(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】種子コーティング組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 25/00 20060101AFI20240129BHJP
A01N 51/00 20060101ALI20240129BHJP
A01N 25/10 20060101ALI20240129BHJP
A01C 1/06 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
A01N25/00 101
A01N51/00
A01N25/10
A01C1/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540717
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 CN2021073092
(87)【国際公開番号】W WO2022155845
(87)【国際公開日】2022-07-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヨンチュン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ツォーユイ
(72)【発明者】
【氏名】チョン リン
(72)【発明者】
【氏名】チー チン
(72)【発明者】
【氏名】チョン チェン
(72)【発明者】
【氏名】シェン センセン
【テーマコード(参考)】
2B051
4H011
【Fターム(参考)】
2B051AB01
2B051BA15
2B051BB01
4H011AC01
4H011AC04
4H011BB10
4H011BC03
4H011BC16
4H011BC18
4H011BC19
4H011DA16
4H011DH02
4H011DH10
(57)【要約】
種子コーティング組成物は、シラン官能化ポリマーを含む。シラン官能化ポリマーは、アクリレート系である。種子コーティング組成物はまた、ゲル浸透クロマトグラフィーに従って測定した場合、500,000g/mol以上の重量平均分子量を有するポリジメチルシロキサンを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種子コーティング組成物であって、
アクリレート系であるシラン官能化ポリマーと、
ゲル浸透クロマトグラフィーに従って測定した場合、500,000g/mol以上の重量平均分子量を有するポリジメチルシロキサンと、を含む、種子コーティング組成物。
【請求項2】
前記シラン官能化ポリマーが、ビニルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシルシラン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるシランモノマーから誘導された単位を含む、請求項1に記載の種子コーティング組成物。
【請求項3】
前記シラン官能化ポリマーが、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、氷メタクリル酸及びスチレンから誘導された単位を含む、請求項2に記載の種子コーティング組成物。
【請求項4】
前記ポリジメチルシロキサンが、ゲル浸透クロマトグラフィーに従って測定した場合、500,000g/mol~2,500,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項1に記載の種子コーティング組成物。
【請求項5】
前記シラン官能化ポリマーが、ASTM D7028に従って測定した場合、0℃~40℃のガラス転移温度を有する、請求項1に記載の種子コーティング組成物。
【請求項6】
前記種子コーティング組成物内の前記シラン官能化ポリマー対前記ポリジメチルシロキサンの重量比が、99:1~75:25である、請求項1に記載の種子コーティング組成物。
【請求項7】
前記種子コーティング組成物中の前記シラン官能化ポリマー対前記ポリジメチルシロキサンの前記重量比が、96:4~85:15である、請求項6に記載の種子コーティング組成物。
【請求項8】
水を更に含み、前記シラン官能化ポリマー、前記ポリジメチルシロキサン及び前記水が、エマルションを形成する、請求項1に記載の種子コーティング組成物。
【請求項9】
コーティングされた種子であって、
外部表面を画定する種子と、
前記種子の前記外部表面と接触している、請求項1に記載の種子コーティング組成物と、を備える、コーティングされた種子。
【請求項10】
コーティングされた種子を形成する方法であって、
アクリレート系であるシラン官能化ポリマーを形成する工程と、
ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した場合、500,000g/mol以上の重量平均分子量を有するポリジメチルシロキサンを前記シラン官能化ポリマーと組み合わせて、種子コーティング組成物を形成する工程と、
前記種子コーティング組成物を種子に適用して、コーティングされた種子を形成する工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組成物に関し、より具体的には、種子コーティング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
