(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】管腔液制御および内視鏡結合アダプタ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/01 20060101AFI20240129BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20240129BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
A61B1/01 511
A61B1/01 513
A61B1/12 521
A61B1/00 650
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023519153
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 IL2021051148
(87)【国際公開番号】W WO2022064489
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523106470
【氏名又は名称】オー・ティー・テック・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リキテンスタイン,ヨアブ
(72)【発明者】
【氏名】ハヌカ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】シャビト,タミル・タル
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA04
4C161CC06
4C161DD03
4C161GG22
4C161GG25
4C161HH02
4C161HH04
4C161HH05
4C161JJ13
(57)【要約】
管腔入口を通って患者の管腔までの挿入のための管腔液流通および内視鏡結合アダプタは、近位外部身体リクライナと、リクライナに結合された突出マズルであって、管腔入口を通って管腔の近位部分へ穿通する突出マズルと、マズルの遠位端に配置され、アダプタを固定するために管腔における展開状態をとるように構成される折畳式クラッチと、アダプタを通した内視鏡の挿入および後退を可能にする、長手方向に延在する内視鏡ボアと、管腔液流通装置であって、内視鏡ボアと流体連通し、長手方向に延在する導管と、導管と流体連通し、流体を管腔から放出するための流体吸引ポートと、管腔液の外部への漏洩を防止するための近位封止材と、突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するための管腔封止材とを備える管腔液流通装置と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔液流通および内視鏡結合アダプタであって、アダプタは、管腔入口を通って患者の管腔の近位部分までの挿入のために、患者の体外の前記アダプタの近位端から管腔の内部に配置された前記アダプタの遠位端への内視鏡の挿入を可能にするものであり、アダプタは、
a)近位外部身体リクライナであって、管腔へのリクライナの挿入を妨げるようなサイズを有する、近位外部身体リクライナと、
b)前記身体リクライナに結合された中間突出マズルであって、前記管腔入口を通る管腔の前記近位部分への前記マズルの穿通を可能にするようなサイズを有する、中間突出マズルと、
c)前記突出マズルの遠位端に配置された遠位折畳式管腔内クラッチであって、管腔の前記管腔入口および近位部分を通した挿入および後退を可能にする折り返された狭状態をとり、前記アダプタを固定するために、前記近位部分の遠位での管腔における展開状態をとるように構成される、遠位折畳式管腔内クラッチと、
d)内視鏡ボアであって、前記マズルを通って前記アダプタに沿って先行された長手方向に延在して、前記ボアを通した管腔への内視鏡の挿入および後退を可能にする内視鏡ボアと、
e)管腔液流通装置であって、
i.前記マズルを通って前記アダプタに沿って穿孔され、前記内視鏡ボアと流体連通した、長手方向に延在する周囲導管と、
ii.前記周囲導管と流体連通し、管腔から前記周囲導管に入る管腔液を放出するための流体吸引ポートと、
iii.前記管腔液の外部への漏洩を防止するための近位封止材であって、前記アダプタに近接して配置され、前記内視鏡ボアへの挿入時に、前記周囲導管と、前記内視鏡周囲とを封止するように構成される、近位封止材と、
iv.前記突出マズルが管腔内に挿入されたときの前記突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するための管腔封止材と、
を具備する管腔液流通装置と、
を備える、アダプタ。
【請求項2】
前記折畳式管腔内クラッチは、前記クラッチに固定された膨張式バルーンを備え、前記バルーンの膨張は、前記クラッチを展開させて前記展開状態とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記管腔封止材は、膨張式円環バルーンを備え、前記円環バルーンは、前記アダプタが管腔内に挿入されたときに、前記突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために膨張させると動作する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記折畳式管腔内クラッチは、前記管腔封止材を具備するフラップ周囲フランジを備え、前記フランジは、前記アダプタが管腔内に挿入されたときに、前記マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために前記展開状態時に動作する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記アダプタは、少なくとも2つの締結シェルに分割可能であり、前記締結シェルを締結して閉鎖状態として前記内視鏡の挿入および後退を容易にする前に、前記内視鏡を横置きすることを可能にすることによって、前記内視鏡ボアおよび前記近位封止材を分割して、前記内視鏡ボアおよび前記近位封止材における前記内視鏡の配置を容易にするための開放状態とすることができる、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記折畳式管腔内クラッチは、前記クラッチに固定された膨張式三日月形バルーンであって、前記三日月形バルーンの膨張が前記クラッチを展開させて前記展開状態とする膨張式三日月形バルーンと、一周して重なり前記三日月形バルーンに固定される湾曲において前記マズルの遠位端を囲むフラップ周囲フランジであって、前記三日月形バルーンの膨張が、前記周囲フランジを展開させて展開状態とするフラップ周囲フランジと、を備え、前記周囲フランジの重なりが、前記三日月形バルーンを密に閉じて完全な輪の形状とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記管腔封止材は、三日月形の膨張式バルーンを備え、三日月形バルーンは、管腔内に挿入されたときに、前記マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために膨張させると動作する、請求項6に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記折畳式クラッチは、膨張管に接続された膨張式バルーンを備え、膨張管の先端が、前記膨張式バルーンの膨張および収縮の外部制御を可能にするために、前記突出マズルの挿入後に管腔の外部に残る、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項9】
遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを備え、前記ロッドは、前記近位封止材を経て前記周囲導管を通って封止するように挿入され、前記ロッドは、前記アダプタを通って長手方向に延び、糞便の残滓の物理的な分解および粉砕、ならびに閉塞物の除去のために前記ロッドを挿入および後退可能とするように動作する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項10】
前記洗浄ロッドは、前記中空アームにおいて長手方向の管の挿入および後退を可能とするために、前記洗浄ロッドの長さに沿って延びる少なくとも1つの中空アームを備える、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項11】
前記内視鏡ボアは前記吸引ポートと流体連通し、前記内視鏡ボアは、管腔液の渦流れを促進するように構成される螺旋状の溝を備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項12】
前記外部身体リクライナは、
弾性部材に接続されたクッションと、
スナップ歯止めに関して移動可能な歯付バーを特徴とするラチェットに接続されたクッションと、
外部膨張式バルーンと、
前記クラッチに固定された引張ストラップであって、前記クラッチが管腔に関連して該クラッチの長手方向位置の調節を可能とするように前記マズルの長さに沿って移動可能とする引張ストラップと、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項13】
管腔からの流体の排出のために前記吸引ポートと流体連通した管腔液吸引ユニットと、灌注液を管腔内に流すために管腔と流体連通した灌注部とをさらに備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記管腔液吸引ユニットおよび前記灌注部の動作を制御するための外部流体制御部をさらに備え、前記外部流体制御部は、前記吸引ポートにおける流量、真空レベルを測定し、および/または患者の管腔内部の洗浄液量を推定するための測定センサを備える、請求項13に記載のアダプタ。
【請求項15】
前記管腔液吸引ユニットは、排出された管腔液を回収するための排水キャニスターを備え、
前記灌注部は灌注キャニスターを備え、灌注液は灌注キャニスターから管腔内部まで流され、
前記測定センサは、前記排水キャニスターおよび/または前記灌注キャニスター内部の流体量を測定するための計量器を備え、患者の管腔内部の洗浄液量を推定可能にする、請求項14に記載のアダプタ。
【請求項16】
前記管腔液吸引ユニットおよび前記灌注部は、共通のモータによって駆動され、かつデュアルヘッドポンプの共通軸上に搭載され、前記管腔液吸引ユニットおよび前記灌注部の同期動作を可能にする、請求項15に記載のアダプタ。
【請求項17】
前記管腔液吸引ユニットは、前記管腔吸引部を前記管腔と連通させる排出管と流体連通した気管をさらに備え、前記測定センサは、前記排出管における圧力レベルを測定するように構成される圧力センサを備え、
前記排出管における圧力レベルが事前に定義された閾値未満まで降下すると、前記制御部は、前記管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく前記排出管における空気圧を上昇させるために、前記気管を介して空気を前記排出管内まで流すための気流手段を制御する、請求項16に記載のアダプタ。
【請求項18】
ストラップ、引張ワイヤ、および/またはテープを使用して患者の身体に外部から取り付けられる、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項19】
内視鏡を封止するように収容するために、前記内視鏡ボアの近位端に設置されるように構成される縮小グロメットをさらに備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項20】
管腔液流通および内視鏡結合のための方法であって、
a)アダプタ内に内視鏡を配置する工程であって、前記アダプタは、前記アダプタを貫通して開けられた長手方向に延在する内視鏡ボアと、前記ボアに挿入された内視鏡を囲むように構成され、前記アダプタの近位端からの流体漏洩の遮断を実現する近位封止材とを備える、工程と、
b)患者の管腔の近位部分内に前記アダプタの遠位端を挿入する工程であって、前記アダプタは、遠位管腔内折畳式クラッチと、中間突出マズルと、近位外部身体リクライナとを備え、前記外部身体リクライナが患者の身体に接続するまで前記アダプタの挿入を継続し、遠位管腔封止材は、前記マズルの遠位端と前記管腔との間の間隙からの漏洩を遮断するように動作する、挿入する工程と、
c)管腔の前記近位部分内で前記遠位折畳式クラッチを展開させて、前記アダプタを患者の身体に固定するために管腔に対して押し付ける展開構成にする工程と、
d)前記マズルを通って前記アダプタに沿って穿孔された長手方向に延在する周囲導管を通して管腔液を排出し、管腔液を前記周囲導管と流体連通している流体吸引ポートを通って放出することを可能にする工程であって、前記近位封止材は、前記アダプタの近位端からの漏洩から流体を遮断する、工程と、
を備える方法。
【請求項21】
前記固定は、前記クラッチに固定された遠位膨張式バルーンを膨張させることを備え、前記バルーンの前記膨張は、前記折畳式管腔内クラッチを展開させて前記展開状態とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記管腔封止は、遠位膨張式円環バルーンの膨張を備え、前記円環バルーンは、前記アダプタが管腔内に挿入されたときに、前記突出マズルと前記管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために膨張させると動作する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記管腔封止は、前記管腔封止材として動作する遠位フラップ周囲フランジを展開することを備え、前記フランジは、前記アダプタが管腔内に挿入されたときに、前記マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために前記展開状態時に動作する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記固定は、前記バルーンと流体連通している膨張管を通って前記クラッチと接続された内部バルーンを膨張させることを備え、膨張管の先端は、前記バルーンの膨張および収縮のための外部アクセスを可能にするために、前記挿入後も管腔の外部に残る、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
管腔の前記排出は、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを使用した糞便の残滓および他の閉塞物の物理的分解および粉砕を備え、前記ロッドは、前記近位封止材および前記周囲導管を通って封止するように挿入され、前記粉砕は、前記ロッドの挿入および後退を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
管腔の前記排出は、(1)前記灌注ノズルが管腔内に挿入されると、少なくとも1つの中空アームを通って延びる灌注ノズルから洗浄液を噴出させることであって、前記中空アームが、前記洗浄ロッドの長さに沿って延びることと、(2)前記少なくとも1つの中空アームを通って管腔内に挿入されたカメラを使用して前記粉砕および管腔の前記排出を監視することと、のうちの少なくとも1つを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
弾性部材に接続された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛からせることと、
スナップ歯止めに関して移動可能な歯付バーを特徴とするラチェットに接続された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛からせることと、
調整膨張度を有する近位外部膨張式バルーンを患者の身体に寄り掛からせることと、および/または
前記クラッチに固定された引張ストラップを用いて前記マズルに沿って前記クラッチを引っ張ることであって、前記クラッチは前記マズルの長さに沿って移動可能であることと、
のうちの少なくとも1つによって、管腔の近位部分に適合するように前記アダプタの長手方向の寸法を調整することをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
管腔の前記排出は、前記吸引ポートを通して管腔液を能動的に吸引することと、灌注液で管腔を洗浄することと、外部流体制御部によって前記吸引することおよび前記洗浄することを制御することと、を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記吸引ポートにおける流量および/もしくは真空レベルを測定、計算、および/もしくは制御すること、ならびに/または、
患者の管腔内部の洗浄液量を推定すること、
のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記吸引は、前記圧力レベルが事前に定義された閾値未満に降下すると、圧力が前記事前に定義された閾値より高く上昇されるまで、前記排出管における圧力レベルを測定し、空気を前記排出管内へ流すことによって、前記管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく、管腔液吸引ユニットを管腔と連通させる排出管内の圧力を、前記事前に定義された閾値を上回る高圧力まで上昇させることを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記アダプタの前記固定は、ストラップ、引張ワイヤ、および/またはテープを使用して、患者の身体に前記アダプタを外から取り付けることをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、患者の管腔内における物体の挿入および流体の管理に関し、特に、医療器具を挿入し、結腸内の流体を管理するための方法およびアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
体腔の直接検査、具体的にはフレキシブル内視鏡を用いた腸管の直接検査によってもたらされる診断上および治療上の利点によって、この方法は現代医療の標準的処置としてきた。最も一般的な内視鏡的処置のうちの1つは結腸内視術であり、結腸内視術は、癌の診断、胃腸出血源の確定、炎症性腸疾患の影響を受けた部位の視覚的確認、ポリープ切除、腸捻転および腸重積症の低減などを含む、多種多様な目的のために実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この処置においては、内視鏡は、約1.2~1.5メートル延びる結腸の全長にわたって挿入および操作され、最適な操作性、安定性、さらに内視鏡カメラの視界が遮られないことが最も重要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、管腔液流通および内視鏡結合アダプタが提供され、アダプタは、管腔入口を通って患者の管腔の近位部分までの挿入のための、患者の体外のアダプタの近位端から管腔の内部に配置されたアダプタの遠位端への内視鏡の挿入を可能にする。アダプタは、近位外部身体リクライナであって、管腔へのリクライナの挿入を妨げるようなサイズを有するリクライナと、身体リクライナに結合された中間突出マズルであって、管腔入口を通る管腔の近位部分へのマズルの穿通を可能にするようなサイズを有するマズルと、遠位折畳式管腔内クラッチであって、突出マズルの遠位端に配置され、管腔の管腔入口および近位部分を通して挿入および後退を可能にする折り返された狭状態をとり、アダプタを固定するために、近位部分の遠位での管腔における展開状態をとるように構成される折畳式管腔内クラッチと、マズルを通してアダプタに沿って開けられた長手方向に延在する内視鏡ボアであって、ボアを通った管腔への内視鏡の挿入および後退を可能にする内視鏡ボアと、管腔液流通装置であって、マズルを通ってアダプタに沿って開けられ、内視鏡ボアと流体連通した、長手方向に延在する周囲導管と、周囲導管と流体連通し、管腔から周囲導管に入る管腔液を放出するための流体吸引ポートと、管腔液の外部への漏洩を防止するための近位封止材であって、アダプタに近接して配置され、周囲導管と、内視鏡ボアへの挿入時に内視鏡周囲とを封止するように構成される近位封止材と、突出マズルが管腔内に挿入されたときの突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するための管腔封止材と、を備える管腔液流通装置と、を含む。折畳式管腔内クラッチは、クラッチに固定された膨張式バルーンを含んでもよく、バルーンの膨張は、クラッチを展開させて展開状態とする。管腔封止材は、膨張式円環バルーンを含んでもよく、円環バルーンは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために膨張させると作動する。折畳式管腔内クラッチは、管腔封止材を含むフラップ周囲フランジを含んでもよく、フランジは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために展開状態時に作動する。アダプタは、少なくとも2つの締結シェルに分割されてもよく、締結シェルを締め付けて閉状態として内視鏡の挿入および後退を容易にする前に、内視鏡を横置きすることを可能にすることによって、内視鏡ボアおよび近位封止材を分割して、内視鏡ボアおよび近位封止材における内視鏡の配置を容易にするための開状態とすることができる。折畳式管腔内クラッチは、クラッチに固定された膨張式三日月形バルーンを含んでもよく、三日月形バルーンの膨張はクラッチを展開させて展開状態とし、また、フラップ周囲フランジをさらに含んでもよく、フラップ周囲フランジは、一周して重なって三日月形バルーンに固定される湾曲においてマズルの遠位端を囲み、三日月形バルーンの膨張が周囲フランジを展開させて展開状態とし、周囲フランジの重なりは、三日月形バルーンを密に閉じて完全な輪の形状とする。管腔封止材は、三日月形の膨張式バルーンを含んでもよく、三日月形バルーンは、管腔内に挿入されたときに、マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために膨張させると作動する。折畳式クラッチは膨張管に接続された膨張式バルーンを含んでもよく、膨張管の先端は、膨張式バルーンの膨張および収縮の外部制御を可能にするために、突出マズルの挿入後に管腔の外部に残る。アダプタは、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを含んでもよく、ロッドは近位封止材を通り、周囲導管を通って封止するように挿入され、ロッドは、アダプタを通って長手方向に延び、糞便の残滓の物理的な分解および粉砕、ならびに閉塞物の除去のためにロッドを挿入および後退可能とするように動作する。洗浄ロッドは、中空アームにおいて長手方向の管の挿入および後退を可能とするために、洗浄ロッドの長さに沿って延びる少なくとも1つの中空アームを含んでもよい。内視鏡ボアは吸引ポートと流体連通しており、管腔液の渦流れを促進するように作用する螺旋状の切り欠きを含んでもよい。外部身体リクライナは、弾性部材に接続されたクッションと、スナップ歯止めに対して移動可能な歯付バー機構を有するラチェットに接続されたクッションと、外部膨張式バルーンと、クラッチに固定された引張ストラップであって、クラッチがマズルの長さに沿って移動可能である引張ストラップと、のうちの少なくとも1つを含んでもよく、これらは管腔に関連してクラッチの長手方向位置の調節を可能とするためのものである。アダプタは、管腔からの流体の排出のために吸引ポートと流体連通した管腔液吸引ユニットと、灌注液を管腔内に流すために管腔と流体連通した灌注部とを含んでもよい。アダプタは、管腔液吸引ユニットおよび灌注部の動作を制御するための外部流体制御部をさらに含んでもよく、外部流体制御部は、吸引ポートにおける流量、真空レベルを測定し、および/または患者の管腔内部の洗浄液量を推定するための測定センサを含む。管腔液吸引ユニットは、排出された管腔液を回収するための排水キャニスターを含んでもよく、灌注部は、灌注キャニスターを含んでもよく、灌注液は、灌注キャニスターから管腔内部まで流され、測定センサは、排水キャニスターおよび/または灌注キャニスター内部の流体量を測定するための計量器を含んでもよく、患者の管腔内部に残る洗浄液量を推定可能にする。管腔液吸引ユニットおよび灌注部は、共通のモータによって電源供給され、デュアルヘッドポンプの共通軸上に取り付けられてもよく、管腔液吸引ユニットおよび灌注部の同期動作を可能にする。管腔液吸引ユニットは、管腔吸引部を管腔と連通させる排出管と流体連通した気管をさらに含んでもよく、測定センサは、排出管における圧力レベルを測定するように構成される圧力センサを含んでもよく、排出管における圧力レベルが事前に定義された閾値未満まで降下すると、制御部は、管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく排出管における空気圧を上昇させるために、気管を介して空気を排出管内まで流すための気流手段を制御してもよい。アダプタは、ストラップ、引張りワイヤ、および/またはテープを使用して患者の身体に外部から取り付けられてもよい。アダプタは、内視鏡を封止するように収容するために内視鏡ボアの近位端に設置されるように動作する縮小グロメットをさらに含んでもよい。
【0005】
