(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】センサ用テーパ状グリップ
(51)【国際特許分類】
A63B 53/14 20150101AFI20240129BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240129BHJP
【FI】
A63B53/14 Z
A63B102:32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023543218
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 US2022070228
(87)【国際公開番号】W WO2022155684
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド クルタラ
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA06
2C002GG06
(57)【要約】
本明細書では、センサを収容するように構成されたゴルフクラブグリップの実施形態について説明する。ゴルフクラブグリップは、グリップ本体と、センサを収容するように構成された端部キャップと、を備えている。グリップ本体は、ゴルファーが、当該本体を、端部キャップと相互作用しない箇所において把持するように促す把持表面を規定している。端部キャップは、グリップ本体と一体的に形成されているか、又はさもなければ、グリップ本体に固定されている。端部キャップは、センサを受容する第1の空隙を有する上側部分を備えている。上側部分は、テーパされて、ゴルファーの把持を、端部キャップと相互作用することなく、又は、端部キャップにこの把持に干渉させることなく、把持表面に向けて誘導する非把持表面を規定し、それにより、より安定性及び再現性を有する把持及び/又はスイングをもたらす。端部キャップはさらに、グリップ本体と連結するように構成された下側部分を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブグリップであって、
バット端部と、チップ端部と、グリップ本体と、端部キャップと、を備え、
前記グリップ本体が、第1の端部と、第2の端部と、1つ以上の受容アームと、を備え、
前記第1の端部が、前記第2の端部の反対側に存在し、前記第1の端部が、前記バット端部に近接し、前記第2の端部が、前記チップ端部に近接し、
前記受容アームが、前記第1の端部の付近に形成されており、
前記端部キャップが、上側部分と、下側部分と、床部壁と、外径と、を備え、
前記床部壁が、前記上側部分に近接して上側表面と、前記下側部分に近接して下側表面と、を備え、
前記床部壁が、前記上側部分と前記下側部分との間の境界線を規定し、
前記上側部分が、第1の周壁と、前記上側表面と、非把持表面と、リップと、を備え、
前記上側表面が、前記上側部分内へ、前記第1の周壁を介して陥凹して、センサを収納する第1の空隙を形成し、
前記下側部分が、第2の周壁と、前記下側表面と、1つ以上のフランジと、を備え、
前記下側表面が、前記下側部分内へ、前記第2の周壁を介して陥凹して、第2の空隙を形成し、
前記1つ以上のフランジが、前記1つ以上の受容アーム内に受容されて、前記端部キャップと前記グリップ本体との間に接続部を形成している、
ゴルフクラブグリップ。
【請求項2】
前記1つ以上の受容アーム及び前記1つ以上のフランジが、前記端部キャップを前記グリップ本体に固定するための密着した接続部を形成する相補的な幾何学的形状を有する、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項3】
前記1つ以上の受容アームが、1つの受容アーム、2つの受容アーム、3つの受容アーム、4つの受容アーム、又は、任意の好適な数の受容アームであることが可能である、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項4】
前記1つ以上のフランジが、1つのフランジ、2つのフランジ、3つのフランジ、4つのフランジ、又は、任意の好適な数のフランジであることが可能である、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項5】
前記端部キャップの最大外径がさらに、前記上側部分と前記下側部分との間の前記境界線を規定している、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項6】
前記第1の端部と前記第2の端部との間の表面が、把持表面を規定し、非把持表面が、前記端部キャップにより規定されている、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項7】
前記受容アームが、前記端部キャップと前記グリップ本体との間における前記接続部の外周を形成している、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項8】
前記センサが、接着剤を用いて、又は、プレス嵌めといった機械的手段を通じて、固定されている、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項9】
前記グリップ本体及び前記端部キャップが、一体的に形成されているか、接着剤を用いて共に固定されているか、又はさもなければ、接続されて、前記ゴルフクラブグリップを形成している、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項10】
前記第1の空隙が、第1の空隙直径を有し、
前記リップが、前記第1の空隙よりも上に存在し、前記リップが、前記第1の空隙直径よりも小さなリップ直径を有して、前記センサを定位置に固定している、
請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項11】
前記上側表面が、複数の窪みを備えて、前記センサの周りに接着剤が流れることを可能にしている、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項12】
前記窪みが、前記上側表面の中心から外方に放射状に広がっている、請求項11に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項13】
前記非把持表面が、テーパされるか、丸みをつけるか、面取りされるか、又はさもなければ、新たな形状を取る、ことが可能である、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項14】