序論
作物を栽培するために使用される種子は、種子の外部表面上に配設された1つ以上のコーティングを含むことが多い。コーティングは、農業活性成分(例えば、肥料、農薬、抗菌剤、植物成長調節剤)を種子の表面に付着させ、及び/又は種々の有益な特性(例えば、細菌/昆虫/損傷からの種子の保護、植物成長の促進、気体又は水透過性など)を付与する働きをし得る。種子の製造、輸送及び植え付けの間、コーティングは、コーティングの完全性並びに/又は種子へのコーティングの付着に悪影響を及ぼし得る機械的な力及び水分などの種々の条件に曝露される。機械力に起因するフレーキング及びチッピングに対するコーティングの耐性は、その「摩耗率」として定量化され、値が小さいほどコーティングの損失が少ないことを表す。概して、8%を超える摩耗率は、不合格と考えられる。コーティングはまた、水に曝露されたときに溶解に抵抗しなければならず、並びにコーティングされた種子が取り扱い中に凝集し、かつ互いに結合しないように、表面の摩擦係数が低くなければならない。
【0003】
コーティングの特性を改善する様々な試みがなされてきた。例えば、米国特許第5,106,649号(「‘649特許」)は、農薬処理された種子のバルク流動特性を改善するための、ポリエチレングリコール、アルキド樹脂又はポリアクリレート系コーティングと組み合わせたポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane、「PDMS」)潤滑剤の使用を開示する。具体的には、‘649特許は、1mol当たり10,000グラム(「g/mol」)~400,000g/mol、より好ましくは、50,000g/mol~200,000g/molの分子量を有するPDMSを利用する。
【0004】
種子コーティングと種子との間の付着性の改善は、主に、無水マレイン酸などのモノマーを使用するコーティング官能化を通して試みられてきた。ポリマーと無機表面との間の付着性を増加させるためのシラン官能化の使用は、既知であり、アクリレートポリマーのシラン官能化も同様である。例えば、米国特許公開第2004/0259991(A1)号は、自己安定シラン変性(メタ)アクリルラテックスインターポリマー組成物を開示する。しかしながら、米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、「EPA」)によって実施され、他の管轄区域で採用された規制により、シラン官能化ポリマーは、農業用種子に関連して使用されていない。このため、種子コーティングに対するシラン官能化の有効性は、知られていない。
【0005】
上に列挙したコーティング特性と競合するのは、コーティングが種子の発芽を阻害しないという要件である。例えば、コーティングは、種子が発芽を開始するために、水分及び気体透過性でなければならない。更に、コーティングの種子への付着性及び/又はコーティングの剛性は、種子の開口及び新しい植物の出芽を妨げてはならない。概して、85%未満の種子発芽をもたらす種子コーティングは、不合格と見なされる。
【0006】
上記を考慮すると、8%未満の摩耗率を有し、85%以上の発芽率を達成しながら耐水性及び流動性を満たす種子コーティング組成物を発見することは驚くべきことであろう。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、85%以上の種子発芽率を達成しながら、8%未満の摩耗率を有し、耐水性及び流動性を満たす種子コーティング組成物を提供する。
【0008】
本発明は、500,000g/mol以上の重量平均分子量を有するポリジメチルシロキサンと併せてシラン官能化ポリマーを利用することによって、上記の特性を満たすことができる種子コーティング組成物の形成が可能になることを発見した結果である。理論に拘束されるものではないが、ポリマーのシラン官能化は、種子の外部表面に効果的に結合することができ、一方でポリジメチルシロキサンは、コーティングの摩擦係数を低減することができると考えられる。驚くべきことに、シラン官能化ポリマーの使用によって提供される付着性の増加にもかかわらず、種子コーティング組成物は、発芽を過度に阻害せず、種子の85%以上が発芽することができることが発見された。更に、500,000g/mol以上の重量平均分子量を有するポリジメチルシロキサンの組み込みが、発芽が85%未満に減少する点までコーティングを増粘しないということは驚くべきことである。
【0009】
本発明は、種子の保護における使用に関して特に有用である。
【0010】
本開示の第1の特徴によれば、種子コーティング組成物は、シラン官能化ポリマーであって、シラン官能化ポリマーは、アクリレート系である、シラン官能化ポリマーと、ゲル浸透クロマトグラフィーに従って測定した場合、500,000g/mol以上の重量平均分子量を有するポリジメチルシロキサンと、を含む。
【0011】
本開示の第2の特徴によれば、シラン官能化ポリマーは、ビニルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシルシラン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、シランモノマーから誘導される単位を含む。