本発明の別の態様によれば、管腔液流通および内視鏡結合のための方法であって、アダプタ内に内視鏡を配置する工程であって、アダプタは、アダプタを貫通して開けられた長手方向に延在する内視鏡ボアと、ボアに挿入された内視鏡を囲むように構成され、アダプタの近位端からの流体漏洩の遮断を実現する近位封止材とを含む工程と、患者の管腔の近位部分内にアダプタの遠位端を挿入する工程であって、アダプタは、遠位管腔内折畳式クラッチと、中間突出マズルと、近位外部身体リクライナとを備え、外部身体リクライナは患者の身体と接続するまでアダプタの挿入を継続し、遠位管腔封止材は、マズルの遠位端と管腔との間の間隙からの漏洩を遮断するように動作する工程と、管腔の近位部分内で遠位折畳式クラッチを展開させて、アダプタを患者の身体に固定固定するために管腔に対して押し付ける展開構成にする工程と、マズルを通ってアダプタに沿って開けられた長手方向に延在する周囲導管を通って管腔液を排出し、周囲導管と流体連通している流体吸引ポートを通って放出することを可能にする工程であって、近位封止材はアダプタの近位端からの漏洩から流体を遮断する工程と、を含む、方法が提供される。固定固定は、クラッチに固定された遠位膨張式バルーンを膨張させることを含んでもよく、バルーンの膨張は、折畳式管腔内クラッチを展開させて展開状態とする。管腔封止は、遠位膨張式円環バルーンの膨張を含んでもよく、円環バルーンは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために膨張させると作用する。管腔封止は、管腔封止材として作用する遠位フラップ周囲フランジの展開を含んでもよく、フランジは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために展開状態時に作用する。固定は、バルーンと流体連通している膨張管を通ってクラッチと接続された内部バルーンを膨張させることを含んでもよく、膨張管の先端は、膨張式バルーンの膨張および収縮のための外部アクセスを可能にするために、挿入後に管腔の外部に残る。排腔は、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを使用した糞便の残滓および他の閉塞物の物理的分解および粉砕を含んでもよく、ロッドは近位封止材および周囲導管を通って封止するように挿入され、粉砕は、ロッドの挿入および後退を含む。排腔は、(1)灌注ノズルが管腔内に挿入されると、少なくとも1つの中空アームを通って延びる灌注ノズルから洗浄液を噴出することであって、中空アームは洗浄ロッドの長さに沿って延びることと、(2)少なくとも1つの中空アームを通って管腔内に挿入されたカメラを使用して粉砕および排腔を監視することと、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。方法は、弾性部材に接続された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることと、スナップ歯止めに関して移動可能な歯付バーを特徴とするラチェットに接続された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることと、調整膨張度を有する近位外部膨張式バルーンを患者の身体に寄り掛らせることと、および/またはマズルの長さに沿って移動可能なクラッチに固定された引張ストラップを用いてマズルに沿ってクラッチを引っ張ることと、のうちの少なくとも1つによって、管腔の近位部分に適合するようにアダプタの長手方向の寸法を調整することをさらに含んでもよい。排腔は、前記吸引ポートを通して管腔液を能動的に吸引することと、灌注液で管腔を灌注することと、外部流体制御部によって吸引および灌注を制御することと、を含んでもよい。前記方法は、吸引ポートにおける流量および/もしくは真空レベルを測定、計算、および/もしくは制御することと、ならびに/または患者の管腔内部の洗浄液量を推定することをさらに含んでもよい。吸引は、圧力レベルが事前に定義された閾値未満に降下すると、圧力が事前に定義された閾値より高く上昇されるまで、排出管における圧力レベルを測定し、空気を排出管内へ流すことによって、管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく、管腔液吸引ユニットを管腔と連通させる排出管内の圧力を、事前に定義された閾値を上回る高圧力まで上昇させることを含んでもよい。アダプタ内への内視鏡の配置は、内視鏡を封止するように収容するために内視鏡ボアの近位端に縮小グロメットを設置することをさらに含んでもよい。
【0006】
本発明は、図面と併せて以下の詳細な説明からより十分に理解および認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略側面図である。
【
図2】水平方向に90°回転したときに見られる、
図1のアダプタの概略図である。
【
図3】
図2に示す線A-Aに沿った、
図1のアダプタの概略的な断面図である。
【
図4】
図1のアダプタを上方から見た概略図である。
【
図5】
図1のアダプタを下方から見た概略図である。
【
図6】患者の身体に固定したときに見られる、
図1のアダプタの概略図である。
【
図7A】
図1のアダプタ上に内視鏡を横から配置する連続的段階を示す図である。
図1のアダプタの開/分割構成の初期段階に見られる概略図である。
【
図7B】
図7Aのアダプタの開/分割構成にあるときのアダプタに内視鏡を横から配置する中間段階に見られる概略図である。
【
図7C】
図7Bのアダプタが内視鏡を中心として締め付けられている動作段階に見られる概略図である。
【
図8A】留め具を用いた内視鏡を中心とした分割可能アダプタの締め付けを示す図である。本発明によって構築され、作用する、開構成における留具を特徴とする、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略図である。
【
図8B】閉構成における留具を有する、
図8Aのアダプタの概略図である。
【
図9A】様々な直径の内視鏡を収容するために内視鏡ボアの近位端を狭める、または封止するための手段を示す図である。本発明によって構築され、作用する、縮小グロメットを特徴とし内視鏡と結合された、近位側が上方に示される、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略図である。
【
図9B】内視鏡なしで示される、
図9Aのアダプタの概略図である。
【
図9C】本発明によって構築され、作用する、分割可能縮小グロメットの一実施形態の概略図である。
【
図9D】縮小グロメットおよび封止プラグを特徴とする、近位側を上方に示した、
図9Aのアダプタの概略図である。
【
図10A】
図7Cに示すように内視鏡と結合されたアダプタの管腔入口を通る挿入と固定固定との連続的段階を示す図であり、アダプタの身体リクライナおよびクラッチの動作を説明する図である。管腔入口と隣り合って配置された、初期段階におけるアダプタの概略図である。
【
図10B】リクライナ身体リクライナによる抵抗が生じるまでの、管腔の近位部分内へのその遠位突出マズルの挿入の中間段階(クラッチは折り畳まれた状態)において示されるアダプタの概略図である。
【
図10C】リクライナその隣り合った三日月形バルーンの膨張による遠位クラッチの展開の最終段階にあり、それによってアダプタを固定し、管腔とアダプタとの間の間隙を封止するものとして示されるアダプタの概略図である。
【
図11A】
図1のアダプタの周囲フラップフランジの異なる態様を示す図である。分割-開構成で示されたフランジの概略図である。
【
図11B】マズルの遠位端の周囲でアダプタに配置され、膨張式三日月形バルーンに固定されたフランジの上方からの概略図である。
【
図11C】マズルの遠位端の周囲でアダプタに配置され、膨張式三日月形バルーンに固定されたフランジの側方からの概略図である。
【
図12A】リブ付バルーンを示す図である。本発明によって構築され、作用する、リブ付バルーンの概略断面図である。
【
図13A】
図1の洗浄ロッドの動作の段階を示す図である。遠位に延出された位置の洗浄ロッドとともに示された、上側の角度からのアダプタの概略図である。
【
図13B】近位に後退した位置の洗浄ロッドとともに示された、上側の角度からのアダプタの概略図である。
【
図14A】撮像管および灌注ノズルを特徴とする洗浄ロッドを示す図である。本発明によって構築され、作用する、撮像管と結合された洗浄ロッドと灌注ノズルとを特徴とする、近位側が上方に示される、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略図である。
【
図14B】上方から示される、
図14Aのアダプタおよび洗浄ロッドの概略図である。
【
図14C】内視鏡と結合される、
図14Aのアダプタおよび洗浄ロッドの概略図である。
【
図15A】流体流通装置の構成要素を表示する
図1のアダプタの断面図である。アダプタの概略図である。
【
図16A】本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の身体リクライナの代替の固定機構を示す図である。身体リクライナが、ラチェットに固定されたクッションを含む場合の、アダプタの概略図である。
【
図16B】リクライナ身体リクライナが膨張式三日月形バルーンを含む場合の、アダプタの概略図である。
【
図16C】リクライナクラッチに固定された引張ストラップが、アダプタの長手方向位置を調節および固定する役割を果たす場合の、アダプタの概略図である。
【
図16D】リクライナ身体リクライナが、ラチェットに接続された弾性部材に固定されたクッションを含む場合の、アダプタの概略図である。
【
図17】本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態と外部流体管理システムとの概略断面図である。
【
図18A】本発明によって構築され。作用する、外部流体管理システムのポンプおよびデュアル計量器を有する平衡外部流体制御部の概略図である。
【
図18B】本発明によって構築され、作用する、平衡外部流体制御部を含む、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態と外部の流体管理システムとの概略断面図である。
【
図19】膨張式円環バルーンを有する遠位クラッチを特徴とする、本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略側面図である。
【
図20A】患者の管腔に挿入され、患者の身体に取り付けられたストラップ、テープ、およびワイヤを使用して固定されるものとして示される、本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態を示す図である。ストラップ、ワイヤ、およびテープを使用して患者の身体に取り付けられるアダプタの概略側面図である。
【
図20B】テープを用いて患者の臀部に取り付けられるアダプタの概略側面図である。
【
図21】本発明の一実施形態により作用する、内視鏡結合および流体流通のための方法のブロック図である。
【
図22】
図21の方法のステップ602および608のサブルーチンまたはサブ工程のブロック図である。
【
図23】
図21の方法のステップ606および610のサブルーチンまたはサブ工程のブロック図である。
【
図24】
図21の方法のステップ602および604のサブ工程のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、患者の肛門上に固定するために作用する、固定要素と、内視鏡ボアと、流体流通装置とを備えるアダプタが提供される。アダプタは、近位外部身体リクライナと、管腔に穿通するために動作する中間突出マズルと、遠位管腔内折畳式クラッチと、アダプタの長さに沿って開けられた内視鏡ボアとを備える。管腔入口を通るアダプタの挿入と、折畳式クラッチを展開することによる管腔内でのアダプタの定置とに続いて、さらに内視鏡ボア内への内視鏡の挿入後に、初期のアダプタ固定に先立って、またはそれに続いて、洗浄液が内視鏡を通って患者の管腔内に導入される。「内視鏡」という用語と、そのあらゆる変形とは、本明細書で使用される場合、管腔内に挿入されることに適した任意の種類のプローブまたは細長い器具を指す。アダプタの流体流通装置は、アダプタの長さに沿って開けられ、内視鏡ボアに隣接して流体連通している周囲導管と、周囲導管および内視鏡ボアと流体連通している流体吸引ポートと、アダプタの近位出口と管腔とアダプタとの間の間隙とをそれぞれ封止する近位封止材および管腔封止材とを含む。内視鏡を介して管腔内に流体を遠位で流した後、流体流通装置は、流された流体の還流を、主に周囲導管内に導き、部分的に内視鏡と内視鏡が配置される内視鏡ボアとの間の間隙を通して導き、吸引ポートから排出して、流体を廃棄して、望ましくない漏洩を防止する。
【0009】
管腔液流通および内視鏡結合アダプタは、患者の身体に外部から接続する近位身体リクライナと、中間突出マズルと、遠位折畳式内部クラッチ(クラッチの文脈における「管腔内」および「内部」という語は入替可能に使用され、同じ意味を持つ)とを含む。長手方向に延在する内視鏡ボアがアダプタの長さにわたって存在し、そこを通して内視鏡が管腔内に挿入され、そこから後退させられてもよい。アダプタは、さらに、流体流通装置を含む。この装置は、長手方向に延在して管腔液を管腔から排出可能にする周囲導管と、アダプタの内容積を封止しながら内視鏡が封止を妥協せずに通過できるようにする近位封止材と、管腔と挿入された突出マズルとの間の間隙を封止する管腔封止材と、周囲導管および内視鏡ボアと流体連通していて管腔から周囲導管に入った管腔液を放出するための吸引ポートとを含む。外部流体は、内視鏡を介して装置に導入されることができ、装置は、それらの流体を直接管腔内に流通させることができる。
【0010】
アダプタは分割可能でもよく、2つの(またはそれ以上の)締結シェルが内視鏡ボア、近位封止材、およびクラッチを分割して、内視鏡を内視鏡ボア上で横置きするために適した開状態とすることを可能にする。その後、シェルおよびクラッチがボアにおいて内視鏡を囲むように締め付けられる。
【0011】
管腔入口を通して管腔の近位部分内に突出マズルを挿入すると、遠位折畳式クラッチは展開してアダプタの固定を可能にする。本発明の一実施形態によれば、特にアダプタが分割可能なとき、三日月形バルーンおよびフランジも分割可能となるように、クラッチは、周囲重畳フラップフランジに固定された膨張式三日月形バルーンを備えてもよい。膨張時、バルーンがフラップフランジを展開して開動作クラッチ状態になり、フラップフランジとともに、管腔封止材としても作用する。円環バルーンおよび三日月形バルーンは、膨張管を用いて管腔内に挿入後に膨張されてもよく、その先端は管腔の外部に残る。
【0012】
外部リクライナが患者の身体と接続するまで、突出マズルが挿入され、折畳式クラッチの展開に続いて、リクライナは、管腔の近位部分の長さに長手方向で適合するように調整される。この調整は、弾性部材に固定されたクッション、ラチェット機構に固定されたクッション、弾性部材およびラチェット機構に固定されたクッション、膨張式外部バルーン、および/または引張ストラップなど、複数の手段によって実現可能である。アダプタは、テープ、ストラップ、および/または引張ワイヤを使用して患者の身体に取り付けられてもよい。
【0013】
内視鏡に結合されたアダプタの固定および安定化に続いて、灌注液が内視鏡を通じて管腔内に導入されてもよい。管腔とアダプタとの間の間隙は封止されると、流体の逆流は、周囲導管内視鏡と内視鏡ボアとの間の間隙とを通して必ず排出させる必要がある。近位封止材がアダプタの近位端を遮断すると、流体は、吸引ポートを通って流出する。流体排出を改善するために、管腔液吸引ユニットは、吸引ポートを通して管腔における流体に対して吸引を適用するために吸引ポートと流体接続されてもよい。本発明の一実施形態によれば、吸引部は、汚水キャニスターまたは袋と流体連通して配置される真空吸引ポンプを含んでもよく、ポンプは、吸引ポートを通じて吸引力を管腔液に印加してもよい。制御ユニットに接続された計量器などのセンサは、吸引ポートを通して圧送される/排出される流体量と、流体が灌注キャニスターに残り、そこから管腔内に汲まれる流体量とを測定して、患者の体内に残る洗浄液の量を推定するために使用されてもよい。制御ユニットに接続された圧力センサなどのセンサは、吸引ポートに存在する、または吸引ポートに印加される真空レベルを測定および制御するために使用されてもよい。制御ユニットに接続される流量センサなどのセンサは、さらに、吸引ポートから出る流量を測定するために使用されてもよい。管腔を流すことに付随して、アダプタは、周囲導管に挿入されて遠位に延出および後退させることによって糞便の残滓および他の閉塞物を粉砕するように作用する洗浄ロッドを含んでもよい。この洗浄ロッドは、遠位灌注ノズルおよび/または洗浄プロセスを監視するためのカメラを含んでもよい 。
【0014】
「灌注液」および「洗浄液」という用語は、本明細書では入替可能に使用され、管腔の灌注および管腔内に存在する糞便の残滓または他の閉塞物の洗い出しのために管腔内に導入される、水などの流体を指す。
【0015】
本明細書で使用される場合の「上」、「上向き」、「上方」という語は、管腔液灌注および内視鏡結合アダプタの遠位方向または側、すなわち、患者の管腔内に最初に挿入される側を指す。本明細書で使用される場合の「下」、「下向き」、「下方」、「下部」、という語は、管腔液灌注および内視鏡結合アダプタの近位方向または側、すなわち、患者の管腔の外部に残る側を指す。
【0016】
ここで図を参照するが、図では、同様の番号が同様の部品を示す。
【0017】
図1は、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ100の一実施形態の概略側面図である。また、水平方向に90°回転させたときに見られるようなアダプタ100の概略図である
図2を参照する。遠位矢印10および近位矢印20は、それぞれ、アダプタ100の遠位側および近位側を示す。アダプタ100は、弾性部材131に接続されたクッション129を備え、管腔内へのリクライナの挿入を妨げるようなサイズを有する近位外部身体リクライナ130と、身体リクライナ130に結合され、管腔入口150を通って管腔152の近位部分内に穿通するようなサイズを有する中間突出マズル102と、突出マズル102の遠位端に配置され、管腔152の管腔入口150および近位部分を通じた挿入および後退を可能にする折り返された狭状態をとり、アダプタ100を固定するために、管腔152の近位部分の遠位での管腔における展開状態をとるように構成される、遠位折畳式管腔内クラッチ106とを含む。折畳式クラッチ106はフラップ周囲フランジ105を含み、フラップ周囲フランジ105の直径は、膨張式三日月形バルーン107に固定され、膨張式三日月形バルーン107は、折畳式クラッチ106を展開する任意の機構の役割を果たす。膨張式バルーンは、クラッチ106の代替の実施形態のための展開機構として使用されてもよい。クラッチ106は展開状態で示され、三日月形バルーン107は膨張状態を有する。三日月形バルーン107は、膨張管108と流体連通している。管108の先端は、突出マズル102の管腔内への挿入後は管腔の外部に残り、したがって、アダプタ100の管腔内への挿入後に、クラッチ106を展開するように作用する三日月形バルーン107または任意の他の内部バルーンの膨張および収縮の外部制御を可能にする。
【0018】
ここで、さらに、
図2に示す線A-Aに沿った、
図1のアダプタの概略的な断面図である
図3と、アダプタ100を上方から見た概略図である
図4と、アダプタ100を下方から概略図である
図5とを参照する。アダプタ100において、周囲導管110および内視鏡ボア190は貫通しており、マズル102にわたってアダプタ100に沿って長手方向に延在している。本明細書で使用される場合、「周囲導管」という用語は、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの任意の部分を指す場合があり、その部分内へ管腔から管腔液が流れてもよく、その部分は吸引ポートと流体連通しており、管腔液が吸引ポートを通じて排出可能である。図を参照すると、例示的な「周囲導管110」が示されており、周囲導管110は、アダプタ100に沿って開けられた独立ボアである。ただし、これは、「周囲導管」という用語の定義を限定することを意図しておらず、例えば、内視鏡によって占有されておらず、その内部に管腔液が流れて吸引ポートを通って出ることができる内視鏡ボア190の一部分もまた「周囲導管」と考えられ得る。
【0019】
周囲導管110および内視鏡ボア190の近位端には、周囲導管110と、内視鏡ボア190に挿入時の内視鏡140周囲とを封入するように構成されている、管腔液の外部への漏洩を防止するための近位封止材111が存在する。内視鏡ボア190の近位端に存在する近位封止材111の部分は、内視鏡140が封止するように内視鏡ボア190に挿入され得る近位開口111aを残しながら、内視鏡ボア190を被覆するように成形されてもよい。周囲導管110およびボア190は、流体吸引ポート112と流体連通しており、流体吸引ポート112はシール111の遠位に配置され、導管110およびボア190へ入る管腔液を管腔から放出するための出口として機能する。周囲フラップフランジ105および三日月形バルーン107を含むクラッチ106は、本発明の本実施形態では、管腔封止材(
図9A-
図9Cを参照して詳述される)としても機能し、管腔液が管腔から周囲導管110を通って(場合によっては内視鏡ボア190を通って)吸引ポート112から排出されることを確実にするために、突出マズル102と管腔内部との間の間隙を封止する。管腔封止材としての周囲導管110、近位封止材111、吸引ポート112、およびクラッチ106はともに、管腔液流通装置109を構成し、管腔液流通装置109は、管腔液の逆流を指定された領域に向けて、制御されていない漏洩を防止することを司る。
【0020】
アダプタ100は、洗浄ロッド116をさらに含み、洗浄ロッド116は、近位封止材111および周囲導管110を通って封止するように挿入され、アダプタ100を通って長手方向に延在し、管腔において糞便の残滓を物理的に粉砕および分解し、または閉塞物を除去するために延出および後退によって動作する。アダプタ100の本体は、2つの締結シェル120~121で構成され、2つの締結可能シェル120~121は、アダプタ100、フラップフランジ105、内視鏡ボア190および近位封止材111を分割して開状態とすることを可能にし、内視鏡140をそこに横置きすることと、シェル120~121およびそのフランジ105の締め付けることと、を可能にすることによって内視鏡ボア190および近位封止材111における内視鏡140の配置を容易にする。
【0021】
ここで、患者の身体170に固定されたアダプタ100の概略図である
図6も参照する。遠位クラッチ106を有する突出マズル102は、リクライナ130が患者の身体170と接続するまで患者の肛門を通って挿入されるが、遠位クラッチ106は展開されてそのフランジ状構成にされ、アダプタ100を固定する。
【0022】
ここで、アダプタ100内に内視鏡140を横から配置する連続的段階を示す
図7A~
図7Cも参照する。
図7Aは、開/分割構成の初期段階に見られるアダプタ100の概略図であり、シェル120~121は片側に沿って分離されており、アダプタ100、フラップ周囲フランジ105、内視鏡ボア190および近位封止材111を分割する。これによって、内視鏡ボア190および近位封止材111内で内視鏡140を横置きすることが可能になる(
図7Bを参照してさらに説明される)。
図7Bは、その開放/分割構成にあるときのアダプタ100に内視鏡140を横から配置する中間段階に見られるアダプタ100の概略図である。
図7Cは、アダプタ100が内視鏡140を中心として締め付けられている、動作段階に見られるアダプタ100の概略図である。アダプタ100は、シェル120~121を再結合して突出マズル102を管腔152の患者の近位部分内に挿入されるように作用する構成に組み立てることによって締め付けられる。アダプタ100は、内視鏡140との結合前に管腔152の近位部分内に挿入されてもよく、結果として内視鏡140が挿入されてもよい。
【0023】
ここで、留め具430を用いた内視鏡140を中心としてアダプタ402の締結シェル420、421の締結を示す
図8Aおよび
図8Bも参照する。
図8Aは、本発明によって構築され、動作する、開放構成における留具430を特徴とする、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ402の概略図である。留具430は、少なくとも1つの位置合わせピン431を特徴とする。締結シェル420、421は、位置合わせピン431に対応する少なくとも1つの位置合わせ溝432を特徴とする。留め具430は、留め具430が、開放構成、すなわち締結シェル420、421の分割を可能にする構成と、閉鎖構成、すなわち締結シェル420、421を封止するように締め付ける構成とを交互にできるように締結シェル420、421の一方に接続されてもよい。例えば、留具430は、揺動軸433を通ってシェル420または421の一方に結合されて、留具430を開構成時に垂直位置にまで上昇させ、閉鎖構成時に水平位置まで下降させることを可能にしてもよい。
図8Bは、閉鎖構成における留め具430を有するアダプタ402の概略図である。通常は内視鏡140を中心としてシェル420~421を確実に締め付けるために、少なくとも1つの位置合わせピン431は、少なくとも1つの位置合わせ溝432に押し込まれて、所定の場所に固定されてもよく、それによってシェル420~421を固く締められた状態に維持する。留具430は、ラッチ、ボルト、締結ストラップ、または他の種類の締結機構を代替として含んでもよい。
【0024】
本発明が属する分野で知られている多種多様な内視鏡器具は、多種多様な直径を示し、約1.2mm~約6.0mmに及ぶ範囲の流路を有し、流路の各々は、特定の治療手技に特別に適している。この多種多様な内視鏡を単一の管腔液制御および内視鏡結合アダプタに封止するように収容するために、内視鏡ボア190の近位端を様々な内視鏡に適合させるための手段が必要である。
【0025】
ここで、様々な直径の内視鏡を収容するために内視鏡ボア190の近位端を狭める、または封止するための手段を示す
図9A~
図9Dを参照する。
図9Aは、本発明によって構築され、動作する、縮小グロメット411を特徴として内視鏡440と結合された、近位側が上方に示される管腔液制御および内視鏡結合アダプタ401の一実施形態の概略図である。また、内視鏡を除いて示されたアダプタ401の概略図である
図9Bも参照する。グロメット411は、内視鏡ボア190の近位側に設置される。グロメット411は、近位封止材111と同じ高さで連続するように近位開口111a内に挿入されてもよく、または封止材111の近位に取り付けられてもよい。グロメット411は、リング状であり、外周411aおよび内周411bを有する。外周411aは、グロメット411が近位開口111a内に挿入される場合に近位封止材111の近位開口111a内に固く嵌入するように設計されてもよく、またはグロメット411が内視鏡ボア190の近位封止材111に外部から取り付けられる場合に大きくなってもよい。内視鏡ボア190の近位側からの管腔液の漏洩を防止し、特定の直径の内視鏡と結合するときにアダプタ401が完全に機能することを可能にするために、内周411bの寸法は、近位開口111aの直径よりも小さいその特定の内視鏡直径を封止するように収容するように適合されてもよい。グロメット411は、使い捨てでもよく、または再利用可能でアダプタ401上に永続的に設置されてもよい。
【0026】
