイプであり、最も一般的には、治療抵抗性がんとして前立腺がんの後期に生じる。NEPCの予後不良は、1つには、遅い診断及び有効な治療剤がないことに起因する。前立腺がんは、アンドロゲンによって調節される疾患であり、アンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達を標的とする薬物と組み合わせたアンドロゲン遮断療法(ADT)は、転移性前立腺がんの標準療法である。しかしながら、必然的に、このがんはADTに対して抵抗性となり、致死性の去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に発展する。CRPCは、致死性疾患であり、米国における男性のがん死の第2位の原因である。6人に1人の男性は、最終的に前立腺がん(PCa)と診断され、米国における主要な健康問題となる。このがんと診断された男性の4分の1は、進行したPCaを発症し、これは、医学的予後が悪く、関連する5年生存率が大幅に低い。更に、PCaはしばしば骨に転移し、そこで典型的には治療に対して抵抗性になり、発症のこの段階では治癒しない。神経内分泌前立腺がん(NEPC)と呼ばれるCRPCの特に悪性の形態が、ADTで治療された患者において頻度の増加を伴って出現している。患者の生存率を改善したいくつかの新規療法の最近の開発にもかかわらず、CRPCを有するほぼ全ての患者が、療法に対する耐性及び疾患進行を発症する。最近のゲノムワイドな次世代配列決定研究により、前立腺がんにおける再発性分子変化が同定され、治療耐性及び潜在的な治療脆弱性の機構が解明されている。
【0005】
前立腺がんは、CAR-T細胞又は他の形態の免疫療法によって標的化され得る。CAR-T細胞の臨床活性について早期兆候があることから、前立腺特異的膜抗原(PMSA)(NCT04249947、NCT04227275)又は原形質膜カルシウムATPアーゼ(PSCA)(NCT04227275)のいずれかを標的とする多くの大規模多施設臨床試験が進行中である。しかしながら、PSMA又はPSCAを発現しない侵襲性のCRPC及びNEPCが存在し、ひいては、CAR T細胞によって標的化され得る新しい前立腺がん抗原を同定する緊急の満たされていないニーズが存在する。
【0006】
チロシン-プロテインキナーゼ膜貫通受容体ROR1は、神経栄養チロシンキナーゼ受容体関連1としても知られ、ヒトにおいてROR1遺伝子によってコードされる酵素である。ROR1は、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体ファミリーのメンバーである。ROR1は、CRPC及びNEPC上で発現されるが、正常な出生後組織及び成体組織上では発現されない。更に、ROR1は、がん特異的幹細胞の増殖を含むPCaの腫瘍形成において機能的役割を果たすようである。ROR1は親腫瘍並びに腫瘍及び転移促進幹細胞上で発現されるため、ROR1は魅力的な治療標的である。
【0007】
WNTシグナル伝達は、多くの重要な細胞プロセスを調節することが知られており、異常なWntシグナル伝達及びその経路における突然変異は、前立腺がんなどの多くのがんにおける腫瘍形成、進行、及び転移と関連付けられている(5、6)。同様に、WNT共受容体ROR1及びROR2の調節解除された発現は、悪性腫瘍を促進するいくつかの細胞の特徴、すなわち、細胞増殖、生存、遊走/浸潤、及び幹細胞性と関連付けられている。Wntシグナル伝達は、元々、正常な発達及び生理機能に重要なシグナル伝達経路の群として発見された(5、6)。標準的(β-カテニン依存性)経路及び非標準的経路からなる異常なWntシグナル伝達は、前立腺がんにおいて頻繁に変化する。去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)を有する患者における包括的な配列決定研究によって、進行前立腺がん患者の約20%において、Wntシグナル伝達経路成分における再発性分子変化が同定されている(4)。CRPC患者からの循環腫瘍細胞(CTC)の分析は、難治性疾患を有する患者の60%超において、原型非標準WntリガンドであるWnt5Aの発現を実証する(7、8)。
【0008】
Wntシグナル伝達経路は複雑であり、Wntシグナル伝達の状況依存的活性は、標準Wntシグナル伝達と非標準Wntシグナル伝達との間のクロストークを介して媒介される。Wnt経路は、前立腺がんの病因における重要な経路であるアンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達と相互作用する(9)。非標準Wntシグナル伝達は、Wnt5AリガンドによるROR1チロシンキナーゼ様オーファン受容体活性化を介して部分的に媒介される(図1)。ROR1は、前立腺がん細胞において発現される保存された腫瘍胎児性表面タンパクである(10)。ROR1の発現は、上皮間葉転換、がん細胞増殖、遊走及び転移を増進し得る(11~13)。ROR1を介して媒介される非標準Wntシグナル伝達は、骨芽細胞活性の誘導を介して骨転移を促進する(14)。更に、ROR1は、化学療法抵抗性腫瘍において過剰発現される(15、16)。ROR1発現は、不十分な治療応答や腫瘍再発といった患者における有害転帰に関連する(17~21)。ROR1は、化学療法抵抗性腫瘍において過剰発現される薬物排出ポンプABCB1の安定性及び転写を調節する(22)。ROR1阻害は、がん細胞を化学療法剤に対して感受性にし、腫瘍細胞からの化学療法剤の流出の減少と直接相関する(22)。更に、ROR1とコルタクチンとの間の相互作用は、がん細胞の遊走及び転移において重要な役割を果たす(23、24)。
【0009】
前臨床モデルにおいて、Wnt5Aは前立腺がん腫瘍増殖を刺激及び加速し、これはWnt5Aノックダウン又はハプロ不全によって低減される(12)。腫瘍形成において役割を果たすことに加えて、非標準Wntリガンドは、インビトロで、エンザルタミドに対する薬物耐性を誘導することがわかっている(25)。進行前立腺がん患者におけるいくつかの臨床研究によって、非標準Wnt経路が進行前立腺がんにおいて活性化され、CRPCにおける予後不良と相関することがわかっている(8、26~31)。単一CTCの全トランスクリプトームRNA-seqは、エンザルタミドに対する耐性を有する患者における非標準Wntシグナル伝達の有意な濃縮を実証する(7)。更に、マルチプレックスqPCRを使用したCTCにおけるWnt5A発現により、Wnt5Aが全生存の悪化を独立して予測することがわかった(8、26)。
【0010】
このがん原遺伝子を標的とするために、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)において、ファーストインクラスROR1結合モノクローナル抗体(mAb)であるシルムツズマブが開発された(32)。このヒトmAbは、ヒトROR1に対して高い親和性を有し、インビトロ又はインビボ試験系において明らかなオフターゲット活性を有さない。臨床試験では、抗ROR1 mAbは十分に忍容され、抗体に関連する重篤な有害事象は認められず、半減期が延長されたことから、オフ腫瘍結合が制限されているか、又はオフ腫瘍結合がないこと、及び抗腫瘍活性の早期兆候が示唆された(NCT02222688)(33)。その好ましい治療指数のため、その後、シルムツズマブは、抗体薬物コンジュゲート(ADC)(NCT03833180)の標的化部分として、標準的な化学療法(NCT02776917、02860676及び03088878)と組み合わせてリンパ系及び固形腫瘍がんを標的化するいくつかの臨床研究において使用されており、このmAbを用いた臨床研究が、CRPCを有する患者のために計画されている。
【0011】
ROR1の発現の上昇は、高度に悪性のタキサン耐性乳がん細胞において実証されている。このmAbは、Wnt5A媒介性活性化を遮断することによってROR1シグナル伝達を遮断するので、シルムツズマブは、前臨床モデルにおいてこれらの化学療法耐性腫瘍に対する実質的な治療活性を実証している。これらの研究に基づいて、シルムツズマブをパクリタキセルと組み合わせる第Ib相臨床試験が、進行乳がんを有する患者において試験されている(NCT02776917)(34)。乳がんと同様に、タキサン(ドセタキセル)ベースの化学療法レジメンは、進行したCRPCを有する患者の治療の中心である(35)。しかしながら、アビラテロン及びエンザルタミドと組み合わせた場合、このドセタキセル含有化学療法カクテルは、CPRCの治療において最小限の活性しか有さず、進行までの時間の中央値は3ヶ月となり、PSAレベルの低減に対する影響は限定的である(患者の30%未満)(36)。更に、非標準Wntシグナル伝達は、エンザルタミド(7)及びタキサン化学療法(16)に対する耐性の機構であると仮定されている。利用可能なデータは、化学療法によるWnt遮断が、Wnt経路調節を実施するための最も有効な方法であり得ることを示唆している(6)。
【0012】
進行性、悪性及び致死性の神経内分泌腫瘍の治療を目的とする強力かつ特異的な療法の達成が緊急に必要とされている。本明細書に提供される方法は、当該技術分野における上記及び他のニーズに対処するものである。
【発明の概要】
【0013】
本明細書では、とりわけ、ヒトROR-1を標的とするキメラ抗原受容体を発現する細胞の投与を含む、神経内分泌がんを治療するための組成物及び方法、並びに神経内分泌がんに由来する転移を予防又は治療する方法が記載される。本明細書に記載のキメラ抗原受容体は、神経内分泌がんに罹患している個体から単離され、その個体に再投与されるTリンパ球又はナチュラルキラー細胞によって発現され得る。本明細書に記載のCARを発現するT細胞の投与は、ROR-1を発現する神経内分泌がんの効果的な治療的処置として役立ち得る。抗ROR-1 CAR-T細胞の機能及び効力は、本明細書に記載されるように、最適化された細胞内シグナル伝達ドメイン及び膜スペーサーによって改善され得る。
【0014】
態様では、キメラ抗原受容体は、i)抗原結合領域であって、抗原結合領域がROR-1に特異的に結合し、抗原結合領域が軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含む、抗原結合領域と、ii)スペーサードメインと、iii)膜貫通ドメインと、iv)細胞内ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号43に記載されるCDR L1、配列番号44に記載されるCDR L2、及び配列番号45に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号46に記載されるCDR H1、配列番号47に記載されるCDR H2、及び配列番号48に記載されるCDR H3を含む。あるいは、軽鎖可変ドメインは、配列番号49に記載されるCDR L1、配列番号50に記載されるCDR L2、及び配列番号51に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号52に記載されるCDR H1、配列番号53に記載されるCDR H2、及び配列番号54に記載されるCDR H3を含む。
【0015】
実施形態では、軽鎖可変ドメインは、ポリペプチドリンカーを介して重鎖可変ドメインに共有結合している。実施形態では、ポリペプチドリンカーは、配列番号24のアミノ酸配列を含む。
【0016】
実施形態では、スペーサードメインは抗体ドメインを含む。実施形態では、抗体ドメインは、免疫グロブリンヒンジドメイン、免疫グロブリン定常重鎖3(CH3)ドメイン、免疫グロブリン定常重鎖2(CH2)ドメイン、又はこれらの組み合わせを含む。
【0017】
実施形態では、スペーサードメインは、配列番号29、配列番号41又は配列番号42で表されるアミノ酸配列を含む。
【0018】
実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号21と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0019】
実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号27と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を含む。
【0020】
実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8α膜貫通ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD4膜貫通ドメイン、CD3ζ膜貫通ドメイン、又はこれらの任意の組み合わせを含む。実施形態では、膜貫通ドメインは、CD28膜貫通ドメインである。
【0021】
実施形態では、細胞内ドメインは、細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン、又はこれらの組み合わせを含む。細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、ICOS細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、OX-40細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、又はこれらの任意の組み合わせである。実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む。実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン及び41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む。
【0022】
実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを更に含む。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインである。
【0023】
実施形態では、キメラ抗原受容体は、ROR-1を発現する細胞に結合する。実施形態では、ROR-1を発現する細胞は、神経内分泌がん性細胞である。
【0024】
実施形態では、その細胞はTリンパ球である。実施形態では、Tリンパ球は、CD4+Tリンパ球又はCD8+Tリンパ球である。
【0025】
実施形態では、細胞は、ナチュラルキラー細胞である。実施形態では、ナチュラルキラー細胞は、対象に対して自家である。実施形態では、ナチュラルキラー細胞は、対象に対して異種である。実施形態では、ナチュラルキラー細胞は、対象に対して同種異系である。
【0026】
本明細書に開示される態様は、本明細書に記載のキメラ抗原受容体をコードする核酸を提供する。実施形態では、核酸はウイルスベクターである。実施形態では、ウイルスベクターはレンチウイルスベクターである。
【0027】
本明細書に開示される態様は、本明細書に記載の核酸を含む細胞を提供する。本明細書に開示される態様はまた、本明細書に記載のキメラ抗原受容体を発現する細胞を提供する。実施形態では、その細胞はTリンパ球である。実施形態では、Tリンパ球は、CD4+Tリンパ球又はCD8+Tリンパ球である。実施形態では、細胞は、ナチュラルキラー細胞、遺伝子操作されたナチュラルキラー細胞、又はCD56+細胞である。実施形態では、細胞は、ナチュラルキラー細胞である。実施形態では、ナチュラルキラー細胞は、対象に対して自家である。実施形態では、ナチュラルキラー細胞は、対象に対して異種である。実施形態では、ナチュラルキラー細胞は、対象に対して同種異系である。
【0028】
本明細書に開示される態様は、治療有効量の本明細書に記載の細胞と、薬学的に許容される希釈剤、担体、又は賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する。実施形態では、本組成物は静脈内注射用に製剤化される。
【0029】
本明細書に開示される態様は、それを必要とする対象において神経内分泌がんを治療する方法、及び神経内分泌がんを有する対象において転移を予防又は治療する方法であって、本明細書に記載される細胞、並びに本明細書に提供される細胞及び賦形剤、添加剤などを含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。実施形態では、神経内分泌がんは、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、皮膚の神経内分泌がん、小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がん、神経内分泌前立腺がん(NEPC)、又は転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である。実施形態では、神経内分泌がんは、転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である。
【0030】
実施形態では、神経内分泌がん性細胞は、ROR-1を発現する。実施形態では、対象は、アンドロゲン遮断療法に応答しなかった。実施形態では、神経内分泌がんは骨に転移している。
【0031】
実施形態では、本明細書に提供される方法は、シルムツズマブを対象に投与することを更に含む。実施形態では、シルムツズマブ及び開示されるキメラ抗原受容体を発現する細胞は、別々に投与される。実施形態では、シルムツズマブ及び細胞は一緒に投与される。
【0032】
実施形態では、本明細書で提供される方法は、白金ベースの化学療法を対象に投与することを更に含む。実施形態では、白金ベースの化学療法は、カルボプラチン、シスプラチン、エトポシド、タキサン、又はそれらの任意の組み合わせを含む。実施形態では、白金ベースの化学療法は、対象に抗体-薬物コンジュゲートを投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】非標準Wnt経路を介したシグナル伝達が、Wnt5Aがその受容体ROR1及びROR2への結合することによって媒介されることを示す概略図である。シルムツズマブは、ROR1を標的とするモノクローナル抗体である。
図2】ROR-1を標的とするシルムツズマブベースのキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を示す概略図である。
図3】4時間クロム放出アッセイ(左パネル)及び120時間ACEAインピーダンスアッセイ(右パネル)におけるROR1を形質導入した2人の健常ドナーのT細胞由来のROR1 CAR T細胞のインビトロ細胞殺傷活性を示すグラフを示しており、T細胞は、左のパネルでは、示された効果と標的の比(E:T)で白血病性Mec1 ROR1陽性細胞に対して形質導入され、右のパネルのACEAインピーダンスアッセイでは、MB 231 ROR1陽性乳がん細胞に対して形質導入された。抗ROR1 CAR T細胞は、ROR1陰性標的細胞を有意に死滅させることなく、高く特異的な細胞傷害性を示した。
図4-1】MEC1-ROR1細胞及びROR1 CAR T細胞を接種したマウスの生物発光イメージングを示す。CAR-T細胞で処置した動物は、対照と比較して疾患負荷が低下していた。最高用量(3×10個のCAR-T細胞)コホートは、30日目までにバックグラウンドレベルに対して白血病負荷の低減を示し、試験期間中、最小量の疾患しか有さなかった。対照群(未処理、模擬形質導入)の動物を20日目に屠殺しなければならなかった。右パネルは、マウスから採取した総生物発光産物を示す。青色の四角及び丸は対照であり、緑色の三角はROR1-CAR T処置マウスである。
図4-2】MEC1-ROR1細胞及びROR1 CAR T細胞を接種したマウスの生物発光イメージングを示す。CAR-T細胞で処置した動物は、対照と比較して疾患負荷が低下していた。最高用量(3×10個のCAR-T細胞)コホートは、30日目までにバックグラウンドレベルに対して白血病負荷の低減を示し、試験期間中、最小量の疾患しか有さなかった。対照群(未処理、模擬形質導入)の動物を20日目に屠殺しなければならなかった。右パネルは、マウスから採取した総生物発光産物を示す。青色の四角及び丸は対照であり、緑色の三角はROR1-CAR T処置マウスである。
図5-1】様々な時点でのマウス組織におけるROR-1 CAR T細胞発現を示す。ROR-1 CAR-T投与後、動物を11日目(上パネル)及び25日目(下パネル)に屠殺した。血液及び臓器を採取し、CAR発現及び確認ROR1結合活性についてフロー分析に供した。ROR-1 CAR-T細胞数は、MEC-1 ROR1細胞を担持するマウス(CAR+MEC1-ROR1)において、対照(CARのみ)と対比して実質的に多く、腫瘍負荷のある動物でROR-1 CAR-T細胞の増殖が上昇していることを示す。バーは各群の5匹のマウスの平均値を表し、エラーバーは平均値のS.Eを表す。
図5-2】様々な時点でのマウス組織におけるROR-1 CAR T細胞発現を示す。ROR-1 CAR-T投与後、動物を11日目(上パネル)及び25日目(下パネル)に屠殺した。血液及び臓器を採取し、CAR発現及び確認ROR1結合活性についてフロー分析に供した。ROR-1 CAR-T細胞数は、MEC-1 ROR1細胞を担持するマウス(CAR+MEC1-ROR1)において、対照(CARのみ)と対比して実質的に多く、腫瘍負荷のある動物でROR-1 CAR-T細胞の増殖が上昇していることを示す。バーは各群の5匹のマウスの平均値を表し、エラーバーは平均値のS.Eを表す。
図6】非標準WNT及び幹細胞遺伝子セットの単一試料遺伝子セット濃縮分析プロファイルとROR1(mRNA)の発現との関連として表される、66個の前立腺がん試料から得られた腫瘍RNA配列の分析から得られた結果を示す。分析は、ROR1 mRNA発現に対するWNT非標準及び幹細胞遺伝子セットの有意な濃縮を示す。
図7A】前立腺がん患者から得られた異種移植モデルを示す。図7Aは、PCSD1及びPCSD13に対するRNA-seq分析の階層的クラスターを示す。図7Bは、PCSD13細胞の細胞表面上のROR-1タンパク質のフローサイトメトリー(FACS)を示す。図7Cは、ROR1が前立腺がん細胞株の細胞表面上で発現されることを示す。抗体アイソタイプ対照は灰色である。陰性対照細胞株:乳がん株、MCF7、及びROR-1過剰発現株、MCF7_ROR1。前立腺がん株:PC3及びDU145。
図7B】前立腺がん患者から得られた異種移植モデルを示す。図7Aは、PCSD1及びPCSD13に対するRNA-seq分析の階層的クラスターを示す。図7Bは、PCSD13細胞の細胞表面上のROR-1タンパク質のフローサイトメトリー(FACS)を示す。図7Cは、ROR1が前立腺がん細胞株の細胞表面上で発現されることを示す。抗体アイソタイプ対照は灰色である。陰性対照細胞株:乳がん株、MCF7、及びROR-1過剰発現株、MCF7_ROR1。前立腺がん株:PC3及びDU145。
図7C-1】前立腺がん患者から得られた異種移植モデルを示す。図7Aは、PCSD1及びPCSD13に対するRNA-seq分析の階層的クラスターを示す。図7Bは、PCSD13細胞の細胞表面上のROR-1タンパク質のフローサイトメトリー(FACS)を示す。図7Cは、ROR1が前立腺がん細胞株の細胞表面上で発現されることを示す。抗体アイソタイプ対照は灰色である。陰性対照細胞株:乳がん株、MCF7、及びROR-1過剰発現株、MCF7_ROR1。前立腺がん株:PC3及びDU145。
図7C-2】前立腺がん患者から得られた異種移植モデルを示す。図7Aは、PCSD1及びPCSD13に対するRNA-seq分析の階層的クラスターを示す。図7Bは、PCSD13細胞の細胞表面上のROR-1タンパク質のフローサイトメトリー(FACS)を示す。図7Cは、ROR1が前立腺がん細胞株の細胞表面上で発現されることを示す。抗体アイソタイプ対照は灰色である。陰性対照細胞株:乳がん株、MCF7、及びROR-1過剰発現株、MCF7_ROR1。前立腺がん株:PC3及びDU145。
図8】大腿骨において成長する異種移植片の組織形態を複製する三次元オルガノイド由来のPCSD1 PDX腫瘍細胞を示す。前立腺がんを有する対象由来の三次元オルガノイド細胞培養物を確立した。3D培養は、2つの主要な細胞塊:骨髄を置換する大腿骨内及び患者において成長する異種移植片からの切片において見られる腺様構造に類似するスフェロイド及び上皮嚢胞からなった。スフェロイドは、アンドロゲン枯渇誘導性死に対して抵抗性であった。スフェロイド塊は、腺様構造に類似した腫瘍細胞によって取り囲まれた嚢胞様構造を含んでいた。黒い矢印は、嚢胞構造を指す。オルガノイドはGFP+である。PDXは前立腺がん骨転移から得た。GFP-ルシフェラーゼを発現するPCSD1は、3D培養条件下で異なる形態を形成した。PCSD1のエンザルタミド処置は、管腔サイズ及び上皮嚢胞の数を減少させた。トランスクリプトーム解析は、PSA(KLK3)及びTMPRSS2などのAR応答性遺伝子がADT下で下方制御される一方で、幹細胞転写因子、ステロイド産生及び神経原性経路遺伝子が上方制御されることを示した。したがって、抗アンドロゲンは、標準的なAR応答性遺伝子を依然として抑制することができたが、腫瘍及びオルガノイド成長は、抗アンドロゲンであるエンザルタミドなどのADTに対して耐性であった。
図9-1】ROR1 CAR-T細胞がROR1発現前立腺がん細胞株を死滅させることを示すグラフを示す。ROR1 CAR-T細胞は、培養中のPCa細胞株、PC3又はDU145細胞の有意な細胞傷害性死滅を示した。増加する効果(E=T細胞)と標的(T=PCa細胞)の比は、Incucyteアッセイにおいて対照T細胞と比較して増加した死滅を示した。CAR-Ts細胞傷害性T細胞死滅は、エフェクト:標的(E:T)用量依存的である。
図9-2】ROR1 CAR-T細胞がROR1発現前立腺がん細胞株を死滅させることを示すグラフを示す。ROR1 CAR-T細胞は、培養中のPCa細胞株、PC3又はDU145細胞の有意な細胞傷害性死滅を示した。増加する効果(E=T細胞)と標的(T=PCa細胞)の比は、Incucyteアッセイにおいて対照T細胞と比較して増加した死滅を示した。CAR-Ts細胞傷害性T細胞死滅は、エフェクト:標的(E:T)用量依存的である。
図10A】抗ROR1 CAR-T細胞が、Incucyte細胞傷害性アッセイの培養において、エフェクター:標的(E:T)用量依存的にPDX pCSD13細胞を特異的に死滅させたことを示すグラフを提示する。左パネル(A):異種移植片から新たに単離し、48時間培養した対照T細胞+PCSD13(標的)細胞。右パネル(B):抗ROR1 CAR-T(エフェクター)。最も高い用量の抗ROR1 CAR-T細胞は、CAR-Tなし(黒線、E:T 0)と比較して、PCSD13細胞を完全に死滅させた(青色の線、E:T 3)
図10B】抗ROR1 CAR-T細胞が、Incucyte細胞傷害性アッセイの培養において、エフェクター:標的(E:T)用量依存的にPDX pCSD13細胞を特異的に死滅させたことを示すグラフを提示する。左パネル(A):異種移植片から新たに単離し、48時間培養した対照T細胞+PCSD13(標的)細胞。右パネル(B):抗ROR1 CAR-T(エフェクター)。最も高い用量の抗ROR1 CAR-T細胞は、CAR-Tなし(黒線、E:T 0)と比較して、PCSD13細胞を完全に死滅させた(青色の線、E:T 3)
図11】PC3 PCa細胞を皮下移植し、ROR1 CAR-T細胞で処置したマウスの生物発光イメージングを示す。1日目に動物にGFPルシフェラーゼ発現PC 3細胞を移植し、3e7 CAR-T細胞IV(CAR IV)又は活性化模擬形質導入細胞(対照)又は腫瘍内投与された1e7細胞(CAR IT)の1回の注射で処置した。示されるように、1回の静脈内又は腫瘍内注射を受けたCAR-T処置マウスは、対照動物と比較した場合、疾患負荷が減少しており、5週目までに屠殺しなければならなかった。CAR-T IV処置コホートは、実験終了時に最小量の疾患しか有していなかった。
図12】キャリパー測定による移植されたPC3細胞の腫瘍体積測定を示すグラフである。腫瘍体積を、図11に記載されるように処置されたマウスについて毎週のキャリパー測定によって測定した。結果は、生物発光測定と一致し、静脈内投与されたCAR生成物の活性をより良好に実証する。腫瘍体積は、式(mm)=(L×w)/2を用いて決定した。値w(幅)は、2つの直交する腫瘍軸のうちの小さい方であり、値L(長さ)は、2つの直交する軸のうちの大きい方である。エラーバーは、3回の測定の平均のSOを表す。
図13】陰性対照と比較した、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)乳腺がん組織におけるROR1タンパク質発現パターンの最適化IHC染色分析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
定義
本発明の様々な実施形態及び態様が本明細書に示され説明されているが、そのような実施形態及び態様が例としてのみ提供されていることは当業者には理解されるであろう。当業者は、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び置換に想到するであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が本発明の実施において採用され得ることが理解されるべきである。
【0035】
本書で使用されている項目の見出しは、組織化の目的のためであり、記載されている主題を限定するものとして解釈されるべきではない。本出願で引用された全ての文書又は文書の一部(特許、特許出願、論説、書籍、マニュアル、論文を含むがこれらに限定されない)は、その全体が任意の目的のために参照によって明示的に組み込まれる。
【0036】
本明細書で使用される略語は、化学的及び生物学的分野内のそれらの従来の意味を有する。本明細書に記載の化学構造及び式は、化学的分野に公知の化学原子価の標準規則に従って構築される。
【0037】
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Singleton et al.,Dictionary Of Microbiology And Molecular Biology 2nd ed.,J.Wiley & Sons(New York,NY 1994)、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,NY 1989)を参照されたい。本明細書に記載されるものと同様又は同等の任意の方法、デバイス、及び材料を、本発明の実施において使用することができる。以下の定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されており、本開示の範囲を限定するものではない。
【0038】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、特定の値を含む、当業者がその特定の値に合理的に類似すると見なすであろう値の範囲を意味する。実施形態では、「約」という用語は、当該技術分野における一般的に許容される測定値を使用する標準偏差内にあることを意味する。実施形態では、約は、特定の値の+/-10%に及ぶ範囲を意味する。実施形態では、約は、その指定の値を意味する。
【0039】
「核酸」とは、一本鎖若しくは二本鎖のいずれかの形態のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド及びそれらの相補体を指す。「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチドの直線状配列を指す。「ヌクレオチド」という用語は、典型的には、ポリヌクレオチドの単一のユニット、すなわち、単量体を指す。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、又はそれらの修飾型であり得る。本明細書で企図されるポリヌクレオチドの例としては、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖RNA(siRNAを含む)、並びに一本鎖及び二本鎖DNAとRNAとの混合物を有するハイブリッド分子が挙げられる。本明細書で使用される核酸はまた、天然に存在する核酸と同じ基本的な化学構造を有する核酸を指す。かかる類似体は、修飾された糖及び/又は修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在する核酸と同じ基本的な化学構造を保持している。核酸模倣物とは、核酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在する核酸と同様に機能する化合物を指す。そのような類似体の例としては、ホスホロチオレート、ホスホルアミデート、メチルホスホネート、キラル-メチルホスホネート、2-O-メチルリボヌクレオチド、及びペプチド-核酸(PNA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
「遺伝子」という用語は、タンパク質の産生に関与するDNAのセグメントを意味する。これには、コード領域の前後の領域(リーダー及びトレーラー)、並びに個々のコードセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)が含まれる。リーダー、トレーラー、及びイントロンには、遺伝子の転写及び翻訳中に必要な調節エレメントが含まれている。更に、「タンパク質遺伝子産物」は、特定の遺伝子から発現されるタンパク質である。
【0041】
遺伝子に関して本明細書で使用される「発現」又は「発現された」という用語は、その遺伝子の転写及び/又は翻訳産物を意味する。細胞内のDNA分子の発現レベルは、細胞内に存在する対応するmRNAの量、又は細胞によって産生されるそのDNAによってコードされるタンパク質の量のいずれかに基づいて決定され得る。非コード核酸分子の発現レベルは、当技術分野で周知の標準的なPCR又はノーザンブロット法によって検出され得る。Sambrook et al.,1989 Molecular Cloning:A Laboratory Manual,18.1-18.88を参照されたい。
【0042】
トランスフェクトされた遺伝子の発現は、細胞において一過性又は安定的に発生する可能性がある。「一過性発現」の間、トランスフェクトされた遺伝子は、細胞分裂中に娘細胞には伝わらない。その遺伝子の発現は、トランスフェクトされた細胞に限定されるため、遺伝子の発現は、時間とともに失われる。対照的に、トランスフェクトされた細胞に、選択時の利便性を付与する別の遺伝子と、トランスフェクトされた遺伝子を同時トランスフェクトすると、トランスフェクション遺伝子の安定発現を行うことができる。かかる選択の利点は、細胞に提示される特定の毒素に対する耐性である可能性がある。
【0043】
