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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】冷却素子を備えるホッパ
(51)【国際特許分類】
   B01J 4/00 20060101AFI20240129BHJP
   B01J 2/16 20060101ALI20240129BHJP
   B01J 2/02 20060101ALI20240129BHJP
   B01J 2/00 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
B01J4/00 105A
B01J2/16
B01J2/02 Z
B01J2/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543314
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2022051061
(87)【国際公開番号】W WO2022157164
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】21152809.6
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523272052
【氏名又は名称】ヤラ インターナショナル エイエスエイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィドツ、ピーテル
(72)【発明者】
【氏名】スミット、パスカル
【テーマコード(参考)】
4G004
4G068
【Fターム(参考)】
4G004CA00
4G004KA01
4G068AA01
4G068AB22
4G068AC20
4G068AD01
4G068AF12
(57)【要約】
本開示は、側壁によって画定された緩衝区画と、固体粒子を受容するための開口部を備える頂端部と、緩衝区画から固体粒子を分配するための開口部を備える底端部と、を備えるホッパに関する。緩衝区画は、緩衝区画において、固体粒子を冷却するための複数の本質的に垂直に位置決めされた冷却板状素子を備える。本開示は、当該ホッパを含むシステム、当該ホッパ又はシステムを動作させる方法、及び固体粒子の生成に更に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパであって、側壁によって画定された緩衝区画と、固体粒子を受容するように適合された開口部を備える頂端部と、前記緩衝区画から前記固体粒子を分配するように適合された開口部を備える底端部と、を備え、
-前記緩衝区画が、前記緩衝区画において、前記固体粒子を冷却するための複数の本質的に垂直に位置決めされた冷却板状素子を備え、
-前記ホッパが、冷却液のための、入口管及び出口管を備え、前記複数の冷却板状素子が、前記入口管及び前記出口管に流体接続されており、
-前記入口管及び前記出口管が、前記複数の冷却板状素子の上の前記緩衝区画に位置する、ホッパ。
【請求項2】
前記冷却板状素子の高さが、前記ホッパの高さの30~80%に対応しており、特に、前記冷却板状素子が、前記ホッパの前記底端部から前記頂端部に向かって垂直方向に延在している、請求項1に記載のホッパ。
【請求項3】
前記複数の冷却板状素子が、前記ホッパの前記高さの80%における水平断面と、前記ホッパの前記頂端部と、によって画定される容積内に延在しない、請求項1又は2に記載のホッパ。
【請求項4】
前記頂端部の面積が、前記底端部の前記開口部の面積よりも、5~20倍、特に7~15倍大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載のホッパ。
【請求項5】
前記入口管及び前記出口管が、前記緩衝区画において、平行かつ同じ高さである、請求項1~4のいずれか一項に記載のホッパ。
【請求項6】
前記複数の冷却板状素子が、ステンレス鋼で作製されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のホッパ。
【請求項7】
前記ホッパが、10~15t/時の流量で、10~20℃の冷却能力を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のホッパ。
【請求項8】
システムであって、一連の造粒機、特に流動床造粒機、ホッパ、及び粉砕機であって、前記ホッパが、請求項1~7のいずれか一項に記載のものであり、かつ固体粒子を前記粉砕機に供給するように構成されている、一連の造粒機、ホッパ、及び粉砕機システムと、粒子、好ましくは過大粒子を前記造粒機から前記ホッパに輸送するための第1の手段と、前記粉砕機から固体粒子を輸送するための第2の手段と、を備える、システム。
【請求項9】
前記ホッパに供給される粒子のサイズを制限するためのスクリーニングデバイスを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載のホッパを動作させるための方法であって、
a)前記複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、
b)固体粒子を前記ホッパの前記頂端部に提供するステップと、
c)冷却された固体粒子を前記ホッパの前記底端部の前記開口部を介して分配するステップと、を含む、方法。
【請求項11】
ステップa)が、前記冷却板状素子に冷却液を提供することを含み、前記冷却液の温度と等しい温度で前記固体粒子と接触している空気の相対湿度が、冷却される前記固体粒子の臨界相対湿度よりも低い、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
造粒機、特に流動床造粒機において固体粒子を生成するためのシステムにおいて、請求項1~7のいずれか一項に記載のホッパを動作させるための、請求項10又は11に記載の方法であって、
a)溶融物、特に、尿素、アンモニウム塩、硝酸塩、及び/又はそれらの混合物の群から選択される1つ以上を含む溶融物を、造粒機に方向付けるステップと、
b)前記造粒機において前記溶融物を造粒し、それにより規格内固体粒子、過小固体粒子、及び過大固体粒子を得るステップと、
c)前記複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、
d)前記過大固体粒子を、請求項1~7のいずれか一項に記載のホッパに方向付けるステップと、
e)前記冷却された過大固体粒子を、前記ホッパから粉砕機に分配し、それにより過小固体粒子を得るステップと、を含む、方法。
【請求項13】
請求項1~7のいずれか一項に記載のホッパを使用して、固体粒子、特にサイズ決定された固体粒子の生成のための方法であって、
a)前記ホッパの前記複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、
