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特表2024-505208コフィラメント、ロービング、ヤーン、半製品、コフィラメントの使用、及びコフィラメントを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】コフィラメント、ロービング、ヤーン、半製品、コフィラメントの使用、及びコフィラメントを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   D02G 3/04 20060101AFI20240129BHJP
   D02G 3/16 20060101ALI20240129BHJP
   D02G 3/12 20060101ALI20240129BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
D02G3/04
D02G3/16
D02G3/12
H05K9/00 W
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023544659
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 EP2021076363
(87)【国際公開番号】W WO2022156922
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】102021101494.8
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523279925
【氏名又は名称】ファイバーコート・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ハース
(72)【発明者】
【氏名】ローベルト・ブリュル
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・リュキング
【テーマコード(参考)】
4L036
5E321
【Fターム(参考)】
4L036MA04
4L036MA33
4L036MA39
4L036PA17
4L036PA46
4L036UA06
5E321BB34
5E321GG05
(57)【要約】
本発明は、第1のフィラメントと第2のフィラメントを備えるコフィラメントに関し、第1のフィラメントは有機物質からなり、第1のフィラメントは、400℃以上のガラス転移温度を有し、第2のフィラメントは金属物質からなり、第2のフィラメントは第1のフィラメントと接触する。更に、本発明は、このコフィラメントを備えるロービング、ヤーン、及び半製品、このコフィラメントの使用、及びこのコフィラメントを製造する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフィラメント(13)と第2のフィラメント(12)を備えるコフィラメント(10)であって、前記第1のフィラメント(13)は無機物質からなり、前記第1のフィラメント(13)は400℃以上のガラス転移温度を有し、前記第2のフィラメント(12)は金属物質からなり、前記第2のフィラメント(12)は前記第1のフィラメント(13)と接触する、コフィラメント。
【請求項2】
前記第1のフィラメント(13)は、660℃以上のガラス転移温度、好ましくは800℃以上のガラス転移温度、特に好ましくは1,000℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする、請求項1に記載のコフィラメント(10)。
【請求項3】
前記第1のフィラメント(13)は、30質量%以上の結合酸素含有量、好ましくは40質量%の結合酸素含有量、特に好ましくは44質量%以上の結合酸素含有量を有することを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項4】
前記第1のフィラメント(13)は、45質量%以上の二酸化ケイ素含有量、50質量%以上の二酸化ケイ素含有量、特に好ましくは55質量%以上の二酸化ケイ素含有量を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項5】
前記第1のフィラメント(13)は、12質量%以上の酸化アルミニウム含有量、好ましくは14質量%以上の酸化アルミニウム含有量、特に好ましくは16質量%以上の酸化アルミニウム含有量を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項6】
前記第1のフィラメント(13)は、0.5質量%以下の三酸化ホウ素含有量、好ましくは0.1質量%以下の三酸化ホウ素含有量、特に好ましくは0.01質量%以下の三酸化ホウ素含有量を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項7】
前記第1のフィラメント(13)はバサルトフィラメントであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項8】
前記第2のフィラメント(12)は、98質量%以上のアルミニウム含有量、好ましくは99質量%以上のアルミニウム含有量、特に好ましくは99.5質量%以上のアルミニウム含有量を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項9】
前記第1のフィラメント(13)は、円形又は角のある横断面を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項10】
前記第1のフィラメント(13)は、10μm以上で25μm以下の範囲の横方向延在、好ましくは10μm以上で20μm以下の範囲の横方向延在、特に好ましくは11μm以上で18μm以下の範囲の横方向延在を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項11】
前記第2のフィラメント(12)は、30μm以下の最大肉厚、好ましくは20μm以下の最大肉厚、特に好ましくは15μm以下の最大肉厚を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項12】
前記第2のフィラメント(12)は、0.2μm以上の最大肉厚、好ましくは0.5μm以上の最大肉厚、特に好ましくは1μm以上の最大肉厚を有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項13】
前記コフィラメント(10)は、10μm以上で55μm以下の範囲の最大横方向延在、好ましくは10μm以上で40μm以下の範囲の最大横方向延在、特に好ましくは11μm以上で35μm以下の範囲の最大横方向延在を有することを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項14】
前記第1のフィラメント(13)と前記第2のフィラメント(12)との間の接触領域は、前記第1のフィラメント(13)の円周の5%以上、好ましくは前記第1のフィラメント(13)の円周の10%以上、特に好ましくは前記第1のフィラメント(13)の円周の15%以上であることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項15】