「トランスフェクション」、「形質導入」、「トランスフェクトする」又は「形質導入する」という用語は、全体を通して交換可能に使用することができ、核酸分子及び/又はタンパク質を細胞に導入するプロセスとして定義される。非ウイルスの又はウイルスベースの方法を使用して、核酸を細胞に導入することができる。核酸分子は、完全なタンパク質又はその機能的部分をコードする遺伝子配列であってよい。トランスフェクションの非ウイルス方法は、核酸分子を細胞に導入するための送達システムとしてウイルスDNA又はウイルス粒子を使用しない任意の適切なトランスフェクション方法を含む。例示的な非ウイルストランスフェクション方法としては、カルシウムホスフェートトランスフェクション、リポソームトランスフェクション、ヌクレオフェクション、ソノポレーション、ヒートショックを通じたトランスフェクション、マグネトフェクション及びエレクトロポレーションが挙げられる。いくつかの実施形態では、核酸分子は、当技術分野において周知の標準的な手順に従って、エレクトロポレーションを使用して細胞に導入される。ウイルスベースの方法の場合、任意の有用なウイルスベクターを本明細書に記載の方法で使用することができる。ウイルスベクターの例としては、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、レンチウイルスベクター、及びアデノ随伴ウイルスベクターが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、核酸分子は、当技術分野で周知の標準的な手順に従って、レトロウイルスベクターを使用して細胞に導入される。「トランスフェクション」又は「形質導入」という用語はまた、外部環境から細胞にタンパク質を導入することを指す。典型的には、タンパク質の形質導入又はトランスフェクションは、細胞膜を横断できるペプチド又はタンパク質の、目的のタンパク質への付着に依存する。例えば、Ford et al.(2001)Gene Therapy 8:1-4及びProchiantz(2007)Nat.Methods 4:119-20を参照されたい。
【0044】
「プラスミド」又は「発現ベクター」という用語は、遺伝子及び/又は遺伝子の発現に必要な調節エレメントをコードする核酸分子を指す。プラスミドからの遺伝子の発現は、シス又はトランスで起こり得る。遺伝子がシスで発現される場合、遺伝子及び調節エレメントは、同じプラスミドによってコードされる。トランスでの発現とは、遺伝子及び調節エレメントが別個のプラスミドによってコードされている場合を指す。
【0045】
「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸及び合成アミノ酸、並びに天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによってコード化されたもの、並びに例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、及びO-ホスホセリンなど、後で修飾されるアミノ酸である。アミノ酸類似体とは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基に結合しているα炭素を有する化合物を指し、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムである。かかる類似体は、修飾R基(例えば、ノルロイシン)又は修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持している。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様に機能する化合物を指す。
【0046】
アミノ酸は、本明細書では、それらの一般的に既知である3文字記号又はIUPAC-IUB生化学命名委員会によって推奨される1文字記号のいずれかによって参照され得る。同様に、ヌクレオチドは、それらの一般的に認められている一文字コードによって参照され得る。
【0047】
所与のアミノ酸又はポリヌクレオチド配列の付番の文脈で使用される場合、「参照して付番される」又は「対応する」という用語は、所与のアミノ酸又はポリヌクレオチド配列が参照配列と比較された場合の特定の参照配列の残基の付番を指す。タンパク質のアミノ酸残基は、所与の残基と同じタンパク質内の本質的な構造的位置を占める場合、所与の残基に「対応する」。当業者は、異なる番号付けシステムを用いた他のタンパク質中のタンパク質(例えば、ROR-1)の特定の位置に対応する残基の同一性及び位置を即座に認識するであろう。例えば、タンパク質(例えば、ROR-1)との単純な配列アラインメントを実行することにより、タンパク質の特定の位置に対応する残基の同一性及び位置が、このタンパク質にアライメントする他のタンパク質配列において特定される。例えば、選択されたタンパク質の選択された残基は、選択された残基が位置138のグルタミン酸と同じ本質的な空間的又は他の構造的関係を占める場合、位置138のグルタミン酸に対応する。いくつかの実施形態では、選択されたタンパク質がタンパク質で最大の相同性に対してアラインメントされる場合、グルタミン酸138とアラインメントするアラインメントされた選択されたタンパク質における位置は、グルタミン酸138に対応すると言われている。一次配列アラインメントの代わりに、三次元構造アライメントも使用することができ、例えば、選択されたタンパク質の構造が、位置138でグルタミン酸との最大対応のためにアラインメントされ、全体の構造が比較される。この場合、構造モデルにおいてグルタミン酸138と同じ必須位置を占めるアミノ酸は、グルタミン酸138残基である。
【0048】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書中で交換可能に使用され、ポリマーは、任意に、アミノ酸から構成されない部分に結合され得る。この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工化学模倣物であるアミノ酸ポリマー、並びに天然に存在するアミノ酸ポリマー及び天然に存在しないアミノ酸ポリマーに対して適用される。「融合タンパク質」は、単一の部分として組換えにより発現される2つ以上の別々のタンパク質配列をコードするキメラタンパク質を指す。
【0049】
「組換え」という用語は、例えば、細胞、核酸、タンパク質、又はベクターに関して使用される場合、細胞、核酸、タンパク質、又はベクターが実験室の方法によって修飾されているか、又はその結果であることを示す。したがって、例えば、組換えタンパク質には、実験室の方法によって産生されたタンパク質が含まれる。組換えタンパク質は、タンパク質の天然(非組換え)形態内に見られないアミノ酸残基を含み得るか、又は修飾された(例えば、標識された)アミノ酸残基を含み得る。
【0050】
「単離された」という用語は、核酸又はタンパク質に適用される場合、核酸又はタンパク質が天然の状態で関連する他の細胞成分を本質的に含まないことを意味する。これは、例えば、均一な状態であることができ、乾燥又は水溶液のいずれかであってもよい。純度及び均一性は、典型的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又は高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技術を使用して決定される。製剤中に主たる種として存在するタンパク質は、実質的に精製されている。
【0051】
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈における「同一の」又は「同一性」パーセントという用語は、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して、又は手動によるアライメント及び目視検査によって測定した際に、比較ウィンドウ又は指定された領域について最大に対応するように比較及びアライメントを行った場合に、同一であるか、又は特定のパーセンテージ(すなわち、特定の領域、例えば、本発明のポリペプチド配列全体又は本発明のポリペプチドの個々のドメインについて、約60%の同一性、任意に、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%の同一性)の同一のアミノ酸残基若しくはヌクレオチドを有する、2つ以上の配列又は部分配列を指す。したがって、このような配列は「実質的に同一」である。この定義はまた、試験配列の相補体についても言及している。任意選択的に、同一性は、長さが少なくとも約50ヌクレオチドの領域にわたって存在し、また、より好ましくは長さが100~500又は1000以上のヌクレオチドの領域にわたって存在する。
【0052】
「配列同一性パーセンテージ」は、比較ウィンドウで2つの最適にアラインメントされた配列を比較することによって決定され、比較ウィンドウにおけるポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適アラインメントのための参照配列(これは付加又は欠失を含まない)と比較して、付加又は欠失(すなわちギャップ)を含み得る。このパーセンテージは、同一の核酸塩基又はアミノ酸残基が両方の配列に存在する位置の数を決定して、マッチした位置の数を生成し、そのマッチした位置の数を比較のウィンドウにおける位置の総数で除算し、その結果に100を乗算して、配列同一性のパーセンテージを生成することによって計算する。
【0053】
配列比較では、典型的には、1つの配列が参照配列として機能し、試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験及び参照配列がコンピュータに入力され、必要に応じて部分配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムのパラメータが指定される。デフォルトのプログラムパラメータを使用することができ、又は代替的なパラメータを指定することができる。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメータに基づいて、参照配列と比較した試験配列の配列同一性パーセントを計算する。
【0054】
本明細書で使用される「比較ウィンドウ」は、例えば、全長配列、若しくは20から600、約50から約200、若しくは約100から約150のアミノ酸又はヌクレオチドからなる群から選択された連続する位置の数のうちのいずれか1つのセグメントへの参照を含み、当該比較ウィンドウにおいては、配列と同じ数の連続する位置の参照配列とが、2つの配列を最適にアライメントした後に比較され得る。当技術分野において周知の比較のための配列のアラインメントの任意の方法が企図されている。比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith and Waterman(1970)Adv.Appl.Math.2:482cのローカルホモロジーアルゴリズム(local homology algorithm)により、Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443のホモロジーアライメントアルゴリズムにより、Pearson and Lipman(1988)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444の同様の方法の検索により、これらのアルゴリズムのコンピュータ処理(Wisconsin Genetics Software PackageのGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA、Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)により、又は手動によるアラインメント及び目視検査(例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology(1995 supplement)を参照されたい)により行い得る。
【0055】
配列同一性パーセント及び配列類似性を決定するのに好適なアルゴリズムの例は、BLAST及びBLAST 2.0アルゴリズムであり、これらは、Altschul et al.(1977)Nuc.Acids Res.25:3389-3402、及びAltschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-410にそれぞれ記載されている。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)により一般的に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードとアラインメントした場合に、いくつかの正の値の閾値スコアTとマッチするか又は満たすかのいずれかである問い合わせ配列中の長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列ペア(HSP)を最初に同定することを伴う。Tは、近傍ワードスコア閾値(neighborhood word score threshold)と称される(上記のAltschul et al.)。これらの最初の近傍ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを見出すための検索を開始するためのシーズとして機能する。ワードヒットは、累積的アラインメントスコアが増加し得る限り、各配列に沿って、両方向に伸長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメータM(一対のマッチ残基に対するリワードスコア(reward score)、常に>0)及びN(ミスマッチ残基に対するペナルティスコア、常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列については、累積スコアを計算するために、スコアリングマトリックスが使用される。各方向におけるワードヒットの拡張は、累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ低下するとき、累積スコアが、1つ以上の負のスコアの残基アライメントの累積に起因して、0以下になるとき、又はいずれかの配列の末端に到達するとき、に停止される。BLASTアルゴリズムパラメータのW、T、及びXは、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)又は10、M=5、N=-4、及び両鎖の比較を用いる。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、ワード長3及び期待値(E)10をデフォルトとして用い、BLOSUM62スコア行列(Henikoff and Henikoff(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915を参照されたい)は、アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=-4、及び両鎖の比較をデフォルトとして使用する。
【0056】
BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計解析も行う(例えば、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5787を参照されたい)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最小合計確率(smallest sum probability)(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド配列間又はアミノ酸配列間でのマッチが偶然起き得る確率の指標を提供する。例えば、試験核酸と参照核酸との比較において最小合計確率が、約0.2未満、より好ましくは、約0.01未満、最も好ましくは、約0.001未満である場合、核酸は、参照配列に類似していると考えられる。
【0057】
2つの核酸配列又はポリペプチドが実質的に同一であるという指標は、以下に記載するように、第1の核酸によりコードされるポリペプチドが、第2の核酸によりコードされるポリペプチドに対する抗体と免疫学的に交差応答することである。したがって、ポリペプチドは、例えば、2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合には、第2のポリペプチドと典型的に又は実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一であることの別の指標は、以下に記載するように、2つの分子又はそれらの相補体がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。2つの核酸配列が実質的に同一であるという更に別の指標は、同じプライマーを使用して配列を増幅し得ることである。
【0058】
抗体は、複雑な内部構造を有する大きくて複雑な分子(分子量約150,000、又は約1320個のアミノ酸)である。天然の抗体分子は、2つの同一のポリペプチド鎖のペアを含み、各ペアは1本の軽鎖及び1本の重鎖を有している。軽鎖と重鎖は、それぞれ、標的抗原の結合に関与する可変(「V」)領域と、免疫系の他の構成要素と相互作用する定常(「C」)領域という2つの領域で構成される。軽鎖及び重鎖の可変領域は、三次元空間で一体となって、抗原(例えば、細胞の表面上の受容体)に結合する可変領域を形成する。軽鎖又は重鎖の各可変領域内には、相補性決定領域(「CDR」)と呼ばれる 3つの短いセグメント(平均 10のアミノ酸長)がある。抗体可変ドメインの6つのCDR(軽鎖から3つ及び重鎖から3つ)が三次元空間で一緒に折り畳まれて、実際の抗体結合部位を形成し、標的抗原にドッキングする。CDRの位置及び長さは、Kabat,E.et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Department of Health and Human Services,1983,1987によって正確に定義されている。CDRに含まれない可変領域の部分はフレームワーク(「FR」)と呼ばれ、CDRの周囲を形成する。
【0059】
本明細書で提供される「抗体バリアント」は、抗原に結合することができ、抗体又はその断片の1つ以上の構造ドメイン(例えば、軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメイン)を含むポリペプチドを指す。抗体バリアントの非限定的な例としては、単一ドメイン抗体又はナノボディ、単一特異性Fab2、二重特異性Fab2、三重特異性Fab3、一価IgG、scFv、二重特異性抗体、二重特異性ダイアボディ、三重特異性トリアボディ、scFv-Fc、ミニボディ、IgNAR、V-NAR、hcIgG、VhH、又はペプチボディが挙げられる。本明細書で提供される「ペプチボディ」は、抗体のFcドメインに(共有結合又は非共有結合リンカーを介して)付着したペプチド部分を指す。当技術分野で知られている抗体変異体の更なる非限定的な例としては、軟骨魚類又はラクダ類によって産生される抗体が挙げられる。ラクダ類からの抗体及びその可変領域、並びにそれらの産生、単離、及び使用の方法の一般的な説明は、参考文献国際公開第WO97/49805号及び国際公開第WO97/49805号に見出すことができ、参照によりその全体が全ての目的で本明細書に組み込まれる。同様に、軟骨魚類からの抗体及びその可変領域、並びにそれらの産生、単離、及び使用の方法は、WO2005/118629に見出すことができ、参照によりその全体が全ての目的で本明細書に組み込まれる。
【0060】
本明細書で提供される「CDR L1」、「CDR L2」、及び「CDR L3」という用語は、抗体の可変軽鎖(L)の相補性決定領域(CDR)1、2、及び3を指す。いくつかの実施形態では、本明細書が提示する可変軽鎖は、N末端からC末端方向に、CDR L1、CDR L2、及びCDR L3を含む。同様に、本明細書で提供される「CDR H1」、「CDR H2」、及び「CDR H3」という用語は、抗体の可変重鎖(H)の相補性決定領域(CDR)1、2、及び3を指す。いくつかの実施形態では、本明細書が提示する可変軽鎖は、N末端からC末端方向に、CDR L1、CDR L2、及びCDR L3を含む。
【0061】
「抗体」という用語は、当技術分野におけるその一般的に既知の意味に従って使用される。抗体は、例えば、インタクトな免疫グロブリンとして、又は様々なペプチダーゼによる消化によって産生された多くのよく特徴付けられた断片として存在する。したがって、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域のジスルフィド結合の下の抗体を消化して、それ自体がジスルフィド結合によってVH-CH1に結合した軽鎖であるFabの二量体、F(ab)’2を産生する。F(ab)’2は、穏やかな条件下で還元されてヒンジ領域のジスルフィド結合を破壊し、それによってF(ab)’2二量体をFab’単量体に変換することができる。Fab’単量体は本質的にヒンジ領域の一部を有するFabである(Fundamental Immunology(Paul ed.,3d ed.1993)を参照されたい。インタクトな抗体の消化に関して様々な抗体断片が定義されているが、当業者は、かかる断片が化学的に又は組換えDNA方法論を使用してデノボ合成できることを理解するであろう。したがって、本明細書で使用される抗体という用語は、また、全抗体の修飾によって産生される抗体断片、若しくは、組換えDNA方法論(例えば、一本鎖Fv)を用いてデノボ合成されたもの、又はファージディスプレイライブラリを用いて同定されたもの(例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554(1990)を参照されたい)を含む。
【0062】
本明細書で提供される「抗原」という用語は、本明細書で提供される抗体結合ドメインに結合することができる分子を指す。本明細書で提供される「抗原結合ドメイン」は、抗原(エピトープ)に結合する抗体の領域である。上記のように、抗原結合ドメインは、一般に、重鎖及び軽鎖のそれぞれの1つの定常ドメイン及び1つの可変ドメイン(それぞれ、VL、VH、CL及びCH1)から構成される。パラトープ又は抗原結合部位は、抗原結合ドメインのN末端に形成される。抗原結合ドメインの2つの可変ドメインは、通常、抗原上のエピトープに結合する。
【0063】
抗体は、例えば、インタクトな免疫グロブリンとして、又は様々なペプチダーゼによる消化によって産生された多くのよく特徴付けられた断片として存在する。したがって、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域のジスルフィド結合の下の抗体を消化して、それ自体がジスルフィド結合によってVH-CH1に結合した軽鎖であるFabの二量体、F(ab)’2を産生する。F(ab)’2は、穏やかな条件下で還元されてヒンジ領域のジスルフィド結合を破壊し、それによってF(ab)’2二量体をFab’単量体に変換することができる。Fab’単量体は本質的にヒンジ領域の一部を有する抗原結合部分である(Fundamental Immunology(Paul ed.,3d ed.1993)を参照されたい。インタクトな抗体の消化に関して様々な抗体断片が定義されているが、当業者は、かかる断片が化学的に又は組換えDNA方法論を使用してデノボ合成できることを理解するであろう。したがって、本明細書で使用される抗体という用語はまた、全抗体の修飾によって産生される抗体断片、又は組換えDNA方法論(例えば、一本鎖Fv)を使用してデノボ合成されたもの、又はファージディスプレイライブラリを使用して識別されたもの(例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554(1990))を参照のこと)を含む。
【0064】
単鎖可変断片(scFv)は、典型的には、免疫グロブリンの重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変領域の融合タンパク質であり、10~約25アミノ酸の短いリンカーペプチドで接続されている。リンカーは通常、柔軟性のためにグリシンを多く含み得、溶解性のためにセリン又はスレオニンを多く含み得る。リンカーは、VHのN末端をVLのC末端に接続することができ、又はその逆も可能である。
【0065】
他には「ポリペプチド配列」と呼ばれる「ポリペチドリンカー」という用語は、タンパク質内の2つの隣接するドメインを共有結合的に連結するポリペプチドセグメントを指す。本明細書で使用される「ポリペプチドリンカー」又は「ポリペプチド配列」は、軽鎖可変ドメインを重鎖可変ドメインに共有結合させる。リンカーは、VのN末端をVのC末端に接続することができ、又はその逆も可能である。
【0066】
ポリペプチドリンカーは、約20から約60のアミノ酸長の範囲であり得る。短いリンカーペプチドは、約10から約25個のアミノ酸を含み得る。実施形態では、ポリペプチドリンカーは、10~50個のアミノ酸を含む。実施形態では、ポリペプチドリンカーは、10~40個のアミノ酸を含む。実施形態では、ポリペプチドリンカーは、10~30個のアミノ酸を含む。実施形態では、ポリペプチドリンカーは、10~20個のアミノ酸を含む。実施形態では、ポリペプチドリンカーは、10~15個のアミノ酸を含む。このリンカーは、通常、柔軟性のためにグリシンが豊富であり、また、溶解性のためにセリン又はスレオニンが豊富であり得る。
【0067】
抗体のエピトープは、抗体が結合するその抗原の領域である。2つの抗体は、それぞれが他方の抗原への結合を競合的に阻害(ブロック)する場合、同じ又は重複するエピトープに結合する。つまり、1倍、5倍、10倍、20倍、又は100倍の過剰な一方の抗体は、競合結合アッセイで測定したときに、他方の抗体の結合を、少なくとも30%、好ましくは50%、75%、90%、又は更に99%阻害する(例えば、Junghans et al.,Cancer Res.50:1495,1990を参照されたい)。代替的に、一方の抗体の結合を低減又は排除する抗原中の本質的に全てのアミノ酸変異が他方の抗体の結合を低減又は排除する場合、2つの抗体は同じエピトープを有する。一方の抗体の結合を減少又は排除するいくつかのアミノ酸変異が他方の抗体の結合を減少又は排除する場合、2つの抗体は重複するエピトープを有する。
【0068】
本明細書で使用される「ROR-1」又は「ROR1」という用語は、(例えば、ROR-1と比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)ROR-1活性を維持する、チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR-1)又はそのバリアント若しくはホモログの組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様においては、バリアント又はホモログは、天然に存在するROR-1タンパク質と比較して、配列の全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、ROR-1タンパク質は、受け入れ番号NP_005003.1によって特定されるタンパク質、又はそれに対して実質的な同一性を有するバリアント若しくはホモログと実質的に同一である。実施形態では、ROR-1タンパク質は、配列番号55のアミノ酸配列を含む。実施形態では、ROR-1タンパク質は、配列番号55のアミノ酸配列である。実施形態では、ROR-1タンパク質は、配列番号56のアミノ酸配列を含む。実施形態では、ROR-1タンパク質は、配列番号57のアミノ酸配列を含む。
【0069】
「シルムツズマブ」、「UC-961」、及び「99961.1」という用語は、ヒト受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR-1)の細胞外ドメインに結合することができるヒト化モノクローナル抗体を指す。実施形態では、シルムツズマブは、参照によりその全体が全ての目的のために本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/422,519号に開示されている抗体又はそのフラグメントのいずれか1つである。
【0070】
本明細書で使用される「CD28膜貫通ドメインという用語は、(例えば、CD28膜貫通ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)CD28膜貫通活性を維持する、CD28の膜貫通ドメイン又はそのバリアント若しくはホモログの組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD28膜貫通ドメインポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD28膜貫通ドメインは、ヒトCD28膜貫通ドメインタンパク質である。実施形態では、CD28膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28膜貫通ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、CD28膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28膜貫通ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、CD28膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28膜貫通ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、CD28膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28膜貫通ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、CD28膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28膜貫通ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。実施形態では、CD28膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001230006.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD28膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001230007.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD28膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_006130.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。
【0071】
本明細書で使用される「CD4膜貫通ドメイン」という用語は、(例えば、CD4膜貫通ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)CD4膜貫通ドメイン活性を維持する、CD4の膜貫通ドメイン又はそのバリアント若しくはホモログの組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD4膜貫通ドメインポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD4膜貫通ドメインは、ヒトCD4膜貫通ドメインタンパク質である。実施形態では、CD4膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD4膜貫通ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、CD4膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD4膜貫通ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、CD4膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD4膜貫通ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、CD4膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD4膜貫通ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、CD4膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD4膜貫通ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。実施形態では、CD4膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_000607.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD4膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001181943.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD4膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001181944.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD4膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001181945.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD4膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001181946.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。
【0072】