図9Cは、分割可能縮小グロメット412の概略図である。分割可能縮小グロメット412は、アダプタ100に関して例えば
図7A~
図7Cで示されるように、内視鏡を分割可能な管腔液制御および内視鏡結合アダプタ内に横から配置するのに特に適合されてもよい。アダプタ100が分割されて開放構成になると、グロメット412は、近位封止材111内、または近位封止材111に近位または遠位に取り付けられる、のいずれかで、内視鏡ボア190の近位側に設置されてもよい。内視鏡は、次いで、内視鏡ボア190、近位封止材111および分割可能縮小グロメット412内に、全て分割開構成で横から配置されることができ、アダプタ100は、その後、内視鏡を中心として封止するように締結されてもよい。
図9Dは、グロメット411および封止プラグ413を特徴とする、近位側を上方に示したアダプタ401の概略図である。グロメット411が設置されていないとき、封止プラグ413は、ボア190の近位端に配置され、縮小グロメット411上、または直接的に近位封止材111上のいずれかで近位に設置されてもよい。封止プラグ413は、内視鏡が近位開口111aおよび内視鏡ボア190内に配置されていないときに近位封止材111の近位開口111aを遮るように構成され、管腔液流通装置109を通じた管腔液の除去を可能にする。遠位端から内視鏡ボア190に入る管腔液は、封止プラグ413によってボア190の近位端から漏出することを防止され、結果として吸引ポート112を通じてアダプタ401を出るように流通される。加えて、
図14A~
図14Cを参照して詳述するように、灌注液およびカメラは、内視鏡から独立して、洗浄ロッド216を通じて管腔内に導入されることができ、洗浄ロッド116/216は、管腔に存在する糞便の残滓および他の閉塞物を粉砕するようにも動作してもよい。このようにして、管腔は、内視鏡が無い状態で灌注されて閉塞物が除去されることができ、管腔液は、近位開口111aを遮る封止プラグ413に起因して吸引ポート112を通じてのみ排出される。内視鏡が無い状態で管腔を清浄にすることは、糞便の残滓および他の閉塞物への接触を改善可能とすることができ、その後に内視鏡が挿入されたとき、管腔内の内視鏡のより円滑な前進を可能にし得る。
【0027】
ここで、
図10A~
図10Cを参照するが、
図10A~
図10Cは、内視鏡140と結合されたアダプタ100の管腔入口150を通る挿入と固定との連続的段階であり、アダプタ100の身体リクライナ130およびクラッチ106の動作を説明する図である。
図10Aは、管腔入口150と隣り合って配置された、初期段階において内視鏡140と結合されたアダプタ100の概略図である。膨張式三日月形バルーン107は、管腔入口150を通る挿入前にフラップフランジ105の可撓性を可能にする収縮状態にある。
図10Bは、身体リクライナ130による抵抗が生じるまでの、管腔152の近位部分内への遠位突出マズル102の挿入の中間段階(クラッチ106が折り畳まれている状態)において示される内視鏡140と結合されたアダプタ100の概略図である。リクライナ130の弾性部材131は、遠位突出マズル102の挿入に続いて患者の身体170によって加圧され、したがって近位方向においてアダプタ100に対して引張力を作用させる。
図10Cは、結合された三日月形バルーン107の膨張による遠位クラッチ106の展開の最終段階にあり、それによってアダプタ100を固定し、管腔152とアダプタ100との間の間隙を封止するものとして示される、内視鏡140に結合されたアダプタ100の概略図である。膨張式三日月形バルーン107は、その膨張状態まで膨張管108を介して送風される。
【0028】
ここで、アダプタ100の周囲フラップフランジ105の異なる態様を示す
図11A~
図11Cも参照する。
図11Aは、分割-開放構成で示されたフランジ105の概略図である。例えば360°の全円に対して約400°(360°+40°)で湾曲する丸い輪の形状など、全円よりも大きくなるように重複して閉じるようにした好適な設計におけるフランジ105の分割可能な輪の形状が強調されている。
【0029】
図11Bおよび
図11Cは、それぞれフランジ105の上方および側方からの概略図であり、フランジ105は、マズル102の遠位端の周りに配置され、アダプタ100の膨張式三日月形バルーン107に固定される。バルーン107の間隙117とフランジ105の分割区分は平行であり、シェル120~121の分割と連続している。三日月形バルーン107の膨張は、展開状態へのフランジ105の膨張を誘発し、フランジ105の重複は、完全な輪形状となるような三日月形バルーン107を密に閉じる(すなわち、間隙117を閉じる)ことを誘発し、管腔封止材として機能する三日月形バルーン107の完全な封止を可能にし、アダプタ100と管腔152の近位部分との間の間隙を封止する。
【0030】
リブ付バルーン227を示す
図12A~12Bも参照する。
図12Aは、本発明によって構築され、作用する、リブ付バルーン227の概略断面図である。
図12Bは、上方の角度から示されるリブ付バルーン227の概略図である。半剛性リブ226は、リブ付バルーン227の内面に取り付けられてもよく、リブ付バルーン227の周縁に沿って一定の間隔で離間して配置されてもよい。リブ226の量は、1つまたは複数でもよく、通常、少なくとも2つの別個のリブ226を含み、それらの幅とそれらの間隔は変えてもよい。リブ付バルーン227が収縮状態にあるとき、リブ226は、(バルーン227内に包含されるその容積は別として)リブ付バルーン227の可撓性および可縮性に影響しない。ただし、リブ付バルーン227が膨張されて展開状態になると、すなわち、管腔152の近位部分に挿入後、半剛性リブ226は、バルーン227が内視鏡ボア190に向かう展開を制限しながら管腔壁に向かって延出するようにバルーン227の展開を成形する。このようにして、展開されたリブ付バルーン227は、管腔壁と強固に係合するクラッチと、遠位突出マズルと管腔壁との間の間隙を封止する管腔封止材との両方として動作する。同時に、バルーン227の展開の制限は、バルーン227が周囲導管110を通じて管腔液排出を妨げる、または内視鏡140の動作と干渉するのを防ぐ。リブ付バルーン227は、完全に閉じた輪でもよく、または分割可能なようになどのために三日月形状でもよい。三日月形状のリブ付バルーン227は、(三日月形バルーン107に関して
図11A~
図11Cを参照して説明したように)膨張時に完全な輪形状になるように密に閉じるために、周囲フラップフランジ105と結合されてもよい。半剛性リブ226は、代替として、リブ付バルーン227の展開を成形するために、外から取り付けられてもよく、または別様で配置されてもよい。
【0031】
ここで、洗浄ロッド116の動作の段階を示す
図13A~
図13Cも参照する。
図13Aは、遠位に延出された位置の洗浄ロッド116とともに示された、上側の角度からのアダプタ100の概略図である。アダプタ100は内視鏡140と結合されており、洗浄ロッド116は、フランジ105および三日月形バルーン107の遠位に延出しているように見られ、内視鏡140の前方または内視鏡140の周囲の管腔に存在する閉塞物の物理的な接触および粉砕を可能とする。
図13Bは、近位に後退した位置の洗浄ロッド116とともに示された、上側の角度からのアダプタ100の概略図である。それ以外は、
図13Aおよび
図13Bは同一であり、延出および後退による洗浄ロッド116の動作を示す。洗浄ロッド116は、アダプタ100の遠位端から周囲導管110を通って長手方向に延出して近位端から出て、ロッド116の外部での手動による伸長および後退を可能にする。
図13Cは、その中間区分に2つのアーム116a、116bを備える洗浄ロッド116の概略図である。
【0032】
撮像管215および灌注ノズル214を特徴とする洗浄ロッド216を示す
図14A~
図14Cも参照する。
図14Aは、本発明によって構築され、動作する管腔液制御および内視鏡結合アダプタ400の一実施形態の概略図であり、アダプタ400は、撮像管215と灌注ノズル214とに結合された洗浄ロッド216を特徴とし、図では近位側が上方に示されている。少なくとも1つの灌注ノズル214および/または少なくとも1つの撮像管215は、洗浄ロッド216のアーム(216a、216b)のいずれか一方においてボアを通って個々に延出してもよい。洗浄ロッド216は1つまたは複数の中空アームを特徴としてもよく、本開示が属する分野で知られている器具または付属品を特徴とする適切な直径の管が、中空アームを通って管腔に延出してもよい。灌注ノズル214は、灌注液ポンプ(不図示)と流体連通していてもよく、閉塞物を溶解する、または管腔壁からそれを取り外すために灌注液で閉塞物を洗浄することによって、管腔からの閉塞物の除去において洗浄ロッド216を助けてもよい。撮像管215はまた、管腔の内部を撮像し、洗浄および灌注プロセスを監視することによって洗浄ロッド216の動作を助けてもよく、例えば、管腔において前方に存在する閉塞物の特性を識別するのを助け、閉塞物の効率的な取り扱いを可能にし得る。灌注ノズル214および/または撮像管215は、洗浄ロッド216の抜き取りおよび後退にしたがって、またはそれとは独立して、のいずれかで、管腔内に遠位で抜き取られ、または近位で後退されるように操作されてもよい。灌注ノズル214および撮像管215のそれぞれの近位外部分214b、215bは患者の体外に存在し、灌注ノズル214の遠位先端214aおよび撮像管215のカメラヘッド215aの手動での抜き取りおよび後退を可能にする。
【0033】
図14Bは、近位側が上方に示されたアダプタ400および洗浄ロッド216の概略図である。カメラヘッド215aおよび灌注ノズル214の遠位先端214aは、それぞれ、洗浄ロッド216の遠位端またはアーム216aおよび216bに示される。管腔の周縁の周りに存在する閉塞物に到達して灌注する機能を向上させるために、灌注ノズル214は、異なる方向に灌注液を向けることができる複数の水ジェットを含んでもよい。例えば、前方ジェット213は、直進方向に灌注液を噴出させ、洗浄ロッド216の前方の管腔に存在する閉塞物に灌注することが意図される。渦流ジェット212は、半径方向に灌注液を噴出させ、洗浄ロッド216の正面に存在せず、むしろ相対的に横の位置に存在する閉塞物に到達して浸漬することを可能にする。加えて、渦流ジェットは、管腔液内に乱流を形成してもよく、内視鏡ボア190および周囲導管110を通って吸引ポート112から出る流体の排出を助ける。内視鏡の不在における、すなわち封止プラグが
図9Dに示すように設置されたときの洗浄ロッド216、灌注ノズル214、および撮像管215の動作は、管腔からの閉塞物および管腔液の除去において大幅に改善された結果を有し得る。内視鏡の不在によって、糞便の残滓および他の閉塞物への容易にアクセスでき、吸引ポート112を通る管腔液の流出を遮らないようにすることが可能となり得る。これは、挿入時に、内視鏡の比較的円滑な取り付けにつながり得る。管腔からの管腔液の排出をさらに改善するために、視鏡ボア190は、管腔液の渦流れを開始および/または改善するように構成されている螺旋状の切り欠きを含んでもよい。さらなる流れの配向は、吸引ポート112を通って出る管腔液の潜在的な妨害の克服とより良好なアクセスを可能にする。
【0034】
図14Cは、内視鏡140と結合されるアダプタ400および洗浄ロッド216の概略図である。
図14Cは、内視鏡140が内視鏡ボア190を通して挿入されたときの内視鏡140に関連した洗浄ロッド216の周囲位置をさらに強調している。
【0035】
ここで、流体流通装置109の構成要素を表示するアダプタ100の断面を示す、
図15A~
図15Bを参照する。
図15Aは、アダプタ100の概略図である。
図15Bは、
図15Aが示す線B-Bに沿ったアダプタ100の概略的な断面図である。内視鏡ボア190および周囲導管110の空隙およびそれらの間の開かれた経路が示されている。洗浄ロッド116は、周囲導管110に挿入されて示されており、その2つのアーム116aおよび116bの間に開かれた空間を残しており、吸引ポート112は、周囲導管110に対して開放されて示されており、内視鏡ボア190、周囲導管110と吸引ポート112との間の流体連通を可能にする。
【0036】
ここで
図16A~
図16Dも参照するが、
図16A~
図16Dは、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ201~204の一実施形態の身体リクライナ130の代替の固定機構を示す。アダプタ201~204は、内視鏡140と結合され、管腔152の近位部分内に挿入されて示されている。
図16Aは、近位外部身体リクライナ230が、ラチェット132と結合されたクッション129を含む場合の、アダプタ201の概略図である。ラチェット132は、スナップ歯止137に関して移動可能な歯付バー136を特徴とし、歯付バー136は、管腔152の近位部分の長さに適合するためにリクライナ230の長手方向の寸法を調節することを可能にする。管腔152の近位部分内への突出マズル102の挿入に続いて、クッション129は患者の身体170の臀部と接続し、挿入の方向に関して後ろ向きに押される。クッション129と結合された移動可能な歯付バー136は、突出マズル102が管腔内への挿入を完了し歯止め137によって所定の場所に維持されるまで、スナップ歯止137に沿って移動する。
【0037】
図16Bはアダプタ202の概略図であり、アダプタ202が近位外部身体リクライナ231が外部膨張式バルーン133を含む場合を示す。外部膨張式バルーン133の膨張度は調節され、管腔152の近位部分の長さに適合するためにリクライナ231の長手方向の寸法を調整することを可能にする。アダプタ202の挿入および最終配置に続き、クラッチ106による固定および封止を支援するアダプタ202に対する引張力を作用させるために、患者の身体170の臀部と接続するバルーン133はさらに膨張されてもよい。
【0038】
図16Cはアダプタ203の概略図であり、アダプタ203が折畳式クラッチ106に固定された引張ストラップ134が、アダプタ203の長手方向位置を調節および固定する役割を果たす場合を示す。引張ストラップ134はクラッチ106に固定されており、引張ストラップ134は、突出マズル102の長さに沿って移動可能であり、管腔入口150から出て延出する。ストラップ134の外部に延出している端部は引張部分であり、アダプタ203を固定し、管腔152の近位部分とマズル102との間の間隙を封止するために、マズル102に沿って、管腔に関連して、クラッチ106の長手方向の位置を強固に締結して調節することを可能にする。1本または複数本のストラップが使用されてもよい。
【0039】
図16Dは、アダプタ204の概略図であり、アダプタ204が外部身体リクライナ233が、ラチェット135と接続された弾性部材と結合されたクッション129を含む場合を示す。ラチェット135に接続された弾性部材は、弾性部材138およびラチェット139を含み、ラチェット139は、スナップ歯止め137に関して移動可能な歯付バー136を特徴とする。ラチェット135に接続された弾性部材は、管腔152の近位部分の長さに適合するために、リクライナ233の長手方向の寸法を調節可能にし、さらに、アダプタ204に対して引張力を作用させ、クラッチ106による固定および封止を助ける役割を果たす。管腔152の近位部分内への突出マズル102の挿入に続き、クッション129は患者の身体170の臀部と接続し、挿入の方向に関して後ろ向きに押される。クッション129と結合された弾性部材138とさらに結合されたラチェット139の移動可能な歯付バー136は、突出マズル102が管腔内への挿入を完了し、歯止め137によって所定の場所に維持されるまで、スナップ歯止に沿って移動する。したがって、アダプタ204の長さは、管腔152の近位部分の長さに応じて調整される。クッション129を後ろ向きに押すことは、さらに、弾性部材138を押し、アダプタ204の固定と、クラッチ106による管腔の封止とを助けるために、患者の身体170の臀部に対するクッション129の押圧力と、アダプタ204に対する引張力とを誘発する。
【0040】
ここで、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ301の一実施形態と外部流体管理システム300との概略断面図である
図17も参照する。システム300は、管腔からの流体の排出のために吸引ポート112と流体連通した管腔液吸引ユニットと、灌注液を管腔内に流すために管腔と流体連通した灌注部とを特徴とする。管腔液吸引ユニットの一実施形態は真空吸引ポンプ184でもよく、灌注部の一実施形態は灌注液ポンプ180でもよい。システム300は、さらに、内視鏡140、排水キャニスター186、および外部流体制御部185に結合された内視鏡流体アダプタ182を特徴とする。外部流体制御部185は、真空吸引ポンプ184、灌注液ポンプ180、圧力センサ183、流体流量センサ188、および計量器189を含む測定センサを含み、それらの動作を制御する。内視鏡140と結合されたアダプタ301は、管腔152の近位部分内に挿入される。システムの動作全体において、水または他の洗浄液は、流体ポンプ180によって、内視鏡流体アダプタ182を介して内視鏡140内へ、そこでは管腔内への内視鏡の全長にわたって圧送され、遠位で管腔151を洗浄する。真空吸引ポンプ184は、排水キャニスター186の上流に、すなわち吸引ポート112と排水キャニスター186との間に配置されてもよく、または排水キャニスター186の下流に配置されてもよい。真空吸引ポンプ184は、吸引ポート112および排水キャニスター186と流体連通されている。真空吸引ポンプ184がキャニスター186の下流に配置されている場合、吸引ポート112との流体連通はキャニスター186を介する。ポンプ184は、吸引ポート112を通して管腔中の流体に対して吸引力を加えて、流体は周囲導管110および内視鏡ボア190を通って排出され、吸引ポート112から出て排水キャニスター186に入る。真空ポンプ184は、吸引ポート112と流体連通している任意の他の種類の管腔液吸引ユニットと置き換えられてもよい。制御部185に接続された排水キャニスター計量器189は、排水キャニスター186内の流体量を測定し、患者の管腔151内部に残る洗浄液の量の推定を助けるために使用されてもよい。圧力センサ183および流体流量センサ188は、それぞれ、吸引ポート112における真空レベルを測定、計算、および/または制御するため、さらにそれぞれ吸引ポート112における流量を測定するために使用されてもよい。
図11に示すように、洗浄ロッド116は、周囲の閉塞物を分解することによって周囲導管110および管腔を清浄にすることを助けるために適用されてもよい。
【0041】
ここで
図18Aも参照するが、
図18Aは、本発明によって構築され、動作する、外部流体管理システムのポンプ180、284およびデュアル計量器189、289を有する平衡外部流体制御部285の概略図である。さらに
図18Bを参照するが、
図18Bは、本発明によって構築され、動作する、平衡外部流体制御部285を含む、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ351の一実施形態と外部の流体管理システム350との概略断面図である。
【0042】
明瞭にするため、
図18Bにおいて、管282、283、287および293は全て流体が流れる管であり、点線(すなわち管283)は、管腔から排出された流体(「管腔液」としても説明される)を運ぶ管を表し、破線(すなわち管282、287)は管腔に向かう灌注液を運ぶ管を表し、中空線(すなわち管293)は、空気が流される管を表す。
【0043】
平衡外部流体制御部285は、灌注キャニスター286および排水キャニスター186内の流体量をそれぞれ測定する灌注キャニスター計量器289および排水キャニスター計量器189を含む測定センサを含み、かつ制御してもよい。灌注キャニスター286は、管腔内へ圧送するための灌注液の供給を含む。排水キャニスター186は、管腔から排出された管腔液を回収する。灌注キャニスター286および排水キャニスター186は、例えば袋など、液体を収容するのに適した容器の任意の形態でもよい。平衡外部流体制御部285は、灌注液ポンプ180、真空吸引ポンプ284A、およびアダプタ灌注ポンプ284Bを含み、かつそれらの動作を制御してもよい。灌注液ポンプ180は、内視鏡灌注管287を介して、一端が灌注キャニスター286に接続され、他端が内視鏡140に接続されており、灌注キャニスター286を出て内視鏡灌注管287を通って内視鏡140の近位端内に入るように灌注液を圧送するように構成される。真空吸引ポンプ284Aは、アダプタ351の吸引ポート112を通る管腔液の排出のために使用される管腔液吸引ユニットの別の実施形態であり、
図17の真空吸引ポンプ184と同様に機能する。真空吸引ポンプ284Aは、流体排出管283を介して、一端が吸引ポート112に接続され、他端が排水キャニスター186に接続され、流体を管腔から排出管283を通って排水キャニスター186内に吸引するように構成される。アダプタ灌注ポンプ284Bは、灌注部の別の実施形態である。ポンプ284Bは、アダプタ灌注管282を介して、一端が灌注キャニスター286に接続され、他端がアダプタ351に接続され、キャニスター286から、アダプタ灌注管282を通って、さらにアダプタ351の構成要素、例えば,
図14A、
図14Bに示すような灌注ノズル214を通って、管腔へ灌注液を圧送するように構成される。真空吸引ポンプ284Aおよびアダプタ灌注ポンプ284Bは、デュアルヘッドポンプ284において結合されてもよい。デュアルヘッドポンプ284は、単一のモータを収容してもよく、ポンプ284A、284Bは、モータへの給電によって吸引ポンプ284Aに管腔から流体を吸引させ、同時に灌注ポンプ284Bに灌注液を管腔内へ流させるように配置、または別様で構成されてもよい。例えば、吸引ポンプ284Aは、共通軸上にアダプタ灌注ポンプ284Bとともに取り付けられてもよい。ポンプ284A、284Bは、共通軸の回転が吸引ポンプ284Aに管腔から流体を吸引させ、灌注ポンプ284Bに管腔内に灌注液を流させるように、相対的に配置されてもよい。ポンプ284A、284Bが共通モータの動作によって扱われることを可能にすると、構成要素と制御部285の動作とが単純化する。より重要なことに、2つのポンプ284A、284Bの共通のモータおよび軸は、真空吸引ポンプ284Aおよびアダプタ灌注ポンプ284Bを連携して駆動することを可能にし、そのポンプ力を駆動、非駆動および調整が完全に同期化される。真空吸引ポンプ284Aおよびアダプタ灌注ポンプ284Bの同期化された動作は、管腔内の必要とされ得る基本的に一定の流体量を維持しながら、管腔内への灌注液の動的な流れおよび管腔からの管腔液の動的な流れを実現可能とすることを理解されたい。これは、(
図9Dに示すような)封止プラグ413が内視鏡140の代わりにアダプタ351の近位端に設置されるときに特に有効な場合があり、したがって内視鏡140の存在に依存しないアダプタ灌注ポンプ284Bの動作を真空吸引ポンプ284Aと連携するために特に有益となり得る。
【0044】
外部流体制御部285は、真空吸引ポンプ284Aの排出管283に接続され得る圧力センサ183を含む測定センサを含み、かつ制御してもよい。圧力センサ183は、排出管283における真空圧を測定するように構成される。真空吸引ポンプ284Aが排出管283内で誘発する真空圧は、管腔内における高真空圧の蓄積につながる場合があり、場合によっては管腔壁を崩壊させ得る。外部流体管理システム350の適切な機能において、管腔内における高真空圧は、特に真空吸引ポンプ284Aがアダプタ灌注ポンプ284Bと同期しているときには増大する可能性が低い。しかしながら、システムにおける技術的故障、または灌注キャニスター286の非監視での排出は、吸引ポンプ284Aが管腔に向かって真空力をかけているが、そのかけられた真空力によって吸引される管腔液が不十分である状況を発生させる場合がある。この問題を克服するために、制御部285は、排出管283内の圧力レベルを継続的に測定するように圧力センサ183を動作させてもよい。圧力レベルが事前に定義された閾値未満に降下したとき(すなわち、真空レベルが事前に定義された閾値を上回るとき)、制御部285は対応策を作動させるように構成されてもよい。例えば、制御部285は、弁291および空気ポンプ292を含む気流手段を含んで制御してもよく、真空吸引ポンプ284Aは気管293を含んでもよい。気管293は、排出管283に接続されて流体連通している。一方向逆止弁290は、気管293内に、好ましくは排出管283との接続点に近接して取り付けられてもよく、制御部285によって制御されてもよい。空気ポンプ292は、空気弁291を介して気管293と流体連通しており、空気弁291は、空気ポンプ292が制御部285によって駆動されるときに開いて、空気が空気ポンプ292によって気管293内に圧送されることを可能にし、あるいは封止されたままとすることを可能にするように構成される。排出管283内の圧力が事前に定義された閾値未満まで下がると、空気ポンプ292は、空気を空気弁291、気管293および一方向逆止弁290を通って排出管283内に流すように駆動される。これは、排出管283内の空気圧を即座に上昇させ、真空吸引ポンプ284Aの継続的な動作を可能にしながら、管腔における真空力の蓄積を停止させる。代替として、制御部285は、空気ポンプ292を動作させずに空気弁291を開いてもよく、排出管283内の低圧力、すなわち排出管283と大気圧との圧力差に応じて吸引力を作用させ、空気弁291および気管290を通って排出管283内に大気を引き込んでもよい。気管293を使用した排出管283内における圧力調整は、アダプタ灌注ポンプ284Bの継続的な駆動が灌注液を管腔内に導入可能とするため、真空吸引ポンプ284Aおよびアダプタ灌注ポンプ284Bが共通モータおよび軸を用いてデュアルヘッドポンプ284内で結合されたときに特に効果がある。気管293内に挿入される一方向逆止弁は、排出管283のみに向かう一方向の流れの向きを維持し、気管290を通過することによる排出管283の汚染を防止する役割を果たす。
【0045】
このように、灌注液は、内視鏡140を通って、またはアダプタ301を通ってのいずれかで、例えば灌注ノズル214を介して管腔内に導入されてもよい。
図9Dおよび
図14Bを参照して説明したように、管腔灌注は、内視鏡が内視鏡ボア190内に配置されていないときにアダプタの構成要素を通して実行されてもよく、これは、管腔内の糞便の残滓および他の閉塞物へのアクセスの改善を可能にし得る。
【0046】