【0012】
本開示の第3の特徴によれば、シラン官能化ポリマーは、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、氷メタクリル酸及びスチレンから誘導される単位を含む。
【0013】
本開示の第4の特徴によれば、ポリジメチルシロキサンは、ゲル浸透クロマトグラフィーに従って測定した場合、500,000g/mol~2,500,000g/molの重量平均分子量を有する。
【0014】
本開示の第5の特徴によれば、シラン官能化ポリマーは、ASTM D7028に従って測定した場合、0℃~40℃のガラス転移温度を有する。
【0015】
本開示の第6の特徴によれば、種子コーティング組成物中のシラン官能化ポリマー対ポリジメチルシロキサンの重量比は、99:1~75:25である。
【0016】
本開示の第7の特徴によれば、種子コーティング組成物中のシラン官能化ポリマー対ポリジメチルシロキサンの重量比は、96:4~85:15である。
【0017】
本開示の第8の特徴によれば、種子コーティング組成物は、水を更に含み、シラン官能化ポリマー、ポリジメチルシロキサン及び水は、エマルションを形成する。
【0018】
本開示の第9の特徴によれば、コーティングされた種子は、外部表面を画定する種子と、種子の外部表面と接触している種子コーティング組成物と、を含む。
【0019】
本開示の第10の特徴によれば、コーティングされた種子を形成する方法は、アクリレート系であるシラン官能化ポリマーを形成する工程と、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した場合、500,000g/mol以上の重量平均分子量を有するポリジメチルシロキサンを、シラン官能化ポリマーと組み合わせて、種子コーティング組成物を形成する工程と、種子コーティング組成物を種子に適用して、コーティングされた種子を形成する工程と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、2つ以上の項目の列挙で使用される場合、列挙された項目のうちのいずれか1つをそれ自体で用いることができるか、又は列挙された項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせを用いることができることを意味する。例えば、組成物が成分A、B、及び/又はCを含有するものとして説明されている場合、組成物はAを単独で、Bを単独で、Cを単独で、A及びBを組み合わせて、A及びCを組み合わせて、B及びCを組み合わせて、又はA、B、及びCを組み合わせて、含有することができる。
【0021】
別途記載のない限り、全ての範囲は、終点を含む。
【0022】
試験方法は、試験方法番号でハイフン付きの2桁の数字で日付が示されていない限り、この文書の優先日における最新の試験方法を指す。試験方法への言及は、試験の協会及び試験方法番号への参照の両方を含む。試験方法組織は、以下の略語のうちの1つによって参照され、ASTMは、ASTMインターナショナル(ASTM International)(旧称、米国材料試験協会、American Society for Testing and Materials)を指し、ENは、欧州規格(European Norm)を指し、DINは、ドイツ規格協会(Deutsches Institut fur Normung)を指し、ISOは、国際標準化機構(International Organization for Standards)を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、重量パーセント(「重量%」)という用語は、別途明記しない限り、成分が、ポリマー組成物の総重量に占める重量パーセンテージを示す。
【0024】
本明細書で使用される場合、「CAS番号」は、Chemical Abstracts Serviceによって割り当てられたケミカルサービス登録番号である。
【0025】
種子コーティング組成物
本開示は、種子コーティング組成物を対象とする。種子コーティング組成物は、シラン官能化ポリマー及びポリジメチルシロキサンを含む。種子コーティング組成物は、水性エマルションとして、又は種子上のコーティングとして存在し得る。種子コーティング組成物の水性エマルション形態では、シラン官能化ポリマー及びポリジメチルシロキサンは、水中で乳化される。以下により詳細に説明されるように、種子コーティング組成物の水性エマルションは、種子に適用されて、コーティングされた種子を形成する。コーティングされた種子は、種子コーティング組成物が乾燥し、種子の外側表面に付着した状態の種子として存在する。
【0026】
シラン官能化ポリマー