本明細書で使用される「CD8膜貫通ドメイン」という用語は、(例えば、CD8膜貫通ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)CD8膜貫通ドメイン活性を維持する、CD8の膜貫通ドメイン又はそのバリアント若しくはホモログの組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD8膜貫通ドメインポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、CD8A膜貫通ドメインである。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、CD8B膜貫通ドメインである。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、ヒトCD8膜貫通ドメインタンパク質である。実施形態では、CD8膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD8膜貫通ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD8膜貫通ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD8膜貫通ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、CD8膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD8膜貫通ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、CD8膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD8膜貫通ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001139345.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001181943.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001181944.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001181945.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_741969.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001759.3、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照XP_011531466.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_001171571.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_757362.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_742100.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_742099.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_004922.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。
【0073】
本明細書で使用される「CD3-ゼータ膜貫通ドメインという用語は、(例えば、CD3-ゼータ膜貫通ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)CD3-ゼータ膜貫通ドメイン活性を維持する、CD3-ゼータの膜貫通ドメイン又はそのバリアント若しくはホモログの組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD3-ゼータ膜貫通ドメインペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD3-ゼータ膜貫通ドメインは、ヒトCD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質である。実施形態では、CD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、CD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、CD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、CD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、CD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3-ゼータ膜貫通ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。実施形態では、CD3-ゼータ膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_000725.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD3-ゼータ膜貫通ドメインは、NCBI配列参照NP_932170.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。
【0074】
本明細書で使用される「CD28共刺激ドメインという用語は、(例えば、CD28共刺激ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)CD28共刺激ドメイン活性を維持する、CD28の共刺激ドメイン又はそのバリアント若しくは相同体の組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD28共刺激ドメインポリペプチドと比較して配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD28共刺激ドメインは、ヒトCD28共刺激ドメインタンパク質である。実施形態では、CD28共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、CD28共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、CD28共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28共刺激ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、CD28共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28共刺激ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、CD28共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD28共刺激ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。実施形態では、CD28共刺激ドメインは、NCBI配列参照NP_001230006.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD28共刺激ドメインは、NCBI配列参照NP_001230007.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD28共刺激ドメインは、NCBI配列参照NP_006130.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。
【0075】
本明細書で使用される「4-1BB共刺激ドメインという用語は、(例えば、4-1BB共刺激ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)4-1BB共刺激ドメイン活性を維持する、4-1BBの共刺激ドメイン又はそのバリアント若しくは相同体の組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在する4-1BB共刺激ドメインポリペプチドと比較して配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、4-1BB共刺激ドメインは、ヒト4-1BB共刺激ドメインタンパク質である。実施形態では、4-1BB共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在する4-1BB共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、4-1BB共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在する4-1BB共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、4-1BB共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在する4-1BB共刺激ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、4-1BB共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在する4-1BB共刺激ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、4-1BB共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在する4-1BB共刺激ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。実施形態では、4-1BB共刺激ドメインタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号14と少なくとも又は約50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する。実施形態では、4-1BB共刺激ドメインは、NCBI配列参照NP_001552.2、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。
【0076】
本明細書で使用される「ICOS共刺激ドメイン」という用語は、(例えば、ICOS共刺激ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)ICOS共刺激ドメイン活性を維持する、ICOSの共刺激ドメイン又はそのバリアント若しくはホモログの組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するICOS共刺激ドメインポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、ICOS共刺激ドメインは、ヒト「ICOS共刺激ドメインタンパク質である。実施形態では、ICOS共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在する「ICOS共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、「ICOS共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在する「ICOS共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、ICOS共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するICOS共刺激ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、ICOS共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するICOS共刺激ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、ICOS共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するICOS共刺激ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。実施形態では、ICOS共刺激ドメインは、NCBI配列参照NP_036224.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。
【0077】
本明細書で使用される「OX-40共刺激ドメインという用語は、(例えば、OX-40共刺激ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)OX-40共刺激ドメイン活性を維持する、OX-40の共刺激ドメイン又はそのバリアント若しくは相同体の組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するOX-40共刺激ドメインポリペプチドと比較して配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、OX-40共刺激ドメインは、ヒトOX-40共刺激ドメインタンパク質である。実施形態では、OX-40共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するOX-40共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、OX-40共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するOX-40共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、OX-40共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するOX-40共刺激ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、OX-40共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するOX-40共刺激ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、OX-40共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するOX-40共刺激ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。実施形態では、OX-40共刺激ドメインは、NCBI配列参照NP_003318.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。
【0078】
本明細書で使用される「CTLA-4共刺激ドメインという用語は、(例えば、CTLA-4共刺激ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)CTLA-4共刺激ドメイン活性を維持する、CTLA-4の共刺激ドメイン又はそのバリアント若しくは相同体の組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCTLA-4共刺激ドメインポリペプチドと比較して配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態ではCTLA-4共刺激ドメインタンパク質は、ヒトCTLA-4共刺激ドメインタンパク質である。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインは、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインタンパク質は、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインタンパク質は、欠失を含まない。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインタンパク質は、挿入を含まない。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインタンパク質は、保存的置換である置換を含む。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインは、ヒトCTLA-4共刺激ドメインタンパク質である。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCTLA-4共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCTLA-4共刺激ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCTLA-4共刺激ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCTLA-4共刺激ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、CTLA-4共刺激ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCTLA-4共刺激ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。
【0079】
本明細書で使用される「CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン」という用語は、(例えば、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン活性を維持する、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン又はそのバリアント若しくはホモログの組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインポリペプチドと比較して、配列全体又は配列の一部(例えば、50、100、150、又は200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質である。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質と比較して、欠失を含まない。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質と比較して、挿入を含まない。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインタンパク質と比較して保存的置換である置換を含む。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、NCBI配列参照NP_000725.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、NCBI配列参照NP_932170.1、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定されるタンパク質の全部又は一部を含む。NCBI配列参照の下で利用可能なヒトCD3-ゼータアミノ酸配列の非限定的な例は、上記で特定されている。
【0080】
実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、NCBI配列参照NM_000734.3、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定される核酸配列の全部又は一部によってコードされる。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、NCBI配列参照NM_198053.2、又はそのアイソフォーム又は天然に存在する変異体若しくはバリアントによって特定される核酸配列の全部又は一部によってコードされる。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の欠失を含む。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列と比較して、5、4、3、2、又は1つ以下の挿入を含む。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列と比較して、欠失を含まない。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列と比較して、挿入を含まない。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列のバリアント又は変異体は、天然に存在するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン核酸配列と比較して保存的置換である置換を含む。
【0081】
本明細書で使用される「T細胞」又は「Tリンパ球」は、細胞性免疫において中心的な役割を果たすリンパ球の一種(白血球細胞のサブタイプ)である。これらは、細胞表面にT細胞受容体が存在することにより、B細胞及びナチュラルキラー細胞などの他のリンパ球と区別することができる。T細胞には、例えば、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)、制御性T(Treg)細胞、及びTヘルパー細胞が含まれる。様々な種類のT細胞は、T細胞検出剤を使用して区別することができる。
【0082】
「対照」試料又は値は、試験試料との比較のための参照として、通常は既知の参照として役立つ試料を指す。例えば、試験試料は、例えば、試験化合物の存在下での試験条件から採取され得、例えば、試験化合物の非存在下(陰性対照)、又は既知の化合物の存在下(陽性対照)での既知の条件からの試料と比較され得る。対照は、いくつかの試験又は結果から収集された平均値を表すこともできる。当業者は、対照を任意の数のパラメータの評価のために設計し得ることを認識するであろう。例えば、薬理学的データ(例えば、半減期)又は治療手段(例えば、副作用の比較)に基づいて治療効果を比較するための対照を考案することができる。対照はまた、データの有意性を判断するためにも有益である。例えば、所与のパラメータの値が対照において大きく変動する場合、試験試料の変動は有意であると見なされない。
【0083】
本明細書で使用される場合、「がん」又は「腫瘍」という用語は、哺乳動物(例えば、ヒト)に見出される全種類のがん、新生物、又は悪性腫瘍、例えば、白血病、リンパ腫、がん腫、及び肉腫を指す。本明細書に提供される化合物又は方法を用いて治療され得る例示的ながんとしては、脳がん、神経膠腫、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、前立腺がん、結腸直腸がん、膵がん、髄芽細胞腫、黒色腫、子宮頸がん、胃がん、卵巣がん、肺がん、頭部がん、ホジキン病、及び非ホジキンリンパ腫が挙げられる。本明細書に提供される化合物又は方法で治療され得る例示的ながんとしては、甲状腺がん、内分泌系がん、脳がん、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、頭頸部がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、直腸がん、胃がん、及び子宮がんが挙げられる。更なる例としては、甲状腺がん、胆管がん、膵臓腺がん、皮膚の皮膚黒色腫、結腸腺がん、直腸腺がん、胃腺がん、食道がん、頭頸部扁平上皮がん、乳房浸潤がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、非小細胞肺がん、中皮腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形性膠芽細胞腫、卵巣がん、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、悪性膵インスリノーマ(insulanoma)、悪性カルチノイド、膀胱がん、前悪性皮膚病変、精巣がん、リンパ腫、甲状腺がん、神経芽細胞腫、食道がん、泌尿生殖器がん、悪性高カルシウム血症、子宮内膜がん、副腎皮質がん、内分泌若しくは外分泌膵臓新生物、甲状腺髄様がん、甲状腺髄様がん腫、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺乳頭がん、肝細胞がん、又は前立腺がんが挙げられる。
【0084】
本明細書で使用される場合、「神経内分泌がん」又は「神経内分泌腫瘍」という用語は、神経系からのシグナルに応答して血液中にホルモンを放出する細胞から形成されるがん又は腫瘍を指す。神経内分泌腫瘍は、正常よりも多い量のホルモンを産生する可能性があり、これは多くの様々な症状を引き起こし得る。神経内分泌腫瘍は、良性(がんではない)又は悪性(がん)であり得る。神経内分泌がん及び腫瘍としては、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、皮膚の神経内分泌がん(メルケル細胞がん)、小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がん、神経内分泌前立腺がん(NEPC)、及び転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
本明細書で使用される場合、「転移」、「転移性」、及び「転移性がん」という用語は、交換可能に使用することができ、ある器官若しくは別の隣接しない器官又は身体の一部からの、増殖性疾患又は障害(例えば、がん)が広がることを指す。「転移性がん」は、「IV期がん」とも呼ばれる。がんは、原発性腫瘍、例えば、原発性乳がんと称される発生源部位、例えば乳房で発生する。原発性腫瘍又は発生部位における一部のがん細胞は、局所領域での周囲の正常組織に浸透及び浸潤する能力、並びに/又はリンパ系若しくは血管系の壁に浸透し、系を介して身体の他の部位及び組織へと循環する能力を獲得する。原発性腫瘍のがん細胞から形成された臨床的に検出可能な二次的な腫瘍は、転移性又は二次性腫瘍と呼ばれる。がん細胞が転移した場合、転移性腫瘍及びその細胞は元の腫瘍のものと同様であると推定される。したがって、肺がんが乳房に転移する場合、乳房の部位の二次性腫瘍は、異常な肺細胞からなり、異常な乳房細胞からなるのではない。乳房の二次性腫瘍は、転移性肺がんと称される。したがって、転移性がんという語句は、対象が、原発性腫瘍を有するか又は有していた、1つ以上の二次性腫瘍を有する疾患を指す。非転移性がん又は転移性ではないがんを有する対象という語句は、対象が原発性腫瘍を有するが1つ以上の二次性腫瘍を有しない疾患を指す。例えば、転移性肺がんは、原発性肺腫瘍の病歴を有するか又は病歴を有し、例えば乳房の第2の場所又は複数の場所に1つ以上の二次性腫瘍を有する対象における疾患を指す。
【0086】
本明細書で使用される(かつ当該技術分野で十分に理解されている)「治療すること」又は「治療」は、臨床結果などの、対象の状態における有益な結果又は所望の結果を得るための任意のアプローチも広範に含む。有益な又は所望の臨床結果としては、部分的であるか全体であるかを問わず、かつ検出可能であるか検出不可能であるかを問わず、1つ以上の症状又は状態の緩和又は改善、疾患の程度の低減、病状の安定化(すなわち、悪化させない)、疾患の感染又は拡散の予防、疾患増悪の遅延又は減速、病状の改善又は軽減、疾患再発の減少、及び寛解が挙げられ得るが、これらに限定されない。言い換えれば、本明細書で使用される「治療」とは、疾患の任意の治癒、改善、又は予防を含む。治療は、疾患の発生を予防し、疾患の拡散を阻害し、疾患の症状を軽減し、疾患の根底にある原因を完全に又は部分的に除去し、疾患の持続期間を短縮し、又はこれらの組み合わせを成し得る。
【0087】
本明細書で使用される「治療すること」及び「治療」には、予防的治療が含まれる。治療方法は、対象に、治療有効量の活性薬剤を投与することを含む。投与段階は、単回投与からなり得るか、又は一連の投与を含み得る。治療期間の長さは、状態の重症度、患者の年齢、活性剤の濃度、治療に使用される組成物の活性、又はそれらの組み合わせなどの様々な要因に依存する。治療又は予防のために使用される薬剤の有効投薬量が特定の治療計画又は予防計画の間に増減し得ることも理解されよう。投薬量の変更は、当該技術分野で既知の標準的な診断アッセイによってもたらされ、かつそれによって明白になり得る。いくつかの場合、慢性投与が必要とされ得る。例えば、組成物は、患者を治療するのに十分な量で及び持続時間、対象に投与される。実施形態では、治療すること又は治療は、予防的治療ではない。
【0088】
「患者」又は「治療を必要とする対象」とは、本明細書に提供されるような医薬組成物の投与によって治療することができる疾患又は状態に罹患しているか又は罹患しやすい生物を指す。非限定的な例には、ヒト、他の哺乳動物、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ、シカ、及び他の非哺乳動物が含まれる。いくつかの実施形態では、患者は、ヒトである。
【0089】
「有効量」とは、化合物なしと比較して、化合物が規定の目的を達成する(例えば、それが投与される対象の効果を達成するか、疾患を治療するか、酵素活性を減少させるか、酵素活性を増加させるか、シグナル伝達経路を減少させるか、又は疾患若しくは状態の1つ以上の症状を軽減する)のに十分な量である。「有効量」の一例は、疾患の症状の治療、予防、又は軽減に寄与するのに十分な量であり、これは、「治療有効量」とも称され得る。症状(単数又は複数)の「軽減」(及びこの語句の文法的等価物)は、症状の重症度若しくは頻度の低下、又は症状の排除を意味する。薬物の「予防有効量」は、対象に投与されると、意図された予防効果があるであろう薬物の量、例えば、損傷、疾患、病態、若しくは状態の発症(若しくは再発)を予防若しくは遅延するか、又は損傷、疾患、病変、若しくは状態、若しくはこれらの症状の発症(若しくは再発)の可能性を低減させる薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1回用量の投与によって生じるとは限らず、一連の用量の投与後にのみ生じ得る。したがって、予防有効量は、1回以上の投与で投与され得る。本明細書で使用される「活性を減少させる量」とは、アンタゴニストの非存在と比較して酵素の活性を減少させるのに必要なアンタゴニストの量を指す。本明細書で使用される「機能を妨害する量」は、アンタゴニストの非存在下と比べて酵素又はタンパク質の機能を妨害するのに必要なアンタゴニストの量を指す。その正確な量は、治療の目的に依存し、公知の技術を使用して当業者によって解明可能であろう(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992)、Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999)、Pickar,Dosage Calculations(1999)、及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照されたい)。
【0090】
本明細書に記載の任意の化合物については、治療有効量は、最初に細胞培養アッセイから決定され得る。標的濃度は、本明細書に記載の方法又は当該技術分野で既知の方法を使用して測定すると、本明細書に記載の方法を達成することが可能である活性化合物の濃度であろう。
【0091】
当該技術分野で周知であるように、ヒトで使用される治療有効量は、動物モデルからも決定され得る。例えば、ヒトの用量は、動物において有効であることが見出されている濃度を達成するように製剤化され得る。ヒトの投薬量は、上記のように、化合物の有効性を監視し、投薬量を上方又は下方に調整することによって調整され得る。上記の方法及び他の方法に基づいて、ヒトで最大有効性を達成するように用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0092】
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、上記のように、障害を改善するのに十分な治療剤の量を指す。例えば、所与のパラメータについて、治療有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、又は少なくとも100%の増減を示すであろう。治療有効性は、「~倍」の増減としても表され得る。例えば、治療有効量は、対照よりも少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、又はそれ超効果的であり得る。
【0093】
投薬量は、患者の必要条件及び使用される化合物に応じて異なり得る。本開示に照らして、患者に投与される用量は、有益な治療応答を患者に経時的にもたらすのに十分であるべきである。用量のサイズは、任意の有害な副作用の存在、性質、及び程度によっても決定されるであろう。特定の状況に対する適切な投薬量の決定は、当業者の能力の範囲内である。一般に、治療は、化合物の最適な用量未満であるより少ない投薬量から開始される。その後、投薬量を、環境下で最適な効果に達するまで少しずつ増加させる。投薬量及び間隔は、治療される特定の臨床的適応に有効な投与化合物のレベルを提供するように個別に調整され得る。これにより、個体の病状の重症度にふさわしい治療レジメンが提供される。
【0094】
本明細書で使用される場合、「投与すること」という用語は、対象への、経口投与、坐薬としての投与、局所接触、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、鼻腔内、若しくは皮下投与、又は徐放デバイス、例えば、小型浸透圧ポンプの移植を意味する。投与は非経口及び経粘膜(例えば、口腔、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、膣内、直腸内、又は経皮)を含む、任意の経路による。非経口投与としては、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、及び頭蓋内の投与が挙げられる。他の送達様式としては、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、投与は、列挙された活性薬剤以外のいかなる活性剤の投与も含まない。
【0095】
「同時投与する」とは、本明細書に記載の組成物が、1つ以上の更なる治療剤の投与と同時に、その直前に、又はその直後に投与されることを意味する。本明細書に提供される化合物は、患者に、単独で投与され得るか、又は共投与され得る。共投与は、個別に又は組み合わせて(2つ以上の化合物)化合物の同時投与又は順次投与を含むよう意図される。このため、調製物は、所望の場合、他の活性物質と組み合わせることもできる(例えば、代謝分解を低減するために)。本開示の組成物は、局所経路によって経皮送達され得るか、又はアプリケータスティック、溶液、懸濁液、乳剤、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗料、粉末、及びエアロゾルとして製剤化され得る。