前記第1のフィラメント(13)と前記第2のフィラメント(12)との間の接触領域は、前記第1のフィラメント(13)の円周の95%以下、好ましくは前記第1のフィラメント(13)の円周の90%以下、特に好ましくは前記第1のフィラメント(13)の円周の85%以下であることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)を備えるロービング。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)を備えるヤーン。
【請求項18】
請求項1~15のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)を備える半製品。
【請求項19】
電流を伝導するための、及び/又は熱を伝導するための、及び/又は電磁波を遮蔽するための、及び/又はアンテナの構成要素としての、請求項1~15のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)の使用。
【請求項20】
請求項1~15のいずれか一項に記載のコフィラメント(10)を製造する方法であって、以下の工程、すなわち
-ノズル延伸法又は紡糸法で第1のフィラメント(13)を形成する工程と、
-第1のフィラメント(13)を第2のフィラメント(12)で少なくとも部分的にコーティングする工程、を包含する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コフィラメント、ロービング、ヤーン、半製品、コフィラメントの使用、及びコフィラメントを製造する方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、無機物質で作られた第1のフィラメントと金属物質で作られた第2のフィラメントとを含むコフィラメントに関する。
【背景技術】
【0003】
技術分野ではフィラメントの重要性が高まり続けている。これは、とりわけ従来技術で知られているフィラメントが示す特性の幅の広がりに伴うものである。
【0004】
特に自動車技術、航空機及び宇宙航空機技術、並びに濾過の分野、特に触媒分野において、高温耐性があり、コスト効率の高い、それに加えて熱及び/又は電流伝導性でもあるフィラメントが生み出された。
【0005】
フィラメントから作られたさまざまな製品は、電流を伝導する、及び/又は電磁波を遮蔽する、及び/又は熱を伝導する、アンテナを形成するなどの熱及び/又は電気伝導性のフィラメントの分野で使用される。
【0006】
純粋なマルチフィラメント金属繊維は、その製造法、特に引抜成形法により、特にフィラメント径が50マイクロメートル未満の場合、製造価格が100~800ユーロ/kgと高価である。
【0007】
銀又はアルミニウムで電気めっきされたポリマー繊維は、2段階で時間のかかる製造プロセスであることから、200~500ユーロ/kgと、同様に多くの用途に適していない。更に、使用されるポリマーにより、特にPA6では80℃という連続使用温度が、エンジンの分野での用途には十分でない。
【0008】
炭素繊維は、10~100ユーロ/kgと、多くの用途にとって価格的に有利であるが、その導電性が、特に電磁シールドのために十分でない。
【0009】
多くの用途に、例えば電磁遮蔽の分野では、テキスタイルが平らに、後から銀、銅、又はアルミニウムでめっきコーティングもされる。ドレーピング時に、この層が亀裂を生じる可能性があり、この亀裂はアンテナとして機能して遮蔽を妨げる。フォイルにも同じことが当てはまる。フォイル、金属板、及びプレートは、部品又は空間のための十分なドレープ性及び賦形性も、空気がこの層を透過する可能性も提供せず、そのことが特に装置又は空間の冷却を難しくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が基礎とする課題は、従来技術に対する改善形態又は代替形態を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、第1のフィラメントと第2のフィラメントを備えるコフィラメントであって、第1のフィラメントは無機物質からなり、第1のフィラメントは400℃以上のガラス転移温度を有し、第2のフィラメントは金属物質からなり、第2のフィラメントは第1のフィラメントと接触する、コフィラメントが上記課題を解決する。
【0012】
これに関して、以下に用語を説明する。
【0013】
最初に、本特許出願の範囲内で、不定冠詞及び「1つ」、「2つ」などの数の表示は、一般に、「正確に1つ」、「正確に2つの~」などしか意味し得ないことがそれぞれの文脈から明確にならないか、又は当業者にとって明らか、又は技術的に必然でない限り、「最小限」の表示として、すなわち「少なくとも1つの~」、「少なくとも2つの~」などとして理解されるべきであることに明示的に言及しておく。
【0014】
本特許出願の範囲内で、「特に」という表現は常に、この表現によって任意的な、及び好ましい特徴が導入されるものと理解されたい。この表現を、「しかも」及び「すなわち」という意味で理解してはならない。
【0015】
「コフィラメント」は、異なった性質の物質の長手方向に延びる2つの部分フィラメントを有する、事実上、無限の長さを有する繊維又はフィラメントを表し、物質的に異なる2つのフィラメントが物理的及び/又は化学的に互いに接続されてコフィラメントとされる。特に、コフィラメントは、長さと直径の比が1,000以上である。
【0016】
「第1のフィラメント」とは、ノズルから、特にノズル延伸法又は紡糸法によって作製された、無機物質から作られた基本繊維と理解される。「第2のフィラメント」とは、金属溶融物を第1のフィラメントに付着させ、それを第1の要素(Element)上で凝固させることによって生成された繊維と理解される。言い換えれば、フィラメントは、事実上、無限の長さを有する繊維を表す。
【0017】
第1のフィラメントは、無機及び非金属物質からなり得る。第2のフィラメントは、有機金属物質からなり得る。「有機金属物質」とは、有機基又は有機化合物が金属原子に直接結合している物質と理解される。この説明の意味において、金属物質及び/又は有機金属物質は、ガラス転移温度を有していないことに明示的に言及しておく。
【0018】
殊に、コフィラメント、したがって第1のフィラメントと第2のフィラメントの両方は、10cm以上の長さを有し、好ましくは1m以上の長さを有し、特に好ましくは10m以上の長さを有する。
【0019】
第1のフィラメントを第の2フィラメントと直接接続することができる。特に、コフィラメントは、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の移行部に第1及び第2のフィラメントと異なる物質を有していない。殊に、第1のフィラメントと第2のフィラメントとは、複合物質によって、特に合成樹脂又はそれに類するものを含む複合物質によって接続されていない。殊に、コフィラメントは、好ましくは、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の移行部に空気中の水分の残留物のみを有する。
【0020】
殊に、コフィラメントは第1のフィラメントと第2のフィラメントからなる。特に、コフィラメントは、第1のフィラメント及び第2のフィラメント以外の物質、特にサイジングを含まない。
【0021】
