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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】車両の性能属性を制御するシステム
(51)【国際特許分類】
   B60L 15/20 20060101AFI20240129BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240129BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20240129BHJP
   B62M 7/12 20060101ALI20240129BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20240129BHJP
   B62J 45/412 20200101ALI20240129BHJP
【FI】
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L58/10
B62M7/12
B62J45/00
B62J45/412
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541949
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2022011770
(87)【国際公開番号】W WO2022150682
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】17/145,859
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519206106
【氏名又は名称】スーパー73 インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Super73, Inc.
【住所又は居所原語表記】16591 Noyes Avenue,Irvine, CA 92606 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルーズ レグランド
(72)【発明者】
【氏名】フォンデヴィダ ホセ
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA00
5H125BC01
5H125BC03
5H125CA10
5H125CC07
5H125EE52
(57)【要約】
車両を提供する。この車両は、車両性能変更コマンドをコンピューティングデバイスから受信するように構成された受信機と、前記車両性能変更コマンドを前記受信機から受信し、性能変更コマンドを提供するように構成されたコントローラと、前記性能変更コマンドを前記コントローラから受信するように構成された電源と、前記電源から電力を受け取るように構成された、電気的に駆動されるハードウェア要素と、を備えている。前記コントローラは、前記車両性能変更コマンドに従って車両性能を実現するために前記電源の動作を変更するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両システムであって、
車両性能変更コマンドを送信するように構成されたコンピューティングデバイスと、
車両と、を備え、前記車両が、
前記車両性能変更コマンドを受信するように構成された受信機と、
前記車両性能変更コマンドを前記受信機から受信するように構成されたコントローラと、を備え、前記コントローラが、前記車両に設けられた1つの電動ハードウェア部品の少なくとも1つの電気性能属性を変更して、前記車両性能変更コマンドに従って前記車両を動作させる車両システム。
【請求項2】
前記車両が電動バイクを含み、前記電動ハードウェア部品が、前記電動バイクの車輪を駆動する電気モータを含む、請求項1に記載の車両システム。
【請求項3】
1つの電動部品の前記少なくとも1つの電気性能属性を変更することが、前記電動バイクに設けられた電源を、前記電気モータの性能を変更するために制御することを含む、請求項2に記載の車両システム。
【請求項4】
前記電源を制御することが、前記車両性能変更コマンドに対応するレベルを達成するために電圧及び電流の一方を変更することを含む、請求項3に記載の車両システム。
【請求項5】
前記車両性能変更コマンドが、前記車両の最高速度を設定するコマンドを含む、請求項1に記載の車両システム。
【請求項6】
前記車両性能変更コマンドが、所望の性能クラス又は所望の性能モードを含む、請求項1に記載の車両システム。
【請求項7】