【0096】
本明細書で使用される「抗がん剤」は、がん細胞又は組織の破壊若しくは阻害を通じてがんを治療するために使用される分子(例えば、化合物、ペプチド、タンパク質、核酸、0103)を指す。抗がん剤は、特定のがん又は特定の組織に対して選択的であり得る。実施形態では、「抗がん剤(Anti-cancer agent)」及び「抗がん剤(anticancer agent)」は、それらの平易な通常の意味に従って使用され、抗新生物特性又は細胞の成長若しくは増殖を阻害する能力を有する組成物(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、阻害剤、モジュレータ)を指す。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、化学療法薬である。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、がんを治療する方法に有用な本明細書で特定される薬剤である。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、がんを治療するためにFDA又は米国以外の国の同様の規制機関によって承認された薬剤である。抗がん剤の例としては、限定されないが、MEK(例えば、MEK1、MEK2、又はMEK1及びMEK2)阻害剤(例えば、XL518、CI-1040、PD035901、セルメチニブ/AZD6244、GSK1120212/トラメチニブ、GDC-0973、ARRY-162、ARRY-300、AZD8330、PD0325901、U0126、PD98059、TAK-733、PD318088、AS703026、BAY 869766)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イフォスファミド、クロランブシル、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン、チオテパ、ニトロソ尿素、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロランブシル、メルファラン)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン)、トリアゼン(デカルバジン))、抗代謝剤(例えば、5-アザチオプリン、ロイコボリン、カペシタビン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、又はピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)など)、植物アルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセルなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、エトポシドリン酸塩、テニポシドなど)、抗腫瘍性抗生物質(例えば、ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ミトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシンなど)、白金ベースの化合物(例えば、シスプラチン、オキサロプラチン、カルボプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシウレア)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えば、ミトタン、アミノグルテチミド)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ)、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの阻害剤(例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY-142886、SB239063、SP600125、BAY 43-9006、ウォルトマンニン、又はLY294002、Syk阻害剤、mTOR阻害剤、抗体(例えば、リツキサン)、ゴシポール、ゲナセンス、ポリフェノールE、クロロフシン、オールトランスレチノイン酸(ATRA)ブリオスタチン、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、5-アザ-2’-デオキシシチジン、オールトランスレチノイン酸、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン、イマチニブ(Gleevec(登録商標))、ゲルダナマイシン、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17-AAG)、フラボピリドール、LY294002、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、BAY 11-7082、PKC412、PD184352、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノル;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アムバムスチン;アミドキシ;アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン、前立腺がん;抗エストロゲン;抗腫瘍剤;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子調節因子;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキサスタチン1;アキサスタチン2;アキサスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ-アレチン;ベタクラミシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン類;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクフォスフェート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジオキサミシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;ドーカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;エトポシドリン酸塩;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロドーノルニシン塩酸塩;ホルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチンガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子-1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イボマノール、4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペプチド;マタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多種医薬耐性遺伝子阻害剤;多種腫瘍サプレッサー1系治療剤;マスタード抗がん剤;マイカペロキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナバビン;ナフトテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調節因子;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチドオナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルフォスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金複合体;白金化合物;白金-トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質A系免疫調節因子;タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質キナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチリエ(polyoxyethylerie)コンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;レテリプチン脱メチル化;レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビジノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣剤
;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達調節因子;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;ナトリウムフェニルアセテート;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣剤;チマルファシン;チモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;チタノセン二塩化物;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビントリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン:UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子治療;バラレゾール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;ジノスタチンスチマラマー、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;アメタントロン酢酸塩;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビスアントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシ(cactinomycin);カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロランブシル;シロレマイシン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン;デアザグアニン;デアザグアニンメシラート;ジアジクオン;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;エトポシドリン酸塩;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;フルダラビンリン酸塩;フルオロウラシル;フルオロシタビン;フォスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イイモホシン;インターロイキンI1(組換えインターロイキンII、又はrlL.sub.2を含む)、インターフェロンアルファ-2a;インターフェロンアルファ-2b;インターフェロンアルファ-n1;インターフェロンアルファ-n3;インターフェロンベータ-1a;インターフェロンガンマ-1b;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチド酢酸塩;レトロゾール;ロイプロリド酢酸塩;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;メイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;メゲストロール酢酸塩;メレンゲストロール酢酸塩;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾイエ(nocodazoie);ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;ペプロマイシン硫酸塩;ペルフォスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;プロマイシン;プロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルホセートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌール;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;トレミフェンクエン酸塩;トレストロン酢酸塩;トリシリビンリン酸塩;トリメトレキサート;トリメトレキセートグルクロン酸塩;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジン硫酸塩;ビングリシネート硫酸塩;ビンロイロシン硫酸塩;ビノレルビン酒石酸塩;ビンロシドン硫酸塩;ビンゾリジン硫酸塩;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩、細胞をG2-Mフェーズに細胞を拘束し、かつ/又は微小管の形成若しくは安定性を調製する薬剤(例えば、Taxol(商標)(すなわち、パクリタキセル)、Taxotere(商標)、タキサン骨格を含む化合物、Erbulozole(すなわち、R-55104)、ドラスタチン10(すなわち、DLS-10及びNSC-376128)、イセチオン酸ミボブリン(すなわち、CI-980として)、ビンクリスチン、NSC-639829、ディスコデルモリド(すなわち、NVP-XX-A-296として)、ABT-751(Abbott、すなわち、E-7010)、アルトリルチン(例えば、アルトリルチンA及びアルトリルチンC)、スポンギスタチン(すなわち、スポンギスタチン1、スポンギスタチン2、スポンギスタチン3、スポンギスタチン4、スポンギスタチン5、スポンギスタチン6、スポンギスタチン7、スポンギスタチン8、及びスポンギスタチン9)、Cemadotin塩酸塩(例えば、LU-103793及びNSC-D-669356)、エポチロン(例えば、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(すなわち、デソキシエポチロンA又はdEpoA)、エポチロンD(すなわち、KOS-862、dEpoB、及びデソキシエポチロンB)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロンB(すなわち、BMS-310705)、21-ヒドロキシエポチロンD(すなわち、チロンF及びdEpoF)、26-フルオロエポチロン、アウリスタチンPE(すなわち、NSC-654663)、ソブリドチン(すなわち、TZT-1027)、LS-4559-P(Pharmacia、すなわち、LS-4577)、LS-4578(Pharmacia、すなわち、LS-477-P)、LS-4477(Pharmacia)、LS-4559(Pharmacia)、RPR-112378(Aventis)、ビンクリスチン硫酸塩、DZ-3358(Daiichi)、FR-182877(Fujisawa、すなわち、WS-9885B)、GS-164(Takeda)、GS-198(Takeda)、KAR-2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF-223651(BASF、すなわち、ILX-651及びLU-223651)、SAH-49960(Lilly/Novartis)、SDZ-268970(Lilly/Novartis)、AM-97(Armad/Kyowa Hakko)、AM-132(Armad)、AM-138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN-5005(Indena)、クリプトフィシン52(すなわち、LY-355703)、AC-7739(Ajinomoto、すなわち、AVE-8063A及びCS-39.HCl)、AC-7700(味の素、すなわち、AVE-8062、AVE-8062A、CS-39-L-Ser.HCl及びRPR-258062A)、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソル、セントアウレイジン(すなわち、NSC-106969)、T-138067(Tularik、すなわち、T-67、TL-138067及びTI-138067)、COBRA-1(Parker Hughes Institute、すなわち、DDE-261及びWHI-261)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジンA1(すなわち、BTO-956及びDIME)、DDE-313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリドB、ラウリマリド、SPA-2(Parker Hughes Institute)、SPA-1(Parker Hughes Institute、すなわち、SPIKET-P)、3-IAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、すなわち、MF-569)、ナルコシン(NSC-5366としても知られる)、ナスカピン、D-24851(Asta Medica)、A-105972(Abbott)、ヘミアステルリン、3-BAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、すなわち、MF-191)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトネート、T-138026(Tularik)、モンサトロール、イナノシン(すなわち、NSC-698666)、3-IAABE(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine)、A-204197(Abbott)、T-607(Tuiarik、すなわち、T-900607)、RPR-115781(Aventis)、エリウセロビン(デスメチルエロイテロビン、デスアエチルエロイテロビン(Desaetyleleutherobin)、イソエロイテロビンA、及びZ-エリウセロビンなど)、カリバエオシド、カリバエオリン、ハリコンドリンB、D-64131(Asta Medica)、D-68144(Asta Medica)、ジアゾナミドA、A-293620(Abbott)、NPI-2350(Nereus)、タッカロノリドA、TUB-245(Aventis)、A-259754(Abbott)、ジオゾスタチン、(-)-フェニラヒスチン(すなわち、NSCL-96F037)、D-68838(Asta Medica)、D-68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D-43411(Zentaris、すなわち、D-81862)、A-289099(Abbott)、A-318315(Abbott)、HTI-286(すなわち、SPA-110、トリフルオロ酢酸塩)(Wyeth)、D-82317(Zent
aris)、D-82318(Zentaris)、SC-12983(NCI)、レスベラスタチン(Resverastatin)リン酸ナトリウム、BPR-OY-007(National Health Research Institutes)、並びにSSR-250411(Sanofi))、ステロイド(例えば、デキサメタゾン)、フィナステライド、アロマターゼ阻害剤、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト(GnRH)、例えば、ゴセレリン若しくはリュープロリド、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、免疫刺激薬(例えば、Bacillus Calmette-Guerin(BCG)、レバミゾール、インターロイキン-2、アルファ-インターフェロンなど)、モノクローナル抗体(例えば、抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗HLA-DR、及び抗VEGFモノクローナル抗体)、免疫毒素(例えば、抗CD33モノクローナル抗体-カリケアマイシンコンジュゲート、抗CD22モノクローナル抗体-シュードモナス外毒素コンジュゲートなど)、放射免疫療法(例えば、111In、90Y、若しくは131Iにコンジュゲートした抗CD20モノクローナル抗体など)、トリプトリド、ホモハリングトニン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、トポテカン、イトラコナゾール、ビンデシン、セリバスタチン、ビンクリスチン、デオキシアデノシン、セルトラリン、ピタバスタチン、イリノテカン、クロファジミン、5-ノニルオキシトリプタミン、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、EGFR阻害剤、上皮成長因子受容体(EGFR)標的療法若しくは治療剤(例えば、ゲフィチニブ(Iressa(商標))、エルロチニブ(Tarceva(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、ラパチニブ(Tykerb(商標))、パニツムマブ(Vectibix(商標))、バンデタニブ(Caprelsa(商標))、アファチニブ/BIBW2992、CI-1033/カネルチニブ、ネラチニブ/HKI-272、CP-724714、TAK-285、AST-1306、ARRY334543、ARRY-380、AG-1478、ダコミチニブ/PF299804、OSI-420/デスメチルエルロチニブ、AZD8931、AEE788、ペリチニブ/EKB-569、CUDC-101、WZ8040、WZ4002、WZ3146、AG-490、XL647、PD153035、BMS-599626)、ソラフェニブ、イマチニブ、スニチニブ、ダサチニブなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
化合物の「選択的」又は「選択性」などは、分子標的(例えば、ROR1に対して選択性を有する化合物)を区別する化合物の能力を指す。
【0098】
化合物の「特異的」、「特異的に」、「特異性」などは、細胞内の他のタンパク質に対する作用が最小限であるか全くない状態で、特定の分子標的に対して阻害などの特定の作用を引き起こす化合物の能力を指す。
【0099】
「ROR1阻害剤」とは、化合物不在又は既知の不活性を有する化合物などの対照と比較して、ROR1の活性を低減させる化合物(例えば、本明細書に記載の化合物)を指す。
【0100】
「接触させること」とは、その平易な通常の意味に従って使用され、少なくとも2つの異なる種(例えば、生体分子又は細胞を含む化学化合物)が反応、相互作用、又は物理的接触に十分近位になることを可能にするプロセスを指す。しかしながら、結果として生じる反応生成物は、添加された試薬間の反応から直接、又は反応混合物中に生成され得る、添加された試薬のうちの1つ以上からの中間体から生成され得ることが理解されるべきである。
【0101】
本明細書で定義されるように、タンパク質-阻害剤相互作用に関して「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」等の用語は、阻害剤の不在下でのタンパク質の活性又は機能と比較してタンパク質の活性又は機能に悪影響を及ぼすこと(例えば、それを低減させること)を意味する。実施形態では、阻害とは、阻害剤の不在下でのタンパク質濃度又はレベルと比較してタンパク質濃度又はレベルにマイナスの影響を与えること(例えば、それを減少させること)を意味する。実施形態では、阻害とは、疾患又は疾患の症状の低減を指す。実施形態では、阻害とは、特定のタンパク質標的の活性の低減を指す。したがって、阻害は、少なくとも部分的に、刺激を部分的に又は完全に遮断すること、シグナル伝達又は酵素活性又はタンパク質の量を、減少させること、阻止すること、又は活性化を遅延させること、又は不活性化すること、脱感作させること、又は下方調節することを含む。実施形態では、阻害とは、直接相互作用に起因する標的タンパク質の活性の低減を指す(例えば、阻害剤は、標的タンパク質に結合する)。実施形態では、阻害とは、間接相互作用に起因する標的タンパク質の活性の低減を指す(例えば、阻害剤は、標的タンパク質を活性化するタンパク質に結合し、それにより、標的タンパク質の活性化を阻止する)。「ROR1阻害剤」は、阻害剤の不在下でのROR1の活性又は機能と比較して、ROR1の活性又は機能に悪影響を与える(例えば減少させる)化合物である。
【0102】
「発現」という用語は、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、及び分泌を含むが、これらに限定されない、ポリペプチドの産生に関与する任意の段階を含む。発現は、タンパク質を検出するための従来の技法(例えば、ELISA、ウェスタンブロッティング、フローサイトメトリー、免疫蛍光、免疫組織化学など)を使用して検出され得る。
【0103】
疾患(例えば、タンパク質関連疾患、ROR1活性に関連するがん、ROR1関連がん、ROR1関連疾患(例えば、がん、炎症性疾患、自己免疫性疾患、又は感染性疾患))に関連する物質又は物質の活性若しくは機能の文脈において、「関連した」又は「に関連する」という用語は、その疾患(例えば、がん、炎症性疾患、自己免疫性疾患、又は感染性疾患)が(全体的に若しくは部分的に)引き起こされるか、又は疾患の症状が(全体的に若しくは部分的に)物質又は物質の活性若しくは機能によって引き起こされることを意味する。本明細書で使用される場合、疾患と関連付けられると説明されるものは、原因物質である場合、疾患の治療の標的であり得る。例えば、ROR1の活性又は機能(例えば、シグナル伝達経路活性)の増加が、疾患(例えば、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患、又は感染性疾患)を引き起こす場合には、ROR1の活性若しくは機能に関連するがん又はROR1関連疾患(例えば、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患、又は感染性疾患)は、ROR1モジュレータ又はROR1阻害剤で治療され得る。例えば、ROR1活性若しくは機能(例えば、シグナル伝達経路活性)の増加が疾患を引き起こす場合に、ROR1活性若しくは機能に関連する炎症性疾患又はROR1関連炎症性疾患は、ROR1モジュレータ又はROR1阻害剤で治療され得る。
【0104】
本明細書で使用される「シグナル伝達経路」という用語は、1つの成分の変化を1つ以上の他の成分に伝達し、次に、変化を更なる成分に伝達し得、他のシグナル伝達経路成分に任意に伝播される、細胞成分及び任意の細胞外成分(例えば、タンパク質、核酸、小分子、イオン、脂質)間の一連の相互作用を指す。
【0105】
本明細書に記載の実施例及び実施形態は例示目的のみのためであり、それを考慮した様々な修正又は変更が当業者に示唆され、本出願及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれるべきであることが理解される。本明細書で引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あらゆる目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0106】
キメラ抗原受容体
本明細書では、組換えタンパク質/キメラ抗原受容体(これらの用語は全体を通して交換可能に使用される)、組換えタンパク質をコードする核酸、本明細書に開示されるキメラ抗原受容体を発現する細胞、それらの組成物、及び同じものを使用する方法であって、とりわけ神経内分泌がんの治療及び神経内分泌がんに由来する転移の治療又は予防に有用な方法が提供される。本出願人らは、ROR-1に対するキメラ抗原受容体(CAR)が、神経内分泌がんを有する対象において神経内分泌がんを治療し、転移を治療又は予防するための高活性かつ効率的な免疫療法組成物を提供することを発見した。特定の理論に束縛されるものではないが、それらが結合する受容体を阻害し、その表面発現をダウンレギュレートすることが知られている抗体は、一般に、CARの優れた臨床候補とは見なされない。したがって、その実施形態を含む本明細書に記載のROR-1抗体のCDRを含むCARが、T細胞によって発現される場合に効果的な神経内分泌がん特異的細胞傷害性を示すことは非常に驚くべきことであった。
【0107】
一態様では、キメラ抗原受容体は、ROR-1に特異的に結合する抗体結合領域と、膜貫通ドメインと、抗原結合領域と膜貫通ドメインを結合するスペーサードメインと、細胞内ドメインとを含む。本明細書で提供される「抗体領域」、「抗原結合領域」、又は「抗原結合ドメイン」という用語は、全体を通して交換可能に使用され、その実施形態を含む本明細書に提供されるタンパク質の一部を形成する一価又は多価タンパク質部分(すなわち、組換えタンパク質、キメラ抗原受容体)を指す。したがって、当業者は、抗体領域又は抗原結合領域が、抗原(エピトープ)に結合することができるタンパク質部分であることを即座に認識するであろう。本明細書が提示する抗体領域は、抗体又はその断片(例えば、Fab)のドメインを含み得る。このように、抗体領域は、軽鎖可変ドメイン(VL)及び/又は重鎖可変ドメイン(VH)を含み得る。
【0108】
実施形態では、ROR-1結合ドメインは、軽鎖可変領域(VL)及び重鎖可変領域(VH)を含む抗体領域を含む。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号43に記載されるCDR L1、配列番号44に記載されるCDR L2、及び配列番号45に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号46に記載されるCDR H1、配列番号47に記載されるCDR H2、及び配列番号48に記載されるCDR H3を含む。これらのCDRは、シルムツズマブ(UC-961又は99961.1としても知られている)のものであるか、それに由来することに留意されたい。シルムツズマブの開発及び構造は、参照によりその全体が全ての目的のために本明細書に組み込まれる、米国特許第9,758,591号に開示されている。実施形態では、ROR-1結合ドメインは、配列番号49に記載されるCDR L1、配列番号50に記載されるCDR L2、及び配列番号51に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号52に記載されるCDR H1、配列番号53に記載されるCDR H2、及び配列番号54に記載されるCDR H3を含む。
【0109】
一態様では、キメラ抗原受容体は、i.ROR-1に特異的に結合する抗体結合領域であって、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、(a)軽鎖可変ドメインが、配列番号43に記載されるCDR L1、配列番号44に記載されるCDR L2、及び配列番号45に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号46に記載されるCDR H1、配列番号47に記載されるCDR H2、及び配列番号48に記載されるCDR H3を含み、又は、(b)軽鎖可変ドメインが、配列番号49に記載されるCDR L1、配列番号50に記載されるCDR L2、及び配列番号51に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号52に記載されるCDR H1、配列番号53に記載されるCDR H2、及び配列番号54に記載されるCDR H3を含む、抗原結合領域と、ii.14~120のアミノ酸長のスペーサードメインと、iii.膜貫通ドメインと、iv.細胞内ドメインと、を含む。
【0110】
一態様では、キメラ抗原受容体は、i.ROR-1に特異的に結合する抗体結合領域であって、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、(a)軽鎖可変ドメインが、配列番号43に記載されるCDR L1、配列番号44に記載されるCDR L2、及び配列番号45に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号46に記載されるCDR H1、配列番号47に記載されるCDR H2、及び配列番号48に記載されるCDR H3を含み、又は、(b)軽鎖可変ドメインが、配列番号49に記載されるCDR L1、配列番号50に記載されるCDR L2、及び配列番号51に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号52に記載されるCDR H1、配列番号53に記載されるCDR H2、及び配列番号54に記載されるCDR H3を含む、抗原結合領域と、ii.スペーサードメインと、iii.膜貫通ドメインであって、CD8α膜貫通ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD4膜貫通ドメイン、CD3ζ膜貫通ドメイン、又はこれらの任意の組み合わせを含む、膜貫通ドメインと、iv.細胞内ドメインと、を含む。
【0111】
一態様では、キメラ抗体受容体は、i.ROR-1に特異的に結合する抗体結合領域であって、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、(a)軽鎖可変ドメインが、配列番号43に記載されるCDR L1、配列番号44に記載されるCDR L2、及び配列番号45に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号46に記載されるCDR H1、配列番号47に記載されるCDR H2、及び配列番号48に記載されるCDR H3を含み、又は、(b)当該軽鎖可変ドメインが、配列番号49に記載されるCDR L1、配列番号50に記載されるCDR L2、及び配列番号51に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号52に記載されるCDR H1、配列番号53に記載されるCDR H2、及び配列番号54に記載されるCDR H3を含む、抗原結合領域と、ii.リンカードメインと、iii.膜貫通ドメインと、iv.細胞内ドメインであって、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインと、4-1BB、ICOS、OX-40及びこれらの組み合わせから選択される細胞内共刺激ドメインと、を含む、細胞内ドメインと、を含む。