灌注キャニスター286は、灌注液源に接続されて、常に補充されてもよく、または灌注液源に接続されなくてもよく、治療開始時に特定量の灌注液を収容し、必要に応じて治療中に洗浄液が管腔内に圧送されてもよい。流体源に接続されていない灌注キャニスター286は、デュアル計量器189、289を含むシステムにおいて有益となり得る。計量器289および189を使用した、それぞれ灌注キャニスター286および排水キャニスター186の両方における流体量の常時測定は、灌注キャニスター286から送出された流体の量と、排水キャニスター186に蓄積された流体の量とを比較することによって、管腔に存在する流体の量を正確に推定できる能力を実質的に向上させ得る。これは、他のセンサとともに、管腔内での内視鏡の扱いおよび操縦の能力を改善し得る。
【0047】
外部流体制御部285は、タッチスクリーン制御パネル298を追加で含んでもよく、タッチスクリーン制御パネル298は、制御部285によって制御される、例えば圧力センサ183などの任意の測定センサおよび例えば真空吸引ポンプ284Aなどの任意のポンプの動作の容易な制御を可能にし得る。測定センサおよびポンプの各々は、パネル298上に提示されてもよく、指定された点で画面にタッチすると、測定センサまたはポンプのうちのいずれかをオンにする、オフにする、上昇させる、降下させる、あるいはその動作を調節するように動作してもよい。タッチスクリーン制御パネル298は、さらに、測定センサによってなされた測定結果を継続的に示してもよく、制御部285は、測定センサによってなされた測定結果から導出する命令をパネル298上でオペレータに提示するように構成されてもよい。制御部285はまた、フットペダル297を含んでもよく、フットペダル297は、オペレータが、フットペダル297を踏むことによって、測定センサまたはポンプのうちのいずれかをオンにする、オフにする、上昇させる、降下させる、あるいはその動作を調節できるようにしてもよく、内視鏡的処置中は別様で占有される場合が多いオペレータの手を使用する必要がない。
【0048】
ここで、
図19も参照するが、
図19は、円環膨張式バルーン127を含む遠位クラッチ106を特徴とする、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ205の一実施形態の概略側面図である。バルーン127は、アダプタ205が管腔内に挿入されたときに突出マズル102と管腔との間の間隙を封止することによって、膨張させたときに管腔液の逆流を防ぐように動作する。ここで、
図20A~
図20Bも参照するが、
図20A~
図20Bは、管腔152の近位部分に挿入され、患者の身体に170に取り付けられたストラップ176、テープ175、177、および引張ワイヤ178を使用して固定されるとして示される、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ206の一実施形態を示す。
図20Aは、ストラップ176、ワイヤ178、およびテープ177を使用して患者の身体170に取り付けられるアダプタ206の概略側面図である。ストラップ176はアダプタ206に接続され、それにストラップ176を締め付けて調節するための引張ワイヤ178が嵌合され、ワイヤ178は、患者の腰に誘導され、テープ177を使用して患者の背中に取り付けられる。
【0049】
図20Bは、テープ175を用いて患者の身体170に取り付けられるアダプタ206の概略側面図である。テープ175は、一端がアダプタ206に接続され、他端が患者の臀部に接続されて、アダプタ206を所定の場所にさらに固定する役割を果たす。
【0050】
ここで、本発明の一実施形態により動作する内視鏡結合および流体流通のための方法600のブロック図である
図21を参照する。
【0051】
ステップ602は、アダプタ内に内視鏡を配置することを含み、アダプタは、アダプタを通って開けられた長手方向に延在する内視鏡ボアと、ボアに挿入されている内視鏡を囲むように構成された近位封止材とを含み、アダプタの近位端からの流体漏洩の遮断を実現する。
図1~
図5を参照すると、内視鏡140がアダプタ100内に配置されており、アダプタ100は、アダプタ100を通って開けられた長手方向に延在する内視鏡ボア190と、ボア190に挿入されている内視鏡140を囲むように構成された近位封止材111とを含み、アダプタ100の近位端からの流体漏洩の遮断を実現する。
【0052】
ステップ604は、アダプタの遠位端を患者の管腔の近位部分に挿入することを含み、アダプタは、遠位管腔内折畳式クラッチと、中間突出マズルと、近位外部身体リクライナとを含む。
図6および
図10A~
図10Cを参照すると、アダプタ100の遠位端が患者の管腔152の近位部分に挿入され、アダプタ100は、遠位管腔内折畳式クラッチ106と、中間突出マズル102と、近位外部身体リクライナ130とを含む。
【0053】
ステップ606は、外部身体リクライナが患者の身体に接続するまでのアダプタの継続的な挿入を含み、遠位管腔封止材は、突出マズルの遠位端と管腔との間の間隙からの漏洩を遮断するように動作する。
図6、
図10A~
図10C、および
図17を参照すると、アダプタ100(または301)は、外部身体リクライナ130が患者の身体170に接続するまで継続的に挿入され、遠位管腔封止材114は、突出マズル102の遠位端と管腔との間の間隙からの漏洩を遮断するように動作する。
【0054】
ステップ608は、管腔の近位部分内で遠位折畳式クラッチを展開させて、アダプタを患者の身体に固定するために管腔に対して押し付ける展開構成にすることを含む。
図10A~
図10Cを参照すると、折畳式クラッチ106が管腔152の近位部分内で展開して展開構成となり、アダプタ100を患者の身体170に固定するために管腔に対して押し付ける。
【0055】
ステップ610は、マズルを通ってアダプタに沿って開けられた長手方向に延在する周囲導管を通って管腔液を排出し、周囲導管と流体連通している流体吸引ポートを通って管腔液が放出されることを可能にすることを含み、近位封止材は、流体のアダプタの近位端からの漏洩を遮断する。
図3および
図15A~
図15Bを参照すると、管腔液は、マズル102を通ってアダプタ100に沿って開けられた長手方向に延在する周囲導管110を通って排出されることと、周囲導管110と流体連通している流体吸引ポート112を通って放出されることを可能にされ、近位封止材111は、流体のアダプタ100の近位端からの漏洩を遮断する。
【0056】
ステップ612は、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを使用した糞便の残滓および他の閉塞物の物理的分解および粉砕を含み、ロッドは近位封止材および周囲導管を通って封止するように挿入され、粉砕は、内視鏡の前方または周辺でのロッドの挿入および後退によって実現される。洗浄液は、灌注ノズルから管腔内へ噴出され、撮像管は、洗浄プロセスを見ることおよび監視することを可能にし、灌注ノズルおよび撮像管は、洗浄ロッドの1つまたは複数の中空アームを通って延在している。
図13A~
図13Cおよび
図14A~
図14Cを参照すると、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッド216は、管腔内の糞便の残滓および他の閉塞物を物理的に分解および粉砕し、ロッド216は、近位封止材111および周囲導管110を通って封止するように挿入される。粉砕は、内視鏡140の前方または周辺でのロッド216の挿入および後退によって実現される。灌注ノズル214および撮像管215は、それぞれ、洗浄液を噴出させ、洗浄プロセスを見て監視するために、洗浄ロッド216の中空アーム216a、216bを通って管腔内に延びる。
【0057】
ステップ614は、管腔からの流体の排出を強化するために吸引ポートを通して管腔液に吸引力を加えることを含む。
図17を参照すると、管腔からの流体の排出を強化するために、吸引力が吸引ポート112を通して管腔液に加えられる。
【0058】
方法600は、さらに、以下で概略的に述べられる任意または好ましい工程および特徴を含んでもよい。ここで、
図21の実施形態のステップ602および608のサブルーチンまたはサブプロシージャのブロック図である
図22を参照する。
【0059】
ステップ616は、内視鏡ボアおよび近位封止材に内視鏡を横置きすることを含み、アダプタは、内視鏡ボア、近位封止材、およびクラッチを分割して開状態とすることを可能にする締結シェルを含む。
図3および
図7A~
図7Cを参照すると、内視鏡140は、内視鏡ボア190および近位封止材111に横置きされ、アダプタ100は、内視鏡ボア190、近位封止材111、およびクラッチ106を分割して開放状態とすることを可能にする締結シェル120、121を含む。
【0060】
ステップ618は、留具を使用して、配置された内視鏡上に締結シェルを締結して閉鎖状態としながら、内視鏡の挿入および後退を容易にすることを含む。
図7A~
図7Cおよび
図8A~
図8Bを参照すると、締結シェル420、421は、配置された内視鏡140上に留具430を使用して締結されて閉鎖状態とされながら、内視鏡140の挿入および後退を容易にする。
【0061】
ステップ620は、バルーンと流体連通している膨張管を通してバルーンを膨張させることを含み、膨張管の先端は、バルーンの膨張および収縮の外部アクセスを可能にするために、挿入後も管腔の外部に残る。
【0062】
ステップ622は、折畳式管腔内クラッチに接続された内部の膨張式バルーンを膨張させることによる固定を含み、バルーンの膨張は、クラッチを展開させて展開状態とする。
【0063】
ステップ624は、管腔封止材として動作する遠位フラップ周囲フランジを展開することによる管腔封止を含む。展開状態時には、アダプタが管腔内に挿入されたときの突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって、フランジは、管腔液の逆流を防ぐ。
図11A~
図11Cを参照すると、遠位フラップ周囲フランジ105は、管腔封止材として動作する。展開状態時には、アダプタ100が管腔内に挿入されたときの突出マズル102と管腔との間の間隙を封止することによって、フランジ105は、管腔液の逆流を防ぐ。
【0064】
ステップ626は、折畳式の遠位管腔内クラッチを展開して展開状態にするために、クラッチに固定された円環バルーンを膨張させることを含む。
【0065】
ステップ628は、遠位膨張式円環バルーンの膨張による管腔封止を含み、円環バルーンは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって、膨張させたときに管腔液の逆流を防ぐように動作する。
図19を参照すると、遠位膨張式円環バルーン127が膨張され、アダプタ205が管腔内に挿入されたときに突出マズル102と管腔との間の間隙を封止することによって、膨張させたときに管腔液の逆流を防ぐように動作する。
【0066】
ステップ630は、クラッチを展開して展開状態にするために、クラッチに固定された膨張式三日月形バルーンを膨張させることを含む。
図10A~
図10Cを参照すると、クラッチ106を展開して展開状態にするために、クラッチ106に固定された膨張式三日月形バルーン107が膨張される。
【0067】
ステップ632は、遠位フラップ周囲フランジを展開することを含み、周囲フランジは、全円より大きい円でマズルの遠位端を囲み(例えば、円に関して360°+40°で重複するように巻き付けられ)、三日月形バルーンに結合される。三日月形バルーンの膨張は周囲フランジを展開して展開状態とし、フランジの結果的な重複は三日月形バルーンを密に閉じて(三日月の2つの端部を結合する)、完全な輪形状とする。
図11A~
図11Cを参照すると、遠位フラップ周囲フランジ105は展開され、全円より大きい円(例えば、360°+40°)で突出マズル102の遠位端を囲み、三日月形バルーン107に結合される。三日月形バルーン107の膨張は、周囲フランジ105を展開して展開状態とし、フランジ105の結果的な重複は三日月形バルーン107を密に閉じて(三日月の2つの端部を結合する)、完全な輪形状とする。
【0068】
ステップ634は、遠位膨張式三日月形バルーンの膨張による管腔封止を含み、三日月形バルーンは、管腔内に挿入されたときに、マズルと管腔との間の間隙を封止することによって、膨張させたときに管腔液の逆流を防ぐように動作する。
図10A~
図10Cを参照すると、遠位膨張式三日月形バルーン107が膨張されて管腔内に挿入されたときに、マズル102と管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防ぐ。
【0069】
ステップ636は、管腔の近位部分の長さに関連して突出マズルに沿って管腔内クラッチの位置を長手方向に調節することによってアダプタを固定することを含む。この調節は、クラッチに固定されたストラップの引張りを含み、クラッチがマズルの長さに沿って移動可能である。ストラップは、管腔に挿入されたアダプタの外部に延びる近位引張部分を含み、この引張部分は、マズルに沿う、さらに管腔に関連するクラッチの長手方向の位置の調節を可能にする。
図16Cを参照すると、突出マズル102に沿う、さらに管腔152の近位部分の長さに関連して、管腔内クラッチ106の位置を長手方向で調節することは、アダプタ100を固定する。この調節は、クラッチに106に固定されたストラップ134を引っ張ることを含み、クラッチ106はマズル102の長さに沿って移動可能である。ストラップ134は、管腔に挿入されたアダプタ203の外部に延びる近位引張部分を含み、この引張部分は、マズル102に沿う、さらに管腔に関連する、クラッチ106の長手方向の位置の調節を可能にする。
【0070】
ステップ638は、ストラップ、引張ワイヤ、および/またはテープを使用して、患者の身体にアダプタを外から取り付けることによってアダプタを固定することを含む。
図20A~
図20Bを参照すると、ストラップ176、引張ワイヤ178、および/またはテープ175、177を使用して、患者の身体170にアダプタ100を外から取り付けることによって、アダプタ206が固定される。
【0071】
ステップ639は、遠位リブ付バルーンを膨張させることによってアダプタおよび管腔封止を固定することを含み、リブ付バルーンは、バルーンに取り付けられ、リブ付バルーンの展開を成形するように構成された半剛性リブを含む。リブ付バルーンが膨張されると、管腔壁を固く係合してマズルと管腔との間の間隙を封止するために、半剛性リブは、リブ付バルーンが管腔壁に向かって拡大して内視鏡ボアに向かって拡大しないように、その拡大を方向付けする。
図12A~
図12Bを参照すると、管腔液流通および内視鏡結合アダプタの遠位端に配置されたリブ付バルーン227は、半剛性リブ226を含む。リブ付バルーン227の膨張時に、リブ226は、管腔壁に向かうが内視鏡ボア190には向かわないリブ付バルーン227の拡大を成形し、方向付ける。リブ付バルーン227の拡大は、遠位突出マズル102と管腔壁との間の間隙を封止し、アダプタを固定するために管腔壁を強固に係合する。
【0072】
ここで、
図21の実施形態のステップ606および610のサブルーチンまたはサブプロシージャのブロック図である
図23を参照する。
【0073】
ステップ640は、弾性部材に固定された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることによる外部身体リクライニングを含み、管腔の患者の近位部分の長さに適合するためにアダプタの近位外部身体リクライナの長手方向の寸法の調節を可能にする。アダプタの挿入が完了すると、弾性部材は、さらに、接続点において患者の身体に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタに対して引張力を作用させてアダプタを所定の場所に固く保持することによって、アダプタの固定を助ける。
図10A~
図10Cを参照すると、弾性部材131に固定された近位外部クッション129を含む近位外部身体リクライナ130は、患者の身体170に寄り掛かり、弾性部材131は、患者の管腔152の近位部分の長さに適合するために近位外部身体リクライナ130の長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタ100の挿入が完了すると、弾性部材131は、さらに、接続点において患者身体170に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタ100に対して引張力を作用させてアダプタ100を所定の場所に固く保持することによって、アダプタ100の固定を助ける。
【0074】
ステップ642は、ラチェットに固定された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることによる外部身体リクライニングを含み、ラチェットは、スナップ歯止に関して移動可能な歯付バーを特徴とする。これは、管腔の患者の近位部分の長さに適合するために近位外部身体リクライナの長手方向の寸法を調節することを可能にする。
図16Aを参照すると、ラチェット132に固定された近位外部クッション129を含む近位外部身体リクライナ230は、患者の身体170に寄り掛る。ラチェット132は、スナップ歯止め137に関して移動可能な歯付バー136を特徴とし、歯付バー136は、管腔152の患者の近位部分の長さに適合するために身体リクライナ230の長手方向の寸法を調節することを可能にする。
【0075】
ステップ644は、ラチェットに接続された弾性部材に固定された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることによる外部身体リクライニングを含み、ラチェットは、スナップ歯止めに関して移動可能な歯付バーを特徴とする。これは、管腔の患者の近位部分の長さに適合するために近位外部身体リクライナの長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタの挿入が完了すると、弾性部材は、さらに、接続点において患者の身体に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタに対して引張力を作用させてアダプタを所定の場所に強固に保持することによって、アダプタの固定を助ける。
図16Dを参照すると、ラチェット135に接続された弾性部材に固定された近位外部クッション129を含む近位外部身体リクライナ233は、患者の身体170に寄り掛かる。ラチェット135に接続された弾性部材は、弾性部材138およびラチェット139を含む。ラチェット139は、スナップ歯止137に関して移動可能な歯付バー136を特徴とし、歯付バー136は、管腔152の患者の近位部分の長さに適合するために身体リクライナ233の長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタ204の挿入が完了すると、弾性部材138は、さらに、接続点において患者の身体170に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタ204に対して引張力を作用させてアダプタ204を所定の場所に固く保持することによって、アダプタ204の固定を助ける。
【0076】
ステップ646は、調整膨張度を有する近位外部膨張式バルーンを患者の身体に寄り掛からせることによる外部身体リクライニングを含む。バルーンの容積の柔軟性は、管腔の患者の近位部分の長さに適合するために近位外部身体リクライナの長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタの挿入が完了すると、バルーンは、さらに、接続点において患者の身体に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタに対して引張力を作用させるために膨張されてもよく、アダプタを所定の場所に強固に保持する。
図16Bを参照すると、調整膨張度を有する近位外部膨張式バルーン133を含む近位外部身体リクライナ231は、患者の身体170に寄り掛かる。バルーン133の容積の柔軟性は、管腔152の患者の近位部分の長さに適合するために身体リクライナ231の長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタ202の挿入が完了すると、バルーン133は、さらに、接続点において患者の身体170に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタ202に対して引張力を作用させるために膨張されてもよく、アダプタ202を所定の場所に強固に保持する。
【0077】
ステップ648は、管腔液吸引ユニットを用いて吸引ポートを通る管腔液の能動的な吸引を含み、管腔液吸引ユニットは、管腔からの管腔液の排出のために吸引ポートを通して管腔液に対して吸引力をかけるものであり、外部流体管理システムの一部であってもよい。システムの動作は、灌注部によって灌注液を管腔に灌注することを含んでもよい。灌注は、灌注キャニスターから灌注液を流すことと、排出された管腔液を排水キャニスターで回収することを含んでもよい。管腔からの吸引および管腔の灌注は、外部流体制御部によって制御されてもよく、外部流体制御部は、さらに、(1)システム、特に吸引ポートにおける流体流量、(2)吸引ポートおよび/または排出管における真空レベル、および(3)排水キャニスターおよび灌注キャニスター内部の流体量を測定、計算、および/または制御するための測定センサを含み、かつ制御してもよい。この測定および計算は、患者の管腔内部に残る洗浄液の量を推定することを含んでもよい。この推定は、排水キャニスターおよび灌注キャニスターを計量することによって排水キャニスターおよび灌注キャニスター内部の流体の量を測定することを含んでもよい。
図18Aおよび
図18Bを参照すると、管腔液は、管腔液吸引ユニットによって吸引ポート112を通して能動的に排出され、管腔液吸引ユニットの一実施形態は、外部流体管理システム350の一部であり得る真空吸引ポンプ284Aでもよい。一実施形態が灌注ポンプ284Bとなり得る灌注部は灌注液を灌注キャニスター286から管腔内に流し、管腔液は排水キャニスター186で回収されてもよい。外部流体制御部285は、真空吸引ポンプ284Aおよび灌注ポンプ284Bを制御でき、さらに、(1)例えば流体流量センサ188を用いて、吸引ポート112ならびに/もしくは管282、283、287、および293における流体流量、(2)圧力センサ183を用いて、吸引ポート112および/または排出管283における真空レベル、および(3)計量器189および289を用いて、それぞれ排水キャニスター186および灌注キャニスター286内部の流体の量を測定、計算、および/または制御するための測定センサを含んで制御してもよい。これは、患者の管腔151の内部に残る洗浄液の量を推定することを可能にする。
【0078】
ステップ650は、同量の流体を排出および灌注するために、管腔から流体を吸引する際の管腔液吸引ユニットの動作と灌注液を管腔内に流す際の灌注部の動作とを同期化することを含む。この同期化は、管腔液吸引ユニットおよび灌注部を共通軸上に設けることと、デュアルヘッドポンプの共通モータで駆動することとを含んでもよい。
図18Aおよび
図18Bを参照すると、管腔液吸引ユニットの一実施形態である真空吸引ポンプ284Aと、灌注部の一実施形態である灌注ポンプ284Bとが共通軸上に設けられ、デュアルヘッドポンプ284の共通モータによって駆動され、ポンプ284A、284Bの同期動作を可能にする。
【0079】
ステップ652は、前記の管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく、管腔液吸引ユニットを吸引ポートを通して管腔と連通させる排出管内の圧力を、事前に定義された閾値を上回る高圧力まで上昇させることを含む。これは、圧力レベルが事前に定義された閾値未満に降下すると、圧力が事前に定義された閾値より高く上昇されるまで、排出管における圧力レベルを測定し、空気を排出管内へ流すことによって実現される。排出管、例えば管腔液からの汚染が気管を通って流れることを防ぐことは、気管内に配置され得る一方向逆止弁によって実現されてもよい。
図18Bを参照すると、外部流体制御部285の測定センサのうちの圧力センサ183は、排出管283における圧力を測定し、圧力が事前に定義されたレベル未満に降下すると、制御部285は、真空吸引ポンプ284Aの動作を停止させることなく、空気ポンプ292から空気弁291および気管290を通して排出管283内に空気を流して、排出管283における圧力レベルを事前に定義された閾値を上回るように上昇させる。一方向逆止弁293は、排出管283からの汚染が気管290を通過することを防ぐために気管290内に配置される。
【0080】
ここで、
図21の方法のステップ602および/または604のサブルーチンまたはサブプロシージャのブロック図である
図24を参照する。
【0081】
ステップ658は、ステップ602のように内視鏡をアダプタの内視鏡ボア内に配置する前に内視鏡ボアの近位端に縮小グロメットを設置することを含み、ここで、縮小グロメットは、近位封止材の直径よりも小さい直径を有する内視鏡を封止するように収容するのに適した内周を有する。内視鏡ボアの近位側から管腔液が漏洩するのを防ぐために、縮小グロメットは近位封止材内に設置されてもよく、または近位封止材に近位に取り付けられてもよい。
図9A~
図9Cを参照すると、縮小グロメット411は、アダプタ401の内視鏡ボア190の近位端に設置される。内視鏡440の挿入前に、縮小グロメット411は、近位封止材111の近位開口111a内に設置されてもよく、または近位封止材111に近位に取り付けられてもよい。縮小グロメット411は、内視鏡ボア190の近位側から管腔液が漏洩するのを防ぐために、内視鏡440を封止するように収容するのに適した内周411bを有する。
【0082】
ステップ660は、ステップ604のように、アダプタの遠位端を患者の管腔の近位部分内に挿入する前に、内視鏡が内視鏡ボアに配置されていないときに、内視鏡ボアの近位端に封止プラグを設置することを含む。封止プラグは、近位封止材および内視鏡ボア内に内視鏡が配置されていないときに、管腔への挿入時にアダプタの近位端から管腔液が漏洩するのを防ぎ、吸引ポートを通って出るように流体を流通させるために、近位封止材の近位開口を遮断するように構成される。
図9Dを参照すると、管腔152の患者の近位部分内へのアダプタ401の遠位端の挿入前に、封止プラグ413は、アダプタ401の内視鏡ボア190の近位端に設置される。封止プラグ413は、近位開口111aおよび内視鏡ボア190内に内視鏡が配置されていないときに、管腔内への挿入時にアダプタ401の近位端からの管腔液の漏洩を防ぎ、吸引ポート112を通って出るように流体を流通させるために、近位封止材111の近位開口111aを遮断するように構成される。