b)固体粒子を、前記ホッパの前記頂端部に、例えば、連続的又は断続的な様式で提供するステップと、
c)冷却された固体粒子を、前記ホッパの前記底端部の前記開口部を介して、例えば、連続的又は断続的な様式で分配するステップと、
d)前記冷却された固体粒子を、前記ホッパから粉砕機に分配して、前記固体粒子の粒径を低減させるステップと、
e)得られたいかなる過小固体粒子も、前記粉砕機から分離し、前記造粒機に方向付けるステップと、を含み、
b)において提供される前記固体粒子が、
i)溶融物、特に、尿素、アンモニウム塩、硝酸塩、及び/又はそれらの混合物の群から選択される1つ以上を含む溶融物を、造粒機に方向付けるステップと、
ii)前記造粒機において、特に流動床造粒機において、前記溶融物を造粒し、それにより粒子を得るステップと、
iii)所定のサイズ範囲に基づいて、前記得られた粒子を、規格内固体粒子、過小固体粒子、及び過大固体粒子の画分に分離するステップと、
iv)得られたいかなる過大固体粒子も、ステップbの前記固体粒子として前記ホッパに方向付けるステップと、によって得られる、方法。
【請求項14】
側壁によって画定される緩衝区画と、固体粒子を受容するように適合された開口部を備える頂端部と、前記緩衝区画から前記固体粒子を分配するように適合された開口部を備える底端部と、を備える、ホッパを改良するための方法であって、
a)冷却液のための入口管及び冷却液のための出口管に流体接続された複数の冷却板状素子を備えるアセンブリを提供するステップであって、前記複数の冷却板状素子が、互いに平行であり、前記入口管及び前記出口管が、前記冷却板状素子の同じ側に位置する、提供するステップと、
b)ステップa)において提供された前記アセンブリを、前記入口管及び前記出口管が、前記冷却板状素子の上にあるように、前記ホッパの前記緩衝区画に配置するステップと、
c)前記アセンブリの前記入口管及び前記出口管を、冷却液回路に接続するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学製造の分野に関し、具体的には、本開示は、冷却素子を備える新規なホッパを提供する。
【背景技術】
【0002】
ホッパは、粒子のための収集容器とも呼ばれ、材料、特に粒状又は微粒状材料を収集し、保持し、要求に応じて分配することができるデバイスである。ホッパは、保持する材料を容易に受容するための頂部に大きい開口部、及び制御された様式で材料を分配するための狭い底端部を備える容器である。ホッパは、代替的に、収束している側面を備える、すなわち漏斗のような形状を有する容器として説明され得る。ホッパは、肥料粒子などの化学物質の製造に広く使用されている。
【0003】
EP0444338A1(Cominco Ltd,1991)は、固体粒子を冷却するためのデバイスを開示している。デバイスは、複数の平行かつ間隔を置いて垂直に配置された熱交換器プレート、供給ホッパ、及び排出ホッパを備える。熱交換プレートは、ホッパの側面に位置する流体入口及び出口に接続されている。デバイスは、冷却する粒子の磨耗及び磨滅を低減する。
【0004】
US2020/0017416A1 (thyssenkrupp AG,2020)は、流動床造粒機、冷却器、及び製品スクリーンを含むシステムを開示している。製品スクリーンは、1つ以上の粉砕機を介して流動床造粒機に接続されている、過大粒子のための出口を備える。
【0005】
現在利用可能なホッパの機能は、その主な機能、すなわち材料を収集、保管、分配することに限定されている。ホッパが保持する材料を冷却し得る新しいホッパを開発する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP0444338A1
【特許文献2】US2020/0017416A1
【発明の概要】
【0007】
ホッパによって収集され、分配される粒子の温度が、ホッパにおける滞在中に減少するように、緩衝区画において冷却素子を備える、新しいタイプのホッパを開発することが可能であることが見出された。緩衝区画は、粒子などの材料が、使用又は分配前に提供又は保持されるホッパの区域である。
【0008】
本発明者らは、従来のホッパ、すなわち、いかなる冷却機能も備えないホッパを改良するための方法も見出した。既存のデバイスを改良することは、1つのデバイス、ホッパのみを修正することによって問題を解決することを可能にし、ホッパに接続されたデバイスなどの他のデバイスを変更する必要がないため、特に興味深い。また、改良されたホッパは、元のホッパよりもプラントにおいてより多くのスペースを使用しない。
【0009】
デバイスを改良することは、プラントが、コスト及びプラントの中断を最小限に抑えて、その能力又は機能を向上させることを可能にする。
【0010】
本発明は、添付の特許請求の範囲のセットによって定義される。
【0011】
第1の態様では、本開示は、側壁によって画定された緩衝区画と、固体粒子を受容するように適合された開口部を備える頂端部と、緩衝区画から固体粒子を分配するように適合された開口部を備える底端部と、を備えるホッパに関する。緩衝区画は、緩衝区画において、固体粒子を冷却するための複数の本質的に垂直に位置決めされた冷却板状素子を備える。
【0012】
別の態様では、本開示は、a)複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、b)固体粒子を、例えば供給物又は流れとして、例えば、連続的又は断続的な様式で、ホッパの頂端部に提供するステップと、c)冷却された固体粒子を、ホッパの底端部の開口部を介して、例えば、連続的又は断続的な様式で、分配するステップと、を含む、本開示によるホッパを動作させるための方法に関する。
【0013】
別の態様では、本開示は、本開示によるシステムを動作させるための方法であって、
I)当該ホッパの複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、
II)溶融物、特に尿素、アンモニウム塩、硝酸塩、及び/又はそれらの混合物の群から選択される1つ以上を含む溶融物を、造粒機に方向付けるステップと、
III)造粒機において、特に流動床造粒機において、溶融物を造粒し、それにより粒子を得るステップと、
IV)所定のサイズ範囲に基づいて、得られた粒子を、規格内固体粒子、過小固体粒子、及び過大固体粒子の画分に分離するステップと、
V)得られたいかなる過大固体粒子も当該ホッパに方向付けるステップと、
VI)当該いかなる過大固体粒子も、当該ホッパの頂端部に、例えば、連続的又は断続的な様式で提供するステップと、
VII)冷却された固体粒子を、当該ホッパの底端部の開口部を介して、例えば、連続的又は断続的な様式で分配するステップと、
VIII)冷却された固体粒子を、ホッパから粉砕機に分配して、固体粒子の粒径を低減させるステップと、