第1のフィラメントは、殊に第2のフィラメントが第1のフィラメントに付着する前に前処理されず、特に第1のフィラメント及び/又は第2のフィラメントの物質とは異なる物質の作用下で前処理されない。
【0022】
殊に第2のフィラメントが第1のフィラメントに付着するとき、第1のフィラメントは周囲温度より高い温度を有する。殊に、第2のフィラメントが第1のフィラメントに付着するとき、第1のフィラメントは40℃以上の温度、好ましくは50℃以上の温度、特に好ましくは60℃以上の温度を有し、この温度は、第1のフィラメントが一次成形されたときの第1の熱から生じる。殊に、第2のフィラメントが第1のフィラメントに付着するとき、第1のフィラメントは、第1のフィラメントが一次成形されたときの第1の熱から生じる温度を有する。特に、第2のフィラメントが第1のフィラメントに付着する前に、第1のフィラメントは加熱されない。
【0023】
第2のフィラメントが第1のフィラメントに付着する前に、第1のフィラメントは、第1のフィラメントの一次成形後、1秒以下経過した状態(Alter)、殊に0.5秒以下経過した状態、特に好ましくは0.1秒以下経過した状態を有することができる。殊に、これによって、第2のフィラメントが第1のフィラメントに付着する前に、第1のフィラメントが周囲の空気中の水分と反応し得ることが防止可能であるか、又は防止される。
【0024】
「無機物質」とは、植物性又は動物性の成分を含まないか、又はこれらを不純物として少量しか含まない物質と理解される。特に、無機物質は、天然石、特に花崗岩、玄武岩、粘板岩、砂岩又は石灰岩と理解される。殊に、無機物質は、炭素を含まないか、又は不純物として少量しか含まない物質と理解される。殊に、無機物質は、セラミック、結晶化ガラス又は非晶質ガラス、特にEガラス、Sガラス又はCガラスを意味する。
【0025】
「金属物質」は、特に元素の周期表でホウ素からアスタチンまでの境界線の左及び下にある物質を示す。
【0026】
「1つの物質からなる」フィラメントは、この物質の他に、少量の不純物、特にプロセス技術に起因する不純物も含む可能性がある。更に、とりわけ複数の金属物質からなる混合金属も考えられる。特に、混合金属はわずかな不純物しか含まない。
【0027】
物質、特にガラス、ポリマー又はセラミックの「ガラス転移温度」は、物質が固い凝集体の状態から粘性又は液体状態に移行する温度を表す。
【0028】
ここでは、物質の性質が異なる化学的及び/又は物理的に結合された2つのフィラメントを有するコフィラメントが提案され、第1のフィラメントは無機物質からなり、第2のフィラメントは金属物質からなる。
【0029】
これによって、有利にも、コフィラメント内の異なったフィラメントの材料特性の統合を達成することができる。
【0030】
殊に、第1のフィラメントは、500℃以上のガラス転移温度、好ましくは570℃以上のガラス転移温度、特に好ましくは600℃以上のガラス転移温度を有する。
【0031】
コフィラメントは、第1の無機フィラメントを有し、それによってコフィラメントの高い引張強度、特に500N/mmを超える引張強度、及び高い弾性率、特に55,000N/mmを超える弾性率を達成することができる。
【0032】
コフィラメントは、金属の第2のフィラメントを有し、それによって、特に有利な熱及び/又は電流の伝導性、特に200Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗の導電性を達成することができる。
【0033】
好ましい実施形態によれば、金属の第2のフィラメントによって、150Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗、好ましくは110Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗、特に好ましくは75Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗を達成することができる。更に好ましくは、金属の第2のフィラメントによって、50Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗、好ましくは30Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗、特に好ましくは20Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗を達成することができる。特に好ましくは、金属の第2のフィラメントによって、10Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗、好ましくは8Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗、特に好ましくは5Ω/m未満のコフィラメントの電気抵抗を達成することができる。
【0034】
第1の無機フィラメントと第2の金属フィラメントの結合は、更に、優れた耐衝撃性を可能にし、それによって提案されるコフィラメントは防弾用途に良好に適する。更に、特にコフィラメントの物質組成に応じて、コフィラメントの優れた耐熱性と、良好な耐光性が得られる。提案されるコフィラメントが少なくとも400℃まで、好ましくは少なくとも500℃まで、特に好ましくは少なくとも600℃までの耐熱性を有することを示すことができた。
【0035】
温度耐性が高いことにより、コフィラメントを高温の環境条件、特にエンジンの近くで使用することができる。その場合、熱伝導性は、コフィラメントを介した熱の排出、特にモーターの冷却も可能にする。
【0036】
それに加えて、ここで提案されるコフィラメントは、耐疲労性と耐食性に関して特に良好な値を達成する。
【0037】
ここで提案されるコフィラメントは、殊に自然に存在する材料のみからなり、したがって特に環境に優しい。特に、コフィラメントは完全に化学的及び/又は物理的にリサイクルすることができる。
【0038】
更に、ここで提案されるコフィラメントは、Eガラスよりも優れた耐薬品性を有する。
【0039】
それに加えて、コフィラメントは極めてフレキシブルであり、更に加工してテキスタイル又はテキスタイル半製品にすることができる。
【0040】
テキスタイル又はテキスタイル半製品は、繊維ベースであり、特に不織布であり得る。テキスタイル又はテキスタイル半製品は、繊維ベースであり、特に編物類、殊に編物又は編地であり得る。テキスタイル又はテキスタイル半製品は、繊維ベースであり、特に延伸糸の系、殊にマット又はテープであり得る。テキスタイル又はテキスタイル半製品は、繊維ベースであり、特に交差糸の系、殊に織物又は編組物であり得る。コフィラメントから作られた半製品は、引き続き非常にフレキシブルであり、指定された使用場所で所望されるほとんどすべての最終形状にドレープすることができる。
【0041】
殊に、不織布の場合、特に第1の無機フィラメントの影響により、不織布が特に良好な断熱作用を有することを達成することができる。
【0042】
それに加えて、コフィラメントを更に加工してフィルタ用織布及び/又はフィルタ用不織布とすることもできる。23μm以下の非常に薄い最大横方向延在を達成できることによって、小さい粒子のための特に微細であるが、空気を引き続き透過できるフィルタ媒体を達成することができる。
【0043】