種子コーティング組成物は、シラン官能化ポリマーを含む。「シラン官能化ポリマー」は、シランを含有するポリマーである。シラン官能化ポリマーは、「アクリレート系」であり、これは、シラン官能化ポリマーが、シラン官能化ポリマーの総重量に基づいて、メチルメタクリレート、メタクリレート、スチレン、ブチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、氷メタクリル酸、並びに2-エチルヘキシルアクリレート及びトリメチロールプロパントリアクリレートからなる群から選択される、50重量%以上、又は大部分の量の重合単位を含むことを意味する。本明細書で使用される場合、指定のモノマーの「単位」という用語は、重合後のモノマーの残存物を指す。シラン官能化ポリマーは、シランとモノマーのコポリマー、シラングラフト化ポリマー、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。シラン官能化ポリマーのコポリマー例は、アクリレートモノマーとシランモノマー(ビニルシランモノマーなど)との共重合から形成され、そのためシランモノマーは、ポリマーの主鎖に組み込まれる。シラン官能化ポリマーのグラフト化された例において、シランモノマーは、ポリマーの主鎖上にグラフト化され、そのためモノマー又はその誘導体は、主鎖から離れるペンダントである。
【0027】
「シランモノマー」は、上述のモノマーのうちの1つと効果的に共重合してモノマー/シランコポリマーを形成するか、又はモノマーから形成されたポリマーの主鎖にグラフト化するシラン含有モノマーである。シランモノマーの代表的であるが、限定的ではない例は、構造(I)を有し、
【0028】
【化1】
式中、R
1が、水素原子又はメチル基であり、xが、0又は1であり、nが、1~4、又は6、又は8、又は10、又は12の整数であり、各R
2が、独立して、1~12個の炭素原子を有するアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アラルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ)、1~12個の炭素原子を有する脂肪族アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ)、アミノ基若しくは置換アミノ基(例えば、アルキルアミノ、アリールアミノ)、又は1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基であるが、ただし、3つのR
2基のうちの1つ以下がアルキルであることを条件とする、有機基である。
【0029】
シランモノマーは、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニル、又はガンマ(メタ)アクリロキシアリル基などのエチレン性不飽和ヒドロカルビル基、及び、例えば、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルボニルオキシ、又はヒドロカルビルアミノ基などの加水分解性基を含む、シランモノマーを含み得る。加水分解性基は、メトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロプリオニルオキシ、及びアルキル又はアリールアミノ基を含んでもよい。シランモノマーの例としては、ビニルトリメトキシシラン(vinyltrimethoxysilane、VTMS)、ビニルトリエトキシシラン(vinyltriethoxysilane、VTES)、ビニルトリアセトキシシラン、及びガンマ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。構造(I)に関連して、VTMSについては、x=0、R1=水素、及びR2=メトキシ、VTESについては、x=0、R1=水素、及びR2=エトキシ、並びにビニルトリアセトキシシランについては、x=0、R1=H、及びR2=アセトキシである。シランモノマーは、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを含み得る。
【0030】
シラン官能化ポリマーは、ASTM D7028に従って測定した場合、0℃~40℃のガラス転移温度を有する。例えば、シラン官能化ポリマーのガラス転移温度は、ASTM D7028を測定した場合、0℃以上、又は5℃以上、又は10℃以上、又は15℃以上、又は20℃以上、又は25℃以上、又は30℃以上、又は35℃以上であり、同時に、40℃以下、又は35℃以下、30℃以下、又は25℃以下、又は20℃以下、又は15℃以下、又は10℃以下、又は5℃以下である。
【0031】
種子コーティング組成物は、種子コーティング組成物の総重量に基づいて、1重量%~30重量%のシラン官能化ポリマーを含み得る。例えば、種子コーティング配合物は、種子コーティング組成物の総重量に基づいて、1重量%以上、又は2重量%以上、又は4重量%以上、又は6重量%以上、又は8重量%以上、又は10重量%以上、又は12重量%以上、又は14重量%以上、又は16重量%以上、又は18重量%以上、又は20重量%以上、又は22重量%以上、又は24重量%以上、又は26重量%以上、又は28重量%以上、一方で同時に、30重量%以下、又は28重量%以下、又は26重量%以下、又は24重量%以下、又は22重量%以下、又は20重量%以下、又は18重量%以下、又は16重量%以下、又は14重量%以下、又は12重量%以下、又は10重量%以下、又は8重量%以下、又は6重量%以下、又は4重量%以下、又は2重量%以下のシラン官能化ポリマーを含み得る。
【0032】
ポリジメチルシロキサン