IX)得られたいかなる過小固体粒子も粉砕機から分離し、造粒機に方向付けるステップと、を含む、方法に関する。
【0014】
別の態様では、本開示は、本ホッパを使用して固体粒子の生成のための方法であって、
a)当該ホッパの複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、
b)固体粒子を、当該ホッパの頂端部に、例えば、連続的又は断続的な様式で提供するステップと、
c)冷却された固体粒子を、当該ホッパの底端部の開口部を介して、例えば、連続的又は断続的な様式で分配するステップと、
d)冷却された固体粒子を、ホッパから粉砕機に分配して、固体粒子の粒径を低減させるステップと、
e)得られたいかなる過小固体粒子も、粉砕機から分離し、造粒機に方向付けるステップと、を含み、
b)において提供される当該固体粒子が、
i)溶融物、特に尿素、アンモニウム塩、硝酸塩、及び/又はそれらの混合物の群から選択される1つ以上を含む溶融物を、造粒機に方向付けるステップと、
ii)造粒機において、特に流動床造粒機において、溶融物を造粒し、それにより粒子を得るステップと、
iii)所定のサイズ範囲に基づいて、得られた粒子を、規格内固体粒子、過小固体粒子、及び過大固体粒子の画分に分離するステップと、
iv)得られたいかなる過大固体粒子も、ステップbの当該固体粒子として当該ホッパに方向付けるステップと、によって得られる、方法に関する。
【0015】
別の態様では、本開示は、本開示によるホッパを使用して、造粒機、特に流動床造粒機において固体粒子を生成するための方法であって、a)溶融物、特に、尿素、アンモニウム塩、硝酸塩、及び/又はそれらの混合物の群から選択される1つ以上を含む溶融物を造粒機に方向付けるステップと、b)造粒機において溶融物を造粒し、それにより規格内固体粒子、過小固体粒子、及び過大固体粒子を得るステップと、c)本開示によるホッパの複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、d)本開示による過大固体粒子をホッパに方向付けるステップと、e)冷却された過大固体粒子を本開示によるホッパから粉砕機に分配し、それにより過大固体粒子、及び任意選択的にオンサイズ固体粒子も得るステップと、f)ステップe)において粉砕機から得られた過小固体粒子を造粒機に方向付けるステップと、を含む、方法に関する。
【0016】
別の態様では、本開示は、固体粒子を粉砕機に分配するための、本開示によるホッパの使用に関する。
【0017】
別の態様では、本開示は、サイズ決定された固体肥料粒子などの固体肥料粒子の製造における本開示によるホッパの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示によるホッパの特定の実施形態の図1の以下の説明は、例としてのみ示されており、本説明、その応用又は使用を限定することを意図するものではない。
図2図1と同じ実施形態を、垂直軸の周りに90°回転した後の別の図を示している。図面において、同一の参照番号は、同一又は類似の部分及び特徴を指す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
他に定義されない限り、技術用語及び科学用語を含む本発明の開示に使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。更なる指針として、本発明の教示をよりよく理解するために、用語の定義が含まれている。
【0020】
本説明で引用した全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0021】
本明細書で使用される場合、以下の用語は、以下の意味を有する:
【0022】
本明細書で使用される場合、「A」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、単数及び複数の両方の指示対象を指す。例として、「デバイス」は、1つ又は2つ以上の区画を指す。
【0023】
パラメータ、量、一時的な持続時間などの測定可能な値を指して本明細書で使用される「約」は、指定値の及び指定値からの、+/-20%以下、具体的には+/-10%以下、より具体的には+/-5%以下、更により具体的には+/-1以下、及び一層より具体的には+/-0.1%以下の変動を、そのような変動が開示された発明を実行するため適切である限りにおいて、包含することを意味する。しかしながら、「約」という修飾語が指す値自体も具体的に開示されることを理解されたい。
【0024】
本明細書で使用される倍、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、及び「含む(comprises)」並びに「からなる」は、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(includes)」又は「含有する(contain)」、「含有する(containing)」、「含む(含有する)」と同義であり、例えば構成要素に続くものの存在を特定し、かつ当該技術分野で知られているか、又は本明細書に開示されている追加の、記載されていない構成要素、特徴、素子、部材、ステップの存在を除外又は排除しない、包括的用語又は非制限用語である。
【0025】
端点による数値範囲の記載には、記載された端点だけでなく、その範囲内に含まれる全ての数値及び分数が含まれる。
【0026】
「重量パーセント」、「%重量」、又は「重量%」という表現は、本明細書及び説明全体を通じて、特に定義しない限り、製剤の全重量に基づく各成分の相対重量を指す。
【0027】
第1の態様では、本開示は、側壁によって画定された緩衝区画と、固体粒子を受容するための開口部を備える頂端部と、緩衝区画から固体粒子を分配するための開口部を備える底端部と、を備えるホッパに関する。緩衝区画は、緩衝区画において固体粒子を冷却するための複数の本質的に垂直に位置決めされた冷却板状素子を備える。
【0028】