【0083】
肛門に固定され流体制御と結腸からの吸引とを調整する内視鏡アダプタに言及して好適な実施形態を上述したが、本発明の新規の原理は、器具を固定して、喉または肺などの他の体腔から流体を吸引/排出するために使用されてもよく、さらに医療用途以外の用途のために管腔および他の部位でも同様に使用され得ることが理解されるであろう。
【0084】
したがって、好適な実施形態は本明細書で例として挙げられたものであり、本発明の全範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されることが理解されるであろう。当業者が本発明を実践可能にするために本開示の主題の特定の実施形態が説明されたが、前記の説明は、例示に過ぎないことが意図される。本開示の主題の範囲を限定するために使用されるべきではなく、本開示の主題の範囲は、以下の請求項を参照することにより判断されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、患者の管腔内における物体の挿入および流体の管理に関し、特に、医療器具を挿入し、結腸内の流体を管理するための方法およびアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
体腔の直接検査、具体的にはフレキシブル内視鏡を用いた腸管の直接検査によってもたらされる診断上および治療上の利点によって、この方法は現代医療の標準的処置としてきた。最も一般的な内視鏡的処置のうちの1つは結腸内視術であり、結腸内視術は、癌の診断、胃腸出血源の確定、炎症性腸疾患の影響を受けた部位の視覚的確認、ポリープ切除、腸捻転および腸重積症の低減などを含む、多種多様な目的のために実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この処置においては、内視鏡は、約1.2~1.5メートル延びる結腸の全長にわたって挿入および操作され、最適な操作性、安定性、さらに内視鏡カメラの視界が遮られないことが最も重要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、管腔液流通および内視鏡結合アダプタが提供され、アダプタは、管腔入口を通って患者の管腔の近位部分までの挿入のための、患者の体外のアダプタの近位端から管腔の内部に配置されたアダプタの遠位端への内視鏡の挿入を可能にする。アダプタは、近位外部身体リクライナであって、管腔へのリクライナの挿入を妨げるようなサイズを有するリクライナと、身体リクライナに結合された中間突出マズルであって、管腔入口を通る管腔の近位部分へのマズルの穿通を可能にするようなサイズを有するマズルと、遠位折畳式管腔内クラッチであって、突出マズルの遠位端に配置され、管腔の管腔入口および近位部分を通して挿入および後退を可能にする折り返された狭状態をとり、アダプタを固定するために、近位部分の遠位での管腔における展開状態をとるように構成される折畳式管腔内クラッチと、マズルを通してアダプタに沿って開けられた長手方向に延在する内視鏡ボアであって、ボアを通った管腔への内視鏡の挿入および後退を可能にする内視鏡ボアと、管腔液流通装置であって、マズルを通ってアダプタに沿って開けられ、内視鏡ボアと流体連通した、長手方向に延在する周囲導管と、周囲導管と流体連通し、管腔から周囲導管に入る管腔液を放出するための流体吸引ポートであって、前記管腔液は液体または固体と組み合わされた液体を含有する、流体吸引ポートと、前記アダプタを通して洗浄液を噴出するように構成された灌注ノズルと、管腔液の外部への漏洩を防止するための近位封止材であって、アダプタに近接して配置され、周囲導管と、内視鏡ボアへの挿入時に内視鏡周囲とを封止するように構成される近位封止材と、突出マズルが管腔内に挿入されたときの突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するための管腔封止材と、を備える管腔液流通装置と、を含む。折畳式管腔内クラッチは、クラッチに固定された膨張式バルーンを含んでもよく、バルーンの膨張は、クラッチを展開させて展開状態とする。管腔封止材は、膨張式円環バルーンを含んでもよく、円環バルーンは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために膨張させると作動する。折畳式管腔内クラッチは、管腔封止材を含むフラップ周囲フランジを含んでもよく、フランジは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために展開状態時に作動する。アダプタは、少なくとも2つの締結シェルに分割されてもよく、締結シェルを締め付けて閉状態として内視鏡の挿入および後退を容易にする前に、内視鏡を横置きすることを可能にすることによって、内視鏡ボアおよび近位封止材を分割して、内視鏡ボアおよび近位封止材における内視鏡の配置を容易にするための開状態とすることができる。折畳式管腔内クラッチは、クラッチに固定された膨張式三日月形バルーンを含んでもよく、三日月形バルーンの膨張はクラッチを展開させて展開状態とし、また、フラップ周囲フランジをさらに含んでもよく、フラップ周囲フランジは、一周して重なって三日月形バルーンに固定される湾曲においてマズルの遠位端を囲み、三日月形バルーンの膨張が周囲フランジを展開させて展開状態とし、周囲フランジの重なりは、三日月形バルーンを密に閉じて完全な輪の形状とする。管腔封止材は、三日月形の膨張式バルーンを含んでもよく、三日月形バルーンは、管腔内に挿入されたときに、マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために膨張させると作動する。折畳式クラッチは膨張管に接続された膨張式バルーンを含んでもよく、膨張管の先端は、膨張式バルーンの膨張および収縮の外部制御を可能にするために、突出マズルの挿入後に管腔の外部に残る。アダプタは、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを含んでもよく、ロッドは近位封止材を通り、周囲導管を通って封止するように挿入され、ロッドは、アダプタを通って長手方向に延び、糞便の残滓の物理的な分解および粉砕、ならびに閉塞物の除去のためにロッドを挿入および後退可能とするように動作する。洗浄ロッドは、中空アームにおいて長手方向の管の挿入および後退を可能とするために、洗浄ロッドの長さに沿って延びる少なくとも1つの中空アームを含んでもよい。内視鏡ボアは吸引ポートと流体連通しており、管腔液の渦流れを促進するように作用する螺旋状の切り欠きを含んでもよい。外部身体リクライナは、弾性部材に接続されたクッションと、スナップ歯止めに対して移動可能な歯付バー機構を有するラチェットに接続されたクッションと、外部膨張式バルーンと、クラッチに固定された引張ストラップであって、クラッチがマズルの長さに沿って移動可能である引張ストラップと、のうちの少なくとも1つを含んでもよく、これらは管腔に関連してクラッチの長手方向位置の調節を可能とするためのものである。アダプタは、管腔からの流体の排出のために吸引ポートと流体連通した管腔液吸引ユニットと、灌注液を管腔内に流すために管腔と流体連通した灌注部とを含んでもよい。アダプタは、管腔液吸引ユニットおよび灌注部の動作を制御するための外部流体制御部をさらに含んでもよく、外部流体制御部は、吸引ポートにおける流量、真空レベルを測定し、および/または患者の管腔内部の洗浄液量を推定するための測定センサを含む。管腔液吸引ユニットは、排出された管腔液を回収するための排水キャニスターを含んでもよく、灌注部は、灌注キャニスターを含んでもよく、灌注液は、灌注キャニスターから管腔内部まで流され、測定センサは、排水キャニスターおよび/または灌注キャニスター内部の流体量を測定するための計量器を含んでもよく、患者の管腔内部に残る洗浄液量を推定可能にする。管腔液吸引ユニットおよび灌注部は、共通のモータによって電源供給され、デュアルヘッドポンプの共通軸上に取り付けられてもよく、管腔液吸引ユニットおよび灌注部の同期動作を可能にする。管腔液吸引ユニットは、管腔吸引部を管腔と連通させる排出管と流体連通した気管をさらに含んでもよく、測定センサは、排出管における圧力レベルを測定するように構成される圧力センサを含んでもよく、排出管における圧力レベルが事前に定義された閾値未満まで降下すると、制御部は、管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく排出管における空気圧を上昇させるために、気管を介して空気を排出管内まで流すための気流手段を制御してもよい。アダプタは、ストラップ、引張りワイヤ、および/またはテープを使用して患者の身体に外部から取り付けられてもよい。アダプタは、内視鏡を封止するように収容するために内視鏡ボアの近位端に設置されるように動作する縮小グロメットをさらに含んでもよい。
【0005】
本発明の別の態様によれば、管腔液流通および内視鏡結合のための方法であって、アダプタ内に内視鏡を配置する工程であって、アダプタは、アダプタを貫通して開けられた長手方向に延在する内視鏡ボアと、ボアに挿入された内視鏡を囲むように構成され、アダプタの近位端からの流体漏洩の遮断を実現する近位封止材とを含む工程と、患者の管腔の近位部分内にアダプタの遠位端を挿入する工程であって、アダプタは、遠位管腔内折畳式クラッチと、中間突出マズルと、近位外部身体リクライナとを備え、外部身体リクライナは患者の身体と接続するまでアダプタの挿入を継続し、遠位管腔封止材は、マズルの遠位端と管腔との間の間隙からの漏洩を遮断するように動作する工程と、管腔の近位部分内で遠位折畳式クラッチを展開させて、アダプタを患者の身体に固定固定するために管腔に対して押し付ける展開構成にする工程と、マズルを通ってアダプタに沿って開けられた長手方向に延在する周囲導管を通って管腔液を排出し、周囲導管と流体連通している流体吸引ポートを通って放出することを可能にし、管腔液は液体または固体と組み合わされた液体を含有する工程であって、近位封止材はアダプタの近位端からの漏洩から流体を遮断する工程と、前記アダプタを通して灌注ノズルから洗浄液を噴出する工程と、を含む、方法が提供される。固定固定は、クラッチに固定された遠位膨張式バルーンを膨張させることを含んでもよく、バルーンの膨張は、折畳式管腔内クラッチを展開させて展開状態とする。管腔封止は、遠位膨張式円環バルーンの膨張を含んでもよく、円環バルーンは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために膨張させると作用する。管腔封止は、管腔封止材として作用する遠位フラップ周囲フランジの展開を含んでもよく、フランジは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、マズルと管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防止するために展開状態時に作用する。固定は、バルーンと流体連通している膨張管を通ってクラッチと接続された内部バルーンを膨張させることを含んでもよく、膨張管の先端は、膨張式バルーンの膨張および収縮のための外部アクセスを可能にするために、挿入後に管腔の外部に残る。排腔は、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを使用した糞便の残滓および他の閉塞物の物理的分解および粉砕を含んでもよく、ロッドは近位封止材および周囲導管を通って封止するように挿入され、粉砕は、ロッドの挿入および後退を含む。排腔は、(1)灌注ノズルが管腔内に挿入されると、少なくとも1つの中空アームを通って延びる灌注ノズルから洗浄液を噴出することであって、中空アームは洗浄ロッドの長さに沿って延びることと、(2)少なくとも1つの中空アームを通って管腔内に挿入されたカメラを使用して粉砕および排腔を監視することと、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。方法は、弾性部材に接続された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることと、スナップ歯止めに関して移動可能な歯付バーを特徴とするラチェットに接続された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることと、調整膨張度を有する近位外部膨張式バルーンを患者の身体に寄り掛らせることと、および/またはマズルの長さに沿って移動可能なクラッチに固定された引張ストラップを用いてマズルに沿ってクラッチを引っ張ることと、のうちの少なくとも1つによって、管腔の近位部分に適合するようにアダプタの長手方向の寸法を調整することをさらに含んでもよい。排腔は、前記吸引ポートを通して管腔液を能動的に吸引することと、灌注液で管腔を灌注することと、外部流体制御部によって吸引および灌注を制御することと、を含んでもよい。前記方法は、吸引ポートにおける流量および/もしくは真空レベルを測定、計算、および/もしくは制御することと、ならびに/または患者の管腔内部の洗浄液量を推定することをさらに含んでもよい。吸引は、圧力レベルが事前に定義された閾値未満に降下すると、圧力が事前に定義された閾値より高く上昇されるまで、排出管における圧力レベルを測定し、空気を排出管内へ流すことによって、管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく、管腔液吸引ユニットを管腔と連通させる排出管内の圧力を、事前に定義された閾値を上回る高圧力まで上昇させることを含んでもよい。アダプタ内への内視鏡の配置は、内視鏡を封止するように収容するために内視鏡ボアの近位端に縮小グロメットを設置することをさらに含んでもよい。
【0006】
本発明は、図面と併せて以下の詳細な説明からより十分に理解および認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略側面図である。
【
図2】水平方向に90°回転したときに見られる、
図1のアダプタの概略図である。
【
図3】
図2に示す線A-Aに沿った、
図1のアダプタの概略的な断面図である。
【
図4】
図1のアダプタを上方から見た概略図である。
【
図5】
図1のアダプタを下方から見た概略図である。
【
図6】患者の身体に固定したときに見られる、
図1のアダプタの概略図である。
【
図7A】
図1のアダプタ上に内視鏡を横から配置する連続的段階を示す図である。
図1のアダプタの開/分割構成の初期段階に見られる概略図である。
【
図7B】
図7Aのアダプタの開/分割構成にあるときのアダプタに内視鏡を横から配置する中間段階に見られる概略図である。
【
図7C】
図7Bのアダプタが内視鏡を中心として締め付けられている動作段階に見られる概略図である。
【
図8A】留め具を用いた内視鏡を中心とした分割可能アダプタの締め付けを示す図である。本発明によって構築され、作用する、開構成における留具を特徴とする、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略図である。
【
図8B】閉構成における留具を有する、
図8Aのアダプタの概略図である。
【
図9A】様々な直径の内視鏡を収容するために内視鏡ボアの近位端を狭める、または封止するための手段を示す図である。本発明によって構築され、作用する、縮小グロメットを特徴とし内視鏡と結合された、近位側が上方に示される、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略図である。
【
図9B】内視鏡なしで示される、
図9Aのアダプタの概略図である。
【
図9C】本発明によって構築され、作用する、分割可能縮小グロメットの一実施形態の概略図である。
【
図9D】縮小グロメットおよび封止プラグを特徴とする、近位側を上方に示した、
図9Aのアダプタの概略図である。
【
図10A】
図7Cに示すように内視鏡と結合されたアダプタの管腔入口を通る挿入と固定固定との連続的段階を示す図であり、アダプタの身体リクライナおよびクラッチの動作を説明する図である。管腔入口と隣り合って配置された、初期段階におけるアダプタの概略図である。
【
図10B】リクライナ身体リクライナによる抵抗が生じるまでの、管腔の近位部分内へのその遠位突出マズルの挿入の中間段階(クラッチは折り畳まれた状態)において示されるアダプタの概略図である。
【
図10C】リクライナその隣り合った三日月形バルーンの膨張による遠位クラッチの展開の最終段階にあり、それによってアダプタを固定し、管腔とアダプタとの間の間隙を封止するものとして示されるアダプタの概略図である。
【
図11A】
図1のアダプタの周囲フラップフランジの異なる態様を示す図である。分割-開構成で示されたフランジの概略図である。
【
図11B】マズルの遠位端の周囲でアダプタに配置され、膨張式三日月形バルーンに固定されたフランジの上方からの概略図である。
【
図11C】マズルの遠位端の周囲でアダプタに配置され、膨張式三日月形バルーンに固定されたフランジの側方からの概略図である。
【
図12A】リブ付バルーンを示す図である。本発明によって構築され、作用する、リブ付バルーンの概略断面図である。
【
図13A】
図1の洗浄ロッドの動作の段階を示す図である。遠位に延出された位置の洗浄ロッドとともに示された、上側の角度からのアダプタの概略図である。
【
図13B】近位に後退した位置の洗浄ロッドとともに示された、上側の角度からのアダプタの概略図である。
【
図14A】撮像管および灌注ノズルを特徴とする洗浄ロッドを示す図である。本発明によって構築され、作用する、撮像管と結合された洗浄ロッドと灌注ノズルとを特徴とする、近位側が上方に示される、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略図である。
【
図14B】上方から示される、
図14Aのアダプタおよび洗浄ロッドの概略図である。
【
図14C】内視鏡と結合される、
図14Aのアダプタおよび洗浄ロッドの概略図である。
【
図15A】流体流通装置の構成要素を表示する
図1のアダプタの断面図である。アダプタの概略図である。
【
図16A】本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の身体リクライナの代替の固定機構を示す図である。身体リクライナが、ラチェットに固定されたクッションを含む場合の、アダプタの概略図である。
【
図16B】リクライナ身体リクライナが膨張式三日月形バルーンを含む場合の、アダプタの概略図である。
【
図16C】リクライナクラッチに固定された引張ストラップが、アダプタの長手方向位置を調節および固定する役割を果たす場合の、アダプタの概略図である。
【
図16D】リクライナ身体リクライナが、ラチェットに接続された弾性部材に固定されたクッションを含む場合の、アダプタの概略図である。
【
図17】本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態と外部流体管理システムとの概略断面図である。
【
図18A】本発明によって構築され。作用する、外部流体管理システムのポンプおよびデュアル計量器を有する平衡外部流体制御部の概略図である。
【
図18B】本発明によって構築され、作用する、平衡外部流体制御部を含む、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態と外部の流体管理システムとの概略断面図である。
【
図19】膨張式円環バルーンを有する遠位クラッチを特徴とする、本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態の概略側面図である。
【
図20A】患者の管腔に挿入され、患者の身体に取り付けられたストラップ、テープ、およびワイヤを使用して固定されるものとして示される、本発明によって構築され、作用する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの一実施形態を示す図である。ストラップ、ワイヤ、およびテープを使用して患者の身体に取り付けられるアダプタの概略側面図である。
【
図20B】テープを用いて患者の臀部に取り付けられるアダプタの概略側面図である。
【
図21】本発明の一実施形態により作用する、内視鏡結合および流体流通のための方法のブロック図である。
【
図22】
図21の方法のステップ602および608のサブルーチンまたはサブ工程のブロック図である。
【
図23】
図21の方法のステップ606および610のサブルーチンまたはサブ工程のブロック図である。
【
図24】
図21の方法のステップ602および604のサブ工程のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、患者の肛門上に固定するために作用する、固定要素と、内視鏡ボアと、流体流通装置とを備えるアダプタが提供される。アダプタは、近位外部身体リクライナと、管腔に穿通するために動作する中間突出マズルと、遠位管腔内折畳式クラッチと、アダプタの長さに沿って開けられた内視鏡ボアとを備える。管腔入口を通るアダプタの挿入と、折畳式クラッチを展開することによる管腔内でのアダプタの定置とに続いて、さらに内視鏡ボア内への内視鏡の挿入後に、初期のアダプタ固定に先立って、またはそれに続いて、洗浄液が内視鏡を通って患者の管腔内に導入される。「内視鏡」という用語と、そのあらゆる変形とは、本明細書で使用される場合、管腔内に挿入されることに適した任意の種類のプローブまたは細長い器具を指す。アダプタの流体流通装置は、アダプタの長さに沿って開けられ、内視鏡ボアに隣接して流体連通している周囲導管と、周囲導管および内視鏡ボアと流体連通している流体吸引ポートと、アダプタの近位出口と管腔とアダプタとの間の間隙とをそれぞれ封止する近位封止材および管腔封止材とを含む。内視鏡を介して管腔内に流体を遠位で流した後、流体流通装置は、流された流体の還流を、主に周囲導管内に導き、部分的に内視鏡と内視鏡が配置される内視鏡ボアとの間の間隙を通して導き、吸引ポートから排出して、流体を廃棄して、望ましくない漏洩を防止する。
【0009】
管腔液流通および内視鏡結合アダプタは、患者の身体に外部から接続する近位身体リクライナと、中間突出マズルと、遠位折畳式内部クラッチ(クラッチの文脈における「管腔内」および「内部」という語は入替可能に使用され、同じ意味を持つ)とを含む。長手方向に延在する内視鏡ボアがアダプタの長さにわたって存在し、そこを通して内視鏡が管腔内に挿入され、そこから後退させられてもよい。アダプタは、さらに、流体流通装置を含む。この装置は、長手方向に延在して管腔液を管腔から排出可能にする周囲導管と、アダプタの内容積を封止しながら内視鏡が封止を妥協せずに通過できるようにする近位封止材と、管腔と挿入された突出マズルとの間の間隙を封止する管腔封止材と、周囲導管および内視鏡ボアと流体連通していて管腔から周囲導管に入った管腔液を放出するための吸引ポートとを含む。外部流体は、内視鏡を介して装置に導入されることができ、装置は、それらの流体を直接管腔内に流通させることができる。
【0010】
アダプタは分割可能でもよく、2つの(またはそれ以上の)締結シェルが内視鏡ボア、近位封止材、およびクラッチを分割して、内視鏡を内視鏡ボア上で横置きするために適した開状態とすることを可能にする。その後、シェルおよびクラッチがボアにおいて内視鏡を囲むように締め付けられる。
【0011】
管腔入口を通して管腔の近位部分内に突出マズルを挿入すると、遠位折畳式クラッチは展開してアダプタの固定を可能にする。本発明の一実施形態によれば、特にアダプタが分割可能なとき、三日月形バルーンおよびフランジも分割可能となるように、クラッチは、周囲重畳フラップフランジに固定された膨張式三日月形バルーンを備えてもよい。膨張時、バルーンがフラップフランジを展開して開動作クラッチ状態になり、フラップフランジとともに、管腔封止材としても作用する。円環バルーンおよび三日月形バルーンは、膨張管を用いて管腔内に挿入後に膨張されてもよく、その先端は管腔の外部に残る。
【0012】
外部リクライナが患者の身体と接続するまで、突出マズルが挿入され、折畳式クラッチの展開に続いて、リクライナは、管腔の近位部分の長さに長手方向で適合するように調整される。この調整は、弾性部材に固定されたクッション、ラチェット機構に固定されたクッション、弾性部材およびラチェット機構に固定されたクッション、膨張式外部バルーン、および/または引張ストラップなど、複数の手段によって実現可能である。アダプタは、テープ、ストラップ、および/または引張ワイヤを使用して患者の身体に取り付けられてもよい。
【0013】
内視鏡に結合されたアダプタの固定および安定化に続いて、灌注液が内視鏡を通じて管腔内に導入されてもよい。管腔とアダプタとの間の間隙は封止されると、流体の逆流は、周囲導管内視鏡と内視鏡ボアとの間の間隙とを通して必ず排出させる必要がある。近位封止材がアダプタの近位端を遮断すると、流体は、吸引ポートを通って流出する。流体排出を改善するために、管腔液吸引ユニットは、吸引ポートを通して管腔における流体に対して吸引を適用するために吸引ポートと流体接続されてもよい。本発明の一実施形態によれば、吸引部は、汚水キャニスターまたは袋と流体連通して配置される真空吸引ポンプを含んでもよく、ポンプは、吸引ポートを通じて吸引力を管腔液に印加してもよい。制御ユニットに接続された計量器などのセンサは、吸引ポートを通して圧送される/排出される流体量と、流体が灌注キャニスターに残り、そこから管腔内に汲まれる流体量とを測定して、患者の体内に残る洗浄液の量を推定するために使用されてもよい。制御ユニットに接続された圧力センサなどのセンサは、吸引ポートに存在する、または吸引ポートに印加される真空レベルを測定および制御するために使用されてもよい。制御ユニットに接続される流量センサなどのセンサは、さらに、吸引ポートから出る流量を測定するために使用されてもよい。管腔を流すことに付随して、アダプタは、周囲導管に挿入されて遠位に延出および後退させることによって糞便の残滓および他の閉塞物を粉砕するように作用する洗浄ロッドを含んでもよい。この洗浄ロッドは、遠位灌注ノズルおよび/または洗浄プロセスを監視するためのカメラを含んでもよい 。
【0014】
「灌注液」および「洗浄液」という用語は、本明細書では入替可能に使用され、管腔の灌注および管腔内に存在する糞便の残滓または他の閉塞物の洗い出しのために管腔内に導入される、水などの流体を指す。
【0015】
本明細書で使用される場合の「管腔液」という用語は、液状物質または固体が混合した液体である、管腔内に存在する流体を指し、例えば、消化液、糞便の残滓、管腔内に挿入された灌注液などを含む。