前記ゴルフクラブグリップが、前記ゴルフクラブグリップの幾何学的中心を経由する長手方向軸を有し、前記非把持表面が、接平面、及び、前記長手方向軸と前記接平面との間において測定されるテーパ角度、を規定し、前記テーパ角度が、15度から80度の間である、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項15】
前記端部キャップが、前記グリップ本体よりも大きなショアA硬度を有する、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項16】
前記ゴルフクラブグリップが、前記ゴルフクラブグリップの幾何学的中心を経由する長手方向軸を有し、前記第1の空隙が、前記長手方向軸に沿って測定された空隙高さを規定し、前記空隙高さが、0.3インチから0.4インチの間である、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項17】
前記センサが、前記端部キャップの前記上側部分内に収納されている、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項18】
前記端部キャップがさらに、最大外径を規定し、前記最大外径が、前記ゴルフクラブグリップの前記バット端部から、0.2インチから0.8インチの間の距離だけオフセットされており、前記非把持表面が、前記最大外径から、前記バット端部に向けて、より小さな外径へのテーパを有する、請求項1に記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項19】
ゴルフクラブグリップを製造する方法であって、
端部キャップを形成する工程であって、前記端部キャップが、複数の窪みを有する上側部分と、1つ以上のフランジを備えた下側部分と、を備えている、端部キャップを形成する工程と、
グリップ本体を形成する工程であって、前記グリップ本体が、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部に近接して1つ以上の受容アームと、を備えている、グリップ本体を形成する工程と、
前記1つ以上のフランジを前記1つ以上の受容アームに連結して、前記端部キャップと前記グリップ本体との間に確実な接続部を形成する工程と、
前記グリップ本体及び前記端部キャップの前記下側部分内にシャフトを挿入する工程と、
前記上側部分内にセンサを固定する工程と、
を含み、
前記センサが、接着剤を用いて、又は、プレス嵌めといった機械的手段を通じて、固定される、
方法。
【請求項20】
前記センサを固定する工程がさらに、前記複数の窪みを介して前記センサの周りに前記接着剤が流れることを可能にすることを含む、請求項19に記載のゴルフクラブグリップを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照及び優先権の主張
本願は、2021年1月18日に出願された米国仮出願第63/138,729号の利益を主張し、その内容は、本明細書において引用により完全に組み込まれている。
【0002】
この開示は、概してゴルフクラブに関し、より詳細には、スイング速度及びショット距離といった測定値を得るためのセンサを有するために、埋設された端部キャップを有するゴルフクラブグリップに関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブには、ゴルファーのショットを記録するセンサを装備することができ、ゴルフクラブを、ショットデータの視認が可能なスマートフォンアプリと対にすることができる。ゴルフクラブにセンサを固定するために、いくつかの方法が開発されてきた。或るセンサは、グリップに直接的に固定することができる。例えば、センサは、グリップのバット端部内へねじ込むことができる。また或るセンサは、グリップ内に埋設することができ、当該センサを収容するための、端部キャップといった、グリップの別個の構成要素を必要とし得る。ほとんどのグリップにおいて、シャフトは、グリップ本体を経由して延びる剛体であり、端部キャップ内で終端をなす。ほとんどの実施形態では、シャフトが端部キャップを経由して延びていないが故に、端部キャップは、グリップの、支持されていない延長部である。端部キャップが支持されていないが故に、グリップを端部付近で保持することを好むゴルファーにとって、このグリップは、不安定であると感じられる。この不安定性は、スイング中にゴルファーにとって気を散らすものである恐れがあり、ショットから不正確なフィードバックをもたらす恐れがある。全般的に、ショットの実行又はクラブの把持が、平均的ゴルファーにとっては不安定であると感じられる。
【0004】
ほとんどのグリップは、バット端部に最大直径が存在するとともにチップ端部付近に最小直径が存在するように、テーパしている。グリップが1つの滑らかな連続的形状を成しているが故に、ゴルファーは自然に、クラブの、センサが位置しているバット端部付近を把持する。現在の端部キャップの幾何学的形状は、ゴルファーによるセンサ付近の把持を防止しない。したがって、当該技術においては、ゴルファーによる端部付近の把持を防止するとともに、グリップが端部キャップを備えているときでさえも、安定性を有するグリップ領域にゴルファーを誘導する、グリップに対する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施形態のさらなる説明を容易にするために、以下の図面を提供する。
【0006】
【
図1】テーパ状端部キャップの透視図を例示している。
【0007】
【
図2】テーパ状端部キャップを備えたグリップの透視図を例示している。
【0008】
【
図3】テーパ状端部キャップを備えたグリップの透視断面図を例示している。
【0009】
【
図4】端部キャップの一実施形態の透視断面図を例示している。
【0010】
【
図5】
図4の端部キャップを備えたグリップの透視断面図を例示している。
【0011】
【
図6】
図4の端部キャップを備えたグリップの透視断面図の寸法を例示している。
【0012】
【
図7】端部キャップの一実施形態の透視断面図を例示している。
【0013】
【
図8】
図7の端部キャップを備えたグリップの透視断面図を例示している。
【0014】
【
図9】
図7の端部キャップを備えたグリップの透視断面図の寸法を例示している。
【0015】
【
図10】端部キャップの一実施形態の透視断面図を例示している。
【0016】
【
図11】
図10の端部キャップを備えたグリップの透視断面図を例示している。
【0017】
【
図12】