種子コーティング組成物は、ポリジメチルシロキサンを含む。PDMSは、9016-00-6のCAS番号を有する。PDMSは、以下で説明されるようなゲル浸透クロマトグラフィーに従って測定した場合、500,000g/mol以上、又は600,000g/mol以上、又は700,000g/mol以上、又は800,000g/mol以上、又は900,000g/mol以上、又は1,000,000g/mol以上、又は1,100,000g/mol以上、又は1,200,000g/mol以上、又は1,300,000g/mol以上、又は1,400,000g/mol以上、又は1,500,000g/mol以上、又は1,600,000g/mol以上、又は1,700,000g/mol以上、又は1,800,000g/mol以上、又は1,900,000g/mol以上、又は2,000,000g/mol以上、又は2,100,000g/mol以上、又は2,200,000g/mol以上、又は2,300,000g/mol以上、又は2,400,000g/mol以上、一方で同時に、2,500,000g/mol以下、又は2,400,000g/mol以下、又は2,300,000g/mol以下、又は2,200,000g/mol以下、又は2,100,000g/mol以下、又は2,000,000g/mol以下、又は1,900,000g/mol以下、又は1,800,000g/mol以下、又は1,700,000g/mol以下、又は1,600,000g/mol以下、又は1,500,000g/mol以下、又は1,400,000g/mol以下、又は1,300,000g/mol以下、又は1,200,000g/mol以下、又は1,100,000g/mol以下、又は1,000,000g/mol以下、又は900,000g/mol以下、又は800,000g/mol以下、又は700,000g/mol以下、又は600,000g/mol以下の重量平均分子量を有する。
【0033】
種子コーティング組成物は、種子コーティング組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~6重量%のPDMSを含み得る。例えば、種子コーティング組成物は、種子コーティング組成物の総重量に基づいて、0.1重量%以上、又は0.2重量%以上、又は0.4重量%以上、又は0.6重量%以上、又は0.8重量%以上、又は1.0重量%以上、又は1.2重量%以上、又は1.4重量%以上、又は1.6重量%以上、又は1.8重量%以上、又は2.0重量%以上、又は2.2重量%以上、又は2.4重量%以上、又は2.6重量%以上、又は2.8重量%以上、又は3.0重量%以上、又は3.2重量%以上、又は3.4重量%以上、又は3.6重量%以上、又は3.8重量%以上、又は4.0重量%以上、又は4.2重量%以上、又は4.4重量%以上、又は4.6重量%以上、又は4.8重量%以上、又は5.0重量%以上、又は5.2重量%以上、又は5.4重量%以上、又は5.6重量%以上、又は5.8重量%以上、一方で同時に、6.0重量%以下、又は5.8重量%以下、又は5.6重量%以下、又は5.4重量%以下、又は5.2重量%以下、又は5.0重量%以下、又は4.8重量%以下、又は4.6重量%以下、又は4.4重量%以下、又は4.2重量%以下、又は4.0重量%以下、又は3.8重量%以下、又は3.6重量%以下、又は3.4重量%以下、又は3.2重量%以下、又は3.0重量%以下、又は2.8重量%以下、又は2.6重量%以下、又は2.4重量%以下、又は2.2重量%以下、又は2.0重量%以下、又は1.8重量%以下、又は1.6重量%以下、又は1.4重量%以下、又は1.2重量%以下、又は1.0重量%以下、又は0.8重量%以下、又は0.6重量%以下、又は0.4重量%以下、又は0.2重量%以下のPDMSを含み得る。
【0034】
種子コーティング組成物中のシラン官能化ポリマーとPDMSとの間の重量比は、99:1~75:25である。例えば、シラン官能化ポリマーとPDMSとの重量比は、99:1、又は96:4、又は95:5、又は90:10、又は、85:15、又は80:20、一方で同時に、75:25、又は80:20、又は85:15、又は90:10、又は95:5、又は96:4であり得る。水性エマルションの例において、シラン官能化ポリマーとPDMSとの間の重量比は、エマルションの固体に基づいて測定され、溶媒又は水の重量を含まない。
【0035】
添加剤
種子コーティング組成物は、シラン官能化ポリマー及びPDMSに加えて、1つ以上の添加剤を含み得る。例えば、種子コーティング組成物は、凍結防止剤、増粘剤、消泡剤、顔料、防腐剤、pH調整剤、融合剤、安定剤、活性成分及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。例示的な凍結防止剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの二価アルコールが挙げられる。種子コーティング組成物は、種子コーティング組成物の総重量に基づいて、0.5重量%~30重量%の量で凍結防止剤を含み得る。例示的な増粘剤としては、キサンタンガム、ラムサンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン又はウェランガムなどの多糖類;ポリアクリル酸ナトリウムなどの合成ポリマー;カルボキシメチルセルロースなどの半合成多糖類;ケイ酸アルミニウムマグネシウム、スメクタイト、ベントナイト、ヘクトライト、若しくはヒュームドシリカなどの鉱物微粉末、又はアルミナゾルが挙げられる。