ここでは、コフィラメントの製造時に、第1のフィラメントをノズル延伸法又は紡糸法によって一次成形し、続いて溶融金属と接触させることが具体的に提案される。金属は、第1のフィラメントと接触すると凝固し、それによってコフィラメントが形成される。この製造によって、2つのフィラメントの特に安定した相互の付着を達成することができ、第2のフィラメントは、第1のフィラメントと物理的及び/又は化学的に結合される。物理的には、フィラメントは静止摩擦によって互いに結合される。化学的には、金属性の第2のフィラメントが無機の第1のフィラメントの分子に静電的に付着することができる。更に、金属の第2のフィラメントが無機の第1のフィラメントの分子と共有結合することができる。
【0044】
第1のフィラメントへの第2のフィラメントの付着は、有利にもコフィラメントが洗浄プロセスにおいても分解されないことを可能にし、特に金属の第2のフィラメントは無機の第1のフィラメントから洗い落とされない。
【0045】
第1のフィラメントの材料特性を第2のフィラメントの材料特性と組み合わせることによって、有利にも、既知のフィラメントに対して新種の材料特性、特に優れた化学結合、高温耐性、特に高い引張強度、及び高い耐薬品性を有し、これらが優れた熱及び/又は電気伝導性と組み合わせられたコフィラメントを達成することができる。更に有利には、異なった材料の組み合わせによって、特に第2の金属フィラメントによって反射効果を達成することができる。
【0046】
ここで提案されるコフィラメントは、特に本発明の第5の態様による方法によって、安価に製造することができる。低価格であるため、提案されるコフィラメントベースに既存の製品を置き換えて、新たな応用領域を開拓することができる。更に、軽量建築の分野での新種の用途を開拓することができる。
【0047】
合目的的な実施形態によれば、第1のフィラメントは、660℃以上のガラス転移温度、好ましくは800℃以上のガラス転移温度、特に好ましくは1,000℃以上のガラス転移温度を有する。
【0048】
殊に、第1のフィラメントは、700℃以上のガラス転移温度、好ましくは800℃以上のガラス転移温度、特に好ましくは900℃以上のガラス転移温度を有する。更に、殊に第1のフィラメントは、好ましくは950℃以上のガラス転移温度、好ましくは1050℃以上のガラス転移温度、特に好ましくは1100℃以上のガラス転移温度を有する。
【0049】
無機物質からなる第1のフィラメントの上述のガラス転移温度は、有利にも第1のフィラメントが特に良好な温度耐性を有することを可能にし、それにより、とりわけ、比較的高い融点を有する金属物質を第2のフィラメントに使用して、溶融液状でコフィラメントの第1のフィラメントに付着させることもでき、それによって、特に好ましい材料特性を有するコフィラメントを達成することができる。
【0050】
第1のフィラメントのガラス転移温度に関する上記の値は、厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案される第1のフィラメントのガラス転移温度の範囲の大きさの目安を提供するものである。
【0051】
好ましくは、第1のフィラメントは、30質量%以上の結合酸素含有量、好ましくは40質量%以上の結合酸素含有量、特に好ましくは44%以上の結合酸素含有量を有する。
【0052】
更に好ましくは、第1のフィラメントは、35質量%以上の結合酸素含有量、好ましくは、42質量%以上の結合酸素含有量、特に好ましくは45質量%以上の結合酸素含有量を有する。
【0053】
これに関して、以下に用語を説明する。
【0054】
第1のフィラメントの「結合酸素含有量」とは、第1のフィラメントに含まれるすべての結合酸素の合計、特に、無機の第1のフィラメントに含まれる任意の分子の結合酸素の合計と理解される。
【0055】
実験では、結合酸素含有量の上述の範囲が第2のフィラメントと第1のフィラメントとの間の付着のために特に有利であることを示すことができたこれによって、特に堅牢なコフィラメントを達成することができる。
【0056】
第1のフィラメントの結合酸素含有量に関する上記の値は、厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案される第1のフィラメントの結合酸素含有量の範囲の大きさの目安を提供するものである。
【0057】
特に合目的的な実施形態によれば、第1のフィラメントは、45質量%以上の二酸化ケイ素含有量、好ましくは50質量%以上の二酸化ケイ素含有量、特に好ましくは55質量%以上の二酸化ケイ素含有量を有する。
【0058】
二酸化ケイ素は、無機の第1のフィラメントの分子基本構造を形成するネットワーク形成剤である。上記の含有量は、無機の第1のフィラメントの材料特性、特に機械的特性、特に引張強度及び/又は弾性率を改善することを可能にする。
【0059】
実験は、二酸化ケイ素の上記された範囲によって、とりわけコフィラメントの温度耐性及び耐熱衝撃性を向上させることができることを示した。
【0060】
第1のフィラメントの二酸化ケイ素含有量に関する上記の値は、厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案される二酸化ケイ素含有量の範囲の大きさの目安を提供するべきものである。
【0061】
更に好ましくは、第1のフィラメントは、12質量%以上の酸化アルミニウム含有量、好ましくは14質量%以上の酸化アルミニウム含有量、特に好ましくは16質量%以上の酸化アルミニウム含有量を有する。
【0062】
酸化アルミニウムは、二酸化ケイ素と同様に、無機の第1のフィラメントの分子基本構造を形成するネットワーク形成剤である。酸化アルミニウムの割合は、第1のフィラメントの良好な特性、特に機械的特性、特に引張強度及び/又は弾性率をサポートする。
【0063】
実験で示されたように、第2のフィラメントの金属物質としてアルミニウムが使用される場合、第1のフィラメント中の酸化アルミニウムの割合が高いことによって、無機の第1のフィラメントとアルミニウムの第2のフィラメントとの間の付着を特に有利に向上させることができる。
【0064】
特に、第2のフィラメントの金属物質としてアルミニウムが使用される場合、酸化アルミニウムはアルミニウムの直接的な化学結合を可能にする。
【0065】
第1のフィラメントの酸化アルミニウムの割合に関する上記の値は、厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案される第1のフィラメントの酸化アルミニウム含有量の範囲の目安を提供するものである。
【0066】
合目的的な実施形態によれば、第1のフィラメントは、0.5質量%以下の三酸化ホウ素含有量、好ましくは0.1質量%以下の三酸化ホウ素含有量、特に好ましくは0.01質量%以下の三酸化ホウ素含有量を有する。
【0067】
三酸化ホウ素は、EU化学物質規制の下で危険物質として分類されている。その限りで、三酸化ホウ素の割合が少ないほうが有利である。
【0068】
特に好ましくは、第1のフィラメントは検出可能な量の三酸化ホウ素を含まない。
【0069】
第1のフィラメントの三酸化ホウ素の割合に関する上記の値は厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案される第1のフィラメントの三酸化ホウ素の範囲の大きさについての目安を提供するものである。
【0070】