図10の端部キャップを備えたグリップの透視断面図の寸法を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において説明される発明は、グリップ本体と、センサを収容する端部キャップと、を有するグリップである。本明細書において説明される端部キャップは、グリップから発生する、これらの不安定性の課題に対処するように設計されている。例えば、端部キャップは、非把持表面を規定するようにテーパされている。非把持表面は、ゴルファーの両手とグリップのバット端部との間に間隙を生じて、ゴルファーにとって保持するのが不快な表面を生じる。この非把持表面は、ゴルファーの把持をグリップ本体に向けて誘導し、ゴルファーは、ここで把持するように促される。グリップ本体は、ゴルファーの両手とゴルフクラブグリップとの間において、より構造化された接触点をもたらす。いくつかの実施形態において、端部キャップは、不安定性の課題にさらに対処するため、フランジを含んでいる。フランジは、グリップ本体上に位置付けられた受容アームのセットに対し、対応する幾何学的形状を備えることができる。フランジは、受容アーム内に受容されて、端部キャップをグリップに固定することができる。本明細書において説明される端部キャップは、不安定性の課題に対処して、より安定性及び再現性を有する把持及び/又はスイングをもたらす。
【0019】
本明細書において使用されるような「フランジ」は、端部キャップの下側テーパ状領域について記述している。
【0020】
本明細書において使用されるような「長手方向軸」は、シャフトにより規定される軸である。長手方向軸は、シャフトの底端部の幾何学的中心からシャフトの頂端部の幾何学的中心まで伸びている。
【0021】
本明細書において使用されるような「接平面」は、端部キャップにより規定される平面である。接平面は、最大外径からグリップバット端部まで延びる、上側部分の外側表面により境界設定されている。
【0022】
本明細書において使用されるような「テーパ」は、一方端部に向けた厚さの低減である。
【0023】
例示を簡潔及び明瞭にするために、図面は、構築の一般的な様態を例示し、周知の特徴及び技術の説明及び詳細は、この発明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、割愛されることがある。加えて、図面中の要素は、必ずしも縮尺通りに描かれている訳ではない。例えば、図面中の要素のうちのいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解の改善を助けるために、他の要素に対して誇張されていることがある。異なる図面中における同じ参照番号は、同じ要素を表している。
【0024】
詳細な説明及び特許請求の範囲における、「第1の」及び「第2の」等という用語は、存在する場合には、同様の要素間の区別のために使用されており、特定の順次的な又は時系列の順序を記述するために必ずしも使用されている訳ではない。理解されるべきこととして、そのように使用されている用語は、適切な状況下で相互交換可能であり、それにより、本明細書で説明されている実施形態が、例えば、本明細書で例示されているか又はさもなければ説明されている順番以外の順番での動作が可能であるようになっている。さらに、「含む」及び「有する」という用語、並びに、それらのあらゆる変化形は、非排他的な内包をカバーすることが意図されており、それにより、要素のリストを含むプロセス、方法、システム、物品、デバイス、又は、装置が、それらの要素に必ずしも限定される訳ではなく、むしろ、明示的に列挙されていないか、或いは、このようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、又は、装置に固有である、他の要素を含み得るようになっている。
【0025】
詳細な説明及び特許請求の範囲における、「頂部」、「上方に」、「上側」、「下側」、「内側」、「外側」、「最大」、「テーパ」、及び、「面取り」等という用語は、存在する場合には、記述的な目的のために使用されており、永続的な相対位置を記述するために必ずしも使用されている訳ではない。理解されるべきこととして、そのように使用されている用語は、適切な状況下で相互交換可能であり、それにより、本明細書で説明されている発明の実施形態が、例えば、本明細書で例示されているか又はさもなければ説明されている配向以外の配向での動作が可能であるようになっている。
【0026】
「連結する(couple)」、「連結された」、「連結する(couples)」、及び、「連結している」等という用語は、広義に理解されるべきであり、電気的に、機械的に、及び/又は、その他の態様で、2つ以上の要素又は信号を接続することを指している。
【0027】
説明
本明細書において説明される発明は、グリップ本体と、テーパ状端部キャップと、を備えたグリップの一実施形態である。グリップ本体は、把持表面を規定し、把持表面は、ゴルファーが端部キャップに干渉せずに把持することが可能な、グリップの下側部分である。テーパ状端部キャップは、グリップ本体の端部付近に位置付けられており、センサを収容している。いくつかの実施形態において、センサは、空隙内へプレス嵌めされ、端部キャップにより定位置へ保持されている。いくつかの実施形態において、センサは、エポキシ材料を用いて空隙内に固定されている。端部キャップは、グリップ内の安定性を改善するように設計されている。端部キャップは、非把持表面を規定するようにテーパされており、当該非把持表面は、ゴルファーによる、支持されていない端部キャップ付近における把持を防止する。さらに、端部キャップは、グリップ本体上の受容アームに連結して確実な接続部を形成するフランジを備えている。非把持表面及びフランジ接続部は、ゴルファーによる、端部キャップ付近におけるグリップの保持を防止する、堅牢なグリップを形成する。
【0028】
本明細書において説明されるゴルフクラブは、クラブヘッド、シャフト、及び、グリップを備えている。シャフトは、頂端部及び底端部を有する剛体を備えている。
図1及び
図2を参照すると、グリップ10は、バット端部18と、バット端部18の反対側のチップ端部20と、を備えている。グリップ10はさらに、グリップ本体22と、バット端部18付近における端部キャップ12と、を備えている。グリップ本体22は、グリップバット端部18の付近に第1の端部24と、グリップチップ端部20の付近に第2の端部26と、を備えている。グリップ本体22は、第1の端部24と第2の端部26との間に把持表面14を規定している。1つの実施形態において、
図5を参照すると、グリップ本体122はさらに、第1の端部124からグリップバット端部118に向けて延びる受容アーム144を備えている。受容アーム144は、グリップ本体122と端部キャップ112との間における接続部の外周を形成している。グリップ本体22及び端部キャップ12は、一体的に形成されているか、又はさもなければ、共に固定されていて、グリップ10を形成している。
【0029】