ホッパは、生成プロセスにおいて、他の2つの装置の間で固体粒子の流れを調節するのに非常に好都合な装置である。例えば、固体粒子又は顆粒をコンベアベルトから粉砕機に移送するために使用することができる。固体粒子を正確な領域に一定の速度で分配し得る。ホッパは、緩衝区画を備える。緩衝区画は、ホッパの内部によって画定され得る。緩衝区画は、ホッパの内部容積によって提供され得る。緩衝区画は、ホッパの側壁、頂端部、及び底端部によって画定され得、緩衝区画において、固体粒子を、例えば、分配される前に、保持することができる。ホッパ及び緩衝区画の高さは、同じであり得る。ホッパの頂端部は、固体粒子を受容することを可能とするように少なくとも部分的に開口している。代替的に、ホッパの頂端部は、ホッパ及びその緩衝区画への固体粒子の提供を可能にするために、動作中に開放することができる蓋を備え得る。固体粒子は、連続的又は断続的な様式で、ホッパ又はその緩衝区画に提供され得る。したがって、頂端部は、連続的又は断続的な様式で、固体粒子を受容するように適合されている。固体粒子は、コンベヤベルト、熱交換器、パイプ、又は他の任意の好適な装置を介してホッパに提供され得る。製品シュート又は漏斗は、ホッパの頂端部の開口部の上に取り付けられて、固体粒子をホッパ内に導き得る。ホッパの底端部又は底部区域は、粒子が生成プロセスの別の装置へ分配される場所である。固体粒子は、連続的又は断続的な様式で、ホッパ又はその緩衝区画から排出することができる。したがって、底端部又は底部区域は、固体粒子の、連続的又は断続的な様式での排出を可能にするように適合されている。底端部は、顆粒などの固体粒子を分配するとき、部分的又は完全に開放され得る。底端部は、いかなる粒子も、ホッパから出るのを防ぐために閉鎖されるか、又は部分的に開放されるか、又は完全に開放され得る蓋などの移動可能なデバイスを備え得る。
【0029】
連続的又は断続的な様式で実行されるように適合され得る、ホッパ又はその緩衝区画への固体粒子の供給、及びホッパ又はその緩衝区画からの当該固体粒子の排出は、例えば、同様の様式で実行され、すなわち、供給が連続的に実行される場合は排出も同様に実行され、同様に、供給が断続的に実行される場合は排出も同様に実行される。ホッパ又はその緩衝区画には、その動作中に常に固体粒子が含有され得る。
【0030】
粒子をより正確な様式で分配するために、ホッパ又は緩衝区画の底端部の開口部は、多くの場合、ホッパ又は緩衝区画の頂端部の開口部よりも小さく、すなわち、より小さい面積を有する。頂端部の開口部は、ホッパ又は緩衝区画が受容するように適合されている全ての固体粒子を受容するのに十分な大きさでなければならない。開口部のサイズ及び形状は、固体粒子をホッパに提供する任意のプロセス又は任意の機器に適合させ得る。底端部の形状及びサイズは、固体粒子を分配する、ホッパ又は任意の装置の目的に応じて適合させ得る。
【0031】
動作中、ホッパ及びその緩衝区画は、固体粒子を受容及び/又は含有しており、少なくとも部分的に満杯に保たれ得、これは、ホッパの緩衝区画に常に固体粒子が存在することを意味する。これは、ホッパの分配流量が常に一定であることを確実にする。固体粒子は、ホッパにある間、周囲の大気と熱を交換し得る。しかしながら、固体粒子は、密集されている可能性があり、したがって、周囲大気との熱交換は制限される。
【0032】
本発明者らは、ホッパによって受容される粒子の温度が高すぎて、後続の装置に粒子を分配することができないという問題に直面した。これは、造粒プロセスを介する、後にホッパに送られる固体粒子の生成中に提供された熱の観点から特に観察された。例えば、粒子がホッパから粉砕機に分配される場合、固体粒子が、固体粒子が十分に粉砕されない温度を超えないことが重要である。実際、固体粒子は、粉砕機においてある特定の温度を超えると、粉砕時に固まり、より小さな自由に流動する固体粒子に粉砕されるのではなく、一種のペーストを形成する傾向がある。更に、ホッパに提供されたいくつかの粒子にはまだ内部に液相が含有されていることが観察された。これは、粒子が、特に、流動床造粒機、ドラム型造粒機、又はパン型造粒機などの造粒機において、ホットメルトから生成され得るため可能である。そのような液体は、次いで、粒子が粉砕されるときに粉砕機内にこぼれ、粉砕機内で固化し、最終的には蓄積後に粉砕機を詰まらせることになる。
【0033】
この問題を解決するために、ホッパの緩衝区画内に、本質的に垂直に位置決めされ、したがってその中に含有され得る冷却板状素子を追加することが構想され、究明された。粒子がホッパに提供されると、そのうちのいくつかが冷却板状素子に接触し、それらの温度が低減される。緩衝区画内での粒子移動により、冷却された粒子は、他のより温度の高い粒子と接触し、それらの温度も低減させ得る。分配される固体粒子の流れの全体的な温度の低減を達成するために、ホッパに存在する全ての固体粒子が冷却素子と接触する必要はない場合がある。
ホッパの壁を冷却して、内部の粒子を冷却することも考えられるが、冷却素子を緩衝区画に配置するは、固体粒子の冷却された部分との接触の面が、本解決策で大幅に大きくなるため、より迅速な冷却が可能になる。
【0034】
ホッパに冷却素子を追加することは、ホッパに接続されたデバイスにいかなる変更又は大きな影響も与えることなく、固体粒子の冷却を可能にする、例えば、一般的な又はオリジナルの機器セットアップへの干渉及び変更を最小限に抑えることを可能にする。
【0035】
冷却板状素子は、任意の種類の形状を有し得る。市販の製品は、多くの場合、正方形又は長方形の形状を有する。素子の形状は、ホッパの緩衝区画の形状に適合され得る。冷却板状素子は、ホッパの緩衝区画に適合する必要がある。素子は、緩衝区画の形状と同様の形状を有し得、すなわち、図1のデバイスのように、緩衝区画が台形の断面を有する場合、冷却板状素子も台形の断面を有し得る。これにより、冷却素子が、緩衝区画の形状によって許容される限り大きい表面積を有し、したがって可能な限り高い冷却効果を有し得ることが確実となる。
【0036】
一実施形態では、冷却板状素子は、台形形状を有する。
【0037】
冷却素子は、ピロープレート、すなわち、別個の場所で、例えば、溶接によって互いに接合された、例えば鋼などの材料の2枚の薄いシートで作製されたプレートであり得る。ピロープレートは、冷却液が存在し、流れることができる2枚のシートの間に、スペース又はチャネルを備える。
【0038】
冷却素子は、ホッパに、すなわち緩衝区画に位置決めされている。冷却素子は、ホッパ又はその緩衝区画の頂端部と底端部との間の距離に少なくとも部分的に沿って延在する方向に位置決めされ得る。ホッパは、多くの場合、その中に含有される任意の材料上の重力を利用するためのプロセスにおいて取り付けられるため、ホッパは、多くの場合、垂直に設けられ、すなわち、頂端部が底端部よりも垂直に上に位置決めされるが、異なる実施形態が想定され得る。同様に、冷却素子は、本質的に垂直に位置決めされ得、冷却素子の好ましい位置が、緩衝区画において、緩衝区画の頂端部及び底端部から見て、垂直に配向されていることを意味する。これにより、粒子の流れが素子によって妨げられないことが確実となり、粒子が素子に付着するリスク、又は粒子への損傷のリスクが低減される。しかし、冷却素子はまた、垂直位置と比較して角度を付けて位置決めされ得る。冷却素子の完全な垂直配置を達成する必要がない場合がある。冷却素子は、垂直から、最大20°、すなわち0~20°の角度、具体的には、最大10°、すなわち0~10°、より具体的には0~5°の角度で逸脱するように位置決めされ得る。
【0039】
複数の冷却素子は、側壁からある距離をおいて、緩衝区画の側壁に沿って、及び/又は緩衝区画内に、例えば、複数の冷却素子が緩衝区画の中心に向かって内側に延在するような様式で位置決めされ得る。冷却素子は、ホッパの壁に直接取り付けられ得る。いくつかの冷却素子は、冷却素子のアセンブリに構造的剛性を提供するために、互いに取り付けられ得る。