好ましい実施形態によれば、第1のフィラメントは、10質量%以下の酸化マグネシウム含有量、好ましくは7質量%以下の酸化マグネシウム含有量、特に好ましくは5質量%以下の酸化マグネシウム含有量を有する。
【0071】
実験では、酸化マグネシウムの割合が増加すると、液相における第1のフィラメントの無機の出発材料の表面張力が向上し、それによって、液相における第1のフィラメントの延伸性を向上させることができる。更に、二酸化マグネシウムの割合が増加すると結晶化が抑制される。それに加えて、酸化マグネシウムの割合の増加により、第1のフィラメントの硬度を高めることができる。更に、特に酸化マグネシウムの割合の増加により第1のフィラメントの熱膨張が低減されるため、酸化マグネシウムの割合の増加によって第1のフィラメントの耐熱衝撃性を向上させることができる。酸化マグネシウムの割合の増加により第1のフィラメントの耐水性及び/又は耐酸性を向上させることができること、並びに酸化マグネシウムの割合の増加によりガラスの応力緩和(冷却)が促進されることを示すこともできた。更に、合目的的な実施形態によれば、第1のフィラメントは、20質量%以下の酸化カルシウム含有量、好ましくは10質量%以下の酸化カルシウム含有量、特に好ましくは8質量%以下の酸化カルシウム含有量を有する。
【0072】
実験では、第1のフィラメント中の酸化カルシウムの割合に関して、酸化カルシウムの割合が増加すると、第1のフィラメントの引張強度及び/又は曲げ強度を大幅に高めることができることが示された。更に、酸化カルシウム含有量の増加により、液相における第1のフィラメントの無機出発材料の表面張力及び密度を改善することができる。酸化カルシウムの割合の増加により結晶化の傾向を強め、第1のフィラメントの耐薬品性を向上させることもできる。
【0073】
特に好ましい実施形態によれば、第1のフィラメントの酸化マグネシウム含有量及び/又は酸化カルシウム含有量に対する酸化アルミニウム含有量の比率は1.0以上、好ましくは1.5以上、特に好ましくは2.0以上である。
【0074】
実験は、酸化マグネシウム含有量及び/又は酸化カルシウム含有量に対する酸化アルミニウム含有量の比率を増加させることによって第1のフィラメントの機械的強度を改善できることを示した。
【0075】
特に好ましくは、第1のフィラメントはバサルトフィラメントである。
【0076】
これに関して、以下に用語を説明する。
【0077】
「バサルト」とは、玄武岩、殊に化学添加物を含まない自然に存在する玄武岩と理解される。
【0078】
「バサルトフィラメント」は、90質量%を超えるバサルトを有する、又はバサルトからなる無機フィラメントと理解される。
【0079】
バサルト繊維及びその製造は従来技術においてすでに知られ、したがってコフィラメントの製造が少なくともバサルト繊維に関してすでに十分に実証されているという利点を得ることができる。
【0080】
更に、バサルトは、上述された有利な物質割合及び/又は物質組成の多くをすでに有し、したがって、無機の第1のフィラメントの製造に伴う労力をこれによって有利に低減することができる。
【0081】
更に、バサルトは比較的安価に、かつ容易に入手できる原料であり、それによってコフィラメントによる利用可能性も高まり、価格を下げることができる。特に、バサルト繊維の繊維製造に必要なエネルギーは、炭素繊維又はガラス繊維又は金属繊維に比べて格段に少ない。
【0082】
特に合目的的な実施形態によれば、第2のフィラメントは、98質量%以上のアルミニウム含有量、好ましくは99質量%以上のアルミニウム含有量、特に好ましくは99.5質量%以上のアルミニウム含有量を有する。
【0083】
アルミニウムは、特に良好な熱伝導性と同時に、非常に良好な導電性を有する金属物質であり、これによって、これらの特性をここで提案されるコフィラメントに特に有利に利用することができる。
【0084】
更に、アルミニウムは非常に良好な変形性を示し、それにより金属としてアルミニウムを使用することによって、コフィラメントのフレキシビリティを非常に良好に発現させることができる。良好な変形性は、第2のフィラメントの変形力によって第1のフィラメントに横方向の荷重が加わったとしても、これを低減し、それによってコフィラメントをよりフレキシブルに使用でき、かつコフィラメントの寿命を有利に引き延ばすことができる。
【0085】
これに加えて、アルミニウムを使用することによって、特に酸化アルミニウムとの化学結合による第1のフィラメントのアルミニウムとの付着を他の金属と比べて良好にできるという、殊に相乗的な効果も得られる。
【0086】
それに加えて、アルミニウムの約660℃という比較的低い融点は、コフィラメントを製造するための第1のフィラメントが比較的低いガラス転移温度を有することができることを可能にする。
【0087】
アルミニウムの良好な耐食性は、コフィラメントの考えられる指定使用環境のフレキシビリティを更に高める。
【0088】
第2のフィラメントのアルミニウム含有量に関する上記の値は厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案される第2のフィラメントのアルミニウムの割合の大きさの目安を提供するものである。
【0089】
任意的な実施形態によれば、第2のフィラメントは、98質量%以上の銅含有量、好ましくは99質量%以上の銅含有量、特に好ましくは99.5質量%以上の銅含有量を有する。更に好ましくは、第2のフィラメントは、90質量%以上の銅含有量、好ましくは94質量%以上の銅含有量、特に好ましくは96質量%以上の銅含有量を有する。
【0090】
特に好ましくは、第2のフィラメントは実質的に銅からなり、殊に第2のフィラメントは銅からなり、かつ比較的少ない量の不純物しか含まない。
【0091】
任意的に、第1のフィラメントは円形又は角のある横断面を有する。
【0092】
ここで、とりわけ、ノズル延伸法又は紡糸法で製造された第1のフィラメントが円形の断面、特に楕円形の断面、又は角のある断面、特に正方形の断面、矩形の断面、六角形の断面、又はn個の角のある断面を有することが考えられる。更に、前述の基本形状のうちの少なくとも2つから構成される複合断面形状も考えられる。
【0093】
その場合、第2のフィラメントの形状が第1のフィラメントの形状に適合することも考えられる。第1のフィラメントが円形の断面を有する場合、第2のフィラメントには、殊に三日月形、中空円筒形、或いは同様に円形又は楕円形が考えられる。第1のフィラメントが矩形の形状を有する場合、第2のフィラメントには、第1のフィラメントを部分的に取り囲む三日月形或いは円形又は楕円形、或いは第1のフィラメントを完全に取り囲む中空体が考えられる。n個の角がある横断面を有する第1のフィラメントに適合される形状についても一般に同じことが考えられる。換言すれば、第2のフィラメントは、第1のフィラメントとの接触領域に、第1のフィラメントに対応する形状を有する。
【0094】
第2のフィラメントは、第1のフィラメントとは反対の側に、殊に、コフィラメントの製造中に一時的に溶融液状の金属物質の表面張力によって生ぜしめられる曲線形状を有する。
【0095】
好ましい実施形態によれば、第1のフィラメントは、3.5μm以上で25μm以下の範囲の横方向延在、好ましくは10μm以上で20μm以下の範囲の横方向延在、特に好ましくは11μm以上、18μm以下の範囲の横方向延在を有する。
【0096】