前記コンピューティングデバイスがスマートフォンを含み、前記スマートフォンが、前記車両性能変更コマンドを無線通チャネルを介して送信する、請求項1に記載の車両システム。
【請求項8】
車両であって、
車両性能変更コマンドをコンピューティングデバイスから受信するように構成された受信機と、
前記車両性能変更コマンドを前記受信機から受信し、性能変更コマンドを提供するように構成されたコントローラと、
前記性能変更コマンドを前記コントローラから受信するように構成された電源と、
前記電源から電力を受け取るように構成された、電気的に駆動されるハードウェア要素と、を備え、
前記コントローラが、前記電源の動作を変更して前記車両性能変更コマンドに従って車両性能を実現するように構成されている、車両。
【請求項9】
前記車両が電動バイクを含み、前記電気的に駆動されるハードウェア要素が、前記電動バイクの車輪を駆動する電気モータを含む、請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記コントローラが、前記電源により前記電気モータに供給される電圧及び電流の一方を変更する、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記車両性能変更コマンドが、前記車両の最高速度を設定するためのコマンドを含む、請求項8に記載の車両。
【請求項12】
記車両性能変更コマンドが、所望の性能クラス又は所望の性能モードを含む、請求項8に記載の車両。
【請求項13】
前記コントローラが、前記所望の性能クラス又は前記所望の性能モードを、前記電源が電力を供給する電気レベルに変換する、請求項12に記載の車両。
【請求項14】
前記車両が、前記車両性能変更コマンドをスマートフォンから無線通信チャネルを介して受信する、請求項8に記載の車両。
【請求項15】
車両であって、
車両性能変更コマンドを受信するように構成された受信機と、
前記車両性能変更コマンドを前記受信機から受信し、性能変更コマンドを提供するように構成されたコントローラと、
前記性能変更コマンドを前記コントローラから受信するように構成された電源と、
前記電源から電力を受け取るように構成された、電気的に駆動されるハードウェア要素と、を備え、
前記コントローラが、前記電源の動作を変更して、前記車両性能変更コマンドに従って車両性能の最大レベルを変更するように構成されている、車両。
【請求項16】
前記車両が電動バイクを含み、前記電気的に駆動されるハードウェア要素が、前記電動バイクの車輪を駆動するために使用される電気モータを含む、請求項15に記載の車両。
【請求項17】
前記コントローラが、前記電源により前記電気モータに供給される電圧及び電流の一方を変更する、請求項16に記載の車両。
【請求項18】
前記車両性能変更コマンドが、前記車両の最高速度を設定するためのコマンドを含む、
請求項15に記載の車両。
【請求項19】
前記車両性能変更コマンドが、所望の性能クラス又は所望の性能モードを含む、請求項15に記載の車両。
【請求項20】
前記コントローラが、前記所望の性能クラス又は前記所望の性能モードを、前記電源が電力を供給する電気レベルに変換する、請求項15に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、車両の性能属性、例えば車速を制御することに関し、より具体的には、電動バイクなどの車両の利用可能な性能属性をユーザが制御するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
原動機付自転車のような車両は、何十年も前から存在している。モペッドのようなデバイスは、ペダルを漕ぐ能力を提供するだけでなく、車両を動力で操作することもできる。モペッドは歴史的に、ガソリンを動力源とする小型エンジンを採用してきた。電動バイクと呼ばれる新しいデバイスは、バッテリの形態で電力を使用し、多くの場合、ペダルのセットを使用して操作されることができる。
【0003】
しかし、管轄区域や状況により、電動バイクや同クラスの車両の速度を所定の制限内に維持することが義務付けられている。幾つかの政府機関では、このような車両を運転する際の最高速度制限に介入して要求している。これらの制限速度を超えると違法になる場合がある。様々な政府機関、そして民間団体もが、電動バイクのような動力付き車両に様々な運転制限を義務付けており、このようなデバイスに速度制限を要求する団体は時と共に増すであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0090249号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなデバイスの所有者及び製造者にとっての問題は、特定の車両が、運転者の希望に沿うように、また、運転、販売、及び/又は所在する管轄区域に従って動作する能力である。理解されるであろうが、電動バイクは世界のどこかで製造され、ほぼ全ての場所に出荷される可能性がある。購入者は、法律により速度が時速25マイルに制限されている最初の管轄区域で電動バイクを購入し得る。購入者はその後、その電動バイクを、制限速度が時速20マイルである第2の管轄区域で運転するかも知れない。その後、購入者は、その電動バイクを、次の購入者(速度制限のない第3の管轄区域で電動バイクを維持及び運転する)に売却するかも知れない。