【0040】
一実施形態では、冷却板状素子の高さは、ホッパの高さの30~80%で構成されている。冷却板状素子のサイズは、ホッパの高さの30~80%に対応し得る。冷却板状素子は、ホッパの底端部から垂直方向に、ホッパの高さの30%~80%延在している場合がある。冷却板状素子は、ホッパの緩衝区画内に位置する必要がある。冷却素子の高さによって、固体粒子と冷却素子の間の接触時間が決まり、冷却素子が高いほど、接触時間は長い。冷却素子の高さは、ホッパを対象としている固体粒子がホッパに到達するときの、そのような固体粒子の温度、及びホッパの底端部における固体粒子の所望の温度に基づいて決定され得る。冷却素子は、ホッパの高さの30~80%で構成される高さを有し得ることが見出された。冷却素子がホッパの頂端部近くまで延在しないように、冷却素子の高さがホッパの高さの80%未満であることが好ましい場合があることが見出された。
【0041】
一実施形態では、冷却板状素子の高さは、ホッパの高さの30~65%、35~70%、40~70%、35~65%、40~65%、40~60%など、30~70%で構成される。
【0042】
冷却板状素子の役割は、固体粒子から熱を抽出することである。そのような熱交換は、様々なシステムで行われ得る。例えば、冷却素子は、ペルチェ素子とも呼ばれる熱電冷却プレートであり得、代替的に、冷却素子は、冷却液用のパイプを備え得る。ホッパにおける固体粒子は、冷却素子よりも高い温度を有し、物理的接触時に熱を冷却素子に伝達する。冷却液は、冷却素子に注入され、固体粒子によって与えられる熱を吸収することによって、プレートの温度を減少させる。
【0043】
一実施形態では、ホッパは、冷却液のための入口管及び出口管を備え、複数の冷却板状素子は、入口管及び出口管に流体接続されている。冷却板状素子は、冷却液によって冷却される場合、全ての冷却素子に冷却液を供給するために、ホッパに含まれる入口管及び出口管を有することが有利となり得る。入口管は、1つの入口管が複数の冷却素子に接続され、これらの冷却素子が互いに並列に接続されるように、冷却液のための入口及び冷却素子の各々への流体接続部を備え得る。代替的に、入口管を複数の冷却素子に接続することができ、これらの冷却素子は互いに直列に接続され得る。出口管は、入口管について示したのと同様の様式で、各冷却素子に流体接続され得、ホッパから引き出される冷却液のための1つの出口を備える。したがって、出口管は、1つの出口管が複数の冷却素子に接続され、これらの冷却素子が互いに並列に、又は代替的に直列に接続されるように、冷却液のための出口及び冷却素子の各々への流体接続部を備え得る。これにより、冷却液のための1つの入口及び1つの出口を備えるより簡素なシステムが提供される。代替策は、各冷却素子が、冷却液源又は冷却液タンクに個別に接続する必要がある冷却液のための入口及び出口を有することである。これにより、入口管及び出口管が複数の入口管及び出口管から構成され、入口管及び出口管の各対が、複数の冷却素子のうちの1つの冷却素子に別々に接続されることになる。
【0044】
一実施形態では、入口管及び出口管は、緩衝区画において互いに平行に、同じ高さに位置決めされている。
【0045】
一実施形態では、入口管及び出口管は、緩衝区画にある。
【0046】
一実施形態では、入口管又は出口管のうちの少なくとも1つは、ホッパの垂直方向において、冷却板状素子の上に位置する、すなわち、入口管又は出口管は、複数の冷却板状素子よりも、ホッパの頂端部の近く、特に入口管及び出口管の両方に位置する。これは、冷却素子が冷却液で満たされた後、オペレータが、冷却板状素子、入口管、及び出口管を備えるアセンブリを脱気することを可能にする。
【0047】
一実施形態では、入口管及び出口管は、ホッパの垂直方向において、複数の冷却板状素子の上に位置する、すなわち、入口管及び出口管は、複数の冷却板状素子よりも、ホッパの頂端部の近くに位置する。これにより、メンテナンスの際に、入口管及び出口管へのアクセスが容易になる。この構成により、冷却板状素子と入口管及び出口管とのアセンブリが、緩衝区画から容易に出し入れすることができるため、アセンブリのホッパへの取り付け及び取り外しが非常に容易にもなる。この構成は、従来のホッパ、すなわち、いかなる冷却素子も備えないホッパが、他のデバイス、例えば、ホッパに粒子を送達するように配置されたコンベアベルトへのいかなる修正も伴わずに、冷却ホッパに容易に変形されることを可能にする。この実施形態では、入口管及び出口管が、粒子に対して更なる障害物を生じ、粒子に更なる損傷を引き起こす可能性がある。しかしながら、これは、特に、ホッパが、粉砕機に粒子を供給するように構成されている場合、又は粒子が、溶液に溶融又は溶解される場合、必ずしも否定的なものではない。
【0048】
更に、入口管及び出口管が、緩衝区画にあるホッパは、新しい素子を収容するための追加のスペースを必要としない。入口管及び出口管が冷却液回路に接続されるためのあるスペースが必要であるが、そのような接続は、通常小規模かつ柔軟性が非常に高いため、スペースが限られた場所でも導入することができる。
【0049】
入口管及び出口管が複数の冷却板状素子の上に位置付けられ得るという事実は、冷却板状素子に含まれる液体チャネルが、冷却素子における冷却液の移動が十分であることを確実にするための好適なパターンを有することを必要とする。
【0050】
一実施形態では、複数の冷却板状素子は、ホッパの高さの80%の水平断面と、ホッパの頂端部と、によって画定される容積内に延在しない。ホッパの垂直方向の高さに関して、冷却板状素子は、ホッパの底端部から計算されたホッパの高さの80%までの高さまでホッパに見出され得る。これは、ホッパの最上部には、複数の冷却板状素子のいかなる部分、すなわち、ホッパの頂端部から高さの上部20%によって提供され、かつホッパの垂直方向に下方に延在する部分、及びこれによって提供されるホッパの緩衝区画の容積も含有することができないことを意味する。冷却素子が、ホッパの底部に向かって位置すること、特に、ホッパの高さの80%の水平断面と、ホッパの頂端部と、によって画定される容積内に冷却素子が延在しないことが好ましい場合がある。したがって、複数の冷却板状素子は、垂直な延在において、ホッパの底端部から計算されるホッパの高さの80%の高さまで延在する、緩衝区画の区域に見出され得る。ホッパは、使用中に、冷却板状素子がホッパにおいて粒子で覆われる、すなわち、ホッパが、複数の冷却板状素子の高さを超えて延在する底端部からの高さまで固体粒子で満たされる程度まで、固体粒子で満たされるように適合され得る。これにより、冷却素子の真上にあるホッパの断面が、動作において、固体粒子で完全に満たされることが確実となり、冷却素子間の固体粒子の流れが、ホッパ全体で均等又は類似することが確実となる。
【0051】