【0112】
提供される軽鎖可変(VL)ドメインは、抗体、抗体バリアント又はそのフラグメントの軽鎖のCDR配列及びフレームワーク領域(FR)配列を含む。実施形態では、抗体領域又は抗原結合領域は、可変軽鎖ドメイン及び可変重鎖ドメインを含む。本明細書で提供される「可変軽鎖ドメイン」は、軽鎖可変(VL)領域に含まれる(その一部を形成する)ポリペプチドを指す。実施形態では、可変軽鎖領域は、軽鎖可変(VL)ドメインである。本明細書で提供される「可変重鎖ドメイン」は、重鎖可変(VH)領域に含まれる(その一部を形成する)ポリペプチドを指す。実施形態では、可変重鎖領域は、重鎖可変(VH)ドメインである。実施形態では、軽鎖可変(VL)ドメインは、CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)を含む。実施形態では、重鎖可変(VH)ドメインは、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を含む。
【0113】
実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号21のアミノ酸配列、又は配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含む。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号21のアミノ酸配列、又は配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を有する。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号27のアミノ酸配列、又は配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含む。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号27のアミノ酸配列、又は配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を有する。
【0114】
実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号19のアミノ酸配列、又は配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含む。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号19のアミノ酸配列、又は配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を有する。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号20のアミノ酸配列、又は配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を含む。実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号20のアミノ酸配列、又は配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を有する。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号25のアミノ酸配列、又は配列番号25と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含む。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号25のアミノ酸配列、又は配列番号25と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を有する。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号26のアミノ酸配列、又は配列番号26と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含む。実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号26のアミノ酸配列、又は配列番号26と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を有する。
【0115】
実施形態では、軽鎖可変ドメインのC末端は、重鎖可変ドメインのN末端に結合している。実施形態では、軽鎖可変ドメインのN末端は、重鎖可変ドメインのC末端に結合している。実施形態では軽鎖可変ドメインは、化学リンカーを介して重鎖可変ドメインに共有結合している。本明細書で提供される「化学リンカー」は、共有結合リンカー、非共有結合リンカー、ペプチドリンカー(ペプチド部分を含むリンカー)、切断可能なペプチドリンカー、置換若しくは非置換アルキレン、置換若しくは非置換ヘテロアルキレン、置換若しくは非置換シクロアルキレン、置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換アリーレン、又は置換若しくは非置換ヘテロアリーレン、若しくはこれらの任意の組み合わせである。したがって、本明細書で提供されるような化学リンカーは、複数の化学部分を含んでもよく、ここで、複数の化学部分のそれぞれは、化学的に異なる。あるいは、化学リンカーは非共有結合リンカーであってもよい。非共有リンカーの例としては、イオン結合、水素結合、ハロゲン結合、ファンデルワールス相互作用(例えば、双極子-双極子、双極子誘起双極子、ロンドン分散)、環スタッキング(パイ効果)、及び疎水性相互作用が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、化学リンカーは、求核置換(例えば、アミン及びアルコールと、ハロゲン化アシル、活性エステルとの反応)、求電子置換(例えば、エナミン反応)、並びに炭素-炭素及び炭素-ヘテロ原子の多重結合への付加(例えば、マイケル反応、ディールス-アルダー付加)が挙げられるが、これらに限定されないコンジュゲート化学を使用して形成される。実施形態では、化学リンカーは、5~100、5~80、5~70、5~60、5~50、10~50、10~40、又は10~30のアミノ酸長のペプチドリンカーである。軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に十分な柔軟性を提供する任意の配列が、その実施形態を含む本明細書で提供される組換えタンパク質について企図される。実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号24のアミノ酸配列を含むか、又はそれを有する。実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号24と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を有する。
【0116】
「膜貫通ドメイン」という用語は、タンパク質を膜に固定することができる膜貫通タンパク質ドメインを指す。その実施形態を含む、本明細書で提供されるタンパク質を固定することができる任意の膜貫通ドメインが企図される。任意の適切な膜貫通ドメインが本明細書で企図されているが、膜貫通ドメインの例示的であるが非限定的な例には、CD28、CD8、CD4、CD3ζ、又はCD8αの膜貫通ドメインが含まれる。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、CD28膜貫通ドメインである。本明細書で使用される「CD28膜貫通ドメイン」という用語は、(例えば、CD28膜貫通ドメインと比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の範囲内の)CD28膜貫通ドメイン活性を維持する、CD28の膜貫通ドメイン又はそのバリアント若しくはホモログの組換え体又は天然に存在する形態のいずれかを指す。いくつかの態様では、バリアント又はホモログは、天然に存在するCD28膜貫通ドメインポリペプチドの配列全体又は配列の一部にわたって、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、CD28膜貫通ドメインは、配列番号32のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD28膜貫通ドメインは、配列番号32のアミノ酸配列である。実施形態では、本明細書に記載のROR-1 CARにおけるCD28膜貫通ドメインは、配列番号32と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を含む。
【0117】
実施形態では、重鎖可変ドメインのC末端は、膜貫通ドメインのN末端に結合している。実施形態では、軽鎖可変ドメインのC末端は、膜貫通ドメインのN末端に結合している。実施形態では、重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインは、スペーサードメインを通して膜貫通ドメインに共有結合している。実施形態では、抗原に対する抗原結合領域の結合親和性は、スペーサードメインを有するCAR構築物において増加される。実施形態では、スペーサードメインを有するCARの活性は、スペーサードメインを有さないCARよりも高い。実施形態では、CARの抗原結合領域の柔軟性は、スペーサードメインの存在によって増加される。
【0118】
「細胞内ドメイン」という用語は、タンパク質-タンパク質相互作用を介して細胞又は細胞小器官の内部と相互作用する受容体又はタンパク質の部分を指す。実施形態では、組換えタンパク質(例えば、細胞内ドメイン)は、1つ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを更に含む。本明細書で提供される「細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン」は、その実施形態を含む、本明細書で提供される抗体領域への抗原の結合に応答して、共刺激シグナル伝達を提供することができるアミノ酸配列を含む。実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインのシグナル伝達は、サイトカインの産生及びそれを発現するT細胞の増殖をもたらす。実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、4-1BB(CD137)細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、ICOS細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、OX-40細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ以上を含む。例えば、好ましい細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメインの少なくとも一部、又は4-1BB(CD137)細胞内共刺激シグナル伝達ドメインの少なくとも一部を含むか、又はそれからなる。別の好ましい細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB(CD137)細胞内共刺激シグナル伝達ドメインの少なくとも一部と結合したCD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメインの少なくとも一部を含むか、又はそれからなる。実施形態では、CD28細胞内ドメインの少なくとも一部は、配列番号32のアミノ酸配列、若しくは配列番号32と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。実施形態では、CD28細胞内ドメインの少なくとも一部は、配列番号32のアミノ酸配列、若しくは配列番号32と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。実施形態では、4-1BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインの少なくとも一部は、配列番号33のアミノ酸配列、若しくは配列番号33と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。実施形態では、4-1BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインの少なくとも一部は、配列番号33のアミノ酸配列、若しくは配列番号29と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。実施形態では、本明細書に開示されるキメラ抗原受容体又は組換えタンパク質は、配列番号32と配列番号33との組み合わせ(配列番号32が配列番号33のN’末端に存在するか、配列番号33が配列番号32のN’末端に存在するかのいずれか)のアミノ酸配列、若しくは配列番号32と配列番号33との組み合わせ(配列番号32が配列番号33のN’末端に存在するか、配列番号33が配列番号32のN’末端に存在するかのいずれか)と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含む。
【0119】
実施形態では、組換えタンパク質は、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを更に含む。本明細書で提供される「細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン」は、その実施形態を含む、本明細書で提供される抗体領域への抗原の結合に応答して、一次シグナル伝達を提供することができるアミノ酸配列を含む。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのシグナル伝達は、キメラ抗原受容体を発現するT細胞の活性化をもたらす。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのシグナル伝達は、それを発現するT細胞の増殖(細胞分裂)をもたらす。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのシグナル伝達は、活性化T細胞に特徴的であることが当技術分野で公知のT細胞によるタンパク質、例えば、CTLA-4、PD-1、CD28、C及びD69の発現をもたらす。実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインである。
【0120】
実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、配列番号34のアミノ酸配列、若しくは配列番号34を有するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインの少なくとも80%、85%、90%、又は95%の活性を有するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを生成する、配列番号34と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を含む。実施形態では、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、配列番号34のアミノ酸配列、若しくは配列番号34を有するCD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインの少なくとも80%、85%、90%、又は95%の活性を有するペプチドを生成する、配列番号34と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一のアミノ酸配列を有する。
【0121】
実施形態では、本明細書に開示されるROR-1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジ及びCH2並びにCH3ドメインを有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインと、v)CD3Z T細胞活性化ドメインと、を含むか、又はそれらからなる。
【0122】
あるいは、実施形態では、本明細書に開示されるROR1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジ及びCH2ドメインを有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインと、v)CD3Z T細胞活性化ドメインと、含むか、又はそれらからなる。
【0123】
あるいは、実施形態では、本明細書に開示されるROR1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジ及びCH3ドメインを有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインと、v)CD3Z T細胞活性化ドメインと、含むか、又はそれらからなる。
【0124】
あるいは、実施形態では、本明細書に開示されるROR1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジ及びCH3ドメインの一部(例えば、CH3ドメインの半分、CH3ドメインのN末端の43個のアミノ酸など)を有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインと、v)CD3Z T細胞活性化ドメインと、を含むか、又はそれらからなる。
【0125】
あるいは、実施形態では、本明細書に開示されるROR1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジドメインを有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインと、v)CD3Z T細胞活性化ドメインと、を含むか、又はそれらからなる。
【0126】
別法として、実施形態では、本明細書に開示されるROR1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジ及びCH2並びにCH3ドメインを有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインに結合したCD28共刺激ドメインと、v)CD3Z T細胞活性化ドメインと、を含むか、又はそれらからなる。
【0127】
あるいは、実施形態では、本明細書に開示されるROR-1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジ及びCH2ドメインを有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインに結合したCD28共刺激ドメインと、v)CD3ZT細胞活性化ドメインと、を含むか、又はそれらからなる。
【0128】
あるいは、実施形態では、本明細書に開示されるROR-1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジ及びCH3ドメインを有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインに結合したCD28共刺激ドメインと、v)CD3ZT細胞活性化ドメインと、を含むか、又はそれらからなる。
【0129】
あるいは、実施形態では、本明細書に開示されるROR1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジ及びCH3ドメインの一部(例えば、CH3ドメインの半分、CH3ドメインのN末端の43個のアミノ酸など)を有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインに結合したCD28共刺激ドメインと、v)CD3Z T細胞活性化ドメインと、を含むか、又はそれらからなる。
【0130】
あるいは、実施形態では、本明細書に開示されるROR-1 CARは、i)ROR1 scFv(CDR L1(配列番号43)、CDR L2(配列番号44)、及びCDR L3(配列番号45)、CDR H1(配列番号46)、CDR H2(配列番号47)、及びCDR H3(配列番号48)を有する、配列番号21の配列、若しくは配列番号21と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号27の配列、若しくは配列番号27と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)、又はあるいは、ROR1 scFv(CDR L1(配列番号49)、CDR L2(配列番号50)、及びCDR L3(配列番号51)、CDR H1(配列番号52)、CDR H2(配列番号53)、及びCDR H3(配列番号54)、又は配列番号19の配列、若しくは配列番号19と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVLドメイン及び配列番号20の配列、若しくは配列番号20と少なくとも80%、85%、90%、又は95%同一の配列を有するVHドメイン)と、ii)ヒンジドメインを有するスペーサードメインと、iii)CD28膜貫通ドメインと、iv)4-1BB(CD137)共刺激ドメインに結合したCD28共刺激ドメインと、v)CD3ZT細胞活性化ドメインと、を含むか、又はそれらからなる。
【0131】
本明細書に記載のキメラ抗原受容体は、ROR-1又はそのフラグメントのアミノ酸130~160、好ましくはROR-1ポリペプチドの位置138に対応する位置にグルタミン酸を含むペプチドに結合することが企図される。代替として及び/又は追加として、明細書に記載のキメラ抗原受容体は、ROR-1タンパク質の細胞外ドメインの3’又は中間のIg様領域のいずれかに、好ましくは位置1~147のROR-1タンパク質の細胞外ドメインのIg様領域の3’末端に特異的に結合する。
【0132】
その結果、本明細書に開示されるROR-1 CARは、ROR-1発現細胞に結合し、例えば、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、皮膚の神経内分泌がん、小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がん、神経内分泌前立腺がん(NEPC)、又は転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)といった神経内分泌がん性細胞などの、ROR-1発現細胞に対する免疫応答を開始又は誘導することができる。
【0133】
実施形態では、その実施形態を含む、本明細書で提供される組換えタンパク質は、検出可能なドメインを更に含む。本明細書で提供される「検出可能なドメイン」は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、又は他の物理的手段によって検出可能なペプチド部分である。例えば、本明細書で提供される検出可能なドメインは、例えば、放射性標識を組み込むことによって、又は抗体に特異的に反応性であることによって検出可能にすることができるタンパク質又は他の実体であり得る。抗体を標識にコンジュゲートさせるための当該技術分野において既知の任意の適切な方法(例えば、Hermanson,Bioconjugate Techniques 1996,Academic Press,Inc.、San Diegoに記載の方法を使用する)が用いられ得る。本発明では、検出可能なドメインを使用して、T細胞のトランスフェクションを確認する。
【0134】
実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約500pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約550pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約600pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約650pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約700pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約750pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約800pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約850pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約900pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約950pM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約1nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約1nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約1.5nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約2nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約2.5nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約3nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約3.5nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約4nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約4.5nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約5nM~約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約5.5nM~約6nMの結合親和性を有する。
【0135】
実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約500pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、500pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約550pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、550pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約600pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、600pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約650pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、650pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約700pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、700pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約750pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、750pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約800pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、800pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約850pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、850pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約900pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、900pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約950pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、950pMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約1nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約1nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、1nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約1.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、1.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約2nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、2nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約2.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、2.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約3nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、3nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約3.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、3.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約4nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、4nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約4.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、4.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約5.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、5.5nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約6nMの結合親和性を有する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、6nMの結合親和性を有する。
【0136】