【0016】
本明細書で使用される場合の「上」、「上向き」、「上方」という語は、管腔液灌注および内視鏡結合アダプタの遠位方向または側、すなわち、患者の管腔内に最初に挿入される側を指す。本明細書で使用される場合の「下」、「下向き」、「下方」、「下部」、という語は、管腔液灌注および内視鏡結合アダプタの近位方向または側、すなわち、患者の管腔の外部に残る側を指す。
【0017】
ここで図を参照するが、図では、同様の番号が同様の部品を示す。
【0018】
図1は、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ100の一実施形態の概略側面図である。また、水平方向に90°回転させたときに見られるようなアダプタ100の概略図である
図2を参照する。遠位矢印10および近位矢印20は、それぞれ、アダプタ100の遠位側および近位側を示す。アダプタ100は、弾性部材131に接続されたクッション129を備え、管腔内へのリクライナの挿入を妨げるようなサイズを有する近位外部身体リクライナ130と、身体リクライナ130に結合され、管腔入口150を通って管腔152の近位部分内に穿通するようなサイズを有する中間突出マズル102と、突出マズル102の遠位端に配置され、管腔152の管腔入口150および近位部分を通じた挿入および後退を可能にする折り返された狭状態をとり、アダプタ100を固定するために、管腔152の近位部分の遠位での管腔における展開状態をとるように構成される、遠位折畳式管腔内クラッチ106とを含む。折畳式クラッチ106はフラップ周囲フランジ105を含み、フラップ周囲フランジ105の直径は、膨張式三日月形バルーン107に固定され、膨張式三日月形バルーン107は、折畳式クラッチ106を展開する任意の機構の役割を果たす。膨張式バルーンは、クラッチ106の代替の実施形態のための展開機構として使用されてもよい。クラッチ106は展開状態で示され、三日月形バルーン107は膨張状態を有する。三日月形バルーン107は、膨張管108と流体連通している。管108の先端は、突出マズル102の管腔内への挿入後は管腔の外部に残り、したがって、アダプタ100の管腔内への挿入後に、クラッチ106を展開するように作用する三日月形バルーン107または任意の他の内部バルーンの膨張および収縮の外部制御を可能にする。
【0019】
ここで、さらに、
図2に示す線A-Aに沿った、
図1のアダプタの概略的な断面図である
図3と、アダプタ100を上方から見た概略図である
図4と、アダプタ100を下方から概略図である
図5とを参照する。アダプタ100において、周囲導管110および内視鏡ボア190は貫通しており、マズル102にわたってアダプタ100に沿って長手方向に延在している。本明細書で使用される場合、「周囲導管」という用語は、管腔液制御および内視鏡結合アダプタの任意の部分を指す場合があり、その部分内へ管腔から管腔液が流れてもよく、その部分は吸引ポートと流体連通しており、管腔液が吸引ポートを通じて排出可能である。図を参照すると、例示的な「周囲導管110」が示されており、周囲導管110は、アダプタ100に沿って開けられた独立ボアである。ただし、これは、「周囲導管」という用語の定義を限定することを意図しておらず、例えば、内視鏡によって占有されておらず、その内部に管腔液が流れて吸引ポートを通って出ることができる内視鏡ボア190の一部分もまた「周囲導管」と考えられ得る。
【0020】
周囲導管110および内視鏡ボア190の近位端には、周囲導管110と、内視鏡ボア190に挿入時の内視鏡140周囲とを封入するように構成されている、管腔液の外部への漏洩を防止するための近位封止材111が存在する。内視鏡ボア190の近位端に存在する近位封止材111の部分は、内視鏡140が封止するように内視鏡ボア190に挿入され得る近位開口111aを残しながら、内視鏡ボア190を被覆するように成形されてもよい。周囲導管110およびボア190は、流体吸引ポート112と流体連通しており、流体吸引ポート112はシール111の遠位に配置され、導管110およびボア190へ入る管腔液を管腔から放出するための出口として機能する。周囲フラップフランジ105および三日月形バルーン107を含むクラッチ106は、本発明の本実施形態では、管腔封止材(
図9A-
図9Cを参照して詳述される)としても機能し、管腔液が管腔から周囲導管110を通って(場合によっては内視鏡ボア190を通って)吸引ポート112から排出されることを確実にするために、突出マズル102と管腔内部との間の間隙を封止する。管腔封止材としての周囲導管110、近位封止材111、吸引ポート112、およびクラッチ106はともに、管腔液流通装置109を構成し、管腔液流通装置109は、管腔液の逆流を指定された領域に向けて、制御されていない漏洩を防止することを司る。
【0021】
アダプタ100は、洗浄ロッド116をさらに含み、洗浄ロッド116は、近位封止材111および周囲導管110を通って封止するように挿入され、アダプタ100を通って長手方向に延在し、管腔において糞便の残滓を物理的に粉砕および分解し、または閉塞物を除去するために延出および後退によって動作する。アダプタ100の本体は、2つの締結シェル120~121で構成され、2つの締結可能シェル120~121は、アダプタ100、フラップフランジ105、内視鏡ボア190および近位封止材111を分割して開状態とすることを可能にし、内視鏡140をそこに横置きすることと、シェル120~121およびそのフランジ105の締め付けることと、を可能にすることによって内視鏡ボア190および近位封止材111における内視鏡140の配置を容易にする。
【0022】
ここで、患者の身体170に固定されたアダプタ100の概略図である
図6も参照する。遠位クラッチ106を有する突出マズル102は、リクライナ130が患者の身体170と接続するまで患者の肛門を通って挿入されるが、遠位クラッチ106は展開されてそのフランジ状構成にされ、アダプタ100を固定する。
【0023】
ここで、アダプタ100内に内視鏡140を横から配置する連続的段階を示す
図7A~
図7Cも参照する。
図7Aは、開/分割構成の初期段階に見られるアダプタ100の概略図であり、シェル120~121は片側に沿って分離されており、アダプタ100、フラップ周囲フランジ105、内視鏡ボア190および近位封止材111を分割する。これによって、内視鏡ボア190および近位封止材111内で内視鏡140を横置きすることが可能になる(
図7Bを参照してさらに説明される)。
図7Bは、その開放/分割構成にあるときのアダプタ100に内視鏡140を横から配置する中間段階に見られるアダプタ100の概略図である。
図7Cは、アダプタ100が内視鏡140を中心として締め付けられている、動作段階に見られるアダプタ100の概略図である。アダプタ100は、シェル120~121を再結合して突出マズル102を管腔152の患者の近位部分内に挿入されるように作用する構成に組み立てることによって締め付けられる。アダプタ100は、内視鏡140との結合前に管腔152の近位部分内に挿入されてもよく、結果として内視鏡140が挿入されてもよい。
【0024】
ここで、留め具430を用いた内視鏡140を中心としてアダプタ402の締結シェル420、421の締結を示す
図8Aおよび
図8Bも参照する。
図8Aは、本発明によって構築され、動作する、開放構成における留具430を特徴とする、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ402の概略図である。留具430は、少なくとも1つの位置合わせピン431を特徴とする。締結シェル420、421は、位置合わせピン431に対応する少なくとも1つの位置合わせ溝432を特徴とする。留め具430は、留め具430が、開放構成、すなわち締結シェル420、421の分割を可能にする構成と、閉鎖構成、すなわち締結シェル420、421を封止するように締め付ける構成とを交互にできるように締結シェル420、421の一方に接続されてもよい。例えば、留具430は、揺動軸433を通ってシェル420または421の一方に結合されて、留具430を開構成時に垂直位置にまで上昇させ、閉鎖構成時に水平位置まで下降させることを可能にしてもよい。
図8Bは、閉鎖構成における留め具430を有するアダプタ402の概略図である。通常は内視鏡140を中心としてシェル420~421を確実に締め付けるために、少なくとも1つの位置合わせピン431は、少なくとも1つの位置合わせ溝432に押し込まれて、所定の場所に固定されてもよく、それによってシェル420~421を固く締められた状態に維持する。留具430は、ラッチ、ボルト、締結ストラップ、または他の種類の締結機構を代替として含んでもよい。
【0025】
本発明が属する分野で知られている多種多様な内視鏡器具は、多種多様な直径を示し、約1.2mm~約6.0mmに及ぶ範囲の流路を有し、流路の各々は、特定の治療手技に特別に適している。この多種多様な内視鏡を単一の管腔液制御および内視鏡結合アダプタに封止するように収容するために、内視鏡ボア190の近位端を様々な内視鏡に適合させるための手段が必要である。
【0026】
ここで、様々な直径の内視鏡を収容するために内視鏡ボア190の近位端を狭める、または封止するための手段を示す
図9A~
図9Dを参照する。
図9Aは、本発明によって構築され、動作する、縮小グロメット411を特徴として内視鏡440と結合された、近位側が上方に示される管腔液制御および内視鏡結合アダプタ401の一実施形態の概略図である。また、内視鏡を除いて示されたアダプタ401の概略図である
図9Bも参照する。グロメット411は、内視鏡ボア190の近位側に設置される。グロメット411は、近位封止材111と同じ高さで連続するように近位開口111a内に挿入されてもよく、または封止材111の近位に取り付けられてもよい。グロメット411は、リング状であり、外周411aおよび内周411bを有する。外周411aは、グロメット411が近位開口111a内に挿入される場合に近位封止材111の近位開口111a内に固く嵌入するように設計されてもよく、またはグロメット411が内視鏡ボア190の近位封止材111に外部から取り付けられる場合に大きくなってもよい。内視鏡ボア190の近位側からの管腔液の漏洩を防止し、特定の直径の内視鏡と結合するときにアダプタ401が完全に機能することを可能にするために、内周411bの寸法は、近位開口111aの直径よりも小さいその特定の内視鏡直径を封止するように収容するように適合されてもよい。グロメット411は、使い捨てでもよく、または再利用可能でアダプタ401上に永続的に設置されてもよい。
【0027】
図9Cは、分割可能縮小グロメット412の概略図である。分割可能縮小グロメット412は、アダプタ100に関して例えば
図7A~
図7Cで示されるように、内視鏡を分割可能な管腔液制御および内視鏡結合アダプタ内に横から配置するのに特に適合されてもよい。アダプタ100が分割されて開放構成になると、グロメット412は、近位封止材111内、または近位封止材111に近位または遠位に取り付けられる、のいずれかで、内視鏡ボア190の近位側に設置されてもよい。内視鏡は、次いで、内視鏡ボア190、近位封止材111および分割可能縮小グロメット412内に、全て分割開構成で横から配置されることができ、アダプタ100は、その後、内視鏡を中心として封止するように締結されてもよい。
図9Dは、グロメット411および封止プラグ413を特徴とする、近位側を上方に示したアダプタ401の概略図である。グロメット411が設置されていないとき、封止プラグ413は、ボア190の近位端に配置され、縮小グロメット411上、または直接的に近位封止材111上のいずれかで近位に設置されてもよい。封止プラグ413は、内視鏡が近位開口111aおよび内視鏡ボア190内に配置されていないときに近位封止材111の近位開口111aを遮るように構成され、管腔液流通装置109を通じた管腔液の除去を可能にする。遠位端から内視鏡ボア190に入る管腔液は、封止プラグ413によってボア190の近位端から漏出することを防止され、結果として吸引ポート112を通じてアダプタ401を出るように流通される。加えて、
図14A~
図14Cを参照して詳述するように、灌注液およびカメラは、内視鏡から独立して、洗浄ロッド216を通じて管腔内に導入されることができ、洗浄ロッド116/216は、管腔に存在する糞便の残滓および他の閉塞物を粉砕するようにも動作してもよい。このようにして、管腔は、内視鏡が無い状態で灌注されて閉塞物が除去されることができ、管腔液は、近位開口111aを遮る封止プラグ413に起因して吸引ポート112を通じてのみ排出される。内視鏡が無い状態で管腔を清浄にすることは、糞便の残滓および他の閉塞物への接触を改善可能とすることができ、その後に内視鏡が挿入されたとき、管腔内の内視鏡のより円滑な前進を可能にし得る。
【0028】
ここで、
図10A~
図10Cを参照するが、
図10A~
図10Cは、内視鏡140と結合されたアダプタ100の管腔入口150を通る挿入と固定との連続的段階であり、アダプタ100の身体リクライナ130およびクラッチ106の動作を説明する図である。
図10Aは、管腔入口150と隣り合って配置された、初期段階において内視鏡140と結合されたアダプタ100の概略図である。膨張式三日月形バルーン107は、管腔入口150を通る挿入前にフラップフランジ105の可撓性を可能にする収縮状態にある。
図10Bは、身体リクライナ130による抵抗が生じるまでの、管腔152の近位部分内への遠位突出マズル102の挿入の中間段階(クラッチ106が折り畳まれている状態)において示される内視鏡140と結合されたアダプタ100の概略図である。リクライナ130の弾性部材131は、遠位突出マズル102の挿入に続いて患者の身体170によって加圧され、したがって近位方向においてアダプタ100に対して引張力を作用させる。
図10Cは、結合された三日月形バルーン107の膨張による遠位クラッチ106の展開の最終段階にあり、それによってアダプタ100を固定し、管腔152とアダプタ100との間の間隙を封止するものとして示される、内視鏡140に結合されたアダプタ100の概略図である。膨張式三日月形バルーン107は、その膨張状態まで膨張管108を介して送風される。
【0029】
ここで、アダプタ100の周囲フラップフランジ105の異なる態様を示す
図11A~
図11Cも参照する。
図11Aは、分割-開放構成で示されたフランジ105の概略図である。例えば360°の全円に対して約400°(360°+40°)で湾曲する丸い輪の形状など、全円よりも大きくなるように重複して閉じるようにした好適な設計におけるフランジ105の分割可能な輪の形状が強調されている。
【0030】
図11Bおよび
図11Cは、それぞれフランジ105の上方および側方からの概略図であり、フランジ105は、マズル102の遠位端の周りに配置され、アダプタ100の膨張式三日月形バルーン107に固定される。バルーン107の間隙117とフランジ105の分割区分は平行であり、シェル120~121の分割と連続している。三日月形バルーン107の膨張は、展開状態へのフランジ105の膨張を誘発し、フランジ105の重複は、完全な輪形状となるような三日月形バルーン107を密に閉じる(すなわち、間隙117を閉じる)ことを誘発し、管腔封止材として機能する三日月形バルーン107の完全な封止を可能にし、アダプタ100と管腔152の近位部分との間の間隙を封止する。
【0031】
リブ付バルーン227を示す
図12A~12Bも参照する。
図12Aは、本発明によって構築され、作用する、リブ付バルーン227の概略断面図である。
図12Bは、上方の角度から示されるリブ付バルーン227の概略図である。半剛性リブ226は、リブ付バルーン227の内面に取り付けられてもよく、リブ付バルーン227の周縁に沿って一定の間隔で離間して配置されてもよい。リブ226の量は、1つまたは複数でもよく、通常、少なくとも2つの別個のリブ226を含み、それらの幅とそれらの間隔は変えてもよい。リブ付バルーン227が収縮状態にあるとき、リブ226は、(バルーン227内に包含されるその容積は別として)リブ付バルーン227の可撓性および可縮性に影響しない。ただし、リブ付バルーン227が膨張されて展開状態になると、すなわち、管腔152の近位部分に挿入後、半剛性リブ226は、バルーン227が内視鏡ボア190に向かう展開を制限しながら管腔壁に向かって延出するようにバルーン227の展開を成形する。このようにして、展開されたリブ付バルーン227は、管腔壁と強固に係合するクラッチと、遠位突出マズルと管腔壁との間の間隙を封止する管腔封止材との両方として動作する。同時に、バルーン227の展開の制限は、バルーン227が周囲導管110を通じて管腔液排出を妨げる、または内視鏡140の動作と干渉するのを防ぐ。リブ付バルーン227は、完全に閉じた輪でもよく、または分割可能なようになどのために三日月形状でもよい。三日月形状のリブ付バルーン227は、(三日月形バルーン107に関して
図11A~
図11Cを参照して説明したように)膨張時に完全な輪形状になるように密に閉じるために、周囲フラップフランジ105と結合されてもよい。半剛性リブ226は、代替として、リブ付バルーン227の展開を成形するために、外から取り付けられてもよく、または別様で配置されてもよい。
【0032】
ここで、洗浄ロッド116の動作の段階を示す
図13A~
図13Cも参照する。
図13Aは、遠位に延出された位置の洗浄ロッド116とともに示された、上側の角度からのアダプタ100の概略図である。アダプタ100は内視鏡140と結合されており、洗浄ロッド116は、フランジ105および三日月形バルーン107の遠位に延出しているように見られ、内視鏡140の前方または内視鏡140の周囲の管腔に存在する閉塞物の物理的な接触および粉砕を可能とする。
図13Bは、近位に後退した位置の洗浄ロッド116とともに示された、上側の角度からのアダプタ100の概略図である。それ以外は、
図13Aおよび
図13Bは同一であり、延出および後退による洗浄ロッド116の動作を示す。洗浄ロッド116は、アダプタ100の遠位端から周囲導管110を通って長手方向に延出して近位端から出て、ロッド116の外部での手動による伸長および後退を可能にする。
図13Cは、その中間区分に2つのアーム116a、116bを備える洗浄ロッド116の概略図である。
【0033】
撮像管215および灌注ノズル214を特徴とする洗浄ロッド216を示す
図14A~
図14Cも参照する。
図14Aは、本発明によって構築され、動作する管腔液制御および内視鏡結合アダプタ400の一実施形態の概略図であり、アダプタ400は、撮像管215と灌注ノズル214とに結合された洗浄ロッド216を特徴とし、図では近位側が上方に示されている。少なくとも1つの灌注ノズル214および/または少なくとも1つの撮像管215は、洗浄ロッド216のアーム(216a、216b)のいずれか一方においてボアを通って個々に延出してもよい。洗浄ロッド216は1つまたは複数の中空アームを特徴としてもよく、本開示が属する分野で知られている器具または付属品を特徴とする適切な直径の管が、中空アームを通って管腔に延出してもよい。灌注ノズル214は、灌注液ポンプ(不図示)と流体連通していてもよく、閉塞物を溶解する、または管腔壁からそれを取り外すために灌注液で閉塞物を洗浄することによって、管腔からの閉塞物の除去において洗浄ロッド216を助けてもよい。撮像管215はまた、管腔の内部を撮像し、洗浄および灌注プロセスを監視することによって洗浄ロッド216の動作を助けてもよく、例えば、管腔において前方に存在する閉塞物の特性を識別するのを助け、閉塞物の効率的な取り扱いを可能にし得る。灌注ノズル214および/または撮像管215は、洗浄ロッド216の抜き取りおよび後退にしたがって、またはそれとは独立して、のいずれかで、管腔内に遠位で抜き取られ、または近位で後退されるように操作されてもよい。灌注ノズル214および撮像管215のそれぞれの近位外部分214b、215bは患者の体外に存在し、灌注ノズル214の遠位先端214aおよび撮像管215のカメラヘッド215aの手動での抜き取りおよび後退を可能にする。
【0034】
図14Bは、近位側が上方に示されたアダプタ400および洗浄ロッド216の概略図である。カメラヘッド215aおよび灌注ノズル214の遠位先端214aは、それぞれ、洗浄ロッド216の遠位端またはアーム216aおよび216bに示される。管腔の周縁の周りに存在する閉塞物に到達して灌注する機能を向上させるために、灌注ノズル214は、異なる方向に灌注液を向けることができる複数の水ジェットを含んでもよい。例えば、前方ジェット213は、直進方向に灌注液を噴出させ、洗浄ロッド216の前方の管腔に存在する閉塞物に灌注することが意図される。渦流ジェット212は、半径方向に灌注液を噴出させ、洗浄ロッド216の正面に存在せず、むしろ相対的に横の位置に存在する閉塞物に到達して浸漬することを可能にする。加えて、渦流ジェットは、管腔液内に乱流を形成してもよく、内視鏡ボア190および周囲導管110を通って吸引ポート112から出る流体の排出を助ける。内視鏡の不在における、すなわち封止プラグが
図9Dに示すように設置されたときの洗浄ロッド216、灌注ノズル214、および撮像管215の動作は、管腔からの閉塞物および管腔液の除去において大幅に改善された結果を有し得る。内視鏡の不在によって、糞便の残滓および他の閉塞物への容易にアクセスでき、吸引ポート112を通る管腔液の流出を遮らないようにすることが可能となり得る。これは、挿入時に、内視鏡の比較的円滑な取り付けにつながり得る。管腔からの管腔液の排出をさらに改善するために、視鏡ボア190は、管腔液の渦流れを開始および/または改善するように構成されている螺旋状の切り欠きを含んでもよい。さらなる流れの配向は、吸引ポート112を通って出る管腔液の潜在的な妨害の克服とより良好なアクセスを可能にする。
【0035】
図14Cは、内視鏡140と結合されるアダプタ400および洗浄ロッド216の概略図である。
図14Cは、内視鏡140が内視鏡ボア190を通して挿入されたときの内視鏡140に関連した洗浄ロッド216の周囲位置をさらに強調している。
【0036】
ここで、流体流通装置109の構成要素を表示するアダプタ100の断面を示す、
図15A~
図15Bを参照する。
図15Aは、アダプタ100の概略図である。
図15Bは、
図15Aが示す線B-Bに沿ったアダプタ100の概略的な断面図である。内視鏡ボア190および周囲導管110の空隙およびそれらの間の開かれた経路が示されている。洗浄ロッド116は、周囲導管110に挿入されて示されており、その2つのアーム116aおよび116bの間に開かれた空間を残しており、吸引ポート112は、周囲導管110に対して開放されて示されており、内視鏡ボア190、周囲導管110と吸引ポート112との間の流体連通を可能にする。
【0037】
ここで
図16A~
図16Dも参照するが、
図16A~
図16Dは、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ201~204の一実施形態の身体リクライナ130の代替の固定機構を示す。アダプタ201~204は、内視鏡140と結合され、管腔152の近位部分内に挿入されて示されている。
図16Aは、近位外部身体リクライナ230が、ラチェット132と結合されたクッション129を含む場合の、アダプタ201の概略図である。ラチェット132は、スナップ歯止137に関して移動可能な歯付バー136を特徴とし、歯付バー136は、管腔152の近位部分の長さに適合するためにリクライナ230の長手方向の寸法を調節することを可能にする。管腔152の近位部分内への突出マズル102の挿入に続いて、クッション129は患者の身体170の臀部と接続し、挿入の方向に関して後ろ向きに押される。クッション129と結合された移動可能な歯付バー136は、突出マズル102が管腔内への挿入を完了し歯止め137によって所定の場所に維持されるまで、スナップ歯止137に沿って移動する。
【0038】
図16Bはアダプタ202の概略図であり、アダプタ202が近位外部身体リクライナ231が外部膨張式バルーン133を含む場合を示す。外部膨張式バルーン133の膨張度は調節され、管腔152の近位部分の長さに適合するためにリクライナ231の長手方向の寸法を調整することを可能にする。アダプタ202の挿入および最終配置に続き、クラッチ106による固定および封止を支援するアダプタ202に対する引張力を作用させるために、患者の身体170の臀部と接続するバルーン133はさらに膨張されてもよい。
【0039】
図16Cはアダプタ203の概略図であり、アダプタ203が折畳式クラッチ106に固定された引張ストラップ134が、アダプタ203の長手方向位置を調節および固定する役割を果たす場合を示す。引張ストラップ134はクラッチ106に固定されており、引張ストラップ134は、突出マズル102の長さに沿って移動可能であり、管腔入口150から出て延出する。ストラップ134の外部に延出している端部は引張部分であり、アダプタ203を固定し、管腔152の近位部分とマズル102との間の間隙を封止するために、マズル102に沿って、管腔に関連して、クラッチ106の長手方向の位置を強固に締結して調節することを可能にする。1本または複数本のストラップが使用されてもよい。
【0040】
図16Dは、アダプタ204の概略図であり、アダプタ204が外部身体リクライナ233が、ラチェット135と接続された弾性部材と結合されたクッション129を含む場合を示す。ラチェット135に接続された弾性部材は、弾性部材138およびラチェット139を含み、ラチェット139は、スナップ歯止め137に関して移動可能な歯付バー136を特徴とする。ラチェット135に接続された弾性部材は、管腔152の近位部分の長さに適合するために、リクライナ233の長手方向の寸法を調節可能にし、さらに、アダプタ204に対して引張力を作用させ、クラッチ106による固定および封止を助ける役割を果たす。管腔152の近位部分内への突出マズル102の挿入に続き、クッション129は患者の身体170の臀部と接続し、挿入の方向に関して後ろ向きに押される。クッション129と結合された弾性部材138とさらに結合されたラチェット139の移動可能な歯付バー136は、突出マズル102が管腔内への挿入を完了し、歯止め137によって所定の場所に維持されるまで、スナップ歯止に沿って移動する。したがって、アダプタ204の長さは、管腔152の近位部分の長さに応じて調整される。クッション129を後ろ向きに押すことは、さらに、弾性部材138を押し、アダプタ204の固定と、クラッチ106による管腔の封止とを助けるために、患者の身体170の臀部に対するクッション129の押圧力と、アダプタ204に対する引張力とを誘発する。
【0041】