一実施形態では、頂端部の面積は、底端部の開口部の面積よりも、5~17倍、7~20倍、7~17倍、7~14倍、5~14倍など、5~20倍大きい。底端部よりもはるかに大きい面積を有する頂端部は、ホッパに特有である。これは、ベルトコンベアなどの精密な分配機構を伴わずに、様々なデバイスから固体粒子を受容することができ、非常に正確な様式で固体粒子を分配することができることを意味する。これは、同様のサイズの頂端部及び底端部を有する従来の熱交換器とは異なる。
一実施形態では、頂端部の面積は、底端部の面積よりも、9~11倍、特に約10倍大きい。
【0052】
一実施形態では、複数の冷却板状素子は、ステンレス鋼、炭素鋼、錬鉄、アルミニウム青銅、銅黄銅、アルミニウム、又は銅などの金属、特にステンレス鋼で作製されている。ステンレス鋼は、熱伝導性に優れ、腐食に強いことがある。材料の正確な選択は、システムの要件、例えばホッパによって処理される固体粒子の組成に基づいて、当業者によって行われ得る。
【0053】
一実施形態では、ホッパは、10~15t/時(メートルトン/時間)の流量で10~20℃の冷却能力を有する。
【0054】
一実施形態では、本開示によるホッパは、ホッパと、固体粒子をホッパに輸送するための手段と、を備えるアセンブリに含まれる。
【0055】
一実施形態では、ホッパと、固体粒子を輸送するための手段と、を備えるアセンブリはまた、スクリーニングデバイスを備え得る。スクリーニングデバイスは、ホッパに方向付けられる粒子のサイズが、特定のサイズを超えないことを確実にする。これは、ホッパに供給される固体粒子の流れの特性に対する適切な制御を可能にし、より効率的なホッパを設計することを可能にする。ホッパに冷却板状素子を取り付ける1つのリスクは、固体粒子が冷却素子間を適切に流れないことである。スクリーニングデバイスは、固体粒子をホッパに輸送するための手段において、又は輸送するための手段とホッパとの間に取り付けられ得る。
【0056】
固体粒子を輸送するための手段がコンベアベルトである場合、スクリーニングデバイスは、コンベアベルトの始点、又はベルト上の任意の点、又はコンベアベルトの終端に見出され得る。
【0057】
一実施形態では、アセンブリは、所望のメッシュサイズを有するスクリーニングデバイスを備え、加えて、緩衝区画における2つの冷却板状素子間の距離、又は冷却板状素子とホッパの壁との間の距離は、スクリーニングデバイスのメッシュサイズの4~8倍、具体的には4~6倍、更に具体的には5倍である。これは、ホッパにおける2つの冷却板状素子間の距離、又は冷却板状素子とホッパの壁との間の距離が、スクリーニングデバイスのメッシュサイズよりもかなり大きいことを示している。本開示によるホッパを備えるアセンブリが、スクリーニングデバイスも備える場合、ホッパにおける2つの冷却板状素子の間、又は冷却板状素子とホッパの壁との間の距離を維持することが、良好な冷却効果を提供し、緩衝区画内の粒子の流れに影響を与えないことが見出された。
【0058】
一実施形態では、本開示によるホッパは、生成システム、特に固体粒子の生成のためのシステム、特に固体肥料粒子の生成のためのシステムにおいて含まれる。本システムは、溶融物を固体粒子に変形するように適合された造粒機、本ホッパ、粉砕機に供給された固体粒子をより小さいサイズを備える固体粒子に粉砕するように適合された粉砕機、粒子を造粒機からホッパまで輸送するように適合された第1の輸送手段であって、当該粒子は好ましくは、造粒機から輸送され、かつ所定の粒径範囲の観点から過大粒子として分類される、第1の輸送手段と、粉砕機から得られた固体粒子を輸送するように適合された第2の輸送手段と、を備え得る。本システムは、一連の、溶融物を固体粒子に変形するための、流動床造粒機などの造粒機と、粉砕機に供給された固体粒子を、より小さいサイズを有する固体粒子に粉砕するための粉砕機に、固体粒子を供給するための本開示のホッパと、過大粒子を造粒機からホッパに輸送するための第1の手段と、及び固体粒子を粉砕機から輸送するための第2の手段と、を備え得る。造粒機において溶融物又は溶液を固体粒子に変形する場合、所望のサイズ又は直径を有する粒子のみを得ることが困難な場合がある。一定量の過大粒子、すなわち規格内粒子、又はオンサイズ粒子、すなわちサイズが所望の所定の範囲に含まれる粒子に加えて、必要なサイズよりも大きい直径を有する粒子、及び過小粒子、すなわち、規格内又はオンサイズ粒子とみなされる所定のサイズより小さい直径を有する粒子を得ることは非常に一般的である。生成プロセスにおける無駄を低減し、プロセスの全体の収率を増加させるために、過大粒子を単純に廃棄することは望ましくない。代わりに、過大粒子を、はるかにより小さい直径を有する粒子に粉砕し、これらの粒子を生成プロセスに再導入することが可能である。例えば、粉砕された粒子は、シード材料として造粒機に直接注入され得るか、又は再び溶融又は溶解され、溶融物又は溶液と混合され、造粒機に方向付けられ得る。
【0059】
規格内粒子は、貯蔵領域又はコーティングなどの更なる処理ステップに方向付けられ得る。過小粒子は、造粒機に再導入して、シード粒子として使用され得、また、溶融物中で混合され、造粒機に方向付けられ得る。そのようなシステムでは、過大粒子を造粒機からホッパに輸送するための手段がある。輸送するためのそのような手段には、例えば、コンベヤベルト、バケットエレベータ、製品シュート、又は空気圧コンベヤが含まれ得る。コンベアベルトの端部は、ホッパの上に位置しており、過大粒子をホッパに供給する。次いで、ホッパは、粒子を冷却し、ホッパの下に位置している粉砕機に分配する。固体粒子を輸送するための第2の手段は、粉砕機からプラントの所望の場所まで、粉砕された粒子を受容した。輸送するための第2の手段は、コンベヤベルト又はエレベータのうちの1つ以上であり得る。そのようなシステムにおけるホッパに冷却素子を取り付けることは、システムによって占有される全体のスペースが変化せず、かつ生成プロセスがいかなる他の変形も必要としないことを確実とする。
【0060】
一実施形態では、造粒機、本ホッパ及び粉砕機、並びに固体粒子を輸送するための2つの手段を含むシステムは、スクリーニングデバイスも含む。スクリーニングデバイスは、ホッパに方向付けられる粒子のサイズが、特定のサイズを超えないことを確実にする。これは、ホッパに供給される固体粒子の流れの特性に対する適切な制御を可能にし、より効率的なホッパを設計することを可能にする。ホッパに冷却板状素子を取り付ける1つのリスクは、固体粒子が冷却素子間を適切に流れないことである。
【0061】
一実施形態では、システムは、所望のメッシュサイズを有するスクリーニングデバイスを含み、加えて、ホッパにおける2つの冷却板状素子間の距離、又は冷却板状素子とホッパの壁との間の距離は、スクリーニングデバイスのメッシュサイズの4~8倍、具体的には4~6倍、更に具体的には5倍である。本開示によるホッパを含むシステムが、スクリーニングデバイスも含む場合、ホッパにおける2つの冷却板状素子の間、又は冷却板状素子とホッパの壁との間の距離を維持することが、良好な冷却効果を提供し、緩衝区画内の粒子の流れに影響を与えないことが見出された。