図2を参照すると、グリップ本体22は、把持表面14、又は、各ショットからのフィードバックをゴルファーにもたらすエリア、を規定している。グリップ本体22はさらに、把持表面14及び非把持表面16の両方から構成されているとともに、チップ端部20からバット端部18まで延びる、外側表面を備えている。グリップ本体22はさらに、外側表面の境界線内に規定されるとともに、長手方向軸80に対して直交する平面内において測定される、断面積を規定している。グリップ本体22は、グリップ本体22が、第1の端部24、又は、
図3を参照すると端部キャップ12、において最大であって最大外径84であることが可能であるとともに、断面積が第2の端部26に向けて減少するように、テーパしている。非把持表面16のテーパの結果として、ゴルファーは自然に、グリップ本体22上の、より下側を把持することになり、ゴルファーによる、グリップ10のいかなる不安定な部分の把持をも防止する。グリップ10が可撓性であるが故に、グリップ10の寸法は、このグリップがシャフト上に搭載されると僅かに変動し得る。シャフトのサイズは、搭載されたグリップ10の寸法にも影響を及ぼし得る。グリップ10の断面積及び長さは、グリップ10がシャフト上に搭載されているときに測定することができる。
【0030】
グリップ10は、長手方向軸86に沿ってバット端部18からチップ端部20まで測定される長さを規定している。グリップ長さは、9.5インチから11.5インチの間である。いくつかの実施形態において、グリップ長さは、9.5インチ、9.75インチ、10インチ、10.25インチ、10.5インチ、10.75インチ、11インチ、11.25インチ、又は、11.5インチである。端部キャップ12は、グリップ10の長さを増大させ、グリップ10を、センサを備えていないグリップよりも長くする。1つの実施形態において、端部キャップ12は、グリップ長さを0.25インチ延ばす。端部キャップ12の異なる実施形態は、異なる幾何学的形状及び構成要素を備えている。
【0031】
図5を参照すると、端部キャップ112は、グリップ本体の第1の端部124の付近に形成されている。
図4を参照すると、端部キャップ112は、上側部分137と、下側部分139と、床部壁134と、を備えている。上側部分137は、グリップバット端部118の付近に存在し、下側部分139は、グリップ本体122に近接している。床部壁134は、上側表面135及び下側表面136を備え、上側表面135は上側部分137に近接し、下側表面136は下側部分139に近接している。床部壁134は、上側部分137と下側部分139との間の境界線を規定している。上側部分137は、センサを収容し、下側部分139は、シャフトの頂端部を収容している。
【0032】
図4に例示されるように、上側部分137は、上側表面135及び第1の周壁132を備えている。上側表面135は、上側部分137内へ、第1の周壁132を介して陥凹して、センサを収納する第1の空隙130を形成している。
【0033】
図6を参照すると、第1の空隙130は、長手方向軸180に対して直交する平面内において測定される直径188を規定している。第1の空隙の直径188は、0.60インチから1.00インチの間である。いくつかの実施形態において、第1の空隙の直径188は、0.60インチ、0.65インチ、0.70インチ、0.75インチ、0.80インチ、0.85インチ、0.90インチ、0.95インチ、又は、1.00インチである。第1の空隙130の寸法は、センサを格納するように選択されている。
【0034】
再び
図6を参照すると、第1の空隙130はさらに、長手方向軸180に沿って測定された高さ185を規定している。第1の空隙高さ185は、0.3インチから0.4インチの間である。いくつかの実施形態において、第1の空隙高さ185は、約0.3インチ、約0.31インチ、約0.32インチ、約0.33インチ、約0.34インチ、約0.35インチ、約0.36インチ、約0.37インチ、約0.38インチ、約0.39インチ、又は、約0.4インチである。1つの例示的な実施形態において、第1の空隙高さ185は、或る特定のセンサを格納するために、0.365インチである。第1の空隙130の寸法は、センサを格納するように選択されている。
【0035】
図4に例示されるように、上側部分137はさらに、第1の空隙130の周囲においてリップ128を備えている。リップ128は、第1の空隙の直径188よりも小さいことがあり得るリップ直径192を規定している。センサには、第1の空隙130内へのプレス嵌め、第1の周壁132による固定、及び、リップ128による第1の空隙130内への挟み込み、を行うことができる。いくつかの実施形態において、センサは、第1の空隙130内において、エポキシ材料を用いてさらに固定される。エポキシ材料は、センサの固定を支援するための設計を必要とする。
【0036】
図4を参照すると、いくつかの実施形態において、上側部分137はさらに、上側表面135の中心から外方に、且つ、第1の空隙の壁132から上に、放射状に広がる複数の窪み196を規定している。複数の窪み196は、センサの周りにエポキシが流れて、センサと上側表面135との間の接合表面積を増大させること、を可能にする。さらに、複数の窪み196は、据え付け中に空気及びグリップ接着剤から蓄積される圧力を軽減することができる。上側部分137は、センサを収容するように働き、一方で、下側部分139は、シャフトを受容する。
【0037】
図4を参照すると、上側部分137はさらに、ゴルファーによる端部キャップ112上の把持を防止する非把持表面116を規定している。非把持表面116は、グリップ外側表面を中断するとともに、ゴルファーに把持領域内における把持を誘発する、端部キャップ112のテーパ状領域である。非把持表面116は、テーパされるか、丸みをつけるか、面取りされるか、又は、任意の好適な様態で新たな形状を取る、ことが可能である。非把持表面116はさらに、センサを定位置へ挟み込むことにより、第1の空隙内にセンサを固定する。
【0038】
図5を参照すると、非把持表面116は、テーパ角度194を規定している。接平面182は、グリップバット端部118を越えた箇所において、長手方向軸180に交差する。テーパ角度194は、長手方向軸180と接平面182との間において測定される。テーパ角度194は、15度から80度の間である。いくつかの実施形態において、テーパ角度194は、15度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、又は、35度から40度、の間である。代替的実施形態において、テーパ角度194は、10度から40度の間である。テーパ角度194は、40度から50度の間である。いくつかの実施形態において、テーパ角度194は、約40度、約41度、約42度、約43度、約44度、約45度、約46度、約47度、約48度、約49度、又は、約50度である。いくつかの実施形態において、テーパ角度94は、65度~80度の間である。いくつかの実施形態において、テーパ角度194は、65度から70度の間、70度から75度の間、又は、75度から80度の間、である。1つの例示的な実施形態において、テーパ角度194は30度である。上側部分137は、非把持表面116を規定し、一方で、下側部分139は、端部キャップ112をグリップ本体122に固定している。