【0006】
歴史的に、そのような車両は、どこであろうと最も制限の厳しい制限速度を守るように製造される可能性がある。これは、例えば、許容速度が最も制限の厳しい制限速度よりも高いか又は無制限である管轄区域に住む購入者にとっては望ましくない。或いは、このような車両を特定の管轄区域用に製造することもできる。すなわち、制限速度Pを超えない電動バイク、制限速度Qを超えない同一モデルの別の電動バイク、制限速度Rを超えない同一モデルのさらに別の電動バイクを製造するのである。これは更なる製造努力と在庫スペースを必要とし、その両方が望ましくない。製造業者は、注文が入るのを待ってから、管轄地域QQにおける政府の規制により制限速度Qを超えないことが望まれる電動バイクを製造することもできるが、その場合、出荷と購入者の受け取りが遅れることになり、これもまた望ましくない。また、これらのシナリオのいずれにおいても、もし、電動バイクがオハイオ州で製造されてユーザに販売され、オハイオ州の制限速度の要件に合わせて製造され、そしてユーザがその電動バイクを制限速度の異なるミシガン州に持ち込んだ場合、今までは何もできなかった。その電動バイクはオハイオ州の法律に従ってのみ運転可能であり、ミシガン州でそのような車両を運転した場合、ミシガン州の速度要件がより厳ければ、刑事罰又は民事罰の対象になる可能性があった。
【0007】
さらに、電動バイクのような車両にはラベル表示に関する要件があり、車両の特定の属性を記載したラベルを提示しなければならない。車両が、例えば最高時速Gマイルで走行する場合、特定の管轄区域では、最高時速Gマイルを示すラベルを車両に貼付することが要求されている。性能属性を変更できる電動バイクでは、ラベル表示が性能属性と一致しない場合があるという問題がある。
【0008】
車両が常に運転されている管轄区域の法律に従って速度制限などの運転属性を変更できる車両を提供することが望ましい。さらに、電動バイクのような車両が、このような車両の販売や購入に伴う過去の問題を克服し、車両が提供する性能について正確なラベル表示を行うことで、どのような管轄区域でも安全で合法的に運転されることができる設計を提供することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態によれば、車両性能変更コマンドを送信するように構成されたコンピューティングデバイスと、車両とを備える車両システムが提供され、前記車両は、前記車両性能変更コマンドを受信するように構成された受信機と、前記車両性能変更コマンドを前記受信機から受信するように構成されたコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記車両に設けられた1つの電動ハードウェア部品の少なくとも1つの電気性能属性を変更して、前記車両性能変更コマンドに従って前記車両を動作させる。
【0010】
別の実施形態によれば、車両性能変更コマンドをコンピューティングデバイスから受信するように構成された受信機と、前記車両性能変更コマンドを前記受信機から受信し、性能変更コマンドを提供するように構成されたコントローラと、前記性能変更コマンドを前記コントローラから受信するように構成された電源と、前記電源から電力を受け取るように構成された、電気的に駆動されるハードウェア要素と、を備えた車両が提供される。前記コントローラは、前記電源の動作を変更して、前記車両性能変更コマンドに従って車両性能を実現するように構成されている。
【0011】
さらなる実施形態によれば、車両性能変更コマンドを受信するように構成された受信機と、前記車両性能変更コマンドを前記受信機から受信し、性能変更コマンドを提供するように構成されたコントローラと、前記性能変更コマンドを前記コントローラから受信するように構成された電源と、前記電源から電力を受け取るように構成された、電気的に駆動されるハードウェア要素と、を備えた車両が提供される。前記コントローラは、前記電源の動作を変更して、前記車両性能変更コマンドに従って車両性能の最大レベルを変更するように構成されている。
【0012】
本発明のこれら及び他の利点は、以下の発明の詳細な説明及び添付図面から当業者に明らかになるであろう。