更に、殊に、第1のフィラメントは、11μm以上で16μm以下の範囲の横方向延在、好ましくは12μm以上で15μm以下の範囲の横方向延在、特に好ましくは12μm以上で14μm以下の範囲の横方向延在を有する。
【0097】
これに関して、以下に用語を説明する。
【0098】
「横方向延在」とは、フィラメントの長手延在方向に対して横向きのフィラメントの延在、特に第1のフィラメントの長手延在方向に対して横向きの第1のフィラメントの延在、又はコフィラメントの長手延在方向に対して横向きのコフィラメントの延在と理解される。
【0099】
第1のフィラメントの横方向延在に関して上述した値は、第2のフィラメントの殊に、同様に最適化されたジオメトリとの相互作用により、多数の用途にとって最適なコフィラメントの材料特性の発現を可能にする。
【0100】
第1のフィラメントの横方向延在に関する上記の値は厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案されている第1のフィラメントの横方向延在の範囲の大きさの目安を提供するものである。
【0101】
好ましくは、第2のフィラメントは、200μm以下の最大肉厚、好ましくは160μm以下の最大肉厚、特に好ましくは130μm以下の最大肉厚を有する。
【0102】
更に好ましくは、第2のフィラメントは、100μm以下の最大肉厚、好ましくは75μm以下の最大肉厚、特に好ましくは50μm以下の最大肉厚を有する。更に好ましくは、第2のフィラメントは、30μm以下の最大肉厚、好ましくは20μm以下の最大肉厚、特に好ましくは15μm以下の最大肉厚を有する。更に好ましくは、第2のフィラメントは、10μm以下の最大肉厚、好ましくは8μm以下の最大肉厚、特に好ましくは5μm以下の最大肉厚を有する。特に好ましくは、第2のフィラメントは、1μm以下の最大肉厚、好ましくは0.1μm以下の最大肉厚、特に好ましくは0.01μm以下の最大肉厚を有する。
【0103】
合目的的な実施形態によれば、第2のフィラメントであって、第1のフィラメントを完全に取り囲む第2のフィラメントは、30μm以下の肉厚、特に第2のフィラメントの最大材料厚さ、好ましくは20μm以下の最大肉厚、特に好ましくは15μm以下の最大肉厚を有する。更に好ましくは、第2のフィラメントは、8μm以下の肉厚、好ましくは5μm以下の最大肉厚、特に好ましくは2μm以下の最大肉厚を有する。
【0104】
これに関して、以下に用語を説明する。
【0105】
「最大肉厚」とは、特定の断面のフィラメント、特に第2のフィラメントの最大肉厚と理解される。
【0106】
特に好ましくは、第2のフィラメントは、0.2μm以上の最大肉厚、好ましくは0.5μm以上の最大肉厚、特に好ましくは1μm以上の最大肉厚を有する。
【0107】
更に特に好ましくは、第2のフィラメントは、1.5μm以上の最大肉厚、好ましくは2μm以上の最大肉厚、特に好ましくは3μm以上の最大肉厚を有する。
【0108】
実験では、上記された第2のフィラメントの最大肉厚は、その最大値及び/又はその最小値に関して、特に、殊に最適化された第1のフィラメントの横方向延在に関しても、材料必要量とコフィラメントの達成可能な特性との間の非常に良好な妥協を可能にすることが判明した。
【0109】
第2のフィラメントの最大肉厚に関する上記の値は厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案される第2のフィラメントの最大肉厚の範囲の大きさの目安を提供するものである。
【0110】
好ましい実施形態によれば、コフィラメントは、10μm以上で55μm以下の範囲の最大横方向延在、好ましくは10μm以上で40μm以下の範囲の最大横方向延在、特に好ましくは11μm以上で35μm以下の範囲の最大横方向延在を有する。
【0111】
更に、好ましい実施形態によれば、コフィラメントは、11μm以上で30μm以下の範囲の最大横方向延在、好ましくは12μm以上で25μm以下の範囲の最大横方向延在、特に好ましくは12μm以上で20μm以下の範囲の横方向延在を有する。殊に、コフィラメントは、12μm以上で18μm以下の範囲の最大横方向延在、好ましくは13μm以上で17μm以下の範囲の最大横方向延在、特に好ましくは14μm以上で16μm以下の範囲の横方向延在を有する。
【0112】
特に好ましくは、コフィラメントの最大横方向延在は18μm以下である。
【0113】
用途分析に関して、コフィラメントの最大横方向延在に関する前述の値は、大部分の用途にとって特に有利であることが判明した。
【0114】
全体として、これによって、新種の材料特性も有する特に細いフィラメントを達成することができる。細いフィラメントは、特に細かい粒子の濾過を可能にする。
【0115】
コフィラメントの最大横方向延在に関する前述の値は、厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案されるコフィラメントの最大横方向延在の範囲の大きさの目安を提供するものである。
【0116】
任意的な実施形態によれば、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の接触領域は、第1のフィラメントの円周の1%以上、好ましくは第1のフィラメントの円周の5%以上、特に好ましくは第1のフィラメントの円周の10%以上である。
【0117】
好ましくは、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の接触領域は、第1のフィラメントの円周の20%以上、好ましくは第1のフィラメントの円周の30%以上、特に好ましくは第1のフィラメントの円周の40%以上である。更に好ましくは、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の接触領域は、第1のフィラメントの円周の50%以上、好ましくは第1のフィラメントの円周の60%以上、特に好ましくは第1のフィラメントの円周の70%以上である。特に好ましくは、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の接触領域は、第1のフィラメントの円周の80%以上、好ましくは第1のフィラメントの円周の90%以上、特に好ましくは第1のフィラメントの円周の100%に等しい。
【0118】
これに関して、以下に用語を説明する。
【0119】
「接触領域」とは、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の接触線と理解される。
【0120】
任意的に、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の接触領域は、第1のフィラメントの円周の95%以下、好ましくは第1のフィラメントの円周の90%以下、特に好ましくは、第1のフィラメントの円周の85%以下である。好ましくは、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の接触領域は、第1のフィラメントの円周の75%以下、好ましくは第1のフィラメントの円周の65%以下、特に好ましくは第1のフィラメントの円周の55%以下である。
【0121】
接触領域の大きさによって、有利にも、第2のフィラメントの材料必要量とコフィラメントの材料特性との間の妥協を最適化することができる。
【0122】