実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約40nM未満(例えば、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.25、0.1nM)のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、40nM未満(例えば、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.25、0.1nM)のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約35nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、35nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約30nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、30nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約25nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、25nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約20nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、20nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約15nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、15nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約10nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、10nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約9nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、9nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約8nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、8nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約7nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、7nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約6nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、6nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約5nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、5nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約4nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、4nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約3nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、3nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約2nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、2nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約1nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、1nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約0.5nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、0.5nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約0.25nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、0.25nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、約0.1nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。実施形態では、組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体は、0.1nM未満のKDで、ROR-1タンパク質に結合する。
【0137】
本明細書で更に提供されるのは、その実施形態を含む、本明細書で提供される組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体をコードする組換え核酸である。いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は、発現ベクターの一部を形成する単一の組換え核酸によってコードされる。免疫細胞(例えば、CD8+T細胞、CD4+T細胞、CD56+免疫細胞、NK細胞、又は遺伝子改変若しくは操作されたNK細胞)にトランスフェクト及び発現することができる任意の適切な発現ベクターが企図される。例示的及び/又は好ましい発現ベクターには、ウイルス発現ベクター(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、アルファウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルスなどの発現ベクター)を含み得る。いくつかの実施形態では、アデノウイルスは、複製欠損及び非免疫原性のウイルスであり、これは、典型的には、選択されたウイルスタンパク質(例えば、E1、E2b、E3タンパク質)の標的化された欠失によって達成される。例えば、組換え核酸は、非ウイルスベクター(例えば、哺乳動物発現ベクター)に配置され、一般的に使用される任意のトランスフェクション法を使用してT細胞にトランスフェクトされ得る。他の例では、組換え核酸を含むウイルス粒子がT細胞に感染して組換え核酸をT細胞に送達するように、組換え核酸がウイルスベクター中に含まれる。更に他の例では、組換え核酸が自己複製RNAベースのベクターである場合、自己複製RNAベースのベクターは、自己複製RNAベースのベクターが細胞膜に直接接触することにより裸の形で細胞に送達できるように、薬学的に許容される担体(例えば、緩衝液又は細胞培養培地中、好ましくはRNAアーゼ阻害剤を含む))と共に製剤化することができる。いくつかの実施形態では、自己複製RNAベースのベクターは、担体分子に結合され得る。例示的な担体分子には、プロテインA、プロテインG、プロテインZ、アルブミン、リフォールディングアルブミン、ナノ粒子(例えば、量子ドット、金ナノ粒子、磁性ナノ粒子、ナノチューブ、ポリマーナノ粒子、デンドリマーなど)、又はビーズ(例えば、ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、ダイナビーズなど)が挙げられる。好ましくは、ナノ粒子及び/又はビーズは、1μm未満、好ましくは100nm未満の寸法を有する。他の実施形態では、自己複製RNAベースのベクターは、微粒子(例えば、PLG RG503(50:50ラクチド/グリコリドのモル比)と結合することができ、ここで、自己複製RNAベースのベクターは、細胞への更なる送達のために、マイクロ粒子に吸収され得る。更に他の実施形態では、自己複製RNAベースのベクターをリポソーム(例えば、PEGベースのリポソームなど)内に封入して、自己複製RNAベースのベクターをRNAアーゼ消化から保護し、リポソームを標的細胞膜に融合させることによって、RNAベースのベクターを送達することができる。
【0138】
実施形態では、本明細書に提供される組換えタンパク質又はキメラ抗原受容体をコードする組換え核酸は、遺伝子編集のためのカセットを有するベクター(例えば、CRISPR-CAS発現ベクター)に挿入され得る。別の例示的な発現ベクターは、トランスポゾンベースの発現システム(例えば、Deninger et al.,PLOS ONE,June 1,2015に開示されているSleeping Beautyシステム)を含み得る。
【0139】
細胞及びその医薬組成物
本明細書では、ROR-1結合抗体又は抗体断片領域、リンカードメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)を含む、本明細書に記載の組換えタンパク質を発現する細胞が提供される。実施形態では、ROR-1結合ドメインは、抗体である。
【0140】
本明細書に記載のキメラ抗原受容体は、キメラ核酸受容体をコードする異種核酸配列を発現するように細胞を遺伝子操作することによって、神経内分泌がんに罹患した個体から単離されたTリンパ球又はT細胞、例えばCD8+T細胞及びCD4+T細胞などの表面に発現される。次いで、そのように生成されたCAR-T細胞は個体に再投与される。投与されると、CAR-T細胞は、ROR-1を発現する神経内分泌がん性細胞などのROR-1発現細胞に特異的に結合して、神経内分泌がん性細胞に対する免疫応答を誘発する。
【0141】
実施形態では、本明細書に記載のキメラ抗原受容体を、神経内分泌がんに罹患している個体から単離されたナチュラルキラー細胞の表面上に発現させ、次いでROR-1 CARを発現するように遺伝子改変する。特定の実施形態では、NK細胞は、CD56陽性細胞である。CD56陽性は、例えば細胞集団のフローサイトメトリー分析によって決定でき、アイソタイプ対照抗体で染色された細胞と比較して、少なくとも10倍、100倍、又は1,000倍の細胞として定義される。ある特定の実施形態では、NK細胞は、初代NK細胞である。実施形態では、NK細胞は、NK細胞株を含む。ある特定の実施形態では、NK細胞は、本開示のNK細胞を発現するCARで治療されている個体に対して自家である。実施形態では、NK細胞は、本開示のNK細胞を発現するCARで治療されている個体に対して異種である。実施形態では、NK細胞は、本開示のNK細胞を発現するCARで治療されている個体に対して同種異系である。NK細胞は、任意の好適な供給源の骨髄、人工多能性幹細胞、末梢血単核球、胎児又は胎盤細胞に由来し得る。
【0142】
実施形態では、この細胞は、医薬組成物の一部として投与される。この医薬組成物は、ROR-1結合抗体領域を含むCARを発現する細胞に加えて、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤又は担体を含む。
【0143】
キメラ抗原受容体及び/又はキメラ抗原受容体をコードする組換え核酸は、任意に、任意の薬学的に許容される担体と共に薬学的組成物として製剤化され得る(例えば、キメラ抗原受容体を発現する免疫細胞のための無菌注射可能組成物、キメラ抗原受容体をコードする組換え核酸のための薬学的に許容される塩などとして)。薬学的組成物の用量又は細胞力価は、治療プロトコル、治療レジメン、治療条件などに応じて変化し得るが、薬学的組成物の用量又は細胞力価の一例は、少なくとも1×103細胞/mL、好ましくは少なくとも1×105細胞/mL、より好ましくは、少なくとも1×106細胞/mL、及び投与単位当たり少なくとも1mL、好ましくは少なくとも5mL、より好ましくはかつ少なくとも20mLの細胞力価を含み得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、均質な細胞又はその複数(例えば、キメラ抗原受容体を発現するCD8+T細胞、キメラ抗原受容体を発現するCD4+T細胞、キメラ抗原受容体を発現するNK細胞など)を含み得る。他の実施形態では、組成物は、異種細胞の混合物(例えば、キメラ抗原受容体を発現するCD8+T細胞とキメラ抗原受容体を発現するNK細胞などの、1:1、1:2、1:3、1:4、4:1、3:1、2:1などの比の混合物)を含み得る。異なる種類の細胞の比は、神経内分泌がんの種類、患者の年齢、性別、又は健康状態、腫瘍の大きさ、及び患者の細胞数に基づいて異なり得る。特定の用途に有効な実際の量は、とりわけ、治療される症状によって異なるであろう。疾患を処置するための方法において投与されるとき、本明細書に記載の組換えタンパク質は、所望の結果、例えば、標的分子の活性の調節、及び/又は疾患症状の軽減、排除、若しくは疾患症状の進行の遅延を達成するために有効な活性成分の量を含有する。本発明の化合物の治療有効量の決定は、特に本明細書の詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0145】
哺乳動物に投与される投薬量及び頻度(単回用量又は複数回用量)は、種々の因子、例えば、哺乳動物が別の疾患に罹患しているか否か、及びその投与経路、レシピエントの体格、年齢、性別、健康、体重、肥満度指数、及び食事、治療される疾患の症状の性質及び程度(例えば、がんの症状及びかかる症状の重症度)、併用治療の種類、治療される疾患由来の合併症又は他の健康関連問題、に依存して変動し得る。本発明の方法及び化合物と併せて、他の治療レジメン又は薬剤を使用し得る。確立された投与量(例えば、頻度及び持続時間)の調整及び操作は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0146】
本明細書に提供される任意の組成物(例えば、組換えタンパク質、核酸)については、治療有効量は、最初に細胞培養アッセイから決定され得る。標的濃度は、本明細書に記載の方法又は当該技術分野で既知の方法を使用して測定すると、本明細書に記載の方法を達成することが可能である活性化合物の濃度であろう。当技術分野で周知であるように、ヒトにおける使用のための有効量は、動物モデルからも決定することができる。例えば、ヒトの用量は、動物において有効であることが見出されている濃度を達成するように製剤化され得る。ヒトにおける投与量は、上述のように、有効性を監視し、投薬量を上方又は下方に調整することによって調整され得る。上記の方法及び他の方法に基づいて、ヒトで最大有効性を達成するように用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0147】
投薬量は、患者の必要条件及び使用される化合物に応じて異なり得る。本発明との関連で、患者に投与される用量は、有益な治療応答を患者に経時的にもたらすのに十分であるべきである。用量のサイズは、任意の有害な副作用の存在、性質、及び程度によっても決定されるであろう。特定の状況に対する適切な投薬量の決定は、当業者の能力の範囲内である。一般に、治療は、化合物の最適な用量未満であるより少ない投薬量から開始される。その後、投薬量を、環境下で最適な効果に達するまで少しずつ増加させる。
【0148】
投薬量及び間隔は、治療される特定の臨床的適応に有効な投与化合物のレベルを提供するように個別に調整され得る。これにより、個体の病状の重症度にふさわしい治療レジメンが提供される。
【0149】
本明細書で提供される教示を利用して、実質的な毒性を引き起こさず、更に、特定の患者によって示される臨床症状を処置するのに有効である、有効な予防的又は治療的処置レジメンを計画し得る。この計画は、化合物の効力、相対的生物学的利用能、患者の体重、並びに有害な副作用の存在及び重症度などの要因を考慮することにより、活性化合物の慎重な選択を伴うべきである。
【0150】
「薬学的に許容される賦形剤」及び「薬学的に許容される担体」は、対象への活性剤の投与及び対象による吸収を補助し、患者に重大な有害毒性作用を引き起こすことなく、本発明の組成物に含まれ得る物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、標準生理食塩水、乳酸リンゲル液、標準スクロース、標準グルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、食塩水(リンゲル液など)、アルコール、油、ゼラチン、炭水化物、例えば、ラクトース、アミロース、又はデンプン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、及び着色剤などが挙げられる。かかる調製物は、滅菌することができ、所望の場合、滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩、緩衝剤、着色剤、及び/又は本発明の化合物と有害に反応しない芳香物質などの助剤と混合することができる。当業者は、他の薬学的賦形剤が、本発明において有用であることを認識するであろう。
【0151】
「薬学的に許容される塩」という用語は、当技術分野において周知の様々な有機及び無機対イオンに由来し、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどが挙げられる塩を指し、分子が塩基性官能基を含有する場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸又は無機酸の塩を指す。
【0152】
「調製物」という用語は、活性化合物と、カプセルを提供する担体としての封入材料との製剤を含むよう意図されており、そのカプセル中で、他の担体を有する又は有しない活性成分が担体に取り囲まれており、それゆえに、担体と会合している。同様に、カシェ剤及びトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤は、経口投与に好適な固形剤形として使用され得る。
【0153】
薬学的製剤は、好ましくは単位剤形である。かかる形態では、調製物は、適切な量の活性成分を含む単位用量に細分化される。単位剤形は、パッケージ化された製剤であり得、パッケージは、パケット化された錠剤、カプセル、及びバイアル又はアンプル中の粉末などの個別の量の製剤を含む。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェ剤、若しくはトローチ剤そのものであり得、又はこれらのうちのいずれかを適切な数パッケージ化した形態であり得る。単位剤形は、凍結分散液のものであり得る。
【0154】
治療方法
本明細書に記載のCAR-T細胞組成物は、それを必要とする個体において神経内分泌がんを治療するのに、また、神経内分泌がんに由来する転移を予防又は治療するのに有用である。
【0155】
このように、本明細書では、ヒトROR-1を標的とするキメラ抗原受容体を発現する細胞の投与を含む、神経内分泌がんを治療するための方法、並びに神経内分泌がんに由来する転移を予防又は治療する方法が記載される。本明細書に記載のキメラ抗原受容体は、神経内分泌がんに罹患している個体から単離され、その個体に再投与されるTリンパ球又はナチュラルキラー細胞によって発現される。本明細書に記載されるCARを発現するT細胞の投与は、ROR-1を発現する神経内分泌がん及びその転移に対する有効な治療的処置として役立つ。
【0156】
キメラ抗原受容体は、i)抗原結合領域であって、抗原結合領域がROR-1に特異的に結合し、抗原結合領域が軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含む、抗原結合領域と、ii)スペーサードメインと、iii)膜貫通ドメインと、iv)細胞内ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号43に記載されるCDR L1、配列番号44に記載されるCDR L2、及び配列番号45に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号46に記載されるCDR H1、配列番号47に記載されるCDR H2、及び配列番号48に記載されるCDR H3を含む。あるいは、軽鎖可変ドメインは、配列番号49に記載されるCDR L1、配列番号50に記載されるCDR L2、及び配列番号51に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインは、配列番号52に記載されるCDR H1、配列番号53に記載されるCDR H2、及び配列番号54に記載されるCDR H3を含む。
【0157】
場合によって、軽鎖可変ドメインは、ポリペプチドリンカーを介して重鎖可変ドメインに共有結合している。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、配列番号24のアミノ酸配列を含む。
【0158】
実施形態では、スペーサードメインは抗体ドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体ドメインは、免疫グロブリンヒンジドメイン、免疫グロブリン定常重鎖3(CH3)ドメイン、免疫グロブリン定常重鎖2(CH2)ドメイン、又はこれらの組み合わせを含む。
【0159】
実施形態では、スペーサードメインは、配列番号29、配列番号41又は配列番号42で表されるアミノ酸配列を含む。
【0160】
実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号21と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0161】
実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号27と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を含む。
【0162】
実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8α膜貫通ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD4膜貫通ドメイン、CD3ζ膜貫通ドメイン、又はこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様では、膜貫通ドメインはCD28膜貫通ドメインである。
【0163】
実施形態では、細胞内ドメインは、細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン、又はこれらの組み合わせを含む。細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、ICOS細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、OX-40細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、又はこれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む。他の実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン及び41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む。
【0164】
実施形態では、細胞内共刺激シグナル伝達ドメインは、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを更に含む。いくつかの実施形態では、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインである。
【0165】
実施形態では、キメラ抗原受容体は、ROR-1を発現する細胞に結合する。いくつかの実施形態では、ROR-1を発現する細胞は、神経内分泌がん性細胞である。
【0166】
実施形態では、その細胞はTリンパ球である。いくつかの実施形態では、Tリンパ球は、CD4+Tリンパ球又はCD8+Tリンパ球である。
【0167】
実施形態では、細胞は、ナチュラルキラー細胞である。いくつかの実施形態では、ナチュラルキラー細胞は、対象に対して自家である。他の実施形態では、ナチュラルキラー細胞は、対象に対して異種である。更に他の実施形態では、ナチュラルキラー細胞は対象に対して同種異系である。
【0168】
本明細書で提供される方法によって治療され得る神経内分泌がんとしては、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、皮膚の神経内分泌がん、小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がん、神経内分泌前立腺がん(NEPC)、及び転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、神経内分泌がんは転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である。
【0169】
実施形態では、神経内分泌がん性細胞は、ROR-1を発現する。場合によって、対象は、アンドロゲン遮断療法に応答しなかった。場合によって、神経内分泌がんは骨に転移している。
【0170】
実施形態では、本明細書に提供される方法は、シルムツズマブを対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、シルムツズマブ及び開示されるキメラ抗原受容体を発現する細胞は、別々に投与される。他の実施形態では、シルムツズマブ及び細胞は一緒に投与される。
【0171】
実施形態では、本明細書で提供される方法は、白金ベースの化学療法を対象に投与することを更に含む。適切な白金ベースの化学療法としては、カルボプラチン、シスプラチン、エトポシド、タキサン、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0172】
治療とは、治療中の状態を改良又は改善しようとする方法を指す。神経内分泌がんに関して、治療には、腫瘍体積の減少、腫瘍体積の成長の減少、無増悪生存期間の増加、又は全体的な平均余命の増加が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、治療は、治療されている神経内分泌がんの寛解をもたらすであろう。ある特定の実施形態では、治療は、以前に治療された神経内分泌がん又は腫瘍の再発若しくは進行を予防することを目的とした予防的用量又は維持用量としての使用を包含する。当業者は、施された治療に全ての個体が等しく又は十分に応答するわけではないにせよ、これらの個体は治療されたと見なされることを理解している。
【0173】
抗ROR-1 CAR T細胞及び抗ROR-1 CAR-T細胞組成物は、細胞含有薬学的組成物の投与に好適な任意の経路によって、例えば、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、腫瘍内、又は脳内などによって、それを必要とする対象に投与され得る。ある特定の実施形態では、抗体は静脈内に投与される。特定の実施形態では、抗体は皮下投与される。特定の実施形態では、抗体は腫瘍内に投与される。
【0174】
抗ROR-1 CAR T細胞及び抗ROR-1 CAR-T細胞組成物は、好適な投与スケジュールに従って投与することができる。特定の実施形態では、CAR T細胞は1回投与され、その後の投与は臨床基準に依存する。個体が応答しないか、又は部分的にしか応答しない場合、該患者は、所望の臨床応答が観察されるまで、抗ROR-1 CAR-T細胞組成物を2回目、3回目、又は4回投与することができる。CAR-T細胞の投与量は、一般に、少なくとも1×106個の細胞を含むが、5×108個以下の細胞を含むことがある。細胞は、CAR構築物で形質導入された個体の生存可能なPBMC総量に基づいて投与することができる。ある特定の実施形態では、単回投与量は、100万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMCを含む。ある特定の実施形態では、単一の投薬量は、100万個の形質導入されたPBMC~200万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~300万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~400万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~500万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~600万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~700万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~800万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~900万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~1000万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、100万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~300万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~400万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~500万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~600万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~700万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~800万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~900万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~1000万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC~400万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC~500万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC~600万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC~700万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC~800万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC~900万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC~1000万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC~500万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC~600万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC~700万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC~800万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC~900万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC~1000万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC~600万個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC~700万個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC~800万個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC~900万個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC~1000万個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、600万個の形質導入されたPBMC~700万個の形質導入されたPBMC、600万個の形質導入されたPBMC~800万個の形質導入されたPBMC、600万個の形質導入されたPBMC~900万個の形質導入されたPBMC、600万個の形質導入PBMC~1000万個の形質導入されたPBMC、600万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、600万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、700万個の形質導入されたPBMC~800万個の形質導入されたPBMC、700万個の形質導入されたPBMC~900万個の形質導入されたPBMC、700万個の形質導入されたPBMC~1000万個の形質導入されたPBMC、700万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、700万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、800万個の形質導入されたPBMC~900万個の形質導入されたPBMC、800万個の形質導入されたPBMC~1000万個の形質導入されたPBMC、800万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、800万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、900万個の形質導入されたPBMC~1000万個の形質導入されたPBMC、900万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、900万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、1000万個の形質導入されたPBMC~5000万個の形質導入されたPBMC、1000万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMC、又は5000万個の形質導入されたPBMC~1億個の形質導入されたPBMCを含む。ある特定の実施形態では、単回投与量は、100万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC、600万個の形質導入されたPBMC、700万個の形質導入されたPBMC、800万個の形質導入されたPBMC、900万個の形質導入されたPBMC、1000万個の形質導入されたPBMC、5000万個の形質導入されたPBMC、又は1億個の形質導入されたPBMCを含む。特定の実施形態では、単回投与量は、少なくとも100万個の形質導入されたPBMC、200万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC、600万個の形質導入されたPBMC、700万個の形質導入されたPBMC、800万個の形質導入されたPBMC、900万個の形質導入されたPBMC、1000万個の形質導入されたPBMC、又は5000万個の形質導入されたPBMCを含む。ある特定の実施形態では、単回投与量は、最大で200万個の形質導入されたPBMC、300万個の形質導入されたPBMC、400万個の形質導入されたPBMC、500万個の形質導入されたPBMC、600万個の形質導入されたPBMC、700万個の形質導入されたPBMC、800万個の形質導入されたPBMC、900万個の形質導入されたPBMC、1000万個の形質導入されたPBMC、5000万個の形質導入されたPBMC、又は1億個の形質導入されたPBMCを含む。
【0175】