【0039】
再び
図4を参照すると、下側部分139は、下側表面136及び第2の周壁140を備えている。下側表面136は、下側部分139内へ、第2の周壁140を介して陥凹して、第2の空隙138を形成している。シャフトは、グリップ本体122を経由して第2の空隙138内へ延びている。第2の空隙の直径190は、全体にわたって不変であって、シャフトとの密着した接続部を形成することができる。第2の空隙138及び第2の周壁140は、シャフトと端部キャップとの間に構造的剛性をもたらす。この構造的剛性は、端部キャップの移動を防止し、よって、ゴルファーに対し、より安定性を有するグリップ100をもたらす。端部キャップ112とグリップ本体122との間の接続は、グリップ100に対し、別の態様の構造的剛性をもたらす。
【0040】
第1の空隙130及び第2の空隙138は、長手方向軸180に沿って形成されている。第1の空隙130は、グリップバット端部118を長手方向軸180に対して直交する平面内において視認したときにセンサが視認可能であるように、グリップバット端部118の付近において露出されている。第2の空隙138は、第1の空隙130よりも下に存在し、シャフトを受容している。センサを格納するために、第1の空隙130の直径は、第2の空隙138の直径よりも大きい。いくつかの実施形態において、第1の空隙130は、上側部分137内に存在している。他の実施形態において、第1の空隙130は、上側部分137と、下側部分139の一区分と、の内に存在している。上側部分137及び下側部分139は、概して、端部キャップ112の中央付近において分離されている。
【0041】
図4に例示されるように、端部キャップ112の下側部分139はさらに、グリップ本体の第1の端部126の付近に1つ以上のフランジ142を備えている。1つ以上のフランジ142は、グリップ100の受容アーム144の幾何学的形状に対応する幾何学的形状を備えている。当該対応する幾何学的形状により、端部キャップ112のフランジ142は、グリップ100の受容アーム144と連結すること、又は、受容アーム144により受容されること、が可能になり、端部キャップ112とグリップ本体122との間に密着した接続部を形成する。受容アーム144は、グリップ本体122と端部キャップ112との間の接続部の外周を形成している。フランジ142は、端部キャップ112をグリップ本体122に留める。さらに、フランジ142は、第2の空隙138に外接している。グリップ100は、端部キャップ112及びグリップ本体122の両方を備えている。端部キャップ112とグリップ本体との間には、端部キャップ112のフランジ142と、グリップ本体122の受容アーム144と、を介して、接続部が作成されている。この接続部は、グリップ100を堅固にし、端部キャップ112は、ゴルファーに、グリップ100上の、僅かにより下側を把持するように仕向けて、グリップ100との、安定性を有する接触点を確保する。
【0042】
図6を参照すると、端部キャップ112は、最大外径184を規定している。いくつかの実施形態において、最大外径184は、床部壁134の付近に位置付けられており、上側部分と下側部分との間の境界線をさらに規定している。最大外径184は、グリップバット端部118から、0.20インチから0.80インチの間の垂直距離において、オフセット186を有する。いくつかの実施形態において、オフセット186は、約0.20インチ、0.25インチ、0.30インチ、0.35インチ、0.40インチ、0.45インチ、0.50インチ、0.55インチ、0.60インチ、0.65インチ、0.70インチ、0.75インチ、又は、0.80インチである。グリップ100は、最大外径184から、グリップチップ端部120に向けて、より小さな外径へとテーパしている。端部キャップ112のテーパは、ゴルファーに、グリップ100上の、僅かにより下側を把持するように仕向けて、グリップ100との、安定性を有する接触点を確保する。
【0043】
端部キャップ12の材料の硬度を、ショアA硬度スケールを使用して測定し、当該硬度は50から100の間である。いくつかの実施形態において、ショアA硬度は、50から60、60から70、70から80、80から90、又は、90から100、の間である。端部キャップ12は、グリップ本体22の材料よりも硬い材料で形成されている。1つの実施形態において、ショアA硬度は78である。端部キャップ12のショアA硬度は、センサ及びグリップバット端部18の保護を助けるが、その理由は、グリップバット端部18に損傷を与えている恐れのある様々な表面上に、ゴルファーがグリップバット端部18を置く傾向があるためである。
【0044】
グリップ本体22は、ショアA硬度スケールを使用して測定される硬度を有する材料で形成されている。グリップ本体22は、ショアA硬度が30から60の間である。いくつかの実施形態において、ショアA硬度は、30から40、40から50、又は、50から60、の間である。1つの実施形態において、ショアA硬度は55である。端部キャップ12は、グリップ本体22よりも高いショアA硬度を有して、シャフトにより支持されていない端部キャップ12の部分の付近において失われる剛性を補償している。加えて、より硬い端部キャップ12は、シャフトがグリップ本体22内へ挿入される据え付け中に、シャフトが端部キャップ12を貫通することを防止する。
【0045】
図7~
図9は、端部キャップ212を備えたグリップ200の代替的一実施形態を例示している。グリップ200は、グリップ100と同様であり、同様の参照番号を使用して説明する。例えば、グリップ200は、グリップ100のグリップ本体122と同様のグリップ本体222を備えている。さらに、端部キャップ212は、端部キャップ112と同様であり、やはり、同様の参照番号を使用して説明する。例えば、端部キャップ212は、端部キャップ112の非把持表面116と同様の非把持表面216を備えている。端部キャップ212は、端部キャップ112と同様であるが、端部キャップ212はフランジを含んでいない。
図9を参照すると、端部キャップ212は、端部キャップ112の寸法と同様の寸法を備えている。
【0046】
図7を参照すると、端部キャップ212は、上側部分237と、下側部分239と、床部壁234と、を備えている。床部壁234は、上側部分237と下側部分239との間の境界線を規定している。上側部分237は、センサを収容し、下側部分239は、シャフトの頂端部に当接している。