種子コーティング組成物は、種子コーティング組成物の総重量に基づいて、1.0重量%~50.0重量%の活性成分を含み得る。活性成分の例としては、農薬(例えば、チアメトキサム、アバメクチン、フェノブカルブ、イソプロカルブ、クロルフルアズロン、クロルピリホス、フィプロニル、クロチアニジン、スピネトラム、スピノサド、ジノテフラン、メトキシフェノジド、エトフェンプロックス、エチプロール、アセフェート、ベンフラカルブ、モノクロトホス、シラフルオフェン、イミダクロプリドなど)、肥料及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な融合剤としては、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、[(ブトキシメチルエトキシ)メチルエトキシ]プロパン-1-オール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート;イソ酪酸、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールとのエステル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート、他の融合剤及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0036】
コーティングされた種子
水性エマルション状態の種子コーティング組成物を、種子の外部表面に適用して、コーティングされた種子を形成する。種子の外部は、果皮、種皮、胚乳、又は種子コーティング組成物が付着する他の表面であり得る。種子コーティング組成物は、様々なタイプの種子に適用され得る。例えば、種子は、穀類(例えば、コムギ、カラスムギ、イネ、トウモロコシ(トウモロコシの実)、オオムギ、ソルガム、ライムギ、キビ)、果実、野菜、マメ科植物又は他のタイプの種子であり得る。
【0037】
作製方法
水性エマルション形態の種子コーティング組成物は、コーティングされた種子を形成するために種子に適用される。コーティングされた種子を形成することは、まず、シラン官能化ポリマーを形成する工程から開始し得る。シラン官能化ポリマーは、キャリア溶媒/流体中に配設されたラテックス中のエマルションであり得、及び/又は乾燥粉末であり得る。シラン官能化ポリマーの形成は、シラン官能化ポリマーを形成する方法について以下に提供される説明に従って実行され得る。次に、ゲル浸透クロマトグラフィーに従って測定した場合、500,000g/mol以上の重量平均分子量を有するポリジメチルシロキサンをシラン官能化ポリマーと組み合わせて、種子コーティング組成物を形成する工程が、実施される。PDMSは、キャリア溶媒/流体中に配設されたラテックス中のエマルションの形態であり得、及び/又は乾燥粉末であり得る。添加剤(活性成分を含む)は、PDMSとシラン官能化ポリマーとの組み合わせの前、間、又は後に種子コーティング組成物に添加され得る。次に、種子コーティング組成物を種子に適用する工程が実施される。種子コーティング組成物は、種子に直接適用(例えば、噴霧)され得、及び/又は種子がコーティング組成物に混合され、次いで取り出されてもよい。種子コーティング組成物を種子に適用した後、種子コーティング組成物を、乾燥させて、コーティングされた種子上に種子コーティング組成物の固体の実施形態を形成する。
【実施例】
【0038】
試験方法
摩耗率:種子コーティング組成物の摩耗率は、以下の様式に従って判定される。15gのコーティングされたトウモロコシ種子を、90mlのポリエチレンプラスチック容器に入れる。容器を、IKA products、Staufen,Germany製のKS 501 Shakerに固定し、1分当たり280回転/分の速度で15分間振とうした。振とう後、高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography、「HPLC」)紫外線検出測定が、実施される。測定に使用されるカラムは、Agilent Eclipse XDB-C18(2.1*50mm、1.8μm)カラムであり、検出器は、DAD(280nmにおけるUV吸光度)であり、使用される溶媒は、水及びアセトニトリルであり、標的材料は、チアメトキサム(THM)である。振とう後、コーティングされたトウモロコシ種子は、別の新しい90mlポリエチレン容器に移動され、滴下されたコーティング(すなわち、振とうから)は、元の90mlポリエチレン容器に残る。40mlの溶媒の混合物(アセトニトリル(ACN):H2O(0.1%H3PO4)=4:1)を両方の容器に導入する。2つの容器の両方を、まずボルテックスし、次いで、1時間超音波振動させた後、それらをKS 501 Shakerで一晩振とうする。試料は、試験前に少なくとも30分間放置される。新しい90ml容器からの0.5mlの上清を、20mlのガラスバイアルに移動させ、約12mlの抽出溶媒を添加して、試料を希釈する。次いで、試料を振とうし、1mlの上清を取り出し、0.22μmのポリテトラフルオロエチレン膜によって濾過した後、HPLCによって分析する。これらの試料を使用して、振とう後のトウモロコシ種子上の残存チアメトキサム(「m1」)を計算する。1ml溶液を元の90ml容器から直接取り出し、0.22μmのポリテトラフルオロエチレン膜によって濾過した後、HPLCによって分析する。これらの試料を使用して、振とう中に滴下したチアメトキサム(「m2」)を計算する。摩耗率は、式1によって計算され、各摩耗率は、3回繰り返した試料の平均である。