第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の接触領域に関する前述の値は、厳密な限度として理解されるべきではなく、むしろ記載される本発明の態様から逸脱することなく、技術者的尺度で上回るか、又は下回る可能性があることに明示的に言及しておく。簡単に言えば、これらの値は、ここで提案されている第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間の接触領域の大きさの目安を提供するものである。
【0123】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様によるコフィラメントを有するロービングが上記課題を解決する。
【0124】
これに関して、以下に用語を説明する。
【0125】
「ロービング」とは、ストランドにした複数のコフィラメントの束、特に平行に配置されたコフィラメントの束と理解される。
【0126】
本発明の第1の態様によるコフィラメントの利点が、上述したように、本発明の第1の態様によるコフィラメントを有するロービングに直接及ぶことは自明である。
【0127】
第2の態様の対象は、本発明の上記の態様の対象と有利に組み合わせ可能であり、しかも個別にも、或いは任意の組み合わせで累積的にも組み合わせ可能であることを明示的に指摘しておく。
【0128】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様によるコフィラメントを有するヤーンが上記課題を解決する。
【0129】
これに関して、以下に用語を説明する。
【0130】
「ヤーン」とは、ストランドにした複数のコフィラメントの束と理解され、ヤーンのコフィラメントはヤーンの長手軸の周りに撚られている。特に、ヤーンは、ヤーン長さとヤーン直径との比率が100以上である。
【0131】
本発明の第1の態様によるコフィラメントの利点が、上述したように、本発明の第1の態様によるコフィラメントを有するヤーンに直接及ぶことは自明である。
【0132】
第3の態様の対象は、本発明の前述の態様の対象と有利に組み合わせることができ、しかも個別に、又は任意の組み合わせで累積的に組み合わせることができることを明示的に言及しておく。
【0133】
殊に、ショートカット繊維又はロングカット繊維が上記課題を解決し、ショートカット繊維又はロングカット繊維は、本発明の第1の態様によるカットコフィラメント、又は本発明の第2の態様によるカットロービング、又は本発明の第3の態様によるカットヤーンを有する。
【0134】
「ショートカット繊維」とは、本発明の第1の態様によるコフィラメント、又は本発明の第2の態様によるロービング、又は第3の態様によるヤーンから切断することによって製造された繊維と理解され、ショートカット繊維は6mm以下の長さを有する。
【0135】
「ロングカット繊維」とは、本発明の第1の態様によるコフィラメント、又は本発明の第2の態様によるロービング、又は本発明の第3の態様によるヤーンから切断することによって製造された繊維と理解され、ロングカット繊維は60mm以下で6mmより長い長さを有する。
【0136】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様によるコフィラメント及び/又は本発明の第2の態様によるロービングを備える半製品が上記課題を解決する。
【0137】
これに関して、以下に用語を説明する。
【0138】
「半製品」又は「半完成テキスタイル」は、コフィラメントから事前に作製された原材料、特にテキスタイルと理解され、事前に作製された原材料は、殊に基本的な幾何学形状のコフィラメントを有する。テキスタイル又はテキスタイル半製品は、繊維ベースであり、特に不織布であり得る。テキスタイル又はテキスタイル半製品は、繊維ベースであり、特に編物類、殊に編物又は編地であり得る。テキスタイル又はテキスタイル半製品は、繊維ベースであり、特に延伸糸の系、殊にマット又はテープであり得る。テキスタイル又はテキスタイル半製品は、繊維ベースであり、特に交差糸の系、殊に織物又は編組物であり得る。
【0139】
殊に、半製品とは、ショートカット繊維又はロングカット繊維と理解され、ショートカット繊維又はロングカット繊維は、本発明の第1の態様によるカットコフィラメント、又は本発明の第2の態様によるロービング、又は本発明の第3の態様によるカットヤーンを有する。
【0140】
更に、殊に不織布は、ショートカット繊維及び/又はロングカット繊維から構成される半製品と理解され、ショートカット繊維及び/又はロングカット繊維は、本発明の第1の態様によるカットコフィラメント、又は本発明の第2の態様によるカットロービング、又は本発明の第3の態様によるカットヤーンを有する。
【0141】
本発明の第1の態様によるコフィラメントを含む半製品は、電磁波に対するシールド用の中実の金属プレートの優れた代替品となることができ、それによってシールドの重量を劇的に低減することができる。これは特にモビリティの分野に特に当てはまる。
【0142】
本発明の第1の態様によるコフィラメントの利点が、上述したように、本発明の第1の態様によるコフィラメントを有する半製品に直接及ぶことは自明である。
【0143】
第4の態様の対象は、本発明の上述の態様の対象と有利に組み合わせることができ、しかも個別に、又は任意の組み合わせで累積的に組み合わせることができることを明示的に言及しておく。
【0144】
本発明の第5の態様によれば、電流を伝導するため、及び/又は熱を伝導するため、及び/又は電磁波を遮蔽するため、及び/又はアンテナの構成部品としての、本発明の第1の態様によるコフィラメントの使用が上記課題を解決する。特に、アンテナにコフィラメントを使用する場合、コフィラメントの特に良好な導電性により、有利にも、コフィラメントが、特に低周波数の電磁パルスの場合に、有利にもアンテナから電磁パルスを導出することを達成することができる。これによって、アンテナを電磁パルスから効果的に保護することができる。
【0145】
本発明の第1の態様によるコフィラメントは、とりわけ、その電気及び/又は熱伝導性、及び/又はその引張強度、及び/又はその温度耐性、及び/又はその耐薬品性、及び/又はその多孔性及び/又はそのドレープ性及び/その抗ウイルス効果及び/又はその難燃性に関して利点を有する。
【0146】
これらの利点を多数のさまざまな用途に、製品の機能を向上させるために使用することができる。とりわけ、ここでは具体的に、バッテリハウジング、特にテキスタイルにおける、殊にスマートテキスタイル、特にスキーソックス及び/又は冬用ジャケットを加熱するためのセンサ及び/又はアクチュエーター及び/又は電源の接続のための導体路、並びに/或いはスマートテキスタイル、特にポンチョ、及び/又はマタニティ服、及び/又は作業服の電磁シールド、並びに/或いはフィルタ、特に重油フィルタから電流を逃す、並びに/或いは特にエアフィルタにおいて濾過効果を向上させる、並びに/或いはCT室及び/又はEMP防護のための電磁波シールド壁紙、並びに/或いは、特にEMP防護及び/又はサーバ室のための電磁波シールドカーテンのための、並びに/或いは金属物品、特にアルミニウムリム及び/又はアルミニウムボディ、及び/又はアルミニウムダイキャスト部品及び/又はそれに類するものの強化繊維として、並びに/或いは特に繊維強化コンクリート及び/又はオルガノボード及び/又はそれに類するものの複合助剤として、並びに/或いは抗ウイルス服及び/又は防護マスク及び/又は消防防火服及び/又はそれに類するもの、並びに/或いは特にアンテナ及び/又は構造物監視及び/又は測定値検知用のセンサ系、並びに/或いはダイポール、特にアンテナ及び/又はデコイ、並びに/或いは遮断用、特に絶縁体及び/又は反射板のためのコフィラメントの使用が考えられる。