本開示のより完全な理解のために、ここで、以下の図を参照する。図面全体を通して、類似の参照番号は類似の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本設計に従って使用される車両、具体的には電動バイクを示す図である。
図2】本設計に従う部品の概略図である。
図3】スマートフォンなどのコンピューティングデバイスに実装した場合の画面の例を示す図である。
図4】本設計の一態様による動作を示す図である。
図5】本設計の第2の態様による動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明及び図面は、記載されるシステム及び方法を当業者が実施できるように、特定の実施形態を十分に示す。その他の実施形態は、構造的、論理的、プロセス的、及びその他の変更を組み込み得る。例は、単に可能な変形を類型化したものに過ぎない。個々の要素及び機能は、明示的に要求されない限り、一般に任意選択的であり、操作の順序は変化し得る。幾つかの実施形態の部分及び特徴は、別の実施形態の部分及び特徴に含まれることができ、或いはそれらで代用され得る。
【0015】
本設計は、様々なエンティティにより確立されたローカルルール又は性能制限に対処又は適合するために、速度制限、又はその他の性能属性の変更を提供するハードウェアを含む。本設計は、通常、有効なスマートフォンなどの遠隔コンピューティングデバイスを持つ人々に提供されて、利用可能な又は適切な通信チャネルを介して性能変更の要求を送信する。車両は、通信チャネルを介して通信を受信するための受信機を含み、このような通信にはセキュリティが提供され得る。コンピューティングデバイスのユーザは、1つの性能属性から別の性能属性への変更、例えば、1つの性能モードから別の性能モードへの変更を要求することができ、車両受信機はその通信を受信する。受信機は、その通信をコントローラに提供し、コントローラは、命令された性能属性の変更を実行するためのコマンドを発行する。異なる性能属性が、必要に応じてコンピューティングデバイスとコントローラの両方に、例えばソフトウェア又はファームウェアの更新を介して車両コントローラに追加され得る。
【0016】
本設計の別の態様では、クラス、モード、又は関連する性能属性が変化するたびに変化する電子サイン又はサイネージが提供される。この場合も、ユーザは特定の性能属性を変更するためのコマンドを発行し得る。車両受信機は、コマンドを受信し、コマンドを車両上のコントローラに提供し得る。コントローラは、例えばバッテリ性能に、命令された最高速度値に従って車両の速度を制限するように命令し得る。さらに、コントローラは、命令された性能属性の変更により代替のサイネージが必要かどうかを判断し、性能属性の変更を伝える信号を、サイン要素又は表示要素に提供し得る。例えば、モード3への切り替えが命令され、管轄区域が、車両の最高速度などのモード3性能を示すサイネージを、設けられた電子サイネージに表示するために必要とする場合である。一実施形態において、速度インジケータを電動バイクのハンドルの中央に近接して設けることができ、モード、クラス、又は性能属性を表示するとともに、管轄区域で要求される性能情報を伝えるために必要な情報を表示し得る。
【0017】
図1は、本設計に従って用いられ得る車両の1つのバージョンを示している。図1は、バッテリコンパートメント102に収容されたバッテリを有する電動バイク101を示す。また、電動バイク101にはコントローラも設けられており、コントローラは、バッテリコンパートメント102内又はその他の場所に設けられ得る。別のタイプの車両も、本設計に従って用いられ得る。
【0018】
1つの代表例として、本設計は、例えば、電動バイクが平坦な道路を走行できる最高速度を制限しようとするものである。地域による規制が、例えば、最高速度が時速25マイル、時速15マイル、又は無制限、及び/又はその他の適切な速度であると指示するであろう。このような規制は、例えば、地方、市、州政府などの政府機関、若しくは連邦政府、又は他の適切な機関により公布され得る。例えば、大学又は民間の団地では、電動バイクの速度を制限する場合がある。一例として、速度レベルは、モード、例えばモード1,2,3などにより指定されることができ、各モードは最高速度を示す。
【0019】
図2は、本設計に従って実行されるシステム全体の概略図である。図2より、ユーザ202が保持するコンピューティングデバイス201は、コマンドを、アプリケーションをロードすることなどにより受信でき、これにより、コンピューティングデバイス201は、車両203にコマンドを、ブルートゥース(登録商標)などの適切な通信手段により送信できる。車両203は受信機204を含み、受信機204は、通信チャネル(これもまたブルートゥース(登録商標)など)を介して送信を受信して、コマンドをコントローラ205に伝達するように構成されている。コントローラ205は、コマンドを受信し、また、コマンドの内容を判断し、車両を適切に制御するための信号(複数可)を提供するように構成されている。