摩耗率(%)=m2/(m1+m2)*100% 式1
【0039】
耐水性:本発明の実施例1~4及び比較例1~5の耐水性は、種子を浸漬するのに十分な水を有するペトリ皿に各実施例を設置することによって判定される。実施例を、24時間放置し、24時間後に視覚的に観察する。耐水性は、3つのグレード(すなわち、良好、中程度、不良)に分類される。良好な耐水性とは、コーティングされた種子を水中に24時間浸漬した後に水中に着色がないことを意味し、中程度及び不良とは、種子コーティング組成物が水中に溶解することに起因して増分的により多くの水が着色されることを表す。
【0040】
発芽:発芽試験は、GB/T3543.4-1995、名称Rules for agricultural seed testing-Germination Testに従って実行される。このプロセスでは、200の適格なトウモロコシ種子が、4つの群に分けられる。2つの種子発芽紙が、プラスチックトレイの底部を覆う。種子の1つの群(50種子/群)を、発芽紙の上に分散させ、次いで種子を、別の発芽紙で覆い、両方の発芽紙を湿潤させる。プラスチックトレイを覆い、照明のない場所において貯蔵する。試験中、種子を毎日確認する。うどんこ病で死んだ種子を取り出し、発芽紙を再び湿潤させる。発芽している種子の数を、4日目及び7日目に数える。発芽率は、試験した種子の4つの群の平均である。
【0041】
流動性:25gのコーティングされた種子を、内径3cmのガラス管に導入し、キャップで封止する。次いで、この管の方向を反転させる。許容可能な流動性とは、コーティングされた種子の全てが1秒で流れ落ちることを意味し、一方で許容不可能な流動性とは、コーティングされた種子の全て又は一部が、2秒を超えてガラス管の上部に留まることを意味する。
【0042】
分子量:ポリジメチルシロキサンの重量平均分子量(Mw)は、トリプル検出能力を使用してVISCOTEK(商標)GPC Maxで実施される「ゲル浸透クロマトグラフィー」(Gel Permeation Chromatography、「GPC」)に従って測定される。VISCOTEK(商標)TDA305ユニットには、示差屈折計、オンライン差圧粘度計、及び低角光散乱(LALS:7°及び90°の検出角度)が装備される。移動相は、高速液体クロマトグラフィーグレードのトルエンである。カラムは、Varian製の2つのPL Gel Mixed C(7.5*300mm、5μιηの粒径)と、Varian製のPL Gel Guardカラム(7.5*300mm)であり、5フラクトム(fractom)注入体積、流量1mL/分、実行時間37分である。カラム及び検出器の温度は、40℃である。使用するソフトウェアは、VISCOTEK(商標)製Omnisec4.6.1である。既知の濃度の狭ポリスチレン標準(Mw68,100g/mol)を注入することによって、検出器を較正する。狭分子量分布ポリスチレン標準(PS71K)を使用することによって、正確な実行パラメータを確認する。分子量平均は、検出器の較正を検証するために統計的プロセス制御(Statistical Process Control、SPC)チャート内でなければならない。典型的なGPC3精密度及び精度(屈折率の増分に応じる)は、約2~3%である。
【0043】
材料
融合剤は、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレートであり、Kingsport,TennesseeのThe Eastman Chemical Company製Texanol(商標)融合剤として市販されている。
【0044】
PDMSは、569,000g/molの重量平均分子量を有し、80重量%の固形分を有するポリジメチルシロキサンの水エマルションである。PDMSは、The Dow Chemical Company、Midland,Michiganから入手可能である。
【0045】
種子:種子コーティング組成物によってコーティングされた種子は、Food and Crop Research Institute,Henan Academy Agricultural Sciencesから市販されているZhengdan 958トウモロコシハイブリッド種子であった。
【0046】
シラン官能化ポリマー(Silane-functionalized polymer、「SSA」):SSAは、以下の指示に従って調製される。670グラム(g)の脱イオン水、22.5gの脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェートナトリウム塩乳化剤(DISPONIL(商標)FES 993乳化剤(「FES 993」)として市販)、825gのブチルアクリレート(butyl acrylate、「BA」)、345gのメチルメタクリレート(methyl methacrylate、「MMA」)、300gのスチレン(styrene、「ST」)、30gの氷メタクリル酸(methacrylic acid、「MAA」)及び21.70gのビニルトリメチルシロキサンからモノマーエマルション(ME1)を形成する。