図8を参照すると、下側部分239は、グリップ200内に受容されている。端部キャップ212は、端部キャップ212がグリップ200の受容アームに対応するフランジを含んでいない点において、端部キャップ112とは異なる。むしろ、下側部分239は平坦であって、シャフトを受容する第2の空隙を規定していない。端部キャップ212は、シャフトに干渉せず、このことは、グリップ200の、シャフトへの容易な据え付けを可能にする。
【0047】
図10~
図12は、端部キャップ312を備えたグリップ300の代替的一実施形態を例示している。グリップ300は、グリップ100と同様であり、同様の参照番号を使用して説明する。例えば、グリップ300は、グリップ100のグリップ本体122と同様のグリップ本体322を備えている。さらに、端部キャップ312は、端部キャップ112と同様であり、やはり、同様の参照番号を使用して説明する。例えば、端部キャップ312は、端部キャップ112の非把持表面116と同様の非把持表面316を備えている。
【0048】
図10を参照すると、端部キャップ312は、上側部分337と、下側部分339と、床部壁334と、を備えている。床部壁334は、上側部分337と下側部分339との間の境界線を規定している。上側部分337は、センサを収容し、下側部分339は、シャフトの頂端部に当接している。
図11を参照すると、下側部分339は、
図8に示される端部キャップ212と同様に、グリップ300内に受容されている。端部キャップ312は、端部キャップ312がグリップ300の受容アームに対応するフランジを含んでいない点において、端部キャップ112とは異なる。むしろ、下側部分339は平坦であって、シャフトを受容する第2の空隙を規定していない。端部キャップ312は、端部キャップ212と同様に、シャフトに干渉せず、このことは、グリップ300の、シャフトへの容易な据え付けを可能にする。
【0049】
端部キャップ312は、当該端部キャップが第1の空隙330の付近においてリップを欠いている点において、端部キャップ112及び212とは異なる。
図4及び
図7を参照すると、端部キャップ112及び212の両方は、第1の空隙130及び230内へセンサを挟み込むリップ128及び228を備えている。しかしながら、端部キャップ312は、リップを欠いており、むしろ、他の形の連結を通じてセンサを固定している。例えば、センサは、空隙330内に、ねじ又は接着剤を介して固定することができる。端部キャップ312からリップを除去したことで、ツールを使用せずに空隙330内にセンサを配置することが可能になる。
図12を参照すると、第1の空隙330は、一定の直径を備えている。
【0050】
方法
本明細書において説明されるゴルフクラブグリップを製造する方法は、(1)端部キャップを形成すること、(2)グリップ本体を形成すること、(3)端部キャップをグリップ本体に固定すること、(4)グリップ本体及び/又は第2の空隙内へシャフトを挿入すること、並びに、(5)第1の空隙内にセンサを固定すること、を含むことができる。ステップ1において、端部キャップは、上側部分及び下側部分を備えている。上側部分は、センサを収容するように構成された第1の空隙を含んでいる。第1の空隙はさらに、センサの周りに接着剤が流れるように設計された窪みを備えている。下側部分は、グリップ本体と連結するように構成されたフランジを備えている。下側部分はさらに、シャフトを受容するように構成された第2の空隙を備えている。ステップ2において、グリップ本体は、把持表面及び受容アームを備えている。把持表面は、テーパを有する。受容アームは、端部キャップのフランジを補完して、これら2つの構成要素間に或る形の連結をもたらすように設計されている。ステップ1及び2において、端部キャップ及びグリップ本体の両方を成形することが可能である。ステップ3において、端部キャップ及びグリップ本体は、1つ以上のフランジ及び1つ以上の受容アームを介して固定することができる。ステップ4において、シャフトは、グリップ本体内へ挿入され、いくつかの実施形態においては、第2の空隙内へも挿入される。ステップ5において、センサは、第1の空隙内に、エポキシといった接着剤を用いて、又は、プレス嵌めといった機械的手段を通じて、固定することができる。窪みにより、センサの周りに接着剤が流れることを可能にし、接着用の表面積を増大させる。
【実施例】
【0051】
実施例1:プレーヤーテスト
プレーヤーテストを実施して、異なるグリップを有する2つのゴルフクラブの感触を比較した。これらのゴルフクラブは、グリップ端部キャップの構築が異なることを除き、同様であった。結果は、異なる端部キャップの、プレーヤーの満足度及びパフォーマンスに対する効果を比較した。
【0052】
第1のゴルフクラブは、従来の非テーパ状端部キャップを有するグリップ(以降、「対照グリップ」と称する)を備えていた。第2のゴルフクラブは、
図2に示されたグリップと同様のグリップ(以降、「例示的グリップ」と称する)を備えていた。例示的グリップは、非把持表面を規定するテーパ状端部キャップを備えていた。グリップは、端部キャップの幾何学的形状が異なることを除き、同様であった。プレーヤーテストを実施して、対照グリップの非テーパ状端部キャップに対する、例示的グリップのテーパ状端部キャップの感触を比較した。
【0053】
プレーヤーテストには、例示的グリップと、テーパ状端部キャップの無いコントロール器具と、を用いて自身の経験を比較する調査に参加した、15人のプレーヤーが関与した。プレーヤーらは、同様の条件下で各クラブヘッドをテストし、ここで、ゴルフクラブヘッドは、同様のシャフト長さ及び同様のロフト角を含んでいた。さらに、プレーヤーテストは、典型的な表面上で実施された。
【0054】
テストの後、参加者らは、異なるグリップを用いた自身の快適性及び全般的パフォーマンスを含めた、グリップのパフォーマンス及び満足度ベースのいくつかのパラメータを等級付けした。グリップには、これらのパラメータの各々について、1から5の間の等級が与えられた。1という等級は、最低レベルの満足度を表し、5という等級は、最高レベルの満足度を表していた。各カテゴリにおける等級は、15人の参加者間で平均をとった。
【表1】
【0055】