【0020】
一例において、受信されるコマンドは、モード、例えば、異なる性能属性に対応するモード1,2,3であり得る。一実施形態において、モード1は第1の速度制限を表し、モード2は第2の速度制限を表し、モード3は第3の速度制限を表す。コントローラ205は、例えばモード2に従って実行するコマンドを受信すると、このコマンドを利用可能な既知のコマンドと比較し、そして、例えば、このコマンドを、利用可能な値に変換し得る。この値とは、例えば、問題となる速度、例えば時速25マイル、或いは、所望の性能属性を実現するような電圧又は電流であり得る。例えば、時速25マイルの速度制限が、Nボルトをモータに印加すること(平坦な地面で車両が時速25マイルに制限されるように)を要求する場合、コントローラは、そのような電圧、又は最大でその電圧までをモータ206に供給する。その後、バッテリ207が最大でNボルトまでを印加し、後輪208を、駆動ベルト209などを介して回転させ、それにより最大で時速25マイルまでが達成され得る。或いは、Cアンペアの電流でモータ206が後輪を所望の時速モード2(25マイル)で駆動させる場合、コントローラ205はバッテリ207を、最大Cアンペアまでをモータ206に電気的に分配するように制御し、その結果、後輪は、電動バイクが割り当てられた最高時速25マイルまで動くように回転する。
【0021】
別の性能属性もこのようにして変更し得る。例えば、限定するわけではないが、或る人が、既知の住宅地を走行しようとしている別の人に、この場所で車両を貸し出すかも知れない。ユーザは、自分のコンピューティングデバイスを使用して、車両に装備されているヘッドライトの出力を制限することが可能であり、また、ヘッドライトが、特定のエリアで他人に迷惑をかけないように光レベルを下げて動作されるべき場合、コントローラに光レベルを下げて動作するように命令し得る。適切な電気量、例えば電圧又は電流がヘッドライトに伝送され、伝送されたルーメンは、ユーザにより選択された量又はモードに適合するようになっている。その他の例も用いられることができ、これらは、限定はしないが、消費電力を所定のレベルに制限すること、ホーンの音量などを含む。
【0022】
図3は、本設計の一実施形態を示すユーザデバイス上の画面の一般的な配置図である。画面301は、車両タイプ302及びモード選択(ここではポイント303で米国に適用可能)を認識する。ユーザに提供される別のオプションは、デフォルト(初期値)に戻すか、又は車両のペアリングを解除すること、すなわち、コンピューティングデバイス又はスマートフォンと車両との間の通信チャネルを切断すること(例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))接続を切断又はペアリング解除するなど)である。画面320は、この例ではUSモード選択を示しているが、4つのUSモード及び2つのEUモードも含む。他の管轄区域のためのその他のモード、又は図示のモードを必要に応じて提供できる。この特定の画面は、スライダ321が現在、モード2又はクラス2にあることを示しており、ユーザが米国で操作している場合、4つのモード又はクラスが利用可能である。モード1又はクラス1はPAS(ペダルアシストシステム)用で、最高速度が時速20マイルに設定されている。PASは、ユーザがペダルを回すと電気モータに動力を与えることができ、スロットルを押す必要がない。このモード1では、スロットルは使用可能でないか、又は使用されない。モード2又はクラス2では、PAS及びスロットルが使用可能であり、このモードでもまた、最高速度は時速20マイルである。図示において、クラス2がデフォルトの動作モードである。モード3又はクラス3では、PASのみが使用可能であり、最高速度は時速28マイルである。モード4又はクラス4は無制限速度を許容する。警告322が表示され得る。本明細書の例及び図面ではマイル/時(mph)が使用されているが、当業者は、任意のスピード又は速度単位(キロメートル/時(kph)を含むがこれに限定されない)が表示され得ることを理解するであろう。
【0023】
この例では、ユーザはモード4又はクラス4に変更する。画面340が表示され、ユーザは「保存」(save)を選択でき、その結果、モード4又はクラス4(ここでは無制限速度)に変更される。車両メニュー360はUSモード選択(ここではモード4)を表示する。任意の又は複数のモードに制限が設けられ得る。例えば、限定するわけではないが、ユーザはPAS速度を制限する能力を提供される可能性があり、また、或いはスロットル性能又は速度を制限する能力を提供され得る。或いは、性能の抑制は、特定のスイッチング、例えば車両のスイッチを操作できないなど、を含み得る。