750gのFES及び5.77gのFESを、メカニカルスターラー、還流冷却器、熱電対、並びにモノマーエマルション及び開始剤溶液用の入口を装備した5リットル4つ口フラスコに添加する。フラスコの内容物を、82℃まで加熱した。ME1の76.3gの種子分量を、フラスコに添加し、続いて10gの脱イオン水及び3.75gの過硫酸ナトリウムからなる開始剤溶液を添加する。種子分量及び開始剤溶液を、脱イオン水でフラスコにすすぎ入れる。種子分量の重合を、熱電対によって監視し、反応混合物の温度がピークに達したとき、反応器温度を85℃に制御しながら、残りのME1並びに200gの脱イオン水、0.75gの過硫酸ナトリウム、及び10.5gの炭酸ナトリウムからなる第2の開始剤溶液を、反応器に150分間にわたって単調に供給する。供給が完了した後、脱イオン水を使用してME1及び開始剤溶液をフラスコにすすぎ入れ、反応器を、85℃で10分間保持する。反応器を80℃に冷却し、次いで、5gの脱イオン水中の0.02gの硫酸第一鉄七水和物及び0.02gのエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩の溶液を、フラスコに添加し、脱イオン水ですすぐ。反応混合物中の残留モノマーを、脱イオン水20g中のz-ブチルヒドロペルオキシド4gの溶液を供給することによって重合させる。次に20gの脱イオン水中イソアスコルビン酸2.2gの溶液を、反応混合物を55℃に冷却しながら、20分かけてフラスコに添加する。供給が完了した後、反応混合物を、30℃に冷却し、水酸化アンモニウム溶液を使用してpH8に中和する。一度中和すると、0.36gのKATHON(商標)LX1400保存剤、21.73gのFES、及び8.19gの脱イオン水からなる溶液を、フラスコに添加する。結果として得られたラテックスを濾過して、凝固物を取り出す。結果として得られたラテックスの測定された固体は、46.0%である。SSAは、ASTM D7028に従って測定した場合、0℃~40℃のガラス転移温度を有する。
【0047】
活性成分分散体:活性成分分散体(active ingredient dispersion、「AID」)は、表1の材料から形成される。
【0048】
【0049】
AIDは、水、プロピレングリコール、TERGITOL(商標)湿潤剤、DOWFAX(商標)分散剤及びPOWERBLOX(商標)分散剤をGeruisi SMJ-2-180サンドミラーのステンレス鋼ジャーに組み合わせ、完全に溶解するまでそれらをともに混合することによって形成され、次いで、XIAMETER(商標)消泡剤が、添加されて、溶液を形成する。チアメトキサム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを溶液に添加し、まずガラス棒で混合し、次いでIKA T25デジタル高速ホモジェナイザで4,000rpmで5分間混合して、均一なスラリーを形成する。次いで、72gの粉砕ビーズ(Φ=0.8~1.0mm)をスラリーに添加する。スラリーを、4時間撹拌する。粉砕後、農薬配合物を、100メッシュストレーナーで濾過して、ビーズ及び大きいチアメトキサム粒子を取り出して、初期配合物を取得する。カラーペースト及びキサンタンガムを、配合物に添加し、高速ホモジェナイザを用いて4,000rpmで15分間混合して、AIDを形成する。
【0050】
試料の調製
比較例(Comparative example、「CE」)1は、コーティングされていない種子である。CE2~5及び本発明の実施例(inventive examples、「IE」)1~4は、AID、水、0.4重量%の融合剤、シラン官能化ポリマーエマルション、及びPDMSエマルションを示された量で組み合わせて、種子コーティング組成物を形成し、次いで実施例を種子に適用することによって調製される。1グラムの種子コーティング組成物を、50gのトウモロコシ種子とともに200ミリリットル(「ml」)のプラスチックボトルに添加する。プラスチックボトルは、直ちに蓋をされる。次に、プラスチックボトルを1分間、1秒当たり2回の頻度で、手で振とうして、全てのトウモロコシ種子が種子コーティング組成物によってコーティングされていることを保証する。振とう後、トウモロコシ種子を、剥離紙上に注ぎ、一晩乾燥させる。
【0051】
結果
表2は、IE1~4及びCE1~5の組成、並びに実施した異なる試験の測定値を提供する。SSA及びPDMSについて表2に提供される重量パーセントは、種子コーティング組成物の総重量に基づいて添加されたエマルションの重量を示す。表2中の「NM」は、値を測定しなかったことを表す。
【0052】
【0053】
表2から分かるように、種子コーティング組成物へのPDMSの投与量の増加は、摩耗率を低下させる。例えば、0.38重量%~0.94重量%のPDMSエマルションを含むIE1~IE4は、CE2~CE4と比較して摩耗率を劇的に減少させる。CE5に関して、多すぎるPDMSの添加は、種子発芽に悪影響を及ぼすことを見ることができる。IE2は、PDMSと併せたシラン官能化ポリマーの使用が、種子コーティング組成物の耐水性又はコーティングされた種子の流動性に悪影響を及ぼさないことを実証する。このように、種子コーティング組成物は、8%未満の摩耗率を可能にし、耐水性及び流動性特性を満たしながら、85%以上の種子発芽率を達成する。
【国際調査報告】