ここで、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ301の一実施形態と外部流体管理システム300との概略断面図である
図17も参照する。システム300は、管腔からの流体の排出のために吸引ポート112と流体連通した管腔液吸引ユニットと、灌注液を管腔内に流すために管腔と流体連通した灌注部とを特徴とする。管腔液吸引ユニットの一実施形態は真空吸引ポンプ184でもよく、灌注部の一実施形態は灌注液ポンプ180でもよい。システム300は、さらに、内視鏡140、排水キャニスター186、および外部流体制御部185に結合された内視鏡流体アダプタ182を特徴とする。外部流体制御部185は、真空吸引ポンプ184、灌注液ポンプ180、圧力センサ183、流体流量センサ188、および計量器189を含む測定センサを含み、それらの動作を制御する。内視鏡140と結合されたアダプタ301は、管腔152の近位部分内に挿入される。システムの動作全体において、水または他の洗浄液は、流体ポンプ180によって、内視鏡流体アダプタ182を介して内視鏡140内へ、そこでは管腔内への内視鏡の全長にわたって圧送され、遠位で管腔151を洗浄する。真空吸引ポンプ184は、排水キャニスター186の上流に、すなわち吸引ポート112と排水キャニスター186との間に配置されてもよく、または排水キャニスター186の下流に配置されてもよい。真空吸引ポンプ184は、吸引ポート112および排水キャニスター186と流体連通されている。真空吸引ポンプ184がキャニスター186の下流に配置されている場合、吸引ポート112との流体連通はキャニスター186を介する。ポンプ184は、吸引ポート112を通して管腔中の流体に対して吸引力を加えて、流体は周囲導管110および内視鏡ボア190を通って排出され、吸引ポート112から出て排水キャニスター186に入る。真空ポンプ184は、吸引ポート112と流体連通している任意の他の種類の管腔液吸引ユニットと置き換えられてもよい。制御部185に接続された排水キャニスター計量器189は、排水キャニスター186内の流体量を測定し、患者の管腔151内部に残る洗浄液の量の推定を助けるために使用されてもよい。圧力センサ183および流体流量センサ188は、それぞれ、吸引ポート112における真空レベルを測定、計算、および/または制御するため、さらにそれぞれ吸引ポート112における流量を測定するために使用されてもよい。
図11に示すように、洗浄ロッド116は、周囲の閉塞物を分解することによって周囲導管110および管腔を清浄にすることを助けるために適用されてもよい。
【0042】
ここで
図18Aも参照するが、
図18Aは、本発明によって構築され、動作する、外部流体管理システムのポンプ180、284およびデュアル計量器189、289を有する平衡外部流体制御部285の概略図である。さらに
図18Bを参照するが、
図18Bは、本発明によって構築され、動作する、平衡外部流体制御部285を含む、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ351の一実施形態と外部の流体管理システム350との概略断面図である。
【0043】
明瞭にするため、
図18Bにおいて、管282、283、287および293は全て流体が流れる管であり、点線(すなわち管283)は、管腔から排出された流体(「管腔液」としても説明される)を運ぶ管を表し、破線(すなわち管282、287)は管腔に向かう灌注液を運ぶ管を表し、中空線(すなわち管293)は、空気が流される管を表す。
【0044】
平衡外部流体制御部285は、灌注キャニスター286および排水キャニスター186内の流体量をそれぞれ測定する灌注キャニスター計量器289および排水キャニスター計量器189を含む測定センサを含み、かつ制御してもよい。灌注キャニスター286は、管腔内へ圧送するための灌注液の供給を含む。排水キャニスター186は、管腔から排出された管腔液を回収する。灌注キャニスター286および排水キャニスター186は、例えば袋など、液体を収容するのに適した容器の任意の形態でもよい。平衡外部流体制御部285は、灌注液ポンプ180、真空吸引ポンプ284A、およびアダプタ灌注ポンプ284Bを含み、かつそれらの動作を制御してもよい。灌注液ポンプ180は、内視鏡灌注管287を介して、一端が灌注キャニスター286に接続され、他端が内視鏡140に接続されており、灌注キャニスター286を出て内視鏡灌注管287を通って内視鏡140の近位端内に入るように灌注液を圧送するように構成される。真空吸引ポンプ284Aは、アダプタ351の吸引ポート112を通る管腔液の排出のために使用される管腔液吸引ユニットの別の実施形態であり、
図17の真空吸引ポンプ184と同様に機能する。真空吸引ポンプ284Aは、流体排出管283を介して、一端が吸引ポート112に接続され、他端が排水キャニスター186に接続され、流体を管腔から排出管283を通って排水キャニスター186内に吸引するように構成される。アダプタ灌注ポンプ284Bは、灌注部の別の実施形態である。ポンプ284Bは、アダプタ灌注管282を介して、一端が灌注キャニスター286に接続され、他端がアダプタ351に接続され、キャニスター286から、アダプタ灌注管282を通って、さらにアダプタ351の構成要素、例えば,
図14A、
図14Bに示すような灌注ノズル214を通って、管腔へ灌注液を圧送するように構成される。真空吸引ポンプ284Aおよびアダプタ灌注ポンプ284Bは、デュアルヘッドポンプ284において結合されてもよい。デュアルヘッドポンプ284は、単一のモータを収容してもよく、ポンプ284A、284Bは、モータへの給電によって吸引ポンプ284Aに管腔から流体を吸引させ、同時に灌注ポンプ284Bに灌注液を管腔内へ流させるように配置、または別様で構成されてもよい。例えば、吸引ポンプ284Aは、共通軸上にアダプタ灌注ポンプ284Bとともに取り付けられてもよい。ポンプ284A、284Bは、共通軸の回転が吸引ポンプ284Aに管腔から流体を吸引させ、灌注ポンプ284Bに管腔内に灌注液を流させるように、相対的に配置されてもよい。ポンプ284A、284Bが共通モータの動作によって扱われることを可能にすると、構成要素と制御部285の動作とが単純化する。より重要なことに、2つのポンプ284A、284Bの共通のモータおよび軸は、真空吸引ポンプ284Aおよびアダプタ灌注ポンプ284Bを連携して駆動することを可能にし、そのポンプ力を駆動、非駆動および調整が完全に同期化される。真空吸引ポンプ284Aおよびアダプタ灌注ポンプ284Bの同期化された動作は、管腔内の必要とされ得る基本的に一定の流体量を維持しながら、管腔内への灌注液の動的な流れおよび管腔からの管腔液の動的な流れを実現可能とすることを理解されたい。これは、(
図9Dに示すような)封止プラグ413が内視鏡140の代わりにアダプタ351の近位端に設置されるときに特に有効な場合があり、したがって内視鏡140の存在に依存しないアダプタ灌注ポンプ284Bの動作を真空吸引ポンプ284Aと連携するために特に有益となり得る。
【0045】
外部流体制御部285は、真空吸引ポンプ284Aの排出管283に接続され得る圧力センサ183を含む測定センサを含み、かつ制御してもよい。圧力センサ183は、排出管283における真空圧を測定するように構成される。真空吸引ポンプ284Aが排出管283内で誘発する真空圧は、管腔内における高真空圧の蓄積につながる場合があり、場合によっては管腔壁を崩壊させ得る。外部流体管理システム350の適切な機能において、管腔内における高真空圧は、特に真空吸引ポンプ284Aがアダプタ灌注ポンプ284Bと同期しているときには増大する可能性が低い。しかしながら、システムにおける技術的故障、または灌注キャニスター286の非監視での排出は、吸引ポンプ284Aが管腔に向かって真空力をかけているが、そのかけられた真空力によって吸引される管腔液が不十分である状況を発生させる場合がある。この問題を克服するために、制御部285は、排出管283内の圧力レベルを継続的に測定するように圧力センサ183を動作させてもよい。圧力レベルが事前に定義された閾値未満に降下したとき(すなわち、真空レベルが事前に定義された閾値を上回るとき)、制御部285は対応策を作動させるように構成されてもよい。例えば、制御部285は、弁291および空気ポンプ292を含む気流手段を含んで制御してもよく、真空吸引ポンプ284Aは気管293を含んでもよい。気管293は、排出管283に接続されて流体連通している。一方向逆止弁290は、気管293内に、好ましくは排出管283との接続点に近接して取り付けられてもよく、制御部285によって制御されてもよい。空気ポンプ292は、空気弁291を介して気管293と流体連通しており、空気弁291は、空気ポンプ292が制御部285によって駆動されるときに開いて、空気が空気ポンプ292によって気管293内に圧送されることを可能にし、あるいは封止されたままとすることを可能にするように構成される。排出管283内の圧力が事前に定義された閾値未満まで下がると、空気ポンプ292は、空気を空気弁291、気管293および一方向逆止弁290を通って排出管283内に流すように駆動される。これは、排出管283内の空気圧を即座に上昇させ、真空吸引ポンプ284Aの継続的な動作を可能にしながら、管腔における真空力の蓄積を停止させる。代替として、制御部285は、空気ポンプ292を動作させずに空気弁291を開いてもよく、排出管283内の低圧力、すなわち排出管283と大気圧との圧力差に応じて吸引力を作用させ、空気弁291および気管290を通って排出管283内に大気を引き込んでもよい。気管293を使用した排出管283内における圧力調整は、アダプタ灌注ポンプ284Bの継続的な駆動が灌注液を管腔内に導入可能とするため、真空吸引ポンプ284Aおよびアダプタ灌注ポンプ284Bが共通モータおよび軸を用いてデュアルヘッドポンプ284内で結合されたときに特に効果がある。気管293内に挿入される一方向逆止弁は、排出管283のみに向かう一方向の流れの向きを維持し、気管290を通過することによる排出管283の汚染を防止する役割を果たす。
【0046】
このように、灌注液は、内視鏡140を通って、またはアダプタ301を通ってのいずれかで、例えば灌注ノズル214を介して管腔内に導入されてもよい。
図9Dおよび
図14Bを参照して説明したように、管腔灌注は、内視鏡が内視鏡ボア190内に配置されていないときにアダプタの構成要素を通して実行されてもよく、これは、管腔内の糞便の残滓および他の閉塞物へのアクセスの改善を可能にし得る。
【0047】
灌注キャニスター286は、灌注液源に接続されて、常に補充されてもよく、または灌注液源に接続されなくてもよく、治療開始時に特定量の灌注液を収容し、必要に応じて治療中に洗浄液が管腔内に圧送されてもよい。流体源に接続されていない灌注キャニスター286は、デュアル計量器189、289を含むシステムにおいて有益となり得る。計量器289および189を使用した、それぞれ灌注キャニスター286および排水キャニスター186の両方における流体量の常時測定は、灌注キャニスター286から送出された流体の量と、排水キャニスター186に蓄積された流体の量とを比較することによって、管腔に存在する流体の量を正確に推定できる能力を実質的に向上させ得る。これは、他のセンサとともに、管腔内での内視鏡の扱いおよび操縦の能力を改善し得る。
【0048】
外部流体制御部285は、タッチスクリーン制御パネル298を追加で含んでもよく、タッチスクリーン制御パネル298は、制御部285によって制御される、例えば圧力センサ183などの任意の測定センサおよび例えば真空吸引ポンプ284Aなどの任意のポンプの動作の容易な制御を可能にし得る。測定センサおよびポンプの各々は、パネル298上に提示されてもよく、指定された点で画面にタッチすると、測定センサまたはポンプのうちのいずれかをオンにする、オフにする、上昇させる、降下させる、あるいはその動作を調節するように動作してもよい。タッチスクリーン制御パネル298は、さらに、測定センサによってなされた測定結果を継続的に示してもよく、制御部285は、測定センサによってなされた測定結果から導出する命令をパネル298上でオペレータに提示するように構成されてもよい。制御部285はまた、フットペダル297を含んでもよく、フットペダル297は、オペレータが、フットペダル297を踏むことによって、測定センサまたはポンプのうちのいずれかをオンにする、オフにする、上昇させる、降下させる、あるいはその動作を調節できるようにしてもよく、内視鏡的処置中は別様で占有される場合が多いオペレータの手を使用する必要がない。
【0049】
ここで、
図19も参照するが、
図19は、円環膨張式バルーン127を含む遠位クラッチ106を特徴とする、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ205の一実施形態の概略側面図である。バルーン127は、アダプタ205が管腔内に挿入されたときに突出マズル102と管腔との間の間隙を封止することによって、膨張させたときに管腔液の逆流を防ぐように動作する。ここで、
図20A~
図20Bも参照するが、
図20A~
図20Bは、管腔152の近位部分に挿入され、患者の身体に170に取り付けられたストラップ176、テープ175、177、および引張ワイヤ178を使用して固定されるとして示される、本発明によって構築され、動作する、管腔液制御および内視鏡結合アダプタ206の一実施形態を示す。
図20Aは、ストラップ176、ワイヤ178、およびテープ177を使用して患者の身体170に取り付けられるアダプタ206の概略側面図である。ストラップ176はアダプタ206に接続され、それにストラップ176を締め付けて調節するための引張ワイヤ178が嵌合され、ワイヤ178は、患者の腰に誘導され、テープ177を使用して患者の背中に取り付けられる。
【0050】
図20Bは、テープ175を用いて患者の身体170に取り付けられるアダプタ206の概略側面図である。テープ175は、一端がアダプタ206に接続され、他端が患者の臀部に接続されて、アダプタ206を所定の場所にさらに固定する役割を果たす。
【0051】
ここで、本発明の一実施形態により動作する内視鏡結合および流体流通のための方法600のブロック図である
図21を参照する。
【0052】
ステップ602は、アダプタ内に内視鏡を配置することを含み、アダプタは、アダプタを通って開けられた長手方向に延在する内視鏡ボアと、ボアに挿入されている内視鏡を囲むように構成された近位封止材とを含み、アダプタの近位端からの流体漏洩の遮断を実現する。
図1~
図5を参照すると、内視鏡140がアダプタ100内に配置されており、アダプタ100は、アダプタ100を通って開けられた長手方向に延在する内視鏡ボア190と、ボア190に挿入されている内視鏡140を囲むように構成された近位封止材111とを含み、アダプタ100の近位端からの流体漏洩の遮断を実現する。
【0053】
ステップ604は、アダプタの遠位端を患者の管腔の近位部分に挿入することを含み、アダプタは、遠位管腔内折畳式クラッチと、中間突出マズルと、近位外部身体リクライナとを含む。
図6および
図10A~
図10Cを参照すると、アダプタ100の遠位端が患者の管腔152の近位部分に挿入され、アダプタ100は、遠位管腔内折畳式クラッチ106と、中間突出マズル102と、近位外部身体リクライナ130とを含む。
【0054】
ステップ606は、外部身体リクライナが患者の身体に接続するまでのアダプタの継続的な挿入を含み、遠位管腔封止材は、突出マズルの遠位端と管腔との間の間隙からの漏洩を遮断するように動作する。
図6、
図10A~
図10C、および
図17を参照すると、アダプタ100(または301)は、外部身体リクライナ130が患者の身体170に接続するまで継続的に挿入され、遠位管腔封止材114は、突出マズル102の遠位端と管腔との間の間隙からの漏洩を遮断するように動作する。
【0055】
ステップ608は、管腔の近位部分内で遠位折畳式クラッチを展開させて、アダプタを患者の身体に固定するために管腔に対して押し付ける展開構成にすることを含む。
図10A~
図10Cを参照すると、折畳式クラッチ106が管腔152の近位部分内で展開して展開構成となり、アダプタ100を患者の身体170に固定するために管腔に対して押し付ける。
【0056】
ステップ610は、マズルを通ってアダプタに沿って開けられた長手方向に延在する周囲導管を通って管腔液を排出し、周囲導管と流体連通している流体吸引ポートを通って管腔液が放出されることを可能にすることを含み、近位封止材は、流体のアダプタの近位端からの漏洩を遮断する。
図3および
図15A~
図15Bを参照すると、管腔液は、マズル102を通ってアダプタ100に沿って開けられた長手方向に延在する周囲導管110を通って排出されることと、周囲導管110と流体連通している流体吸引ポート112を通って放出されることを可能にされ、近位封止材111は、流体のアダプタ100の近位端からの漏洩を遮断する。
【0057】
ステップ612は、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを使用した糞便の残滓および他の閉塞物の物理的分解および粉砕を含み、ロッドは近位封止材および周囲導管を通って封止するように挿入され、粉砕は、内視鏡の前方または周辺でのロッドの挿入および後退によって実現される。洗浄液は、灌注ノズルから管腔内へ噴出され、撮像管は、洗浄プロセスを見ることおよび監視することを可能にし、灌注ノズルおよび撮像管は、洗浄ロッドの1つまたは複数の中空アームを通って延在している。
図13A~
図13Cおよび
図14A~
図14Cを参照すると、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッド216は、管腔内の糞便の残滓および他の閉塞物を物理的に分解および粉砕し、ロッド216は、近位封止材111および周囲導管110を通って封止するように挿入される。粉砕は、内視鏡140の前方または周辺でのロッド216の挿入および後退によって実現される。灌注ノズル214および撮像管215は、それぞれ、洗浄液を噴出させ、洗浄プロセスを見て監視するために、洗浄ロッド216の中空アーム216a、216bを通って管腔内に延びる。
【0058】
ステップ614は、管腔からの流体の排出を強化するために吸引ポートを通して管腔液に吸引力を加えることを含む。
図17を参照すると、管腔からの流体の排出を強化するために、吸引力が吸引ポート112を通して管腔液に加えられる。
【0059】
方法600は、さらに、以下で概略的に述べられる任意または好ましい工程および特徴を含んでもよい。ここで、
図21の実施形態のステップ602および608のサブルーチンまたはサブプロシージャのブロック図である
図22を参照する。
【0060】
ステップ616は、内視鏡ボアおよび近位封止材に内視鏡を横置きすることを含み、アダプタは、内視鏡ボア、近位封止材、およびクラッチを分割して開状態とすることを可能にする締結シェルを含む。
図3および
図7A~
図7Cを参照すると、内視鏡140は、内視鏡ボア190および近位封止材111に横置きされ、アダプタ100は、内視鏡ボア190、近位封止材111、およびクラッチ106を分割して開放状態とすることを可能にする締結シェル120、121を含む。
【0061】
ステップ618は、留具を使用して、配置された内視鏡上に締結シェルを締結して閉鎖状態としながら、内視鏡の挿入および後退を容易にすることを含む。
図7A~
図7Cおよび
図8A~
図8Bを参照すると、締結シェル420、421は、配置された内視鏡140上に留具430を使用して締結されて閉鎖状態とされながら、内視鏡140の挿入および後退を容易にする。
【0062】
ステップ620は、バルーンと流体連通している膨張管を通してバルーンを膨張させることを含み、膨張管の先端は、バルーンの膨張および収縮の外部アクセスを可能にするために、挿入後も管腔の外部に残る。
【0063】
ステップ622は、折畳式管腔内クラッチに接続された内部の膨張式バルーンを膨張させることによる固定を含み、バルーンの膨張は、クラッチを展開させて展開状態とする。
【0064】
ステップ624は、管腔封止材として動作する遠位フラップ周囲フランジを展開することによる管腔封止を含む。展開状態時には、アダプタが管腔内に挿入されたときの突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって、フランジは、管腔液の逆流を防ぐ。
図11A~
図11Cを参照すると、遠位フラップ周囲フランジ105は、管腔封止材として動作する。展開状態時には、アダプタ100が管腔内に挿入されたときの突出マズル102と管腔との間の間隙を封止することによって、フランジ105は、管腔液の逆流を防ぐ。
【0065】
ステップ626は、折畳式の遠位管腔内クラッチを展開して展開状態にするために、クラッチに固定された円環バルーンを膨張させることを含む。
【0066】
ステップ628は、遠位膨張式円環バルーンの膨張による管腔封止を含み、円環バルーンは、アダプタが管腔内に挿入されたときに、突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって、膨張させたときに管腔液の逆流を防ぐように動作する。
図19を参照すると、遠位膨張式円環バルーン127が膨張され、アダプタ205が管腔内に挿入されたときに突出マズル102と管腔との間の間隙を封止することによって、膨張させたときに管腔液の逆流を防ぐように動作する。
【0067】
ステップ630は、クラッチを展開して展開状態にするために、クラッチに固定された膨張式三日月形バルーンを膨張させることを含む。
図10A~
図10Cを参照すると、クラッチ106を展開して展開状態にするために、クラッチ106に固定された膨張式三日月形バルーン107が膨張される。
【0068】
ステップ632は、遠位フラップ周囲フランジを展開することを含み、周囲フランジは、全円より大きい円でマズルの遠位端を囲み(例えば、円に関して360°+40°で重複するように巻き付けられ)、三日月形バルーンに結合される。三日月形バルーンの膨張は周囲フランジを展開して展開状態とし、フランジの結果的な重複は三日月形バルーンを密に閉じて(三日月の2つの端部を結合する)、完全な輪形状とする。
図11A~
図11Cを参照すると、遠位フラップ周囲フランジ105は展開され、全円より大きい円(例えば、360°+40°)で突出マズル102の遠位端を囲み、三日月形バルーン107に結合される。三日月形バルーン107の膨張は、周囲フランジ105を展開して展開状態とし、フランジ105の結果的な重複は三日月形バルーン107を密に閉じて(三日月の2つの端部を結合する)、完全な輪形状とする。
【0069】
ステップ634は、遠位膨張式三日月形バルーンの膨張による管腔封止を含み、三日月形バルーンは、管腔内に挿入されたときに、マズルと管腔との間の間隙を封止することによって、膨張させたときに管腔液の逆流を防ぐように動作する。
図10A~
図10Cを参照すると、遠位膨張式三日月形バルーン107が膨張されて管腔内に挿入されたときに、マズル102と管腔との間の間隙を封止することによって管腔液の逆流を防ぐ。
【0070】
ステップ636は、管腔の近位部分の長さに関連して突出マズルに沿って管腔内クラッチの位置を長手方向に調節することによってアダプタを固定することを含む。この調節は、クラッチに固定されたストラップの引張りを含み、クラッチがマズルの長さに沿って移動可能である。ストラップは、管腔に挿入されたアダプタの外部に延びる近位引張部分を含み、この引張部分は、マズルに沿う、さらに管腔に関連するクラッチの長手方向の位置の調節を可能にする。
図16Cを参照すると、突出マズル102に沿う、さらに管腔152の近位部分の長さに関連して、管腔内クラッチ106の位置を長手方向で調節することは、アダプタ100を固定する。この調節は、クラッチに106に固定されたストラップ134を引っ張ることを含み、クラッチ106はマズル102の長さに沿って移動可能である。ストラップ134は、管腔に挿入されたアダプタ203の外部に延びる近位引張部分を含み、この引張部分は、マズル102に沿う、さらに管腔に関連する、クラッチ106の長手方向の位置の調節を可能にする。
【0071】
ステップ638は、ストラップ、引張ワイヤ、および/またはテープを使用して、患者の身体にアダプタを外から取り付けることによってアダプタを固定することを含む。
図20A~
図20Bを参照すると、ストラップ176、引張ワイヤ178、および/またはテープ175、177を使用して、患者の身体170にアダプタ100を外から取り付けることによって、アダプタ206が固定される。
【0072】
ステップ639は、遠位リブ付バルーンを膨張させることによってアダプタおよび管腔封止を固定することを含み、リブ付バルーンは、バルーンに取り付けられ、リブ付バルーンの展開を成形するように構成された半剛性リブを含む。リブ付バルーンが膨張されると、管腔壁を固く係合してマズルと管腔との間の間隙を封止するために、半剛性リブは、リブ付バルーンが管腔壁に向かって拡大して内視鏡ボアに向かって拡大しないように、その拡大を方向付けする。
図12A~
図12Bを参照すると、管腔液流通および内視鏡結合アダプタの遠位端に配置されたリブ付バルーン227は、半剛性リブ226を含む。リブ付バルーン227の膨張時に、リブ226は、管腔壁に向かうが内視鏡ボア190には向かわないリブ付バルーン227の拡大を成形し、方向付ける。リブ付バルーン227の拡大は、遠位突出マズル102と管腔壁との間の間隙を封止し、アダプタを固定するために管腔壁を強固に係合する。
【0073】
ここで、
図21の実施形態のステップ606および610のサブルーチンまたはサブプロシージャのブロック図である
図23を参照する。
【0074】
ステップ640は、弾性部材に固定された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることによる外部身体リクライニングを含み、管腔の患者の近位部分の長さに適合するためにアダプタの近位外部身体リクライナの長手方向の寸法の調節を可能にする。アダプタの挿入が完了すると、弾性部材は、さらに、接続点において患者の身体に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタに対して引張力を作用させてアダプタを所定の場所に固く保持することによって、アダプタの固定を助ける。
図10A~