【0062】
別の態様では、本開示は、a)複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、b)固体粒子を、例えば、連続的又は断続的な様式で、ホッパの頂端部に提供するステップと、c)冷却された固体粒子を、ホッパの底端部の開口部を介して、例えば、連続的又は断続的な様式で、分配するステップと、を含む、本開示によるホッパを動作させるための方法に関する。
【0063】
複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化することはまた、冷却板状素子から熱を抽出する役割を担うプロセスをオンにすることも意味する。ステップのこの正確な性質は、冷却素子の性質に依存し得る。例えば、冷却素子が熱電プレートである場合、プレートを活性化するには、冷却素子に電力を提供する必要がある。冷却素子が冷却液体を介して冷却される場合、冷却効果を活性化することは、おそらく入口管を介して冷却素子に冷却液体を方向付けるステップを含む。
【0064】
冷却素子において冷却効果が活性化されると、固体粒子は、ホッパの頂端部に方向付けられ得る。粒子を分配し始める前に、固体粒子が、例えば、ホッパの垂直方向底端部から延在する好ましい容積又は高さとして定義される、ホッパの緩衝区画内の特定のレベルに到達するまで待つことが好ましい場合がある。例えば、ホッパから固体粒子を分配する前に、固体粒子が冷却板状素子を完全に覆うように待つことが好ましい場合がある。別の言い方をすれば、固体粒子が冷却素子を完全に覆う程度にホッパが粒子で満たされるまで、ホッパから粒子を分配しながら待つことが好ましい場合がある。代替的に、オペレータは、固体粒子が、ホッパの緩衝区画のある特定のレベルに到達するまで、例えば緩衝区画の容積の80%、又は90%、又は95%が固体粒子で満たされるか、又は固体粒子が複数の冷却板状素子を覆うか、又は固体粒子が、垂直方向に、底端部からホッパの高さの少なくとも80%の高さまで到達することを待つ場合がある。
【0065】
ホッパにおける粒子の所望のレベルが達成されると、底端部の開口部は、開放されて、粒子を分配し得る。
【0066】
別の態様では、本開示は、本開示によるホッパを使用して、固体粒子、特にサイズ決定された固体粒子の生成のための方法に関し、当該方法は、
a)当該ホッパの複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、
b)固体粒子を、当該ホッパの頂端部に、例えば、連続的又は断続的な様式で提供するステップと、
c)冷却された固体粒子を、当該ホッパの底端部の開口部を介して、例えば、連続的又は断続的な様式で分配するステップと、
d)冷却された固体粒子を、ホッパから粉砕機に分配して、固体粒子の粒径を低減させるステップと、
e)得られたいかなる過小固体粒子も、粉砕機から分離し、造粒機に方向付けるステップと、を含み、
b)において提供される当該固体粒子は、
i)溶融物、特に尿素、アンモニウム塩、硝酸塩、及び/又はそれらの混合物の群から選択される1つ以上を含む溶融物を、造粒機に方向付けるステップと、
ii)造粒機において、特に流動床造粒機において、溶融物を造粒し、それにより粒子を得るステップと、
iii)所定のサイズ範囲に基づいて、得られた粒子を、規格内固体粒子、過小固体粒子、及び過大固体粒子の画分に分離するステップと、
iv)得られたいかなる過大固体粒子も、ステップbの当該固体粒子として当該ホッパに方向付けるステップと、によって得られる。
【0067】
本固体粒子の生成の方法は、既知の固体粒子を生成する方法と比較して、より容易かつより効率的な様式で、望ましい所定のサイズの固体粒子を提供する。更に、ステップiii)での分離から得られるいかなる過小固体粒子も、造粒機に方向付けられて、プロセスにおいて再利用され得る。
【0068】
別の態様では、本開示は、本開示によるシステムを動作させる方法であって、
I)当該ホッパの複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、
II)溶融物、特に尿素、アンモニウム塩、硝酸塩、及び/又はそれらの混合物の群から選択される1つ以上を含む溶融物を、造粒機に方向付けるステップと、
III)造粒機において、特に流動床造粒機において、溶融物を造粒し、それにより粒子を得るステップと、
IV)所定のサイズ範囲に基づいて、得られた粒子を、規格内固体粒子、過小固体粒子、及び過大固体粒子の画分に分離するステップと、
V)得られたいかなる過大固体粒子も当該ホッパに方向付けるステップと、
VI)当該いかなる過大固体粒子も、当該ホッパの頂端部に、例えば、連続的又は断続的な様式で提供するステップと、
VII)冷却された固体粒子を、当該ホッパの底端部の開口部を介して、例えば、連続的又は断続的な様式で分配するステップと、
VIII)冷却された固体粒子を、ホッパから粉砕機に分配して、固体粒子の粒径を低減させるステップと、
IX)得られたいかなる過小固体粒子も粉砕機から分離し、造粒機に方向付けるステップと、を含む、方法に関する。
【0069】
システムを動作させる当該方法は、既知の固体粒子を生成する方法と比較して、より容易かつより効率的な様式で、望ましい所定のサイズの固体粒子を提供する。更に、ステップIV)での分離から得られるいかなる過小固体粒子も、造粒機に方向付けられて、プロセスにおいて再利用され得る。
【0070】
別の態様では、本開示は、本開示によるホッパを使用して、造粒機、特に流動床造粒機において固体粒子を生成するための方法であって、a)溶融物、特に、尿素、アンモニウム塩、硝酸塩、及び/又はそれらの混合物の群から選択される1つ以上を含む溶融物を造粒機に方向付けるステップと、b)造粒機において溶融物を造粒し、それにより規格内固体粒子、過小固体粒子、及び過大固体粒子を得るステップと、c)本開示によるホッパの複数の冷却板状素子の冷却効果を活性化するステップと、d)本開示による過大固体粒子をホッパに方向付けるステップと、e)冷却された過大固体粒子を本開示によるホッパから粉砕機に分配し、それにより過大固体粒子、及び任意選択的にオンサイズ固体粒子も得るステップと、f)ステップe)において粉砕機から得られた過小固体粒子を造粒機に方向付けるステップと、を含む、方法に関する。更に、ステップb)での造粒から得られるいかなる過小固体粒子も、造粒機に戻されて、プロセスで再利用され得る。
【0071】