【0024】
一実施形態において、画面320に表示されるテキストは、以下を含む。
地域により異なる乗車モード
モード
米国
1 クラス1 PASのみ、時速20マイル
2 クラス2(デフォルト) PAS及びスロットル、時速20マイル
3 クラス3 PASのみ、時速28マイル
4 無制限 スロットル無制限
モード
EU
1 EPAC PASのみ、時速25マイル
2 オフロード 無制限
SAVEボタンを押すことにより、あなたは、あなたの地域の電気に関する法律で定められた最大許容速度及びモータアシストレベルに従うことに関して完全に責任を負う
前述の「def(デフォルト)」は、モード2がデフォルトの動作モードであることを示す。
【0025】
図4は、本設計の一態様の概要を示している。図4を見ると、コンピューティングデバイスに車両とのペアリングを要求するポイント401が提供され、ペアリングは、通信チャネルの確立を含む。ポイント402は、ユーザが車両メニュー画面などの適切な画面又はメニューを選択又はナビゲートすることを要求する。次にユーザは、ポイント403にて、所望のモード、クラス又は性能属性を選択し得る。ポイント404で、コンピューティングデバイスは、ユーザが選択したモード、クラス、又は性能属性を、所望の通信チャネルを介して、電動バイクなどの車両に送信する。ポイント405で、車両上の受信機が、選択されたモード、クラス、又は性能属性を、通信チャネルを介して受信する。ポイント406は、受信機が、選択されたモード、クラス、又は性能属性を表す情報をコントローラに提供又は送信することを要求する。ポイント407は、コントローラが性能を、性能属性の制限に基づいて制限する(例えば、車両の速度を制限するために、バッテリからモータに供給される電圧又は電流を制限する)ことを示している。ポイント408は、実際の性能制限を示している。本明細書では、性能制限について論じるが、性能許容(例えば、所望の速度制限を時速28マイルから無制限に変更する)もまた提供され得ることを理解されたい。性能は必要に応じて調整されることができ、「性能を制限する」又は「性能制限」などの用語は、制限を意図するものではなく、広く解釈される。
【0026】
本明細書では、コンピューティングデバイス又はスマートフォンなどの遠隔コンピューティングデバイスが、車両にコマンドを提供するものとして説明されるが、そのようなコマンドは、車両自体上で、例えば、車両に設けられたスイッチやセレクタを介して提供されてもよい。説明したものと類似のその他の機能も提供可能であり、これらは、例えば、異なる性能属性を変化させる、スイッチング能力を制限するなどである。また、本明細書では電動バイクについて論じているが、任意のタイプの車両が、提示された設計に関連して用いられ得る。さらに、ユーザに提示される制限は変化及び変更され得る。例えば、管轄区域Kでの変更が、最高速度無制限から、最高時速22マイル(車両で利用できず、他の管轄区域では要求されない)になるかもしれない。このような新しい要件は、コンピューティングデバイス(アプリのアップデートなどによる)及び車両の両方に提供されることができ、時速22マイルは、バッテリがモータに印加する電圧又は電流レベルに変換され、そして、そのようなモード又はクラスが、車両上でソフトウェア、ファームウェア又はその他の適用可能なメカニズムを介して提供される。
【0027】
本設計のさらなる実施形態は、適用可能な性能属性を反映するサイネージ(表記)を提供する能力を含む。上述した設計は、様々な要件(ユーザにより切り替え可能な異なる速度制限性能レベルなど)に適合する単一の車両を用いる能力を提供する。しかし、特定の管轄区域では、性能属性を含む特定の情報を開示するサイネージが車両上に必要である。例えば、単純な単一速度の電動バイクは、その最高速度制限が時速25マイルであることを示すサインを含むことができ、これは、典型的には、性能属性が記載されたステッカー又はプラカードの形態で提供される。ユーザがこの性能能力を、提示された設計に従って変更する場合、サイネージは新しい性能属性値を正確に反映しなければならない。
【0028】