上の表1に、プレーヤーテストの結果を例示している。まず、プレーヤーらには、「自身のスイング中における自身の両手の内のグリップ端部の安定性に、どの程度満足されましたか」と尋ねた。例示的グリップのスコアは、コントロールグリップの3.59のスコアよりも高い、4.06であった。調査したプレーヤーのうちの86%が、例示的グリップをどの程度動じないものと感じたかについて、「非常に満足した」又は「満足した」と表示した。1人のプレーヤーは、自身の両手が、ぐらつくコントロールグリップから滑り落ちる傾向にあったとコメントした。次に、プレーヤーらには、「グリップのコンツアーにどの程度満足されましたか」と尋ねた。例示的グリップのスコアは、ここでも、対照グリップの3.53のスコアよりも高い、3.82であった。調査したプレーヤーのうちの73%が、コンツアーの自然な感触に、「非常に満足した」又は「満足した」と表示した。プレーヤーらは、面取りが、非常に顕著であるとともに、自身の両手を把持領域へと自然に誘導することを助けたと述べた。その後、プレーヤーらには、「グリップ上に典型的に位置決めするであろう、グリップ上の同じ位置に、測定技術を用いずに自身の両手を位置決めする機能に、どの程度満足されましたか」と尋ねた。例示的グリップのスコアは、ここでも、コントロールグリップの3.50のスコアよりも高い、3.81であった。調査したプレーヤーのうちの71%が、例示的グリップの使用時に、自身の把持が、自身の通常の把持とどの程度同様であったかについて、「非常に満足した」又は「満足した」と表示した。プレーヤーらに対し、自身の全般的満足度の等級付けをするように求めると、例示的グリップのスコアは、対照グリップの、単に3.21のスコアよりも高い、3.71であった。数人のプレーヤーは、コントロールグリップが例示的グリップよりも重く且つ長く感じられたと述べた。この調査は、プレーヤーらのほとんどが、例示的グリップを使用して、より良好な経験を得たと結論付けた。
【0056】
テーパ状端部キャップは、当該技術全体における改善となる利点をもたらす。端部キャップの上側部分から材料を除去すること(即ち、端部キャップに面取り又はテーパを形成すること)で、ゴルファーは、グリップ本体の、安定性を有する部分の付近を把持するように促される。加えて、ゴルファーが可撓性センサ筐体に影響力を及ぼさないが故に、センサが保護される。実施した調査に基づき、テーパ状端部キャップは、グリップの端部の付近を把持するプレーヤーにとって、安定性を改善することができる。
【0057】
項目
項目1.ゴルフクラブであって、クラブヘッドと、シャフトと、グリップと、を備え、前記グリップは、バット端部と、チップ端部と、グリップ本体と、端部キャップと、を備え、前記グリップ本体が、第1の端部と、第2の端部と、1つ以上の受容アームと、を備え、前記第1の端部が、前記第2の端部の反対側に存在し、前記第1の端部が、前記バット端部に近接し、前記第2の端部が、前記チップ端部に近接し、前記受容アームが、前記第1の端部の付近に形成されており、前記端部キャップが、上側部分と、下側部分と、床部壁と、外径と、を備え、前記床部壁が、前記上側部分に近接して上側表面と、前記下側部分に近接して下側表面と、を備え、前記床部壁が、前記上側部分と前記下側部分との間の境界線を規定し、前記上側部分が、第1の周壁と、前記上側表面と、非把持表面と、リップと、を備え、前記上側表面が、前記上側部分内へ、前記第1の周壁を介して陥凹して、センサを収納する第1の空隙を形成し、前記下側部分が、第2の周壁と、前記下側表面と、1つ以上のフランジと、を備え、前記下側表面が、前記下側部分内へ、前記第2の周壁を介して陥凹して、第2の空隙を形成し、前記1つ以上のフランジが、前記1つ以上の受容アーム内に受容されて、前記端部キャップと前記グリップ本体との間に接続部を形成している。
【0058】
項目2.前記1つ以上の受容アーム及び前記1つ以上のフランジが、前記端部キャップを前記グリップ本体に固定するための密着した接続部を形成する相補的な幾何学的形状を有する、項目1のゴルフクラブ。
【0059】
項目3.前記1つ以上の受容アームが、1つの受容アーム、2つの受容アーム、3つの受容アーム、4つの受容アーム、又は、任意の好適な数の受容アームであることが可能である、項目1のゴルフクラブ。
【0060】
項目4.前記1つ以上のフランジが、1つのフランジ、2つのフランジ、3つのフランジ、4つのフランジ、又は、任意の好適な数のフランジであることが可能である、項目1のゴルフクラブ。
【0061】
項目5.前記端部キャップの最大外径がさらに、前記上側部分と前記下側部分との間の前記境界線を規定している、項目1のゴルフクラブ。
【0062】
項目6.前記第1の端部と前記第2の端部との間の表面が、把持表面を規定し、非把持表面が、前記端部キャップにより規定されている、項目1のゴルフクラブ。
【0063】
項目7.前記受容アームが、前記端部キャップと前記グリップ本体との間における前記接続部の外周を形成している、項目1のゴルフクラブ。
【0064】
項目8.前記センサが、接着剤を用いて、又は、プレス嵌めといった機械的手段を通じて、固定されている、項目1のゴルフクラブ。
【0065】
項目9.前記グリップ本体及び前記端部キャップが、一体的に形成されているか、接着剤を用いて共に固定されているか、又はさもなければ、接続されて、前記ゴルフクラブグリップを形成している、項目1のゴルフクラブ。
【0066】
項目10.前記第1の空隙が、第1の空隙直径を有し、前記リップが、前記第1の空隙よりも上に存在し、前記リップが、前記第1の空隙直径よりも小さなリップ直径を有して、前記センサを定位置に固定している、項目1のゴルフクラブ。
【0067】
項目11.前記上側表面が、複数の窪みを備えて、前記センサの周りに接着剤が流れることを可能にしている、項目1のゴルフクラブ。
【0068】
項目12.前記窪みが、前記上側表面の中心から外方に放射状に広がっている、項目11のゴルフクラブ。
【0069】
項目13.前記非把持表面が、テーパされるか、丸みをつけるか、面取りされるか、又はさもなければ、新たな形状を取る、ことが可能である、項目1のゴルフクラブ。
【0070】
項目14.前記ゴルフクラブグリップが、前記ゴルフクラブグリップの幾何学的中心を経由する長手方向軸を有し、前記非把持表面が、接平面、及び、前記長手方向軸と前記接平面との間において測定されるテーパ角度、を規定し、前記テーパ角度が、15度から80度の間である、項目1のゴルフクラブ。
【0071】
項目15.前記端部キャップが、前記グリップ本体よりも大きなショアA硬度を有する、項目1のゴルフクラブ。
【0072】
項目16.前記ゴルフクラブグリップが、前記ゴルフクラブグリップの幾何学的中心を経由する長手方向軸を有し、前記第1の空隙が、前記長手方向軸に沿って測定された空隙高さを規定し、前記空隙高さが、0.3インチから0.4インチの間である、項目1のゴルフクラブ。
【0073】
項目17.前記センサが、前記端部キャップの前記上側部分内に収納されている、項目1のゴルフクラブ。
【0074】
項目18.前記端部キャップがさらに、最大外径を規定し、前記最大外径が、前記ゴルフクラブグリップの前記バット端部から、0.2インチから0.8インチの間の距離だけオフセットされており、前記非把持表面が、前記最大外径から、前記バット端部に向けて、より小さな外径へのテーパを有する、項目1のゴルフクラブ。
【0075】