ケースバイケースで、個体のT細胞の形質導入効率に応じて、多かれ少なかれ細胞を使用することができる。ある特定の実施形態では、単回投与量は、100万のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞を含む。ある特定の実施形態では、単回投与量は、100万個のCAR-T細胞~200万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~300万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~400万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~500万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~600万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~700万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~800万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~900万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~1000万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、100万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~300万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~400万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~500万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~600万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~700万のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~800万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~900万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~1000万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞~400万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞~500万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞~600万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞~700万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞~800万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞~900万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞~1000万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞~500万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞~600万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞~700万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞~800万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞~900万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞~1000万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞~600万個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞~700万個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞~800万個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞~900万個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞~1000万個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、600万個のCAR-T細胞~700万個のCAR-T細胞、600万個のCAR-T細胞~800万個のCAR-T細胞、600万個のCAR-T細胞~900万個のCAR-T細胞、600万個のCAR-T細胞~1000万個のCAR-T細胞、600万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、600万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、700万個のCAR-T細胞~800万個のCAR-T細胞、700万個のCAR-T細胞~900万個のCAR-T細胞、700万個のCAR-T細胞~1000万個のCAR-T細胞、700万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、700万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、800万個のCAR-T細胞~900万個のCAR-T細胞、800万個のCAR-T細胞~1000万個のCAR-T細胞、800万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、800万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、900万個のCAR-T細胞~1000万個のCAR-T細胞、900万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、900万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、1000万個のCAR-T細胞~5000万個のCAR-T細胞、1000万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞、又は5000万個のCAR-T細胞~1億個のCAR-T細胞を含む。ある特定の実施形態では、単回投与量は、100万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞、600万個のCAR-T細胞、700万個のCAR-T細胞、800万個のCAR-T細胞、900万個のCAR-T細胞、1000万個のCAR-T細胞、5000万個のCAR-T細胞、又は1億個のCAR-T細胞を含む。ある特定の実施形態では、単回投与量は、少なくとも100万個のCAR-T細胞、200万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞、600万個のCAR-T細胞、700万個のCAR-T細胞、800万個のCAR-T細胞、900万個のCAR-T細胞、1000万個のCAR-T細胞、又は5000万個のCAR-T細胞を含む。ある特定の実施形態では、単回投与量は、最大で200万個のCAR-T細胞、300万個のCAR-T細胞、400万個のCAR-T細胞、500万個のCAR-T細胞、600万個のCAR-T細胞、700万個のCAR-T細胞、800万個のCAR-T細胞、900万個のCAR-T細胞、1000万個のCAR-T細胞、5000万個のCAR-T細胞、又は1億個のCAR-T細胞を含む。
【0176】
特定の実施形態では、本開示の抗ROR-1 CAR-T細胞の集団は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、担体、及び希釈剤を含む薬学的組成物中に含まれる。ある特定の実施形態では、本開示のCAR-T細胞は、無菌の等張液に懸濁して投与される。ある特定の実施形態では、溶液は約0.9%のNaClを含む。ある特定の実施形態では、溶液は、約5.0%のデキストロースを含む。ある特定の実施形態では、溶液は、緩衝剤、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸塩、リン酸塩、重炭酸塩及びヒドロキシメチルアミノメタン(トリス);界面活性剤、例えば、ポリソルベート80(Tween 80)、ポリソルベート20(Tween 20)及びポロキサマー188;ポリオール/二糖/多糖、例えば、グルコース、デキストロース、マンノース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びデキストラン40;アミノ酸、例えば、グリシン又はアルギニン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、メチオニン;又は、キレート剤、例えば、EDTA又はEGTA、のうちの1つ以上を更に含む。CAR-T細胞は、製剤化されと、特定のpH、一般に約7.0~約8.0で緩衝され得る。ある特定の実施形態では、細胞は、約7.4の生理学的pH(平均して約7.35~7.45)で緩衝される。
【0177】
また、本明細書には、シルムツズマブのボーラス注射を投与することを含む、CAR T細胞治療に関連する1つ以上の重篤な有害事象を発症した個体を治療する方法が記載されている。そのような投与は、CAR T細胞がそれらの標的と相互作用するのを阻止し、それらの活性を減弱させることができる。
【0178】
実施例
以下の例示的な実施例は、本明細書に記載の組成物及び方法の実施形態を代表するものであり、決して限定することを意味するものではない。
【0179】
実施例1:ROR-1を発現する神経内分泌がん性細胞を標的とするキメラ抗原受容体改変T細胞(CAR-T)
多種多様な固形腫瘍がん及び液性腫瘍がんに対する抗ヒトROR1T細胞CARSの使用に関する前臨床研究が以前から報告されている。しかしながら、臨床的に使用された場合(NCT02706392及びNCT02194374)、これらの同じROR1 CARSは、患者ROR1陽性血液及び固形腫瘍がんの治療において最小限の活性しか有していなかった。これらの研究における治療効果の欠如は、ウサギ/ヒトキメラROR1標的化ドメインを含むT細胞CARSを使用していることに起因する。これらのドメインは、オフターゲット結合の可能性を提示し、免疫系によって外来抗原として認識され、それゆえ急速に不活性化される。
【0180】
これらの実施例において構築及び試験された抗ROR1 T細胞CARは、完全ヒト化シルムツズマブから生成され(図2)、シルムツズマブ抗体の相補性決定領域(CDR)及び可変領域(V/V)を含むscFv抗原標的化ドメインを用いる。本明細書に提示される実施例は、シルムツズマブを抗原結合成分として使用するT細胞CARが、他の療法に耐性であるROR1陽性神経内分泌がんを治療するのに有効であることを示す。
【0181】
治療の失敗
上皮がんにおいて活性な重要な発がん経路を阻害することを目的とした有効な療法の使用は、小細胞神経内分泌がん(SCNC)などの高度に侵襲性の神経内分泌がんの発生を含む複数の耐性機構をもたらした。SCNCは、前立腺や肺など、ほとんど全ての上皮器官から生じ得る。転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)は、いくつかの致死的な神経内分泌がんのうちの1つである。小細胞前立腺がん(SCPC)は、神経内分泌前立腺がん(NEPC)の一種であり、CRPCの特に悪性の形態である。
【0182】
6人に1人の男性が前立腺がん(PCa)と診断され、PCa患者の最大4分の1が進行した前立腺がんを発症し、予後及び5年生存率は芳しくない。これらのタイプの前立腺がんの主な治療は、アンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達を標的とするアンドロゲン遮断療法(ADT)である。しかしながら、必然的に、がんはADT耐性に進行し、患者は致死性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)及び転移を発症する。NEPCは、ADTで治療された患者において増加する頻度で出現している。
【0183】
ほとんどのPCaは骨に転移し、そこで典型的には治療抵抗性を発達させ、治癒しない。ROR1は、CRPC細胞及びNEPC細胞などの、多数の高度に悪性の血液がん細胞及び固形腫瘍がん細胞上で発現されるがゆえに、魅力的な治療標的である。しかしながら、患者の生存率を改善したいくつかの新規療法の最近の開発にもかかわらず、CRPCを有するほぼ全ての個体は、療法に対する耐性が生じ、疾患が進行する。
【0184】
イノベーション
mCRPC及びNEPCは依然として満たされていない緊急の医学的ニーズであるので、本発明者らは、ヒトT細胞に形質導入された場合に、インビトロ及びインビボ試験系において非常に強力かつ特異的な抗神経内分泌腫瘍活性及び特異性を示す一連の第2世代T細胞CAR構築物を作製した。図2に示すように、本開示のCARは、形質導入されたTリンパ球において細胞内シグナル伝達及び細胞傷害性を活性化するのに十分な親和性でヒトROR-1に特異的に結合する高親和性一本鎖(scFv)分子を生成する特異的リンカーによって同じmAbの重鎖CDRに結合した抗ヒトROR-1 mAb 4A5又はUC-961の軽鎖CDRを含む。scFvを膜貫通ドメインに結合するために、IgG4から作成された一連のタンパク質スペーサーが生成された。これらのスペーサーにより、抗ROR-1 scFv結合ドメインは、標的ROR-1抗原に最適に結合するのに十分な柔軟性を可能にする。
【0185】
CARからの細胞外抗原結合ドメインは、CD28膜貫通ドメインに結合している。この膜貫通ドメインは、次いで、単独で(第2世代のCAR)又は組み合わせて(第3世代のCAR)使用される、CD28及び/又はCD137に由来する細胞内活性化ドメインに連結される。次いで、これらの活性化ドメインは、CD3ゼータ鎖(CD3ζ鎖)内に含まれるT細胞受容体活性化ドメインに連結される。したがって、これらの実施例において構築され、試験された抗ROR-1 CARは、N末端から順に:構築物を細胞表面に指向させるリーダーと、4A5又はUC-961 mAbのいずれかの軽鎖CDRと、軽鎖及び重鎖を結合させるリンカーと、対応する軽鎖分子によって相補される4A5又はUC-961 mAbの重鎖CDRと、IgG4ヒンジ領域などのIgG4から生成された規定の長さのスペーサーと、CD28膜貫通領域と、分子のカルボキシ末端に延びるT細胞ζ鎖に個別に又はタンデムに結合したCD28及び41-BB(CD137)の細胞内活性化ドメインとを含む、単一のポリペプチドとして発現される。臨床グレードの手順及びプロセスを用いて、本発明者らは、現在、20人を超える正常ヒトドナー由来の抗ROR1 T細胞CAR産物及び31~83歳の範囲の対象由来の慢性リンパ球性白血病(CLL)患者産物を産生している。
【0186】
図3は、4時間クロム放出アッセイ(左パネル)及び120時間ACEAインピーダンスアッセイ(右パネル)におけるROR1を形質導入した2人の健常ドナーのT細胞由来のROR1 CAR T細胞のインビトロ細胞殺傷活性を示すグラフを示しており、T細胞は、左のパネルでは、示された効果と標的の比(E:T)で白血病性Mec1 ROR1陽性細胞に対して形質導入され、右のパネルのACEAインピーダンスアッセイでは、MB 231 ROR1陽性乳がん細胞に対して形質導入された。抗ROR1 CAR T細胞は、ROR1陰性標的細胞を有意に死滅させることなく、高く特異的な細胞傷害性を示した。インビトロ研究では、正常T細胞CAR産物及び患者由来T細胞CAR産物の両方が、オフターゲット活性がほとんどない多種多様なROR1陽性の固体及び液体腫瘍細胞株に対して用量依存的活性を示した(図3)。
【0187】
これらの生成物の活性を確認するために、本発明者らはまた、ヒトROR1陽性CLL由来細胞を標的として用いたマウス白血病モデルに対して本発明者らの抗ROR1 T細胞CARを試験した(図4及び図5)。
【0188】
図4は、MEC1-ROR1細胞及びROR1 CAR T細胞を接種したマウスの生物発光イメージングを示す。CAR-T細胞で処置した動物は、対照と比較して疾患負荷が低下していた。最高用量(3×10個のCAR-T細胞)コホートは、30日目までにバックグラウンドレベルに対して白血病負荷の低減を示し、試験期間中、最小量の疾患しか有さなかった。対照群(未処理、模擬形質導入)の動物を20日目に屠殺しなければならなかった。右パネルは、マウスから採取した総生物発光産物を示す。青色の四角及び丸は対照であり、緑色の三角はROR1-CAR T処置マウスである。
【0189】
図5は、様々な時点でのマウス組織におけるROR-1 CAR T細胞発現を示す。ROR-1 CAR-T投与後、動物を11日目(上パネル)及び25日目(下パネル)に屠殺した。血液及び臓器を採取し、CAR発現及び確認ROR1結合活性についてフロー分析に供した。ROR-1 CAR-T細胞数は、MEC-1 ROR1細胞を担持するマウス(CAR+MEC1-ROR1)において、対照(CARのみ)と対比して実質的に多く、腫瘍負荷のある動物でROR-1 CAR-T細胞の増殖が上昇していることを示す。バーは各群の5匹のマウスの平均値を表し、エラーバーは平均値のS.Eを表す。
【0190】
これらの結果は、シルムツズマブベースの抗ROR1 T細胞CARSが、腫瘍細胞に対して非常に有効かつ特異的であることを示した。
【0191】
本明細書に記載のCARは、トランスポゾンベース又はレンチウイルスベクターに含めることができ、標準的なトランスフェクション又は形質導入技術を用いて標的リンパ球又はナチュラルキラー細胞に導入することができる。CAR産物の安定した形質導入及び長期発現を最大化するために、マウスガンマ及びヒトレンチウイルスなどのレトロウイルス送達システムが使用される。現在、第3世代のレンチウイルス4プラスミドシステム(Addgene,Inc.)を使用して、CARを発現するROR-1のTリンパ球をトランスジェニックにする。この第3世代システムは、Naldini et al,「Efficient transfer,integration,and sustained long-term expression of the transgene in adult rat brains injected with a lentiviral vector」 Proc Natl Acad Sci USA.1996 Oct 15;93(21):11382-11388に記載されるレンチウイルスベクターシステムに基づいている。この4プラスミドシステムは、プラスミド1-gag/polと、プラスミド2-revと、プラスミド3 VSV-Gタンパク質と、プラスミド4とを含み、トランスファープラスミドは、ポリリンカー中の制限部位を使用して挿入された抗ROR1 CARをコードする核酸配列を含む。
【0192】
実施例2:ROR-1は原発性ヒト前立腺がん細胞において発現される。
前立腺がんを含むヒト神経内分泌がんにおけるROR1の発現を解明することを目的とした研究を行った。
【0193】
組織マイクロアレイ分析
組織マイクロアレイ評価は、前立腺がんの90パーセント(n=19/21)が、原形質膜上のROR1について中程度から強度の染色を有することを明らかにした(表1)。更に、発現は、インビトロでの細胞増殖を損なわせたROR1発現のAKT活性化及びサイレンシングに関連していた。図6は、非標準WNT及び幹細胞遺伝子セットの単一試料遺伝子セット濃縮分析プロファイルとROR1(mRNA)の発現との関連として表される、66個の前立腺がん試料から得られた腫瘍RNA配列の分析から得られた結果を示す。分析は、ROR1 mRNA発現に対するWNT非標準及び幹細胞遺伝子セットの有意な濃縮を示す。
【0194】
前立腺がん患者由来異種移植モデル
PCa骨転移によって生じる、典型的には外科的に除去又は生検されない課題にもかかわらず、本発明者らは、バイオバンク並びに新規の患者由来異種移植片(PDX)及びオルガノイドのモデルを確立し、これらを前臨床モデルとして使用して、患者の病気を正確に表し、患者の応答及び薬物効力を予測する薬物試験を実施した。
【0195】
図4は、全ヒトゲノムHTA2.0 Affymetrixマイクロアレイ及びRNASeq遺伝子発現プロファイリングから得られた結果を示す。これらの結果は、Wnt5Aが、患者前立腺腺がん骨転移標本及びその対応するPDXであるPCSD1において高度に発現されたことを示す。図7Aは、別の患者PCa骨転移由来PDXであるPCSD13(小細胞前立腺がん)のRNASeq分析が有意なROR1発現を示したことを示す(図4)。これらのデータは、進行性CRPCがWnt5A及びROR1発現に関連することから、Wnt5A、ROR-1、ROR-2、及び骨転移前立腺がんの間の相互作用を示す。
【0196】
FACS分析は、ROR1タンパク質がPCSD13細胞並びにPC3及びDU145 PCa細胞株において高度に発現されたことを明らかにした(図7B)。本発明者らは、小細胞前立腺がんであるPCSD13と比較して、前立腺がんであるPCSD1からの骨転移におけるWnt5a及びROR1の相互発現に注目した。PCSD1はPSMA+WNT5A+ROR1ROR2であったが、PCSD13はPSMAWNT5AROR1+ROR2+であった。これは、前立腺腺がん及び前立腺小細胞がん、すなわちNEPCにおける根本的な違いを反映している可能性がある。本発明者らの知見は、前立腺がん疾患進行及び神経内分泌前立腺がん(NEPC)の出現におけるROR1の役割をよりよく理解し、シルムツズマブ-CART細胞によるROR1標的化に最も適した患者集団を同定するために、前立腺がんの様々な段階でROR1発現のキャラクタライズを行うことの重要性を強調する。
【0197】
PDX由来オルガノイド培養物
患者由来異種移植片(PDX)及び初代患者腫瘍細胞由来の三次元(3D)オルガノイド細胞培養物を確立した。図8は、大腿骨において成長する異種移植片の組織形態を複製する三次元オルガノイド由来のPCSD1 PDX腫瘍細胞を示す。3D培養は、2つの主要な細胞塊:骨髄を置換する大腿骨内及び患者において成長する異種移植片からの切片において見られる腺様構造に類似するスフェロイド及び上皮嚢胞からなった。スフェロイドは、アンドロゲン枯渇誘導性死に対して抵抗性であった。スフェロイド塊は、腺様構造に類似した腫瘍細胞によって取り囲まれた嚢胞様構造を含んでいた。黒い矢印は、嚢胞構造を指す。オルガノイドはGFP+である。PDXは前立腺がん骨転移から得た。GFP-ルシフェラーゼを発現するPCSD1は、3D培養条件下で異なる形態を形成した。図8はまた、PCSD1のエンザルタミド処置が、管腔サイズ及び上皮嚢胞の数を減少させたことを示す。トランスクリプトーム解析は、PSA(KLK3)及びTMPRSS2などのAR応答性遺伝子がADT下で下方制御される一方で、幹細胞転写因子、ステロイド産生及び神経原性経路遺伝子が上方制御されることを示した。したがって、抗アンドロゲンは、標準的なAR応答性遺伝子を依然として抑制することができたが、腫瘍及びオルガノイド成長は、抗アンドロゲンであるエンザルタミドなどのADTに対して耐性であった。
【0198】
実施例3:抗ROR-1 T細胞CARは、神経内分泌がん性細胞株EXPRESSINg Ror-1の標的化及び殺滅において非常に有効である
PCaは高度に異種であり、標準的な治療後に高い再発率を示し、それゆえに新しい治療アプローチが必要とされる。本発明者らは、治療抵抗性ROR1陽性がんを標的化するために、シルムツズマブベースのT細胞性CARを生成した。このCAR産物の活性を試験及び実証するために、本発明者らは、ヒトT細胞に形質導入された場合に、血液がん及びヒト固形腫瘍がんのインビトロ及びインビボ試験系において非常に強力かつ特異的な抗腫瘍活性及び特異性を実証した一連の第2世代T細胞CAR構築物を作製した。
【0199】
これらの研究の目的は、アンドロゲン遮断療法及びやドセタキセルなどの標準治療療法と組み合わせた、PCa細胞株、PDXモデル、並びにmCRPCNEPCのオルガノイドに対するヒトROR1 CAR-T細胞の有効性を調べて、有効性を判定し、CAR T細胞と併せた補助療法の使用を定義することである。更なる目的は、悪性前立腺がんの様々な臨床状態においてROR1発現及びシグナル伝達を評価し、ROR-1がんタンパク質を発現するPCa細胞型を定義することである。更なる目的は、同じ患者由来のTIL及びPBMC中に操作されたROR1 CARを使用して、患者生検由来オルガノイドに対するROR1 CART細胞のインビトロでの有効性を決定することである。
【0200】
図9に示されるように、生成された抗ROR1 T細胞CARは、エフェクターと標的の比(E:F)が低い場合であっても、ROR1を発現するNEPC細胞株を標的化して死滅させることにおいて、非常に有効である。図10は、抗ROR1 CAR-T細胞が、エフェクター:標的(E:T)用量依存的に、ROR1陽性PDX細胞を特異的に死滅させたことを示すしたがって、抗ROR1 T細胞CARは、エフェクターと標的の比(E:T)が低い場合であっても、ROR1発現NEPC細胞株を標的化して死滅させることにおいて非常に有効である。
【0201】
パイロット試験
皮下に移植された前立腺がん細胞株に対する本明細書で提供されるCAR T細胞の効果を調べるために、パイロット試験を行った。ルシフェラーゼを形質導入したPC3細胞を、免疫不全NSGマウスの側腹部に皮下移植した。処置群について、本発明者らは、ROR1 T細胞CARを、静脈内注射及び腫瘍内への直接注射の両方によって投与した。対照動物には、同じドナー白血球搬出産物から生成された模擬質導入活性化T細胞を投与した。図11に示すように、PC3細胞は、これらの動物の背中で急速に増殖し、4週目までには、増殖して大きな嵩高い腫瘍になり、マウスを屠殺しなければならなかった。対照的に、単回静脈内注射又は腫瘍内注射を受けたCAR-T処置マウスは、対照動物と比較した場合に疾患負荷が減少しており、試験の終了時には最小量の疾患しか有していなかった。
【0202】
単独及びドセタキセルと組み合わせたインビボでのmCRPC及びNEPCのPCa細胞株及びPDXモデルにおけるROR 1 CART細胞の有効性を調べるために、腫瘍増殖阻害に対する抗ROR-1 CAR T細胞の効果を、PCa細胞株並びにPDX PCSD 1及びPCSD 13オルガノイドにおいて調べる。
【0203】
抗ROR-1 CAR T細胞を、PCa細胞株及びPCaオルガノイドにおいてインビトロで、また、皮下、大腿骨内及び心臓内に注射されたPCa細胞株異種移植片及びPDXにおいてインビボで試験する。
【0204】
転移性前立腺がんの前臨床モデルにおけるこれらの実験の概要を以下に示す。
【0205】
細胞:前立腺がん細胞株:AR+ROR1:LNCaP;ARV7+:VCaP;AR-ROR1;PC3;AR-ROR1:DU145、PCa細胞株は全て、RFP-ルシフェラーゼを安定的に発現し、細胞傷害性アッセイは、Incucyteにおいて実施される。前立腺がん骨転移PDXオルガノイドAR+ROR1:PCSD1及びAR+ROR1PCSD13。
【0206】
療法:シルムツズマブベースの抗ROR1 CART細胞。
【0207】
インビトロ実験1単独又はドセタキセルと組み合わせた4つのPCa細胞株に対するCART細胞実験のエフェクター:標的(E:T)比の滴定を行う。エフェクターと標的の4つの比(E:T)、すなわち、30:1、10:1、3:1、1:1のROR1 CART又は対照T細胞単独+/-抗アンドロゲン+/-ドセタキセルを96ウェルプレート当たり3連×細胞株当たり2プレート×4つの前立腺がん細胞株を試験する。細胞生存率を、96ウェルプレートアッセイにおいてRFP標識細胞についてIncucyteを使用して測定する。細胞傷害性死滅をLDH放出アッセイで測定する。
【0208】
インビトロ実験2 Incucyteアッセイにおいて上記のようにCARTに対するPCSD 1-GFP-ルシフェラーゼ、PCSD 13-GFP-ルシフェラーゼについて、E:Tの滴定実験を行う。以下の群の2つのPDO(PCSD1及びPCSD13)の3D培養物を試験する:ビヒクル対照、3連の24ウェルプレートにおけるE:T比30:1、10:1、3:1、1:1のCART又は対照T細胞+/-エンザルタミド+/-ドセタキセル(図1参照)=2つのPDOs×1つの24ウェルプレート×2つの実験(2連)=4つのプレート。オルガノイド細胞数(生存率)及びサイズ(増殖)の毎週のデジタル顕微鏡画像化及び分析ARの免疫組織化学(IHC)及び前立腺マーカー、すなわち、サイトケラチン(CK)5、CK8、p63の免疫蛍光(IFC)分析を使用して、ARタンパク質レベル及びオルガノイド分化を調べ、Ki67を使用して増殖を調べ、切断カスパーゼ3を使用してアポトーシスを調べる。qRT-PCR及びRNAseqを使用して、AR発現及びAR依存性遺伝子発現に対する効果を測定する。実験は3連プレートで行う。用量漸増処置は、オルガノイドのドーミング後1週目に開始する。処置前対処置後3時間(時間)、6時間、12時間、24時間の画像。RNAのために細胞を採取し、IHCによるAR分解分析のために24時間後に溶解物を採取し、IHC及びIFCのためにFFPE切片を採取する。
【0209】
インビボでのPCa細胞株異種移植片及び患者由来異種移植片(PDX)実験:
マウス:NSG(NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ、Jackson Labs ストック番号005557)、6~8週齢、雄
【0210】
細胞:LNCaP(AR+、エンザルタミド感受性)a.)皮下(s.c.)、b.)心臓内(i.c.)注射、2.PC3 AR陰性、エンザルタミド耐性)a.)皮下(s.c.)、b.)心臓内(i.c.)注射、3.DU145 AR陰性、エンザルタミド耐性)a.)皮下(s.c.)、b.)心臓内(i.c.)注射、4.VCaP(AR+、エンザルタミド耐性)a.)皮下(s.c.)、b.)心臓内(i.c.)注射、5.PCSD1 前立腺がんの骨転移からのPDX細胞(AR+、大腿骨環境におけるエンザルタミド耐性)a.)皮下(s.c.)、b.)大腿内(i.f.)注射、6.PCSD13 前立腺小細胞がんのPDX細胞骨転移(AR+、大腿骨環境におけるエンザルタミド耐性)a.)皮下(s.c.)、b.)大腿内(i.f.)注射
【0211】
療法:シルムツズマブベースの抗ROR1 CART細胞腫瘍が少なくとも100mmになったときに処置を開始する。CART処置群について、n=10マウス(処置開始時の腫瘍サイズに依存する):1.対照T細胞(CARなし)、ビヒクル(n=10)、2.CART細胞、ビヒクル(n=10)、3.対照T細胞、ドセタキセル(n=10)、4.CART細胞、ドセタキセル(n=10)
【0212】
合計n=40マウス×6異種移植片(LNCaP、PC3、DU145、VCaP、PCSD1、PCSD13)モデル=240マウス
【0213】
対照T細胞と比較したCARTについて、各処置群n=8~10匹のマウス(処置開始時の腫瘍サイズに依存する):1.対照T細胞、ビヒクル(n=8~10)、2.CART細胞、ビヒクル(n=8~10)、3.対照T細胞、エンザルタミド、(n=8~10)、4.CART細胞、エンザルタミド、(n=8~10)合計n=40マウス×4(LNCaP、VCaP、PCSD1、PCSD13)異種移植マウスモデル=240マウス
【0214】
臨床兆候を毎日モニターし、腫瘍体積のキャリパー測定値、体重及び健康報告を週2回モニターする。処置の4週間後、実験を終了して、a.)末梢血:薬物濃度(PK/PD)のための血漿、血清(PSA)、b.全てのマウス由来の腫瘍を採取し、(腫瘍の1/4)を4%PFA中で固定し、(1/4)をDNA、RNA、タンパク質分析用に液体窒素中で急速凍結し、オルガノイド用に腫瘍の半分を単細胞に解離し、腫瘍細胞に対するFACS用に10%DMSO、90%FBS中で凍結保存し、腫瘍開始がん幹細胞を測定するために将来再移植する。周囲組織を有する注射された大腿骨及び反対側の非注射大腿骨は、IHC及びIFCのためにホルマリン固定され、脱石灰化される。
【0215】
mCRPC及びNEPC単独又はその後のドセタキセルによるインビボでの治療のPCa細胞株異種移植片及びPDXモデルにおけるROR 1 CART細胞のキャラクタライゼーション及び改善された有効性
【0216】
ROR-1 CAR T細胞が様々な異なるタイプの既に確立されたPCa腫瘍を根絶する能力をインビボで試験する。ヒトPCa細胞株を免疫不全マウス(NSG)の皮下(s.c.)に移植する。ヒト患者由来PCa骨転移異種移植片(PDX)を、骨転移に対するCARTの有効性を試験するために、右大腿骨の骨内骨髄腔に直接的に大腿内(i.f.)注射するか、あるいは、PCa細胞株との比較のために皮下(s.c.)注射する。CART細胞単独による腫瘍増殖阻害を、SOC療法、すなわち、ドセタキセル及びADT、エンザルタミド単独及び併用と比較する。
【0217】
インビボでのPCa細胞株異種移植片実験及び患者由来異種移植片(PDX)実験の概要
マウス:NSG(NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ、Jackson Labs ストック番号005557)、6~8週齢、雄
【0218】
細胞:1.PC3(AR陰性、ROR1陽性エンザルタミド耐性)皮下(s.c.)、2.DU145(AR陰性、ROR1陽性、エンザルタミド抗性)皮下(s.c.)、3.PCSD13前立腺がんのPDX細胞の骨への転移(AR陽性、ROR1陽性大腿骨環境における円座耐性)a.)皮下(s.c.)、b.)大腿内(i.f.)
【0219】
療法:シルムツズマブ抗ROR1 CART細胞腫瘍が少なくとも100mmになったときに処置を開始する。4.LNCaP(AR陽性、ROR1エンザルタミド感受性)、皮下(s.c.
【0220】
インビボ実験1:CART+ドセタキセル:CART処置群について、n=10マウス(処置開始時の腫瘍サイズに依存する):1.対照T細胞(CARなし)、ビヒクル(n=10)、2.CART細胞、ビヒクル(n=10)、3.対照T細胞、ドセタキセル(n=10)、4.CART細胞、ドセタキセル(n=10)
【0221】
試験ROR1+細胞:合計n=40マウス×4つの異種移植片PC3 s.c.、DU145 s.c.、PCSD13 s.c.、i.f.モデル=160マウス
【0222】
インビボ実施例2:CART+エンザルタミド:対照T細胞と比較したCARTについて各処置群n=10マウス(処置開始時の腫瘍サイズに依存する):1.対照T細胞、ビヒクル(n=10)、2.CART細胞、ビヒクル(n=10)、3.対照T細胞、エンザルタミド、(n=10)、4.CART細胞、エンザルタミド、(n=10)
【0223】
試験AR+、ROR1+細胞:1.LNCaP(s.c.)、2.PCSD13(s.c.)及び3.PCSD13(i.f.)