図10Cを参照すると、弾性部材131に固定された近位外部クッション129を含む近位外部身体リクライナ130は、患者の身体170に寄り掛かり、弾性部材131は、患者の管腔152の近位部分の長さに適合するために近位外部身体リクライナ130の長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタ100の挿入が完了すると、弾性部材131は、さらに、接続点において患者身体170に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタ100に対して引張力を作用させてアダプタ100を所定の場所に固く保持することによって、アダプタ100の固定を助ける。
【0075】
ステップ642は、ラチェットに固定された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることによる外部身体リクライニングを含み、ラチェットは、スナップ歯止に関して移動可能な歯付バーを特徴とする。これは、管腔の患者の近位部分の長さに適合するために近位外部身体リクライナの長手方向の寸法を調節することを可能にする。
図16Aを参照すると、ラチェット132に固定された近位外部クッション129を含む近位外部身体リクライナ230は、患者の身体170に寄り掛る。ラチェット132は、スナップ歯止め137に関して移動可能な歯付バー136を特徴とし、歯付バー136は、管腔152の患者の近位部分の長さに適合するために身体リクライナ230の長手方向の寸法を調節することを可能にする。
【0076】
ステップ644は、ラチェットに接続された弾性部材に固定された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛らせることによる外部身体リクライニングを含み、ラチェットは、スナップ歯止めに関して移動可能な歯付バーを特徴とする。これは、管腔の患者の近位部分の長さに適合するために近位外部身体リクライナの長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタの挿入が完了すると、弾性部材は、さらに、接続点において患者の身体に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタに対して引張力を作用させてアダプタを所定の場所に強固に保持することによって、アダプタの固定を助ける。
図16Dを参照すると、ラチェット135に接続された弾性部材に固定された近位外部クッション129を含む近位外部身体リクライナ233は、患者の身体170に寄り掛かる。ラチェット135に接続された弾性部材は、弾性部材138およびラチェット139を含む。ラチェット139は、スナップ歯止137に関して移動可能な歯付バー136を特徴とし、歯付バー136は、管腔152の患者の近位部分の長さに適合するために身体リクライナ233の長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタ204の挿入が完了すると、弾性部材138は、さらに、接続点において患者の身体170に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタ204に対して引張力を作用させてアダプタ204を所定の場所に固く保持することによって、アダプタ204の固定を助ける。
【0077】
ステップ646は、調整膨張度を有する近位外部膨張式バルーンを患者の身体に寄り掛からせることによる外部身体リクライニングを含む。バルーンの容積の柔軟性は、管腔の患者の近位部分の長さに適合するために近位外部身体リクライナの長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタの挿入が完了すると、バルーンは、さらに、接続点において患者の身体に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタに対して引張力を作用させるために膨張されてもよく、アダプタを所定の場所に強固に保持する。
図16Bを参照すると、調整膨張度を有する近位外部膨張式バルーン133を含む近位外部身体リクライナ231は、患者の身体170に寄り掛かる。バルーン133の容積の柔軟性は、管腔152の患者の近位部分の長さに適合するために身体リクライナ231の長手方向の寸法を調節することを可能にする。アダプタ202の挿入が完了すると、バルーン133は、さらに、接続点において患者の身体170に対して押圧力を作用させ、さらにアダプタ202に対して引張力を作用させるために膨張されてもよく、アダプタ202を所定の場所に強固に保持する。
【0078】
ステップ648は、管腔液吸引ユニットを用いて吸引ポートを通る管腔液の能動的な吸引を含み、管腔液吸引ユニットは、管腔からの管腔液の排出のために吸引ポートを通して管腔液に対して吸引力をかけるものであり、外部流体管理システムの一部であってもよい。システムの動作は、灌注部によって灌注液を管腔に灌注することを含んでもよい。灌注は、灌注キャニスターから灌注液を流すことと、排出された管腔液を排水キャニスターで回収することを含んでもよい。管腔からの吸引および管腔の灌注は、外部流体制御部によって制御されてもよく、外部流体制御部は、さらに、(1)システム、特に吸引ポートにおける流体流量、(2)吸引ポートおよび/または排出管における真空レベル、および(3)排水キャニスターおよび灌注キャニスター内部の流体量を測定、計算、および/または制御するための測定センサを含み、かつ制御してもよい。この測定および計算は、患者の管腔内部に残る洗浄液の量を推定することを含んでもよい。この推定は、排水キャニスターおよび灌注キャニスターを計量することによって排水キャニスターおよび灌注キャニスター内部の流体の量を測定することを含んでもよい。
図18Aおよび
図18Bを参照すると、管腔液は、管腔液吸引ユニットによって吸引ポート112を通して能動的に排出され、管腔液吸引ユニットの一実施形態は、外部流体管理システム350の一部であり得る真空吸引ポンプ284Aでもよい。一実施形態が灌注ポンプ284Bとなり得る灌注部は灌注液を灌注キャニスター286から管腔内に流し、管腔液は排水キャニスター186で回収されてもよい。外部流体制御部285は、真空吸引ポンプ284Aおよび灌注ポンプ284Bを制御でき、さらに、(1)例えば流体流量センサ188を用いて、吸引ポート112ならびに/もしくは管282、283、287、および293における流体流量、(2)圧力センサ183を用いて、吸引ポート112および/または排出管283における真空レベル、および(3)計量器189および289を用いて、それぞれ排水キャニスター186および灌注キャニスター286内部の流体の量を測定、計算、および/または制御するための測定センサを含んで制御してもよい。これは、患者の管腔151の内部に残る洗浄液の量を推定することを可能にする。
【0079】
ステップ650は、同量の流体を排出および灌注するために、管腔から流体を吸引する際の管腔液吸引ユニットの動作と灌注液を管腔内に流す際の灌注部の動作とを同期化することを含む。この同期化は、管腔液吸引ユニットおよび灌注部を共通軸上に設けることと、デュアルヘッドポンプの共通モータで駆動することとを含んでもよい。
図18Aおよび
図18Bを参照すると、管腔液吸引ユニットの一実施形態である真空吸引ポンプ284Aと、灌注部の一実施形態である灌注ポンプ284Bとが共通軸上に設けられ、デュアルヘッドポンプ284の共通モータによって駆動され、ポンプ284A、284Bの同期動作を可能にする。
【0080】
ステップ652は、前記の管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく、管腔液吸引ユニットを吸引ポートを通して管腔と連通させる排出管内の圧力を、事前に定義された閾値を上回る高圧力まで上昇させることを含む。これは、圧力レベルが事前に定義された閾値未満に降下すると、圧力が事前に定義された閾値より高く上昇されるまで、排出管における圧力レベルを測定し、空気を排出管内へ流すことによって実現される。排出管、例えば管腔液からの汚染が気管を通って流れることを防ぐことは、気管内に配置され得る一方向逆止弁によって実現されてもよい。
図18Bを参照すると、外部流体制御部285の測定センサのうちの圧力センサ183は、排出管283における圧力を測定し、圧力が事前に定義されたレベル未満に降下すると、制御部285は、真空吸引ポンプ284Aの動作を停止させることなく、空気ポンプ292から空気弁291および気管290を通して排出管283内に空気を流して、排出管283における圧力レベルを事前に定義された閾値を上回るように上昇させる。一方向逆止弁293は、排出管283からの汚染が気管290を通過することを防ぐために気管290内に配置される。
【0081】
ここで、
図21の方法のステップ602および/または604のサブルーチンまたはサブプロシージャのブロック図である
図24を参照する。
【0082】
ステップ658は、ステップ602のように内視鏡をアダプタの内視鏡ボア内に配置する前に内視鏡ボアの近位端に縮小グロメットを設置することを含み、ここで、縮小グロメットは、近位封止材の直径よりも小さい直径を有する内視鏡を封止するように収容するのに適した内周を有する。内視鏡ボアの近位側から管腔液が漏洩するのを防ぐために、縮小グロメットは近位封止材内に設置されてもよく、または近位封止材に近位に取り付けられてもよい。
図9A~
図9Cを参照すると、縮小グロメット411は、アダプタ401の内視鏡ボア190の近位端に設置される。内視鏡440の挿入前に、縮小グロメット411は、近位封止材111の近位開口111a内に設置されてもよく、または近位封止材111に近位に取り付けられてもよい。縮小グロメット411は、内視鏡ボア190の近位側から管腔液が漏洩するのを防ぐために、内視鏡440を封止するように収容するのに適した内周411bを有する。
【0083】
ステップ660は、ステップ604のように、アダプタの遠位端を患者の管腔の近位部分内に挿入する前に、内視鏡が内視鏡ボアに配置されていないときに、内視鏡ボアの近位端に封止プラグを設置することを含む。封止プラグは、近位封止材および内視鏡ボア内に内視鏡が配置されていないときに、管腔への挿入時にアダプタの近位端から管腔液が漏洩するのを防ぎ、吸引ポートを通って出るように流体を流通させるために、近位封止材の近位開口を遮断するように構成される。
図9Dを参照すると、管腔152の患者の近位部分内へのアダプタ401の遠位端の挿入前に、封止プラグ413は、アダプタ401の内視鏡ボア190の近位端に設置される。封止プラグ413は、近位開口111aおよび内視鏡ボア190内に内視鏡が配置されていないときに、管腔内への挿入時にアダプタ401の近位端からの管腔液の漏洩を防ぎ、吸引ポート112を通って出るように流体を流通させるために、近位封止材111の近位開口111aを遮断するように構成される。
【0084】
肛門に固定され流体制御と結腸からの吸引とを調整する内視鏡アダプタに言及して好適な実施形態を上述したが、本発明の新規の原理は、器具を固定して、喉または肺などの他の体腔から流体を吸引/排出するために使用されてもよく、さらに医療用途以外の用途のために管腔および他の部位でも同様に使用され得ることが理解されるであろう。
【0085】
したがって、好適な実施形態は本明細書で例として挙げられたものであり、本発明の全範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されることが理解されるであろう。当業者が本発明を実践可能にするために本開示の主題の特定の実施形態が説明されたが、前記の説明は、例示に過ぎないことが意図される。本開示の主題の範囲を限定するために使用されるべきではなく、本開示の主題の範囲は、以下の請求項を参照することにより判断されるべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔液流通および内視鏡結合アダプタであって、アダプタは、管腔入口を通って患者の管腔の近位部分までの挿入のために、患者の体外の前記アダプタの近位端から管腔の内部に配置された前記アダプタの遠位端への内視鏡の挿入を可能にするものであり、アダプタは、
a)近位外部身体リクライナであって、管腔へのリクライナの挿入を妨げるようなサイズを有する、近位外部身体リクライナと、
b)前記身体リクライナに結合された中間突出マズルであって、前記管腔入口を通る管腔の前記近位部分への前記マズルの穿通を可能にするようなサイズを有する、中間突出マズルと、
c)前記突出マズルの遠位端に配置された遠位折畳式管腔内クラッチであって、管腔の前記管腔入口および近位部分を通した挿入および後退を可能にする折り返された狭状態をとり、前記アダプタを固定するために、前記近位部分の遠位での管腔における展開状態をとるように構成される、遠位折畳式管腔内クラッチと、
d)内視鏡ボアであって、前記マズルを通って前記アダプタに沿って先行された長手方向に延在して、前記ボアを通した管腔への内視鏡の挿入および後退を可能にする内視鏡ボアと、
e)管腔液流通装置であって、
i.前記マズルを通って前記アダプタに沿って穿孔され、前記内視鏡ボアと流体連通した、長手方向に延在する周囲導管と、
ii.前記周囲導管と流体連通し、管腔から前記周囲導管に入る管腔液を放出するための流体吸引ポート
であって、前記管腔液は液体または固体と組み合わされた液体を含有する、流体吸引ポートと、
iii.
前記アダプタを通して洗浄液を噴出するように構成された灌注ノズルと、
iv.前記管腔液の外部への漏洩を防止するための近位封止材であって、前記アダプタに近接して配置され、前記内視鏡ボアへの挿入時に、前記周囲導管と、前記内視鏡周囲とを封止するように構成される、近位封止材と、
v.前記突出マズルが管腔内に挿入されたときの前記突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するための管腔封止材と、
を具備する管腔液流通装置と、
を備える、アダプタ。
【請求項2】
前記折畳式管腔内クラッチは、前記クラッチに固定された膨張式バルーンを備え、前記バルーンの膨張は、前記クラッチを展開させて前記展開状態とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記管腔封止材は、膨張式円環バルーンを備え、前記円環バルーンは、前記アダプタが管腔内に挿入されたときに、前記突出マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために膨張させると動作する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記折畳式管腔内クラッチは、前記管腔封止材を具備するフラップ周囲フランジを備え、前記フランジは、前記アダプタが管腔内に挿入されたときに、前記マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために前記展開状態時に動作する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記アダプタは、少なくとも2つの締結シェルに分割可能であり、前記締結シェルを締結して閉鎖状態として前記内視鏡の挿入および後退を容易にする前に、前記内視鏡を横置きすることを可能にすることによって、前記内視鏡ボアおよび前記近位封止材を分割して、前記内視鏡ボアおよび前記近位封止材における前記内視鏡の配置を容易にするための開放状態とすることができる、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記折畳式管腔内クラッチは、前記クラッチに固定された膨張式三日月形バルーンであって、前記三日月形バルーンの膨張が前記クラッチを展開させて前記展開状態とする膨張式三日月形バルーンと、一周して重なり前記三日月形バルーンに固定される湾曲において前記マズルの遠位端を囲むフラップ周囲フランジであって、前記三日月形バルーンの膨張が、前記周囲フランジを展開させて展開状態とするフラップ周囲フランジと、を備え、前記周囲フランジの重なりが、前記三日月形バルーンを密に閉じて完全な輪の形状とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記管腔封止材は、三日月形の膨張式バルーンを備え、三日月形バルーンは、管腔内に挿入されたときに、前記マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために膨張させると動作する、請求項
1に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記折畳式クラッチは、膨張管に接続された膨張式バルーンを備え、膨張管の先端が、前記膨張式バルーンの膨張および収縮の外部制御を可能にするために、前記突出マズルの挿入後に管腔の外部に残る、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項9】
遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを備え、前記ロッドは、前記近位封止材を経て前記周囲導管を通って封止するように挿入され、前記ロッドは、前記アダプタを通って長手方向に延び、糞便の残滓の物理的な分解および粉砕、ならびに閉塞物の除去のために前記ロッドを挿入および後退可能とするように動作する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項10】
前記洗浄ロッドは、前記中空アームにおいて長手方向の管の挿入および後退を可能とするために、前記洗浄ロッドの長さに沿って延びる少なくとも1つの中空アームを備える、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項11】
前記内視鏡ボアは前記吸引ポートと流体連通し、前記内視鏡ボアは、管腔液の渦流れを促進するように構成される螺旋状の溝を備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項12】
前記外部身体リクライナは、
弾性部材に接続されたクッションと、
スナップ歯止めに関して移動可能な歯付バーを特徴とするラチェットに接続されたクッションと、
外部膨張式バルーンと、
前記クラッチに固定された引張ストラップであって、前記クラッチが管腔に関連して該クラッチの長手方向位置の調節を可能とするように前記マズルの長さに沿って移動可能とする引張ストラップと、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項13】
管腔からの流体の排出のために前記吸引ポートと流体連通した管腔液吸引ユニットと、灌注液を管腔内に流すために管腔と流体連通した灌注部とをさらに備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記管腔液吸引ユニットおよび前記灌注部の動作を制御するための外部流体制御部をさらに備え、前記外部流体制御部は、前記吸引ポートにおける流量、真空レベルを測定し、および/または患者の管腔内部の洗浄液量を推定するための測定センサを備える、請求項13に記載のアダプタ。
【請求項15】
前記管腔液吸引ユニットは、排出された管腔液を回収するための排水キャニスターを備え、
前記灌注部は灌注キャニスターを備え、灌注液は灌注キャニスターから管腔内部まで流され、
前記測定センサは、前記排水キャニスターおよび/または前記灌注キャニスター内部の流体量を測定するための計量器を備え、患者の管腔内部の洗浄液量を推定可能にする、請求項14に記載のアダプタ。
【請求項16】
前記管腔液吸引ユニットおよび前記灌注部は、共通のモータによって駆動され、かつデュアルヘッドポンプの共通軸上に搭載され、前記管腔液吸引ユニットおよび前記灌注部の同期動作を可能にする、請求項15に記載のアダプタ。
【請求項17】
前記管腔液吸引ユニットは、前記管腔吸引部を前記管腔と連通させる排出管と流体連通した気管をさらに備え、前記測定センサは、前記排出管における圧力レベルを測定するように構成される圧力センサを備え、
前記排出管における圧力レベルが事前に定義された閾値未満まで降下すると、前記制御部は、前記管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく前記排出管における空気圧を上昇させるために、前記気管を介して空気を前記排出管内まで流すための気流手段を制御する、請求項16に記載のアダプタ。
【請求項18】
ストラップ、引張ワイヤ、および/またはテープを使用して患者の身体に外部から取り付けられる、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項19】
内視鏡を封止するように収容するために、前記内視鏡ボアの近位端に設置されるように構成される縮小グロメットをさらに備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項20】
管腔液流通および内視鏡結合のための方法であって、
a)アダプタ内に内視鏡を配置する工程であって、前記アダプタは、前記アダプタを貫通して開けられた長手方向に延在する内視鏡ボアと、前記ボアに挿入された内視鏡を囲むように構成され、前記アダプタの近位端からの流体漏洩の遮断を実現する近位封止材とを備える、工程と、
b)患者の管腔の近位部分内に前記アダプタの遠位端を挿入する工程であって、前記アダプタは、遠位管腔内折畳式クラッチと、中間突出マズルと、近位外部身体リクライナとを備え、前記外部身体リクライナが患者の身体に接続するまで前記アダプタの挿入を継続し、遠位管腔封止材は、前記マズルの遠位端と前記管腔との間の間隙からの漏洩を遮断するように動作する、挿入する工程と、
c)管腔の前記近位部分内で前記遠位折畳式クラッチを展開させて、前記アダプタを患者の身体に固定するために管腔に対して押し付ける展開構成にする工程と、
d)前記マズルを通って前記アダプタに沿って穿孔された長手方向に延在する周囲導管を通して管腔液を排出し、管腔液を前記周囲導管と流体連通している流体吸引ポートを通って放出することを可能に
し、前記管腔液は液体または固体と組み合わされた液体を含有する工程であって、前記近位封止材は、前記アダプタの近位端からの漏洩から流体を遮断する、工程と、
e)前記アダプタを通して灌注ノズルから洗浄液を噴出する工程と、
を備える方法。
【請求項21】
前記固定は、前記クラッチに固定された遠位膨張式バルーンを膨張させることを備え、前記バルーンの前記膨張は、前記折畳式管腔内クラッチを展開させて前記展開状態とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記管腔封止は、遠位膨張式円環バルーンの膨張を備え、前記円環バルーンは、前記アダプタが管腔内に挿入されたときに、前記突出マズルと前記管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために膨張させると動作する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記管腔封止は、前記管腔封止材として動作する遠位フラップ周囲フランジを展開することを備え、前記フランジは、前記アダプタが管腔内に挿入されたときに、前記マズルと管腔との間の間隙を封止することによって前記管腔液の逆流を防止するために前記展開状態時に動作する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記固定は、前記バルーンと流体連通している膨張管を通って前記クラッチと接続された内部バルーンを膨張させることを備え、膨張管の先端は、前記バルーンの膨張および収縮のための外部アクセスを可能にするために、前記挿入後も管腔の外部に残る、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
管腔の前記排出は、遠位洗浄先端を特徴とする洗浄ロッドを使用した糞便の残滓および他の閉塞物の物理的分解および粉砕を備え、前記ロッドは、前記近位封止材および前記周囲導管を通って封止するように挿入され、前記粉砕は、前記ロッドの挿入および後退を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
管腔の前記排出は、(1)前記灌注ノズルが管腔内に挿入されると、少なくとも1つの中空アームを通って延びる灌注ノズルから洗浄液を噴出させることであって、前記中空アームが、前記洗浄ロッドの長さに沿って延びることと、(2)前記少なくとも1つの中空アームを通って管腔内に挿入されたカメラを使用して前記粉砕および管腔の前記排出を監視することと、のうちの少なくとも1つを備える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
弾性部材に接続された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛からせることと、
スナップ歯止めに関して移動可能な歯付バーを特徴とするラチェットに接続された近位外部クッションを患者の身体に寄り掛からせることと、
調整膨張度を有する近位外部膨張式バルーンを患者の身体に寄り掛からせることと、および/または
前記クラッチに固定された引張ストラップを用いて前記マズルに沿って前記クラッチを引っ張ることであって、前記クラッチは前記マズルの長さに沿って移動可能である、当該引っ張ることと、
のうちの少なくとも1つによって、管腔の近位部分に適合するように前記アダプタの長手方向の寸法を調整することをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
管腔の前記排出は、前記吸引ポートを通して管腔液を能動的に吸引することと、灌注液で管腔を洗浄することと、外部流体制御部によって前記吸引することおよび前記洗浄することを制御することと、を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記吸引ポートにおける流量および/もしくは真空レベルを測定、計算、および/もしくは制御すること、ならびに/または、
患者の管腔内部の洗浄液量を推定すること、
のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記吸引は、前記圧力レベルが事前に定義された閾値未満に降下すると、圧力が前記事前に定義された閾値より高く上昇されるまで、前記排出管における圧力レベルを測定し、空気を前記排出管内へ流すことによって、前記管腔液吸引ユニットの動作を停止させることなく、管腔液吸引ユニットを管腔と連通させる排出管内の圧力を、前記事前に定義された閾値を上回る高圧力まで上昇させることを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記アダプタの前記固定は、ストラップ、引張ワイヤ、および/またはテープを使用して、患者の身体に前記アダプタを外から取り付けることをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【国際調査報告】