項目19.グリップを製造する方法であって、端部キャップを形成することであって、前記端部キャップが、複数の窪みを有する上側部分と、1つ以上のフランジを備えた下側部分と、を備えている、端部キャップを形成すること、グリップ本体を形成することであって、前記グリップ本体が、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部に近接して1つ以上の受容アームと、を備えている、グリップ本体を形成すること、前記1つ以上のフランジを前記1つ以上の受容アームに連結して、前記端部キャップと前記グリップ本体との間に確実な接続部を形成すること、前記グリップ本体及び前記端部キャップの前記下側部分内にシャフトを挿入すること、並びに、前記上側部分内にセンサを固定すること、を含み、前記センサが、接着剤を用いて、又は、プレス嵌めといった機械的手段を通じて、固定される。
【0076】
項目20.前記センサを固定するステップがさらに、前記複数の窪みを介して前記センサの周りに前記接着剤が流れることを可能にすることを含む、項目19のグリップを製造する方法。
【0077】
項目21.ゴルフクラブグリップであって、バット端部と、チップ端部と、グリップ本体と、端部キャップと、を備え、前記グリップ本体が、第1の端部と、第2の端部と、1つ以上の受容アームと、を備え、前記第1の端部が、前記第2の端部の反対側に存在し、前記第1の端部が、前記バット端部に近接し、前記第2の端部が、前記チップ端部に近接し、前記受容アームが、前記第1の端部の付近に形成されており、前記端部キャップが、上側部分と、下側部分と、床部壁と、外径と、を備え、前記床部壁が、前記上側部分に近接して上側表面と、前記下側部分に近接して下側表面と、を備え、前記床部壁が、前記上側部分と前記下側部分との間の境界線を規定し、前記上側部分が、第1の周壁と、前記上側表面と、非把持表面と、リップと、を備え、前記上側表面が、前記上側部分内へ、前記第1の周壁を介して陥凹して、センサを収納する第1の空隙を形成し、前記下側部分が、第2の周壁と、前記下側表面と、1つ以上のフランジと、を備え、前記下側表面が、前記下側部分内へ、前記第2の周壁を介して陥凹して、第2の空隙を形成し、前記1つ以上のフランジが、前記1つ以上の受容アーム内に受容されて、前記端部キャップと前記グリップ本体との間に接続部を形成している。
【0078】
項目22.前記1つ以上の受容アーム及び前記1つ以上のフランジが、前記端部キャップを前記グリップ本体に固定するための密着した接続部を形成する相補的な幾何学的形状を有する、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0079】
項目23.前記1つ以上の受容アームが、1つの受容アーム、2つの受容アーム、3つの受容アーム、4つの受容アーム、又は、任意の好適な数の受容アームであることが可能である、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0080】
項目24.前記1つ以上のフランジが、1つのフランジ、2つのフランジ、3つのフランジ、4つのフランジ、又は、任意の好適な数のフランジであることが可能である、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0081】
項目25.前記端部キャップの最大外径がさらに、前記上側部分と前記下側部分との間の前記境界線を規定している、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0082】
項目26.前記第1の端部と前記第2の端部との間の表面が、把持表面を規定し、非把持表面が、前記端部キャップにより規定されている、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0083】
項目27.前記受容アームが、前記端部キャップと前記グリップ本体との間における前記接続部の外周を形成している、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0084】
項目28.前記センサが、接着剤を用いて、又は、プレス嵌めといった機械的手段を通じて、固定されている、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0085】
項目29.前記グリップ本体及び前記端部キャップが、一体的に形成されているか、接着剤を用いて共に固定されているか、又はさもなければ、接続されて、前記グリップを形成している、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0086】
項目30.前記第1の空隙が、第1の空隙直径を有し、
前記リップが、前記第1の空隙よりも上に存在し、前記リップが、前記第1の空隙直径よりも小さなリップ直径を有して、前記センサを定位置に固定している、
項目1のゴルフクラブグリップ。
【0087】
項目31.前記上側表面が、複数の窪みを備えて、前記センサの周りに接着剤が流れることを可能にしている、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0088】
項目32.前記窪みが、前記上側表面の中心から外方に放射状に広がっている、項目11のゴルフクラブグリップ。
【0089】
項目33.前記非把持表面が、テーパされるか、丸みをつけるか、面取りされるか、又はさもなければ、新たな形状を取る、ことが可能である、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0090】
項目34.前記グリップが、前記グリップの幾何学的中心を経由する長手方向軸を有し、前記非把持表面が、接平面、及び、前記長手方向軸と前記接平面との間において測定されるテーパ角度、を規定し、前記テーパ角度が、15度から80度の間である、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0091】
項目35.前記端部キャップが、前記グリップ本体よりも大きなショアA硬度を有する、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0092】
項目36.前記グリップが、前記グリップの幾何学的中心を経由する長手方向軸を有し、前記第1の空隙が、前記長手方向軸に沿って測定された空隙高さを規定し、前記空隙高さが、0.3インチから0.4インチの間である、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0093】
項目37.前記センサが、前記端部キャップの前記上側部分内に収納されている、項目1のゴルフクラブグリップ。
【0094】
項目38.前記端部キャップがさらに、最大外径を規定し、前記最大外径が、前記グリップの前記バット端部から、0.2インチから0.8インチの間の距離だけオフセットされており、前記非把持表面が、前記最大外径から、前記バット端部に向けて、より小さな外径へのテーパを有する、項目1のゴルフクラブグリップ。
【国際調査報告】