【0147】
本発明の第1の態様によるコフィラメントの利点が、上述したように、本発明の第1の態様によるコフィラメントの使用に直接及ぶことは自明である。
【0148】
第5の態様の対象は、本発明の上記の態様の対象と有利に組み合わせ可能であり、しかも個別に、又は任意の組み合わせで累積的に組み合わせ可能であることを明示的に言及しておく。
【0149】
本発明の第6の態様によれば、本発明の第1の態様によるコフィラメントを製造する方法が上記課題を解決し、方法は、以下の工程、すなわち
-ノズル延伸法又は紡糸法で第1のフィラメントを形成する工程と、
-第1のフィラメントを第2のフィラメントで少なくとも部分的にコーティングする工程を包含する。
【0150】
ここでは、本発明の第1の態様による有利なコフィラメントを製造する方法が提案される。
【0151】
とりわけ、ここで提案される方法では、第1のフィラメントを第2のフィラメントでコーティングすることが、第1のフィラメントを溶融液状の金属と接触させることによって行われ、第1のフィラメントは、接触箇所上をその長手延在方向に案内されることが考えられる。これによって、溶融液状の金属が第1のフィラメントに付着し、第1のフィラメントによってその移動方向に一緒に運ばれ、固い凝集状態へ移行し、第1のフィラメントに付着する第2のフィラメント、特に第1のフィラメントと接触する第2のフィラメントが形成される。
【0152】
その場合、第2のフィラメントでコーティングする前に第1のフィラメントを溶融物から引き離すことができる。
【0153】
殊に、第1のフィラメントを、殊に第1のフィラメントがそのガラス転移温度を下回った後に、溶融液状の金属物質と接触させ、更に殊に、第1のフィラメントは、接触の時点に金属物質の溶融温度よりも高い温度を有する。無機の第1のフィラメントと溶融金属との接触は、特に、無機の第1の繊維と溶融液状の金属物質との間の接触時間が数ミリ秒の範囲で行われるため可能である。殊に、ここで提案される短い接触時間により、溶融液状の金属物質の温度の影響によって無機繊維の材料特性が損なわれないことを達成することができる。
【0154】
その場合、第1のフィラメントを接触リップで金属物質に接続させることが提案される。接触リップの領域では金属物質が溶融液状であるため、とりわけ、金属物質の溶融温度より高い温度で固体として存在する材料からリップを形成することが考えられる。特に、この場合、金属物質で濡らしたセラミックでできたリップが考えられ、それにより第1のフィラメントをリップに隣接する金属物質と接触させることができる。
【0155】
合目的的な実施形態によれば、コフィラメントの製造中にリップが振動することが考えられる。これによって、有利にも溶融液状の金属物質の連続的な流動挙動を改善することができ、それによって第2のフィラメントの層厚をより小さく、及び/又は層厚をより均一に及び/又は第2のフィラメントの最大肉厚をより均一にすることができる。
【0156】
実験は、コフィラメントを、殊に500m/min以上で4,000m/min以下の範囲の速度で、好ましくは2,500m/min以上で1,300m/min以下の範囲の速度で、特に好ましくは900m/min以上で1,500m/minの範囲の速度で製造できることを示した。これによって、有利にも、従来に比べて生産性を向上させることができ、それにより製造される繊維を安価に製造できる。
【0157】
殊に、コフィラメントは、第1のフィラメントを第2のフィラメントで少なくとも部分的にコーティングした後に巻き取られる。
【0158】
第6の態様の対象は、本発明の上記の態様の対象と有利に組み合わせ可能であり、しかも個別に、又は任意の組み合わせで累積的に組み合わせ可能であることを明示的に言及しておく。
【0159】
本発明の更なる利点、詳細及び特徴は、以下に説明する実施例から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
図1】コフィラメントの第1の実施形態を概略的に示す図である。
図2】コフィラメントの第2の実施形態を概略的に示す図である。
図3】コフィラメントの第1の実施形態の長手方向の断面図を概略的に示す図である。
図4】コフィラメントの第2の実施形態の長手方向の断面図を概略的に示す図である。
図5】コフィラメントの第3の実施形態を概略的に示す図である。
図6】コフィラメントの第4の実施形態を概略的に示す図である。
図7】コフィラメントの第5の実施形態を概略的に示す図である。
図8】ヤーンの第1の実施形態を概略的に示す図である。
図9】ヤーンの第2の実施形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0161】
以下の説明において、同一の符号は、同一の構成部品又は同一の特徴を示すものであり、したがって1つの図に関して行われている構成部品の説明はその他の図にも有効であり、説明の繰り返しが回避される。さらに、一実施形態との関連で説明された個々の特徴を、他の実施形態で別々に使用することもできる。
【0162】
図1及び図3の第1実施形態によるコフィラメント10は、実質的に、無機物質からの第1のフィラメント13と、金属物質からの第2のフィラメント12からなる。
【0163】
第1のフィラメント13は、4000℃以上のガラス転移温度を有する。
【0164】
第2のフィラメント12は三日月形に形成され、第1のフィラメント13と接触する。
【0165】
図2及び図4の第2の実施形態によるコフィラメント10は、実質的に、無機物質から作られた第1のフィラメント13と、金属物質から作られた第2のフィラメント12からなる。
【0166】
第2のフィラメント12は、第1のフィラメント13の周囲に、殊に一定の肉厚を有する均質な外套を形成する。
【0167】
図5の第3の実施形態によるコフィラメント10は、第1のフィラメント13と第2のフィラメント12との間の比較的小さい接触領域によって形成され、それにより個々のフィラメント12、13が2つ一組で隣り合わせて配置される。
【0168】
図6の第4の実施形態によるコフィラメント10は、共通の第2のフィラメント12によって互いに接続された3つの第1のフィラメント13を有する。第4の実施形態によるコフィラメント10は、殊に第1及び/又は第2及び/又は第3の実施形態の3つのコフィラメント10の金属の第2のフィラメント12を融着させることによってもたらされる。
【0169】
図7の第5の実施形態によるコフィラメント10は、共通の第2のフィラメント12によって互いに接続された3つの第1のフィラメント13を有する。殊に、第4の実施形態のコフィラメント10のようにこれを得ることができる。
【0170】
図8の第1の実施形態によるヤーン20、又は図9の第2の実施形態によるヤーン20は、第1及び/又は第2及び/又は第3及び/又は第4及び/又は第5の実施形態による複数のコフィラメント10からなる。
【符号の説明】
【0171】
10 コフィラメント
12 第2のフィラメント
13 第1のフィラメント
20 ヤーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】