図2は、サイン装置210を示しており、サイン装置210はデジタル又はアナログのサイン装置であってよく、情報を表示できる任意のハードウェア又は装置(電気泳動、LED、LCD、及び/又はOLEDディスプレイを含むがこれらに限定されない)であり得る。サイン装置210は、モード又はクラス変更情報をコントローラ205から受信し、必要な情報を表示する。モード又はクラスの変更が提供又は要求される場合もあるが、そのような変更の表示の必要がない場合もある。例えば、ヘッドライトからの光のレベルを下げることが命令された場合、そのような下げる動作がサイン装置210を用いて表示される必要はないかもしれない。サイン装置210は、車両上の合理的で利用可能な任意の位置に配置されることができ、単なるサイネージ以上の機能(例えば、ユーザが目視し得る速度計又は走行距離計ディスプレイの一部である)を有し得る。サイン装置210は、例えば、車両ユーザの前方のハンドルバーに配置され得る。
【0029】
一実施形態において、サイン装置210は、表示された情報を観察者が常に確認できるように、常時動作し、又は常時オンの状態である。他の情報を含むディスプレイの一部である場合、サイネージの文字又は表示は常に動作可能である。内部電源は車両バッテリから供給されてもよいし、表示を常に利用できるように別の電源を供給してもよい。全電源喪失が発生する場合もあるが、通常の運転では、電源が回復すればサイネージは常に利用可能である。
【0030】
図5は、本設計のサイネージ要素の動作を示す図である。図5を見ると、ポイント501が、コンピューティングデバイスが車両とペアリングすることを要求し、ペアリングは通信チャネルの確立を含む。ポイント502は、ユーザが車両メニュー画面などの適切な画面又はメニューを選択又はナビゲートすることを示す。次にユーザは、ポイント503で、所望のモード、クラス、又は性能属性を選択し得る。ポイント504で、コンピューティングデバイスが、ユーザが選択したモード、クラス、又は性能属性を、所望の通信チャネルを介して、電動バイクなどの車両に送信する。ポイント505で、車両上の受信機が、選択されたモード、クラス、又は性能属性を、通信チャネルを介して受信する。ポイント506は、受信機が、選択されたモード、クラス、又は性能属性を表す情報をコントローラに提供又は送信することを要求する。ポイント507は、コントローラが、受信したモード、クラス、又は性能属性の変更に基づいて既存のサイネージを変更する必要性を判断することを示す。前述のように、場合によっては、所望のモード、クラス、又は性能属性の変更が、サイネージの変更を必要としない場合もある。ポイント508は、サイン装置に表示される情報を変更することを要求する。ポイント508で、正当な場合、コントローラは、性能属性関連情報をサイン装置に、例えば、時速28マイルを表示するために送信する。性能制限について説明したが、性能を有効にすること、例えば、所望の制限速度を時速28マイルから無制限に変更することも可能であることを理解されたい。
【0031】
このように、一実施形態によれば、車両性能変更コマンドを送信するように構成されたコンピューティングデバイスと車両とを備えた車両システムが提供され、車両は、車両性能変更コマンドを受信するように構成された受信機、及び、車両性能変更コマンドを受信機から受信するように構成されたコントローラと、を備え、コントローラは、車両に設けられた1つの電動ハードウェア部品の少なくとも1つの電気性能属性を変更して、車両性能変更コマンドに従って車両を動作させる。
【0032】
別の実施形態によれば、車両性能変更コマンドをコンピューティングデバイスから受信するように構成された受信機と、車両性能変更コマンドを受信機から受信し、性能変更コマンドを提供するように構成されたコントローラと、性能変更コマンドをコントローラから受信するように構成された電源と、電力を電源から受け取るように構成された電気駆動ハードウェア要素とを備えた車両が提供される。コントローラは、電源の動作を変更して、車両性能変更コマンドに従って車両性能を実現するように構成されている。
【0033】
さらなる実施形態によれば、車両性能変更コマンドを受信するように構成された受信機と、車両性能変更コマンドを受信機から受信し、性能変更コマンドを提供するように構成されたコントローラと、性能変更コマンドをコントローラから受信するように構成された電源と、電源から電力を受け取るように構成された電気駆動ハードウェア要素とを備えた車両が提供される。コントローラは、電源の動作を変更して、車両性能変更コマンドに従って車両性能の最大レベルを変更するように構成されている。
【0034】
特定の実施形態に関する上述の説明は、本開示の一般的な性質を十分に明らかにするものであり、他の人が、現在の知識を用いることにより、一般的な概念から逸脱することなく、様々な用途のために本システム及び方法を容易に修正及び/又は適合させることができる。従って、そのような適合及び修正は、開示された実施形態の意味及び等価物の範囲内にある。本明細書で採用される言い回し又は用語は説明のためのものであり、限定を意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】