【0224】
合計n=40匹のマウス×3(LNCaP AR陽性、ROR1sc、PCSD13 s.c.、PCSD13 i.f.)異種移植マウスモデル=120匹のマウス
【0225】
主要エンドポイント:
腫瘍増殖阻害:腫瘍体積のキャリパー測定値、体重及び健康報告を週2回+週1回のインビボ生物発光(IVIS)
【0226】
毎週の血清採取:PSAアッセイ及びALPアッセイ
【0227】
終了エンドポイント:4週間の処置後、末梢血、脾臓及び骨髄を採取し、FACS、血漿薬物濃度(PK/PD)、血清(PSA)を用いてCART存在について分析する。全てのマウス由来の腫瘍:(腫瘍の)を4% PFA中で固定し、()をDNA、RNA、タンパク質分析のために液体窒素中で急速凍結し、オルガノイド、腫瘍細胞上のFACS、及び腫瘍浸潤CART細胞のため腫瘍の半分を単一細胞に解離し、腫瘍開始がん幹細胞を測定するための将来の再移植のために10%DMSO、90%FBS中で凍結保存する。周囲組織を有する注射された大腿骨及び反対側の非注射大腿骨は、IHC及びIFCのためにホルマリン固定され、脱石灰化される。瞬間凍結試料を使用して、DNA、RNASeqのためのRNA、PSA、ARのqPCR、及びシグナル伝達経路(WNT5A、ROR1、ROR2、ホスホチロシン、AKT及びERK)の免疫ブロッティング分析用タンパク質を抽出する。大腿骨+骨膜腫瘍組織:MicroCTのためにホルマリン固定し、次いでFFPE切片、免疫組織化学(PSA、ROR1及びROR2、他のFrizzledタンパク質)及び免疫蛍光(AR、CK5、CK8、Ki67、切断型カスパーゼ3)のためにパラフィン包埋した。
【0228】
骨転移の心臓内又は腸骨動脈内注入モデルを単独で、あるいは、ADT(エンザルタミド)及び/又はドセタキセルと組み合わせて使用する、デノボ骨転移モデルにおける抗ROR1-CAR T細胞のインビボ試験
【0229】
シルムツズマブベースのCAR T細胞のデノボ転移に対する有効性を、ROR1発現細胞株、PC3、DU145及びPDX PCSD13を心臓内及び腸骨内異種移植動脈注射によって移植されたマウスを処置する際に、単独で、又はドセタキセルによる処置の後に試験する。マウスを最初にドセタキセル又はエンザルタミドで少なくとも28日間処置して、腫瘍を減量する。化学療法処置及びウォッシュアウトの後、PCaをCART細胞で処置する。
【0230】
主要エンドポイント:
腫瘍増殖阻害:毎週のIVIS体重、毎週のIVIS、毎週の血清採取、並びに毎週のPSAアッセイ及びALPアッセイ
【0231】
終了エンドポイント:その後のDNA、RNA-SeqのためのRNA、PSA、AR及びROR 1のqPCR、並びにシグナル伝達経路(WNT5A、ROR1、ROR2、ホスホ-チロシン、AKT、ERK)の免疫ブロット分析のためのタンパク質の抽出のために急速凍結される腫瘍組織を採取する。
【0232】
結果:シルムツズマブベースのCAR T細胞は、単独で、又は従来のSOCドセタキセル若しくはエンザルタミドと組み合わせて、インビトロ及びインビボでROR 1+転移性前立腺がん株及びPDXの腫瘍細胞増殖を阻害する。
【0233】
CRPCを有する患者におけるROR1発現CSCを検出するためのコンパニオン診断薬の開発
【0234】
この研究の目的は、CPRCなどの神経内分泌がんにおけるROR-1を検出するために使用することができるCLIA認定IHCアッセイを開発することである。
【0235】
このアッセイの開発において使用される抗ROR1抗体は、mAb(4A5)である。このプロセスでは、アメリカ合衆国サンディエゴのBiorepository Tissue Technology Shared Resource(BTTSR)施設によって提供される正常、炎症及び新生物(良性及び悪性)組織の組織マイクロアレイ(TMA)を使用して4A5を試験する。様々な病理学的状態で採取された患者由来前立腺腫瘍試料及び対応する正常組織対照を含む、関連する病理からの凍結TMA及びパラフィン包埋TMAの両方を使用する。検証目的のために、抗体を、2つの標準的なIHC技術、記載したような標準的かつ高感度のABC技術(Vector、カリフォルニア州)、及びImmPRESS(商標)HRP Polymer Detection Kit、並びに標準的な間接免疫蛍光を使用して試験する。
【0236】
TMA選択:MicaArray GEN 3.0マニュアルアレイヤー(Micatu社、ニューヨーク州)を用いて、記載したように前立腺組織TMAを構築する。非悪性及び悪性前立腺腫瘍の範囲である、非特定化パラフィンブロックのコホートをBTTSRから選択する。陰性組織対照を、卵巣、結腸、肺、皮膚、及び膵臓のROR1陽性がんで以前に検出された既知の陽性試料と一緒にアレイ化する。
【0237】
タンパク質発現の分析:研究病理学者及び結果又は技法を知らされていない病理学者は、関連性及び組織保存について、H&E染色スライドを使用したIHC分析の前に全てのTMA及び個々の組織を評価する。陽性細胞の数を各コアについて視覚的に評価し、結果を染色細胞/細胞総数の百分率として表す。それらの免疫反応性に基づいて、TMAコアを分割し、5つのカテゴリーにスコア化する:0、染色細胞の10%未満;1、10%~25%の染色細胞;2、25%~50%の染色細胞;3、50%~75%の染色細胞;4、75%~100%の染色細胞。定量的自動画像分析を検討する。
【0238】
統計分析:ピアソンの相関係数を使用して、Anagnostouらによって記載されているように、測定値間の一致を定量化する。コーエンの重み付きカッパも使用して、抗体対間の一致を測定する。
【0239】
CLIAアッセイ検証-特異性、感度、再現性及び限界など研究病理学者は、CRPC TMAからの試料のセットを連日分析して、アッセイ性能の日ごとの変動性、再現性及びロバスト性を調べる。第2組の試験では、2人の独立した病理学者がROR1陽性及び陰性試料から40個の標本を読み取った。評価者間の一致は、ピアソンの相関及びコーエンの重み付きカッパによって、それらの95%信頼限界と共に定量化される。これらの試験の結果に基づいて、CLIAにより検証されたIHCコンパニオンアッセイを開発して、ROR1陽性CRPCを有する患者を、シルムツズマブベースのT細胞CARを用いた臨床試験に登録することを可能にする。
【0240】
バイオシステム培養
この研究の目的は、同じ患者由来のTIL及びPBMC中に操作されたROR1 CARを使用して、患者生検由来オルガノイドに対するROR1 CART細胞のインビトロでの有効性を決定することであった。細胞培養における個別化されたミニ腫瘍は、前立腺がん(PCa)患者の腫瘍組織から首尾よく生成されている(Lee et al.,2020)。各患者の腫瘍組織の試料を外科的除去の直後に採取し、これを使用して3D-オルガノイド又はミニ腫瘍を確立した。並行して、本発明者らは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)として知られる腫瘍組織内に存在する各患者自身の免疫細胞を増殖させた。次いで、本発明者らは、各患者のミニ腫瘍をそれら自身のTILと組み合わせて、図13に示されるような個別化された3D-バイオシステム培養物を確立した。これらの個人患者由来のミニ腫瘍は、現在及び新規の腫瘍標的療法と組み合わせた免疫療法に対する応答を決定するために使用されている。
【0241】
オルガノイドを確立し、前立腺がん転移由来のn=5~10の患者生検からTILを増殖させる。シルムツズマブベースのCART細胞は、本発明者らが本発明者らのCART産物において使用した本発明者らのレンチウイルス構築物を使用して、オルガノイドと同じ患者由来のTIL及びPBMCから生成される。オルガノイド及び患者由来のシルムツズマブベースのCARTを共培養する。細胞毒性死滅を、1~7日目の時点で毎日デジタル顕微鏡イメージングで測定する。単一細胞RNA配列決定(UCSD IGMコア、10X Genomics)並びに免疫細胞及び前立腺マーカーとの共培養物の免疫蛍光細胞化学。
【0242】
この研究の結果は、応答及び耐性の機構のより良い理解を通して個々の患者のために免疫療法を調整するための戦略の開発を可能にする。
【0243】
悪性前立腺がんの様々な臨床状態におけるROR1発現及びシグナル伝達の評価並びにROR-1を発現するPCa細胞型の定義
【0244】
異なるグリーソンスコアの限局性前立腺がん、転移性ホルモン感受性前立腺がん、転移性CRPC、及び神経内分泌前立腺がんを有する患者に由来する試料において、ROR1発現パターン及びシグナル伝達を調べて、ROR1発現が高悪性度及び去勢抵抗性腫瘍において増加するかどうかを確認する。
【0245】
UCSD Pathology Biorepositoryに保管されている標準治療の根治的前立腺切除、前立腺生検、及び転移生検からのFFPE組織を分析する。IHC染色を、最適な市販の抗ROR1抗体、例えば、4A5(BD)又はProtein Tech、UCSD Tissue Technology Shared Resource histology coreのウサギポリクローナルを用いて実施する。IHC染色スライドを検査し、腫瘍の領域を手動で同定し、マークする。全てのスライドを、Aperio ScanScope XTシステム(Aperio(登録商標)、Vista、カリフォルニア州)を使用してTissue Technology Shared Resourceでスキャンする。Spectrum Analysisアルゴリズムパッケージ及びImageScope分析ソフトウェアを適用し、前述のカラーデコンボリューションアルゴリズムを使用してIHC染色を定量化する。(60、61)。
【0246】
臨床標本はまた、グリーソンスコア及び神経内分泌分化の存在を確認するために検査される。年齢、人種、民族性、PSA、病期、及び以前の治療状態などの臨床パラメータを取り込んで、病理学的及びROR1発現データに関連付ける。ROR1の発現を評価し、以下のように等級付けする:0:陽性がん細胞なし、1:がん細胞の50%未満が低~中程度の染色、2:がん細胞の50%未満が強度の染色、又はがん細胞の50%超が中程度の染色、3:がん細胞の50%超が強度の染色。全ての染色を評価し、ROR1レベルを、測定可能な疾患の画像化応答、PSA応答(ベースラインからのPSA低下が50%以上)、又は6ヶ月以上の安定疾患などの疾患パラメータと相関させる。更に、ROR1シグナル伝達のシルムツズマブベースのCART阻害の効果を、生検の連続切片において、ホスホ-SRC、ホスホ-AKT、ホスホ-CREB、YAP/TAZ、及びBMI1に対する抗体を使用して評価する。
【0247】
統計分析:表1は、使用可能な保管された標本の数を詳述する。一次分析のために、本発明者らは、去勢抵抗性疾患(n=20)とホルモン感受性疾患(n=70)との間のROR1発現及び下流シグナル伝達の類似点を調べる。本発明者らは、陽性ROR1発現を1~3のIHC等級付けとして定義する。本発明者らは、各臨床状態についてのROR1陽性検体の割合及びその95%CIを計算する。フィッシャーの正確検定を使用して、去勢抵抗性臨床状態とホルモン感受性臨床状態との間のROR1陽性の割合を比較する。
【0248】
結果は、本発明者らの現在の試料サイズで、ROR1発現率が、90%の検出力及び0.05の両側アルファで、ホルモン感受性標本において20%であり、去勢抵抗性標本において60%であることを示す。
【0249】
【表1】
【0250】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され説明されているが、かかる実施形態が例としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。当業者は、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び置換に想到するであろう。本明細書に記載される実施形態の様々な代替案が本発明の実施において採用され得ることが理解されるべきである。
【0251】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、交付済み特許、及び他の文書は、個々の刊行物、特許出願、交付済み特許、又は他の文書が、参照によりその全体が組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれるテキストに含まれる定義は、本開示の定義と矛盾する範囲に限り除外される。
【0252】
実施形態
実施形態1.キメラ抗原受容体(CAR)であって、
i.抗原結合領域であって、ROR-1に特異的に結合し、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、
軽鎖可変ドメインが、配列番号43に記載されるCDR L1、配列番号44に記載されるCDR L2、及び配列番号45に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号46に記載されるCDR H1、配列番号47に記載されるCDR H2、及び配列番号48に記載されるCDR H3を含む、抗原結合領域と、
ii.スペーサードメインと、
iii.膜貫通ドメインと、
iv.細胞内ドメインと、を含む、キメラ抗原受容体。
【0253】
実施形態2.キメラ抗原受容体(CAR)であって、
v.抗原結合領域であって、ROR-1に特異的に結合し、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインを含み、
軽鎖可変ドメインが、配列番号49に記載されるCDR L1、配列番号50に記載されるCDR L2、及び配列番号51に記載されるCDR L3を含み、重鎖可変ドメインが、配列番号52に記載されるCDR H1、配列番号53に記載されるCDR H2、及び配列番号54に記載されるCDR H3を含む、抗原結合領域と、
vi.スペーサードメインと、
vii.膜貫通ドメインと、
viii.細胞内ドメインと、を含む、キメラ抗原受容体。
【0254】
実施形態3.スペーサードメインが、14~120のアミノ酸長である、実施形態1~2のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0255】
実施形態4.軽鎖可変ドメインが、重鎖可変ドメインのN末端又はC末端に連結されている、実施形態1~3のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0256】
実施形態5.軽鎖可変ドメインが、ポリペプチドリンカーを介して、重鎖可変ドメインに共有結合している、実施形態1~4のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0257】
実施形態6.ポリペプチドリンカーが、配列番号24のアミノ酸配列を含む、実施形態5に記載のキメラ抗原受容体。
【0258】
実施形態7.スペーサードメインが、抗体ドメインを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0259】
実施形態8.抗体ドメインが、免疫グロブリンヒンジドメイン、免疫グロブリン定常重鎖3(CH3)ドメイン、免疫グロブリン定常重鎖2(CH2)ドメイン、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態7に記載のキメラ抗原受容体。
【0260】
実施形態9.スペーサードメインが、配列番号29、配列番号41、又は配列番号42のアミノ酸配列を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0261】
実施形態10.軽鎖可変ドメインが、配列番号21と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0262】
実施形態11.重鎖可変ドメインが、配列番号27と少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0263】
実施形態12.膜貫通ドメインが、CD8α膜貫通ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD4膜貫通ドメイン、CD3ζ膜貫通ドメイン、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0264】
実施形態13.膜貫通ドメインが、CD28膜貫通ドメインである、実施形態12に記載のキメラ抗原受容体。
【0265】
実施形態14.細胞内ドメインが、細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、細胞内T細胞シグナル伝達ドメイン、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0266】
実施形態15.細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、ICOS細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、OX-40細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、又はこれらの任意の組み合わせである、実施形態14に記載のキメラ抗原受容体。
【0267】
実施形態16.細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む、実施形態15に記載のキメラ抗原受容体。
【0268】
実施形態17.細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン及び41-BB細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含む、実施形態16に記載のキメラ抗原受容体。
【0269】
実施形態18.細胞内共刺激シグナル伝達ドメインが、細胞内T細胞シグナル伝達ドメインを更に含む、実施形態15~17のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0270】
実施形態19.細胞内T細胞シグナル伝達ドメインが、CD3ζ細胞内T細胞シグナル伝達ドメインである、実施形態18に記載のキメラ抗原受容体。
【0271】
実施形態20.細胞に結合する、実施形態1~19のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0272】
実施形態21.細胞が神経内分泌がん性細胞である、実施形態20に記載のキメラ抗原受容体。
【0273】
実施形態22.神経内分泌がん性細胞が、カルチノイド腫瘍細胞、膵島細胞腫瘍細胞、甲状腺髄様がん細胞、褐色細胞腫細胞、皮膚細胞の神経内分泌がん、小細胞肺がん細胞、大細胞神経内分泌がん細胞、神経内分泌前立腺がん(NEPC)細胞、又は転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)細胞である、実施形態21に記載のキメラ抗原受容体。
【0274】
実施形態23.キメラ抗原受容体が細胞の一部を形成する、実施形態1~22のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0275】
実施形態24.T細胞の一部を形成する、実施形態1~23のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体。
【0276】
実施形態25.実施形態1~24のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体をコードする単離された核酸。
【0277】
実施形態26.治療有効量の実施形態1~25のいずれか1つに記載のキメラ抗原受容体及び薬学的に許容される賦形剤。
【0278】
実施形態27.神経内分泌がんの治療を必要とする対象の神経内分泌がんを治療する方法であって、有効量の実施形態26に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法。
【0279】
実施形態28.キメラ抗原受容体(CAR)が神経内分泌がん性細胞に結合する、実施形態27に記載の方法。
【0280】
実施形態29.細胞がTリンパ球である、実施形態27~28のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
実施形態30.Tリンパ球が、CD4+Tリンパ球又はCD8+Tリンパ球である、実施形態29に記載の方法。
【0282】
実施形態31.細胞がナチュラルキラー細胞である、実施形態27~30のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
実施形態32.ナチュラルキラー細胞が対象に対して自家である、実施形態31に記載の方法。
【0284】
実施形態33.ナチュラルキラー細胞が対象に対して異種である、実施形態31に記載の方法。
【0285】
実施形態34.ナチュラルキラー細胞が対象に対して同種異系である、実施形態31に記載の方法。
【0286】
実施形態35.神経内分泌がんが、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、皮膚の神経内分泌がん、小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がん、神経内分泌前立腺がん(NEPC)、又は転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、実施形態27~34のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
実施形態36.神経内分泌がんが転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、実施形態27~35のいずれか1つに記載の方法。
【0288】
実施形態37.神経内分泌がん性細胞がROR-1を発現する、実施形態27~36のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
実施形態38.対象がアンドロゲン遮断療法に応答しなかった、実施形態27~37のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
実施形態39.神経内分泌がんが骨に転移している、実施形態27~38のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
実施形態40.シルムツズマブを対象に投与することを更に含む、実施形態27~39のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
実施形態41.シルムツズマブと細胞を別々に投与する、実施形態40に記載の方法。
【0293】
実施形態42.シルムツズマブと細胞を一緒に投与する、実施形態40に記載の方法。
【0294】
実施形態43.対象に白金ベースの化学療法を投与することを更に含む、実施形態27~42のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
実施形態44.白金ベースの化学療法が、カルボプラチン、シスプラチン、エトポシド、タキサン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態43に記載の方法。
【0296】
実施形態45.実施形態26に記載の医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む、神経内分泌がんを有する対象における転移を予防又は治療する方法。
【0297】
実施形態46.キメラ抗原受容体(CAR)が神経内分泌がん性細胞に結合する、実施形態45に記載の方法。
【0298】
実施形態47.細胞がTリンパ球である、実施形態45~46のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
実施形態48.Tリンパ球が、CD4+Tリンパ球又はCD8+Tリンパ球である、実施形態47に記載の方法。
【0300】
実施形態49.細胞がナチュラルキラー細胞である、実施形態45~48のいずれか1つに記載の方法。
【0301】
実施形態50.ナチュラルキラー細胞が対象に対して自家である、実施形態49に記載の方法。
【0302】
実施形態51.ナチュラルキラー細胞が対象に対して異種である、実施形態49に記載の方法。
【0303】
実施形態52.ナチュラルキラー細胞が対象に対して同種異系である、実施形態49に記載の方法。
【0304】
実施形態53.神経内分泌がんが、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、皮膚の神経内分泌がん、小細胞肺がん、大細胞神経内分泌がん、神経内分泌前立腺がん(NEPC)、又は転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、実施形態45~52のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
実施形態54.神経内分泌がんが転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、実施形態45~53のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
実施形態55.神経内分泌がん性細胞がROR-1を発現する、実施形態45~54のいずれか1つに記載の方法。
【0307】
実施形態56.対象がアンドロゲン遮断療法に応答しなかった、実施形態45~55のいずれか1つに記載の方法。
【0308】
実施形態57.神経内分泌がんが骨に転移している、実施形態45~56のいずれか1つに記載の方法。
【0309】
実施形態58.シルムツズマブを対象に投与することを更に含む、実施形態45~57のいずれか1つに記載の方法。
【0310】
実施形態59.シルムツズマブと細胞を別々に投与する、実施形態58に記載の方法。
【0311】
実施形態60.シルムツズマブと細胞を一緒に投与する、実施形態58に記載の方法。
【0312】
実施形態61.対象に白金ベースの化学療法を投与することを更に含む、実施形態45~60のいずれか1つに記載の方法。
【0313】
実施形態62.白金ベースの化学療法が、カルボプラチン、シスプラチン、エトポシド、タキサン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態61に記載の方法。
【0314】
実施形態63.白金ベースの化学療法が抗体-薬物コンジュゲートを投与することを含む、実施形態43及び61のいずれか1つに記載の方法。
【0315】
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【0316】
非公式の配列表
UC961 VL:
DIVMTQTPLSLPVTPGEPASISCRASKSISKYLAWYQQKPGQAPRLLIYSGSTLQSGIPPRFSGSGYGTDFTLTINNIESEDAAYYFCQQHDESPYTFGEGTKVEIK(配列番号21)
【0317】
リンカー#3:
GGGGSGSTSGSGKPGSGEGSTKGGGGGS(配列番号24)
【0318】
UC961 VH:
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGYAFTAYNIHWVRQAPGQGLEWMGSFDPYDGGSSYNQKFKDRLTISKDTSKNQVVLTMTNMDPVDTATYYCARGWYYFDYWGHGTLVTVSS(配列番号27)
【0319】
スペーサー#3(又は「ヒンジ/ショート」):
VDESKYGPPCPPCP(配列番号29)
【0320】
スペーサーCH3:
VDESKYGPPCPPCPLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号41)
【0321】
スペーサーCH2CH3(又は「長/フル」):
VDESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号42)
【0322】
UC961 CDR L1:
KSISKY(配列番号43)
【0323】
UC961 CDR L2:
SGS(配列番号44)
【0324】
UC961 CDR L3:
QQHDESPY(配列番号45)
【0325】
UC961 CDR H1:
GYAFTAYN(配列番号46)
【0326】
UC961 CDR H2:
FDPYDGGS(配列番号47)
【0327】
UC961 CDR H3:
GWYYFDY(配列番号48)
【0328】
4A5 CDR L1:
PDINSY(配列番号49)
【0329】
4A5 CDR L2:
RAN(配列番号50)
【0330】
4A5 CDR L3:
LQYDEFPYT(配列番号51)
【0331】
4A5 CDR H1:
GFTFSSYA(配列番号52)
【0332】
4A5 CDR H2:
ISRGGTT(配列番号53)
【0333】
4A5 CDR H3:
YDYDGYYAMDY(配列番号54)
【0334】
完全長のヒトROR-1タンパク質(配列番号55):
MHRPRRRGTRPPLLALLAALLLAARGAAAQETELSVSAELVPTSSWNISSELNKDSYLTLDEPMNNITTSLGQTAELHCKVSGNPPPTIRWFKNDAPVVQEPRRLSFRSTIYGSRLRIRNLDTTDTGYFQCVATNGKEVVSSTGVLFVKFGPPPTASPGYSDEYEEDGFCQPYRGIACARFIGNRTVYMESLHMQGEIENQITAAFTMIGTSSHLSDKCSQFAIPSLCHYAFPYCDETSSVPKPRDLCRDECEILENVLCQTEYIFARSNPMILMRLKLPNCEDLPQPESPEAANCIRIGIPMADPINKNHKCYNSTGVDYRGTVSVTKSGRQCQPWNSQYPHTHTFTALRFPELNGGHSYCRNPGNQKEAPWCFTLDENFKSDLCDIPACDSKDSKEKNKMEILYILVPSVAIPLAIALLFFFICVCRNNQKSSSAPVQRQPKHVRGQNVEMSMLNAYKPKSKAKELPLSAVRFMEELGECAFGKIYKGHLYLPGMDHAQLVAIKTLKDYNNPQQWMEFQQEASLMAELHHPNIVCLLGAVTQEQPVCMLFEYINQGDLHEFLIMRSPHSDVGCSSDEDGTVKSSLDHGDFLHIAIQIAAGMEYLSSHFFVHKDLAARNILIGEQLHVKISDLGLSREIYSADYYRVQSKSLLPIRWMPPEAIMYGKFSSDSDIWSFGVVLWEIFSFGLQPYYGFSNQEVIEMVRKRQLLPCSEDCPPRMYSLMTECWNEIPSRRPRFKDIHVRLRSWEGLSSHTSSTTPSGGNATTQTTSLSASPVSNLSNPRYPNYMFPSQGITPQGQIAGFIGPPIPQNQRFIPINGYPIPPGYAAFPAAHYQPTGPPRVIQHCPPPKSRSPSSASGSTSTGHVTSLPSSGSNQEANIPLLPHMSIPNHPGGMGITVFGNKSQKPYKIDSKQASLLGDANIHGHTESMISAEL
【0335】
138位のグルタミン酸を含むヒトROR-1の21アミノ酸ストレッチ(配列番号56):VATNGKEVVSSTGVLFVKFGP
【0336】
138位のグルタミン酸を含むヒトROR-1の15アミノ酸ストレッチ(配列番号57):EVVSSTGVLFVKFGP
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図6
図7A
図7B
図7C-1】
図7C-2】
図8
図9-1】
図9-2】
図10A
図10B
図11
図12
図13
【配列表】
2024505093000001.app
【国際調査報告】