ホッパ又はシステムの動作、又は固体粒子の生成に関連する上記に開示された方法を考慮すると、造粒機において溶融物又は溶液を固体粒子に変形する場合、所望のサイズ又は直径を有する粒子のみを得ることが困難である場合がある。ほとんどの場合、造粒機は、オンサイズ粒子、過小粒子、すなわち、必要な範囲よりも小さい直径を有する粒子、過大粒子、すなわち、必要な範囲よりも大きい直径を有する粒子を生成する。望ましい粒子サイズは、予め決定され得、本明細書の方法から得られる粒子を、当該所定の粒子サイズと比較し得る。生成プロセスは、例えば、最大量のオンサイズ粒子、又は最小量の過大粒子を得るために、異なる様式で最適化され得る。生成プロセスにおける無駄を低減し、プロセスの全体の収率を増加させるために、過大粒子を単純に廃棄することは望ましくない。代わりに、過大粒子を、はるかにより小さい直径を有する粒子に粉砕し、これらの粒子を生成プロセスに再導入することが可能である。例えば、粉砕された粒子は、シード材料として造粒機に直接注入され得るか、又は再び溶融又は溶解され、溶融物又は溶液と混合され、造粒機に方向付けられ得る。しかしながら、造粒機から得られる粒子は通常、非常に高温、例えば80℃を超えており、粉砕機を詰まらせるリスクのため、そのような高温で粒子を粉砕することは望ましくない場合がある。本発明によるホッパを使用することにより、本問題に対する非常にコンパクトな解決策が提供される。
【0072】
本システム、本システムを動作させる方法、及び固体粒子の生成のための方法では、過大粒子を造粒機からホッパに輸送するための手段が存在する。輸送するためのそのような手段には、例えば、コンベヤベルト、バケットエレベータ、製品シュート、又は空気圧コンベヤが含まれ得る。コンベアベルトの端部は、ホッパの上に位置しており、過大粒子をホッパに供給する。次いで、ホッパは、粒子を冷却し、ホッパの下に位置している粉砕機に分配する。固体粒子を輸送するための第2の手段は、粉砕機からプラントの所望の場所まで、粉砕された粒子を受容した。輸送するための第2の手段は、コンベヤベルト又はエレベータのうちの1つ以上であり得る。そのようなシステムにおけるホッパに冷却素子を取り付けることは、システムによって占有される全体のスペースが変化せず、かつ生成プロセスがいかなる他の変形も必要としないことを確実とする。
【0073】
一実施形態では、本明細書の方法は、冷却板状素子に冷却液を提供することを含み、冷却液の温度と等しい温度で固体粒子と接触している空気の相対湿度が、冷却される固体粒子の臨界相対湿度よりも低い。
【0074】
別の態様では、本開示は、固体粒子を粉砕機に分配するための、本開示によるホッパの使用に関する。
【0075】
別の態様では、本開示は、(サイズ決定された)固体肥料粒子の製造における本開示によるホッパの使用に関する。
【0076】
別の態様では、本開示は、側壁によって画定される緩衝区画と、固体粒子を受容するように適合された開口部を備える頂端部と、緩衝区画から固体粒子を分配するように適合された開口部を備える底端部と、を備えるホッパを、改良又は変形するための方法であって、
a)冷却液のための入口管及び冷却液のための出口管に流体接続された複数の冷却板状素子を備えるアセンブリを提供するステップであって、複数の冷却板状素子が、互いに平行であり、入口管及び出口管が、冷却板状素子の同じ側に位置する、提供するステップと、
b)ステップa)において提供されたアセンブリを、入口管及び出口管が、冷却板状素子の上にあるように、ホッパの緩衝区画に配置するステップと、
c)アセンブリの入口管及び出口管を、冷却液回路に接続するステップと、を含む、方法を提供する。
【0077】
本開示によるホッパの設計の利点は、いかなる冷却素子も備えていない従来のホッパを、固体粒子を冷却することに好適なホッパに容易に変形又は改良することができることである。
【0078】
冷却液のための入口管及び冷却液のための出口管を有する冷却板状素子のアセンブリは、冷却液のための入口管及び冷却液のための出口管に流体接続することによって生成された素子であり得る。複数の冷却板状素子は、互いに平行であり、入口管及び出口管は、冷却板状素子の同じ側に位置する。アセンブリがホッパに取り付けられたら、入口管及び出口管は、冷却素子の上を向いている側に接続される必要がある。
【0079】
次いで、ホッパのいかなる大きな修正も伴わずに、アセンブリは、ホッパの緩衝区画に配置される。ホッパは、生産ラインから取り外される必要はない。改良する方法では、冷却板状素子、入口管、及び出口管のアセンブリが、ホッパの上からホッパの緩衝区画に挿入されることができるように、ホッパの上に十分なスペースが必要なだけである。
【0080】
これは、高い温度を有する顆粒が粉砕機に供給されるという問題に対する容易かつ安価な解決策を提供するため、非常に興味深いものである。代替的な解決策は、ホッパを固体粒子のための熱交換器に置き換えることであるが、ホッパを取り外し、新しい熱交換器を取り付け、場合によっては新しい熱交換器に粒子を供給するデバイスを修正する、更により多くの作業が必要になる。
【0081】
特に入口管及び出口管を冷却液回路に接続するには、ホッパに若干の修正を実施する必要がある場合がある。冷却液回路は、冷却液を入口管に送達し、加熱された冷却液を出口管から除去するように構成されている。
【0082】
図1は、片側から見た本開示によるホッパの一実施形態を表す。ホッパ1は、頂端部2、底端部3、垂直かつ互いに平行に配置された、複数、例えば、30~40個の冷却板4を備える。冷却板4は、ステンレス鋼SS316Lから作製されており、冷却液のための入口管5及び冷却液のための出口管6に接続されている。冷却板の表面積を最適化するために、冷却板の側面は、ホッパの対応する側面と本質的に平行である。頂端部は、約3.8mであり、粒子を受容するために部分的に開放している。底端部は、約0.38mであり、完全に開放しており、すなわち、底端部の開口部は、0.38mである。冷却液は、プラントで利用可能であるプロセス水である。水は、ホッパの入口管において、37℃の温度を有する。冷却板4の高さは、ホッパ1の高さの56%である。
【0083】
図1のホッパは、流動床造粒機と、造粒機で生成された過大顆粒をホッパに輸送するためのコンベアベルトと、粉砕機であって、ホッパの底端部の開口部が粉砕機の真上に位置する、粉砕機と、得られた粉砕された顆粒を粉砕機から造粒機の入口まで輸送するためのコンベアベルトと、を備える、造粒ユニットの一部である。スクリーンは、造粒機の過大顆粒のための出口と、過大顆粒をホッパに輸送するためのコンベアベルトとの間に配置されており、10mmのメッシュサイズを有する。
ホッパにおける2つの冷却板4の間の距離は、約50mmである。例えば尿素を含む顆粒は、ホッパに到着するときに60~75℃の温度、ホッパから粉砕機に分配されるときに40~45℃の温度を有する。
【0084】
図2は、図1と同じ実施形態の別の図、すなわち垂直軸の周りを90°回転した後の図を表す。ホッパは、本質的に垂直かつ互いに平行、かつ入口管5に接続された複数の冷却板4を備える。出口管6は、入口管5と同じ水平面に位置する。
図1
図2
【国際調査報告】